(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】コネクタユニット
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
H01R13/52 D
H01R13/52 302E
(21)【出願番号】P 2021127041
(22)【出願日】2021-08-03
【審査請求日】2022-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】李 騰
(72)【発明者】
【氏名】中村 和伸
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-164857(JP,A)
【文献】中国実用新案第201584571(CN,U)
【文献】中国実用新案第208986250(CN,U)
【文献】特開2009-290941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタが挿入される開口部をキャップにより開閉可能に覆うコネクタユニットであって、
前記相手側コネクタに嵌合されるコネクタ部と、
前記コネクタ部を保持し且つ前記開口部を有するコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに取り付けられる前記キャップと
を備え、
前記コネクタハウジングは、前記開口部が形成されている前面プレート部と、前記前面プレート部を貫通して前記コネクタハウジングの内部に連通する2つ以上の貫通孔を有し、
前記2つ以上の貫通孔のうち2つの貫通孔は、前記前面プレート部において、前記開口部を囲む四角形の1本の対角線上に位置する2つの頂点の位置に配置され、
前記コネクタユニットが設置された場合に、前記2つの貫通孔のうちの一方は、前記開口部よりも上方に位置して前記キャップを前記コネクタハウジングに取り付けるためのキャップ取付孔となり、前記2つの貫通孔のうちの他方は、前記開口部よりも下方に位置して前記コネクタハウジングに対する水抜き孔となることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項2】
前記コネクタハウジングは、それぞれ前記前面プレート部を貫通して前記コネクタハウジングの内部に連通する4つの前記貫通孔を有し、
前記4つの前記貫通孔は、前記開口部を囲む前記四角形の4つの頂点の位置に配置され、
前記コネクタユニットが設置された場合に、前記4つの前記貫通孔のうちの2つの前記貫通孔は、それぞれ前記キャップ取付孔となり、前記4つの前記貫通孔のうちの残りの2つの前記貫通孔は、それぞれ前記水抜き孔となる請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項3】
前記コネクタハウジングは、前記コネクタユニットが設置された場合に、前記開口部よりも下方に位置する前記貫通孔に接続され且つ前記コネクタハウジングの外部に向かって下向きに傾斜する排水ガイド面を有する請求項1または2に記載のコネクタユニット。
【請求項4】
前記キャップは、前記前面プレート部に対向する裏面を有する蓋部と、前記蓋部に連結され且つ弾性材料から形成されたL字腕を有し、
前記L字腕は、前記蓋部の前記裏面に対して交差する方向に突出して延びる棒状の支持部と、前記支持部の先端に形成された屈曲部と、前記屈曲部から前記支持部に対して交差する方向に延びる棒状の引っ掛かり部とを有し、
前記キャップは、前記引っ掛かり部が前記コネクタハウジングの内部に収容され且つ前記支持部が前記キャップ取付孔を貫通した状態で前記コネクタハウジングに保持され、
前記支持部と前記屈曲部と前記引っ掛かり部を含む平面に対して垂直な方向から見たときに、前記支持部および前記引っ掛かり部は、それぞれ、前記キャップ取付孔の寸法よりも小さい厚さ寸法を有し、前記屈曲部の最大寸法は、前記キャップ取付孔の寸法よりも大きく、前記引っ掛かり部は、前記キャップ取付孔の寸法よりも大きい長さ寸法を有する請求項1~3のいずれか一項に記載のコネクタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタユニットに係り、特に、嵌合時に相手側コネクタが挿入される開口部をキャップで開閉可能に覆うコネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
相手側コネクタが挿入される開口部から入り込んだ水を外部へ排出することができるコネクタユニットが、例えば、特許文献1に開示されている。
図21に示されるように、コネクタユニットは、絶縁性樹脂からなるコネクタハウジング1を備え、コネクタハウジング1は、直方体形状のハウジング本体部2と、ハウジング本体部2の前端に形成された矩形の前面プレート部3とを有している。
【0003】
前面プレート部3には、開口部4が形成されており、相手側コネクタとの嵌合時に相手側コネクタが嵌合軸に沿って開口部4に挿入され、ハウジング本体部2内に配置されている図示しないコネクタ部に嵌合する。開口部4は、所定の方向に細長く延びる長円形状を有しており、前面プレート部3の背部に、開口部4の所定の方向の両端部から前面プレート部3の縁部にまで延びる排水通路5~8が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排水通路5~8は、開口部4の両端部から前面プレート部3の縁部にまで延びているので、開口部4が水平方向に延びる姿勢でコネクタユニットが設置された場合であっても、また、開口部4が鉛直方向に延びる姿勢でコネクタユニットが設置された場合であっても、開口部4からコネクタハウジング1内に入り込んだ水を、排水通路5~8のうちの少なくとも1つを通してコネクタハウジング1の外部に排出することができる。
【0006】
また、ハウジング本体部2内に配置されているコネクタ部を保護する目的で、開口部4を開閉可能に覆うキャップをコネクタハウジング1に取り付けることが望まれている。この場合、取り付けられたキャップを上方にめくり上げて開口部4を露出させるために、コネクタユニットが設置される姿勢に応じて、開口部4よりも上方の部分の前面プレート部3に形成された取付孔を利用してキャップを取り付けることが好ましい。
【0007】
そこで、前面プレート部3の長辺が水平方向に延びる姿勢でコネクタユニットが設置される場合と前面プレート部3の長辺が鉛直方向に延びる姿勢でコネクタユニットが設置される場合の双方に備えて前面プレート部3に多数の取付孔を形成することが想定されるが、排水とキャップ取り付けのために、多数の排水通路5~8と多数の取付孔を形成する必要があり、コネクタユニットの構造が複雑になるという問題がある。
【0008】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、簡単な構造でありながらも、コネクタハウジングの開口部をキャップにより開閉可能に覆い且つ開口部からコネクタハウジング内に入り込んだ水を排出することができるコネクタユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るコネクタユニットは、
相手側コネクタが挿入される開口部をキャップにより開閉可能に覆うコネクタユニットであって、
相手側コネクタに嵌合されるコネクタ部と、
コネクタ部を保持し且つ開口部を有するコネクタハウジングと、
コネクタハウジングに取り付けられるキャップと
を備え、
コネクタハウジングは、開口部が形成されている前面プレート部と、前面プレート部を貫通してコネクタハウジングの内部に連通する2つ以上の貫通孔を有し、
2つ以上の貫通孔のうち2つの貫通孔は、前面プレート部において、開口部を囲む四角形の1本の対角線上に位置する2つの頂点の位置に配置され、
コネクタユニットが設置された場合に、2つの貫通孔のうちの一方は、開口部よりも上方に位置してキャップをコネクタハウジングに取り付けるためのキャップ取付孔となり、2つの貫通孔のうちの他方は、開口部よりも下方に位置してコネクタハウジングに対する水抜き孔となるものである。
【0010】
コネクタハウジングは、それぞれ前面プレート部を貫通してコネクタハウジングの内部に連通する4つの貫通孔を有し、
4つの貫通孔は、開口部を囲む四角形の4つの頂点の位置に配置され、
コネクタユニットが設置された場合に、4つの貫通孔のうちの2つの貫通孔は、それぞれキャップ取付孔となり、4つの貫通孔のうちの残りの2つの貫通孔は、それぞれ水抜き孔となるように構成することができる。
【0011】
コネクタハウジングは、コネクタユニットが設置された場合に、開口部よりも下方に位置する貫通孔に接続され且つコネクタハウジングの外部に向かって下向きに傾斜する排水ガイド面を有することが好ましい。
【0012】
キャップは、前面プレート部に対向する裏面を有する蓋部と、蓋部に連結され且つ弾性材料から形成されたL字腕を有し、
L字腕は、蓋部の裏面に対して交差する方向に突出して延びる棒状の支持部と、支持部の先端に形成された屈曲部と、屈曲部から支持部に対して交差する方向に延びる棒状の引っ掛かり部とを有し、
キャップは、引っ掛かり部がコネクタハウジングの内部に収容され且つ支持部がキャップ取付孔を貫通した状態でコネクタハウジングに保持され、
支持部および引っ掛かり部を含む平面に対して垂直な方向から見たときに、支持部および引っ掛かり部は、それぞれ、キャップ取付孔の寸法よりも小さい厚さ寸法を有し、屈曲部の最大寸法は、キャップ取付孔の寸法よりも大きく、引っ掛かり部は、キャップ取付孔の寸法よりも大きい長さ寸法を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、コネクタハウジングは、開口部が形成されている前面プレート部と、前面プレート部を貫通してコネクタハウジングの内部に連通する2つ以上の貫通孔を有し、2つ以上の貫通孔のうち2つの貫通孔は、前面プレート部において、開口部を囲む四角形の互いに対向する2つの頂点の位置に配置され、コネクタユニットが設置された場合に、2つの貫通孔のうちの一方は、開口部よりも上方に位置してキャップをコネクタハウジングに取り付けるためのキャップ取付孔となり、2つの貫通孔のうちの他方は、開口部よりも下方に位置してコネクタハウジングに対する水抜き孔となるので、コネクタユニットの実装姿勢が一方向に限定されることなく、簡単な構造でありながらも、コネクタハウジングの開口部をキャップにより開閉可能に覆い且つ開口部からコネクタハウジング内に入り込んだ水を排出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1における第1の姿勢のコネクタユニットを示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1における第1の姿勢のコネクタユニットを示す正面図である。
【
図3】コネクタハウジングからキャップが引き出された状態の、実施の形態1における第1の姿勢のコネクタユニットを示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1における第1の姿勢のコネクタハウジングを示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1における第1の姿勢のコネクタハウジングを示す正面図である。
【
図10】前面プレート部のキャップ取付孔に通されたキャップのL字腕を示す断面図である。
【
図11】実施の形態1における第2の姿勢のコネクタユニットを示す斜視図である。
【
図12】コネクタハウジングからキャップが引き出された状態の、実施の形態1における第2の姿勢のコネクタユニットを示す斜視図である。
【
図13】実施の形態1における第2の姿勢のコネクタハウジングを示す斜視図である。
【
図14】実施の形態1における第2の姿勢のコネクタハウジングを示す正面図である。
【
図15】実施の形態1における第2の姿勢のコネクタユニットを示す断面図である。
【
図16】コネクタハウジングからキャップが引き出された状態の、実施の形態2における第1の姿勢のコネクタユニットを示す斜視図である。
【
図17】実施の形態2における第1の姿勢のコネクタハウジングを示す斜視図である。
【
図18】実施の形態2における第1の姿勢のコネクタハウジングを示す正面図である。
【
図19】コネクタハウジングからキャップが引き出された状態の、実施の形態2における第2の姿勢のコネクタユニットを示す斜視図である。
【
図20】実施の形態2における第2の姿勢のコネクタハウジングを示す斜視図である。
【
図21】従来のコネクタユニットを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1および
図2に、それぞれ、実施の形態1に係るコネクタユニットの斜視図および正面図を示す。コネクタユニットは、絶縁性樹脂等の絶縁材料から形成されたコネクタハウジング11と、コネクタハウジング11の前部に取り付けられ且つEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の弾性材料から形成されたキャップ21を備えている。
コネクタハウジング11は、ほぼ直方体形状を有するハウジング本体部12と、ハウジング本体部12の前端に形成された矩形の前面プレート部13とを有しており、キャップ21は、コネクタハウジング11の前面プレート部13を覆うように配置されている。
【0016】
ここで、便宜上、前面プレート部13の表面に沿って前面プレート部13の長辺が延びる方向をX方向、X方向に直交し且つ前面プレート部13が形成されているコネクタハウジング11の前部からコネクタハウジング11の後部に向かう方向を+Y方向、XY面に垂直な方向をZ方向と呼ぶものとする。
【0017】
なお、
図1および
図2に示されるコネクタユニットは、+Z方向が鉛直方向Vに沿って上方を向いた、第1の姿勢に設置された状態にある。すなわち、前面プレート部13の長辺が延びるX方向は、水平方向を向いている。
図3に示されるように、キャップ21は、コネクタハウジング11に対して移動可能に取り付けられており、コネクタハウジング11から-Y方向に引き出すことができる。
【0018】
図4に示されるように、コネクタハウジング11の前面プレート部13のほぼ中央部に、図示しない相手側コネクタとの嵌合方向に向かって開口し且つ相手側コネクタとの嵌合時に相手側コネクタが挿入される開口部14が形成されている。相手側コネクタとしては、例えば、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)コネクタを用いることができ、相手側コネクタは、-Y方向から+Y方向に向けて前面プレート部13の開口部14に挿入されることとなる。
開口部14の周縁には、開口部14を囲む長円形の枠を描くようにXZ面内で延び且つ-Y方向に突出する凸部15が形成されている。
【0019】
また、前面プレート部13には、開口部14の-X方向側および+X方向側で且つ開口部14よりも+Z方向に偏位した位置に、前面プレート部13を貫通する一対の貫通孔16Aおよび16Bが形成されている。
さらに、前面プレート部13には、開口部14の-X方向側および+X方向側で且つ開口部14よりも-Z方向に偏位した位置に、前面プレート部13を貫通する一対の貫通孔17Aおよび17Bが形成されている。
【0020】
図5に示されるように、開口部14よりも+Z方向に偏位した一対の貫通孔16Aおよび16Bと開口部14よりも-Z方向に偏位した一対の貫通孔17Aおよび17Bは、開口部14を囲み且つX方向に延びる一対の長辺とZ方向に延びる一対の短辺を有する四角形Sの4つの頂点の位置に配置されている。
コネクタユニットが第1の姿勢に設置されている場合は、+Z方向側の一対の貫通孔16Aおよび16Bが、それぞれ、キャップ21をコネクタハウジング11に取り付けるためのキャップ取付孔として機能し、-Z方向側の一対の貫通孔17Aおよび17Bは、それぞれ、開口部14からコネクタハウジング11内に入り込んだ水を排出するための水抜き孔として機能する。
【0021】
具体的には、キャップ取付孔となる一対の貫通孔16Aおよび16Bのうち-X方向側に位置する貫通孔16Aと、水抜き孔となる一対の貫通孔17Aおよび17Bのうち+X方向側に位置する貫通孔17Bが、四角形Sの2本の対角線のうち、一方の対角線上に位置する2つの頂点の位置に配置され、キャップ取付孔となる一対の貫通孔16Aおよび16Bのうち+X方向側に位置する貫通孔16Bと、水抜き孔となる一対の貫通孔17Aおよび17Bのうち-X方向側に位置する貫通孔17Aが、四角形Sの2本の対角線のうち、他方の対角線上に位置する2つの頂点の位置に配置されている。
【0022】
また、
図6に示されるように、コネクタユニットが第1の姿勢に設置された場合に、ハウジング本体部12は、-Z方向側に配置されて水抜き孔として機能する貫通孔17Bに接続され且つコネクタハウジング11の外部に向かって下向きに傾斜する排水ガイド面18Aを有している。排水ガイド面18Aは、-Y方向に向かうほど-Z方向に位置するように傾斜している。貫通孔17Bよりも-X方向側に位置する貫通孔17Aに対しても、同様に、-Y方向に向かうほど-Z方向に位置するように傾斜する排水ガイド面18Aが接続されている。
【0023】
貫通孔17Aおよび17Bに、それぞれ、このような排水ガイド面18Aが接続されているため、第1の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部14からコネクタハウジング11内に水が入り込んだとしても、水は、排水ガイド面18Aにより誘導され、貫通孔17Aおよび17Bからコネクタハウジング11の外部に排出されやすくなる。
【0024】
さらに、
図7に示されるように、Z方向から見たときに、貫通孔16Aおよび16Bには、それぞれ、排水ガイド面18Bが接続されている。貫通孔16Aおよび16Bのうち、-X方向側に位置する貫通孔16Aに接続されている排水ガイド面18Bは、-Y方向に向かうほど-X方向に位置するように傾斜しており、+X方向側に位置する貫通孔16Bに接続されている排水ガイド面18Bは、-Y方向に向かうほど+X方向に位置するように傾斜している。
【0025】
これらの排水ガイド面18Bは、コネクタユニットが第1の姿勢ではなく、例えば、X方向が鉛直方向Vを向いた、第2の姿勢に設置された場合に、コネクタハウジング11内に入り込んだ水の排出を誘導するためのものである。
貫通孔16Aおよび16Bよりも-Z方向側に位置する貫通孔17Aおよび17Bに対しても、同様の排水ガイド面18Bが接続されている。すなわち、貫通孔17Aおよび17Bのうち、-X方向側に位置する貫通孔17Aに接続されている排水ガイド面18Bは、-Y方向に向かうほど-X方向に位置するように傾斜し、+X方向側に位置する貫通孔17Bに接続されている排水ガイド面18Bは、-Y方向に向かうほど+X方向に位置するように傾斜している。
【0026】
図8に示されるように、キャップ21は、XZ面に沿って延びる、矩形で且つほぼ平板形状の蓋部22と、蓋部22に連結され且つ+Y方向に延びる一対のL字腕23を有している。一対のL字腕23は、コネクタハウジング11の前面プレート部13に形成されている一対の貫通孔16Aおよび16Bに対応している。蓋部22の-Z方向端部には、キャップ21を移動させるための取っ手部22Aが形成されている。
【0027】
一対のL字腕23は、それぞれ、蓋部22の+Y方向を向いた裏面の+Z方向に偏位した位置から+Y方向に突出して延びる棒状の支持部25と、支持部25の+Y方向端部に形成された屈曲部26と、屈曲部26から-Z方向に延びる棒状の引っ掛かり部27を有している。
なお、屈曲部26は、互いに直交する支持部25と引っ掛かり部27の接続部分であり、+Y方向および+Z方向に向かって尖る角部を有している。
【0028】
また、屈曲部26には、X方向における屈曲部26の中央部に配置され且つYZ面に沿って延びる切り欠き28が形成されており、この切り欠き28の存在により、屈曲部26に肉薄の部分が形成されている。キャップ21は弾性材料から形成されているが、屈曲部26が肉薄の部分を有することで、屈曲部26はより弾性変形しやすくなるように構成されている。
【0029】
図8には示されていないが、蓋部22の+Y方向を向いた裏面のほぼ中央部には、コネクタハウジング11の前面プレート部13に形成されている凸部15に対応する長円形の嵌合凹部が形成されており、この嵌合凹部にコネクタハウジング11の凸部15を嵌め込むことにより、キャップ21が前面プレート部13に固定されるように構成されており、キャップ21の固定時においては、キャップ21と前面プレート部13との間に隙間があり、キャップ21の固定時でも排水は可能な構造となっている。
【0030】
図9に示されるように、キャップ21の一対のL字腕23のうち+X方向側に位置するL字腕23は、コネクタハウジング11の貫通孔16Bに通され、同様に、キャップ21の一対のL字腕23のうち-X方向側に位置するL字腕23は、コネクタハウジング11の貫通孔16Aに通される。キャップ21は、一対のL字腕23の引っ掛かり部27がハウジング本体部12の内部空間Rに収容され且つ支持部25が貫通孔16A、16Bを貫通した状態でコネクタハウジング11に保持されている。
【0031】
なお、ハウジング本体部12の内部空間Rには、Y軸に沿って図示しない相手側コネクタに嵌合されるコネクタ部C1等が内蔵されている。
コネクタ部C1に相手側コネクタが嵌合されないときには、
図9に示されるように、キャップ21は、蓋部22がコネクタハウジング11の前面プレート部13に接触するまで、支持部25を貫通孔16A、16Bに貫通しつつ+Y方向に移動される。
【0032】
図10に示されるように、キャップ21のL字腕23の支持部25と屈曲部26と引っ掛かり部27が含まれるYZ面に対して垂直なX方向から見たときに、支持部25および引っ掛かり部27は、それぞれ、前面プレート部13のキャップ取付孔となる貫通孔16A、16Bの寸法H1よりも小さい厚さ寸法D1およびD2を有している。
このため、L字腕23の支持部25および引っ掛かり部27は、それぞれ、貫通孔16A、16Bを貫通する際に、円滑にY方向に移動することができる。
【0033】
一方、L字腕23の屈曲部26は、貫通孔16A、16Bの寸法H1よりも大きい最大寸法D3を有している。なお、
図10に示される屈曲部26の最大寸法D3は、支持部25の-Z方向側縁部と引っ掛かり部27の-Y方向側縁部との接続箇所から、屈曲部26の+Y方向および+Z方向に向かって尖る角部までの距離により表されている。また、支持部25と屈曲部26と引っ掛かり部27が含まれるYZ面に対して垂直な切断面により屈曲部26を切断したときの断面積の最大値は、貫通孔16A、16Bの面積より大きい値を有している。
【0034】
このため、屈曲部26は、キャップ取付孔16を一旦貫通してハウジング本体部12の内部空間Rに収容されると、L字腕23を前面プレート部13に対し-Y方向に移動させて貫通孔16A、16Bから引き抜こうとする力がキャップ21に作用しても、容易に貫通孔16A、16Bを抜け出ることはない。
【0035】
さらに、L字腕23の引っ掛かり部27は、貫通孔16A、16Bの寸法H1よりも大きい長さ寸法L1を有している。従って、L字腕23を前面プレート部13に対し-Y方向に移動させたときに、引っ掛かり部27が前面プレート部13の+Y方向を向いた裏面に接触して引っ掛かることで、L字腕23を貫通孔16A、16Bから容易に引き抜くことができないように構成されている。
【0036】
キャップ21をコネクタハウジング11に取り付ける際には、キャップ21の一対のL字腕23の引っ掛かり部27の先端を、前面プレート部13の貫通孔16A、16Bに貫通させて+Y方向に挿入した後、作業者の指等により一対のL字腕23の屈曲部26を弾性変形させて押しつぶしながら、貫通孔16A、16Bに挿入する。このとき、
図8に示される切り欠き28の存在により、屈曲部26は弾性変形しやすく形成されており、屈曲部26を容易に押しつぶして貫通孔16A、16Bに挿入することができる。
一対のL字腕23を+Y方向に移動させて、蓋部22の嵌合凹部に、前面プレート部13の凸部15を嵌め込むことにより、キャップ21が、コネクタハウジング11に固定される。
【0037】
次に、図示しない相手側コネクタをコネクタ部C1に嵌合させる際には、キャップ21の一対のL字腕23の引っ掛かり部27が、コネクタハウジング11の前面プレート部13に接触して引っ掛かるまで、キャップ21がコネクタハウジング11から引き出され、この状態で、キャップ21の蓋部22が+Z方向にめくり上げられ、-Y方向に向かって露出された前面プレート部13の開口部14を通して、図示しない相手側コネクタが-Y方向から+Y方向に挿入され、コネクタ部C1に嵌合される。
【0038】
このように、簡単な構造でありながら、第1の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部14をキャップ21により開閉可能に覆い、キャップ21の蓋部22をめくり上げて相手側コネクタを嵌合することができ、また、コネクタハウジング11からのキャップ21の脱落を防止することができる。
なお、第1の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部14からコネクタハウジング11内に入り込んだ水は、水抜き孔として機能する貫通孔17Aおよび17Bに接続された排水ガイド面18Aにより誘導され、貫通孔17Aおよび17Bからコネクタハウジング11の外部に排出されることとなる。
【0039】
ここで、コネクタハウジング11の前面プレート部13の長辺が延びるX方向が鉛直方向Vを向いた、第2の姿勢に設置されたコネクタユニットを
図11に示す。詳細には、+X方向が鉛直方向Vに沿って上方を向くように、コネクタユニットが設置されている。
コネクタユニットは、コネクタハウジング11と、コネクタハウジング11の前部に取り付けられたキャップ31を備えている。
【0040】
コネクタハウジング11は、
図4に示されるコネクタハウジング11の姿勢が、Y軸の回りに90度回転されたものであり、キャップ31は、第1の姿勢の際に使用されたキャップ21とは異なり、第2の姿勢に対する専用のキャップである。
すなわち、コネクタユニットが、第1の姿勢に設置された場合であっても、第2の姿勢に設置された場合であっても、共通のコネクタハウジング11が使用され、第1の姿勢および第2の姿勢に対応してキャップ21およびキャップ31のいずれかが使用される。
【0041】
図12に示されるように、キャップ31は、コネクタハウジング11に対して移動可能に取り付けられており、コネクタハウジング11から-Y方向に引き出すことができる。
キャップ31は、
図8に示されるキャップ21と同様に、EPDM等の弾性材料から形成され、XZ面に沿ってX方向に細長く延びる、矩形で且つほぼ平板形状の蓋部32と、蓋部32に連結され且つ+Y方向に延びる一対のL字腕33を有している。
【0042】
+X方向が鉛直方向Vに沿って上方を向くように、コネクタユニットが設置されているため、コネクタハウジング11の前面プレート部13に形成されている4つの貫通孔16A、16B、17A、17Bのうち、+X方向側に配置されている貫通孔16Bおよび17Bが、キャップ取付孔として機能し、-X方向側に配置されている貫通孔16Aおよび17Aが、水抜き孔として機能する。
キャップ31の一対のL字腕33は、キャップ取付孔となる貫通孔16Bおよび17Bに挿入されている。
【0043】
第2の姿勢のコネクタハウジング11を
図13に示す。キャップ取付孔となる貫通孔16Bおよび17Bが、開口部14より鉛直方向Vの上方に位置し、水抜き孔となる貫通孔16Aおよび17Aが、開口部14より鉛直方向Vの下方に位置している。
図14に示されるように、第2の姿勢においても、鉛直方向Vの上方に位置する貫通孔16Bおよび17Bと鉛直方向Vの下方に位置する貫通孔16Aおよび17Aは、開口部14を囲む四角形Sの4つの頂点の位置に配置されている。
【0044】
図15に示されるように、キャップ31の一対のL字腕33のうち-Z方向側に位置するL字腕33は、コネクタハウジング11の貫通孔17Bに通され、同様に、キャップ31の一対のL字腕33のうち+Z方向側に位置するL字腕33は、コネクタハウジング11の貫通孔16Bに通される。L字腕33は、キャップ21のL字腕23と同様に、蓋部32の+Y方向を向いた裏面の+X方向に偏位した位置から+Y方向に突出して延びる棒状の支持部35と、支持部35の+Y方向端部に形成された屈曲部36と、屈曲部36から-X方向に延びる棒状の引っ掛かり部37を有している。
キャップ31は、一対のL字腕33の引っ掛かり部37がハウジング本体部12の内部空間Rに収容され且つ支持部35が貫通孔16B、17Bを貫通した状態でコネクタハウジング11に保持されている。
【0045】
キャップ21の場合と同様に、キャップ31のL字腕33の支持部35と屈曲部36と引っ掛かり部37が含まれるXY面に対して垂直なZ方向から見たときに、支持部35および引っ掛かり部37は、それぞれ、前面プレート部13のキャップ取付孔となる貫通孔16B、17Bの寸法よりも小さい厚さ寸法を有し、屈曲部36は、貫通孔16B、17Bの寸法よりも大きい最大寸法を有している。
【0046】
これにより、簡単な構造でありながら、第2の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部14をキャップ31により開閉可能に覆い、キャップ31の蓋部32をめくり上げて相手側コネクタを嵌合することができ、また、コネクタハウジング11からのキャップ31の脱落を防止することができる。
なお、第2の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部14からコネクタハウジング11内に入り込んだ水は、水抜き孔として機能する貫通孔16Aおよび17Aに接続された排水ガイド面18Bにより誘導され、貫通孔16Aおよび17Aからコネクタハウジング11の外部に排出されることとなる。
【0047】
実施の形態2
上記の実施の形態1では、第1の姿勢に設置されたコネクタユニットに使用されるキャップ21は、一対のL字腕23によりコネクタハウジング11に保持され、第2の姿勢に設置されたコネクタユニットに使用されるキャップ31も、一対のL字腕33によりコネクタハウジング11に保持されているが、これに限るものではない。例えば、1つのL字腕のみでキャップを保持するように構成することもできる。
【0048】
図16に、実施の形態2に係るコネクタユニットを示す。コネクタユニットは、絶縁性樹脂等の絶縁材料から形成されたコネクタハウジング41と、コネクタハウジング41の前部に取り付けられ且つEPDM等の弾性材料から形成されたキャップ51を備えている。
図16は、コネクタハウジング41からキャップ51が引き出された状態を示している。
また、
図16に示されるコネクタユニットは、+Z方向が鉛直方向Vに沿って上方を向いた、第1の姿勢に設置された状態にある。
【0049】
コネクタハウジング41は、ほぼ直方体形状を有するハウジング本体部42と、ハウジング本体部42の前端に形成された矩形の前面プレート部43とを有しており、
図17に示されるように、前面プレート部43のほぼ中央部に、図示しない相手側コネクタとの嵌合時に相手側コネクタが挿入される開口部44が形成され、開口部44の周縁に、開口部44を囲む長円形の枠を描くようにXZ面内で延び且つ-Y方向に突出する凸部45が形成されている。
【0050】
また、前面プレート部43には、開口部44の-X方向側で且つ開口部44よりも+Z方向に偏位した位置に、前面プレート部43を貫通する貫通孔46Aが形成されると共に、開口部44の+X方向側で且つ開口部44よりも-Z方向に偏位した位置に、前面プレート部43を貫通する貫通孔47Bが形成されている。
図18に示されるように、貫通孔46Aおよび47Bは、開口部44を囲み且つX方向に延びる一対の長辺とZ方向に延びる一対の短辺を有する四角形Sの1本の対角線上に位置する2つの頂点の位置に配置されている。
【0051】
コネクタユニットが第1の姿勢に設置されている場合は、開口部44よりも+Z方向側に位置する貫通孔46Aが、キャップ51をコネクタハウジング41に取り付けるためのキャップ取付孔として機能し、開口部44よりも-Z方向側に位置する貫通孔47Bが、開口部44からコネクタハウジング41内に入り込んだ水を排出するための水抜き孔として機能する。
【0052】
すなわち、コネクタハウジング41は、実施の形態1で用いられたコネクタハウジング11において、
図5に示されるように、4つの貫通孔16A、16B、17Aおよび17Bが形成された前面プレート部13の代わりに、2つの貫通孔46Aおよび47Bのみが形成された前面プレート部43を有するもので、前面プレート部43のその他の構成およびハウジング本体部42の構成は、コネクタハウジング11と同様である。
【0053】
図16に示されるように、キャップ51は、XZ面に沿ってX方向に細長く延びる、矩形で且つほぼ平板形状の蓋部52と、蓋部52の+Y方向を向いた裏面の-X方向および+Z方向に偏位した位置から+Y方向に突出して延びる1つのL字腕53を有している。
L字腕53は、実施の形態1で用いられ且つ
図8に示されるキャップ21のL字腕23と同一の構成を有しており、蓋部52の裏面から+Y方向に突出して延びる棒状の支持部と、支持部の+Y方向端部に形成された屈曲部と、屈曲部から-Z方向に延びる棒状の引っ掛かり部を有している。
このL字腕53が、キャップ取付孔となる貫通孔46Aに挿入され、キャップ51は、L字腕53の引っ掛かり部がハウジング本体部42の内部に収容され且つ支持部が貫通孔46Aを貫通した状態でコネクタハウジング41に保持されている。
【0054】
キャップ51が1つのL字腕53のみを有していても、第1の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部44をキャップ51により開閉可能に覆い、キャップ51の蓋部52をめくり上げて相手側コネクタを嵌合することができ、また、コネクタハウジング41からのキャップ51の脱落を防止することができる。
なお、第1の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部44からコネクタハウジング41内に入り込んだ水は、水抜き孔として機能する貫通孔47Bからコネクタハウジング41の外部に排出される。
【0055】
ここで、コネクタハウジング41の前面プレート部43の長辺が延びるX方向が鉛直方向Vを向いた、第2の姿勢に設置されたコネクタユニットを
図19に示す。詳細には、+X方向が鉛直方向Vに沿って上方を向くように、コネクタユニットが設置されている。
コネクタユニットは、コネクタハウジング41と、コネクタハウジング41の前部に取り付けられたキャップ61を備えている。
【0056】
コネクタハウジング41は、
図17に示されるコネクタハウジング41の姿勢が、Y軸の回りに90度回転されたものであり、キャップ61は、第1の姿勢の際に使用されたキャップ51とは異なり、第2の姿勢に対する専用のキャップである。
すなわち、コネクタユニットが、第1の姿勢に設置された場合であっても、第2の姿勢に設置された場合であっても、共通のコネクタハウジング41が使用され、第1の姿勢および第2の姿勢に対応してキャップ51およびキャップ61のいずれかが使用される。
【0057】
コネクタユニットが第2の姿勢に設置されている場合は、
図20に示されるように、貫通孔47Bが、開口部44よりも+Z方向側に位置して、キャップ61をコネクタハウジング41に取り付けるためのキャップ取付孔として機能し、貫通孔46Aが、開口部44よりも-Z方向側に位置して、開口部44からコネクタハウジング41内に入り込んだ水を排出するための水抜き孔として機能する。
【0058】
図19に示されるように、キャップ61は、コネクタハウジング41に対して移動可能に取り付けられており、コネクタハウジング41から-Y方向に引き出すことができる。
キャップ61は、EPDM等の弾性材料から形成され、XZ面に沿ってX方向に細長く延びる、矩形で且つほぼ平板形状の蓋部62と、蓋部62の+Y方向を向いた裏面の+X方向および-Z方向に偏位した位置から+Y方向に突出して延びる1つのL字腕63を有している。
【0059】
L字腕63は、実施の形態1で用いられ且つ
図15に示されるキャップ31のL字腕33と同一の構成を有しており、蓋部62の裏面から+Y方向に突出して延びる棒状の支持部と、支持部の+Y方向端部に形成された屈曲部と、屈曲部から-X方向に延びる棒状の引っ掛かり部を有している。
このL字腕63が、キャップ取付孔となる貫通孔47Bに挿入され、キャップ61は、L字腕63の引っ掛かり部がハウジング本体部42の内部に収容され且つ支持部が貫通孔47Bを貫通した状態でコネクタハウジング41に保持されている。
【0060】
キャップ61が1つのL字腕63のみを有していても、第2の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部44をキャップ61により開閉可能に覆い、キャップ61の蓋部62をめくり上げて相手側コネクタを嵌合することができ、また、コネクタハウジング41からのキャップ61の脱落を防止することができる。
なお、第2の姿勢に設置されたコネクタユニットの開口部44からコネクタハウジング41内に入り込んだ水は、水抜き孔として機能する貫通孔6Aからコネクタハウジング41の外部に排出される。
【0061】
このように、実施の形態2においては、コネクタハウジング41の前面プレート部43に、4つの貫通孔ではなく、2つの貫通孔46Aおよび47Bのみが形成されているが、これらの貫通孔46Aおよび47Bは、開口部44を囲む四角形Sの1本の対角線上に位置する2つの頂点の位置に配置されている。このため、コネクタハウジング41が、
図17に示されるような第1の姿勢にある場合であっても、あるいは、
図20に示されるような第2の姿勢にある場合であっても、2つの貫通孔46Aおよび47Bのうちの一方は、開口部44よりも上方に位置してキャップ取付孔となることができ、2つの貫通孔46Aおよび47Bのうちの他方は、開口部44よりも下方に位置して水抜き孔となることができる。
【0062】
従って、コネクタユニットが第1の姿勢および第2の姿勢のいずれの姿勢で設置されても、1つのL字腕53のみを有するキャップ51または1つのL字腕63のみを有するキャップ61により、開口部44を開閉可能に覆い、キャップ51、61の蓋部52、62をめくり上げて相手側コネクタを嵌合することができ、また、開口部44からコネクタハウジング41内に入り込んだ水をコネクタハウジング41の外部に排出することが可能となる。
【0063】
なお、上記の実施の形態1および2では、
図11および
図19に示されるように、コネクタユニットの+X方向が鉛直方向Vに沿って上方を向いた姿勢を「第2の姿勢」としているが、コネクタユニットの-X方向が鉛直方向Vに沿って上方を向いた姿勢を「第2の姿勢」とすることもできる。この場合、実施の形態1においては、コネクタハウジング11の貫通孔16Aおよび17Aが、開口部14より鉛直方向Vの上方に位置して、キャップ取付孔となり、貫通孔16Bおよび17Bが、開口部14より鉛直方向Vの下方に位置して、水抜き孔となる。実施の形態2においては、コネクタハウジング41の貫通孔46Aが、開口部44より鉛直方向Vの上方に位置して、キャップ取付孔となり、貫通孔47Bが、開口部44より鉛直方向Vの下方に位置して、水抜き孔となる。
【0064】
また、実施の形態1および2において、コネクタユニットのZ方向が鉛直方向Vを向いた姿勢を「第1の姿勢」、コネクタユニットのX方向が鉛直方向Vを向いた姿勢を「第2の姿勢」としたが、コネクタユニットのZ方向またはX方向が必ずしも鉛直方向Vを向いている必要はない。例えば、コネクタユニットのZ方向が鉛直方向Vに対して45度以下の角度で傾斜する姿勢も「第1の姿勢」とし、コネクタユニットのX方向が鉛直方向Vに対して45度以下の角度で傾斜する姿勢も「第2の姿勢」として、この発明を適用することにより、簡単な構造でありながら、コネクタユニットの開口部14、44をキャップ21、31、51、61により開閉可能に覆い、開口部14、44からコネクタハウジング11、41内に入り込んだ水を、水抜き孔となる貫通孔からコネクタハウジング11、41の外部に排出することが可能となる。
【符号の説明】
【0065】
1 コネクタハウジング、2 ハウジング本体部、3 前面プレート部、4 開口部、5~8 排水通路、11,41 コネクタハウジング、12,42 ハウジング本体部、13,43 前面プレート部、14,44 開口部、15,45 凸部、16A,16B,17A,17B 貫通孔、18A,18B 排水ガイド面、21,31,51,61 キャップ、22,32,52,62 蓋部、22A 取っ手部、23,33,53,63 L字腕、25,35 支持部、26,36 屈曲部、27,37 引っ掛かり部、28 切り欠き、S 四角形、R 内部空間、C1 コネクタ部、H1 キャップ取付孔の寸法、D1,D2 厚さ寸法、D3 最大寸法、L1 長さ寸法。
【要約】
【課題】簡単な構造でありながらも、コネクタハウジングの開口部をキャップにより開閉可能に覆い且つ開口部からコネクタハウジング内に入り込んだ水を排出することができるコネクタユニットを提供する。
【解決手段】コネクタハウジング11は、前面プレート部13と、前面プレート部13を貫通してコネクタハウジング11の内部に連通する2つ以上の貫通孔16A,16B,17A,17Bを有し、2つ以上の貫通孔のうち2つの貫通孔は、前面プレート部13において、開口部14を囲む四角形Sの互いに対向する2つの頂点の位置に配置され、コネクタユニットが設置された場合に、2つの貫通孔のうち一方の貫通孔16A,16Bは、開口部14よりも上方に位置してキャップ取付孔となり、2つの貫通孔のうち他方の貫通孔17A,17Bは、開口部14よりも下方に位置して水抜き孔となる。
【選択図】
図5