(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】自律型車両のための交通の再方向付けの検出および対応
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20220622BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G08G1/16 A
B60W40/04
(21)【出願番号】P 2020520739
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(86)【国際出願番号】 US2018057971
(87)【国際公開番号】W WO2019089444
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-06-01
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】シルバー,デイビッド,ハリソン
(72)【発明者】
【氏名】チャウダーリ,パンカジ
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/145314(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0254986(US,A1)
【文献】特開2010-003157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律運転モードにおいて車両を制御する方法であって、
1つ以上のプロセッサによって、交通の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、前記自律運転モードにおいて車両を操縦することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けに関する、前記車両の外部環境における物体を識別する前記車両の知覚システムからのデータを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記受信したデータを使用して、前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の通路から選択された通路を通過する交通の方向に基づいて、前記1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記車両の現在の走行方向に対して反対の交通がどのようにして前記1つ以上の通路に進入し、通過するかを分析することによって、前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記自律運転モードにおいて前記車両を制御して、前記1つ以上の通路のうちの前記選択された通路に進入し、進行することと、を含む
、方法。
【請求項2】
前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定することが、前記1つ以上の通路のうちのいずれかに近接する標識を分析することにさらに
基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
自律運転モードにおいて車両を制御する方法であって、
1つ以上のプロセッサによって、交通の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、前記自律運転モードにおいて車両を操縦することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けに関する、前記車両の外部環境における物体を識別する前記車両の知覚システムからのデータを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記受信したデータを使用して、前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の通路から選択された通路を通過する交通の方向に基づいて、前記1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、 前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の通路のうちのいずれかを通る交通を観察することによって、前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定すること
と、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記自律運転モードにおいて前記車両を制御して、前記1つ以上の通路のうちの前記選択された通路に進入し、進行することと、を含む
、方法。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の通路を識別する第2の車両の1つ以上のコンピューティングデバイスから情報を受信すること
をさらに含み、
前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定することが、前記受信された情報に
さらに基づ
いている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記受信されたデータを使用して、前記1つ以上の通路を識別した後、前記車両から離れたコンピューティングデバイスに、進行方法に関する命令を求める要求を送信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記命令を受信することと、をさらに含み、前記1つ以上の通路のうちの前記選択された通路を選択することが、前記受信されたる命令にさらに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の通路の各々を通る交通の方向を判定することをさらに含み、前記選択された通路を選択することが、任意の判定された交通の方向にさらに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の通路が、2つ以上の車線境界線によって画定されていない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
自律運転モードにおいて車両を制御するためのシステムであって、
交通の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、前記自律運転モードにおいて車両を操縦することと、
前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けに関する、前記車両の外部環境における物体を識別する前記車両の知覚システムからのデータを受信することと、
前記受信されたデータを使用して、前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、
前記1つ以上の通路から選択された通路を通る交通の方向に基づいて、前記1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、
前記車両の現在の走行方向に対して反対の交通がどのように前記1つ以上の通路に進入し、通過するかを分析することによって、前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定する
ことと、
前記自律運転モードにおいて前記車両を制御して、前記1つ以上の通路のうちの前記選択された通路に進入し、進行することと、を行うように構成されている、1つ以上のプロセッサを備える、システム。
【請求項9】
前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定することが、前記1つ以上の通路のうちのいずれかに近接する標識を分析することに
さらに基づいている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
自律運転モードにおいて車両を制御するためのシステムであって、
交通の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、前記自律運転モードにおいて車両を操縦することと、
前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けに関する、前記車両の外部環境における物体を識別する前記車両の知覚システムからのデータを受信することと、
前記受信されたデータを使用して、前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、
前記1つ以上の通路から選択された通路を通る交通の方向に基づいて、前記1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、
前記1つ以上の通路のうちのいずれかを通る交通を観察することによって、前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定する
ことと、
前記自律運転モードにおいて前記車両を制御して、前記1つ以上の通路のうちの前記選択された通路に進入し、進行することと、を行うように構成されている、1つ以上のプロセッサを備える、システム。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記1つ以上の通路を識別する第2の車両の1つ以上のコンピューティングデバイスから情報を受信すること
を行うようにさらに構成され、
前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定することが、前記受信された情報に
さらに基づいて
いる、請求項
8に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記受信されたデータを使用して、前記1つ以上の通路を識別した後、前記車両から離れたコンピューティングデバイスに、進行方法に関する命令を求める要求を送信することと、
前記命令を受信することと、を行うようにさらに構成されており、前記1つ以上の通路のうちの前記選択された通路を選択することが、前記受信された命令にさらに基づいている、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上の通路の各々を通る交通の方向を判定するようにさらに構成されており、前記選択された通路を選択することが、任意の判定された交通の方向にさらに基づいている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の通路が、2つ以上の車線境界線によって画定されていない、請求項
8に記載のシステム。
【請求項15】
前記車両をさらに備える、請求項
8に記載のシステム。
【請求項16】
命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサが、自律運転モードにおいて車両を制御する方法を実行させ、前記方法が、
交通の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、前記自律運転モードにおいて車両を操縦することと、
前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けに関する、前記車両の外部環境における物体を識別する前記車両の知覚システムからのデータを受信することと、
前記受信されたデータを使用して、前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、
前記1つ以上の通路から選択された通路を通る交通の方向に基づいて、前記1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、
前記車両の現在の走行方向に対して反対の交通がどのように前記1つ以上の通路に進入し、通過するかを分析することによって、前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定すること
と、
前記自律運転モードにおいて前記車両を制御して、前記1つ以上の通路のうちの前記選択された通路に進入し、進行することと、を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサが、自律運転モードにおいて車両を制御する方法を実行させ、前記方法が、
交通の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、前記自律運転モードにおいて車両を操縦することと、
前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けに関する、前記車両の外部環境における物体を識別する前記車両の知覚システムからのデータを受信することと、
前記受信されたデータを使用して、前記地図情報で識別されていない、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、
前記1つ以上の通路から選択された通路を通る交通の方向に基づいて、前記1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、
前記1つ以上の通路のうちのいずれかを通る交通を観察することによって、前記選択された通路を通る交通の前記方向を判定すること
と、
前記自律運転モードにおいて前記車両を制御して、前記1つ以上の通路のうちの前記選択された通路に進入し、進行することと、を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記地図情報は、1つ以上の車線を識別し、各車線は、経路及び交通の方向を含み、
前記交通の再方向付けは、所与の場所におけるものであり、前記所与の場所について前記予め記憶された地図情報で識別される経路及び交通の方向の一方又は両方に対応しない少なくとも1つの通路を含む、
請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月31日に出願された、出願第15/798,881号の継続であり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願はまた、2017年10月31日に出願された、出願第15/798,926号の継続であり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間の運転手を必要としない車両などの自律型車両が、ある場所から他の場所への乗員または物品の輸送を支援するために使用される場合がある。かかる車両は、乗員が集荷または目的地などのいくつかの初期入力を提供することができ、かつ車両がその場所に車両自体を操縦する、完全な自律モードで動作することができる。
【0003】
自律型車両または自律運転モードで動作する車両の堅牢な操作には、通常の交通流を変える構造などの、予期しない状況への適切な対応が必要とされる。換言すると、交通流は、工事または交通事故などにより、一時的に再方向付けされることがある。例えば、車線は、緊急車両、工事用標識、コーン、バレル、または他の物体などの物体で、車線の遮断によって閉鎖されることがある。同時に、他の車線が依然として開放され、および/またはコーンもしくは他のマーカが、新しい「車線」または反対の交通と分離する新しい通路を作成するために使用される。多くの場合、コーンまたは緊急車両などの再方向付けを知らせる特徴は、車両をナビゲートするための車両の制御コンピューティングデバイスによって使用される地図内に予め記録されることはない。したがって、安全かつ効果的な制御のために、そのような状況を識別して対応することは、これらの車両にとって重要な機能である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、自律運転モードで車両を制御する方法を提供する。本方法は、1つ以上のプロセッサによって、交通流の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、自律運転モードにおいて車両を操縦することと、1つ以上のプロセッサによって、地図情報が識別されていない、交通の再方向付けに関する、車両の外部環境における物体を識別する車両の知覚システムからのデータを受信することと、1つ以上のプロセッサによって、受信したデータを使用して、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、1つ以上のプロセッサによって、選択された通路を通過する交通流の方向に基づいて、1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、1つ以上のプロセッサによって、自律運転モードにおいて車両を制御して、1つ以上の通路のうちの選択された通路に進入し、これに追従することと、を含む。
【0005】
一例では、本方法はまた、車両に対して反対の交通がどのようにして1つ以上の通路に進入し、通過するかを分析することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定することを含む。別の例では、本方法はまた、1つ以上の通路のうちのいずれかに近接する標識を分析することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定することを含む。別の例では、本方法はまた、1つ以上の通路のうちのいずれかを通る交通を観察することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定することを含む。別の例では、本方法はまた、1つ以上の通路を識別する第2の車両の1つ以上のコンピューティングデバイスから情報を受信することと、受信した情報に基づいて、選択された通路を通る交通流の方向を判定することと、を含む。別の例では、本方法はまた、受信したデータを使用して、1つ以上の通路を識別した後、車両から離れたコンピューティングデバイスに、進行方法に関する命令を求める要求を送信することと、命令を受信することと、を含み、1つ以上の通路のうちの選択された通路を選択することが、受信した命令にさらに基づいている。別の例では、本方法はまた、1つ以上の通路の各々を通る交通流の方向を判定することを含み、選択された通路を選択することは、任意の判定された交通流の方向にさらに基づく。別の例では、1つ以上の通路が、2つ以上の車線境界線によって画定されない。
【0006】
本開示の別の態様は、自律運転モードにおいて車両を制御するためのシステムを提供する。本システムは、交通流の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、自律運転モードにおいて車両を操縦することと、地図情報が識別されていない交通の再方向付けに関する、車両の外部環境における物体を識別する車両の知覚システムからのデータを受信することと、受信したデータを使用して、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、選択された通路を通る交通流の方向に基づいて、1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、かつ自律運転モードにおいて車両を制御して、1つ以上の通路のうちの選択された通路に進入し、追従することと、を行うように構成された、1つ以上のプロセッサを含む。
【0007】
一例では、1つ以上のプロセッサは、車両に対して反対の交通がどのように1つ以上の通路に進入し、通過するかを分析することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定するようにさらに構成される。別の例では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上の通路のうちのいずれかに近接する標識を分析することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定するようにさらに構成される。別の例では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上の通路のうちのいずれかを通る交通を観察することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定するようにさらに構成される。別の例では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上の通路を識別する第2の車両の1つ以上のコンピューティングデバイスから情報を受信することと、かつ受信した情報に基づいて、選択された通路を通る交通流の方向を判定することと、を行うようにさらに構成される。別の例では、1つ以上のプロセッサは、受信したデータを使用して、1つ以上の通路を識別した後、車両から離れたコンピューティングデバイスに、進行方法に関する命令を求める要求を送信することと、かつ命令を受信することと、を行うようにさらに構成され、1つ以上の通路のうちの選択された通路を選択することが、受信した命令にさらに基づいている。別の例では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上の通路の各々を通る交通流の方向を判定するようにさらに構成され、選択された通路を選択することは、任意の判定された交通流の方向にさらに基づく。別の例では、1つ以上の通路が、2つ以上の車線境界線によって画定されない。他の例では、システムはまた、車両も含む。
【0008】
本開示のさらなる態様は、命令が記憶される非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、自律運転モードにおいて車両を制御する方法を実行させる。本方法は、交通流の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、自律運転モードにおいて車両を操縦することと、地図情報が識別されていない交通の再方向付けに関する車両の外部環境における物体を識別する、車両の知覚システムからのデータを受信することと、受信したデータを使用して、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別することと、選択された通路を通過する交通流の方向に基づいて、1つ以上の通路のうちの1つを選択することと、自律運転モードにおいて車両を制御して、1つ以上の通路のうちの選択された通路に進入し、追従することと、を含む。
【0009】
一例では、本方法はまた、車両に対して反対の交通がどのように1つ以上の通路に進入し、通過するかを分析することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定することを含む。別の例では、本方法はまた、1つ以上の通路のうちのいずれかに近接する標識を分析することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定することを含む。別の例では、本方法はまた、1つ以上の通路のうちのいずれかを通る交通を観察することによって、選択された通路を通る交通流の方向を判定することを含む。別の例では、本方法はまた、1つ以上の通路を識別する第2の車両の1つ以上のコンピューティングデバイスから情報を受信することと、受信した情報に基づいて、選択された通路を通る交通流の方向を判定することと、を含む。別の例では、本方法はまた、受信したデータを使用して1つ以上の通路を識別した後、車両から離れたコンピューティングデバイスに、進行方法に関する命令を求める要求を送信することと、命令を受信することと、を含み、1つ以上の通路のうちの選択された通路を選択することが、受信した命令にさらに基づいている。別の例では、本方法はまた、1つ以上の通路の各々を通る交通流の方向を判定することを含み、選択された通路を選択することは、任意の判定された交通流の方向にさらに基づく。別の例では、1つ以上の通路が、2つ以上の車線境界線によって画定されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の態様による、例示的な車両の機能図である。
【
図2】本開示の態様による、詳細な地図情報の例示的な表現である。
【
図3A】本開示の態様による、車両の例示的な外観図である。
【
図3B】本開示の態様による、車両の例示的な外観図である。
【
図3C】本開示の態様による、車両の例示的な外観図である。
【
図3D】本開示の態様による、車両の例示的な外観図である。
【
図4】本開示の態様による、システムの例示的な絵図である。
【
図5】本開示の態様による、システムの例示的な機能図である。
【
図6】本開示の態様による、車道の区分の図である。
【
図7】本開示の態様による、車道の区分に関するセンサデータおよび他の情報の例である。
【
図8】本開示の態様による、車道の区分のセンサデータおよび他の情報の別の例である。
【
図9】本開示の態様による、車道の区分のセンサデータおよび他の情報の別の例である。
【
図10】本開示の態様による、車道の区分のセンサデータおよび他の情報のさらなる例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概要
多くの場合、交通流の再方向付けは、明確に定義される。しかしながら、場合によっては、再方向付けは、反対の交通を明確にまたは完全に分離しない、新しく作成された通路を含み得る。つまり、反対方向の交通からの交通が1つ以上の通路に進入する可能性があり得る。このような曖昧な場合において、自律型車両のコンピューティングデバイスが正しい通路を選択することが不可欠である。選択しない場合、車両はスタックするか、間違った方向に走行する通路に進入する可能性があり、これは付加的な安全上の懸念をもたらす。
【0012】
加えて、これらの通路は、人間の運転者には容易に理解され得るが、車両のコンピューティングシステムには曖昧である。これは、車両のコンピューティングデバイスが、車両が検出できない非標準的な看板(例えば、手書きの矢印または右側通行/左側通行の標識)、または車両の感知範囲外であるが人間の感知範囲内にある合図など、を検出または識別できない重要な信号の存在が原因であり得る。他の場合では、車両のコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスが必要とするすべての信号であり得るが、適切な分析を実行して、進行方法を判定しなければならない。何が起こっているのかを完全に理解するには、コンピューティングデバイスが、最初に曖昧さがあり得ることを検出し、次いで、それを解決できる信号を探す必要がある。
【0013】
車両が進入する通路を判定するために、車両のコンピューティングデバイスは、曖昧さが存在することを最初に識別しなければならない。これは、1つ以上の通路を識別するために、車両の知覚システムからのデータを処理することによって達成され得る。場合によっては、コンピューティングデバイスが2つ以上の可能性のある通路を識別する場合、どの通路に、車両が進入するべきであるか(左、右、中央など)とする曖昧さを作成してもよい。
【0014】
次いで、コンピューティングデバイスは、1つ以上のアプローチを使用して曖昧さを解決して、通路を分析し、各通路を通る交通の適切な流れ(車両と同じまたは反対)を判定することを試みてもよい。1つの例示的なアプローチでは、コンピューティングデバイスは、通路を逆に分析してもよい。別のアプローチとして、コンピューティングデバイスは、任意の標識を分析することによって曖昧さを解決しようと試みてもよい。さらに別のアプローチとして、コンピューティングデバイスは、他の車両の挙動を観察することにより、各通路を通る交通の方向を判定しようと試みてもよい。別のアプローチとして、コンピューティングデバイスは、最近そのエリアを通過した他の車両によって提供された情報を使用してもよい。
【0015】
上記のアクションのうちの1つ以上を使用して曖昧さが解決できない場合、コンピューティングデバイスは、進行方法に関する命令を提供するように人間のオペレータに要求を送信し得る。これには、検討のためにコンピューティングデバイスが識別した通路を識別する情報を送信すること、および進行方法に関する命令を受信することと、を含んでもよい。場合によっては、人間のオペレータが車両を単にルート変更するか、またはコンピューティングデバイスが、車両を周りに旋回させること、および/または車両のルート変更をすることによって、通路を完全に回避するために、車両を制御してもよい。
【0016】
本明細書で記載された特徴により、自律運転モードで動作する車両が、1つ以上の通路を含む交通の再方向付けによって引き起こされる曖昧さ、状況に関する「理由」を識別し、および交通が通路を通って流れ、適切に応答する方法を識別することが可能になり得る。手動運転モードを備えた車両では、これにより自律運転モードの解除の発生を減少させることができる。
【0017】
例示的システム
図1に示されるように、本開示の一態様による車両100は、様々な構成要素を含む。本開示のある特定の態様は、特定のタイプの車両との接続に特に有用であるが、車両は、限定されるものではないが、乗用車、トラック、オートバイ、バス、レクリエーション用車両などを含む、任意のタイプの車両であってもよい。車両は、1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、および汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する他の構成要素を含む、コンピューティングデバイス110などの1つ以上のコンピューティングデバイスを有してもよい。
【0018】
メモリ130は、1つ以上のプロセッサ120によってアクセス可能である情報を記憶し、その情報には、プロセッサ120によって実行または別様に使用され得る命令132およびデータ134が含まれる。メモリ130は、プロセッサによってアクセス可能である情報を記憶することができる任意のタイプのメモリであってもよく、それらには、コンピューティングデバイス可読媒体、またはハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、もしくは他の光ディスク、ならびに他の書き込み可能および読み取り専用メモリなどの電子デバイスを使って読み取ることができるデータを記憶する他の媒体が含まれる。システムおよび方法は、上記の異なる組み合わせを含んでもよく、それによって、命令およびデータの様々な部分が、様々なタイプの媒体に記憶される。
【0019】
命令132は、プロセッサにより直接的に(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される任意の組の命令であってもよい。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上のコンピューティングデバイスコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書では、区別なく使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のための物体コード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされる独立したソースコードモジュールのスクリプトもしくはコレクションを含む、任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶されてもよい。命令の機能、方法、およびルーチンについては、以下でさらに詳細に説明される。
【0020】
データ134は、命令132に従って、プロセッサ120によって検索、記憶、または修正されてもよい。一例として、メモリ130のデータ134は、所定のシナリオを記憶し得る。所与のシナリオは、物体のタイプ、車両に対する物体の場所の範囲、ならびに自律型車両が物体の周囲を操縦できるかどうか、物体が方向指示器を使用しているかどうか、物体の現在の場所に関連する信号機の状態、物体が一時停止標識に接近しているかどうかなどを含むシナリオ要求の一式を識別し得る。要求は、「右方向指示器がオン」または「右折専用車線」、または「車両100の現在の経路から30~60度オフセットされる角度で配向される進行方向を有する」などの別個の値を含み得る。いくつかの例では、所定のシナリオは、複数の物体に関する同様の情報を含んでもよい。
【0021】
1つ以上のプロセッサ120は、市販されているCPUなどの任意の従来のプロセッサであってもよい。代替的に、1つ以上のプロセッサは、ASICまたは他のハードウェアベースプロセッサなどの専用デバイスであってもよい。
図1は、プロセッサ、メモリ、およびコンピューティングデバイス110の他の要素を同じブロック内にあるものとして機能的に例示しているが、プロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリは、実際には、同じ物理的な筐体内に格納されていてもいなくてもよい、複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含むことができることは、当業者により、理解されるであろう。一例として、内部電子ディスプレイ152は、高帯域幅または他のネットワーク接続を介してコンピューティングデバイス110とインターフェースし得る、それ自体のプロセッサまたは中央処理装置(CPU)、メモリなどを有する専用コンピューティングデバイスによって制御され得る。いくつかの例では、このコンピューティングデバイスは、ユーザのクライアントデバイスと通信することができるユーザインターフェースコンピューティングデバイスであり得る。同様に、メモリは、コンピューティングデバイス110の筐体とは異なる筐体内に位置付けられたハードドライブ、または他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並行に動作してもしなくてもよいプロセッサまたはコンピューティングデバイスまたはメモリの集合体への言及を含むことを理解されたい。
【0022】
コンピューティングデバイス110は、上述したプロセッサおよびメモリ、ならびにユーザ入力150(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンおよび/またはマイクロフホン)、様々な電子ディスプレイ(例えば、スクリーン、または情報を表示するように動作可能である任意の他の電気デバイスを有するモニタ)などのコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素であってもよい。この例では、車両は、内部の電子ディスプレイ152、ならびに1つ以上のスピーカ154を含み、情報または音響映像体験を提供する。この点について、内部の電子ディスプレイ152は、車両100の車内に位置付けられてもよく、コンピューティングデバイス110によって使用されて、車両100内の乗員に情報を提供してもよい。内部スピーカに加えて、1つ以上のスピーカ154は、外部スピーカを含むことができ、車両100の外部の物体に可聴通知を提供するために、車両上の様々な場所に配置される。
【0023】
一例では、コンピューティングデバイス110は、車両100に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムであってもよい。自律運転コンピューティングシステムは、車両の様々な構成要素と通信することが可能であり得る。例えば、
図1に戻ると、コンピューティングデバイス110は、車両の乗員からの連続的または定期的な入力を要求しない、または必要としない自律運転モードにおいて、メモリ130の命令132に従って車両100の移動、速度などを制御するための、(車両の制動を制御するための)減速システム160、(車両の加速を制御するための)加速システム162、(車輪の配向および車両の方向を制御するための)ステアリングシステム164、(方向指示器を制御するための)シグナリングシステム166、(車両を場所または物体の周りにナビゲートするための)ナビゲーションシステム168、(車両の位置を判定するための)測位システム170、(車両の外部環境における物体を検出するための)知覚システム172、および電力システム174(例えば、バッテリおよび/またはガスもしくはディーゼルエンジン)などの、車両100の様々なシステムと通信することができる。また、これらのシステムは、コンピューティングデバイス110の外部にあるものとして示されているが、実際には、これらのシステムもまた、車両100を制御するための自律運転コンピューティングシステムとして再度、コンピューティングデバイス110の中に組み込まれてもよい。
【0024】
コンピューティングデバイス110は、様々な構成要素を制御することによって車両の方向および速度を制御してもよい。例として、コンピューティングデバイス110は、地図情報およびナビゲーションシステム168からのデータを使用して、車両を目的地に完全に自律的にナビゲートし得る。コンピューティングデバイス110は、車両の場所を判定するために測位システム170を使用し、その場所に安全に到着する必要があるとき、物体を検出かつ物体に対応するために知覚システム172を使用してもよい。そうするために、コンピューティングデバイス110は、車両を、(例えば、加速システム162により、エンジンに供給される燃料または他のエネルギーを増やすことによって)加速させ、(例えば、エンジンに供給される燃料を減らし、ギヤを切り替え、および/または減速システム160によりブレーキをかけることによって)減速させ、(例えば、ステアリングシステム164により、車両100の前輪または後輪の向きを変えることによって)方向を変更させ、(例えば、シグナリングシステム166の方向指示器を点灯することによって)かかる変更を伝えさせてもよい。このため、加速システム162および減速システム160は、車両のエンジンと車両の車輪との間に様々な構成要素を含む、動力伝達装置の一部であり得る。再び、これらのシステムを制御することによって、コンピューティングデバイス110はまた、車両を自律的に操縦するために、車両の動力伝達装置を制御してもよい。
【0025】
一例として、コンピューティングデバイス110は、車両の速度を制御するために、減速システム160および加速システム162と相互作用してもよい。同様に、ステアリングシステム164は、車両100の方向を制御するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。例えば、車両100が自動車またはトラックなどの道路上で使用するように構成されている場合、ステアリングシステムは、車両を転回するためにホイールの角度を制御するための構成要素を含み得る。シグナリングシステム166は、例えば、必要に応じて方向指示器またはブレーキライトを点灯させることによって、車両の意図を他の運転手または車両に伝えるために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。
【0026】
ナビゲーションシステム168は、ある位置までのルートを判定および追従するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。この点について、ナビゲーションシステム168および/またはデータ134は、地図情報、例えば、コンピューティングデバイス110が車両をナビゲートまたは制御するために使用することができる非常に詳細な地図を記憶してもよい。一例として、これらの地図は、車道、車線マーカ、交差点、横断歩道、速度制限、信号機、建物、標識、リアルタイムの交通情報、植生、または他のそのような物体ならびに情報の形状および標高を識別し得る。車線マーカは、実線または破線の、二重または単一の車線境界線、実線または破線の車線境界線、反射板などの特徴を含み得る。所与の車線は、車線の境界を画定する、左右の車線境界線または他の車線マーカと関連付けられ得る。このため、ほとんどの車線は、1つの車線境界線の左端と別の車線境界線の右端によって境界付けられてもよい。
【0027】
知覚システム172はまた、他の車両、車道内の障害物、交通信号、標識、樹木などの車両の外部の物体を検出するために1つ以上の構成要素を含む。例えば、知覚システム172は、1つ以上のLIDARセンサ、ソナーデバイス、レーダーユニット、カメラ、および/またはコンピューティングデバイス110によって処理され得るデータを記録する任意の他の検出デバイスを含んでもよい。知覚システムのセンサは、物体、および、場所、配向、サイズ、形状、タイプ(例えば、車両、歩行者、自転車にのる人など)、進行方向、および移動速度などのそれらの特性を検出する。センサおよび/または前述の特性からの未加工データは、記述関数、ベクトル、および/または境界ボックスに定量化または配置され、知覚システム172によって生成されると、さらなる処理のために定期的かつ継続的にコンピューティングデバイス110に送信され得る。さらなる詳細を以下で考察するが、コンピューティングデバイス110は、車両の場所を判定するために測位システム170を使用し、その場所に安全に到着する必要があるとき、物体を検出かつ物体に対応するために知覚システム172を使用してもよい。
【0028】
図2は、車道の区分に関する地図情報200の実施例である。地図情報200は、様々な道路特徴の形状、場所、および他の特性を識別する情報を含む。この例では、地図情報は、縁石220、車線境界線222、224、226、および縁石228によって境界付けられる3つの車線212、214、216を含む。車線212および214は、同じ方向の交通流(東向き)を有する一方で、車線216は、異なる交通流(西向き)を有する。加えて、車線212は、車線214よりも大幅に広く、例えば車両が縁石220に隣接して駐車することを可能にする。地図情報の例は、車道の性質を考慮すると、例えば、縁石、車線境界線、および車線などのいくつかの道路特徴のみを含むが、地図情報200はまた、交通信号の光、横断歩道、歩道、一時停止標識、譲れの標識、速度制限標識、道路標識などの様々なほかの道路特徴を識別することができる。示されていないが、詳細な地図情報はまた、速度制限および他の法定交通要件を識別する情報、ならびに様々な日時における通常のおよび過去の交通状況を識別する履歴情報も含み得る。
【0029】
本明細書では詳細な地図情報は、画像ベースの地図として描かれているが、地図情報は、完全に画像ベースである必要はない(例えば、ラスタ)。例えば、詳細な地図情報は、1つ以上の道路グラフ、または道路、車線、交差点、およびこれらの特徴間の接続などの情報のグラフネットワークを含むことができる。各特徴は、グラフデータとして記憶されてもよく、地理的場所などの情報と関連付けられてもよく、いずれにせよ、他の関連する特徴にリンクされ、例えば、一時停止標識は、道路や交差点などにリンクされてもよい。いくつかの例では、関連付けられたデータは、道路グラフのグリッドベースのインデックスを含んで、ある道路グラフの特徴の効率的な検索を可能にし得る。
【0030】
図3A~
図3Dは、車両100の外観図の例である。これらの図からわかるように、車両100は、ヘッドライト302、フロントガラス303、テールライト/方向指示灯304、リアガラス305、ドア306、サイドミラー308、タイヤおよびホイール310、ならびに方向指示/駐車灯312などの典型的な車両の多くの特徴を含む。ヘッドライト302、テールライト/方向指示灯304、および方向指示/駐車灯312は、シグナリングシステム166に関連付けられることができる。ライトバー307はまた、シグナリングシステム166に関連付けられることができる。筐体314は、知覚システム172のLIDARセンサ、ソナーデバイス、レーダーユニット、カメラなどの1つ以上のセンサを収容することができるが、かかるセンサはまた、同様に車両の他の領域に組み込むこともできる。
【0031】
車両100の1つ以上のコンピューティングデバイス110はまた、例えば無線ネットワーク接続156を使用して、他のコンピューティングデバイスとの間で情報を送受信することもできる。無線ネットワーク接続は、例えば、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥースLE、LTE、セルラー、近距離無線通信など、および前述のものの様々な組み合わせを含むことができる。
図4および
図5は、それぞれ、例示的なシステム400の絵図および機能図であり、システムは、ネットワーク460を介して接続された複数のコンピューティングデバイス410、420、430、440、および記憶システム450を含む。システム400はまた、車両100、および車両100と同様に構成され得る車両100Aを含む。簡潔にするため、いくつかの車両およびコンピューティングデバイスのみを図示しているが、典型的なシステムは、これよりもはるかに多くのものを含み得る。
【0032】
図4に示されるように、コンピューティングデバイス410、420、430、440の各々は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、データ、および命令を含むことができる。かかるプロセッサ、メモリ、データ、および命令は、コンピューティングデバイス110の1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、データ134、および命令132と同様に構成されてもよい。
【0033】
ネットワーク460および介在ノードは、1つ以上の企業が所有する通信プロトコル、イーサネット、WiFi、HTTP、および前述の様々な組み合わせを使用する、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥースLE、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、プライベートネットワークなどの短距離通信プロトコルを含む様々な構成およびプロトコルを含むことができる。そのような通信は、モデムおよび無線インターフェースなどの、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを送受信することができる任意のデバイスによって容易に行われ得る。
【0034】
一例では、1つ以上のコンピューティングデバイス110は、複数のコンピューティングデバイスを有するサーバ、例えば、負荷分散サーバファームを含んでもよく、負荷分散型サーバファームは、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを受信、処理、および送信する目的で、ネットワークの異なるノードと情報を交換する。例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス410は、ネットワーク460を介して、車両100の1つ以上のコンピューティングデバイス110または車両100Aの同様のコンピューティングデバイス、ならびにクライアントコンピューティングデバイス420、430、440と通信することができる1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、車両100および車両100Aは、サーバコンピューティングデバイスによって様々な場所に送り出され得る車両群の一部であり得る。この点について、車両群は、車両のそれぞれの測位システムにより提供される位置情報をサーバコンピューティングデバイスに定期的に送信してもよく、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは、車両の場所を追跡してもよい。
【0035】
加えて、サーバコンピューティングデバイス410は、ネットワーク460を使用して、コンピューティングデバイス420、430、440のディスプレイ424、434、444などのディスプレイ上に、ユーザ422、432、442などのユーザに情報を送信および提示することができる。この点について、コンピューティングデバイス420、430、440は、クライアントコンピューティングデバイスと見なされてもよい。
【0036】
図5に示されるように、各クライアントコンピューティングデバイス420、430、440は、ユーザ422、432、442が使用することを意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであってもよく、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、データおよび命令を記憶するメモリ(例えば、RAMおよび内蔵ハードドライブ)、ディスプレイ424、434、444などのディスプレイ(例えば、画面を有するモニタ、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように動作可能である他のデバイス)、およびユーザ入力デバイス426、436、446(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはマイクロフォン)を含む、パーソナルコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素を有し得る。クライアントコンピューティングデバイスはまた、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカ、ネットワークインターフェースデバイス、およびこれらの要素を互いに接続するために使用されるすべての構成要素を含んでもよい。
【0037】
クライアントコンピューティングデバイス420、430、および440は、各々、フルサイズのパーソナルコンピューティングデバイスを含んでもよいが、代替的に、インターネットなどのネットワークを介してサーバとデータを無線で交換することが可能であるモバイルコンピューティングデバイスを含んでもよい。ほんの一例として、クライアントコンピューティングデバイス420は、携帯電話、または無線対応PDA、タブレットPC、ウェアラブルコンピューティングデバイスもしくはシステムなどのデバイス、またはインターネットもしくは他のネットワークを介して情報を取得することができるネットブックであってもよい。別の例では、クライアントコンピューティングデバイス430は、
図4において腕時計として示される、ウェアラブルコンピューティングシステムであってもよい。一例として、ユーザは、小型キーボード、キーパッド、マイクロフォンを使用して、カメラを用いた映像信号、またはタッチスクリーンを使用して、情報を入力し得る。
【0038】
いくつかの例では、クライアントコンピューティングデバイス440は、コンシェルジュサービスをユーザ422および432などのユーザに提供するために、管理者によって使用されるコンシェルジュワークステーションであってもよい。例えば、リモートオペレータまたはコンシェルジュ442は、コンシェルジュワークステーション440を使用して、以下にさらに詳細に説明されるように車両100および車両100Aの安全な動作およびユーザの安全性を確実とするために、それぞれのクライアントコンピューティングデバイスまたは車両100もしくは車両100Aを通してユーザと電話または音声接続を介する通信を行うことができる。
図4および
図5には、単一のコンシェルジュワークステーション440のみが示されているが、典型的なシステムには、任意の数のかかるワークステーションが含まれてもよい。
【0039】
記憶システム450は、以下でより詳細に説明されるように、様々なタイプの情報を記憶することができる。この情報は、本明細書で記載する特徴のうちのいくつかまたはすべてを実行するために、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス410などのサーバコンピューティングデバイスによって検索または別様にアクセスされ得る。例えば、情報は、資格情報などのユーザアカウント情報(例えば、従来の単一要素認証の場合のユーザ名およびパスワード、ならびにランダムな識別子、生体認証などの多要素認証で典型的に使用される他のタイプの資格情報)を含み得、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに対してユーザを識別するために使用することができる。ユーザアカウント情報はまた、ユーザの名前、連絡先情報、ユーザのクライアントコンピューティングデバイス(または、同じユーザアカウントで複数のデバイスが使用されている場合はデバイス)の識別情報などの個人情報、ならびにユーザに関する1つ以上の固有の信号を含み得る。
【0040】
記憶システム450はまた、場所間のルートを生成および評価するためのルーティングデータを記憶し得る。例えば、ルーティング情報は、第1の場所における車両が第2の場所に到達するのにかかる時間を推定するために使用されてもよい。この点について、ルーティング情報は、必ずしも上記の詳細な地図情報ほど詳細ではないが、道路、方向(片道、双方向など)、配向(北、南など)、速度制限などのそれらの道路に関する情報、ならびに予想される交通状況などを識別する交通情報を含む、地図情報を含むことができる。
【0041】
記憶システム450はまた、ユーザに表示するためにクライアントコンピューティングデバイスに提供され得る情報を記憶してもよい。例えば、記憶システム450は、所与の集荷または目的地の場所について車両が停止する可能性が高いエリアを判定するための所定の距離情報を記憶し得る。記憶システム450はまた、以下で論じられるように、ユーザに表示され得る図式、アイコン、および他の項目を記憶し得る。
【0042】
メモリ130と同様に、記憶システム450は、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD‐ROM、書き込み可能メモリ、および読み出し専用メモリなどの、サーバコンピューティングデバイス410によりアクセス可能である情報を記憶することができる、任意のタイプのコンピュータ化された記憶装置であり得る。さらに、記憶システム450は、同じまたは異なる地理的場所に物理的に位置付けられ得る、複数の異なる記憶デバイス上にデータが記憶される分散記憶システムを含み得る。記憶システム450は、
図4に示されるようにネットワーク460を介してコンピューティングデバイスに接続されてもよく、および/またはコンピューティングデバイス110、410、420、430、440などのいずれかに直接接続または組み込まれてもよい。
【0043】
例示的方法
上述し、図に示された動作に加えて、様々な動作が、ここで説明される。以下の動作は、下記に記載されたまさにその順序で実行される必要はないことを理解されたい。むしろ、様々な工程が、異なる順序で、または同時に処理されてもよく、工程もまた、追加または省略されてもよい。
【0044】
図6は、
図2の車道210に対応する車道610に沿って走行する車両100の例示図である。それに関して、車線612、614、616は、車線212、214、216の形状および場所に対応し、縁石620、628は、縁石220の形状および場所に対応し、車線境界線622、624、626は、車線境界線222、224、226および縁石228の形状および場所に対応する。この実施例では、車両100は、車線612を走行している。
【0045】
車両が車線612に沿って移動すると、知覚システム172は、縁石620、628、車線境界線622、624、624、標識650、ならびに交通コーンA~Rなどの、物体の形状および場所に関するセンサデータをコンピューティングデバイスに提供する。
図7は、車両100が
図6に図示されるような状況にあるとき、コンピューティングデバイス110に利用可能な他の情報と組み合わせて、知覚システム172の様々なセンサによって知覚されるセンサデータを図示する。この実施例では、車両640、642、644は、コンピューティングデバイス110に知覚システム172から提供されるような境界ボックス740、742、744によって表現され、交通コーンA~Rは、境界ボックス7A~7Rによって表現され、および標識650は、境界ボックス750によって表現される。もちろん、これらの境界ボックスは、空間の容積を表現しているにすぎず、その中物体に対応するデータポイントは、少なくとも近似的にその内部に境界付けられる。加えて、車両100の実際の進行方向および境界ボックス740、742の推定進行方向は、それぞれ、矢印770、760、および762によって表現される。境界ボックス744は、非常にゆっくりと移動するかまたは全く移動していないように現れるため、コンピューティングデバイス110は、これらの境界ボックスによって表現される物体は、縁石628に隣接して動かないと判定してもよい。
【0046】
車両が進入する通路を判定するために、車両のコンピューティングデバイスは、曖昧さが存在することを最初に識別しなければならない。これは、1つ以上の通路を識別するために、車両の知覚システムからのデータを処理することによって達成され得る。これらの1つ以上の通路の各々は、車道に沿った経路に対応するものであり、その経路は、車両の地図情報内ではまだ識別されていない。換言すると、経路は、概して、地図情報内で定義された交通の車線およびその車線の特性に対応しない。例えば、中央のターン車線が交差点を曲がること、および通過して進行することの両方に提供するために交通コーンを伴って構成される、東向きの交通の車線、西向きの交通の車線になり得、または経路が車線、交通、または地図情報内の2つの車線境界線(または他の車線マーカ)間のエリアに対応しないなど、交通車線の特性またはルールが変更される場合がある。
【0047】
例えば、コーンやバレルなどの車線境界線以外の特定のタイプの物体は、通路の「境界」を判定するために、共にクラスタ化されてもよい。一例として、車両が2つのコーンの間を通過できない場合、これらの物体は、共にクラスタ化され、通路の一部であると仮定され得る。
図7の画像内に示されるように、コンピューティングデバイス110は、車両100がコーン間に嵌合できないか、またはコーンがバリアを形成するような方法で位置決めされるために、互いの近接度に基づいて、コーンA~N(または境界ボックス7A~7N)を共にグループ化してもよい。加えて、コンピューティングデバイス110は、車両100がコーン間に嵌合できないために、互いの近接度に基づいて、コーンO~Q(または境界ボックス7O~7Q)を共にグループ化してもよい。
図8は、コーンA~Nに対応するクラスタ820、ならびにコーン0~Qに対応するクラスタ810を図示する。コーン7(または境界ボックス7R)は、クラスタ810または820のいずれにも含まれない。明確性かつ理解を容易にするために、
図8は、境界ボックス740、742、744、または740を含まない。
【0048】
これらの物体が共にクラスタ化されると、コンピューティングデバイス110は、クラスタおよび他の非クラスタ化物体を使用して、クラスタ化物体を回避するために、車両が追従する可能性のある1つ以上の通路を識別することができる。この点について、
図9を参照すると、コンピューティングデバイスは、クラスタ810および820ならびにコーン7(または境界ボックス7R)の場所を考慮して、車両110が追従する可能性のあるオプションとして2つの通路、通路910および通路920を識別することができる。再び、明確性および理解を容易にするために、
図9は、境界ボックス740、742、744または740を含まない。
【0049】
加えて、または代替的に、これらの物体の場所の物理的な幾何学形状は、曖昧さを作り出す場合がある。例えば、コーンA(または境界ボックス7A)の場合、車両は、通路920に進入するには左に、または通路910に進入するには右のいずれかに通過し得る。加えて、通路920内にいるとき、車両は、コーンR(または境界ボックス7R)の右または左のいずれかを通過することができ、これもまた、通路920の2つのサブ通路920A、920Bの可能性を提供する。このため、進行に関して2つ以上の可能性がある。これにより、車両がどの通路に進入するべきか曖昧さを作り出す。換言すると、3つ以上の通路がある場合、車両には2つ以上の選択肢があり得る。別の同様の実施例では、2つのコーンが3つの別々の通路を描く場合、車両は、2つのコーン(または他の物体)の右側、2つのコーン(または他の物体)の間、または2つのコーンの左側(または他の物体)を進行し得る。このため、そのような実施例では、3つの可能な通路があり、より複雑な曖昧さを作り出す場合がある。
【0050】
次いで、コンピューティングデバイスは、1つ以上のアプローチを使用することによって、曖昧さを解決して、通路を分析し、各通路を通る交通の適切な流れを判定することを試みてもよい。簡単に言えば、コンピューティングデバイス110は、各通路の交通流が、車両が現在走行している方向に継続しているか、または車両が現在走行している方向と実際に反対であるかを判断することができ、その点で、通路は、反対の交通を可能にするように構成される。再び、
図9を参照すると、人間が走行するのに適切な通路がどれであるかを判定することは簡単かもしれないが、これは、車両100などの車両のコンピューティングデバイスにとって必ずしも明確ではない。
【0051】
1つの例示的な分析では、コンピューティングデバイスは、通路を逆に分析することができる。例えば、反対の交通について状況が曖昧でない場合、コンピューティングデバイスは、かかる通路が反対の交通のためであると判定し得る。換言すれば、反対の交通が1つまたは複数の通路を利用すべきかが容易に明らかである場合、1つまたは複数の通路は、車両に関する可能性として排除されてもよい。再度、
図9に示されるように、コーン7(または境界ボックス7N)の相対位置に基づいて、通路920を追従することによって、反対の交通車線、ここでは車線616、を走行する車両が、車道610に沿って進行し得ると判定することがより単純となり得る。例えば、他の車両が、コーン7(または境界ボックス7N)を通過して走行するはずでありながら車線616内にとどまるので、その他の車両は、通路920を既に追従しているはずである。その点について、コンピューティングデバイス110は、サブ通路920Aおよび920Bを含む通路920が、反対の交通のために構成されることを判定し得る。
【0052】
消去のプロセスによって、コンピューティングデバイス110は、任意の残りの通路が、車両110が通過するのに適切であると判断することができる。この点について、通路のうちの1つは、通路を通る交通の判定されたフローに基づいて、選択され得る。例えば、識別された通路が2つのみであり、通路820が、反対の交通のために構成されるように判定されるので、コンピューティングデバイス110は、車両が通路810を進行するべきであると判定することができる。この点で、車両は、選択された通路に進入し、追従するために制御され得る。もちろん、上記のように、この技術を使用した後に2つ以上の通路が残っている場合は、追加のアプローチがまた使用されてもよい。
【0053】
その点について、付加的にまたは代替的に、コンピューティングデバイスは、任意の標識を分析することによって、曖昧さを解決することを試みてもよい。一例として、再方向付けのエリアにおいて、どの通路が特定の方向から使用されるべきか、または使用しないほうがよいかを示す標識が存在し得る。このような標識は、左側通行の矢印または右側通行の矢印、進入禁止標識などを含んでもよい。場合によっては、これらの標識は、同じ通路を通って両方向に交通を方向付けている建設作業員によって保持される場合もある。これらの標識は、様々な画像認識および光学式文字認識技術を使用して検出され得る。再度、これらの標識は、いずれかの通路が、車両が通過するのに適しているかどうかを示し得る。例えば、コンピューティングデバイス110は、光学式文字認識技術を使用して、車両の知覚システム172のカメラによって捕捉された画像内の標識650のテキストを識別することができる。標識は、車両が「右側通行」、または「進入禁止」ということを示す場合がある。これは、車両100が、通路820よりも通路810を追従するべきである可能性が高いことを示し得る。
【0054】
標識の文脈に加えて、標識の場所および配向が、標識の「意味」についての手掛かりをコンピューティングデバイス110に提供し得る。例えば、標識がいずれかの通路と明確に関連付けられている場所にあるかどうか、標識がいずれかの通路に関連してコマンド(右側通行または左側通行の矢印など)を与えているかどうか、標識が影響を与えると予想される交通の方向などを示し得るように、標識の内容が交通のある方向から、または別の方向から視認可能であるかどうかなどである。例えば、通路810および通路820に対する標識650の場所、東方向交通に向かう標識の配向を考慮して、コンピューティングデバイス110は、車両100が通路820よりも通路810を追従するべきである可能性が高いと判定してもよい。
【0055】
このため、看板を使用することはまた、1つ以上の通路を通過する交通流の方向に関する情報をコンピューティングデバイス110に提供し、それによって、コンピューティングデバイス110が上記のように進入および追従するように選択するべきなのはどの通路であるかを示す。しかしながら、車両が進入することができる通路を識別するのに十分な看板が常にあるとは限らない。
【0056】
さらに別のアプローチとして、コンピューティングデバイスは、他の車両の挙動を観察することにより、各通路を通る交通の方向を判定しようと試みてもよい。例えば、(車両と同じ、または反対の)いずれかの方向からの車両が、特定の方向において特定の通路を横断することが観察された場合、コンピューティングデバイスは、この情報を使用して、車両が進入するのに適切な通路があるかどうかを判定し得る。
図10を参照すると、車両640(または境界ボックス740)の場所および進行方向(矢印760)を考慮すると、その車両は、通路820、ここでは、サブ通路820Aに続く可能性が最も高いようである。車両640が実際に車両100に(反対の交通として)接近しているので、コンピューティングデバイス110は、この理由に沿って、またはこの付加的な理由により、通路820およびサブ通路820Aが、反対の交通のために構成された通路であると判定し得る。同様に、車両640(または境界ボックス740)の場所および移動の欠如を考慮すると、その車両は、サブ通路820Bを遮断している可能性が最も高いようであり、コンピューティングデバイス110は、通路820Bが、車両100または反対の交通にとって適切な通路ではない可能性があると判断し得る。このため、他の車両の挙動を使用することはまた、1つ以上の通路を通過する交通流の方向に関する情報をコンピューティングデバイス110に提供し、それによって、コンピューティングデバイス110が上記のように進入および追従するように選択するべきなのはどの通路であるかを示す。
【0057】
上記のいずれかに加えてまたは代替として使用されるべき別のアプローチとして、コンピューティングデバイスは、路面状態を検出し、これを使用して、車両が特定の通路を回避すべきかどうかを判定することもできる。例えば、知覚システム172によって提供されるセンサデータを使用して、コンピューティングデバイスは、通路が開いた溝を含むか、または数インチ以上などの特定の高さの傾斜を含むかどうか、または通路が未舗装の路面を含むかどうかを判定し得る。そのような場合、コンピューティングデバイスは、車両がその通路を使用するべきではないことを判定することができる。
【0058】
上記のいずれかに加えてまたはその代替として使用されるべき別のアプローチとして、コンピューティングデバイスは、最近そのエリアを通過した他の車両によって提供される情報を使用してもよい。例えば、自律運転モード(または自律運転ソフトウェアがバックグラウンドで実行されているが、車両を制御していない手動運転モード)において運転しているエリアを車両が通過する場合、この車両のコンピューティングデバイスは、曖昧さ、およびコンピューティングデバイスが、そのエリア内の他の車両と応答する方法に関する情報を供給してもよい。加えて、または代替的に、車両のコンピューティングデバイスがこのような通路と可能性のある曖昧さを識別する場合、コンピューティングデバイスは、この情報、ならびにカメラ画像またはライダーデータなどの任意のセンサ情報を送信し得る。これは、異なる方向または有利な地点から曖昧さに接近する可能性のある車両に特に有用であり得る。例えば、1つの車両が再方向付けせずに交差点を通過したが、左側通行、右側通行、進入禁止などの標識を、後で交差点の交差道路の1つに検出する場合、この情報は、その後その公差道路を運転する任意の車両のためになり得る。
【0059】
上記のアプローチまたはアクションのうちの1つ以上を使用して曖昧さが解決できない場合、コンピューティングデバイスは、進行方法に関する命令を提供するように人間のオペレータに要求を送信し得る。例えば、コンピューティングデバイス110は、ネットワーク460を使用して、コンシェルジュワークステーション440を介し、コンシェルジュ442からの支援を要求することができる。これは、検討のためにコンピューティングデバイスが識別した通路を識別する情報の送信、および進行方法に関する命令(すなわち、1つまたは複数の通路のどの通路に、車両が進入するのが適切であるか)の受信を含み得る。場合によっては、例えば、曖昧さが人間のオペレータもまた不確実であるような場合、コンシェルジュ442は、単に車両をルート変更してもよい。コンシェルジュ442が利用できない、または自信を持って正しい答えを判定できない場合、例えば、関連する看板がはるか前に戻る、倒れた、不明であるなどの場合、コンピューティングデバイス110は、任意の通路を通過し続けることは受け入れられないと判定してもよい。その結果、コンピューティングデバイス110は、車両を周りに旋回させ、および/または車両を再度ルート変更することによって、通路を完全に回避するように車両を制御し得る。
【0060】
図11は、自律運転モードにおいて車両を制御するためのコンピューティングデバイス110の1つ以上のプロセッサ120などの、1つ以上のプロセッサによって実行され得るフロー
図1100である。ブロック1102において、車両は、交通流の方向を識別する予め記憶された地図情報を使用して、自律運転モードにおいて操縦される。ブロック1104において、地図情報が識別されていない交通の再方向付けに関する、車両の外部環境における物体を識別する車両の知覚システムからのデータが受信される。ブロック1106において、受信したデータを使用して、交通の再方向付けの1つ以上の通路を識別する。ブロック1108において、1つ以上の通路のうちの1つは、選択された通路を通る交通流の方向に基づいて、選択される。ブロック1110において、車両は、自律運転モードで制御されて、1つ以上の通路のうちの選択された通路に進入し、追従する。
【0061】
特段の記述がない限り、前述の代替例は、相互に排他的ではないが、独自の利点を達成するために様々な組み合わせで実施することができる。上述した特徴のこれらおよび他の変形ならびに組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱せずに利用され得るため、前述の実施形態の説明は、特許請求の範囲によって定義された主題を限定するものとしてではなく、例示するものとして見なされるべきである。加えて、本明細書に記載された実施例、ならびに「など」、「含む」などとして表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、それらの例は、多くの可能性のある実施形態のうちの単なる1つを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を識別することができる。