(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
A63F9/30 501E
(21)【出願番号】P 2018136833
(22)【出願日】2018-07-20
(62)【分割の表示】P 2017017977の分割
【原出願日】2017-02-02
【審査請求日】2020-01-24
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(72)【発明者】
【氏名】土手 真悟
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】松田 直也
【審判官】吉村 尚
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-88679(JP,A)
【文献】実開平7-37281(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品を落下させる開口を規定する
枠状の規定部と、
プレイヤからの入力を受ける操作部と、
前記景品を支持し、前記操作部が前記入力を受けることにより動作可能に構成された景品支持部と、
前記景品が支持されるゲーム空間と、前記規定部を介して前記ゲーム空間と連通し、前記景品が落下する空間とを有する筐体と、
前記プレイヤからの前記入力による前記操作部からの入力情報を受けることにより、前記景品支持部の動作を制御する動作制御部と、を有し、
前記景品支持部は、複数の腕部材を含み、
前記複数の腕部材は、その一端で、前記規定部の内周面に、前記
開口の周方向に沿って、互いに所定の間隔を介して設けられ、その他端で、前記開口よりも小さい小開口を形成するように設けられ、
前記景品支持部は、前記動作制御部の制御により、前記開口の露出面積を大きくするように構成されていることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記景品支持部は、前記開口
を規定する前記規定部
の前記内周面に設けられている請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記景品支持部は、その一端で、前記規定部に取り外し可能に設けられている請求項1
または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記景品支持部の前記複数の腕部材は、長尺状に形成され、
前記複数の腕部材の外径は、前記一端から前記他端にかけて漸減している請求項1ないし
3のいずれかに記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、特に、景品を獲得するゲームを行うゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、景品を獲得するゲームを行うゲーム装置として、クレーンゲーム装置がある。クレーンゲーム装置は、景品を載置する景品台と、景品を落下させる開口と、景品を景品台から開口に移動させるクレーンアームとを備えている(例えば特許文献1)。このクレーンアームは、景品を把持等し開口に落下させる機能を有しているが、開口の位置が固定されていると、その操作は単調となる。そこで、景品台の配置を変更可能に構成し、開口の位置や形状を変更することにより、ゲーム性を高める(プレイヤを飽きさせない)ことが試みられている(例えば特許文献2)。
【0003】
特許文献2に記載のクレーンゲーム装置は、景品台と、開口と、クレーンアームとを備え、景品台の高さや傾きを変更可能に構成されている。これにより、クレーンゲーム装置の管理者が開口の位置や形状を自在に変更でき、その変更に応じて、プレイヤがクレーンアームを操作することになり、ゲーム性を向上させることができる。しかしながら、景品台の高さや傾きの調整にも限度があり、高いゲーム性を維持し難くなっている。また、このようなクレーンゲーム装置では、クレーンアームの可動域が筐体内のスペースの大部分にわたっている。このため、このようなクレーンゲーム装置では、筐体内のスペースを有効に活用することが難しい。
【0004】
また、筐体内のスペースを有効に活用するために、クレーンアームを備えていない景品取得ゲーム装置がある(例えば特許文献3)。かかる景品取得ゲーム装置は、開口上に設けられた鈎部材と、かかる鈎部材に紐で吊るされた景品と、かかる紐を切断して景品を開口に落下させる切断手段とを備えている。このような景品取得ゲーム装置では、切断手段の操作がクレーンアームの操作と同様に単調であるため、プレイヤを飽きさせないといった観点から改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-84236号公報
【文献】特開2016-182522号公報
【文献】特開2004-229751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、筐体内のスペースを有効に活用することができ、高いゲーム性を備えたゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)~(11)の本発明により達成される。
(1) 景品を落下させる開口を規定する規定部と、
入力情報を受ける操作部と、
前記景品を支持し、前記操作部が前記入力情報を受けることにより動作可能に構成された景品支持部と、
前記景品支持部の動作を制御する動作制御部と、を有し、
前記景品支持部は、前記開口を露出するように前記開口上に設けられていることを特徴とするゲーム装置。
【0008】
(2) 前記景品支持部は、平面視において、前記開口の露出面積が変化するように変位する上記(1)に記載のゲーム装置。
【0009】
(3) 前記景品支持部は、前記景品を支持可能な第1の状態と、前記景品の支持を解除可能な第2の状態とに変位可能である上記(1)または(2)に記載のゲーム装置。
【0010】
(4) 前記景品支持部は、前記第1の状態から前記第2の状態まで段階的に変位する上記(3)に記載のゲーム装置。
【0011】
(5) 前記景品支持部は、前記開口の面方向に対して傾斜して設けられている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0012】
(6) 前記景品支持部は、取り外し可能に設けられている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0013】
(7) 前記景品支持部は、長尺状をなしている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0014】
(8) 前記景品支持部は、複数の腕部材を含み、
各前記複数の腕部材は、その一端で、前記規定部に設けられている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0015】
(9) 前記腕部材の外径は、前記一端から他端にかけて漸減している上記(8)に記載のゲーム装置。
【0016】
(10) 前記規定部は、円形状、楕円形状、多角形状、矩形状または湾曲形状の前記開口を規定する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0017】
(11) 前記規定部は、前記開口を円形に規定し、
前記複数の腕部材は、前記開口の周方向に沿って設けられている上記(8)ないし(10)のいずれかに記載のゲーム装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、筐体内のスペースを有効に活用でき、高いゲーム性を備えたゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部および操作指示部を示し、景品支持部が第1の状態にあることを示す斜視図(a)、および景品支持部が第2の状態にあることを示す斜視図(b)である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部の使用例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲーム全体の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部および操作指示部を示し、景品支持部が第1の状態にあることを示す斜視図(a)、および景品支持部が第2の状態にあることを示す斜視図(b)である。
【
図7】
図7は、本発明の第3実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示し、景品支持部が第1の状態にあることを示す斜視図(a)、および景品支持部が第2の状態にあることを示す斜視図(b)である。
【
図8】
図8は、本発明の第4実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第5実施形態にかかるゲーム装置を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の第6実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の第7実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の第8実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の第9実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す上面図である。
【
図14】
図14は、本発明の第10実施形態にかかるゲーム装置の操作部、規定部および景品支持部を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明のゲーム装置の規定部および景品支持部を示し、景品支持部の変位例を示す模式図である。
【
図16】
図16は、本発明のゲーム装置の規定部および景品支持部を示し、2段階で構成された景品支持部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のゲーム装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、
図1、
図3、
図4、
図15および
図16中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0021】
<第1実施形態>
1.ゲーム装置
図1は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置を示す斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。なお、
図2では、ゲーム装置の機能を説明するために必要な構成のみを示している。
図3は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部および操作指示部を示し、景品支持部が第1の状態にあることを示す斜視図(a)、および景品支持部が第2の状態にあることを示す斜視図(b)である。
図4は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部の使用例を示す斜視図である。
【0022】
図1および
図2に示すように、ゲーム装置1は、筺体2と、筐体2の下部に設けられた操作部3と、筐体2内に設けられ、景品を落下させる開口10を規定する規定部4と、規定部4の内周面に設けられた景品支持部5と、規定部4の上面に設けられた操作指示部6と、を有している。さらに、ゲーム装置1は、その筐体2内に、検知部7と、記憶部8と、制御部9と、を有している。
【0023】
(筐体)
筺体2は、円筒状をなす本体上部21と、有底の円筒状をなす本体下部22とで構成され、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有している。本体上部21は、透明な円筒状の側周壁面211と、その上部開口を塞ぐ上壁面212とで構成され、その中に景品が載置されている。すなわち、本体上部21によって画成された空間が、景品を獲得するゲームを行う空間(ゲーム空間)となっている。側周壁面211は、プレイヤがゲーム空間を視認できるように、実質的に透明(無色透明、着色透明、半透明)であればよい。また、側周壁面211には、開閉可能に構成された窓部(扉)が設けられていてもよい。これにより、ゲーム装置1の管理者が、窓部からゲーム空間にアクセスして景品の補充やメンテナンスを容易に行うことができる。また、筐体2は、硬質樹脂材料、金属材料、セラミックス材料等により形成される。
【0024】
本体上部21の内部の上部には、側周壁面211の内側から立設する2段の棚で構成された展示台213が設けられている。展示台213には、展示用の景品が並べられている。これにより、プレイヤに獲得可能な景品を広告することができる。また、このような展示台213があることにより、景品が獲得された際に、ゲーム装置1の管理者が容易に景品を補充することができる。本実施形態のゲーム装置1では、クレーンアームが設置されていないため、展示台213の配置や形状を工夫できる範囲が、従来のクレーンゲーム装置に比べて広い。例えば、展示台213を、景品が獲得された際に次の景品を自動で補充できるように構成することも可能である。このように、本実施形態のゲーム装置1では、ゲーム空間を有効に活用することができる。
【0025】
また、側周壁面211の上端には帯状のカバー部材23が設けられ、サイネージとして利用することができる。このような本体上部21の左側および右側には、それぞれ支柱24が設けられ、支柱24は、本体上部21と本体下部22とを接続している。なお、支柱24もサイネージとして利用可能である。
【0026】
本体下部22は、後述する規定部4を介してゲーム空間と連通する内部空間を有している。この内部空間は、落下した景品を一時的に載置しておくことや、後述する記憶部8や制御部9を収納することに用いられる。本体下部22の前面には、景品取出ボックス25が設けられ、さらに、景品取出ボックス25の前面には、本体下部22の内部空間と連通する略四角形状の景品取出口251が設けられている。これにより、落下した景品を景品取出口251から取り出せる。また、本体下部22または景品取出ボックス25には、図示しないが、コイン投入口や、景品取出口251からゲーム空間へアクセスすることを防止する遮蔽板等が設けられている。景品取出ボックス25の上部には、操作部3が設けられている。
【0027】
(操作部)
操作部3は、景品取出ボックス25の上部に設けられた円形状の押ボタン31で構成されている。操作部3は、プレイヤからの入力情報を受け付ける機能を有しており、プレイヤは、景品を獲得するための各種コマンドを操作部3に対して行う。具体的には、プレイヤは、後述する操作指示部6の動作を所望のタイミングで停止するために、押ボタン31を押圧する。本実施形態では、押ボタン31の数が1つである。これにより、様々な年齢層のプレイヤ(幼児や高齢者等)がゲーム装置1を容易に操作することができる。なお、押ボタン31の数は特に限定されず、2以上であってもよい。また、操作部3は、ゲーム装置1の構成(例えば、クレーンアームを備える構成等)に応じて、操作用スティックを含んでいてもよい。
【0028】
(規定部)
規定部4は、筐体2の本体上部21と本体下部22との間に、これらの内周面に沿って設けられている。規定部4は、ドーナツ状の枠体で構成され、その中心部に円形(平面視で円形)の開口10を規定している。この開口10は、本体上部21のゲーム空間と本体下部22の内部空間とを連通するよう構成されている。なお、開口10付近もゲーム空間として利用可能である。開口10の数や大きさ、形状は特に限定されない。具体的に、開口10の数は、2以上であってもよい。また、開口10は、閉じた開口であればよく、その形状は、楕円形状、多角形状、矩形状、または湾曲形状(例えばデザイン化された曲線で規定された形状)等であってもよい。なお、開口10が円形である場合、その直径は、40~120cmであることが好ましく、50~100cmであることがより好ましい。また、規定部4の形状は、所望の形状の開口10を規定することができれば、特に限定されない。規定部4は、硬質樹脂材料、金属材料、セラミックス材料等により形成することができるが、筐体2(本体下部22)と規定部4とを一体的に形成すれば、独立して規定部4を設ける必要がなく、この場合、筐体2(本体下部22)が規定部4として機能する。
【0029】
また、規定部4の内周面には連結部41が設けられ、連結部41は、後述する景品支持部5を連結する機能を有している。連結部41は、規定部4の内周面から立設し、景品支持部5の一端(基端)部を回動可能に挟持する1対の側板部411と、景品支持部5を所定の状態で係止(嵌合)する係止部(図示せず)と、を備えている(
図3参照)。このように、規定部4は、開口10を規定する機能と、景品支持部5を支持する機能とを有している。
【0030】
(景品支持部)
景品支持部5は、景品を支持する複数(本実施形態では16本)の腕部材51で構成されている。各腕部材51は、長尺状をなし、同一の長さを有している。なお、腕部材51の数は特に限定されず、奇数や偶数であってもよく、16本より多くても少なくてもよい。また、腕部材51同士の長さは、互いに異なっていてもよい。景品支持部5が、異なる長さの腕部材51を有することにより、景品を載置する方法(載置方法)の種類を増やすことができ、ゲーム性を高めることができる。景品支持部5は、硬質樹脂材料、金属材料、セラミックス材料等により形成することができる。
【0031】
図3(a)に示すように、腕部材51は、その基端で、規定部4の連結部41に設けられ、その基端から先端にかけて、開口10の面方向に沿って設けられている。換言すると、腕部材51は、その基端で、規定部4に設けられ、開口10の径方向に延在している。これにより、腕部材51は、景品を支持可能な状態(第1の状態)となっている。なお、腕部材51の基端部には、連結部41の係止部と嵌合する凹部(図示せず)が設けられており、係止部と凹部とが嵌合することにより、腕部材51は、第1の状態を維持できる。
【0032】
第1の状態から、連結部41の係止部の嵌合(係止)を解除すると、腕部材51は、その基端部を支点として下方に回動し、
図3(b)に示すように、鉛直方向に沿った状態(第2の状態)となる。
図3(b)では、3本の腕部材51が第2の状態となっている。このように、腕部材51は、第1の状態から第2の状態に変位可能に構成されている。このような変位は、腕部材51ごとになされてもよく、複数の腕部材51(例えば、隣接する3本の腕部材51)で同時になされてもよい。前者の場合、腕部材51が1つずつ変位するので、プレイヤが景品を獲得する過程を長く楽しむことができる。一方、後者の場合、複数の腕部材51が一度に変位するので、プレイヤは景品をより容易に獲得すること、すなわち、ゲームの難易度を低くすることができる。
【0033】
また、腕部材51の外径(幅および/または厚み)は、その基端から先端にかけて漸減している。これにより、腕部材51同士の間隙が大きくなり、景品が落下するイメージをプレイヤに与え易く、プレイヤがゲーム装置1でプレイする機会を増加させ得る。また、腕部材51の先端部と景品との接触面積が減少するので、景品の支持が比較的不安定になり得る。その結果、腕部材51が第1の状態から第2の状態へと変位した際、景品が動き易くなり、さらには、景品が予想外に動く可能性や、揺れるように大きく動く可能性が高まり、プレイヤを楽しませることができ、また、景品を獲得できるイメージを視覚的にプレイヤに与えることができる。また、腕部材51の先端部の上面には、滑り止め部材が設けられていてもよい。このような滑り止め部材は、例えば、各腕部材51の先端部に小さな景品を1つずつ載置する際に、景品が意図せず落下することを抑制または防止することや、景品を確実に支持することができる。
【0034】
また、各腕部材51は、互いに所定の間隔を介して(平面視で、隣り合う腕部材51同士がそれぞれ二等辺三角形の等辺をなすように)、開口10の周方向に沿って連続的に設けられている。これにより、第1の状態において、腕部材51は、その先端同士が開口10の中心に向かって対面している。また、腕部材51は、平面視において、開口10の中心に円形状の小開口を規定するとともに、腕部材51同士の間に16個の扇形状(ほぼ二等辺三角形状)の小開口を規定している。このように、景品支持部5は、開口10を複数の小開口に分割するように設けられている。すなわち、景品支持部5は、開口10全体を塞ぐことなく、特に、開口10の中心部を塞ぐことなく設けられている。このような構成の景品支持部5に景品を載置することにより、景品が落下するイメージをプレイヤに与え易くなり、プレイヤが当該ゲーム装置1でプレイする機会を増加させ得る。また、開口10の中心部に小開口が形成されていることにより、景品の支持が比較的不安定になり得る。その結果、腕部材51が第1の状態から第2の状態へと変位した際、景品が動き易くなり、さらには、景品が予想外に動く可能性や、揺れるように大きく動く可能性が高まり、プレイヤを楽しませることができ、また、景品を獲得できるイメージを視覚的にプレイヤに与えることができる。さらに、開口10の中心部に小開口が形成されていることにより、管理者が、景品を載置し易くなり、後述する
図4に示すような腕部材51のパターン形成(管理者がゲーム開始前に特定の腕部材51を予め第1の状態から第2の状態に変位させておくこと)を容易にし得る。
【0035】
本実施形態では、各腕部材51の先端側で支持されるように、1つの景品(クマのぬいぐるみ)が、開口10の中心部(小開口)を塞ぐように設けられているが(
図1)、景品の形状、大きさ、配置および載置方法は、特に限定されない。例えば、小型の景品を各腕部材51に設置してもよく、複数の中型の景品を、それぞれ、3~5本程度の腕部材51にわたって載置してもよく、開口10の直径と同程度の幅(例えば40~50cmの幅)を有する大型の景品1つのみを腕部材51に載置してもよい。また、景品を各腕部材51に紐などで吊るしてもよい。このように、ゲーム装置1の管理者は、様々な載置方法を採用することができる。このため、プレイヤを継続的に楽しませることができる。なお、これらの載置方法を組み合わせて採用することもできる。
【0036】
ここで、
図1に示すように、景品が、複数の腕部材51で支持されている場合、1つの腕部材51が第2の状態に変位したとしても、第1の状態にある残りの腕部材51で支持されているため、景品を落下させることはできない。具体的に、1つの腕部材51が第2の状態に変位した場合、景品の重心が移動することもあれば、移動しないか、または、ほとんど移動しない場合もある。このため、プレイヤは、複数の腕部材51を変位させていくことになり、景品を最短時間(最小回数)で落下させる(最短ルート)ために、変位させるべき腕部材51を思案するインセンティブをプレイヤに与えることができる。例えば、景品の形状や大きさ、配置等によって、隣り合う腕部材51を順に変位させていくことが最短ルートとなる場合もあれば、対向する腕部材51を変位させていくことが最短ルートとなる場合もある。このように、本実施形態のゲーム装置1では、プレイヤが、景品の大きさや形状を考慮しながら、腕部材51を第1の状態から第2の状態へと変位させて開口10の平面視における露出面積(開口10の大きさ)を変化させていく。これにより、管理者が開口の配置や大きさを変更していた従来のゲーム装置に比べて、プレイヤが主体的に開口10の大きさを変更することができる。その結果、プレイヤを継続的に楽しませることができる。
【0037】
さらに、最短ルートが不明確な場合もあり得る。具体的に、景品支持部5は、複数の腕部材51を備えているため、景品の載置方法によっては、景品を支持しているかのように見えるが実際には景品を支持していない腕部材51(景品に接触しているが、景品の加重をほとんど受けていないものを含む)を含み得る。このような腕部材51が第1の状態から第2の状態に変位したとしても、景品の重心が移動しないか、ほとんど移動しない。このように、どの腕部材51に景品の加重がかかっているかを不明確にすることもでき、プレイヤを継続的に楽しませることができる。前述したように、腕部材51の外径がその基端から先端にかけて漸減していることにより、腕部材51の先端部が景品と接触する面積が減少し、その支持度合いがより不明確となる。これにより、上記効果を顕著に発揮することができる。
【0038】
このように、景品支持部5は、景品台のような景品を支持する機能と、景品を開口10まで移動させるクレーンアームのような景品へ物理的にアクセスする機能と、を有している。このため、従来のクレーンゲーム装置では、景品台およびクレーンアームが少なくとも必要であったのに対して、本実施形態のゲーム装置1では、景品支持部5を有するのみで済む。したがって、本実施形態のゲーム装置1では、クレーンアームの可動域であった領域(ゲーム空間)に、例えば、展示台213を設置することができ、ゲーム空間を有効に利用することができる。また、ゲーム装置1のサイズを従来のクレーンゲーム装置に比べてコンパクトにすることもできる。
【0039】
また、景品を載置する景品台と、その景品を落下させるための開口とを別々に(同一平面上の異なる場所に)設ける必要があった従来のクレーンゲーム装置に対して、本発明のゲーム装置1では、景品支持部5が開口10上に設けられている。これにより、従来の景品台に相当する領域と開口に相当する領域とが集約され、開口10の大きさや形状の制限が少ない。したがって、本実施形態のゲーム装置1は、そのサイズをコンパクトにしつつ、様々な景品に対応することができる。
【0040】
このように、本実施形態のゲーム装置1は、従来のクレーンゲーム装置に比べ、コンパクトでありながら様々な景品に対応することができ、景品を獲得する過程をプレイヤが継続的に楽しむことができる。したがって、本実施形態のゲーム装置1は、ゲーム空間を有効に活用できるとともに、高いゲーム性を発揮することができる。
【0041】
なお、
図4に示すように、ゲーム開始前に、ゲーム装置1の管理者が、3、4本の腕部材51を第1の状態にし、その他の腕部材51を予め第2の状態にしておけば、より景品を獲得しやすくなる。このように、管理者は、ゲームの難易度を容易に調整することができる。また、景品支持部5は、規定部4に対して、取り外し可能に設けられていてもよい。これにより、例えば、長さや外径の異なる腕部材51や、様々な演出部材(例えば、複数の棘部)を備える腕部材51を交換して取り付けることができるため、景品の載置方法の種類や、ゲームの難易度の幅を増やすことができる。その結果、管理者が、ゲームの構成を自在に設定することができ、プレイヤを継続的に楽しませることができる。さらに、後述する構成例2や構成例3のように景品支持部5を構成すれば、管理者は、腕部材51を第1の状態や第2の状態以外の状態にセットすることができる。具体的には、管理者は、腕部材51同士の連結部41に対する角度(開口10の面方向に対する角度)が互いに異なるように(例えば、隣り合う腕部材51同士が、
図15のBの状態とCの状態になるように)、各腕部材51を予めセットすることもできる。これにより、景品が予想外に動く可能性がさらに高まり、景品を獲得できるイメージを視覚的にプレイヤに与えることができる。また、
図16に示すように、複数の連結部41を、規定部4の上下方向(高さ方向)における異なる位置に設けておけば、景品支持部5を2段階で設ける(2段式で構成する)ことや、第1の状態における腕部材51の高さを互いに異なるように構成することも可能である。これにより、ゲーム装置1のゲーム性を高めることができ、プレイヤをより継続的に楽しませることができる。なお、2段式で景品支持部5を構成する場合は、上下の腕部材51同士が干渉しないように連結部41を設置すればよい。ゲーム開始後、変位させる腕部材51は、操作指示部6により指示される。
【0042】
(操作指示部)
操作指示部6は、規定部4上に設けられた、複数(本実施形態では32個)のブロック体61で構成されている。なお、ブロック体61の数は特に限定されず、奇数や偶数であってもよく、32個より多くても少なくてもよい。ブロック体61は、景品支持部5や開口10を囲むように開口10の周方向に沿って連続的に設けられている。すなわち、操作指示部6と景品支持部5と(可動部の構成部材同士)が、同心的に設けられている。
【0043】
複数のブロック体61は、腕部材51と隣接して腕部材51と対応するように設けられた16個の対応ブロック体61aと、腕部材51同士の間に設けられ、腕部材51に対応しないように設けられた16個の非対応ブロック体61bとで構成されている。すなわち、対応ブロック体61aと、非対応ブロック体61bとが、交互に設けられている。
【0044】
各ブロック体61は、ほぼ直方体状をなしており、その内部に点灯装置(例えばLED装置)611が設けられている。
図3では、1つのブロック体61について、その内部に設けられた点灯装置611が示されている。なお、
図3のその他(31個)のブロック体61の点灯装置611および
図4のブロック体61の点灯装置611は図示していない。各点灯装置611は、複数(本実施形態では8個)のLEDで構成されている。点灯装置611の点灯および点滅は、後述する制御部9により制御される。具体的に、ブロック体61ごとの点灯装置611は、所定のプログラムに従ってまたはランダムに点滅するように制御され、例えば、時計回りまたは反時計回りに順次点滅するように制御される。これにより、ブロック体61の点灯装置611は、所定の方向に順次点滅していき、プレイヤは、変位させたい腕部材51に対応するブロック体61の点灯装置611が点灯する瞬間を狙って操作部3を操作(押ボタン31を押圧)することとなる。押圧した時に点灯していた点灯装置611のみを点灯させることで、その点灯中の点灯装置611のブロック体61に対応する腕部材51の有無(変位させる腕部材51の有無)が操作指示部6によりプレイヤに指示され得る。このように、操作指示部6は、景品支持部5と対応しており、プレイヤに、操作部3への操作を指示する機能と、変位させる腕部材51を指示する機能とを有している。プレイヤが操作した時に点灯したブロック体61の点灯装置611は検知部7により検知されるようにしてもよい。
【0045】
なお、本実施形態では、対応ブロック体61aと腕部材51とが、1対1で対応して設けられているが、これに限定されない。例えば、連続して設けられた複数(例えば2~8本)の腕部材51に対応するように、1つの対応ブロック体61aが設けられていてもよい。複数の腕部材51に対応する1つの対応ブロック体61aは、腕部材51と1対1で対応している対応ブロック体61aよりも大きい。このような大きな対応ブロック体61aがプレイヤの操作により選択(その点灯装置611の点灯中に押ボタン31が押圧)されると、その大きな対応ブロック体61aに対応する複数の腕部材51をまとめて変位させることができる。これにより、当たりを引いた感覚をプレイヤに与えることができ、ゲーム性を向上させることができる。
【0046】
また、腕部材51と1対1で対応する複数(例えば2~8個)のブロック体61が、同時に点灯および点滅する1つのグループとして構成されていてもよい。このような構成によっても、グループ化されたブロック体61がプレイヤの操作により選択(それらの点灯装置611の点灯中に押ボタン31が押圧)されると、複数の腕部材51をまとめて変位させることができるため、上記効果を発揮することができる。
【0047】
(検知部)
検知部7は、ゲーム装置1の各部材の動作を検知する機能を有する各種センサー(図示せず)で構成され、各部材の動作を検知できるよう配置されている。例えば、検知部7は、本体下部22内に設けられたカメラで構成されることにより、景品が落下したことを検知することができる。また、検知部7は、腕部材51に設けられた重量センサーや感圧センサー、光電センサー等で構成されることにより、腕部材51の状態(第1の状態や第2の状態)や景品の落下を検知することができる。また、検知部7は、本体上部21のゲーム空間内に設けられたカメラで構成されることにより、点灯したブロック体61(点灯している点灯装置611)や景品の落下を検知することもできる。検知部7の構成は、このような機能を発揮できる各種センサーを備えていれば、特に限定されない。また、景品の落下の有無をゲーム装置1の管理者が管理してもよく、このような場合は検知部7を省略することができる。
【0048】
以上説明したようなゲーム装置1を構成する各部材は、一体的に形成されていてもよい。例えば、規定部4と景品支持部5とが一体的に形成されていてもよく、連結部41と腕部材51とが、一体的に形成されていてもよい。また、本発明のゲーム装置1は、検知部7を有していなくてもよい。
【0049】
前述したように、ゲーム装置1は、筐体2と、操作部3と、規定部4と、景品支持部5と、操作指示部6と、検知部7と、を有している。また、ゲーム装置1は、筺体2の本体下部22内に設けられた、記憶部8と、制御部9とを有している。以下では、記憶部8および制御部9の説明とともに、景品支持部5の他の構成例と、本実施形態のゲーム装置の動作方法とについて、詳細に説明する。
【0050】
(記憶部)
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムや、音情報等を保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、例えば、ブロック体61の点灯装置611が順次点滅する速度(点滅速度)や、順次点滅する方向(点滅方向)等のパターン(点滅パターン)を記憶している。また、記憶部8は、景品支持部5の状態(腕部材51が第1の状態にあるのか、第2の状態にあるのか)や、ゲーム開始時に第1の状態にある腕部材51の組合せ(
図4参照)等を記憶することもできる。さらに、記憶部8は、景品支持部5が備える複数の腕部材51と、操作指示部6が備える複数のブロック体61とを対応させて記憶している。具体的に、記憶部8は、例えば、以下の表1に示すような対応関係(対応表)でそれらを記憶している。
【0051】
【0052】
すなわち、記憶部8は、1~16の番号が付された腕部材51と、1~32の番号が割り振られたブロック体61とを記憶している。また、記憶部8は、奇数の番号が割り振られたブロック体61を、腕部材51と対応する対応ブロック体61aとして、偶数の番号が割り振られたブロック体61を、腕部材51と対応しない非対応ブロック体61bとして記憶している。なお、記憶部8は、偶数の番号が割り振られたブロック体61を、対応ブロック体61aとして、奇数の番号が割り振られたブロック体61を、非対応ブロック体61bとして記憶してもよい。また、記憶部8は、腕部材51および対応ブロック体61aのみを1対1で対応させて記憶してもよい。
【0053】
これにより、プレイヤが操作した時に点灯したブロック体61に対応する腕部材51の有無、および対応する腕部材51が有る場合にはその番号を後述する情報処理部92が特定することができる。例えば、7番のブロック体61(対応ブロック体61a)が点灯した場合、情報処理部92は、4番の腕部材51を対応する腕部材51であると判断する。一方、8番のブロック体61(非対応ブロック体61b)が点灯した場合、それに対応する腕部材51がないと情報処理部92は判断する。
【0054】
(制御部)
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。具体的に、制御部9は、景品支持部5の状態や操作指示部6の点灯に関する情報や、景品の落下の有無に関する情報等(検知部7が検知した情報)を取得する情報取得部91と、情報取得部91が取得した情報を処理する情報処理部92と、景品支持部5および操作指示部6の動作を制御する動作制御部93と、を有している。
【0055】
(情報取得部)
情報取得部91は、各種情報を取得する機能を有している。具体的に、情報取得部91は、操作部3からの入力情報、各腕部材51の状態(第1の状態や第2の状態)に関する情報、操作部3への入力時に点灯していた点灯装置611(プレイヤにより選択されたブロック体61)を特定する情報を取得する。取得された情報は、情報処理部92が処理する。
【0056】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有し、特に、情報取得部91が取得した情報を処理して動作制御部93に指示する機能を有している。具体的に、情報処理部92は、操作部3への入力により点灯したブロック体61の情報と、記憶部8が記憶している対応表(表1)とに基づいて、対応する腕部材51の有無を特定する。また、対応する腕部材51が有る場合には、情報処理部92は、その番号を特定し、特定された腕部材51の動作を、動作制御部93に指示する。
【0057】
例えば、表1を参照して、操作部3への入力時に点灯していたブロック体61が、4番のブロック体61(非対応ブロック体61b)である場合、情報処理部92は、対応する腕部材51が無いことを特定する。また、例えば、操作部3への入力時に点灯していたブロック体61が、5番のブロック体61(対応ブロック体61a)である場合、情報処理部92は、対応する腕部材51が有ることを特定し、それが3番の腕部材51であることを特定する。情報処理部92は、特定された腕部材51の動作を、動作制御部93に指示する。
【0058】
(動作制御部)
動作制御部93は、景品支持部5および操作指示部6の動作を制御する機能を有している。動作制御部93は、例えば、次のように、操作指示部6の動作を制御する。すなわち、動作制御部93は、各ブロック体61に内蔵された点灯装置611が順次点滅するように、その点灯および点滅を制御する。さらに、動作制御部93は、点滅方向を時計回りや反時計回りに制御することや、点滅速度を自在に制御することもできる。これにより、例えば、点滅速度を遅くしてゲームの難易度を低くすることができ、点滅速度を速くしてゲームの難易度を高くすることができる。また、その点滅方向や点滅速度をランダムに変更すれば、ゲームの難易度をより高くすることもできる。
【0059】
なお、動作制御部93は、複数のブロック体61のうちの一部または全部を同時に点灯および点滅するように制御することもできる。具体的に、各ブロック体61に内蔵された点灯装置611が順次点滅する場合において、動作制御部93は、下記表2に示すように、1番~3番のブロック体61を同時に、4番~17番のブロック体61を個別に、18番~24番のブロック体61を同時に、25番~32番のブロック体61を個別に、順次点滅させるように制御することもできる。これにより、1番~3番のブロック体61が同時に点滅した時に押ボタン31が押圧されると、1番の腕部材51と2番の腕部材51とが同時に変位するので、当たりを引いたような感覚をプレイヤに与えることができる。また、18番~24番のブロック体61が同時に点滅した時に押ボタン31が押圧されると、10番の腕部材51と11番の腕部材51と12番の腕部材51とが同時に変位するので、大当たりを引いたような感覚をプレイヤに与えることができる。
【0060】
また、例えば、動作制御部93は、下記表3および表4に示すように、連続する2つまたは8つのブロック体61を同時に、順次点滅するように制御することもできる。表3および表4に示すように、奇数および偶数の番号が付されたブロック体61を同時に点滅させることで、いずれかの腕部材51を必ず変位させることができる。このため、空くじがない感覚をプレイヤに与えることができ、プレイヤがゲーム装置1でプレイする機会を増加させ得る。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
また、動作制御部93は、景品支持部5の動作を次のように制御する。すなわち、
図15に示すように、動作制御部93は、基本的に、景品支持部5が第1の状態(
図15のAの状態)から第2の状態(
図15のDの状態)へ変位するように制御する。また、以下の他の構成例に示すように、動作制御部93は、景品支持部5が多段階(段階的)に変位するように制御することや、第2の状態にある景品支持部5を第1の状態へ戻すように制御することができる。具体的に、
図15を参照して、動作制御部93は、景品支持部5を、第1の状態(
図15のAの状態)から上方に変位させ(
図15のBの状態)、そこからダイレクトに第2の状態(
図15のDの状態)へ、または、例えば
図15のCの状態を介して段階的に第2の状態へと変位するように制御することができる。また、動作制御部93は、景品支持部5を、
図15のCの状態からBの状態へと変位させ、そこからダイレクトに第2の状態へ、または、例えば
図15のCの状態を介して段階的に第2の状態へと変位するように制御することもできる。さらに、動作制御部93は、景品支持部5が変位(動作)した際、景品支持部5を震動させるように制御することもできる。このように景品支持部5が制御されることにより、ゲーム装置1のゲーム性を高めることができ、プレイヤをより継続的に楽しませることができる。また、景品支持部5を上方に変位させることにより、景品が大きく動き、景品を獲得できるイメージを視覚的にプレイヤに与えることができる。その結果、プレイヤがゲーム装置1でプレイする機会を増加させ得る。
【0065】
2.他の構成例
(景品支持部の他の構成例1)
本実施形態では、各腕部材51が、第1の状態において、その基端から先端にかけて、開口10の面方向に沿って設けられているが、少なくとも1つの腕部材51が、開口10の面方向に対して傾斜して設けられていてもよい。具体的に、例えば、腕部材51が、開口10の径方向の中心に向かって下方に傾斜して設けられる場合、景品が落下し易くなる傾向になり、ゲームの難易度を下げることができる。一方、腕部材51が、開口10の径方向の中心に向かって上方に傾斜して設けられる場合、景品が落下し難くなる傾向になり、ゲームの難易度を上げることができる。下方に傾斜した腕部材51と、上方に傾斜した腕部材51とを組み合わせて用いることもできる。なお、傾斜角度は、特に限定されないが、開口10の面方向(径方向)に対して、15~60°であることが好ましく、30~45°であることがより好ましい。このような構成例によれば、ゲームの難易度を選択できる幅が広がり、高いゲーム性を維持し易い(プレイヤを飽きさせ難い)ゲーム装置1を提供することができる。
【0066】
(景品支持部の他の構成例2)
また、腕部材51が、連結部41の係止部と嵌合する複数の凹部を有することにより、第1の状態から第2の状態に多段階(段階的)に変位するように構成されていてもよい。景品を支持している腕部材51が段階的に変位することにより、景品の体勢が段階的に(微細に)変化する。その結果、腕部材51に対する景品の加重のかかり具合も微細に変化していき、プレイヤは、どの腕部材51に景品の加重がかかっているか、また、どの程度の加重が、腕部材51にかかっているのかを把握し難くなる。これにより、景品を獲得する過程をプレイヤがより楽しむことができる。
【0067】
(景品支持部の他の構成例3)
また、腕部材51が、第2の状態から第1の状態に自動で戻るように、景品支持部5を駆動させる駆動機構が本体下部22に設けられていてもよい。このような構成により、例えば、既に第2の状態にある腕部材51に対応するブロック体61がプレイヤの操作(入力)により点灯した場合に、かかる腕部材51を第1の状態に戻すことができ、ゲームの難易度を上げることができる。また、ゲームが終了した際に、第2の状態にある腕部材51が第1の状態に自動で戻ることにより、管理者が手動で戻す場合に比べ、ゲーム装置1の稼働率を上げることができる。なお、景品を獲得できずにゲームが終了した場合に、所定の時間、第2の状態にある腕部材51を第1の状態に自動で戻すことを留保し、この間にプレイを再開することができるようにしてもよい。これにより、プレイヤ(始めからゲームを行っていない他のプレイヤも含む)は、途中からゲームを再開することができるので、ゲーム装置1でプレイするインセンティブをプレイヤに与えることができる。この場合、所定の時間を表示部(電光掲示板等)に表示することにより、上記効果をより効果的に発揮させ得る。また、記憶部8が、ゲーム開始時に第1の状態にある腕部材51の組合せ(
図4参照)を記憶しておけば、ゲーム装置1の管理者が、第1の状態にある腕部材51の組合せをゲーム開始前に手動で設定する手間を省くことができる。
【0068】
また、上記駆動機構が設けられることにより、様々な演出を行うことができる。例えば、動作制御部93は、第1の状態または第2の状態にある腕部材51を、順次に(例えば時計回りに)第2の状態または第1の状態へと変位させ、また元の状態へと戻すように制御することができる。また、例えば、動作制御部93は、すべての腕部材51の状態を一括して反転させるように制御することもできる。具体的には、動作制御部93は、第1の状態にある腕部材51を第2の状態へ、第2の状態にある腕部材51を第1の状態へと、一括して変位させることもできる。このような演出をゲームが行われていない間に行えば、景品が動く(例えばクマのぬいぐるみが躍るように大きく動く)ため、従来のゲーム装置のゲーム性とは異なるゲーム装置1のゲーム性をプレイヤに視覚的に伝えることができる。また、景品が動くことで、景品が落下するイメージを視覚的にプレイヤに与えることもできる。その結果、ゲーム装置1でプレイするインセンティブをプレイヤに与えることができる。また、景品を獲得できずにゲームが終了した場合やゲーム中に、このような演出をすれば、景品の配置をリセットするような機能が働く。これにより、プレイヤがゲーム装置1でプレイする機会を増加させ得る。
【0069】
また、動作制御部93は、ゲーム中に第2の状態へ変位させた腕部材51を、所定の時間(例えば60秒~180秒)経過後に第1の状態へと必ず戻すように制御してもよい。これにより、ゲームの難易度が上がり、プレイヤを継続的に楽しませることができる。
また、景品を腕部材51に紐等で吊す場合に、紐を腕部材51に固定しておけば、プレイヤの操作によって落下した景品を自動で引き上げ、景品を補充することなく次のゲームを開始することもできる。この場合、景品の引き渡しは店頭カウンターで別途行えばよい。
【0070】
(景品支持部の他の構成例4)
また、景品支持部5が動作した時、腕部材51が震動するように、腕部材51内に震動体が設けられていてもよい。この震動は、震動体が震動することにより、腕部材51が連結部41を支点として微小に変位することにより発生する。例えば、ある腕部材51が変位した後(特に、段階的に変位した後)に、その腕部材51を震動させるように構成してもよく、ある腕部材51が変位する前に、その腕部材51を震動させるように構成してもよく、ある腕部材51が第2の状態へ変位した際、その変位した腕部材51とは異なる腕部材51(例えば、その変位した腕部材51に隣接する腕部材51)を震動させるように構成してもよい。これにより、景品が予想外の体勢になる可能性が高まり、景品を獲得する過程をプレイヤがより楽しむことができる。このような震動は、所定の時間内に、一定の大きさで(均等に)発生するよう制御されてもよく、間欠的に発生するよう制御されてもよい。なお、連結部41の係止部や側板部411に震動体をさらに設けてもよい。このように、異なる箇所に複数の震動体を設けることで、上記効果をより顕著に発揮することができる。
【0071】
3.ゲーム装置の動作方法
次に、本実施形態のゲーム装置の動作方法について詳細に説明する。
図5は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲーム全体の流れを示すフローチャートである。
【0072】
図5に示すように、ゲームが開始されると、動作制御部93が、操作指示部6を作動させ(S501)、各ブロック体61の点灯装置611を順次点滅させる(S502)。なお、ステップS501の処理は、ゲーム開始前から行われていてもよく、この場合、例えば、ゲーム開始前は、ブロック体61の点灯装置611の点滅方向をランダムに制御しておき、ゲーム開始時から点滅方向を一定にすればよい。
【0073】
また、ゲーム開始の判断は、プレイヤのゲーム開始の意思表示(例えばコインの投入等)を情報取得部91が取得し、この情報に基づいて情報処理部92により行われる。この際、投入されたコインの枚数等に応じて、ゲーム回数(ゲームにトライできる回数)が設定される。次に、処理はステップS503に移行する。
【0074】
各ブロック体61が順次点滅している状態で、プレイヤは、変位させたい腕部材51に対応するブロック体61が点灯する瞬間を狙って、操作部3への入力を行う。操作部3への入力がない場合(S503のNo)、ステップS502およびS503の処理が繰り返される。
【0075】
操作部3への入力があった場合(S503のYes)、その入力情報を情報取得部91が取得する。情報処理部92は、情報取得部91が取得した入力情報に基づき、その入力時に点灯していたブロック体61を特定する(S504)。この時、情報処理部92は、特定したブロック体61の動作を動作制御部93に指示し、動作制御部93は、その特定されたブロック体61のみを点灯させる。
【0076】
これにより、プレイヤは、選択したブロック体61を確認でき、所望の腕部材51を選択することができたかを確認することができる。この間、特定されたブロック体61に対応する腕部材51の有無を、情報処理部92が記憶部8の前述した対応表(表1)から特定する(S505)。
【0077】
対応する腕部材51が有る場合、例えば、5番のブロック体61が点灯中の場合、情報処理部92は、その点灯中のブロック体61に対応する3番の腕部材51を特定する(S505のYes)。この場合、処理はステップS506に移行し、情報処理部92は、3番の腕部材51が第1の状態にあるかを判断する。3番の腕部材51が第1の状態にある場合は(S506のYes)、動作制御部93が、3番の腕部材51を第2の状態へと変位させる(S507)。処理はステップS508に移行し、情報処理部92は、3番の腕部材51が第2の状態に変位したことにより、景品が落下したかどうかを判断する(S508)。景品が落下した場合(S508のYes)はゲーム終了となるが、景品が落下していない場合(S508のNo)、処理はステップS510に移行する。
【0078】
一方、ステップS505に戻って、対応する腕部材51がない場合、例えば、4番のブロック体61が点灯した場合、情報処理部92は、対応する腕部材51が無いことを特定し(S505のNo)、動作制御部93は、腕部材51を動作しないように制御する(S509)。また、ステップS506において、5番のブロック体61が選択された場合であっても、かかるブロック体61に対応する3番の腕部材51が第1の状態にないと情報処理部92が判断した場合(S506のNo)、すなわち、すでに3番の腕部材51が第2の状態に変位していると情報処理部92が判断した場合も、動作制御部93は、腕部材51を動作しないように制御する(S509)。ステップS509の後、処理はステップS510に移行する。
【0079】
ステップS510において、情報処理部92がゲーム回数の有無を判断する。ゲーム回数が残っている場合は(S510のYes)、処理はステップS502に戻り、ゲーム回数が残っていない場合は(S510のNo)、ゲーム終了となる。
【0080】
以上、前述の処理方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能である。このようなプログラムは、CPU(central processing unit)、マイクロプロセッサ(micro processor)、GPU(graphic processing unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などによって実現される。
【0081】
<第2実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0082】
図6は、本発明の第2実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部および操作指示部を示し、景品支持部が第1の状態にあることを示す斜視図(a)、および景品支持部が第2の状態にあることを示す斜視図(b)である。
【0083】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0084】
本実施形態のゲーム装置1では、規定部4および景品支持部5の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、第2実施形態の景品支持部5は、1つの腕部材51で構成されており、かかる腕部材51は、その先端部に平板状の載置板51bを有している。また、規定部4の連結部41は、図示されないが、腕部材51を回動自在に連結している。
【0085】
腕部材51の載置板51bの上面(載置面)は、第1の状態において、景品を載置(支持)できるように上方を向いて設けられている(
図6(a))。一方、第2の状態において、かかる腕部材51の載置板51bの載置面は、景品の支持を解除できるように、図中の手前側に向いて、すなわち、第1の状態から図中の手前側に90°回転して設けられている(
図6(b))。すなわち、
図6に示すように、本実施形態では、腕部材51が、腕部材51の長手方向と一致する軸Aを回転軸として回動可能に構成されている。
【0086】
なお、
図6(b)の状態を第1の状態として、ゲームを開始することもできる。すなわち、載置板51bの側面を載置面として用いてもよい。また、腕部材51が連結部41に対して回動するように構成されていてもよく、腕部材51が連結部41に固定され、連結部41が規定部4に対して回動するように構成されていてもよい。また、回動する角度は限定されず、段階的に回動(回転)してもよい。また、載置板51bの形状も特に限定されず、円形であっても楕円形であっても、三角形、五角形等の多角形であってもよい。
【0087】
このように、本実施形態のゲーム装置1では、変位させるべき腕部材51が1つのみであるため、景品を獲得するために、プレイヤは、複数(本実施形態では32個)のブロック体61から、その腕部材51に対応するブロック体61(対応ブロック体61a)をピンポイントで狙う必要がある。このため、ピンポイントを狙う楽しみをプレイヤに与えることができる。また、このような景品支持部5でも、景品を支持する機能と、景品へ物理的にアクセスする機能とを有しているため、ゲーム空間を有効に活用することができる。
【0088】
<第3実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0089】
図7は、本発明の第3実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示し、景品支持部が第1の状態にあることを示す斜視図(a)、および景品支持部が第2の状態にあることを示す斜視図(b)である。
【0090】
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0091】
本実施形態のゲーム装置1では、規定部4および景品支持部5の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、第3実施形態の景品支持部5は、第1の状態で開口10を横断するように設けられた複数(本実施形態では4本)の棒状の腕部材51を備えている。また、規定部4は、その内周面の各腕部材51の両端に対応する位置に、穴42を備えている。すなわち、規定部4は8つの穴42を備え、各穴42の直径が腕部材51の直径に対応している。これにより、規定部4は、腕部材51を収納可能に構成されている。
【0092】
かかる腕部材51は、第2の状態において、規定部4内に収納されるように、伸縮自在に構成されている。
図7(b)では、2つの腕部材51が、第2の状態にある(規定部4内に収納された状態にある)ことが示されている。この場合、第2の状態にある腕部材51は、手前側の穴42(図示せず)から規定部4内に収納されていてもよく、奥側の穴42から規定部4内に収納されていてもよい。なお、腕部材51は、第2の状態において、規定部4内にその一部のみが収納されてもよく、第1の状態から第2の状態にかけて、段階的に規定部4内に収納されてもよい。また、腕部材51の数は特に限定されず、奇数や偶数であってもよく、4本より多くても少なくてもよい。
【0093】
本実施形態では、第1の状態で、各腕部材51の両端が、それぞれ、対応ブロック体61aに対応して設けられている。すなわち、1つの腕部材51に対応する対応ブロック体61aが2つあり、プレイヤの操作によりいずれの対応ブロック体61aが点灯しても、その点灯した対応ブロック体61aに対応する腕部材51を変位させることができる。これにより、所望の腕部材51を選択できる確率が上がり、ゲームの難易度を下げることができ、プレイヤに有利なゲーム装置1を提供することができる。また、このような第3実施形態のゲーム装置1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0094】
<第4実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第4実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0095】
図8は、本発明の第4実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す斜視図である。
【0096】
以下、第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0097】
本実施形態のゲーム装置1では、規定部4および景品支持部5の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、第4実施形態の景品支持部5は、長尺状の複数(本実施形態では2本)の腕部材51を備え、規定部4は、腕部材51が規定部4(開口10)の周方向に沿って回動するように構成されたガイドレール部材43を備えている。なお、
図8中では、時計回りに回転する方向に矢印が付されている。
【0098】
プレイヤが操作部3への入力を行い、腕部材51に対応する対応ブロック体61aが点灯すると、その腕部材51が、その先端が開口10の中心を示して、時計回りに回転する。腕部材51は、ブロック体61に対応して回転すればよく、回転する角度は、例えば、15~90°であることが好ましく、30~60°であることがより好ましい。
【0099】
なお、1つの腕部材51が一方向に回転していくと、その腕部材51と他の腕部材51とが、干渉する(隣り合う)場合が起こり得る。この場合は、その腕部材51が選択されても、移動させなければよい。また、1つの腕部材51が回転した場合に、他の腕部材51が連動して回転するように構成されていてもよい。また、腕部材51の数は特に限定されず、奇数や偶数であってもよく、2本より多くても少なくてもよい。
【0100】
このように、本実施形態では、第1の状態および第2の状態のいずれにおいても、腕部材51が、その基端から先端にかけて、開口10の面方向に沿って設けられている。換言すると、腕部材51は、第1の状態および第2の状態のいずれにおいても、開口10の径方向に延在している。このように、腕部材51が、水平方向にずれていくので、景品の形状や、大きさ、配置等によっては、景品が落下し難くなる。その結果、ゲームの難易度を上げることができ、プレイヤを継続的に楽しませることができる。このような第4実施形態のゲーム装置1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0101】
<第5実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第5実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0102】
図9は、本発明の第5実施形態にかかるゲーム装置を示す斜視図である。
【0103】
以下、第5実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0104】
本実施形態のゲーム装置1では、筐体2の形状、操作部3の構成およびクレーン部11が設けられている点が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、第5実施形態のゲーム装置1は、直方体状の筐体2と、3つの押ボタン31を有する操作部3と、可動部として、景品を把持し、移動させるクレーン部11とを備えている。3つの押ボタン31のうちの2つの押ボタン31は、クレーン部11を操作することに用いられ、プレイヤは、景品支持部5の操作とともに、クレーン部11の操作を行って、景品を獲得することができる。
【0105】
具体的に、プレイヤは、所望の腕部材51を第2の状態に変位させ、景品が落下できる程度の開口10を露出させた後、クレーン部11で景品を把持して露出させたところへ景品を移動させ落下させることができる。また、クレーン部11で景品の位置を変更した後、腕部材51を第2の状態に変位させて景品を落下させることもできる。なお、このクレーン部11は、操作可能にしてもよく、操作不能にしていてもよい。また、クレーン部11を操作する手段として、2つの押ボタン31の替わりに、または2つの押ボタン31に加えて、操作用スティックが設けられていてもよい。
【0106】
このような第5実施形態のゲーム装置1によれば、例えば、人気が無くなった従来のクレーンゲーム装置を再利用することで、そのゲーム空間を有効に活用でき、高いゲーム性を有するゲーム装置を提供することができる。
【0107】
<第6実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第6実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0108】
図10は、本発明の第6実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す斜視図である。
【0109】
以下、第6実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0110】
本実施形態のゲーム装置1では、景品支持部5および操作指示部6の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。本実施形態では、景品支持部5および操作指示部6が一体的に設けられている。具体的には、操作指示部6は、ブロック体61ではなく、複数(本実施形態では16個)の点灯装置611で構成されている。各点灯装置611は、規定部4の上面ではなく、腕部材51内で、その基端側に設けられている。換言すると、本実施形態では、腕部材51が第1実施形態のブロック体61(対応ブロック体61a)と同様の役割を果たし、非対応ブロック体61bに相当するものがない。このため、規定部4の上面は露出し、また、プレイヤはいずれかの腕部材51を必ず選択することができる。なお、各点灯装置611は、複数(本実施形態では3個)のLEDを備えている。
【0111】
このような構成によれば、規定部4の上面に、例えば、展示用の景品を並べることができ、ゲーム空間をより有効に活用することができる。また、規定部4の幅を省略することが可能であるため、開口10の大きさを維持しつつ規定部4のサイズを小さくすることも可能である。これにより、よりコンパクトなゲーム装置1を提供することもできる。このような第6実施形態のゲーム装置1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0112】
<第7実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第7実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0113】
図11は、本発明の第7実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す斜視図である。
【0114】
以下、第7実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0115】
本実施形態のゲーム装置1では、操作指示部6の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。本実施形態の操作指示部6は、ルーレット機能を有するように、複数(本実施形態では32個)のポケット612と、該複数のポケット612の外周側に設けられた回転板613と、回転板613上を移動するボールBとを備えている。なお、ポケット612の数は特に限定されず、奇数や偶数であってもよく、32個より多くても少なくてもよい。ボールBの数も特に限定されない。
【0116】
複数のポケット612は、腕部材51と隣接して腕部材51と対応するように設けられた16個の対応ポケット612aと、腕部材51同士の間に設けられ、腕部材51に対応しないように設けられた16個の非対応ポケット612bとで構成されている。すなわち、対応ポケット612aと、非対応ポケット612bとが、交互に設けられている。
【0117】
回転板613は、円環状をなし、複数のポケット612に対して、回動可能に構成されている。回転板613の上面には、各ポケット612に対応するような枠線と、その枠内にそれぞれ割り振られた1から32の数字と、が記載されている。回転板613の回転方向は、時計回りでも反時計回りでもよい。なお、回転板613を回動させるモータや、ボールBの供給機構および回収機構は図示していない。
【0118】
ボールBは、回転する回転板613上に供給され、回転板613上を移動した後、複数のポケット612のいずれかに収まる。これにより、ボールBが収まったポケット612に対応する腕部材51の有無(変位させる腕部材51の有無)がプレイヤに指示される。この間、情報処理部92が、対応する腕部材51の有無を特定し、変位させる腕部材51を特定するが、本実施形態では、例えば、各ポケット612に重量センサーや感圧センサーを設けることで、情報処理部92が、対応する腕部材51の有無を特定することができる。
【0119】
このような構成によっても、景品支持部5が設けられているため、前記第1実施形態と同様に、ゲーム空間を有効に利用することができる。このように、本発明のゲーム装置1は、従来からあるゲーム(例えば、ルーレットゲーム)を取り入れて、プレイヤを楽しませることもできる。
【0120】
上述した操作指示部6は、ルーレットゲームができるように構成された物理的機構を有しているが、これを電気的機構(例えば液晶表示装置)で置き換えることも可能である。この場合、動作制御部93が、液晶表示装置に表示されたボールBを腕部材51の外周を回転するよう制御するので、プレイヤが所望のタイミングで押ボタン31を押圧した時に、ボールBの回転を停止させ、その停止位置に一番近いポケット612にボールBが収納されるように表示を制御することができる。これにより、変位させる腕部材51の有無をプレイヤに指示することができる。このような構成によれば、プレイヤが、所望の腕部材51を自ら狙えるため、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0121】
<第8実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第8実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0122】
図12は、本発明の第8実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す斜視図である。
【0123】
以下、第8実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0124】
本実施形態のゲーム装置1では、規定部4および操作指示部6の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、本実施形態の規定部4は、その外周縁の内側に沿って回動するように構成されたガイドレール部材43を備えている。また、操作指示部6は、1本の矢印部材614で構成され、その基端部でガイドレール部材43に接続されている。これにより、矢印部材614は、その先端が開口10の中心を示し、規定部4(開口10)の周方向に沿って回動可能である。なお、
図12中では、矢印部材614が時計回りに回転する方向に矢印が付されているが、矢印部材614の回転方向は特に限定されない。例えば、矢印部材614は、反時計回りに回転するように制御されてもよく、時計回り、反時計回りを交互に繰り返すように制御されてもよい。
【0125】
ゲームが開始すると、矢印部材614が、腕部材51の外周を時計回りに回転する。その後、プレイヤが所望のタイミングで押ボタン31を押圧した時、動作制御部93が矢印部材614の回転を停止させる。これにより、変位させる腕部材51の有無がプレイヤに指示される。具体的には、その停止した矢印部材614の先端が、腕部材51を示していれば、変位させる腕部材51が有ると情報処理部92が判断でき、示していなければ、変位させる腕部材51が無いと情報処理部92が判断できる。なお、矢印部材614の位置は、本体上部21のゲーム空間内に設けられたカメラで検知してもよい。
【0126】
なお、矢印部材614が停止した位置によっては、変位させる腕部材51の有無の判断が不明確になる場合もある。例えば、矢印部材614の先端が、規定部4の連結部41を示すような位置で停止した場合、その腕部材51が選択されたと判断するか、選択されなかったと判断するか不明確である。このような場合の判断基準を記憶部8が予め記憶しておけば、ゲームの難易度の幅が広がる。例えば、矢印部材614の先端が、腕部材51とそれを挟持する連結部41に対応する規定部4の内周面の範囲に停止した場合に、その腕部材51が選択されたという判断基準を設定することができる。また、矢印部材614の先端が、腕部材51に対応する規定部4の内周面の範囲に停止した場合に、その腕部材51が選択されたという判断基準を設定することもできる。後者の場合は、前者の場合よりも、ゲームの難易度を上げることができる。これにより、様々なユーザ(初心者や上級者)が楽しめるゲーム装置1を提供することができる。なお、矢印部材614が固定され、
図8のように景品支持部5が回転してもよく、また、矢印部材614と景品支持部5とが同時に回転してもよい。
【0127】
このような第8実施形態のゲーム装置1によれば、プレイヤに腕部材51を狙っていく感覚をより楽しんでもらうことができる。また、このような第8実施形態のゲーム装置1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0128】
<第9実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第9実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0129】
図13は、本発明の第9実施形態にかかるゲーム装置の規定部、景品支持部および操作指示部を示す上面図である。
【0130】
以下、第9実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0131】
本実施形態のゲーム装置1では、規定部4の構成、開口10の形状、景品支持部5および操作指示部6の配置が異なっている以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、規定部4は、長辺の各中点同士が連結された長方形状の枠体である。換言すれば、規定部4は、2つの長方形状の枠体が、その長辺同士で隣接したように構成されている。これにより、長方形状の開口10が2つ形成されている。
【0132】
本実施形態の景品支持部5は、長方形状の規定部4の長辺および短辺にそれぞれ平行に設けられている。これにより、長辺に設けられた腕部材51と短辺に設けられた腕部材51とは、互いに直交するような態様で、規定部4に設けられている。
【0133】
このような構成によれば、ゲーム装置1の管理者は、様々な載置方法を採用することができる。また、操作指示部6の点灯装置611の点滅パターン(点滅方向等)がより多様になる。例えば、八の字を描くように各点灯装置611を点滅させることもできる。これらの理由により、プレイヤを継続的に楽しませることができる。なお、腕部材51は、長辺または短辺のいずれかのみに設けられてもよい。この場合、開口10の平面視における露出面積が大きくなり、プレイヤに景品を獲得できそうな感覚をより効果的に与えることができる。その結果、ゲーム装置1でプレイするインセンティブをプレイヤに与えることができる。また、このような第9実施形態のゲーム装置1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0134】
<第10実施形態>
次に、本発明のゲーム装置の第10実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0135】
図14は、本発明の第10実施形態にかかるゲーム装置の操作部、規定部および景品支持部を示す斜視図である。
【0136】
以下、第10実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0137】
本実施形態のゲーム装置1では、操作部3および操作指示部6の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、本実施形態のゲーム装置1では、操作部3が複数(本実施形態では16個)の押ボタン31を備えている。各押ボタン31は、腕部材51と隣接するように腕部材51と1対1で対応して規定部4の上面に設けられている。これにより、プレイヤは、変位させたい腕部材51に対応する押ボタン31を押圧すれば、その腕部材51を必ず変位させることができる。このように、本実施形態では、操作部3が、操作指示部6としても機能している。なお、本体上部21の側周壁面211は、図示していないが、その直径が規定部4の内径に対応するように設ければよい。
【0138】
このような構成によれば、必ず所望の腕部材51を変位させることができるので、ゲーム装置1でプレイするインセンティブをプレイヤに与えることができる。また、操作指示部6を別途に設ける必要がないため、よりコンパクトなゲーム装置1を提供することができる。このような第10実施形態のゲーム装置1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0139】
以上、本発明のゲーム装置を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0140】
1…ゲーム装置 2…筺体 21…本体上部 211…側周壁面 212…上壁面 213…展示台 22本体下部 23…カバー部材 24…支柱 25…景品取出ボックス 251…景品取出口 3…操作部 31…押ボタン 4…規定部 41…連結部 411…側板部 42…穴 43…ガイドレール部材 5…景品支持部 51…腕部材 51b…載置板 6…操作指示部 61…ブロック体 61a…対応ブロック体 61b…非対応ブロック体 611…点灯装置 612…ポケット 612a…対応ポケット 612b…非対応ポケット 613…回転板 614…矢印部材 7…検知部 8…記憶部 9…制御部 91情報取得部 92…情報処理部 93…動作制御部 10…開口 11…クレーン部 B…ボール