(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】自動車運行管理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20220623BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20220623BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G06Q50/30
(21)【出願番号】P 2018184150
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080768
【氏名又は名称】村田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100166327
【氏名又は名称】舟瀬 芳孝
(74)【代理人】
【識別番号】100106644
【氏名又は名称】戸塚 清貴
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡村 雅
(72)【発明者】
【氏名】岡田 裕輝
(72)【発明者】
【氏名】西村 一眞
(72)【発明者】
【氏名】神八 俊夫
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/169181(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/123
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定地域内に居住する多数のユーザに対して、運行用車両を用いて定時定路運行とデマンド運行とのサービスを行うための自動車運行管理システムであって、
運行管理者によって管理され、情報処理装置からなる運行管理装置を有し、
前記運行管理装置は、ユーザからの定時定路運行およびデマンド運行での乗車予約を受け付ける予約受付機能を有し、
前記運行管理装置は、前記定時定路運行の運行時間帯に近い時簡帯での運行となるデマンド運行の乗車予約を受け付けたときに、あらかじめ設定された所定条件を満足していることを条件として、該乗車予約されたデマンド運行に対して近い時間帯に運行が予定される定時定路運行を休止させる休止処理機能を有
し、
前記運行管理装置は、デマンド運行の乗車予約を受け付ける際に、デマンド運行を乗車予約したユーザが相乗りを許可するか否かの情報を含めて乗車予約の受付を行うようにされ、
前記所定条件が、少なくともデマンド運行を乗車予約したユーザが相乗りを許可していることとされている、
ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項2】
所定地域内に居住する多数のユーザに対して、運行用車両を用いて定時定路運行とデマンド運行とのサービスを行うための自動車運行管理システムであって、
運行管理者によって管理され、情報処理装置からなる運行管理装置を有し、
前記運行管理装置は、ユーザからの定時定路運行およびデマンド運行での乗車予約を受け付ける予約受付機能を有し、
前記運行管理装置は、前記定時定路運行の運行時間帯に近い時簡帯での運行となるデマンド運行の乗車予約を受け付けたときに、あらかじめ設定された所定条件を満足していることを条件として、該乗車予約されたデマンド運行に対して近い時間帯に運行が予定される定時定路運行を休止させる休止処理機能を有し、
前記運行管理装置は、前記乗車予約されたデマンド運行を、休止される定時定路運行の代替運行として兼用させ、
前記運行管理装置は、前記乗車予約されたデマンド運行の運行経路を決定して、該決定されたデマンド運行の運行経路を走行した際に、前記休止される定時定路運行での運行所要時間に対しての時間差となる所要時間差を算出するようにされ、
前記所定条件が、前記所要時間差があらかじめ設定された第1時間差以下であることとされている、
ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項3】
所定地域内に居住する多数のユーザに対して、運行用車両を用いて定時定路運行とデマンド運行とのサービスを行うための自動車運行管理システムであって、
運行管理者によって管理され、情報処理装置からなる運行管理装置を有し、
前記運行管理装置は、ユーザからの定時定路運行およびデマンド運行での乗車予約を受け付ける予約受付機能を有し、
前記運行管理装置は、前記定時定路運行の運行時間帯に近い時簡帯での運行となるデマンド運行の乗車予約を受け付けたときに、あらかじめ設定された所定条件を満足していることを条件として、該乗車予約されたデマンド運行に対して近い時間帯に運行が予定される定時定路運行を休止させる休止処理機能を有し、
前記運行管理装置は、前記乗車予約されたデマンド運行を、休止される定時定路運行の代替運行として兼用させ、
前記運行管理装置は、前記乗車予約されたデマンド運行の運行経路を決定して、該決定されたデマンド運行の運行経路を走行した際に、前記休止される定時定路運行での最終地への到着時間に対しての到着時間差を算出するようにされ、
前記所定条件が、前記到着時間差があらかじめ設定された第2時間差以下であることとされている、
ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項4】
所定地域内に居住する多数のユーザに対して、運行用車両を用いて定時定路運行とデマンド運行とのサービスを行うための自動車運行管理システムであって、
運行管理者によって管理され、情報処理装置からなる運行管理装置を有し、
前記運行管理装置は、ユーザからの定時定路運行およびデマンド運行での乗車予約を受け付ける予約受付機能を有し、
前記運行管理装置は、前記定時定路運行の運行時間帯に近い時簡帯での運行となるデマンド運行の乗車予約を受け付けたときに、あらかじめ設定された所定条件を満足していることを条件として、該乗車予約されたデマンド運行に対して近い時間帯に運行が予定される定時定路運行を休止させる休止処理機能を有し、
ユーザに保持されると共に前記運行管理装置に対して通信可能とされ、情報処理装置からなる多数のユーザ端末を有し、
前記運行管理装置は、デマンド運行での乗車予約を受け付けたときに、乗車予約されたデマンド運行での相乗りを許可するか否かの問い合わせを前記ユーザ端末に対して行う問い合わせ機能と、該問い合わせの結果を受信する機能と、を有し、
前記運行管理装置は、乗車予約されたデマンド運行に対して相乗りを希望するユーザが存在することを条件として、乗車予約されたデマンド運行に対して近い時間帯に運行が予定される定時定路運行を休止させる、
ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記運行管理装置は、デマンド運行での相乗りを希望するか否かの問い合わせを行うに際して、該デマンド運行での運行時間および運行経路に関する情報を前記ユーザ端末に対して報知する、ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項6】
請求項4または
請求項5において、
前記運行管理装置は、前記休止される可能性のある前記定時定路運行への乗車予約を行っているユーザが存在するときは、該乗車予約しているユーザのユーザ端末に対して優先的に相乗りを希望するか否かの問い合わせを行う、ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項7】
請求項4ないし
請求項6のいずれか1項において、
前記所定条件が、乗車予約したユーザおよび相乗りを希望するユーザの各自宅からもっとも近い位置にある定時定路運行用の停留所までの移動時間の合計が所定時間以上のときとされている、ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項8】
請求項4ないし
請求項6のいずれか1項において、
前記所定条件が、乗車予約したユーザおよび相乗りを希望するユーザの各自宅からもっとも近い位置にある定時定路運行用の停留所までの移動距離の合計が所定距離以上のときとされている、ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項9】
所定地域内に居住する多数のユーザに対して、運行用車両を用いて定時定路運行とデマンド運行とのサービスを行うための自動車運行管理システムであって、
運行管理者によって管理され、情報処理装置からなる運行管理装置を有し、
前記運行管理装置は、ユーザからの定時定路運行およびデマンド運行での乗車予約を受け付ける予約受付機能を有し、
前記運行管理装置は、前記定時定路運行の運行時間帯に近い時簡帯での運行となるデマンド運行の乗車予約を受け付けたときに、あらかじめ設定された所定条件を満足していることを条件として、該乗車予約されたデマンド運行に対して近い時間帯に運行が予定される定時定路運行を休止させる休止処理機能を有し、
前記所定条件が、前記乗車予約されたデマンド運行の行き先方向が、休止対象となる定時定路運行の行き先方向とほぼ一致しているときとされている、
ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【請求項10】
請求項1ないし
請求項9のいずれか1項において、
少なくとも定時定路運行での運転を担当する複数のドライバーに保持されると共に前記運行管理装置と通信可能とされ、情報処理装置からなる複数のドライバー端末をさらに有し、
前記運行管理装置は、前記休止される定時定路運行の運転を担当する予定のドライバーの前記ドライバー端末に対して、担当する定時定路運行が休止された旨を報知する変更報知機能を有している、
ことを特徴とする自動車運行管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車運行管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、カーシェアリングの一種として、ドライバーが保有する自動車を運行用車両として使用して、このドライバーによる運行用車両の運転によって、不特定多数のユーザを対象にした運行サービスを行うことが増加している。このようなサービスを広い地域範囲に渡って行う場合は、運行に用いる運行用車両が多数用意されるのが一般的である。
【0003】
特許文献1には、多数の運行用車両の中から、乗車要求に応じた適切な運行用車両を選択する手法が提案されている。特許文献2には、運行用車両の選択に際して、サービス提供者の利益あるいは利用者の満足度を向上させる手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-238831号公報
【文献】特開2016-85734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、地方では、高齢化、人口減少等、多くの問題を抱えており、交通空白地域においては、交通弱者は、通院や買い物等になくてはならない移動が奪われている。このため、交通空白地域の人々に必要不可欠な交通手段として、住民が保有する自動車を運行用車両として利用し、また自動車を保有するドライバーを運行用車両の運転者として利用した運行を行う有償運送が着目されている。このような有償運送は、交通空白地域に、単に、必要不可欠な交通手段を提供するだけでなく、豊かな地域の維持、創造を通じて地域の活性化を図る可能性を秘めており、その有効な活用が望まれている。
【0006】
上記空白地域での有償運送においては、その基本的な運行サービスとして、定時定路運行を行うことが考えられる。この定時定路運行は、路線バスの運行に対応したもので、決められた路線を決められた時間に走行する運行となる。そして、交通の便をより一層向上させるために、定時定路運行の他に、住民の希望によって運行時間、出発地、目的地さらには経由地等を自由に選択できるデマンド運行(タクシー運行に対応)を行うことも考えられる。
【0007】
定時定路運行とデマンド運行との両方を行う場合、デマンド運行と定時定路運行とがほぼ重なるような状況も応々にして生じることになる。すなわち、定時定路運行での時間帯とほぼ同じ時間帯にデマンド運行が要求されて、デマンド運行の行き先も定時定路運行での行き先とほぼ同一方向となる場合がある。
【0008】
このような場合、定時定路運行とデマンド運行との両方を行うことも可能ではあるが、ドライバーへの支払い報酬額や運行管理費用等の運行負荷を低減する観点からなんらからの対策が望まれるものである。
【0009】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、定時定路運行とデマンド運行とを行う場合に、運行負荷を軽減できるようにした自動車運行管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような基本的な解決手法を採択してある。すなわち、
所定地域内に居住する多数のユーザに対して、運行用車両を用いて定時定路運行とデマンド運行とのサービスを行うための自動車運行管理システムであって、
運行管理者によって管理され、情報処理装置からなる運行管理装置を有し、
前記運行管理装置は、ユーザからの定時定路運行およびデマンド運行での乗車予約を受け付ける予約受付機能を有し、
前記運行管理装置は、前記定時定路運行の運行時間帯に近い時簡帯での運行となるデマンド運行の乗車予約を受け付けたときに、あらかじめ設定された所定条件を満足していることを条件として、該乗車予約されたデマンド運行に対して近い時間帯に運行が予定される定時定路運行を休止させる休止処理機能を有している、
ようにしてある。
【0011】
上記基本的な解決手法によれば、乗車予約されたデマンド運行に近い時間帯での運行が予定されている定時定路運行を適宜休止できるので、運行負荷を低減することができる。また、定時定路運行を休止するには、あらかじめ設定された所定条件を満足させることを条件としてあるので、定時定路運行をむやみに休止させてしまう事態を防止して、定時定路運行を利用したい者の便宜も十分に確保されることになる。
【0012】
上記基本的な解決手法を前提として、本発明にあっては次のような態様を採択することができる。すなわち、
前記運行管理装置は、デマンド運行の乗車予約を受け付ける際に、デマンド運行を乗車予約したユーザが相乗りを許可するか否かの情報を含めて乗車予約の受付を行うようにされ、
前記所定条件が、少なくともデマンド運行を乗車予約したユーザが相乗りを許可していることとされている、
ようにすることができる。この場合、相乗りの有無に関してデマンド運行を乗車予約した者の意思を反映したものとしつつ、デマンド運行に伴って定時定路運行を不必要に休止させてしまう事態を防止できる。
【0013】
前記運行管理装置は、前記乗車予約されたデマンド運行を、休止される定時定路運行の代替運行として兼用させる、ようにすることができる。この場合、デマンド運行を定時定路運行と兼用させて、全体として交通の便を十分に確保しつつ、運行負荷を低減することができる。
【0014】
前記運行管理装置は、前記乗車予約されたデマンド運行の運行経路を決定して、該決定されたデマンド運行の運行経路を走行した際に、前記休止される定時定路運行での運行所要時間に対しての時間差となる所要時間差を算出するようにされ、
前記所定条件が、前記所要時間差があらかじめ設定された第1時間差以下であることとされている、
ようにすることができる。この場合、デマンド運行を休止される定時定路運行として兼用させる場合に、運行に要する所要時間がいたずらに長くなってしまう事態を防止することができる。
【0015】
前記運行管理装置は、前記乗車予約されたデマンド運行の運行経路を決定して、該決定されたデマンド運行の運行経路を走行した際に、前記休止される定時定路運行での最終地への到着時間に対しての到着時間差を算出するようにされ、
前記所定条件が、前記到着時間差があらかじめ設定された第2時間差以下であることとされている、
ようにすることができる。この場合、デマンド運行を休止される定時定路運行として兼用させる場合に、最終到着時間が定時定路運行の場合に対して大きくずれてしまう事態を防止することができる。
【0016】
ユーザに保持されると共に前記運行管理装置に対して通信可能とされ、情報処理装置からなる多数のユーザ端末を有し、
前記運行管理装置は、デマンド運行での乗車予約を受け付けたときに、乗車予約されたデマンド運行での相乗りを許可するか否かの問い合わせを前記ユーザ端末に対して行う問い合わせ機能と、該問い合わせの結果を受信する機能と、を有し、
前記運行管理装置は、乗車予約されたデマンド運行に対して相乗りを希望するユーザが存在することを条件として、乗車予約されたデマンド運行に対して近い時間帯に運行が予定される定時定路運行を休止させる、
ようにすることができる。この場合、デマンド運行で相乗りが行われる機会を増大させて、つまり相乗りが増える分だけ定時定路運行を利用する者を減少させて、定時定
路運行を休止させる機会を増大させる上で好ましいものとなる。特に、過疎地では、居住地域からの行き先が殆ど同じになることが多いので、相乗りを利用して定時定路運行を休止させる機会を増大させることができる。
【0017】
前記運行管理装置は、デマンド運行での相乗りを希望するか否かの問い合わせを行うに際して、該デマンド運行での運行時間および運行経路に関する情報を前記ユーザ端末に対して報知する、ようにすることができる。この場合、運行時間に加えて運行経路をも報知することにより相乗り希望者を増大させて、その分定時定路運行を休止させる機会を増大させる上で好ましいものとなる。
【0018】
前記運行管理装置は、前記休止される可能性のある前記定時定路運行への乗車予約を行っているユーザが存在するときは、該乗車予約しているユーザのユーザ端末に対して優先的に相乗りを希望するか否かの問い合わせを行う、ようにすることができる。この場合、定時定路運行の利用を予定している者を積極的にデマンド運行へと誘導して、定時定路運行を休止させる機会を増大させる上で好ましいものとなる。
【0019】
前記所定条件が、乗車予約したユーザおよび相乗りを希望するユーザの各自宅からもっとも近い位置にある定時定路運行用の停留所までの移動時間の合計が所定時間以上のときとされている、ようにすることができる。この場合、停留所までの移動時間が長くなる者をデマンド運行へと誘導して、定時定路運行を休止させる機会を増大させる上で好ましいものとなる。
【0020】
前記所定条件が、乗車予約したユーザおよび相乗りを希望するユーザの各自宅からもっとも近い位置にある定時定路運行用の停留所までの移動距離の合計が所定距離以上のときとされている、ようにすることができる。この場合、停留所までの移動距離が長くなる者をデマンド運行へと誘導して、定時定路運行を休止させる機会を増大させる上で好ましいものとなる。
【0021】
前記所定条件が、前記乗車予約されたデマンド運行の行き先方向が、休止対象となる定時定路運行の行き先方向とほぼ一致しているときとされている、ようにすることができる。この場合、デマンド運行を、休止される定時定路運行と実質的に同等のものとすることができる。
【0022】
少なくとも定時定路運行での運転を担当する複数のドライバーに保持されると共に前記運行管理装置と通信可能とされ、情報処理装置からなる複数のドライバー端末をさらに有し、
前記運行管理装置は、前記休止される定時定路運行の運転を担当する予定のドライバーの前記ドライバー端末に対して、担当する定時定路運行が休止された旨を報知する変更報知機能を有している、
ようにすることができる。この場合、休止される定時定路運行を運転する予定であったドライバーが、運転不要になったことを事前に知ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、デマンド運行を有効に利用して定時定路運行を適宜休止させることができ、運行負荷を低減する上で好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図5】各種登録を行うための制御例を示すフローチャート。
【
図6】運転担当可能なドライバーの登録を行うための制御例を示すフローチャート。
【
図7】車載端末の操作に伴う制御例を示すフローチャート。
【
図8】定時定路運行の乗車予約受付に伴う制御例を示すフローチャート。
【
図9】デマンド運行の乗車予約受付に伴う制御例を示すフローチャート。
【
図10】デマンド運行に伴う相乗りに関する制御例を示すフローチャート。
【
図11】デマンド運行に伴って定時定路運行を休止させるための第1の制御例を示すフローチャート。
【
図12】デマンド運行に伴って定時定路運行を休止させるための第2の制御例を示すフローチャート。
【
図13】定時定路運行を乗車予約する場合のユーザ端末での表示例を示す図。
【
図14】デマンド運行に伴って定時定路運行を休止する場合に、定時定路運行を乗車予約しようとした際のユーザ端末での表示例を示す図。
【
図15】
図14の状態から、デマンド運行の詳細等を示す表示内容に切換えられた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、定時定路運行が行われる路線例を示すものである。図中、D1は、片道1車線(往復で2車線)の道路である。この道路D1は、鉄道路線Rにおける所定の駅Raを通るもので、この地域ではメインの道路となっている。駅Raの周辺が、この地域で唯一の繁華街となっており、役場、学校等の公的施設の他、病院や歯医者等の医療施設、スーパマーケット、コンビニエンスストア、カラオケ店等々の商業施設や娯楽施設が存在している。
【0026】
道路D1に対しては、駅Raから離れた位置において、道路D2、D3が連なっている。道路D2、D3は、往復で1車線の対面通行用とされたローカルな道路となっている。この道路D2、D3沿いの地域は、山間部にあって、周囲の殆どが山や丘となる辺鄙な地域となっている。
【0027】
道路D2のうち、道路D1から遠く離れた位置において、複数の集落A1~A3が存在している。集落A1~A3は、駅Raから10km以上離れた離村となっている、道路D3は、行き止まりとなっていて、行き止まりの位置には、集落A1~A3の住民等が集うイベント会場(広場)A4とされている。
【0028】
集落A1~A3に居住する住民の総数は、数百名程度であるが、高齢者の割合が大きいものであり、自動車の運転をできない者も多数存在する状況となっている。そして、道路D2(つまり集落A1~A3の住民)においては、路線バスの運行はされていないものである。
【0029】
集落A1~A3の住民の交通の便を図るために、住民同士の協力によって、定時定路運行とデマンド運行とを行うこととなっている。定時定路運行は、定時に決まった路線を走行するものである.定時定路運行の停留所が、S1~S7として示される。停留所S1は、出発点となるもので、集落A1の住民用である。停留所S2は、集落A2の住民用である。停留所S3は、集落A3の住民用である。
【0030】
停留所S4は、道路D2がメインの道路D1と交差する位置に設定されている。停留所S5は、小学校や中学校のある位置付近に設定されている。停留所S6は、役場付近の位置に設定されている。停留所S7は、定時定路運行の終点で、駅Ra付近に設定されている。このように、定時定路運行の路線は、停留所S1から、S2、S3、S4、S5、S6を経て、終点のS7へ到達する経路とされる。帰りの便は、上記とは逆の経路をたどることになる。なお、定時定路運行の運行便数は、例えば、往復共に、例えば朝2便、昼1便、夕方2便とされている。なお、同一時間に出発する定時定路運行で使用する運行用車両の台数は、1台に限らず、乗車希望者が多いときは複数台となる場合もある(同一便で複数台の運行用車両が稼働される場合あり)。
【0031】
定時定路運行の変形として、臨時運行(臨時便)が適宜行われる。この臨時運行は、例えば、イベント会場A4で催し物(例えば盆踊り、花火大会、芋煮会等)が開催されるときにのみ行われる。この臨時運行の経路は、停留所S1から、S2、S3、S4を経て、停留所S8へ至る経路とされる(復路はこの逆)。臨時運行は、イベント開催日に、あらかじめ設定された定時に停留所S1を出発する便とされる。
【0032】
臨時運行を含む定時定路運行とデマンド運行とを行う運行用車両は、集落A1~A3の住民が保有する自家用自動車を利用する他、自治体や企業からの補助や寄付等で管理を任された専用車両が用いられる。運行用車両の台数は、少なくとも2台以上とされ、好ましくは10台以上が用意される。
【0033】
運行用車両の運転を行うドライバーは、集落A1~A3の住民から選ばれた者とされる。ドライバーとして選択されるには、あらかじめ事前講習(例えば半日~1日程度の講習)を受けた者であることを条件とされる。すなわち、講習内容としては、例えば、安全運転に関する知識と実技の講習、乗客(特に高齢者や幼児)に対する運行用車両への乗り降りの補助の仕方に関する講習、ドライバーに要求される運行管理に関する知識や取扱い方等についての講習等がある。講習を修了したドライバーは、運行用車両の運転者として、登録される(ドライバーの登録の点については後述する)。
【0034】
図2は、デマンド運行が行われた場合の一例を示すものである。図中P1は、デマンド運行を乗車予約した乗客(ユーザ)の住居であり、P2、P3は、この乗車予約されたデマンド運行(の運行用車両)に相乗りを希望した乗客(ユーザ)の住居である。デマンド運行は、乗客の希望に応じた出発地と目的地と経路とを自由に選択できる。
図2では、乗車予約した乗客P1の自宅(付近)を出発地として、乗客P2の自宅付近、乗客P3の自宅付近を経由して、停留所S4方向に向かう場合が示される。
【0035】
乗客P1の最寄りの停留所はS2であり、乗客P1の自宅から停留所S2までの徒歩での移動経路α1が破線で示される。同様に、乗客P2の最寄りの停留所はS3であり、乗客P2の自宅から停留所S3までの徒歩での移動経路α2が破線で示される。乗客P3の最寄りの停留所もS3であり、乗客P3の自宅から停留所S3までの徒歩での移動経路α3が破線で示される。
【0036】
乗客P1~P3にとって、最寄りの停留所までの移動時間あるいは移動距離が長い場合は、停留所までの歩行が大変となる。このため、停留所までの歩行を避けるためにデマンド運行を要求する可能性がある。また、デマンド運行を要求する場合としては、大きな(重い)荷物を携帯しているとき、どの停留所からも遠い場所へ移動するとき、乗客が車椅子や松葉杖を使用する歩行困難な場合等が考えられる。デマンド運行を利用するときの料金は、定時定路運行を利用するときの料金よりも割高となるが、停留所までの移動時間や移動距離を考慮して、定時定路運行を利用するか、デマンド運行を利用するか判断されることになる。なお、デマンド運行の出発地は、デマンド運行を行うことが許容(許可)される範囲内であれば、例えば駅Ra付近であったり、適宜の停留所(例えばS5やS6)付近である等、適宜選択できる。
【0037】
ここで、定時定路運行あるいはデマンド運行を利用するときの料金体系の一例について説明する。まず、定時定路運行を利用するときは、利用距離に応じた金額のみで、単位距離あたりの料金がE1(E1×利用距離)とされる。これに対して、デマンド運行を当初に乗車予約した乗客P1の利用料金は、利用距離に応じた金額が上記料金E1よりも若干割高な料金E2とされると共に、定額の基本料金EB2が別途徴収される(合計料金は、EB2+E2×利用距離)。さらに、デマンド運行に相乗りを希望した乗客P2、P3の利用料金は、上記E2のみとされる(基本料金EB2が不要)。このように、定時定路運行を利用する場合がもっとも安価であり、デマンド運行を当初に乗車予約した場合の料金がもっとも高価であり、デマンド運行に相乗りする場合の料金が中間の料金となる。勿論、上記した料金は一例であって、適宜設定できるものである。
【0038】
デマンド運行に相乗りする場合、当初にデマンド運行を予約した乗客の行き先が、相乗りを希望する乗客の行き先とほぼ同一方向であれば、相乗りするメリットがある。例えば、当初にデマンド運行を予約した乗客の行き先が、例えば停留所S6付近であるときに、相乗りを希望した乗客が希望する行き先が停留所S7付近(S6よりも遠方)やS5付近(S6よりも近場)であるときは、相乗りする利点があるということになる。この一方、デマンド運行を当初に予約した乗客の行き先と、相乗りを考えている乗客が希望する行き先とが例えば反対方向であったり、途中で大きく方向が変わる場合は、相乗りされる可能性が極めて低いものとなる。
【0039】
次に、定時定路運行とデマンド運行との管理を行う管理システムの一例について、
図3を参照しつつ説明する。
【0040】
まず、U1は、全体の管理を行う管理サイト(情報処理装置としてのサーバ装置)であり、CPU、通信手段、大容量の記憶手段(メモリ等)10等を有している。この管理サイトU1には、管理用端末U2、ユーザ端末U3、ドライバー端末U4および車載端末U5がそれぞれ通信可能として接続されている。なお、管理サイトU1と管理用端U2とが、実質的に運行管理装置を構成するものである。また、各端末U2~U5には、管理サイトU1との間での各種情報の授受を行うためのアプリケーションソフトがあらかじめインストールされている。
【0041】
各端末U2~U4は、それぞれ情報処理装置を利用して構成されて、通信部の他に、表示画面(出力部)や操作部(入力部)を有している。管理用端末U2は、主として管理サイトU1の操作を行うもので、運行管理のための入出力作業が多くなるため、高性能のパーソナルコンピュータを利用して構成するのが好ましい。この管理用端末U2は、例えば役場に1台のみ設置することもできるが、集落A1~A3にも設定する等、複数台用意することができる(ただし、ある1台の管理用端末U2が使用されているときは、他の管理用端末U2が使用できない設定とするのが好ましい)。
【0042】
一方、ユーザ端末U3やドライバー端末U4は、パーソナルコンピュータを利用する他、スマートフォンやタブレット型のパソコンを利用することができる。車載端末U5は、
図4に示すように、ドライバーから目視し易い位置に設けられる表示画面20を有している。そして、車載端末U5は、後述するように管理サイトU1(管理用端末U2を操作する管理者)と運行用車両を運転するドライバーとの間での各種の情報交換を行うものである。また、車載端末U5は、運行用車両の位置情報を、管理サイトU1へ自動的に送信するものとなっている。なお、ユーザ端末U3については、スマートフォン等の情報処理装置に代えて、電話等によって管理用端末U2の管理者とやりとりできるものとすることもできる(コンピュータ関係の機器類を扱うのが苦手な高齢者等への対応)。
【0043】
図4は、車載端末U5の一部を構成する表示画面20での表示例を示すものである。
図4では、定時定路運行とデマンド運行とも実質的に同様な表示態様とされる。表示画面20に表示される内容としては、ユーザ名(乗客名)、乗車位置および降車位置が表示される。乗客が複数名の場合は、同様の表示が下列に表示される。乗客名の表示は、乗車位置が近い順にから遅い順に、上方から下方へ表示される。なお、乗車位置と降車位置との名称は、定時定路運行の場合は停留所名となるが、デマンド運行の場合は、乗客の要望に応じた乗車位置と降車位置とを示す特有の地名表示とされる。
【0044】
表示画面20は、タッチパネル式とされている。ある乗客○○○が乗車位置で乗車すると、ドライバーは表示画面20中の乗車確認スイッチ21をタッチ操作する。これにより、ある乗客○○○が乗車したことの情報が、管理サイトU1に送信されて、記憶される。同様に、ある乗客○○○が降車位置で降車すると、ドライバーは表示画面20中の降車確認スイッチ22をタッチ操作する。これにより、ある乗客○○○が降車したことの情報が、管理サイトU1に送信されて、記憶される。他のユーザの乗車、降車についても同様のことが行われる。
【0045】
全てのユーザが降車した際に、ドライバーは、表示画面20中に表示されている完了スイッチ23をタッチ操作する。これにより、運行が完了したことの報告情報が、管理サイトU1に送信されて、記憶される。表示画面20中に表示されている地図表示を要求するスイッチ24をタッチ操作すると、走行経路が表示される。この走行経路の表示は、特にデマンド運行の際に必要となる可能性が高いもので、例えば
図2に示すような地図表示が行われて、走行経路が
図2中一点鎖線で示すような態様でもってでもって表示される(走行経路は、ナビゲーション装置で行われる案内経路表示のように、色分け表示とするのが好ましい)。
【0046】
表示画面20中に表示される緊急スイッチ25をタッチ操作すると、管理サイトU1を介して、管理用端末U2(を操作している管理者)に対して、緊急事態の発生を知らせる旨の報知が行われる。これによりドライバーと管理者との間で、緊急事態に対応するための情報交換が行われる。
【0047】
次に、管理サイトU1と管理用端末U2とによって行われる運行管理の制御例について、
図5以下のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0048】
まず、
図5は、各種の登録を行う場合が示される。すなわち、Q1において、管理用端末U2を操作して、管理者の登録が行われる。管理者は、例えば役場の職員や、集落A1~A3の住民の中から推薦等によって選択されるが、極力多人数を登録しておくのが好ましい。管理者登録に際しては、例えば、氏名、住所、年齢、性別、電話番号等とされる。なお、管理者となる前提としてあらかじめ講習を受講して、本システムの取扱を十分に理解した者とされる。なお、管理者については、管理用端末U2がむやみに操作されないように、あらかじめIDとパスワードが各管理者に割り当てられて、IDとパスワードとを入力しない限り、管理用端末U2を操作できないようにされる。
【0049】
Q2では、管理用端末U2を操作して、運行用車両を運転するドライバーの登録が行われる。この登録は、例えば、氏名、住所、年齢、性別、電話番号、運転する運行用車両の種別、運転免許証の有効期限、講習の受講日等が登録される。この登録に際しては、さらに、個々のドライバーの要望に応じて、担当できる運行が、定時定路運行のみであるか、デマンド運行のみであるか、定時定路運行とデマンド運行との両方の運行が可能であるかの登録も行われる。
【0050】
Q3では、管理用端末U2を操作して、ユーザの登録が行われる。この登録は、運行用車両を利用する乗客となる予定者の登録である(利用者の会員登録ともいえる)。この登録は、例えば、氏名、住所、年齢、性別、電話番号、自宅からの最寄りの停留所名、最寄りの停留所までの移動時間および移動距離等とされる。前述した各登録はそれぞれ、管理サイトU1の記憶手段10に記憶される(データベース化)。
【0051】
図6は、運行用車両の運転担当が可能なドライバーを受付する処理を示す。すなわち、例えば、翌月の1ヶ月分の各日について、運転担当が可能な日と時間帯が、例えばドライバー端末U4を介してあるいは管理用端末U2を操作して、管理サイトU1に登録される(記憶手段10への記憶)。運転担当可能な日や時間帯は、変更取消が可能である。なお、運転担当可能な日と時間帯の登録は、電話や紙形式でも可能であり、この場合は、管理者が、管理用端末U2を利用してドライバー受付を行うことになる。
【0052】
図7は、車載端末U5での操作に対応した管理サイトU1での運行状況の処理内容を示す。すなわち、
図4に示すスイッチ21が操作されることにより、Q11において乗車の確認が行われる。
図4に示すスイッチ22が操作されることにより、Q12において降車の確認が行われる。そして、
図4に示すスイッチ23が操作されることにより、Q13において、乗客全員が降車した運行完了であることが確認される。この
図7の処理によって、運行している運行用車両の状況を把握することができる(この運行状況は、管理者が、管理用端末U2を操作して、その表示画面でもっていつでも確認することができる)。
【0053】
図8は、定時定路運行を行うための処理を示すものである。まず、Q21において、ユーザからの乗車予約の受付が行われる。受付内容は、少なくとも、乗車を希望する日と、定時定路運行の便名と、乗車場所と、降車場所とを含むものとされる。なお、乗車予約は、ユーザ端末U3を利用して行われることを想定しているが、この他、電話や紙での乗車予約も受付可能とされる(この場合は、管理者が、管理用端末U2を用いて、乗車予約の内容を管理サイトU1に入力することになる)。勿論、乗車予約された内容は、管理サイトU1の記憶手段10に記憶される。なお、乗車予約は、例えば、利用する定時定路運行の前日の午後5時まで等、受付期限を設定しておくのが好ましい。
【0054】
Q22では、乗車予約が行われた定時定路運行での運転を担当するドライバーの選択が行われる。ドライバーの選択に際しては、記憶手段10に記憶(登録)されているドライバーの中から、運転担当することが可能なドライバーの中から1名を選択することにより行うこととなる。なお、ドライバーの選択は、運転担当が可能なドライバーの中から順番に自動的に選択することもでき、また管理者が管理用端末U2を利用して、手動操作によって選択することもできる。なお、ドライバー登録の際に、個々のドライバーが使用する運行用車両が登録されているので、ドライバーの選択に伴って使用される運行用車両が自動的に決定される。
【0055】
Q23では、乗車予約した乗客(乗客予定者)に対して予約受付を完了した旨の報知が行われる。また、運転担当として選択されたドライバーに対して、運転担当として選択されたことと、乗車予約された内容とが報知される。この各報知は、ユーザ端末U3、ドライバー端末U4に対して行うようにしてある。なお、確認のために、選択されたドライバーから、運転担当を了解した旨の返信を受け取るような処理を行うこともできる(ドライバーと運行用車両を確実に確保して、定時定路運行が確実に行われるようにする)。
【0056】
Q24では、車載端末U5に対して、乗車予約された内容(特に乗客名とその乗車位置と降車位置とに関する情報)が報知される(この報知に基づいて、
図4に示すような表示が行われる)。なお、運転担当するドライバーの氏名をも、車載端末U5に報知することもできる(運転担当者の氏名を、
図4の表示画面20の表示させることもできる)。
【0057】
図9は、デマンド運行を行うための処理を示すものである。まず、Q31において、ユーザからのデマンド運行についての乗車予約が受け付けられる。受付内容は、少なくとも、乗車を希望する日と、乗車場所(出発地点)と、乗車時間と、降車場所(降車地点)とを含むものとされる。乗車予約の際に、相乗りを希望(許可)するか否かの情報を含めることができる。すなわち、デマンド運行を乗車予約したユーザが、例えば家族でもって一緒に移動したいとき、プライバシーの観点から同乗者が居ないことを希望するとき、さらには目的地に早く到着したいときは、乗車予約の際に、「相乗り不可」の情報を含めることができる。なお、「相乗り不可」の情報がない限り、「相乗り許可」と自動的に判断することができる。
【0058】
なお、乗車予約は、ユーザ端末U3を利用して行われることを想定しているが、この他、電話や紙での乗車予約も受付可能とされる(この場合は、管理者が、管理用端末U2を用いて、乗車予約の内容を管理サイトU1へ入力することになる)。勿論、乗車予約された内容は、管理サイトU1の記憶手段10に記憶される。なお、乗車予約は、例えば、前日の午後5時まで等、受付期限を設定しておくこともできるが、病気や事故の発生等の緊急時に迅速にデマンド運行を行えるように、受付期限は設けない設定とするのが好ましい。
【0059】
Q32では、デマンド運行の乗車予約を受け付けたか否かが判別される。このQ32の判別でNOのときは、リターンされる(デマンド運行なし)。Q32の判別でYESのときは、Q33において、運転を担当するドライバーの選択が行われる(使用する運行用車両は、選択されたドライバーに応じて自動的に決定される)。ドライバーの選択に際しては、記憶手段10に記憶(登録)されているドライバーの中から、運転担当することが可能なドライバーの中から1名を選択することにより行うこととなる。ドライバーの選択に際しては、運転担当が可能なドライバーの中から順番に自動的に選択することもできる。また、ドライバーの選択に際しては、管理者が管理用端末U2を利用して、手動操作によって選択することもでき、この場合、デマンド運行を希望した乗客のドライバー指定に基づく選択とすることもできる。選択されたドライバー(のドライバー端末U4)に対しては、乗車予約された内容が報知(送信)される。
【0060】
Q34では、乗車予約された内容(特に乗車位置と降車位置)とに基づいて、デマンド運行での走行経路が決定される。Q34の後、Q35において、相乗りの受付処理が行われる。このQ35の処理については、後述する。この後、Q36において、相乗りの乗客が存在するか否かが判別される。このQ36の判別でYESのときは、Q37において、相乗りの乗客が希望する乗車位置と降車位置とに応じて、Q34で決定された走行経路が修正される。
【0061】
Q37の後、あるいはQ36の判別でNOのときはそれぞれ、Q38において、デマンド運行での走行経路が、乗客に関する情報や乗車位置と降車位置に関する情報と共に、ドライバー端末U4や車載端末U5に対して報知(送信)される(相乗り者の確認等のためにユーザ端末U3に対して報知することもできる)。
【0062】
図10は、
図9のQ35における相乗りの受付処理を示す。まず、Q51において、デマンド運行を当初に乗車予約した乗客(ユーザ)が、相乗りを許可しているか否かが判別される。このQ51の判別でYESのときは、Q52において、相乗りの受付が行われる。この相乗り受付は、管理用端末U2を操作することにより、デマンド運行の日、時間、乗車位置(出発地)、降車位置(目的地)、乗車位置から降車位置までの走行経路を、ユーザ端末U3に対して報知することにより行われる。そして、この報知された情報に基づいて、相乗り希望者から相乗りの乗車予約を受け付けることになる。相乗り希望者は、希望する乗車位置と降車位置とを指定して、相乗りの乗車予約を行うことになる(相乗りの乗車予約は管理サイトU1に記憶される)。
【0063】
Q53では、相乗り希望者が存在するか否かが判別される。このQ53の判別でYESのときは、例えば管理用端末U2を操作することにより、相乗りに関する情報が、乗車予約されたデマンド運行を利用する全てのユーザ(ユーザ端末U3)および運転担当のドライバー(のドライバー端末U4)、および車載端末U5に対して報知される。相乗りに関する情報としては、少なくとも走行経路とユーザ名と各ユーザ毎の乗車位置および降車位置が含まれるものとされる。
【0064】
図11は、デマンド運行を運行することに伴う定時定路運行の休止を行うための処理を示す。まず、Q61において、デマンド運行が乗車予約されているか否かが判別される。このQ61の判別でYESのときは、Q62において、乗車予約されたデマンド運行の運行時間に対して、それにもっとも近い時間帯に運行予定される定時定路運行(以下の説明では、この定時定路運行を、「休止対象の定時定路運行」と称することもある)が存在するか否かが判別される。具体的には、例えば、デマンド運行の運行時間に対して、定時定路運行の運行時間が前後に例えば30分以内のずれの範囲内にあるか否かが判別される。
【0065】
Q62の判別でYESのときは、Q63において、デマンド運行での行き先方向が、休止対象の定時定路運行の行き先方向とほぼ一致するか否かが判別される。具体的には、デマンド運行の行き先が、休止対象の定時定路運行される経路から例えば2~3kmのずれ範囲内であれば、行き先方向がほぼ同一方向であると判断することができ
る。Q63の判別でYESのときは、Q64において、当初にデマンド運行を乗車予約した乗客が、相乗りを許可しているか否かが判別される。このQ64の判別でYESのときは、Q65において、デマンド運行での運行経路が算出されると共に、その運行経路を通りつつ、休止対象の定時定路運行の最終地(例えば
図1の停留所S7)に至るまでの所要時間(予想所要時間)と最終地の到着時間(予想到着時間)とが算出される。
【0066】
Q65の後、Q66において、上記Q65で算出された所要時間と休止対象の定時定路運行における運行所要時間との時間差となる第1時間差TAが算出される。この後、Q67において、Q65で算出された到着時間と、休止対象の定時定路運行における到着時間との時間差となる第2時間差TBが算出される。
【0067】
Q67の後、Q68において、上記第1時間差TA(の絶対値)があらかじめ設定された所定時間差TAB(例えば10分~20分)以下であるか否かが判別される。このQ68の判別でYESのときは、休止対象の定時定路運行(デマンド運行の運行時間帯と近い時間帯に運行予定されていた定時定路運行)の休止処理が行われる。
【0068】
上記Q69の休止処理は、デマンド運行が定時定路運行に代替されることの処理となる。具体的には、Q69では、休止される定時定路運行に関する情報と代替運行されるデマンド運行に関する情報とが、ユーザ端末U3に対して送信されると共に、休止される定時定路運行の運転担当を予定しているドライバーのドライバー端末U4に対して送信され、休止される定時定路運行を運行する予定の車載端末U5に対しても送信される。ドライバー端末U4と車載端末U5への送信処理は、定時定路運行のために必要であった情報を取り消す(削除する)処理となる。これらの送信の指令は、管理サイトU1から自動的に行うこともでき、また管理用端末U2を操作することにより行うこともできる。また、管理サイトUU1では、乗車予約を受け付ける画面上において、休止される定時定路運行の表示と、これに代えて運行されるデマンド運行に関する情報とが保持される。各ユーザは、定時定路運行を乗車予約する際(管理サイトU1にアクセスした際)に、休止される定時定路運行を知ることができ、その代替としてデマンド運行を利用できることを知り得ることになる。
【0069】
前記Q68の判別でNOのときは、Q70において、Q65で算出された到着時間差(の絶対値)が、所定時間TBB以下であるか否かが判別される。このQ70の判別でYESのときは、Q69に移行される。また、Q70の判別でNOのときは、Q69を経ることなく終了される(定時定路運行の休止なし)。
【0070】
図11の例において、Q68とQ70の判別は、互いにOR条件の関係としてあるが、AND条件の関係とすることもできる。すなわち、Q68の判別でYESでかつQ70の判別でYESのときに、Q69に移行させるようにしてもよい。
【0071】
図11の内容について、例を挙げて具体的に説明する。まず、例えば
図2において、乗客(ユーザ)P1がデマンド運行を当初に乗車予約した場合で、その目的地が例えば停留所S6付近である場合とする。また、乗車予約されたデマンド運行の近くの時簡帯での定時定路運行について、停留所S1から乗車で停留所S7で降車する乗車予約があった場合を考える。この場合は、デマンド運行を行う運行用車両は、乗客P1付近を出発地として、一旦道路D2に出た後、停留所S1に向かい、停留所S1で乗客を乗せた後、定時定路運行の場合と同様に、停留所S1から停留所S2、S3、S4、S5を経て、S6付近でデマンド運行を乗車予約した乗客を降車させ、その後、停留所S7へ向かうことになる。このように、デマンド運行でもって定時定路運行を代替することにより、デマンド運行の要求を満足させつつ、定時定路運行の要求をも満足させることができる。
図11の例では、デマンド運行される付近の時間帯に定時定路運行が乗車予約されている場合に、定時定路運行をデマンド運行で代替させる場合に好適となる。
【0072】
図12は、デマンド運行に伴って定時定路運行を休止させる別の制御例を示し、
図11の制御例に対応している。なお、
図12は、簡単化のために、乗客は全てその自宅を出発地とすることを前提としている。
【0073】
まず、Q41~Q43は、
図11のQ61~Q63に対応している。Q44では、デマンド運行に相乗りがあるか否かが判別される。このQ44の判別でYESのときは、Q45において、デマンド運行を当初に乗車予約した乗客(ユーザ)と、相乗りを希望した乗客との各乗客について、その自宅からもっとも近い停留所までの移動時間(徒歩での時間)と移動距離とが算出されると共に、各移動時間を合計した合計時間と各移動距離を合計した合計距離とが算出される。この処理は、
図2において、自宅から最寄りの停留所までの移動経路α1~α3を移動するために要する時間と距離とをそれぞれ合計したものである(各乗客についての最寄りの停留所までの移動時間と移動距離は、既述のように、あらかじめユーザ登録されている)。
【0074】
Q45の後は、Q46において、上記合計時間があらかじめ設定された所定時間α(例えば20分)よりも大きいか否かが判別される。このQ46の判別でNOのときは、Q47において、上記合計距離があらかじめ設定された所定距離β(例えば2km)よりも大きいか否かが判別される。
【0075】
前記Q46の判別でYESのとき、あるいはQ47の判別でYESのときは、Q48において、デマンド運行に近い時間帯に運行予定であった定時定路運行を休止させる処理が行われる(
図11のQ69対応)。また、Q47の判別でNOのときは、Q48を経ることなく終了される(定時定路運行の休止なし)。Q48での定時定路運行の休止処理においては、休止される定時定路運行に関する情報が、ユーザ端末U3に対して送信されると共に、休止される定時定路運行の運転担当を予定しているドライバーのドライバー端末U4および車載端末U5に対して送信される。この送信の指令は、管理サイトU1から自動的に行うこともでき、また管理用端末U2を操作することにより行うこともできる。
【0076】
図12の例では、特に定時定路運行を利用することが不便であるユーザを考慮したものとなっており、デマンド運行で定時定路運行を代替しない場合もあり得るものである。ただし、
図12の例でも、デマンド運行で定時定路運行の代替を行うようにすることもできる。デマンド運行で定時定路運行を代替しない場合は、定時定路運行の利用を想定している乗客を、デマンド運行に積極的に誘導することが望ましい。具体的には、定時定路運行を乗車予約している乗客が存在するときは、この定時定路運行を乗車予約している乗客に対して優先的に、デマンド運行への相乗りを勧誘させて、定時定路運行での乗車予約をデマンド運行に振り返ることが望ましい。また、定時定路運行に乗車予約している乗客にデマンド運行への相乗りを勧誘した後は、他の全てのユーザ端末に対しても、デマンド運行への相乗りを勧誘する案内を行うこともできる(管理用端末U2を操作することによる管理サイトU1からユーザ端末U3への送信)。
図12の例において、Q46とQ47の判別は、互いにOR条件の関係としてあるが、AND条件の関係とすることもできる。すなわち、Q46の判別でYESでかつQ47の判別でYESのときに、Q48に移行させるようにしてもよい。また、
図11のQ65~Q70の処理と、
図12のQ44~Q48の処理とを適宜組み合わせた制御とすることもできる。
【0077】
次に、
図13~
図15を参照しつつ、ユーザ端末U3を利用して定時定路運行を乗車予約する場合と定時定路運行が休止される場合とについて、ユーザ端末U3の表示画面での具体的な表示例について説明する。なお、ユーザ端末U3のでタッチパネル式の表示画面が符号30で示される。また、以下の例では、デマンド運行でもって定時定路運行を代替する
図11の制御例に対応したものとなっている。
【0078】
まず、
図13は、定時定路運行を乗車予約する基本的な表示例である。ユーザ端末U3を操作して、定時定路運行の乗車予約を行う旨の情報を管理サイトU1へ送信することにより、その返信として表示画面30において
図13に示すような表示が行われる。表示画面30には、表示欄31において、定時定路運行の乗車予約であること、予約対象となる日(定時定路運行を利用する日)と、ユーザ名とが表示される。なお、乗車予約を確定した際には、表示されたユーザ名でもって乗車予約される。
【0079】
表示画面30には、定時定路運行の便名(第1便、第2便・・・)が表示されると共に、各便について、出発時間(実施形態では停留所S1での出発時間)が表示される。また、各便について、乗車位置を選択するボタン表示32と、降車位置を選択するボタン表示33と、利用人数を選択するボタン表示34と、予約する旨を選択するボタン表示35とが表示される。
【0080】
乗車位置と降車位置との選択は、それぞれ停留所(S1~S7)からの選択となる。すなわち、第1便を例にすると、乗車位置の選択を行うボタン表示32において、△または▽のボタンを操作することにより、ボタン表示32に表示される停留所が順次変更される。第1便については、
図13では、乗車位置が停留所S1とされた状態が示される。同様の操作によって、降車位置の選択が行われ(第1便では停留所S6が降車位置として選択された状態)、乗車人数の選択が行われる(第1便では1人が選択された状態が示される)。ボタン表示32~34の表示内容を確認して、乗車予約を行うためのボタン表示35を操作することにより、第1便について、表示内容に応じた乗車予約が行われる。
【0081】
乗車予約は、1回に複数の選択が可能であり、例えば、復路の便についても同様にして乗車予約を行うことができる。全ての乗車予約を行った後、ボタン表示36を操作して予約完了とされる。このボタン表示36が操作されることにより、乗車予約された内容が、ユーザ端末U3から管理サイトU1へ送信される。
【0082】
デマンド運行に伴って定時定路運行が休止される場合の表示例が
図14に示される。この
図14は、定時定路運行を乗車予約する際に、
図13の表示に代わる表示となる。この
図14においては、第1便が休止される場合を示す。
図14では、第1便の表示があるものの、休止であることから、乗車位置、降車位置、利用人数。乗車予約するボタン表示(
図13の32~35)は表示されない。その代わりに、表示欄41において、例えば「第1便は休止となりました。代わりにデマンド運行を利用できます。」という表示が行われる。また、ボタン表示42には、「デマンド運行の詳細」を要求するものとなっている。このボタン表示42を操作することにより、表示画面30での表示内容が、
図15のように切り替わる。
【0083】
図15では、デマンド運行の詳細内容が、例えば次のように表示される。表示欄41に、デマンド運行であること等が表示される。表示欄42において出発地と出発時間とが表示される。表示欄43において、目的地(実施形態では定時定路運行の最終地点)と目的地への到着予想時間とが表示される。表示欄44において、ユーザ端末U3を操作しているユーザの自宅からの最寄りの停留所への到着時間が表示される。表示欄45において、地図上に走行経路(破線で示される)が表示される。なお、
図15では、走行経路が、停留所S1で乗車する乗車予約があることから、この停留所S1を経由する場合が示されるが、停留所S1での乗車予約がない場合は停留所S1への経由は不要とされる。また、休止対象となる定時定路運行デマンド運行を、相乗りするユーザの自宅を経由することを許容する場合は、最寄りの停留所への予想到着時間に代えて、自宅への到着予想時間とすればよい。
【0084】
デマンド運行の内容を理解したユーザが、このデマンド運行を乗車予約する(相乗りする)場合は、表示欄46での表示内容を操作することになる。すなわち、表示欄46中のボタン表示47を操作することにより出発地点が選択される。選択可能な出発地点としては、例えば停留所S1~S7の他、自宅を含めることができる。ボタン表示48を操作することにより目的地が選択される。ボタン表示49を操作することにより乗車人数が選択される。ボタン表示47~49を利用した選択が終了した後、ボタン表示50を操作することにより、デマンド運行に相乗りする旨の情報が、その予約内容と共に管理サイトU1に送信される。
【0085】
なお、定時定路運行の代替としてのデマンド運行であることから、
図15でもって相乗りを希望するユーザの出発地と目的値とは、それぞれ停留所(S1~S7)に限定することもできる。もっとも、定時定路運行の代替といってもデマンド運行であることから、ユーザの便を優先して、定時定路運行の走行経路から所定距離以上離間しない範囲でもって、出発地と目的地とを自由に選択させることもできる(例えば、デマンド運行での走行経路表示中の所望箇所をタッチすることにより、出発地と目的値とを選択できる)。
【0086】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。
(1)定時定路運行の往路便で使用した運行用車両(およびドライバー)を、そのまま復路便用の運行用車両として利用することもできるが、往路便と復路便との運行用車両(およびドライバー)を相違させることもできる。
(2)デマンド運行を行うことに伴って定時定路運行を休止させる休止条件としては、
図11、
図12に示す場合に限らず、適宜設定できる。例えば、
図12のQ45~Q47の処理をなくしてこともできる(Q44の判別でYESとなった時点で、定時定路運行の休止有りとする処理になる)。
(3)相乗りの受付を行う際に(
図10のQ52対応)、当初は、デマンド運行と近い時間帯に運行予定の定時定路運行を乗車予約したユーザ(乗客)に対して行うこともできる。この場合、定時定路運行に乗車予約したユーザがデマンド運行での相乗りを希望することによって、定時定路運行への乗車予約を無くすこともできる。また、定時定路運行を乗車予約した乗客に対して、近い時間帯に運行されるデマンド運行に乗り換えるように指示を出して、定時定路運行を休止させることもできる。特に、定時定路運行を利用する乗客数が、1人~2人程度と少ない場合に、デマンド運行の利用へ切り替えてもらうことにより、運行負荷を低減することができる。
(4)管理サイトU1は、自動化という点では、他の端末U2~U5と情報の授受を自動的に行えるように設定するのが好ましいが(例えばある情報が入力されたときに、これに対応した出力情報を他の端末U2~U5に対して自動的に行う)、管理用端末U2を積極的に利用することにより、管理サイトU1を極力簡単化して、設置コスト低減等を図ることもできる。
(5)車載端末は、そのディスプレイを運行用車両のインストルメントパネル上に配設する一方、その操作部を例えばコンソールボックスあるいはその付近に設けたコマンダスイッチとして構成することもできる(コマンダスイッチによって、表示画面上のカーソルの移動や選択を行う等)。また、ドライバー端末と車載端末とを共通(兼用)とすることもでき、この場合ドライバー端末を運行用車両に設置される態様とすることができ、また車載端末を運行用車両から外部に持ち出すことのできる態様とすることもできる。さらに、ドライバー端末と車載端末とを別途設ける場合、ドライバー端末と車載端末とを同期させて、管理サイトU1からの情報をドライバー端末と車載端末とで同じように確認できるようにすることもできる。
(6)フローチャートに示すステップあるいはステップ群は、その機能内容に手段(あるいは機能)の名称を付した表現でもって、例えば管理サイトUU1の有する手段(あるいは機能)として表現することができる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、過疎地において交通の確保を行うことができる。
【符号の説明】
【0088】
U1:管理サイト(運行管理装置)
U2:管理用端末(運行管理装置)
U3:ユーザ端末
U4:ドライバー端末
U5:車載端末
A1~A3:集落
A4:イベント広場
D1~D3:道路
R:鉄道
Ra:駅
S1~S7:停留所(定時定路運行用)
S8:停留所(臨時の定時定路運行用)
P1~P3:デマンド運行を希望する乗客の自宅
α1~α3:自宅から最寄りの停留所までの移動経路