(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20220623BHJP
E03C 1/06 20060101ALI20220623BHJP
B05B 1/18 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
A47K3/28
E03C1/06
B05B1/18 101
(21)【出願番号】P 2018152617
(22)【出願日】2018-08-14
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】笠原 直之
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-85069(JP,U)
【文献】実開平2-80173(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/02-4/00
E03C 1/00-1/10
B05B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップ部と、
前記グリップ部内に取り付けられたインナー部材と、
前記グリップ部の壁部に設けられ、取付部材がねじによって取り付けられる取付部と、
を備えたシャワーヘッドであって、
前記取付部は、
前記壁部を貫通する貫通孔と、
前記貫通孔に挿入されるナットと、
を備え、
前記ナットは、回転及び前記壁部の外側への移動が規制された状態で、前記インナー部材に接触していることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項2】
前記ナットは、フランジ部と外形が非真円形状をなすナット部とを有し、前記ナット部が前記壁部の内側から前記貫通孔に挿入されるフランジナットであり、
前記貫通孔は、前記ナット部の外形と対応する形状になっており、
前記フランジ部は、前記貫通孔よりも最大幅が広いことを特徴とする請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記インナー部材における前記ナットと対応する位置には、前記ナットが前記壁部の外側から内側に向かって押圧された場合に前記ナットを受け止める受止部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャワーヘッドとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このシャワーヘッドは、内部に通路が形成され、先端部に多数の孔からなる散水口が設けられている。シャワーヘッドの基端部における散水口側とは反対側の背面側には、吸着部が突設されている。吸着部は箱形をなす合成樹脂製のケース部を有し、ケース部内には永久磁石及びヨークが収容されている。永久磁石及びヨークは、ねじによってケース部に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のシャワーヘッドでは、永久磁石及びヨークがねじによって合成樹脂製のケース部に固定されている。このため、ケース部にねじが十分に螺入できるようにケース部の厚さをかなり厚くする必要があるので、吸着部の厚さが厚くなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような実情に着目してなされた。その目的は、取付部材がねじによって取り付けられるグリップ部の壁部の厚さを薄くすることができるシャワーヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するシャワーヘッドは、グリップ部と、前記グリップ部内に取り付けられたインナー部材と、前記グリップ部の壁部に設けられ、取付部材がねじによって取り付けられる取付部と、を備えたシャワーヘッドであって、前記取付部は、前記壁部を貫通する貫通孔と、前記貫通孔に挿入されるナットと、を備え、前記ナットは、回転及び前記壁部の外側への移動が規制された状態で、前記インナー部材に接触していることを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、取付部のナットにねじを螺入することによって取付部材をグリップ部の壁部に取り付けることができるので、上記壁部にねじを直接螺入する必要がない。このため、グリップ部の壁部の厚さをねじが十分に螺入できる厚さまで厚くする必要がない。したがって、取付部材がねじによって取り付けられるグリップ部の壁部の厚さを薄くすることができる。
【0008】
上記シャワーヘッドにおいて、前記ナットは、フランジ部と外形が非真円形状をなすナット部とを有し、前記ナット部が前記壁部の内側から前記貫通孔に挿入されるフランジナットであり、前記貫通孔は、前記ナット部の外形と対応する形状になっており、前記フランジ部は、前記貫通孔よりも最大幅が広いことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、フランジナットのフランジ部は、貫通孔よりも最大幅が広いため、グリップ部の壁部の外側へのフランジナットの移動を規制する規制部として機能する。すなわち、ナットをフランジナットにすることで、グリップ部の壁部の外側へのナットの移動を規制する規制部をグリップ部の壁部に設ける必要がないので、グリップ部の壁部の厚さをより一層薄くすることができる。
【0010】
上記シャワーヘッドにおいて、前記インナー部材における前記ナットと対応する位置には、前記ナットが前記壁部の外側から内側に向かって押圧された場合に前記ナットを受け止める受止部が設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、ナットにねじを螺入する場合に、受止部によってナットががたつくことを抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、取付部材がねじによって取り付けられるグリップ部の壁部の厚さを薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図8】ヘッド部とグリップ部との連結部分を示す断面図。
【
図9】ヘッド部とグリップ部との連結部分を示す側面図。
【
図10】マグネットユニットがねじによって取付部に取り付けられたときの状態を示す断面図。
【
図11】アウターヘッドにインナーヘッドを取り付けるときの状態を示す断面図。
【
図12】アウターヘッドにインナーヘッドを取り付けるときの状態を示す断面図。
【
図13】アウターヘッドにインナーヘッドを取り付けるときの状態を示す断面図。
【
図14】アウターヘッドにインナーヘッドを取り付けたときの状態を示す斜視図。
【
図15】変形例における取付部を示す要部拡大断面模式図。
【
図16】別の変形例における取付部を示す要部拡大断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、シャワーヘッドの一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び
図2に示すように、シャワーヘッド11は、略直線状に延びる棒状をなす合成樹脂製のグリップ部12と、グリップ部12の先端にグリップ部12に対して略45度程度の角度で傾斜するように回転可能に設けられた略矩形板状のヘッド部13とを備えている。グリップ部12の先端部におけるヘッド部13が傾斜した側とは反対側の面には、シャワールームなどの磁性を有した壁面に対して磁力によって着脱自在に吸着可能な吸着部の一例としてのマグネットユニット14が設けられている。
【0015】
図2及び
図3に示すように、ヘッド部13は、略有底矩形箱状をなすアウターヘッド15と、内部に通水可能であってアウターヘッド15に対して直接取り付けられるインナーヘッド16と、インナーヘッド16に取り付けられるとともにアウターヘッド15と対応する略矩形状をなす散水板17とを備えている。
【0016】
図3及び
図4に示すように、アウターヘッド15は、外面及び内面が共に曲面状をなしており、内面側の深さが基端側から先端側に向かうほど徐々に浅くなっている。アウターヘッド15の内底面18における中央部には、位置決め部を構成する円筒状の位置決め凸部19が形成されている。内底面18における位置決め凸部19よりも基端寄りの位置には、幅方向Xに距離を置いて並ぶ一対の円筒状のボス部20が形成されている。内底面18における位置決め凸部19よりも先端寄りの位置には、幅方向Xに距離を置いて並ぶ一対の円筒状の当接部21が形成されている。
【0017】
内底面18における先端部、すなわち内底面18における当接部21よりも先端側の位置であって幅方向Xの中央部には、門型の掛止部22が形成されている。掛止部22は、幅方向Xに直線状に延びる梁部23と、梁部23の両端部と内底面18とをそれぞれ連結する一対の直線状に延びる柱部24とを備えている。梁部23の長さは、柱部24の長さよりも長くなっている。したがって、掛止部22と内底面18との間には、幅方向Xに延びる略矩形状の掛止孔25が形成される。
【0018】
アウターヘッド15の基端部に位置する側壁26には、側壁26をU字状に切り欠いてなる第1開口部27が形成されている。側壁26における第1開口部27を幅方向Xで挟んだ両側には、孔28が対をなすように貫通して形成されている。
【0019】
図3、
図5及び
図6に示すように、インナーヘッド16は、アウターヘッド15と散水板17とで挟まれた状態で配置される。インナーヘッド16は、先端側に円板状のカップ部29を有し、基端側にカップ部29と一体形成されるとともにカップ部29の径方向に延びる管部30を有している。カップ部29におけるアウターヘッド15側の面は第1面31とされ、カップ部29における散水板17側の面は第2面32とされている。
【0020】
図5及び
図6に示すように、カップ部29の第1面31の中央部には円形に隆起した隆起部33が形成され、カップ部29の第2面32の中央部には散水板取付部の一例としての円形の凹部34が形成されている。隆起部33と凹部34とは表裏一体に形成され、第2面32の中央部を円形に窪ませて凹部34を形成することによって第1面31の中央部に円形の隆起部33が形成される。
【0021】
隆起部33の中央部には位置決め部を構成する位置決め凹部35が形成され、凹部34の中央部には円形の凸部36が形成されている。位置決め凹部35と凸部36とは表裏一体に形成され、凹部34の中央部を円形に隆起させて凸部36を形成することによって隆起部33の中央部に位置決め凹部35が形成される。管部30は、第1面31上に形成され、先端部30aが隆起部33に連結され、基端部30bがカップ部29の周縁よりも径方向の外側に突出している。管部30内は、凹部34内と連通している。凹部34の内側面には、雌ねじ部37が形成されている。
【0022】
管部30の基端部30bは円筒状をなしており、基端部30bの周面におけるカップ部29側の端部には幅方向Xの両側に延びる略矩形板状のフランジ38が設けられている。フランジ38における基端部30bを挟んだ幅方向Xの両側には孔39が対をなすように貫通して形成されている。フランジ38のカップ部29側の面における一対の孔39と対応する位置には、一対の孔39をそれぞれ延長する一対の有底円筒状の孔延長部40が形成されている。一対の孔延長部40は、フランジ38とカップ部29の周縁部とを連結している。
【0023】
管部30における基端部30b側の端面には、複数の鋸歯状の第1噛合突起41が周方向に等間隔となるように周方向全体にわたって設けられている。基端部30bの外周面における第1噛合突起41側の端部には、環状の溝42が形成されている。カップ部29の第1面31における隆起部33と2つの孔延長部40との間には、挿通孔43が対をなすようにそれぞれ貫通して形成されている。これら一対の挿通孔43は、管部30を幅方向Xに挟んで対向している。
【0024】
第1面31における中央部よりも先端側寄りの位置には、一対の十字状の突起44が隆起部33を幅方向Xに挟んで対向するように設けられている。第1面31における先端部、すなわち第1面31における一対の突起44よりも先端側の位置であって幅方向Xの中央部には、被掛止部45が形成されている。被掛止部45は、カップ部29の軸方向で対向する一対の矩形板状の側壁46と、一対の側壁46の基端部同士を連結する矩形板状の底壁47とを有しており、一対の側壁46のうちの第1面31側の側壁46が第1面31に固定されている。底壁47及び一対の側壁46は、幅方向Xに延びる溝48を形成する。
【0025】
図3~
図5に示すように、アウターヘッド15にインナーヘッド16を取り付ける際には、被掛止部45が掛止部22によって掛止され、一対のボス部20に一対の挿通孔43がそれぞれ当接し、一対の当接部21に一対の突起44がそれぞれ当接し、位置決め凹部35と位置決め凸部19とが凹凸嵌合(すきま嵌め)し、一対の孔39が一対の孔28とそれぞれ対向し、管部30の基端部30bが第1開口部27に挿入される。
【0026】
そして、一対のねじ49を一対の挿通孔43に挿通した状態で一対のボス部20にそれぞれ螺入するとともに、一対のねじ50を一対の孔28に挿通した状態で一対の孔39から一対の孔延長部40内にそれぞれ螺入することにより、アウターヘッド15にインナーヘッド16が収容された状態でアウターヘッド15にインナーヘッド16が固定される。
【0027】
この場合、
図7に示すように、アウターヘッド15の第1開口部27からは、インナーヘッド16の一部である管部30の基端部30bの一部がアウターヘッド15外へ突出する。本実施形態では、インナーヘッド16の管部30の基端部30bにおける第1開口部27からアウターヘッド15外へ突出する部分が第1突出部を構成している。したがって、インナーヘッド16の一部が第1開口部27から突出するという第1条件は満たされている。
【0028】
また、本実施形態では、インナーヘッド16のカップ部29の先端部に設けられた被掛止部45と、インナーヘッド16のカップ部29の基端部に設けられた一対の挿通孔43とによってアウターヘッド15に対して固定可能な固定部が構成されている。そして、上述したように、アウターヘッド15にインナーヘッド16を取り付ける際には、被掛止部45が掛止部22によって掛止され、一対の挿通孔43が一対のねじ49によって一対のボス部20に固定される。
【0029】
図3、
図6及び
図7に示すように、散水板17の内面には、インナーヘッド16のカップ部29に外嵌可能な円環状のリブ51が立設されている。散水板17の中央部には、インナーヘッド16の凹部34と対応する孔52が貫通するように形成されている。散水板17におけるリブ51と孔52との間の領域には、湯水を散水するための多数の小さな散水口53が形成されている。
【0030】
散水板17の孔52には、散水板17をインナーヘッド16の凹部34に取り付けるための有底円筒状のインナーフェイス54が挿入可能になっている。インナーフェイス54の外周面には、凹部34の雌ねじ部37と螺合可能な雄ねじ部55が形成されている。そして、インナーフェイス54を散水板17の孔52に挿入した状態で凹部34内に螺入することにより、インナーフェイス54によって散水板17がインナーヘッド16に取り付けられる。
【0031】
これにより、アウターヘッド15の開口部56が散水板17によって閉塞される。インナーフェイス54の底壁には、散水口53よりも径が若干大きい複数の散水口57が形成されている。なお、インナーフェイス54内には、複数の孔58を有した円形のミストプレート59が配置されている。
【0032】
図2及び
図3に示すように、グリップ部12は、側面に略矩形状の開口部60が形成されたケース61と、開口部60を塞ぐようにケース61に対して着脱自在に取り付けられる略矩形板状のカバー62とを備えている。ケース61の先端には円形の第2開口部63が形成され、ケース61の基端には円形の第3開口部64が形成されている。ケース61内には、ケース61よりも若干長いインナー部材の一例としてのパイプ部材65が収容された状態で略U字状の取付具66によって取り付けられている。
【0033】
パイプ部材65は、内部に通水可能であり、長手方向において2つに分割されている。すなわち、パイプ部材65は、ケース61内の先端側に配置された第1パイプ部材67と、ケース61内の基端側に配置された第2パイプ部材68とを備えている。第1パイプ部材67の先端部67aは、円筒状をなしており、ヘッド部13側に屈曲している。
【0034】
この場合、第1パイプ部材67の先端部67aの一部は、第2開口部63からケース61外に突出する。本実施形態では、第1パイプ部材67の先端部67aにおける第2開口部63からケース61外へ突出する部分が第2突出部を構成している。したがって、パイプ部材65の一部が第2開口部63から突出するという第2条件は満たされている。第1パイプ部材67の基端部67bにおけるカバー62側とは反対側の面には、一対の孔69を有した孔形成部70が設けられている。
【0035】
第2パイプ部材68の先端部68aは、第1パイプ部材67の基端部67bと連通状態で連結されている。第2パイプ部材68の基端部68bは、第3開口部64からケース61外に突出している。第2パイプ部材68の基端部68bには、シャワーヘッド11に対して湯水を供給するための図示しないホースなどが接続されるようになっている。なお、カバー62の内面における先端部には、第1パイプ部材67を避けるように円筒状の一対のボス部71が形成されている。すなわち、一対のボス部71は、第1パイプ部材67を挟んだ両側に配置される。
【0036】
図8及び
図9に示すように、第1パイプ部材67の先端部67aは、コイルばね72及び円環状のストッパー73に挿通された状態で、インナーヘッド16の管部30の基端部30bに回転可能に挿嵌されている。すなわち、インナーヘッド16と第1パイプ部材67とは連通状態で回転可能に接続されている。この場合、インナーヘッド16の管部30の基端部30b及び第1パイプ部材67の先端部67aのそれぞれの軸線は、互いに一致しているとともに、グリップ部12に対するヘッド部13の回転中心になっている。
【0037】
さらにこの場合、第1パイプ部材67の先端部67aの外周面には、先端部67aの外周面と基端部30bの内周面との間を水密状態となるようにシールするOリングなどのシール部材110が2つ装着されている。先端部67aの軸方向において、これら2つのシール部材110の位置は第1開口部27の位置及び第2開口部63の位置とそれぞれ一致している。
【0038】
インナーヘッド16の管部30の基端部30bは、第2開口部63からケース61内に挿入されている。すなわち、インナーヘッド16の管部30の基端部30bには、第2開口部63が外嵌している。ストッパー73は、第1パイプ部材67の先端部67aに対して、軸線方向に摺動可能であって且つ周方向に回転不能となるように、係合している。ストッパー73における管部30の基端部30b側の面には、管部30における基端部30b側の端面に設けられた複数の鋸歯状の第1噛合突起41と噛合可能な複数の鋸歯状の第2噛合突起74が周方向に等間隔となるように、周方向全体にわたって設けられている。
【0039】
コイルばね72は、ストッパー73を常に管部30の基端部30b側に向かって付勢している。このため、ストッパー73の複数の第2噛合突起74は、管部30の基端部30bの複数の第1噛合突起41とそれぞれ噛合している。アウターヘッド15とケース61との間には、管部30の基端部30bに外嵌するように潤滑用のワッシャー75が配置されている。
【0040】
ケース61内に位置する管部30の基端部30bの溝42には、管部30の基端部30bがケース61の第2開口部63から抜けないようにするためのEリング76が嵌合されている。Eリング76と第2開口部63との間には、潤滑用のワッシャー77が配置されている。そして、ヘッド部13をグリップ部12に対して回転させると、ストッパー73の複数の第2噛合突起74と管部30の基端部30bの複数の第1噛合突起41とが互いに他を乗り越えるように周方向に移動する。
【0041】
すると、コイルばね72の付勢力に抗してストッパー73がコイルばね72側に押されて複数の第2噛合突起74と複数の第1噛合突起41との噛合状態が一時的に解除される。引き続き、ヘッド部13をグリップ部12に対して回転させることによって、複数の第2噛合突起74と複数の第1噛合突起41とが互いに他を乗り越えると、コイルばね72の付勢力によって複数の第2噛合突起74と複数の第1噛合突起41とが再び噛合状態となる。したがって、シャワーヘッド11では、ヘッド部13のグリップ部12に対する回転角度を、第1噛合突起41または第2噛合突起74の1つ分の角度単位で変更することができる。
【0042】
図3及び
図10に示すように、グリップ部12のケース61における先端側の位置であってカバー62側とは反対側の壁部には、取付部材を構成する吸着部の一例としてのマグネットユニット14がねじ78によって取り付けられる取付部79が設けられている。取付部79は、ケース61の壁部の一部を形成する略矩形板状の取付板80と、取付板80に貫通するように形成された非真円形状の一例である正六角形状をなす一対の貫通孔81と、一対の貫通孔81にそれぞれ挿入されるナットの一例としての一対のフランジナット82とを備えている。
【0043】
フランジナット82は、グリップ部12を構成する合成樹脂よりも硬い材料によって構成することが好ましい。すなわち、フランジナット82は、例えばグリップ部12を構成する合成樹脂よりも硬い合成樹脂、あるいは金属によって構成することが好ましい。本実施形態ではフランジナット82が金属によって構成されている。一対の貫通孔81は、取付板80の長手方向において離れて並ぶように配置されている。
【0044】
フランジナット82は、円板状のフランジ部83と、外形が貫通孔81の形状と対応する正六角形状をなすナット部84とを有している。すなわち、貫通孔81は、ナット部84の外形と対応する形状になっている。貫通孔81には、ケース61の取付板80の内側からナット部84が挿入される。
【0045】
この場合、貫通孔81及びナット部84は共に非真円形状の一例である正六角形状であるため、貫通孔81内でのナット部84の回転が規制される。フランジ部83の最大幅(直径)は、貫通孔81の最大幅(孔径)よりも広く(大きく)なっている。したがって、フランジ部83は、貫通孔81を通らない。つまり、フランジナット82は、ケース61の取付板80の内側からナット部84を貫通孔81に挿入した際に、フランジ部83によって取付板80の外側への移動が規制される。
【0046】
第1パイプ部材67における一対のフランジナット82と対応する位置には、フランジナット82が取付板80の外側から内側に向かって押圧された場合にフランジナット82を受け止める受止部85がそれぞれ突設されている。そして、フランジナット82は、ケース61の取付板80の内側からナット部84を貫通孔81に挿入した際に、フランジ部83が受止部85に接触する。つまり、フランジナット82は、回転及び取付板80の外側への移動が規制された状態で、受止部85に接触する。
【0047】
取付板80の長手方向の両端部には、略矩形状の一対の孔86が貫通するように形成されている。取付板80におけるカバー62の一対のボス部71と対応する位置には、一対の孔87が貫通するように形成されている。取付板80における孔形成部70の一対の孔69と対応する位置には、一対の孔88が貫通するように形成されている。
【0048】
そして、一対のねじ89を取付板80の一対の孔87にそれぞれ挿通した状態でカバー62の一対のボス部71に螺入することでケース61にカバー62が固定される。また、一対のねじ90を取付板80の一対の孔88にそれぞれ挿通した状態で孔形成部70の一対の孔69に螺入することでケース61に第1パイプ部材67(パイプ部材65)が固定される。
【0049】
マグネットユニット14は、略有底矩形箱状をなすマグネットケース91と、マグネットケース91に収容される一対の矩形板状のマグネット92と、一対のマグネット92に対してそれぞれ一体に貼着された一対のヨーク93とを備えている。マグネットケース91における取付板80の一対の孔86と対応する位置には、略矩形状の一対の孔94が貫通するように形成されている。マグネットケース91における取付板80の一対の貫通孔81と対応する位置には、一対の孔99が貫通するように形成されている。
【0050】
マグネットケース91の裏面における長手方向の両端部には、一対の係止爪95が形成されている。マグネットケース91は、一対の係止爪95を取付板80の一対の孔86に挿入することで取付板80に係止される。マグネットケース91は、係止爪95において取付板80に係止された後、一対の孔94が一対のエラストマー製のキャップ96によって塞がれる。
【0051】
各マグネット92の中央部には孔97が貫通するように形成され、各ヨーク93の中央部にはマグネット92の孔97と対応する孔98が貫通するように形成されている。マグネット92の孔97、ヨーク93の孔98、マグネットケース91の孔99、取付板80の貫通孔81、及びフランジナット82は、軸線が同一になっている。
【0052】
そして、一対のねじ78を一対のマグネット92の孔97、一対のヨーク93の孔98、マグネットケース91の一対の孔99、及び取付板80の一対の貫通孔81にそれぞれ挿通した状態で一対のフランジナット82に螺入することにより、マグネットユニット14が取付部79に取り付けられる。
【0053】
次に、アウターヘッド15にインナーヘッド16を取り付けるときの作用について説明する。
アウターヘッド15にインナーヘッド16を取り付ける場合には、まず、
図11に示すように、アウターヘッド15に対してインナーヘッド16を斜めにした状態でインナーヘッド16の被掛止部45をアウターヘッド15の掛止部22に近づけて、掛止部22の梁部23と被掛止部45の溝48とを対向させる。続いて、掛止部22に向かってインナーヘッド16を押圧すると、
図12に示すように、被掛止部45の溝48内に掛止部22の梁部23が挿入される。
【0054】
続いて、掛止部22の梁部23を回動中心としてインナーヘッド16をアウターヘッド15に向かって回動させると、
図13に示すように、インナーヘッド16がアウターヘッド15内に収容される。このとき、アウターヘッド15の位置決め凸部19とインナーヘッド16の位置決め凹部35とが凹凸嵌合(すきま嵌め)されることで、アウターヘッド15に対するインナーヘッド16の位置決めがなされる。
【0055】
さらにこのとき、インナーヘッド16の管部30の基端部30bは、第1開口部27に挿入される。その後、
図3~
図5に示すように、一対のねじ49を一対の挿通孔43に挿通した状態で一対のボス部20にそれぞれ螺入することにより、
図14に示すように、アウターヘッド15に対するインナーヘッド16の取り付け作業が完了する。
【0056】
次に、グリップ部12の取付部79にマグネットユニット14を取り付けるときの作用について説明する。
図3及び
図10に示すように、グリップ部12の取付部79にマグネットユニット14を取り付ける場合には、まず、マグネットケース91を係止爪95において取付板80に係止させる。続いて、一対のマグネット92と一対のマグネット92に対してそれぞれ一体に貼着された一対のヨーク93とをマグネットケース91に収容する。
【0057】
続いて、一対のねじ78を、一対のマグネット92の孔97、一対のヨーク93の孔98、及びマグネットケース91の一対の孔99に挿通した状態でフランジナット82に螺入する。これにより、グリップ部12の取付部79に対するマグネットユニット14の取り付け作業が完了する。
【0058】
このとき、取付板80の貫通孔81及び貫通孔81に挿入されたフランジナット82のナット部84は共に正六角形状であるため、貫通孔81内でのナット部84の回転が規制される。このため、ねじ78をフランジナット82に螺入する際にフランジナット82が共回りすることが抑制される。さらにこのとき、フランジナット82は第1パイプ部材67の受止部85によって内側から支えられるため、フランジナット82が外側からねじ78によって押圧されてもフランジナット82ががたつくことが抑制される。したがって、ねじ78をフランジナット82に対して容易に螺入することができる。
【0059】
次に、シャワーヘッド11の使用時の作用について説明する。
図1及び
図2に示すように、シャワーヘッド11は、グリップ部12を手で把持して散水口53,57から湯水を吐出させて使用される。このとき、グリップ部12は、湯水が通水されるパイプ部材65がケース61内に収容された所謂二重管構造であるため、優れた断熱性を発揮する。また、シャワーヘッド11は、グリップ部12に対してヘッド部13を回転させることができるので、グリップ部12を把持した手の向きを変えなくても散水口53,57からの湯水の吐出方向を自由に変更することができる。
【0060】
この場合、
図8に示すように、ヘッド部13とグリップ部12との連結部分は、第1パイプ部材67の先端部67aがインナーヘッド16の管部30の基端部30bに回転可能に挿嵌されるとともに、ケース61の第2開口部63がインナーヘッド16の管部30の基端部30bに外嵌した構造になっている。このため、グリップ部12に対してヘッド部13を回転させるときの回転中心がぶれ難くなるので、グリップ部12に対してヘッド部13を精度よく安定して回転させることができる。
【0061】
また、
図1及び
図2に示すように、シャワーヘッド11のグリップ部12には、マグネットユニット14が設けられている。このため、マグネットユニット14を例えばシャワールームの磁性を有した壁面に磁力によって着脱自在に吸着させることができるので、シャワーヘッド11を支持するためのフックなどが不要となる。この場合、シャワールームの壁面におけるシャワーヘッド11の吸着位置に応じてグリップ部12に対してヘッド部13を回転させることで、湯水の吐出方向を所望の方向に調整できる。したがって、本実施形態のシャワーヘッド11は、非常に使い勝手の良いものであると言える。
【0062】
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)シャワーヘッド11において、インナーヘッド16はアウターヘッド15に対して固定可能な複数の固定部を有しており、アウターヘッド15は複数の上記固定部のうちの一つである被掛止部45を掛止する掛止部22を有している。この構成によれば、掛止部22によって掛止される被掛止部45は、ねじを使うことなくアウターヘッド15に固定できる。このため、アウターヘッド15における掛止部22によって掛止される被掛止部45と対応する部分は、ねじを締め込むための厚さを確保する必要がなくなる。したがって、設計の自由度を向上できる。
【0063】
(2)シャワーヘッド11において、インナーヘッド16は、先端部と基端部とにそれぞれ固定部を有しており、先端部に位置する固定部である被掛止部45がアウターヘッド15の掛止部22によって掛止され、基端部に位置する固定部である一対の挿通孔43が一対のねじ49によってアウターヘッド15の一対のボス部20に固定されている。この構成によれば、アウターヘッド15における掛止部22によって掛止される被掛止部45と対応する部分の厚さを抑制しつつ、ねじ49によりインナーヘッド16をアウターヘッド15に対して強固に固定することができる。
【0064】
(3)シャワーヘッド11において、アウターヘッド15には位置決め凸部19が設けられ、インナーヘッド16にはアウターヘッド15にインナーヘッド16を取り付ける際に位置決め凸部19と凹凸嵌合することによってアウターヘッド15に対するインナーヘッド16の位置決めを行う位置決め凹部35が設けられている。この構成によれば、アウターヘッド15に対してインナーヘッド16を精度よく取り付けることができる。
【0065】
(4)シャワーヘッド11において、インナーヘッド16は、散水板17が取り付けられる凹部34を有している。この構成によれば、インナーヘッド16に散水板17を容易に取り付けることができる。
【0066】
(5)シャワーヘッド11において、アウターヘッド15に第1開口部27から一部が突出するように収容された状態で取り付けられるインナーヘッド16と、グリップ部12に第2開口部63から一部が突出するように収容された状態で取り付けられるパイプ部材65とは、連通状態で回転可能に接続されている。この構成によれば、内部に湯水が流れるインナーヘッド16及びパイプ部材65は、それぞれアウターヘッド15及びグリップ部12に収容されているため、湯水に対する断熱性を確保できる。加えて、パイプ部材65に対してインナーヘッド16が回転可能に接続されているため、グリップ部12に対するヘッド部13の向きを変えることができる。したがって、断熱性を確保しつつ、使い勝手を向上することができる。
【0067】
(6)シャワーヘッド11において、第1パイプ部材67の先端部67a(第2突出部)はインナーヘッド16の管部30の基端部30bに回転可能に挿嵌され、インナーヘッド16の管部30の基端部30b(第1突出部)には第2開口部63が外嵌している。この構成によれば、第1パイプ部材67に対してインナーヘッド16を回転させる際の回転中心がぶれにくくなるので、第1パイプ部材67(グリップ部12)に対してインナーヘッド16(ヘッド部13)を精度よく安定して回転させることができる。この場合、インナーヘッド16の管部30の基端部30bが第1開口部27から突出するとともに第1パイプ部材67の先端部67aが第2開口部63から突出している。このため、基端部30bが第1開口部27から突出しない場合または先端部67aが第2開口部63から突出しない場合に比べて、基端部30b及び先端部67aの軸方向における基端部30bと先端部67aとの連結部分の長さを短く抑えることができる。
【0068】
(7)シャワーヘッド11において、グリップ部12には、シャワールームなどの磁性を有した壁面に対して磁力によって着脱自在に吸着可能なマグネットユニット14が設けられている。この構成によれば、シャワーヘッド11を上記壁面における任意の位置に磁力によって吸着させて使用することができる。
【0069】
(8)シャワーヘッド11において、グリップ部12の壁部に設けられた取付部79は上記壁部を貫通する貫通孔81と貫通孔81に挿入されるフランジナット82とを備え、フランジナット82は回転及び上記壁部の外側への移動が規制された状態でパイプ部材65に接触している。この構成によれば、取付部79のフランジナット82にねじ78を螺入することによってマグネットユニット14をグリップ部12の壁部に取り付けることができるので、上記壁部にねじ78を直接螺入する必要がない。このため、グリップ部12の壁部の厚さをねじ78が十分に螺入できる厚さまで厚くする必要がない。したがって、取付部材がねじ78によって取り付けられるグリップ部12の壁部の厚さを薄くすることができる。
【0070】
(9)シャワーヘッド11において、ナットは、フランジ部83と外形が正六角形状をなすナット部84とを有し、ナット部84がグリップ部12の壁部の内側から貫通孔81に挿入されるフランジナット82であり、貫通孔81は、ナット部84の外形と対応する形状になっており、フランジ部83は、貫通孔81よりも最大幅が広い。この構成によれば、フランジナット82のフランジ部83は、貫通孔81よりも最大幅が広いため、グリップ部12の壁部の外側へのフランジナット82の移動を規制する規制部として機能する。すなわち、ナットをフランジナット82にすることで、グリップ部12の壁部の外側へのナットの移動を規制する規制部をグリップ部12の壁部に設ける必要がないので、グリップ部12の壁部の厚さをより一層薄くすることができる。
【0071】
(10)シャワーヘッド11において、第1パイプ部材67におけるフランジナット82と対応する位置には、フランジナット82がグリップ部12の壁部の外側から内側に向かって押圧された場合にフランジナット82を受け止める受止部85が設けられている。この構成によれば、フランジナット82にねじ78を螺入する場合に、受止部85によってフランジナット82ががたつくことを抑制できる。このため、フランジナット82にねじ78を安定して螺入することができる。
【0072】
(11)シャワーヘッド11において、ねじ78が螺入されるフランジナット82はグリップ部12を構成する合成樹脂よりも硬い金属によって構成されているため、フランジナット82の厚さ(雌ねじ部分の長さ)を薄く(短く)しても強度を確保できる。加えて、フランジナット82のナット部84はナット部84の厚さと同じ深さの貫通孔81に収容(遊嵌)されているため、フランジナット82の厚さが取付部79の厚さになっている。したがって、グリップ部12の壁部に設けられた取付部79の厚さをより薄くすることができる。
【0073】
(変更例)
なお、上記実施形態は次のように変更してもよい。
・
図15に示すように、取付部79において、貫通孔81を段付孔100に変更し、フランジナット82を段付孔100に回転不能に挿入されるフランジ部を有さない通常の六角ナット101に変更してもよい。
【0074】
・
図16に示すように、取付部79において、貫通孔81を段付孔102に変更し、フランジナット82を段付孔102に回転不能に挿入される六角段付ナット103に変更してもよい。このようにすれば、六角段付ナット103は、上述の六角ナット101に比べてねじ溝の距離が長いので、ねじ78(
図10参照)との螺合距離を稼ぐことができる。
【0075】
・インナーヘッド16に固定部を2つ以上設け、アウターヘッド15に2つ以上の固定部をそれぞれ掛止可能な2つ以上の掛止部を設けるようにしてもよい。この場合、全ての固定部を掛止部によってそれぞれ掛止することによってアウターヘッド15にインナーヘッド16を取り付けるようにしてもよい。すなわち、ねじを全く使わずにアウターヘッド15にインナーヘッド16を取り付けるようにしてもよい。
【0076】
・インナーヘッド16における被掛止部45と一対の挿通孔43との位置を入れ替えるとともに、アウターヘッド15における掛止部22と一対のボス部20との位置を入れ替えるようにしてもよい。
【0077】
・アウターヘッド15に位置決め凸部19の代わりに位置決め部として凹部を設け、インナーヘッド16に位置決め凹部35の代わりに位置決め部として上記凹部と凹凸嵌合可能な凸部を設けるようにしてもよい。
【0078】
・アウターヘッド15の位置決め凸部19及びインナーヘッド16の位置決め凹部35は、省略してもよい。
・インナーヘッド16における散水板取付部としての凹部34は省略してもよい。この場合、散水板17はアウターヘッド15に取り付けられる。
【0079】
・グリップ部12には、マグネットユニット14の代わりに吸着部として吸盤を設けるようにしてもよい。
・グリップ部12におけるマグネットユニット14は省略してもよい。
【0080】
・インナーヘッド16の管部30の基端部30b(第1突出部)を第1パイプ部材67の先端部67a(第2突出部)に回転可能に挿嵌し、第1パイプ部材67の先端部67a(第2突出部)に第1開口部27を外嵌させるようにしてもよい。
【0081】
・第1パイプ部材67における受止部85は省略してもよい。
・取付部材は、必ずしも吸着部である必要はなく、例えば化粧板などによって構成してもよい。
【0082】
・インナー部材は、必ずしもパイプ部材65である必要はなく、グリップ部12のケース61内に固定されたパイプ部材65以外の部品であってもよい。
・第1条件及び第2条件のうちいずれか一方は満たされていなくてもよい。
【符号の説明】
【0083】
11…シャワーヘッド、12…グリップ部、14…取付部材を構成する吸着部の一例としてのマグネットユニット、65…インナー部材の一例としてのパイプ部材、78…ねじ、79…取付部、81…貫通孔、82…ナットの一例としてのフランジナット、83…フランジ部、84…ナット部、85…受止部。