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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019186169
(22)【出願日】2019-10-09
(65)【公開番号】P2021058522
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(74)【代理人】
【識別番号】100174964
【弁理士】
【氏名又は名称】井伊 正幸
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 英樹
【審査官】後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-070411(JP,A)
【文献】特開2017-018272(JP,A)
【文献】特開2018-057426(JP,A)
【文献】特開2002-000834(JP,A)
【文献】特開2014-004032(JP,A)
【文献】特開2011-224063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
前記有利状態において特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、特別状態に制御可能な状態制御手段と、
実行される演出に対応した複数の発光パターンで特定発光手段と所定発光手段とを含む複数の発光手段の発光制御を行う発光制御手段と、を備え、
前記特定発光手段は、前記特定領域近傍の特定部を発光させる発光手段であり、
前記所定発光手段は、前記特定部とは異なる所定部を発光させる発光手段であり、
前記発光制御手段は、
前記有利状態において、前記特定領域を遊技媒体が通過していないときに、所定演出に対応した所定発光パターンで前記所定発光手段の発光制御を行い、
前記有利状態において、前記特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、第1特定発光パターンで前記所定発光手段の発光制御を行うとともに、前記第1特定発光パターンよりも認識度合いが高い第2特定発光パターンで前記特定発光手段の発光制御を行うことが可能であり、
前記特別状態において、前記特定領域を遊技媒体が通過した前記有利状態から継続して前記第2特定発光パターンで前記特定発光手段の発光制御を行うとともに、前記所定発光パターンで前記所定発光手段の発光制御を行うことが可能であり、
前記有利状態において前記特定領域を遊技媒体が通過せず前記特別状態に制御されない場合に、前記第2特定発光パターンで前記特定発光手段の発光制御を行わず、
前記有利状態において前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特別状態に制御される場合にも、前記第2特定発光パターンで前記特定発光手段の発光制御を行わないように制御可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能なパチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態(遊技機の状態。よって、具体的には、遊技機が制御されている状態。)を変更して、所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある(いわゆるパチンコ機)。
【0003】
また、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示装置に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示装置の可変表示を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成されたものがある(いわゆるスロット機)。
【0004】
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が、打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0005】
パチンコ遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて可変表示装置において開始される特別図柄(識別情報)の可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定の表示態様が導出表示された場合に、「大当り」が発生する。なお、導出表示とは、図柄(最終停止図柄)を最終的に停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば、10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば、15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば、29秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。以下、各々の大入賞口の開放期間をラウンドということがある。また、ラウンドにおける遊技をラウンド遊技ということがある。
【0006】
また、可変表示装置において、最終停止図柄(例えば、左中右図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、可変表示装置に変動表示される図柄の表示結果が特定の表示結果でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0007】
そのような遊技機において、例えば、特許文献1には、有利状態(例えば、大当り遊技中)において、特定領域への遊技媒体の通過(例えば、Vゾーンへのパチンコ球の入賞)にもとづいて次のラウンドに継続して進むこと、特定領域への遊技媒体の通過に関連して発光手段の発光制御を行う(例えば、V入賞前、V入賞時、およびV入賞後、それぞれ異なる発光態様により8連LEDを発光させる)ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2004-174012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載された遊技機では、有利状態中でしか特定領域への遊技媒体の通過に関する発光制御が行われず、その後の期間における発光手段の状態について考慮されていないため、発光手段の態様によって示唆される事項の明確性や演出効果について改善の余地がある。
【0010】
そこで、本発明は、発光手段の態様によって示唆される事項の明確性や演出効果を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、有利状態において特定領域(例えば、V領域052IW104)を遊技媒体が通過したことにもとづいて、特別状態(例えば、確変状態)に制御可能な状態制御手段と、実行される演出に対応した複数の発光パターンで特定発光手段(例えば、ラッシュLED085IW013)と所定発光手段(例えば、枠LED085IW001~011や、ロゴLED085IW012)とを含む複数の発光手段の発光制御を行う発光制御手段(例えば、演出制御用CPU120が図8-19に示す発光演出処理を実行する部分)と、を備え、特定発光手段は、特定領域近傍の特定部(例えば、図9-1に示すラッシュLED085IW013が設置された部分)を発光させる発光手段であり、所定発光手段は、特定部とは異なる所定部(例えば、図9-1に示す枠LED085IW001~011や、ロゴLED085IW012が設置された部分)を発光させる発光手段であり、発光制御手段は、有利状態において、特定領域を遊技媒体が通過していないときに、所定演出(例えば、BGMや背景演出)に対応した所定発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターン、BGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)で所定発光手段の発光制御を行い、有利状態において、特定領域を遊技媒体が通過したこと(例えば、図9-5に示すV入賞発生(図9-6に示す第1発光演出の第1実行条件が成立したこと))にもとづいて、第1特定発光パターン(例えば、消灯用枠発光パターン(消灯)や消灯用ロゴ発光パターン(消灯))で所定発光手段の発光制御を行うとともに、第1特定発光パターンよりも認識度合いが高い第2特定発光パターン(例えば、第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)や第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))で特定発光手段の発光制御を行うことが可能であり、特別状態において、特定領域を遊技媒体が通過した有利状態から継続して第2特定発光パターン(例えば、第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))で特定発光手段の発光制御を行うとともに、定発光パターンで所定発光手段の発光制御を行うことが可能であり(例えば、図9-6に示す第2発光演出が実行される部分。)、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過せず特別状態に制御されない場合に、第2特定発光パターンで特定発光手段の発光制御を行わず、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過して特別状態に制御される場合にも、第2特定発光パターンで特定発光手段の発光制御を行わないように制御可能であることを特徴としている。
そのような構成によれば、特別状態において、特定領域を遊技媒体が通過した有利状態から継続して第2特定発光パターンで特定発光手段の発光制御を行うため、特別状態であることを明確に示すことができるとともに、特別状態であることを強調して示すことができる。よって、発光手段の態様によって示唆される事項の明確性や演出効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
図3】遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図4】遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
図5】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図6】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図7】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図8-1】パチンコ遊技機の正面図である。
図8-2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
図8-3】(A),(B)は、演出制御コマンドを例示する図である。
図8-4】各乱数を示す説明図である。
図8-5】変動パターンを例示する図である。
図8-6】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
図8-7】大当り種別判定テーブルを示す説明図である。
図8-8】各種大当りの内容を示す説明図である。
図8-9】(A)は大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)を示す説明図であり、(B)は大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)を示す説明図であり、(C)は小当り用変動パターン判定テーブルを示す説明図である。
図8-10】はずれ用変動パターン判定テーブルを示す説明図である。動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。
図8-11】可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
図8-12】飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。
図8-13】プロセスデータの構成例を示す説明図である。
図8-14】昇格演出実行判定テーブルの一例を示す説明図である。
図8-15】昇格演出処理の一例を示すフローチャートである。
図8-16】発光演出の一例を示す説明図である。
図8-18】発光演出の一例を示す説明図である。
図8-17】発光演出の一例を示す説明図である。
図8-19】発光演出の実行条件、終了条件およびLEDの発光パターンの一例を示す説明図である。
図8-20】発光演出処理の一例を示すフローチャートである。
図8-21】ラッシュLED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
図8-22】ラッシュLED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
図8-23】枠LED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
図8-24】ロゴLED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
図8-25】ラッシュLED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
図8-26】ラッシュLED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
図8-27】枠LED制御用データ領域の一例を示す説明図である。
図9-1】第2実施形態のパチンコ遊技機の正面図である。
図9-2】第2実施形態の特別可変入賞球装置の構成例を示す説明図である。
図9-3】第2実施形態の大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。
図9-4】第2実施形態の大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
図9-5】第2実施形態の発光演出の一例を示す説明図である。
図9-6】第2実施形態の発光演出の実行条件、終了条件およびLEDの発光パターンの一例を示す説明図である。
図9-7】第2実施形態のラッシュLED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
図9-8】第2実施形態の枠LED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
図9-9】第2実施形態のロゴLED用階調制御データのデータ構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
【0014】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0015】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
【0016】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0017】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
【0018】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0019】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
【0020】
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
【0021】
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
【0022】
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
【0023】
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
【0024】
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
【0025】
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
【0026】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0027】
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0028】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0029】
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0030】
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
【0031】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
【0032】
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
【0033】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0034】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0035】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
【0036】
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
【0037】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
【0038】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
【0039】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
【0040】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
【0041】
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
【0042】
(遊技の進行の概略)
【0043】
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0044】
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
【0045】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
【0046】
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
【0047】
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0048】
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「はずれ」となる。
【0049】
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
【0050】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0051】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0052】
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
【0053】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
【0054】
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0055】
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
【0056】
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
【0057】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0058】
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
【0059】
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
【0060】
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
【0061】
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
【0062】
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0063】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
【0064】
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0065】
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0066】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0067】
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組み合わせとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
【0068】
特図ゲームの表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組み合わせの確定飾り図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組み合わせでない所定のリーチ組み合わせ(「リーチはずれ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
【0069】
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0070】
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0071】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
【0072】
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
【0073】
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0074】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
【0075】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
【0076】
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
【0077】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0078】
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0079】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
【0080】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
【0081】
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
【0082】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
【0083】
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0084】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
【0085】
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
【0086】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
【0087】
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
【0088】
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0089】
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
【0090】
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
【0091】
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0092】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0093】
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
【0094】
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0095】
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0096】
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
【0097】
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
【0098】
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
【0099】
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0100】
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
【0101】
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0102】
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
【0103】
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
【0104】
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0105】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
【0106】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
【0107】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
【0108】
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0109】
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
【0110】
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0111】
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
【0112】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
【0113】
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
【0114】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
【0115】
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
【0116】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
【0117】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「はずれ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「はずれ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
【0118】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
【0119】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
【0120】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
【0121】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
【0122】
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
【0123】
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
【0124】
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
【0125】
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
【0126】
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
【0127】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0128】
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
【0129】
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0130】
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
【0131】
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
【0132】
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0133】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
【0134】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
【0135】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
【0136】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「はずれ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
【0137】
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
【0138】
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
【0139】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
【0140】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
【0141】
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
【0142】
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
【0143】
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
【0144】
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
【0145】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0146】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0147】
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
【0148】
(特徴部085IWに関する説明)
実施形態1.
次に、特徴部085IWにおける第1実施形態の遊技機につき、図8-1~図8-27を参照して説明する。
【0149】
まず、図8-1は、特徴部085IWにおける第1実施形態のパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図8-2は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【0150】
図8-1に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0151】
遊技領域のうち、左遊技領域153SG002Lは、打球操作ハンドル30の操作によって比較的弱く打ち出された(左打ち)遊技球が流下する遊技領域であり、右遊技領域153SG002Rは、打球操作ハンドル30の操作によって左遊技領域153SG002Lを流下する遊技球よりも強く打ち出された(右打ち)遊技球が、画像表示装置5の上方経路153SG002Cを通過して流下する遊技領域である。なお、上方経路153SG002C、左遊技領域153SG002L、右遊技領域153SG002Rに適宜LED搭載し、BGMや背景演出、予告演出、エラーに対応する発光パターンにより発光可能としてもよい。
【0152】
また、左遊技領域153SG002Lには、一般入賞口10が配置されており、右遊技領域153SG002Rには、該右遊技領域153SG002Rの上流方から下流側にかけて、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、一般入賞口10、特別可変入賞球装置7が配置されている。つまり、左遊技領域153SG002Lを流下する遊技球は、一般入賞口10と入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能となっており、右遊技領域153SG002Rを流下する遊技球は、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口、一般入賞口10及び特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口に入賞可能となっているとともに、通過ゲート41を通過可能となっている。
【0153】
図8-1に示すように、入賞球装置6Aと可変入賞球装置6B及び特別可変入賞球装置7の間には、複数の障害釘153SGK1が配設されている。このため、左遊技領域153SG002Lを流下する遊技球は、第2始動入賞口や大入賞口に入賞不能であるとともに、右遊技領域153SG002Rを流下する遊技球は、第1始動入賞口に入賞不能となっている。
【0154】
また、画像表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア153SG005D、第2保留記憶表示エリア153SG005Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア153SG005D、第2保留記憶表示エリア153SG005Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
【0155】
また、図8-1及び図8-2に示すように、画像表示装置5の上方には、パチンコ遊技機1のロゴをモチーフとした装飾体が設けられており、この装飾体には、装飾用LEDとしてロゴLED085IW012が設けられている。ロゴLED085IW012は、BGMや、画像表示装置5に所定の背景画像を表示する背景演出、変動中に実行される予告演出等の演出、エラーに対応する発光パターンにより発光制御される。なお、ロゴをモチーフとした装飾体は、動作可能に構成されていてもよい。この場合、例えば、装飾体は画像表示装置5の表示領域中央の前面まで移動する進出動作が可能であり、進出動作により大当り期待度を示唆する可動体演出(例えば、大当りのときに実行されやすい)に用いられるようにしてもよい。また、リーチ演出によって飾り図柄が揃ったときや、確変昇格報知が実行されたときに進出動作が行われるようにしてもよい。
【0156】
また、図8-1及び図8-2に示すように、特別可変入賞球装置7の近傍には、ラッシュLED85IW013が設けられている。ラッシュLED85IW013は、シール形状であり、遊技球が通過可能に設けられている。また、ラッシュLED85IW013は、後述する昇格演出による確変昇格報知や、制御されている遊技状態に対応する発光パターンにより発光制御される。なお、ラッシュLED85IW013が設けられている特別可変入賞球装置7の近傍とは、図8-1に示すような、特別可変入賞球装置7に他の構成部材よりも最も近い位置に限らず、例えば、特別可変入賞球装置7と同じ右遊技領域153SG002Rのいずれかの位置や、特別可変入賞球装置7と画像表示装置5との間の位置、特別可変入賞球装置7と第2始動入賞口やアウト口との間の位置など、特別可変入賞球装置7と同時に視認可能な位置(すなわち特別可変入賞球装置7を見ていれば自然と目に入る位置)を含む概念である。
【0157】
また、図8-1及び図8-2に示すように、遊技機用枠(台枠)3には、装飾用LEDとして、枠LED085IW001、枠LED085IW002、枠LED085IW003、枠LED085IW004、枠LED085IW005、枠LED085IW006、枠LED085IW007、枠LED085IW008、枠LED085IW009、枠LED085IW010および枠LED085IW011が設けられている(以下、これらを枠LED085IW001~011、または単に枠LEDと総称する)。枠LED085IW001~011は、BGMや背景演出、変動中に実行される予告演出等の演出、エラーに対応する発光パターンにより発光制御される。
【0158】
また、図8-1及び図8-2に示すように、本実施の形態の特徴部085IWにおけるパチンコ遊技機1の遊技盤2の所定位置(例えば、遊技領域の左下方位置)には、第1特図の可変表示を実行可能な第1特別図柄表示装置153SG004A、第2特図の可変表示を実行可能な第2特別図柄表示装置153SG004B、第1保留記憶数を表示可能な第1保留表示器153SG025A、第2保留記憶数を表示可能な第2保留表示器153SG025B、普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄表示器153SG020、普図保留記憶数を表示可能な普図保留表示器153SG025C、大当り遊技中に当該大当り遊技のラウンド数(大当り種別)を表示可能なラウンド表示器153SG131、高ベース状態(時短状態)や大当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域153SG002Rに向けて打ち出す遊技状態において点灯する右打ちランプ153SG132、確変状態であるとき点灯する確変ランプ153SG133、高ベース状態(時短状態)において点灯する時短ランプ153SG134が纏めて配置されている遊技情報表示部153SG200が設けられている。
【0159】
第1特別図柄表示装置153SG004Aと第2特別図柄表示装置153SG004Bとは、それぞれ8セグメントのLEDから構成されている。また、第1特別図柄表示装置153SG004Aと第2特別図柄表示装置153SG004Bとでは、特別図柄の可変表示結果がはずれや小当りである場合は、共通の組み合わせで該可変表示結果を導出表示可能となっている。
【0160】
第1特別図柄の可変表示において該可変表示結果が大当りとなる場合について、第1特別図柄表示装置153SG004Aは、大当り種別毎に2種類の大当り図柄(点灯するLEDの組合せ)にて可変表示結果と導出表示可能となっている。また、第2特別図柄の可変表示において該可変表示結果が大当りとなる場合について、第2特別図柄表示装置153SG004Bは、大当り種別毎に2種類の大当り図柄(点灯するLEDの組合せ)にて可変表示結果と導出表示可能となっている。
【0161】
尚、本実施の形態の特徴部085IWにおいては、第1特別図柄表示装置153SG004Aと第2特別図柄表示装置153SG004Bとで導出表示可能な大当り図柄は全て異なっているが、第1特別図柄表示装置153SG004Aで導出表示可能な大当り図柄と第2特別図柄表示装置153SG004Bで導出表示可能な大当り図柄は少なくとも一部が重複していてもよい。
【0162】
第1保留表示器153SG025Aと第2保留表示器153SG025Bとは、それぞれ4セグメントのLEDが左右方向に並列して配置されている。これら第1保留表示器153SG025Aと第2保留表示器153SG025Bとでは、保留記憶数が1個であれば左端部のLEDのみが点灯し、保留記憶数が増加していく毎に左から2番目、左から3番目、左から4番目のLEDが順次点灯する。そして、可変表示が実行される毎に、保留記憶が減少する(消費される)ことに応じて、該可変表示に対応する保留表示器でのLEDが所定のシフト方向(本実施の形態の特徴部085IWでは左方向)に向けて消灯していく。
【0163】
尚、本実施の形態の特徴部085IWでは、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とが両方存在する場合は、第2特図保留記憶にもとづく可変表示が優先して実行される様になっている。このため例えば第1特図保留記憶が1個存在するとともに第2特図保留記憶が2個存在する場合(第1保留表示器153SG025Aの左端部のLEDのみが点灯しているとともに、第2保留表示器153SG25Bの左2個のLEDが点灯している場合)は、第2特図保留記憶にもとづく可変表示の実行によって第2特図保留記憶が0個となった後に、第1特図保留記憶にもとづく可変表示が実行される。
【0164】
また、ラウンド表示器153SG131は5個のセグメント(LED)から構成されている。尚、本実施の形態の特徴部085IWにおける大当り種別としては、5ラウンド大当りである大当りA、10ラウンド大当りである大当りB、15ラウンド大当りである大当りCの計3個の大当り種別が設けられており、これら大当り種別に応じてラウンド表示器153SG131を構成するセグメントのうちいずれのセグメントが点灯するかが異なっている。
【0165】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や枠LED085IW001~011、ロゴLED085IW012、ラッシュLED085IW013、その他の装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
【0166】
図8-3(A)は、本実施の形態における特徴部085IWで用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図8-3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0167】
図8-3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置153SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示の開始を指定する第1可変表示開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置153SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示の開始を指定する第2可変表示開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0168】
コマンド8CXXHは、可変表示結果通知コマンドであり、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図8-3(B)に示すように、可変表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0169】
可変表示結果通知コマンドでは、例えば図8-3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知する第5可変表示結果指定コマンドである。
【0170】
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
【0171】
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理によって報知される。
【0172】
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
【0173】
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」~「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
【0174】
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置153SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置153SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
【0175】
コマンドC1XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
【0176】
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
【0177】
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変等)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
【0178】
コマンドD0XXHは、新たに設定された設定値を主基板11から演出制御基板12(演出制御用CPU120)に指定するための設定値指定コマンドである。コマンドE101Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアせずに起動したこと(電断復旧したこと、ホットスタートとも言う)を通知するホットスタート通知コマンドである。コマンドE102Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアして起動したこと(コールドスタート)を通知するコールドスタート通知コマンドである。
【0179】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)106とを備えて構成される。
【0180】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0181】
図8-4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図8-4に示すように、この実施の形態の特徴部085IWでは、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1~MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0182】
尚、本実施の形態では各乱数値MR1~MR5をそれぞれ図8-4に示す範囲の値として用いる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら各乱数値MR1~MR5の範囲は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異ならせてもよい。
【0183】
図8-5は、本実施の形態における変動パターンを示している。本実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
【0184】
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施の形態では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
【0185】
図8-5に示すように、本実施の形態の特徴部085IWにおけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施の形態におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
【0186】
尚、本実施の形態では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に可変表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
【0187】
尚、本実施の形態の特徴部085IWにおいては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0188】
また、本実施の形態の特徴部085IWでは、図8-5に示すように、変動パターン毎に変動内容(演出内容)が予め決定されている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定されている設定値に応じて同じ変動パターンであっても変動内容(演出内容)が異なるようにしてもよい。例えば、ノーマルリーチはずれの変動パターンPA2-1の場合は、設定されている設定値が1の場合は、ノーマルリーチはずれとなる変動パターンとし、設定されている設定値が2の場合は、擬似連演出を2回実行して非リーチはずれとなる変動パターンとして、設定されている設定値が3の場合は、擬似連演出を3回実行してスーパーリーチはずれとなる変動パターン…等とすればよい。
【0189】
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
【0190】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図8-6~図8-10などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
【0191】
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図8-6(A)に示す第1特図用表示結果判定テーブル、図8-6(B)に示す第2特図用表示結果判定テーブル、図8-7(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図8-7(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)の他、大当り変動パターン判定テーブル、小当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブル、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
【0192】
本実施の形態の特徴部085IWのパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。詳しくは、後述する特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。換言すれば、設定値とは、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。
【0193】
図8-6(A)及び図8-6(B)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定値毎に設定されているテーブルである。本実施の形態の特徴部085IWでは、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
【0194】
図8-6(A)に示すように、設定値が1であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1237までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0195】
図8-6(B)に示すように、設定値が1であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1237までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0196】
図8-6(A)に示すように、設定値が2であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1253までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1383までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0197】
図8-6(B)に示すように、設定値が2であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1253までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1383までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0198】
図8-6(A)に示すように、設定値が3であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1272までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1429までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0199】
図8-6(B)に示すように、設定値が3であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1272までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1429までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0200】
図8-6(A)に示すように、設定値が4であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1292までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1487までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0201】
図8-6(B)に示すように、設定値が4であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1292までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1487までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0202】
図8-6(A)に示すように、設定値が5であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1317までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1556までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0203】
図8-6(B)に示すように、設定値が5であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1317までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1556までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0204】
図8-6(A)に示すように、設定値が6であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1674までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0205】
図8-6(B)に示すように、設定値が6であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1674までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0206】
以上のように、各表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施の形態の特徴部085IWでは、設定値が1の場合は1/300、設定値が2の場合は1/280、設定値が3の場合は1/260、設定値が4の場合は1/240、設定値が5の場合は1/220、設定値が6の場合は1/200)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施の形態の特徴部085IWでは、設定値が1の場合は1/200、設定値が2の場合は1/180、設定値が3の場合は1/160、設定値が4の場合は1/140、設定値が5の場合は1/120、設定値が6の場合は1/100)。即ち、各表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定値が大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
【0207】
尚、本実施の形態の特徴部085IWでは、図8-6に示すように、各設定値に応じて通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率がそれぞれ異なる(例えば、設定値1であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.5倍であり、設定値2であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は約1.56倍であり、設定値3であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.625倍である)ように設定されている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各設定値での通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は全て一定(例えば、5倍)に設定してもよい。
【0208】
また、各第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、図8-6(A)に示すように、第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/200に設定されている。
【0209】
一方で、各第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、図8-6(B)に示すように、第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/100に設定されている。
【0210】
尚、本実施の形態の特徴部085IWでは、設定値にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一確率である形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。更に、本実施の形態の特徴部085IWでは、変動特図に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が異なる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
【0211】
ここで、各表示結果判定テーブルにおいて「大当り」や「小当り」に割り当てられている当り判定値の数値範囲に着目すると、遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0212】
尚、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。
【0213】
つまり、本実施の形態の特徴部085IWでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。更に、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。
【0214】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0215】
尚、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0216】
次に、遊技状態が確変状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0217】
尚、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。
【0218】
つまり、本実施の形態の特徴部085IWでは、遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。更に、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。
【0219】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0220】
尚、遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0221】
遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0222】
尚、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。
【0223】
つまり、本実施の形態の特徴部085IWでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。更に、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。
【0224】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0225】
尚、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0226】
次に、遊技状態が確変状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0227】
尚、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。
【0228】
つまり、本実施の形態の特徴部085IWでは、遊技状態が確変状態である場合における第2図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。更に、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。
【0229】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0230】
尚、遊技状態が確変状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0231】
以上、本実施の形態の特徴部085IWにおいては、各表示結果判定テーブルにおいて、遊技状態及び設定値にかかわらず、当り判定値の1020を基準として共通数値範囲または共通数値範囲と非共通数値範囲とからなる連続した1の数値範囲内に含まれる判定値を大当り判定値の数値範囲とするとともに、遊技状態及び設定値にかかわらず、当り判定値の32767を基準として連続した1の数値範囲(共通数値範囲)内に含まれる判定値を小当り判定値の数値範囲として可変表示結果を判定するようになっている。
【0232】
更に、これら各表示結果判定テーブルにおいては、変動特図が同一である場合は、遊技状態にかかわらず小当り判定値の数値範囲は同一(小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が同一)である。また、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が異なる(第1特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は328個であるのに対して、第2特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は655個と約2倍である)一方で、小当り判定値の数値範囲自体は、32767を基準値(小当り基準値)として設定されている。
【0233】
更に、前述したように、各遊技状態においては、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1の場合が最も特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が低く、設定値の値が大きくなるほど特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように判定値が割り当てられている(大当り確率:設定値6>設定値5>設定値4>設定値3>設定値2>設定値1)。
【0234】
つまり、CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA~大当りC)とすることを決定する。また、MR1が小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。尚、図8-6に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置153SG004Aまたは第2特別図柄表示装置153SG004Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置153SG004Aまたは第2特別図柄表示装置153SG004Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0235】
尚、本実施の形態の特徴部085IWでは、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1~6の計6個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。
【0236】
図8-7(A)及び図8-7(B)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図8-7(A)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図8-7(B)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
【0237】
大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA~大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0238】
ここで、本実施の形態の特徴部085IWにおける大当り種別について、図8-8を用いて説明する。本実施の形態の特徴部085IWでは、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する大当りA(非確変大当りともいう)と、大当り遊技の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する大当りBや大当りC(確変大当りともいう)が設定されている。
【0239】
「大当りA」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰り返し実行される通常開放大当りであり、「大当りB」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰り返し実行される通常開放大当りである。更に、「大当りC」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰り返し実行される通常開放大当りである。
【0240】
「大当りA」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施の形態の特徴部085IWでは100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
【0241】
一方、大当りBや大当りCの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが大当りBや大当りCである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
【0242】
尚、本実施の形態の特徴部085IWにおいては、大当り種別として大当りA~大当りCの3種類を設ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は2種類以下、または4種類以上設けてもよい。
【0243】
また、図8-7(A)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~99までが大当りAに割り当てられており、100~249までが大当りBに割り当てられており、250~299までが大当りCに割り当てられている。一方で、図8-7(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~99までが大当りAに割り当てられており、100~199までが大当りBに割り当てられており、200~299までが大当りCに割り当てられている。つまり、本実施の形態の特徴部085IWでは、遊技球が入賞した入賞口が第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかに応じて大当り種別の決定割合が異なっている一方で、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず共通の割合にて大当り種別を決定するようになっている。
【0244】
尚、本実施の形態の特徴部085IWでは、大当り種別を大当り種別判定用の乱数値であるMR2を用いて決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は、特図表示結果判定用の乱数値であるMR1を用いて決定してもよい。
【0245】
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
【0246】
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、可変表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、可変表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、可変表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
【0247】
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0248】
図8-9(A)及び図8-9(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が大当りAである場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と、大当り種別が大当りB、大当りC用である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)が予め用意されており、これら大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0249】
図8-9(A)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~400までがノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)に割り当てられており、401~850までがスーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)に割り当てられており、851~997までがスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)に割り当てられている。
【0250】
図8-9(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~200までがノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)に割り当てられており、201~550までがスーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)に割り当てられており、551~997までがスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)に割り当てられている。
【0251】
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1-1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。具体的には、図8-9(C)に示すように、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~997までが小当りの変動パターン(PC1-1)に割り当てられている。尚、本実施の形態の特徴部085IWにおける小当りの変動パターンとしてはPC1-1のみが設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けてもよい。
【0252】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、遊技状態が時短制御の実施されていない低ベース状態において保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、低ベース状態において合計保留記憶数が2~4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、低ベース状態において合計保留記憶数が5~8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
【0253】
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1-1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0254】
図8-10(A)に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルA(低ベース中合算保留記憶数1個以下用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~450までが非リーチはずれの変動パターン(PA1-1)に割り当てられており、451~700までがノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0255】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2~4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1-2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0256】
図8-10(B)に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルB(低ベース中合算保留記憶数2~4個用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~500までが非リーチはずれの変動パターン(PA1-2)に割り当てられており、501~700までがノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0257】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5~8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1-3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0258】
図8-10(C)に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルC(低ベース中合算保留記憶数5個以上用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~550までが非リーチはずれの変動パターン(PA1-3)に割り当てられており、551~700までがノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0259】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1-4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0260】
図8-10(D)に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルD(高ベース中用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~550までが非リーチはずれの変動パターン(PA1-4)に割り当てられており、551~700までがノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0261】
このように、はずれ用変動パターン判定テーブルA~Dを用いる場合、非リーチ変動パターンやノーマルリーチ変動パターンを決定する割合は、スーパーリーチ変動パターンを決定する割合よりも高設定されている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルA~Dを用いる場合は、変動パターン判定テーブルにかかわらず判定値のうち701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターンにそれぞれ割り当てられている、つまり、可変表示結果がはずれである場合は、スーパーリーチの変動パターンを共通の決定割合で決定するので、スーパーリーチの変動パターンによる可変表示が実行されないことにより演出効果が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0262】
尚、本実施の形態の特徴部085IWにおいては、はずれ用変動パターンとしてスーパーリーチαはずれの変動パターンの決定割合とスーパーリーチβはずれの変動パターンの決定割合とが各設定値間にて完全に同一の形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらスーパーリーチαはずれの変動パターンの決定割合とスーパーリーチβはずれの変動パターンの決定割合とは、各設定値間において僅差(例えば、1%程度)で異なっていてもよい。
【0263】
尚、本実施の形態の特徴部085IWでは、可変表示結果がはずれである場合は、スーパーリーチの変動パターンの決定割合が同一である形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、可変表示結果がはずれである場合は、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの全ての変動パターンの決定割合が同一であってもよいし、また、非リーチとノーマルリーチとのいずれかの変動パターンの決定割合のみが同一であってもよい。
【0264】
尚、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1-1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1-2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1-2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1-3)の方が変動時間は短い(図8-5参照)。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1-1)が決定されることによって、可変表示の時間が長くなることにより、可変表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
【0265】
また、本実施の形態の特徴部085IWでは、図8-10(A)~図8-10(C)に示すように、合算保留記憶数に応じて異なるはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動対象の特別図柄における保留記憶数(例えば、第1特別図柄の可変表示を実行する場合は第1特別図柄の保留記憶数、第2特別図柄の可変表示を実行する場合は第2特別図柄の保留記憶数)に応じて異なるはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定してもよい。
【0266】
また、本実施の形態の特徴部085IWでは、決定した変動パターン毎にリーチ演出を実行するか否かといずれのリーチ演出を実行するかが1対1で対応付いている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が、変動パターンの特図変動時間や可変表示結果等にもとづいてリーチ演出を実行するか否かや、いずれのリーチ演出を実行するかを抽選して決定してもよい。
【0267】
図8-1に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
【0268】
次に、可変表示開始処理について説明する。図8-11は、図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始処理(ステップ085IWS001171)を示すフローチャートである。可変表示開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(ステップ085IWS001)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップ085IWS001で読み出した変動パターン指定コマンド、および可変表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した可変表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップ085IWS002)。すなわち、演出制御用CPU120によってステップ085IWS002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(飾り図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターン指定コマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップ085IWS002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップ085IWS002において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターン指定コマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターン指定コマンドのみにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
【0269】
図8-12は、画像表示装置5における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図8-12に示す例では、受信した可変表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した可変表示結果指定コマンドが大当りAを指定する第2可変表示結果指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った飾り図柄の組合せ(以下、通常大当り図柄ともいう)を決定する。また、受信した可変表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した可変表示結果指定コマンドが大当りBを指定する第3可変表示結果指定コマンドである場合、または大当りCを指定する第4可変表示結果指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った飾り図柄の組合せ(以下、確変大当り図柄ともいう)を決定する。
【0270】
また、受信した可変表示結果指定コマンドが「小当り」を示している場合には(受信した可変表示結果指定コマンドが第5可変表示結果指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの飾り図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。また、画像表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
【0271】
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
【0272】
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
【0273】
次いで、演出制御用CPU120は、読み出した可変表示結果指定コマンドにもとづいて、可変表示結果が大当りAまたは大当たりBであるか否かを確認し(ステップ085IWS003)、大当りAまたは大当たりBであれば、昇格演出を実行するか否かを判定する(ステップ085IWS004)。
【0274】
この実施の形態では、通常大当り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態におけるラウンド中に、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されるか否かを報知する昇格演出を実行可能である。昇格演出には、通常大当り図柄が導出表示されたにもかかわらず、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる昇格がある旨を報知する昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する昇格失敗演出とがある。昇格成功演出では、効果音の出力とともに、枠LED085IW001~011、ロゴLED085IW012およびラッシュLED085IW013を用いた発光制御(後述する発光演出)が実行される。
【0275】
ステップ085IWS004では、演出制御用CPU120は、図8-14に示す昇格演出実行判定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、昇格演出を実行するか否かを判定する。
【0276】
図8-14は、昇格演出実行判定テーブルの具体例を示す説明図である。昇格演出実行判定テーブルには、判定事項「実行なし」および「実行あり」に対して、それぞれ判定値が割り振られているが、図8-14に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、昇格演出実行判定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている判定事項を判定結果とする。したがって、図8-14に示す例では、判定事項「実行なし」および「実行あり」に対応する数値は、「実行なし」または「実行あり」と判定される判定割合(%)を示している。
【0277】
この実施の形態では、図8-14に示すように、大当り種別が大当りB(すなわち確変大当り)である場合には、大当りA(すなわち通常大当り)である場合に比べて、高い割合で昇格演出を実行すると判定される。なお、この実施の形態で示す例に限らず、例えば、可変表示結果が確変大当りであり、かつ特定の演出(例えば、全回転リーチなどの期待度が極めて高い演出)を伴う変動パターンの場合や、飾り図柄の停止図柄を「7」揃いの組み合わせに決定した場合など、期待度が高い演出が行われる場合には、大当り遊技の開始時に確変大当りであることが判明しているようにしてもよい。つまり、そのような場合には、昇格演出「実行あり」と判定しないように構成してもよい。また、大当り種別が大当りCの場合にも、昇格演出を実行可能としてもよい。なお、この場合には、大当りAおよび大当りBとのラウンド数で区別が簡単にできないように、第5ラウンド開始以前に昇格演出を実行する。
【0278】
ステップ085IWS005において昇格演出を実行すると判定した場合には、演出制御用CPU120は、昇格演出を実行することを示す昇格演出フラグをセットする(ステップ085IWS006)。また、演出制御用CPU120は、飾り図柄の停止図柄を、通常大当り図柄となるように再決定する(ステップ085IWS007)。すなわち、一旦は通常大当りであると認識させるために停止図柄を変更する。なお、ステップ085IWS002において確変大当り図柄に決定しなかった場合には、ステップ085IWS007の処理を省略するようにしてもよい。また、ステップ085IWS007で飾り図柄の停止図柄を再決定する構成に限らず、例えば、飾り図柄の停止図柄を決定するステップ085IWS002の処理を後述するステップ085IWS008の直前に実行するようにしてもよい。つまり、昇格演出を実行するか否かを決定した後に、飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
【0279】
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンに応じた通常のプロセステーブルを選択する(ステップ085IWS008)。そして、演出制御用CPU120は、ステップ085IWS008で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ085IWS009)。
【0280】
図8-13は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
【0281】
図8-13に示すプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
【0282】
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
【0283】
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプ・LEDおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップ085IWS010)。例えば、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDPに指令を出力する。また、各種ランプ・LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0284】
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
【0285】
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップ085IWS011)。
【0286】
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応した値にする(ステップ085IWS012)。
【0287】
次いで、昇格演出を実行するための昇格演出処理について説明する。図8-15は、昇格演出処理の一例を示すフローチャートである。昇格演出処理は、図7に示す大当り中演出処理(ステップS176)内において実行される。
【0288】
昇格演出処理では、演出制御用CPU120は、昇格演出フラグがセットされているか否かを判定し(ステップ085IWS101)、昇格演出フラグがセットされていない場合には、昇格演出処理を終了する。
【0289】
昇格演出フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU120は、昇格演出の開始タイミングであるか否かを判定し(ステップ085IWS102)、昇格演出の開始タイミングではない場合には、昇格演出処理を終了する。
【0290】
昇格演出の開始タイミングである場合には、演出制御用CPU120は、大当り種別が大当りAである場合(ステップ085IWS103のY)には、昇格演出の演出結果として昇格失敗報知が実行される(すなわち通常大当りであることが報知される)昇格失敗用プロセステーブルを選択する(ステップ085IWS104)。また、大当り種別が大当りAではない場合(ステップ085IWS103のN)、すなわち大当り種別が大当りBである場合には、昇格演出の演出結果として確変昇格報知が実行される(すなわち確変大当りであることが報知される)昇格製鋼用プロセステーブルを選択する(ステップ085IWS105)。
【0291】
次いで、演出制御用CPU120は、ステップ085IWS104またはステップ085IWS105で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ085IWS106)。また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップ085IWS107)。その後、演出制御用CPU120は、昇格演出フラグをリセットし(ステップ085IWS108)、処理を終了する。
【0292】
次に、本実施形態において実行される発光演出について、図8-16~図8-19を参照して説明する。本実施形態では、大当り遊技中に実行される昇格演出による確変昇格報知に対応して、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011、およびロゴLED085IW012を用いた発光演出が実行される。このような発光演出が実行されることにより、昇格演出の演出効果を高めることができるとともに、確変状態に制御されることを認識しやすくすることができる。
【0293】
図8-16~図8-18は、発光演出の一例を示す説明図である。図8-19は、発光演出テーブルを示す説明図である。図8-19に示すように、本実施形態では、発光演出には、第1発光演出、第2発光演出A、第2発光演出B、第3発光演出および第4発光演出が含まれる。また、図8-19に示す発光演出テーブルには、各発光演出の実行条件および終了条件と、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光パターンとが対応付けられている。
【0294】
具体的には、図8-19に示すように、第1発光演出は、実行条件として、昇格演出による確変昇格報知が行われるという第1実行条件が定められ、終了条件として、第1発光演出の実行完了という第1終了条件が定められている。また、図8-19に示すように、第1発光演出では、虹色で点滅する第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)によるラッシュLED085IW013の発光制御と、虹色で点滅する第1枠発光パターン(虹点滅)による枠LED085IW001~011の発光制御と、虹色で点滅する第1ロゴ発光パターン(虹点滅)によるロゴLED085IW012の発光制御とが行われる。
【0295】
第2発光演出Aは、実行条件として、第1発光演出の実行完了という第1実行条件が定められ、終了条件として、当り終了指定コマンド受信という第1終了条件が定められている。また、第2発光演出Aでは、虹色で点灯する第2枠発光パターン(虹点灯)による枠LED085IW001~011の発光制御と、虹色で点灯する第2ロゴ発光パターン(虹点灯)によるロゴLED085IW012の発光制御とが行われる。
【0296】
第2発光演出Bは、実行条件として、第1発光演出の実行完了という第1実行条件と、偶数図柄リーチ成立後はずれの図柄確定コマンド受信という第2実行条件とが定められ、終了条件として、第3発光演出の実行条件成立という第1終了条件と、第4発光演出の実行条件成立という第2終了条件とが定められている。また、第2発光演出Bでは、虹色で点灯する第2ラッシュ発光パターン(虹点灯)によるラッシュLED085IW013の発光制御が行われる。
【0297】
以下、虹色で点滅する発光パターンと虹色で点灯する発光パターンとを、虹色発光パターンと総称する。
【0298】
本実施形態では、第1発光演出の実行完了を実行条件として、第2発光演出Aおよび第2発光演出Bが実行されるため、第1発光演出が実行されると、続いて第2発光演出Aおよび第2発光演出Bが実行される。すなわち、昇格演出により確変昇格報知が行われると、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、第1発光演出として、虹色発光パターンのうちの、虹色で点滅する発光パターンにより発光制御され、続いて第2発光演出として、虹色発光パターンのうちの、虹色で点灯する発光パターンにより発光制御されるように構成されている。このような構成により、昇格演出により確変昇格報知が行われたときの演出効果を高めることができる。
【0299】
第3発光演出は、実行条件として、偶数図柄リーチの成立という第1実行条件が定められ、終了条件として、第3発光演出の実行完了という第1終了条件が定められている。また、第3発光演出では、白色で点滅する第3ラッシュ発光パターン(白点滅)によるラッシュLED085IW013の発光制御が行われる。
【0300】
第4発光演出は、実行条件として、当り開始指定コマンド受信という第1実行条件が定められ、終了条件として、第4発光演出の実行完了という第1終了条件が定められている。また、第4発光演出では、消灯態様となる消灯用ラッシュ発光パターン(消灯)によるラッシュLED085IW013の発光制御が行われる。
【0301】
なお、図8-19に示す発光演出が実行されていないときには、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、BGMや背景演出等の他の演出や、エラーに発光した発光パターンにより発光制御される一方、ラッシュLED085IW013は、消灯態様に制御される。すなわち、ラッシュLED085IW013は、BGMや背景演出、予告演出等の他の演出、およびエラーに応じて発光しない。そのため、ラッシュLED085IW013は、大当り遊技状態(具体的には大当り遊技状態のうちの確変昇格報知以降の期間)および確変状態においてのみ発光し、通常状態(低確率低ベース状態)において発光することはない。このような構成により、確変状態とラッシュLED085IW013の発光態様とを関連付けることができ、遊技状態の誤認を防止することができる。
【0302】
図8-16に示すように、本実施形態では、大当り遊技状態(具体的には大当り遊技状態のうちの確変昇格報知が行われる前の期間)において、ラッシュLED085IW013は、消灯態様となるように発光制御され、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、BGMや背景演出に対応する発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターンとBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)により発光制御される。
【0303】
そして、大当り遊技状態において、昇格演出により確変昇格報知が行われると(すなわち第1発光演出の第1実行条件が成立すると)、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、虹色で点滅する発光パターン(第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)、第1枠発光パターン(虹点滅)および第1ロゴ発光パターン(虹点滅))による発光制御が所定期間(本例では2.1秒間)行われる。
【0304】
所定期間(本例では2.1秒間)の発光制御が完了すると(すなわち第1発光演出の実行完了により、第1発光演出の終了条件が成立するとともに、第2発光演出Aおよび第2発光演出B条件が成立すると)、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯)、第2枠発光パターン(虹点灯)および第2ロゴ発光パターン(虹点灯))による発光制御が行われる。
【0305】
次いで、大当り遊技状態が終了して確変状態が開始されると(すなわち第2発光演出Aの第1終了条件が成立すると)、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、虹色で点灯する発光パターン(第2枠発光パターン(虹点灯)および第2ロゴ発光パターン(虹点灯))による発光制御が終了する。この第2枠発光パターン(虹点灯)および第2ロゴ発光パターン(虹点灯)による発光制御の終了により、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、BGMや背景演出に対応する発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターンとBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)による発光制御が行われることになる。
【0306】
これは、BGMや背景演出に対応する発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターンおよびBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)の制御用データが、虹色で点灯する発光パターン(第2枠発光パターン(虹点灯)および第2ロゴ発光パターン(虹点灯))の制御用データよりも優先順位が低いレイヤに設定されることによって実現される。具体的には、図8-27に示すように、BGM(BGM・背景演出対応用枠発光パターン)に対応する枠LED制御用データはレイヤ1に設定され、確変昇格報知(第2枠発光パターン(虹点灯))に対応する枠LED制御用データはレイヤ3に設定される。このような構成により、遊技状態に応じた適切な発光制御を行うことができる。
【0307】
なお、図8-16に示すように、大当り遊技状態が終了して確変状態が開始されても、ラッシュLED085IW013は、虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))による発光制御が継続される。
【0308】
なお、図8-16に示す例では、第1発光演出の終了条件が成立する(すなわち第1発光演出の開始時点から所定期間(本例では2.1秒)経過すると)と、虹色に発光する発光パターンにより枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御を行い、この発光制御を大当り遊技状態が終了するまで継続するが、このような構成に限らず、BGMや背景演出に対応する発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターンとBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)による枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御を行うようにしてもよい。この場合には、大当り遊技状態における確変昇格報知前の期間のBGMや背景演出に対応する発光パターンと、確変昇格報知後の期間(確変状態に制御される期間を含むようにしてもよい)のBGMや背景演出に対応する発光パターンとでは、後者の発光パターンの方が、輝度が高い、発光色の数が多い、または点滅間隔が短いなどによって、認識度合いが高くなるようにしてもよい。
【0309】
図8-17(A)は、確変状態において通常リーチ変動(偶数図柄リーチの成立後、はずれ図柄停止)が実行される場合の演出例を示すものであり、図8-17(B)は、確変状態において通常大当り変動(偶数図柄リーチの成立後、偶数大当り図柄停止)が実行される場合の演出例を示すものである。
【0310】
図8-17(A),(B)に示すように、偶数図柄リーチが成立したときには(すなわち第3発光演出の第1実行条件が成立したときには)、ラッシュLED085IW013は、白色で点滅する発光パターン(第3ラッシュ発光パターン(白点滅))による発光制御が所定期間(本例では7秒間)行われる。そして、所定期間(本例では7秒間)の発光制御が完了すると(すなわち第3発光演出の第1終了条件が成立すると)、ラッシュLED085IW013は、消灯態様となる。
【0311】
そして、図8-17(A)に示すように、偶数図柄リーチの成立後、はずれ図柄が停止されて確変状態が継続される場合(すなわち第2発光演出Bの第2実行条件が成立する場合)には、ラッシュLED085IW013は、虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯)による)発光制御が行われる。
【0312】
一方、図8-17(B)に示すように、偶数図柄リーチの成立後、偶数大当り図柄(通常大当り図柄)が停止された場合には、ラッシュLED085IW013は、消灯態様が維持される。
【0313】
本実施形態では、確変状態において実行される偶数図柄のリーチによるリーチ演出は、大当りとなることを示唆する一方で、確変状態(および連荘状態)が終了することを示唆するものである。そこで、図8-17(A),(B)に示すように、確変状態において偶数図柄のリーチによるリーチ演出が実行されるときに、特殊な発光パターン(本例では第3ラッシュ発光パターン(白点滅))でラッシュLED085IW013の発光制御を行うように構成されている。このような構成により、確変状態が終了することを効果的に示唆することができる。
【0314】
図8-16および図8-17に示すように、本実施形態では、確変状態において、昇格演出により確変状態に制御されることが報知された大当り遊技状態から継続して虹色発光パターン(本例では第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)および第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))でラッシュLED085IW013の発光制御を行うため、確変状態であることを明確に示すことができる。また、確変状態が終了する際に、特殊な発光パターン(本例では第3ラッシュ発光パターン(白点滅))でラッシュLED085IW013の発光制御を行うため、確変状態が終了することを示唆することができる。よって、確変状態とラッシュLED085IW013等の発光手段との関連度合いを高め、ラッシュLED085IW013等の発光手段の態様によって示唆される事項の明確性や演出効果を向上させることができる。
【0315】
なお、図8-17に示す例に限らず、偶数図柄リーチが成立したときから飾り図柄が停止表示されるときまで、白色で点滅する発光パターン(第3ラッシュ発光パターン(白点滅)によりラッシュLED085IW013の発光制御を行うようにしてもよい。この場合には、停止表示された図柄が偶数大当り図柄(すなわち通常大当り図柄)であれば、ラッシュLED085IW013を消灯態様とし、停止表示された図柄がはずれ図柄(つまり確変状態が継続される)であれば、再び虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))によりラッシュLED085IW013の発光制御を行うようにしてもよい。
【0316】
なお、図8-17に示す例に限らず、例えば、偶数図柄リーチが成立する変動表示が開始されたときから飾り図柄が停止表示されるときまで、白色で点滅する発光パターン(第3ラッシュ発光パターン(白点滅))によりラッシュLED085IW013の発光制御を行うようにしてもよい。また、例えば、偶数図柄リーチが成立する可能性が高い先読み予告演出が開始されたとき、またはそのような先読み予告演出が実行された後に対象となる変動表示が開始されたときから、飾り図柄が停止表示されるときまで、白色で点滅する発光パターン(第3ラッシュ発光パターン(白点滅))によりラッシュLED085IW013の発光制御を行うようにしてもよい。このような構成により、確変状態が継続するかどうか(換言すれば、いわゆる連荘状態が継続するかどうか)に注目させることができる。
【0317】
図8-18(A)は、確変状態において確変リーチ変動(奇数図柄リーチ成立後、はずれ図柄停止)が実行される場合の演出例を示すものであり、図8-18(B)は、確変状態において確変大当り変動(奇数図柄リーチ成立後、奇数大当り図柄停止)が実行される場合の演出例を示すものである。
【0318】
図8-18(A),(B)に示すように、奇数図柄リーチが成立したときには、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御は変化しない。ただし、図8-18(B)に示すように、奇数図柄リーチの後に奇数大当り図柄が停止されて大当り遊技状態が開始されると(すなわち第4発光演出の第1実行条件が成立すると)、ラッシュLED085IW013は、消灯用ラッシュ発光パターン(消灯)により発光制御が行われ、消灯態様となる。このような構成により、遊技状態に応じた好適な発光制御を行うことができる。
【0319】
図8-17(B),図8-18(B)に示すように、本実施形態では、確変状態において大当りが発生して大当り遊技状態に制御されたときに、ラッシュLED085IW013を消灯態様とする制御を行う。このような構成により、遊技状態に応じた好適な発光制御を行うことができる。
【0320】
なお、図8-18に示す例に限らず、確変大当りであることが確定的な態様により大当りが発生した場合(例えば、奇数図柄の大当り図柄が停止表示された場合)には、確変状態から大当り遊技状態に制御されても、虹色で点灯する発光パターン(例えば、第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))によるラッシュLED085IW013の発光制御を継続し(また、例えばそのような発光制御が行われていない場合には新たに行い)、確変大当りではないことが確定的、または確変大当りであるか不明な態様により大当りが発生した場合(例えば、偶数図柄や特殊な図柄の大当り図柄が停止表示された場合)にのみ、大当り遊技状態に制御されたときに、ラッシュLED085IW013を消灯態様とする発光制御を行うようにしてもよい。このような構成により、確変大当りであることが確定的な態様により大当りが発生したときの興趣を高めることができるとともに、確変大当りであることが確定的ではないときには昇格演出が実行される前にラッシュLED085IW013を消灯態様にしておくことができる。
【0321】
また、例えば、リーチ演出によって飾り図柄が揃ったときに、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、2.1秒間、確変昇格報知時の虹点滅(「虹」を構成する色と消灯態様との切り替えの繰り返し)とは異なる態様の虹点滅(例えば、「虹」を構成する色と白色との切り替えの繰り返し)の発光パターンにより発光制御が行われ、その後、所定期間(例えば、再抽選演出が開始される時点、図柄確定コマンドを受信する時点までなど)に亘って確変昇格報知時の虹点灯と共通の発光制御が行われるようにしてもよい。
【0322】
また、図8-16~図8-18に示すように、本実施形態では、確変状態において、BGMや背景演出に対応した発光パターン(本例では、BGM・背景演出対応用枠発光パターンとBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)で枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御を行うように構成されている。このような構成により、ラッシュLED085IW013の発光制御により確変状態に制御されることを明確にしながら、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御により確変状態中の興趣を向上させることができる。
【0323】
なお、本実施形態では、確変昇格報知は、大当り遊技中に実行されるが、例えば、大当り遊技後に実行されるようにしてもよい。この場合には、例えば、通常大当りと報知される(実際に通常大当りの場合と、実際には確変大当りの場合とがある)大当り遊技の終了後に、変動表示が100回行われるまで時短状態に制御されることを報知し、任意の回数目(例えば100回目)の変動表示が行われるときに、実際には確変状態であることを報知するようにしてもよい。また、確変状態であることを報知するときに、虹色発光パターンによりラッシュLED085IW013の発光制御を行うようにしてもよい。
【0324】
次に、発光演出を実行するための発光演出処理について説明する。図8-20は、本実施形態において、演出制御用CPU120が実行する発光演出処理の流れの一例を示すフローチャートである。発光演出処理は、例えば、図7に示す演出制御プロセス処理において、先読予告設定処理(ステップS161)の実行後、ステップS170~S177の処理のいずれかを実行する前に、実行される。
【0325】
発光演出処理では、最初に、演出制御用CPU120は、発光演出を実行する条件である発光演出実行条件が成立したか否かを判定する(A1)。例えば、図8-19に示す発光演出テーブルに示す第1発光演出、第2発光演出A、第2発光演出B、第3発光演出および第4発光演出のいずれかの実行条件が成立しているか否かを判定する。
【0326】
成立したと判定したならば(A1;Yes)、演出制御用CPU120は、発光パターンを決定する(A3)。具体的には、図8-19に示す発光演出テーブルにもとづいて、実行条件が成立した発光演出に対応付けられたラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光パターンを選択して決定する。
【0327】
次いで、演出制御用CPU120は、発光演出開始タイミングであるか否かを判定する(A5)。本例では、実行条件の成立と同時に発光演出を開始するため、実行条件の成立タイミングが発光演出開始タイミングとなるが、例えば、実行条件の成立時点から所定期間経過したときに発光演出を開始する場合には、実行条件の成立タイミングから所定期間経過したタイミングが発光演出開始タイミングとなる。
【0328】
発光演出開始タイミングであると判定したならば(A5;Yes)、演出制御用CPU120は、データ送信タイミングであるか否かを判定する(A7)。データ送信タイミングは、後述するデータ送信周期に対応する時間が経過する毎のタイミングである。
【0329】
データ送信タイミングであると判定したならば(A7;Yes)、演出制御用CPU120は、各電気部品(ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012)について、ループAの処理を実行する(A9~A21)。
【0330】
ループAの処理では、演出制御用CPU120は、該電気部品について、発光制御データを生成する発光制御データ生成処理を実行する(A11)。具体的には、発光制御用データを参照し、A3で決定した発光パターンに対応する発光制御生成用データを読み出す。そして、読み出した発光制御生成用データを用いて、該電気部品について、共通フォーマット及びフォーマット種別に対応するフォーマット(基本フォーマット又は拡張フォーマット)でなる発光制御データを生成する。
【0331】
次いで、演出制御用CPU120は、A9で生成した発光制御データをランプ制御基板14に送信する発光制御データ送信処理を実行する(A13)。
【0332】
次いで、演出制御用CPU120は、グループ番号(グループNo)を“1”だけインクリメントする(A15)。その後、演出制御用CPU120は、該電気部品に対応する全てのグループについて上記の処理が完了したか否かを判定し(A17)、完了していないと判定したならば(A17;No)、A9に処理を戻す。また、完了したと判定したならば(A17;Yes)、演出制御用CPU120は、グループNoを“0”にリセットする(A19)。そして、演出制御用CPU120は、次の電気部品(ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012)へと処理を移す。
【0333】
全ての電気部品(ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012)についてのループAの処理を実行したならば(A21)、演出制御用CPU120は、発光演出の終了タイミングであるか否かを判定する(A23)。具体的には、図8-19に示す発光演出テーブルを用いて、実行中の発光演出に対応する終了条件が成立しているか否かを判定することにより、発光演出の終了タイミングであるか否かを判定する。終了タイミングではないと判定したならば(A23;No)、演出制御用CPU120は、A7に処理を戻す。
【0334】
一方、発光演出の終了タイミングであると判定したならば(A23;Yes)、演出制御用CPU120は、処理を終了するか否かを判定する(A25)。処理を継続すると判定したならば(A25;No)、演出制御用CPU120は、A1に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(A25;Yes)、演出制御用CPU120は、発光演出処理を終了する。
【0335】
次に、発光演出を実現するための制御データについて説明する。演出制御基板12のROM121には、演出制御用CPU120が各LEDの発光制御を行うために用いる発光制御用テーブルが記憶されている。発光制御用テーブルには、例えば、発光パターンと、ドライバIDと、出力端子番号と、電気部品と、発光制御生成用データと、が対応付けて定められている。
【0336】
例えば、発光パターンと対応づけられるドライバIDには、発光体ドライバを識別するための識別情報としてのIDが記憶され、出力端子番号には、該発光体ドライバ出力端子の番号が記憶され、電気部品には、該発光体ドライバ及び該出力端子番号に対応する電気部品(例えば、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012)が記憶され、発光制御生成用データには、該発光体ドライバに適用するシリアル-パラレル変換回路を制御するためのデータであって、制御データフォーマットに基づく発光制御データを生成するために用いられるデータが記憶される。
【0337】
各発光制御生成用データには、例えば、データ名と、フォーマット種別と、アドレスと、データ送信周期と、単位発光時間と、発光制御周期と、フォーマット用データと、が含まれる。
【0338】
例えば、データ名には、発光制御用テーブルの発光パターンに対応するフォーマット生成用データのデータ名が記憶され、フォーマット種別には、基本フォーマット(EX=0)及び拡張フォーマット(EX=1)のうちのいずれのフォーマットを適用するかの識別情報(「基本」又は「拡張」)が記憶され、アドレスには、該発光体ドライバに適用するシリアル-パラレル変換回路に設定するアドレスが記憶され、データ送信周期には、演出制御基板12からランプ基板14の発光体ドライバに発光制御データを送信する周期が記憶され、単位発光時間には、該発光体ドライバに対応するLED9に発光を行わせる単位時間が記憶される。本実施形態では、データ送信周期を10ms(ミリ秒)として説明する。
【0339】
発光制御周期には、1周期分の発光の制御単位とする時間(以下、この周期を「発光制御周期」という。)が記憶される。この発光制御周期は、発光種別に応じて異なる。具体的には、発光種別が「連続」や「点滅」である場合には「100ms」といった時間を定めておくことができ、発光種別が「切替」(複数色の変化に伴う特別発光色(虹色)の発光等)である場合には「1800ms」といった時間を定めておくことができる。
【0340】
フォーマット用データには、該フォーマット種別のフォーマットを適用して発光制御データに含める時系列のQデータが記憶される。具体的には、フォーマット用データには、発光順序と、該発光順序に対応するRGB値に対応するQデータと、が対応付けて定められている。
【0341】
本実施形態では、16進数で表現されるQデータ(カラー16進数、RGBカラー値)によって、LED9の発光を制御することとして説明する。カラー16進数では、RGBそれぞれを2桁ずつ合計6桁の16進数(0~F)で表現することで「16×16=256階調」を表すが、本明細書では、RGBそれぞれの2桁の数値を同じ値とし、RGBそれぞれを1桁ずつの合計3桁に省略した表記として図示・説明する。また、簡明化のため、16進数を表す「0x」の表記は省略して図示・説明する。
【0342】
また、Qデータには、アドレスに対応する発光体ドライバを構成するシリアル-パラレル変換回路に出力するQデータとして、グループ1を対象とするQデータと、グループ2を対象とするQデータと、グループ3を対象とするQデータとが含まれる。各グループを対応するQデータには、該グループに含まれる4つの出力端子Qから出力させるRGB値が格納される。
【0343】
具体的には、出力データとしてのRGB値について、グループ1では、Q0がR値(R)に、Q1がG値(G)に、Q2がB値(B)にそれぞれ対応している。Q3はグラウンドに接続されるため無し(-)としている。また、グループ2では、Q4がR値(R)に、Q5がG値(G)に、Q6がB値(B)にそれぞれ対応している。Q7はグラウンドに接続されるため無し(-)としている。また、グループ3では、Q8がR値(R)に、Q9がG値(G)に、Q10がB値(B)にそれぞれ対応している。Q11はソレノイド500に接続されるため無し(-)としている
【0344】
具体的に説明する。例えば、データ送信周期が「10ms」であれば、演出制御基板12から発光体ドライバに対して10ms毎にデータを送信することが定められている。また、単位発光時間が「100ms」であれば、対象となるLEDに100msの単位発光時間で発光を行わせることが定められている。また、発光制御周期は「100ms」であれば、該発光パターンの発光種別は「連続」であり、特定色の連続発光を行わせるため、単位発光時間と同じ時間が発光制御周期として定められている。
【0345】
また、例えば、フォーマット用データにおいて、発光順序には「1」~「N」までの順序が定められており、発光順序「1」~「N」それぞれについて、各グループのQデータ(RGB値)として「0、0、F」が定められていれば、全ての発光順序について、QデータのうちのR値及びG値が「0」とされ、B値が「F」とされているため、青色の連続発光が実現される。
【0346】
次に、LEDを階調制御して、混色による発光を実現するための制御データについて、図8-21~図8-26を参照して説明する。ここで説明する階調制御データにおけるQデータ(RGB値)は、上記の発光制御生成用データに含まれるフォーマット用データのQデータにそのまま適用することが可能である。
【0347】
図8-21は、ラッシュLED085IW013における虹色の点滅(第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。なお、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012における虹色の点滅(第1枠発光パターン(虹点滅)および第1ロゴ発光パターン(虹点滅)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データについては、図示を省略するが、例えば、図8-23や図8-24に示す形式において、図8-21に示すような階調制御データが含まれるものが用いられる。
【0348】
この階調制御データにおいて、最左欄には、切替単位発光時間Δtn/データ送信周期Δtsを示し、その右欄には、F_OF(フェードイン(徐々に明るくなる)・フェードアウト(徐々に暗くなる)動作をさせない)と、F_ON(フェードイン・フェードアウト動作をさせる)とのいずれに定められているかを示し、その右欄には、各グループ(グループ1、グループ2、・・・)に対応するQデータ(RGB値)を16進数で表現している。
【0349】
例えば、[600/10,F_0F+0xFFF]では、600ms間の調光しない白色(0xFFF)の発光が実現され、[600/10,F_0N+0xFFF]では、600msかけて調光しながら最終的に白色(0xFFF)の発光が実現される。
【0350】
発光順序1が[600/10,F_0F+0x000]、発光順序2が[600/10,F_0N+0xFFF]となっている場合には、例えば、発光順序2の内訳は[40ms 0x111]、[40ms 0x222]、[40ms 0x333]、[40ms 0x444]、[40ms 0x555]、[40ms 0x666]、[40ms 0x777]、[40ms 0x888]、[40ms 0x999]、[40ms 0xAAA]、[40ms 0xBBB]、[40ms 0xCCC]、[40ms 0xDDD]、[40ms 0xEEE]、[40ms 0xFFF]と15階調制御が行われる。例えば、0xFFFは、0x111よりも輝度が高く、認識しやすい態様である。
【0351】
本実施形態では、確変昇格報知時や後述するV入賞発生時には、F_ONを使用しない発光パターンにより、各階調制御データに基づいた発光を徐々に調光せずに行うため、1の階調制御データに基づいた発光が認識しやすくなり、メリハリのある発光を実現できる。なお、BGMや背景演出に対応する発光パターンでは、F_OFとF_ONとが適宜組み合わされた制御データとなっている。
【0352】
図8-21に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは30msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=30、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「F、7、0」、グループ2のQデータ(RGB値)が「F、3、0」とすることで、ラッシュLED085IW013に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、それぞれ異なる発光色の発光を実現している。
【0353】
また、図8-21に示す階調制御データの発光順序2では、切替単位発光時間Δtnは20msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=20、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「0、0、0」、グループ2のQデータ(RGB値)が「0、0、0」とすることで、ラッシュLED085IW013に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、消灯を実現している。
【0354】
また、図8-21に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは30msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=30、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「F、5、0」、グループ2のQデータ(RGB値)が「F、1、0」とすることで、ラッシュLED085IW013に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、それぞれ異なる発光色(発光順序1の発光色とも異なる)の発光を実現している。
【0355】
このように、短い切替単位発光時間Δtsで、ラッシュLED085IW013の第1発光部および第2発光部に発光させる発光色を複数色で順番に切り替えるように制御するとともに、ラッシュLED085IW013の第1発光部および第2発光部を消灯させる制御を間に挟むことで、人間の視覚的に、虹色で点滅しているかのように視認させることができる。なお、間に挟む態様は消灯に限らず、例えば、虹色を構成しない白色であってもよく、白色で発光させる場合には、虹色を構成する色の認識を阻害しないために「1、1、1」など輝度の低いRGB値を設定してもよい。
【0356】
なお、図8-21に示す階調制御データによる制御は、2.1秒間で実行完了する。すなわち、第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)による発光制御は、2.1秒間で終了する。
【0357】
図8-22は、ラッシュLED085IW013における虹色の点灯(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
【0358】
図8-22に示す階調制御データでは、図8-21に示す階調制御データとは異なり、ラッシュLED085IW013の第1発光部および第2発光部を消灯させる制御が間に挟み込まれていない。そのため、人間の視覚的に、虹色で点灯しているかのように視認させることができる。また、図8-22に示す階調制御データでは、F_OFを使用しない発光パターンとなっており、各階調制御データに基づいた発光を徐々に調光して行うため、各階調制御データに基づいた発光の境が曖昧な連続的な発光を実現できる。また状況に応じてF_OF、F_ONを使い分けることで趣向の異なる発光パターンでLEDを発光させることができるため興趣を高めることができる。
【0359】
図8-23は、枠LED085IW001~011における虹色の点灯(第2枠発光パターン(虹点灯)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
【0360】
図8-23に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは40msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=40、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「F、7、0」、グループ2のQデータ(RGB値)が「F、3、0」、グループ1(例えば枠LED085IW001に対応)のQデータ(RGB値)が「F、7、0」、グループ2(例えば枠LED085IW002に対応)のQデータ(RGB値)が「F、7、0」、グループ3(例えば枠LED085IW003に対応)のQデータ(RGB値)が「F、3、0」、グループ4(例えば枠LED085IW004に対応)のQデータ(RGB値)が「F、0、0」、グループ5(例えば枠LED085IW005に対応)のQデータ(RGB値)が「F、0、4」、グループ6(例えば枠LED085IW006に対応)のQデータ(RGB値)が「F、0、8」、グループ7(例えば枠LED085IW007に対応)のQデータ(RGB値)が「F、0、C」、グループ8(例えば枠LED085IW008に対応)のQデータ(RGB値)が「D、0、F」、グループ9(例えば枠LED085IW009に対応)のQデータ(RGB値)が「9、0、F」、グループ10(例えば枠LED085IW010に対応)のQデータ(RGB値)が「5、0、F」、グループ11(例えば枠LED085IW011に対応)のQデータ(RGB値)が「1、0、F」、とすることで、枠LED085IW001~011が、それぞれ異なる発光色の発光を実現している。
【0361】
また、図8-23に示す階調制御データでも、短い切替単位発光時間Δtsで、枠LED085IW001~011に発光させる発光色を複数色で順番に切り替えるように制御することで、人間の視覚的に、虹色で点灯しているかのように視認させることができる。
【0362】
なお、本実施形態では、確変昇格報知が実行された後の大当り遊技状態において、図8-23に示す階調制御データを用いて、枠LED085IW001~011における虹色の点灯を実現しているが、このような構成に加えて、例えば、大当り図柄が停止表示されたときにも、図8-23に示す階調制御データを用いて、一時的に枠LED085IW001~011における虹色の点灯を実現するようにしてもよい。
【0363】
図8-24は、ロゴLED085IW012における虹色の点灯(第2ロゴ発光パターン(虹点灯)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
【0364】
図8-24に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは40msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=40、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「F、7、0」、グループ2のQデータ(RGB値)が「F、7、0」とすることで、ロゴLED085IW012に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、それぞれ発光を実現している。
【0365】
また、図8-24に示す階調制御データでも、短い切替単位発光時間Δtsで、ロゴLED085IW012に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて発光させる発光色を複数色で順番に切り替えるように制御することで、人間の視覚的に、虹色で点灯しているかのように視認させることができる。
【0366】
なお、本実施形態では、図8-22~図8-24に示される階調制御データを用いた発光制御が開始されると、所定の終了条件が成立するまで、当該階調制御データを用いた発光制御が繰り返し実行される。
【0367】
図8-25は、ラッシュLED085IW013における白色の点滅(第3ラッシュ発光パターン(白点滅)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
【0368】
図8-25に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは500msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=500、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「5、5、5」、グループ2のQデータ(RGB値)が「5、5、5」となっており、発光順序2では、切替単位発光時間Δtnは500msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=500、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「1、1、1」、グループ2のQデータ(RGB値)が「1、1、1」となっている。
【0369】
図8-25に示す階調制御データでは、切替単位発光時間Δtsで、枠LED085IW001~011に発光させる発光色を「5、5、5」と「1、1、1」とで順番に切り替え、最終的に「0、0、0」とするように制御することで、人間の視覚的に、白色で点滅し、最終的に消灯するかのように視認させることができる。
【0370】
図8-26は、ラッシュLED085IW013における消灯(消灯用ラッシュ発光パターン(消灯)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
【0371】
図8-25に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは600000msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=500、Δts=10)、F_OFであり、グループ1およびグループ2のQデータ(RGB値)がいずれも「0、0、0」とすることで、ラッシュLED085IW013に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、消灯を実現している。
【0372】
次にLEDを制御するときに用いられる制御用データ領域について説明する。演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた制御用データ領域に制御用データが設定されている場合にラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012等のLEDを所定の発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御可能となっている。以下の説明では、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012のいずれかのLEDによる演出を説明する場合には、単にLED演出と表現することがある。
【0373】
図8-27は、制御用データ領域の一例を示す図である。特に制御用データ領域のうちの枠LED085IW001~011の制御用データ領域の一例を示す図である。制御用データ領域は、一の制御用データ領域と他の制御用データ領域とを少なくとも含む。具体的に、本例では、図8-27に示すように、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の5つの制御用データ領域を含む。そして、各レイヤは、音声を出力する音演出に対応している。例えば、「エラー」演出は、画像表示装置5にもエラーを示す画面が表示される演出であるが、そのうちのエラー音を出力する演出に対応している。なお、音演出は、音を出さない演出(無音演出)も含み、この無音演出に対応したLED演出があってもよい。この無音演出に対応したLED演出は、LEDを消灯させるのではなく、発光させる演出である。
【0374】
また、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5は優先順位が設定されており、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5(レイヤ1が最も優先順位が低く、レイヤ5が最も優先順位が高い)となっている。ここで、「優先順位が設定されている」とは、具体的に、演出制御用CPU120が枠LED085IW001~011を制御する場合には、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に制御用データが設定されているか否かを判定し、設定されていると判定された制御用データ領域に設定されている制御用データをランプ制御基板14に対して出力するという制御を行うため、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に優先されることを示している。なお、優先順位の設定を実現する例は、これに限るものではなく、例えば、各レイヤに優先順位を示す値を割り当てるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、まず制御用データが設定されている全てのレイヤに割り当てられた値を参照し、(複数のレイヤに制御データが設定されている場合であっても)その中で優先順位が最も高い値(例えば最大値)が割り当てられているレイヤに設定された制御用データをランプ制御基板14に対して出力することとなる。
【0375】
このように、レイヤには優先順位が設定されているため、LED演出では1つのLED演出のみが行われ、複数のLED演出が同時に行われることはないが、LED演出に対応する音演出は同時に行われることがある。例えば、レイヤ1の制御用データ領域にBGM演出の制御用データが設定され、レイヤ1より優先順位が高いレイヤの制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されていない場合は、BGM演出のLED演出とともに、BGMが音演出として行われる。この状態で、例えばレイヤ3の制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されると、LED演出では、BGM演出のLED演出が終了して、他の演出のLED演出が行われるが、音演出では、BGMと他の演出の音演出とが同時に行われる。
【0376】
演出制御用CPU120は、いずれか一方の制御用データ領域に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012等のLEDを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。具体的に例えば、遊技状態が低ベース状態では、図8-27に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動、リーチ変動)に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告B演出に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告A演出に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
【0377】
また、遊技状態が高ベース状態では、図8-27に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動)に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2のBGM演出(リーチ変動)に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告演出(全て)に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
【0378】
さらに、遊技状態が大当り遊技状態では、図8-27に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(大当り)に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の大入賞口入賞演出に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の確変昇格報知に対応した発光パターン(第1枠発光パターン(虹点滅)や第2枠発光パターン(虹点灯))にて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4のV入賞発生演出に対応した発光パターン(例えば、第2実施形態で用いられる消灯用枠発光パターン)にて枠LED085IW001~011を消灯態様とするように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
【0379】
演出制御用CPU120は、複数の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。具体的に例えば、レイヤ2とレイヤ3との両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ3に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。さらに、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ4に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。
【0380】
また、レイヤ1とレイヤ3との両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ3に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御されるが、その後レイヤ3の制御用データ領域がNULLとなり、レイヤ1の制御用データ領域にのみ制御用データが設定されている状態となると、レイヤ1に対応した発光パターンにて枠LED085IW001~011を発光(点灯、点滅など)させるように制御されることになる。
【0381】
枠LED085IW001~011の制御用データ領域と同様に、ロゴLED085IW012の制御用データ領域では、図8-27に示すような制御用データが設定されるが、ラッシュLED085IW013の制御用データ領域では、BGMや予告演出等に関する制御用データは設定されず、発光演出に関する制御用データのみ設定される。
【0382】
なお、本実施形態において、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが振動する振動演出を実行可能としてもよい。また、振動演出として、予告として実行されるもの(すなわち大当り期待度の示唆あり)と、確変昇格報知から所定期間(例えば第1発光演出と同じ期間(本例では2.1秒間))に亘って実行されるもの(すなわち大当り期待度の示唆なし)とがあり、両者の振動態様は同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0383】
また、予告として実行される振動演出は、振動態様により大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、振動強度や振動間隔等が異なる複数の振動パターンのうちのいずれの振動パターンにより振動するかということや、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bとのいずれが振動するか(もしくは両方振動するか)ということによって、大当り期待度が異なるようにしてもよい。
【0384】
以上に説明したように、特徴部085IWにおける第1実施形態では、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、特別状態(例えば、確変状態)に制御可能な状態制御手段(例えば、CPU103が大当り終了処理(S117)において確変制御を開始するための設定を実行する部分)と、有利状態において、特別状態に制御されるか否かを報知する特定演出(例えば、昇格演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120がステップ085IWS107を実行する部分)と、実行される演出に対応した複数の発光パターンで特定発光手段(例えば、ラッシュLED085IW013)と所定発光手段(例えば、枠LED085IW001~011や、ロゴLED085IW012)とを含む複数の発光手段の発光制御を行う発光制御手段(例えば、演出制御用CPU120が図8-19に示す発光演出処理を実行する部分)と、を備え、特定発光手段は、特定部(例えば、図8-1に示すラッシュLED085IW013が設置された部分)を発光させる発光手段であり、所定発光手段は、特定部とは異なる所定部(例えば、図8-1に示す枠LED085IW001~011や、ロゴLED085IW012が設置された部分)を発光させる発光手段であり、発光制御手段は、有利状態において、所定演出(例えば、BGMや背景演出)に対応した所定発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターン、BGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)で所定発光手段の発光制御を行い、特定演出により特別状態に制御されることが報知されたとき(例えば、図8-16に示す確変昇格報知が実行されたとき(図8-19に示す第1発光演出の第1実行条件が成立したとき))に、特定発光パターン(例えば、虹色発光パターンである、第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)や第2ラッシュ発光パターン(虹点灯)、第1枠発光パターン(虹点滅)、第2枠発光パターン(虹点灯)、第1ロゴ発光パターン(虹点滅)、第2ロゴ発光パターン(虹点灯))で所定発光手段と特定発光手段との発光制御を行い(例えば、図8-19に示す第1発光演出、第2発光演出Aおよび第2発光演出Bが実行される部分)、特別状態において、特定演出により特別状態に制御されることが報知された有利状態から継続して特定発光パターンで特定発光手段の発光制御を行い(例えば、図8-19に示す第1発光演出に続いて第2発光演出Bが実行される部分)、特別状態が終了する際(例えば、図8-17に示す偶数図柄リーチ成立したとき(図8-19に示す第3発光演出の第1実行条件が成立したとき)に、所定発光パターンおよび特定発光パターンとは異なる特殊発光パターン(例えば、第3ラッシュ発光パターン(白点滅))で特定発光手段の発光制御を行う(例えば、図8-19に示す第3発光演出が実行される部分)。
そのような構成により、特別状態において、特定演出により特別状態に制御されることが報知された有利状態から継続して特定発光パターンで特定発光手段の発光制御を行うため、特別状態であることを明確に示すことができる。また、特別状態が終了する際に、特殊発光パターンで特定発光手段の発光制御を行うため、特別状態が終了することを示唆することができる。よって、特別状態と発光手段との関連度合いを高め、発光手段の態様によって示唆される事項の明確性や演出効果を向上させることができる。
【0385】
また、特徴部085IWにおける第1実施形態では、特別状態が終了することを示唆する示唆演出(例えば、偶数図柄のリーチ成立によるリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段を備え、発光制御手段は、示唆演出が実行されるとき(例えば、図8-17(A),(B)に示す偶数図柄リーチ成立したとき(図8-19に示す第3発光演出の第1実行条件が成立したとき)に、特殊発光パターンで特定発光手段の発光制御を行う(例えば、図8-19に示す第3発光演出が実行される部分)。
そのような構成により、特別状態が終了することを効果的に示唆することができる。
【0386】
また、特徴部085IWにおける第1実施形態では、発光制御手段は、特別状態において有利状態に制御されたとき(例えば、図8-18(B)に示す奇数大当り図柄が停止して大当り遊技状態が開始されるとき(図8-19に示す第4発光演出の第1実行条件が成立したとき)に、特定発光手段を消灯態様とする制御を行う(例えば、図8-19に示す第4発光演出が実行される部分))。
そのような構成により、遊技状態に応じた好適な発光制御を行うことができる。
【0387】
また、特徴部085IWにおける第1実施形態では、特定発光パターンは、発光手段を第1発光態様で発光させた後に第2発光態様で発光させる発光パターンである(例えば、第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)に続いて第2ラッシュ発光パターン(虹点灯)で発光制御されるパターンや、第1枠発光パターン(虹点滅)に続いて第2枠発光パターン(虹点灯)で発光制御されるパターン、第1ロゴ発光パターン(虹点滅)に続いて第2ロゴ発光パターン(虹点灯)で発光制御されるパターン)。
そのような構成により、特定演出により特別状態に制御されることが報知されたときの演出効果を高めることができる。
【0388】
また、特徴部085IWにおける第1実施形態では、発光制御手段は、特別状態において、所定演出に対応した所定発光パターンで所定発光手段の発光制御を行う(例えば、図8-16に示す確変状態において、BGM・背景演出対応用枠発光パターンで枠LED085IW001~011の発光制御を行い、BGM・背景演出対応用ロゴ発光パターンでロゴLED085IW012の発光制御を行う部分)。
そのような構成により、特定発光手段の発光制御で特別状態に制御されることを明確にしつつ、所定発光手段の発光制御で特別状態中の興趣を向上させることができる。
【0389】
また、特徴部085IWにおける第1実施形態では、発光制御手段は、有利状態が終了するとき(例えば、図8-16に示す大当り遊技状態終了時)に、特定発光パターンでの所定発光手段の発光制御を終了する(例えば、図8-19に示す第2発光演出Aの第1終了条件(当り終了コマンド受信)の成立により、第2枠発光パターン(虹点灯)および第2ロゴ発光パターン(虹点灯)による発光制御を終了する)。
そのような構成により、遊技状態に応じた適切な発光制御を行うことができる。
【0390】
また、特徴部085IWにおける第1実施形態では、所定発光パターンは、特定発光パターンよりも優先順位が低いレイヤに設定される(例えば、図8-27に示すように、BGM(BGM・背景演出対応用枠発光パターン)に対応する枠LED制御用データはレイヤ1に設定され、昇格報知(第1枠発光パターン(虹点滅)、第2枠発光パターン(虹点灯))に対応する枠LED制御用データはレイヤ3に設定される)。
そのような構成により、発光手段の発光制御を適切に行うことができる。
【0391】
また、特徴部085IWにおける第1実施形態では、発光制御手段は、特別状態よりも遊技者にとって不利な所定状態(例えば、通常状態(低確率低ベース状態))において、特定発光手段を発光させる発光制御を行わない(例えば、ラッシュLED085IW013は、大当り遊技状態であって確変昇格報知が実行された後の期間、および確変状態に制御されている期間以外の期間には発光しない。図8-19参照)。
そのような構成により、遊技状態の誤認を防止することができる。
【0392】
実施形態2.
次に、特徴部085IWにおける第2実施形態の遊技機につき、図9-1~図9-9を参照して説明する。なお、第2実施形態では、主として第1実施形態の構成と異なる構成について説明する。
【0393】
図9-1は、特徴部085IWにおける第2実施形態のパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。また、図9-2は、第2実施形態の特別可変入賞球装置の構成例を示す説明図である。
【0394】
図9-1及び図9-2に示すように、第2実施形態では、特別可変入賞球装置7には、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材052IW108が設けられ、大当り遊技状態において、底面部材052IW108を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材052IW108を後方に向けて後退移動させることにより、入賞領域となる大入賞口が開状態とされる。大入賞口内に入賞した遊技球は、第1カウントスイッチ23によって検出される。
【0395】
また、第2実施形態では、図9-2に示すように、大入賞口内に入賞した遊技球は、さらに特別可変入賞球装置7の右方に設けられた誘導経路052IW100に導かれる。誘導経路052IW100は、さらに2つの経路052IW102,103に分岐しており、誘導経路052IW100に導かれた遊技球は、左側経路052IW102または右側経路052IW103に導かれる。左側経路052IW102に導かれた場合には、遊技球はV領域052IW104に進入し、V領域スイッチ052IW106によって検出される。右側経路052IW103に導かれた場合には、遊技球は排出領域052IW105に進入し、排出領域スイッチ052IW107によって検出される。
【0396】
図9-2に示すように、左側経路052IW102の入口付近には、V領域開閉板052IW101が設けられており、V領域開閉板052IW101が開状態であるときに、誘導経路052IW100に導かれた遊技球が左側経路052IW102に進入し、V領域052IW104に進入可能である。また、V領域開閉板052IW101が閉状態であるときには、誘導経路052IW100に導かれた遊技球が右側経路052IW103に進入し、排出領域052IW105から遊技領域の裏側に排出される。
【0397】
なお、V領域開閉板052IW101は、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)によって、ソレノイド052IW109が駆動されることによって閉状態から開状態に制御される。
【0398】
また、第2実施形態では、大当り遊技に制御されると、その大当り遊技中に遊技球がV領域052IW104に進入し、V領域スイッチ052IW106によって検出されたことを条件として、その大当り遊技の終了後に確変状態に制御される。以下、大当り遊技中に遊技球がV領域052IW104に進入し、V領域スイッチ052IW106によって検出されることを、V入賞ともいう。
【0399】
また、V領域開閉板052IW101の開閉パターンとして、実質的に遊技球がV領域052IW104に進入不可能(または進入が困難)な第1開閉パターンと、遊技球がV領域052IW104に進入可能(または極めて進入が容易)な第2開閉パターンと、が設けられており、大当り種別に応じて、適用される開閉パターンが異なるように構成されている。例えば、大当りAのときには、第1開閉パターンが適用され、大当りBおよび大当りCのときには、第2開閉パターンが適用される。このような構成により、第2実施形態では、大当り種別が大当りAのときには、実質的に通常大当りとなり、大当り種別が大当りBまたは大当りCのときには、大当り遊技中に遊技球がV領域052IW104に進入すれば確変大当りとなる。つまり、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、大当り種別が大当りBまたは大当りCであるだけでは、確変状態に制御されない。
【0400】
なお、1ラウンド中にV領域スイッチ052IW106によって検出された遊技球数と排出領域スイッチ052IW107によって検出された遊技球数との合計数は、第1カウントスイッチ23によって検出された遊技球数と一致する筈である。そのため、1ラウンド中にV領域スイッチ052IW106によって検出された遊技球数と排出領域スイッチ052IW107によって検出された遊技球数との合計数が、第1カウントスイッチ23によって検出された遊技球数と一致しない場合には、大入賞口入排出不一致エラーと判定し、エラー報知するように構成してもよい。この場合、特別可変入賞球装置7が閉状態となる直前に入賞した遊技球がV領域052IW104や排出領域052IW105に到達するまでにはある程度時間がかかることから、特別可変入賞球装置7が閉状態となってから所定時間(例えば、30秒)が経過するまでに遊技球数が一致しなければ、大入賞口入排出不一致エラーと判定するように構成すればよい。
【0401】
次に、第2実施形態における大当り開放中処理について説明する。図9-3は、特別図柄プロセス処理における大当り開放中処理(ステップS115)を示すフローチャートである。大当り開放中処理において、CPU103は、第1カウントスイッチ23がオン状態となっているか否かを確認する(ステップ085IWS2401)。第1カウントスイッチ23がオン状態となっていれば、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出していれば、CPU103は、大入賞口に入賞した遊技球の数をカウントするための入賞個数カウンタの値を1加算する(ステップ085IWS2402)。そして、CPU103は、大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ085IWS2403)。
【0402】
次いで、CPU103は、V領域スイッチ052IW106がオン状態となっているか否かを確認する(ステップ085IWS2404)。V領域スイッチ052IW106がオン状態となっていれば、すなわちV領域052IW104に進入した遊技球を検出していれば、CPU103は、V領域052IW104に遊技球が進入したことを示すV入賞フラグをセットする(ステップ085IWS2405)。また、CPU103は、V入賞が発生したことを指定するV入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ085IWS2405a)。
【0403】
次いで、CPU103は、入賞個数カウンタの値が10となっているか否かを確認する(ステップ085IWS2406)。入賞個数カウンタの値が10となっていれば、ステップ085IWS2409に移行する。入賞個数カウンタの値が10となっていなければ、CPU103は、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマの値を1減算し(ステップ085IWS2407)、減算後の開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップ085IWS2408)。開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。
【0404】
入賞個数カウンタの値が10となっている場合(ステップ085IWS2406のY)、または開放時間タイマがタイムアウトした場合(ステップ085IWS2408のY)には、CPU103は、大入賞口扉用のソレノイド82の駆動を停止して、大入賞口を閉鎖状態に制御する(ステップ085IWS2409)。また、CPU103は、CPU103は、ラウンド数カウンタの値を1減算する(ステップ085IWS2411)。
【0405】
そして、CPU103は、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値に設定する(ステップ085IWS2412)。
【0406】
次に、第2実施形態における大当り終了処理について説明する。図9-4は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS117)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップ085IWS2200)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップ085IWS2202に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU103は、大当り終了表示タイマに、画像表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップ085IWS2201)、処理を終了する。
【0407】
ステップ085IWS2202では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップ085IWS2202)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップ085IWS2203)。経過していなければ処理を終了する。
【0408】
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップ085IWS2203のY)、CPU103は、V入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ085IWS2205)。V入賞フラグがセットされていなければ、ステップ085IWS2216に移行する。
【0409】
V入賞フラグがセットされていれば、CPU103は、そのV入賞フラグをクリアし(ステップ085IWS2206)、高確率フラグをセットして高確率状態(確変状態)に移行する(ステップ085IWS2207)。また、CPU103は、高確率状態(確変状態)に制御する変動回数を示す高確率回数カウンタに「30」をセットする(ステップ085IWS2207)。
【0410】
次いで、CPU103は、高ベースフラグをセットして高ベース状態に移行する(ステップ085IWS2216)。また、CPU103は、高ベース状態(時短状態)に制御する変動回数を示す高ベース回数カウンタに「100」をセットする(ステップ085IWS2217)。その後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新する(ステップ085IWS2219)。
【0411】
高確率回数カウンタおよび高ベース回数カウンタは、変動表示が実行されるごとに1減算される。そして、高確率回数カウンタの値が0になると、確変フラグがリセットされ、高確率状態から低確率状態に移行される。また、高ベース回数カウンタの値が0になると、高ベースフラグがリセットされ、高ベース状態から低ベース状態に移行される。
【0412】
すなわち、第2実施形態では、大当り遊技中にV入賞が発生すると、大当り遊技終了後に確変状態(高確率高ベース状態)に制御される。当該確変状態は、大当りが発生するまで、または変動表示が30回実行されるまで継続される。そして、変動表示が30回実行されると、確変状態から時短状態(低確率高ベース状態)に移行する。当該時短状態は、大当りが発生するまで、または変動表示が70回実行されるまで(大当り遊技の終了時点から変動表示が100回実行されるまで)継続される。
【0413】
一方、大当り遊技中にV入賞が発生しなかった場合には、大当り遊技終了後に、時短状態(低確率高ベース状態)に制御される。当該時短状態は、大当りが発生するまで、または変動表示が100回実行されるまで継続される。
【0414】
次に、第2実施形態において実行される発光演出について、図9-5~図9-6を参照して説明する。第2実施形態では、大当り遊技中にV入賞が発生したことに対応して、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011、およびロゴLED085IW012を用いた発光演出が実行される。このような発光演出が実行されることにより、V入賞が発生したときの演出効果を高めることができるとともに、確変状態に制御されることを認識しやすくすることができる。
【0415】
図9-5は、第2実施形態における発光演出の一例を示す説明図である。図9-6は、第2実施形態における発光演出テーブルを示す説明図である。図9-6に示すように、第2実施形態では、発光演出には、第1発光演出、第2発光演出、第3発光演出および第4発光演出が含まれる。また、図9-6に示す発光演出テーブルには、各発光演出の実行条件および終了条件と、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光パターンとが対応付けられている。
【0416】
具体的には、図9-6に示すように、第1発光演出は、実行条件として、V入賞発生(例えばV入賞指定コマンド受信)という第1実行条件が定められ、終了条件として、第1発光演出の実行完了という第1終了条件が定められている。また、図9-6に示すように、第1発光演出では、虹色で点滅する第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)によるラッシュLED085IW013の発光制御と、消灯態様とする消灯用枠発光パターン(消灯)による枠LED085IW001~011の発光制御と、消灯態様とする消灯用ロゴ発光パターン(消灯)によるロゴLED085IW012の発光制御とが行われる。
【0417】
第2発光演出は、実行条件として、第1発光演出の実行完了という第1実行条件が定められ、終了条件として、第3発光演出の実行条件成立という第1終了条件と、第4発光演出の実行条件成立という第2終了条件とが定められている。また、第2発光演出では、虹色で点灯する第2ラッシュ発光パターン(虹点灯)によるラッシュLED085IW013の発光制御が行われる。
【0418】
第2実施形態では、第1発光演出の実行完了を実行条件として、第2発光演出が実行されるため、第1発光演出が実行されると、続いて第2発光演出が実行される。すなわち、V入賞が発生すると、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、第1発光演出として、消灯態様とする発光パターン(消灯用枠発光パターン(消灯)および消灯用ロゴ発光パターン(消灯))により発光制御が行われる一方で、ラッシュLED085IW013は、第1発光演出として、消灯態様とする発光パターンよりも認識度合いが高い虹色発光パターンのうちの、虹色で点滅する発光パターン(第1ラッシュ発光パターン(虹点滅))により発光制御が行われ、続いて第2発光演出として、虹色発光パターンのうちの、虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))により発光制御が行われるように構成されている。このような構成により、V入賞が発生したときの演出効果を高めることができる。
【0419】
なお、本例では、第1発光演出として、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御を消灯態様とする発光パターンにより行い、ラッシュLED085IW013の発光制御を虹色で点滅させる発光パターンにより行うことで、前者の発光パターンよりも後者の発光パターンの方が、認識度合いが高くなる(認識しやすくなっているともいえる)ようにしているが、認識度合いの異ならせ方はこの例に限られない。例えば、一方の発光パターンの方が、輝度が高い、発光色の数が多い、または点滅間隔が短いなどによっても、認識度合いを異ならせることができる。
【0420】
また、第2実施形態では、第1発光演出として、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012を消灯態様とする期間と、ラッシュLED085IW013を虹色で点滅する発光パターンにより発光させる期間とが、共通の期間であるように構成されている。このような構成により、共通の期間においてラッシュLED085IW013に注目させることができ、V入賞が発生したときの演出効果を高めることができる。
【0421】
第3発光演出は、実行条件として、確変状態に制御されてから30回目の変動表示である確変最終変動の開始という第1実行条件が定められ、終了条件として、第3発光演出の実行完了という第1終了条件が定められている。また、第3発光演出では、白色で点滅する第3ラッシュ発光パターン(白点滅)によるラッシュLED085IW013の発光制御が行われる。
【0422】
第4発光演出は、実行条件として、当り開始指定コマンド受信という第1実行条件が定められ、終了条件として、第4発光演出の実行完了という第1終了条件が定められている。また、第4発光演出では、消灯態様となる消灯用ラッシュ発光パターン(消灯)によるラッシュLED085IW013の発光制御が行われる。
【0423】
なお、第2実施形態においても、図9-6に示す発光演出が実行されていないときには、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、BGMや背景演出等の他の演出や、エラーに発光した発光パターンにより発光制御される一方、ラッシュLED085IW013は、消灯態様に制御される。すなわち、ラッシュLED085IW013は、BGMや背景演出、予告演出等の他の演出、およびエラーに応じて発光しない。そのため、ラッシュLED085IW013は、大当り遊技状態(具体的には大当り遊技状態のうちのV入賞発生以降の期間)および確変状態においてのみ発光し、通常状態(低確率低ベース状態)において発光することはない。このような構成により、確変状態とラッシュLED085IW013の発光態様とを関連付けることができ、遊技状態の誤認を防止することができる。なお、本実施形態では、ラッシュLED085IW013は、大当り種別が確変大当りではない大当り(例えば通常大当りや、実質的にV入賞が発生しない大当りAなど)の発生による大当り遊技状態や、通常状態(低確率低ベース状態)、時短状態(低確率高ベース状態)等において、不具合や不正等によりV領域スイッチ052IW106がオン状態となったときには、虹色発光パターンによる発光制御が行われないが、虹色発光パターンによる発光制御が行われない代わりに、エラー用の発光パターンによる発光制御が行われるようにしてもよい。
【0424】
図9-5(A)は、確変状態において確変最終変動がはずれである場合の演出例を示すものであり、図9-5(B)は、確変状態において確変最終変動前に大当りが発生する場合の演出例を示すものである。
【0425】
図9-5(A),(B)に示すように、第2実施形態では、大当り遊技状態(具体的には大当り遊技状態のうちのV入賞が発生する前の期間)において、ラッシュLED085IW013は、消灯態様となるように発光制御され、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、BGMや背景演出に対応する発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターンとBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)により発光制御される。
【0426】
そして、大当り遊技状態において、V入賞が発生すると(すなわち第1発光演出の第1実行条件が成立すると)、虹色で点滅する発光パターン(第1ラッシュ発光パターン(虹点滅))によるラッシュLED085IW013の発光制御と、消灯態様とする発光パターン(消灯用枠発光パターン(消灯)および消灯用ロゴ発光パターン(消灯))による枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御とが、所定期間(本例では2.1秒間)行われる。
【0427】
所定期間(本例では2.1秒間)の発光制御が完了すると(すなわち第1発光演出の実行完了により、第1発光演出の終了条件が成立するとともに、第2発光演出が成立すると)、虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))によるラッシュLED085IW013の発光制御が行われる。一方で、第1発光演出の終了条件が成立すると、消灯態様とする発光パターン(消灯用枠発光パターン(消灯)および消灯用ロゴ発光パターン(消灯))による枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御が終了する。この発光制御の終了により、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、BGMや背景演出に対応する発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターンとBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)による発光制御が行われることになる。
【0428】
これは、第1実施形態と同様に、BGMや背景演出に対応する発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターンおよびBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)の制御用データが、消灯態様とする発光パターン(消灯用枠発光パターン(消灯)および消灯用ロゴ発光パターン(消灯))の制御用データよりも優先順位が低いレイヤに設定されることによって実現される。具体的には、図8-27に示すように、BGM(BGM・背景演出対応用枠発光パターン)に対応する枠LED制御用データはレイヤ1に設定され、V入賞発生(消灯用枠発光パターン(消灯))に対応する枠LED制御用データはレイヤ4に設定される。このような構成により、遊技状態に応じた適切な発光制御を行うことができる。
【0429】
なお、図9-5に示すように、大当り遊技状態が終了して確変状態が開始されても、虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))によるラッシュLED085IW013の発光制御は継続される。
【0430】
図9-5に示すように、第2実施形態では、確変状態において、V領域052IW104を遊技球が通過した大当り遊技状態から継続して虹色発光パターン(具体的には、第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)および第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))でラッシュLED085IW013の発光制御を行うため、確変状態であることを明確に示すことができるとともに、確変状態であることを強調して示すことができる。よって、ラッシュLED085IW013等の発光手段の態様によって示唆される事項の明確性や演出効果を向上させることができる。
【0431】
次いで、図9-5(A)に示すように、確変状態において確変最終変動(30回目)が実行されると(すなわち第3発光演出の第1実行条件が成立すると)、白色で点滅する発光パターン(第3ラッシュ発光パターン(白点滅))によるラッシュLED085IW013の発光制御が所定期間(本例では7秒間)行われる。そして、所定期間(本例では7秒間)の発光制御が完了すると(すなわち第3発光演出の第1終了条件が成立すると)、ラッシュLED085IW013は消灯態様となる。このような構成により、確変状態が終了することを効果的に示唆することができる。
【0432】
また、図9-5(B)に示すように、確変状態において確変最終変動(30回目)が実行される前に大当りが発生して大当り遊技状態に制御されると(すなわち第4発光演出の第1実行条件が成立すると)、消灯態様とする消灯用ラッシュ発光パターン(消灯)によるラッシュLED085IW013の発光制御が行われ、ラッシュLED085IW013は消灯態様となる。このような構成により、大当り遊技状態においてV入賞が発生する前に、ラッシュLED085IW013を消灯態様にしておくことができ、遊技状態に応じた適切な発光制御を行うことができる。なお、図9-5(B)に示すように、第2実施形態においては、第1実施形態(図8-17参照)とは異なり、リーチが成立した時点では、虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))によるラッシュLED085IW013の発光制御は終了しない。
【0433】
また、図9-5に示すように、第2実施形態でも、確変状態において、BGMや背景演出に対応した発光パターン(本例では、BGM・背景演出対応用枠発光パターンとBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)により枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御を行うように構成されている。このような構成により、ラッシュLED085IW013の発光制御により確変状態に制御されることを明確にしながら、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御により確変状態中の興趣を向上させることができる。
【0434】
なお、図9-5に示す例では、第1発光演出の終了条件が成立する(すなわち第1発光演出の開始時点から所定期間(本例では2.1秒)経過すると)と、消灯態様とする発光パターン(消灯用枠発光パターン(消灯)および消灯用ロゴ発光パターン(消灯))による枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御が終了し、BGMや背景演出に対応する発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターンとBGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)による枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御を行うが、このような構成に限らず、第1発光演出の終了条件が成立する(すなわち第1発光演出の開始時点から所定期間(本例では2.1秒)経過すると)と、虹色に発光する発光パターンにより枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御を行い、この発光制御を大当り遊技状態が終了するまで継続するようにしてもよい。また、例えば、第1発光演出の終了条件が成立する(すなわち第1発光演出の開始時点から所定期間(本例では2.1秒)経過すると)と、V入賞発生前よりも認識度合いが高い態様のBGMや背景演出に対応する発光パターンによる枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御を行い、この発光制御を大当り遊技状態が終了するまで継続するようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態におけるV入賞発生前の期間のBGMや背景演出に対応する発光パターンと、大当り遊技状態におけるV入賞発生後の期間のBGMや背景演出に対応する発光パターンとでは、後者の発光パターンの方が、輝度が高い、発光色の数が多い、または点滅間隔が短いなどによって、認識度合いが高くなるようにしてもよい。
【0435】
また、例えば、V入賞が発生しても直ちに虹色で点滅する発光パターン(第1ラッシュ発光パターン(虹点滅))によるラッシュLED085IW013の発光制御と、消灯態様とする発光パターン(消灯用枠発光パターン(消灯)および消灯用ロゴ発光パターン(消灯))による枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光制御とが行われず、所定のタイミング(例えば、最終ラウンド開始時、エンディング画面、高確率高ベース状態における最終変動時など)において行われるようにしてもよいし、所定のタイミングにおいて虹色で点滅する発光パターン(第1ラッシュ発光パターン(虹点滅))または虹色で点灯する発光パターン(第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))によるラッシュLED085IW013の発光制御のみ行われるようにしてもよい。
【0436】
図9-7は、ラッシュLED085IW013における虹色の点滅(第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
【0437】
図9-7に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは30msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=30、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「F、7、0」、グループ2のQデータ(RGB値)が「F、3、0」とすることで、ラッシュLED085IW013に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、それぞれ異なる発光色の発光を実現している。
【0438】
また、図9-7に示す階調制御データの発光順序2では、切替単位発光時間Δtnは20msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=20、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「0、0、0」、グループ2のQデータ(RGB値)が「0、0、0」とすることで、ラッシュLED085IW013に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、消灯を実現している。
【0439】
また、図9-7に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは30msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=30、Δts=10)、F_OFであり、グループ1のQデータ(RGB値)が「F、5、0」、グループ2のQデータ(RGB値)が「F、1、0」とすることで、ラッシュLED085IW013に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、それぞれ異なる発光色(発光順序1の発光色とも異なる)の発光を実現している。
【0440】
このように、短い切替単位発光時間Δtsで、ラッシュLED085IW013の第1発光部および第2発光部に発光させる発光色を複数色で順番に切り替えるように制御するとともに、ラッシュLED085IW013の第1発光部および第2発光部を消灯させる制御を間に挟むことで、人間の視覚的に、虹色で点滅しているかのように視認させることができる。なお、間に挟む態様は消灯に限らず、例えば、虹色を構成しない白色であってもよく、白色で発光させる場合には、虹色を構成する色の認識を阻害しないために「1、1、1」など輝度の低いRGB値を設定してもよい。
【0441】
図9-8は、枠LED085IW001~011における消灯(消灯用枠発光パターン(消灯)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
【0442】
図9-8に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは600000msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=500、Δts=10)、F_OFであり、グループ1~グループ11のQデータ(RGB値)がいずれも「0、0、0」とすることで、枠LED085IW001~011において、消灯を実現している。
【0443】
図9-9は、ロゴLED085IW012における消灯(消灯用ロゴ発光パターン(消灯)に対応)を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
【0444】
図9-9に示す階調制御データの発光順序1では、切替単位発光時間Δtnは600000msであり、データ送信周期Δtsは10msであり(Δtn=500、Δts=10)、F_OFであり、グループ1およびグループ2のQデータ(RGB値)がいずれも「0、0、0」とすることで、ロゴLED085IW012に含まれる第1発光部と第2発光部とにおいて、消灯を実現している。
【0445】
なお、第2実施形態においても、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが振動する振動演出を実行可能としてもよい。また、振動演出として、予告として実行されるもの(すなわち大当り期待度の示唆あり)と、V入賞発生から所定期間(例えば第1発光演出と同じ期間(本例では2.1秒間))に亘って実行されるもの(すなわち大当り期待度の示唆なし)とがあり、両者の振動態様は同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0446】
以上に説明したように、特徴部085IWにおける第2実施形態では、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、有利状態において特定領域(例えば、V領域052IW104)を遊技媒体が通過したことにもとづいて、特別状態(例えば、確変状態)に制御可能な状態制御手段と、実行される演出に対応した複数の発光パターンで特定発光手段(例えば、ラッシュLED085IW013)と所定発光手段(例えば、枠LED085IW001~011や、ロゴLED085IW012)とを含む複数の発光手段の発光制御を行う発光制御手段(例えば、演出制御用CPU120が図8-19に示す発光演出処理を実行する部分)と、を備え、特定発光手段は、特定領域近傍の特定部(例えば、図9-1に示すラッシュLED085IW013が設置された部分)を発光させる発光手段であり、所定発光手段は、特定部とは異なる所定部(例えば、図9-1に示す枠LED085IW001~011や、ロゴLED085IW012が設置された部分)を発光させる発光手段であり、発光制御手段は、有利状態において、所定演出(例えば、BGMや背景演出)に対応した所定発光パターン(例えば、BGM・背景演出対応用枠発光パターン、BGM・背景演出対応用ロゴ発光パターン)で所定発光手段の発光制御を行い、特定領域を遊技媒体が通過したこと(例えば、図9-5に示すV入賞発生(図9-6に示す第1発光演出の第1実行条件が成立したこと))にもとづいて、第1特定発光パターン(例えば、消灯用枠発光パターン(消灯)や消灯用ロゴ発光パターン(消灯))で所定発光手段の発光制御を行うとともに、第1特定発光パターンよりも認識度合いが高い第2特定発光パターン(例えば、第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)や第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))で特定発光手段の発光制御を行い、特別状態において、特定領域を遊技媒体が通過した有利状態から継続して第2特定発光パターン(例えば、第2ラッシュ発光パターン(虹点灯))で特定発光手段の発光制御を行うとともに、所定演出に対応した所定発光パターンで所定発光手段の発光制御を行う(例えば、図9-6に示す第2発光演出が実行される部分。)。
そのような構成により、特別状態において、特定領域を遊技媒体が通過した有利状態から継続して第2特定発光パターンで特定発光手段の発光制御を行うため、特別状態であることを明確に示すことができるとともに、特別状態であることを強調して示すことができる。よって、発光手段の態様によって示唆される事項の明確性や演出効果を向上させることができる。
【0447】
また、特徴部085IWにおける第2実施形態では、可変表示(例えば、特別図柄の可変表示)を行う遊技機であって、状態制御手段は、特別状態に制御した後、可変表示が特定回数(例えば、30回)実行されることにもとづいて該特別状態を終了させ、発光制御手段は、特別状態において特定回数目の可変表示が実行されるとき(例えば、図9-5に示す確変最終変動開始(図9-6の第3発光演出の第1実行条件が成立したとき))に、第1特定発光パターンおよび第2特定発光パターンとは異なる特殊発光パターン(例えば、第3ラッシュ発光パターン(白点滅))で特定発光手段の発光制御を行う(例えば、図9-6に示す第3発光演出が実行される部分)。
そのような構成により、特別状態が終了することを効果的に示唆することができる。
【0448】
また、特徴部085IWにおける第2実施形態では、発光制御手段は、特別状態において有利状態に制御されたとき(例えば、図9-5(B)に示す大当り遊技状態が開始されるとき(図9-6に示す第4発光演出の第1実行条件が成立したとき))に、特定発光手段を消灯態様とする制御を行う(例えば、図9-6に示す第4発光演出が実行される部分)。
そのような構成により、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過する前に、特定発光手段を消灯態様にしておくことができ、遊技状態に応じた適切な発光制御を行うことができる。
【0449】
また、特徴部085IWにおける第2実施形態では、第1特定発光パターンは、発光手段を一時的に消灯態様とする発光パターンである(例えば、消灯用枠発光パターン(消灯)や消灯用ロゴ発光パターン(消灯))。
そのような構成により、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過したときの演出効果を高めることができる。
【0450】
また、特徴部085IWにおける第2実施形態では、第2特定発光パターンは、発光手段を第1発光態様で発光させた後に第2発光態様で発光させる発光パターンである(例えば、第1ラッシュ発光パターン(虹点滅)に続いて第2ラッシュ発光パターン(虹点灯)により発光制御されるパターン)。
そのような構成により、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過したときの演出効果を高めることができる。
【0451】
また、特徴部085IWにおける第2実施形態では、第1特定発光パターンにおいて発光手段を消灯態様とする期間と、第2特定発光パターンにおいて発光手段を第1発光態様で発光させる期間とは、共通の期間である(例えば、枠LED085IW001~011が消灯用枠発光パターン(消灯)により発光制御される期間、およびロゴLED085IW012が消灯用ロゴ発光パターン(消灯)により発光制御される期間と、ラッシュLED085IW013が第1ラッシュ発光パターンにより発光制御される期間とは、共通の期間である。図9-6に示す第1発光演出が実行される部分。)。
そのような構成により、共通の期間において特定部に注目させることができ、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過したときの演出効果を高めることができる。
【0452】
また、特徴部085IWにおける第2実施形態では、所定発光パターンは、第1特定発光パターンおよび第2特定発光パターンよりも優先順位が低いレイヤに設定される(例えば、図8-27に示すように、BGM(BGM・背景演出対応用枠発光パターン)に対応する枠LED制御用データはレイヤ1に設定され、昇格報知(第1枠発光パターン(虹点滅)、第2枠発光パターン(虹点灯))に対応する枠LED制御用データはレイヤ3に設定される)。
そのような構成により、発光手段の発光制御を適切に行うことができる。
【0453】
また、特徴部085IWにおける第2実施形態では、発光制御手段は、特別状態よりも遊技者にとって不利な所定状態(例えば、通常状態(低確率低ベース状態))において、特定発光手段を発光させる発光制御を行わない(例えば、ラッシュLED085IW013は、大当り遊技状態であって確変昇格報知が実行された後の期間、および確変状態に制御されている期間以外の期間には発光しない。図9-6参照)。
そのような構成により、遊技状態の誤認を防止することができる。
【0454】
また、上記した特徴部085IWの各実施形態においては、時短状態(高ベース状態)への移行については、必ず特別可変入賞球装置7が作動する大当り状態や小当り状態を経由して移行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特別図柄として時短図柄が導出表示された場合に、特別可変入賞球装置7を作動させることなく時短状態(高ベース状態)に移行するようにしてもよい。この場合、時短図柄に関連して各種LEDの発光制御を行うようにしてもよい。例えば、時短図柄が導出表示されることを煽る時短図柄停止煽り演出が開始されるときに、ラッシュLED085IW013を白色で点滅させる発光制御が開始されるようにしてもよいし、時短図柄停止煽り演出が実行されたものの時短図柄が導出表示されなかったときには、次変動開始時に、ラッシュLED085IW013を虹色で点灯させる発光制御が開始されるようにしてもよい。また、例えば、時短図柄停止煽り演出が実行されずに時短図柄が導出表示される場合には、ラッシュLED085IW013を白色で点滅させる発光制御が行われず、大当り遊技が開始されるまでラッシュLED085IW013を虹色で点灯させる発光制御が継続されるようにしてもよい。
【0455】
尚、上記した時短図柄としては、これらの時短図柄をはずれ図柄の一部としてもよいし、小当り図柄の一部としてもよい。
【0456】
また、時短図柄の導出表示に関する抽選処理を行う場合には、これらの抽選処理に、時短図柄抽選用の専用の乱数を用いて抽選を実行してもよいし、はずれ図柄の抽選乱数や大当り図柄の抽選乱数や小当り図柄の抽選乱数、大当り抽選判定用乱数、転落抽選の抽選乱数等の他の抽選を行う乱数を用いて抽選を行うようにしてもよい。
【0457】
また、これら時短図柄については、複数種類の図柄であってよいとともに、その他の図柄である小当り図柄やはずれ図柄で表示される図柄の組み合わせと併用してもよい。尚、この場合、併用する小当り図柄によって時短状態の移行の有無を決定してもよい。但し、時短図柄に当選した場合に、更に抽選によって時短状態への移行の有無を抽選することや、時短回数を抽選することは行わない。
【0458】
また、時短図柄の抽選を行う場合であって、設定値を変更可能である場合には、設定値に応じて時短図柄の抽選確率は変化しない、つまり、全ての設定値において時短図柄の抽選確率は同一とするが、これら時短図柄の抽選確率を第1特図と第2特図とで異なる確率としてもよい。
【0459】
また、時短図柄の抽選を行う場合の乱数取得のタイミングについては、専用の乱数を使用する場合であっても、他の乱数を使用する場合であっても、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞時でよい。
【0460】
また、時短図柄の抽選を行う場合の当選については、専用の乱数(時短抽選乱数)を用いる場合は専用の乱数(時短抽選乱数)による抽選結果を当選値とし、時短図柄の抽選に小当り図柄乱数を用いる場合は特定の小当り図柄乱数値を当選値とし、時短図柄の抽選に転落抽選判定値用乱数を用いる場合は転落抽選判定値用乱数を当選値とすることができるとともに、構造物を用いた抽選、例えば、特別可変入賞球装置7内部に時短領域を設け、該時短領域を遊技球が通過したことを時短図柄の当選としてもよい。
【0461】
尚、時短図柄の抽選を、構造物を用いて行う場合において小当り図柄が時短図柄を併用する際に、時短状態の可変表示回数(時短回数)は、時短領域の通過の有無で変化しないようにする。
【0462】
また、時短図柄の抽選を行う場合の当選については、時短図柄の抽選にはずれ図柄乱数を用いる場合は特定のはずれ図柄乱数値を当選値とし、時短図柄の抽選に大当り図柄乱数を用いる場合は特定の大当り図柄乱数値を当選値とすることができる。但し、これらの乱数値を当選値とする場合には、設定によって大当り確率以外の性能に差異がでることから、設定値の変更が不能なものに限り可能である。
【0463】
また、時短図柄の抽選結果の判定タイミングは、大当り判定後のタイミングにおいて実行すればよい。尚、時短図柄の抽選は、抽選に使用する乱数値がいずれの乱数値であっても、時短状態(高ベース)や高確率時においては実行せずに、低確率低ベース状態においてのみ実行する。但し、既に、時短状態となっている状態で、時短図柄が導出表示された場合に、時短回数の再セットや抽選しないことのずれであっても、遊技機毎に決まっていればよい。
【0464】
また、時短図柄が導出表示されたときの時短回数については、当選値(図柄)と遊技状態毎に応じて、予め定められた複数の時短回数をもつことができる。また、時短図柄毎に時短の付与条件を異なるようにすることもできる。
【0465】
また、時短図柄に応じて時短回数が異なるときには、特図1と特図2で、時短図柄の振り分け抽選を変更することができる。
【0466】
また、同一の時短図柄が導出表示されたときでも、その時の遊技状態に応じて付与される時短回数が異なるようにしてもよい。ただし、遊技状態に対して予め定められたものであることを要する。
【0467】
また、低確率低ベース状態における時短図柄の抽選結果として「時短回数0回」の抽選結果を含めることができる。
【0468】
また、時短終了図柄の導出抽選(時短終了抽選)を実行し、時短回数を時短開始後において時短終了図柄が導出表示されるまで、或いは大当り図柄が導出表示されるまでの回数としてもよい。つまり、時短の回数を設定せずに、原則、無制限としてもよい。
【0469】
また、時短図柄により制御される時短状態と、大当りの発生によって制御される時短状態とで、時短回数や付与条件を異なるようにしてもよい。
【0470】
また、時短図柄が導出表示された場合において時短状態に制御されるタイミングは、時短図柄の図柄確定時間が経過した時点となる。但し、時短図柄の抽選に小当り図柄乱数を用いる場合にあって、小当りに当選して時短状態に移行する場合には、小当りの動作終了時が時短状態に制御されるタイミングとなる。
【0471】
また、構造物を用いた抽選の場合に時短状態に制御されるタイミングは、構造物を動作させる遊技状態(例えば、小当り状態)における構造物の動作終了時のタイミングとなる。
【0472】
また、大当り後において所定の可変表示回数に亘って高確率低ベース状態に制御される遊技機(所謂、規定回数確変機(ST機))の場合に、遊技場の開店時に高確率低ベース状態であり、該高確率低ベース状態が規定回数の可変表示が実行されて終了した後、時短状態に制御するようにしてもよい。
【0473】
また、時短リミッタ機能を搭載する場合にあって、時短図柄が導出表示された場合には、時短リミッタの回数を更新する。
【0474】
また、時短図柄の図柄確定時間を、他の図柄の図柄確定時間と異なる時間としてもよい。
【0475】
なお、本特徴部085IWの第1実施形態において、高ベース状態中に当選し得る大当りの大当り種別に通常大当りが含まれ、かつ、高ベース状態中に当選した通常大当りによる大当り遊技中に昇格演出が実行されないように構成するとともに、高ベース状態中に実際には確変大当りに当選していても通常大当り図柄を停止表示して大当り遊技状態に制御する場合があるように構成してもよい。このように構成する場合には、所定のタイミング(例えば、大当り遊技における最終ラウンド開始時など)で、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012(ラッシュLED085IW013のみであってもよい)が、虹点滅および虹点灯(いずれか一方でもよい)の発光パターンにより発光制御されるようにしてもよい。
【0476】
また、本特徴部085IWの第2実施形態において、高ベース状態中に当選し得る大当りの大当り種別に通常大当りが含まれ、かつ、高ベース状態中に当選した通常大当りによる大当り遊技中に昇格演出が実行されないように構成するとともに、高ベース状態中に実際には確変大当りに当選していても通常大当り図柄を停止表示して大当り遊技状態に制御する場合があるように構成してもよい。このように構成する場合には、V領域052IW104を遊技球が通過すれば確変状態に制御されるVラウンドにおいて、「Vを狙え」等の報知は実行されないが、遊技球がV領域052IW104に導かれるようにV領域開閉板052IW101の開閉制御が行われ、遊技球がV領域052IW104を通過したときに、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012が消灯態様となるように発光制御され、ラッシュLED085IW013が虹点滅および虹点灯の発光パターンにより発光制御されるにより発光制御されるようにしてもよいし、ラッシュLED085IW013のみ虹点灯の発光パターンにより発光制御されるようにしてもよいでもよい。
【0477】
本特徴部085IWにおけるラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の構成は、回数切り確変が搭載されたいわゆるST機のパチンコ遊技機にも適用可能である。この場合には、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、大当り遊技状態においては、第1実施形態と同様の発光制御が行われ、大当り遊技状態以外の変動表示が行われる期間においては、第2実施形態と同様の発光制御が行われるようにしてもよい。
【0478】
また、本特徴部085IWの第2実施形態においても、第1実施形態で示すような昇格演出を実行可能としてもよい。この場合、例えば、昇格演出による報知が実行されても、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は虹色発光パターンによる発光制御が行われず、ラッシュLED085IW013は消灯態様のまま、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は該報知時のBGMや背景演出に対応する発光パターンによる発光制御が行われるようにしてもよい。また、この場合には、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、大当り遊技状態においては、第2実施形態と同様の発光制御が行われ、大当り遊技状態以外の変動表示が行われる期間においては、第1実施形態と同様の発光制御が行われるようにしてもよい。
【0479】
また、昇格演出を実行可能な構成において、確変大当りによって大当り遊技状態に制御されている場合であっても、昇格演出の実行タイミングでは非確変報知が行われ、所定のタイミング(例えば、最終ラウンド開始時、エンディング画面など)で確変昇格報知が行われるようにしてもよい。この場合、確変昇格報知の実行に伴い、ラッシュLED085IW013、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は虹色発光パターンによる発光制御が行われるようにしてもよいし、確変昇格報知が実行されても枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は虹色発光パターンによる発光制御が行われず、該報知時のBGMや背景演出に対応する発光パターンによる発光制御が行われ、ラッシュLED085IW013のみが虹色発光パターンによる発光制御が行われるようにしてもよい。
【0480】
また、高確率高ベース状態における変動表示中に、変動表示結果が大当りとなるときに実行されやすい全消灯予告(例えば、画像表示装置5がブラックアウトするとともに、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012が消灯態様となる)を実行可能であり、該全消灯予告が実行されるとき、ラッシュLED085IW013は一時的に(例えば、全消灯予告の実行期間に亘って)消灯態様に発光制御されるようにしてもよい。
【0481】
また、高確率高ベース状態における変動表示中に、変動表示結果が大当たりとならないときよりも大当りとなるときに実行されやすい予告として、枠LED085IW001~011やロゴLED085IW012を虹色に点灯させる予告を実行可能であり、当該予告は大当り割合(期待度)によって実行される割合が異なる一方で、ラッシュLED085IW013を虹色に点灯させる予告は大当り割合(期待度)によって実行される割合に影響を受けないようにしてもよい。なお、虹色に点灯させる場合に、期待度を示唆するときと、期待度を示唆しないときとで、単位発光時間や発光制御周期を異ならせるようにしてもよい。
【0482】
また、本特徴部085IWの構成において、確変状態(高確率高ベース状態)において電断が発生し、その後電断から復旧した場合、(1)電断が発生する前の遊技状態が確変状態(高確率高ベース状態)であったと記憶されていても、ラッシュLED085IW013を消灯態様とする発光制御を行うようにしてもよいし、(2)電断が発生する前の遊技状態が確変状態(高確率高ベース状態)であったという記憶情報にもとづいて、ラッシュLED085IW013を虹色で発光させる発光制御を行うようにしてもよいし、(3)電断が発生する前の遊技状態が確変状態(高確率高ベース状態)であったと記憶されていても、ラッシュLED085IW013を電断から復旧したことを示す専用の態様とする発光制御を行うようにしてもよい。
【0483】
また、本特徴部085IWの構成において、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、大当り遊技状態では、BGMや昇格演出(またはV入賞発生)に対応する発光パターンで発光可能であり、高ベース状態では、背景演出や予告演出に対応する発光パターンで発光可能であるようにしてもよい。
【0484】
また、本特徴部085IWの構成において、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、大当り遊技状態および高ベース状態のいずれにおいてもBGMに対応する発光パターンで発光し(例えばレイヤ1が用いられる)、高ベース状態では予告演出に対応する発光パターンで発光可能である(例えばレイヤ2が用いられる)ようにしてもよい。
【0485】
また、本特徴部085IWの構成において、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012は、大当り遊技状態では、背景演出や昇格演出(またはV入賞発生)に対応する発光パターンで発光し、高ベース状態では、BGMや予告演出に対応する発光パターンで発光可能であるようにしてもよい。
【0486】
また、本特徴部085IWの構成において、枠LED085IW001~011は、高ベース状態では、BGMに対応する発光パターンで発光し、ロゴLED085IW012は、高ベース状態では、予告演出に対応する発光パターンで発光可能であるようにしてもよい。
【0487】
また、本特徴部085IWの構成において、大当り遊技状態と高ベース状態とでBGMを切り替え可能であり、切り替え前のBGMと切り替え後のBGMとで、枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光パターンが異なるようにしてもよい。
【0488】
また、本特徴部085IWの構成において、高ベース状態のうちの第1期間(例えば、大当り遊技終了後、可変表示が1~30回実行されるまで)と第2期間(例えば、大当り遊技終了後、可変表示が31~100回実行されるまで)とで、演出モード(背景演出)が異なり、それに伴い枠LED085IW001~011およびロゴLED085IW012の発光パターンも異なるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0489】
1 パチンコ遊技機
4A 第1特別図柄表示装置
4B 第2特別図柄表示装置
5 画像表示装置
103 CPU
120 演出制御用CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図8-4】
図8-5】
図8-6】
図8-7】
図8-8】
図8-9】
図8-10】
図8-11】
図8-12】
図8-13】
図8-14】
図8-15】
図8-16】
図8-17】
図8-18】
図8-19】
図8-20】
図8-21】
図8-22】
図8-23】
図8-24】
図8-25】
図8-26】
図8-27】
図9-1】
図9-2】
図9-3】
図9-4】
図9-5】
図9-6】
図9-7】
図9-8】
図9-9】