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特許7093366アルカロイド含有材料をキャスティングするための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】アルカロイド含有材料をキャスティングするための方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
A24B3/14
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019555631
(86)(22)【出願日】2018-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 EP2018063220
(87)【国際公開番号】W WO2018211119
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】17171980.0
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】クリステン パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼット フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ボルロ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】スアレス リュシアン
(72)【発明者】
【氏名】リシャール ヤン
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/096963(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/096750(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/050471(WO,A1)
【文献】特公昭48-005919(JP,B1)
【文献】米国特許第3261893(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカロイドを含有する材料のシートをキャストするための方法であって、前記方法が、
- 開口部を有する容器を提供することと、
- キャスティングブレードを提供することと、
- 前記容器の前記開口部の下に延びる移動可能な支持体を提供することと、
- 前記容器をスラリーで充填することと、
- 前記キャスティングブレードによって前記アルカロイドを含有するたばこ材料のシートを前記移動可能な支持体上にキャストすることと、
- 前記移動可能な支持体の高さの変化を感知することであって、前記移動可能な支持体の前記高さの変化を感知することが、感知表面を前記移動可能な支持体と接触するよう配置することを含む、感知することと、
- こうした前記移動可能な支持体の前記高さの変化が存在する場合に、前記キャスティングブレードの高さを変更することと、を含む、方法。
【請求項2】
・ 基準平面に対して前記キャスティングブレードの高さを選択することと、
・ 前記基準平面に対して前記キャスティングブレードの下に配置される前記移動可能な支持体の一部分の高さを選択することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャスティングブレードが先端を含み、前記キャスティングブレードの高さを感知することまたは前記キャスティングブレードの高さを選択することが、前記キャスティングブレードの先端の高さを感知することまたは前記キャスティングブレードの前記先端の高さを選択することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
二つの感知表面を、前記キャストシートの二つの向かい合った側面における前記移動可能な支持体上に配置することを含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
- ローラーによって前記開口部の下の前記移動可能な支持体を並進移動させることと、
- 前記容器を前記ローラーの上部に配置することと、を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記キャスティングブレードを前記容器に隣接して提供することが、前記キャスティングブレードに、前記ローラーの最上点と約5°~約10°からなる角度を形成する先端を提供することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記キャスティングブレードの前記先端の高さを変更することが、
- 前記移動可能な支持体の高さの変化に対する信号をモーターに送信することと、
- 前記受信した信号に応じて、前記モーターによって前記キャスティングブレードの前記先端を上昇または下降させることと、を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
- 前記移動可能な支持体の高さの変動を感知する前記工程に対して、前記キャスティングブレードの前記先端の高さを変更する前記工程を遅延させること、を含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
感知支持表面を前記移動可能な支持体と接触するよう配置することが、感知支持表面を前記移動可能な支持体の移動方向に前記キャスティングブレードの下流に配置することを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
感知支持体を前記キャスティングブレードの下流に配置することが、前記感知支持表面を、前記ローラーの最上点と約15°~約30°からなる角度で配置することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
- 前記感知表面によって前記移動可能な支持体上に力を加えることを含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
- 所望の感度に応じて前記力の値を変化させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
- 前記キャストシートを乾燥することを含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
- 前記キャストシートをボビンに巻き取ることを含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカロイド含有材料をキャストするための方法に関する。
【0002】
一般的に、複数の要素は一般的に、エアロゾル形成基体およびフィルター要素を含む。フィルターおよびエアロゾル形成基体のうちの一方または両方は、ロッドを通る気流を提供するための複数のチャネルを備えてもよい。
【0003】
今日では、たばこ製品の製造において、たばこ葉の他に均質化したたばこ材料も使用される。この均質化したたばこ材料は一般的に、カットフィラーの製造にあまり適していないたばこ植物の部分(例えば、たばこ茎またはたばこダスト)から製造される。一般に、たばこダストは製造中にたばこ葉の取り扱いの間に副産物として作り出される。
【0004】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、たばこダストと結合剤を混合してスラリーを形成する工程を含む。次にスラリーは、例えばいわゆるキャストリーフを製造するために、粘性のあるスラリーを、移動する金属ベルトの上へとキャスティングすることによって、たばこウェブを作り出すために使用される。別の方法として、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ含水量が高いスラリーを製紙と似たプロセスで使用することができる。調製されると、紙巻たばこおよび他の喫煙物品のために適切なたばこカットフィラーを製造するための葉たばこと類似した様式で、均質化したたばこウェブを切断してもよい。このような均質化したたばこを作成するプロセスは、例えば、欧州特許第EP0565360号に開示されている。
【0005】
「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成するがたばこ材料の燃焼を防止するために、比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこ材料中に存在するたばこは、一般にたばこのみであるか、または大部分がこのような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこ材料中に存在するたばこを含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成が実質的に均質化したたばこ材料のみに基づくことを意味する。従って、例えば、エアロゾルの味わいの制御のためには、均質化したたばこ材料の組成にわたる良好な制御を有することが重要である。
【0006】
例えば、スラリーの濃度、粘度、繊維のサイズ、粒度、湿気または経時などのスラリーの物理的特性の変化によって、均質化したたばこのウェブのキャスティング中に、標準的なキャスティング方法およびキャスティング装置が、支持体上のスラリーのアプリケーションに意図しない変化をもたらす場合がある。最適に満たないキャスティング方法およびキャスティング装置は、均質化したたばこのキャストウェブの不均質性および欠陥につながる可能性がある。
【0007】
均質化したたばこウェブの不均質性は、エアロゾル発生物品の製造において、均質化したたばこウェブのその後の取扱いに困難をもたらす恐れがある。例えば、不均質性により、均質化したたばこのウェブの製造またはその後の均質化したたばこのウェブの処理中に、ウェブの引き裂きまたはウェブの破裂がもたらされる場合がある。これはまた、例えば、機械の停止および不注意な浪費の創出を招きうる。さらに、不均質なたばこウェブは、同一の均質化したたばこウェブから製造されたエアロゾル発生物品間で意図しないエアロゾル送達において差異を作り出す場合がある。
【0008】
また、非最適、準最適、または変化するウェブの厚さは、捲縮工程などの以下の製造工程に悪影響を与える可能性があり、捲縮した材料シートからロッドに浸透する空気への物質の放出を悪化させるだけでなく、RTD値に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0009】
材料シートは、そのブレードが垂直平面に保持され、かつその切断端が実質的に水平に保持されているキャスティングナイフを使用してキャストされてもよい。さらに、キャスティングナイフは、一般的にはコンベヤーベルトの形態の移動可能な支持体の移動方向と直角を成して配置される。キャスティングナイフは、キャスティングナイフの各々の側に一つある、ポールを使用して定位置に保持される。材料シートは、移動可能な支持体の表面およびキャスティングナイフによって画定される細片様の開口部を有するたばこ含有スラリー貯蔵部(キャスティングボックスとも呼ばれる)から形成される。材料シートの厚さは、ブレードの切断端と移動可能な支持体の表面との間の距離によって決定される。材料シートの最終的な厚さは、固体状の材料シートへのスラリーの乾燥に起因して、「初期の厚さ」とは異なりうる。
【0010】
この状況における問題は、スラリーが広がっている移動可能な支持体の表面の正確な位置が変化しうることである。一例として、これは、特に移動可能な支持体がコンベヤーベルトである場合に、移動可能な支持体の垂れ下がりに起因しうる。これを回避するために、スラリーは一般的には、移動可能な支持体が支持ローラーによって支持される領域内で移動可能な支持体上に広がる。しかしながら、移動可能な支持体の変形に起因して、支持ローラーの半径の変化に起因して(実際には摩耗によるものであって異常ではない)、支持ローラーの一定の偏芯に起因して、またはこれらおよびその他の効果に起因して、高さのいくらかの変化が生じる場合がある。
【0011】
こうした変化は、材料のキャストシートの約20ミクロンまたは約30ミクロンのわずかな変化であっても、最終消費者の体験に顕著な影響を有しうるため、問題をもたらす。これは、エアロゾル発生物品用のロッドに向けた連続的な製造工程のための材料のキャストウェブの厚さの影響を考慮する場合に特に当てはまる。
【0012】
より均質な厚さであり、したがって材料シートの厚さに直接的または間接的に関連するエアロゾル発生物品の特性の均質性が改善された材料シートを有することを可能にする、好ましくはエアロゾル発生物品用の、均質化したたばこ材料のシートをキャスティングするための方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0013】
本発明の第一の態様によれば、本発明は、アルカロイド含有材料のシートをキャストするための方法に関連し、該方法は、開口部を有する容器を提供し、キャスティングブレードを提供し、容器の開口部の下に延びる移動可能な支持体を提供し、容器をスラリーで充填し、キャスティングブレードによってアルカロイドを含有する材料シートを移動可能な支持体上にキャスティングし、移動可能な支持体の高さの変化を感知し、そして、こうした移動可能な支持体の変化が存在する場合に、キャスティングブレードの高さを変更することを含む。
【0014】
この提案を使用することで、アルカロイドを含有する材料シートの厚さがより均質となりうる。特に、こうした移動可能な支持体の高さの変化が存在する場合に、移動可能な支持体の高さの変化を感知し、結果としてキャスティングブレード、例えば、その先端の高さを変更することで、アルカロイドを含有する材料のキャストシートの厚さの均質性が増大しうる。より均一な厚さを有するアルカロイドを含有する材料シートを有することで、以下の捲縮および集合などの製造工程もより正確に行われうる。したがって、消費者の体験が著しくより均質となりうる(特に、RTD、吸入されうるエアロゾル中の揮発性化合物の含有量等であるが、必ずしもこれらに限定されない)。
【0015】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。
【0016】
本明細書で使用される「均質化したたばこ材料シート」という用語は、最初は液体様、粘性またはペースト状であり、十分に乾燥すると機械的に安定して自立する、均質化したたばこ材料の薄い層を意味する。
【0017】
本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を意味する。均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で約5パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有しうる。均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で、約5~約50重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよく、約15~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。シートは、たばこまたはその他の植物由来材料を含有しうる。植物由来材料はアルカロイドを含有することが好ましい。アルカロイドはニコチンを含むことがより好ましい。
【0018】
従って、均質化したたばこ材料は、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を包含する。本発明では、均質化したたばこのシートまたはウェブは、例えば、たばこ葉ラミナ、たばこ葉茎またはそれらのブレンドを粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成される。
【0019】
さらに、均質化したたばこ材料は、たばこの処理、取り扱い、および発送の間に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0020】
均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の茎の一方または両方を粉砕またはその他の方法で細かく砕くことによって得られる粒子状のたばこを凝集させることによって形成されうるか、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱いおよび輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状のたばこ副産物の一つ以上を含みうる。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはその組み合わせを含みうるが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成剤、湿潤剤、可塑剤、風味剤、フィラー、水性および非水系の溶剤およびその組み合わせを含むが限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0021】
本明細書で使用される「容器」という用語は、任意に形成された貯蔵部、好ましくはスラリーなどの液体様またはペースト状の物質の中間貯蔵および特に開口部に向けた供給を意味する。容器は、容器内に含まれる物質を開口部に向けて搬送するための任意の搬送装置を含んでもよく、含まなくてもよい。
【0022】
本明細書で使用される「開口部」という用語は、スラリーなどの液体様、粘性またはペースト状の物質の通路のために提供される単一または複数の任意のタイプの開口部を意味する。開口部は、比較的長い長さおよび比較的小さな高さの長方形の形状を有しうる。
【0023】
本明細書で使用される「キャスティングブレード」という用語は、その長軸方向延長部の主要部分に沿って本質的に一定の断面を有しうる長軸方向の形状を有する要素を意味する。これは、スラリーなどの、ペースト状、粘性または液体様の物質と接触することが意図される少なくとも一つの、好ましくは直線状の端を示し、物質は、該端によって影響を受ける。前記端は鋭利なナイフ様の端を有してもよい。別の方法として、前記端は長方形または丸みのある端を有してもよい。
【0024】
本明細書で使用される「移動可能な支持体」という用語は、少なくとも一つの長軸方向に移動することができる表面を含む任意の手段を意味する。移動可能な支持体は、閉ループを形成して、一方向に途切れない搬送能力を提供しうる。ただし、移動可能な支持体は前後移動でも移動しうる。移動可能な支持体は、コンベヤーベルトを含みうる。移動可能な支持体は本質的に平坦であってもよく、構造化された表面または非構造化された表面を示してもよい。移動可能な支持体は、その表面に開口部を示さない場合があり、またはコンベヤーベルトと併用されるスラリーを通すサイズのオリフィスのみを示す場合がある。移動可能な支持体は、シート様の移動可能かつ曲げることができるバンドを含みうる。バンドは、鋼、銅、鉄合金および銅合金、またはゴム材料を含むがこれらに限定されない金属材料で作製されうる。バンドは、加熱されるとスラリーの乾燥プロセスを加速させることができるように、耐温性材料で作製されてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「基準水平面」という用語は、水平方向に配置され、基準として使用される平面を意味する。実際に存在する平面と同一であってもよく、または完全に架空であってもよい。
【0026】
本明細書で使用される「水平面」という用語は、材料シートをキャスティングするための装置の主要シャーシによって画定され、様々な部分が使用される(主要シャーシによって画定されたそれぞれの平面は少なくともいくらか地球の表面に対する水平面に似ている)平面に少なくとも本質的に平行な平面に関連する場合がある。別の方法として、水平面は、地球の表面に対して水平である平面に対して本質的に平行な平面としうる。水平と垂直の両方の定義は、装置の意図された整列に関連しうるが、ここで装置は通常の基部上で動作することを意図する。
【0027】
本明細書で使用される「基準平面に対する高さ」という用語は、基準平面に対して垂直な方向における基準平面に対するそれぞれの装置のさらに画定された部分の距離を意味する。
【0028】
本明細書で使用される「キャスティングブレードの先端」という用語は、キャスティング開口部の境界周囲の一部を形成するキャスティングブレードの端を意味する。通常、キャスティングブレードの先端は、キャスティングブレードの下側または開口部の上側に配置される。
【0029】
本明細書で使用される「先端の下に配置される移動可能な支持体の一部分」という用語は、キャスティングブレードの先端と移動可能な支持体の表面との間の最小距離が生じる仮想線を意味する。
【0030】
本明細書で使用される「スラリー」という用語は、スラリーがなおも少なくとも開口部の近くで液体様、粘性またはペースト状の挙動を示す場合に、異なる液体様、粘性またはペースト状の材料の乳濁液を含みうる液体様、粘性またはペースト状の材料を意味する。
【0031】
本明細書で使用される「高さの変化を感知する」という用語は、直接的または間接的な機械的接触、センサー手段を使用する感知、音反射、超音波反射、光反射、電波反射、および誘導効果でありうる反射効果による感知を含むがこれらに限定されない任意のタイプの感知を意味する。変化を感知することは、絶対値の感知、および相対変化の感知を含みうる。
【0032】
本明細書で使用される「高さを変更する」という用語は、直接的または間接的な機械的伝送、センサー装置を使用する伝送および装置起動、および好ましくはプログラム可能な電気コントローラによる入力信号の処理を含むが、これらに限定されない高さの任意の変化を意味する。高さの変更は、信号感知に基づいて、時間遅延により、またはルックアヘッドアルゴリズムにより直接行われうる。
【0033】
「アルカロイド含有材料」または「アルカロイドを含有する材料」は等価な表現であり、一つ以上のアルカロイドを含む材料を意味する。アルカロイドの中で、ニコチンが好ましいアルカロイドであり、これはたばこ中に見出されうる。
【0034】
アルカロイドは、主に塩基性の窒素原子を含有する天然の化合物の群である。この群はまた、中性、およびさらに弱酸性特性を有するいくつかの関連する化合物も含む。類似の構造の一部の合成化合物もアルカロイドと呼ばれる。炭素、水素および窒素に加えて、アルカロイドは酸素、硫黄、および、より稀に、塩素、臭素、およびリンなどのその他の要素も含みうる。
【0035】
アルカロイドは、細菌、真菌、植物、および動物を含む多種多様な生物体によって生成される。これらは、これらの生物体の粗抽出物から酸塩基抽出によって精製されうる。カフェイン、ニコチン、テオブロミン、アトロピン、ツボクラリンがアルカロイドの例である。
【0036】
均質化したたばこシートはアルカロイド含有シートである。
【0037】
均質化したたばこ材料などのアルカロイド含有材料は、スラリーを得るために様々な成分を水と混合することによって形成される。その後の工程では、均質化した材料の連続ウェブが、スラリーを支持体上にキャスティングすることによって連続して支持体上に生成される。結果として得られる均質化したたばこ材料は、引張強度が比較的高く、かつ均質性が良好であることが望ましい。
【0038】
均質化したたばこ材料を実現するために使用され、引張強度およびキャストウェブの均質性に影響を与えるスラリーの重要なパラメータは、特にスラリーのキャスティング時に、均質化したたばこ材料の連続ウェブを形成するためのその粘度である。さらにまた、スラリーの密度は、特にキャスティング前に、キャストウェブの最終品質を決定するために重要である。適切なスラリー密度、粘性および均質性は、欠陥の数を最小化し、またキャストウェブの引張強度を最大化する。
【0039】
このスラリーは、複数の様々な構成成分または成分を含む。これらの構成成分は、均質化したたばこ材料などのアルカロイド含有材料の特性に影響を与える。第一の成分はたばこ粉末ブレンドなどのアルカロイド含有粉末ブレンドであり、これはスラリー中に存在するアルカロイドの大部分を含有することが好ましい。好ましい実施形態では、アルカロイド含有材料はたばこである。たばこ粉末ブレンドは均質化したたばこ材料中のたばこの大部分の供給源であり、それゆえ、例えば、均質化したたばこ材料を加熱して製造されるエアロゾルなどの最終製品に風味を与えるものである。たばこ材料ウェブの引張強さを増加するために、強化剤として作用する、セルロース繊維を含有するセルロースパルプがスラリーに添加されることが好ましい。均質化したシートの引張特性を強化するために、およびエアロゾルの形成を促進するために、結合剤およびエアロゾル形成体が添加されることも好ましい。さらに、均質化したたばこ材料のウェブをキャスティングするために最適なある一定の粘性および水分に達するために、水がスラリーに添加されてもよい。スラリーは、スラリーを可能な限り均質にするために混合される。
【0040】
スラリーは、アルカロイド含有材料の乾燥質量基準で約1パーセント~約5パーセントの量の結合剤を含むことが好ましい。本明細書に記載されるゴムまたはペクチンのいずれかなどの結合剤をスラリー添加することは、粉末である場合に、均質化したたばこウェブ全体にわたりアルカロイド含有材料を実質的に分散したままにすることを確保するために有利である。ガムの記述的な検討のためには、Gums And Stabilizers For The Food Industry,IRL Press(G.O.Phillip et al.eds.1988)、Whistler,Industrial Gums:Polysaccharides And Their Derivatives,Academic Press(2d ed.1973)、およびLawrence,Natural Gums For Edible Purposes,Noyes Data Corp.(1976)を参照されたい。
【0041】
任意の結合剤を採用してもよいが、好ましい結合剤は、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コンニャク粉、キサンタンガム、およびこれに類するものである。本発明で使用するために特に好ましい結合剤はグアーである。
【0042】
有利なことに、スラリーは、スラリーの乾燥質量で約5パーセント~約60パーセントの量のエアロゾル形成体をさらに含み、約5パーセント~約30パーセントの量エアロゾル形成体を含むことがより好ましい。
【0043】
アルカロイド含有材料のウェブのためのスラリーに含むための適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、一価アルコール(メントールのような)、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これに限定されない。
【0044】
スラリーは、スラリーの乾燥質量で、約1パーセント~約6パーセントのセルロースパルプを含有することが好ましく、典型的には約1パーセント~約3パーセントのセルロースパルプを含有する。
【0045】
セルロースパルプは、水およびセルロース繊維を含む。均質化したたばこ材料のためのスラリーの中に含むためのセルロース繊維は当業界において周知であり、これには例えば、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、たばこ繊維、およびこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。セルロース繊維は、パルプ化に加えて、精製、機械的パルプ化、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどの適切な処理を受けてもよい。
【0046】
このスラリーは、キャスティングボックスとも呼ばれる容器に収集され、その中に所定の量のスラリーが保持されるのが好ましく、例えば、キャスティングボックスに所定の充填レベルのスラリーが予め設定されている。このスラリーが移動可能な支持体上にキャストされ、均質化したたばこ材料の連続ウェブを形成する間、スラリーが連続してキャスティングボックスに供給されるのが好ましい。
【0047】
スラリーは、所定のレベルまでキャスティングボックスを充填することが好ましい。キャスティングボックス内のスラリーの充填レベルは、実質的に、キャスティングボックス内で一定に保持されるのが好ましい。スラリーは、キャスティングボックスの底部に実現された開口部から、例えば、重力の影響下でキャスティングボックスから流れ出る。さらに、キャスティングボックス内の能動搬送の手段は、プッシャまたはプロペラなどにより提供可能である。このキャスティングボックスは、加圧容器を形成するのが好ましい。制御手段は、キャスティングボックス内部の圧力制御ができるように提供されることが好ましい。こうした実施形態において、キャスティングボックスを出るスラリーの流れは、キャスティングボックス内の内部圧力レベルを設定し維持することにより追加的に制御される。キャスティング装置は、キャスティングボックス内部のスラリーを混合するための混合装置を備えることが好ましい。そして、このスラリーは、キャスティングブレードと移動する支持体との間に形成された間隙を通ることによって、移動可能な支持体上に送出される。
【0048】
本発明によれば、このスラリーは、例えば、移動支持体とキャスティングブレードとの間に形成されるキャスティングボックスの出口を通って、移動支持体の幅にわたってキャストされる。
【0049】
キャスティングにおけるスラリーの水分は、キャスティングにおけるスラリーの総重量の約40パーセント~約95パーセントであることが好ましく、約60パーセント~約80パーセントであることがより好ましい。
【0050】
アルカロイド含有材料の製造方法は、該キャストウェブを乾燥する工程と、該キャストウェブを巻き取る工程と、を含み、巻き取り工程における該キャストウェブの水分は総重量の約6パーセント~約15パーセントである。巻き取り工程における該キャストシートの水分は、総重量の約8パーセント~約12パーセントであることが好ましい。
【0051】
この支持体は、キャスティングボックスからスラリーを除去するために、長軸方向に沿って移動する。この支持体は、例えば、ステンレス鋼製の移動可能なベルトを含んでもよい。このキャスティングブレードは、実質的に、均一の厚さを移動可能な支持体上に有するスラリーのキャストウェブを形成するために使用される。さらに、このブレードと支持体との間の距離または間隙は、とりわけスラリーのキャストウェブの厚さを決定する。
【0052】
キャスティングブレードは、キャスティングボックスとキャスティングブレードが一緒に移動するように、キャスティングボックスに接続される、例えば、キャスティングボックスに固定されてもよく、あるいはこれらは二つの独立した物体であってもよい。キャスティングブレードが移動可能な支持体に対して移動可能である一方で、キャスティングボックスが固定されてもよい。
【0053】
移動可能なベルト上にキャストされるアルカロイド含有材料のウェブの厚さは、所望の仕様内の最終製品を得るためにキャストウェブの幅にわたりできるだけ均一である好ましい値を有する。こうした均質な厚さを達成するために、本発明によると、移動可能な支持体の高さの変化がチェックされる。高さのこれらの変化は、キャスティングブレードの変化によって相殺される。従って、キャスティングブレードと支持体との間の間隙は、シートの厚さが一定に保たれるように、一定に保たれることが好ましい。したがって、移動可能な支持体の不規則さが補正されうる。
【0054】
こうした移動可能な支持体の高さの変化が存在する場合に、キャスティングボックスの高さも変更されうる。例えば、これが行われるのはキャスティングボックスでもよく、キャスティングブレードは一方が他方に固定されてもよい。
【0055】
キャスティングボックスの高さおよびキャスティングブレードの高さは共に、こうした移動可能な支持体の高さの変化が存在する場合に変更されうる。
【0056】
さらに、一定の厚さを持つキャストウェブは、乾燥プロセスにも関連性がある。キャスティングの後、アルカロイド含有材料のウェブは乾燥され、この乾燥パラメータは、とりわけ、ウェブの厚さに依存する。キャストウェブが厚さの変動を含む場合、含水量の変化が最終製品に見られることがあり、これにより最終製品の少なくとも部分的な不合格が必要になることがある。
【0057】
スラリーがキャストされ、その結果、アルカロイド含有材料のシートが形成された後、シートの厚さは約40ミクロン~約1000ミクロンで変化することが好ましく、約85ミクロン~約500ミクロンで変化することが好ましく、約180ミクロン~約250ミクロンで変化することがより好ましい。
【0058】
従って、本発明は、対応する、移動可能な支持体の高さの変更が検出される場合に、ブレードの高さを変更してシートの厚さを一定に維持することを可能にする。これは、例えば、ブレードとして「フローティングナイフ」によって達成されることができ、ここでブレードは、ブレードが接触している媒体の高さ変更に従って「その高さを変更する」。
【0059】
方法は、基準平面に対してキャスティングブレードの高さを選択することと、基準平面に対してキャスティングブレードの下に配置された移動可能な支持体の一部分の高さを選択することと、を含むことが好ましい。支持体の高さの変更を適切に検出するために、基準平面が選択される。移動可能な支持体が、その上で移動可能な支持体がキャストシートを搬送する水平面を画定することが好ましいという事実により、この平面は、例えば、水平面としうる。基準平面に対する高さの測定を行うことにより、基準レーンは「固定」されていて移動しないため、こうした高さの変化を検出する必要がある度に適切な測定値を取得することが可能になる。
【0060】
キャスティングブレードは先端を含むことが好ましく、ここでキャスティングブレードの高さを感知すること、またはキャスティングブレードの高さを選択することは、キャスティングブレードの先端の高さを感知すること、またはキャスティングブレードの選択の高さを選択することを含む。均質化したたばこ材料のシートの厚さは、ブレードの最下端であるブレードの先端と、支持体との間の間隙によって画定される。したがって、均質化したたばこ材料のシートの一定の厚さを得るために、間隙は実質的に一定に維持されることが好ましい。
【0061】
方法は、移動可能な支持体の高さの変化を感知することが、感知表面を移動可能な支持体に接触させるように配置することを含むことが好ましい。感知表面は、平面、ローラー要素、ボール様または先端様のセンサー要素などとしうる。感知表面とその対応する移動可能な支持体の表面との接触は、潤滑手段、特に、潤滑液などの潤滑剤を用いて、または潤滑剤を用いずに確立されうる。この提案を使用して、特に、単純かつ費用効果の高い方法で本方法を使用しうる。提案の複雑さは低いため、本方法は特に信頼できるものとして使用されうる。特に、感知表面は、キャストシートの側面、移動可能な支持体の側面、開口部の近く、またはそれらのうちの二つまたは全ての組み合わせに配置されうる。
【0062】
本明細書で使用される「側面」という用語は、通常の動作条件中の移動可能な支持体の移動方向に対して本質的に直角を成す方向にそれぞれの装置の境界側の近くに配置することを意味し、ここで移動方向は、スラリーが移動可能な支持体上にキャストされる支持体の一部の近くに画定されうる。
【0063】
方法は、二つの感知表面を、キャストシートの二つの向かい合った側面において移動可能な支持体上に配置するように使用されうる。このように、何らかの理由で存在しうる局所的に画定される人為的産物がある程度平均化されて、キャストシートに対する悪影響が減少しうる。こうした人為的産物は、特定の表面積上に存在しうる、局所的なくぼみ(ポットホ-ルのようなもの)または何らかの汚れなどでありうる。この提案を使用して、キャストシートの厚さの均質性が単純な方法で、または機械的手段のみを用いて、さらに強化されうる。
【0064】
このキャスティングブレードは、その幅である、優占的な寸法を有することが好ましく、実質的にキャスティングボックスの幅全体に沿って延在することが好ましい。好ましくは、ブレードの幅とブレードが取り付けられるキャスティングボックスの幅は、同様である。キャスティングブレードの幅の二つの端に、第一および第二の感知表面が配置される。本発明によると、第一および第二の感知表面は、例えば、締結装置によって、キャスティングブレード自体に結合される。キャスティングボックスとキャスティングブレードとの間の結合は、キャスティングボックスに対してキャスティングブレードが移動可能なようになされる。
【0065】
感知表面は、移動可能な支持体の高さの変化を感知し、キャスティングブレードにその高さも変化させる。ブレードの高さの変化はしたがって、例えば、感知表面をブレードに接続するアクチュエータによって、キャスティングブレードの三次元空間内の位置である空間的位置付けを変化するように実行される。
【0066】
感知表面は、移動可能な支持体と接触するように適合された接触装置上に配置されてもよい。
【0067】
感知表面の高さの変化が異なる場合、例えば、二つの感知表面の高さの変化の平均を計算すること、およびそれに応じてキャスティングナイフの高さを調整することが可能である。
【0068】
実施形態によれば、異なる種類のセンサーを用いて、接触装置によって生成されたデータに応じてキャスティングナイフの高さの変化を判定しうる。
【0069】
方法は、方法が、移動可能な支持体をローラーによって開口部の下で並進移動させる、および容器をローラーの上部に配置する、という特徴を含むように使用されることが好ましい。ローラーは、一つのみの起動されたローラーであってもよく、または、いくつかの起動されたローラーのうちの一つであってもよい。このように、移動可能な支持体の並進移動は、ローラーをその回転軸の周りに回転させることによって容易に達成されうる。通常、ローラーは、その表面の曲率、したがって移動可能な支持体の曲率が比較的小さくなり、かつ開口部の近くで平面によって局所的に近似されるように、比較的大きなサイズを有する。ローラーの一般的な半径の範囲は、約10センチメートル~約1メートルであってもよく、約15センチメートル~約90センチメートルであることが好ましく、約20センチメートル~約80センチメートルであることが好ましく、約25センチメートル~約60センチメートルであることが好ましい。ローラーは、移動可能な支持体の端側ローラーであってもよく、または移動可能な支持体の中間ローラーであってもよい。このステートメントは、移動可能な支持体がいくつかの種類のコンベヤーベルトの形態で設計されている場合に特に有効でありうる。容器をローラーの上部に配置することによって、キャスティングプロセスは重力補助され、したがって非常に単純かつ効果的となりうる。特に、開口部を通してスラリーを容器から搬送するための搬送手段は、使用されてもよく、使用されなくてもよい。
【0070】
本明細書で使用される「ローラーの上部」という用語は、アルカロイド含有材料のシートをキャストするための装置が配置される床の反対側にある、ローラーの、ここでは上側外周部分のセクションを意味する。ローラーの回転軸を中心として考慮すると、垂直半径は、ローラーの最上点である0°を画定する。従って、ローラーの上部は、この垂直半径を中心とする対称なセクションである。したがって、ローラーの上部は、ローラーの左側で垂直半径と約1°、2°、3°、4°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°または45°の角度を形成する半径によって画定される位置から開始し、最上点の右側で約1°、2°、3°、4°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°または45°で終了しうるセクションである。
【0071】
好ましくは、方法は、キャスティングブレードに、ローラーの最上点と約5°~約10°からなる角度を形成する先端を提供することを含む、キャスティングブレードが容器に隣接して提供されるように使用されることが好ましい。従って、キャスティングブレードの先端は、ローラーの最上点と約5°~約10°からなる角度を形成する。この角度は、上記画定される垂直半径とブレードの先端に接触するローラーの半径との間に形成される角度である。こうして、重力の影響により、より均質なアルカロイド含有材料のシートが実現されうる。特に、いくつかの種類の「局所的なサンプ」が開口部と移動可能な支持体との間に形成されてもよく、その結果、配置は、移動可能な支持体の速度変化に対して脆弱でなくなりうる。一例として、短い停止によりスラリーが床上に漏れない場合もある。このように、特定のプロセスを省略した配置も実現されうる。
【0072】
キャスティングブレードの先端の高さを変更することが、移動可能な支持体の高さの変化に対する信号をモーターに送信することと、受信した信号に応じてモーターによってキャスティングブレードを上昇または下降させることを含むように本方法を使用することがさらに提案される。移動可能な支持体の高さの変化に対する信号を送信するために使用されうる信号は、適切なセンサーに由来してもよく、そして、コントローラによって処理されても、処理されなくてもよい。コントローラは電子コントローラであってもよく、またプログラム可能であってもよい。モーターは、標準的なタイプの、サーボタイプの、ステッパタイプの、リニアタイプの、またはこれに類するものなどであってもよく、モーターからキャスティングブレードに動きを伝達するためにギアを使用しても使用しなくてもよい。特に、モーターが回転運動を提供する場合、ウォームギア駆動を使用しうる。この設計の使用により、開口部の幅、したがってアルカロイド含有材料のキャストシートの厚さは、非常に正確には設定されうる。キャスティングブレードの先端の下に配置されるコンベヤーベルトの一部分の高さの他に、追加的な信号を使用して開口部の幅に影響を及ぼしてもよい。特に、いくつかの種類のループバック作用が実現されうる。
【0073】
方法は、方法が、移動可能な支持体の高さの変化を感知する工程に対して、キャスティングブレードの先端の高さを変更する工程を遅延させる工程を含むように使用されることが好ましい。このように、コンベヤーベルトの高さを感知する時点がキャスティングブレードの先端を配置する時点よりも先となる場合であっても、キャスティングブレードの移動が正確な時間で行われうるように、コンベヤーベルトの移動速度を考慮しうる。このように、アルカロイド含有材料のキャストシートの特に均質な厚さが実現されうる。
【0074】
感知表面を移動可能な支持体と接触するよう配置することが、感知表面を移動可能な支持体の移動方向にキャスティングブレードの下流に配置することを含むように、方法を使用することがさらに好ましい。このように、様々な構成要素の機械的な配置が特に単純になりうる。さらに、この方法を使用することで、コンベヤーベルトの小さなセクションに限定されないコンベヤーベルトの高さの変化が、キャスティングブレードの先端の高さを適切に調整することによって取り消されうる。さらに、移動可能な支持体は通常閉じたバンドの形態で配置されるため、移動可能な支持体の高さの一定の歪みが通常繰り返し現れることを考慮しなければならない。従って、感知表面がキャスティングブレードの下流に配置される場合でも、適切に長い遅延時間が選択されると、移動可能な支持体の小さな不規則さであっても、キャスティングブレードの適切な配置によって対処されうる。これは、前後に移動する移動可能な支持体を使用する場合にも同様に当てはまる。
【0075】
方法は、感知支持体をキャスティングブレードの下流に配置することが、感知表面を、ローラーの最上点と約15°~約30°からなる角度で配置することを含むように行われることがさらに好ましい。このように、機械的配置は特に単純でありうる。
【0076】
方法は、方法が、感知表面によって移動可能な支持体に力を加える工程を含むように使用されることが好ましい。この修正を使用して、感知表面と移動可能な支持体との間の緊密な接触が確保されうる。例えば、移動可能な表面をぎざぎざにすることによって、誤った測定結果が強くなるようには選択されないことが好ましい。さらに、供給される力は、過剰となると摩耗が増大する結果となりうるため、過剰とならないことが好ましい。
【0077】
所望の感度に応じて力の値を変化させる工程を含むように本方法を用いることがさらに好ましい。このように、矛盾する可能性もあるいくつかの影響が考慮されうる。これは、現在のプロセスに対して特に望ましくない効果が回避されうるように力が選択されるように行われうる。
【0078】
本方法を使用する別の好ましい方法は、キャストシートを乾燥する工程を含む。乾燥は、アルカロイド含有材料のスラリー/キャストシートが、支持支持体として機能しうるコンベヤーベルト上になおも位置する間に行われうる。乾燥は、気流を適用することで行われてもよく、ここで気流は高温にありうる。さらに、乾燥は、移動可能な支持体の適切な部分を加熱することによって少なくとも部分的に行われてもよい。コンベヤーベルトは、耐温材料を含むように選択されうることが好ましい。
【0079】
本方法を使用する別の好ましい方法は、キャストシートをボビンに巻き取る工程を含む。このように、製造されたアルカロイド含有材料のシートは、実際に必要とされるまで保存されうる。さらに、アルカロイド含有材料のシートは、ボビンに巻き取られている場合、別の製造機械または別の製造施設にも容易に搬送されうる。
【0080】
従って、製造されたアルカロイド含有材料のシートは、エアロゾル発生装置と併用するために後に使用されうるエアロゾル形成基体と併用されうる。
【0081】
エアロゾル形成基体は、アルカロイド含有材料のシートに基づきうる固体のエアロゾル形成基体としうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は、固体構成要素および液体構成要素の両方を含んでもよく、ここで、固体構成要素の少なくとも一部は、アルカロイド含有材料のシートに基づきうる。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。エアロゾル形成基体が固体のエアロゾル形成基体である場合、固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押し出し成形たばこおよび膨化たばこのうち一つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。固体エアロゾル形成基体は、容器に入っていない形態にしてもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供してもよい。例えば、固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成材料は、紙またはその他のラッパー内に含まれ、かつプラグの形態を有しうる。エアロゾル形成基体がプラグの形態である場合、任意のラッパーを含めてプラグ全体がエアロゾル形成基体であると考えられる。
【0082】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量で約5パーセントを超えるエアロゾル形成体の含有量と水を有するアルカロイド含有材料から形成されるか、またはそれを含みうる。アルカロイド含有材料は、アルカロイド含有材料のキャストシートに基づきうる。例えば、アルカロイド含有材料は、乾燥質量基準で約5~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有しうる。こうしたエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、ユーザーによって、特に高い温度を持つものと考えられる場合があり、また広い表面積、低い引き出し抵抗のエアロゾル冷却要素を使用することで、エアロゾルの認識温度をユーザーにとって容認可能なレベルに減少させうる。
【0083】
エアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品である、加熱式エアロゾル発生物品としうる。加熱式エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の一部を形成する搭載型の加熱手段を備えてもよく、または別個のエアロゾル発生装置の一部を形成する外部ヒーターと相互作用するように構成されてもよい。
【0084】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品構成要素」という用語は、主要な量の揮発性化合物をエアロゾル発生物品内に放出するエアロゾル発生物品の一部を含む。
【0085】
このように、現在の市場のニーズに適合するエアロゾル発生物品は、効率的かつ安価な方法で実現されうる。特に、従来の燃焼タイプのエアロゾル発生製品、特に従来の紙巻たばこに似ているエアロゾル発生物品が実現されうる。「集合」は、ウェブまたはシートが、材料シートの集合体によって生成されうるロッドの円筒軸に対して回旋される、あるいは、実質的に横方向に圧縮または収縮されることを特に意味する場合がある。
【0086】
こうしたエアロゾル発生物品は、紙巻たばこなどの可燃性喫煙物品に似ていてもよい。エアロゾル発生物品は、たばこを含みうる。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。エアロゾル発生物品は、別の方法として、部分的に再利用可能であり、補充可能または交換可能なエアロゾル形成基体を備えるものとしうる。
【0087】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、その固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含みうる。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶けてもよい。
【0088】
エアロゾル発生物品の要素は、適切なラッパー、例えば紙巻たばこ用紙といった手段によって組み立てられうる。紙巻たばこ用紙は、エアロゾル発生物品の構成要素をロッドの形態に包装するための適切な任意の材料としうる。エアロゾル発生物品が組み立てられて、エアロゾル発生物品の構成要素をロッド内の適所に保持する時、紙巻たばこ用紙はエアロゾル発生物品の構成要素を保持し、整列させることが好ましい。適切な材料は当業界で周知である。
【0089】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒形の形状としうる。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品はまた、長さと実質的に直交する長さと周囲を有しうる。エアロゾル形成基体は実質的に円筒形の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、この長さと実質的に直交する円周とを有しうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の長さがエアロゾル発生装置内の気流方向に実質的に平行となるように、エアロゾル発生装置に受けられうる。エアロゾル冷却要素は、実質的に細長くてもよい。
【0090】
エアロゾル発生物品は、約30ミリメートルから約100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有してもよい。
【0091】
エアロゾル発生物品は、フィルターまたはマウスピースを備えうる。フィルターは、エアロゾル発生物品の下流端に位置しうる。フィルターは、アセチルセルロースフィルタープラグとしうる。フィルターは一実施形態において、約7ミリメートルの長さでありうるが、約5ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有してもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に位置するスペーサー要素を備えうる。
【0092】
本発明のさらなる利点は、添付の図面への非限定的な参照とともに、その詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0093】
図1図1は、技術水準によるアルカロイド含有材料のシートのキャスト方法の基本原理を概略図で示している。
図2図2は、均質な厚さを有するアルカロイド含有材料のキャストシートを製造する方法の第一の実施形態の側面からの概略図である。
図3図3は、均質な厚さを有するアルカロイド含有材料のキャストシートを製造する方法の第二の実施形態の側面からの概略図である。
図4図4は、アルカロイド含有材料のキャストシートを製造する方法の第三の実施形態の側面からの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1において、技術水準で現在使用される、スラリー5からアルカロイド含有材料のシート2をキャスティングするためのキャスティング装置1の一部分が概略図で示されている。シート2は、均質化したたばこシートであることが好ましい。
【0095】
キャスティング装置1は、移動可能な支持体3、一つ以上のローラー4、スラリー5およびキャスティングブレード9を収容するように適合されたキャスティングボックス6を含む。
【0096】
キャスティング装置1を使用して、ここではアルカロイド含有材料のシート2が、ここでは鋼製の薄いバンドから作製される、可撓性の薄い移動可能な金属支持体3上にキャストされる。鋼製のバンド3は閉じてループを形成し、その結果、鋼製の薄いバンド3は、コンベヤーベルトと類似した構造を形成する。
【0097】
図1には、完全なキャスティング装置1の一部のみ、すなわち、アルカロイド含有材料のシート2のキャスティングが行われる部分のみが示されていることに留意されたい。コンベヤーベルト3は、最初は粘性またはペースト状でコンベヤーベルト3上に存在するアルカロイド含有材料のシート2が乾燥して機械的に安定し、コンベヤーベルト3から引き出すことができるようになるのに十分な時間を有するように、有意な長さを示しうる。コンベヤーベルト3から引き出されると、アルカロイド含有材料のシート2は、機械的に自立する必要がある。従って、生成されたアルカロイド含有材料のシート2は、ボビン上に巻き取られうるが、ボビンは、保存が容易である、または別の製造機械または別の製造施設に搬送されうる。
【0098】
コンベヤーベルト3は、一般的に約30センチメートルの半径を示すローラー4によって両端(図1には一端のみ図示する)で支持される。ただし、異なるサイズもまた可能である。図1では、左ローラー4のみが見えており、左ローラー4は能動的に駆動されたローラーであるため、ローラー4は、コンベヤーベルト3を上部に置かれたアルカロイド含有材料のシート2と共に移動させることができる。図1には示されていないが、コンベヤーベルト3が有意な長さを有する場合であっても何らかの水平面がコンベヤーベルト3の上側表面に対して実現されうるように、一般的に小さなサイズの中間支持ローラーを使用してもよい。他方の端におけるローラーは、能動的に駆動されてもよく、または受動的に駆動されてもよい。中間支持ローラー(図示せず)は、これらの支持ローラーの少なくとも一部が能動的である可能性はあるものの、通常は能動的に駆動されない。
【0099】
さらに、アルカロイド含有材料のキャストシート2がより早く乾燥するように、加熱装置(図示せず)を備えたキャスティング装置1を提供することが可能である。これは、コンベヤーベルト3、したがって、コンベヤーベルト3の上部でキャストされるアルカロイド含有材料のシート2の適切な領域を加熱する、電気発熱体または何らかのガスフレームによって行うことができる。
【0100】
アルカロイド含有材料のキャストシート2は、細かく挽いたタバコ材料から本質的に作製される、粘性またはペースト状の粒子の混合物であるスラリー5から生成され、ここで粒子は、粒子を溶媒と混合することで粘性またはペースト状にされる。一例として、水が溶媒として使用されうる。当然ながら、追加的な固体化合物、追加的な液体、粘性もしくはペースト状の化合物、またはその両方をスラリー5の一部とすることもできる。
【0101】
スラリー5はキャスティングボックス6に保持される。キャスティングボックス6は上部で開いているため、スラリー5を補充することができる。ローラー4に向けて、またはより正確にはキャスティングボックス6の近くでローラー4の上部に配置されたコンベヤーベルト3に向けて、キャスティングボックス6は開いているため、スラリー5は、コンベヤーベルト3の上側表面と限られた領域で接触する。キャスティングボックス6の四つの側面のうちの三つの側面7a、7b、7cにおいて、キャスティングボックス6の側壁7a、7b、7cは、コンベヤーベルト3の対応する表面部分と狭い間隙を形成する。図1では、これは、コンベヤーベルト3の移動方向8で見た時に前面に配置される近位側壁7aの場合である。さらに、側方の側壁7b、7cの場合である。これらの壁7a、7b、7cは、それらの下端とコンベヤーベルト3との間に薄い間隙を形成する。
【0102】
キャスティングボックス6の第四の側面には、キャスティングブレード9の切断端13とコンベヤーベルト3との間に開口部が形成される。開口部は長方形の形状であり、アルカロイド含有材料のシート2の断面形状を決定する。また、アルカロイド含有材料のシート2の厚さは、キャスティングブレード9およびコンベヤーベルト3によって形成される開口部の高さによって決定される。これは、厚さが乾燥工程によって変化しうるため、アルカロイド含有材料のシート2の「初期の」厚さに関連する。典型的には、アルカロイド含有材料のシート2の収縮は、例えば、乾燥中に起こる。
【0103】
キャスティングブレード9の切断端13によって形成される開口部のサイズ、およびコンベヤーベルト3の上側表面は、一定の厚さを有するアルカロイド含有材料のシート2を得るためには一定のままとする必要がある。
【0104】
ところが、キャスティングブレード9の一定の高さは、たばこ材料のキャストシート2のこうした均質な厚さを保証しない。これは、ローラー4がいくらかの平坦な領域を示しうるためである。これは、キャスティング装置1の摩耗によって経時的に容易に起こりうる。反対に、ローラー4上(またはコンベヤーベルト3の下側上)に存在するなんらかの汚れは、小さなバンプをもたらし、アルカロイド含有材料のシート2の厚さを減少させうる。さらに、コンベヤーベルト3は、特に摩耗によっていくつかの突出部または窪みを後になって示す場合がある。次に、キャスティングブレード9の固定された高さは、開口部のサイズが変化し、結果としてアルカロイド含有材料のキャストシート2の厚さが均質ではなくなることを意味する場合がある。たばこ材料のキャストシート2の厚さの小さな変化は、変化が20μm~30μmの位数に過ぎない場合であっても、最終消費者の喫煙体験に対して顕著な変化を引き起こしうることに留意されたい。ただし、こうした小さな変化が起こる可能性は低い。
【0105】
したがって、図2では、アルカロイド含有材料のキャストシート2を製造するための方法が提案されており、図2を参照して方法をさらに説明する。明瞭にする目的で、スラリー5およびアルカロイド含有材料のキャストシート2は、図2には図示しない(図3および4にも図示しない)。
【0106】
ローラー4およびコンベヤーベルト3の移動方向8から分かるように、キャスティングボックス6およびキャスティングブレード9は、ローラー4の最上点12の前に配置され、かつ相互に隣接して配置される。より正確には、キャスティングブレード9の切断端13は、ローラー4の最上点12、したがってコンベヤーベルト3の最も高い地点の前に、約24°~25°の角度14で配置される(少なくともローラー4の近傍に)。
【0107】
さらに分かるように、接触要素11は、キャスティングブレード9の風上側、かつキャスティングボックス6の風下側に配置される。接触要素11は、キャスティングボックス6およびキャスティングブレード9の両方に取り付けられる。接触要素11はここでは、移動コンベヤーベルト3と接触している、比較的小さな摩擦を有するプラスチック材料から作製されている。詳細には、接触要素11の材料に対する適切な選択によって、わずかな潤滑効果も実現されうる。接点要素11の下側表面は、接触要素11が接触しているコンベヤーベルト3の局所的な湾曲に対応するように形成される。したがって、接点要素11の下側表面はわずかに凹面である(同じくローラー4の湾曲に対応している、コンベヤーベルト3のわずかに凸面の形状に対応している)。
【0108】
コンベヤーベルト3が局所的に小さなまたは大きな厚さを有する場合、または、ローラー4がその外周面上に突出部または窪みを有する場合、接触要素11は、接触要素11がコンベヤーベルト3の表面と滑合しているために、コンベヤーベルト3の現在の外表面と一緒に上下に移動する。したがって、キャスティングブレード9は、高さに対して接触要素11と共に移動し、したがって、コンベヤーベルト3の表面の任意の不均質性に従う。したがって、アルカロイド含有材料のキャストシート2のより均質な厚さが実現されうる。従って、コンベヤーベルト3の外周面の局所的な偏差は、キャスティング配置の近くで補正されうる。
【0109】
ここでは、一つの接点要素11がアルカロイド含有材料のシート2の両側に配置されている。接触要素11はなおもコンベヤーベルト3の領域内にあるため、コンベヤーベルトの表面と接触している。
【0110】
図3では、より均質な厚さを有するアルカロイド含有材料のシート2をキャストする方法の別の考えられる実施形態が図示されている。本質的に、キャスティングプロセスは、図2に示す実施形態と非常に類似している。ただし、本実施例では、接触要素11がコンベヤーベルト3およびローラー4の移動方向8の風下側に配置されている。キャスティングブレード9は、接触要素11に直接取り付けられていない。代わりに、キャスティングブレード9の高さを接触要素11の位置に対して上昇または下降させることができるように、調整ねじ15を使用する。したがって、開口部の高さ、したがってアルカロイド含有材料のキャストシート2の厚さは、特にバッチごとに変化しうる。
【0111】
すべての実施形態において、接触要素11および従ってキャスティングブレード9は、コンベヤーベルト3の外周面の任意の変化と共に上下に移動する。したがって、キャスティング装置1は、より均質な厚さを有するアルカロイド含有材料のキャストシート2の製造を可能にする。
【0112】
図4には、キャスティング装置1の別の修正が示されている。
【0113】
ここでは、完全に機械的に動作する接触要素11の代わりに、二つの位置センサー16が使用されている。位置センサー16の接触先端17は、接触先端17と接触しているコンベヤーベルト3の外周面の現在の位置を測定する。特に、公称位置からの変化が位置センサー16によって登録され、ケーブル18を介してコントローラ19に送信される。コントローラ19は、センサーデータを入力し、別のケーブル18を介してステッパモーター20に送信される制御信号を生成する。ステッパモーター20を使用して、一定のサイズを有する開口部を実現することができるように(コンベヤーベルト3の外表面の高さの変動にもかかわらず)、キャスティングブレード9の高さが適切に上昇または下降される。したがって、より均質な厚さを示す、アルカロイド含有材料のキャストシート2が製造されうる。
【0114】
コントローラ19は、位置センサー16によって受信された信号に対するステッパモーター20によるキャスティングブレード9の再配置間に時間遅延を導入するようにセットアップされうる。△tコンベヤーベルトの特定の領域が、接触先端17に隣接する位置からキャスティングブレード9の切断端13に隣接する位置まで移動するまでに、一定の時間が経過するよう実現する必要がある。選択される時間遅延は、コンベヤーベルト3の速度vおよび接触先端17とキャスティングブレード9の切断端13との間の距離dに依存する。遅延時間は、△t=d/vとなるように選択されることが好ましい。
【0115】
この実施形態を使用して、コンベヤーベルト3の外周面の局所的に限定された変化を説明することができる。このように、さらにより均一な厚さを有する材料を含むアルカロイド含有材料のシート2が実現されうる。
【0116】
位置センサー16がコンベヤーベルト3の移動方向8に対してキャスティングブレード9の後方に配置されるように、キャスティングブレード9と位置センサー16の配置を交換することも可能であることに注目するべきである。次に、時間遅延はコンベヤーベルト3の全体的な長さ(コンベヤーベルトの特定の部分が特定の位置に再び現れるまでに通過する長さ)の差、および接触先端17とキャスティングブレード9の切断端13との間の距離に基づいているため、時間遅延は非常に大きく選択される必要がある。したがって、遅延時間は、△t=(D-d)/vとなりうる。
【0117】
示されている実施形態は、この場合では例示的な目的のために提示されていて、またいずれの場合でも本発明の範囲を限定することを意味しないことに注目すべきである。特に、当業者にとって明らかな方法で提示された特定の実施形態の、ある特定の特徴を組み合わせることも可能である。
図1
図2
図3
図4