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  • 特許-係留装置および係留方法 図1
  • 特許-係留装置および係留方法 図2
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  • 特許-係留装置および係留方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】係留装置および係留方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 9/18 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
B66C9/18
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019069744
(22)【出願日】2019-04-01
(65)【公開番号】P2020169066
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】518126144
【氏名又は名称】株式会社三井E&Sマシナリー
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】向井 隆浩
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-199567(JP,A)
【文献】実開昭59-112885(JP,U)
【文献】米国特許第01450735(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定体とこの固定体に対して一軸方向に沿って相対的に移動する移動体との間に設置されていて前記固定体に前記移動体を固定する係留装置において、
前記移動体の移動方向に対して交わる方向の面であり対向する一対の支持面を有する凹部と、一対の前記支持面の間に配置されるとともに前記支持面にそれぞれ接触可能に構成される一対の被支持面を有する凸部とを有する支持構造部を備えていて、
前記支持構造部が、対面する前記支持面と前記被支持面との間に形成される隙間を有するとともに、前記支持面に対して前記被支持面が傾斜可能に構成されていて、
前記移動体の移動にともない前記支持面に対して前記被支持面が傾斜して、一方の前記被支持面を一方の前記支持面が支持するとともに、他方の前記被支持面を他方の前記支持面が支持することで前記移動体の移動を拘束する構成を前記支持構造部が備えることを特徴とする係留装置。
【請求項2】
前記支持構造部が、複数の前記凹部とこれに対応する複数の前記凸部とを有する請求項1に記載の係留装置。
【請求項3】
前記支持面および前記被支持面を貫通する軸部材を前記支持構造部が備えていて、
前記凹部および前記凸部が前記軸部材を貫通させる貫通孔をそれぞれ有していて、
前記支持面に対して前記被支持面が最大限傾斜して前記支持面が前記被支持面を支持する際に前記軸部材の軸方向と交わる方向の力が前記軸部材に発生しない状態に前記軸部材の外径よりも前記貫通孔の内径が大きく形成される請求項1または2に記載の係留装置。
【請求項4】
前記移動方向に交わる方向において一端に前記凹部または前記凸部の一方が形成されていて他端に係合部が形成される第一部材と、この第一部材に設置される前記軸部材と、前記凹部または前記凸部の他方が形成されていて前記軸部材を介して前記第一部材に連結される第二部材とを備えていて、前記固定体または前記移動体の一方に設置される係合機構と、
前記固定体または前記移動体の他方に設置されていて前記係合部と係合する受け部とを備える請求項3に記載の係留装置。
【請求項5】
前記係合部と前記受け部とが前記支持構造部を形成する請求項4に記載の係留装置。
【請求項6】
固定体に対して一軸方向に沿って相対的に移動する移動体を前記固定体に固定させる係留方法において、
前記移動体の移動方向に対して交わる方向の面であり対向する一対の支持面を有する凹部と、一対の前記支持面の間に配置されるとともに前記支持面にそれぞれ接触可能に構成される一対の被支持面を有する凸部とを有する支持構造部を前記固定体と前記移動体との間に形成して、
前記支持構造部が、対面する前記支持面と前記被支持面との間に形成される隙間を有するとともに、前記支持面に対して前記被支持面が傾斜可能に構成されていて、
前記移動体の移動にともない前記支持面に対して前記被支持面が傾斜して、一方の前記被支持面を一方の前記支持面が支持するとともに、他方の前記被支持面を他方の前記支持面が支持することで前記移動体の移動を拘束することを特徴とする係留方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定体に対して移動体を固定させる係留装置および係留方法に関するものであり、詳しくは比較的小型でありながら係留する力の比較的大きい係留装置および係留方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーンを岸壁に固定する係留装置が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の係留装置はクレーンに設置されるアンカーと、岸壁に形成されていてアンカーを挿入する開口部とを備えている。台風の接近時にアンカーを地面の開口部に挿入することでクレーンを岸壁に固定することができる。
【0003】
同様に台風の接近時にはクレーンの水平桁に沿って横行するトロリも水平桁に固定することが望ましい。アンカーは大型であり重量も大きいため、比較的高所に設置されるトロリや水平桁に設置することは容易ではなかった。また開口部はアンカーが挿入できる程度の大きさが必要であり且つアンカーからの荷重を支持するための強度が必要であった。そのため開口部も大型であり周辺の補強部材等により重量が大きい構造となる。このような開口部をトロリや水平桁に形成することは容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2018-43822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は比較的小型でありながら係留する力の比較的大きい係留装置および係留方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための係留装置は、固定体とこの固定体に対して一軸方向に沿って相対的に移動する移動体との間に設置されていて前記固定体に前記移動体を固定する係留装置において、前記移動体の移動方向に対して交わる方向の面であり対向する一対の支持面を有する凹部と、一対の前記支持面の間に配置されるとともに前記支持面にそれぞれ接触可能に構成される一対の被支持面を有する凸部とを有する支持構造部を備えていて、前記支持構造部が、対面する前記支持面と前記被支持面との間に形成される隙間を有するとともに、前記支持面に対して前記被支持面が傾斜可能に構成されていて、前記移動体の移動にともない前記支持面に対して前記被支持面が傾斜して、一方の前記被支持面を一方の前記支持面が支持するとともに、他方の前記被支持面を他方の前記支持面が支持することで前記移動体の移動を拘束する構成を前記支持構造部が備えることを特徴とする。
【0007】
上記の目的を達成するための係留方法は、固定体に対して一軸方向に沿って相対的に移動する移動体を前記固定体に固定させる係留方法において、前記移動体の移動方向に対して交わる方向の面であり対向する一対の支持面を有する凹部と、一対の前記支持面の間に配置されるとともに前記支持面にそれぞれ接触可能に構成される一対の被支持面を有する凸部とを有する支持構造部を前記固定体と前記移動体との間に形成して、前記支持構造部が、対面する前記支持面と前記被支持面との間に形成される隙間を有するとともに、前記支持面に対して前記被支持面が傾斜可能に構成されていて、前記移動体の移動にともない前記支持面に対して前記被支持面が傾斜して、一方の前記被支持面を一方の前記支持面が支持するとともに、他方の前記被支持面を他方の前記支持面が支持することで前記移動体の移動を拘束することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、支持構造部により係留する力を増大させることができる。比較的小型な係留装置で比較的大きな係留する力を得るには有利である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】係留装置を斜視で例示する説明図である。
図2図1の支持構造部を拡大して例示する説明図である。
図3】支持構造部が移動体を拘束する原理を説明する説明図である。
図4】係留装置の変形例の係留解除時の状態を例示する説明図である。
図5図4の係留装置の係留時の状態を例示する説明図である。
図6】支持構造部と軸部材との関係を例示する説明図である。
図7図4の支持構造部が移動体を拘束する原理を説明する説明図である。
図8】支持構造部の変形例を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、係留装置および係留方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。図中では移動体の移動方向を矢印x、この移動方向を直角に横断する横断方向を矢印y、上下方向を矢印zで示している。
【0011】
図1に例示するように係留装置1は、例えば岸壁クレーンの水平桁で構成される固定体2と、水平桁に沿って移動するトロリで構成される移動体3との間に設置される。以下、岸壁クレーンのトロリを係留する係留装置1を例に説明するが、本発明はトロリを係留する係留装置1に限らない。例えば岸壁クレーンや門型クレーンを岸壁に固定するための係留装置1としても利用することができる。
【0012】
トロリで構成される移動体3は、水平桁に敷設されるレールに沿って移動するため、移動方向は一軸方向に決まる。また移動体3は固定体2に対して相対的に移動する。図1では説明のため移動体3の移動方向を白抜き矢印で示している。岸壁クレーンや門型クレーンで構成される移動体3も同様に、車輪の向きやレールとの関係から移動方向は一軸方向に決まる。
【0013】
固定体2には、複数の凹部4を有する部材が固定されている。以下この部材を第一部材5ということがある。移動体3には、複数の凸部6を有する部材が固定されている。以下この部材を第二部材7ということがある。
【0014】
この実施形態では第一部材5および第二部材7はいずれもボルトにより固定体2または移動体3に固定されている。第一部材5および第二部材7の少なくとも一方は取り外し可能に構成されている。第一部材5および第二部材7の一方はボルトの代わりに溶接等により固定される構成としてもよい。
【0015】
第一部材5と第二部材7とは凹部4と凸部6とが組み合わさる状態で配置されている。この凹部4と凸部6とで構成される部分を以下支持構造部8ということがある。
【0016】
図2に例示するように支持構造部8を構成する凹部4は一対の支持面9を備えている。また支持構造部8を構成する凸部6は一対の被支持面10を備えている。図2では説明のため凹部4と凸部6とが分離した状態を示すとともに、支持面9および被支持面10の一部を破線で示している。
【0017】
一対の支持面9は互いに対向する状態で配置されている。一対の被支持面10は、一対の支持面9の間であり支持面9とそれぞれ対向する状態で配置されている。この実施形態では支持面9および被支持面10は移動体3の移動方向xに直交する面で形成されている
。支持面9および被支持面10の面方向は移動方向xに直交する方向に限らない。支持面9および被支持面10は移動方向xと交わる方向の面であればよく、移動方向xと平行となる面でなければよい。この実施形態では一対の支持面9は互いに平行となる状態で配置されていて、一対の被支持面10は互いに平行となる状態で配置されている。一対の支持面9どうしまたは一対の被支持面10どうしが互いに平行とならない状態で配置されていてもよい。また支持面9と被支持面10とが平行とならない状態で配置されていてもよい。
【0018】
クレーンによる荷役を行う通常時は、第一部材5または第二部材7の一方を固定体2または移動体3から取り除いておき、支持構造部8が形成されない状態としておく。トロリは水平桁に沿って自由に走行することができる。台風の接近時などトロリを係留する必要がある場合には、トロリを係留位置に移動させるとともに、取り除かれていた第一部材5または第二部材7を設置して支持構造部8を形成させる。トロリは係留装置1により係留される状態となる。
【0019】
図3に例示するように台風等の影響で移動体3が白抜き矢印の方向に移動しようとすると、固定体2に設置される第一部材5に対して移動体3に設置される第二部材7が回転する。この第二部材7の回転にともない対面する支持面9と被支持面10とが接触する。つまり対面する支持面9と被支持面10とは接触可能な状態に構成されている。図3では説明のため支持面9および被支持面10に発生する力の方向を矢印で示している。
【0020】
移動体3が白抜き矢印の方向に移動しようとする力を、複数の支持面9および複数の被支持面10が支持する。複数の支持面9および被支持面10が力を分散して支持するので、凹部4および凸部6を構成する部材の強度の強度が比較的小さいものであっても比較的大きな力を支持することができる。支持構造部8を構成する部材が破断したりする不具合を抑制できる。支持構造部8を小型化するには有利である。移動体3が白抜き矢印の方向と逆方向に移動しようとする場合も同様に、支持構造部8がその力を支持する。
【0021】
図3に矢印で示すように凹部4や凸部6を構成する部材の内部では互いに異なる方向の力が発生する。移動方向xに沿って発生するこの力は一部が相殺されるため、部材の破断等を抑制しつつ、移動体3が移動しようとする力を支持するには有利である。係留装置1は移動体3の移動を拘束できる。
【0022】
移動体3の移動しようとする力を複数の支持面9が分散して支持するので、比較的小さな支持構造部8で比較的大きな力を支持できる。比較的小型な係留装置1で比較的大きな係留する力を得るには有利である。
【0023】
従来のアンカーと異なりアンカーを挿入するための開口部をクレーン構造体に形成する必要がない。開口部の形成に伴う強度計算のやり直し等が不要となる。係留装置1は、トロリの係留装置として既存のクレーンに容易に設置することができる。
【0024】
凹部4と凸部6の数は少なくとも一つずつあればよい。図3に例示する実施形態のように凹部4および凸部6を二つずつまたはそれ以上備える構成にしてもよい。凹部4と凸部6との組の数が多いほど、移動体3の移動しようとする力を分散して支持しやすくなる。係留装置1の係留する力を増大させるには有利である。
【0025】
凹部4を構成する面のうち支持面9以外の面と、凸部6を構成する面のうち被支持面10以外の面とが接触して、第二部材7が回転しようとする力を支持する構成を支持構造部8が有することを妨げない。例えば支持面9と直交する方向の面と、被支持面10と直交する方向の面とが接触して横断方向yの力も支持する構成としてもよい。
【0026】
係留装置1は、横断方向yにおいてトロリ等で構成される移動体3の両側に設置することが望ましい。また凹部4を有する第一部材5が移動体3に設置されて、凸部6を有する第二部材7が固定体2に設置される構成であってもよい。
【0027】
図4および図5に例示するように第一部材5と第二部材7とを軸部材11で連結する構成にしてもよい。凹部4を構成する支持面9および凸部6を形成する被支持面10にはこれらの面を貫通する貫通孔が形成されていて、この貫通孔に挿入する状態で軸部材11が設置されている。支持構造部8が軸部材11を有する構成となる。
【0028】
この実施形態では貫通孔および軸部材11の軸方向が移動方向xと平行となる状態に構成されている。つまり支持面9および被支持面10に直交する状態で軸部材11が配置されている。軸部材11の軸方向は移動方向xと平行となる構成に限らない。第一部材5と第二部材7とを連結するとともに、支持面9と被支持面10との接触を可能とする状態を実現できればよい。
【0029】
移動体3に溶接等で固定されている第二部材7に対して、第一部材5が軸部材11を中心に傾動可能な状態で連結されている。そのため凹部4を有する第一部材5も軸部材11により移動体3側に設置される状態となる。
【0030】
図5に例示するように横断方向yにおいて第一部材5の両端のうち凹部4が形成される側と反対側となる位置には係合部12が形成されている。係合部12は、第一部材5の側面から水平方向に突設されていて先端部は下方に折り曲げられる形状を有している。凹部4および係合部12を有する第一部材5と、この第一部材5に設置される軸部材11と、この軸部材11を介して第一部材5に連結される第二部材7とを合わせて係合機構13ということがある。
【0031】
図4に例示するように固定体2には受け部14が設置されている。受け部14の上面には下方に向かってくぼむ窪み部15が形成されている。図5に例示するように受け部14の窪み部15には、係合機構13の係合部12が係合する。
【0032】
受け部14がカバー部材16を備える構成にしてもよい。この実施形態ではカバー部材16は移動方向xに延設される板状の部材で構成されていて、移動方向xにおける一端を受け部14の上面に連結されている。カバー部材16はこの一端を中心に傾動可能に構成されている。
【0033】
図5に例示するように係合部12が受け部14と係合した後にカバー部材16を閉じて他端を受け部14に固定する。台風等の影響により係合部12が上方に跳ね上げられて受け部14との係合が意図せずに解除されることを、カバー部材16は防止できる。
【0034】
係留装置1は、軸部材11を中心に第一部材5を傾動させることで移動体3の係留および係留解除を行うことができる。第一部材5の重量を軸部材11で支持することができるので、作業者は比較的小さな力で第一部材5の傾動を行えばよい。係留装置1の操作性を向上するには有利である。
【0035】
図6に例示するように支持面9と被支持面10とが接触して支持面9が被支持面10を支持する際に、軸部材11の軸方向に交わる方向の力が軸部材11に発生しない構成とすることが望ましい。この実施形態では、移動方向xを軸方向とする軸部材11に対して、これに直交する横断方向yの力が軸部材11に発生しない。
【0036】
具体的には支持面9と被支持面10との間に形成される隙間に比べて、支持面9および被支持面10に形成される貫通孔17と軸部材11との間に形成される隙間の方が十分に大きい状態に支持構造部8が構成されている。支持面9と被支持面10との隙間の大きさから、第一部材5に対して第二部材7が上下方向zを軸として回転できる最大角度が決まる。この最大角度に基づき凹部4および凸部6に形成される複数の貫通孔17の配列状態が決まる。この貫通孔17に配置される際に横断方向yの力を受けない程度の軸部材11の直径は自ずと決まる。
【0037】
移動体3が移動しようとして支持面9と被支持面10とが接触している状況であっても、軸部材11には横断方向yのせん断力が発生しない。つまり軸部材11は凹部4を有する第一部材5と凸部6を有する第二部材7とを連結しているに過ぎず、係留時に荷重を受けない構成となっている。直径が比較的小さい材料で軸部材11を構成することができる。係留装置1を小型化するには有利である。
【0038】
軸部材11は第一部材5と第二部材7とを傾動可能な状態で連結できればよく、円柱形状の部材に限定されない。軸部材11は例えば四角柱形状など多角柱形状の部材で構成してもよい。
【0039】
係合機構13は、凹部4が形成される第二部材7が移動体3に固定されて、この第二部材7に対して凸部6を有する第一部材5が傾動可能に連結される構成でもよい。つまり支持構造部8は一方が凹部4を有していて他方が凸部6を有していればよい。また係合機構13が固定体2に設置されて、受け部14が移動体3に設置される構成にしてもよい。
【0040】
図7に例示するように係合部12と受け部14とが支持造部8を形成している。係合部12が凸部6となり受け部14が凹部4となり、支持構造部8として機能している。係合部12と受け部14との間でも移動体3が移動しようとする力を十分に支持することが可能となる。係合部12が凹部4となり受け部14が凸部6となる状態で支持構造部8を構成してもよい。この場合第一部材5に窪み部15が形成されて、受け部14に上面から上方に向かって突設される係合部12が形成されて、窪み部15に係合部12が係合する構成にできる。係合部12と受け部14とが支持構造部8を形成しない構成としてもよい。
【0041】
支持構造部8は少なくとも一対の支持面9とこれに対応する一対の被支持面10を備えていて、第一部材5に対する第二部材7の上下方向zを軸方向とする回転力を支持できる構成を有していればよい。図8に例示するように支持面9および被支持面10が曲面で形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 係留装置
2 固定体
3 移動体
4 凹部
5 第一部材
6 凸部
7 第二部材
8 支持構造部
9 支持面
10 被支持面
11 軸部材
12 係合部
13 係合機構
14 受け部
15 窪み部
16 カバー部材
17 貫通孔
x 移動方向
y 横断方向
z 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8