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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】覗き見防止カバー
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20220623BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
E05B49/00 B
E05B65/00 D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018187179
(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公開番号】P2020056212
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】392016395
【氏名又は名称】生興株式會社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】坂田 浩司
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-146697(JP,A)
【文献】特開2008-287646(JP,A)
【文献】特開平7-217315(JP,A)
【文献】特開2006-277702(JP,A)
【文献】特開2010-85486(JP,A)
【文献】特開2007-41153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00
E05B 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に取り付けられるものであって、カバー本体(1)が、上面板(2)と、前面板(3)及び両側面板(4)とから構成され、底面を開放空間(Sa)とし、後面を開放空間(Sb)としており、前記上面板(2)は、前下りの傾斜角度(α)を有したものとし、中央部に四角形状とした番号入力確認孔(2a)が形成されており、前記前面板(3)は、前下りの傾斜角度(β)を有したものとすると共に、下部に鏡面(3a)を形成したものとし、前記両側面板(4)は、それぞれの下辺(4a)が前上りの傾斜角度(γ)を有したものとし、前記底面の開放空間(Sa)は、使用者が錠前(L)の暗証番号を入力しようとするときの指差し孔としていることを特徴とする覗き見防止カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロッカー、キャビネット等の収納・保管庫の扉に取り付けられる錠前の暗証番号を覗かれないようにした覗き見防止カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロッカー、キャビネット等の収納・保管庫では、ボタン式やダイヤル式とした錠前の暗証番号を入力することにより、その錠前を解錠してから、扉を開放できるようにしたものが存在する。
【0003】
このような収納・保管庫は、オフィスや学校の更衣室等に多数、横並びにして設置されているため、錠前の暗証番号を入力するときに、背後などから暗証番号を他人に覗かれる虞れがある。
【0004】
しかしながら、従来の収納・保管庫に取り付けられた錠前には、他人の視線を遮るものが何も設けられていないので、背後などから暗証番号を他人に容易に覗かれてしまう。
【0005】
ところで、銀行やクレジット会社のATM等において暗証番号を入力する場合には、背後などから暗証番号を他人に覗かれないように、各種の暗証番号覗き見防止カバーがそのATM等に設置されている。例えば、頂点部を切り落とし、内面を空隙部としたピラミッド形状としてカバー本体を形成したものが存在する。この覗き見防止カバーは、銀行やクレジット会社等のATM画面、または暗証番号小型入力機を覆うものとしている。そして、側面に設けた差込口から手を差し込んで、上部から覗き込みながらの暗証番号を入力することで、周囲の視線を遮るようにしている(特許文献1)。
【0006】
さらに、このような覗き見防止カバーとして、情報を入力するための入力部の上方を覆う上部部材、及び前記入力部の両側方を覆う側部部材を有するものが存在する。この覗き見防止カバーの前記上部部材は、並列する複数の傾斜面を有しており、各傾斜面は前記入力部の操作者側から離れるにつれて低くなるように傾斜している。そして、前記複数の傾斜面のうち少なくとも1組の隣接する傾斜面の間に位置する開口部を有しており、前記側部部材は、前記上部部材よりも前記入力部の使用者側に突き出している突出部材を有している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-277702号公報
【文献】特許第5747652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のATM等に設置された暗証番号覗き見防止カバーは、ATM等の機台の水平面に設置されるものであり、背後といっても背後の上方からの覗き見を防止するためのものであり、真後や真横からの覗き見を防止するためのものではない。そのため、このATM等に用いられる覗き見防止カバーをそのままロッカー、キャビネット等の収納・保管庫用の錠前に適用しても、充分な覗き見防止効果が得られないという課題を有していた。
【0009】
さらに、従来のATM等に設置された暗証番号覗き見防止カバーは、ATM等の機台が防犯カメラでの撮影・記録のため適切な照度が確保された場所に設置されているため、使用者が覗き見防止カバーで覆われた入力部から暗証番号を入力する場合にも、入力部が見難くなるようなこともなかった。しかしながら、ロッカー、キャビネット等の収納・保管庫は、オフィスや学校等の照度が充分に確保されていない場所に設置されている場合も多々あるので、その場合には使用者が覗き見防止カバーで覆われた錠前の暗証番号を入力する場合には、入力部が見難いという課題を有していた。
【0010】
また、従来のATM等の機台の正面などには、大きな反射鏡が設置されていることもあるため、このATM等に設置された暗証番号覗き見防止カバーは、このような場合には使用者の背後から他人が覗き見を目的に容易に近づくことができず、暗証番号を他人に覗かれてしまうことは少なかった。しかしながら、ロッカー、キャビネット等の収納・保管庫では、開閉扉の内には反射鏡が取り付けられていることがあるが、開閉扉の外には反射鏡が取り付けられていないので、使用者の背後から他人が覗き見を目的に容易に近づくことができ、暗証番号を他人に覗かれてしまうことがないとは言えないという課題を有していた。
【0011】
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ロッカー、キャビネット等の収納・保管庫の垂直方向に設置された開閉扉に取り付けられる覗き見防止カバーであって、その開閉扉に取り付けられた錠前の暗証番号を他人に真後や真横から覗き見され難くすると共に、収納・保管庫の設置場所の照度が充分に確保されていない場合にも、使用者が暗証番号を入力し易くし、しかも使用者が暗証番号を入力しているときに、背後に他人が覗き見を目的に容易に近づき難くした覗き見防止カバーを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのため、この発明の覗き見防止カバーは、垂直方向に取り付けられるものであって、カバー本体1が、上面板2と、前面板3及び両側面板4とから構成され、底面を開放空間Saとし、後面を開放空間Sbとしており、前記上面板2は、前下りの傾斜角度αを有したものとし、中央部に四角形状とした番号入力確認孔2aが形成されており、前記前面板3は、前下りの傾斜角度βを有したものとすると共に、下部に鏡面3aを形成したものとし、前記両側面板4は、それぞれの下辺4aが前上りの傾斜角度γを有したものとし、前記底面の開放空間Saは、使用者が錠前Lの暗証番号を入力しようとするときの指差し孔としている。
【発明の効果】
【0017】
この発明の覗き見防止カバーは、以上に述べたように構成されており、ロッカー、キャビネット等の収納・保管庫の垂直方向に設置された開閉扉に取り付けられた場合には、その開閉扉に取り付けられた錠前の暗証番号を他人に真後や真横から覗き見され難いものとなった。
【0018】
さらに、この発明の覗き見防止カバーは、収納・保管庫の設置場所の照度が充分に確保されていない場合にも、使用者が暗証番号を入力し易くなった。
【0019】
しかも、この発明の覗き見防止カバーは、使用者が暗証番号を入力しているときに、背後に他人が覗き見を目的に容易に近づき難いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の覗き見防止カバーの一実施形態を前面側から見た状態の斜視図である。
図2】この発明の覗き見防止カバーの一実施形態を後面側から見た状態の斜視図である。
図3】この発明の覗き見防止カバーの一実施形態の正面図である。
図4図3中のAーA線による断面図である。
図5】この発明の覗き見防止カバーの他の実施形態を前面側から見た状態の斜視図である。
図6】この発明の覗き見防止カバーの他の実施形態を後面側から見た状態の斜視図である。
図7】この発明の覗き見防止カバーの他の実施形態の正面図である。
図8図7中のBーB線による断面図である。
図9】この発明の覗き見防止カバーが、ロッカーの垂直方向に設置された開閉扉に取り付けられた状態の正面図である。
図10図9に示すこの発明の覗き見防止カバーが取り付けられた部分の拡大図である。
図11図10中のCーC線による断面図である。
図12】この発明の覗き見防止カバーの使用状態を真横から見たときの説明図である。
図13】この発明の覗き見防止カバーの使用状態を真上から見たときの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の覗き見防止カバーを図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
この発明の覗き見防止カバーは、収納・保管庫Rの垂直方向に設置された開閉扉11に取り付けられた状態(図9、10参照)において、図1~4又は図5~8に示したように、カバー本体1が、上面板2と、前面板3及び両側面板4とから構成され、底面を開放空間Saとし、後面を開放空間Sbとしている。
【0023】
前記カバー本体1は、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などの合成樹脂の一体成形品としており、不透明にしたり、半透明にすることができる。前記カバー本体1を半透明にした場合は、照度が充分に確保されていない場所に設置されるときにも、錠前Lの番号キーKが見易いものとなり、暗証番号を容易に入力することができる。すなわち、前記カバー本体1を半透明にしたときの透光率は、可視光線波長(400~800nm)において400nm近辺で30~40%、800nm近辺で40~50%の比例傾向であることが望ましく、そのときの直進光の透光率は10%未満が望ましい。この透光率は、720lux程度の照度の場所で、440lux程度の照度が確保されるようになり、カバー本体1の中に入れた使用者の指の動きが外部から見えない程度の透光率である。また、前記カバー本体1の透光率をこのように設定すると、例えば210lux程度の照度が充分に確保されていない場所に設置されるときにも、110lux程度の照度が確保されるようになり、カバー本体1内を視認でき、錠前Lの暗証番号を入力することができる。なお、110luxは、JISZ9110:2011が推奨する廊下、エレベータの照度(100lux)とほぼ同じであり、カバー本体1内を視認できる程度の明るさである。
【0024】
前記上面板2は、略平面形状としており、前下りの傾斜角度αを有したものとしており、その傾斜角度αは15~40度、望ましくは25~30度としており、中央部に四角形状とした番号入力確認孔2aが形成されている。この番号入力確認孔2aは、使用者が覗き込んで錠前Lの暗証番号を入力しようとするとき、使用者はその番号キーKが視認できるが、使用者の真後や真横から他人が覗き込んでも錠前Lの番号キーKが視認できない程度の大きさに形成しており、使用者が覗き込んだときに錠前Lの番号キーKの全部が視認できる程度の大きさであればよい。さらに、前記上面板2の上端には、開閉扉11に形成された係止孔に係止するための係止爪2bが突設されている。そして、前記上面板2は、15~40度の前下りの傾斜角度αを有したものとしているため、この上面板2に形成された番号入力確認孔2aからは、使用者が覗き易い角度となるが、使用者の真後や真横からは他人が覗き難い角度となっている。なお、前記上面板2の傾斜角度αを25~30度が望ましいとしたのは、一般的な収納・保管庫R(ロッカー)の開閉扉11の錠前Lはロッカーの高さが95~110cm程度の位置に取り付けられており、日本人の成人男子の平均身長が170cm程度、成人女子の平均身長が160cm程度であることを考慮したものである。したがって、中学校用、高等学校用などの特定の用途の場合には、開閉扉11の錠前Lの取付け位置、中高生などの平均身長を考慮して、前記した15~40度の傾斜角度αに設定すればよい。
【0025】
前記前面板3は、略平面形状としており、前下りの傾斜角度βを有したものとしており、その傾斜角度βは65~85度、望ましくは77~82度としており、使用者が錠前Lの暗証番号を入力しようとするとき、この前面板3に遮られて、他人が錠前Lの番号キーKが視認できないようにしている。なお、使用者においても、前面板3に遮られて錠前Lの番号キーKが視認できなくなっている。前記前面板3は、65~85度の前下りの傾斜角度βを有したものとしているため、この前面板3によって錠前Lの番号キーKが視認できない角度も大きくなり、使用者にとっても他人にとっても、その番号キーKが視認し難くなっている。さらに、前記前面板3の下部には、図5~8に示したように、鏡面3aを形成したものとしている。この鏡面3aは、前記前面板3の下部の一部に、単に金属めっきを施すなどして平面鏡としたものとすることができるが、前記前面板3の下部の一部を隆起させ、この隆起部に金属めっきを施すなどして凸面鏡としたものとすれば、使用者が鏡面3aを見ると後方や横方が縮小されて現れ、使用者の真後や真横から他人が覗き込んでいる場合に確認し易いものとなる。前記前面板3に金属めっきを施すには、真空蒸着めっき、装飾クロムめっきなどが代表的なものとして挙げられる。真空蒸着めっきを施すには、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などでカバー本体1を成形し、めっきを施す部分以外をマスキングして、その部分にめっきを施す。この場合、蒸着膜は耐磨耗性がないので、トップコート剤を塗布して保護膜を施したものとする。また、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂には装飾クロムめっきを施せないため、ABS樹脂、またはABS樹脂とポリカーボネート樹脂の複合樹脂でカバー本体1を成形し、真空蒸着めっきと同様にめっきを施す部分以外をマスキングして、その部分にめっきを施す。さらに、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂でカバー本体1を成形した場合には、めっきしたい部分だけをABS樹脂で二色成形し、その部分にめっきを施したものとしてもよい。前記前面板3の傾斜角度βを77~82度が望ましいとしたのは、前記上面板2の傾斜角度αと同じ理由による。また、前記前面板3と上面板2との境界部B1は、アールにしている。これは、使用者がカバー本体1に顔を近付けたときなどに、誤ってカバー本体1に接触してもケガなどしないようにすると共に、カバー本体1に外力が加わったときに、応力集中によって破壊することを防止するためである。
【0026】
前記両側面板4は、それぞれ略平面形状としており、下辺4aが前上りの傾斜角度γを有したものとしており、その傾斜角度γは15~45度、望ましくは30~40度としており、使用者が錠前Lの暗証番号を入力しようとするとき、両側面板4に遮られて、使用者も他人も錠前Lの番号キーKが視認できないようにしている。さらに、前記両側面板4の後端には、開閉扉11にネジ止めするためのネジ穴4bが形成されている。前記両側面板4の下辺4aの傾斜角度γを30~40度が望ましいとしたのは、前記上面板2の傾斜角度αや両側面板4の傾斜角度βと同じ理由による。また、前記両側面板4と上面板2との境界部B2、および前記両側面板4と前面板3との境界部B3も、前記前面板3と上面板2との境界部B1と同じ理由でアールにしている。
【0027】
前記底面の開放空間Saは、使用者が錠前Lの暗証番号を入力しようとするときの指差し孔としている。なお、前記両側面板4の下辺4aが15~45度の前上りの傾斜角度γを有したものとしているため、前記底面の開放空間Saが広くなり、使用者が錠前Lの番号キーKを操作し易くなっている。
【0028】
そして、前記カバー本体1は、前記後面の開放空間Sbが、収納・保管庫Rの垂直方向に設置された開閉扉11に取り付けられた錠前Lの番号キーKを取り囲むようにして、この開閉扉11に取り付けられたものとしている。このカバー本体1を開閉扉11に取り付けるには、前記上面板2の上端に突設された係止爪2bを、開閉扉11に形成された係止孔H1に開閉扉11の外側から係止させ、この開閉扉11に形成した通し孔H2に開閉扉11の内側からネジSを通して、このネジSを前記両側面板4の後端に形成されたネジ穴4bに捩じ込めばよい。なお、前記カバー本体1を開閉扉11に取り付けるには、嵌め込み方式、接着剤、両面テープ、マグネットなどを用いて行なうこともでき、限定されるものではない。
【0029】
前記錠前Lは、図示したものでは番号キーKをボタン式にしているが、ダイヤル式などにしてもよい。ボタン式の番号キーKの配置は、数字キーとキャンセルキーなどを合わせて、図示したように四行三列に並べたものとしており、前記カバー本体1の後面の開放空間Sbで、この錠前Lの番号キーKを取り囲むようにしているが、ダイヤル式にした場合は、番号キーKの配置は、数字キーを一行に並べたものとしているので、この番号キーKを前記カバー本体1の後面の開放空間Sbで取り囲むようにすればよい。さらに、前記錠前Lの番号キーKの下方には、扉開閉用の摘み12や、暗証番号を忘れたときなどに、その暗証番号を解除する非常キーを挿入するためのかぎ穴13が設けられているが、これら摘み12やかぎ穴13は、操作性などを考慮して、前記カバー本体1の後面の開放空間Sbで取り囲まれないようにしている。
【0030】
以上のように構成されたこの発明の覗き見防止カバーは、図9、10に示したようにロッカーの垂直方向に設置された開閉扉11に取り付けられた状態において、その開閉扉11の前に使用者が立って錠前Lの番号キーKを操作する場合に、図11に示したように、使用者はカバー本体1の底面の開放空間Saから指を差し入れ、番号入力確認孔2aから覗き込んで番号キーKを操作して暗証番号を入力する。この場合、前記したように開放空間Saは広くなっているので、指を差し入れ易くなり、使用者は錠前Lの番号キーKをたやすく操作できることになる。
【0031】
そして、使用者が錠前Lの番号キーKを操作している間は、図12、13に示したように、使用者が上面板2の番号入力確認孔2aから覗けば、使用者の視線は錠前Lの番号キーKに届くが、使用者の真後や真横にいる他人の視線はカバー本体1の上面板2や前面板3、両側面板4に遮られて、錠前Lの番号キーKには届かない。また、他人が真後や真横から上面板2の番号入力確認孔2aを覗き込んでも、他人の視線は錠前Lの番号キーKの一部にしか届かず、使用者が錠前Lの番号キーKを操作する指の動きが確認し難くなっている。
【0032】
さらに、この発明の覗き見防止カバーは、カバー本体1を不透明にした場合には言うまでもなく、半透明にした場合も、カバー本体1の外部からはカバー本体1の中に入れた使用者の指の動きが見えないので、錠前Lの暗証番号を他人に覗き見されることはない。
【0033】
また、この発明の覗き見防止カバーは、カバー本体1を半透明にした場合には、先にも述べたように、照度が充分に確保されていない場所に設置されるときにも、使用者はカバー本体1内を視認でき、錠前Lの暗証番号を入力することができる。
【0034】
しかも、この発明の覗き見防止カバーは、前面板3の下部に鏡面3aを形成したものでは、この鏡面3aによって使用者の背後から近づく他人が確認できるので、使用者が暗証番号を入力しているときに、他人が覗き見を目的に容易に近づき難いものとなる。
【符号の説明】
【0035】
1 カバー本体
2 上面板
2a 番号入力確認孔
3 前面板
3a 鏡面
4 側面板
4a 下辺
11 開閉扉
K 番号キー
L 錠前
R 収納・保管庫
Sa 開放空間
Sb 開放空間
α 傾斜角度
β 傾斜角度
γ 傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13