IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SMC株式会社の特許一覧
<>
  • 特許-ストッパ装置 図1
  • 特許-ストッパ装置 図2
  • 特許-ストッパ装置 図3
  • 特許-ストッパ装置 図4
  • 特許-ストッパ装置 図5
  • 特許-ストッパ装置 図6
  • 特許-ストッパ装置 図7
  • 特許-ストッパ装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】ストッパ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/88 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
B65G47/88 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019101138
(22)【出願日】2019-05-30
(65)【公開番号】P2020193100
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】星 直樹
(72)【発明者】
【氏名】塩見 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】宮原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】石井 浩介
(72)【発明者】
【氏名】古林 敏宏
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-176004(JP,A)
【文献】特開平5-31519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動機構に接続されて第1方向に変位するとともに、前記第1方向に対して傾斜したカム溝が形成された第1カム部材と、
前記カム溝に係合して前記カム溝に平行な方向に摺動するカム突起を有し、前記第1カム部材の変位に伴って前記第1方向と異なる第2方向に変位する第2カム部材と、
前記第2カム部材の外周部に装着されて前記第2カム部材を前記第2方向に案内するとともに、前記第1カム部材と当接することで前記第1カム部材の前記第2方向への変位を阻止する環状案内部材と、
を備えた、ストッパ装置。
【請求項2】
請求項1記載のストッパ装置であって、前記環状案内部材は、前記第1カム部材の一部を収容するとともに前記第1方向に延びた溝状凹部を備え、前記第1カム部材を前記第1方向に案内する、ストッパ装置。
【請求項3】
請求項2記載のストッパ装置であって、前記環状案内部材の前記溝状凹部は、前記第1カム部材と線接触する、ストッパ装置。
【請求項4】
請求項2記載のストッパ装置であって、前記環状案内部材の前記溝状凹部は、前記第1カム部材と面接触するストッパ装置。
【請求項5】
請求項2記載のストッパ装置であって、前記第1カム部材の外周部は、前記溝状凹部と接触する円弧状外面を有し、
前記溝状凹部は、前記第1カム部材の前記円弧状外面と同一曲率の円弧状ガイド面を有する、ストッパ装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のストッパ装置であって、前記第1カム部材の前記カム溝は、前記第2カム部材側に形成された開口部と、前記開口部の奥側に形成され前記開口部よりも幅広に形成された係合部と、を有し、
前記第2カム部材の前記カム突起は、前記開口部よりも狭く形成された狭小部と、前記狭小部の先端側に幅広に形成された幅広部と、を有し、
前記係合部に前記幅広部が係合して摺動する、ストッパ装置。
【請求項7】
請求項6記載のストッパ装置であって、前記幅広部及び前記係合部は、前記第1カム部材と前記第2カム部材との摺動面に垂直な厚さ方向の寸法において、前記幅広部の方が前記係合部よりも小さく形成されており、前記幅広部と前記係合部とに前記厚さ方向に隙間が形成されている、ストッパ装置。
【請求項8】
請求項6又は7記載のストッパ装置であって、さらに、前記第1カム部材を挟んで前記第2カム部材と対向する部位に配置され、前記第1カム部材を支持するエンドカバーを備える、ストッパ装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のストッパ装置であって、前記駆動機構は前記第1カム部材の前記第1方向の基端側に設けられている、ストッパ装置。
【請求項10】
請求項9記載のストッパ装置であって、前記駆動機構は前記第1カム部材に接続されたネジ軸部と、前記ネジ軸部を回動させるモータとを備えている、ストッパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
搬送されるワークを停止させ、所定位置に位置決めするストッパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のローラコンベア等で構成された搬送ラインにおいて、搬送されるワークを所定位置で停止させるためのストッパ装置が提案されている(特許文献1)。このストッパ装置は、直線状に進退可能なロッドと、ロッドの先端に係合するレバー部材とを有している。そして、このストッパ装置は、搬送ラインにおいて隣接するローラコンベアの間隙からレバー部材を搬送面より上方に向かって所定長だけ突出させることで、レバー部材に設けられたガイドローラにワークを当接させて、ワークを停止させるストッパとして機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-216407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ストッパ装置において、ロッドを駆動する機構として、ロッドの駆動方向と直交する方向に変位を発生させる送りネジ機構と、送りネジ機構の変位を異なる方向に変換してロッドに伝達するカム機構とを設けることも考えられる。
【0005】
ストッパ装置に、カム機構を設ける場合には、円滑な動作を可能とするためにカム機構に所定の隙間が設けられている。ところが、ロッドにワーク等から横荷重が加わったままの状態で、例えばロッドを引き込む方向に駆動させようとすると、カム機構に設けられた隙間により、カム面(摺動面)が傾いてしまうことがある。その結果、カム機構の動作抵抗が増大し、ロッドの動作速度が不安定になることがある。
【0006】
そこで、本発明は、カム機構を有するストッパ装置において、カム機構の動作抵抗の変動を防いで動作速度を安定化させるストッパ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の開示の一観点は、駆動機構に接続されて第1方向に変位するとともに、前記第1方向に対して傾斜したカム溝が形成された第1カム部材と、前記カム溝に係合して前記カム溝に平行な方向に摺動するカム突起を有し、前記第1カム部材の変位に伴って前記第1方向と異なる第2方向に変位する第2カム部材と、前記第2カム部材の外周部に装着されて前記第2カム部材を前記第2方向に案内するとともに、前記第1カム部材と当接することで前記第1カム部材の前記第2方向への変位を阻止する環状案内部材と、を備えた、ストッパ装置にある。
【発明の効果】
【0008】
上記一観点のストッパ装置によれば、カム機構の第1カム部材の第2方向への変位を防ぐことで、第1カム部材の第2カム部材に対する傾斜を防ぐことができる。その結果、カム機構の動作抵抗が安定化され、ロッドの動作速度を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係るストッパ装置のコンベヤーラインへの適用例を示す説明図である。
図2】第1実施形態に係るストッパ装置の外観を示す斜視図である。
図3図2のストッパ装置の駆動機構及びカム機構を示す斜視図である。
図4図2のストッパ装置の第2カム部材及び環状案内部材を示す斜視図である。
図5図2のストッパ装置を短手方向中央で切断して示す断面図である。
図6図5のVI-VI矢視断面図である。
図7】第2構成例に係る環状案内部材の斜視図である。
図8図7の環状案内部材と第1カム部材との当接部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
本実施形態に係るストッパ装置10は、例えば、図1に示すようにコンベヤ102を備えたコンベヤーライン100に設置して用いられる。コンベヤーライン100は、コンベヤ102によってワーク104を搬送する。ストッパ装置10は、コンベヤーライン100の所定位置に設置される。ストッパ装置10は、本体部12を介して駆動機構14の駆動力をロッド16に伝えることで、ロッド16を所定方向(図の上下方向)に進退させることができる。本体部12の内部には、駆動力の向きを変換するべく、カム機構50が設けられている。
【0012】
ロッド16の先端には、例えばローラ98を備えたアーム99が装着されている。コンベヤーライン100を搬送されてきたワーク104を通過させる場合には、ストッパ装置10は、ロッド16を後退させて、アーム99をワーク104の移動経路から退避させる。また、ワーク104を停止させる場合には、ロッド16を前進させて、アーム99をワーク104に当接させることで、搬送されてきたワーク104の移動を阻止する。
【0013】
このようにして、ストッパ装置10は、所望の位置でワーク104を停止させるために使用される。なお、ストッパ装置10のロッド16の先端には、図示のような腕部が動くレバー型のアーム99以外にも様々なアームを取り付けることができる。例えば、ローラ98のみを備えた固定式のアームや、ローラ98を有しない棒状のアームのみのものも使用可能となっている。
【0014】
ところで、ストッパ装置10において、ロッド16には、ワーク104から横方向の荷重が入力される場合がある。このような荷重は、本体部12のカム機構50に負荷を与え、カム機構50の円滑な動作を妨げる方向に作用する。本実施形態のストッパ装置10では、ロッド16に対して横方向の荷重が入力された場合であっても、ロッド16が安定した動作を行うことが可能に構成されている。以下、ストッパ装置10の詳細について説明する。
【0015】
図2に示すように、本実施形態のストッパ装置10は、第1方向に沿った変位を発生させる駆動機構14と、駆動機構14の第1方向の変位を第2方向の変位に変換するカム機構50(図3参照)を内蔵した本体部12と、本体部12から第2方向に突出し、第2方向に進退移動可能に構成されたロッド16とを備えている。なお、本実施形態においては、第1方向と第2方向とは直交しているものとする。
【0016】
本体部12は、第1方向に延びた外観が略直方体状の第1筐体22と、第2方向に延びた外観が略直方体状の第2筐体20とを備えており、L字型の外観形状に形成されている。第1筐体22は、第1方向の基端及び先端が開口した角筒状に形成されている。第1筐体22の第1方向の基端には、駆動機構14が接続されており、第1筐体22の第1方向の先端には第2筐体20が接続されている。
【0017】
第2筐体20は、第2方向(第2筐体20の長手方向)の両端が開口した角筒状に形成されている。また、図5に示すように、第2筐体20の第1方向の側部には第1筐体22の内部空間と連通する開口部20cが設けられている。図2に示すように、第2筐体20の第2方向の一方の端部(基端部)にはエンドカバー60が装着されており、第2筐体20の基端側の開口を封じている。また、第2筐体20の第2方向の他方の端部(先端部)には、円筒状のロッドカバー18が装着されている。このロッドカバー18は、第2筐体20の先端側の開口を封じる。ロッド16は、ロッドカバー18の挿通孔18aを貫通して第2方向の先端側に突出している。
【0018】
第1筐体22及び第2筐体20は、例えば、各種鋼材、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金、銅合金等の金属材料、又は各種樹脂材料によって構成されている。第1筐体22と第2筐体20とは、ネジ止めにより接合されている。また、第2筐体20の四隅には、コンベヤーライン100等への設置のための装着孔20aが形成されている。
【0019】
図3に示すように、第1筐体22及び第2筐体20の内部には、カム機構50が設けられている。カム機構50は、ネジ軸部28の先端に接続された第1カム部材30と、ロッド16の基端に接続された第2カム部材40とを備えている。このうち、第1カム部材30は、ネジ軸部28によって第1方向に変位する部材であり、第1方向に略円柱状に延びて形成される。第1カム部材30の両側部(短手方向の側部)には、ネジ軸部28との供回りを防ぐべく、第1位方向に平行な切欠面30aが形成されている。この切欠面30aは、第2筐体20の開口部20cと当接することで、第1カム部材30の第1軸82周りの回転を阻止する。
【0020】
第1カム部材30の第1方向の先端部には、第1カム部材30の第2方向寄りの一部を斜めに切り欠いてなる第1カム面34が形成されている。この第1カム面34は、第1方向及び第2方向に対して傾斜した傾斜面よりなる。第1カム面34には、第2カム部材40と当接して摺動するカム溝38が形成されている。特に限定されるものではないが、第1カム面34は、第1方向及び第2方向に対して45°傾いている。
【0021】
カム溝38は、第1カム面34(摺動面)の短手方向の中央部に沿って形成されている。カム溝38は、第1方向及び第2方向の間の方向に向けて延びており、第1カム面34の法線方向に一定の深さで形成されている。カム溝38は、第1カム面34の表面近くの開口部38bと、その奥側に形成された係合部38aとを備える。開口部38bの幅(短手方向の幅)は、奥側の係合部38aの幅(短手方向の幅)よりも相対的に狭く形成されている。カム溝38をその延在方向から見ると、断面が逆T字状に形成されている。このカム溝38には、第2カム部材40のカム突起45が挿入され、カム突起45がカム溝38に沿って摺動して移動するように構成されている。
【0022】
図5に示すように、第1カム部材30には、第1軸82に沿ってネジ孔35が形成されている。ネジ孔35は第1カム部材30の基端部において開口するとともに、先端側がカム溝38にまで延びて形成されている。そのネジ孔35には、基端側からネジ軸部28が挿入されている。ネジ孔35の内周部にはネジ溝35aが形成されており、ネジ軸部28のネジ山28aと螺合している。駆動機構14がネジ軸部28を第1軸82周りに回動させることで、第1軸82に沿って第1カム部材30が先端側に向けて前進し、又は基端側に向けて後退する。すなわち、第1カム部材30は、駆動機構14によって第1方向に進退する。
【0023】
図3に示すように、第1カム部材30は、第2方向基端側に設けられたエンドカバー60によって支持される。エンドカバー60は、図5に示すように、第2筐体20の第2貫通孔20bの第2方向基端側を閉塞する部材である。図3に示すように、エンドカバー60は、平坦な底面60aと、底面60aの短手方向の両側から第2方向先端側に向けて突出した一対の側壁60bとを備えている。底面60aは第1カム部材30の底部に当接し、側壁60bは第1カム部材30の切欠面30aに対向して配置される。第1カム部材30は、その底部が底面60aに支持されることにより、第2カム部材40を介して第2方向基端側への荷重の入力に対して変位しないように保持される。また、第1カム部材30はエンドカバー60の底面60aと線接触しつつ摺動して、第1軸82の方向に進退する。なお、エンドカバー60は、ネジ64によって、第2筐体20に接合される。
【0024】
図4に示すように、第2カム部材40は、第2方向に延びる本体40aと、本体40aの第2方向の基端側から延び出るカム突起45とを備える。本体40aは、短手方向の寸法が第1方向の寸法よりも狭く形成された板状に形成されている。カム突起45は、カム溝38(図3参照)に係合する部分であり、本体40aの基端側に突出するとともに、第2方向に対して傾斜して形成されている。
【0025】
カム突起45は、本体40aから第2方向の基端側に延び出た狭小部42と、狭小部42の第2方向の基端側に隣接し、短手方向に拡幅する幅広部46とを備えている。図3に示すように、狭小部42は、短手方向の両側から本体40aを斜めに溝状に切り欠いて形成された部分であり、短手方向の寸法が、カム溝38の開口部38bの幅よりも狭く形成されている。幅広部46は、短手方向の寸法が、開口部38bの幅よりも広く形成れ、且つ、係合部38aの幅よりも僅かに狭く形成されている。すなわち、カム突起45は、その延在方向から見ると断面が逆T字状に形成されている。カム突起45は、幅広部46がカム溝38の係合部38aに係合しつつ、カム溝38の延在方向に沿って、第1カム部材30と摺動可能となっている。
【0026】
図3に示すように、第1カム部材30を第1方向先端側に送り出す方向に変位させると、幅広部46の基端部に形成された端面46a(第2カム面)がカム溝38の底面38a1と摺動して、第2カム部材40を第2方向先端側に突出するように変位させる。また、第1カム部材30を第1方向基端側に引き込む場合には、狭小部42と幅広部46との段差部がカム溝38の係合部38aの上面38a2と摺動して、第2カム部材40を第2方向基端側に後退するように変位させる。
【0027】
なお、カム突起45は、カム溝38とスムーズに摺動できるように、幅広部46の厚さ(第1カム面34の法線方向の寸法)が、カム溝38の係合部38aの深さ(第1カム面34の法線方向の寸法)よりもわずかに小さくなるように形成されている。すなわち、カム突起45の幅広部46とカム溝38の係合部38aとの間には、第1カム面34の法線方向において、所定の間隙を生ずるように構成されている。
【0028】
図5に示すように、第2カム部材40の本体40aの第2方向先端側には、肩部40bが形成されており、その肩部40bの中央付近から連結突起40cが第2方向先端側に突出して設けられている。連結突起40c及び肩部40bには、ロッド16が接続される。
【0029】
ロッド16は、基端側に連結凹部16cが形成されている。連結凹部16cは、ロッド16の第2軸84を中心とする円柱状に形成されており、第2軸84の延在方向に延びて径形成されている。連結凹部16cは、第2カム部材40の連結突起40cを収容可能な内径及び長さに形成されている。ロッド16は、連結凹部16c内に第2カム部材40の連結突起40cを収容し、且つ、基端が第2カム部材40の肩部40bに当接した状態で接合される。ロッド16と第2カム部材40とは、図6に示すように、ロッド16の外周から連結凹部16cに貫通して形成されたネジ穴に止めネジ44を螺合して接合される。
【0030】
ロッド16及び第2カム部材40は、ロッドカバー18によって第2軸84方向に摺動可能に支持されている。ロッドカバー18は、図2に示すように、中央に挿通孔18aが形成された円筒状の部材である。挿通孔18aには、図4に示すように、ロッド16及び第2カム部材40が挿通孔18a内に収容されている。ロッド16は、摺動性に優れた樹脂等よりなる筒状の摺動部材51に覆われた状態で、挿通孔18a内に配置される。
【0031】
また、ロッドカバー18の第2方向の先端部には、ロッド16の回転を規制する回止部材58が装着されている。ロッド16の先端側には、外周部分の一部を切り欠いた切欠部16eが形成されている。回止部材58は、ロッド16の切欠部16eに係合することで、ロッド16の第2軸84周りの回転を規制するように構成されている。
【0032】
ロッドカバー18の第2方向基端部には、環状案内部材54が接合されている。この環状案内部材54は、フッ素樹脂や、高密度ポリエチレン等の摺動性に優れた樹脂又は潤滑剤で覆われた金属等よりなる。環状案内部材54は、図4に示すように中心部に第2軸84方向に貫通する軸孔部54aが形成された略円筒状に形成されている。軸孔部54aは、第2カム部材40の第1方向の寸法と同じ大きさの内径に形成されており、第2カム部材40の外周部に当接することで、第2カム部材40の第2軸84方向から外れる方向への変位を規制する。
【0033】
環状案内部材54の第2方向基端側の端部には、第1カム部材30の外周と略同じ曲率を有する曲面で構成された溝状凹部54b(円弧状ガイド面)が形成されている。溝状凹部54bは、第1方向に延びて形成されており、第1カム部材30の一部を収容して第1カム部材30を第1方向に案内するよう構成されている。溝状凹部54bは、第1カム部材30の上端の外周面の曲率半径と同じ曲率半径を有する円弧状外面で構成される。環状案内部材54は、第2カム部材40を第2方向に案内するとともに、円弧状外面が第1カム部材30の上端の外周面と当接することで、第1カム部材30の第2方向先端側への変位を阻止する。ロッド16を介して横方向(第1方向)の荷重が第2カム部材40及び第1カム部材30に入力された場合に、環状案内部材54は、第1カム部材30の第2方向先端側へ浮き上がる変位を阻止するように構成されている。
【0034】
図5に示すように、駆動機構14は、モータ14aを備えており、そのモータ14aの軸の先端に送りネジ構造を構成するネジ軸部28(図3参照)が接続されている。モータ14aは第1軸82周りにネジ軸部28を回転させる。ネジ軸部28は、ネジ山28a及びネジ溝35aを通じて、第1カム部材30を第1方向に前進又は後退させる。図2に示すように、駆動機構14には、モータ14aの駆動電力を供給する配線部材24aが接続されている。配線部材24aの端部にはコントローラと接続するためのコネクタ24が設けられている。
【0035】
本実施形態のストッパ装置10は以上のように構成され、以下その作用について説明する。
【0036】
図5に示すように、駆動機構14によりネジ軸部28を第1回転方向に回転させると、第1カム部材30が第1方向先端側に前進する。その結果、第2カム部材40の端面46aが、カム溝38の底面38a1と摺動して、第2方向先端側に押し出されるようにして変位する。その結果、ロッド16が第2方向先端側に前進する。
【0037】
また、駆動機構14を、第1回転方向と逆向きの第2回転方向に回転させると、第1カム部材30が第1方向基端側に後退する。この場合には、第2カム部材40の狭小部42と幅広部46との段差部が、カム溝38の係合部38aの上面38a2と摺動する。これにより、第2カム部材40が第2方向基端側に引き込まれるようにして変位する。その結果、ロッド16が第2方向基端側に後退する。
【0038】
ところで、図1に示すように、ワーク104からの横方向の荷重がアーム99を介してロッド16に作用している場合において、ストッパ装置10のロッド16を後退させる動作が行われる場合がある。このような場合には、ワーク104の横方向の荷重がロッド16を介して第2カム部材40に伝わり、図5に示す第2カム部材40のカム突起45が、第1カム部材30を第2方向先端側に持ち上げる方向に付勢された状態となる。
【0039】
環状案内部材54を設けないストッパ装置では、ワーク104からの横方向の荷重が作用すると、第1カム部材30が第2方向の先端側に浮き上がるように変位してしまい、第1カム部材30の第1カム面34及びカム溝38の角度と、第2カム部材40のカム突起45の角度とが異なってしまう。この状態で、ロッド16の引込動作を行うと、カム溝38とカム突起45との動作抵抗が大きくなり、動作速度が不安定となり、場合によっては動作が停止することがある。
【0040】
これに対し、本実施形態のストッパ装置10では、図5及び図6に示すように、環状案内部材54の溝状凹部54bが、第1カム部材30の上端面と面接触して第1カム部材30の上端面の第2方向先端側への変位を阻止する。これにより、ワーク104からの横方向の荷重がロッド16に入力された場合であっても、第1カム部材30が第2方向先端側に浮き上がることはなく、第1カム部材30のカム溝38と、第2カム部材40のカム突起45の角度を一定に保つことができる。その結果、第1カム部材30と第2カム部材40とがスムーズに摺動する。
【0041】
以下、本実施形態のストッパ装置10の環状案内部材54の第2構成例について説明する。
【0042】
図7に示すように、本構成例に係る環状案内部材54Aは、第2方向基端部の溝状凹部54bが、第2軸84に垂直な平面で構成された平坦面54dと、平坦面54dの短手方向の両側から突出した一対の傾斜部54cとで構成されている。傾斜部54cは、平坦面54dから第2方向基端側に突出するとともに、第2軸84側に内方に傾斜した傾斜面を備えている。傾斜部54c及び平坦面54dの表面は、平面、又は、第1カム部材30の上端の外周面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する曲面で構成されている。
【0043】
本構成例に係る環状案内部材54Aによれば、図8に示すように、平坦面54d及び一対の傾斜部54cが第1軸82方向に略円筒状に延びて形成された第1カム部材30の上端の外周面と当接する。本構成例では、傾斜部54cの表面及び平坦面54dの表面が平面又は第1カム部材30の上端の外周面の曲率よりも大きな曲率半径の曲面で構成されている。そのため、図示のように、環状案内部材54Aと第1カム部材30とが、第1カム部材30の周方向に限定された狭い部分で当接する。すなわち、第1カム部材30と環状案内部材54Aとの当接部分は第1方向に線状に延びており、線接触した状態となる。このように、本構成例の環状案内部材54Aによれば、第1カム部材30との接触面積が減少するので、第1カム部材30の第1方向への動作抵抗が減少する。その結果、第1カム部材30の第1方向への進退をよりスムーズに行うことができる。
【0044】
本実施形態のストッパ装置10は、以下の効果を奏する。
【0045】
本実施形態のストッパ装置10は、駆動機構14に接続されて第1方向に変位するとともに、第1方向に対して傾斜したカム溝38が形成された第1カム部材30と、カム溝38に係合してカム溝38に平行な方向に摺動するカム突起45を有し、第1カム部材30の変位に伴って第1方向と異なる第2方向に変位する第2カム部材40と、第2カム部材40の外周部に装着されて第2カム部材40を第2方向に案内するとともに、第1カム部材30と当接することで第1カム部材30の第2方向への変位を阻止する環状案内部材54と、を備えている。
【0046】
これにより、第2カム部材40に横方向の荷重が作用した場合であっても、第1カム部材30の第2方向先端側への変位を防ぐことができる。その結果、第1カム部材30と第2カム部材40との動作抵抗を安定化させることができ、動作速度の変動や、動作停止といったトラブルを防ぐことができる。
【0047】
上記のストッパ装置10において、環状案内部材54は、第1カム部材30の一部を収容するとともに第1方向に延びた溝状凹部54bを備え、第1カム部材30を第1方向に案内するように構成されていてもよい。このような溝状凹部54bにより、第1カム部材30の移動方向を第1方向に規制することができ、第1カム部材30の動作を安定化させることができる。
【0048】
上記のストッパ装置10において、環状案内部材54Aの溝状凹部54bは、第1カム部材30と線接触するように構成してもよい。このように構成することにより、環状案内部材54Aと第1カム部材30との接触面積が抑制されることで、第1カム部材30の動作抵抗を減少させることができる。その結果、第1カム部材30の動作がよりスムーズになる。なお、環状案内部材54Aにおいて、溝状凹部54bは、軸方向に垂直な平坦面54dと、平坦面54dの両側から突出するとともに内方に傾斜した傾斜部54cとで構成してもよい。
【0049】
上記のストッパ装置10において、環状案内部材54の溝状凹部54bは、第1カム部材30と面接触してもよい。この場合には、溝状凹部54bは、第1カム部材30の上端の外周面と同じ曲率半径を有する曲面で構成された円弧状外面を有していてもよい。なお、溝状凹部54bは、球状の突出部を備えて第1カム部材30の上端面と点接触するように構成されていてもよい。
【0050】
上記のストッパ装置10において、第1カム部材30のカム溝38は、第2カム部材40側に形成された開口部38bと、開口部38bの奥側に形成され、開口部38bよりも幅広に形成された係合部38aと、を有し、第2カム部材40のカム突起45は、開口部38bよりも狭く形成された狭小部42と、狭小部42の先端側に幅広に形成された幅広部46と、を有し、係合部38aに幅広部46が係合して摺動するように構成されていてもよい。このように構成することにより、係合部38aに幅広部46が係合して、第2カム部材40の進退動作を確実に行うことができる。
【0051】
上記のストッパ装置10において、幅広部46及び係合部38aは、第1カム部材30と第2カム部材40との摺動面に垂直な厚さ方向の寸法において、幅広部46の方が係合部38aよりも小さく形成されており、幅広部46と係合部38aとに厚さ方向に隙間が形成されていてもよい。このような隙間を設けることにより、第1カム部材30と第2カム部材40との動作をスムーズにすることができる。
【0052】
上記のストッパ装置10において、さらに、第1カム部材30を挟んで第2カム部材40と対向する部位に配置され、第1カム部材30を支持するエンドカバー60を備えてもよい。このように構成することにより、第2カム部材40の軸方向の荷重入力をエンドカバー60で受けることができ、第1カム部材30の第2方向への変位を阻止することができる。
【0053】
上記のストッパ装置10において、駆動機構14は第1カム部材30の第1方向の基端側に設けられていてもよい。このように構成することにより、ネジ機構等の簡素な装置構成で、第1カム部材30を第1方向に変位させることができる。また、第2方向のサイズを抑制することで、狭小な部分への設置が容易となる。
【0054】
上記のストッパ装置10において、駆動機構14は第1カム部材30に接続されたネジ軸部28と、ネジ軸部28を回動させるモータ14aとを備えていてもよい。
【0055】
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0056】
10…ストッパ装置 12…本体部
14…駆動機構 16…ロッド
18…ロッドカバー 28…ネジ軸部
30…第1カム部材 35…ネジ孔
38…カム溝 40…第2カム部材
45…カム突起 50…カム機構
54、54A…環状案内部材 60…エンドカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8