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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】発注システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220623BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20220623BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q10/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020081623
(22)【出願日】2020-05-02
(65)【公開番号】P2021176066
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】514308162
【氏名又は名称】吉▲崎▼ 敏弘
(74)【代理人】
【識別番号】100110788
【弁理士】
【氏名又は名称】椿 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100124589
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 竜郎
(72)【発明者】
【氏名】吉▲崎▼ 敏弘
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-071441(JP,A)
【文献】特開2019-021276(JP,A)
【文献】特開2008-090594(JP,A)
【文献】特開2019-109917(JP,A)
【文献】特開2016-110563(JP,A)
【文献】特許第6419300(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗が提供可能な商品およびサービスの少なくともいずれかについて、利用者が発注を行う発注システムであって、
システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる、アプリケーションプログラムと、
前記通信端末のアプリケーションプログラムからのリクエストに従い、前記通信端末に前記店舗の提供可能な商品およびサービスの少なくともいずれかについてのコンテンツを送信する送信プログラムと、
前記通信端末において前記コンテンツのフォームからの発注に関する入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた発注に関する入力に基づいて、送信可能なデータを作成し、それを前記店舗に送信する送信手段と、
前記店舗の端末に前記店舗での待ち時間を表示する店側表示手段と、
前記店舗での待ち時間を設定することが可能な設定手段と、
前記設定手段の設定に基づいて、前記システム利用者の携帯可能な通信端末に、前記店舗での待ち時間を表示させる表示手段とを備え、
前記設定手段は、前記店側表示手段にて前記店舗での待ち時間を表示した状態であって前記店舗での待ち時間の設定が可能な状態で、前記店舗の従業員の1回のみの操作によって、前記店側表示手段にて表示した前記店舗での待ち時間を所定の時間増加させることができ、かつ、前記店舗の従業員の1回のみの操作によって、前記店側表示手段にて表示した前記店舗での待ち時間を所定の時間減少させることができ、
前記システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる前記アプリケーションプログラムは、他の競業者が提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される、または、他のチェーン店グループが提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される、発注システム。
【請求項2】
前記所定の時間を変更する変更手段をさらに備えた、請求項1に記載の発注システム。
【請求項3】
前記通信端末は、その通信端末固有の電話番号が記録されたスマートフォンであり、
前記送信手段は、前記スマートフォンから前記電話番号を取得し、その情報を前記送信可能なデータに含める、請求項1または2に記載の発注システム。
【請求項4】
店舗が提供可能な商品およびサービスの少なくともいずれかについて、利用者が発注を行う発注システムであって、
システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる、発注用アプリケーションプログラムと、
前記通信端末の発注用アプリケーションプログラムからのリクエストに従い、前記通信端末に前記店舗の提供可能な商品およびサービスの少なくともいずれかについてのコンテンツを送信する送信プログラムと、
前記通信端末において前記コンテンツのフォームからの発注に関する入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた発注に関する入力に基づいて、送信可能なデータを作成し、それを前記店舗に送信する送信手段と、
前記システム利用者の携帯可能な通信端末で読み取ることができる、2次元コードを発行する発行手段とを備え、
前記2次元コードは、前記発注用アプリケーションプログラムのダウンロードサイトへのURL情報と、前記店舗を特定するための情報とを含んでおり、
前記システム利用者の携帯可能な通信端末の2次元コード読取りアプリケーションプログラムで前記2次元コードが読み取られると、前記発注用アプリケーションプログラムのダウンロードサイトへのURL情報に基づいて、そのサイトが前記通信端末に表示され、
前記システム利用者の携帯可能な通信端末の前記発注用アプリケーションプログラムで前記2次元コードが読み取られると、前記店舗を特定するための情報に基づいて、前記店舗を前記発注用アプリケーションプログラムに登録する処理が行われ、
前記システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる前記発注用アプリケーションプログラムは、他の競業者が提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される、または、他のチェーン店グループが提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される、発注システム。
【請求項5】
前記システム利用者の携帯可能な通信端末の2次元コード読取りアプリケーションプログラムで前記2次元コードが読み取られると、前記発注用アプリケーションプログラムのダウンロードサイトへのURL情報、およびその通信端末のOS情報に基づいて、通信端末のOSに対応したダウンロードサイトが前記通信端末に表示される、請求項4に記載の発注システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発注システムに関する。より特定的には本発明は、利用者の携帯可能な通信端末を用いた発注システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インフラストラクチャとしてのインターネット環境が整備され、かつ電子暗号化技術が進歩したことにより、インターネットを介した商取引が一般的なものとなった。インターネットを介した商取引の代表的な方式は、(1)検索サイトを用いて利用者が所望の商品・サービスを探し、そこから発注を行う方式、および(2)インターネットモールと呼ばれるポータルサイトに利用者がアクセスし、利用者が好みの仮想店舗から好みの商品・サービスを探し、そこから発注を行う方式である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら(1)の方式では、商品・サービスを提供する側は、多数存在するインターネットサイトから自分のサイトが利用者端末に表示されるよう、検索エンジンに対する最適化を行うなどの労力を要する。(2)の方式では、商品・サービスを提供する側は、インターネットモールの運営業者に利用料を支払う必要がある。また、(2)の方式では、商取引のデータがインターネットモールの運営業者に流れてしまうため、独立した経営を行うことが難しくなるという問題があった。
【0004】
この発明は、商品・サービスを提供する側、商品・サービスを提供される側にとって利便性の高い発注システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の局面に従うと、店舗が提供可能な商品およびサービスの少なくともいずれかについて、利用者が発注を行う発注システムは、システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる、アプリケーションプログラムと、前記通信端末のアプリケーションプログラムからのリクエストに従い、前記通信端末に前記店舗の提供可能な商品およびサービスの少なくともいずれかについてのコンテンツを送信する送信プログラムと、前記通信端末において前記コンテンツのフォームからの発注に関する入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた発注に関する入力に基づいて、送信可能なデータを作成し、それを前記店舗に送信する送信手段と、前記店舗の端末に前記店舗での待ち時間を表示する店側表示手段と、前記店舗での待ち時間を設定することが可能な設定手段と、前記設定手段の設定に基づいて、前記システム利用者の携帯可能な通信端末に、前記店舗での待ち時間を表示させる表示手段とを備え、前記設定手段は、前記店側表示手段にて前記店舗での待ち時間を表示した状態であって前記店舗での待ち時間の設定が可能な状態で、前記店舗の従業員の1回のみの操作によって、前記店側表示手段にて表示した前記店舗での待ち時間を所定の時間増加させることができ、かつ、前記店舗の従業員の1回のみの操作によって、前記店側表示手段にて表示した前記店舗での待ち時間を所定の時間減少させることができ、前記システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる前記アプリケーションプログラムは、他の競業者が提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される、または、他のチェーン店グループが提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される。
【0006】
好ましくは発注システムは、前記所定の時間を変更する変更手段をさらに備える。
【0007】
好ましくは前記通信端末は、その通信端末固有の電話番号が記録されたスマートフォンであり、前記送信手段は、前記スマートフォンから前記電話番号を取得し、その情報を前記送信可能なデータに含める。
【0008】
この発明の他の曲面に従うと、店舗が提供可能な商品およびサービスの少なくともいずれかについて、利用者が発注を行う発注システムは、システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる、発注用アプリケーションプログラムと、前記通信端末の発注用アプリケーションプログラムからのリクエストに従い、前記通信端末に前記店舗の提供可能な商品およびサービスの少なくともいずれかについてのコンテンツを送信する送信プログラムと、前記通信端末において前記コンテンツのフォームからの発注に関する入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた発注に関する入力に基づいて、送信可能なデータを作成し、それを前記店舗に送信する送信手段と、前記システム利用者の携帯可能な通信端末で読み取ることができる、2次元コードを発行する発行手段とを備え、前記2次元コードは、前記発注用アプリケーションプログラムのダウンロードサイトへのURL情報と、前記店舗を特定するための情報とを含んでおり、前記システム利用者の携帯可能な通信端末の2次元コード読取りアプリケーションプログラムで前記2次元コードが読み取られると、前記発注用アプリケーションプログラムのダウンロードサイトへのURL情報に基づいて、そのサイトが前記通信端末に表示され、前記システム利用者の携帯可能な通信端末の前記発注用アプリケーションプログラムで前記2次元コードが読み取られると、前記店舗を特定するための情報に基づいて、前記店舗を前記発注用アプリケーションプログラムに登録する処理が行われ、前記システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる前記アプリケーションプログラムは、他の競業者が提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される、または、他のチェーン店グループが提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される。
【0009】
好ましくは、前記システム利用者の携帯可能な通信端末の2次元コード読取りアプリケーションプログラムで前記2次元コードが読み取られると、前記発注用アプリケーションプログラムのダウンロードサイトへのURL情報、およびその通信端末のOS情報に基づいて、通信端末のOSに対応したダウンロードサイトが前記通信端末に表示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態の1つにおける発注システムの構成を示す図である。
図2】発注システムの各構成要素の動作を示すフローチャートである。
図3】発注システムのアプリケーションプログラムがインストールされた、システム利用者の携帯可能な通信端末の待ち受け画面を示す図である。
図4】発注システムのアプリケーションプログラムが起動した後のトップ画面を示す図である。
図5図4においてメニューカテゴリーAが選択された場合の画面を示す図である。
図6図5において商品Aと商品Bが選択された後、「数量選択」ボタンがタップされた場合の画面を示す図である。
図7図6において「注文確認へ」ボタンがタップされた場合の画面を示す図である。
図8図7において「次へ」ボタンがタップされた場合の画面を示す図である。
図9】ファクシミリにより店舗に届く発注書の具体例を示す図である。
図10】本発明の第2の実施の形態における発注システムの構成を示す図である。
図11】発注システムのアプリケーションプログラムがインストールされた、システム利用者の携帯可能な通信端末において、発注システムのアプリケーションプログラムが起動した後のトップ画面を示す図である。
図12】チェーン店の店舗AのPC203Aに表示される店舗管理画面(店舗QRコード表示画面)を示す図である。
図13】チェーン店の店舗AのPC203Aに表示される待ち時間管理画面を示す図である。
図14】単位時間として「15分」が選択されており、図13の画面で「>」が押下された場合の画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける発注システムの構成を示す図である。本発注システムは、基本的には利用者への持ち帰り商品の提供や、店舗から近場への商品の宅配に用いられることを想定している(すなわち、商品やサービスの提供範囲を、店舗から数キロメートル程度の範囲に限ることとしている)。
【0013】
図を参照して、店舗が提供可能な商品・サービスについて、利用者が発注を行う発注システムは、システムの運営・管理を行う運営・管理サーバ101と、システムの管理者PC(パーソナルコンピュータ)107と、複数の店舗のそれぞれに備え付けられている既存のファクシミリ受信装置115A~115C・・・と、PDFデータをファクシミリデータに変換し、指定された店舗のファクシミリ受信装置へファクシミリ網113を介してそれを送信するファクシミリサーバ111と、システム利用者(発注を行う者)の携帯可能な通信端末(スマートフォンなど)109A~109D・・・と、コンピュータ読取可能なアプリケーションプログラムを、通信端末109A~109Dにダウンロードさせ、それをインストールするアプリケーションサーバ117とから構成される。運営・管理サーバ101には、WEBサーバ103やデータベース105が含まれる。
【0014】
ここでは通信端末(スマートフォンなど)109A~109Dのそれぞれは、それぞれが異なるユーザの通信端末であるものとする。ファクシミリ受信装置115A~115Cのそれぞれも、それぞれが異なる店舗に設置されているファクシミリ受信装置であるものとする。
【0015】
各サーバ、データベース、PC、および通信端末のそれぞれは、単数または複数のCPUと、CPUのワーキングエリアを構成するメモリと、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)などの大容量記憶装置と、インターネットなど外部通信環境に接続する通信部と、液晶表示デバイスなどの表示装置と、ユーザからの入力を受け付けるキーボードと、マウスなどのポインティングデバイスとを備えている。通常は、大容量記憶装置にプログラムが記録されている。プログラムは、起動されるときにメモリに読み出される。CPUがプログラムに従った動作を行うことで、各サーバ、データベース、PC、通信端末のそれぞれの機能が実現される。プログラムの記録場所は大容量記憶装置に限らず、ネットワーク上のストレージであってもよい。この場合、ネットワーク上のストレージから利用の都度、プログラムがダウンロードされる。
【0016】
ファクシミリ受信装置115A~115Cは、ファクシミリ網113を介してファクシミリデータを受信する受信部と、受信されたデータをプリントアウトするプリンタとを備えている。なお、ファクシミリ受信装置115A~115Cが送信機能を備えていてもよい。ファクシミリ受信装置115A~115Cとして、汎用のコンピュータ装置や通信端末を用いることもでき、その場合、受信されたデータをプリントアウトするのではなく、表示画面に表示するようにしてもよい。
【0017】
各店舗とシステム利用者(発注を行う者であり、発注者)は、電話回線を用いて通話を行うことができる。その電話回線については、図1には示されていない。通話を行うときに、システム利用者(発注を行う者)は、通信端末(スマートフォンなど)109A~109Dを使用することができる。すなわち、通信端末(スマートフォンなど)109A~109Dは、インターネット回線以外に、電話回線に接続できる機能を有することが望ましい。通信端末(スマートフォンなど)109A~109DにセットされるSIM(Subscriber Identity Module)カードの種類によっては、インターネット回線のみへの接続を許可し、電話回線に接続できないものも存在する。そのようなSIMカードが用いられている場合には、システム利用者(発注を行う者)は、その通信端末以外の電話通信可能な端末により、店舗側の人間と連絡を取ることとなる。
【0018】
なお各サーバは、それぞれが別個のハードウェアにより構成される物理的なサーバであってもよいし、ソフトウェア的に構成される仮想サーバであってもよい。通信端末109A~109Dは、携帯電話、PDA、ウェアラブルコンピュータ、ノートパソコン、デスクトップコンピュータなどであってもよい。
【0019】
WEBサーバ103は、通信端末109A~109Dにインストールされたアプリケーションプログラムからのリクエストに従い、通信端末109A~109Dに対し、店舗の提供可能な商品・サービスについてのコンテンツを送信する送信プログラムを記録している。またWEBサーバ103は、通信端末109A~109Dにおいてコンテンツのフォームからの発注に関する入力を受け付ける受付機能を有している。受け付けた発注に関する入力に基づいて、WEBサーバ103は発注書データ(PDFデータなど)を作成し、それをファクシミリサーバ111へ送信する。ファクシミリサーバ111は、受信した発注書データをファクシミリデータに変換し、それをファクシミリ網113を介して指定された店舗のファクシミリ受信装置へ送信する。
【0020】
システム利用者の携帯可能な通信端末109A~109Dにインストールされるアプリケーションプログラムは、1つの店舗専用のプログラムであり、他の同業者が提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成される。このような構成は、当該アプリケーションプログラムに汎用のWEBブラウザ機能を持たせるのではなく、当該アプリケーションプログラムのアクセス先を制限することにより行われる。より詳しくは、当該アプリケーションプログラムは、図1のWEBサーバ103のみ(またはWEBサーバ103およびアプリケーションサーバ117のみ)にアクセス可能に構成され、そのサーバからの情報のみを取得できるように構成される。
【0021】
すなわち、発注システムのアプリケーションプログラムは、1つの店舗専用にカスタマイズされたものであり、汎用性を有しない。例えば、レストランの店舗A内にファクシミリ受信機115Aが設けられており、雑貨屋の店舗B内にファクシミリ受信機115Bが設けられており、土産物の店舗C内にファクシミリ受信機115Cが設けられている場合を想定する。この場合、レストランの店舗Aの発注アプリケーションプログラム、雑貨屋の店舗Bの発注アプリケーションプログラム、土産物の店舗Cの発注アプリケーションプログラムが別途個別に製作される。それらがアプリケーションサーバ117に登録される。レストランの店舗Aへ発注を行いたい利用者は、自分の通信端末にレストランの店舗Aの発注アプリケーションプログラムをダウンロードし、登録する。このレストランの店舗Aの発注アプリケーションプログラムからは、雑貨屋の店舗Bや土産物の店舗Cに対する発注を行うことができない。あくまでもレストランの店舗Aの発注アプリケーションプログラムは、レストランの店舗A用にカスタマイズされた、レストランの店舗A専用の発注プログラムである。店舗B、Cについても同様である。
【0022】
WEBサーバ103についても、店舗ごとに異なる専用のWEBサーバが用いられてもよい。
【0023】
なお、当該アプリケーションプログラムが更新、アップデートされるときには、それがアプリケーションサーバ117に登録される。更新、アップデート時には、プッシュ通知により当該アプリケーションプログラムが登録された通信端末に連絡が行われるようにしてもよいし、自動的に当該アプリケーションプログラムが登録された通信端末内のアプリケーションプログラムが更新、アップデートされるようにしてもよい。アプリケーションプログラムは、アプリケーションサーバ117から通信端末にダウンロードされるのではなく、各店舗に置かれたコンピュータ装置からダウンロードされてもよいし、店舗に対するWEBサーバからダウンロードされてもよい。
【0024】
なお図1の構成に代えて、ファクシミリサーバ111の機能を通信端末109A~109Dが持つようにしてもよい。すなわち、通信端末109A~109Dで入力された発注情報に基づき、通信端末109A~109Dがそれをファクシミリデータに変換し、店舗のファクシミリ装置に送信するようにシステムを構成することにしてもよい。さらに、管理サーバ101の機能を通信端末109A~109Dが持つようにしてもよい。また、クラウドサービスにより、通信端末109A~109Dが実行すべき機能の少なくとも一部を、インターネット上のサーバ(運営・管理サーバ101など)が分担してもよい。
【0025】
図2は、発注システムの各構成要素の動作を示すフローチャートである。
【0026】
図を参照して、ステップS101において、システム利用者(発注を行う者)は、自分の好みの店舗や、商品・サービスの発注を行いたい店舗を見つけると、その店舗専用の発注アプリケーションプログラムをアプリケーションサーバ117などから通信端末109A~109Dへダウンロードする。発注アプリケーションプログラムは、通信端末109A~109Dにダウンロードされると、アンインストールするまで通信端末109A~109D内の記憶装置に記憶された状態になる。
【0027】
以降、通信端末109Aのユーザである利用者Aが、レストランの店舗Aへ発注を行う状況を例に挙げて説明を行う。すなわちステップS101において、通信端末109Aのユーザである利用者Aは、通信端末109Aを用いてアプリケーションサーバ117にアクセスし、店舗A専用の発注アプリケーションプログラムをダウンロードし、それをインストールする。
【0028】
図3は、店舗A専用の発注アプリケーションプログラムがインストールされた、システム利用者Aの携帯可能な通信端末109Aの待ち受け画面を示す図である。
【0029】
図3に示されるように、待ち受け画面には、他のアイコンと共に、店舗A専用の発注アプリケーションプログラムのアイコンIが表示される。アイコンIを利用者Aがタップすることで、店舗A専用の発注アプリケーションプログラムが起動する(図2のステップS103)。
【0030】
店舗A専用の発注アプリケーションプログラムが起動すると、当該プログラムは、http(またはhttps)プロトコルを利用して、WEBサーバ103にトップコンテンツのリクエストを行う(図2のステップS105)。なお、このリクエストには、店舗Aを特定するための情報が含まれており、WEBサーバ103はその情報に基づいて店舗Aのトップコンテンツを通信端末109Aに返す。店舗Aのコンテンツは、店舗Aが提供可能な商品やサービスに対する情報を含むコンテンツであり、店舗A専用にカスタマイズされたものである。通信端末109Aは、コンテンツを受信すると、それをアプリケーションプログラムにより画面に表示する(図2のステップS107)。
【0031】
図4は、店舗A専用の発注アプリケーションプログラムが起動した後のトップ画面を示す図である。
【0032】
図を参照して、画面には、利用規約、アプリの説明書、過去の注文履歴を表示させるためのボタンが表示され、その下に、カテゴライズされた下位のメニューA~Dを表示させるためのエリアが表示される。表示とともに、通信端末109Aは利用者Aからの入力待ち状態となる(図2のステップS109)。画面の最下部には、店舗Aへの連絡先である電話番号が表示される。下位のメニューA~Dを表示させるためのエリアがタップされることで、そのカテゴリーに属するメニューが表示される。
【0033】
画面タップが行われると、そのタップ位置に応じたコンテンツをアプリケーションプログラムがWEBサーバ103に対して要求する。要求への返答として送られたコンテンツが通信端末109Aで表示される。このようなコンテンツの要求、通信、表示は、注文の確定が行われるまで繰り返される(図2のステップS111でNOの場合のループ処理)。コンテンツは、店舗で取り扱う商品が変わるごとに更新する必要がある。更新は、管理者PC107から運営・管理サーバ101にコンテンツデータをアップロードすることで行われる。コンテンツが更新されると、プッシュ通知により、その店舗のアプリケーションプログラムがインストールされた通信端末に通知がなされるようにしてもよい。
【0034】
図5は、図4においてメニューカテゴリーAが選択された場合の画面を示す図である。
【0035】
図に示されるように、ここではメニューカテゴリーAに属する商品A~Dとそれぞれの価格とが表示される。商品A~Dをスワイプすることで、商品E以降を表示させることもできる。例えば、商品AとBとをタップすることで利用者Aが選択し、図5の「数量選択」ボタンをタップした場合を想定する。
【0036】
図6は、図5において商品Aと商品Bが選択された後、「数量選択」ボタンがタップされた場合の画面を示す図である。
【0037】
この画面で利用者は、商品Aと商品Bのそれぞれに対して、注文する個数と、備考とを入力することができる。備考については、その商品に対する発注者からの要望を自由に記載する欄である。ここでの備考入力欄は、商品ごとの入力が可能となるように表示される。
【0038】
図7は、図6において「注文確認へ」ボタンがタップされた場合の画面を示す図である。
【0039】
図7の画面は最終確認画面であり、利用者は発注する商品と個数、および商品ごとの備考欄の入力を確認することができる。
【0040】
図8は、図7において「次へ」ボタンがタップされた場合の画面を示す図である。
【0041】
図8において、発注者の名前および電話番号と、商品の受け取り希望日時と、受け取りに関する備考事項とを入力するエリアが表示されている。図8において電話番号は、発注者が入力するようにしてもよいし、通信端末109Aが、その通信端末固有の電話番号が記録されたスマートフォンであれば、スマートフォンから電話番号を取得し、図8の電話番号のフォームを自動的に埋めるようにしてもよい(図2のステップS113)。また、このように自動的にフォームを埋めた場合、電話番号の修正を不可能とすることが望ましい。誤った電話番号での発注を防ぐためである。また、スマートフォンから電話番号を取得する場合、図8の電話番号の入力欄を非表示として、直接その電話番号をサーバに送信することとしてもよい。
【0042】
また、図8の画面では、名前には振り仮名を入力させてもよいし、宅配サービスなどを店舗Aが提供する場合には、住所を入力させることとしてもよい。住所や名前は、アプリケーションプログラムで管理し、自動で入力されることとしてもよい。
【0043】
さらに図8の画面では、支払方法(店舗Aにて支払い、カード支払い、現金振込)や商品受け取り方法(店舗Aにて引き渡し、宅配)などを入力させてもよい。図8で入力された情報は、運営・管理サーバ101に送信される。
【0044】
また、利用者を特定するために電話番号が使用可能であれば、図8の画面において名前の入力は省いてもよい。
【0045】
図8において「注文確定」が押下されると、図2のステップS115において、通信端末109Aで入力された発注情報(名前、電話番号、受け取り希望時間、受け取りに関する備考、発注する商品、個数、商品に関する備考、および必要であれば店舗Aのファクシミリ番号)が運営・管理サーバ101に送信される(図2のステップS115)。
【0046】
運営・管理サーバ101は、発注情報を元に、表形式の注文書を作成し、それをPDF化する(図2のステップS117)。PDFデータは、店舗Aのファクシミリ番号とともにファクシミリサーバ111に送られる。これにより、ファクシミリサーバ111は、店舗Aのファクシミリ番号に対し、ファクシミリデータを送信する(図2のステップS119)。ファクシミリ送信の完了後、または完了前に、通信端末109Aでは注文完了画面が表示され(図2のステップS121)、その後トップ画面に推移する(図2のステップS123)。
【0047】
図9は、ファクシミリにより店舗Aに届く発注書の具体例を示す図である。
【0048】
図に示されるように、店舗Aの従業員は、発注者が入力した情報を発注書(注文書)の形でファクシミリにて受け取る。店舗Aの従業員は、所定時間内に図9の発注書内に記載された発注者の電話番号へ電話を掛け、注文の確認を行う。注文の確認が行われることで、売買契約が成立する。
【0049】
運営・管理サーバ101では、電話番号と対応付けて、注文者および通信端末を特定することが可能である。これにより電話番号をキーとした注文情報をデータベース105で管理することができる。すなわち運営・管理サーバ101では、システム利用者各々の過去の発注の履歴(電話番号などに対応付けた、過去の発注日時、発注商品名、個数、単価、その発注がキャンセルされたか否か、トラブル履歴等)を管理することができる。管理された情報は、店舗に提供することができる。例えば店舗に送信されるファクシミリの内容に、その利用者が何回目の利用客であるかを自動的に表示したり、過去の履歴に基づいて、取引に問題のある顧客である旨や優良な顧客である旨などを自動的に表示したりすることができる。取引に問題のある顧客である旨や優良な顧客である旨の情報は、全ての店舗の過去の発注の履歴を総合したものから求めることもできる。
【0050】
また、運営・管理サーバ101では、店舗ごとに各商品の売り上げに関する情報を集計することができる。このような情報は、定期的にファクシミリ送信により各店舗に配信することができる。
【0051】
発注書を個別に特定するためのIDを、図9の発注書内に含めるようにしてもよい。例えばその発注書の注文がキャンセルとなった場合には、そのIDをシステムの管理者に伝えることで、どの利用者のどの注文がキャンセルとなったかをシステムで容易に管理することができる。
【0052】
また、通信端末109A~109Dは、通常、GPS受信機や無線LAN基地局の電波強度を測定する測定手段を有している。これら機能により、その通信端末の場所(現在位置)を特定することができる。注文を行う店舗の所在地と上記特定結果とに基づいて、発注の可否を事前に判定するようにシステムを構成してもよい。
【0053】
すなわち、本システムは、基本的には利用者の持ち帰り商品の提供や、店舗から近場への商品の宅配に用いられることを想定している(商品やサービスの提供範囲を、店舗から数キロメートル程度の範囲に限っている)。従って、その想定を超えた遠方の顧客からの発注は、受け付けるべきではない。
【0054】
そこで、例えば通信端末の位置(緯度および経度)と、その通信端末から発注がなされる店舗の位置(緯度および経度)とから、その通信端末とその店舗との距離を算出し、所定の距離以内でなければその通信端末の画面に「サービス提供範囲外です。」などのメッセージを表示して発注を不可能とし、その通信端末とその店舗との距離が所定の距離以内である場合にのみ発注を受け付けることとしてもよい。
【0055】
このような通信端末と店舗との距離の算出、発注の可否の判定は、アプリケーションプログラムで行うこともできるし、サーバ側で行うようにしてもよい。また、距離が所定以内でなければ、送信するファクシミリの内容にその旨を記載することで、店舗側に注意を喚起するようにシステムを構成してもよい。所定の距離内であるか否かの判定に代えて、端末位置と店舗とが同一の国や同一の行政区画内にあるか否かを判定してもよい。または、端末位置が所定の国や所定の行政区画内にあるか否かを判定してもよい。端末位置が海上や配達不可能な位置にある場合などには、発注を不可能とするよう、システムを構成してもよい。
【0056】
通信端末109A~109D内の記憶手段には、過去の発注履歴を所定件数(過去5件分のみなど)記録し、利用者の選択によりその発注履歴を呼び出し、再度の同じ発注ができるようにしてもよい。また、過去の発注した商品はそのままに、個数のみを変更したり、履歴から商品を削除・追加可能としてもよい。このような注文履歴は、通信端末109A~109Dの外部にあるストレージ(サーバなど)に記録することとしてもよい。この場合、発注者の個人情報をシステム側で管理できるという効果があるが、逆に発注者にとっては個人情報が外部に記録されることを好まないこともある。従って、注文履歴は通信端末109A~109D内の記憶手段にのみ記録し、外部には記録しないようにシステムを構成してもよい。発注者の設定により、どこに履歴を保存するかを選択可能としてもよい。
【0057】
また本実施の形態では、個人情報として、最低、電話番号のみを店舗に通知すればよく、住所氏名、ID、パスワードなどを店舗に通知する必要がない。これにより、発注者は個人情報の漏洩などを懸念することなくシステムを使うことができるというメリットがある。
【0058】
本システムは、商品やサービスの提供のほか、店舗の座席の予約システムに用いることもできる。この場合、例えば図4のメニューに「座席予約」のカテゴリーを含め、それがタップされると図5の画面で所望の座席を選択させる画面が表示される。また、データベース105により座席の予約状況を管理することとしてもよい。利用者には、図5の画面が表示されるよりも先に、利用日時を入力させ、予約可能な座席のみを図5の画面で表示させてもよい。また、医師による病院の予約を行う際にも本システムにより同様に対処することができる。
【0059】
以上のように構成される発注システムによれば、商品・サービスを提供する側が既存の環境(ファクシミリ受信装置など)を利用してインターネットを介した商取引に参加できる。また、商品・サービスを提供する側は、他の業者のインターネットモールなどを利用する必要がなく、独立した立場でインターネットを介した商取引に参加できる。さらに、携帯端末にある店舗のアプリケーションプログラムをインストールする発注者は、その店舗に対して興味を持っていたり、その店舗を気に入っていると推察される。そのような発注者に対してのみ、特別なサービスを提供することも可能となるので、顧客層に合わせたマーケティングやプロモーションを提供することが可能となる。
【0060】
なおサーバ101は、物理的なサーバであってもよいが、これに代えて仮想化されたサーバを含む仮想化ネットワーク環境が採用されてもよい。仮想化ネットワーク環境であれば、サーバの台数や各サーバの構成、ルータやロードバランサなどの環境を柔軟に変更することができるため、システムに参加する通信端末の数やシステムに参加する店舗の数の変化に柔軟に対応できるシステムとすることができる。
【0061】
上記発注システムが備える機能は、基本的には発注者端末(通信端末)への情報の表示機能、発注者端末に入力された情報の取得機能、その情報のファクシミリデータへの変換機能、ファクシミリデータの送信機能、発注者端末の位置取得機能、位置に応じた発注管理機能、過去の発注履歴の管理機能、発注履歴に基づいた情報の送信機能などからなる。これら機能は、その全てまたは一部を発注者端末で実行することでシステムを構成してもよい。また、その全てまたは一部をネットワークに接続された発注者端末以外の機器(サーバなど)で実行することでシステムを構成してもよい。
【0062】
[第2の実施の形態]
【0063】
図10は、本発明の第2の実施の形態における発注システムの構成を示す図である。
【0064】
図を参照して、本実施の形態における発注システムが図1のシステムと異なる点について説明する。
【0065】
本実施の形態における発注システムは、チェーン店の複数の店舗のそれぞれが注文を受け付けることができるように構成されている。また、チェーン店の本部が各チェーン店舗を管理できるように構成されている。なお、チェーン店とは、統一性を持った複数店舗の集合体を示し、チェーンストア、フランチャイズなどを含む概念である。チェーン店と言うとき、この集合体(チェーン店グループ)を示すこともあるし、そのうちの1店舗をチェーン店(店舗)と呼ぶ場合もある。
【0066】
ここでは説明の便宜上、1つのチェーン店グループ(その運営会社である本部をA社とする。)のみが図10の発注システムを用いてビジネスを行っているものとする。他の共業者のチェーン店グループも、図10の発注システムを用いてビジネスを行うことができるし、チェーン店ではない店舗も図10の発注システムを用いてビジネスを行うことができる。
【0067】
店舗への発注は、システムでファクシミリ送信データを作成して、ファクシミリ通信(送信)で行うこととしてもよいし、システムで店舗のPC(パーソナルコンピューター)やタブレット、スマートフォンなどの端末で表示可能なデータ(HTMLデータ、XMLデータ、テキストデータなどのWEBブラウザやアプリケーションプログラムで表示可能なデータ)を作成して、インターネット回線を用いた通信(送信)で行うこととしてもよい。
【0068】
なお、本発明の適用はチェーン店の店舗への発注に限られるものではなく、チェーン店を構成するものではない通常の店舗への発注に本発明を適用してもよい。
【0069】
ここでは、運営会社であるチェーン店本部にあるPCをチェーン店本部PC201と呼び、その本部が管理するチェーン店の複数の店舗(店舗A、B、C、…)のそれぞれに設置されているPCをチェーン店店舗PC203A、203B、203C、…と呼ぶ。各PCは、インターネットに接続されている。
【0070】
この発注システムを利用するシステム利用者(発注を行う者であり、発注者)は、自己が保有する通信端末(スマートフォンなど)109A、109B、109C、109D、…に、A社チェーン店本部の提供する発注用アプリケーションプログラムをインストールする。アプリケーションプログラムは、アプリサーバ117に登録されており、通信端末(スマートフォンなど)109A、109B、109C、109D、…にダウンロードしてインストールすることが可能である。
【0071】
このアプリケーションは、当該チェーン店グループのためにカスタマイズされた独自のアプリケーション(専用アプリ)である。このアプリケーションから発注できるのは、当該チェーン店グループに所属するいずれかの店舗に対してのみである。このアプリケーションから、当該チェーン店グループに所属しない他の店舗への発注を行うことはできない。
【0072】
もしも別のチェーン店グループが発注システムに参加するのであれば、そのチェーン店グループのためにカスタマイズされた独自のアプリケーション(専用アプリ)が制作され、アプリサーバ117に登録される。
【0073】
なお、通信端末として例示されるPC、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどは、コンピュータ装置である点で同じであるため、システム上はどれを用いてもよい。
【0074】
図11は、発注システムの発注用アプリケーションプログラムがインストールされた、システム利用者の携帯可能な通信端末において、発注システムの発注用アプリケーションプログラムが起動した後のトップ画面を示す図である。
【0075】
ここでは発注システムの発注用アプリケーションプログラムは、店舗A、店舗B、店舗C、…を有するチェーン店グループ専用のアプリケーションプログラムであるものとして説明する。このアプリケーションプログラムからは、そのチェーン店グループに加盟する店舗A、店舗B、店舗C、…への発注を行うことができるが、他のチェーン店グループや、競合する他社への発注を行うことができないように構成される。
【0076】
このトップ画面(マイページ)において表示される店舗は、利用者が選択して登録することができる。ここでは店舗A、店舗Bのみが登録されており、店舗Cは登録されていない状態(店舗A、Bのみが表示されている状態)を示している。その利用者のよく利用する店舗を登録することで、よく利用する店舗への注文を迅速に行うことができるようにするものである。
【0077】
図11の画面において、店舗AまたはBのいずれかがタップされると、その店舗のトップ画面が表示され、図4~8に示される画面と同様の画面が表示されることで、その店舗での発注商品の指定、受け取り希望日時の指定、通信端末固有の電話番号の取得、その店舗への発注情報の送信が可能となる。
【0078】
なお、通信端末固有の電話番号は、利用者によって書き換えができないようにすることが望ましい。電話番号を、1ユーザに1つ付与されたIDの代わりとして用いるためである。
【0079】
店舗への発注情報の送信は、ファクシミリ通信によって行われてもよいし、インターネット回線を用いて店舗のPCなどの端末装置に対して送信されてもよい。
【0080】
店舗運営者は、自分の店舗をアプリに登録してもらうために、QRコードが印刷されたチラシを広告(お買い得情報などを含んでもよい。)として配布したり、QRコードを店舗のWEBページに掲載する。
【0081】
図12は、チェーン店の店舗AのPC203Aに表示される店舗管理画面(店舗QRコード表示画面)を示す図である。
【0082】
店舗Aの担当者は、PC203Aを介してWEBサーバ103にアクセスすることで、図12の画面をPC203Aの画面に表示させる。店舗Aの担当者は、表示されたQRコードをコピーしたり画像としてダウンロードすることで、それを広告やWEBページ内への掲載に利用する。
【0083】
図12のQRコードに含まれる情報は、以下のものである。
【0084】
(1)発注システムの発注用アプリケーションプログラムをダウンロードするためのWEBサイトへのIPアドレス(URL情報によりIPアドレスを特定するケースも含まれる。本明細書において、URL情報とIPアドレスは相互に同じ概念である。)
【0085】
(2)店舗Aを特定するための情報
【0086】
利用者が自己の通信端末でQRコード読み取りアプリを立ち上げ、広告やWEBページ内に掲載された図12のQRコードを読み取ると、その通信端末のOS(Operating System)に対応したアプリケーションのダウンロードページが通信端末の画面に表示される。この画面において、利用者は、その通信端末のOSに対応した発注システムのアプリケーションプログラムをダウンロードすることができる。
【0087】
これは、QRコード内に複数のOSに対応した複数のダウンロードページのURLの情報を含めておき、QRコード読み取りアプリにおいて、その通信端末のOSに対応したアプリケーションのダウンロードページのURLにアクセスするようにしてもよいし、QRコード内には1つのダウンロードページのURLの情報を含めておき、QRコード読み取りアプリにおいてそのダウンロードページを開き、そのダウンロードページにおいて、アクセスしてきた端末のOSを判断することで、そのOSに対応した発注システムのアプリケーションプログラムのダウンロードページにリダイレクトするようにしてもよい。
【0088】
すなわち、通信端末にインストールされていたQRコード読み取りアプリによって図12のQRコードが読み取られることで、通信端末にそのOSに対応した発注システムのアプリケーションプログラムのダウンロードページが表示される。そのページで利用者は、その通信端末のOSに対応した発注システムのアプリケーションプログラムをダウンロードすることができる。
【0089】
一方で、利用者が自己の通信端末に既にインストールされている発注システムのアプリケーションプログラムを開き、そこで「QR読取り」のボタンをタップし、広告やWEBページ内に掲載された図12のQRコードを読み取った場合の動作について説明する。
【0090】
この場合、発注システムのアプリケーションプログラムは、QRコードに含まれる店舗Aを特定するための情報を読み出し、その店舗を図11のマイページに登録する。登録前に、「店舗Aを登録しますか?」のような確認メッセージを表示し、利用者からYES/NOの入力を受け付けるようにしてもよい。
【0091】
QRコードを用いる以外に、店舗の登録は、発注システムのアプリケーションプログラムで店舗のリストを表示してそこからの利用者の選択によって行うこととしてもよい。また、店舗の登録は、発注システムのアプリケーションプログラムで店舗の電話番号を入力することによって行ってもよい。
【0092】
本実施の形態における発注システムでは、認証IDやパスワードによらず、利用者(発注者)個人の通信端末の電話番号によって個人認証を行うこととしている。
【0093】
すなわちデータベース105においては、利用者(発注者)の通信端末の電話番号と、その利用者が登録している店舗の情報と、その注文履歴とを対応付けることで、その利用者に対する過去の注文を管理することとしている。
【0094】
個人情報の保護のため、データベース105においては、その利用者の住所、氏名、年齢、ID、パスワードのうち少なくとも一部、またはそれら全てを登録しないことが望ましい。
【0095】
また、注文を行ったのに商品を取りに来ないなどの悪質な利用者については、その電話番号をブラックリストとしてデータベース105に登録してもよい。ブラックリストに登録された電話番号の利用者からの注文は受け付けないようにしてもよいし、ブラックリストに登録された電話番号の利用者の端末ではアプリを起動できなくしてもよい。
【0096】
さらに、注文を行ったのに商品を取りに来ないなどの被害が発生したのが店舗Aであれば、ブラックリストにその利用者の電話番号と店舗Aの情報とを紐付けて登録してもよい。その利用者の通信端末では、トップ画面(マイページ)において、店舗Aが表示されないようにしてもよい。ブラックリストに紐付けて登録された店舗Aのみ発注を断り、ブラックリストに紐付けて登録されていない他の店舗では発注を受け付けるものである。
【0097】
また、店舗によっては、利用者の電話番号をホワイトリストとしてデータベース105に登録してもよい。ホワイトリストとしてデータベース105に登録された利用者(発注者、例えば特定の業者など)のみから発注を受け付ける場合などである。
【0098】
また、利用者がシステムを初めて利用するときには、利用者の電話番号にSMS(ショートメール配信サービス)で認証番号などを含めたメッセージを送り、その認証番号と同じ番号がユーザ登録画面から入力されたときにのみ、その利用者にシステムを利用させることとしてもよい。実際に使われている電話番号のみをシステムに登録し、通じない電話番号を使う利用者のシステムへの登録を禁止するものである。
【0099】
図13は、チェーン店の店舗AのPC203Aに表示される待ち時間管理画面を示す図である。
【0100】
これは、店舗の混雑度に応じた顧客への待ち時間表示を変更するための画面である。ここでは「60分」の待ち時間が設定されている状態が示されている。すなわち、注文を受け付けても60分間は、商品、サービスを提供できないことを顧客に通知するものである。
【0101】
このとき、利用者の通信端末で、トップ画面(マイページ)に、店舗Aでの待ち時間は60分である旨が表示される。顧客はこれを見て店舗Aの込み具合を理解し、待ち時間を理解した上で発注を行うか、他の店舗の利用が可能であればその店舗に注文を行う。
【0102】
トップ画面(マイページ)に店舗Aでの待ち時間が60分である旨を表示するのではなく、トップ画面から店舗Aをタップし、店舗Aのページに移行したときに店舗Aでの待ち時間が60分である旨を表示してもよい。
【0103】
また、待ち時間が設定されているときには、図8の受取希望日時において、その待ち時間以内の時間の指定はできなくしてもよい。例えば、現在時刻が10時00分であり、待ち時間が45分であれば、10時00分から10時45分までの時刻を受取希望日時として選択できないようにするものである。これにより、商品を渡すことができない時刻が受取希望日時に設定されることが防止される。
【0104】
図13の画面で待ち時間が「0分」となっていたら、待ち時間が発生していないことを示している。このとき利用者の通信端末では、「待ち時間0分」の表示を行ってもよいし、待ち時間の表示を行わないようにしてもよい。
【0105】
店舗で待ち時間を設定/変更する必要があるときは、その店舗の繁忙時期であるといえる。このため、待ち時間の設定/変更はなるべく簡単な操作でできるようにすることが望ましい。
【0106】
そこで店舗のスタッフは、図13の「60分」の数字の横にある「<」ボタンをタップ(またはクリック)するだけで、「60分」から予め設定された単位時間(例えば15分)がデクリメントされるように装置が構成される(待ち時間は「45分」になる)。
【0107】
また、店舗のスタッフは、図13の「60分」の数字の横にある「>」ボタンをタップ(またはクリック)するだけで、「60分」から予め設定された単位時間(例えば15分)がインクリメントされるように装置が構成される(待ち時間は「75分」(または「1時間15分」の表示)になる)。
【0108】
この単位時間は、管理画面により変更することができ、例えば1分、3分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、1時間などの時間から単位時間の選択を受け付けることとしてもよいし、キーボードから任意の時間を入力できるようにしてもよい。
【0109】
図14は、単位時間として「15分」が選択されており、図13の画面で「>」が押下された場合の画面を示す図である。
【0110】
ここでは、図13の「60分」が単位時間(15分)インクリメントされ、待ち時間が「75分」と変更されている。利用者の通信端末で、トップ画面(マイページ)に表示される店舗Aでの待ち時間も75分に変更される。
【0111】
なお、図13図14の画面においては、「営業時間外の表示」も入力することができるようになっている。この入力された文字列も、利用者の通信端末においてその店舗に紐付けて表示される。これにより、利用者は当該店舗の営業時間、開店時間、閉店時間などを知ることができる。
【0112】
さらに図13図14の画面においては、「緊急対応」も入力できることとなっている。これは、天災などで臨時に注文の受付をストップさせるときにチェックボックスにチェックし、利用者に伝えるメッセージを入力するための設定である。この入力された文字列も、利用者の通信端末においてその店舗に紐付けて表示される。また、「緊急対応」のチェックボックスがチェックされていると、アプリケーションからその店舗への注文ができなくなる。これにより、緊急時の注文をストップさせることができる。
【0113】
なお上記実施の形態では、2次元バーコードの具体例としてQRコードを記載したが、他の種類のバーコードを用いてもよい(端末で読み取ることができるものであれば、どのようなコードを用いてもよい)。
【0114】
上記実施の形態では、店舗の従業員は設定部を用いることによって、店舗での待ち時間の設定が可能な状態(例えば図13に示す画面が表示された状態)で、店舗の従業員の1の操作(例えば画面やボタンのワンクリックなど)によって、店舗での待ち時間を所定の時間増加させることができる。また、店舗の従業員の1の操作によって、店舗での待ち時間を所定の時間減少させることができる。
【0115】
これにより、店舗の繁忙時においても従業員の手を煩わせることなく、待ち時間を設定することができる。図13の待ち時間の設定部は、店舗のPCのトップ画面に常時表示させ、店舗の繁忙状況に応じて即座に従業員が設定できるようにしていてもよい。
【0116】
さらに、システム利用者の携帯可能な通信端末にインストールされる発注用アプリケーションプログラムは、他の競業者(競合者)が提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成されている。または、他のチェーン店グループが提供する商品やサービスに対しては発注ができないように構成されている。
【0117】
プラットフォーマーが提供する店舗紹介サイトなどで自社の店舗を掲載しても、そのサイトには他の競業者の店舗も掲載されるので、顧客が他の競業者へ流れることが想定される。本実施の形態では、上記構成によりそれが防止される。
【0118】
すなわち、商品・サービスを提供する側が既存の環境を利用してインターネットを介した商取引に参加でき、かつ、商品・サービスを提供する側が独立した立場でインターネットを介した商取引に参加できる発注システムを提供することができるという効果がある。
【0119】
なお、システムにおいて顧客(発注者)が入力した発注に関する入力に基づいて、送信可能なデータが作成され、それが店舗に送信されるが、送信可能なデータは、ファクシミリデータであってもよいし、HTMLデータ、XMLデータ、テキストデータなどのWEBブラウザやアプリケーションプログラムで表示可能なデータであってもよい。
【0120】
また、チェーン店に設置されるのはPCでなく、スマートフォンやタブレット端末であってもよい。また、PCと共に厨房にスマートフォンやタブレット端末を配置してもよい。システムのファクシミリ受信機、送信機をPCや、スマートフォンやタブレット端末に代え、PCや、スマートフォンやタブレット端末によって注文を受け付けてもよい。従業員に注文があったことを知らせるライトやブザーを備えてもよい。スピーカーから注文があったことを知らせる音声を出力してもよい。
【0121】
上述の実施の形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0122】
101 運営・管理サーバ
103 WEBサーバ
105 データベース
107 管理者PC
109A~109D 通信端末
111 ファクシミリサーバ
113 ファクシミリ網
115A~115C ファクシミリ受信装置
117 アプリケーションサーバ
201 チェーン店本部PC
203A,203B,… チェーン店の各店舗のPC
I 店舗A専用の発注アプリケーションプログラムのアイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14