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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】巻取装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20220623BHJP
   B65H 23/038 20060101ALI20220623BHJP
   H01G 13/02 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
B65H23/038 Z
H01G13/02 M
H01G13/02 301Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018054231
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019169263
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】大橋 文徳
(72)【発明者】
【氏名】林 大貴
【審査官】川村 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-045417(JP,A)
【文献】特開2014-078445(JP,A)
【文献】特開2009-269745(JP,A)
【文献】特開2012-236676(JP,A)
【文献】特開2012-192655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0072244(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00- 4/84
H01G 13/00-13/06
B65H 23/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の金属箔に活物質粒子を含む層が形成された電極シートが捲回されたリールが装着された第1軸と、
前記リールから送り出された前記電極シートが搬送される搬送経路と、
前記搬送経路に搬送された前記電極シートを巻き取る巻軸と、
前記第1軸と前記巻軸との間の前記搬送経路に設けられた少なくとも1つのエッジポジションコントローラと、
前記搬送経路に沿って最も巻軸に近いエッジポジションコントローラよりも下流側に設けられた第1エッジセンサと、
前記搬送経路に沿って前記第1エッジセンサよりも下流側に設けられた第2エッジセンサと、
制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記巻軸を回転させて前記搬送経路に搬送された前記電極シートを巻き取る第1処理部と、
前記電極シートが前記巻軸に巻き取られている間において、前記第1エッジセンサによって検知された前記電極シートの第1エッジ位置と、前記第2エッジセンサによって検知された前記電極シートの第2エッジ位置とに基づいて前記電極シートの斜行量を得る第2処理部と、
前記電極シートが前記巻軸に巻き取られている間において、前記電極シートの前記斜行量が解消するように前記最も巻軸に近いエッジポジションコントローラを制御する第3処理部と
を備え、
前記第2処理部の処理と前記第3処理部の処理が実行される制御周期Ta毎に、電極シートの斜行量が検知され、当該斜行量とは反対側にずれるようにエッジ基準位置が更新され
前記第2処理部の処理と前記第3処理部の処理が実行される制御周期Taは、前記最も巻軸に近いエッジポジションコントローラを制御するための制御周期Tbよりも長い、
巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011-246212号公報には、帯状の電極シートがロール状に巻回されてなる原反を、巻取る巻取装置に関する発明が開示されている。ここで、提案される巻取装置は、第1検出手段と、補正手段と、第2検出手段と、基準値補正手段とを備えている。
第1検出手段は、シートの幅方向の位置を検出する。補正手段は、第1検出手段の検出結果と、所定の基準値とを基に、シートの幅方向の位置ずれを補正する。第2検出手段は、第1検出手段および補正手段よりも下流側において、シートの幅方向の位置を検出する。基準値補正手段では、第2検出手段の検出結果を基に、巻前補正基準値が補正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-246212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、帯状の電極シートは、長さ方向において幅方向に湾曲している場合がある。さらに巻取軸に巻取られる電極シートは、巻取軸の軸方向の片側が太くなる場合がある。さらに、シートの幅方向の位置が巻取軸に対して、捲回途中で急激にずれる事象が生じうる。シートの幅方向の位置が巻取軸に対して急激にずれ始めるタイミングやずれ量は、電極体が巻取られる毎に差がある。さらに、電極シートのエッジ位置を制御するのみでは、巻回された電極体において電極シートのずれを上手く解消できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで提案される巻取装置は、第1軸と、搬送経路と、巻軸と、エッジポジションコントローラと、第1エッジセンサと、第2エッジセンサと、制御装置とを備えている。
第1軸は、帯状の金属箔に活物質粒子を含む層が形成された電極シートが捲回されたリールが装着された軸である。搬送経路は、リールから送り出された電極シートが搬送される経路である。巻軸は、搬送経路に搬送された電極シートを巻き取る軸である。エッジポジションコントローラは、搬送経路に設けられた電極シートの位置を調整する機構である。第1エッジセンサは、搬送経路に沿ってエッジポジションコントローラよりも下流側に設けられたセンサである。第2エッジセンサは、搬送経路に沿って第1エッジセンサよりも下流側に設けられたセンサである。
【0006】
制御装置は、第1処理部と、第2処理部と、第3処理部とを備えている。
第1処理部は、巻軸を回転させて搬送経路に搬送された電極シートを巻き取るように構成されている。第2処理部は、電極シートが巻軸に巻き取られている間において、第1エッジセンサによって検知された電極シートの第1エッジ位置と、第2エッジセンサによって検知された電極シートの第2エッジ位置とに基づいて電極シートの斜行量を得るように構成されている。第3処理部は、電極シートが巻軸に巻き取られている間において、電極シートの斜行量が解消するようにエッジポジションコントローラを制御するように構成されている。
かかる巻取装置によれば、第2エッジ位置の変位が小さく抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、巻取装置100の模式図である。
図2図2は、この実施形態における電極シートS1の模式図である。
図3図3は、電極シートS1を模式的に示す模式図である。
図4図4は、制御装置107の制御フローの一部を示すフローチャートである。
図5図5は、電極シートの位置とエッジ基準位置exの推移を示すグラフである。
図6図6は、電極シートの位置とエッジ基準位置exの推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、ここで提案される巻取装置の一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本発明は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。
【0009】
図1は、巻取装置100の模式図である。
巻取装置100は、図1に示されているように、第1軸101と、搬送経路102と、巻軸103と、エッジポジションコントローラ104と、第1エッジセンサ105と、第2エッジセンサ106と、制御装置107とを備えている。
【0010】
第1軸101は、帯状の金属箔に活物質粒子を含む層が形成された電極シートS1が捲回されたリール101aが装着された軸である。
【0011】
図2は、この実施形態における電極シートS1の模式図である。
電極シートS1は、帯状の金属箔S1aに活物質粒子を含む活物質層S1bが形成されている。帯状の金属箔S1aには、幅方向の片側の縁に沿って活物質層S1bが形成されない未形成部S1cが設定されている。活物質層S1bは、活物質粒子を含む活物質層S1bはバインダーを含み、帯状の金属箔S1aに塗工されている。活物質層S1bは、未形成部S1cを除いて、帯状の金属箔S1aの両面に形成されている。活物質層S1bは、帯状の金属箔S1aに塗工される工程においてプレスされる。この際、帯状の金属箔S1aは、活物質層S1bが形成された部位が圧延される。このため、幅方向において、活物質層S1bが形成された側が未形成部S1cよりも伸びる。その結果、電極シートS1は、図2に示されているように、長さ方向において幅方向に湾曲している。
【0012】
搬送経路102は、リール101aから送り出された電極シートS1が搬送される経路である。巻軸103は、搬送経路102に搬送された電極シートS1を巻き取るための軸である。搬送経路102には、複数のローラー102aが設けられている。ローラー102aによって、リール101aから巻軸103に至る電極シートS1が通る経路が形成されている。また、巻軸103には、電極シートS1だけでなく、他の電極シートS2やセパレータS3,S4が予め定められた順番に重ね合わされつつ巻取られる。
【0013】
エッジポジションコントローラ104は、搬送経路102に設けられている。エッジポジションコントローラ104は、巻軸103に巻取られる電極シートS1の幅方向の位置を調整する装置である。搬送経路102には、複数のエッジポジションコントローラ104が設けられうる。搬送経路102に複数のエッジポジションコントローラが設けられている場合には、エッジポジションコントローラ104は、巻軸103に最も近いエッジポジションコントローラである。搬送経路102には、エッジポジションコントローラ104と巻軸103の間に、第1エッジセンサ105と第2エッジセンサ106が設けられている。
【0014】
第1エッジセンサ105は、搬送経路102に沿ってエッジポジションコントローラ104よりも下流側に設けられたセンサである。つまり、第1エッジセンサ105は、エッジポジションコントローラ104から送り出された直後の電極シートS1の幅方向の位置を検知するためのセンサである。さらに換言すると、エッジポジションコントローラ104によってエッジ位置がコントロールされた電極シートS1の幅方向の位置が、第1エッジセンサ105によって検知される。第1エッジセンサ105によって検知された電極シートS1の幅方向の位置は、「第1エッジ位置e1」と称される。
【0015】
第1エッジセンサ105は、エッジポジションコントローラ104の下流においてエッジポジションコントローラ104の近傍位置に設けられているとよい。例えば、巻軸103に巻き取られる際の電極シートS1の搬送速度は、巻初めから徐々に速くなって予め定められた搬送速度に達し、巻終わりにおいて徐々に減速される。この際、予め定められた搬送速度において、エッジポジションコントローラ104を通過した電極シートS1が予め定められた制御周期に進む距離よりも近い位置に、第1エッジセンサ105が設けられているとよい。ここで、予め定められた制御周期は、例えば、第1エッジ位置e1に基づいてエッジポジションコントローラ104を制御するための制御周期Tbである。制御周期Tbは、例えば、10m秒~30m秒(例えば、20m秒)で規定されるとよい。なお、制御周期は、ここで例示される時間に限定されない。
【0016】
第2エッジセンサ106は、搬送経路102に沿って第1エッジセンサ105よりも下流側に設けられたセンサである。第2エッジセンサ106は、第1エッジセンサ105よりも下流側において、予め定められた距離を離して配置されているとよい。第1エッジセンサ105から第2エッジセンサ106までの距離は、例えば、予め定められた制御周期Tbに電極シートS1が進む距離よりも長く設定されているとよい。ここで、第1エッジセンサ105は、例えば、エッジポジションコントローラ104の下流においてエッジポジションコントローラ104から20mm~50mmの位置に配置されているとよい。第2エッジセンサ106は、エッジポジションコントローラ104の下流においてエッジポジションコントローラ104から300mm~500mmの位置に配置されているとよい。このように、第1エッジセンサ105は、第2エッジセンサ106から十分に近い位置に配置されているとよい。
【0017】
第2エッジセンサ106は、電極シートの斜行量Sxを検知するためのセンサとして機能しうる。また、第2エッジセンサ106は、搬送経路102において第1エッジセンサ105よりも巻軸103に近い位置に配置されている。このため、第2エッジセンサ106は、巻軸103に巻取られる電極シートS1の幅方向の位置を、第1エッジセンサ105よりも精度良く検知しうる。第2エッジセンサ106によって検知された電極シートS1の幅方向位置は、「第2エッジ位置e2」と称される。
【0018】
制御装置107は、図1に示されているように、第1処理部107a1と、第2処理部107a2と、第3処理部107a3とを備えている。ここで、制御装置107は、搬送装置100の種々の処理を行う装置である。
【0019】
制御装置107は、例えば、予め定められたプログラムに沿って駆動するコンピュータによって具現化されうる。具体的には、制御装置107の各機能は、制御装置107を構成する各コンピュータの演算装置(プロセッサ、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)とも称される)や記憶装置(メモリーやハードディスクなど)と、ソフトウエアとの協働によって処理される。例えば、制御装置107の各構成および処理は、コンピュータによって具現化されるデータを予め定められた形式で記憶するデータベース、データ構造、予め定められたプログラムに従って所定の演算処理を行う処理モジュールなどとして、または、それらの一部として具現化されうる。
【0020】
第1処理部107a1は、巻軸103を回転させて搬送経路102に搬送された電極シートS1を巻き取る処理が実行されるように構成されている。この処理では、リール101aから搬送経路102に送り出された電極シートS1が巻軸103に巻取られる。
【0021】
図3は、電極シートS1を模式的に示す模式図である。
第2処理部107a2は、図3に示されているように、第1エッジ位置e1と第2エッジ位置e2とに基づいて電極シートの斜行量Sxを得るように構成されている。図3では、エッジポジションコントローラ104から巻軸103に送られる電極シートS1が幅方向にずれる様子が図示されている。図3において、「e0」は、電極シートS1の幅方向の基準位置を模式的に示している。
【0022】
図3に示されているように、第2処理部107a2の処理では、電極シートの斜行量Sxは、第1エッジ位置e1と第2エッジ位置e2との差分(Sx=e2-e1)によって算出されうる。ここで、第1エッジ位置e1は、エッジポジションコントローラ104によってエッジポジションがコントロールされた電極シートS1の幅方向の位置である。第2エッジ位置e2は、第2エッジセンサ106が設けられた位置での電極シートS1の幅方向の位置である。電極シートの斜行量Sxは、第1エッジセンサ105が設けられた位置と第2エッジセンサ106が設けられた位置とにおける、搬送されている電極シートS1が幅方向にずれている量である。
【0023】
第3処理部107a3は、電極シートの斜行量Sxが解消するようにエッジポジションコントローラ104を制御するように構成されている。第3処理部107a3では、例えば、エッジポジションコントローラ104を制御するエッジ基準位置exが、測定された電極シートの斜行量Sx分ずらされるとよい。
【0024】
ここで、制御装置107には、エッジポジションコントローラ104によって電極シートを制御するための基準位置は、エッジ基準位置exとして記憶される。また、制御装置107には、予め定められた初期のエッジ基準位置ex(0)が、エッジ基準位置exとして記憶されているとよい。また、便宜上、更新前のエッジ基準位置exをex(j)とする。更新後のエッジ基準位置exをex(j+1)とする。
【0025】
図4は、制御装置107の制御フローの一部を示すフローチャートである。
制御装置107では、図4に示されているように、予め定められた制御周期Tb毎にエッジ基準位置exが取得される。さらに、第1エッジ位置e1が取得されてフィードバックされる(S22)。さらに、第1エッジ位置e1に基づいて電極シートのエッジ位置がエッジ基準位置exに近づくようにエッジポジションコントローラ104が制御される(S23)。
第2処理部107a2の処理(S12)は、電極シートS1が巻軸103に巻き取られている間において、予め定められた制御周期Ta毎に電極シートの斜行量Sxが得られるように構成されているとよい。第3処理部107a3の処理(S13)は、電極シートS1が巻軸103に巻き取られている間において、予め定められた制御周期Ta毎に得られる電極シートの斜行量Sxに基づいて、エッジ基準位置が更新されるように設定されているとよい。
【0026】
この実施形態では、第3処理部107a3では、電極シートの斜行量Sxを解消する方向に、更新される前のエッジ基準位置ex(j)がずらされる。更新された後のエッジ基準位置ex(j+1)は、例えば、ex(j+1)=ex(j)-Sxとして算出される。つまり、斜行量Sx分、エッジポジションコントローラ104で制御されるエッジ基準位置exが、電極シートが幅方向にずれている側よりも反対側にずらされる。
【0027】
かかる第3処理部107a3の処理によって、エッジポジションコントローラ104を制御する際のエッジ基準位置exは、初期のエッジ基準位置ex(0)から、予め定められた制御周期Ta毎に、第2処理部107a2で得られた斜行量Sx分ずつ更新されていく。つまり、制御周期Ta毎にエッジポジションコントローラ104を制御するための、エッジ基準位置exが更新される。そして、更新されたエッジ基準位置exに基づいてエッジポジションコントローラ104が制御されることによって、エッジポジションコントローラ104を通過した直後の電極シートS1の幅方向の位置が更新されたエッジ基準位置exに近づけられる。
【0028】
図5図6は、電極シートの位置とエッジ基準位置exの推移を示すグラフである。縦軸は、電極シートの位置を示しており、横軸は時間を示している。
図5は、エッジポジションコントローラ104のエッジ基準位置ex(0)で固定されている場合が示されている。図6は、上述した第2処理部107a2と第3処理部107a3とが実行された場合が示されている。図5図6では、図2に示されているように、帯状の金属箔S1aの幅方向の片側の縁に沿って未形成部S1cが設定され、未形成部S1cを除いて金属箔S1aの両面に活物質層S1bが塗工された電極シートS1が、それぞれ用いられている。
【0029】
エッジポジションコントローラ104のエッジ基準位置ex(0)で固定されている場合は、図5に示されているように、捲回が進むと、あるタイミングで電極シートの斜行量Sxが大きくなる。そして、第2エッジ位置e2が大きく目標位置(ここでは、ex(0))から大きくずれていく。図5に示す例では、目標位置に対して設定される許容範囲e(+)~e(-)を超えて、第2エッジ位置e2がずれている。
【0030】
図5の場合、電極シートS1がずれる方向やずれる量を予測して、捲回開始前に、エッジポジションコントローラ104のエッジ基準位置ex(0)を予めずらしておいてもよい。例えば、図5の例では、ex(0)を予めe(+)側にずらして設定しておくことで、第2エッジセンサ106で検知される第2エッジ位置e2がe(+)側にずれる。このため、第2エッジ位置e2の変位が許容範囲e(+)~e(-)が収まるかも知れない。しかしながら、電極シートの斜行量Sxが予測よりも大きい場合や捲回途中から急激に電極シートS1がずれるような場合には、第2エッジ位置e2の変位が許容範囲e(+)~e(-)に収まらない場合が生じうる。
【0031】
これに対して、上述した第2処理部107a2と第3処理部107a3が実行されている場合は、図6に示されているように、予め定められた制御周期Ta毎に電極シートの斜行量Sx(e2-e1)が検知される。そして、電極シートの斜行量Sxに基づいてエッジ基準位置exが更新される。このため、電極シートS1が巻軸103に巻き取られている間において、電極シートの斜行量Sxとは反対側にずれるようにエッジ基準位置exが更新される。そして、図6に示されているように、電極シートの斜行量Sxが小さく抑えられ、第2エッジ位置e2の変位が小さくなる。このため、電極シートS1がずれる方向やずれる量を予測する必要は無い。捲回開始前に、エッジポジションコントローラ104のエッジ基準位置ex(0)を予めずらす必要も無い。捲回途中から急激に電極シートS1がずれるような場合でも、第2エッジ位置e2の変位が許容範囲e(+)~e(-)に収められうる。
【0032】
ここで提案される制御装置107の制御周期は、Ta>Tbであるとよい。つまり、第2処理部107a2の処理S12と第3処理部107a3の処理S13が実行される予め定められた制御周期Taは、エッジポジションコントローラ104を制御するための予め定められた制御周期Tbよりも長く設定されているとよい。換言すると、電極シートの斜行量Sxを得てエッジ基準位置exを更新するための予め定められた制御周期Taは、エッジ基準位置exを得る処理S21と、第1エッジ位置e1を得る処理S22と、エッジポジションコントローラ104を制御する処理S23の制御周期Tbよりも長いとよい。
【0033】
TaがTbよりも長いと、エッジ基準位置exが更新されてそれに基づいたエッジポジションコントローラ104の制御がある程度進んだ段階で、エッジ基準位置exが更新されるようになる。これによって、エッジポジションコントローラ104の制御が安定しやすくなる。この場合、Taは、例えば、Tbの2倍~4倍程度(例えば、3倍)に設定するとよい。なお、TaをTbに対してどの程度長くするかは、電極シートの斜行量Sxが小さく抑えられ、かつ、第2エッジ位置e2の変位が小さくなること、および、エッジポジションコントローラ104の制御が安定することが両立するように定めるとよい。
【0034】
また、第2処理部107a2では、電極シートの斜行量Sxが得られるが、電極シートの斜行量Sxを得る処理は、エッジポジションコントローラ104を制御するための制御周期Tb毎に得てもよい。この場合、第3処理部107a3では、予め定められた制御周期Taの間に得られた電極シートの斜行量Sxの平均値を得て、当該電極シートの斜行量Sxの平均値に基づいて、電極シートの斜行量Sxが解消される方向にエッジ基準位置exを更新してもよい。
【0035】
以上、ここで提案される巻取装置について、種々説明した。特に言及されない限りにおいて、ここで挙げられた巻取装置の実施形態などは、本発明を限定しない。
【符号の説明】
【0036】
100 巻取装置
101 第1軸
101a リール
102 搬送経路
102a ローラー
103 巻軸
104 エッジポジションコントローラ
105 第1エッジセンサ
106 第2エッジセンサ
107 制御装置
107a1 第1処理部
107a2 第2処理部
107a3 第3処理部
e0 電極シートS1の幅方向の基準位置
e1 第1エッジ位置
e2 第2エッジ位置
ex エッジ基準位置
S1 電極シート
S1a 金属箔
S1b 活物質層
S1c 未形成部
S2 他の電極シート
S3,S4 セパレータ
Sx 斜行量
Ta エッジ基準位置を更新するための制御周期
Tb エッジポジションコントローラ104を制御するための制御周期
図1
図2
図3
図4
図5
図6