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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】駐車装置のゲート
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20220623BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20220623BHJP
   E06B 9/06 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
E04H6/18 601G
E04H6/42 Z
E06B9/06 620H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018046932
(22)【出願日】2018-03-14
(65)【公開番号】P2019157541
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】柴田 眞
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-093443(JP,A)
【文献】特開2016-014223(JP,A)
【文献】特開平09-177457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/18
E04H 6/42
E06B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の入出庫口に設けられるゲートを備え、
前記ゲートは、
前記ゲートの上端を規定する上ビームと、
前記ゲートの下端を規定する下ビームと、
前記上ビーム及び前記下ビームの間に配置される中構造とを有し、
前記中構造は前記上ビーム及び前記下ビームを接続し、
前記上ビーム及び前記下ビームは高さ方向に接近可能であり、
前記ゲートの開状態のときの前記上ビーム及び前記下ビームの間の距離は、前記ゲートの閉状態のときの前記上ビーム及び前記下ビームの間の距離よりも小さく、
前記ゲートの開状態のときの前記下ビームの高さは、前記ゲートの閉状態のときの前記上ビームの高さよりも大きく、
前記中構造は、垂直方向に複数の小部材を含み、
前記上ビーム及び前記下ビームは前記複数の小部材が折り畳まれることにより高さ方向に接近し、
前記中構造は、第1中構造、水平方向において前記第1中構造の反対側に設けられた第2中構造、および前記第1中構造と前記第2中構造との間に間隔をあけて設けられた第3中構造を含む、駐車装置のゲート。
【請求項2】
車両の入出庫口に設けられるゲートを備え、
前記ゲートは、
前記ゲートの上端を規定する上ビームと、
前記ゲートの下端を規定する下ビームと、
前記上ビーム及び前記下ビームの間に配置される中構造とを有し、
前記中構造は前記上ビーム及び前記下ビームを接続し、
前記上ビーム及び前記下ビームは高さ方向に接近可能であり、
前記ゲートの開状態のときの前記上ビーム及び前記下ビームの間の距離は、前記ゲートの閉状態のときの前記上ビーム及び前記下ビームの間の距離よりも小さく、
前記ゲートの開状態のときの前記下ビームの高さは、前記ゲートの閉状態のときの前記上ビームの高さよりも大きく、
前記中構造は、垂直方向に隣り合って接続された複数の小構造を有し、
隣り合う前記小構造の一方が他方の内側に収納され、
前記中構造は、第1中構造、水平方向において前記第1中構造の反対側に設けられた第2中構造、および前記第1中構造と前記第2中構造との間に間隔をあけて設けられた第3中構造を含む、駐車装置のゲート。
【請求項3】
前記第1中構造のうち前記上ビームに接続された第1小構造の水平方向の長さは、前記第3中構造のうち前記上ビームに接続された第2小構造の水平方向の長さと異なる、請求項に記載の駐車装置のゲート。
【請求項4】
前記上ビームは、前記下ビームと直接的又は間接的に支持されて上昇又は下降する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の駐車装置のゲート。
【請求項5】
前記開状態の前記ゲートが前記閉状態に移行するとき、前記上ビームは、前記駐車装置の支柱に設けられた上ビーム受けに載置され、前記下ビームは所定の位置まで下降を継続する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の駐車装置のゲート。
【請求項6】
前記ゲートは、前記上ビームが前記駐車装置の支柱に設けられた上ビーム受けに載置されるまでは前記中構造が高さ方向に縮んだ状態で下降する、請求項に記載の駐車装置のゲート。
【請求項7】
前記閉状態の前記ゲートが前記開状態に移行するとき、前記下ビームは、前記中構造を高さ方向に縮みながら上昇し、所定の位置からは、前記中構造が高さ方向に縮んだ状態で前記下ビーム及び前記上ビームが上昇する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の駐車装置のゲート。
【請求項8】
前記下ビームは、前記上ビームと垂直方向に重なる位置に配置される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の駐車装置のゲート。
【請求項9】
前記上ビーム及び前記下ビームは前記中構造が伸縮することにより高さ方向に接近する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の駐車装置のゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車装置のゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
多段式駐車装置において、車両の入出庫がなされる出入口にはゲートが設けられる。ゲートは、車両を入出庫するとき以外は、駐車装置内部に人等が入り込まないように閉じられている必要があり、他方、車両を入出庫するときは、車両や人が安全に行き来できる程度開かれている必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、可動柵と、可動柵が入出庫口に立体駐車設備内への人の進入を阻止するための第1の高さに位置するときに、可動柵の下端と基準面との間とに形成される開口部を塞ぎ、可動柵が立体駐車設備内への人の進入を可能とする第2の高さに移動したときに、可動柵の下方において人の出入りおよび車の入出庫が可能となるように収容される補助柵を有する立体駐車設備用安全柵技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-32338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に記載された技術によると、可動柵及び補助柵を前後に重ねて昇降するため、重ねた厚みの分の昇降空間が必要となる。また、可動柵の高さが一定であるため、元々ゲートが付いていなかった駐車場等、上方に限られた高さしか存在しない場合には用いることができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的の一つは、設置場所の条件に関わらず用いることを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、車両の入出庫口に設けられるゲートを備え、前記ゲートは、前記ゲートの上端を規定する上ビームと、前記ゲートの下端を規定する下ビームと、前記上ビーム及び前記下ビームの間に配置される中構造とを有し、前記中構造は前記上ビーム及び前記下ビームを接続し、前記上ビーム及び前記下ビームは高さ方向に接近可能であり、前記ゲートの開状態のときの前記上ビーム及び前記下ビームの間の距離は、前記ゲートの閉状態のときの前記上ビーム及び前記下ビームの間の距離よりも小さく、前記ゲートの開状態のときの前記下ビームの高さは、前記ゲートの閉状態のときの前記上ビームの高さよりも大きい駐車装置のゲートが提供される。
【0008】
前記上ビームは、前記下ビームと直接的又は間接的に支持されて上昇又は下降してもよい。
【0009】
前記開状態の前記ゲートが前記閉状態に移行するとき、前記上ビームは、前記駐車装置の支柱に設けられた上ビーム受けに載置され、前記下ビームは所定の位置まで下降を継続してもよい。
【0010】
前記ゲートは、前記上ビームが前記駐車装置の支柱に設けられた上ビーム受けに載置されるまでは前記中構造が高さ方向に縮んだ状態で下降してもよい。
【0011】
前記閉状態の前記ゲートが前記開状態に移行するとき、前記下ビームは、前記中構造を高さ方向に縮みながら上昇し、所定の位置からは、前記中構造が高さ方向に縮んだ状態で前記下ビーム及び前記上ビームが上昇してもよい。
【0012】
前記下ビームは、前記上ビームと垂直方向に重なる位置に配置されてもよい。
【0013】
前記上ビーム及び前記下ビームは前記中構造が折り畳まれることにより高さ方向に接近してもよい。
【0014】
前記上ビーム及び前記下ビームは前記中構造が伸縮することにより高さ方向に接近してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る駐車装置を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る駐車装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの正面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの側面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの中構造が縮んだ状態を示す正面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの中構造が縮んだ状態を示す側面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートが下降端で停止した状態(ゲートの閉状態)を示す正面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートが下降端で停止した状態(ゲートの閉状態)を示す側面図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの上昇途中の状態を示す正面図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの上昇途中の状態を示す側面図である。
図11】本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートが上昇端で停止した状態(ゲートの開状態)を示す正面図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲートの正面図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲートの側面図である。
図14】本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲートの中構造が縮んだ状態の断面図である。
図15】本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲートの中構造が縮んだ状態の断面図である。
図16】本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲートの中構造が縮んだ状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0017】
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0018】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る駐車装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
[駐車装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置の概略側面図である。図1は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置100の主たる構成を示す。
【0020】
駐車装置100は、支柱102により主構造体が構成され、主構造体の中に車両Vを載置するパレット104が設置されている。
【0021】
パレット104は、昇降機により支柱102に沿って昇降可能に設けられてもよい。また、パレット104は、車体横方向(図1の紙面奥行き方向)に沿って移動させることが可能になっていてもよい。
【0022】
主構造体の中でパレット104は、複数の車両Vを縦方向に積み重ねたとき、車両同士が干渉しない間隔をもって設けられる。これにより、支柱102により形成される主構造体は、縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成してもよい。
【0023】
駐車装置100は、操作盤214により操作される。操作盤214は、駐車装置100の外側に設けられている。この例では、駐車装置100の入出庫口(図右側下部)の近くの支柱102に操作盤214が取り付けられている。
【0024】
操作盤214は、駐車装置100を制御する制御部200と有線または無線にて通信を行う。制御部200は、パレット104やゲート108の動作を含む、駐車装置100のあらゆる動作を制御する。図1には、車両Vの後方に制御部200を備える例を示している。
【0025】
駐車装置100の入出庫口に設けられるゲート108は、出庫時には、パレット104が入出庫口まで移動されると開放され、車両を出庫した後に操作盤214でゲート108を閉める操作がなされることによって閉じられる。入庫時には、操作盤214でゲート108を開ける操作がなされることで開放され、車両を入庫した後に操作盤214を操作することによって閉じられる。
【0026】
ゲート108は、車両Vを入出庫するために開けた場合以外は閉じた状態となっている。したがって、パレット104が移動するときもゲート108は閉じた状態になっている。ゲート108が閉じていることにより、通常は駐車装置100の装置内に人が入れないようになっている。
【0027】
センサ220は、ゲート108を閉扉する際の安全性を確保するため、ゲート108の閉扉方向の所定領域における物体(人や物)を検知するように取り付けられる。この例では、センサ220は、駐車装置100の入出庫口(図右側下部)の近くの支柱102に取り付けられている。センサ220は、ゲート108に取り付けてもよい。
【0028】
報知部222は、利用者に対し、ゲート108の閉扉や開扉を報知する。この例では、報知部222は、駐車装置100の入出庫口(図右側下部)の近くの支柱102の上部に取り付けられている。
【0029】
縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成し立体的に車両Vを収納して駐車させる駐車装置100では、パレット104が昇降することで、目的とするパレット104を入出庫口へ移動させて車両の出し入れを行う。
【0030】
目的とするパレット104を入出庫口まで移動させる動作にはいくつかの方式があり、例えば上段のパレット104に駐車された車両を出庫するために下段のパレット104を地下ピットに沈み込ませる方式、下段又は上段のパレット104を車体横方向(図1の紙面奥行き方向)にスライドさせて上段のパレット104を下段のパレット104が存在しない空間に降下させる方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などが採用されている。
【0031】
図1で示す例では、1階に駐車空間PS1が設けられている態様を示している。また、駐車空間PS1の横方向(図1の紙面奥方向)には駐車空間PS2(図示せず)が、さらに、その横方向(図1の紙面奥方向)には駐車空間PS3(図示せず)が、設けられている。これとは異なり、1階から地下に向かって縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成してもよい。また、1階から上階に向かって縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成してもよい。
【0032】
図2は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置の概略構成を示すブロック図である。本発明の駐車装置は、制御装置200、操作盤214、パレット駆動装置216、ゲート駆動装置218、パレット104、ゲート108、センサ220、及び報知部222を備える。
【0033】
制御装置200は、記憶部204及び制御部206を備える。
【0034】
記憶部204は、論理記憶領域であり、CPU内部の記憶領域、主記憶装置、二次記憶装置などのメモリである。記憶部204は、各種機能を制御装置200において実現させるプログラム等を記憶する。
【0035】
制御部206は、パレット駆動装置216及びゲート駆動装置218に対し、操作盤214から受信した情報に基づいてパレット104及びゲート108の駆動に関する指示を含む信号を送信する。また、制御部206は、報知部222に対し、センサ220から受信した情報に基づいて報知部222の駆動に関する指示を含む信号を送信する。
【0036】
制御部206は、CPU(Central Processing Unit)である。制御部206は、記憶部204に記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能を制御装置200において実現させる。
【0037】
制御部206において実行されるプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、各プログラムは、ネットワークNW経由でダウンロードされてもよい。
【0038】
操作盤214は、利用者が制御装置200に対して自動操作の指示(パレット104の番号指定やゲート108の開閉指示)を入力するユーザインターフェイスである。操作盤214は、利用者からの自動操作の指示の入力を受けると、制御装置200に対して自動操作を行うパレット104に関する情報や操作内容に関する情報を送信する。
【0039】
パレット駆動装置216は、制御部206から受信したパレット104の駆動に関する指示を含む信号に基づいてパレット104を駆動する。
【0040】
ゲート駆動装置218は、制御部206から受信したゲート108の駆動に関する指示を含む信号に基づいてゲート108を駆動する。
【0041】
センサ220は、ゲート108の閉扉方向の所定領域に存在する物体を検知する。センサ220は、例えば、光センサ、超音波センサ、赤外線センサ、画像認識、接触センサ等である。
【0042】
報知部222は、利用者に対し、ゲート108の閉扉や開扉を報知する。報知部222は、例えば、スピーカー、ディスプレイ、発光体等である。
【0043】
[駐車装置のゲートの構成]
図3は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの正面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの側面図である。
【0044】
ゲート108は、上ビーム310、下ビーム320、及び中構造330を備える。
【0045】
上ビーム310は、ゲート108の上端を規定するビームである。後述するとおり、上ビーム310は、下ビーム320の動力により上昇又は下降する。
【0046】
下ビーム320は、ゲート108の下端を規定するビームである。図4に示すように、下ビームは、上ビームと垂直方向に重なる位置に配置されてもよい。
【0047】
中構造330は、上ビーム310及び下ビーム320の間に配置され、上ビーム310及び下ビーム320を接続する。
【0048】
中構造330は、複数の小部材340から構成されており、高さ方向に縮めることが可能な構造となっている。図3には、水平方向に間隔をあけて複数の小部材340配置する例を示している。しかしこれに限られず、間隔をあけずに複数の小部材340を配置してもよいし、全体として一つの中構造330を設けてもよい。
【0049】
中構造330の素材は、スチィール、樹脂等であってもよい。
【0050】
図5は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの中構造が縮んだ状態を示す正面図である。図6は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの中構造が縮んだ状態を示す側面図である。
【0051】
図5及び図6に示すように、中構造330が高さ方向に縮まることによって上ビーム310及び下ビーム320が接近し、ゲート108本体が高さ方向に縮まる。逆に、中構造330が高さ方向に延びることによって上ビーム310及び下ビーム320が離れ、ゲート108本体が高さ方向に延びる。
【0052】
中構造330を高さ方向に縮める構造は、図4及び図6に示すように、折り畳み可能な中構造330を用いて中構造330を折り畳むことによって高さ方向に縮める構造としてもよい。すなわち、複数の小部材340を、接合部342で回転可能に接続することで、上ビーム310及び下ビーム320が接近したときに複数の小部材340が折り畳まれるようにしてもよい。また、中構造330は、ピボットヒンジ付スチールにしてもよい。中構造330をこのように構成することによって、ゲート108本体を高さ方向に縮めることが可能となる。
【0053】
[駐車装置のゲートの開閉動作]
以下、図7乃至図11を参照して駐車装置100のゲート108の開閉動作について説明する。
【0054】
図7は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートが下降端で停止した状態(ゲートの閉状態)を示す正面図である。図8は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートが下降端で停止した状態(ゲートの閉状態)を示す側面図である。
【0055】
上ビーム310は、上ビームガイド364を介して支柱に摺動可能に接続されている。上ビームガイド364は、上ビーム310に固定されており、支柱102に摺動可能に取り付けられ、上ビーム310の昇降をガイドする。このような構成を備えることにより、上ビーム310は支柱102に沿って昇降する。
【0056】
図7及び図8に示すように、ゲート108が下降し、閉じられた状態では、上ビーム310の両端部付近に設けられた延長部315が左右の支柱102に設けられる上ビーム受け370に載置される。これにより、上ビーム310の位置が決定される。
【0057】
延長部315は、上ビーム310の両端部付近に設けられ、駐車区間PS1の側に向かって延長される部材である。延長部315は、上ビーム受け370に載置可能な形状、大きさを有すれば、どのような形状、大きさであってもよい。
【0058】
上ビーム受け370は、ゲート108が所望の高さとなる位置に設けられ、その上面に上ビームの延長部315を載置する。上ビーム受け370は、チェーン350、上ビームガイド364、下ビームガイド360及び吊りブラケット362が存在する場所又は移動する場所以外に配置される。図8に示す例では、上ビーム受け370は、チェーン350、上ビームガイド364、下ビームガイド360及び吊りブラケット362が存在する場所又は移動する場所よりも駐車区間PS1の側に配置されている。上ビーム受け370は、チェーン350、上ビームガイド364、下ビームガイド360及び吊りブラケット362の動きの妨げにならず、上ビームの延長部315を載置可能な形状、大きさを有すれば、どのような形状、大きさであってもよい。
【0059】
下ビーム320は、下ビームガイド360及び吊りブラケット362を介して支柱に摺動可能に接続されている。下ビームガイド360は、下ビーム320に固定されており、支柱102に摺動可能に取り付けられ、下ビーム320の昇降をガイドする。吊りブラケット362は、チェーン350、352及び下ビーム320に接続され、チェーン350、352の昇降にあわせて下ビーム320が昇降するようにする部材である。このような構成を備えることにより、下ビーム320は支柱102に沿って昇降する。
【0060】
チェーン350、352は、ゲート108の上昇端から下降端まで支柱102に沿って備えられている。チェーン350、352が上方向に引き上げられることにより吊りブラケット362及び下ビームガイド360を介して接続されている下ビーム320を上昇させ、また、チェーン350、352が下方向に引き下げられることにより下ビーム320を下降させる。
【0061】
図9は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの上昇途中の状態を示す正面図である。図10は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートの上昇途中の状態を示す側面図である。
【0062】
図9及び図10に示すように、ゲート108を上昇させて開くときは、チェーン350、352を上方向に引き上げることにより吊りブラケット362及び下ビームガイド360を介してチェーン350、352に接続されている下ビーム320を上昇させる。
【0063】
本発明の第1実施形態に係る駐車装置100のゲート108の中構造330は高さ方向に縮むことが可能な構造となっているため、下ビーム320を上昇させることで、中構造330は高さ方向に縮む。このように、ゲート108は、下ビーム320が上昇し、上ビーム310を持上げる位置までは、中構造330を高さ方向に縮めながら上昇していく。
【0064】
下ビーム320が上ビーム受け370付近まで上昇すると、上ビーム310及び下ビーム320は昇降可能状態となる。昇降可能状態となった上ビーム310は、下ビーム320の上昇と一体となって上昇する。このとき、中構造330は高さ方向に縮んだ状態となっている。
上ビーム310は両側に備える上ビームガイド364により昇降可能で支柱102に?合っている。同様に、下ビーム320は両側に備える下ビームガイド360により支柱102に?合っている。よって、上ビーム310及び下ビーム320は左右の支柱102の間に半固定状態となっている。このように、上ビーム310及び下ビーム320は、昇降と高さ伸縮のみがフレキシブルで、前後左右にはガイドにより抑制されている。下ビーム320が上昇すると上ビーム310の重量により中構造330が縮み、その縮みが限界になると、下ビーム320は中構造330及び上ビーム310の重量に打ち勝ってこれらを持ち上げることで、下ビーム320、中構造330及び上ビーム310は一体となって上昇する。
【0065】
図11は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートが上昇端で停止した状態(ゲートの開状態)を示す正面図である。
【0066】
図11に示すように、上ビーム310及び下ビーム320は中構造330が限界まで縮んだ状態で所定の位置まで上昇していき、停止する。
【0067】
ゲート108を下降させるときは、以上と逆の動作となる。
【0068】
すなわち、ゲート108を下降させるときは、チェーン350、352を下降させ、チェーン350、352に接続されている下ビーム320を下降させることにより、下ビーム320及び下ビーム320と一体となっている、昇降可能状態の上ビーム310を下降させる。このとき、ゲート108は中構造330が高さ方向に縮んだ状態となっている。
【0069】
図9及び図10に示す状態までゲート108を下降させると、上ビーム310の両端部付近に設けられた延長部315は、左右の支柱102に設けられる上ビーム受け370の上に載置される。これにより、上ビーム310の位置が決定される。
【0070】
さらにチェーン350、352を下降させると、高さ方向に縮まっていた中構造330が徐々に伸びていく。チェーン350、352に接続された下ビーム320は所定の位置まで下降を継続し停止する。このようにしてゲート108が閉扉される。
【0071】
以上で述べた本発明の一実施形態に係る駐車装置のゲートによると、ゲートを上昇させる際にゲートをコンパクトに畳んだ状態で上昇させることができるので、上昇時の高さ制限がある場合でも必要で十分な開口を備える駐車装置を提供することができる。すなわち、元々ゲートが付いていなかった駐車場等、上方に限られた高さや広さしか存在しない場合であってもゲートを設置することができ、駐車装置の設置場所の幅が広がる。
【0072】
また、本発明の一実施形態に係る駐車装置のゲートによると、駐車場の設置場所の地面が平らでないときにも、ゲート下端から地面までの寸法を考慮して中構造の長さを調整することでゲートの高さを容易に調整することができるので、従来、駐車場の設置場所の地面が平らでないときにゲート下端から地面までの寸法を100mm以下とするためには、地面を平らにする穴埋め材を必要としていたところ、穴埋め材を用いて地面を平らにする等の余計な工程を省くことができる。
【0073】
また、本発明の一実施形態に係る駐車装置のゲートによると、複数の柵を前後に重ねるための機構を備える必要がないため、可動柵及び補助柵を前後に重ねるための機構を備える必要があり構造が複雑になっていた従来技術よりも構造を簡素化することができる。
【0074】
さらに、本発明の一実施形態に係る駐車装置のゲートによると、ゲートをコンパクトに畳むことができるので、輸送効率が悪かった従来技術に比して輸送効率を向上させることができる。また、重心バランスが悪かった従来技術に比して重心バランスが向上するので、ゲート昇降時の音振を軽減させることができる。
【0075】
さらに、本発明の一実施形態に係る駐車装置のゲートによると、左右の支柱に設けられる上ビーム受けの高さを調整することで中構造を完全に広げたときのゲートの高さを容易に調整することができるので、ゲートの高さが十分でないときに取り付けることが義務付けられている乗越え検知光電管の取付けが不要になる。
【0076】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る駐車装置について、図12乃至図16を参照しながら詳細に説明する。
【0077】
図12は、本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲートの正面図である。図13は、本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲートの側面図である。図14乃至図16は、本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲートの中構造が縮んだ状態の断面図である。
【0078】
本発明の第2実施形態に係る駐車装置のゲート108aの中構造330aは、折り畳み蛇腹、リップ型等、隣り合う小構造340aの一方が他方の内側に収納されて垂直方向に縮む構造である。。
【0079】
中構造330の構造は、図14に示す丸パイプ330a、図15に示す角パイプ330b、図16に示す角パイプに切込みが入った形状330cであってもよい。中構造330をこのように構成することによって、ゲート108本体を高さ方向に縮めることが可能となる。
【0080】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る駐車装置のゲート108aの中構造330aは、帆布、ネット、ロールカーテン等、中構造330aが伸縮して垂直方向に縮む構造である。中構造330aをこのように構成することによって、ゲート108a本体を高さ方向に縮めることが可能となる。
【0081】
<変形例>
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0082】
例えば、本発明の実施形態に係る駐車装置では、ゲート108を上昇させることによりゲート108を開き、ゲート108を下降させることによりゲート108を閉じる構成を示したが、これに限られず、ゲート108を下降させることによりゲート108を開き、ゲート108を上昇させることによりゲート108を閉じる構成(いわゆるせり上がりゲート)としてもよい。
【0083】
すなわち、所望の位置で下ビームを下ビーム受けに載置し、上ビームを上昇させることでゲートを閉扉し、上ビームを下降させ、中構造を限界まで縮ませた状態で、上ビーム及び下ビームを下降させることによってゲートを開扉するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0084】
100…駐車装置
102…支柱
104…パレット
106…昇降機
108…ゲート
200…制御装置
204…記憶部
206…制御部
214…操作盤
216…パレット駆動装置
218…ゲート駆動装置
220…センサ
222…報知部
310…上ビーム
320…下ビーム
330、330a、330b、330c…中構造
340…小部材
342…接合部
350、352…チェーン
360…下ビームガイド
364…上ビームガイド
362…吊りブラケット
370…上ビーム受け
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16