(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】ライゲーション増幅を使用する分子検出
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6816 20180101AFI20220622BHJP
G01N 33/566 20060101ALI20220622BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20220622BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20220622BHJP
C12Q 1/25 20060101ALI20220622BHJP
C12Q 1/6862 20180101ALI20220622BHJP
C12Q 1/6876 20180101ALI20220622BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20220622BHJP
C12N 9/00 20060101ALI20220622BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20220622BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20220622BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20220622BHJP
【FI】
C12Q1/6816 Z
G01N33/566
G01N33/53 M
G01N33/53 D
G01N21/64 F
C12Q1/25
C12Q1/6862 Z
C12Q1/6876 Z
C12N15/09 Z
C12N9/00
C12Q1/02
C12N15/11 Z
C12N15/113 Z
(21)【出願番号】P 2019531917
(86)(22)【出願日】2017-12-15
(86)【国際出願番号】 US2017066841
(87)【国際公開番号】W WO2018112422
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-11
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517124745
【氏名又は名称】アラトム, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】トラウトマン, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】レンジ, デイビッド
【審査官】進士 千尋
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105353131(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0228733(US,A1)
【文献】Anal. Chem., 2016,Vol.88, pp.1578-1584(2015年12月31日公表)
【文献】J Am Chem Soc., 2014,Vol.136, pp.9810-9813
【文献】Anal. Chem., 2011,Vol.83, pp.6890-6895
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00-3/00
G01N 21/62-21/74
G01N 33/48-33/98
C12N 15/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、前記組成物は、
検出分子およびアンチセンスオリゴマーであって、前記検出分子が、i)試料中の標的分子に結合するリガンド;およびii)前記リガンドに連結されている一本鎖核酸を含み、前記一本鎖核酸が、前記アンチセンスオリゴマーにハイブリダイズされて、前記一本鎖核酸または前記アンチセンスオリゴマー中の1または複数の不対合ヌクレオチドを含むオーバーハングを有する二本鎖核酸を形成することができる、検出分子およびアンチセンスオリゴマー、ならびに
二本鎖DNAでありかつ少なくとも3個のオーバーハングを含む分枝状検出器であって、1個のオーバーハングは、前記二本鎖核酸とのin situライゲーションのためのものであり、2個またはそれよりも多いオーバーハングは、2個またはそれよりも多い直鎖状検出器とのin situライゲーションのためのものである、分枝状検出器を含み、
前記
直鎖状検出
器のうちの少なくとも1個は、検出
タグを含む、組成物。
【請求項2】
DNAリガーゼをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記リガンドが抗体であるか、または前記標的分子がタンパク質である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記
二本鎖核酸のオーバーハング
、または、前記分枝状検出器のオーバーハングが
独立して、少なくとも5、10、15、20、25または30個のヌクレオチドを含む、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、複数の前記検出分子を含
む、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記複数の検出分子のそれぞれが、異なる標的分子に結合する、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記検出タグが、フルオロフォアを含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項8】
前
記分枝
状検出器が、3方向分
枝構造を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記分枝状検出器が、4方向分枝構造を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前
記分枝
状検出器が3個のオーバーハングを有するT字構造または4個のオーバーハングを有する十字構造を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前
記分枝
状検出器、次いで前記直鎖状検出
器の逐次適用を含むサイクリングによって
生成される複合体を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記サイクルの数は、2~10である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記標的分子は細胞表面タンパク質である、請求項
1に記載の組成物。
【請求項14】
キットであって、請求項1~13のいずれか一項に記載の前記検出分子、前記アンチセンスオリゴマーおよび前記
分枝状検出
器を
含む、キット。
【請求項15】
方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の前記標的分子を前記検出分子、前記アンチセンスオリゴマーおよび前記
分枝状検出
器と接触させることを
含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
この出願は、2016年12月16日に出願された米国仮出願第62/435,424号、2017年3月31日に出願された米国仮出願第62/480,107号および2017年5月23日に出願された米国仮出願第62/509,995号(これらの各々は、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
【0002】
連邦政府により資金提供された研究についての陳述
本発明は、National Institutes of Healthによって付与されたNINDS Grant SBIR 1R43NS092180-01の下、政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
平均して、一次抗体当たりおおよそ約15個のフルオロフォアのシグナルをもたらす、伝統的な二次抗体染色に匹敵するシグナルレベルを得ることは、困難な課題となり得る。多重に標識されたアンチセンスオリゴマーは、一次抗体当たりおおよそ数個のフルオロフォアのシグナルを生じることができるが、アンチセンスオリゴマーの高密度標識は、フルオロフォアの間にクエンチングをもたらすことがある。二次増幅に匹敵する、より高いシグナル強度を生じるためのライゲーション増幅方法が、本明細書に開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
試料中の標的分子を検出するための組成物、キット、方法およびシステムが、本明細書に開示されている。一態様では、試料中の標的分子を検出カプレットと接触させるステップを含む方法であって、検出カプレットが、第1の核酸および第2の核酸を含み、各核酸が、標的認識領域および自己ハイブリダイゼーション領域を有し、第1の核酸の標的認識領域が、標的分子の第1の領域に結合し、第2の核酸の標的認識領域が、標的分子の第2の領域に結合し、第1の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域および第2の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域がハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識を形成する、方法が、ここに開示されている。
【0005】
一部の事例では、二本鎖核酸標識は、少なくとも2個の連続した塩基対、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200または少なくとも250個の連続した塩基対を有する。
【0006】
一部の事例では、二本鎖核酸標識は、オーバーハングを有する。一部の事例では、オーバーハングは、少なくとも1個の不対合ヌクレオチド、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200または少なくとも250個の不対合ヌクレオチドを有する。
【0007】
一部の事例では、標的分子は、RNA分子である。一部の事例では、標的分子は、mRNA分子である。一部の事例では、第1の核酸および第2の核酸は、一本鎖DNAである。一部の事例では、標的分子の第1の領域および第2の領域は、2~15ヌクレオチド離れている。一部の事例では、標的分子の第1の領域および第2の領域は、2~5ヌクレオチド離れている。一部の事例では、標的分子の第1の領域および第2の領域は、5~10ヌクレオチド離れている。一部の事例では、標的分子の第1の領域および第2の領域は、10~15ヌクレオチド離れている。一部の事例では、標的分子の第1の領域および第2の領域は、15~20ヌクレオチド離れている。
【0008】
一部の事例では、本方法は、クロスリンカーを使用して、検出カプレットを試料に固定するステップをさらに含む。一部の事例では、第1の核酸または第2の核酸は、遊離アミン(-NH2)修飾を有する。一部の事例では、検出カプレットを固定するステップは、検出カプレットをアミン特異的クロスリンカーと接触させるステップを含む。
【0009】
一部の事例では、オーバーハングは、1個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、オーバーハングは、複数のヌクレオチドを含む。一部の事例では、オーバーハングは、少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450または500個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、本方法は、二本鎖核酸標識をDNAリガーゼと接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、本方法は、二本鎖核酸標識を少なくとも1個の検出標識と接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的な一本鎖核酸である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、複数の検出標識を含む。一部の事例では、二本鎖核酸標識および少なくとも1個の検出標識は、DNAリガーゼを使用してライゲーションされる。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、少なくとも5、10、15、20、25または30個の検出標識を含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、切断可能なリンカーを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、切断可能なリンカーを含まない。
【0010】
一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、検出タグを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、複数の検出タグを含む。一部の事例では、検出タグは、量子ドットを含む。一部の事例では、検出タグは、フルオロフォアを含む。一部の事例では、フルオロフォアは、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含む。一部の事例では、本方法は、検出タグを検出し、これにより、試料中の標的分子の存在を検出するステップを含む。一部の事例では、本方法は、試料を複数の検出カプレットと接触させるステップを含む。一部の事例では、複数の検出カプレットのそれぞれは、異なる標的分子に結合する。
【0011】
一部の事例では、試料は、インタクトな組織試料である。一部の事例では、本方法は、インタクトな組織試料が、20~1000nmの間の厚さの切片にスライスされ得るように、樹脂にインタクトな組織試料を包埋するステップを含む。一部の事例では、インタクトな組織試料は、骨髄組織試料、胃腸管組織試料、肺組織試料、肝臓組織試料、前立腺組織試料、神経系組織試料、泌尿生殖器系組織試料、脳組織試料、乳房組織試料、筋肉組織試料または皮膚組織試料である。一部の事例では、本方法は、インタクトな組織試料の脱水を含む。一部の事例では、本方法は、インタクトな組織試料の脱水を含まない。一部の事例では、本方法は、試料中の標的分子の存在に関連する状態または疾患を診断するステップを含む。一部の事例では、状態または疾患は、腎臓疾患、感染性疾患、代謝性疾患、前がん性状態、がん性状態または脳障害である。一部の事例では、試料は、パラフィン包埋組織試料である。一部の事例では、試料は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織試料である。
【0012】
一部の事例では、本方法は、二本鎖核酸標識を第3の核酸と接触させるステップをさらに含み、第3の核酸は、第1の核酸の配列、第2の核酸の配列またはその両方に相補的な配列を含む。一例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列に相補的な配列を含む。一例では、第3の核酸は、第2の核酸の配列に相補的な配列を含む。一例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列および第2の核酸の配列に相補的な配列を含む。一部の事例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列、第2の核酸の配列またはその両方に結合する。一例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列に結合する。一例では、第3の核酸は、第2の核酸の配列に結合する。一例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列および第2の核酸の配列に結合する。
【0013】
一部の事例では、二本鎖核酸標識における第1の核酸および第2の核酸はそれぞれ、少なくとも1個の不対合ヌクレオチドを有する。一部の事例では、二本鎖核酸標識における第1の核酸および第2の核酸はそれぞれ、少なくとも1個の不対合ヌクレオチド、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200または少なくとも250個の不対合ヌクレオチドを有する。一部の事例では、第3の核酸は、第1の核酸の不対合配列、第2の核酸の不対合配列またはその両方に相補的な配列を含む。一部の事例では、第3の核酸は、第1の核酸の不対合配列全体に相補的な配列を含む。一部の事例では、第3の核酸は、第2の核酸の不対合配列全体に相補的な配列を含む。一部の事例では、第3の核酸は、第1の核酸の不対合配列全体に相補的な第1の配列、および第2の核酸の不対合配列全体に相補的な第2の配列を含む。
【0014】
一部の事例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列および第2の核酸の配列に結合し、これにより、多方向分枝を作り出す。一部の事例では、多方向分枝は、n方向分枝であり、n方向分枝は、一緒に連結されて核酸構造を形成する、n個の一本鎖核酸を含む。核酸構造は、n個の末端および/またはn個のオーバーハングを有することができる。例えば、多方向分枝は、3方向分枝であり得、3方向分枝は、一緒に連結されて3個の末端および/または3個のオーバーハングを有する核酸構造を形成する、3個の一本鎖核酸を含む(例えば、
図17A~
図17Cおよび
図16Cを参照)。一部の事例では、3方向分枝は、少なくとも2個のオーバーハングを含む。一部の事例では、前記少なくとも2個のオーバーハングのうち少なくとも2個は、同じ配列または特有の配列を含む。一部の事例では、前記少なくとも2個のオーバーハングのうち少なくとも2個は、相補的配列を含む。
【0015】
一部の事例では、本方法は、第3の核酸を第4の核酸と接触させるステップをさらに含み、第4の核酸は、第1の核酸の配列、第2の核酸の配列、第3の核酸の配列、またはこれらのいずれかの組み合わせに相補的な配列を含む。一部の事例では、第4の核酸は、第3の核酸の配列および第1または第2の核酸の配列に結合し、これにより、4方向分枝を作り出す(例えば、
図16Cを参照)。一部の事例では、4方向分枝は、一緒に連結されて4個の末端および/または4個のオーバーハングを有する核酸構造を形成する、4個の一本鎖核酸を含む。一部の事例では、4方向分枝は、少なくとも3個のオーバーハングを含む。一部の事例では、少なくとも3個のオーバーハングのうち少なくとも2個は、同じ配列または特有の配列を含む。一部の事例では、少なくとも3個のオーバーハングのうち少なくとも2個は、相補的配列を含む。
【0016】
一部の事例では、本方法は、オーバーハングのうち少なくとも1個を検出標識と接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、本方法は、第3の核酸を検出標識と接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、本方法は、第4の核酸を検出標識と接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、検出標識は、多方向分枝を含む。一部の事例では、多方向分枝は、3方向分枝または4方向分枝である。一部の事例では、検出標識は、オーバーハングのうち少なくとも1個に相補的なオーバーハングを含む。一部の事例では、検出標識は、直接的ハイブリダイゼーション、酵素的ライゲーションまたは化学的ライゲーションによって、オーバーハングのうち少なくとも1個に連結される。
【0017】
別の態様では、試料中の標的分子を検出分子およびアンチセンスオリゴマーと接触させるステップを含む方法であって、検出分子が、標的分子に結合する少なくとも1個のリガンドを含み、少なくとも1個のリガンドが、一本鎖核酸に連結されており、一本鎖核酸が、アンチセンスオリゴマーとハイブリダイズされて、オーバーハングを有する二本鎖核酸標識を形成する、方法が本明細書に開示されている。一部の事例では、検出分子またはアンチセンスは、少なくとも3個のヌクレオチド、例えば、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450または少なくとも500個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、検出分子またはアンチセンスは、500個以下のヌクレオチド、例えば、5個以下、10個以下、15個以下、20個以下、25個以下、30個以下、35個以下、40個以下、45個以下、50個以下、60個以下、70個以下、80個以下、90個以下、100個以下、150個以下、200個以下、250個以下、300個以下、350個以下、400個以下、450個以下または500個以下のヌクレオチドを含む。一部の事例では、検出分子またはアンチセンスは、約3~500個のヌクレオチド、例えば、約3~500、約3~400、約3~300、約3~200、約3~100、約3~50、約3~20、約3~10、約10~500、約10~400、約10~300、約10~200、約10~100、約10~50、約10~20、約20~500、約20~400、約20~300、約20~200、約20~100、約20~50、約50~500、約50~400、約50~300、約50~200、約50~100、約100~500、約100~400、約100~300、約100~200、約200~500、約200~400、約200~300、約300~500、約300~400または約400~500個のヌクレオチドを含む。例えば、検出分子またはアンチセンスは、約3~150個のヌクレオチドを含むことができる。
【0018】
一部の事例では、リガンドは、抗体である。一部の事例では、標的分子は、タンパク質である。一部の事例では、オーバーハングは、1個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、オーバーハングは、複数のヌクレオチドを含む。一部の事例では、本方法は、二本鎖核酸標識をDNAリガーゼと接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、本方法は、二本鎖核酸標識を少なくとも1個の検出標識と接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、複数の検出標識である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的な一本鎖核酸である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、複数の検出標識を含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、少なくとも5、10、15、20、25または30個の検出標識を含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、切断可能なリンカーを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、切断可能なリンカーを含まない。
【0019】
一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、検出タグを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、複数の検出タグを含む。一部の事例では、検出タグは、量子ドットを含む。一部の事例では、検出タグは、フルオロフォアを含む。一部の事例では、フルオロフォアは、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含む。一部の事例では、本方法は、検出タグを検出し、これにより、試料中の標的分子の存在を検出するステップを含む。一部の事例では、本方法は、試料を複数の検出分子と接触させるステップを含む。一部の事例では、複数の検出分子のそれぞれは、異なる標的分子に結合する。
【0020】
一部の事例では、検出標識は、少なくとも3個のヌクレオチド、例えば、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450または少なくとも500個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、検出標識は、500個以下のヌクレオチド、例えば、5個以下、10個以下、15個以下、20個以下、25個以下、30個以下、35個以下、40個以下、45個以下、50個以下、60個以下、70個以下、80個以下、90個以下、100個以下、150個以下、200個以下、250個以下、300個以下、350個以下、400個以下、450個以下または500個以下のヌクレオチドを含む。一部の事例では、検出標識は、約3~500個のヌクレオチド、例えば、約3~500、約3~400、約3~300、約3~200、約3~100、約3~50、約3~20、約3~10、約10~500、約10~400、約10~300、約10~200、約10~100、約10~50、約10~20、約20~500、約20~400、約20~300、約20~200、約20~100、約20~50、約50~500、約50~400、約50~300、約50~200、約50~100、約100~500、約100~400、約100~300、約100~200、約200~500、約200~400、約200~300、約300~500、約300~400または約400~500個のヌクレオチドを含む。例えば、検出標識は、約3~150個のヌクレオチドを含むことができる。
【0021】
一部の事例では、試料は、インタクトな組織試料である。一部の事例では、本方法は、インタクトな組織試料が、20~1000nmの間の厚さの切片にスライスされ得るように、樹脂にインタクトな組織試料を包埋するステップを含む。一部の事例では、インタクトな組織試料は、骨髄組織試料、胃腸管組織試料、肺組織試料、肝臓組織試料、前立腺組織試料、神経系組織試料、泌尿生殖器系組織試料、脳組織試料、乳房組織試料、筋肉組織試料または皮膚組織試料である。一部の事例では、本方法は、インタクトな組織試料の脱水を含む。一部の事例では、本方法は、インタクトな組織試料の脱水を含まない。一部の事例では、本方法は、試料中の標的分子の存在に関連する状態または疾患を診断するステップを含む。一部の事例では、状態または疾患は、腎臓疾患、感染性疾患、代謝性疾患、前がん性状態、がん性状態または脳障害である。
【0022】
一部の事例では、標的分子は、遺伝子編集アッセイにおける構成成分を含む。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、CRISPRアッセイである。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、CRISPR/Casアッセイである。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、NgAgoアッセイである。一部の事例では、構成成分は、Casヌクレアーゼ、標的DNA、DNA標的化RNA、トランス活性化crRNA(tracrRNA)、ドナー修復鋳型またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。一部の事例では、構成成分は、Casヌクレアーゼを含む。一部の事例では、構成成分は、Cas9ヌクレアーゼを含む。一部の事例では、標的分子は、細胞分子を含む。一部の事例では、標的分子は、細胞表面分子を含む。一部の事例では、標的分子は、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸を含む。一部の事例では、標的分子は、タンパク質を含む。一部の事例では、タンパク質は、細胞骨格タンパク質、細胞外マトリクスタンパク質、血漿タンパク質、凝固因子、急性期タンパク質、血液タンパク質、細胞接着、膜貫通輸送タンパク質、イオンチャネル、シンポート(synport)/アンチポートタンパク質、ホルモン、増殖因子、受容体、DNA結合タンパク質、RNA結合タンパク質、転写調節タンパク質、免疫系タンパク質、栄養素貯蔵もしくは輸送タンパク質、シャペロンタンパク質、酵素、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。一部の事例では、標的分子は、核酸を含む。一部の事例では、核酸は、mRNA、tRNA、rRNA、snRNA、非コードRNA分子、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0023】
一部の事例では、本方法は、二本鎖核酸標識を検出標識と接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、検出標識は、多方向分枝を含む。一部の事例では、多方向分枝は、3方向分枝または4方向分枝である。一部の事例では、検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを含む。一部の事例では、検出標識は、直接的ハイブリダイゼーション、酵素的ライゲーションまたは化学的ライゲーションによって、二本鎖核酸標識のオーバーハングに連結される。
【0024】
一部の事例では、本方法は、検出標識を第2の検出標識と接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、第2の検出標識は、多方向分枝を含む。一部の事例では、多方向分枝は、3方向分枝または4方向分枝である。一部の事例では、第2の検出標識は、検出標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを含む。
【0025】
別の態様では、検出カプレットを含む組成物であって、検出カプレットが、第1の核酸および第2の核酸を含み、各核酸が、標的認識領域および自己ハイブリダイゼーション領域を有し、第1の核酸の標的認識領域が、標的分子の第1の領域に結合し、第2の核酸の標的認識領域が、標的分子の第2の領域に結合し、第1の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域および第2の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域がハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識を形成する、組成物が本明細書に開示されている。一部の事例では、二本鎖核酸標識は、少なくとも2個の連続した塩基対、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14または少なくとも15個の連続した塩基対を有する。一部の事例では、二本鎖核酸標識は、オーバーハングを有する。一部の事例では、オーバーハングは、1個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、オーバーハングは、複数のヌクレオチドを含む。一部の事例では、オーバーハングは、少なくとも5、10、15、20、25または30個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、オーバーハングは、少なくとも1個の不対合ヌクレオチド、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14または少なくとも15個の不対合ヌクレオチドを有する。一部の事例では、標的分子は、mRNA分子である。一部の事例では、第1の核酸および第2の核酸は、一本鎖DNAである。一部の事例では、第1の核酸および第2の核酸のそれぞれは、遊離アミン(-NH2)修飾を有する。一部の事例では、本組成物は、DNAリガーゼをさらに含む。一部の事例では、本組成物は、少なくとも1個の検出標識をさらに含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的な一本鎖核酸である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、複数の検出標識を含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、少なくとも5、10、15、20、25または30個の検出標識を含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、切断可能なリンカーを含まない。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、切断可能なリンカーを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、検出タグを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、複数の検出タグを含む。一部の事例では、検出タグは、量子ドットを含む。一部の事例では、検出タグは、フルオロフォアを含む。一部の事例では、フルオロフォアは、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含む。一部の事例では、本組成物は、複数の検出カプレットを含む。一部の事例では、複数の検出カプレットのそれぞれは、異なる標的分子に結合する。
【0026】
別の態様では、本組成物は、第3の核酸をさらに含み、第3の核酸は、第1の核酸の配列、第2の核酸の配列またはその両方に相補的な配列を含む。一部の事例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列に相補的な配列を含む。一部の事例では、第3の核酸は、第2の核酸の配列に相補的な配列を含む。一部の事例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列および第2の核酸の配列に相補的な配列を含む。一部の事例では、第3の核酸は、第1の核酸の配列および第2の核酸の配列に結合し、これにより、多方向分枝を作り出す。一部の事例では、多方向分枝は、3方向分枝である。一部の事例では、3方向分枝は、少なくとも2個のオーバーハングを含む。
【0027】
一部の事例では、本組成物は、第4の核酸をさらに含み、第4の核酸は、第1の核酸の配列、第2の核酸の配列、第3の核酸の配列、またはこれらのいずれかの組み合わせに相補的な配列を含む。一部の事例では、第4の核酸は、第3の核酸の配列および第1または第2の核酸の配列に結合し、これにより、4方向分枝を作り出す。一部の事例では、4方向分枝は、少なくとも3個のオーバーハングを含む。一部の事例では、オーバーハングのうち少なくとも2個は、同じ配列または特有の配列を含む。一部の事例では、前記オーバーハングのうち少なくとも2個は、相補的配列を含む。
【0028】
一部の事例では、本組成物は、検出標識をさらに含む。一部の事例では、検出標識は、多方向分枝を含む。一部の事例では、多方向分枝は、3方向分枝または4方向分枝である。一部の事例では、検出標識は、オーバーハングのうち少なくとも1個に相補的なオーバーハングを含む。
【0029】
別の態様では、検出分子およびアンチセンスオリゴマーを含む組成物であって、検出分子が、標的分子に結合する少なくとも1個のリガンドを含み、少なくとも1個のリガンドが、一本鎖核酸に連結されており、一本鎖核酸がアンチセンスオリゴマーにハイブリダイズされて、オーバーハングを有する二本鎖核酸標識を形成する、組成物が本明細書に開示されている。一部の事例では、リガンドは、抗体である。一部の事例では、標的分子は、タンパク質である。一部の事例では、オーバーハングは、1個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、オーバーハングは、複数のヌクレオチドを含む。一部の事例では、オーバーハングは、少なくとも5、10、15、20、25または30個のヌクレオチドを含む。一部の事例では、本組成物は、DNAリガーゼをさらに含む。一部の事例では、本組成物は、少なくとも1個の検出標識をさらに含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的な一本鎖核酸である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、少なくとも5、10、15、20、25または30個の検出標識を含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、切断可能なリンカーを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、切断可能なリンカーを含まない。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、検出タグを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、複数の検出タグを含む。一部の事例では、検出タグは、量子ドットを含む。一部の事例では、検出タグは、フルオロフォアを含む。一部の事例では、フルオロフォアは、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含む。一部の事例では、本組成物は、複数の検出分子を含む。一部の事例では、複数の検出分子のそれぞれは、異なる標的分子に結合する。
【0030】
一部の事例では、標的分子は、遺伝子編集アッセイにおける構成成分を含む。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、CRISPRアッセイである。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、CRISPR/Casアッセイである。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、NgAgoアッセイである。一部の事例では、構成成分は、Casヌクレアーゼ、標的DNA、DNA標的化RNA、トランス活性化crRNA(tracrRNA)、ドナー修復鋳型またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。一部の事例では、構成成分は、Casヌクレアーゼを含む。一部の事例では、構成成分は、Cas9ヌクレアーゼを含む。一部の事例では、標的分子は、細胞分子を含む。一部の事例では、標的分子は、細胞表面分子を含む。一部の事例では、標的分子は、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸を含む。一部の事例では、標的分子は、タンパク質を含む。一部の事例では、タンパク質は、細胞骨格タンパク質、細胞外マトリクスタンパク質、血漿タンパク質、凝固因子、急性期タンパク質、血液タンパク質、細胞接着、膜貫通輸送タンパク質、イオンチャネル、シンポート/アンチポートタンパク質、ホルモン、増殖因子、受容体、DNA結合タンパク質、RNA結合タンパク質、転写調節タンパク質、免疫系タンパク質、栄養素貯蔵もしくは輸送タンパク質、シャペロンタンパク質、酵素、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。一部の事例では、標的分子は、核酸を含む。一部の事例では、核酸は、mRNA、tRNA、rRNA、snRNA、非コードRNA分子、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0031】
一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、多方向分枝を含む。一部の事例では、多方向分枝は、3方向分枝または4方向分枝である。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、直接的ハイブリダイゼーション、酵素的ライゲーションまたは化学的ライゲーションによって、二本鎖核酸標識のオーバーハングに連結される。
【0032】
一部の事例では、本組成物は、第2の検出標識をさらに含む。一部の事例では、第2の検出標識は、前記少なくとも1個の検出標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを含む。一部の事例では、第2の検出標識は、多方向分枝を含む。一部の事例では、多方向分枝は、3方向分枝または4方向分枝である。
【0033】
別の態様では、上述の方法において使用することができるキットであって、第1の核酸および第2の核酸を含む検出カプレットであって、各核酸が、標的認識領域および自己ハイブリダイゼーション領域を有し、第1の核酸の標的認識領域が、標的分子の第1の領域に結合し、第2の核酸の標的認識領域が、標的分子の第2の領域に結合し、第1の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域および第2の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域がハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識を形成する、検出カプレットと、検出カプレットを標的分子と接触させる際に使用するための第1の試薬とを含む、キットが本明細書に開示されている。一部の事例では、二本鎖核酸標識は、オーバーハングを有する。一部の事例では、本キットは、上述の1種または複数の組成物を含む。
【0034】
別の態様では、上述の方法において使用することができるキットであって、検出分子およびアンチセンスオリゴマーであって、検出分子が、標的分子に結合する少なくとも1個のリガンドを含み、少なくとも1個のリガンドが、一本鎖核酸に連結されており、一本鎖核酸がアンチセンスオリゴマーにハイブリダイズされて、オーバーハングを有する二本鎖核酸標識を形成する、検出分子およびアンチセンスオリゴマーと、検出カプレットを標的分子と接触させる際に使用するための第1の試薬とを含む、キットが本明細書に開示されている。
【0035】
一部の事例では、本キットは、標的分子の検出において使用するための第2の試薬をさらに含む。
【0036】
一部の事例では、標的分子は、遺伝子編集アッセイにおける構成成分を含む。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、CRISPRアッセイである。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、CRISPR/Casアッセイである。一部の事例では、遺伝子編集アッセイは、NgAgoアッセイである。一部の事例では、構成成分は、Casヌクレアーゼ、標的DNA、DNA標的化RNA、トランス活性化crRNA(tracrRNA)、ドナー修復鋳型またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。一部の事例では、構成成分は、Casヌクレアーゼを含む。一部の事例では、構成成分は、Cas9ヌクレアーゼを含む。一部の事例では、標的分子は、細胞分子を含む。一部の事例では、標的分子は、細胞表面分子を含む。一部の事例では、標的分子は、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸を含む。一部の事例では、標的分子は、タンパク質を含む。一部の事例では、タンパク質は、細胞骨格タンパク質、細胞外マトリクスタンパク質、血漿タンパク質、凝固因子、急性期タンパク質、血液タンパク質、細胞接着、膜貫通輸送タンパク質、イオンチャネル、シンポート/アンチポートタンパク質、ホルモン、増殖因子、受容体、DNA結合タンパク質、RNA結合タンパク質、転写調節タンパク質、免疫系タンパク質、栄養素貯蔵もしくは輸送タンパク質、シャペロンタンパク質、酵素、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。一部の事例では、標的分子は、核酸を含む。一部の事例では、核酸は、mRNA、tRNA、rRNA、snRNA、非コードRNA分子、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0037】
一部の事例では、本キットは、本明細書に開示されている組成物のいずれかを含む。
【0038】
本開示の追加的な態様および利点は、当業者であれば、本開示の単なる説明的な実施形態が示され記載されている、次の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。理解できるであろうが、本開示は、他のおよび異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、様々な明らかな観点から修正が可能であり、これらは全て、本開示から逸脱するものではない。したがって、図面および記載は、本質的に制限的ではなく説明的として考慮されるべきである。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
試料中の標的分子を検出カプレットと接触させるステップを含む方法であって、前記検出カプレットが、第1の核酸および第2の核酸を含み、各核酸が、標的認識領域および自己ハイブリダイゼーション領域を有し、前記第1の核酸の前記標的認識領域が、前記標的分子の第1の領域に結合し、前記第2の核酸の前記標的認識領域が、前記標的分子の第2の領域に結合し、前記第1の核酸の前記自己ハイブリダイゼーション領域および前記第2の核酸の前記自己ハイブリダイゼーション領域がハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識を形成する、方法。
(項目2)
前記二本鎖核酸標識が、少なくとも3個の連続した塩基対を有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記二本鎖核酸標識が、オーバーハングを有する、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記標的分子が、mRNA分子である、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記第1の核酸および前記第2の核酸が、一本鎖DNAである、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記標的分子の前記第1の領域および前記第2の領域が、2~15ヌクレオチド離れている、項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
クロスリンカーを使用して、前記検出カプレットを前記試料に固定するステップをさらに含む、項目1~6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記第1の核酸または前記第2の核酸が、遊離アミン(-NH
2
)修飾を有する、項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記検出カプレットを固定するステップが、前記検出カプレットをアミン特異的クロスリンカーと接触させるステップを含む、項目7または8に記載の方法。
(項目10)
前記オーバーハングが、1個のヌクレオチドを含む、項目3~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記オーバーハングが、複数のヌクレオチドを含む、項目3~10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記オーバーハングが、少なくとも5、10、15、20、25または30個のヌクレオチドを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記二本鎖核酸標識をDNAリガーゼと接触させるステップをさらに含む、項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記二本鎖核酸標識を少なくとも1個の検出標識と接触させるステップをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的な一本鎖核酸である、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1個の検出標識が、複数の検出標識を含む、項目14~16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記二本鎖核酸標識および前記少なくとも1個の検出標識が、前記DNAリガーゼを使用してライゲーションされる、項目14または15に記載の方法。
(項目19)
前記少なくとも1個の検出標識が、少なくとも5、10、15、20、25または30個の検出標識を含む、項目14~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記少なくとも1個の検出標識が、切断可能なリンカーを含む、項目14~19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記少なくとも1個の検出標識が、検出タグを含む、項目14~20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記少なくとも1個の検出標識が、複数の検出タグを含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記検出タグが、量子ドットを含む、項目21または22に記載の方法。
(項目24)
前記検出タグが、フルオロフォアを含む、項目21または22に記載の方法。
(項目25)
前記フルオロフォアが、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記検出タグを検出し、これにより、前記試料中の前記標的分子の存在を検出するステップを含む、項目21~25のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記標的分子を複数の検出カプレットと接触させるステップを含む、項目1~26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記複数の検出カプレットのそれぞれが、異なる標的分子に結合する、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記試料が、インタクトな組織試料である、項目1~28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記インタクトな組織試料が、20~1000nmの間の厚さの切片にスライスされ得るように、樹脂に前記インタクトな組織試料を包埋するステップを含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記試料中の前記標的分子の存在に関連する状態または疾患を診断するステップを含む、項目26~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
試料中の標的分子を検出分子およびアンチセンスオリゴマーと接触させるステップを含む方法であって、前記検出分子が、前記標的分子に結合する少なくとも1個のリガンドを含み、前記少なくとも1個のリガンドが、一本鎖核酸に連結されており、前記一本鎖核酸が前記アンチセンスオリゴマーとハイブリダイズされて、オーバーハングを有する二本鎖核酸標識を形成する、方法。
(項目33)
前記リガンドが、抗体である、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記標的分子が、タンパク質である、項目32または33に記載の方法。
(項目35)
前記オーバーハングが、1個のヌクレオチドを含む、項目32~34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記オーバーハングが、複数のヌクレオチドを含む、項目33~35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記オーバーハングが、少なくとも5、10、15、20、25または30個のヌクレオチドを含む、項目33~35のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記二本鎖核酸標識をDNAリガーゼと接触させるステップをさらに含む、項目32~37のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記二本鎖核酸標識を少なくとも1個の検出標識と接触させるステップをさらに含む、項目32~38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記少なくとも1個の検出標識が、複数の検出標識である、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的な一本鎖核酸である、項目40に記載の方法。
(項目43)
前記少なくとも1個の検出標識が、複数の検出標識を含む、項目41~42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記少なくとも1個の検出標識が、少なくとも5、10、15、20、25または30個の検出標識を含む、項目39~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記少なくとも1個の検出標識が、切断可能なリンカーを含む、項目32~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記少なくとも1個の検出標識が、切断可能なリンカーを含まない、項目32~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
前記少なくとも1個の検出標識が、検出タグを含む、項目32~46のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
前記検出タグが、フルオロフォアを含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記フルオロフォアが、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記検出タグを検出し、これにより、前記試料中の前記標的分子の存在を検出するステップを含む、項目47~49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記試料を複数の検出分子と接触させるステップを含む、項目32~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記複数の検出分子のそれぞれが、異なる標的分子に結合する、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記試料が、インタクトな組織試料である、項目32~52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記インタクトな組織試料が、20~1000nmの間の厚さの切片にスライスされ得るように、樹脂に前記インタクトな組織試料を包埋するステップを含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記インタクトな組織試料が、骨髄組織試料、胃腸管組織試料、肺組織試料、肝臓組織試料、前立腺組織試料、神経系組織試料、泌尿生殖器系組織試料、脳組織試料、乳房組織試料、筋肉組織試料または皮膚組織試料である、項目29または53に記載の方法。
(項目56)
前記試料中の前記標的分子の存在に関連する状態または疾患を診断するステップを含む、項目26または50に記載の方法。
(項目57)
前記状態または疾患が、腎臓疾患、感染性疾患、代謝性疾患、前がん性状態、がん性状態または脳障害である、項目56に記載の方法。
(項目58)
検出カプレットを含む組成物であって、前記検出カプレットが、第1の核酸および第2の核酸を含み、各核酸が、標的認識領域および自己ハイブリダイゼーション領域を有し、前記第1の核酸の前記標的認識領域が、標的分子の領域に結合し、前記第2の核酸の前記標的認識領域が、前記標的分子の第2の領域に結合し、前記第1の核酸の前記自己ハイブリダイゼーション領域および前記第2の核酸の前記自己ハイブリダイゼーション領域がハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識を形成する、組成物。
(項目59)
前記二本鎖核酸標識が、少なくとも3個の連続した塩基対を有する、項目58に記載の組成物。
(項目60)
前記二本鎖核酸標識が、オーバーハングを有する、項目58または59に記載の組成物。
(項目61)
前記オーバーハングが、1個のヌクレオチドを含む、項目60に記載の組成物。
(項目62)
前記オーバーハングが、複数のヌクレオチドを含む、項目60に記載の組成物。
(項目63)
前記オーバーハングが、少なくとも5、10、15、20、25または30個のヌクレオチドを含む、項目60に記載の組成物。
(項目64)
前記標的分子が、mRNA分子である、項目58~63のいずれか一項に記載の組成物。
(項目65)
前記第1の核酸および前記第2の核酸が、一本鎖DNAである、項目58~64のいずれか一項に記載の組成物。
(項目66)
前記第1の核酸および前記第2の核酸のそれぞれが、遊離アミン(-NH
2
)修飾を有する、項目58~65のいずれか一項に記載の組成物。
(項目67)
DNAリガーゼをさらに含む、項目58~66のいずれか一項に記載の組成物。
(項目68)
少なくとも1個の検出標識をさらに含む、項目58~67のいずれか一項に記載の組成物。
(項目69)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である、項目68に記載の組成物。
(項目70)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的な一本鎖核酸である、項目68に記載の組成物。
(項目71)
前記少なくとも1個の検出標識が、複数の検出標識を含む、項目68または70のいずれか一項に記載の組成物。
(項目72)
前記少なくとも1個の検出標識が、少なくとも5、10、15、20、25または30個の検出標識を含む、項目69または70に記載の組成物。
(項目73)
前記少なくとも1個の検出標識が、切断可能なリンカーを含む、項目68~72のいずれか一項に記載の組成物。
(項目74)
前記少なくとも1個の検出標識が、検出タグを含む、項目68~73のいずれか一項に記載の組成物。
(項目75)
前記少なくとも1個の検出標識が、複数の検出タグを含む、項目74に記載の組成物。
(項目76)
前記検出タグが、量子ドットを含む、項目74または75に記載の組成物。
(項目77)
前記検出タグが、フルオロフォアを含む、項目74または75に記載の組成物。
(項目78)
前記フルオロフォアが、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含む、項目77に記載の組成物。
(項目79)
検出分子およびアンチセンスオリゴマーを含む組成物であって、前記検出分子が、標的分子に結合する少なくとも1個のリガンドを含み、前記少なくとも1個のリガンドが、一本鎖核酸に連結されており、前記一本鎖核酸が前記アンチセンスオリゴマーにハイブリダイズされて、オーバーハングを有する二本鎖核酸標識を形成する、組成物。
(項目80)
前記リガンドが、抗体である、項目79に記載の組成物。
(項目81)
前記標的分子が、タンパク質である、項目79または80に記載の組成物。
(項目82)
前記オーバーハングが、1個のヌクレオチドを含む、項目79~81のいずれか一項に記載の組成物。
(項目83)
前記オーバーハングが、複数のヌクレオチドを含む、項目79~81のいずれか一項に記載の組成物。
(項目84)
前記オーバーハングが、少なくとも5、10、15、20、25または30個のヌクレオチドを含む、項目79~81のいずれか一項に記載の組成物。
(項目85)
DNAリガーゼをさらに含む、項目79~84のいずれか一項に記載の組成物。
(項目86)
少なくとも1個の検出標識をさらに含む、項目79~85のいずれか一項に記載の組成物。
(項目87)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である、項目86に記載の組成物。
(項目88)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的な一本鎖核酸である、項目86に記載の組成物。
(項目89)
前記少なくとも1個の検出標識が、複数の検出標識を含む、項目86~88のいずれか一項に記載の組成物。
(項目90)
前記少なくとも1個の検出標識が、少なくとも5、10、15、20、25または30個の検出標識を含む、項目86~89のいずれか一項に記載の組成物。
(項目91)
前記少なくとも1個の検出標識が、切断可能なリンカーを含む、項目86~90のいずれか一項に記載の組成物。
(項目92)
前記少なくとも1個の検出標識が、切断可能なリンカーを含まない、項目86~90のいずれか一項に記載の組成物。
(項目93)
前記少なくとも1個の検出標識が、検出タグを含む、項目86~92のいずれか一項に記載の組成物。
(項目94)
前記少なくとも1個の検出標識が、複数の検出タグを含む、項目93に記載の組成物。
(項目95)
前記検出タグが、量子ドットを含む、項目93または94に記載の組成物。
(項目96)
前記検出タグが、フルオロフォアを含む、項目93または94に記載の組成物。
(項目97)
前記フルオロフォアが、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含む、項目96に記載の組成物。
(項目98)
複数の検出分子を含む、項目79~97のいずれか一項に記載の組成物。
(項目99)
前記複数の検出分子のそれぞれが、異なる標的分子に結合する、項目98に記載の組成物。
(項目100)
項目1~31のいずれか一項に記載の方法における使用のためのキットであって、前記キットは、以下:
第1の核酸および第2の核酸を含む検出カプレットであって、各核酸が、標的認識領域および自己ハイブリダイゼーション領域を有し、前記第1の核酸の前記標的認識領域が、標的分子の第1の領域に結合し、前記第2の核酸の前記標的認識領域が、前記標的分子の第2の領域に結合し、前記第1の核酸の前記自己ハイブリダイゼーション領域および前記第2の核酸の前記自己ハイブリダイゼーション領域がハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識を形成する、検出カプレットと、
前記検出カプレットを前記標的分子と接触させる際に使用するための第1の試薬と
を含む、キット。
(項目101)
前記二本鎖核酸標識が、オーバーハングを有する、項目100に記載のキット。
(項目102)
項目32~57のいずれか一項に記載の方法における使用のためのキットであって、前記キットは、以下:
検出分子およびアンチセンスオリゴマーであって、前記検出分子が、標的分子に結合する少なくとも1個のリガンドを含み、前記少なくとも1個のリガンドが、一本鎖核酸に連結されており、前記一本鎖核酸が前記アンチセンスオリゴマーにハイブリダイズされて、オーバーハングを有する二本鎖核酸標識を形成する、検出分子およびアンチセンスオリゴマーと、
検出カプレットを前記標的分子と接触させる際に使用するための第1の試薬と
を含む、キット。
(項目103)
前記標的分子の検出における使用のための第2の試薬をさらに含む、項目100~102のいずれか一項に記載のキット。
(項目104)
前記標的分子が、遺伝子編集アッセイにおける構成成分を含む、項目1または32に記載の方法。
(項目105)
前記遺伝子編集アッセイが、CRISPRアッセイである、項目104に記載の方法。
(項目106)
前記構成成分が、Casヌクレアーゼ、標的DNA、DNA標的化RNA、トランス活性化crRNA(tracrRNA)、ドナー修復鋳型、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目104または105に記載の方法。
(項目107)
前記構成成分が、Cas9ヌクレアーゼを含む、項目106に記載の方法。
(項目108)
前記遺伝子編集アッセイが、NgAgoアッセイである、項目104に記載の方法。
(項目109)
前記標的分子が、細胞分子である、項目1または32に記載の方法。
(項目110)
前記標的分子が、細胞表面分子である、項目1または32に記載の方法。
(項目111)
前記標的分子が、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸である、項目109または110に記載の方法。
(項目112)
前記標的分子が、タンパク質を含む、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記タンパク質が、細胞骨格タンパク質、細胞外マトリクスタンパク質、血漿タンパク質、凝固因子、急性期タンパク質、血液タンパク質、細胞接着、膜貫通輸送タンパク質、イオンチャネル、シンポート/アンチポートタンパク質、ホルモン、増殖因子、受容体、DNA結合タンパク質、RNA結合タンパク質、転写調節タンパク質、免疫系タンパク質、栄養素貯蔵もしくは輸送タンパク質、シャペロンタンパク質、酵素、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目112に記載の方法。
(項目114)
前記標的分子が、核酸を含む、項目111に記載の方法。
(項目115)
前記核酸が、mRNA、tRNA、rRNA、snRNA、非コードRNA分子、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目114に記載の方法。
(項目116)
前記標的分子が、遺伝子編集アッセイにおける構成成分を含む、項目58または79に記載の組成物。
(項目117)
前記遺伝子編集アッセイが、CRISPRアッセイである、項目116に記載の組成物。
(項目118)
前記構成成分が、Casヌクレアーゼ、標的DNA、DNA標的化RNA、トランス活性化crRNA(tracrRNA)、ドナー修復鋳型、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目116または117に記載の組成物。
(項目119)
前記構成成分が、Cas9ヌクレアーゼを含む、項目118に記載の組成物。
(項目120)
前記遺伝子編集アッセイが、NgAgoアッセイである、項目116に記載の組成物。
(項目121)
前記標的分子が、細胞分子である、項目58または79に記載の組成物。
(項目122)
前記標的分子が、細胞表面分子である、項目58または79に記載の組成物。
(項目123)
前記標的分子が、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸である、項目121または122に記載の組成物。
(項目124)
前記標的分子が、タンパク質を含む、項目123に記載の組成物。
(項目125)
前記タンパク質が、細胞骨格タンパク質、細胞外マトリクスタンパク質、血漿タンパク質、凝固因子、急性期タンパク質、血液タンパク質、細胞接着、膜貫通輸送タンパク質、イオンチャネル、シンポート/アンチポートタンパク質、ホルモン、増殖因子、受容体、DNA結合タンパク質、RNA結合タンパク質、転写調節タンパク質、免疫系タンパク質、栄養素貯蔵もしくは輸送タンパク質、シャペロンタンパク質、酵素、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目124に記載の組成物。
(項目126)
前記標的分子が、核酸を含む、項目123に記載の組成物。
(項目127)
前記核酸が、mRNA、tRNA、rRNA、snRNA、非コードRNA分子、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目126に記載の組成物。
(項目128)
前記標的分子が、遺伝子編集アッセイにおける構成成分を含む、項目100または102に記載のキット。
(項目129)
前記遺伝子編集アッセイが、CRISPRアッセイである、項目128に記載のキット。
(項目130)
前記構成成分が、Casヌクレアーゼ、標的DNA、DNA標的化RNA、トランス活性化crRNA(tracrRNA)、ドナー修復鋳型、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目128または129に記載のキット。
(項目131)
前記構成成分が、Cas9ヌクレアーゼを含む、項目130に記載のキット。
(項目132)
前記遺伝子編集アッセイが、NgAgoアッセイである、項目128に記載のキット。
(項目133)
前記標的分子が、細胞分子である、項目100または102に記載のキット。
(項目134)
前記標的分子が、細胞表面分子である、項目100または102に記載のキット。
(項目135)
前記標的分子が、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸である、項目133または134に記載のキット。
(項目136)
前記標的分子が、タンパク質を含む、項目135に記載のキット。
(項目137)
前記タンパク質が、細胞骨格タンパク質、細胞外マトリクスタンパク質、血漿タンパク質、凝固因子、急性期タンパク質、血液タンパク質、細胞接着、膜貫通輸送タンパク質、イオンチャネル、シンポート/アンチポートタンパク質、ホルモン、増殖因子、受容体、DNA結合タンパク質、RNA結合タンパク質、転写調節タンパク質、免疫系タンパク質、栄養素貯蔵もしくは輸送タンパク質、シャペロンタンパク質、酵素、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目136に記載のキット。
(項目138)
前記標的分子が、核酸を含む、項目135に記載のキット。
(項目139)
前記核酸が、mRNA、tRNA、rRNA、snRNA、非コードRNA分子、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む、項目138に記載のキット。
(項目140)
前記二本鎖核酸標識を第3の核酸と接触させるステップをさらに含み、前記第3の核酸が、前記第1の核酸の配列、前記第2の核酸の配列またはその両方に相補的な配列を含む、項目1~31のいずれか一項に記載の方法。
(項目141)
前記第3の核酸が、前記第1の核酸の前記配列、前記第2の核酸の前記配列またはその両方に結合する、項目140に記載の方法。
(項目142)
前記第3の核酸が、前記第1の核酸の前記配列および前記第2の核酸の前記配列に結合し、これにより、3方向分枝を作り出す、項目141に記載の方法。
(項目143)
前記3方向分枝が、少なくとも2個のオーバーハングを含む、項目142に記載の方法。
(項目144)
前記第3の核酸を第4の核酸と接触させるステップをさらに含み、前記第4の核酸が、前記第1の核酸の配列、前記第2の核酸の配列、前記第3の核酸の配列、またはこれらのいずれかの組み合わせに相補的な配列を含む、項目140に記載の方法。
(項目145)
前記第4の核酸が、前記第3の核酸の前記配列および前記第1の核酸の前記配列または前記第2の核酸の前記配列に結合し、これにより、4方向分枝を作り出す、項目144に記載の方法。
(項目146)
前記4方向分枝が、少なくとも3個のオーバーハングを含む、項目145に記載の方法。
(項目147)
前記オーバーハングのうち少なくとも2個が、同じ配列または特有の配列を含む、項目143または146に記載の方法。
(項目148)
前記オーバーハングのうち少なくとも2個が、相補的配列を含む、項目143または146に記載の方法。
(項目149)
前記オーバーハングのうち少なくとも1個を検出標識と接触させるステップをさらに含む、項目140~148のいずれか一項に記載の方法。
(項目150)
前記検出標識が、3方向分枝または4方向分枝を含む、項目149に記載の方法。
(項目151)
前記検出標識が、前記オーバーハングのうち前記少なくとも1個に相補的なオーバーハングを含む、項目149に記載の方法。
(項目152)
前記検出標識が、直接的ハイブリダイゼーション、酵素的ライゲーションまたは化学的ライゲーションによって、前記オーバーハングのうち前記少なくとも1個に連結される、項目149~151のいずれか一項に記載の方法。
(項目153)
第3の核酸をさらに含み、前記第3の核酸が、前記第1の核酸の配列、前記第2の核酸の配列またはその両方に相補的な配列を含む、項目58~78のいずれか一項に記載の組成物。
(項目154)
前記第3の核酸が、前記第1の核酸の前記配列および前記第2の核酸の前記配列に結合し、これにより、3方向分枝を作り出す、項目153に記載の組成物。
(項目155)
前記3方向分枝が、少なくとも2個のオーバーハングを含む、項目154に記載の組成物。
(項目156)
第4の核酸をさらに含み、前記第4の核酸が、前記第1の核酸の配列、前記第2の核酸の配列、前記第3の核酸の配列、またはこれらのいずれかの組み合わせに相補的な配列を含む、項目155に記載の組成物。
(項目157)
前記第4の核酸が、前記第3の核酸の前記配列および前記第1の核酸の前記配列または前記第2の核酸の前記配列に結合し、これにより、4方向分枝を作り出す、項目156に記載の組成物。
(項目158)
前記4方向分枝が、少なくとも3個のオーバーハングを含む、項目157に記載の組成物。
(項目159)
前記オーバーハングのうち少なくとも2個が、同じ配列または特有の配列を含む、項目155または158に記載の組成物。
(項目160)
前記オーバーハングのうち少なくとも2個が、相補的配列を含む、項目155または158に記載の組成物。
(項目161)
検出標識をさらに含む、項目153~160のいずれか一項に記載の組成物。
(項目162)
前記検出標識が、3方向分枝または4方向分枝を含む、項目161に記載の組成物。
(項目163)
前記検出標識が、前記オーバーハングのうち前記少なくとも1個に相補的なオーバーハングを含む、項目162に記載の組成物。
(項目164)
前記二本鎖核酸標識を検出標識と接触させるステップをさらに含む、項目32~57のいずれか一項に記載の方法。
(項目165)
前記検出標識が、3方向分枝または4方向分枝を含む、項目164に記載の方法。
(項目166)
前記検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを含む、項目165に記載の方法。
(項目167)
前記検出標識が、直接的ハイブリダイゼーション、酵素的ライゲーションまたは化学的ライゲーションによって、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに連結される、項目164~166のいずれか一項に記載の方法。
(項目168)
前記検出標識を第2の検出標識と接触させるステップをさらに含む、項目164~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目169)
前記第2の検出標識が、3方向分枝または4方向分枝を含む、項目168に記載の方法。
(項目170)
前記第2の検出標識が、前記検出標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを含む、項目169に記載の方法。
(項目171)
前記少なくとも1個の検出標識が、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを含む、項目86に記載の組成物。
(項目172)
前記少なくとも1個の検出標識が、3方向分枝または4方向分枝を含む、項目171に記載の組成物。
(項目173)
前記少なくとも1個の検出標識が、直接的ハイブリダイゼーション、酵素的ライゲーションまたは化学的ライゲーションによって、前記二本鎖核酸標識の前記オーバーハングに連結される、項目171または172に記載の組成物。
(項目174)
第2の検出標識をさらに含む、項目171~173のいずれか一項に記載の組成物。
(項目175)
前記第2の検出標識が、前記少なくとも1個の検出標識の前記オーバーハングに相補的なオーバーハングを含む、項目174に記載の組成物。
(項目176)
前記第2の検出標識が、3方向分枝または4方向分枝を含む、項目175に記載の組成物。
(項目177)
前記項目のいずれか一項に記載の組成物を含む、項目100~103および128~139のいずれか一項に記載のキット。
【0039】
参照による組み込み
本明細書で言及されているあらゆる刊行物、特許および特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許または特許出願のそれぞれが、参照により組み込まれていると特にかつ個々に示されているのと同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれている。
【0040】
本発明の新規特色は、添付の特許請求の範囲に特に明記されている。本発明の特色および利点をより良く理解するには、本発明の原理が利用されている説明的な実施形態を明記する次の詳細な説明、および下に示す添付の図面または図(本明細書において同様に、「FIG.」および「FIGS.」)を参照することが求められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本明細書に記載されている組成物、キット、方法およびシステムを使用する例示的なプロセスを例証する。
【0042】
【
図2A】
図2Aは、組織試料中の標的分子を検出するための例示的なライゲーションオリゴマー化方法を例証する。
【0043】
【
図2B】
図2Bは、組織試料中の標的分子を検出するための例示的な鋳型によるオリゴマー化方法を例証する。
【0044】
【
図3】
図3は、単一グアニン(G)オーバーハングを有する二本鎖核酸(例えば、DNA)標識に連結された抗体を例証する。
【0045】
【
図4】
図4Aは、第1の核酸および第2の核酸を含む検出カプレットを例証し、各核酸は、認識領域(例えば、RNA認識領域)、自己ハイブリダイゼーション領域および固定可能な末端を有することができる。
図4Bは、第1の核酸および第2の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域がハイブリダイズされて、オーバーハングを有する二本鎖核酸標識を形成することができることを例証する。
【0046】
【
図5】
図5は、検出分子の二本鎖核酸標識が、ライゲーション反応により、同じ配列を有する4個の二本鎖検出標識により増幅され得ることを例証する。
【0047】
【
図6】
図6は、本開示の方法を実行する例としての制御システムを模式的に例証する。
【0048】
【
図7】
図7A~
図7Jは、10枚の(70nm)切片からのDNAタグ付けされたアセチル化チューブリンの最大投射(max projection)を例証する。
図7Aは、ライゲーションオリゴマー化により可視化されたDNA標識された一次を例証する。
図7Bは、同じ組織切片における伝統的な蛍光二次によって可視化された同じDNA-一次を例証する。
図7Cは、
図4Aおよび
図4Bと同じ組織における蛍光標識されたアンチセンスオリゴマーにより可視化されたDNA標識された一次を例証する。
図7D~
図7Fは、
図7A~
図7Cの接写図を例証する(黄色のボックスによって強調されている)。
図7Dは、
図7Eには存在しない、核のオフターゲットライゲーション可視化へのポイントを例証する(白色の矢じり)。
図7Fは、オフターゲットシグナルを同様に被ったアンチセンス検出を例証するが、核の標識はより少ない。
図7G~
図7Iは、異なる組織において、DNA標識されたシナプシン抗体が、ホスファターゼおよび超音波処理DNAによるブロッキング後に可視化され得ることを例証する。
図7Gは、二次検出
図7H(白色の矢じり)と同等のオフターゲット標識(白色の矢じり)をもたらす、核標識の有意な減少を例証する。
図7Iは、超音波処理DNAによるブロッキングが、アンチセンス検出ノイズも改善したことを例証する。
図7Jは、対数目盛りで、各方法の重ね合わせた強度ヒストグラムを例証する。
【0049】
【
図8】
図8は、皮質における27枚の切片の投射を含有するパネルを例証する。
【0050】
【
図9】
図9は、9種の抗体を使用した、同じ構造(皮質シナプス)の同時標的化を例証する。
【0051】
【
図10-1】
図10A~
図10Dは、タグ配列決定を使用した、マルチプレックス化抗原の迅速検出の例を例証する。
図10Aは、オリゴマーモジュールの逐次検出と、それに続く制限エンドヌクレアーゼ切断による蛍光標識されたオリゴマーの除去のサイクル1を例証する。
図10Bは、オリゴマーモジュールの逐次検出と、それに続く制限エンドヌクレアーゼ切断による蛍光標識されたオリゴマーの除去のサイクル2を例証する。
図10Cは、オリゴマーモジュールの逐次検出と、それに続く制限エンドヌクレアーゼ切断による蛍光標識されたオリゴマーの除去のサイクル3を例証する。
図10Dは、イメージングサイクルにわたって生成された色の組み合わせを使用して、抗原毎の最終画像を再構築することができることを例証する。
【
図10-2】
図10A~
図10Dは、タグ配列決定を使用した、マルチプレックス化抗原の迅速検出の例を例証する。
図10Aは、オリゴマーモジュールの逐次検出と、それに続く制限エンドヌクレアーゼ切断による蛍光標識されたオリゴマーの除去のサイクル1を例証する。
図10Bは、オリゴマーモジュールの逐次検出と、それに続く制限エンドヌクレアーゼ切断による蛍光標識されたオリゴマーの除去のサイクル2を例証する。
図10Cは、オリゴマーモジュールの逐次検出と、それに続く制限エンドヌクレアーゼ切断による蛍光標識されたオリゴマーの除去のサイクル3を例証する。
図10Dは、イメージングサイクルにわたって生成された色の組み合わせを使用して、抗原毎の最終画像を再構築することができることを例証する。
【0052】
【
図11】
図11Aは、GFP標識ニューロンを囲むシナプシン標識を例証する。
図11Bは、蛍光DNAオリゴマーを使用した、シナプシンのパス1検出を例証する。
図11Cは、蛍光DNAオリゴマーを使用した、シナプシンのパス2検出を例証する。
図11Dは、二次抗体を使用した、シナプシンのパス3検出を例証する。
図11Eは、全3パスの合成図を例証する。
【0053】
【
図12】
図12Aは、10umパラフィン切片(例えば、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織)において得られる、DNAコンジュゲート抗acチューブリン抗体を使用して可視化されたアセチル化チューブリンを例証する。
図12Bは、エンドヌクレアーゼ溶液において30分後の同じ切片が、アセチル化チューブリンシグナルを除去したことを例証する。
図12Cは、二次抗体を使用して再染色された同じ組織を例証する。
図12Dは、
図12Aおよび
図12Cの黄色のボックスにおけるアセチル化チューブリン構造の接写図を例証する。
図12Eは、グリオーマを有する皮質組織におけるアセチル化チューブリン染色を例証する。
【0054】
【
図13】
図13A~
図13Bは、2種のライゲーション関連方法を比較する。
図13Aは、ライゲーションオリゴマー化方法による蛍光増幅を例証する。フルオロフォアを有する低分子DNA二重鎖が、粘着末端の特異的認識により、伸びている鎖へと逐次ライゲーションされ、蛍光シグナルの増幅をもたらす。
図13Bは、鋳型オリゴマー化による蛍光増幅を例証する。蛍光増幅は、フルオロフォアを有する一本鎖低分子DNAの逐次ハイブリダイゼーションおよびライゲーションにより起こり、蛍光シグナルの増幅をもたらす。
【0055】
【
図14】
図14A~
図14Fは、アーカイブイメージングのためのDNA-抗体アーカイブ免疫組織化学を例証する。
図14Aは、抗原におけるDNAコンジュゲートされた一次を例証する。
図14Bは、コンジュゲートのアンチセンス検出を例証する。
図14Cは、鋳型によるライゲーション検出および組織のイメージングを例証する。
図14Dは、エンドヌクレアーゼを使用した全検出DNAの除去を例証する。
図14E~
図14Fは、組織が、二本鎖(
図14E)または一本鎖形態(
図14F)のいずれかで脱水および貯蔵され得ることを例証する。
図14Eは、組織が、二本鎖または一本鎖形態のいずれかで脱水および貯蔵され得ることを例証する。アンチセンスは、変性または酵素消化により除去され得る。
図14Fは、アンチセンスの除去の際に、DNAコンジュゲート一次で染色された組織が、本来の抗体染色状態に戻り、よって、新鮮な蛍光検出の準備ができていることを例証する。
【0056】
【
図15】
図15A~
図15Fは、シグナル増幅および検出の例を例証する。
図15Aは、タグ付けされた標的が、タグにおける相補的領域に塩基対合する単一プローブによって認識され得ることを示す。
図15Bは、長いプローブが、n個の検出標識(例えば、検出器(detector)…n個の検出器)をドッキングすることができることを示す。
図15Cは、長い一次検出器標識(例えば、一次検出器)が、短いプローブにハイブリダイズされ得ることを示す。
図15Dは、一本鎖オリゴの付加の代わりに、単独にまたは多重に標識された二重鎖検出器を使用することができることを示す。
図15Eは、直鎖状二重鎖検出器の代わりに、n-分枝状検出器を使用して、伸長された標識構造を構築することができることを示す。
図15Fは、n-分枝状構造の伸長において、直鎖状および分枝状検出器を混合することができることを示す。
【0057】
【
図16】
図16A~
図16Eは、直鎖状および分枝状二重鎖ライゲーションオリゴマー化の例を例証する。
図16Aは、特有の相補的末端[αおよびα’]および[βおよびβ’]を有する標識された二重鎖核酸単位を示す。
図16Bは、交互のα/βおよびα’/β’標識された二重鎖単位を使用した直鎖状増幅を示す。
図16Cは、例示的な3方向および4方向分枝構造を示す。
図16Dは、3方向分枝のサイクリングによって生成される構造を示す。
図16Eは、4方向分枝のサイクリングによって生成される構造を示す。
【0058】
【
図17】
図17A~
図17Cは、in situ核酸検出における分枝状増幅の例を例証する。
図17Aは、2個の隣接する核酸プローブが、ステムヘアピン構造を生成することができ、そこに、二次プローブがハイブリダイズすることを示す。
図17Bは、2個の核酸近接プローブが、3方向分枝状構造を生成することができることを示す。
図17Cは、プローブのハイブリダイゼーションが、分枝状増幅において直接的に使用され得る3方向分枝構造を生成することを示す。
【0059】
【
図18】
図18A~
図18Iは、分枝状オリゴマー化が、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織におけるシグナルを大幅に増幅することを例証する。
図18Aは、alexa-594標識された二次抗体を用いた画像を示す。
図18Bは、2サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図18Cは、4サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図18Dは、6サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図18Eは、8サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図18Fは、10サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図18Gは、細胞体マスクのオーバーレイによる6サイクル増幅の例を示す。
図18Hは、
図18Gにおいて使用された細胞体マスクを示す。
図18Iは、二次抗体(菱形)および2~10サイクルの分枝状オリゴマー化(丸)の細胞体マスク内のピクセルの平均ピクセル強度を示す。
【0060】
【
図19】
図19A~
図19Fは、DNAタグ付けされた抗アセチル化チューブリン一次抗体で標識され、63×/1.4NAにおいて油浸下で撮像されたマウス脳皮質の70nm厚切片の例示的な画像を例証する。
図19Aは、alexa-594標識された二次抗体を用いた画像を示す。
図19Bは、2サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図19Cは、4サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図19Dは、6サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図19Eは、8サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器を用いた画像を示す。
図19Fは、二次抗体(菱形)および2~8サイクルの分枝状オリゴマー化(丸)の平均画像強度(16ビット画像からの灰色の値)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
別段の定めがない限り、本明細書で使用されているあらゆる技術および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意義を有する。本明細書に記載されているものと同様または均等ないかなる方法および材料が、本明細書における製剤または単位用量の実施または検査において使用されてもよいが、一部の方法および材料をここに記載する。他に言及がなければ、本明細書で用いられているまたは考慮されている技法は、標準的な方法論である。材料、方法および実施例は、単に説明的であり、限定的ではない。
【0062】
1種または複数の発明に関する実施形態の詳細が、本明細書における添付の図面、特許請求の範囲および明細書に明記されている。本明細書に開示および考慮されている発明に関する実施形態の他の特色、目的および利点は、それが明確に除外されていない限り、他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる。
【0063】
本明細書において、別段の指示がない限り、「含有する(contain)」、「含有している(containing)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」その他等の用語は、「含んでいる(comprising)」を意味する。
【0064】
本明細書において、別段の指示がない限り、いずれかの実施形態を、他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる。
【0065】
本明細書において、別段の指示がない限り、本明細書における一部の発明に関する実施形態は、数的範囲を考慮する。範囲が存在する場合、範囲は、範囲の終点を含む。その上範囲内の全ての部分範囲および値が、あたかも明確に書き出されたかのように存在する。
【0066】
参照数値に関連した用語「約」は、ある値から当該値プラスまたはマイナス10%の範囲を含むことができる。例えば、「約10」の量は、9、10および11の参照数を含む、9~11の量を含む。参照数値に関連した用語「約」は、ある値から当該値プラスまたはマイナス10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%の範囲を含むこともできる。
【0067】
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈がそれ以外を明らかに指示しない限り、複数の参照を含むように本明細書で使用されている。
【0068】
選択肢(例えば、「または(or)」)の使用は、選択肢のいずれか一方、両方、またはこれらのいずれかの組み合わせを意味するものと理解されたい。
【0069】
用語「核酸」は、本明細書において、いずれかの長さのポリマー形態のヌクレオチドを一般に指す。核酸は、プリンおよびピリミジン塩基、または他の天然の、化学的もしくは生化学的に修飾された、非天然のまたは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含む、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたはペプチド核酸(PNA)を含むことができる。核酸は、一本または二本鎖であり得る。ポリヌクレオチドの骨格は、RNAもしくはDNAに典型的に見出すことができる、糖およびリン酸基、または修飾もしくは置換された糖もしくはリン酸基を含むことができる。ポリヌクレオチドは、メチル化されたヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログ等、修飾されたヌクレオチドを含むことができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成成分によって中断され得る。よって、ヌクレオシド、ヌクレオチド、デオキシヌクレオシドおよびデオキシヌクレオチドという用語は、本明細書に記載されているもの等、アナログを一般に含む。このようなアナログは、核酸またはオリゴヌクレオチド配列に取り込まれると、溶液中の天然に存在する核酸配列とのハイブリダイゼーションが可能になるような、天然に存在するヌクレオシドまたはヌクレオチドと共通したいくつかの構造的特色を有する分子である。典型的には、このようなアナログは、塩基、リボースまたはホスホジエステル部分を置き換えるおよび/または修飾することにより、天然に存在するヌクレオシドおよびヌクレオチドから得られる。変化を調整して、望み通りに、ハイブリッド形成を安定化もしくは不安定化する、または相補的核酸配列とのハイブリダイゼーションの特異性を増強することができる。核酸分子は、DNA分子であり得る。核酸分子は、RNA分子であり得る。核酸分子は、合成分子であり得る。核酸分子は、DNAまたはRNA分子と対合する合成分子であり得る。
【0070】
本明細書において、用語「IHC」または「免疫組織化学」は、組織切片の細胞における抗原(例えば、タンパク質または核酸)を選択的にイメージングするプロセスを指す。この方法は、生体組織における特異的抗原に結合する抗体を用いることができる。検出シグナル(例えば、蛍光)は、本明細書に提供されているライゲーション増幅方法によって増幅することができる。一部の実施形態では、検出シグナルは、ライゲーションオリゴマー化により増幅される。一部の実施形態では、検出シグナルは、鋳型によるオリゴマー化により増幅される。
【0071】
本発明の実施は、分子生物学の分野における慣例的な技法を利用する。本発明における使用の一般方法を開示している基礎の教科書は、SambrookおよびRussell、Molecular Cloning, A Laboratory Manual(第3版、2001年);Kriegler、Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual(1990年);ならびにCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubelら編、1994年)を含む。
【0072】
概要
試料中の標的分子を検出するための組成物、キット、方法およびシステムが本明細書に開示されている。
図1は、本明細書に記載されている組成物、キット、方法およびシステムを使用する例示的なプロセスを例証する。先ず、検出分子を使用して、試料(例えば、組織全体試料)を接触させることができる。検出分子の存在は、イメージング装置(imaging instruction)(例えば、顕微鏡)によって検出することができる。次に、コンピュータシステムを使用して、1種もしくは複数の組織型、試料中の1種もしくは複数の標的分子、および/または1種もしくは複数の状態を同定することができる。結果は、疾患または状態の同定または診断のために医者または医師へと通信することができる。
【0073】
一部の実施形態では、本明細書に提供されているライゲーション増幅方法は、試料中の標的分子を、オーバーハングを有する検出分子(例えば、検出カプレット)と接触させるステップと、検出分子を、相補的オーバーハングを有する1個または複数の二本鎖核酸と接触させるステップと、DNAリガーゼを使用して、1個または複数の二本鎖核酸を検出分子にライゲーションするステップと(例えば、検出シグナルを増幅するために)を含むことができる。本方法は、本明細書において、ライゲーションオリゴマー化と称することもできる。
【0074】
別の実施形態では、本明細書に提供されているライゲーション増幅方法は、試料中の標的分子を、オーバーハングを有する検出分子(例えば、検出カプレット)と接触させるステップと、検出分子を、検出分子のオーバーハング配列に相補的(complimentary)な1個または複数の一本鎖核酸と接触させるステップと、DNAリガーゼを使用して、1個または複数の一本鎖核酸を検出分子にライゲーションするステップと(例えば、検出シグナルを増幅するために)を含むことができる。本方法は、本明細書において、鋳型によるオリゴマー化と称することもできる。用語「鋳型によるオリゴマー化」および「制御されたオリゴマー化」は、検出カプレットオーバーハングに相補的な少なくとも1個の一本鎖検出標識を接触させるステップを含む、ライゲーション増幅の方法を指すよう、本明細書で互換的に使用することができる。組織試料201における標的分子を検出するためのライゲーションオリゴマー化または鋳型によるオリゴマー化を含む例示的な方法が、
図2A、
図2Bおよび
図13に例証されている。
図2Aは、組織試料201における標的分子を検出するための例示的なライゲーションオリゴマー化方法を例証する。一部の事例では、標的分子は、mRNA分子202であり得る。本方法は、標的分子を検出カプレットと接触させるステップを含むことができ、検出カプレットは、第1の核酸203および第2の核酸204を含む。第1の核酸203および第2の核酸204はそれぞれ、標的認識領域205A&205Bおよび自己ハイブリダイゼーション領域206A&206Bを有することができる。第1の核酸の標的認識領域205Aは、標的分子の第1の領域に結合することができ、第2の核酸の標的認識領域205Bは、標的分子の第2の領域に結合することができる。第1の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域206Aおよび第2の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域206Bは、ハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識206A&206Bを形成することができる。二本鎖核酸標識206A&206Bは、少なくとも3個の連続した塩基対を有することができる。二本鎖核酸標識206A&206Bは、オーバーハング207を有することができる。本方法は、二本鎖核酸標識206A&206Bを検出標識208と接触させるステップをさらに含むことができ、検出標識208は、二本鎖核酸標識206のオーバーハング207に相補的なオーバーハング209を有する二本鎖核酸である。検出標識208は、検出タグ(例えば、フルオロフォア)を含むことができる。本方法は、検出標識をDNAリガーゼ210と接触させるステップをさらに含むことができ、DNAリガーゼ210は、検出標識208および二本鎖核酸標識206A&206Bをライゲーションすることができる。
【0075】
本明細書に提供されているライゲーションオリゴマー化方法は、DNAリガーゼ210をさらに含むことができ、ライゲーションプロセスを複数回反復して、複数の二本鎖検出標識208を二本鎖核酸標識206A&206Bに付加し、イメージング適用のための検出シグナルを増幅する。
【0076】
図2Bは、組織試料201における標的分子を検出するための例示的な鋳型によるオリゴマー化方法を例証する。例えば、本明細書に提供されている鋳型によるオリゴマー化方法は、検出カプレットをさらに含むことができ、検出カプレットは、第1の核酸203および第2の核酸204を含む。第1の核酸203および第2の核酸204はそれぞれ、標的認識領域205A&205Bおよび自己ハイブリダイゼーション領域206A&205Bを有することができる。鋳型によるオリゴマー化の一部の実施形態では、本方法は、二本鎖核酸標識206A&206Bを検出標識208と接触させるステップをさらに含むことができ、検出標識208は、二本鎖核酸標識206のオーバーハング207に相補的なオーバーハング209を有する二本鎖核酸である。検出標識208は、検出タグ(例えば、フルオロフォア)を含むことができる。本方法は、検出標識をDNAリガーゼ210と接触させるステップをさらに含むことができ、DNAリガーゼ210は、検出標識208および二本鎖核酸標識206A&206Bをライゲーションすることができる。本方法は、鎖213にオーバーハング211を合成するステップをさらに含むことができる。鋳型によるオリゴマー化の別の実施形態では、検出カプレットは、複数のヌクレオチド、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個のヌクレオチドを含むオーバーハング211をさらに含むことができ、オーバーハングは、複数の一本鎖核酸検出標識212に相補的である。検出標識212は、検出タグ(例えば、フルオロフォア)を含むことができる。鋳型によるオリゴマー化方法は、複数の検出標識212をDNAリガーゼ210と接触させるステップをさらに含むことができ、DNAリガーゼ210は、複数の検出標識212およびオーバーハング211をライゲーションすることができる。一部の実施形態では、少なくとも2個の検出標識の配列は、同一である、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14または少なくとも15または少なくとも16または少なくとも17または少なくとも18または少なくとも19または少なくとも20個の検出標識は、同一である。一部の実施形態では、少なくとも第1の検出標識の配列は、少なくとも第2の検出標識の配列と異なる。一部の実施形態では、複数の検出標識は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の検出標識212を含むことができ、第1の検出標識の配列は、オーバーハング211の少なくとも第1の2個の連続したヌクレオチドに相補的であり、第2の検出標識の配列は、オーバーハング211の少なくとも第2の2個の連続したヌクレオチドに相補的であり、第3の検出標識の配列は、オーバーハング211の少なくとも第3の2個の連続したヌクレオチドに相補的である、等々。本明細書に提供されている方法は、イメージング適用のための検出シグナルを増幅することができる。
【0077】
一部の実施形態では、蛍光検出シグナルは、
図13Aに示す通り、ライゲーションオリゴマー化により増幅される。一部の実施形態では、蛍光検出シグナルは、
図13Bに示す通り、フルオロフォアを有する一本鎖低分子DNAの逐次ハイブリダイゼーションおよびライゲーションにより蛍光増幅が起こる、鋳型オリゴマー化により増幅される。
【0078】
本明細書に開示されている方法は、試料または検出分子を少なくとも1個の検出標識(例えば、二本鎖DNA)と接触させるステップを含むことができ、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを有する。本明細書に開示されている方法は、試料または検出分子を少なくとも1個の検出標識(例えば、一本鎖DNA)と接触させるステップを含むことができ、少なくとも1個の検出標識は、検出カプレットの第1または第2の鎖のいずれかのオーバーハングに相補的である。少なくとも1個の検出標識は、一本鎖DNA、一本鎖RNAまたは二本鎖DNA等、核酸分子であり得る。例えば、二本鎖核酸標識が、5’-TAG-3’のオーバーハング配列を有する場合、検出標識は、3’-ATC-5’の相補的オーバーハング配列を有することができる。例えば、一本鎖核酸標識の配列が、5’-GGTA-3’である場合、オーバーハング配列は、3’-CCAT-5’を含む。検出標識のオーバーハング配列は、特定の二本鎖核酸標識のオーバーハングに特有に相補的であり得る。検出標識のオーバーハング配列は、複数の二本鎖核酸標識、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19~20個の間の二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的であり得る。同様に、二本鎖核酸標識のオーバーハング配列は、特定の検出標識のオーバーハングに特有に相補的であり得る。二本鎖核酸標識のオーバーハング配列は、複数の検出標識、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19~20個の間の検出標識のオーバーハングに相補的であり得る。
【0079】
本明細書に開示されている方法は、試料または検出分子を少なくとも1個のDNAリガーゼと接触させるステップを含むことができる。DNAリガーゼは、ホスホジエステル結合の形成の触媒により、DNA鎖を一緒に接合することを容易にすることができる。例えば、DNAリガーゼは、E.coli DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼまたは哺乳動物DNAリガーゼI、II、IIIもしくはIVを含むことができる。
【0080】
例えば、DNAリガーゼを使用して、二本鎖核酸標識は、第1の検出標識にライゲーションされて、増幅された二本鎖核酸標識を形成することができる。増幅された二本鎖核酸標識は、第2の検出標識にライゲーションされて、別の増幅された二本鎖核酸標識を形成することができる。このプロセスを複数回反復して、複数の検出標識を含む増幅された二本鎖核酸標識を形成することができる。一部の事例では、第1の検出標識は、第2の検出標識と同じ配列を有することができる。
図5に示す通り、検出分子520の二本鎖核酸標識510は、ライゲーション反応により、同じ配列を有する4個の二本鎖検出標識530により増幅することができる。一部の事例では、第1の検出標識は、第2の検出標識とは異なる配列を有することができる。一部の事例では、検出分子520は、
図2Bに例証される通り、鋳型によるオリゴマー化ライゲーション反応により、同じ配列を有する4個の一本鎖検出標識により増幅することができる。一部の事例では、検出分子520は、
図2Bに例証される通り、鋳型によるオリゴマー化ライゲーション反応により、1個の二本鎖核酸分子510および同じ配列を有する3個の一本鎖検出標識により増幅することができる。
【0081】
検出分子を使用した標的分子の検出
試料中の標的分子を検出するための組成物、キット、方法およびシステムが本明細書に開示されている。標的分子は、試料中の目的のいずれかの分子であり得る。標的分子は、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸(例えば、DNAまたはRNA)であり得る。標的分子は、RNA分子、例えば、mRNA、tRNA、rRNA、snRNAまたは非コードRNA分子であり得る。
【0082】
本方法は、試料を、標的分子に結合する検出分子と接触させるステップを含むことができる。検出分子は、少なくとも1個のリガンド(例えば、抗体)、ビーズまたは核酸を含むことができる。リガンドは、一本鎖核酸に連結された抗体であり得る。一本鎖核酸は、一本鎖核酸に相補的な配列を有するアンチセンスオリゴマーにハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識を形成することができ、二本鎖核酸標識は、オーバーハングを有する。一本鎖核酸およびアンチセンスオリゴマーのハイブリダイゼーションは、標的分子へのリガンドの結合後に行うことができる。一本鎖核酸およびアンチセンスオリゴマーのハイブリダイゼーションは、標的分子へのリガンドの結合前に行うことができる。一部の事例では、リガンドは、二本鎖核酸標識に連結された抗体であり得、二本鎖核酸標識は、オーバーハングを有する。
【0083】
オーバーハング
用語「オーバーハング」は、本明細書において、核酸(例えば、DNA)分子の末端における不対合ヌクレオチドのストレッチを指す。このような不対合ヌクレオチドは、どちらの鎖にあってもよく、3’または5’オーバーハングのいずれかを作り出す。オーバーハングは、単一のヌクレオチドを含むことができる。例えば、
図3において、検出分子は、単一グアニン(G)オーバーハング320を有する二本鎖核酸(例えば、DNA)標識に連結された抗体310である。別の例では、次の配列を有する二本鎖DNA分子は、単一ヌクレオチドオーバーハングを形成することができる:
5’-ATCTGACTA-3’
3’-TAGACTGA-5’
【0084】
オーバーハングは、単一のヌクレオチドまたは複数のヌクレオチド、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個のヌクレオチドを含むことができる。一部の事例では、オーバーハングは、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19または少なくとも約20個のヌクレオチドを含むことができる。一部の事例では、オーバーハングは、約1~約20個のヌクレオチド、例えば、約1~約2、約1~約3、約1~約4、約1~約5、約1~約10、約1~約15、約1~約20、約2~約3、約2~約4、約2~約5、約2~約10、約2~約15、約2~約20、約3~約4、約3~約5、約3~約10、約3~約15、約3~約20、約4~約5、約4~約10、約4~約15、約4~約20、約5~約10、約5~約15、約5~約20、約10~約15、約10~約20または約15~約20個のヌクレオチドを含むことができる。例えば、オーバーハング配列は、TAG、CAT、ACA、CATまたはAATであり得る。別の例では、次の配列を有する二本鎖DNA分子は、3ヌクレオチドオーバーハングを形成することができる:
5’-ATCTGACTACA-3’
3’-TAGACTGA-5’
【0085】
検出カプレット
検出分子は、標的分子に結合する複数のヌクレオチドを含むことができる。例えば、検出分子は、第1の核酸および第2の核酸を含む検出カプレットであり得る。第1および第2の核酸は、一本鎖DNAであり得る。
【0086】
第1および/または第2の核酸は、複数のヌクレオチドの長さ、例えば、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95または少なくとも約100個のヌクレオチドを含むことができる。第1および/または第2の核酸は、約5~150個のヌクレオチドの長さ、例えば、約5~150、約5~130、約5~110、約5~90、約5~70、約5~50、約5~30、約5~10、約10~150、約10~130、約10~110、約10~90、約10~70、約10~50、約10~30、約30~150、約30~130、約30~110、約30~90、約30~70、約30~50、約50~150、約50~130、約50~110、約50~90、約50~70、約70~150、約70~130、約70~110、約70~90、約90~150、約90~130、約90~110、約110~150、約110~130または約130~150個のヌクレオチドを含むことができる。
【0087】
認識領域
図4Aの例において例証される通り、第1の核酸は、第1の標的分子(例えば、mRNA)に結合する第1の認識領域205A(例えば、RNA認識領域)を有する。同様に、第2の核酸は、第2の標的分子(例えば、mRNA)に結合する第2の認識領域205A(例えば、RNA認識領域)を有する。一部の事例では、第1および第2の標的分子は、同じ分子であり得る。一部の事例では、第1の標的分子および第2の標的分子は、異なる分子であり得る。第1および/または第2の核酸の認識領域は、認識領域の配列に相補的な標的分子の配列にハイブリダイズすることにより、標的分子に結合する。
【0088】
認識領域は、単一のヌクレオチドまたは複数のヌクレオチド、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個のヌクレオチドを含むことができる。一部の事例では、認識領域は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19または少なくとも約20個のヌクレオチドを含むことができる。一部の事例では、認識領域は、約1~約20個のヌクレオチド、例えば、約1~約2、約1~約3、約1~約4、約1~約5、約1~約10、約1~約15、約1~約20、約2~約3、約2~約4、約2~約5、約2~約10、約2~約15、約2~約20、約3~約4、約3~約5、約3~約10、約3~約15、約3~約20、約4~約5、約4~約10、約4~約15、約4~約20、約5~約10、約5~約15、約5~約20、約10~約15、約10~約20または約15~約20個のヌクレオチドを含むことができる。
【0089】
第1の認識領域および第2の認識領域は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19または少なくとも約20ヌクレオチド離れている、標的分子の2個の配列を認識することができる。第1の認識領域および第2の認識領域は、約1~約20ヌクレオチド、例えば、約1~約2、約1~約3、約1~約4、約1~約5、約1~約10、約1~約15、約1~約20、約2~約3、約2~約4、約2~約5、約2~約10、約2~約15、約2~約20、約3~約4、約3~約5、約3~約10、約3~約15、約3~約20、約4~約5、約4~約10、約4~約15、約4~約20、約5~約10、約5~約15、約5~約20、約10~約15、約10~約20または約15~約20ヌクレオチド離れている、標的分子の2個の配列を認識することができる。例えば、
図4Bにおいて、第1の認識領域および第2の認識領域は、3ヌクレオチド(
図4Bにおける「UCA」および「CCU」)離れている、標的mRNA分子の2個の配列を認識することができる。
【0090】
自己ハイブリダイゼーション領域
第1の核酸は、第1の自己ハイブリダイゼーション領域206Aを含むことができる(
図4A)。同様に、第2の核酸は、第2の自己ハイブリダイゼーション領域206Bを含むことができる。第1および第2の自己ハイブリダイゼーション領域の配列は、相補的であり得る。第1および第2の自己ハイブリダイゼーション領域は、センス-アンチセンスハイブリダイゼーションによりハイブリダイズして、二本鎖核酸標識を形成することができる。二本鎖核酸標識は、部分的に二本鎖かつ部分的に一本鎖であり得る。
【0091】
自己ハイブリダイゼーション領域は、単一のヌクレオチドまたは複数のヌクレオチド、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個のヌクレオチドを含むことができる。一部の事例では、自己ハイブリダイゼーション領域は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19または少なくとも約20個のヌクレオチドを含むことができる。一部の事例では、自己ハイブリダイゼーション領域は、約1~約20個のヌクレオチド、例えば、約1~約2、約1~約3、約1~約4、約1~約5、約1~約10、約1~約15、約1~約20、約2~約3、約2~約4、約2~約5、約2~約10、約2~約15、約2~約20、約3~約4、約3~約5、約3~約10、約3~約15、約3~約20、約4~約5、約4~約10、約4~約15、約4~約20、約5~約10、約5~約15、約5~約20、約10~約15、約10~約20または約15~約20個のヌクレオチドを含むことができる。
【0092】
本明細書における方法は、第1の核酸および第2の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域をハイブリダイズさせて、本明細書に記載されているオーバーハング207(例を
図4Aおよび
図4Bに示す)を有する二本鎖核酸標識を形成するステップを含むことができる。
【0093】
試料への検出分子の固定
検出カプレットは、試料(例えば、組織)への検出カプレットの固定に使用することができる3’および/または5’修飾を含むことができる。組織への検出カプレットの固定は、標的分子(例えば、mRNA)の検出性に負の影響を与えることなく、様々な処理を可能にすることができる。
【0094】
第1および第2の核酸を含む検出カプレットは、遊離アミン(-NH2)修飾(
図4Aに示す)等、3’または5’修飾を有することができる。本明細書に開示されている方法は、NHSエステルクロスリンカー、イミドエステルクロスリンカーまたはジフルオロクロスリンカー等、アミン反応性クロスリンカーを接触させるステップを含むことができる。NHSエステルクロスリンカーは、グルタル酸ジスクシンイミジル(DSG)、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)、スベリン酸ビス(スルホスクシニミジル)(BS3)、トリス-(スクシニミジル)アミノトリアセテート(TSAT)、ペグ化スベリン酸ビス(スルホスクシニミジル)(BS(PEG)5、BS(PEG)9)、ジチオビス(プロピオン酸スクシニミジル)(DSP)、3,3’-ジチオビス(プロピオン酸スルホスクシニミジル)(DTSSP)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、ビス(2-(スクシニミドオキシカルボニルオキシ)エチル)スルホン(BSOCOES)、エチレングリコールビス(コハク酸スクシニミジル)(EGS)またはスルホ-EGSであり得る。イミドエステルクロスリンカーは、アジプイミド酸ジメチル(DMA)、ピメルイミド酸ジメチル(DMP)、スベルイミノ酸ジメチル(dimethyl suberimidate)(DMS)またはWangおよびRichard試薬(DTBP)であり得る。ジフルオロクロスリンカーは、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン(DFDNB)であり得る。
【0095】
検出標識およびライゲーション増幅
本明細書に開示されている方法は、試料または検出分子を少なくとも1個の検出標識(例えば、二本鎖DNA)と接触させるステップを含むことができ、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを有する。少なくとも1個の検出標識は、一本鎖DNA、一本鎖RNAまたは二本鎖DNA等、核酸分子であり得る。例えば、二本鎖核酸標識が、5’-TAG-3’のオーバーハング配列を有する場合、検出標識は、3’-ATC-5’の相補的オーバーハング配列を有することができる。検出標識のオーバーハング配列は、特定の二本鎖核酸標識のオーバーハングに特有に相補的であり得る。検出標識のオーバーハング配列は、複数の二本鎖核酸標識、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19~20個の間の二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的であり得る。同様に、二本鎖核酸標識のオーバーハング配列は、特定の検出標識のオーバーハングに特有に相補的であり得る。二本鎖核酸標識のオーバーハング配列は、複数の検出標識、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19~20個の間の検出標識のオーバーハングに相補的であり得る。検出標識は、1個または複数の検出タグを含むことができる。検出標識は、手動アセンブリおよび/または自己アセンブリに適応され得る少なくとも1個のオーバーハングを有することができる。一部の事例では、検出標識は、手動アセンブリに適応させることができ、より大型の複合体(例えば、シグナリング複合体)を構築するために、個々のユニットの系列適用を有することができる。一部の事例では、検出標識は、自己アセンブリに適応させることができ、より大型の複合体(例えば、シグナリング複合体)を構築するために、全構成成分の同時適用を有することができる。
【0096】
本明細書に開示されている方法は、試料または検出分子を少なくとも1個のDNAリガーゼと接触させるステップを含むことができる。DNAリガーゼは、ホスホジエステル結合の形成の触媒により、DNA鎖を一緒に接合することを容易にすることができる。例えば、DNAリガーゼは、E.coli DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼまたは哺乳動物DNAリガーゼI、II、IIIもしくはIVを含むことができる。
【0097】
例えば、DNAリガーゼを使用して、二本鎖核酸標識は、第1の検出標識にライゲーションされて、増幅された二本鎖核酸標識を形成することができる。増幅された二本鎖核酸標識は、第2の検出標識にライゲーションされて、別の増幅された二本鎖核酸標識を形成することができる。このプロセスを複数回反復して、複数の検出標識を含む増幅された二本鎖核酸標識を形成することができる。一部の事例では、第1の検出標識は、第2の検出標識と同じ配列を有することができる。
図5に示す通り、検出分子520の二本鎖核酸標識510は、ライゲーション反応により、同じ配列を有する4個の二本鎖検出標識530により増幅することができる。一部の事例では、第1の検出標識は、第2の検出標識とは異なる配列を有することができる。一部の事例では、検出分子520は、
図2Bに例証される通り、鋳型によるオリゴマー化ライゲーション反応により、同じ配列を有する4個の一本鎖検出標識により増幅することができる。一部の事例では、検出分子520は、
図2Bに例証される通り、鋳型によるオリゴマー化ライゲーション反応により、1個の二本鎖核酸分子510および同じ配列を有する3個の一本鎖検出標識により増幅することができる。
【0098】
天然および合成核酸は、直接的ハイブリダイゼーション、酵素的ライゲーションまたは化学的ライゲーションによって接合することができる。一部の事例では、直接的ハイブリダイゼーションは、塩基対合のみによる核酸の接合を含む。直接的ハイブリダイゼーションは、非共有結合性であり得、接合された構造の安定性は、塩濃度および温度等の環境因子に対して感受性となり得る。酵素的ライゲーションは、核酸の直接的共有結合連結をもたらすことができるが、タンパク質リガーゼを要求する場合がある。化学的ライゲーションは、2個の核酸を共有結合により接合する簡便な方法をもたらすことができる。化学的ライゲーション形態は、次のものを含むことができる:アルデヒドを使用して3’および5’アミノ基により核酸を架橋して、鎖を直接的に接合すること;3’および5’スルフヒドリル基を酸化して、ジスルフィド連結された核酸鎖を生成すること;ならびに隣接する核酸鎖の3’および5’末端を共有結合により接合することができる、生体直交型(bio-orthogonal)「クリック」ケミストリー、例えば、3’標識アジドおよび5’標識アルキンは、Cu(I)触媒環化付加により接合して、通常のリン酸結合の代わりにトリアゾール共有結合連結を形成することができる(El-Sagheer, A. H.およびBrown, T.、Click Nucleic Acid Ligation: Applications in Biology and Nanotechnology.、Acc. Chem. Res.45巻、1258~1267頁(2012年))。ライゲーションは、酵素的ライゲーション、化学的架橋、例えば、アルデヒドもしくはスルフヒドリル架橋、またはアルキン-アジド環化付加等の生体直交型「クリック」ケミストリーによってなすことができる。
【0099】
分枝状オリゴマー化
より大型の複合体の生成に使用される検出標識は、直鎖状または分枝状のいずれかであり得る。直鎖状検出標識のみでできた構造は、直鎖状モジュールの数に対して線形にシグナルを増幅することができる。分枝状、または直鎖状および分枝状の組み合わせでできた構造では、検出標識は、分枝する検出標識の数に対して指数関数的に増幅され得るシグナルをもたらすことができる。分枝状オリゴマー化の構造および効果を実施例11~14に示す。
【0100】
一部の事例では、多方向分枝は、n方向分枝であり、n方向分枝は、一緒に連結されて核酸構造を形成する、n個の一本鎖核酸を含む。核酸構造は、n個の末端および/またはn個のオーバーハングを有することができる。例えば、多方向分枝は、3方向分枝であり得、3方向分枝は、一緒に連結されて3個の末端および/または3個のオーバーハングを有する核酸構造を形成する、3個の一本鎖核酸を含む(例えば、
図17A~
図17Cおよび
図16Cを参照)。別の例では、多方向分枝は、4方向分枝であり得る。4方向分枝は、一緒に連結されて4個の末端および/または4個のオーバーハングを有する核酸構造を形成する、4個の一本鎖核酸を含むことができる。
【0101】
検出タグ
検出標識は、少なくとも1個の検出タグを含むことができる。一部の事例では、検出標識は、複数の検出タグを含むこともできる。一部の事例では、検出標識は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19~20個の間の検出タグを含むことができる。一部の事例では、複数の検出タグは、同じ種類の検出タグであり得る。一部の事例では、複数の検出タグは、2種類以上の検出タグを含むことができる。一部の事例では、複数の検出タグは、同じ色を有する2種類以上の検出タグを含むことができる。一部の事例では、複数の検出タグは、異なる色を有する2種類以上の検出タグを含むことができる。一部の事例では、複数の検出タグは、2色以上を含むことができる。
【0102】
少なくとも1個の検出タグは、リンカー、例えば、切断可能または切断不能なリンカーによって検出標識に取り付けることができる。一部の事例では、複数の検出タグは、それぞれ互いに7~10個の間の塩基をおいて間隔をあけて、検出標識に取り付けられる。一部の事例では、複数の検出タグは、各タグが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14~15個の間の塩基をおいて間隔をあけるように、取り付けられる。一部の実例では、複数の検出タグは、2~10個の間の検出タグを含むことができる。一部の事例では、複数の検出タグは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19~20個の間の検出タグを含むことができる。
【0103】
一部の事例では、検出タグは、量子ドット(QD)であり得る。一部の事例では、検出タグは、フルオロフォアであり得る。本明細書に記載されている方法およびシステムにおいて、当業者にとって公知のいかなるフルオロフォアおよび/またはQDを用いてもよい。一部の例示的な実例では、フルオロフォアは、クマリン、ローダミン、キサンテン、フルオレセインまたはシアニンを含むことができる。一部の事例では、検出タグの配置および数は、検出の空間的分解能を増強するように最適化することができる。
【0104】
一部の事例では、検出タグは、ハプテンであり得る。ハプテンは、アニリン、アニリン誘導体(o-、m-またはp-アミノ安息香酸)、ウルシオール、ヒドララジン、フルオレセイン、ビオチン、ジゴキシゲニンまたはジニトロフェノールを含むことができる。例えば、ハプテンは、ジゴキシゲニンであり得る。ハプテン(例えば、ジゴキシゲニン)は、吸収性または蛍光分子の生成を触媒することができる酵素標識された抗体(例えば、HRP、AP)によって認識され得る。
【0105】
核酸標識との検出タグのハイブリダイゼーションは、電場の印加を含むことができる。一部の事例では、電場は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60秒間印加することができる。一部の事例では、電場は、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5~5分間の間印加することができる。一部の事例では、電場は、最大5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90分間印加することができる。一部の事例では、電場は、1~60分間の間印加することができる。
【0106】
本明細書に開示されている方法は、試料および/または検出分子を、ホスファターゼおよび/または超音波処理されたサケ精子等の別の二本鎖DNAと接触させるステップを含むことができる。ホスファターゼおよび/または別の二本鎖DNA(例えば、超音波処理されたサケ精子)を使用して、DNA(クロマチン)およびDNA結合タンパク質の存在による、核および/またはサイトゾルにおける望まれないシグナルを低下させることができる。
【0107】
本明細書に記載されている方法の実行に適したシステム、およびかかるシステムによる使用のためのキットも提供されている。
【0108】
配列決定による検出
本明細書に記載されている方法は、各核酸標識の配列の決定を含む検出ステップを含むことができる。一般に、本明細書における核酸標識を配列決定するために、in-situで行われ得るいずれかの配列決定方法を利用することができる。これらは、例えば、当業者にとって公知の他の方法の中でもとりわけ、合成による配列決定、ライゲーションによる配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定を含む。本明細書に記載されている方法およびシステムによる使用のために、市販の核酸配列決定キットを最適化することができる。
【0109】
一部の事例では、各核酸標識の配列は、合成による配列決定によって決定することができる。一部の実例では、各核酸標識の配列は、ハイブリダイゼーションによる配列決定によって決定することができる。ハイブリダイゼーションによる配列決定は、後述する実施例に記載されているタグハイブリダイゼーション方法の使用が関与し得る。
【0110】
タグ配列決定は、直接的配列決定の変形であり、後述する実施例に記載されている4個の約15mer単位からなる約60塩基対(bp)であるタグを使用する。一部の事例では、各オリゴマーは、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の核酸の長さである。一部の事例では、ハイブリダイゼーションによるタグ「配列決定」は、QD標識オリゴマーと共に使用される。QDの使用は、適度に高速なSTORM様イメージングを可能にする。さらに、量子ドットは、光活性化される必要がなく、光退色に対して抵抗性であり、励起のために単一色を要求する。一部の事例では、タグ配列決定は、切断可能な蛍光標識と共に使用される。
【0111】
本明細書に記載されている方法の実行に適したシステム、およびかかるシステムによる使用のためのキットも提供されている。
【0112】
アレイ断層撮影
インタクトな組織においてアレイ断層撮影(AT)を行って、組織における複数のタンパク質の空間的に分解された同定を容易にするための組成物、キット、方法およびシステムも、本明細書に開示されている。一部の事例では、本方法は、脳組織等、神経回路構造を撮像することができる。
【0113】
現在実施されているATプロセスの1バージョンが、化学的固定、脱水、および樹脂中の包埋を含む、電子顕微鏡に使用されているものと同様の組織処理を含むことを注記することができる。組織ブロックは、ダイアモンドナイフを使用して、ウルトラミクロトームにおいてカットされる。ブロック側面に塗布されたコンタクトセメントは、連続切片が一緒に密着して、長いリボンを形成することを確実にする。これらは、コーティングされたカバーガラス上に収集され、このコーティングは、包埋された組織切片に緊密に接着するように操作されており、切片を信頼のおけるオートフォーカスのために平らに保持し、複数の染色サイクルを通して維持する。アレイは、抗体、レクチンまたは他の試薬を使用して染色され、多くの場合回折限界で、自動蛍光顕微鏡によって検出される。抗体はストリッピングすることができ、染色およびイメージングを複数回反復して、所与の組織容積から高次元データセットを構築することができる。アレイは、重金属で染色して、電界放射走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮像することもできる。画像をステッチし、整列し、各光学(およびSEM)サイクルを、全チャネルを含む3D容積へと統合する。容積を解析して、例えば、様々なマーカーの間の空間的関係性を評価し、シナプス、細胞型および他の目的の特色の同定および特徴付けをもたらすことができる。
【0114】
インタクトな組織
本明細書に記載されている方法およびシステムを使用して、インタクトな組織試料においてアレイ断層撮影を行うことができる。本明細書に記載されているインタクトな組織は、1つの次元において薄切され、他の2つの次元において近接している組織を含む。このような組織は、最小限の解離によって特徴付けされる。インタクトな組織試料は、薄切後に、試料が、組織全体で正常に見出される組織構造および他の細胞を保持する組織試料である。本明細書に記載されている方法およびシステムのためのインタクトな組織を固定する例示的な方法は、後述する実施例1に提示されている。その上、当業者にとって公知のインタクトな組織試料を単離および固定する方法を、本明細書に記載されている方法およびシステムのために用いることができる。本明細書に記載されている方法の一部では、インタクトな組織は、組織を20~1000nmの間の厚さの切片にスライスすることができるように、樹脂に包埋することができる。一部の事例では、試料は、パラフィン包埋組織試料である。一部の事例では、試料は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織試料である。一部の方法では、切片の厚さは、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000nmであり得る。一部の方法では、切片の厚さは、約100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または1000nmであり得る。一部の事例では、本方法は、インタクトな組織の脱水を含まなくてよい。一部の事例では、組織は、脱水および樹脂包埋されない。一部の事例では、切片収集器を利用して、ウルトラミクロトームにおいて産生されたリボンを自動的に収集し、これを、顕微鏡スライドからマイクロタイタープレートに及ぶサイズの、コーティングされた高精度カバーガラスの予め画定された領域に置く。本方法によって研究することができるインタクトな組織試料は、例えば、1種または複数の状態の検出のための生検された組織を含むことができる。
【0115】
組織におけるオフターゲットバックグラウンドシグナルのブロッキングおよび洗浄
組織不均一性は、特異的な生物学的シグナルを不明瞭にする非特異的バックグラウンドシグナルの原因となり得る、複雑な化学的環境を呈し得る。望まれないオフターゲットシグナルを低下させるために、非標識一本または二本鎖核酸、アルカリホスファターゼ、ポリメラーゼ、リガーゼおよびヌクレアーゼ等の酵素、PEG等の荷電ポリマー、ヘパリン等の荷電多糖、ならびにBSAおよびカゼイン等のタンパク質の混合物を含むブロッキング溶液を使用することができる。ブロッキング溶液は、手順において組織の標識、染色、検出または洗浄に使用される溶液のいずれかに添加することができる。塩およびpHレベルを使用して、望まれないオフターゲットバックグラウンドを低下または除去することもできる。溶液における塩およびpHレベルを使用して、特異性および/またはシグナル強度を改善することができる。塩およびpHレベルを使用して、望まれないバックグラウンドを除去することもできる;例えば、タンパク質安定性の破壊のための過塩素酸塩、グアニジウム、尿素、またはホフマイスター順列で高いイオンの塩等、カオトロピック塩の使用。ホルムアミド、尿素またはホルムアルデヒド等、核酸ハイブリダイゼーションを不安定化し得る化学物質を、標識、染色、検出または洗浄において使用して、オフターゲットシグナルを防止または除去することもできる。
【0116】
インタクトな組織のアレイ断層撮影
インタクトな組織試料を、特定のタンパク質に結合する少なくとも1個の抗体と接触させるステップであって、前記抗体が、核酸に連結されている、ステップと、前記核酸を検出し、これにより、組織試料中の前記タンパク質の存在を検出するステップとを含む方法が、本明細書に提供されている。ある態様では、本方法は、インタクトな組織を複数の抗体と接触させるステップを含むことができ、特異的タンパク質に結合する各抗体は、特有の核酸に連結されている。一部の事例では、複数の抗体における各抗体は、異なるタンパク質に結合することができる。抗体は、同じまたは異なるアイソタイプのものであり得、核酸は、DNAおよび/またはRNAを含むことができる。一部の事例では、異なるタンパク質に結合する抗体は、同じまたは異なるアイソタイプのものであり得る。一部の方法では、少なくとも1個の抗体は、組織に架橋され得る。一部の事例では、本明細書に記載されている方法は、インタクトな組織を複数の抗体と接触させるステップを含むことができ、特異的タンパク質に結合する各抗体は、特有の核酸に連結されている。
【0117】
試料中の標的分子を検出カプレットと接触させるステップを含む方法であって、検出カプレットが、第1の核酸および第2の核酸を含み、各核酸が、標的認識領域および自己ハイブリダイゼーション領域を有し、第1の核酸の標的認識領域が、標的分子の第1の領域に結合し、第2の核酸の標的認識領域が、標的分子の第2の領域に結合し、第1の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域および第2の核酸の自己ハイブリダイゼーション領域がハイブリダイズされて、二本鎖核酸標識を形成する、方法も本明細書に提供されている。一部の事例では、二本鎖核酸標識は、オーバーハングを有する。一部の事例では、本方法は、二本鎖核酸標識をDNAリガーゼと接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、本方法は、二本鎖核酸標識を少なくとも1個の検出標識と接触させるステップをさらに含む。一部の事例では、少なくとも1個の検出標識は、二本鎖核酸標識のオーバーハングに相補的なオーバーハングを有する二本鎖核酸である。一部の事例では、二本鎖核酸標識および少なくとも1個の検出標識は、DNAリガーゼを使用してライゲーションされる。
【0118】
本明細書に記載されている方法の一部では、複数の抗体の検出は、空間的に分解され得る。本明細書に記載されている方法およびシステムの一部は、マイクロ流体チャンバの使用を含む。一部の方法は、完全に自動化され得る。
【0119】
本明細書に記載されている一部の方法を使用して、組織試料のタンパク質組成を同定する、および/または上述の生理的状態もしくは疾患を診断することができる。一部の方法を使用して、特定のインタクトな組織の組織クラスを同定することができる。
【0120】
本明細書に記載されている方法の一部では、抗体と組織との接触は、電場の印加を含むことができる。一部の事例では、電場は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60秒間印加することができる。一部の事例では、電場は、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5または5分間の間印加することができる。一部の事例では、電場は、最大5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90分間印加することができる。一部の事例では、電場は、1~60分間の間印加することができる。
【0121】
本明細書に記載されている方法の実行に適したシステム、およびかかるシステムによる使用のためのキットも提供されている。
【0122】
マルチプレックス検出アッセイ
本明細書に開示されている組成物、キット、方法およびシステムは、検出アッセイ(例えば、マルチプレックス検出アッセイ)において使用することもできる。一部の事例では、検出アッセイは、DNAマイクロアレイ(例えば、遺伝子発現またはSNP検出のための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、遺伝子発現連続解析(SAGE)(例えば、遺伝子発現のための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、ハイスループット配列決定(例えば、数百万個の短いDNA配列を並行して産生する)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、マルチプレックスポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、DNAまたはRNAの増幅または配列決定を要求する適用のための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、マルチプレックスライゲーション依存性プローブ増幅(MLPA)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、ライゲーションによるDNA配列決定において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、蛍光マイクロビーズアレイにおいて使用することができる。
【0123】
一部の事例では、検出アッセイは、タンパク質マイクロアレイ(例えば、タンパク質-タンパク質相互作用または小分子結合を測定するための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、抗体マイクロアレイ(例えば、抗体が配置されたタンパク質アレイの一種)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、ファージディスプレイ(例えば、相互作用するタンパク質または他の分子に関して大型のタンパク質ライブラリーをスクリーニングするための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、抗体プロファイリング(例えば、臓器ドナー集団のパネルに対する複数HLA抗体同定または反応性予測)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、Luminex/XMAP原理に基づくマルチプレックス化において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、結合抗体マルチプレックスアッセイ(BAMA)(例えば、複数抗体アイソタイプおよび/またはサブクラスのプロファイリングのための)において使用することができる。
【0124】
一部の事例では、検出アッセイは、組織マイクロアレイ(例えば、複数の組織試料を解析するための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、細胞マイクロアレイ(例えば、材料のパネルに対する細胞応答を観察するための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、化合物マイクロアレイ(例えば、比活性に関して複数の化合物をアッセイするための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、ウエスタンブロットのマルチプレックス検出(例えば、ウエスタンブロットにおける2種またはそれよりも多い標的の同時検出のための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、マルチプレックスバイオマーカー解析(例えば、尿を解析するための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)(例えば、マイクロタイタープレートを使用した並列化処理のための)において使用することができる。一部の事例では、検出アッセイは、フローサイトメトリーにおいて使用することができる。
【0125】
一部の事例では、検出アッセイは、検出アッセイを使用して、試料中の複数の標的を同時に検出することができる。一部の事例では、検出アッセイは、試料中の少なくとも2種の標的、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450または少なくとも500種の標的を同時に検出することができる。一部の事例では、検出アッセイは、試料中の2~500種の標的、例えば、2~5、2~10、2~100、2~500、5~10、5~100、5~500、10~100、10~500または100~50種の標的を同時に検出することができる。
【0126】
一部の事例では、検出アッセイは、細胞を検出することができる。一部の事例では、細胞は、特定の型の細胞であり得る。一部の事例では、細胞は、特定の起源を有することができる(例えば、特定の臓器に由来)。一部の事例では、細胞は、特定の状態を有することができる(例えば、健康な細胞、がん細胞)。一部の事例では、検出アッセイは、試料中の複数の標的を検出することができる。一部の事例では、複数の標的は、複数の細胞である。一部の事例では、複数の細胞は、異なる型の細胞である。一部の事例では、複数の細胞は、異なる起源を有する(例えば、異なる臓器に由来)。一部の事例では、複数の細胞は、異なる状態を有する(例えば、健康な細胞、がん細胞)。
【0127】
一部の事例では、検出アッセイは、標的分子を検出することができる。標的分子は、試料中のいずれかの目的の分子であり得る。標的分子は、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸(例えば、DNAまたはRNA)であり得る。標的分子は、RNA分子、例えば、mRNA、tRNA、rRNA、snRNAまたは非コードRNA分子であり得る。
【0128】
一部の事例では、標的分子は、細胞分子であり得る。一部の事例では、細胞分子は、外側の環境から全ての細胞の内部を隔てる細胞膜の内側の分子であり得る。一部の事例では、細胞分子は、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸(例えば、DNAまたはRNA)であり得る。
【0129】
一部の事例では、標的分子は、細胞表面分子であり得る。一部の事例では、細胞表面分子は、外側の環境から全ての細胞の内部を隔てる細胞膜における分子であり得る。一部の事例では、細胞表面分子は、炭水化物、脂質、タンパク質または核酸(例えば、DNAまたはRNA)であり得る。
【0130】
一部の事例では、検出アッセイは、タンパク質を検出することができる。一部の事例では、検出アッセイは、複数のタンパク質を検出することができる。一部の事例では、タンパク質は、アクチン、Arp2/3、フォルミン(Formin)、コロニン、ジストロフィン、FtsZ、ケラチン、ミオシンおよびチューブリン等、細胞骨格タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、コラーゲン、エラスチン、F-スポンジン(spondin)、ピカチュリン(Pikachurin)およびフィブロネクチン等、細胞外マトリクスタンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、血清アミロイドP成分および血清アルブミン等、血漿タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、補体タンパク質(例えば、C1-阻害剤、C3-コンバターゼ)、第VIII因子、第XIII因子、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤、トロンビンおよびフォンヴィルブランド因子等、凝固因子であり得る。一部の事例では、タンパク質は、急性期タンパク質(例えば、C反応性タンパク質)であり得る。一部の事例では、タンパク質は、ヘモグロビン(例えば、オキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン)等、血液タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、カドヘリン、エペンジミン(Ependymin)、インテグリン、NCAMおよびセレクチン等、細胞接着であり得る。一部の事例では、タンパク質は、CFTR、グリコホリンDおよびスクランブラーゼ等、膜貫通輸送タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、イオンチャネルであり得る。一部の事例では、タンパク質は、ニコチン性アセチルコリン受容体およびGABAa受容体等、リガンド開口型イオンチャネルであり得る。一部の事例では、タンパク質は、カリウムチャネル、カルシウムチャネルおよびナトリウムチャネル等、電位開口型イオンチャネルであり得る。一部の事例では、タンパク質は、グルコース輸送体等、シンポート/アンチポートタンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、ホルモンまたは増殖因子であり得る。一部の事例では、タンパク質は、コロニー刺激因子(CSF)、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)および血管内皮増殖因子(VEGF)等、増殖因子であり得る。一部の事例では、タンパク質は、インスリン、インスリン様増殖因子(IGF)およびオキシトシン等、ペプチドホルモンであり得る。一部の事例では、タンパク質は、受容体であり得る。一部の事例では、タンパク質は、Gタンパク質共役型受容体(例えば、ロドプシン)等、膜貫通受容体であり得る。一部の事例では、タンパク質は、エストロゲン受容体等、細胞内受容体であり得る。一部の事例では、タンパク質は、ヒストンおよびプロタミン等、DNA結合タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、C-myc、FOXP2、FOXP3、MyoDおよびP53等、転写調節タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、SRRT等、RNA結合タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、免疫グロブリン(Immunoglobin)、主要組織適合抗原およびT細胞受容体等、免疫系タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、フェリチン等、栄養素貯蔵または輸送タンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、GroEL等、シャペロンタンパク質であり得る。一部の事例では、タンパク質は、酵素であり得る。
ゲノム編集適用
【0131】
本明細書に開示されている組成物、キット、方法およびシステムは、ゲノム編集アッセイにおいて使用することもできる。ゲノム編集アッセイは、CRISPR(クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート)アッセイであり得る。ゲノム編集アッセイは、CRISPR/Cas(CRISPR関連タンパク質)ヌクレアーゼアッセイであり得る。ゲノム編集アッセイは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)アッセイであり得る。ゲノム編集アッセイは、TAL-エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)アッセイであり得る。ゲノム編集アッセイは、メガヌクレアーゼアッセイであり得る。ゲノム編集アッセイは、NgAgo(Natronobacterium gregoryiアルゴノート)アッセイであり得る。
【0132】
本明細書に開示されている組成物、キット、方法およびシステムは、CRISPR(例えば、CRISPR/Cas)アッセイにおける構成成分を検出することができる。一部の事例では、構成成分は、Casヌクレアーゼまたはそのバリアントであり得る。Casヌクレアーゼは、標的DNA配列の位置における一方または両方の鎖の切断を方向付けることができる。例えば、Casヌクレアーゼは、標的DNA配列の一本鎖を切断する、1個または複数の不活性化された触媒ドメインを有するニッカーゼであり得る。Casヌクレアーゼの非限定的な例として、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9(Csn1およびCsx12としても公知)、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Cpf1、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、それらのホモログ、それらのバリアント、それらの変異体、およびそれらの誘導体が挙げられる。
【0133】
一部の事例では、構成成分は、標的DNAであり得る。一部の事例では、構成成分は、Cas9を標的ゲノムDNAに標的化させるガイド配列を含有するDNA標的化RNA(例えば、単一ガイドRNAまたはsgRNA)であり得る。一部の事例では、構成成分は、トランス活性化crRNA(tracrRNA)等、Cas9と相互作用する足場配列であり得る。一部の事例では、構成成分は、ドナー修復鋳型であり得る。DNA標的化RNAをコードするヌクレオチド配列は、発現カセットまたは発現ベクターにクローニングすることができる。一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は、PCRによって産生され、発現カセットに含有される。例えば、DNA標的化RNAをコードするヌクレオチド配列は、PCR増幅され、プロモーター配列、例えば、U6 RNAポリメラーゼIIIプロモーター配列に付属させることができる。他の実施形態では、DNA標的化RNAをコードするヌクレオチド配列は、プロモーター、例えば、U6 RNAポリメラーゼIIIプロモーター、および転写制御エレメント、エンハンサー、U6終止配列、1個または複数の核局在化シグナル等を含有する発現ベクターにクローニングされる。一部の実施形態では、発現ベクターは、マルチシストロニック(multicistronic)またはバイシストロニックであり、蛍光タンパク質、エピトープタグおよび/または抗生物質抵抗性マーカーをコードするヌクレオチド配列を含むこともできる。バイシストロニック発現ベクターのある特定の実例では、例えば、蛍光タンパク質をコードする第1のヌクレオチド配列は、ウイルス2Aペプチド等、自己切断ペプチドをコードする配列を使用して、例えば、抗生物質抵抗性マーカーをコードする第2のヌクレオチド配列に連結される。口蹄疫ウイルス2A(F2A);ウマ鼻炎Aウイルス2A(E2A);ブタテッショウウイルス-1 2A(P2A)およびThosea asignaウイルス2A(T2A)を含む2Aペプチドは、2個のタンパク質が、同じRNA転写物から同時に、ただし別々に発現され得るように、高い切断効率を有する。
【0134】
本明細書に開示されている組成物、キット、方法およびシステムは、NgAgoアッセイにおける構成成分を検出することができる。一部の事例では、構成成分は、エンドヌクレアーゼであり得る。一部の事例では、構成成分は、アルゴノートエンドヌクレアーゼであり得る。一部の事例では、構成成分は、一本鎖DNA(ssDNA)であり得る。一部の事例では、構成成分は、ガイドssDNAであり得る。一部の事例では、構成成分は、5’リン酸化ssDNA(gDNA)であり得る。一部の事例では、gNDAは、約10~約100ヌクレオチド、例えば、約10~約20ヌクレオチド、約10~約40ヌクレオチド、約10~約60ヌクレオチド、約10~約80ヌクレオチド、約10~約100ヌクレオチド、約20~約40ヌクレオチド、約20~約60ヌクレオチド、約20~約80ヌクレオチド、約20~約100ヌクレオチド、約40~約60ヌクレオチド、約40~約80ヌクレオチド、約40~約100ヌクレオチド、約60~約80ヌクレオチド、約60~約100ヌクレオチドまたは約80~約100ヌクレオチドであり得る。一部の事例では、gNDAは、約20ヌクレオチドであり得る。一部の事例では、gNDAは、約24ヌクレオチドであり得る。一部の事例では、gNDAは、約30ヌクレオチドであり得る。
【0135】
状態または疾患
生理的状態または疾患は、かかる状態または疾患に関連する標的分子(例えば、タンパク質、mRNA)の同定によって、本明細書に提供されている方法によって診断することができる。一部の事例では、標的分子は、インタクトな組織試料に見出され得る。状態または疾患は、例えば、半月体形成性糸球体腎炎(crescentic glomerulonephritis)等の腎臓疾患、生検リンパ節組織の試験によって診断され得る感染性疾患、アミロイドーシスを含む代謝性疾患、および精巣生検から検出され得る繁殖可能性レベルを含むことができる。前がん性およびがん性状態は、本明細書に記載されている方法を生検インタクト腫瘍組織に適用することにより同定することができる。生検によって一般に試験される他の組織は、本明細書に記載されている方法およびシステムによって解析することができ、例えば、骨髄、胃腸管、肺、肝臓、前立腺、神経系、泌尿生殖器系、脳、乳房、筋肉および皮膚が挙げられる。
【0136】
一部の事例では、状態または疾患は、脳障害、例えば、聴神経腫、後天性脳傷害、脳梁欠損症、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、動脈瘤、失語症、動静脈奇形、注意欠陥多動障害(ADHD)、自閉症、バッテン病、ベーチェット病、眼瞼痙攣、脳腫瘍および/またはがん、脳性ループス、脳性麻痺、痙性斜頸、シャルコー-マリー-トゥース障害、キアリ奇形、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー、昏睡、振盪、クロイツフェルト-ヤコブ病、認知症(非アルツハイマー型)、ダウン症候群、自律神経障害、失読症、統合運動障害、ジストニア、脳炎、てんかん、本態性振戦、フリートライヒ運動失調症、ゴーシェ病、ギラン-バレー症候群、ハンチントン病、水頭症、頭蓋内圧亢進、白質ジストロフィー、閉じ込め症候群(LiS)、メニエール病、髄膜炎、髄膜炎菌性疾患、片頭痛、僅かに意識がある状態、運動ニューロン疾患、多発性硬化症、多系統萎縮症、筋ジストロフィー、重症筋無力症、ナルコレプシー、パーキンソン病、末梢性ニューロパチー、プラダー-ウィリー症候群、進行性核上性麻痺、不穏下肢症候群、レット症候群、シャイドレーガー症候群、睡眠障害、痙攣性発声障害、脳卒中、くも膜下出血、シデナム舞踏病、テイ-サックス病、トゥレット症候群、一過性脳虚血発作、横断脊髄炎、外傷性脳傷害、三叉神経痛、結節性硬化症、植物状態、ならびにフォンヒッペル-リンダウ症候群を含むこともできる。
【0137】
一部の事例では、状態または疾患は、がんを含むこともできる。がんは、再発性および/または難治性がんであり得る。がんの例として、肉腫、癌腫、リンパ腫または白血病が挙げられるがこれらに限定されない。
【0138】
一部の事例では、肉腫は、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管、または他の結合もしくは支持組織のがんである。肉腫として、骨がん、線維肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性血管内皮腫、悪性神経鞘腫、両側性前庭神経鞘腫、骨肉腫、軟部組織肉腫(例えば、胞状軟部肉腫、血管肉腫、葉状嚢肉腫(cystosarcoma phylloides)、皮膚線維肉腫、類腱腫、類上皮肉腫、骨外性骨肉腫、線維肉腫、血管外皮腫、血管性肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、リンパ肉腫、悪性線維性組織球腫、神経線維肉腫、横紋筋肉腫および滑膜肉腫)を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0139】
一部の事例では、癌腫は、身体の表面を覆い、ホルモンを産生し、腺を構成する細胞である上皮細胞で始まるがんである。癌腫として、乳がん、膵がん、肺がん、結腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、腎臓がん、膀胱がん、胃がん、前立腺がん、肝臓がん、卵巣がん、脳がん、膣がん、外陰部がん、子宮がん、口腔がん、陰茎がん、精巣がん、食道がん、皮膚がん、ファロピウス管のがん、頭頸部がん、消化管間質がん、腺癌、皮膚または眼内メラノーマ、肛門領域のがん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、尿道のがん、腎盂のがん、尿管のがん、子宮内膜のがん、子宮頸部のがん、脳下垂体のがん、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脳幹グリオーマ、および脊髄軸腫瘍(spinal axis tumor)を挙げることができるがこれらに限定されない。がんは、基底細胞癌、扁平上皮、メラノーマ、非メラノーマまたは光線性(日光)角化症等、皮膚がんであり得る。
【0140】
がんは、肺がんであり得る。肺がんは、気管から分岐して肺に供給する気道(気管支)、または肺の小さな気嚢(肺胞)で始まることができる。肺がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌および中皮腫を含むことができる。NSCLCの例として、扁平上皮細胞癌、腺癌および大細胞癌を挙げることができる。中皮腫は、肺および胸腔(胸膜)の内層または腹部(腹膜)の内層のがん性腫瘍であり得る。中皮腫は、アスベスト曝露によるものであり得る。がんは、神経膠芽腫等、脳がんであり得る。
【0141】
がんは、中枢神経系(CNS)腫瘍であり得る。CNS腫瘍は、グリオーマまたは非グリオーマとして分類することができる。グリオーマは、悪性グリオーマ、高悪性度グリオーマ、びまん性内因性橋グリオーマであり得る。グリオーマの例として、星状細胞腫、乏突起神経膠腫(または乏突起神経膠腫および星状細胞腫エレメントの混合物)および上衣腫を挙げることができる。星状細胞腫として、低悪性度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形神経膠芽腫、重細胞性星状細胞腫、多形性黄色星状膠細胞腫および上衣下巨細胞星状細胞腫を挙げることができるがこれらに限定されない。乏突起神経膠腫は、低悪性度乏突起神経膠腫(または乏突起星状細胞腫(oligoastrocytoma))および退形成型乏突起膠腫を含むことができる。非グリオーマは、髄膜腫、下垂体腺腫、原発性CNSリンパ腫および髄芽腫を含むことができる。がんは、髄膜腫であり得る。
【0142】
リンパ腫は、リンパ球のがんであり得、BまたはTリンパ球のいずれかから発生し得る。2種の主要型のリンパ腫は、ホジキン病として以前に公知のホジキンリンパ腫、および非ホジキンリンパ腫であり得る。ホジキンリンパ腫は、リード-シュテルンベルク細胞の存在を特徴とすることができる。非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫でないあらゆるリンパ腫であり得る。非ホジキンリンパ腫は、緩徐進行性リンパ腫および中悪性度リンパ腫(aggressive lymphoma)であり得る。非ホジキンリンパ腫として、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ性組織リンパ腫(MALT)、小細胞リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞性リンパ腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、結節性辺縁帯B細胞性リンパ腫(NMZL)、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、節外性辺縁帯B細胞性リンパ腫、血管内大細胞型B細胞性リンパ腫、原発性浸出性リンパ腫およびリンパ腫様肉芽腫症を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0143】
白血病は、急性リンパ球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ球性白血病または慢性骨髄球性白血病であり得る。追加的な種類の白血病は、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病および若年性骨髄単球性白血病を含むことができる。
【0144】
疾患および/または状態として、粥状動脈硬化、炎症性疾患、自己免疫性疾患、リウマチ性心疾患を挙げることができるがこれらに限定されない。炎症性疾患の例として、尋常性ざ瘡、アルツハイマー病、強直性脊椎炎、関節炎(変形性関節症、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎)、喘息、粥状動脈硬化、セリアック病、慢性前立腺炎、クローン病、大腸炎、皮膚炎、憩室炎、線維筋痛症、糸球体腎炎、肝炎、過敏性腸症候群(IBS)、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematous)(SLE)、腎炎、パーキンソン病、骨盤腹膜炎、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎および脈管炎が挙げられるがこれらに限定されない。
【0145】
一部の事例では、状態または疾患は、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、筋萎縮性側索硬化症、強直性脊椎炎、抗リン脂質症候群、抗シンテターゼ(antisynthetase)症候群、アトピー性アレルギー、アトピー性皮膚炎、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性心筋症、自己免疫性腸症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性リンパ増殖性症候群、自己免疫性末梢性ニューロパチー、自己免疫性膵炎、自己免疫性多内分泌症候群、自己免疫性プロゲステロン皮膚炎、自己免疫性血小板減少性紫斑病、自己免疫性蕁麻疹、自己免疫性ぶどう膜炎、バロー(Balo)病/バロー同心円性硬化症、ベーチェット病、ベルジェ病、ビッカースタッフ脳炎、ブラウ症候群、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー、慢性再発性多巣性骨髄炎、慢性閉塞性肺疾患、チャーグ-ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素病、補体成分2欠乏、接触性皮膚炎、頭蓋動脈炎、CREST症候群、クローン病、クッシング症候群、皮膚性白血球破砕性血管炎、デゴス病、ダーカム病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、真性糖尿病1型、びまん性皮膚性全身性硬化症、ドレスラー症候群、薬物誘導性ループス、円板状エリテマトーデス、湿疹、子宮内膜症、腱付着部炎関連関節炎(enthesitis-related arthritis)、好酸球性筋膜炎、好酸球性胃腸炎、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、胎児赤芽球症、本態性混合型クリオグロブリン血症、エヴァンス症候群、進行性骨化性線維形成異常、線維化肺胞炎(または特発性肺線維症)、胃炎、胃腸管類天疱瘡、巨細胞動脈炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン-バレー症候群(GBS)、橋本脳症、橋本甲状腺炎、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、別名、妊娠性類天疱瘡、化膿性汗腺炎、ヒューズ-ストービン(Hughes-Stovin)症候群、低ガンマグロブリン血症、特発性炎症性脱髄性疾患、特発性肺線維症、IgA腎症、封入体筋炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー、間質性膀胱炎、若年性特発性関節炎、別名、若年性関節リウマチ、川崎病、ランバート-イートン筋無力症症候群、白血球破砕性脈管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA病(LAD)、ルーゲーリック病(同様に筋萎縮性側索硬化症)、ルポイド肝炎、別名、自己免疫性肝炎、エリテマトーデス、マジード症候群、メニエール病、顕微鏡的多発性血管炎、混合型結合組織疾患、限局性強皮症、ムッハ-ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、視神経脊髄炎(同様にデビック病)、神経性筋強直症、眼性瘢痕性類天疱瘡(occular cicatricial pemphigoid)、眼球クローヌスミオクローヌス症候群、オード甲状腺炎、回帰性リウマチ、PANDAS(連鎖球菌に関連する小児自己免疫性精神神経系障害)、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、パリーロンベルク(Parry Romberg)症候群、パーソネージ-ターナー症候群、毛様体扁平部炎、尋常性天疱瘡、悪性貧血、静脈周囲脳脊髄炎、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、進行性炎症性ニューロパチー、乾癬、乾癬性関節炎、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、ラスムッセン脳炎、レイノー現象、再発性多発軟骨炎、ライター症候群、不穏下肢症候群、後腹膜線維症、関節リウマチ、リウマチ熱、サルコイドーシス、シュミット症候群、別の形態のAPS、シュニッツラー症候群、強膜炎、強皮症、血清病、シェーグレン症候群、脊椎関節症、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、スイート症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞動脈炎」としても公知)、血小板減少症、トロサ-ハント症候群、横断脊髄炎、潰瘍性大腸炎、混合型結合組織疾患とは異なる未分化結合組織疾患、未分化脊椎関節症、蕁麻疹様脈管炎、脈管炎、白斑およびウェゲナー肉芽腫症が挙げられるがこれらに限定されない、自己免疫性疾患であり得る。
【0146】
本明細書に開示されている組成物、キット、方法およびシステムは、植え込み式機器に対する被験体の応答の検出、モニター、診断および/または予測に有用でもあり得る。例示的な医療機器として、ステント、置換用心臓弁、植え込み式小脳刺激装置、人工股関節置換用関節、乳房インプラントおよび膝インプラントを挙げることができるがこれらに限定されない。
【0147】
本明細書に開示されている組成物、キット、方法およびシステムは、1種もしくは複数の病原体由来核酸分子、または1種もしくは複数の病原体によって引き起こされる1種もしくは複数の疾患もしくは状態の検出、モニター、定量化または評価に有用でもあり得る。例示的な病原体として、Bordetella、Borrelia、Brucella、Campylobacter、Chlamydia、Chlamydophila、Clostridium、Corynebacterium、Enterococcus、Escherichia、Francisella、Haemophilus、Helicobacter、Legionella、Leptospira、Listeria、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Pseudomonas、Rickettsia、Salmonella、Shigella、Staphylococcus、Streptococcus、Treponema、VibrioまたはYersiniaを挙げることができるがこれらに限定されない。追加的な病原体として、Mycobacterium tuberculosis、Streptococcus、Pseudomonas、Shigella、CampylobacterおよびSalmonellaを挙げることができるがこれらに限定されない。
【0148】
1種または複数の病原体に起因する疾患または状態は、結核、肺炎、食物由来疾病、テタヌス、腸チフス、ジフテリア、梅毒、ハンセン病、細菌性膣炎、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、尿路感染、細菌性胃腸炎および細菌性皮膚感染を含むことができる。細菌性皮膚感染の例として、Staphylococcus aureusまたはStreptococcus pyogenesによって引き起こされ得る膿痂疹;リンパ性伝播による表皮深層の連鎖球菌の細菌性感染によって引き起こされ得る丹毒;および正常皮膚細菌叢または外因的細菌によって引き起こされ得る蜂巣炎を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0149】
病原体は、Candida、Aspergillus、Cryptococcus、Histoplasma、PneumocystisおよびStachybotrys等、真菌であり得る。真菌によって引き起こされる疾患または状態の例として、いんきんたむし(jock itch)、酵母感染、白癬および水虫を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0150】
病原体は、ウイルスであり得る。ウイルスの例として、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、エプスタイン-バーウイルス、肝炎ウイルス(例えば、A、BおよびC型肝炎)、単純ヘルペスウイルス(1および2型)、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、HIV、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、パピローマウイルス、パラインフルエンザウイルス、ポリオウイルス、呼吸器多核体ウイルス、風疹ウイルスおよび水痘帯状疱疹ウイルスを挙げることができるがこれらに限定されない。ウイルスによって引き起こされる疾患または状態の例として、感冒、インフルエンザ、肝炎、AIDS、水痘、風疹、ムンプス、麻疹、疣贅および灰白髄炎を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0151】
病原体は、Acanthamoeba(例えば、A.astronyxis、A.castellanii、A.culbertsoni、A.hatchetti、A.polyphaga、A.rhysodes、A.healyi、A.divionensis)、Brachiola(例えば、B connori、B.vesicularum)、Cryptosporidium(例えば、C.parvum)、Cyclospora(例えば、C.cayetanensis)、Encephalitozoon(例えば、E.cuniculi、E.hellem、E.intestinalis)、Entamoeba(例えば、E.histolytica)、Enterocytozoon(例えば、E.bieneusi)、Giardia(例えば、G.lamblia)、Isospora(例えば、I.belli)、Microsporidium(例えば、M.africanum、M.ceylonensis)、Naegleria(例えば、N.fowleri)、Nosema(例えば、N.algerae、N.ocularum)、Pleistophora、Trachipleistophora(例えば、T.anthropophthera、T.hominis)およびVittaforma(例えば、V.corneae)等、原生動物であり得る。
【0152】
コンピュータ制御システム
本開示は、本開示の方法を実行するようにプログラムされたコンピュータ制御システムを提供する。
図6は、本開示の方法に従って遺伝子型データを解析するようにプログラムされたまたは他の仕方で構成されたコンピュータシステム601を示す。コンピュータシステム601は、例えば、遺伝パターンスコアによる解析および/または関連パターンスコアによる解析等、本開示の遺伝子型解析の様々な態様を調節することができる。
【0153】
コンピュータシステム601は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサとなり得る、中央処理装置(CPU、本明細書において同様に「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)605を含む。コンピュータシステム601は、メモリまたはメモリ場所610(例えば、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置615(例えば、ハードディスク)、1個または複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース620(例えば、ネットワークアダプタ)、ならびにキャッシュ、他のメモリ、データ記憶および/または電子ディスプレイアダプタ等の周辺機器625も含む。メモリ610、記憶装置615、インターフェース620および周辺機器625は、マザーボード等、通信バス(実線)を介してCPU605と通信している。記憶装置615は、データを記憶するためのデータ記憶装置(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム601は、通信インターフェース620を活用してコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)630に操作可能にカップリングされ得る。ネットワーク630は、インターネット、インターネットおよび/またはエクストラネット、またはインターネットと通信したイントラネットおよび/またはエクストラネットであり得る。ネットワーク630は、一部の事例では、遠隔通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク630は、クラウドコンピュータ処理等、分散型コンピュータ処理を可能にし得る1個または複数のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク630は、一部の事例では、コンピュータシステム601を活用して、コンピュータシステム601にカップリングされた機器がクライアントまたはサーバとして振る舞うことを可能にし得る、ピアツーピアネットワークを実行することができる。
【0154】
CPU605は、プログラムまたはソフトウェアにおいて具体化され得る、機械可読命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ610等、メモリ場所において記憶され得る。CPU605によって行われる演算の例として、フェッチ、デコード、実行およびライトバックを挙げることができる。CPU605は、遺伝子の特色に基づくランキング(FROG)の方法、バリアント遺伝パターンランキング(VIPR)の方法、分離パターンを決定する方法、遺伝パターンを決定する方法、関連スコアを決定する方法、ならびに表現型、遺伝子型および本開示の方法に関連するいずれかのデータのランキングの方法を行うためにプログラムされたプロセッサであり得る。
【0155】
記憶装置615は、ドライバ、ライブラリーおよび保存されたプログラム等、ファイルを記憶することができる。記憶装置615は、ユーザーによって作成されたプログラムおよび記録されたセッション、ならびにプログラムに関連するアウトプット(複数可)を記憶することができる。記憶装置615は、ユーザーデータ、例えば、ユーザー優先度およびユーザープログラムを記憶することができる。コンピュータシステム601は、一部の事例では、イントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステム601と通信したリモートサーバに位置する等、コンピュータシステム601に対して外部である1個または複数の追加的なデータ記憶装置を含むことができる。
【0156】
コンピュータシステム601は、ネットワーク630を介して1個または複数のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム601は、ユーザー(例えば、オペレータ)のリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュータシステムの例として、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートもしくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android対応機器、Blackberry(登録商標))またはパーソナルデジタルアシスタントが挙げられる。ユーザーは、ネットワーク630を経由してコンピュータシステム601にアクセスすることができる。
【0157】
本明細書に記載されている方法は、例えば、メモリ610または電子記憶装置615等、コンピュータシステム401の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードにより実行され得る。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供され得る。使用の際に、コードは、プロセッサ605によって実行され得る。一部の事例では、コードは、記憶装置615から回収され、プロセッサ605による迅速なアクセスのためにメモリ610に記憶され得る。一部の局面では、電子記憶装置615が除外されることがあり、機械実行可能命令は、メモリ610に記憶される。
【0158】
コードは、コードの実行に適応されたプロセッサを有する機械による使用のために事前にコンパイルおよび構成され得る、またはランタイムにおいてコンパイルされ得る。コードは、コードが、事前にコンパイルされたまたはコンパイルとしての(as-compiled)様式で実行することを可能にするように選択され得るプログラミング言語で供給され得る。
【0159】
コンピュータシステム601等、本明細書に提供されているシステムおよび方法の態様は、プログラミングにおいて具体化され得る。技術の様々な態様は、典型的に、機械可読媒体の一型において送られるまたは具体化される、機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連データの形態の、「製品」または「製造品」と考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスク等、電子記憶装置に記憶され得る。「記憶」型の媒体は、ソフトウェアプログラミングのいずれかの時点で非一時的記憶をもたらし得る、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブその他等、コンピュータの有形メモリ、プロセッサその他またはそれらの関連モジュールのいずれかまたは全てを含むことができる。ソフトウェアの全体または一部は、時に、インターネットまたは様々な他の遠隔通信ネットワークを介して通信され得る。かかる通信は、例えば、あるコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへの、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへの、ソフトウェアのローディングを可能にし得る。よって、ソフトウェアエレメントを有することができる別の型の媒体は、ローカル機器間の物理インターフェースを越えて、有線および光学的地上通信線ネットワークを介して、ならびに様々な空中を介したリンク(air-link)にわたって使用される等、光波、電波および電磁波を含む。有線または無線リンク、光リンクその他等、かかる波を運ぶ物理的エレメントも、ソフトウェアを有する媒体として考慮され得る。本明細書において、非一時的有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、実行のためのプロセッサへの命令の提供に関与するいかなる媒体も指す。
【0160】
したがって、コンピュータ実行可能コード等、機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体または物理的伝送媒体が挙げられるがこれらに限定されない、多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示すデータベース等の実行に使用され得るもの等、いずれかのコンピュータ(複数可)その他における記憶機器のいずれか等、光または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、かかるコンピュータプラットフォームのメインメモリ等、ダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、コンピュータシステム内のバスを含むワイヤを含む、同軸ケーブル;銅線および光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、無線周波数(RF)および赤外(IR)データ通信の際に生成されるもの等、電気もしくは電磁シグナルまたは音波もしくは光波の形態をとることができる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的形態は、例えば、次のものを含む:フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他のいずれかの磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、他のいずれかの光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有する他のいずれかの物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、他のいずれかのメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を輸送する搬送波、かかる搬送波を輸送するケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取ることができる他のいずれかの媒体。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、実行のためのプロセッサへの1種または複数の命令の1種または複数のシーケンスを運ぶことに関与し得る。
【0161】
コンピュータシステム601は、例えば、遺伝解析、原因バリアント発見解析および診断を含むことができる、本開示の方法に従った遺伝子型解析のグラフィカルおよび/または数値形態で、ディスプレイ、グラフ、チャートおよび/またはリストを提供するためのユーザーインターフェース(UI)を含む電子ディスプレイを含むことができるまたはそれと通信することができる。UIの例は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)およびウェブに基づくユーザーインターフェースを限定することなく含む。
【0162】
ランキングによって作成されたデータは、ディスプレイすることができる(例えば、コンピュータに)。データは、数値および/またはグラフィカル形態でディスプレイすることができる。例えば、データは、リストとして、統計量(例えば、p値、標準偏差)として、チャート(例えば、円チャート)として、グラフ(例えば、折れ線グラフ、棒グラフ)として、ヒストグラムとして、マップとして、ヒートマップとして、タイムラインとして、ツリーチャートとして、フローチャートとして、統計地図として、バブルチャート、ポーラーエリア(polar area)図表として、図表として、ストリームグラフとして、ガント(Gantt)チャートとして、ノーラン(Nolan)チャートとして、スミス(smith)チャートとして、シェブロンプロットとして、プロットとして、ボックスプロットとして、ドットプロットとして、確率プロットとして、散布図プロットとして、およびバイプロットとして、またはこれらのいずれかの組み合わせとしてディスプレイすることができる。
【0163】
被験体
多くの場合、本方法は、被験体、好ましくは、ヒトに対して使用される。被験体は、男性または女性であり得る。被験体は、胎児、乳児、小児、青年、ティーンエイジャーまたは成人であり得る。被験体は、いかなる年齢の患者でもあり得る。例えば、被験体は、約10歳未満の患者であり得る。例えば、被験体は、少なくとも約0、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100歳の患者であり得る。被験体は、子宮内に存在することができる。多くの場合、被験体は、処置レジメンを受けている、または処置レジメン(例えば、免疫抑制療法)に関して評価されている患者または他の個体である。しかし、一部の実例では、被験体は、処置レジメンを受けていない。例えば、被験体は、健康な被験体であり得る。
【0164】
一部の事例では、被験体は、哺乳動物または非哺乳動物であり得る。好ましくは、被験体は、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、類人猿、サル、チンパンジー)、ネコ、イヌ、ウサギ、ヤギ、ウマ、ウシ、ブタ、齧歯類、マウス、SCIDマウス、ラット、モルモットまたはヒツジ等、哺乳動物である。一部の方法では、これらの遺伝子の種バリアントまたはホモログは、非ヒト動物モデルにおいて使用することができる。種バリアントは、互いに機能特性において最大配列同一性および類似性を有する、異なる種における遺伝子であり得る。かかる種バリアントヒト遺伝子の多くは、スイスプロット(Swiss-Prot)データベースに収載され得る。
【0165】
本明細書に開示されている方法は、固形臓器または固形臓器の断片のレシピエントである移植レシピエントに対して使用することができる。固形臓器は、肺、腎臓、心臓、肝臓、膵臓、大腸、小腸、胆嚢、生殖器またはこれらの組み合わせであり得る。一部の実例では、移植レシピエントは、組織または細胞のレシピエントであり得る。組織または細胞は、羊膜、皮膚、骨、血液、骨髄、血液幹細胞、血小板、臍帯血、角膜、中耳、心臓弁、静脈、軟骨、腱、靱帯、神経組織、胚性幹(ES)細胞、人工多能性幹細胞(IPSC)、幹細胞、成体幹細胞、造血幹細胞またはこれらの組み合わせであり得る。
【0166】
本明細書に記載されている実施例および実施形態が、単に説明を目的としており、これを踏まえた様々な修正または変更が、当業者に示唆されるであろうこと、また、本願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解される。
【実施例】
【0167】
本明細書に記載されている実施例および実施形態が、単に説明を目的としており、これを踏まえた様々な修正または変更が、当業者に示唆されるであろうこと、また、本願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解される。
【0168】
実施例において用いられている試薬は、市販されている、または本技術分野で公知の市販の器具、方法もしくは試薬を使用して調製することができる。前述の実施例は、本発明の様々な態様および本発明の方法の実施を例証する。実施例は、本発明の多くの異なる実施形態の徹底的な記載の提供を意図するものではない。よって、前述の発明について、理解を明確にする目的で例証および例として、ある程度詳細に記載してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、前述の発明に多くの変更および修正をなすことができることが容易に分かるであろう。
【0169】
(実施例1 組織調製)
一般に、Micheva, K. D.、O’Rourke, N.、Busse, B.、およびSmith, S. J.(2010年)、Array Tomography: Rodent Brain Fixation and Embedding.、Cold Spring Harbor Protocols、2010年(11巻)に概要が述べられている組織調製方法を使用した(組織型および組織が得られる生物の差に関して適応および最適化させることにより)。
【0170】
次の通りにマウス脳を解剖および固定した:
【0171】
解剖ツールをセットアップし、PBSおよび濾過された固定液を調製し、気泡を生じないよう流動の準備ができた。2%グルタルアルデヒドおよび2%脱重合パラホルムアルデヒドを、6.8~7.2の間のpHを有する0.1Mリン酸緩衝液に溶解した。
【0172】
齧歯類を殺さずに麻酔し、心臓を露出させ、右心房をカットし、カニューレを左心室に挿入した。約1cmに短縮した、ほぼ20Gの鈍な針を使用した。一部の事例では、大動脈が脆弱でなく容易に破壊もされない生物に対しては、大動脈にカニューレ挿入するのが最適である。次に、重力流;または一部の実例では、灌流ポンプの使用により、固定液を約10分間流動させた。次に、これを最大5mlのPBSにより灌流させた。
【0173】
次に、約5ccのヘパリン処理された生理食塩水をチューブに入れて、血液を流すのを助けた。固定液による灌流を10分間行った。固定の20分以内に脳を取り出した。全脳を同じ固定液で一晩、冷蔵庫内で後固定(postfix)した。0.1Mリン酸緩衝液で2回すすいだ後に、組織を最大1週間4℃で貯蔵した。
【0174】
ある特定の事例では、厚い組織切片が解析され、これは樹脂包埋組織に関しておよそ200nm~1μmである。厚い切片が、単位時間当たりより大きい容積のイメージングを可能にすることが認められる。イメージングは、高い倍率で、または比較的低い倍率の対物レンズ、10~20×により行うことができる。例えば、腫瘍等、生検された組織の解析において、より低い倍率で厚い切片の解析を行うことが好まれる場合がある。より低い倍率は、細胞下分解能(subcellular resolution)による組織の大きい視野の解析を可能にする。
【0175】
一部の事例では、組織は、脱水および樹脂包埋されず、むしろ、後述する標識方法が、固定され水分補給された組織の染色に関して検証された抗体に適用される。
【0176】
一部の事例では、切片収集器を利用して、ウルトラミクロトームにおいて産生されたリボンを自動的に収集し、これを、顕微鏡スライドからマイクロタイタープレートに及ぶサイズの、コーティングされた高精度カバーガラスの予め画定された領域に置く。
【0177】
(実施例2 ライゲーション増幅されたマルチプレックス化検出抗原(LAMDA))
試薬:
1.DNAコンジュゲート抗体
2.粘着性オーバーハング(例えば、GGG)を有するアンチセンス検出オリゴマー
3.5’リン酸、内部フルオロフォア(例えば、Alexa 594)および末端の粘着末端(例えば、5’CCC&3’GGG)を有する二本鎖オリゴマー(DSO)
4.T4 DNAリガーゼ - PEGを含有するリガーゼ溶液
5.制限エンドヌクレアーゼ - フルオロフォアの除去に使用される。DSOは、特有のエンドヌクレアーゼが特定の色を除去することができるように設計されている(例えば、CCCGGG=SMA1)。室温で100%活性を有するエンドヌクレアーゼが使用される(例えば、SMA1、BamH1&Sac1)
6.トリス緩衝液 - 0.1%Tweenおよび50mMグリシンを含有する0.05Mトリス - ヌクレアーゼを含まない水において作製され、次いでオートクレーブされる
7.核酸ハイブリダイゼーションおよび検出のためのRocheブロッキング試薬(Sigma 11096176001) - 10%(w/v)ストック[10×]
8.グルタルアルデヒド
9.水素化ホウ素ナトリウム
10.ヌクレアーゼを含まない水
【0178】
手順:
1.プレブロッキング - 1%(w/v)[1×]ブロッキング試薬を含有するトリス緩衝液に組織を1分間置く。
2.抗体染色 - 1%(w/v)[1×]ブロッキング試薬を含有するトリス緩衝液においてDNA-抗体を一晩希釈する。抗体の濃度は、抗体 対 抗体基準で決定される。
3.一次洗浄 - それぞれ1分間を3回で、トリス緩衝液で組織を洗浄する。ヌクレアーゼを含まない水で1回洗浄することにより完了する(インキュベートする必要はない)。>3種のDNA-抗体が使用される場合、すなわち、多重検出ラウンドが予想される場合、水における1%グルタルアルデヒド(gluteraldehyde)により1分間固定する。水で1分間洗浄し、次いでトリス(Tweenおよびグリシンを含まない)における1%水素化ホウ素ナトリウムで組織を1分間処理する(自己蛍光(autofluoresence)を除去するため)。水で1分間洗浄する。
4.DNAハイブリダイゼーション(全ステップを室温で) - リガーゼ緩衝液においてアンチセンス検出オリゴマーを希釈して、最終濃度100nMとする。組織の上にリガーゼ緩衝液を置く。その間に、組織上の検出オリゴ(oligo)溶液と同じ容積で、リガーゼ緩衝液において2×濃度の200nM DSOを調製する。
5.ライゲーション反応 - 組織オリゴ混合物を有する20ul溶液当たり1ulのT4 DNAリガーゼを置き、次いでDSOリガーゼ緩衝液混合物を添加し、混合する。5分間静置する。
6.二次洗浄 - ヌクレアーゼを含まない水で組織を洗浄し、続いてトリス緩衝液によるそれぞれ1分間の3回の洗浄を行う。
7.マウントおよび撮像 - 再度水で洗浄し、次いで試料をマウントし、撮像する。
8.洗浄および脱染 - ヌクレアーゼを含まない水で洗浄し、消化緩衝液における制限エンドヌクレアーゼを組織上に置き、5分間インキュベートする。続いて水洗浄。
9.再染色 - 他のDNA-抗体を撮像する必要がある場合、DNAハイブリダイゼーションを再度開始する。
【0179】
切断可能なリンカー
1.リン酸緩衝液における2%ヒドラジンにおける切断;30~120分間、RT:Dde
2.10mM過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)リン酸緩衝液における切断;20分間、RT、暗所;ジオール
3.50mM亜ジチオン酸ナトリウム(Na2S204)における切断;ジアゾ
【0180】
(実施例3 ホスファターゼおよび超音波処理DNAによるブロッキングによるライゲーション増幅)
実施例1および2に記載されているものと同様の試薬およびプロトコールを本実施例で使用した。
【0181】
図7A~
図7Jに示す通り、ホスファターゼおよび超音波処理DNAによるブロッキングによるライゲーション増幅は、シグナル対ノイズ比を改善した。
図7Aは、10枚の(70nm)切片からのDNAタグ付けされたアセチル化チューブリンの最大投射を示す。
図7Aは、ライゲーションオリゴマー化により可視化されたDNA標識された一次を示す。
図7Bは、同じ組織切片における伝統的蛍光二次によって可視化された同じDNA-一次を示す。
図7Cは、
図7Aおよび
図7Bと同じ組織における蛍光標識アンチセンスオリゴマーにより可視化されたDNA標識された一次を示す。
図7D~
図7Fは、
図7A~
図7Cの接写図を示す(黄色のボックスによって強調)。
図7Dにおける白色の矢じりは、核のオフターゲットライゲーション可視化へのポイントを示し、これは
図7Eには存在しない(白色の矢じり)。
図7Fは、オフターゲットシグナルを同様に被ったアンチセンス検出を示すが、核の標識はより低い。
図7G~
図7Iは、異なる組織において、DNA標識シナプシン抗体が、ホスファターゼおよび超音波処理DNAによるブロッキング後に可視化されることを示す。
図7Gは、二次検出
図7H(白色の矢じり)と同等のオフターゲット標識(白色の矢じり)をもたらす、核標識の有意な減少を示す。
図7Iは、超音波処理DNAによるブロッキングが、アンチセンス検出ノイズも改善したことを示す。
図7Jは、対数目盛りで、各方法の重ね合わせた強度ヒストグラムを示す。
【0182】
(実施例4 DNAコンジュゲート抗体を使用したディープマルチプレックス化)
実施例1および2に記載されているものと同様の試薬およびプロトコールを本実施例で使用した。
【0183】
図8は、皮質における27枚の切片の投射を含有するパネルを示す。マークされた(DNA)全タンパク質は、蛍光標識DNAオリゴマーを使用して検出した。GluR1(ウサギ)およびNR1(マウス)は、先ず二次抗体を使用して検出し、一次は、組織に適用され、グルタルアルデヒドで固定されている。他の全抗体を同時にインキュベートし、次いでグルタルアルデヒドを使用して組織に固定した。VGluT1(モルモット)およびMBP(ニワトリ)は、適切な種特異的抗体を使用して検出した。各抗体は、個々に、および高密度標識条件下で同様のパターンを示した。マウスおよびウサギ抗体の最終適用は、このパネルにおける全抗体による組織の高密度標識を示す。
【0184】
(実施例5 ディープマルチプレックス化標的化の9種の抗体)
実施例1および2に記載されているものと同様の試薬およびプロトコールを本実施例で使用した。
【0185】
本実施例(
図9に示す)は、9種の抗体を使用した同じ構造(皮質シナプス)の同時標的化が、抗体標識に影響を与えず、シナプス周囲の緊密なタンパク質検出を破壊しないことを実証した。9種の抗体を次に示す:2種のシナプス前足場タンパク質(Bassoon、シナプシン)、3種のシナプス前小胞タンパク質(シナプス小胞タンパク質2、シナプトフィジン、小胞グルタミン酸輸送体1)、2種のシナプス後足場タンパク質(Homer、シナプス後密度タンパク質95)、および2種のシナプス後受容体タンパク質(グルタミン酸受容体1、NMDA受容体1)。
【0186】
シナプス前およびシナプス後構造を定義するタンパク質マーカーは、単一標識の場合と同様に、高密度条件(同じ構造の9種の同時標的化)下で標識した。さらに、本発明者らの本方法を使用して、この18種のタンパク質チャネルデータの取得は、複数イメージングセッションにより、ほんの1日を要した一方、伝統的アレイ断層撮影方法(Michevaら)を使用すると、これは1週間かかったであろう。
【0187】
(実施例6 タグ配列決定を使用したマルチプレックス化抗原の迅速検出)
実施例1および2に記載されているものと同様の試薬およびプロトコールを本実施例で使用した。
【0188】
一部の事例では、ハイブリダイゼーションによるタグ配列決定が用いられる。これは、直接的配列決定の変形であり、4個の約15mer単位からなる約60塩基対(bp)であるタグを使用する。このアプローチにより、特有の組み合わせの数は、4nである、またはn=4に対して256である。組織試料中の例えば100種のタンパク質の検出のため、100種の抗体のそれぞれが、位置のそれぞれにおいて、4種の特有の15mer(A、T、CまたはGに対応)からなるタグを有し、総計で16種の特有のオリゴマーを要求する。「配列決定」は、いずれの末端からであってもよい。要求されることは、位置mを配列決定する場合、位置mにおけるタグオリゴマーに相補的な4種のオリゴマーが導入されることだけである。例えば、タグの遠位末端における4種の特有の配列に相補的な、それぞれ識別可能なフルオロフォアで標識されたオリゴマーが、導入され読み出される;次に、リンカーを切断することにより、またはdsDNAを酵素により切断して、フルオロフォアを放出することにより、フルオロフォアが除去される。後者の方法は、遠位末端からの配列決定を要求する。このタグ配列決定方法は、各ラウンドにおける各フルオロフォアの使用を可能にするため、特有のタグの数の式は、pn(p=蛍光チャネルの数、n=読み取りデータの数)である(
図10に示す通り、上で、本発明者らはp=4と仮定)。
【0189】
例えば、
図10A~
図10Dにおいて、タグ配列決定を使用したマルチプレックス化抗原の迅速検出の例を示す。
図10A~
図10Cは、オリゴマーモジュールの逐次検出と、それに続く制限エンドヌクレアーゼ切断による蛍光標識されたオリゴマーの除去を示す。
図10Dは、イメージングサイクルにわたって生成された色組み合わせの使用を示し、抗原毎の最終画像が再構築される。特有の抗原の潜在的な数は、pn(p=蛍光チャネル、例えば、特有の検出オリゴマーの数;n=モジュールの数)である。
図10において、3種のモジュールおよび3種の蛍光チャネルが存在するため、33=27種の潜在的な抗原が存在する。モジュール数または蛍光チャネル数のいずれかを増加させることにより、本発明者らは、短い時間量で数百種の抗原を容易に撮像することができ、例えば、4種のモジュール群および4種の蛍光チャネル=256種の潜在的な抗原である。
【0190】
ハイブリダイゼーションによるタグ「配列決定」は、QD標識オリゴマーにより十分に機能する。QDの使用は、4から6またはそれよりも多くへの、pの増加を可能にする。p=6およびn=3を仮定すると、僅か6×3=18種の特有のオリゴマーおよび3種の読み取りデータを使用して、216種の抗体を特有に標識することができる。QDの使用は、適度に高速なSTORM様イメージングを可能にする。量子ドット点滅を活用して、平面におけるほぼ15nmでの3次元超分解能イメージングを得ることができることが実証された。さらに、量子ドットは、光活性化される必要はなく、光退色に対して抵抗性であり、励起に単一色を要求する。
【0191】
(実施例7 単一抗体のマルチラウンド配列決定)
実施例1および2に記載されているものと同様の試薬およびプロトコールを本実施例で使用した。
【0192】
実施例6における方法を使用して長いDNAタグを有する抗体を生成し、逐次的な読み取りデータにより撮像し、個々のタグ間で優れた読み取りデータ間一貫性を得た。画像の統合により、単一抗原を特有に同定することが可能になった(
図11A~
図11Eに示す)。
【0193】
図11Aは、GFP標識されたニューロンを囲むシナプシン標識を示す。GFP樹状突起および細胞体周囲のシナプシン標識は、総容積からシナプシン斑点を抽出するためのマスクとしての拡張バージョンのGFP標識を使用して計算により強調した。
図11Bは、蛍光DNAオリゴマーを使用した、シナプシンのパス1検出を示す。基準として同じシナプシン染色の二次検出を使用して、DNAを使用して、111970個の二次標識されたシナプシン斑点のうち103761個が検出されたこと(または7.3%偽陰性率)が決定された。DNA標識された斑点が二次標識された斑点に対応しない、3.9%偽陽性率も存在した(
図11Dに示す)。
図11Cは、蛍光DNAオリゴマーを使用した、シナプシンのパス2検出を示す。二次と比較して(
図11Dに示す)、パス2は、9.5%偽陰性率および3.5%偽陽性率を有した。第1のパスと比較して、パス2は、5%偽陰性率および2.4%偽陽性率を有した。
図11Eは、全3パスの合成図を示す。
【0194】
本実施例は、「タグ配列決定」が、1対1のDNA抗体コンジュゲーションおよび超分解能イメージングを用いずとも、実際に可能であったこと、また、本方法を使用して、困難かつ非効率的な化学または複雑なイメージング方法を使用せずに、高度マルチプレックス化抗原を撮像することができることを実証した。
【0195】
(実施例8 DNAコンジュゲート抗体を使用した、腫瘍組織の厚いパラフィン切片における抗原の可視化)
実施例1および2に記載されているものと同様の試薬およびプロトコールを本実施例で使用した。
【0196】
本実施例は、本明細書に開示されている方法が、薄い(50~100nm)樹脂包埋組織を超えて有用であることを実証した。本実施例における試料は、がん研究および診断適用において一般的に使用される、より厚いパラフィン包埋組織切片(5~20um)(例えば、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織)において得られた。アセチル化チューブリンに対する抗体を使用して、検出方法が、細胞分化した正常脳組織におけるアセチル化チューブリンの密度を明らかにした一方、より低分化のがん細胞が、この安定形態のチューブリンを発現しなかったことが実証された。
【0197】
図12A~
図12Eに示す通り、10umパラフィン切片において全試料を得た。
図12Aは、DNAコンジュゲート抗acチューブリン抗体を使用して可視化されたアセチル化チューブリンを示す。ホスファターゼおよび超音波処理DNAによるブロッキング後にライゲーション増幅を使用して、検出を行った。
図12Bは、エンドヌクレアーゼ溶液における30分間の後の同じ切片が、アセチル化チューブリンシグナルを除去したことを示す。血管の自己蛍光およびより長い露光時間による残存蛍光。
図12Cは、二次抗体を使用して、同じ組織を再染色したことを示す。
図12Dは、
図12Aおよび
図12Cの黄色のボックスにおけるアセチル化チューブリン構造の接写図を示す。
図12Eは、グリオーマを有する皮質組織におけるアセチル化チューブリン染色を示す。トレースされた軸索の強い染色は、安定アセチル化チューブリンが最高密度であった一方、未分化腫瘍は、この安定形態のチューブリンを発現しなかった。
【0198】
(実施例9 アーカイブイメージングのためのDNA-抗体)
DNAの安定性(例えば、500年間の半減期)および脱水の場合、長い期間の後であってもその機能特徴を保持するDNAの能力は、DNAコンジュゲート抗体を、免疫組織化学(IHC)検出のための理想的なアーカイブ試薬とする。本実施形態では、DNAコンジュゲート抗体は、ライゲーションされた蛍光検出オリゴの消化および除去の際にその本来の配列に戻る末端制限部位を用いて設計されるため、これを将来のアーカイブ検出のために調製する。抗体コンジュゲートDNAにおける末端(…GGG[ヘミ-SMA1部位])は、ライゲーション検出後に完全SMA1部位(…GGGccc…)を生成することができる(
図14A)。イメージングおよびSMA1による切断(…GGG x ccc…)後に、抗体コンジュゲートDNA鎖は、末端(…GGG)を有する本来の配列に戻る(
図14B~
図14D)。抗体に取り付けられたDNAは、二本鎖であり得る。DNAコンジュゲート抗体は、二本鎖形態でアーカイブされ得る。別の実施形態では、DNAコンジュゲート抗体は、一本鎖形態でアーカイブされ得る。二本鎖DNAは、一本鎖DNAよりも安定であり得る。アーカイブされたDNAコンジュゲート抗体が、二本鎖形態の場合、イメージングのためにライゲーション検出を開始する前に、アーカイブ回復(archival retrieval)の際にアンチセンス鎖を除去することができる。アンチセンス鎖の除去は、貯蔵前に行うことができる。アンチセンス鎖の除去は、変性(化学物質または熱)、ニッカーゼ促進変性(この場合、ニッカーゼが、アンチセンスをより短いセグメントとし、これにより融解温度を低下させる)またはRNAアンチセンス(この場合、RNAseが、二重鎖のRNA部分を選択的に除去することができる)により達成することができる(
図14E)。アンチセンスの除去の際に、染色された組織は、本来の抗体染色状態に戻り、これにより、新鮮な蛍光検出の準備ができる(
図14F)。
【0199】
(実施例10 分枝状オリゴマー化によるシグナル増幅)
図15A~
図15Fは、分枝状標識核酸を使用したシグナル増幅による、生体試料中の核酸およびタンパク質結合試薬の改善された検出の例を提供した。
【0200】
図15Aは、試料中の標的分子(例えば、標的)が、本明細書に記載されている方法によって検出されることを示す。標的分子は、タンパク質、RNA、DNA、または増幅プロセスによって検出される他の分子もしくは構造であり得る。標的は、標的分子に結合することができるリガンドを含む検出分子によって接触される。リガンドは、1個または複数の一本鎖核酸(例えば、タグ)に連結される。タグは、DNA、RNA、DNAもしくはRNAの非天然誘導体、またはDNAもしくはRNAのように塩基対合することができる合成塩基であり得る。タグは、相補的領域およびオーバーハング領域を含むアンチセンスオリゴマー(例えば、プローブ)によって認識される。タグの相補的領域は、タグにおける相補的領域にハイブリダイズされ得る。プローブは、オーバーハングを有する二本鎖核酸を形成することができる。オーバーハング領域は、塩基対合により、検出標識(例えば、
図15Aにおける標識された検出器)のドッキングを可能にすることができる。1種または複数の検出標識は、ライゲーションオリゴマー化または鋳型による(ハイブリダイゼーション)オリゴマー化により付加することができる。プローブは、任意の長さのものであってもよく、例えば、250塩基よりも短くなることができる。
【0201】
図15Bは、長いプローブが、n個の検出標識(例えば、検出器…n個の検出器)をドッキングすることができることを示す。検出器鎖は、3~150塩基であり得る。一部の事例では、検出器のドッキングは、末端オーバーハングがない核酸を作り出すことができる。一部の事例では、検出器のドッキングは、末端オーバーハングを作り出すことができる。存在する場合、末端オーバーハングは、標識されていても標識されていなくてもよい、ヘアピン末端の直鎖状もしくは分枝状伸長または付加を可能にすることができる(
図15Dを参照)。
【0202】
図15Cは、プローブが相対的に短くなることができ、長い一次検出器標識(例えば、一次検出器)が、プローブにハイブリダイズされ得ることを示す。そして次に、一次検出器は、複数の標識された二次検出器鎖の塩基対合(paring)標的であり得る。一次検出器、プローブおよびタグは、標識されていても標識されていなくてもよい。
【0203】
図15Dは、一本鎖オリゴの付加の代わりに、単独にまたは多重に標識された二重鎖検出器を使用することができることを示す。この二重鎖は、手動サイクリングまたは自己アセンブリのいずれかによりn倍に伸長され得る。この構造の末端は、オーバーハング、平滑末端またはヘアピンであり得る。
【0204】
図15Eは、直鎖状二重鎖検出器の代わりに、n-分枝状検出器を使用して、伸長された標識された構造を構築することができることを示す。例えば、第1の検出標識(D1)の配列の部分は、プローブのオーバーハングに相補的である。D1は、プローブにハイブリダイズされる。第2の検出標識(D2)は、D1の配列の別の部分にハイブリダイズする。第3の検出標識(D3)は、D1およびD2の部分に相補的でありこれにハイブリダイズされ、これにより、分枝状検出器を作り出す。分枝状検出器は、第4の検出標識(D4)に結合することによりさらに伸長され得、D4は、第5の検出標識(D5)および第6の検出標識(D6)にさらにハイブリダイズされ得る。この構造の末端は、オーバーハング、平滑末端またはヘアピンであり得る。
【0205】
図15Fは、直鎖状および分枝状検出器が、n-分枝状構造の伸長において混合され得ることを示す。直鎖状検出器は、
図15Cにおいて認められる通り、二重鎖または短いもしくは長い一本鎖と二次検出器のいずれかであり得る。この構造は、単位のサイクリングまたは自己アセンブリのいずれかにより構築することができる。この構造の末端は、オーバーハング、平滑末端またはヘアピンであり得る。
【0206】
(実施例11 直鎖状および分枝状二重鎖ライゲーションオリゴマー化)
図16A~
図16Fは、直鎖状および分枝状二重鎖ライゲーションオリゴマー化の例を提供した。標識された直鎖状核酸モジュール(例えば、検出標識)は、一末端において、試料中の目的の分子を標的とすることができる二本鎖核酸(例えば、リガンドおよびアンチセンスオリゴマーに連結された一本鎖核酸によって形成される)にライゲーションすることができる。標識された直鎖状核酸モジュールは、他の末端において、分枝状二重鎖核酸モジュールにライゲーションすることができる。ライゲーションは、酵素的ライゲーションまたは化学的架橋によってもたらすことができる。直鎖状核酸モジュールは、二重鎖または一本鎖核酸のいずれかであり得る。直鎖状核酸モジュールは、1個または複数の検出タグ(例えば、フルオロフォア)によりタグ付けすることができる。直鎖状核酸モジュールが一本鎖である場合、これは、1個または複数の検出タグで標識された、1個または複数の相補的一本鎖核酸オリゴをアニールすることにより標識することができる。直鎖状モジュールは、いかなる長さのものであってもよく、5’および3’末端の両方における特有のまたは相補的なオーバーハングのいずれかを用いて設計することができる。オーバーハングが特有である場合(例えば、αおよびβは、特有の末端である)、直鎖状モジュールは、自己オリゴマー化しなくてよい(
図16Aを参照)。
図16Aは、特有の相補的末端[αおよびα’]および[βおよびβ’]を有する標識された二重鎖核酸単位を示す。円形のドットは、種々のモダリティによって検出され得る標識を表す。標識は、蛍光分子および他の蛍光実体、ならびに酵素、ペプチドおよび放射性同位元素を含むことができる。一部の事例では、密度は、標識の種類および核酸鎖の長さに依存するであろうことから、核酸鎖当たりの標識の数は、示されている円形のドットの数に制限されない。増幅を達成するために、単位のサイクリングを使用することができる。オーバーハングが相補的である場合(図示せず)、例えば、直鎖状核酸モジュールは、相補的末端αおよびα’を有し、検出単位は自己集合することができる。
【0207】
図16Bに示す通り、抗体または別の核酸等、核酸にタグ付けされた構造は、相補的一本鎖プローブをアニールし、これにより、直鎖状および分枝状標識単位と適合性のオーバーハングを形成することにより検出することができる。
図16Bには、交互のα/βおよびα’/β’標識された二重鎖単位を使用した直鎖状増幅が示されている。
【0208】
図16Cは、分枝状核酸構造が、同じ特有の相補的末端により生成され得ることを示す。例示的な3方向および4方向分枝構造を
図16Cに示す。
【0209】
図16Dは、シグナルの2
y増幅をもたらし得る3方向分枝のサイクリングを示し、式中、y=サイクルの数である。示されている構造は、交互のα/βおよびα’/β’標識された3方向分枝単位のサイクリングにより生成することができる(
図16C)。
【0210】
図16Eは、シグナルの3
y増幅をもたらし得る4方向分枝のサイクリングを示し、式中、y=サイクルの数である。示されている構造は、交互のα/βおよびα’/β’標識された4方向分枝単位のサイクリングにより生成することができる(
図16C)。n分枝状単位のサイクリングは、(n-1)
yの増幅をもたらすことができ、式中、n=分枝単位の分枝の数であり、y=行われたサイクルの数である。図に示されている分枝状単位の末端は、相補的末端を用いて設計することができ、これにより、構造の自己集合を可能にする。
【0211】
系列サイクリングによる2個の相補的モジュールの制御された逐次適用は、オリゴマー化およびシグナル増幅を促進することができる(
図16B)。3方向、4方向またはn方向分枝が、モジュールのサイクリング内に導入されて、シグナル増幅を増加させることができる(
図16C~
図16E)。3方向分枝は、3個のオーバーハングを有するT字構造を作り出す3個の一本鎖核酸によって生成することができる。4方向分枝は、4個のオーバーハングを有する十字構造を作り出す4個の一本鎖核酸によって生成することができる、等々。分枝状および/または非分枝状構造の逐次適用は、式:(n-1)
yによって表すことができるオリゴマー化サイクルの数によって指示される、シグナルの指数関数的増幅を可能にすることができ、式中、n=分枝単位の分枝の数であり、y=行われたサイクルの数である。
【0212】
さらに、分枝状核酸構造は、エンドヌクレアーゼ部位または切断可能なリンカーを有する標識を用いて設計することができ、そのどちらも、検出タグ(例えば、蛍光部分)のその後の除去に使用することができる。これは、組織試料中のタンパク質および/または核酸の高度にマルチプレックス化された同定のための標識された核酸構造の系列適用、検出および除去を可能にすることができる。さらに、本明細書に記載されている分枝状および直鎖状検出器単位は、記載されている構造の自己集合を可能にすることができるように、相補的末端を有することができる。
【0213】
(実施例12 in situ核酸検出の分枝状増幅)
分枝状検出方法を使用して、組織における核酸を検出することができる(
図17A~
図17C)。この適用において、2種の特異的認識プローブは、標的核酸における隣接する配列を標的とすることができる(
図17A)。プローブは、相補的領域を有することができ、それによって、2個の分子がごく近接している場合、核酸ハイブリダイゼーションは、2個の分子を一緒にまとめることができる(
図17A)。本実施例では、2個の隣接する核酸プローブは、ステムヘアピン構造を生成し、その際、二次プローブがハイブリダイズすることができる。さらに、
図17B~
図17Cは、2個のプローブが、二次一本鎖核酸プローブによって認識され得る2個の特有の配列を有し得ることを示し、近接するプローブへのハイブリダイゼーションの際に、上述の分枝状オリゴマー化の開始ポイントとなり得る3方向分枝状構造を生成することができる(
図16C~
図16D)。
【0214】
(実施例13 分枝状オリゴマー化は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織におけるシグナルを大幅に増幅する)
図18A~
図18Fは、DNAタグ付けされた抗アセチル化チューブリン一次抗体で標識されたFFPEマウス脳皮質の5μm厚切片の例示的な画像を示す。alexa-594標識された二次抗体(
図18A)または分枝状オリゴマー化(
図18B~
図18F)により一次抗体を検出した。タグに相補的な検出器プローブと共に、次いで2(
図18B)、4(
図18C)、6(
図18D)、8(
図18E)または10(
図18F)サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器のサイクルと共に、組織をインキュベートし、サイクルは、1個の「T」および1個の直鎖状検出器ライゲーション反応を含む。主要な画像は、同一の露光およびコントラストで示す;挿入図は、最適なコントラスト設定におけるそれぞれの部分領域を示す。
【0215】
図18Gは、細胞体マスクのオーバーレイによる6サイクル増幅の例を示す(
図18Hにおける白色領域)。
図18Iは、二次抗体(菱形)および2~10サイクルの分枝状オリゴマー化(丸)の細胞体マスク内のピクセルの平均ピクセル強度を示す。異なるチャネル(Alexa 647)における蛍光二次抗体の染色パターンを使用して、マスクを作り出した。全体的に見て、分枝状オリゴマー化例は、サイクルの数が増加するにつれてシグナル増幅を実証した。
【0216】
(実施例14 分枝状オリゴマー化は、樹脂包埋組織におけるシグナルを大幅に増幅する)
図19A~
図19Fは、DNAタグ付けされた抗アセチル化チューブリン一次抗体で標識され、63×/1.4NAにおいて油浸下で撮像されたマウス脳皮質の70nm厚切片の例示的な画像を示す。alexa-594標識された二次抗体(
図19A)または分枝状オリゴマー化(
図19B~
図19E)により一次抗体を検出した。タグに相補的な検出器プローブと共に、次いで2(
図19B)、4(
図19C)、6(
図19D)または8(
図19E)サイクルによる分枝状「T」およびalexa-594標識された直鎖状検出器のサイクルと共に組織をインキュベートし、サイクルは、1個の「T」および1個の直鎖状検出器ライゲーション反応を含む。主要な画像は、同一の露光およびコントラストで示す。挿入図は、同じ血管の中央に置かれた、最適なコントラスト設定におけるそれぞれの部分領域を示し、DAPI染色された核は青色で、チューブリン免疫蛍光は緑色で示す。
図19Fは、二次抗体(菱形)および2~8サイクルの分枝状オリゴマー化(丸)の平均画像強度(16ビット画像からの灰色の値)を示す。