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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】キャニスター及び弁
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/44 20060101AFI20220622BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20220622BHJP
   B65D 83/52 20060101ALI20220622BHJP
   A61M 16/20 20060101ALN20220622BHJP
【FI】
B65D83/44
B05B9/04
B65D83/52
A61M16/20 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019536700
(86)(22)【出願日】2017-09-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2017073934
(87)【国際公開番号】W WO2018055047
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-08-24
(31)【優先権主張番号】1616107.7
(32)【優先日】2016-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518159809
【氏名又は名称】エア・ベーサ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】フリエル,マイケル
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-515549(JP,A)
【文献】ベルギー国特許発明第1002676(BE,A)
【文献】仏国特許出願公開第02690142(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/14-83/76
B05B 9/04
A61M 16/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を分注するためのエアロゾルキャニスターであって、前記キャニスターは、
液化又は圧縮ガス噴射剤を収容するための高圧室と、
ガス噴射剤を収容するための低圧室と、
分注されることになる製品を収容するための製品貯留部と、
前記高圧室と前記低圧室の間に介在する圧力調整弁であって、前記低圧室内の圧力が既定圧力より下に降下したときに前記高圧室から前記低圧室への流体流れ経路を提供するように適合されている圧力調整弁と、を備え、
前記キャニスターは、前記低圧室と前記製品貯留部の間に介在する隔壁を更に備え、前記隔壁は分注弁を受け入れるための開口部を有する
キャニスター。
【請求項2】
非医用製品を分注するためのエアロゾルキャニスターであって、前記キャニスターは、
液化又は圧縮ガス噴射剤を収容している高圧室と、
非医用製品と気化した噴射剤とを収容している低圧室であって、分注弁を受け入れるための開口部を有している低圧室と、
前記高圧室と前記低圧室の間に介在する圧力調整弁であって、前記低圧室内の圧力が既定圧力より下に降下したときに前記高圧室から前記低圧室への流れ経路を提供するように適合されている圧力調整弁と、
を備え
前記高圧室は、前記低圧室の外にある、キャニスター。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のキャニスターにおいて、前記圧力調整弁は、高圧端及び低圧端を有している管状弁ステムであって高圧端壁及び低圧端壁によって画定される弁本体の中を可動である管状弁ステム、を備え、閉位置では、前記低圧室内の圧力によって、前記高圧端は前記高圧端壁によって画定される弁座に押し付けて閉じられ、その結果、前記高圧室からの前記管状弁ステムを通る流れが阻止される、
キャニスター。
【請求項4】
請求項3に記載のキャニスターにおいて、前記管状弁ステムの前記低圧端にはステムフランジが設けられていて、前記低圧室内の圧力が前記弁を前記閉位置へ押し進めるために働きかけることのできる表面を前記ステムフランジが提供している、キャニスター。
【請求項5】
上記請求項の何れか一項に記載のキャニスターにおいて、前記液体噴射剤は二酸化炭素である、キャニスター。
【請求項6】
キャニスターから製品の計量された用量を分注するため、前記隔壁の開口部に受け入れられる、計量弁の形態の分注弁を有する請求項1に記載のキャニスターであって、前記弁は、
噴射剤入口を有する噴射剤計量室及び製品入口を有する製品計量室を備える計量弁本体と、
分注ノズル、噴射剤入口プラグ、及び製品入口プラグを有する計量弁ステムと、を備え、
前記計量弁ステムは前記計量弁本体の中を分注位置へ可動であり、前記分注位置では、
前記噴射剤入口は前記噴射剤入口プラグによって封止され、前記製品入口は前記製品入口プラグによって封止され、
製品と噴射剤との計量された用量が前記キャニスターから分注されることができるように、前記噴射剤計量室及び前記製品計量室は前記分注ノズルを介して大気と流体連通にあり、
前記製品入口は前記分注ノズルの出口と前記製品計量室の間に位置決めされる、
キャニスター
【請求項7】
請求項6に記載のキャニスターにおいて、前記計量弁ステムは前記計量弁本体の中で前記分注位置と少なくとも1つの充填位置の間を可動であり、前記充填位置では、
使用時に噴射剤が前記噴射剤入口を介して前記噴射剤計量室に進入することができるように及び/又は製品が前記製品入口を介して前記製品計量室に進入することができるように、前記噴射剤入口と前記製品入口の少なくとも一方が開かれ、
前記噴射剤計量室と前記製品計量室の間に流体連通が阻止され、
前記計量弁本体と大気の間に流体連通が阻止される、
キャニスター
【請求項8】
請求項7に記載のキャニスターにおいて、前記分注ノズルは、側面ポート及び軸方向端面ポートを有する中空管を備えており、前記充填位置では、前記側面ポートと前記軸方向端面ポートはどちらも前記製品計量室から隔離され、その結果、前記製品計量室と前記分注ノズルの間に流体連通は無い、キャニスター
【請求項9】
キャニスターから製品の計量された用量を分注するため、分注弁を受け入れるための開口部内に受け入れられる計量弁の形態の分注弁を有する請求項2に記載のキャニスターであって、前記弁は、
噴射剤計量室及び製品計量室を備える計量弁本体と、
前記計量弁本体の中に収納されている計量弁ステムであって、前記製品計量室から延びる第1軸方向端の分注ノズル及び前記噴射剤計量室から延びる前記計量弁ステムの反対側の第2軸方向端部分を有している計量弁ステムと、を備え、
前記計量弁ステムは、
前記計量弁ステムの中を軸方向に延びる製品路と、
前記計量弁ステムの中を軸方向に延びる噴射剤路と、を備え、
前記計量弁ステムは前記計量弁本体の中を分注位置へ可動であり、前記分注位置では、
前記製品路と前記製品計量室の間に流体連通は無く、
前記噴射剤路と前記噴射剤計量室の間に流体連通は無く、及び、
前記噴射剤計量室及び前記製品計量室は、製品及び噴射剤の計量された用量が前記計量弁本体から分注されることができるように、前記計量弁ステムの前記分注ノズルを介して大気と流体連通にある、
キャニスター
【請求項10】
請求項9に記載のキャニスターにおいて、前記分注位置では、前記製品路と前記製品計量室の間の流体連通は、前記製品路の前記製品計量室からの隔離によって阻止され、前記計量弁本体は、第1軸方向端壁、中間壁、及び第2軸方向端壁を備え、前記製品計量室は前記第1軸方向端壁と前記中間壁によって画定され、前記噴射剤計量室は前記中間端壁と前記第2軸方向端壁によって画定され、前記製品路は前記計量弁ステムの中で前記製品路の第1軸方向端の製品出口と前記計量弁ステムの前記第2軸方向端部分内の前記製品路の第2軸方向端の製品入口の間を軸方向に延びており、前記製品出口は前記分注位置では前記計量弁本体の前記中間壁によって閉塞される、キャニスター
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載のキャニスターにおいて、前記分注位置では、前記噴射剤路と前記噴射剤計量室の間の流体連通は、前記噴射剤路の前記噴射剤計量室からの隔離によって阻止され、前記噴射剤路は、前記計量弁ステムに沿って、前記噴射剤路の第1軸方向端の噴射剤出口開口部/端と前記計量弁ステムの前記第2軸方向端部分内の前記路の第2軸方向端の噴射剤入口開口部/端の間を軸方向に延びており、前記噴射剤路の前記噴射剤計量室からの隔離は、前記噴射剤路の閉塞によって又は前記噴射剤出口開口部/端を前記噴射剤計量室の外に位置決めすることによって実現される、キャニスター
【請求項12】
請求項9から請求項11の何れか一項に記載のキャニスターにおいて、前記計量弁ステムは前記計量弁本体の中で前記分注位置と少なくとも1つの充填位置の間を可動であり、前記充填位置では、
使用時に製品が前記計量弁ステムを通って前記製品路経由で前記製品計量室に進入することができるように及び/又は噴射剤が前記計量弁ステムを通って前記噴射剤路経由で前記噴射剤計量室に進入することができるように、前記製品路と前記製品計量室は流体連通にあり及び/又は前記噴射剤路と前記噴射剤計量室は流体連通にあり、
前記噴射剤計量室と前記製品計量室の間に流体連通は無く、及び、
前記計量弁本体と大気の間に流体連通は無い、
キャニスター
【請求項13】
請求項12に記載のキャニスターにおいて、前記充填位置では前記製品路は閉塞されず、前記製品路は前記計量弁ステムの中で前記製品路の第1軸方向端の製品出口と前記計量弁ステムの前記第2軸方向端部分内の前記製品路の第2軸方向端の製品入口の間を軸方向に延びており、前記製品出口は前記充填位置では前記製品計量室の中に位置決めされる、
キャニスター
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載のキャニスターにおいて、前記分注ノズルは、側面ポート及び軸方向端面ポートを有する中空管を備えており、前記充填位置では、前記側面ポートと前記軸方向端面ポートはどちらも前記製品計量室から隔離され、その結果、前記製品計量室と前記分注ノズルの間に流体連通は無い、キャニスター
【請求項15】
請求項14に記載のキャニスターにおいて、前記側面ポートは前記充填位置では閉塞され、前記計量弁本体は、第1軸方向端壁、中間壁、及び第2軸方向端壁を備え、前記製品計量室は前記第1軸方向端壁と前記中間壁によって画定され、前記噴射剤計量室は前記中間端壁と前記第2軸方向端壁によって画定され、前記中間壁には、前記製品計量室の中を軸方向に延びていて前記分注ノズルを包囲している管状閉塞壁が設けられており、前記閉塞壁は前記充填位置では前記側面ポートを閉塞する、キャニスター
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品のエアロゾル噴霧を分注する場合に使用するためのエアロゾルキャニスターに関する。加えて、本発明は、キャニスターへ備え付けることのできる計量弁に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫剤、塗料、家庭用品(例えば、消臭剤又は洗浄製品)、又は個人用品(例えば、防臭剤、制汗剤、又はヘアスプレー)の様なエアロゾル化製品を送達するのにエアロゾルキャニスターが使用されている。
【0003】
製品は、開口端に分注弁を備え付けられた鋼又はアルミニウム製キャニスターに収容されるのが典型的である。分注弁のステムには、エアロゾル化製品を放出するように弁を動作させるためにキャニスターへ向けて押圧できる作動器が備え付けられている。分注弁は、更に、キャニスターの基底まで延びているディップチューブを備えており、製品は分注のためにディップチューブを通って搬送される。
【0004】
製品にディップチューブを上らせ、製品をキャニスターからエアロゾルの形態で噴射するために、キャニスターの中には製品と共に液体又は圧縮ガス噴射剤が収容されている。
【0005】
現在の液化ガス噴射剤は、主として、n-ブタン、イソ-ブタン、プロパン、又はそれらの混合物の様な炭化水素類である。最も一般的な噴射剤はブタン-プロパン配合物(液化石油ガス(lpgとして知られている)である。これらの炭化水素噴射剤は、エアロゾルキャニスターを出てゆくや瞬時に気化し、非常に細かい噴霧を生成できる。炭化水素噴射剤は、キャニスターの中に2相(液体と飽和蒸気)システムを形成し、2相間には動的平衡が存在していて、キャニスターが充満であるか空に近いかにかわらずほぼ一定した蒸気圧を与える。これは、製品がほぼ一定した流量で送達され得るということを意味する。現在の液化ガス噴射剤が抱える主たる問題は、それらが可燃性VOCであるということだ。
【0006】
空気又は窒素の様な燃え難い圧縮ガス噴射剤も使用されてはいるが、それらは霧化エネルギーを殆ど提供せず、噴霧があまり細かくならない。それらはまた、製品が分注されるにつれキャニスター内の圧力が減少するために一定しない製品送達流量をもたらす。
【0007】
空気や窒素の様な圧縮不活性ガスを使用するキャニスターでの噴霧特性を改善しようとする試みが、分注弁の弁ステムを通る流れの中へ圧縮ガスを導入する分注弁(一般的には蒸気タップとして知られている)を使用することによってなされてきた。その様な分注弁が国際公開第2011/061531号に記載されている。この分注弁は著しく多くの構成要素を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2011/061531号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
圧縮ガス噴射剤が使用される場合であっても安定した流量を維持することのできる改善されたエアロゾルキャニスターを提供する必要性が存在する。更に、製品の計量された用量を送達するのに使用できる単純化された分注弁の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本発明は、非医用製品を分注するためのエアロゾルキャニスターを提供しており、当該キャニスターは、
液化又は圧縮ガス噴射剤を収容している高圧室と、
非医用製品と気化した噴射剤とを収容している低圧室であって、分注弁を受け入れるための開口部を有している低圧室と、
高圧室と低圧室の間に介在する圧力調整弁であって、低圧室内の圧力が既定圧力より下に降下したときに高圧室から低圧室への流れ経路を提供するように適合されている圧力調整弁と、
を備えている。
【0011】
第2の態様では、本発明は、製品を分注するためのエアロゾルキャニスターを提供しており、当該キャニスターは、
液化又は圧縮ガス噴射剤を収容するための高圧室と、
ガス噴射剤を収容するための低圧室と、
分注されることになる製品を収容するための製品貯留部と、
高圧室と低圧室の間に介在する圧力調整弁であって、低圧室内の圧力が既定圧力より下に降下したときに高圧室から低圧室への流体流れ経路を提供するように適合されている圧力調整弁と、
を備え、
当該キャニスターは、低圧室と製品貯留部の間に介在する隔壁を更に備えている。
【0012】
圧力調整弁によって高圧室と低圧室に分けられているキャニスターを提供することによって、液相と蒸気相の間の動的平衡を維持する可燃性液化噴射剤を使用する必要はもはやない。可燃性、臭気、及び環境への影響が低く、より簡単で安全な取り扱い/輸送/保存を有する二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、又は空気の様な圧縮ガス噴射剤を使用することが可能になる。2つの室及び圧力調整弁は、低圧室内の圧力がキャニスターの耐用年数全体を通して一定に保たれ、製品の一定した送達が維持されることを確約する。
【0013】
発明の第1の態様の随意的特徴をこれより説明する。
【0014】
幾つかの実施形態では、エアロゾルキャニスターは、高圧室と低圧室を密閉するためのハウジングを備えている。
【0015】
幾つかの実施形態では、低圧室は、製品の溶液、懸濁液、又は乳濁液、例えば、製品の水性又はアルコール性溶液/懸濁液/乳濁液を収容している。溶液/懸濁液/乳濁液を形成するのに使用される溶媒は、(例えば)アセトン、エタノール、イソプロパノール、塩素化炭化水素、又はケロシンであってもよい。溶媒の性質は、エアロゾル化製品の所望の粒子サイズを制御するように選択されればよい。一部の製品についてはエタノールが好適である。
【0016】
低圧室内の製品の懸濁液/溶液/乳濁液より上のヘッドスペースは気化した噴射剤(例えば二酸化炭素)で満たされるであろう。
【0017】
製品は、殺虫剤(例えばピレトリン/ピレスロイド殺虫剤)、家庭用品である例えば塗料、消臭剤、磨き剤、又は洗浄剤、個人用品である例えばヘアスプレー、香水、防臭剤、又は消毒剤など、の様な消費者製品を備えていてもよい。
【0018】
低圧室は隔壁を含み、隔壁の第1の側にはガス状噴射剤を収容するための噴射剤室が画定されていて隔壁の第2の側には製品を収容するための製品貯留部が画定されていてもよい。噴射剤室は隔壁と圧力調整弁の間に介在する。
【0019】
隔壁は分注弁を受け入れるための開口部を有していてもよい。低圧室の開口部と隔壁の開口部は、例えばそれぞれが同じ分注弁を受け入れるために、軸方向に整列されていてもよい。それら開口部は更に圧力調整弁と軸方向に整列されていてもよい。
【0020】
発明の第2の態様の随意的特徴をこれより説明する。
【0021】
低圧室は隔壁と圧力調整弁の間に配置されている。このやり方では、低圧室は、以下により詳しく解説されている様に、高圧室から噴射剤を受け入れることができる。
【0022】
製品貯留部は分注弁を受け入れるための開口部を含んでいてもよい。隔壁は分注弁を受け入れるための開口部を含んでいてもよい。隔壁の開口部と製品貯留部の開口部は、例えば同じ分注弁を受け入れるために、軸方向に相互整列されていてもよい。
【0023】
幾つかの実施形態では、エアロゾルキャニスターは、高圧室と低圧室と製品貯留部を密閉するためのハウジングを備えている。
【0024】
幾つかの実施形態では、低圧室は、噴射剤だけを収容しており(即ち実質的に製品を収容していない)、気化した噴射剤だけを収容しているのが望ましい。製品貯留部は製品だけを収容していてもよい(即ち実質的に噴射剤を収容していない)。製品貯留部は、製品の溶液、懸濁液、又は乳濁液、例えば、製品の水性又はアルコール性溶液/懸濁液/乳濁液を収容していてもよい。溶液/懸濁液/乳濁液を形成するのに使用される溶媒は、(例えば)アセトン、エタノール、イソプロパノール、塩素化炭化水素、又はケロシンであってもよい。溶媒の性質は、エアロゾル化製品の所望の粒子サイズを制御するように選択されればよい。一部の製品についてはエタノールが好適である。
【0025】
製品は、殺虫剤(例えばピレトリン/ピレスロイド殺虫剤)、家庭用品である例えば塗料、消臭剤、磨き剤、又は洗浄剤、個人用品である例えばヘアスプレー、香水、防臭剤、又は消毒剤など、の様な消費者製品を備えていてもよい。
【0026】
代わりに、製品は医用製品例えば吸入可能薬物であってもよい。吸入可能薬物は、β作動薬(例えば、サルブタモール、テルブタリン、フェノテロール)、長時間作用β作動薬(例えば、サルメテロール、ホルモテロール)、又は抗コリン薬(例えばイプラトロピウム臭化物、チオトロピウム臭化物など)の様な気管支拡張薬を備えていてもよい。吸入可能薬物は、ステロイド(例えば、ベクロメタゾン、ブレソニド、シクレソニド、フルチカゾン、トリアムシノロン)、又はクロモグリク酸薬(例えば、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム)の様な抗炎症薬を備えていてもよい。吸入可能薬物は、ワクチン、インシュリン、抗生剤、抗真菌剤、抗菌剤、麻酔薬、肺表面活性物質、又は鎮痛薬を備えていてもよい。
【0027】
第1の態様及び第2の態様の随意的特徴をこれより説明する。
【0028】
高圧室は低圧室の外であってもよい。例えば、低圧室は高圧室から分離されていてもよい。幾つかの実施形態では、高圧室及び/又は低圧室はそれぞれが、2室の間に介在する圧力調節弁への接続のための個々の接続要素を備えている。これは、高圧室とは別に低圧室が製造されることを可能にする。
【0029】
接続要素は、ねじ式、スナップ式、押し込み式、又は干渉嵌め式の接続であってもよい。
【0030】
他の実施形態では、高圧室/低圧室は圧力調整弁と一体化されていてもよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、圧力調整弁は高圧室の上端に提供されている。この場合には、高圧室接続要素は高圧室の上端に提供されていてもよい。低圧室の、計量弁を受け入れるための開口部は、したがって、低圧室の上端に提供されていてもよい。開口部は低圧室から大気圧への経路を提供する。幾つかのその様な実施形態では、圧力調整弁は低圧室の下端に提供されている。この場合には、低圧室接続要素が低圧室の下端に提供されていてもよい。圧力調整弁は、高圧室の上端と低圧室の下端の間に介在し(及び随意的には一体化され)ていてもよい。これは、既知のエアロゾルキャニスターの外形と同様の細長い外形を有するキャニスターをもたらす。
【0032】
他の実施形態(例えば、キャニスターが逆構成で使用される場合)では、圧力調整弁は高圧室の下端に設けられる。この場合には、高圧室接続要素は高圧室の下端に提供されていてもよい。圧力調整弁は低圧室の上端に提供されていてもよい。この場合には、低圧室接続要素は低圧室の上端に設けられていてもよい。幾つかの実施形態では、圧力調整弁は、高圧室の下端と低圧室の上端の間に介在し(及び随意的には一体化され)ている。これは、既知のエアロゾルキャニスターの外形と同様の細長い外形を有するキャニスターをもたらす。
【0033】
幾つかの実施形態では、圧力調整弁は機械式弁であり、即ち、それは何らかの電気信号に応えてというのではなく低圧室内の圧力降下の結果としての弁構成要素に及ぶ力の変化に応えて動作するのである。
【0034】
幾つかの実施形態では、圧力調整弁は、スキューバダイビング機材で使用されているようなディマンド弁である。その様な弁は、Beswick Engineering社(米国)から供給され得る。
【0035】
圧力調整弁は、低圧室内の圧力が既定圧力にあるときは、高圧室と低圧室の間に流体流れ経路の無い閉位置に向けて押し進められる。他の言い方をするなら、低圧室内の圧力が既定圧力にあるとき、高圧室と低圧室の間の流体流れ経路は閉じられているということである。
【0036】
低圧室が、例えば噴射剤が低圧室から分注されたせいで、既定圧力より下に降下したときに、圧力調整弁は、高圧室から低圧室への流体流れ経路が存在する開位置へと(高圧室内の流体圧力によって)押し進められることになる。他の言い方をするなら、高圧室と低圧室の間の流体経路が開かれるということである。
【0037】
開位置では、高圧室からの液化又は圧縮ガス噴射剤は低圧室へ流入し、やがて低圧室内の圧力が既定圧力に一致すると、圧力調整弁は再度閉じるように強いられる。
【0038】
こうして、圧力調整弁に及ぶ力を高圧室内の加圧流体と低圧室内の加圧流体によって入念に制御することによって、圧力調整弁は、既定圧力より下で開く/既定圧力より上で閉じることができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、圧力調整弁は、高圧端壁(高圧室に隣接)及び低圧端壁(低圧室に隣接)によって画定される弁本体の中を可動である管状弁ステムを備えている。各端壁は高圧室/低圧室それぞれとの連通のための少なくとも1つの開口部を有している。弁本体の高圧端壁は高圧室の上端を画定していてもよい。弁本体の低圧端壁は低圧室の下端を画定していてもよい。
【0040】
管状弁ステムは高圧端及び低圧端を有している。高圧端の表面積と低圧端の表面積は、圧力調整弁が既定圧力より上で閉じる/既定圧力より下で開くことができるように選択されてもよい。高圧端は低圧端より狭い表面積を有していてもよい。高圧端の表面積と低圧端の表面積は、圧力調整弁が既定圧力にて閉じる寸法であるのが望ましい。
【0041】
閉位置では、低圧室内の圧力によって、高圧端は高圧端壁によって画定される弁座に押し付けて閉じられ、その結果、高圧室からの管状弁ステムを通る流れは阻止される。開位置では、低圧室内の減少した圧力が高圧端を弁座/高圧端壁から離して推し進め、その結果、液化又は圧縮ガス噴射剤は高圧室から管状弁ステムを通って低圧室の中へと弁本体の低圧端壁を通って流入することができる。
【0042】
管状弁ステムの低圧端には、ステムフランジ例えば環状ステムフランジが設けられていて、圧力調整弁を閉位置(管状弁ステムの高圧端が弁本体の高圧端壁によって画定されている弁座に押し付けて保持される状態)へ押し進めるために低圧室内の圧力が高圧室内の流体圧力に逆らって働きかけることのできる表面をステムフランジが提供していてもよい。開位置では、ステムフランジは弾性要素の力の下で低圧端へ向けて押し進められ、及び低圧端に当接することができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、圧力調整弁を開位置に付勢するのに弾性要素(例えばコイルばね/螺旋ばね)が提供されていてもよい。
【0044】
弾性要素のばね定数は、圧力調整弁を閉位置に引き留めるために低圧室内に必要とされる圧力を確定するように選択されていてもよい。ひとたび低圧室内の圧力が(キャニスターからの製品放出の結果として)この既定圧力より下に降下するや、弾性要素が圧力調整弁に開くよう強いるので、その結果、高圧室からの液化又は圧縮ガス噴射剤が低圧室の中のヘッドスペースへ流入し、やがて低圧室内の圧力が既定圧力に一致すると、圧力調整弁は再度閉じるように強いられる。
【0045】
弾性要素の付勢力は、例えば圧力調整弁が既定圧力にて閉じることを確約するために、高圧室内の流体及び低圧室内の流体によって圧力調整弁へ加えられる力を増補することができる。例えば、弾性要素は、低圧室が既定圧力より下に降下したときに圧力調整弁を開位置へ付勢するのを手助けすることができる。
【0046】
開位置では、弾性要素は高圧端を弁座/高圧端壁から離して付勢し、その結果、液化又は圧縮ガス噴射剤は高圧室から管状弁ステムを通って低圧室内へと弁本体の低圧端壁を通って流入することができる。閉位置では、低圧室内の既定圧力が弾性要素の付勢力に打ち勝って高圧端を弁座/高圧端壁へ向けて動かし、その結果、液化/圧縮ガス噴射剤は高圧室から低圧室へ流れることができなくなる。
【0047】
弾性要素は、高圧端壁近くの弁本体の壁から垂れさがってステムフランジと弁本体フランジ(例えば環状フランジ)の間に付着されていてもよい。弾性要素は閉位置では2つのフランジの間で圧縮されることになる。弾性要素(例えばコイルばね)は管状弁ステムの周りを取り巻いていてもよい。
【0048】
圧力調整弁本体の低圧端壁の開口部を少なくとも部分的に塞ぐために、ガス透過性(液体不透過性)部材である例えば多孔質フリットが圧力調整弁内に又は低圧室内に提供されていてもよい。これは、低圧室から高圧室内への及び/又はその逆の液体の何らかの漏出を防止するのに役立つ。
【0049】
弁本体の側壁は、中空弁ステムフランジと弁本体フランジの間に画定される体積の変化に適応するために弁本体フランジと低圧端壁の間に(大気への)少なくとも1つの脱気孔を備えていてもよい。少なくとも1つの脱気孔は、それが常に弁ステムフランジの高圧側にあるように位置決めされる。
【0050】
好適な実施形態では、液体噴射剤は二酸化炭素であり、高圧室は液化二酸化炭素を収容している。高圧室の中の圧力は20℃で約6000kPa乃至7000kPaであってもよいし、又は約15,000kPaのようにいっそう高くてもよい。高圧室は典型的には約10ml-100mlの体積を有しているだろう。
【0051】
この場合には、高圧室は、Leland Gases社(米国)によって供給されている様な高圧二酸化炭素キャニスターであってもよい。
【0052】
二酸化炭素は、VOCに比べ環境への影響が小さいという理由のみならず容易に入手可能である(例えば醸造プロセスの副産物として)という理由からも特に好適である。しかもそれは昆虫誘引物質である(故に製品が殺虫剤である場合は理想的である)。
【0053】
噴射剤は、圧縮された空気、窒素、亜酸化窒素、酸素、ヘリウム、アルゴン、又はキセノンの様な、圧縮ガスを備えていてもよいだろう。
【0054】
低圧室の中の圧力は大気圧より上ということになろう。それは約300kPaであってもよい。それは最大圧の約1000kPaにあってもよい。低圧室の中の圧力は、エアロゾル化製品の所望の粒子サイズを提供するように(例えば、溶液/懸濁液/乳濁液を形成するのに使用される溶媒と組み合わせて)選択されればよい。
【0055】
ハウジングは分注弁が通って延びることになる開口を含んでいてもよい。ハウジングは、分注弁の周りにシール、例えば気密シール、を形成しているのが望ましい。ハウジングは、円筒状ハウジングを備えていて、例えばアルミニウム又は鋼から形成されていてもよい。ハウジングは、圧力調整弁から追い出される空気の大気への脱気、つまり中空弁ステムフランジと弁本体フランジの間の体積変化時の脱気を可能にさせる弁を備えていてもよい。
【0056】
幾つかの実施形態(特に製品が殺虫剤又は消臭剤である場合)には、キャニスターは製品を自動的に分注するための自動作動器を備えていてもよい。自動作動器は、既知の型式、例えば規則的な時間間隔で及び/又はキャニスターの近傍に動きを検知した際に製品を自動的に分注するように構成されている型式であってもよい。
【0057】
分注弁は、Bespak社又はSalvalco社によって製造されている様な既知の型式であってもよい。
【0058】
他の実施形態では、キャニスターは計量された用量を分注するための分注弁を有していてもよい。これは、製品が殺虫剤である場合にはなおいっそう望ましく、というのも殺虫剤は効能がますます強力になってきているからだ。分注弁は以下に記載の第3の態様及び第4の態様による計量弁であってもよい。
【0059】
第3の態様では、本発明は、製品の計量された用量を、製品と噴射剤を収容しているキャニスターから分注するための計量弁を備えており、弁は、
噴射剤計量室及び製品計量室を備える計量弁本体と、
計量弁本体の中に収納されている計量弁ステムであって、製品計量室から延びている第1軸方向端の分注ノズル及び噴射剤計量室から延びている計量弁ステムの反対側の第2軸方向端部分を有している計量弁ステムと、を備え、
計量弁ステムは、
計量弁ステムの中を軸方向に延びている製品路と、
計量弁ステムの中を軸方向に延びている噴射剤路と、を備え、
計量弁ステムは計量弁本体の中で分注位置へ可動であり、分注位置では、
製品路と製品計量室の間に流体連通は無く、
噴射剤路と噴射剤計量室の間に流体連通は無く、及び、
噴射剤計量室及び製品計量室は、製品及び噴射剤の計量された用量が計量弁本体から分注されることができるように、計量弁ステムの分注ノズルを介して大気と流体連通にある。
【0060】
分注ノズルを介して大気と流体連通する別々の噴射剤計量室と製品計量室を備える計量弁本体を有する計量弁を提供することによって、計量弁本体(ひいてはキャニスター)を出てゆく製品及び噴射剤の一定した比を提供することが可能となり、その結果、エアロゾル化製品の粒子サイズの制御が最適化される。
【0061】
第3の態様の随意的特徴をこれより説明する。
【0062】
幾つかの実施形態では、計量弁ステムは計量弁本体の中で分注位置と少なくとも1つの充填位置の間を可動であり、充填位置では、
使用時に製品が計量弁ステムを通って製品路経由で製品計量室に進入することができるように及び/又は噴射剤が計量弁ステムを通って噴射剤路経由で噴射剤計量室に進入することができるように、製品路と製品計量室は流体連通にあり及び/又は噴射剤路と噴射剤計量室は流体連通にあり、
噴射剤計量室と製品計量室の間に流体連通は無く、及び、
計量弁本体と大気の間に流体連通は無い。
【0063】
単数又は複数の充填位置では、噴射剤計量室及び製品計量室は、分注位置で両室から分注ノズルを介して大気へ分注するための準備として、計量弁ステムを通してそれぞれ噴射剤及び製品で充満する。
【0064】
幾つかの実施形態では、計量弁ステムは、コイルばねの様な弾性部材によって少なくとも1つの充填位置へ向けて付勢される。弾性部材は、製品計量室内に提供されていてもよいし、又は噴射剤計量室内に提供されていてもよい。それは製品計量室/噴射剤計量室内で計量弁ステムを取り巻いていてもよい。
【0065】
幾つかの実施形態では、噴射剤計量室と製品計量室は分注位置では互いと(及び分注ノズルを介して大気と)流体連通にある。例えば、噴射剤計量室は製品計量室を介して分注ノズルと流体連通にあってもよい。このやり方では、噴射剤及び製品は同時に分注されることができる。
【0066】
幾つかの実施形態では、噴射剤計量室は管状、例えば円筒状をしていてもよい。噴射剤計量室は、製品の一回用量を送達するのに適した噴射剤の既定分量を保持するサイズであってもよい。噴射剤計量室は1000マイクロリットルから10000マイクロリットルの間の体積を有していてもよい。
【0067】
幾つかの実施形態では、製品計量室は管状、例えば円筒状をしていてもよい。製品計量室は、製品の既定分量を保持するサイズであってもよい。製品計量室は、10マイクロリットルから100マイクロリットルの間の体積、例えば25マイクロリットルから100マイクロリットルの間の体積を有していてもよい。
【0068】
製品計量室対噴射剤計量室の相対体積比は約1:100であるのが望ましい。
【0069】
計量弁本体は、第1軸方向端壁、中間壁、及び第2軸方向端壁を備え、製品計量室は第1軸方向端壁と中間壁によって画定されていて、噴射剤計量室は中間端壁と第2軸方向端壁によって画定されていてもよい。中間壁には、製品計量室の中を軸方向に延びていて分注ノズルを包囲している管状閉塞壁が設けられていて、閉塞壁は、分注位置での接続路と製品計量室の間の流体連通を許容するために少なくとも1つの半径方向開口を備えていてもよい。
【0070】
第1軸方向端壁は、計量弁ステムの分注ノズルを受け入れるための第1計量弁ステム孔を備え、分注ノズルが弁本体から弁本体の第1軸方向壁を貫いて延びていてもよい。
【0071】
中間壁は、計量弁ステムを受け入れるための中間計量弁ステム孔を備えていてもよい。
【0072】
中間壁は、二重壁であってもよく(中間弁ステム孔は両壁部分を貫いて延びる)、つまり、製品計量室と噴射剤計量室を離間させる中間室があってもよいだろうということである。
【0073】
第2軸方向端壁は、計量弁ステムの第2軸方向端部分を受け入れるための第2計量弁ステム孔を備え、計量弁ステムの第2軸方向端部分は弁本体から弁本体の第2軸方向端壁を貫いて延びていてもよい。
【0074】
それら計量弁ステム孔は、噴射剤/製品の弁ステム孔を通る漏出を防止するために計量弁ステムの周りにシールを形成する寸法である。それら計量弁ステム孔は、それぞれ、計量弁ステムの周りの封止を支援するための各個のガスケットを備えていてもよい。
【0075】
計量弁ステムは、噴射剤計量室及び製品計量室の中を、製品計量室から延びるそれの第1軸方向端の分注ノズル(即ち計量弁ステムの第1軸方向端部分は計量弁本体の外にある)から、噴射剤計量室から延びる第2軸方向端部分(即ち計量弁ステムの第2軸方向端部分は計量弁本体の外にある)まで、延びている。
【0076】
計量弁ステムは実質的に円筒状であるのが望ましい。
【0077】
幾つかの実施形態では、製品路は計量弁ステムの中で製品路の第1軸方向端の製品出口と計量弁ステムの第2軸方向端部分内の製品路の第2軸方向端の製品入口の間を軸方向に延びている。
【0078】
分注位置では、製品路と製品計量室の間の流体連通は、製品路/製品出口の製品計量室からの隔離によって阻止されることができる。製品路/出口の製品計量室からの隔離は、製品路の閉塞、例えば製品出口の閉塞によって実現されてもよいし、又は分注位置で製品出口が噴射剤計量室の中に位置付けられることによって実現されてもよい。
【0079】
製品出口は、半径方向開口部、即ち計量弁ステムの側壁の開口部であってもよい。
【0080】
分注位置では、(半径方向の)製品出口は弁本体の中間壁と整列され(及び中間壁によって閉塞され)てもよく、即ち製品出口が中間計量弁ステム孔の中に位置決めされるようになっていてもよい。他の実施形態では、分注位置では製品出口は噴射剤計量室の中に位置決めされるようになっていてもよい。
【0081】
製品入口は、(計量弁本体の外に)計量弁ステムの第2軸方向端部分内に設けられている。製品入口は、軸方向開口部、即ち計量弁ステムの第2軸方向端部分の軸方向端面に設けられている開口部であってもよい。軸方向製品入口は、計量弁ステムの第2軸方向端部分の軸方向端面の中心からオフセットして設けられていてもよい。
【0082】
製品路は、(噴射剤計量室の中の)計量弁ステムを通って(例えば軸方向の)製品入口から(例えば半径方向の)製品出口まで軸方向に延びている管状導管であるのが望ましい。製品路の軸方向延長は噴射剤計量室の軸方向延長より大きい。
【0083】
使用時に製品がキャニスター内から計量弁ステムを通って製品路経由で製品計量室に進入することができるように、充填位置では製品路と製品計量室の間に流体連通が提供される。充填位置では、製品路/製品出口は閉塞されず、製品出口は製品計量室の中に位置決めされる。
【0084】
計量弁ステムは、更に、第2軸方向端部分へ備え付けられている、例えば第2軸方向部分の軸方向端面に接続されている管状延長部(例えば可撓性管状延長部)を備えていてもよい。管状延長部は製品路と流体連通にある。
【0085】
幾つかの実施形態では、噴射剤路は、計量弁ステムの中を、噴射剤路の第1軸方向端の噴射剤出口開口部と計量弁ステムの第2軸方向端部分内の当該路の第2軸方向端の噴射剤入口開口部の間を軸方向に延びている管状導管であってもよい。
【0086】
他の実施形態では、噴射剤路は計量弁ステムに沿って噴射剤出口端と噴射剤入口端の間を軸方向に延びている溝/陥凹であり、噴射剤入口端は計量弁ステムの第2軸方向端部分内に設けられていてもよい。
【0087】
分注位置では、噴射剤路と噴射剤計量室の間の流体連通は、噴射剤路(例えば噴射剤出口開口部/端)の噴射剤計量室からの隔離によって阻止されるようになっていてもよい。これは、噴射剤路の閉塞、例えば噴射剤出口開口部/端の閉塞によって実現されてもよいし、又は噴射剤出口開口部/端を噴射剤計量室(及び計量弁本体)の外に位置決めすることによって実現されてもよい。
【0088】
噴射剤出口開口部は半径方向開口部、即ち計量弁ステムの側壁の開口部であってもよい。噴射剤出口開口部/端は、分注位置で弁本体の第2軸方向端壁によって閉塞されるようになっていてもよい。例えば、噴射剤出口開口部/端は、分注位置では弁本体の第2軸方向端壁の第2計量弁ステム孔の中に位置決めされてもよい。
【0089】
噴射剤入口開口部/端は、(計量弁本体の外に)計量ステム弁の第2軸方向端部分内に設けられている。噴射剤入口開口部は、半径方向開口部、即ち計量弁ステムの第2軸方向端部分の側壁に提供されている開口部であってもよい。噴射剤入口開口部/端は、噴射剤出口開口部/端よりも、計量弁ステムの第2軸方向端部分の軸方向端面に近接して設けられるだろう。噴射剤入口開口部/端は、(製品路の)製品出口よりも、計量弁ステムの第2軸方向端部分の軸方向端面から遠くに設けられるだろう。
【0090】
噴射剤路は、計量弁ステムを通って/計量弁ステムに沿って、噴射剤入口開口部/端から噴射剤出口開口部/端へ軸方向に延びている。噴射剤路の軸方向延長は、噴射剤計量室の軸方向延長より小さく、噴射剤路の軸方向延長より小さい。
【0091】
噴射剤路は、計量弁ステムの中を/計量弁ステムに沿って、製品路の一部分に平行し隣接して軸方向に延びている。
【0092】
使用時に噴射剤がキャニスターの中から計量弁ステムを通って/介して噴射剤路経由で噴射剤計量路に進入することができるように、充填位置では、噴射剤路と噴射剤計量室の間に流体連通が提供される。充填位置では、噴射剤出口開口部/端は、噴射剤計量室の中に位置決めされるのに対し、噴射剤入口開口部/端は噴射剤計量室/計量弁本体の外に留まる。
【0093】
計量弁ステムは、更に、噴射剤計量室の中を延びている噴射剤計量室フランジ(例えば環状フランジ)又は突出部を備えていてもよい。噴射剤計量室フランジ/突出部は、充填位置では(噴射剤計量室側で)弁本体の中間壁に対する当接によって、計量弁ステムの軸方向運動を制限する働きをする。充填位置では、それは更に、(噴射剤計量室側で)弁本体の中間壁の中間計量弁ステム孔を封止する手助けをし、ひいては噴射剤計量室と製品計量室の間の流体連通を阻止する手助けをする。噴射剤計量室フランジ/突出部は、更に、弾性部材のための座を提供していてもよい。弾性部材は噴射剤計量室の中で噴射剤計量室フランジと弁本体の第2軸方向端壁の間に保持されていてもよい。
【0094】
計量弁ステムは、更に、計量弁ステムが分注位置にあるときに噴射剤計量室を製品計量室に流体接続する、軸方向に延びる接続路を含んでいてもよい。
【0095】
幾つかの実施形態では、接続路は計量弁ステムの中で半径方向入口開口部と半径方向出口開口部(どちらも計量弁ステムの側壁に設けられている)の間を軸方向に延びる管状導管であってもよい。
【0096】
他の実施形態では、接続路は計量弁ステムに沿って入口端と出口端の間を軸方向に延びる溝/陥凹であってもよい。
【0097】
分注位置では、接続路の入口開口部/端は噴射剤計量室の中に位置決めされ、接続路の出口開口部/端は製品計量室の中に位置決めされる。
【0098】
充填位置では、接続路、例えば接続路の入口開口部/端は噴射剤計量室から隔離され、例えば弁本体の中間壁と整列され(及び中間壁によって閉塞され)、つまり接続路の入口開口部/端は中間計量弁ステム孔の中に位置決めされることになるわけである。他の実施形態では、充填位置では、接続路の入口開口部/端は製品計量室の中に位置決めされ、したがって噴射剤計量室から隔離される。
【0099】
幾つかの実施形態では、接続路の一部分は製品路に平行し隣接して延びていてもよい。製品出口は接続路と半径方向に整列されていてもよい。幾つかの実施形態では、製品出口は接続路の中央軸方向端部分と整列され、つまり、製品出口は半径方向に接続路の入口開口部/端と出口開口部/端の間に介在してもよいということである。他の実施形態では、製品出口は半径方向に接続路の入口開口部/端と整列されている。
【0100】
計量弁ステムは、更に、製品計量室の中を延びている製品計量室フランジ(例えば環状フランジ)又は突出部を備えていてもよい。製品計量室フランジ/突出部は、充填位置では弁本体の第1軸方向端壁に対する当接によって、計量弁ステムの軸方向運動を制限する働きをする。充填位置では、それは更に、弁本体の第1軸方向端壁の第1計量弁ステム孔を封止する手助けをし、ひいては製品計量室と分注ノズル/大気の間の流体連通を阻止する手助けをする。製品計量室フランジ/突出部は、更に、弾性部材のための座を提供していてもよい。弾性部材は製品計量室の中で製品計量室フランジと弁本体の中間壁の間に保持されていてもよい。
【0101】
接続路は、製品計量室フランジと噴射剤計量室フランジの間に介在する計量弁ステム上に/計量弁ステムを貫いて設けられている。製品出口は、製品計量室フランジと噴射剤計量室フランジの間に介在する計量弁ステム上に設けられている。
【0102】
幾つかの実施形態では、分注ノズルは側面ポート及び軸方向端面ポートを有する中空管である。充填位置では、側面ポートと軸方向端面ポートのどちらもが製品計量室から隔離され、その結果、製品計量室と分注ノズルの間に流体連通は無い。
【0103】
幾つかの実施形態では、充填位置では、側面ポートと軸方向端面ポートのどちらもが製品計量室/計量弁本体の外に位置付けられる。これらの実施形態では、側面ポートは製品計量室フランジよりも軸方向端面ポートに近接しており、つまり、側面ポートと軸方向端面ポートの間の間隔は製品計量室フランジと軸方向端面ポートの間の間隔より小さいということである。
【0104】
他の実施形態では、側面ポートは充填位置では閉塞される。これらの実施形態では、中間壁には製品計量室の中を軸方向に延びている閉塞壁が設けられ、充填位置では閉塞壁が側面ポートと整列され、その結果、側面ポートが閉塞されるようになっていてもよい。閉塞壁は全体的又は部分的に管状の壁であってもよく、例えば製品計量室の中で分注ノズル/計量弁ステムを全体的又は部分的に包囲していてもよい。閉塞壁は中間壁から分離していてもよいし、又は中間壁と一体であってもよい。閉塞壁は少なくとも1つの半径方向開口を備えている。
【0105】
これらの実施形態では、側面ポートは製品計量室フランジよりも軸方向端面ポートから遠く、つまり側面ポートと軸方向端面ポートの間の間隔は製品フランジと軸方向端面ポートの間の間隔よりも大きいということである。他の言い方をするなら、製品計量室フランジは軸方向ポートと側面ポートの間に介在するということである。
【0106】
分注位置では、側面ポートは製品計量質の中に位置付けられ、その結果、製品計量質と分注ノズル(大気へ脱気する)の軸方向端面ポートの間に流体連通が存在する。製品計量室内で計量弁に閉塞壁が提供されている場合、側面ポートは分注位置では閉塞壁の少なくとも1つの半径方向開口の1つと整列され、その結果、製品計量室からの製品(及び噴射剤計量室から接続路経由で運ばれる噴射剤)は閉塞壁の半径方向開口を介して分注ノズルに進入することができる。
【0107】
閉塞壁の高さ/軸方向延長は、分注位置で製品計量室フランジ/突出部が閉鎖壁に当接するように選択されてもよい。
【0108】
製品計量室内で計量弁に閉塞壁が設けられ、閉塞壁が接続路の出口開口部/端の位置で計量弁ステムを包囲する場合は、分注位置での接続路と製品計量室の間の流体連通を可能にするために閉塞壁には少なくとも1つの更なる半径方向開口が設けられる。
【0109】
分注ノズルの側面ポート及び接続路の出口開口部/端は計量弁ステム上で直径方向に互いに反対側にあってもよい。この事例で閉塞壁が設けられる場合、閉塞壁は計量弁ステムを包囲し且つ互いに反対側の半径方向開口を有する管状閉塞壁とすることができる。半径方向開口は直径方向に互いに反対側とすることができる。
【0110】
要約すると、好適な実施形態では、充填位置で、
製品路/製品出口開口部は閉塞されず、製品計量室と流体連通にあり、その結果、製品は製品路を通って製品計量室を充填するように流れ、
噴射剤路/噴射剤出口開口部/端は閉塞されず、噴射剤計量室と流体連通にあり、その結果、噴射剤は噴射剤路を通って噴射剤計量室を充填するように流れ、
弁本体の第1軸方向端壁の第1計量弁ステム孔は、分注ノズルによって、及び製品計量室フランジ/突出部が弁体の第1軸方向端壁に当接することによって、封鎖/封止され、
弁本体の中間壁の中間計量弁ステム孔は、計量弁ステムによって、及び噴射剤計量室フランジ/突出部が(噴射剤計量室側で)弁本体の中間壁に当接することによって、封鎖/封止され、
接続路の入口開口部/端は、例えば弁本体の中間壁による閉塞の結果として又は製品計量室の中に位置決めされることによって、噴射剤計量室から隔離され、その結果、噴射剤計量室からの当該路を通る流れは無く、及び、
分注ノズルの側面ポートは、例えば製品計量室の外に(計量弁本体の外に)位置決めされることによって又は閉塞壁による閉塞の結果として、製品計量室から隔離され、その結果、分注ノズルを通る製品/噴射剤の流れは無い、
ということである。
【0111】
分注位置では、計量弁ステムは計量弁本体の中へと動き、その結果、好適な実施形態では、
製品路/製品出口は、例えば弁本体の中間壁による閉塞の結果として、又は噴射剤計量室の中に位置決めされることによって、製品計量室から隔離され、
噴射剤路/噴射剤出口開口部/端は、閉塞され又は噴射剤計量室から隔離され、
弁本体の第1軸方向端壁の第1計量弁ステム孔は分注ノズルによって封鎖/封止されるが、製品計量室フランジ/突出部は弁本体の第1軸方向端壁から退座し(及び閉塞壁が存在する場合は閉塞壁に当接することになり)、
噴射剤計量室フランジ/突出部は(噴射剤計量室側で)弁本体の中間壁から退座し、
接続路の入口開口部/端は噴射剤計量室の中に位置決めされ、その結果、噴射剤計量室から当該路を通り製品計量室に入る流れが存在し、及び、
分注ノズルの側面ポートは製品計量室の中に(計量弁本体の中に)あり、閉塞されず、その結果、分注ノズルを通って軸方向端面ポートを介して大気へ向かう製品/噴射剤の流れが存在する。
【0112】
第4の態様では、本発明は、製品の計量された用量を分注するための計量弁を備えており、弁は、
噴射剤入口を有する噴射剤計量室及び製品入口を有する製品計量室を備える計量弁本体と、
分注ノズル、噴射剤入口プラグ、及び製品入口プラグを有する計量弁ステムと、を備え、
計量弁ステムは計量弁本体の中を分注位置へ可動であり、分注位置では、
噴射剤入口は噴射剤入口プラグによって封止され、製品入口は製品入口プラグによって封止され、
製品と噴射剤との計量された用量がキャニスターから分注されることができるように、噴射剤計量室及び製品計量室は分注ノズルを介して大気と流体連通にあり、及び、
製品入口は分注ノズルの出口と製品計量室の間に位置決めされる。
【0113】
分注ノズルを介して大気と流体連通する別々の噴射剤計量室と製品計量室を備える計量弁本体を有する計量弁を提供することによって、計量弁本体(ひいてはキャニスター)を出てゆく製品及び噴射剤の一定した比を提供することが可能となり、その結果、エアロゾル化製品の粒子サイズの制御が最適化される。
【0114】
また、分注ノズルの出口と製品計量室の間に入口を設けることによって、製品計量室は、計量弁が直立構成にある場合、例えば分注ノズルが製品計量室より上に配置されている場合には、重力によって充満することができる。したがって製品貯留部は加圧下に維持される必要が無い。
【0115】
第4の態様の随意的特徴をこれより説明する。
【0116】
噴射剤計量室及び製品計量室は円筒状であってもよく、例えば計量弁の円筒状外面によって規定される円筒状であってもよい。噴射剤計量室は、製品の一回用量を送達するのに適する噴射剤の既定分量を保持するサイズとすることができる。例えば、製品計量室は10マイクロリットルから50マイクロリットルの間の体積を有していてもよい。製品計量室対噴射剤計量室の相対体積比は約1:100であるのが望ましい。したがって、噴射剤計量室は1000マイクロリットルから5000マイクロリットルの間の体積を有していてもよい。
【0117】
噴射剤入口プラグ及び製品入口プラグは、それぞれ、製品入口及び噴射剤入口を封止するためのOリングを備えていてもよい。製品入口プラグは噴射剤入口プラグと分注ノズルの間に提供されていてもよい。
【0118】
噴射剤計量室と製品計量室は分注位置では互いと流体連通するようになっていてもよい。このやり方では、噴射剤と製品は同時に分注されることができる。
【0119】
計量弁ステムは、計量弁本体の中で分注位置と充填位置の間を可動であってもよく、使用時に噴射剤が噴射剤入口を介して噴射剤計量室に進入することができるように及び/又は製品が製品入口を介して製品計量室に進入することができるように、充填位置では、製品入口と噴射剤入口の少なくとも一方が開かれ、噴射剤計量室と製品計量室の間に流体連通は阻止され、計量弁本体と大気の間に流体連通は阻止される。
【0120】
計量弁ステムは、弾性部材である例えばコイルばねによって、少なくとも1つの充填位置へ向けて付勢されていてもよい。弾性部材は製品計量室内に提供されていてもよいし又は噴射剤計量室内に提供されていてもよい。それは製品計量室/噴射剤計量室内の計量弁ステムを取り巻いていてもよい。
【0121】
使用時に噴射剤が噴射剤入口を介して噴射剤計量室に進入することができ且つ製品が製品入口を介して製品計量室に進入することができるように、充填位置では、噴射剤入口と製品入口の両方が開かれるようになっていてもよい。
【0122】
計量弁ステムは、噴射剤計量室及び製品計量室の中を、それの第1軸方向端の噴射剤入口プラグ(噴射剤計量室の中)からそれの第2軸方向端の分注ノズル(製品計量室に隣接)まで延びている。製品入口プラグは噴射剤入口プラグと分注ノズルの間に介在する。
【0123】
計量弁は円筒状であってもよい。例えば、計量弁本体及び計量弁ステムは、それぞれ、実質的に円筒状をしていて計量弁ステムの直径が計量弁本体のそれよりも小さくなっていてもよい。したがって計量弁ステムは計量弁本体の中に嵌る。
【0124】
噴射剤計量室と製品計量室は、計量弁本体の介在壁、例えば噴射剤計量室と製品計量室の間に介在する壁、によって分離されていてもよい。介在壁は計量弁ステムを受け入れるためのステム孔を備えていてもよい。ステム孔は計量ステムの周りにシールを形成する寸法とすることができる。例えば、計量弁ステムの外面が介入壁の内面に封止式に係合する、例えばステム孔に封止式に係合するようになっていてもよい。ステム孔は計量弁ステムの周りを封止するのを支援するためのガスケットを備えていてもよい。
【0125】
分注ノズルは、計量弁ステムが分注位置にあるときに、製品計量室を大気と流体接続するようになっていてもよい。
【0126】
分注ノズルは、側面ポート及び軸方向端面ポートを有する中空管を備えていてもよい。分注位置では、製品計量室と分注ノズルの軸方向端面ポートの間に流体連通が存在するように側面ポートは製品計量室の中に位置付けられるようになっていてもよい。充填位置では、製品計量室と分注ノズルの間に流体連通が存在しないように側面ポートと軸方向端面ポートの両方が製品計量室から隔離されるようになっていてもよい。例えば、側面ポートは充填位置では一例としてOリングによって閉塞されるようになっていてもよい。
【0127】
計量弁ステムは、更に、計量弁ステムが分注位置にあるときに、噴射剤計量室を製品計量室へ流体接続する接続路を備えていてもよい。接続路は製品計量室内に出口を有している。
【0128】
接続路は充填位置では閉塞され、例えば製品計量室と噴射剤計量室の間の流体連通を阻止するようになっていてもよい。
【0129】
したがって、分注位置では噴射剤計量室は接続路、製品計量室、及び分注ノズルを介して大気と流体連通することができる。
【0130】
接続路は計量弁ステムの一部分の中で半径方向入口開口部(例えば噴射剤計量室との連通用)と半径方向出口開口部(例えば製品計量室との連通用)の間を軸方向に延びていてもよい。半径方向入口開口部と半径方向出口開口部の少なくとも一方は充填位置では閉塞される。
【0131】
充填位置では、半径方向入口開口部は例えば少なくとも1つのOリングによって噴射剤計量室から隔離され、その結果、噴射剤計量室と製品計量室の間に流体連通は無い。
【0132】
噴射剤入口は、分注ノズルの出口から遠位の計量弁本体の第1軸方向端に配置されていてもよい。
【0133】
噴射剤入口は噴射剤計量室の第1軸方向端に提供されていてもよい。介在壁は、噴射剤計量室の第2(反対側の)軸方向端に設けられていてもよい。噴射剤入口と介在壁のステム孔は軸方向に相互整列されていてもよい。
【0134】
充填位置では、噴射剤は噴射剤入口を通って噴射剤計量室に進入することができる。分注位置では、噴射剤入口は計量弁ステムの噴射剤入口プラグによって封止される。
【0135】
製品計量室は製品入口を備えている。製品入口は、製品計量室の第1軸方向端に、計量弁本体の少なくとも1つの側路との流体連通のための製品開口部を備えていていてもよい。製品計量室は、更に、第2の反対側の軸方向端にステム孔/介在壁を備えていてもよい。製品開口部とステム孔は軸方向に相互整列されていてもよい。
【0136】
製品入口は製品開口部と少なくとも1つの側路を備えていてもよい。
【0137】
一部の実施形態では、製品計量室の第1軸方向端は、分注ノズル孔、例えば計量弁ステムの分注ノズルを受け入れるための孔を含んでいてもよい。分注ノズルの外面と分注ノズル孔の間にギャップが提供されていてもよい。ギャップは、少なくとも1つの側路との流体連通のための製品開口部を提供していてもよい。
【0138】
充填位置では、製品は製品入口を通って製品計量室に進入することができる。分注位置では、製品入口は製品入口プラグ例えばOリングによって封止される。製品入口プラグは製品開口部と製品路の間の接面にて製品入口を封止することができる。他の言い方をするなら、製品路は分注位置では閉塞/封止されるようになっていてもよいということである。
【0139】
製品開口部と噴射剤入口とステム孔は全て軸方向に相互整列されているのが望ましい。
【0140】
第5の態様では、本発明は、第3の態様による計量弁を備え付けられた第1の態様によるキャニスターを備える製品分注器、を備えている。計量弁はキャニスターの開口部へ備え付けられていてもよい。計量弁本体は開口部に封止式に係合していてもよい。計量弁は、例えば計量弁の本体を開口部へ冷間溶接することによって、キャニスターへ取り付けられていてもよい。
【0141】
第5の態様の更なる随意的特徴をこれより説明する。
【0142】
計量弁は低圧室内に提供されていてもよい。
【0143】
計量弁は低圧室内に提供されていて、噴射剤計量室は気化した噴射剤(例えば気化した二酸化炭素)を含有するヘッドスペースと流体連通にあり、製品計量室は製品と流体連通にある。
【0144】
計量弁ステムの第2端部分はヘッドスペースを通って延びていて、製品入口は製品の中に配置されていてもよい。代わりに、計量弁ステムの第2軸方向端部分の軸方向端面へ備え付けられた管状延長部が、第2軸方向端部分の軸方向端の表面から低圧室の下端壁近くまで延びるのに十分な軸方向長さを有していてもよい。
【0145】
噴射剤入口開口部/端は低圧室内のヘッドスペースの中に位置決めされるだろう。
【0146】
第6の態様では、本発明は、第4の態様による計量弁を備え付けられた第2の態様によるキャニスターを備える製品分注器、を備えている。計量弁は隔壁の開口部及び製品貯留部の開口部へ備え付けられることができる。計量弁は開口部に封止式に係合していてもよい。計量弁は、例えば計量弁の本体をそれら開口部へ冷間溶接することによって、キャニスターへ取り付けられていてもよい。
【0147】
第6の態様の更なる随意的な特徴をこれより説明する。
【0148】
望ましくは、計量弁の噴射剤入口はキャニスターの噴射剤室と流体連通にあり、計量弁の製品入口は(少なくとも充填位置では)キャニスターの製品貯留部と流体連通にある。
【0149】
低圧室と製品貯留部は互いから流体的に隔離されていてもよい。製品貯留部は圧力調整弁から流体的に隔離されていてもよい。したがって、製品貯留部はベース圧力にて製品を充填されることができる。既定圧力はベース圧力より高いとされてもよい。
【0150】
これより添付図面を参照しながら発明の実施形態を一例として説明してゆく。
【図面の簡単な説明】
【0151】
図1】圧力調整弁が閉位置にある状態のエアロゾルキャニスターの第1の実施形態を示している。
図2】圧力調整弁が開位置にある状態の第1の実施形態を示している。
図3】分注位置にある本発明の第3の態様による計量弁の第1の実施形態を示している。
図4】充填位置にある図3の計量弁を示している。
図5】分注位置にある本発明の第3の態様による計量弁の第2の実施形態を示している。
図6】充填位置にある図5の計量弁を示している。
図7】圧力調整弁が閉位置にある状態の第2の態様によるキャニスターの或る実施形態を示している。
図8】圧力調整弁が開位置にある状態の図7のキャニスターを示している。
図9】充填位置にある第4の態様による計量弁の或る実施形態を示している。
図10】分注位置にある図9の計量弁を示している。
【発明を実施するための形態】
【0152】
図1及び図2は、アルミニウムハウジング2の中に収容されているエアロゾルキャニスター1を示している。
【0153】
キャニスター1は、16g(12g-100g)の液化二酸化炭素を収容している高圧二酸化炭素キャニスターである高圧室3を備えている。その様な高圧二酸化炭素キャニスターはLeland Gases社(米国)から手に入れることができる。高圧室3の中の圧力は約6000kPa-7000kPaである。
【0154】
キャニスター1は、更に、低圧室4を備えており、低圧室4は、
a)ピレトリン又はピレスロイド(タイプI又はタイプII)殺虫剤及び共力剤(エタノール中に溶解/懸濁又は乳化させたピペロニルブトキシド又はN-オクチルビ-シクロヘプテンディカルボキシミド)、
b)エタノール中に溶解/懸濁又は乳化させた個人用防臭剤調合物、又は、
c)エタノール中に溶解/懸濁又は乳化させた消臭剤調合物、
を収容している。
【0155】
低圧室4の中のヘッドスペース5はガス状二酸化炭素を収容している。低圧室5の中の目標既定圧力は大気圧より上であり約300kPaである。
【0156】
低圧室4はそれの上端に計量弁7を受け入れるための開口部6を有している。計量弁は図3及び図4により詳しく示されている。キャニスター1はハウジング2の中にハウジング2の蓋部分8によって封止されている。
【0157】
低圧室4は、計量弁7の圧着前に製品を充填されることもできるし、計量弁7を通して充填されることもできる。どちらの選択肢も現在の実践である。高圧室への接続前の低圧弁の中に製品を封止するために多孔質フリット46が提供されている。
【0158】
キャニスター1は、更に、高圧室3と低圧室4の間に介在する圧力調整弁9を備えている。
【0159】
低圧室4は、圧力調整弁9と高圧室3の接続後にヘッドスペース5を充填するために二酸化炭素でプライムされる。
【0160】
圧力調整弁9は、低圧室4内の圧力が既定圧力より下に降下したときに高圧室3から低圧室4への流れ経路を提供するように適合されている。
【0161】
圧力調整弁9によって高圧室4と低圧室3へ分けられているキャニスター1を提供することによって、現在使用されているVOCに比べ環境への影響が小さい二酸化炭素の様な噴射剤を使用することが可能になる。
【0162】
2つの室3、4及び圧力調整弁9は、以下に論じられている様に、製品(例えば、殺虫剤、消臭剤、又は防臭剤)の一定した流れが維持されるように、低圧室4内の圧力がキャニスター1の耐用年数を通じて一定に保たれることを確約する。
【0163】
圧力調整弁9は高圧室3の上端と低圧室4の下端の間に介在する。これは既知のエアロゾルキャニスターの外形と同様の細長い外形を有するキャニスター1をもたらす。
【0164】
圧力調整弁9は機械式弁であり、即ち、それは何らかの電気信号に応えてというのではなく低圧室内の圧力降下の結果として弁構成要素に及ぶ力の変化に応えて動作するのである。
【0165】
圧力調整弁9はスキューバダイビング機材で使用されている様なディマンド弁に類似している。
【0166】
低圧室内の圧力が既定圧力値より下に落ちると、圧力調整弁9は、高圧室3から低圧室5への流れ経路が存在する開位置(図2に示す)へ向けて押し進められる。圧力調整弁9は、低圧室4内の圧力が既定圧力に(又はそれより上に)なると閉位置(図1に示す)へと押し進められる。以下に論じられている様に、圧力調整弁の寸法は既定圧力での弁の運動を実現するべく入念に選択されている。
【0167】
一部の随意的な実施形態では、圧力調整弁へ付勢を加えるためにばね10が提供されていてもよい。図1及び図2にはばね10が描かれている。但し、以下で明らかになる様にばねは必須ではない。コイルばね10のばね定数は、圧力調整弁9が閉位置へ動く低圧室内の既定圧力を制御するように選択されればよい。
【0168】
低圧室4内の圧力が(キャニスター1から殺虫剤の用量を放出させた結果として)既定圧力より下に降下するや、圧力調整弁9は高圧室内の二酸化炭素の圧力によって(及び随意的には上述のばねによって)開くように強いられ、その結果、高圧室5からの液化二酸化炭素は低圧室4の中のヘッド空間5へ流入しその中で気化し、やがて低圧室4内の圧力がもう一度既定圧力に一致すると、圧力調整弁9は再び閉じるように強いられる。
【0169】
圧力調整弁9は、高圧端壁12と低圧端壁13によって画定される弁本体の中を可動である管状弁ステム11を備えている。各端壁12、13はそれぞれの高/低圧室3、4との連通のための少なくとも1つの開口部14、15を有している。低圧端壁13の開口部15は、ガス(二酸化炭素)には透過性であるが製品溶液/懸濁液/乳濁液には透過性でない多孔質フリット46によって封止されている。
【0170】
管状弁ステム11は高圧端と低圧端を有している。
【0171】
図1に示されている閉位置では、高圧端は、低圧室4内の圧力によって、高圧端壁12によって画定される弁座に押し付けて封止されるので、高圧室3から管状弁ステム11を通る流れは阻止される。
【0172】
図2に示されている開位置では、キャニスターの作動から生じる低圧室4内の圧力降下が、高圧端を(高圧室内の圧力に因り)弁座/高圧端壁12から離れて動けるようにし、その結果、液化二酸化炭素は高圧室3から管状弁ステム11を通り低圧室4の中へ弁本体の低圧端壁13の開口部15を通って流入することができる。
【0173】
これは、低圧室4の中の圧力を増加させ、やがて既定圧力に達したら圧力調整弁は閉位置へ押し戻される。
【0174】
管状弁ステム11の低圧端には、環状ステムフランジ16がその外周縁周りのシール又はガスケット45と共に設けられている。ステムフランジ16は、低圧室4内の圧力が圧力調整弁9を図1に示されている閉位置(管状弁ステム11の高圧端が弁本体の高圧端壁12によって画定される弁座に押し当てて保持される状態)へ押し進めるために働きかけることのできる表面を提供している。
【0175】
ステムフランジ16は、ステム11の低圧端にステム11の高圧端より広い表面積を与える。これは圧力調整弁の動作にとって不可欠である。ステムの低圧端の表面積(即ちステムフランジの面積)を入念に選択することによって、低圧室内の二酸化炭素噴射剤によって低圧端へ加えられる力F=PA(ここに、F=力、P=圧力、及びA=面積)が、低圧室内で既定圧力に達した(即ち低圧室が高圧室からの噴射剤で充満することによる)ときのみ弁を閉じさせることになるのである。
【0176】
例えば、高圧室が6000kPaの圧力を有していて、低圧室内の既定/目標圧力が300kPaであるなら、ステムの低圧端のステムフランジ16の面積は、ステム11の高圧端の表面積より20倍広くなくてはならない。そうすると、低圧室内の圧力が300kPaより上に上昇し次第、低圧室内の二酸化炭素は、高圧室内の二酸化炭素によってステム11の高圧端へ及ぶ力より大きい力をステムフランジ16へ及ぼすことになる。圧力調整弁はそれによって閉じ位置へ押し進められる。
【0177】
ひとたび低圧室内の圧力が、例えばキャニスターから殺虫剤製品を分注することによって、300kPaより下に再び降下したら、環状ステムフランジ16は図2に示されている様に低圧端壁13へ向けて押し進められそれに当接する。圧力調整弁はこうして開位置へ押し戻される。
【0178】
高圧室及び低圧室内の二酸化炭素によって及ぼされる力を補完するためにコイルばね10が提供される場合、それは高圧端壁12近くの弁本体の側壁から垂れ下がってステムフランジ16と環状弁本体フランジ17の間に付着される。コイルばね10は図1に示されている閉位置では2つのフランジ16と17の間で圧縮される。コイルばね10は管状弁ステム11を取り巻いている。
【0179】
弁本体の側壁は、弁の作動中の中空弁ステムフランジ16と弁本体フランジ17の間に画定される体積の変化に適応するために、弁本体フランジ17と低圧端壁13の間に(大気への)脱気孔18、18’を備えている。
【0180】
脱気孔18、18’は、それらが常に弁ステムフランジ16の高圧側になるように位置決めされる。管状弁ステム11が開位置へ動いてゆくと、空気は脱気孔18、18’を通して引かれることになる。管状弁ステム11が閉位置へ動くにつれ、空気は脱気孔18、18’を通して押し出されてゆく。これらの脱気孔は、開位置と閉位置の間の運動が極微である多くの実施形態では必要ないかもしれない。
【0181】
以上に論じられている様に、高圧室3、低圧室4、及び圧力調整弁9の配列は、低圧室4内の圧力が既定圧力より下に降下したときに、高圧室3からの液体二酸化炭素の流れ及び気化によって、一定した圧力が低圧室4の中に維持されることを確約する。低圧室内のこの一定した圧力は、殺虫剤/消臭剤/防臭剤の一定した用量が毎回送達されることを確約する。
【0182】
図3及び図4は、本発明の第3の態様による計量弁7の第1の実施形態の断面を示している。
【0183】
計量弁7は、第1の態様によるキャニスター1の低圧室4の開口部6に提供されている。低圧室4は、製品19のエタノール懸濁液/溶液/乳濁液とヘッドスペース5内のガス状二酸化炭素を収容している。
【0184】
計量弁7は、中間壁26によって噴射剤計量室21と製品計量室22へ分けられている計量弁本体20を備えている。製品計量室22は中間壁26と弁本体の第1軸方向端壁29によって画定されている。噴射剤計量室21は中間壁26と弁本体の第2軸方向端壁27によって画定されている。
【0185】
計量弁7は、更に、計量弁本体20の中に収納されていてその第1軸方向端に分注ノズル24を有している円筒状計量弁ステム23を備えている。分注ノズル24は製品計量室22から延びている。計量弁ステム23は、噴射剤計量室21から延びる反対側の第2軸方向端部分25を有している。
【0186】
弁本体20の第1軸方向端壁29は、計量弁ステム23の分注ノズル24を受け入れるための第1計量弁ステム孔28を備えていて、分注ノズル24は弁本体20から弁本体20の第1軸方向端壁29を貫いて延びている。
【0187】
中間壁26は計量弁ステムを受け入れるための中間計量弁ステム孔28’を備えている。
【0188】
弁本体20の第2軸方向端壁27は、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25を受け入れるための第2計量弁ステム孔28’’を備えていて、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25は弁本体20から弁本体20の第2軸方向端壁27を貫いて延びている。
【0189】
計量弁ステム孔28、28’、28’’は、噴射剤/製品の計量弁ステム孔28、28’、28’’を通る漏出を防止するために計量弁ステム23の周りにシールを形成する寸法である。計量弁ステム孔28、28’、28’’は、それぞれ、計量弁ステム23周りの封止を支援するための各個のガスケット又はOリング(図示せず)を備えていてもよい。
【0190】
噴射剤計量室21は管状及び円筒状である。噴射剤計量室21は、製品の一回用量を送達するのに適した噴射剤の既定分量を保持するサイズである。噴射剤計量室21は1000マイクロリットルから10000マイクロリットルの間の体積、例えば2500マイクロリットルの体積を有していてもよい。
【0191】
製品計量室22は管状及び円筒状である。それは殺虫剤の既定分量を保持するサイズである。製品計量室22は25マイクロリットルから100マイクロリットルの間の体積を有していてもよい。
【0192】
製品計量室22対噴射剤計量室21の相対体積比は約1:100である。
【0193】
計量弁ステム23は、噴射剤計量室21及び製品計量室22の中を、製品計量室22から延びるそれの第1軸方向端の分注ノズル24から、噴射剤計量室21から延びる第2軸方向端部分25即ち計量弁本体20の外にある計量弁ステム23の第2軸方向端部分25まで、延びている。
【0194】
計量弁ステム23は、製品路30を備えていて、製品路30は計量弁ステム23の中で製品路30の第1軸方向端の製品出口31と計量弁ステム23の第2軸方向端部分25内の製品路30の第2軸方向端の製品入口32の間を軸方向に延びている。
【0195】
製品出口31は計量弁ステム23の側壁の半径方向開口部である。
【0196】
製品入口32は、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25内に(計量弁本体20の外に)設けられている。製品入口32は、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25の軸方向端面33に設けられている。軸方向製品入口32は計量弁ステム25の第2軸方向端部分25の軸方向端面33の中心からオフセットされている。
【0197】
製品路30は計量弁ステム23(噴射剤計量室21の中)を貫いて軸方向製品入口32から半径方向製品出口31まで軸方向に延びている。製品路30の軸方向延長は噴射剤計量室21の軸方向延長より大きい。
【0198】
計量弁ステム23は、更に、第2軸方向端部分25の軸方向端面33での接続によって第2軸方向端部分25へ備え付けられた管状延長部34(例えば可撓性管状延長部)を備えていてもよい。これは図1及び図2に示されている。管状延長部34は製品路30と流体連通にある。
【0199】
計量弁は導管を備える噴射剤路35を有しており、噴射剤路35は、計量弁ステム23の中で噴射剤路(導管)35の第1軸方向端の噴射剤出口開口部36と計量弁ステム23の第2軸方向端部分25内の噴射剤路(導管)35の第2軸方向端の噴射剤入口開口部37の間を軸方向に延びている。
【0200】
噴射剤出口開口部36は計量弁ステムの側壁の半径方向開口部である。
【0201】
噴射剤入口開口部37は、(計量弁本体20の外に)計量ステム弁23の第2軸方向端部分25に設けられている。噴射剤出口開口部36は計量弁ステム23の第2軸方向端部分25の側壁に設けられている半径方向開口部である。噴射剤入口開口部37は、噴射剤出口開口部36よりも、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25の軸方向端面33に近接している(つまり、噴射剤入口開口部37と第2軸方向端部分25の軸方向端面33の間の間隔は噴射剤出口開口部36と軸方向端面33の間の間隔より小さいのである)。噴射剤入口開口部37は、製品入口32よりも、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25の軸方向端面33から遠くに設けられるだろう(即ち、噴射剤入口開口部37と第2軸方向端部分25の軸方向端面33の間の間隔は、製品入口32と軸方向端面33の間の間隔より大きい――この特定の実施形態では、製品入口は実際に軸方向端面33に設けられている)。
【0202】
噴射剤路(導管)35は、計量弁ステム23を貫いて半径方向噴射剤入口開口部37から半径方向噴射剤出口開口部36まで軸方向に延びている。噴射剤路(導管)35の軸方向延長は、噴射剤計量室21の軸方向延長より小さく、噴射剤路30の軸方向延長より小さい。
【0203】
噴射剤路(導管)35は、計量弁ステム23の中を製品路30の一部分に平行し隣接して軸方向に延びている。
【0204】
計量弁ステム23は、更に、半径方向入口開口部39及び半径方向出口開口部40(どちらも計量弁ステム23の側壁に設けられている)を有する軸方向に延びる導管を備える接続路38を含んでいる。
【0205】
接続路(導管)38の一部分は製品路30に平行し隣接して延びている。製品出口31は接続路(導管)38の中央軸方向端部分と半径方向に整列され、つまり、製品出口31は半径方向に接続路(導管)38の入口開口部39と出口開口部40の間に介在するのである。
【0206】
分注ノズル24は、側面ポート41と軸方向端面ポート42を有する中空管である。
【0207】
計量弁ステム23は、更に、噴射剤計量室21の中を延びる環状噴射剤計量室フランジ43を備えている。噴射剤計量室21の中には噴射剤計量室フランジ43と弁本体20の第2軸方向端壁27の間にコイルばね44が保持されている。それは噴射剤計量室21内で計量弁ステム23を取り巻いている。
【0208】
計量弁ステム23は、更に、製品計量室22の中を延びている環状製品計量室フランジ49を備えている。
【0209】
計量弁ステム23は計量弁本体20の中を分注位置(図3に示す)へ可動であり、分注位置では製品路30と製品計量室22の間に流体連通は無い。製品路30と製品計量室22の間の流体連通は、製品出口31の閉塞によって実現される製品路30の閉塞によって阻止される。半径方向製品出口31は、弁本体の中間壁26と整列され(及び中間壁26によって閉塞され)、即ち製品出口31は中間計量弁ステム孔28’の中に位置決めされる。
【0210】
図3に示されている分注位置では、噴射剤路(導管35)と噴射剤計量室21の間の流体連通は阻止される。噴射剤路(導管)35と噴射剤計量室21の間の流体連通は、噴射剤出口開口部36の噴射剤計量室21からの隔離によって実現されるところの噴射剤路(導管)35の噴射剤計量室21からの隔離によって阻止される。分注位置では、噴射剤出口開口部36は噴射剤計量室21(及び計量弁本体20)の外に位置決めされる。
【0211】
図3に示されている分注位置では、製品及び噴射剤の計量された用量が計量弁本体20から分注されることができるように噴射剤計量室21及び製品計量室22は計量弁ステム23の分注ノズル24を介して大気と流体連通にある。分注位置では、製品計量室22と分注ノズル24の軸方向端面ポート42(大気へ脱気する)の間に流体連通が無いように分注ノズル24の側面ポート41は製品計量室22の中に位置付けられる。
【0212】
接続路(導管)38は、計量弁ステム23が分注位置にあるときは噴射剤計量室21を製品計量室22に流体接続する。接続路(導管)38の半径方向入口開口部39は噴射剤計量室21の中に位置決めされ、接続路(導管)38の半径方向出口開口部40は製品計量室22の中に位置決めされる。このやり方では、噴射剤計量室21は製品計量室22を介して分注ノズル24と流体連通にあり、噴射剤と製品は同時に分注されることができる。
【0213】
要約すると、図3に示されている分注位置では、
製品路30/製品出口31は弁本体20の中間壁26によって閉塞され、故に製品路30と製品計量室22の間の流体連通は阻止され、
噴射剤路(導管)35/噴射剤出口開口部36は噴射剤計量室21から隔離され、故に噴射剤路(導管)35と噴射剤計量室21の間の流体連通は阻止され、
弁本体の第1軸方向端壁29の第1計量弁ステム孔28は分注ノズル24によって封鎖/封止されるが、製品計量室フランジ49は弁本体20の第1軸方向端壁29から退座し、
噴射剤計量室フランジ43は(噴射剤計量室側で)弁本体20の中間壁26から退座し、
接続路(導管)38の入口開口部39は噴射剤計量室21の中に位置決めされ、その結果、噴射剤計量室21から接続路(導管)38を通って製品計量室22へ入る噴射剤の流れが存在し、及び、
分注ノズル24の側面ポート41は製品計量室22の中に(弁本体の中に)あり、その結果、分注ノズル24を通り軸方向端面ポート42を介して大気へ向かう製品/噴射剤の流れが存在する、
ということである。
【0214】
計量弁ステム23は計量弁本体20の中で分注位置と充填位置(図4に示す)の間で可動であり、充填位置では、製品が計量弁ステム23を通って製品路30経由で製品計量室22に進入することができるように製品路30と製品計量室22の間に流体連通がもたらされる。製品路30は閉塞されず、製品出口31は製品計量室22の中に位置付けられる。
【0215】
充填位置では、噴射剤が計量弁ステム23を通って噴射剤路(導管)35経由で噴射剤計量室21に進入することができるように噴射剤路(導管)35と噴射剤計量室(21)の間にも流体連通がもたらされる。噴射剤出口開口部36は噴射剤計量室21の中に位置決めされるのに対し、噴射剤入口開口部37は噴射剤計量室21/計量弁本体20の外に留まる。
【0216】
充填位置では、噴射剤計量室21と製品計量室22は、分注位置で両室21、22から分注ノズルを介して大気へ分注するための準備として、計量弁ステム23を通してそれぞれ噴射剤及び製品で充満する。
【0217】
図4に示されている充填位置では、噴射剤計量室21と製品計量室22の間に流体連通は無い。接続路(導管)38の半径方向入口開口部39は弁本体20の中間壁26と整列され(及び中間壁26によって閉塞され)、つまり、接続路(導管)38の入口開口部39は中間計量弁ステム孔28’の中に位置付けられるのである。
【0218】
図4に示されている充填位置では、計量弁本体20と大気の間に連通は無い。分注ノズル24の側面ポート41と軸方向端面ポート42のどちらもが製品計量室22/計量弁本体20の外に位置付けられる。
【0219】
噴射剤計量室フランジ43は、充填位置では噴射剤計量室21側で中間壁26への当接によって計量弁ステム23の軸方向運動を制限する働きをする。それは更に、弁本体20の中間壁26の中間計量弁ステム孔28’を封止する手助けをし、ひいては噴射剤計量室21と製品計量室22の間の流体連通を阻止する手助けをする。
【0220】
製品計量室フランジ49は、充填位置では弁本体20の第1軸方向端壁29への当接によって計量弁ステム23の軸方向運動を制限する働きをする。それは更に、弁本体20の第1軸方向端壁29の第1計量弁ステム孔28を封止する手助けをし、ひいては製品計量室22と分注ノズル24/大気の間の流体連通を阻止する手助けをする。
【0221】
要約すると、図4に示されている充填位置では、
製品路30/製品出口31は閉塞されず、その結果、製品は製品路30を通って製品計量室22を充填するように流れ、
噴射剤路(導管)35/噴射剤出口開口部36は噴射剤計量室21と(噴射剤計量室21の中の噴射剤出口開口部36と)流体連通にあり、その結果、噴射剤は噴射剤路(導管)35を通って噴射剤計量室21を充填するように流れ、
弁本体20の第1軸方向端壁29の第1計量弁ステム孔28は、分注ノズル24によって、及び製品計量室フランジ49が弁本体20の第1軸方向端壁29に当接することによって、封鎖/封止され、
弁本体20の中間壁26の中間計量弁ステム孔28’は、計量弁ステム23によって、及び(噴射剤計量室側で)噴射剤計量室フランジ43が中間壁26に当接することによって、封鎖/封止され、
接続路(導管)38の入口開口部39は、弁本体の中間壁26によって閉塞され、その結果、噴射剤計量室21から接続路(導管)38を通る流れは無く、及び、
分注ノズル24の側面ポート41は製品計量室22の外(計量弁本体20の外)にあり、その結果、分注ノズル24を通る製品/噴射剤の流れは無い、
ということである。
【0222】
図5及び図6は、本発明の第3の態様による計量弁7の第2の実施形態の断面を示している。
【0223】
計量弁の第2の実施形態の多くの特徴は、図3及び図4に示されている第1の実施形態について説明されている通りであり、したがって共通の符号が使用されている。両実施形態に共通の特徴は以下で繰り返し説明されることはない。
【0224】
計量弁7は、中間壁26によって噴射剤計量室21と製品計量室22へ分けられている計量弁本体20を備えている。中間壁26は、側面ポート41の近傍に、計量弁ステム23の分注ノズル24を包囲して軸方向に延びる管状閉塞壁47を備えている。管状閉塞壁47は第1半径方向開口48と直径方向に反対側の第2半径方向開口48’を備えている。
【0225】
計量弁は、陥凹を備える噴射剤路35’を有していて、噴射剤路35’は、計量弁ステム23の表面に沿って、噴射剤路(陥凹)35’の第1軸方向端の噴射剤出口端36’と、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25の、噴射剤路(陥凹)35’の第2軸方向端の噴射剤入口端37との間を軸方向に延びている。
【0226】
噴射剤入口端37’は、(計量弁本体20の外に)計量ステム弁23の第2軸方向端部分25に設けられている。噴射剤入口端37’は、噴射剤出口端36’よりも、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25の軸方向端面33に近接している(つまり、噴射剤入口端37’と第2軸方向端部分25の軸方向端面33の間の間隔は噴射剤出口端36’と軸方向端面33の間の間隔より小さいのである)。噴射剤入口端37’は、製品入口32よりも、計量弁ステム23の第2軸方向端部分25の軸方向端面33から遠くに提供されることになるだろう(即ち、噴射剤入口端37と第2軸方向端部分25の軸方向端面33の間の間隔は、製品入口32と軸方向端面33の間の間隔より大きい――この特定の実施形態では、製品入口は実際に軸方向端面33に設けられている)。
【0227】
噴射路(陥凹)35’は、計量弁ステム23の表面に沿って、半径方向噴射剤入口端37’から半径方向噴射剤出口端36’へ軸方向に延びている。噴射剤路(陥凹)35’の軸方向延長は、噴射剤計量室21の軸方向延長より小さく、噴射剤路30の軸方向延長より小さい。
【0228】
噴射剤路(陥凹)35’は、計量弁ステム23に沿って、製品路30の一部分に平行し隣接して軸方向に延びている。
【0229】
計量弁ステム23は、更に、計量弁ステム23に沿って、入口端39’と出口端40’の間を軸方向に延びる陥凹を備えている軸方向に延びる接続路(陥凹)38’を含んでいる。
【0230】
製品出口31は、半径方向に接続路(陥凹)38’と整列され、接続路(陥凹)38’の入口端39’に対し直径方向反対側にある。
【0231】
計量弁ステム23は計量弁本体20の中で、製品路30と製品計量室22の間に流体連通の無い分注位置(図5に示す)へ可動である。製品路30と製品計量室22の間の流体連通は、製品出口31を噴射剤計量室21の中に位置決めすることによって実現されるところの製品路30の製品計量室22からの隔離によって阻止される。
【0232】
図5に示されている分注位置では、噴射剤路(陥凹)35’と噴射剤計量室21の間の流体連通は阻止される。噴射剤路(陥凹)35’と噴射剤計量室21の間の流体連通は、噴射剤出口端36’の噴射剤計量室21からの隔離によって実現されるところの噴射剤路(陥凹)35’の噴射剤計量室21からの隔離によって阻止される。分注位置では、噴射剤出口端36’は噴射剤計量室21(及び計量弁本体20)の外に位置決めされる。
【0233】
図5に示されている分注位置では、製品及び噴射剤の計量された用量が計量弁本体20から分注されることができるように、噴射剤計量室21及び製品計量室22は計量弁ステム23の分注ノズル24を介して大気と流体連通にある。分注位置では、製品計量室22と分注ノズル24の軸方向端面ポート42(大気へ脱気する)の間に流体連通が存在するように、分注ノズル24の側面ポート41は管状閉塞壁47を貫く第1半径方向開口48と整列される。
【0234】
計量弁ステム23が分注位置にあるとき、接続路(陥凹)38’は噴射剤計量室21を製品計量室22へ流体接続する。接続路(陥凹)38’の入口端39’は噴射剤計量室21の中に位置決めされ、接続路(陥凹)38’の出口端40’は管状閉塞壁47を貫く第2半径方向開口48’と整列され製品計量室22の中に位置決めされる。このやり方では、噴射剤計量室21は製品計量室22を介して分注ノズル24と流体連通にあり、噴射剤と製品は同時に分注されることができる。
【0235】
要約すると、図5に示されている分注位置では、
製品路30/製品出口31は製品計量室22から隔離され、噴射剤計量室21の中に位置決めされるので、製品路30と製品計量室22の間の流体連通は阻止され、
噴射剤路(陥凹)35’/噴射剤出口端36’は噴射剤計量室21から隔離されるので、噴射剤路(陥凹)35’と噴射剤計量室21の間の流体連通は阻止され、
弁本体の第1軸方向端壁29の第1計量弁ステム孔28は分注ノズル24によって封鎖/封止されるが、製品計量室フランジ49は弁本体20の第1軸方向壁29から退座し閉塞壁47に当接し、
噴射剤計量室フランジ43は(噴射剤計量室側で)弁本体20の中間壁26から退座し、
接続路(陥凹)38’の入口端39’は噴射剤計量室21の中に位置決めされ、出口端40’は閉塞壁47を貫く第2半径方向開口48’と整列され、その結果、噴射剤計量室21から接続路(陥凹)38’を通って製品計量室22へ入る噴射剤の流れが存在し、及び、
分注ノズル24の側面ポート41は閉塞壁47を貫く第1半径方向開口48と整列され、その結果、分注ノズル24を通り軸方向端面ポート42を介して大気へ向かう製品/噴射剤の流れが存在する、
ということである。
【0236】
計量弁ステム23は計量弁本体20の中で分注位置と充填位置(図6に示す)の間を可動であり、充填位置では、製品が計量弁ステム23を通って製品路30経由で製品計量室22に進入することができるように製品路30と製品計量室22の間に流体連通が提供される。製品出口31は製品計量室22の中に位置決めされる。
【0237】
充填位置では、噴射剤が噴射剤路(陥凹)35’経由で噴射剤計量室21に進入することができるように噴射剤路(陥凹)35’と噴射剤計量室21の間にも流体連通が提供される。噴射剤出口端36’は噴射剤計量室21の中に位置決めされるのに対し、噴射剤入口端37’は噴射剤計量路21/計量弁本体20の外に留まる。
【0238】
充填位置では、噴射剤計量室21及び製品計量室22は、分注位置で両室21、22から分注ノズル24を介して大気へ分注するための準備として、計量弁ステム23を通してそれぞれ噴射剤及び製品で充満する。
【0239】
図6に示されている充填位置では、噴射剤計量室21と製品計量室22の間に流体連通は無い。接続路(陥凹)38’の入口端39’は、製品計量室22の中(閉塞壁47の中)に位置決めされることによって噴射剤計量室21から隔離される。
【0240】
要約すると、図6の充填位置では、
製品路30/製品出口31は、製品出口が製品計量室22の中で閉塞壁47を貫く第1半径方向開口48と整列された状態で閉塞されず、その結果、製品は製品路30を通って製品計量室22を充填するように流れ、
噴射剤路(陥凹)35’/噴射剤出口端36’は噴射剤計量室21と(噴射剤計量室21の中の噴射剤出口端36’と)流体連通にあり、その結果、噴射剤は噴射剤路(陥凹)35’を通って噴射剤計量室21を充填するように流れ、
弁本体20の第1軸方向端壁29の第1計量弁ステム孔28は、分注ノズル24によって、及び製品計量室フランジ49が弁本体20の第1軸方向端壁29に当接することによって、封鎖/封止され、
弁本体20の中間壁26の中間計量弁ステム孔28’は、計量弁ステム23によって、及び(噴射剤計量室側で)噴射剤計量室フランジ43が中間壁26に当接することによって、封鎖/封止され、
接続路(陥凹)38’の入口端39’は、製品計量室22の中に位置決めされることによって噴射剤計量室21から隔離され、その結果、噴射剤計量室21から接続路(陥凹)38’を通る噴射剤の流れは無く、及び、
分注ノズル24の側面ポート41は、閉塞壁47による閉塞の結果として製品計量室21から隔離され、その結果、分注ノズル24を通る製品/噴射剤の流れは無い、
ということである。
【0241】
図7及び図8は、本発明の第2の態様によるキャニスター1’の或る実施形態を示しており、圧力調整弁9はそれぞれ開位置と閉位置にある。図7及び図8のキャニスターの特徴が図1及び図2のキャニスターに示されているものと同じである場合、同じ符号が使用されている。他の言い方をするなら、圧力調整弁9は、図1及び図2の圧力調整弁9と同一であり、まさに同じやり方で動作するわけである。
【0242】
但し、圧力調整弁の低圧側50の構成は異なっており以下に解説されている。
【0243】
図示の様に、キャニスター1’の低圧側50は、2つの室――ガス状噴射剤を収容するための低圧室52と、高圧室3に比べると同じく低圧である、製品を収容するための製品貯留部54――へ分割されている。実際に、製品貯留部54は、低圧室52の既定圧力よりも低いベース圧力に維持される。典型的には、製品貯留部内の製品は大凡大気圧に維持されていてもよい。
【0244】
低圧室52は、図1及び図2の低圧室5とまさに同じやり方で高圧室3と相互作用する。
【0245】
隔壁56が低圧室52を製品貯留部54から分離している。使用時、キャニスターは分注弁7と一体に組み立てられる。図示の様に、分注弁7は隔壁56の開口部58及び上壁62の開口部60それぞれに受け入れられる。
【0246】
隔壁56の開口部58及び上壁62の開口部60は分注弁7の外面に対して封止される寸法である。こうして、分注弁は製品貯留部54がキャニスター1’の噴射剤室52内の噴射剤と混合するのを防ぐ。これは、噴射剤と製品が不混和性である場合及び/又は製品と噴射剤が組み合わされると比較的不安定である場合に特に好都合である。
【0247】
噴射剤と製品は、それらが各自の室52、54から分注弁7に進入した後にしか互いと接触することはできない。使用される分注弁は図9及び図10に示されている計量弁であってもよい。
【0248】
図9及び図10は本発明の第4の態様による計量弁の或る実施形態を、充填位置と分注位置でそれぞれ示している。
【0249】
計量弁ステム74はコイルばね(図示せず)によって図9の充填位置へ付勢される。計量弁ステム74は、ばねの力に打ち勝つのに十分な力の印加によって、例えば使用者が分注ノズル94をキャニスターの中へ押し下げることによって、分注位置へ可動である。
【0250】
計量弁70は、基本的に、円筒状弁ステム74が納められている円筒状計量弁本体72を備えている。
【0251】
計量弁本体72は、噴射剤が噴射剤計量室86へ流入できるようにするための計量弁本体72の軸方向端に配置されている噴射剤入口76と、製品が製品計量室84へ流入できるようにするための製品入口78を含んでおり、製品入口は側路80を含んでいる。分離壁82が製品計量室84を噴射剤計量室86から分離している。計量弁ステム74はガスケット(図示せず)の提供によって分離壁82の内面に対して封止されており、その結果、分離壁82と計量弁ステム74の間に実質的に流体が通過できる隙間は無い。
【0252】
製品入口78は、図7及び図8の製品貯留部54と流体連通にある。噴射剤入口76は、図7及び図8の噴射剤室52と流体連通にある。また、隔壁56の開口部58は計量弁本体72に対して封止され、上壁62の開口部60は計量弁本体72に対して封止される。
【0253】
実践では、キャニスター1’と計量弁70が別々の部品として組み立て工場へ供給される。次いで、計量弁70がキャニスターへ備え付けられるのと同時に製品貯留部54が製品を充填される。計量弁70は、有効なシールを確約するように開口部58、60へ冷間溶接される。
【0254】
キャニスターの第2のキャニスター隔壁88が対応する開口部90と共に図9に示されている。隔壁56と隔壁88はそれらの間に空の空間92を画定している。第2の隔壁88は以下で明らかになる理由で提供されている。
【0255】
計量弁ステム74は、分注ノズル/ホース94を側面ポート98及び軸方向端面ポート96と共に含み、接続路100を半径方向入口開口部102及び半径方向出口開口部104と共に含んでいる。
【0256】
図9に示されている充填位置では、接続路100の半径方向入口開口部102はOリング106によって噴射剤計量室から封止/閉塞される。こうして、分注位置にある間は、噴射剤計量室86と製品計量室84の間を流体は流れることができない。また、分注ノズル94の側面ポート98はOリング108によって製品貯留部54及び製品計量室84から封止/閉塞される。こうして、充填位置では製品も噴射剤も計量弁70を出てゆくことができず、噴射剤は製品貯留部に進入することができない。
【0257】
この充填位置では、噴射剤は低圧室52から開いた噴射剤入口76を介して噴射剤計量室86へ流入し、製品は製品貯留部54から製品入口78を介して製品計量室84へ流入する。したがって、2つの計量室は、製品計量室と噴射剤計量室のそれぞれのサイズによって規定される分量まで製品及び噴射剤で充満する。
【0258】
噴射剤が噴射剤計量室86へ流入してゆくにつれ、噴射剤室52内の圧力は既定圧力より下に落ちてゆく。故にキャニスター1’の圧力調整弁が開いて、低圧室内に既定圧力が再確立されるまで噴射剤を高圧室3から低圧室52へ流入させようとする(既定圧力が再確立された時点で圧力調整弁は再び閉じることになる)。
【0259】
実際に、充填位置では、製品及び噴射剤の計量分量が計量弁によって測定される。実践では計量室84、86を製品及び噴射剤で充填するプロセスはほんの一瞬しかかからない。
【0260】
図9に示されている様に、製品入口78の側路80は隔壁88の真上に(即ち、分注ノズル94の軸方向出口96と同じ隔壁側で隔壁に隣接して)配置されており、製品計量室84はというと側路80の真下に配置されている。したがって、製品貯留部54内の製品のレベルが低くなっていっても、計量弁ステム74が充填位置にあるとき製品はなおも重力下に製品計量室84へ流入してゆくはずである。故に、図9及び図10の実施形態は、示されている直立構成で使用されるように構成されており、したがって製品貯留部内の製品は加圧下に維持される必要はない。
【0261】
製品計量室84と噴射剤計量室86が製品及び噴射剤でそれぞれ充填されたら、計量弁は次いで、計量弁本体72の中での計量弁ステム74の並進運動によって図10に示されている分注構成へと動かされることができる。
【0262】
図10は、分注構成にある計量弁を示している。
【0263】
分注構成では、例えば分注ノズル94へ力を加えることによって、計量弁ステム74は充填位置に対比して計量弁本体72の中へ押圧される。
【0264】
分注位置では、噴射剤入口プラグ(Oリング)110が噴射剤入口76を封止/閉塞するので、噴射剤は噴射剤室52と噴射剤計量室86の間を流れることはできない。同様に、製品入口プラグ(Oリング)108が製品入口78を封止/閉塞するので、製品は製品貯留部54と製品計量室84の間を流れることはできない。
【0265】
同時に、接続路100の半径方向入口102は噴射剤計量室86へ開かれ、接続路100の半径方向出口104は製品計量室84へ開かれ、分注ノズル94の側面ポート98は製品貯留部84へ開かれる。
【0266】
したがって、噴射剤(当初は既定圧力にある)は、接続路100経由で製品貯留部84の中へと進み、引き続き製品計量室84を通って分注ノズル94に入り、最終的に軸方向端面ポート96から大気へ出てゆく。噴射剤は、製品計量室84を通過してゆく際、製品を噴射剤と共に勢いよく流すので、製品は加圧下に分注ノズルから分注されるよう仕向けられる。
【0267】
好都合にも、製品と噴射剤は、それらが分注ノズルを出てゆく間際にしか、即ち出てゆく数ミリ秒前にしか、互いと出会わない。これは、噴射剤と製品が不混和性である場合及び/又は製品と噴射剤が組み合わされると比較的不安定である場合に特に好都合である。
【0268】
製品及び噴射剤が分注されてしまえば、計量弁ステム74はコイルばね(今回は図示)の力の下に充填位置へ戻されてゆき、製品計量室84と噴射剤計量室86はもう一度充満することができる。
【0269】
上述の例としての実施形態に関連付けて発明を説明してきたが、この開示が与えられたからには当業者には多くの同等の修正型及び変形型が自明であろう。したがって、以上に提示されている発明の例としての実施形態は、例示であり制限を課すものではないと考えられる。説明されている実施形態に対する様々な変更が、発明の範囲から逸脱することなくなされ得る。
【0270】
例えば、図3及び図4に示されている計量弁の導管噴射剤路及び/又は導管接続路は図5及び図6に示されている陥凹路と置換されることもできる(その逆も然り)。図5及び図6に示されている計量弁の分注ノズル構造及び閉塞壁は図3図4の弁で使用されることもできる(その逆も然り)。
【符号の説明】
【0271】
1、1’ エアロゾルキャニスター
2 アルミニウムハウジング
3 高圧室
4 低圧室
5 ヘッドスペース
6 開口部
7 計量弁
8 蓋部分
9 圧力調整弁
10 ばね
11 管状弁ステム
12 高圧端壁
13 低圧端壁
14、15 開口部
16 環状ステムフランジ
17 弁本体フランジ
18、18’ 脱気口
19 製品
20 計量弁本体
21 噴射剤計量室
22 製品計量室
23 計量弁ステム
24 分注ノズル
25 軸方向端部分
26 中間壁
27 第2軸方向端壁
28 第1計量弁ステム孔
28’ 中間計量弁ステム孔
28’’ 第2計量弁ステム孔
29 第1軸方向端壁
30 製品路
31 製品出口
32 製品入口
33 軸方向端面
34 管状延長部
35 噴射剤路(導管)
35’ 噴射剤路(陥凹)
36 噴射剤出口開口部
36’ 噴射剤出口端
37 噴射剤入口開口部
37’ 噴射剤入口端
38 接続路(導管)
38’ 接続路(陥凹)
39 半径方向入口開口部
39’ 入口端
40 半径方向出口開口部
40’ 出口端
41 側面ポート
42 軸方向端面ポート
43 噴射剤計量室フランジ
44 コイルばね
45 シール又はガスケット
46 多孔質フリット
47 閉塞壁
48 第1半径方向開口
48’ 第2半径方向開口
49 製品計量室フランジ
50 低圧側
52 低圧室
54 製品貯留部
56 隔壁
58 開口部
60 開口部
62 上壁
70 計量弁
72 計量弁本体
74 計量弁ステム
76 噴射剤入口
78 製品入口
80 側路
82 分離壁
84 製品計量室
86 噴射剤計量室
88 第2の隔壁
90 開口部
92 空の空間
94 分注ノズル
96 軸方向端面ポート
98 側面ポート
100 接続路
102 半径方向入口開口部
104 半径方向出口開口部
106 Oリング
108 製品入口プラグ(Oリング)
110 噴射剤入口プラグ(Oリング)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10