(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】コネクタ端子、及び当該コネクタ端子を組み立てるための方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20220622BHJP
H01R 4/36 20060101ALI20220622BHJP
H01R 4/18 20060101ALI20220622BHJP
H01R 13/74 20060101ALI20220622BHJP
H01R 13/512 20060101ALI20220622BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
H01R13/52 Z
H01R4/36
H01R4/18 A
H01R13/74 Z
H01R13/512
H01R43/00 Z
(21)【出願番号】P 2019524923
(86)(22)【出願日】2017-10-31
(86)【国際出願番号】 US2017059209
(87)【国際公開番号】W WO2018089226
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-10-21
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503147217
【氏名又は名称】アンフェノル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ビー・ボールドウィン
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-058560(JP,U)
【文献】国際公開第2016/022678(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/74
H01R12/00-12/69
H01R24/00-24/86
H01R 3/00- 4/46
H01R43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットに取付可能なコネクタであって、
アダプタ係合端部と、前記アダプタ係合端部の反対側に位置するユニット係合端部と、前記アダプタ係合端部と前記ユニット係合端部との間に位置する取付部材と、を有しているコネクタ本体であって、前記取付部材が、前記コネクタ本体を前記ユニットに取り付けるように構成されている、前記コネクタ本体と、
前記コネクタ本体を通じて延在しているインサートであって、ケーブルインターフェース端部と前記ケーブルインターフェース端部の反対側に位置するユニットインターフェース端部との間に延在している内側ボアと、前記ケーブルインターフェース端部と前記ユニットインターフェース端部との間に位置するコネクタ本体インターフェース部分と、
を有している前記インサートと、
前記インサートの前記内側ボアに受容されている少なくとも1つの両側接点であって、ケーブルの少なくとも1つの導体に終端するように構成されているケーブル端末端部である一方の端部と、前記ユニットの少なくとも1つの導体を終端処理するように構成されているユニット端末端部である他方の端部と、を有している前記両側接点と、
を備えて
おり、
前記インサートの前記ケーブルインターフェース端部が、前記コネクタ本体の前記アダプタ係合端部を貫通して、且つ、前記コネクタ本体の前記アダプタ係合端部を越えて延在しており、
前記インサートの前記ユニットインターフェース端部が、前記コネクタ本体の前記ユニット係合端部を貫通して、且つ、前記コネクタ本体の前記ユニット係合端部を越えて延在していることを特徴とするユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項2】
前記両側接点の前記ケーブル端末端部が、前記ユニット端末端部とは異なることを特徴とする請求項1に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項3】
前記ケーブル端末端部が、クランプ式端子とされ、
前記ユニット端末端部が、圧着式端子とされることを特徴とする請求項2に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項4】
前記インサートの前記ケーブルインターフェース端部が、クランプ式固定具を受容するための少なくとも1つの穴を含んでおり、
前記クランプ式固定具が、前記両側接点の前記クランプ式端子に係合することを特徴とする請求項3に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項5】
前記取付部材が、外方に延在しているフランジとされることを特徴とする請求項1に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項6】
前記フランジが、固定具を受容するための少なくとも1つの取付穴を含んでいることを特徴とする請求項5に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項7】
前記フランジが、前記フランジにトルクを作用させるための把持面を含んでいることを特徴とする請求項5に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項8】
前記取付部材が、シール部材を受容するための溝を前記取付部材の取付面に含んでおり、
前記取付面が、前記コネクタ本体の前記ユニット係合端部に面していることを特徴とする請求項1に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項9】
前記内側ボアが、前記内側ボアを複数の区画に分割するための仕切板を含んでおり、前記両側接点が、複数の前記区画のうち一の区画に受容されており、
さらなる両側接点が、前記ケーブルの少なくとも1つの導体に終端するように構成されているケーブル端末端部とされる一方の端部と、前記ユニットの少なくとも1つの前記導体を終端処理するように構成されているユニット端末端部とされる他方の端部と、を有しており、前記さらなる両側接点が、複数の前記区画のうち他の区画に受容されていることを特徴とする請求項1に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項10】
前記インサートの前記内側ボアが、略シリンドリカル状の形状とされることを特徴とする請求項
9に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項11】
前記コネクタ本体の前記アダプタ係合端部が、アダプタの対応するネジ部と係合するための雄ネジ部を含んでおり、
前記コネクタ本体の前記ユニット係合端部が、前記ユニットの開口部を通じて延在する大きさとされることを特徴とする請求項1に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項12】
前記ユニット係合端部が、前記ユニットの対応するネジ部と係合するための雄ネジ部を含んでいることを特徴とする請求項
11に記載のユニットに取付可能なコネクタ。
【請求項13】
コネクタ端子であって、
ユニットに取付可能なコネクタであって、
アダプタ係合端部と、前記アダプタ係合端部の反対側に位置するユニット係合端部と、前記アダプタ係合端部と前記ユニット係合端部との間に位置する取付部材であって、コネクタ本体をユニットに取り付けるように構成されている前記取付部材と、を有している前記コネクタ本体と、
前記コネクタ本体を通じて延在しているインサートであって、ケーブルインターフェース端部と前記ケーブルインターフェース端部の反対側に位置するユニットインターフェース端部との間に延在している内側ボアと、前記ケーブルインターフェース端部と前記ユニットインターフェース端部との間に位置するコネクタ本体インターフェース部分と、を有している前記インサートと、
前記インサートの前記内側ボアに受容されている少なくとも1つの両側接点と、
を含んでいる前記ユニットに取付可能なコネクタと、
前記ユニットに取付可能なコネクタと嵌合可能とされるケーブルシーリングアダプタであって、前記ケーブルシーリングアダプタが、嵌合端部を有しているハウジングであって、前記嵌合端部が、前記コネクタ本体の前記アダプタ係合端部と係合するように、且つ、前記インサートの前記ケーブルインターフェース端部と前記嵌合端部の反対側に位置するケーブル固定端部とを受容するように構成されている、前記ハウジングを含んでおり、前記ケーブル固定端部が、ケーブルを終端処理するように構成されており、前記ケーブルシーリングアダプタが、接点を有していない、前記ケーブルシーリングアダプタと、
を有している前記コネクタ端子において、
前記ユニットに取付可能なコネクタの前記両側接点が、前記ケーブルシーリングアダプタによって支持されている前記ケーブルの少なくとも1つの導体に終端するように構成されているケーブル端末端部とされる一方の端部と、前記ユニットの少なくとも1つの導体を終端処理するように構成されているユニット端末端部とされる他方の端部と、を有していることを特徴とするコネクタ端子。
【請求項14】
前記コネクタ端子が、前記インサートの前記ケーブルインターフェース端部と前記ハウジングの内面との間において前記ハウジングの内側に配置されている少なくとも1つのシーリング部材を備えていることを特徴とする請求項
13に記載のコネクタ端子。
【請求項15】
前記コネクタ端子が、前記取付部材によって前記取付部材の取付面に支持されているさらなるシーリング部材を備えており、
前記取付面が、前記コネクタ本体の前記ユニット係合端部に面していることを特徴とする請求項
14に記載のコネクタ端子。
【請求項16】
前記ハウジングの前記ケーブル固定端部が、前記ケーブルを圧縮するようになっているナット部材を受容するように構成されていることを特徴とする請求項
15に記載のコネクタ端子。
【請求項17】
ケーブルシーリング部材が、前記ナット部材に受容されることを特徴とする請求項
16に記載のコネクタ端子。
【請求項18】
前記両側接点の前記ケーブル端末端部が、前記ユニット端末端部とは異なることを特徴とする請求項
13に記載のコネクタ端子。
【請求項19】
前記ケーブル端末端部が、クランプ式端子とされ、
前記ユニット端末端部が、圧着式端子とされることを特徴とする請求項
18に記載のコネクタ端子。
【請求項20】
前記インサートの前記ケーブルインターフェース端部が、クランプ式固定具を受容するための少なくとも1つの穴を含んでおり、
前記クランプ式固定具が、前記両側接点の前記クランプ式端子に係合することを特徴とする請求項
19に記載のコネクタ端子。
【請求項21】
前記取付部材が、外方に延在しているフランジとされることを特徴とする請求項
13に記載のコネクタ端子。
【請求項22】
前記コネクタ端子が、前記インサートの前記内側ボアに受容されているさらなる両側接点であって、前記ケーブルの少なくとも1つの導体に終端するように構成されているケーブル端末端部とされる一方の端部と、前記ユニットの少なくとも1つの導体を終端処理するように構成されているユニット端末端部とされる他方の端部と、を有している前記両側接点を備えていることを特徴とする請求項
13に記載のコネクタ端子。
【請求項23】
前記コネクタ本体の前記アダプタ係合端部が、アダプタの対応するネジ部に係合するための雄ネジ部を含んでおり、
前記コネクタ本体の前記ユニット係合端部が、前記ユニットの開口部を通じて延在する大きさとされることを特徴とする請求項
13に記載のコネクタ端子。
【請求項24】
前記両側接点が、一体構造部材とされることを特徴とする請求項
13に記載のコネクタ端子。
【請求項25】
コネクタ端子をユニットに組み付けるための方法であって、前記コネクタ端子が、ユニットに取付可能なコネクタとケーブルシーリングアダプタとを含んでいる、前記方法において、
前記ユニットの少なくとも1つの導体を前記ユニットに取付可能なコネクタの両側接点のユニットインターフェース端部に終端させるステップと、
前記ユニットに取付可能なコネクタのコネクタ本体を前記ユニットに取り付けるステップと、
前記両側接点の前記ユニットインターフェース端部の反対側に位置する前記ユニットに取付可能なコネクタの前記両側接点のケーブルインターフェース端部にケーブルの少なくとも1つの導体を終端処理することによって、前記ケーブルを据え付けるステップと、
前記ケーブルを据え付けるステップの後に、前記ケーブルシーリングアダプタを前記ケーブルに組み付け、前記ユニットに取付可能なコネクタのケーブルインターフェース端部が前記ケーブルシーリングアダプタに受容されるように、前記ケーブルシーリングアダプタの端部を前記ユニットに取付可能なコネクタの前記コネクタ本体と嵌合させるステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項26】
前記ユニットの少なくとも1つの前記導体を前記両側接点の前記ユニットインターフェース端部に終端させるステップが、前記ユニットインターフェース端部を圧着することを含んでいることを特徴とする請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
前記ケーブルの少なくとも1つの前記導体を終端処理するステップが、前記両側接点のケーブル端末端部を圧着することを含んでいることを特徴とする請求項
26に記載の方法。
【請求項28】
前記両側接点が、一体構造とされ、
前記ケーブルシーリングアダプタが、接点を有していないことを特徴とする請求項
25に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、前記コネクタ本体のユニット係合端部を前記ユニットの開口部を貫通させて延在させるステップを備えていることを特徴とする請求項
25に記載の方法。
【請求項30】
前記方法が、前記コネクタ本体の取付部材を前記ユニットに当接させるステップを備えていることを特徴とする請求項
25に記載の方法。
【請求項31】
前記方法が、前記取付部材を前記ユニットに固定するステップを備えていることを特徴とする請求項
30に記載の方法。
【請求項32】
シーリング部材が、前記ユニットと前記取付部材との間に配置されていることを特徴とする請求項
30に記載の方法。
【請求項33】
前記ユニットの少なくとも1つの前記導体を終端処理するステップが、前記ユニットの内側で実施され、
前記ケーブルを据え付けるステップが、前記ユニットの外側で実施されることを特徴とする請求項
25に記載の方法。
【請求項34】
前記ケーブルシーリングアダプタの端部が、前記ユニットに取付可能なコネクタの前記コネクタ本体と螺合可能に係合されることを特徴とする請求項
33に記載の方法。
【請求項35】
前記ケーブルが、電源ケーブルとされることを特徴とする請求項
25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、米国特許出願第15/350509号明細書に基づく優先権を主張するものである。当該米国特許出願の趣旨は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、例えば屋外対応接点のようなコネクタ端子、及び当該コネクタ端子を組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気コネクタを製品設計又はユニットに組み込むことが、特に周囲シール及び耐久性が必要とされる屋外用途の場合に、複雑且つコスト高になる場合がある。これらコネクタのケーブルは、一般にはコネクタの構成部品に事前に終端されており、現場で据付可能とはなっていない。このことは、大きく且つ現場に出荷するのに費用が嵩む長く重いケーブルを取り扱う場合に、特に面倒でコストが嵩む。
【0004】
従って、コネクタ接点をユニットに容易に組み込み、ケーブルの現場据付に要するコストを低減させつつ、耐久性及び屋外用途向けの周囲シールを実現させるというニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、アダプタ係合端部と、アダプタ係合端部の反対側に位置するユニット係合端部と、アダプタ係合端部とユニット係合端部との間に位置する取付部材であって、コネクタ本体をユニットに取り付けるように構成されている取付部材と、を有しているコネクタ本体を具備するユニットに取付可能なコネクタを提供する。インサートは、コネクタ本体を通じて延在している。インサートは、ケーブルインターフェース端部とケーブルインターフェース端部の反対側に位置するユニットインターフェース端部との間に延在している内側ボアを有している。コネクタ本体インターフェース部分は、ケーブルインターフェース端部とユニットインターフェース端部との間に位置している。少なくとも1つの両側接点は、インサートの内側ボアに受容されている。両側接点は、ケーブルの少なくとも1つの導体に終端するように構成されているケーブル端末端部である一方の端部と、ユニットの少なくとも1つの導体を終端処理するように構成されているユニット端末端部である他方の端部と、を有している。好ましい実施例では、両側接点のケーブル端末端部が、ユニット端末端部とは異なる。好ましい実施例では、両側接点が、一体構造部材とされる。
【0006】
また、本発明は、アダプタ係合端部と、アダプタ係合端部の反対側に位置するユニット係合端部と、アダプタ係合端部とユニット係合端部との間に位置する取付部材であって、コネクタ本体をユニットに取り付けるように構成されている取付部材と、を有しているコネクタ本体を具備するユニットに取付可能なコネクタを備えているコネクタ端子を提供する。インサートは、コネクタ本体を通じて延在している。インサートは、ケーブルインターフェース端部とケーブルインターフェース端部の反対側に位置するユニットインターフェース端部との間に延在している内側ボアを有している。コネクタ本体インターフェース部分は、ケーブルインターフェース端部とユニットインターフェース端部との間に位置している。少なくとも1つの両側接点は、インサートの内側ボアに受容されている。ケーブルシーリングアダプタは、ユニットに取付可能なコネクタと嵌合可能とされる。ケーブルシーリングアダプタが、嵌合端部を有しているハウジングであって、嵌合端部が、コネクタ本体のアダプタ係合端部と係合するように、且つ、インサートのケーブルインターフェース端部と嵌合端部の反対側に位置するケーブル固定端部とを受容するように構成されている、ハウジングを含んでいる。ケーブル固定端部が、ケーブルを終端処理するように構成されている。ケーブルシーリングアダプタが、接点を有していない。好ましい実施例では、コネクタ端子は電力端子とされ、ケーブルは電力ケーブルとされる。好ましい実施例では、両側接点が、一体構造部材とされる。
【0007】
本発明は、コネクタ端子をユニットに組み付けるための方法であって、コネクタ端子が、ユニットに取付可能なコネクタとケーブルシーリングアダプタとを含んでいる、方法において、ユニットの少なくとも1つの導体をユニットに取付可能なコネクタの両側接点のユニットインターフェース端部に終端させるステップと;ユニットに取付可能なコネクタのコネクタ本体をユニットに取り付けるステップと;ケーブルの少なくとも1つの導体を両側接点のユニットインターフェース端部の反対側に位置するユニットに取付可能なコネクタの両側接点のケーブルインターフェース端部に終端させることによって、ケーブルを据え付けるステップと;ケーブルを据え付けるステップの後に、ケーブルシーリングアダプタをケーブルに組み付け、ユニットに取付可能なコネクタのケーブルインターフェース端部がケーブルシーリングアダプタに受容されるように、ケーブルシーリングアダプタの端部をユニットに取付可能なコネクタのコネクタ本体と嵌合させるステップと;を備えていることを特徴とする方法を提供する。
【0008】
本発明のより完全な理解と本発明の付随する利点は、添付図面に関連して検討する場合に発明の詳細な説明を参照することによって容易に得られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の典型的な実施例におけるコネクタ端子の斜視図である。
【
図2】ケーブルシーリングアダプタと嵌合するユニットに取付可能なコネクタを表わす、
図1のコネクタ端子の分解斜視図である。
【
図3】
図2に表わすユニットに取付可能なコネクタの分解斜視図である。
【
図4】
図2の表わすケーブルシーリングアダプタの分解斜視図である。
【
図5】ユニットに取り付けられているコネクタ端子を表わす、
図1のコネクタ端子組立体の断面図である。
【
図6】本発明の代替的な実施例におけるユニットに取付可能なコネクタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1~
図6から理解されますように、本発明は、例えば電力端子のようなコネクタ端子10、及び当該コネクタ端子を特に電気通信無線ユニットのようなユニットに組み付けるための方法に関する。本発明のコネクタ端子は、事前に端末処理されたケーブル組立体やワイヤハーネスを利用する必要無く、例えば電力ケーブルのようなケーブルを現場で端末処理することができる現場据付可能機能を有するように構成されている。このことは、現場に出荷するには嵩張り且つ高コストである長く重いケーブルを取り扱う場合に特に有益である。本発明では、ユニットの筐体の外側でケーブルを端末処理するために必要な作業空間及び電気的接続が不要となるので、コネクタの小型化及び耐久性の向上を実現することができる。また、このような構成によって、導体の端末処理のために、特別な工具ではなく、標準的な工具を利用することができる。本発明におけるコネクタの端末処理は、好ましくは電力用途のために利用されるが、コネクタ端子10は、例えば信号のような他の用途のためにも利用することができる。
【0011】
コネクタ端子10は、ケーブルシーリングアダプタ200と嵌合するユニットに取付可能なコネクタ100を含んでいる。ユニットに取付可能なコネクタ100は、ユニットの筐体又はパネル12(
図5参照)に取り付けられるように構成されている。ケーブルシーリングアダプタ200は端末処理されており、ケーブルCを外部環境から密閉している。ユニットに取付可能なコネクタ100とケーブルシーリングアダプタ200とが嵌合された場合に、ユニットとケーブルCとの間において電気的且つ機械的接続が実現される。
【0012】
図3に表わすように、ユニットに取付可能なコネクタ100は、コネクタ本体102と、コネクタ本体102に受容されているインサート104と、インサート104に受容されている1つ以上の両側接点106と、を一般に含んでいる。コネクタ本体102は、ケーブルシーリングアダプタ200と適合するアダプタ係合端部110と、ユニットと適合する反対側のユニット取付端部112と、アダプタ係合端部110とユニット取付端部112との間に設けられた取付部材114と、を含んでいる。コネクタ本体102は、取付部材114を除いて、略円筒状の形状とされる。アダプタ係合端部110は、好ましくは、ケーブルシーリングアダプタ200と係合するために雄ネジ部116を含んでいる。アダプタ係合端部110は、ネジを備えていることが望ましいが、例えばバヨネット式係合部のような既知のタイプの取付部位を含んでいる場合がある。
【0013】
好ましくは、取付部材114は、
図1及び
図2に最良に表わすように、外方に延在しているフランジとされる。1つ以上の取付穴118が、コネクタ本体102をユニットのパネル又は筐体12に取り付けるために固定具を受容するための、取付部材114に配設されている。取付部材114は、1つ以上の取付穴118が配設されていることを条件として、例えば略四角状のような任意の形状であって良い。取付部材114は、ユニットに取付可能なコネクタ100がユニットのパネル又は筐体12に取り付けられた場合にユニットのパネル又は筐体12に当接するために、ユニット取付端部112に面している取付面120を含んでいる。好ましい実施例では、取付部材114の取付面120は、例えばOリングやガスケットのようなシール部材124を受容するための環状の溝122を含んでいる。
【0014】
図6は、ユニットに取付可能なコネクタ100のコネクタ本体102′についての代替的な構成を表わす。コネクタ本体102′は、上述の実施例のコネクタ本体102に類似している。しかしながら、コネクタ本体102′がユニットに螺合可能に取り付けられており、ユニットにボルト締結されていない点において、コネクタ本体102′は、上述の実施例のコネクタ本体102と相違する。上述の実施例のコネクタ本体102と同様に、コネクタ本体102′は、ケーブルシーリングアダプタ200に係合するための雄ネジ部を具備する、アダプタ係合端部110を含んでいる。また、上述の実施例のコネクタ本体102とは異なり、コネクタ本体102′のユニット係合端部112′は、ユニットのパネル又は筐体12に螺合可能に係合するための雄ネジ部600を含んでいる。好ましくは、取付部材114′は、コネクタ本体102′をユニットのパネル又は筐体12に雄ネジ部600を介して取り付けた場合にコネクタ本体102′の回転及びコネクタ本体102′に対するトルクの作用を容易にするための、複数の把持面602を含んでいる。
【0015】
インサート104は、コネクタ本体102に受容されており、コネクタ本体102を貫通して延在している。インサート104は、ケーブルインターフェース端部130と、反対側のユニットインターフェース端部132と、ケーブルインターフェース端部130とユニットインターフェース端部132との間に配設されているコネクタ本体インターフェース部分134と、を一般に含んでいる。ケーブルインターフェース端部130は、コネクタ本体102のアダプタ係合端部110を貫通して、且つコネクタ本体102のアダプタ係合端部110を越えて延在しており、ユニットインターフェース端部132は、コネクタ本体102のユニット係合端部112を貫通して、且つコネクタ本体102のユニット係合端部112を越えて延在しており、コネクタ本体インターフェース端部134は、コネクタ本体102の内側に受容されている。ケーブルインターフェース端部130の端面140は、両側接点106にアクセスするための1つ以上の開口部140(
図2参照)を含んでいる。
【0016】
インサート104の内側ボア136は、好ましくは略シリンドリカル状とされ、内側ボア136を複数の区画に分割するための1つ以上の仕切板144を含んでいる。当該区画は、
図5に表わすように、両側接点106それぞれを支持している。
【0017】
両側接点106はそれぞれ、互いに対して反対側に配置された2つの端末側端部を含んでおり、一方の端末側端部が、ケーブル端末端部150であり、他方の端末側端部が、ユニット端末端部152である。両側接点106は、好ましくは単一部品とされ、又は一体形成されている。ケーブル端末端部150は、ケーブルCの導体に電気的且つ機械的に接続するように、及びケーブルCの導体を端末処理するように構成されている。ユニット端末端部152は、ユニットの導体に電気的且つ機械的に接続するように、及びユニットの導体を端末処理するように構成されている。好ましい実施例では、ケーブル端末端部150とユニット端末端部152とは、異なるタイプの端末機構とされる。例えば、ケーブル端末端部150は、ケーブル端末端部150によってバネ式クランプ又はクランプ式固定具を介して、例えばネジ160を介してケーブルCの導体を締め付けるクランプ式端子とされ、ユニット端末端部152は、ユニット端末端部152でユニットの導体を圧着する圧着式端子とされる。代替的には、ケーブル端末端部150とユニット端末端部152とは、同一のタイプの端末機構とされる。ケーブル端末端部150は、ネジ160のようなクランプ式固定具を利用するが、ネジ160は、穴138を通じてユニットに取付可能なコネクタ100の外側から、両側接点106の対応する穴158(
図5参照)を通じてインサート104の内側ボア136の内部に容易に挿入可能とされ、これにより、両側接点106のクランプケーブル端末端部150をケーブルCの導体に締め付けることができる。
【0018】
図4に表わすように、ケーブルシーリングアダプタ200は、ハウジング202と、例えば厚いケーブルシーリングガスケットのようなケーブルCを密封するための主シーリング部材204と、例えばOリングやガスケットのようなハウジング202に受容されている副シーリング部材206と、圧縮ナット208とを一般に含んでいる。また、ケーブルシーリングアダプタ200は、ケーブルガスケット圧縮器210と、ケーブル遮蔽リング212と、ケーブルリデューサ214とを含んでいる。ハウジング202は、略円筒状とされ、コネクタ本体102のアダプタ係合端部110と係合するように且つインサート104のケーブルインターフェース端部130を受容するように構成されている嵌合端部220を具備している。好ましい実施例では、嵌合端部220の雌ネジ部230が、コネクタ本体102の雄ネジ部116と係合するようになっている。反対側の嵌合端部220は、ケーブルCを端末処理するように構成されているケーブル固定端部222とされる。ケーブル固定端部222は、圧縮ナット208の対応するネジ部226(
図5参照)と係合する雄ネジ部224を含んでいる。ネジ部以外の任意の既知の取付手段を、例えばバヨネット式取付具を利用することもできる。
【0019】
コネクタ端子10は、最初にユニットに取付可能なコネクタ100のユニット取付端部112をユニットのパネル又は筐体12に電気的且つ機械的に接続することによって組み立てられる。電気的且つ機械的な接続を実現するために、ユニットの1つ以上の導体が、例えば圧着によって、ユニットに取付可能なコネクタ100の両側接点106それぞれのユニットインターフェース端部152に終端される。このステップは、好ましくは、ユニットの内側で発生する。
図5に表わすように、コネクタ本体102のユニット係合端部112は、ユニットのパネル又は筐体12の開口部に受容され且つ当該開口部を通じて延在する大きさとされる。従って、ユニットに取付可能なコネクタ100のコネクタ本体102はユニットに取付可能とされる。例えばボルトのような固定具を、取付フランジ114の取付穴118を貫通して、ユニットのパネル又は筐体12の内部に延在させることによって、ユニットに取付可能なコネクタ100の取付が完了する。代替的には、コネクタ本体が、雄ネジ部600を介して、ユニットのパネル又は筐体12に螺合可能に取り付けられる(
図6参照)。取り付けられた場合には、取付部材114の取付面120が、シール部材124と共に、ユニットのパネル又は筐体12に当接又は略当接する。
【0020】
ユニットに取付可能なコネクタ100がユニットに取り付けられると、ケーブルCが、終端処理することによって、例えばネジ又はバネ式クランプを介してユニットに取付可能なコネクタ100の両側接点106それぞれのケーブルインターフェース端部150にケーブルCの導体それぞれを締め付けることによって、当該ユニットに終端される。ユニットに取付可能なコネクタ100は、終端処理のための両側接点106を含んでいるので、ケーブルシーリングアダプタ200のために接点は必要とされない。従って、ケーブルシーリングアダプタ200は接点を全く必要としない。好ましくは、ケーブルCを据え付けるステップが、ユニットの外側で発生する。
【0021】
ケーブルシーリングアダプタ200は、ケーブルCに組み付けられ、ユニットに取付可能なコネクタ100のケーブル係合端部110に接続される。圧縮ナット208は、ケーブルシーリングアダプタ200のハウジング202に向かって前進され、これによりケーブルCの下処理済の端部を終端処理及び密封することができる。そして、嵌合端部220は、ケーブルシーリングアダプタ200をユニットに取付可能なコネクタ100に固定するために、ユニットに取付可能なコネクタ100のインサート104のケーブルインターフェース端部130が嵌合端部220に受容されるように、ユニットに取付可能なコネクタ100のコネクタ本体102のケーブル係合端部110と接続する。
【0022】
本発明を説明するために特定の実施例が選択されているが、当業者であれば理解可能なように、特許請求の範囲で規定される発明の範囲から逸脱しない限り、様々な変更及び改良をすることができる。例えば、本発明のコネクタ端子は、好ましくは屋外用途のために適切な周囲シールを備えた状態で利用されるが、コネクタ端子は、屋内用途のためであれば周囲シールを備えていてもいなくても利用可能とされる。
【符号の説明】
【0023】
10 コネクタ端子
12 パネル/筐体
100 ユニットに取付可能なコネクタ
102 コネクタ本体
102′ コネクタ本体
104 インサート
106 両側接点
110 アダプタ係合端部
112 ユニット取付端部
114 取付部材(取付フランジ)
114′ 取付部材
116 雄ネジ部
118 (取付部材114の)取付穴
120 (取付部材114の)取付面
124 シール部材
130 ケーブルインターフェース端部
132 ユニットインターフェース端部
134 コネクタ本体インターフェース部分
136 (インサート104の)内側ボア
138 穴
140 (ケーブルインターフェース端部130の)端面
150 ケーブル端末端部(ケーブルインターフェース端部)
152 ユニット端末端部(ユニットインターフェース端部)
158 穴
160 ネジ
200 ケーブルシーリングアダプタ
202 ハウジング
204 主シーリング部材
206 副シーリング部材
208 圧縮ナット
210 ケーブルガスケット圧縮器
212 ケーブル遮蔽リング
214 ケーブルリデューサ
220 嵌合端部
222 ケーブル固定端部
224 (ケーブル固定端部222の)雄ネジ部
226 (圧縮ナット208の)ネジ部
230 (嵌合端部220の)雌ネジ部
600 雄ネジ部
602 把持面
C ケーブル