(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】日射遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/382 20060101AFI20220623BHJP
E06B 9/264 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
E06B9/382
E06B9/264 Z
(21)【出願番号】P 2018109307
(22)【出願日】2018-06-07
【審査請求日】2021-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【氏名又は名称】須田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100129229
【氏名又は名称】村澤 彰
(72)【発明者】
【氏名】奥田 浩光
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0098274(US,A1)
【文献】実開昭53-164070(JP,U)
【文献】実開昭63-119791(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24-9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井、壁又は窓枠に取付けられた取付フレームと、前記取付フレームからそれぞれ垂下され昇降可能な少なくとも2
つの隣り合うスラット群を有するスラット群ユニットとを備えた日射遮蔽装置であって、
前記隣り合うスラット群の長手方向の一部が重合するように構成され、
前記隣り合うスラット群が重合した状態でその重合長さが変化することにより前記スラット群ユニットが長手方向に伸縮するように構成され、
前記スラット群ユニットの長手方向への伸縮時
に重合部で前記隣り合うスラット群に作用する摺動抵抗を抑制するように重合用ラダー部材が
前記重合部に設けられ
、前記重合用ラダー部材の内重合用横部材が、重なり合うスラットの間に介装されている
ことを特徴とする日射遮蔽装置。
【請求項2】
前記重合用ラダー部材が、前記重合部で前記隣り合うスラット群の前後に配設された一対の重合用縦部材と、これらの重合用縦部材に長手方向に間隔をあけて架設された複数の重合用横部材とを有し、
前記隣り合うスラット群のうち一方のスラット群の各スラットが各重合用横部材によりそれぞれ保持され、
前記隣り合うスラット群のうち他方のスラット群の各スラットが各重合用横部材の直下に位置するように構成された請求項1記載の日射遮蔽装置。
【請求項3】
前記重合用ラダー部材が、前記重合部で前記隣り合うスラット群の前後に配設された一対の重合用縦部材と、これらの重合用縦部材に長手方向に間隔をあけて一対ずつ架設された複数対の重合用横部材とを有し、
前記隣り合うスラット群のうち一方のスラット群の各スラットが一対の重合用横部材によりそれぞれ挟持され、
前記隣り合うスラット群のうち他方のスラット群の各スラットが一対の重合用横部材の直下に位置するように構成された請求項1記載の日射遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井、壁又は窓枠に取付フレームを介して垂下されたスラット群が昇降可能に構成された日射遮蔽装置に関するものである。更に詳しくは、スラット群ユニットの隣り合うスラット群が重合した状態でその重合長さが変化して、光漏れが生じる隙間量の総和を変化させることにより、上記隣り合うスラット群間の隙間や外側面からの光漏れを防止する日射遮蔽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、天井、壁又は窓枠に取付けられた1組の取付フレームと、1組の取付フレームからそれぞれ垂下され昇降可能な少なくとも2組の遮蔽体を有する遮蔽体ユニットとを備える日射遮蔽装置を特許出願した(例えば、特許文献1(請求項1、請求項12、段落[0035]、
図6~
図8)参照)。この日射遮蔽装置では、遮蔽体ユニットのうち隣り合う遮蔽体の長手方向の一部が重合するように構成され、上記隣り合う遮蔽体が重合した状態でその重合長さが変化することにより遮蔽体ユニットが長手方向に伸縮するように構成される。また、遮蔽体ユニットの少なくとも2組の遮蔽体が水平方向に延びかつ鉛直方向に所定の間隔をあけて設けられた複数のスラットでそれぞれ構成されるスラット群ユニットの少なくとも2組のスラット群であり、少なくとも2組のスラット群のうち隣り合うスラット群の各スラットの長手方向の一部が交互に重合するように構成される。更に、少なくとも2組のスラット群の重合部で各スラットを保持する重合用ラダーコードは、一対の重合用縦紐と、これら一対の重合用縦紐に両端が固着され複数のスラットを重合部で保持する重合用横紐とからなる。この重合用横紐は、少なくとも2組のスラット群の各スラットを重合部で受けて保持するか或いは各スラットをそれぞれ挟み込んで保持するように構成される。
【0003】
このように構成された日射遮蔽装置では、光漏れが生じる隙間量の総和を変化させることにより、スラット群ユニットの隣り合うスラット群間の隙間やスラット群ユニットの外側面からの光漏れを防止できる。また、スラット群ユニットが伸長又は縮小しても、スラット群ユニットの隣り合うスラット群が長手方向に離間せず重合した状態に保たれるので、隣り合うスラット群間から光が漏れるのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の特許文献1に示された日射遮蔽装置では、重合用横紐が2組のスラット群の各スラットを重合部で受けて保持する場合(
図6参照。)、結露時に重合部でスラット同士が密着して、隣り合うスラット群に伸縮しない箇所が発生する問題点があった。また、上記従来の特許文献1に示された日射遮蔽装置では、重合用横紐が2組のスラット群の各スラットをそれぞれ挟み込んで保持する場合(
図7及び
図8参照。)、スラットと重合用ラダーコード間に作用する摺動抵抗が大きくなって、隣り合うスラット群がスムーズに伸縮しない場合があった。
【0006】
本発明の第1の目的は、スラット群ユニットの長手方向への伸縮時における、重合用ラダー部材とスラットとの間の摺動抵抗の抑制と、結露時の重合部でのスラット同士の密着の抑制とを両立させることができる、日射遮蔽装置を提供することにある。本発明の第2の目的は、上記摺動抵抗の抑制と密着の抑制の両立により、隣り合うスラット群の伸縮動作への追従性を向上でき、これにより上記伸縮中及び伸縮後における隣り合うスラット群の長手方向の両端部が鉛直方向に揃った状態を維持でき、スラット群の規則性が乱されるのを防止できる、日射遮蔽装置を提供することにある。本発明の第3の目的は、隣り合うスラット群を上昇させて畳上げるときに、重合用ラダー部材が暴れても、重合用ラダー部材にスラットの荷重が掛かっているため、重合用ラダー部材が規則的に弛んで、重合用ラダー部材の弛み状態が不揃いになるのを防止できる、日射遮蔽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、
図1~
図4に示すように、天井、壁又は窓枠16に取付けられた取付フレーム11と、この取付フレーム11からそれぞれ垂下され昇降可能な少なくとも2
つの隣り合うスラット群13,14を有するスラット群ユニット12とを備えた日射遮蔽装置であって、上記隣り合うスラット群13,14の長手方向の一部が重合するように構成され、上記隣り合うスラット群13,14が重合した状態でその重合長さが変化することによりスラット群ユニット12が長手方向に伸縮するように構成され、スラット群ユニット12の長手方向への伸縮時に重合部33で上記隣り合うスラット群13,14に作用する摺動抵抗を抑制するように重合用ラダー部材31が重合部33に設けられ
、重合用ラダー部材の内重合用横部材が、重なり合うスラットの間に介装されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に
図1~
図3に示すように、重合用ラダー部材31が、重合部33で上記隣り合うスラット群13,14の前後に配設された一対の重合用縦部材31a,31aと、これらの重合用縦部材31a,31aに長手方向に間隔をあけて架設された複数の重合用横部材31bとを有し、上記隣り合うスラット群13,14のうち一方のスラット群13の各スラット13aが各重合用横部材31bによりそれぞれ保持され、上記隣り合うスラット群13,14のうち他方のスラット群14の各スラット14aが各重合用横部材31bの直下に位置するように構成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に
図9~
図11に示すように、重合用ラダー部材113が、重合部33で上記隣り合うスラット群13,14の前後に配設された一対の重合用縦部材113a,113aと、これらの重合用縦部材113a,113aに長手方向に間隔をあけて一対ずつ架設された一対の重合用横部材113b,113bとを有し、上記隣り合うスラット群13,14のうち一方のスラット群13の各スラット13aが一対の重合用横部材113b,113bによりそれぞれ挟持され、上記隣り合うスラット群13,14のうち他方のスラット群14の各スラット14aが一対の重合用横部材113b,113bの直下に位置するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の観点の日射遮蔽装置では、スラット群ユニットの長手方向への伸縮時に重合部で上記隣り合うスラット群に作用する摺動抵抗を抑制するように重合用ラダー部材を重合部に設け、重合用ラダー部材の内重合用横部材が、重なり合うスラットの間に介装されているので、スラット群ユニットの長手方向への伸縮時における、重合用ラダー部材とスラットとの間の摺動抵抗の抑制と、結露時の重合部でのスラット同士の密着の抑制とを両立させることができる。即ち、スラット群ユニットが長手方向に伸縮するときに、隣り合うスラット群と上記重合用ラダー部材との間で発生する摺動抵抗が、スラット群と上記重合用ラダー部材との配置により抑制される。具体的には、重合用ラダー部材には、一方のスラット群の各スラットの荷重が掛かるけれども、他方のスラット群の各スラットの荷重は掛からないので、一方のスラット群及び他方のスラット群がそれぞれスムーズに移動し、一方のスラット群及び他方のスラット群の伸縮動作への追従性を向上できる。この結果、上記伸縮中及び伸縮後における隣り合うスラット群の長手方向の両端部が鉛直方向に揃った状態を維持でき、スラット群の規則性が乱されるのを防止できる。また、上記隣り合うスラット群が重合した状態でその重合長さが変化することによりスラット群ユニットが長手方向に伸縮するので、光漏れが生じる隙間量の総和を変化させることにより、スラット群ユニットの隣り合うスラット群間の隙間やスラット群ユニットの外側面からの光漏れを防止できる。また、スラット群ユニットが伸長又は縮小しても、スラット群ユニットの隣り合うスラット群が長手方向に離間せず重合した状態に保たれるので、隣り合うスラット群間から光が漏れるのを防止できる。更に、隣り合うスラット群を同時に上昇させて畳上げるときに、重合用ラダー部材が暴れても、重合用ラダー部材に一方のスラット群の各スラットの荷重が掛かっているため、重合用ラダー部材の暴れ方が抑制される。この結果、重合用ラダー部材が規則的に弛んで、重合用ラダー部材の弛み状態が不揃いになるのを防止できる。
【0011】
本発明の第2の観点の日射遮蔽装置では、上記隣り合うスラット群のうち一方のスラット群の各スラットを各重合用横部材により保持し、上記隣り合うスラット群のうち他方のスラット群の各スラットが各重合用横部材の直下に位置するので、スラット群ユニットの長手方向への伸縮時における、重合用横部材とスラットとの間の摺動抵抗の抑制と、結露時の重合部でのスラット同士の密着の抑制とを両立させることができる。即ち、スラット群ユニットが長手方向に伸縮するときに、隣り合うスラット群と上記重合用横部材との間で発生する摺動抵抗が、スラット群と上記重合用横部材との配置により抑制される。具体的には、重合用横部材には、一方のスラット群の各スラットの荷重が掛かるけれども、他方のスラット群の各スラットの荷重は掛からないので、一方のスラット群及び他方のスラット群がそれぞれスムーズに移動し、一方のスラット群及び他方のスラット群の伸縮動作への追従性を向上できる。この結果、上記伸縮中及び伸縮後における隣り合うスラット群の長手方向の両端部が鉛直方向に揃った状態を維持でき、スラット群の規則性が乱されるのを防止できる。また、隣り合うスラット群を上昇させて畳上げるときに、一対の重合用縦部材が暴れても、重合用横部材に一方のスラット群の各スラットの荷重が掛かっているため、一対の重合用縦部材の暴れ方が抑制される。この結果、一対の重合用縦部材が規則的に弛んで、一対の重合用縦部材の弛み状態が不揃いになるのを防止できる。
【0012】
本発明の第3の観点の日射遮蔽装置では、上記隣り合うスラット群のうち一方のスラット群の各スラットを一対の重合用横部材によりそれぞれ挟持し、上記隣り合うスラット群のうち他方のスラット群の各スラットが一対の重合用横部材の直下に位置するので、スラット群ユニットの長手方向への伸縮時における、一対の重合用横部材とスラットとの間の摺動抵抗の抑制と、結露時の重合部でのスラット同士の密着の抑制とを両立させることができる。即ち、スラット群ユニットが長手方向に伸縮するときに、隣り合うスラット群と上記一対の重合用横部材との間で発生する摺動抵抗が、スラット群と上記一対の重合用横部材との配置により抑制される。具体的には、一対の重合用横部材のうち下側の重合用横部材には、一方のスラット群の各スラットの荷重が掛かるけれども、他方のスラット群の各スラットの荷重は掛からないので、一方のスラット群及び他方のスラット群がそれぞれスムーズに移動し、一方のスラット群及び他方のスラット群の伸縮動作への追従性を向上できる。この結果、上記伸縮中及び伸縮後における隣り合うスラット群の長手方向の両端部が鉛直方向に揃った状態を維持でき、スラット群の規則性が乱されるのを防止できる。また、隣り合うスラット群を上昇させて畳上げるときに、一対の重合用縦部材が暴れても、一対の重合用横部材が一方のスラット群の各スラットを挟持することにより、一対の重合用横部材のうち下側の重合用横部材に一方のスラット群の各スラットの荷重が掛かっているため、一対の重合用縦部材の暴れ方が抑制される。この結果、一対の重合用縦部材が規則的に弛んで、一対の重合用縦部材の弛み状態が不揃いになるのを防止できる。
以下、本明細書において、「組」とは「組み合わせて一揃いとなる物」という意味ではなく、「1組」とは単に「1つ」という意味であり、また「2組」とは単に「2つ」という意味である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明第1実施形態の横型ブラインドの2組のスラット群が長手方向に相対的に移動する前の状態(a)と後の状態(b)を示す
図2のA-A線断面図である。
【
図3】それらのスラット群のスラット同士が重合した部分を重合用ラダーコードとともに示す要部斜視図である。
【
図4】その横型ブラインドの2組のスラット群が取付フレームの1組のフレーム部に対して長手方向に相対的に移動する前の状態(a)と後の状態(b)を示す正面図である。
【
図5】2組のスラット群のうちの右側のスラット群をその長手方向に移動可能に保持する右側の伸縮機構により右側のスラット群が長手方向に移動する前の状態(a)と後の状態(b)を示す縦断面図である。
【
図6】2組のスラット群のうちの左側のスラット群をその長手方向に移動可能に保持する左側の伸縮機構により左側のスラット群が長手方向に移動する前の状態(a)と後の状態(b)を示す縦断面図である。
【
図9】本発明第2実施形態の横型ブラインドの2組のスラット群が長手方向に相対的に移動する前の状態(a)と後の状態(b)を示す
図10のE-E線断面図である。
【
図11】それらのスラット群のスラット同士が重合した部分を重合用ラダーコードとともに示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
<第1の実施の形態>
図4に示すように、日射遮蔽装置10は、この実施の形態では、横型ブラインドである。この横型ブラインド10は、窓枠16に取付けられた取付フレーム11と、この取付フレーム11からそれぞれ垂下され2組のスラット群13,14を有するスラット群ユニット12とを備える。取付フレーム11は、この実施の形態では、1組のフレーム部11aを有し、2組のスラット群13,14は、1組のフレーム部11aからそれぞれ垂下される。1組のフレーム部11aは、窓枠16の上枠部16a下面に水平方向に延びた状態で取付けられる。また、1組のフレーム部11aは、上面が開口したチャンネル状に形成される(
図7及び
図8)。更に、この実施の形態の横型ブラインド10は、プーリ回転による手操作でスラット群ユニット12が長手方向に伸縮するようになっている。
【0016】
1組のフレーム部11a内には、このフレーム部11aの長手方向に延びる四角柱状の1本の昇降チルト駆動軸17が設けられるとともに、4個の非重合用ドラムホルダ18がフレーム部11aの長手方向に間隔をあけかつフレーム部11aの長手方向に移動可能にそれぞれ設けられる(
図4)。4個の非重合用ドラムホルダ18には、4本の非重合用昇降コード21,22をそれぞれ繰出し可能に巻取る4個の非重合用巻取ドラム19と、4組の非重合用ラダーコード23,24の前後をそれぞれ上下動させる4個の非重合用傾動ドラム(図示せず)とが取付けられる。そして、これらの非重合用巻取ドラム19及び非重合用傾動ドラムに上記昇降チルト駆動軸17が挿通され、非重合用巻取ドラム19及び非重合用傾動ドラムは昇降チルト駆動軸17を中心に回動可能であってフレーム部11aの長手方向に移動可能に構成される。また、上記非重合用巻取ドラム19は常に昇降チルト駆動軸17とともに回転可能に構成され、非重合用傾動ドラムは所定の角度だけ昇降チルト駆動軸17ととともに回転可能に構成される。具体的には、非重合用傾動ドラムに形成されたプーリ溝(図示せず)に円弧板状のラダーリング(図示せず)の内周部が嵌合される。そして、昇降チルト駆動軸17が前方向又は後方向に90度未満の角度だけ回転すると、非重合用傾動ドラムが昇降チルト駆動軸17とともに回転し、ラダーリングの内周部と非重合用傾動ドラムのプーリ溝の摩擦によりラダーリングも非重合用傾動ドラムと一体的に回転するように構成される。一方、昇降チルト駆動軸17が前方向又は後方向に90度以上回転すると、ラダーリングが傾動ストッパ(図示せず)に当たって非重合用傾動ドラムの回転が停止して、2組のスラット群13,14の各スラット13a,14aが90度以上傾斜しなくなるけれども、非重合用巻取ドラム19は回転し続けるように構成される。なお、非重合用巻取ドラム19は、非重合用ドラムホルダ18の一部であるドラムカバー18aにより覆われる(
図5及び
図6)。
【0017】
一方、2組のスラット群13,14は、1組のフレーム部11aからそれぞれ垂下され、昇降可能に構成される(
図4)。具体的には、2組のスラット群13,14は水平方向に延びかつ鉛直方向に所定の間隔をあけて設けられた複数のスラット13a,14aによりそれぞれ構成され、隣り合うスラット群13,14の長手方向の一部が重合するように構成される。また、2組のスラット群13,14の下端には2組のボトムレール27,28がそれぞれ設けられる。具体的には、2組のボトムレール27,28は2組のスラット群13,14の複数のスラット13a,14aのうち最下段のスラット13a,14aの直下に位置するように水平方向に延びて設けられる。上記2組のボトムレール27,28によりボトムユニット26が構成される。
【0018】
2組のスラット群13,14のうち右側のスラット群13は、上記4組の非重合用ラダーコード23,24のうち右側の2組の非重合用ラダーコード23と、1組の重合用ラダーコード31とにより吊下げられる(
図1~
図4及び
図7)。また、2組のスラット群13,14のうち左側のスラット群14は、上記4組の非重合用ラダーコード23,24のうち左側の2組の非重合用ラダーコード24により吊下げられる(
図1~
図4及び
図8)。ここで、隣り合う2組のスラット群13,14の各スラット13a,14aの一部が交互に重合する部分を重合部33とするとき、右側の非重合用ラダーコード23は右側のスラット群13を重合部33でない部分で吊下げ、左側の非重合用ラダーコード24は左側のスラット群14を重合部33でない部分で吊下げ、重合用ラダーコード31は右側のスラット群13を重合部33で吊下げるように構成される。
【0019】
右側の非重合用ラダーコード23は、右側のスラット群13の複数のスラット13aの前縁及び後縁に沿って鉛直方向に延びる一対の非重合用縦紐23a,23aと、これらの非重合用縦紐23a,23aに両端が固着され各スラット13aをその上面及び下面から挟んで所定の位置に保持する一対の非重合用横紐23b,23bとからなる(
図1、
図3、
図4及び
図7)。左側の非重合用ラダーコード24は、左側のスラット群14の複数のスラット14aの前縁及び後縁に沿って鉛直方向に延びる一対の非重合用縦紐24a,24aと、これらの非重合用縦紐24a,24aに両端が固着され各スラット14aをその上面及び下面から挟んで所定の位置に保持する一対の非重合用横紐24b,24bとからなる(
図1、
図3、
図4及び
図8)。また、右側の一対の非重合用縦紐23a,23aの下端は右側のボトムレール27にそれぞれ取付けられ、上端は4個の非重合用傾動ドラムのうち右側の2個の非重合用傾動ドラムの前後にそれぞれ取付けられる(
図4)。更に、左側の一対の非重合用縦紐24a,24aの下端は左側のボトムレール28にそれぞれ取付けられ、上端は4個の非重合用傾動ドラムのうち左側の2個の非重合用傾動ドラムの前後にそれぞれ取付けられる。
【0020】
一方、隣り合う2組のスラット群13,14が重合した状態でその重合長さが変化することにより、スラット群ユニット12が長手方向に伸縮するように構成される(
図1及び
図4)。ここで、
図1では、2組のスラット群13,14が水平状態で伸長するように記載されているが、実際には、
図4に示すように、2組のスラット群13,14が起立状態で伸長するようになっている。また、スラット群ユニット12の伸縮時に、重合部33での隣り合う2組のスラット群13,14と重合用横紐31bとの間に作用する摺動抵抗を抑制するように重合用ラダーコード31が重合部33に設けられる(
図1~
図3)。この重合用ラダーコード31は、この実施の形態では、重合部33で隣り合う2組のスラット群13,14のうち右側のスラット群13を保持する上記1組の重合用ラダーコード31である。1組の重合用ラダーコード31は、この実施の形態では、重合部33の右寄りに位置し、各スラット群13,14の複数のスラット13a,14aの前後に配設された一対の重合用縦紐31a,31aと、これら一対の重合用縦紐31a,31aに長手方向に間隔をあけて架設された複数の重合用横紐31bとからなる。一対の重合用縦紐31a,31aは各スラット群13,14の複数のスラット13a,14aの前縁及び後縁に沿って鉛直方向に延びてそれぞれ設けられる。また、複数の重合用横紐31bは2組のスラット群13,14のうち右側のスラット群13の複数のスラット13aをそれぞれ保持するように構成される。即ち、隣り合う2組のスラット群13,14のうち接触又は近接するスラット13a,14a間に重合用横紐31bがそれぞれ介装されることにより、重合部33で上記スラット13a,14aと重合用横紐31bとの間に作用する摺動抵抗が抑制されるように構成される。ここで、2組のスラット群13,14のうち左側のスラット群14の複数のスラット14aは重合用横紐31bの直下に位置するように構成される。これにより1組の重合用ラダーコード31には、上記スラット13a,14a間の摺動抵抗を抑制する機能と、2組のスラット群13,14の重合状態を保つ機能とを有する。
【0021】
そして、1組の重合用ラダーコード31の一対の重合用縦紐31a,31aの下端は右側のボトムレール27に取付けられ、上端は昇降チルト駆動軸17に嵌入された右側の重合用傾動ドラム(図示せず)に取付けられる(
図4)。この重合用傾動ドラムは、フレーム部11a内に設けられた重合用ドラムホルダ(図示せず)に回動可能であってフレーム部11aの長手方向に移動不能に取付けられる。但し、重合用傾動ドラムは、後述の伸縮用操作部材43を操作することにより、フレーム部11a内をその長手方向に移動可能に構成される。そして、昇降チルト駆動軸17が前方向又は後方向に90度未満の角度だけ回転すると、重合用傾動ドラムが昇降チルト駆動軸17とともに回転して、重合用ラダーコード31も重合用傾動ドラムと一体的に回転するように構成される。一方、昇降チルト駆動軸17が前方向又は後方向に90度以上回転すると、重合用傾動ドラムの回転が停止して、2組のスラット群13,14の各スラットが90度以上傾斜しなくなるように構成される。なお、2組のボトムレール27,28の互いに対向する端部は、スラット群ユニット12の長手方向への伸縮に拘らず、2組のボトムレール27,28が互いに接触しないように2組のスラット群13,14の各スラット13a,14aより短く形成される。
【0022】
一方、上記4本の非重合用昇降コード21,22のうち右側の2本の非重合用昇降コード21により右側のスラット群13を受け持ち、左側の2本の非重合用昇降コード22により左側のスラット群14を受け持つように構成される(
図4)。これらの非重合用昇降コード21,22は、2組のスラット群13,14の重合部33でない部分にそれぞれ設けられる。また、右側のボトムレール27には右側の2本の非重合用昇降コード21の一端がそれぞれ取付けられ、これらの非重合用昇降コード21の他端は右側のスラット群13の各スラット13aに遊挿された後に右側の2個の非重合用巻取ドラム19にそれぞれ取付けられる。更に、左側のボトムレール28には左側の2本の非重合用昇降コード22の一端がそれぞれ取付けられ、これらの非重合用昇降コード22の他端は左側のスラット群14の各スラット14aに遊挿された後に左側の2個の非重合用巻取ドラム19に取付けられる。なお、
図4中の符号34は、取付フレーム11の1組のフレーム部11aの前面右部に取付けられた昇降チルト用操作部材である。この昇降チルト操作部材34は、2組のスラット群13,14の複数のスラット13a,14aの昇降又はチルトを同時に行うために、図示しないプーリ及び歯車を介して昇降チルト駆動軸17に接続される。そして、昇降チルト用操作部材34を操作することにより、1本の昇降チルト駆動軸17が回動して、非重合用昇降コード21,22が非重合用巻取ドラム19に巻取られ又は非重合用巻取ドラム19から繰出されることにより、2組のスラット群13,14を同時に昇降できるとともに、非重合用ラダーコード23,24及び重合用ラダーコード31の前後が上下動して、2組のスラット群13,14の複数のスラット13a,14aが前側又は後側に傾斜することにより、これらのスラット13a,14aのチルト角を同時に変更できるようになっている。
【0023】
一方、取付フレーム11の1組のフレーム部11aには、隣り合う2組のスラット群13,14が重合した状態でその重合長さを変化させるための伸縮機構35,36が設けられる(
図4)。これらの伸縮機構35,36は、
図5~
図8に詳しく示すように、1組のフレーム部11a内にその長手方向に延びて設けられた伸縮駆動軸37と、この伸縮駆動軸37のうち4個の非重合用ドラムホルダ18に対向する位置にそれぞれ嵌着された4個の雄ねじ部材38,39と、伸縮駆動軸37のうち2個の重合用ドラムホルダに対向する位置にそれぞれ嵌着された2個の雄ねじ部材(図示せず)と、4個の非重合用ドラムホルダ18に設けられ上記4個の雄ねじ部材38,39に螺合可能な4個の雌ねじ部41,42と、2個の重合用ドラムホルダに設けられ上記2個の雄ねじ部材に螺合する2個の雌ねじ部(図示せず)と、伸縮駆動軸37に図示しない歯車及びプーリを介して接続された伸縮用操作部材43とを有する。この伸縮用操作部材43を操作することにより、プーリが回転して伸縮用駆動軸37が回転するようになっている。上記6個の雄ねじ部材38,39のうち右側の3個の雄ねじ部材38は右ねじであり、左側の3個の雄ねじ部材39は左ねじである。また、上記6個の雌ねじ部41,42のうち右側の3個の雌ねじ部41は右ねじであり、左側の3個の雌ねじ部42は左ねじである。上記伸縮用操作部材43を操作することにより、伸縮駆動軸37及び雄ねじ部材38,39が回動し、雌ねじ部41,42が伸縮駆動軸37の軸方向に移動して、隣り合う2組のスラット群13,14が重合した状態でその重合長さが変化するように構成される。
【0024】
なお、
図5~
図8中の符号44は、フレーム部11aと非重合用ドラムホルダ18との間に介装されかつフレーム部11aの内面に固定された非重合用スペーサである。また、
図5~
図8中の符号46は、非重合用スペーサ44と非重合用ドラムホルダ18との間に設けられた複数の非重合用ボールであり、これらの非重合用ボール46により非重合用ドラムホルダ18がフレーム部11aの長手方向にスムーズに移動できるようになっている。更に、フレーム部11aと重合用ドラムホルダ18との間にも上記非重合用スペーサ44及び非重合用ボール46と同様の機能を有する重合用スペーサ(図示せず)及び重合用ボール(図示せず)が設けられる。
【0025】
このように構成された横型ブラインド10の使用方法及び動作を説明する。長方形状の窓枠16内の窓から差し込む光を遮蔽する場合、先ず、横型ブラインド10の昇降チルト用操作部材34を操作して、2組のスラット群13,14の各スラット13a,14aを同時に起立させ、2組のボトムレール27,28の下面を窓枠16の下枠部(図示せず)上面まで下降させる。このとき、各スラット13a,14aは起立した状態であり、この起立した状態(
図1(a)では各スラット13a,14aが水平状態であるが、これらのスラット13a,14aを起立させた状態、及び
図4(a))で、伸縮用操作部材43を操作すると、プーリが回転して伸縮駆動軸37が
図5(b)の実線矢印の方向に回転し、この伸縮駆動軸37の嵌着された右側の3個の雄ねじ部材38が伸縮駆動軸37と同一方向(
図5(b)の実線矢印の方向)に回転して、右側の3個の雌ねじ部41が
図5(b)の破線矢印の方向、即ち右方向に移動する。同時に、伸縮駆動軸37の嵌着された左側の3個の雄ねじ部材39が伸縮駆動軸37と同一方向(
図6(b)の実線矢印の方向)に回転して、左側の3個の雌ねじ部42が
図6(b)の破線矢印の方向、即ち左方向に移動する。これにより、右側の2個の非重合用ドラムホルダ18に取付けられた非重合用巻取ドラム19及び非重合用傾動ドラムと、右側の1個の重合用ドラムホルダに取付けられた重合用傾動ドラムとが右方向に移動するので、右側のスラット群13及び右側のボトムレール27が右方向に移動して窓枠16の右枠部(図示せず)内面に接近し、同時に左側の2個の非重合用ドラムホルダ18に取付けられた非重合用巻取ドラム19及び非重合用傾動ドラムが左方向に移動するので、左側のスラット群14及び左側のボトムレール28が左方向に移動して窓枠16の左枠部(図示せず)内面に接近する。この結果、隣り合う2組のスラット群13,14の重合長さが小さくなって、スラット群ユニット12が長手方向に伸長する(
図1(b)では各スラット13a,14aが水平状態であるが、これらのスラット13a,14aを起立させた状態、及び
図4(b))。
【0026】
このとき、重合部33で隣り合う2組のスラット群13,14のうち右側のスラット群13の各スラット13aが1組の重合用ラダーコード31により保持されるので、即ち重合部33で隣り合う2組のスラット群13,14のうち接触又は近接するスラット13a,14a間に重合用横紐31bがそれぞれ介装されたので、スラット群ユニット12の長手方向への伸縮時における、重合用横紐31bとスラット13a,14aとの間の摺動抵抗の抑制と、結露時の重合部33でのスラット13a,14a同士の密着の抑制とを両立させることができる。即ち、スラット群ユニット12が長手方向に伸縮するときに、隣り合う2組のスラット群13,14と上記重合用横紐31bとの間で発生する摺動抵抗が、スラット群13,14と上記重合用横紐31bとの配置により抑制される。具体的には、重合用横紐31bには、右側のスラット群13の各スラット13aの荷重が掛かるけれども、左側のスラット群14の各スラット14aの荷重は掛からないので、右側のスラット群13及び左側のスラット群14がそれぞれスムーズに移動し、右側のスラット群13及び左側のスラット群14の伸縮動作への追従性を向上できる。この結果、上記伸縮中及び伸縮後における2組のスラット群13,14の長手方向の両端部が鉛直方向に揃った状態を維持でき、スラット群13,14の規則性が乱されるのを防止できる。また、2組のスラット群13,14を同時に上昇させて畳上げるときに、一対の重合用縦紐31a,31aが暴れても、重合用横紐31bに右側のスラット群13の各スラット13aの荷重が掛かっているため、一対の重合用縦紐31a,31aの暴れ方が抑制される。従って、一対の重合用縦紐31a,31aが規則的に弛んで、一対の重合用縦紐31a,31aの弛み状態が不揃いになるのを防止できる。
【0027】
更に、2組のスラット群13,14の各スラット13a,14aが起立状態であり、スラット群ユニット12が長手方向に伸長しているので、光漏れが生じる隙間量の総和が変化して、スラット群ユニット12により長方形状の窓枠16内のほぼ全てが覆われる。従って、スラット群ユニット12の隣り合うスラット群13,14間の隙間やスラット群ユニット12の外側面からの光漏れを防止できる。
【0028】
<第2の実施の形態>
図9~
図11は本発明の第2の実施の形態を示す。
図9~
図11において
図1~
図3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、1組の重合用ラダーコード113が、重合部33で隣り合う2組のスラット群13,14の前後に配設された一対の重合用縦紐113a,113aと、これらの重合用縦紐113a,113aに長手方向に間隔をあけて一対ずつ架設された一対の重合用横紐113b,113bとを有する。一対の重合用縦紐113a,113aは、隣り合う2組のスラット群13,14の各スラット13a,14aの前縁及び後縁に沿って鉛直方向に延びて配設される。また、一対の重合用横紐113b,113bの一端は一対の重合用縦紐113a,113aのうち室内側の重合用縦紐113aに固着され、一対の重合用横紐113b,113bの他端は一対の重合用縦紐113a,113aのうち窓側の重合用縦紐113aに固着される。そして、一対の重合用横紐113b,113bは、この実施の形態では、隣り合う2組のスラット群13,14のうち右側のスラット群13の各スラット13aをその上面及び下面から挟んで保持するように構成される。更に、左側のスラット群14の各スラット14aは、右側のスラット群13の各スラット13aを挟持する一対の重合用横紐113b,113bのうち下側の重合用横紐113bの直下に位置するように構成される。なお、
図9では、2組のスラット群13,14が水平状態で伸長するように記載されているが、実際には、2組のスラット群13,14が起立状態で伸長するようになっている。
上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0029】
このように構成された横型ブラインド100の使用方法及び動作を説明する。長方形状の窓枠16内の窓から差し込む光を遮蔽する場合、第1の実施の形態と同様に、先ず、横型ブラインドの昇降チルト用操作部材を操作して、2組のスラット群13,14の各スラット13a,14aを同時に起立させ、2組のボトムレールの下面を窓枠16の下枠部上面まで下降させる。このとき、各スラット13a,14aは起立した状態(
図9(a)では各スラット13a,14aが水平状態であるが、これらのスラット13a,14aを起立させた状態)で、伸縮用操作部材を操作すると、右側の2個の非重合用ドラムホルダに取付けられた非重合用巻取ドラム及び非重合用傾動ドラムと、右側の1個の重合用ドラムホルダに取付けられた重合用傾動ドラムとが右方向に移動するので、右側のスラット群13及び右側のボトムレールが右方向に移動して窓枠の右枠部内面に接近し、同時に左側の2個の非重合用ドラムホルダに取付けられた非重合用巻取ドラム及び非重合用傾動ドラムが左方向に移動するので、左側のスラット群14及び左側のボトムレールが左方向に移動して窓枠の左枠部内面に接近する。この結果、隣り合う2組のスラット群13,14の重合長さが小さくなって、スラット群ユニット12が長手方向に伸長する(
図9(b)では各スラット13a,14aが水平状態であるが、これらのスラット13a,14aを起立させた状態)。
【0030】
このとき、右側のスラット群13の各スラット13aが重合用ラダーコード113の一対の重合用横紐113b,113bにより挟持され、左側のスラット群14の各スラット14aが、右側のスラット群13の各スラット13aを挟持する一対の重合用横紐113b,113bのうち下側の重合用横紐113bの直下に位置するので、スラット群ユニット12の長手方向への伸縮時における、一対の重合用横紐113b,113bとスラット13a,14aとの間の摺動抵抗の抑制と、結露時の重合部33でのスラット13a,14a同士の密着の抑制とを両立させることができる。即ち、スラット群ユニット12が長手方向に伸縮するときに、隣り合う2組のスラット群13,14と上記一対の重合用横紐113b,113bとの間で発生する摺動抵抗が、スラット群13,14と上記一対の重合用横紐113b,113bとの配置により抑制される。具体的には、一対の重合用横紐113b,113bのうち下側の重合用横紐113bには、右側のスラット群13の各スラット13aの荷重が掛かるけれども、左側のスラット群14の各スラット14aの荷重は掛からないので、右側のスラット群13及び左側のスラット群14がそれぞれスムーズに移動し、右側のスラット群13及び左側のスラット群14の伸縮動作への追従性を向上できる。この結果、上記伸縮中及び伸縮後における隣り合う2組のスラット群13,14の長手方向の両端部が鉛直方向に揃った状態を維持でき、隣り合う2組のスラット群13,14の規則性が乱されるのを防止できる。また、隣り合う2組のスラット群13,14を同時に上昇させて畳上げるときに、一対の重合用縦紐113a,113aが暴れても、一対の重合用横紐113b,113bが右側のスラット群13の各スラット13aを挟持することにより、一対の重合用横紐113b,113bのうち下側の重合用横紐113bに右側のスラット群13の各スラット13aの荷重が掛かっているため、一対の重合用縦紐113a,113aの暴れ方が抑制される。この結果、一対の重合用縦紐113a,113aが規則的に弛んで、一対の重合用縦紐113a,113aの弛み状態が不揃いになるのを防止できる。
【0031】
更に、2組のスラット群13,14の各スラット13a,14aが起立状態であり、スラット群ユニット12が長手方向に伸長しているので、第1の実施の形態と同様に、光漏れが生じる隙間量の総和が変化して、スラット群ユニット12により長方形状の窓枠16内のほぼ全てが覆われる。従って、スラット群ユニット12の隣り合うスラット群13,14間の隙間やスラット群ユニット12の外側面からの光漏れを防止できる。
【0032】
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、取付フレームの1組のフレーム部を窓枠の上枠部に取付けたが、1組のフレーム部を天井又は壁に取付けてもよく、或いは取付フレームの2組のフレーム部を窓枠の上枠部、天井又は壁に取付けてもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、スラット群ユニットが2組のスラット群を有するように構成したが、スラット群ユニットが3組以上のスラット群を有するように構成してもよく、或いは取付フレームが2組以上のフレーム部を有し、スラット群ユニットが2組以上のスラット群を有するように構成してもよい。
【0033】
また、上記第1及び第2の実施の形態では、右側のスラット群の複数のスラットを2組の非重合用ラダーコード及び1組の重合用ラダーコードにより吊下げたが、3組以上の非重合用ラダーコード及び少なくとも1組の重合用ラダーコードにより吊下げてもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、非重合用ラダー部材として、非重合用縦紐及び非重合用横紐を有する非重合用ラダーコードを挙げたが、非重合用ラダー部材として、非重合用縦テープ及び非重合用横テープを有する非重合用ラダーテープを用いてもよい。更に、上記第1及び第2の実施の形態では、重合用ラダー部材として、重合用縦紐及び重合用横紐を有する重合用ラダーコードを挙げたが、重合用ラダー部材として、重合用縦テープ及び重合用横テープを有する重合用ラダーテープを用いてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10,100 横型ブラインド(日射遮蔽装置)
11,101 取付フレーム
12 スラット群ユニット
13,14 スラット群
13a,14a スラット
16 窓枠
31,113 重合用ラダーコード(重合用ラダー部材)
31a,113a 重合用縦紐(重合用縦部材)
31b,113b 重合用横紐(重合用横部材)
33 重合部