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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】検出器デバイスおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0232 20140101AFI20220623BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20220623BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
H01L31/02 D
H01L31/02 B
H01L31/10 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019503556
(86)(22)【出願日】2017-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 US2017044262
(87)【国際公開番号】W WO2018026634
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-04-08
(31)【優先権主張番号】62/370,204
(32)【優先日】2016-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507159407
【氏名又は名称】ニューポート コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】スウィッツァー グレゴリー
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-005663(JP,A)
【文献】特開2006-023284(JP,A)
【文献】特開2015-222215(JP,A)
【文献】特開2009-250787(JP,A)
【文献】特開平06-294512(JP,A)
【文献】特開昭63-150635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0024664(US,A1)
【文献】特開平08-184495(JP,A)
【文献】国際公開第2014/035389(WO,A1)
【文献】EPPELDAUER George P. et al.,Opto-Mechanical and Electronic Design of a Tunnel-Trap Si Radiometer,Journal of Research of the National Institute of Standards and Technology,米国,2000年,Vol.105, No.6,pp.813-828,https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/jres/105/6/j56epp.pdf,DOI: 10.6028/jres.105.064
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/0392,31/08-31/119
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器デバイスであって、
少なくとも1つのハウジングを有し、
前記ハウジング内に位置決めされるよう構成された少なくとも1つのマウントシステム本体を有し、
前記マウントシステム本体内に形成された少なくとも1つのビームダンプ領域を有し、
第1の波長応答度範囲を有していて前記マウントシステム本体上に位置決めされた第1の検出器を有し、前記第1の検出器は、前記第1の波長応答度範囲内にある入射光信号の一部分を吸収するとともに少なくとも第2の波長応答度範囲内にある前記入射光信号の一部分を反射するよう構成され、
前記第1の検出器と光信号を通信可能に前記マウントシステム本体上に位置決めされた少なくとも第2の検出器を有し、前記第2の検出器は、前記第2の波長応答度範囲内にある前記光信号の一部分を吸収するとともに前記光信号の少なくとも一部分を前記ビームダンプ領域に反射するよう構成され
前記第1の波長応答度範囲と前記第2の波長応答度範囲は、異なると共に、
前記第1の波長応答度範囲の一部と、前記第2の波長応答度範囲の一部が重なっており、これにより、波長応答度においてスペクトルギャップを示すことがない波長応答度範囲を形成する、検出器デバイス。
【請求項2】
前記ビームダンプ領域は、弧状の形をしている、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項3】
前記ビームダンプ領域は、漸変半径の弧状の形をしている、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項4】
前記ビームダンプ領域は、多角形の形をしている、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項5】
前記ビームダンプ領域は、多面体の形をしている、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項6】
前記第1の検出器は、約800ナノメートルから約1800ナノメートルまでの波長応答度範囲を有する、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項7】
前記第1の検出器は、ゲルマニウム型検出器である、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項8】
前記第1の検出器または前記第2の検出器のうちの少なくとも一方は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)、ガリウムヒ素(GaAs)、硫化鉛(II)(PbS)、水銀カドミウムテルル(HgCdTe)、窒化ガリウム(GaN)、リン酸ガリウム(GaP)およびカドミウム亜鉛テルル(CdZnTe)から成る群から選択される、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項9】
前記第2の検出器は、約180ナノメートルから約1100ナノメートルまでの波長応答度範囲を有する、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも第2の検出器は、シリコン型検出器である、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項11】
少なくとも1つの追加の検出器が前記第1の検出器および前記第2の検出器のうちの少なくとも一方と光信号を通信可能に前記マウントシステム本体上に位置決めされていることを特徴する請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項12】
前記第1および前記第2の検出器のうちの少なくとも一方は、プロセッサ装置に電気的に接続されている、請求項1記載の検出器デバイス。
【請求項13】
検出器デバイスであって、
少なくとも1つのマウントシステム本体を有し、
第1の波長応答度範囲を有していて前記マウントシステム本体上に位置決めされた第1の検出器を有し、前記第1の検出器は、入射光信号の第1のスペクトル範囲の光を吸収するとともに第2のスペクトル範囲の光を反射するよう構成され、
少なくとも第2の波長応答度範囲を有する少なくとも第2の検出器を有し、前記少なくとも第2の検出器は、前記第1の検出器と光信号を通信可能であり、前記少なくとも第2の検出器は、前記光信号の第2のスペクトル範囲の光を吸収するとともに前記光信号の非吸収部分を前記少なくとも第2の光検出器と光通信状態にある少なくとも1つのビームダンプ領域に反射するよう構成され
前記第1の波長応答度範囲と前記第2の波長応答度範囲は、異なると共に、
前記第1の波長応答度範囲の一部と、前記第2の波長応答度範囲の一部が重なっており、これにより、波長応答度においてスペクトルギャップを示すことがない波長応答度範囲を形成する、検出器デバイス。
【請求項14】
前記ビームダンプ領域は、弧状の形、漸変半径の弧状の形、多角形の形、または多面体の形をしている、請求項13記載の検出器デバイス。
【請求項15】
前記第1の検出器は、約800ナノメートルから約1800ナノメートルまでの波長応答度範囲を有する、請求項13記載の検出器デバイス。
【請求項16】
前記第1の検出器は、ゲルマニウム型検出器である、請求項13記載の検出器デバイス。
【請求項17】
前記第1の検出器または前記第2の検出器は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)、ガリウムヒ素(GaAs)、硫化鉛(II)(PbS)、水銀カドミウムテルル(HgCdTe)、窒化ガリウム(GaN)、リン酸ガリウム(GaP)およびカドミウム亜鉛テルル(CdZnTe)から成る群から選択される、請求項13記載の検出器デバイス。
【請求項18】
前記少なくとも第2の検出器は、約180ナノメートルから約1100ナノメートルまでの波長応答度範囲を有する、請求項13記載の検出器デバイス。
【請求項19】
前記第2の検出器は、シリコン型検出器である、請求項13記載の検出器デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
〔関連出願の参照〕
本願は、2016年8月2日に出願された米国特許仮出願第62/370,204号(発明の名称:Multi-Junction Detector Device and Method of Use)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、この記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0002】
フォトダイオードは、今日最も一般的に用いられている光検出器(受光素子ともいう)である。現時点において、これらフォトダイオードは、様々な用途に用いられており、非常に多数の追加の用途に急速に組み込まれている。一般に、フォトダイオードは、光電子増倍管または類似の装置に対するコンパクトで堅牢でありしかも安価な代替手段となっている。
【0003】
現在、フォトダイオードは、多くの材料で作られており、各材料は、電磁スペクトルの規定された範囲内の感度を提供する。例えば、図1に示されているように、シリコン型フォトダイオードおよび光検出器は、典型的には、約180nmから約1100nmまでの波長を有する信号で照射されると、相当大きな光電流を生じさせる。これとは対照的に、図2に示されているように、ゲルマニウム型フォトダイオードは、約800nmから約1800nmまでの範囲を有する信号で照射されると、相当大きな光電流を生じさせる。
【0004】
現時点において、種々の用途は、広いスペクトル特性(例えば、約180nmから約1800nmまで)を有する光信号を測定するためにシリコン型フォトダイオードとゲルマニウム型フォトダイオードの両方を利用している。図3図5に示されているように、シリコン型フォトダイオードとゲルマニウム型フォトダイオードの両方を組み込んだデバイスまたはシステムを構成するために多数の方式が従来利用されていた。例えば、図3に示されているように、先行技術のシステムは、入射光を所望の波長で分離するために波長依存性ミラーまたはフィルタを含む分割光方式を採用していた。この方式は、従来ある程度は有用であることが判明していたが、多くの欠点が見受けられた。例えば、図4に示されているように、顕著な波長依存性応答度ギャップが、ミラーが入射した広いスペクトルの光を吸収する段階からこれを伝送する段階に移行する時点に存在する。
【0005】
これに対応して、図5に示されているように、多層またはサンドイッチ型検出器を利用した別の先行技術の方式が開発されたが、フォトダイオードは、ゲルマニウム型検出器の本体に取り付けられたシリコン型検出器を有する。この場合もまた、図6に示されているように、顕著な波長依存性応答度ギャップが、シリコン型検出器がサンドイッチ型検出器方式を用いて入射した広いスペクトルの光を吸収する段階から伝送する段階に移行する時点に存在する。
【0006】
さらに、これらデバイスの応答度は、入射信号の波長に応じて様々である。例えば、シリコン型光検出器は、約180nm~1100nmの波長を有する信号を検出することができるが、最も高い応答度は、約850nm~1000nmである。したがって、広いスペクトル範囲の測定では、典型的には、各々が互いに異なる材料で作られたフォトダイオードを用いて作られる多数の光検出器が必要である。したがって、種々の材料で作られた多数の光検出器を組み込んだシステムは、大型である場合がありかつ不必要に複雑な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かくして、スペクトルギャップまたは不連続部がもしあったとしても極めて僅かである種々の波長での高い応答度を有する入射光を検出でき、それにより滑らかで連続したスペクトル測定値をもたらす多接合型検出器デバイスが目下要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、新規な多接合型検出器デバイスおよび使用方法に関する。一実施形態では、本願は、少なくとも1つのハウジングを有する多接合型検出器デバイスを開示する。少なくとも1つのマウントシステム本体がハウジング内に位置決めされるのが良い。少なくとも1つのビームダンプ領域がマウントシステム本体内に形成されるのが良い。第1の波長応答度範囲を有する第1の検出器がマウントシステム本体上に位置決めされるのが良い。さらに、少なくとも第2の波長応答度範囲を有する少なくとも第2の検出器が第1の検出器と光通信関係をなしてマウントシステム本体上に位置決めされるのが良い。第1の検出器は、使用中、第1の波長応答度範囲内にある入射光信号の一部分を吸収するとともに内にある入射光信号の一部分を反射するよう構成されるのが良く、第2の検出器は、第2の波長応答度範囲内にある光信号の一部分を吸収するとともに光信号の少なくとも一部分をビームダンプ領域に反射するよう構成されるのが良い。
【0009】
別の実施形態では、多接合型検出器デバイスは、少なくとも1つのマウントシステム本体を有するのが良い。第1の波長応答度範囲を有する少なくとも第1の検出器がマウントシステム本体上に位置決めされるのが良い。第1の検出器は、入射光信号の第1のスペクトル範囲の光を吸収し、吸収されない光をマウントシステム本体に結合されまたはその近くに位置決めされた少なくとも第2の検出器に向けて反射するよう構成されているのが良い。第2の検出器は、少なくとも第2の波長応答度範囲を有するとともに第1の検出器と光通信状態にある。第2の検出器は、光信号の第2のスペクトル範囲の光を吸収するとともに光信号の非吸収部分を少なくとも第2の光検出器と光通信状態にある少なくとも1つのビームダンプ領域に反射するよう構成されているのが良い。
【0010】
別の実施形態では、本願は、多接合型検出器デバイスに関する。多接合型検出器デバイスは、少なくとも1つの積分球を収容するとともに少なくとも1つの積分球をしっかりと位置決めするのが良い。一実施形態では、少なくとも1つの検出器デバイスは、積分球内に位置決めされるのが良い。例えば、第1の波長応答度範囲を有していて入射光信号からの光を吸収して第1の応答度信号を発生させるよう構成された第1の検出器および少なくとも第2の波長応答度範囲を有していて光を吸収するとともに第2の応答度信号を発生させるよう構成された少なくとも第2の検出器が少なくとも1つの積分球内に位置決めされまたは少なくとも1つの積分球の近くに位置決めされるのが良い。さらに、少なくとも1つの電気回路が第1および第2の検出器のうちの一方と連絡状態にあるとともに少なくとも第1および第2の検出器からの少なくとも第1および第2の応答度信号を受け取るよう構成されているのが良い。加うるに、多接合型検出器デバイスは、少なくとも1つの電気回路と電気連絡関係をなして構成されるとともに少なくとも第1および第2の応答度信号を受け入れてかかる少なくとも第1および第2の応答度信号を組み合わせて拡張範囲信号にするよう構成された少なくとも1つのプロセッサ装置を有するのが良く、拡張範囲信号は、拡張された波長範囲にわたって実質的に線形のスペクトル応答を示す。
【0011】
本明細書において開示する新規な多接合型検出器デバイスの実施形態の他の特徴および他の利点は、以下の詳細な説明を考慮すると明らかになろう。
【0012】
多接合型検出器デバイスの種々の実施形態を添付の図面により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】先行技術において知られている典型的なシリコンフォトダイオードのスペクトル応答のグラフ図である。
図2】先行技術で知られている典型的なゲルマニウムフォトダイオードのスペクトル応答のグラフ図である。
図3】先行技術で知られているシリコン型フォトダイオードとゲルマニウム型フォトダイオードの組み合わせを用いる装置の略図である。
図4図3に示されているコールドミラー構造で用いられている組み合わせ型シリコンおよびゲルマニウムフォトダイオードのスペクトル応答のグラフ図である。
図5】先行技術で知られている多層またはサンドイッチ形態をなすシリコンおよびゲルマニウムフォトダイオードの組み合わせの略図である。
図6】先行技術で知られている図5に示された多層またはサンドイッチ構造をなして用いられている組み合わせ型シリコンおよびゲルマニウムフォトダイオードのスペクトル応答のグラフ図である。
図7】多接合型検出器デバイスの一実施形態の上から見た斜視図である。
図8】多接合型検出器デバイスの一実施形態の上から見た斜視図であり、内部コンポーネントが図示のようにハウジング内に位置決めされている状態を示す図である。
図9】多接合型検出器デバイスの一実施形態の分解組立図である。
図10】多接合型検出器デバイスの一実施形態の分解組立図である。
図11】多接合型検出器デバイスの一実施形態の側面図である。
図12】多接合型検出器デバイスの一実施形態の詳細側面図である。
図13】多接合型検出器デバイスの一実施形態の略図であり、ゲルマニウムフォトダイオードおよびシリコンダイオードによってそれぞれ部分的に吸収されるとともに部分的に反射される光信号を示す図である。
図14】多接合型検出器デバイスの一実施形態のスペクトル応答度のグラフ図である。
図15】多接合型検出器デバイスの一実施形態の略図であり、回線経路が並列に構成されている状態を示す図である。
図16】多接合型検出器デバイスの変形実施形態の電気図であり、並列回線経路中のフォトダイオードが逆バイアスされる状態を示す図である。
図17】多接合型検出器デバイスの一実施形態の電気図であり、並列回線経路の出力が演算増幅器に送られている状態を示す図である。
図18】多接合型検出器デバイスの一実施形態の電気図であり、並列回線経路の出力が電圧バイアスされる演算増幅器に送られている状態を示す図である。
図19】多接合型検出器デバイスの一実施形態の詳細図であり、並列回線経路が電圧バイアスされるとともに演算増幅器に接続されている状態を示す図である。
図20】単一の積分球を用いる多接合型検出器デバイスの一実施形態の詳細図であり、内部コンポーネントが図示のようにハウジング内に位置決めされている状態を示す図である。
図21】多数の積分球を用いる多接合型検出器デバイスの一実施形態の詳細図であり、内部コンポーネントが図示のようにハウジング内に位置決めされている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願は、多接合型検出器デバイスの幾つかの実施形態に関する。幾つかの実施形態では、多接合型検出器デバイスは、第1の検出器および少なくとも第2の検出器を有し、但し、当業者であれば理解されるように、任意の数および任意形式の検出器を多接合型検出器デバイスに使用できる。さらに、幾つかの実施形態では、第1の検出器は、第1のスペクトル応答度範囲を有するのが良く、第2の検出器は、第2のスペクトル応答度範囲を有するのが良い。オプションとして、第1のスペクトル応答度範囲と第2のスペクトル応答度範囲は、同一であっても良く異なっていても良い。
【0015】
図7および図8は、多接合型検出器デバイスの例示の実施形態の種々の図である。図7に示されているように、検出器デバイス10は、少なくとも1つの検出器本体12を有する。図示の実施形態では、検出器本体12は、第1の検出器ハウジング本体14および第2の検出器ハウジング本体16で形成され、ただし、当業者であれば理解されるように、任意の数の検出器ハウジング本体を用いて検出器本体12を形成することができる。図示の実施形態では、第1の検出器ハウジング本体14および第2の検出器ハウジング本体16のうちの少なくとも一方は、アルミニウムで作られている。別の実施形態では、第1および第2の検出器ハウジング本体14,16のうちの少なくとも一方を種々の材料で作ることができ、かかる材料としては、アルミニウム、鋼、種々の合金、複合材料、デルリン(Delrin(登録商標))、種々のポリマーなどが挙げられる。
【0016】
再び図7および図8を参照すると、図示の実施形態では、検出器本体12は、少なくとも1つの結合部材18を有するのが良く、かかる少なくとも1つの結合部材は、第1の検出器ハウジング本体14を第2の検出器ハウジング本体16に結合し、そして協働して検出器ハウジング本体12を検出するよう構成されている。図示の実施形態では、結合部材18は、ねじから成り、但し、当業者であれば理解されるように、種々の結合器具を用いて第1の検出器ハウジング本体14を第2の検出器ハウジング本体16に結合して検出器本体12を形成することができる。例えば、結合部材18は、少なくとも1つの摩擦嵌め器具、ロックピン器具、または類似の器具から成っていても良い。
【0017】
再び図7および図8を参照すると、1つまたは2つ以上の孔22が検出器本体12に形成されるのが良い。図示の実施形態では、単一の孔22が検出器本体12の第1の検出器ハウジング本体14の少なくとも1つの表面に形成されている。例えば、孔22は、第1の検出器ハウジング本体14の第1の表面20に形成されるのが良い。オプションとして、任意の数の孔を検出器本体12上の種々の場所に形成することができる。例えば、1つまたは2つ以上のフランジ部材24または類似の器具が第1の検出器ハウジング本体14および第2の検出器ハウジング本体16のうちの少なくとも一方またはこれら両方に結合されるのが良くまたは違ったやり方で形成されるのが良い。図示の実施形態では、フランジ部材24上には、少なくとも1つの位置合わせ補助具または標的26が位置決めされるのが良い。オプションとして、フランジ部材24は、検出器デバイス10を加工物支持体、光学マウント、スキャフォールド(scaffold)などに結合するうえで有用な場合がある。
【0018】
図8図12は、検出器デバイス10の内部コンポーネントの種々の図である。図示のように、少なくとも1つのハウジングキャビティ30が第1の検出器ハウジング本体14および第2の検出機ハウジング本体16のうちの少なくとも一方の中に形成されている。図示の実施形態では、単一のハウジングキャビティ30が第1および第2の検出器ハウジング本体14,16によって協働的に形成されている。オプションとして、多数のハウジングキャビティが第1の検出器ハウジング本体14および/または第2の検出器ハウジング本体16のうちの少なくとも一方によって検出器本体12内に形成されても良い。したがって、単一の検出器本体12は、多数の検出器システムを収容するよう構成できる。
【0019】
図8図10に示されているように、検出器デバイス10を少なくとも1つのプロセッサ、コンピュータ、電力供給源、および/または類似のインターフェースに結合するよう構成された少なくとも1つのインターフェース結合部材56が第1および第2の検出器ハウジング本体14,16のうちの少なくとも一方に結合されるのが良い。例えば、図9および図10に示されているように、一実施形態では、インターフェース結合部材56の少なくとも一部分が検出器本体12内に形成されたハウジングキャビティ30内に位置決めされまたは少なくとも1つのインターフェース結合部材通路74を経てハウジングキャビティ30と連絡状態にあるのが良い。図示の実施形態では、インターフェース結合部材56は、ねじ山付き部材から成り、このねじ山付き部材は、これに少なくとも1本の導管(図示せず)を結合させるよう構成されている。オプションとして、任意の数および/または種々のインターフェース結合部材56を用いて任意の数の処理装置(図示せず)を検出器デバイス10に結合することができる。別の実施形態では、インターフェース結合部材56は、1本または2本以上の導管を検出器デバイス10に結合するよう構成された1つまたは2つ以上のクリップまたは類似の摩擦嵌め器具から成るのが良い。別の実施形態では、検出器デバイス10は、1つまたは2つ以上の外部プロセッサ、コンピュータ、ネットワーク、電力供給源などにワイヤレスで結合するよう構成されているのが良い。したがって、インターフェース結合部材56は、ワイヤレス通信装置、ブルートゥース(Bluetooth (登録商標))装置、誘導式充電システム、および/または類似の通信システムを含むのが良い。したがって、検出器デバイス10は、内部処理機能、コントローラなどを含むのが良い。
【0020】
再び図8図12を参照すると、少なくとも1つの検出器システムマウント本体40と少なくとも1つの第2の検出器マウント本体60が協働して少なくとも1つの検出器支持組立体52を形成しており、かかる少なくとも1つの検出器支持組立体は、1つまたは2つ以上の検出器を検出器本体12内に固定するとともに位置決めするよう構成されている。一実施形態では、検出器システムマウント本体40および第2の検出器マウント本体60のうちの少なくとも一方は、アルミニウムで作られているが、当業者であれば理解されるように、検出器システムマウント本体40および第2の検出器マウント本体60は、種々の材料で形成でき、かかる材料としては、鋼、銅、合金、チタン、複合材料、セラミック材料、ポリマー、プラスチック、ナイロン、Delrin(登録商標)などが挙げられるが、これには限定されない。検出器システムマウント本体40および第2の検出器マウント本体60のうちの少なくとも一方は、ハウジングキャビティ30内に位置決めされるよう構成されているのが良い。例えば、図示の実施形態では、検出器システムマウント本体40は、第1の検出器42および少なくとも第2の検出器66を検出器システムマウント本体40内に形成されたハウジングキャビティ30内に支持するよう構成されている。例えば、一実施形態では、第1の検出器42は、少なくとも1つのゲルマニウム型検出器から成り、第2の検出器66は、少なくとも1つのシリコン型検出器から成る。オプションとして、任意の数のかつ種々の検出器を検出器デバイス10に使用することができる。例えば、変形実施形態では、第1および第2の検出器42,66は、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)検出器から成っていても良く、第2の検出器は、水銀カドミウムテルル(HgCdTe)検出器から成っていても良い。種々の検出器を検出器デバイス10に使用することができ、かかる検出器としては、ゲルマニウム(Ge)型、シリコン(Si)型、ガリウムヒ素(GaAs)型、硫化鉛(II)(PbS)型、水銀カドミウムテルル(HgCdTe)型、窒化ガリウム(GaN)型、カドミウム亜鉛テルル(CdZnTe)型、リン酸ガリウム(GaP)型および類似の検出器が挙げられるが、これらには限定されない。オプションとして、検出器のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの光増倍型デバイスから成っていても良い。別の実施形態では、検出器デバイス10は、任意の種々の検出器を含むことができ、かかる検出器としては、能動画素センサ、イメージセンサ、ボロメータ、荷電結合素子、粒子検出器、フォトグラフィック乾板、低温検出器、気体イオン化検出器、逆バイアス型LED、光検出器、集電検出器、ゴレーセル、熱電対、サーミスタ、フォトレジスタ、光起電力セル、フォトダイオード、光導電素子、フォトトランジスタ、量子ドットフォトコンダクタおよびフォトダイオード、半導体検出器、シリコンドリフト検出器などが挙げられるが、これらには限定されない。オプションとして、第1および第2の検出器42,66は、それぞれ、同一または異なる材料で作られても良い。したがって、第1および第2の検出器42,66は、それぞれ、同一のスペクトル応答度を共有しても良くまたは共有しなくても良い。
【0021】
図8図13に示されている実施形態では、第1の検出器42は、検出器受け入れ領域44上に位置決めされまたはこれに違ったやり方で結合され、検出器受け入れ領域44は、検出器システムマウント本体40上に形成されている。一実施形態では、第1の検出器42は、第2のハウジング本体16の外面上に位置決めされたフランジ部材24上に配置されている位置合わせ標的26と実質的に同一平面上に位置決めされるのが良い。したがって、ユーザは、入射信号をフランジ部材24上に位置決めされた位置合わせ補助具26に集束させるのが良く、次に検出器デバイス10を側方に再位置決めして入射信号が第1のハウジング本体14に形成されている孔22を横切って第1の検出器42に入射するようにする。図示の実施形態では、検出器受け入れ領域44は、入射信号82に対して角度をなしてかつ第1の検出器42に平行に位置決めされている(図11参照)。一実施形態では、第1の検出器42は、これに入射した光の少なくとも一部分を反射して第2の検出器マウント本体60上に位置決めされている第2の検出器66に当てるよう構成されている。
【0022】
図8図12に示されているように、検出器システムマウント本体40は、少なくとも1つのマウント受け入れ面46を有するのが良く、かかる少なくとも1つのマウント受け入れ面46は、少なくとも1つは第2の検出器マウント本体60をこれに結合させるよう構成されているのが良い。一実施形態では、マウント受け入れ面46は、全体として平坦な表面を有し、この全体として平坦な表面は、これに第2の検出器マウント本体60を取り外し可能に結合させるよう構成されている。したがって、マウント受け入れ面46には1つまたは2つ以上の締結具凹部または受け口54が形成されるのが良く、締結具受け口54は、少なくとも1つの締結具28を受け入れるよう構成されている。図9および図10に示されているように、締結具28は、第2の検出器システム本体60上に形成されているマウント結合領域64を通過して検出器システムマウント本体40のマウント受け入れ面46に形成されている締結具凹部54内に固定的に保持されるよう構成されているのが良い。締結具28は、また、第2の検出器ハウジング本体16に形成された1つまたは2つ以上の締結具受け口72を通過してマウント受け入れ面59に形成されている締結具凹部58内に固定的に保持されるよう構成されているのが良い。したがって、検出器システムマウント本体40および第2の検出器マウント本体60は、第2の検出器マウントハウジング本体16に結合できる。オプションとして、第2の検出器マウント本体60は、種々の別の結合装置または方法を用いて検出器システムマウント本体40に結合できる。例えば、第2の検出器マウント本体60は、摩擦嵌め器具、滑り嵌め器具、磁気結合器具、ピン、ラッチ、接着剤、エポキシ、ダブテール型特徴部、機械的結合特徴部および方法などを用いて検出器システムマウント本体40に結合されるのが良い。別の実施形態では、検出器システムマウント本体40と第2の検出器マウント本体60は、一体形の本体を形成することができる。
【0023】
再び図8図12を参照すると、検出器システムマウント本体40は、少なくとも1つのビームダンプ領域または類似のエネルギー散逸トラップまたは機構体48を有するのが良い。使用中、ビームダンプ領域48は、光線を受け入れて吸収するとともに/あるいは反射エネルギーを散逸させるよう構成されている。例えば、図示の実施形態では、ビームダンプ領域48は、検出器システムマウント本体40に形成された少なくとも1つのマウント本体壁50を有する。例えば、図示の実施形態では、マウント本体壁50は、平坦な表面に隣接して設けられていて光線を受け入れてこれを検出器システムマウント本体40内に保持するよう構成された弧状面を有する。変形例として、マウント本体壁50は、漸変半径の弧状の形、多角形の形、多面体の形または光をビームダンプ領域48中に反射するよう構成された任意他の形をしているのが良い。一実施形態では、マウント本体壁50には少なくとも1つの散逸特徴部または物質が被着されており、散逸特徴部は、これに入射した光線を散逸させるよう構成されている。別の実施形態では、マウント本体壁50には少なくとも1つの反射率向上物質が被着されるのが良い。オプションとして、任意の数または追加のエネルギー散逸物質、特徴部、および/または装置がマウント本体壁50上にまたはこの近くに位置決めされるのが良く、これら追加のエネルギー散逸物質は、望ましくない反射エネルギーを減少させまたは望ましくない反射エネルギーが光源、第1の検出器42、および/または第2の検出器66のうちの少なくとも1つまで伝搬するのを阻止するよう構成されている。オプションとして、ビームダンプ領域48、検出器システムマウント本体40、および/または第2の検出器マウント本体60のうちの少なくとも一部分にはまたはこれと連絡関係をなして熱放散特徴部、装置、および/またはシステムが形成されている。したがって、ビームダンプ領域48、検出器システムマウント本体40、および/または第2のマウント本体60は、ヒートシンクとして作用することができる。
【0024】
図8図12に示されているように、第2の検出器マウント本体60は、少なくとも1つの検出器取り付け領域62を有するのが良く、かかる少なくとも1つの検出器取り付け領域には1つもしくは2つ以上の検出器が結合されまたはかかる少なくとも1つの検出器取り付け領域62上に1つまたは2つ以上の検出器が位置決めされる。上述したように、種々の検出器66を検出器結合領域62に結合することができ、かかる検出器としては、シリコン(Si)型、ゲルマニウム(Ge)型、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)型、カドミウム亜鉛テルル(CdZnTe)型、水銀カドミウムテルル(HgCdTe)型、ガリウムヒ素(GaAs)型、硫化鉛(II)(PbS)型、窒化ガリウム(GaN)型およびリン酸ガリウム(GaP)型検出器が挙げられるが、これらには限定されない。図示の実施形態では、検出器66は、検出器システムマウント本体40上に形成された検出器受け入れ領域44に近接して位置決めされている第2の検出器取り付け面68上に位置決めされている。さらに、上述したように、第2の検出器取り付け面68上に位置決めされた第2の検出器66は、検出器システムマウント本体40の検出器受け入れ領域44上に位置決めされている第1の検出器42に入射してこれによって反射される光の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている。
【0025】
図11および図12に示されているように、使用中、到来する光信号82は、検出器システムマウント本体40の検出器受け入れ領域44上に位置決めされた第1の検出器42に入射する。第1の検出器42は、出力信号(光、電気など)を発生させることができ、この出力信号は、インターフェース結合部材56に結合された少なくとも1つの導管92を経て、その応答度に比例して1つまたは2つ以上の回路、プロセッサ、ネットワーク、コンピュータなどに送られるのが良い。したがって、第1の検出器42は、少なくとも1つの内部導管92または類似の通信装置を経てインターフェース結合部材56と通信状態にあるのが良い。図示のように、第1の検出器42は、第2の検出器マウント本体60の第2の検出器受け入れ面68上に位置決めされた第2の検出器66の近くに角度をなして位置決めされている。したがって、第1の検出器42に入射した光信号82の少なくとも一部分は、第1の検出器42の表面から反射されるのが良く、そしてこの少なくとも一部分は、第2の検出器66に入射し、この第2の検出器66は、第1の検出器42と同様、少なくとも1つの内部導管94または通信装置を経てインターフェース結合部材56と通信状態にあるのが良い。したがって、インターフェース結合部材56に結合されている第2の検出器66は、1つまたは2つ以上のプロセッサ、ネットワーク、コンピュータなどと通信状態にあるのが良い。
【0026】
再び図11および図12を参照すると、第2の検出器66は、これに入射した反射光82に応答して少なくとも1つの出力信号を発生させることができる。特定の実施形態では、第1の検出器42は、約800nm~約1800nmの所望のスペクトル応答度を有するゲルマニウム型検出器から成るのが良く、第2の検出器は、約180nm~約1100nmの所望のスペクトル応答度を有するシリコン型検出器から成る。検出器42,66は、信号82の周囲の特性を測定するよう構成されているのが良く、かかる特徴としては、波長、電力、スペクトル特性などが挙げられるが、これらには限定されない。したがって、約180nm~約1800nmの任意の数の波長で構成されている到来信号82のスペクトル特性は、本明細書において説明している検出器デバイス10を用いて正確に測定できる。例えば、約180nm~約1100nmの波長を有する入射信号の部分は、このスペクトル範囲内の光に対しては実質的に無応答である第1の検出器42の表面で反射されることになり、そして反射されて、約180nm~約1100nmの光に対して高い応答度を示す第2の検出器66に到達する。これとは対照的に、約800nm~約1800nmの波長を有する到来信号82は、約800nm~約1800nmの波長を有する光に対して高い応答度を示す第1の検出器42によって測定される。しかる後、約1100nmを超える波長を有する光に対して実質的に無応答である第2の検出器66に反射到達した約800nm~約1800nmの波長を有する光であればどのような光であっても第2の検出器66の表面によって反射されてビームダンプ領域48に到達する。その結果、ユーザは、入射信号82のスペクトル応答度および/またはほぼ紫外線波長(約180nm)から赤外線波長(約1800nm)までの検出器システム10の検出器応答を容易かつ正確に特徴付けることができ、この場合、ユーザは、多数の検出器を切り換える必要はない。例えば、図14は、本明細書において説明している検出器デバイス10の実際のスペクトル応答度と比較した理論的スペクトル応答度をグラフで示している。図示のように、先行技術の検出器構成とは異なり、本明細書において説明している検出器デバイス10は、約900nm~約1100nmの応答度においてスペクトルギャップを示すことはない。オプションとして、上述の実施形態は、2つの検出器を組み込んだ形態に関するが、当業者であれば理解されるように、本明細書において説明している検出器デバイス10は、任意の数の検出器をこの中に組み込むよう容易に改造可能である。
【0027】
図10図12および図15図19は、上述の検出器デバイスに使用できる回路の種々の実施形態を示している。先行技術のシステムとは異なり、図15図19に示されている回路の種々の実施形態は、第1の検出器42および第2の検出器66の出力を合計して上述した検出器デバイス10の応答度のグラフ表示(図14参照)を生じさせるよう構成されている。例えば、図15に示されているように、一実施形態では、回路100は、並列状態にある多数の回線経路102,104,106を有する。各回線経路102,104,106は、少なくとも1つの検出器フォトダイオードD1,D2,Dxおよび各検出器と関連した少なくとも1つの抵抗器R1,R2,Rxを有する。したがって、第1の回線経路102は、検出器D1および抵抗器R1を有し、第2の回線経路104は、検出器D2および抵抗器R2を有し、第3の回線経路106は、検出器Dxおよび抵抗器Rxを有する。種々の回線経路は、1つまたは2つ以上の導管108により1つまたは2つ以上の増幅器および/または出力コンポーネント110に結合されている。当業者であれば理解されるように、任意の数の回線経路を検出器システム10に使用することができる。さらに、当業者であれば理解されるように、回線経路のうちの少なくとも1つは、任意の数の追加のまたは別のコンポーネントを有することができ、かかるコンポーネントとしては、ダイオード、抵抗器、キャパシタ、トライオード、演算増幅器、増幅器などが挙げられるが、これらには限定されない。オプションとして、出力装置110は、少なくとも1つの増幅器または類似の装置を有するのが良い。別の実施形態では、出力装置110は、少なくとも1つのプロセッサ、分析装置、および/またはコンピュータを有する。当業者であれば理解されるように、種々の装置を出力装置として使用することができ、かかる出力装置としては、外部回路、コンピュータネットワーク、増幅器、処理装置などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0028】
図16は、上記において示した検出器デバイス10に使用される回路装置の変形実施形態を示している。先の実施形態と同様、図16に示されている回路114は、並列状態にある多数の回線経路116,118,120を有する。回線経路116,118,120は、少なくとも1つの逆バイアス検出器またはフォトダイオードD1,D2,Dxおよび各検出器と関連した少なくとも1つの抵抗器R1,R2,Rxを有する。種々の回線経路116,118,120は、1つまたは2つ以上の導管122により1つまたは2つ以上の増幅器および/または出力コンポーネント124に結合されている。当業者であれば理解されるように、任意の数の回線経路を検出器システム10に使用することができる。さらに、当業者であれば理解されるように、回線経路のうちの少なくとも1つは、任意の数の追加のまたは別のコンポーネントを有することができ、かかるコンポーネントとしては、ダイオード、抵抗器、キャパシタ、トライオード、演算増幅器、増幅器などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0029】
先の実施形態と同様、出力装置124は、少なくとも1つの増幅器または類似の装置を有するのが良い。別の実施形態では、出力装置124は、少なくとも1つのプロセッサ、分析装置、および/またはコンピュータを有する。当業者であれば理解されるように、種々の装置を出力装置として使用することができ、かかる出力装置としては、外部回路、コンピュータネットワーク、増幅器、処理装置などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0030】
図17図19は、上述した検出器デバイスに使用できる少なくとも1つの演算増幅器(以下、「オペアンプ」という)を含む回路の種々の実施形態を示している。図17に示されているように、一実施形態では、回路128は、並列状態にある多数の回線経路130,132,134を有する。各回線経路130,132,134は、少なくとも1つの検出器またはフォトダイオードD1,D2,Dxおよび各検出器と関連した少なくとも1つの抵抗器R1,R2,Rxを有する。種々の回線経路は、1つまたは2つ以上の導管136経由で1つまたは2つ以上のオペアンプ138に結合されている。オペアンプ138は、少なくとも1つの利得またはフィードバック回路140を有するのが良く、かかる少なくとも1つの利得またはフィードバック回路140内には1つまたは2つ以上の抵抗器Rgainまたは他の部品が位置決めされている。例示の他の部品としては、キャパシタ、インダクタ、ダイオードおよび当該技術分野において知られている他の受動および能動部品が挙げられるが、これらには限定されない。少なくとも1つの出力装置142は、オペアンプ138の出力部を有するのが良い。一実施形態では、出力装置142は、少なくとも1つのプロセッサ、分析装置、および/またはコンピュータを有する。当業者であれば理解されるように、種々の装置を出力装置として使用することができ、かかる装置としては、外部回路、コンピュータネットワーク、増幅器、処理装置などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0031】
図18は、上記において示した検出器デバイス10に用いられる回路の変形実施形態を示している。図示のように、回路150は、並列状態にある多数の回線回路152,154,156を有する。先の実施形態と同様、各回線経路152,154,156は、少なくとも1つの検出器またはフォトダイオードD1,D2,Dxおよび各検出器と関連した少なくとも1つの抵抗器R1,R2,Rxを有する。種々の回線経路は、1つまたは2つ以上の導管158により1つまたは2つ以上のオペアンプ160に結合されている。オペアンプ160は、少なくとも1つの利得またはフィードバック回路162を有するのが良く、かかる少なくとも1つの利得またはフィードバック回路162内には1つまたは2つ以上の抵抗器Rgainまたは他の部品が位置決めされている。さらに、オペアンプ160の少なくとも1つの入力164は、電圧バイアスされ、入力164は、バイアス電圧Vbiasをもたらす。少なくとも1つの出力装置166がオペアンプ160の出力部に結合されている。一実施形態では、出力装置166は、少なくとも1つのプロセッサ、分析装置、および/またはコンピュータを有する。当業者であれば理解されるように、種々の装置を出力装置として使用することができ、かかる装置としては、外部回路、コンピュータネットワーク、増幅器、処理装置などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0032】
図19は、上記において示した検出器デバイス10に用いられる回路の別の実施形態を示している。図示のように、回路168は、並列状態にある多数の回線回路172,174,176を有する。先の実施形態と同様、各回線経路172,174,176は、少なくとも1つの検出器またはフォトダイオードD1,D2,Dxおよび各検出器と関連した少なくとも1つの抵抗器R1,R2,Rxを有する。さらに、回線経路172,174,176のうちの少なくとも1つは、バイアス電圧Vbiasをもたらす少なくとも1つの電圧バイアス装置170と連絡状態にある。種々の回線経路172,174,176は、1つまたは2つ以上の導管178により1つまたは2つ以上のオペアンプ180に結合されている。オペアンプ180は、少なくとも1つの利得またはフィードバック回路182を有するのが良く、かかる少なくとも1つの利得またはフィードバック回路182内には1つまたは2つ以上の抵抗器Rgainまたは他の部品が位置決めされている。さらに、少なくとも1つの出力装置184は、オペアンプ180の出力部に結合されている。一実施形態では、出力装置184は、少なくとも1つのプロセッサ、分析装置、および/またはコンピュータを有する。当業者であれば理解されるように、種々の装置を出力装置として使用することができ、かかる装置としては、外部回路、コンピュータネットワーク、増幅器、処理装置などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0033】
図20は、ハウジング191を用いた多接合型検出器デバイス190の一実施形態を示しており、ハウジング191は、積分球本体192および積分球本体192内に形成されていて少なくとも1つの容積部193を画定する少なくとも1つの積分球表面194を備えている。例示の実施形態では、積分球本体192は、Spectralon(登録商標)で作られている。変形例として、積分球本体192は、アルミニウム、青銅、銅、鋼、耐食鋼、プラスチック、複合材料などで作られても良い。図示の実施形態では、積分球表面194は、少なくとも1つの被膜195で被覆されている。例示の被膜195としては、PTFE(テフロン(Teflon)(登録商標))、焼結PTFE、Spectralon(登録商標)、Spectraflect(登録商標)、デルリン(Delrin(登録商標))、Infragold(登録商標)、銀、金、クロムまたは典型的に積分球に用いられる他の被膜が挙げられる。変形例として、積分球表面194は、入力光信号の所望の反射または拡散を達成するためにビードブラスチングまたは類似の加工法によって積分球表面194を研磨しまたは荒削りすることによって改質されても良い。図示の実施形態では、表面194および/または被膜195は、少なくとも180nm~1800nmのスペクトル範囲にわたって高い反射率を呈するよう構成されている。加うるに、表面194または被膜195は、少なくともランバートプロフィール、ガウスプロフィールもしくはこれらの組み合わせまたは表面法線から見て0°から90°以下の角度まで入射光信号200を散乱させる他の高い散乱プロフィールに続き高い散乱性を示すよう構成されている。変形例として、表面194には被膜が被着されていなくても良い。図示の実施形態では、ポート208,210が積分球本体192の互いに反対側にかつ容積部193と光通信関係をなして積分球本体192に形成されている。変形例として、任意の数のポートがどこかの場所にかつ容積部193と光通信関係をなして積分球本体192内で任意の向きで形成されても良い。図示の実施形態では、第1の検出器204がポート208内に設けられ、少なくとも第2の検出器198がポート210内に設けられている。図示の実施形態では、1つまたは2つ以上の光学素子196,202がそれぞれポート210,208内に設けられている。光学素子196,202は、それぞれ対応の検出器198,204のスペクトル応答度を調節するよう使用されるのが良い。例示の光学素子196,202としては、光学拡散体、光学フィルタ、偏光子、波長板、プリズム、格子、レンズなどが挙げられるが、これらには限定されない。変形例として、光学素子196,202は、互いに積み重ねられ、互いに結合され、検出器表面に結合される多数の部分素子から成っていても良く、あるいはこれら多数の部分素子が全く用いられなくても良い。入射光信号200は、積分球本体192に形成された少なくとも1つの入力ポート206を通って積分球本体192に入り、そして積分球表面194および/または被膜195に入射する。積分球表面194または被膜195は、入射光信号200を容積部193内で反射するとともに/あるいは拡散させる。第1のスペクトル範囲を有する光は、第1の検出器198によって吸収され、第2のスペクトル範囲を有する光は、第2の検出器204によって吸収される。例えば、約180nmから約1100ナノメートルまでの波長範囲を有する入射信号の部分は、このスペクトル範囲内の光に対しては実質的に無応答である第1の検出器198の表面で反射されることになり、そして約180nm~約1100nmの光に応答する第2の検出器204によって吸収される。これとは対照的に、約800nmから約1800nmまでの波長範囲を有する到来信号は、約800~約1800nmの波長を有する光に応答する第1の検出器198によって吸収される。第1の検出器198は、出力信号(光、電気など)を発生させることができ、この出力信号は、インターフェース結合部材56に結合された少なくとも1つの導管212を経て、その応答度に比例して1つまたは2つ以上のプロセッサ、ネットワーク、コンピュータなどに送られるのが良い。したがって、第1の検出器198は、少なくとも1つの内部導管212または類似の通信装置を経てインターフェース結合部材56と通信状態にあるのが良い。第1の検出器198に入射した光信号200の少なくとも一部分は、第1の検出器198の表面から反射されるのが良く、そして第2の検出器204に入射し、この第2の検出器204は、第1の検出器198と同様、少なくとも1つの内部導管210または通信装置を経てインターフェース結合部材56と通信状態にあるのが良い。したがって、インターフェース結合部材56に結合された第2の検出器204は、1つまたは2つ以上のプロセッサ、ネットワーク、コンピュータなどと通信状態にあるのが良い。当業者であれば理解されるように、任意の積分球の形態、任意の数もしくは種々の検出器、または任意の数もしくは種々の光学素子を用いて入射光信号を測定することができる。
【0034】
図21は、ハウジング221を用いた一実施形態としての多接合型検出器デバイス220を示しており、ハウジング221は、積分球本体222、積分球本体222内に形成されるとともに第1の容積部223を画定した第1の積分球表面224、積分球本体222内に形成されるとともに第2の容積部227を画定した少なくとも第2の積分球表面228を備えている。図示の実施形態では、少なくとも1つの孔225が第1の容積部223と第2の容積部227との間に形成され、その結果、第1の容積部223と第2の容積部227が互いに光通信関係をなすようになっている。変形例として、第1の容積部223と第2の容積部227は、互いに密接して位置決めされても良く、その結果、入射光信号230の一部分が容積部223から容積部227中に散乱することができるようになっている。図示の実施形態では、少なくとも1つの光学素子226が孔225内に設けられている。変形例として、孔225内には光学素子が設けられなくても良い。例示の光学素子226としては、光学拡散体、例えば艶消しまたは研削ガラスまたはプラスチック、ガラスまたはプラスチックに入れた特別設計の拡散体、光学フィルタ、偏光子、波長板、プリズム、格子、レンズ、非線形結晶、可飽和吸収体、蛍光物質起伏基板などが挙げられるが、これらには限定されない。少なくとも1つの入射光信号230が積分球本体222に形成された少なくとも1つのポート232を通って第1の容積部223に入り、そして積分球表面224または被膜219によって反射されるとともに/あるいは拡散され、その結果、入射光の少なくとも一部分が孔225を通って第2の容積部227に入るようになっている。積分球表面228または被膜229は、入射光信号230を第2の容積部227内で反射するとともに/あるいは拡散させる。第1のスペクトル範囲を有する光は、第1の検出器244によって吸収され、第2のスペクトル範囲を有する光は、第2の検出器238によって吸収される。例えば、約180nmから約1100ナノメートルまでの波長範囲を有する入射信号の部分は、このスペクトル範囲内の光に対しては実質的に無応答である第1の検出器244の表面で反射されることになり、そして約180nm~約1100nmの光に応答する第2の検出器238によって吸収される。これとは対照的に、約800nmから約1800nmまでの波長範囲を有する到来信号は、約800~約1800nmの波長を有する光に応答する第1の検出器244によって吸収される。第1の検出器244は、出力信号(光、電気など)を発生させることができ、この出力信号は、インターフェース結合部材56に結合された少なくとも1つの導管246を経て、その応答度に比例して1つまたは2つ以上のプロセッサ、ネットワーク、コンピュータなどに送られるのが良い。したがって、第1の検出器244は、少なくとも1つの内部導管246または類似の通信装置を経てインターフェース結合部材56と通信状態にあるのが良い。第1の検出器244に入射した光信号230の少なくとも一部分は、第1の検出器244の表面から反射されるのが良く、そして第2の検出器238に入射し、この第2の検出器238は、第1の検出器244と同様、少なくとも1つの内部導管248または通信装置を経てインターフェース結合部材56と通信状態にあるのが良い。したがって、インターフェース結合部材56に結合された第2の検出器238は、1つまたは2つ以上のプロセッサ、ネットワーク、コンピュータなどと通信状態にあるのが良い。当業者であれば理解されるように、任意の積分球の形態、任意の数もしくは種々の検出器、または任意の数もしくは種々の光学素子を用いて入射光信号を測定することができる。
【0035】
本明細書において開示した実施形態は、本発明の原理の例示である。本発明の範囲に含まれる他の改造例を採用することができる。したがって、本願において開示したデバイスは、図示するとともに本明細書において説明したデバイスそのものには限定されない。
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