(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】植物抽出物の混合物、またはこの植物中に含まれる分子の混合物を含有する組成物、ならびに糖質代謝及び/または脂質代謝を制御するための使用
(51)【国際特許分類】
A61K 36/287 20060101AFI20220623BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20220623BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20220623BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20220623BHJP
A61K 31/216 20060101ALI20220623BHJP
A61K 31/4525 20060101ALI20220623BHJP
A61K 31/7048 20060101ALI20220623BHJP
A61K 36/28 20060101ALI20220623BHJP
A61K 36/45 20060101ALI20220623BHJP
A61K 36/63 20060101ALI20220623BHJP
A61K 36/67 20060101ALI20220623BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220623BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220623BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220623BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220623BHJP
A61K 9/06 20060101ALN20220623BHJP
A61K 9/14 20060101ALN20220623BHJP
A61K 9/48 20060101ALN20220623BHJP
A61K 45/00 20060101ALN20220623BHJP
【FI】
A61K36/287
A23L33/10
A23L33/105
A61K31/05
A61K31/216
A61K31/4525
A61K31/7048
A61K36/28
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A61K36/67
A61P1/16
A61P3/06
A61P9/10
A61P43/00 121
A61K9/06
A61K9/14
A61K9/48
A61K45/00
(21)【出願番号】P 2020201638
(22)【出願日】2020-12-04
(62)【分割の表示】P 2017510671の分割
【原出願日】2015-10-20
【審査請求日】2020-12-22
(32)【優先日】2014-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517056446
【氏名又は名称】ヴァルビオティス
(73)【特許権者】
【識別番号】517054936
【氏名又は名称】ユニベルシテ クレルモン オーベルニュ
(73)【特許権者】
【識別番号】517054947
【氏名又は名称】ラ ロシェル ユニベルシテ
(73)【特許権者】
【識別番号】508157749
【氏名又は名称】シーエヌアールエス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ペルティエ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シルベント,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】マウガード,チエリ
【審査官】原口 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-269453(JP,A)
【文献】特開2001-302519(JP,A)
【文献】特表2004-537578(JP,A)
【文献】特開2007-145753(JP,A)
【文献】特開平08-245410(JP,A)
【文献】特開2005-179353(JP,A)
【文献】国際公開第2013/038826(WO,A1)
【文献】特開平07-206676(JP,A)
【文献】特表2004-523468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/287
A23L 33/10
A23L 33/105
A61K 31/05
A61K 31/216
A61K 31/4525
A61K 31/7048
A61K 36/28
A61K 36/45
A61K 36/63
A61K 36/67
A61P 1/16
A61P 3/06
A61P 9/10
A61P 43/00
A61K 9/06
A61K 9/14
A61K 9/48
A61K 45/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪代謝を改善するための組成物であって、少なくとも以下:
-クリサンテルムインジクム(Chrysanthellum indicum)の抽出物、及び
-アーティチョーク(Cynara scolymus)の抽出物、及び
-ビルベリー(Vaccinium myrtillus)の抽出物、及び
-オリーブ(Olea europaea)の抽出物、及び
-合成のピペリン及び/またはピペリンを含有するコショウ属(Piper)の抽出物からなる分子の混合物を少なくとも含み、
前記組成物は、前記分子の混合物が:
-アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)、またはそれらのアナログから選択される少なくとも1つの分子、及び
-ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子、及び
-モノカフェオイルキナ酸、デルフィニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-グルコシド、シアニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-アラビノシド、シアニジン3-グルコシド、ペツニジン3-ガラクトシド、シアニジン3-アラビノシド、ペツニジン3-グルコシド、ペオニジン3-ガラクトシド、ペツニジン3-アラビノシド、ペオニジン3-グルコシド、マルビジン3-ガラクトシド、マルビジン3-グルコシド、マルビジン3-アラビノシド、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子、及び -少なくともピペリン、
を含むという点で特徴付けられる、組成物。
【請求項2】
前記コショウ属が、コショウ(Piper nigrum)、マチコペッパー(Piper aduncum)及び/またはヒハツ(Piper longum)から選択されるという点で特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記クリサンテルムインジクムの抽出物が、クリサンテルムインジクムの植物全体及び/または地上部から得られるという点で特徴付けられる、請求項1または2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記アーティチョークの抽出物が、アーティチョークの植物全体及び/または地上部から得られるという点で特徴付けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ビルベリーの抽出物が、ビルベリーの植物全体及び/または地上部から得られるという点で特徴付けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
以下の特徴:
-前記組成物は、前記組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり、少なくとも0.00001gのクリサンテルムインジクムの抽出物の投与を可能にするクリサンテルムインジクムの抽出物の量を含むか、及び/または
-前記組成物は、前記組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり、少なくとも0.00001gのアーティチョークの抽出物の投与を可能にするアーティチョークの抽出物の量を含むか、及び/または
-前記組成物は、体重1kgあたり、かつ1日あたり、少なくとも0.00001gのビルベリーの抽出物の投与を可能にするビルベリーの抽出物の量を含み、及び/または
-前記組成物は、前記組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり、少なくとも0.001mgのピペリンの投与を可能にするピペリンの量を含み、
-前記組成物は、前記組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり、少なくとも0.00001gの単一抽出物の投与に相当する単一抽出物の量を含む、
といううちの少なくとも1つを有するという点で特徴付けられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、前記組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり、少なくとも0.00001gのオリーブの抽出物の投与を可能にするオリーブの抽出物の量を含むという点で特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、オレウロペイン、
ヒドロキシチロソール、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子を含むという点で特徴付けられる、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記分子の混合物に加えて、添加された少なくとも1つの追加の要素を含むという点で特徴付けられ、前記追加の要素が:
-以下のビタミン:B1、B2、B3、B5、B6、B8、B9、B12 C、A、D、E、K1及びK2;
-以下の化合物:オベチコール酸、コロソリン酸、ω6及び/またはω3ファミリーの多価不飽和脂肪酸オロチン酸、パンガミン酸、パラ-アミノ安息香酸、アミグダリン、βグルカン類、カルニチン、ジメチルグリシン、イメグリミン、イソフラボン類、L-アルギニン、オキシトシン、ペクチン、ピリドキサミン、レスベラトロール、ビニフェリン、L-シトルリン;
-以下の微量元素及び鉱物:ヒ素、ホウ素、カルシウム、銅、鉄、フッ素、ヨウ素、リチウム、マンガン、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、リン、セレン、バナジウム、亜鉛;
-以下の非必須性質の微視的成分:コンジュゲートされたリノレン酸、リポ酸、カロチノイド類、カルニチン、コリン、コエンザイムQ10、植物ステロール類、タンニン及びリグナンファミリーのポリフェノール類、タウリン;
-フルクト-オリゴ糖類、ガラクト-オリゴ糖類;
-乳酸-発酵性細菌;
-酵母類;
-真菌;
-食物及び医薬品部門と適合している昆虫由来の生成物;
-マリファナ及びハッシッシ;
-コーティング剤;
-香味;
-酸性化剤;
-抗凝集剤;
-増粘剤;
-安定化剤;
-乳化剤;
-充填剤;
-賦形剤、
から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
粉末型、ゲル型、エマルジョン型、または液体型であるという点で特徴付けられる、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
錠剤型、ウエハーカプセル、ゲルカプセル、スティック、小袋、バイアル、点滴器の形態であるか、または注射型であるという点で特徴付けられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
医薬としてのその使用のための、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
ヒトまたは動物における脂肪代謝の病理学的障害を予防及び/または処置するのにおける医薬または栄養製品としてのその使用のための、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
非アルコール性脂肪肝疾患、及び/または心血管系の病理に関連する病理を予防するか、及び/またはそれらと戦うのにおける、請求項12または13に記載のようなその使用のための組成物。
【請求項15】
非アルコール性脂肪肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎であるという点で特徴付けられる、請求項14に記載のその使用のための組成物。
【請求項16】
前記心血管系病理が、冠動脈心疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患、深部静脈血栓であるという点で特徴付けられる、請求項14に記載の使用のための組成物。
【請求項17】
脂質異常症を予防するか、及び/またはそれらと戦うのにおける、請求項12または13に記載の使用のための組成物。
【請求項18】
スタチン類、フィブラート類、ニコチン酸、鉄交換樹脂、コレステロール吸収阻害剤、ω3多価不飽和脂肪酸、チアデノール、FXR(ファルネソイドX受容体)核受容体アゴニストから選択される低脂質治療剤と組み合わせて用いられるという点で特徴付けられる、請求項1~17のいずれかに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人または動物における糖質及び/または脂肪の代謝障害の予防及び処置に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の最も一般的な型である2型糖尿病は、慢性の進行性代謝疾患である。これは、慢性の高血糖症、すなわち、血中で異常に高い濃度の糖、及び糖質に対する不耐性によって特徴付け
られる。この慢性の高血糖性の状態の主な原因は、インスリンに対する耐性、及び所定の代謝状態に応答した不十分なインスリン分泌であるが、他の要因も関与し得る(非特許文献1)。2型糖尿病と戦うための主なアプローチは、血糖のレベルを低下すること、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を、6.5%以下のレベルまで低下すること、及びインスリンに対する感度を改善することであるべきである。
【0003】
2型糖尿病の処置は、まず、ライフスタイルまたは衛生-栄養指標(HDM:食事、喫煙、身体的活動性及びスポーツ活動)の変化から構成される。もしHDMが不十分である場合、抗糖尿病剤、一般にはメトホルミンを利用すべきである。しかし、メトホルミンには、多くの医学的禁忌、例えば、慢性腎不全、アシドーシス、低酸素症、脱水症などがある。従って、メトホルミンには実質的なパラドックスがある。なぜなら、腎不全を呈している2型糖尿病患者の場合にはメトホルミンを処方することができないが、腎不全は、2型糖尿病の最も一般的な結果の1つであるからである。他の治療剤、例えば、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アナログ、チアゾリジンジオン(TZD)、スルホニル尿素、グリコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)、またはナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害剤が開発されている。しかし、現在の治療剤の組み合わせは、患者のクオリティーオブライフ、従って彼らの医学的処置に対する順守に影響する、禁忌及び有害効果のような多数の要因を考慮する必要があるために、複雑である。さらに、メトホルミンとスルホニル尿素の組み合わせなどの特定の治療剤の組み合わせは、全死因死亡率を増大する(非特許文献2)。
【0004】
HDMは、患者によってほとんど順守されることがないので、これらの分子に関連する有害効果及び禁忌の全てを伴う治療処置を極めて迅速に確立することが必要であり、HDMと治療処置の確立との間で2型糖尿病患者のケアマネージメントに適合した解決法は現在のところない。
【0005】
さらに、2型糖尿病患者は、高リスクの心血管系罹患率-死亡率を有する。従って、また、ケアマネージメントには、特に循環中の脂肪、体重及び動脈圧の制御などの従来の心血管系のリスクファクターを含むことも必要である。この必要性には現在、異なる治療分類のいくつかの医薬を同時に摂取することを必要とする。しかし、薬物の組み合わせ、例えば、筋傷害のリスクを増大するフィブラート類及びスタチン類の同時投与は、時には、重篤な副作用を生じる場合がある(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Ismail-Beigi F New England Journal of Medicine 2012;366:1319-27
【文献】Prescrire International 2015;24:130~5
【文献】Denke MA Journal of Managed Care Pharmacy 2003;9:17-9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、特定のリスクファクター(糖質障害、脂肪障害、過剰体重、炎症、酸化的ストレス、動脈性高血圧)の増大によって特徴付けられる、心臓-代謝病理の確立が十分でない間、及びこれらの病理、特に2型糖尿病の発症の間に、その両方ともに用いることができる生成物が現実的に必要である。
【0008】
さらに、作用の「マルチターゲット(multi-target)」機構が、コンプライアンス、耐性及び有効性に関して利点を有する、防御的解決法及び医薬の必要性は緊急である。このような生成物によって、心臓代謝疾患の全体的リスクを低下すること、ならびに独立して生じる各々の機能不全及び/またはその結果を予防及び処置することが可能になる。
【0009】
本発明の目的は、心臓代謝疾患及びその合併症を予防及び処置するために有利である予防手段及び治療手段の両方に相当する、いくつかの糖質及び脂肪機能不全に対して同時に作用し得る組成物を提案することによって、これらの種々の必要性を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的を満たすために、本発明は、組成物であって、少なくとも以下:
-Chrysanthellum indicum、及び
-Cynara scolymus、及び
-Vaccinium myrtillus、
から得られる分子の混合物を少なくとも含み、
分子の上記混合物はまたピペリンも含む、組成物に関する。
【0011】
これは、混合物中に存在する分子が相乗作用として作用するので、相乗作用的混合物である。
【0012】
Chrysanthellum indicumの抽出物、Cynara scolymusの抽出物、Vaccinium myrtillusの抽出物、及びピペリンは既に、記載されており、そのうちのいくつかは、栄養製品で用いられているが、予期せぬことに、Chrysanthellum indicumの少なくとも1つの抽出物と、Cynara scolymusの少なくとも1つの抽出物、Vaccinium myrtillusの抽出物、及びPiperの組み合わせは、ヒトまたは動物において、糖質代謝に、及び脂肪代謝にその両方に対して驚くべき結果をもたらす。
【0013】
その目的を満たすために、本発明はまた、少なくともピペリン、ならびにChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びVaccinium myrtillusに含まれる特別な特異的分子(これらの分子は、天然であるか、及び/または合成である)からなる組成物、具体的には、少なくとも4つの分子の混合物を含む組成物に関し、この少なくとも1つの分子は、ピペリンであり、少なくとも1つの分子は、アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)、またはそれらのアナログから選択され、かつ少なくとも1つの分子は、ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはそのアナログから選択され、少なくとも1つの分子は、モノカフェオイルキナ酸、デルフィニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-グルコシド、シアニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-アラビノシド、シアニジン3-グルコシド、ペツニジン3-ガラクトシド、シアニジン3-アラビノシド、ペツニジン3-グルコシド、ペオニジン3-ガラクトシド、ペツニジン3-アラビノシド、ペオニジン3-グルコシド、マルビジン3-ガラクトシド、マルビジン3-グルコシド、マルビジン3-アラビノシド、またはそのアナログから選択される。
【0014】
本出願では、本発明による組成物を表示するには単数形または複数形を優先することなく用いる。
【0015】
有利なことに、本発明による組成物は、慢性の高血糖症の確立を防ぎ、かつ血糖を下げ、糖化されたヘモグロビンを減少し、摂取した糖質に対する耐性の改善を可能にし、インスリンに対する感度を改善するが、脂質異常症、過剰体重及び肥満、ならびに動脈の緊張などの他の心血管系のリスクファクターにも作用し得る。さらに、既存の処置及び開発中の処置で観察されるものに関して副作用は少ないか、全くない。
【0016】
従って、本発明はまた、ヒトまたは動物において、具体的には、糖質代謝及び脂肪代謝の障害を予防するか、及び/またはそれらと戦うための、栄養製品または健康製品として特に医薬としての組成物の使用に関する。
【0017】
本発明を添付の図面に関してここで詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】表9の結果に相当するインスリンに対する感度の経口試験の4つの組成物の結果(ポイントII.1)である。
【
図2】本発明による組成物によって得られる相乗効果を示す結果であって、これらの結果は、空腹時血糖についての表13の結果(ポイントII.1)に相当する。
【
図3】本発明による組成物によって得られる相乗効果を示す結果であって、これらの結果は、炭水化物耐性についての表13の結果(ポイントII.1)に相当する。
【
図4】本発明による組成物によって得られる相乗効果を示す結果であって、これらの結果は、空腹時血糖についての表14の結果(ポイントII.1)に相当する。
【
図5】本発明による組成物によって得られる相乗効果を示す結果であって、これらの結果は、炭水化物耐性についての表14の結果(ポイントII.1)に相当する。
【
図6】本発明による組成物によって得られる相乗効果を示す結果であって、これらの結果は、インスリン感度についての表14の結果(ポイントII.1)に相当する。
【
図7】インスリン感度に対する本発明による組成物及びメトホルミンによって得られる効果についての結果であって、これらの結果は、表15の結果(ポイントII.2)に相当する。
【
図8】体重における変化に対する、本発明による組成物の効果についての結果であって、これらの結果は、表15の結果(ポイントII.2)に相当する。
【
図9】空腹時血糖における変化に対する、本発明による組成物の効果についての結果であって、これらの結果は、表15の結果(ポイントII.2)に相当する。
【
図10】ウエスタンブロットの結果であって、本発明による組成物によるマウス肝臓のAMPKの量の増大を示している(ポイントII.2);
【
図11】本発明による組成物が、急性低血糖効果がないことを示している試験の結果である(ポイントII.3);
【
図12】体重増大における変化に対する、本発明による組成物の効果を示している試験の結果である(ポイントII.4)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の主題は、組成物であって、少なくとも以下:
-Chrysanthellum indicum、及び
-Cynara scolymus、及び
-Vaccinium myrtillus、
から得られる分子の混合物を少なくとも含み、
分子の上記混合物はまたピペリンも含む、組成物である。
【0020】
従って、本発明は、少なくともピペリン、Chrysanthellum indicum由来の少なくとも1つの分子、Cynara scolymus由来の少なくとも1つの分子、及びVaccinium myrtillus由来の少なくとも1つの分子を含む組成物に関する。
【0021】
Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びVaccinium myrtillus及びピペリンに加えて、本発明による組成物はまた、他の化合物、具体的には、Olea europeaの抽出物も含み得る。この場合、本発明による組成物は、Chrysanthellum indicum由来の少なくとも1つの分子、Cynara scolymus由来の少なくとも1つの分子、Vaccinium myrtillus由来の少なくとも1つの分子、及びOlea europea由来の少なくとも1つの分子、ならびにピペリンを含む。
【0022】
第一の実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも:
-Chrysanthellum indicumの抽出物、及び
-Cynara scolymusの抽出物、及び
-Vaccinium myrtillusの抽出物、及び
-合成のピペリン及び/またはピペリンを含有するPiperの抽出物を含む。
【0023】
本発明の目的のためには、「植物「X」の抽出物または植物「X」原料の抽出物」という用語は、任意の適切なプロセスを通じて植物「X」から得られる、少なくとも1つの分子、優先的には1セットの分子を意味する。具体的には水性の抽出物(水性溶媒を用いて得られる)、アルコール抽出物(アルコール溶媒を用いて得られる)、または有機溶媒を用いて、または天然の脂肪物質もしくは天然の脂肪物質の混合物、特に植物油もしくは植物油の混合物を用いる、抽出物を指してもよい。「水性溶媒」という用語は、完全にまたは部分的に水からなる任意の溶媒を意味する。従って、水自体、任意の割合の水性アルコール溶媒、または水、及びグリセロールもしくはプロピレングリコールなどの化合物の任意の割合からなる溶媒を指す場合がある。アルコール溶媒の中でも、特にエタノールを指す場合がある。
【0024】
本発明の目的のために、「植物または植物原材料(plant or plant raw material)」という用語は、植物全体または植物の一部を意味し、これには、特定の処理をまだ受けておらず、植物調製物の製造にふくまれることを意図している細胞培養物を含む。
【0025】
この植物抽出物は、任意の適切なプロセスを介して、例えば、以下のステップを含むプロセスを介して得てもよい:
-固体/液体抽出
-分離/加圧
-濾過
-エバポレーション
-乾燥
-必要に応じて添加物の組み込み
-ホモジナイゼーション
-コンディショニング。
【0026】
Chrysanthellum indicumの抽出物は、好ましくは、植物全体の抽出物であるか、または地上部の抽出物である。
【0027】
これは、具体的には、水性-アルコール性もしくは水性もしくは亜臨界のCO2もしくは亜臨界のH2O抽出物であってもよく、あるいは標準的な加熱によって、またはマイクロ波周波数もしくは超音波のもとで行われる熱処理と組わされてもよい。
【0028】
植物/抽出物の比は優先的には、1/1及び100/1、具体的には1/1及び25/1である。
【0029】
本発明による組成物は、ヒトへ用いることを意図した場合、優先的には、その組成物が投与されるヒトの体重1kgあたり、かつ1日あたり、少なくとも0.00001g、具体的には0.00001g~0.60gのChrysanthellum indicumの抽出物の投与を可能にする量のChrysanthellum indicumの抽出物を含む。
【0030】
好ましくは、Chrysanthellum indicumの抽出物は、アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール 7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子を含む。好ましくは、この抽出物は、少なくともアピゲニン7-O-グルクロニドを含む。
【0031】
本発明の目的のためには、「アナログ(analog)」という用語は、別の化合物と同様の化学構造を有するが、特定の構成要素によってそれとは異なっている全ての化合物を意味する。これは、他の原子、官能基、または小構造で置き換えられる1つ以上の原子、官能基、小構造によって異なる場合がある。言及され得る例としては、アピゲニン7-O-グルクロニドアナログ、例えば、アピゲニン7-アピオグルコシド、アピゲニン8-C-グルコシド(ビテキシン)、アピゲニン6-C-グルコシド(イソビテキシン)、アピゲニン7-O-ネオヘスペリドシド、アピゲニン7-グルコシド、アピゲニン7-アピオグルコシドが挙げられる。
【0032】
Cynara scolymusの抽出は好ましくは、葉または根の抽出物である。これは具体的には、水-アルコール性もしくは水性または臨界未満CO2もしくは臨界未満H2O抽出であってもよく、あるいは標準的な加熱によってまたはマイクロ波周波数下もしくは超音波下で行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0033】
植物/抽出物比は優先的には、1/1~100/1、具体的には1/1~30/1である。
【0034】
本発明による組成物は、ヒトについて意図した場合、優先的には、その組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.00001g、具体的には0.00001g~0.60gのCynara scolymusの抽出物の投与を可能にする量のCynara scolymusの抽出物を含む。好ましくは、Cynara scolymusの抽出物は、ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子を含む。
【0035】
優先的には、この抽出物は、少なくとも1つのジカフェオイルキナ酸を含む。
【0036】
Vaccinium myrtillusの抽出物は、優先的には果実または葉の抽出物である。
【0037】
これは具体的には、水-アルコール性もしくは水性または臨界未満CO2もしくは臨界未満H2O抽出であってもよく、あるいは標準的な加熱によってまたはマイクロ波周波数下もしくは超音波下で行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0038】
植物/抽出物比は、優先的には1/1~200/1、具体的には1/1~60/1である。
【0039】
これがヒトについて意図している場合、本発明による組成物は、優先的にはその組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.00001g、具体的には0.00001g~0.60gのVaccinium myrtillusの抽出物の投与を可能にするVaccinium myrtillusの抽出物の量を含む。好ましくは、Vaccinium myrtillusの抽出物は、モノカフェオイルキナ酸、デルフィニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-グルコシド、シアニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-アラビノシド、シアニジン3-グルコシド、ペツニジン3-ガラクトシド、シアニジン3-アラビノシド、ペツニジン3-グルコシド、ペオニジン3-ガラクトシド、ペツニジン3-アラビノシド、ペオニジン3-グルコシド、マルビジン3-ガラクトシド、マルビジン3-グルコシド、マルビジン3-アラビノシド、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子を含む。優先的には、この抽出物は、少なくとも1つのモノカフェオイルキナ酸を含む。
【0040】
本発明による組成物に存在するピペリンは、Piperの抽出物に含まれてもよいし、または合成のピペリンであってもよい。
【0041】
ピペリンの位相幾何学式は以下のとおりである。
【0042】
【0043】
本発明による組成物は、ヒトについて意図した場合、優先的にはその組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.001mg、具体的には0.001g~166mgのピペリンの投与を可能にする量のピペリンを含む。
【0044】
ピペリンがPiperの抽出物に含まれる場合、本発明よる組成物の混合物は、このような抽出物を含む。Piperの抽出物は優先的には、Piper nigrumの抽出物、Piper aduncumの抽出物及び/またはPiper longumの抽出物である。
【0045】
Piperの抽出物は好ましくは、果実または葉の抽出物である。
【0046】
これは、具体的には、水-アルコール性もしくは水性または臨界未満CO2もしくは臨界未満H2O抽出であってもよく、あるいは標準的な加熱によってまたはマイクロ波周波数下もしくは超音波下で行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0047】
植物/抽出物比は、優先的には1/1~10000/1、具体的には1/1~200/1である。
【0048】
この抽出物は、優先的には、その抽出物の総重量に対して重量として少なくとも1%のピペリンを含む。
【0049】
従って、本発明による組成物の混合物は、優先的には:
-少なくともピペリン、及び
-アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール 7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)、またはそのアナログ、優先的にはアピゲニン7-O-グルクロニドから選択される少なくとも1つの分子、及び
-ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはそのアナログ、優先的にはジカフェオイルキナ酸から選択される少なくとも1つの分子、及び
-モノカフェオイルキナ酸、デルフィニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-グルコシド、シアニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-アラビノシド、シアニジン3-グルコシド、ペツニジン3-ガラクトシド、シアニジン3-アラビノシド、ペツニジン3-グルコシド、ペオニジン3-ガラクトシド、ペツニジン3-アラビノシド、ペオニジン3-グルコシド、マルビジン3-ガラクトシド、マルビジン3-グルコシド、マルビジン3-アラビノシド、またはそのアナログ、優先的には少なくとも1つのモノカフェオイルキナ酸から選択される少なくとも1つの分子、
を含む。
【0050】
Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びVaccinium myrtillusの抽出物、ならびにピペリンに加えて、本発明による混合物はまた、他の化合物、具体的にはOlea europaeaの抽出物も含んでもよい。
【0051】
Olea europaeaの抽出物は、優先的には葉または果実の抽出物である。
【0052】
これは、具体的には、水-アルコール性もしくは水性または臨界未満CO2もしくは臨界未満H2O抽出であってもよく、あるいは標準的な加熱によってまたはマイクロ波周波数下もしくは超音波下で行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0053】
植物/抽出物比は、優先的には1/1~200/1、具体的には1/1~60/1である。
【0054】
本発明による組成物は、ヒトについて意図した場合、優先的にはその組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.00001g、具体的には0.00001g~0.60gのOlea europaeaの抽出物の投与を可能にする量のOlea europaeaの抽出物を含む。
【0055】
好ましくは、Olea europaeaの抽出物は、オレウロペイン及びヒドロキシチロソール、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子を含む。
【0056】
本発明の目的のためには、「混合物」という用語は、化学的に相互作用する場合もあるし、または相互作用しない場合もある、固体、液体またはガスの形態の物質(抽出物及び/または分子)の組み合わせを意味する。
【0057】
本発明による抽出物の混合物は、当業者に公知の任意のプロセスを介して得られる。これは、構成要素の単純な混合によって得てもよい。
【0058】
優先的には、混合物中のChrysanthellum indicumの抽出物/Cynara scolymusの抽出物/Vaccinium myrtillusの抽出物/ピペリンの比は、0.01/0.01/0.01/0.0001及び10/10/10/10である。
【0059】
1つの変化型によれば、いくつかの植物抽出物からなる混合物に加えて、またはいくつかの植物抽出物からなる混合物の代わりに、本発明による組成物の分子の混合物は、少なくとも以下を含んでもよい:
-Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びVaccinium myrtillus及びPiperから選択される少なくとも2つの植物の混合物から得られた単一の抽出物、ならびに必要に応じて、
-Chrysanthellum indicum抽出物(単一抽出物の植物の混合物がChrysanthellum indicumを含まない場合)、
-Cynara scolymus抽出物(単一抽出物の植物の混合物がCynara scolymusを含まない場合)、
-Vaccinium myrtillus抽出物(単一抽出物の植物の混合物がVaccinium myrtillusを含まない場合)、
-ピペリンまたはPiperの抽出物(単一抽出物の植物の混合物がPiperを含まない場合)。
【0060】
優先的には、組成物が単一抽出物を含む場合、これは:
-少なくともChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びVaccinium myrtillus及びPiperから得られる単一抽出物、ならびに/または
-ピペリンならびに少なくともChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びVaccinium myrtillusから得られる単一抽出物を含む。
【0061】
本発明の目的のためには、「いくつかの植物「X」または植物「X」原料から得られる単一抽出物」という用語は、任意の適切なプロセスを介して少なくとも2つの植物「X」の混合物から得られるあるセットの分子を意味する。特に、水性抽出物(水性溶媒を用いて得た)、アルコール性抽出物(アルコール性溶媒を用いて得た)、または有機溶媒を用いて、または天然の脂肪物質もしくは天然の脂肪物質の混合物、特に植物油または植物油の混合物を用いて得た抽出物、を指す場合もある。「水性溶媒」という用語は、全体としてまたは部分的に水からなる任意の溶媒を意味する。従って、水自体、任意の割合の水性-アルコール性溶媒、または水、及び任意の割合のグリセロールもしくはプロピレングリコールなどの化合物からなる溶媒を指す場合もある。アルコール性溶媒の中でも、特にエタノールを指してもよい。
【0062】
本発明の目的のために、「植物または植物原料」という用語は、植物全体または植物の一部を意味し、これにはまだ特定の処理を受けておらず、かつ植物調製物の製造に含まれることを意図する細胞培養物を含む。
【0063】
植物「X」の混合物の単一抽出物は、任意の適切なプロセスを介して、例えば、以下のステップを包含するプロセスを介して得てもよい:
-固体/液体抽出
-分離/加圧
-濾過
-エバポレーション
-乾燥
-添加物の必要に応じた取り込み
-ホモジナイゼーション
-コンディショニング。
【0064】
優先的には、単一抽出物を得るための植物原料としてChrysanthellum indicumの植物全体または地上部を利用する。単一抽出物は、優先的には単一抽出物を調製するために用いられる植物の混合物の総重量に対して、少なくとも0.1重量%のChrysanthellum indicumの植物全体または地上部から調製される。
【0065】
優先的には、単一抽出物を得るための植物原料としてCynara scolymusの葉または根を利用する。単一抽出物は、優先的には単一抽出物を調製するために用いられる植物の混合物の総重量に対して、少なくとも0.1重量%のCynara scolymusの葉または根から調製される。
【0066】
優先的には、単一抽出物を得るための植物原料としてVaccinium myrtillusの果実または葉を利用する。単一抽出物は、優先的には単一抽出物を調製するために用いられる植物の混合物の総重量に対して、少なくとも0.1重量%のVaccinium myrtillusの果実または葉から調製される。
【0067】
単一抽出物が、Piperを含む植物の混合物から得られる場合、PiperPiper nigrumの、Piper aduncumの及び/またはPiper longumの果実または葉を、優先的には、単一抽出物を得るための植物原料として用いる。単一抽出物は優先的には、単一抽出物を調製するために用いられる植物の混合物の総重量に対して、少なくとも0.0001重量%のPiperPiper nigrumの、Piper aduncumの及び/またはPiper longumの果実または葉から調製される。
【0068】
従って、単一抽出物は、他の分子に加えて、少なくともオレウロペイン、ヒドロキシチロソール、及び/または少なくともピペリンを含んでもよい。
【0069】
好ましくは、単一抽出物は、以下を含む:
-アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール 7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)、またはそのアナログ、優先的にはアピゲニン7-O-グルクロニドから選択される少なくとも1つの分子、及び
-ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはそのアナログ、優先的にはジカフェオイルキナ酸から選択される少なくとも1つの分子、及び
-モノカフェオイルキナ酸、デルフィニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-グルコシド、シアニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-アラビノシド、シアニジン3-グルコシド、ペツニジン3-ガラクトシド、シアニジン3-アラビノシド、ペツニジン3-グルコシド、ペオニジン3-ガラクトシド、ペツニジン3-アラビノシド、ペオニジン3-グルコシド、マルビジン3-ガラクトシド、マルビジン3-グルコシド、マルビジン3-アラビノシド、またはそのアナログ、優先的には少なくとも1つのモノカフェオイルキナ酸から選択される少なくとも1つの分子、及び
-ピペリン。
【0070】
Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びVaccinium myrtillusに加えて、本発明による組成物の単一抽出物はまた、優先的にはOlea europaeaから得てもよい。優先的には、単一抽出物を得るための植物原料として、Olea europaeaの葉または果実を利用する。単一抽出物は、優先的には単一抽出物を調製するために用いられる植物の混合物の総重量に対して少なくとも0.1重量%のOlea europaeaの葉または果実から調製される。
【0071】
特に適切な実施形態は、Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus、Vaccinium myrtillus、Piper及びOlea europaeaから得られる単一抽出物を含む組成物である。
【0072】
単一抽出物を含む本発明による組成物は、ヒトについて意図した場合、優先的にはこの組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.00001g、体的には0.00001g~0.60gの単一抽出物の投与に相当する量の単一抽出物を含む。
【0073】
従って、植物抽出物及び/または1つ以上の単一抽出物を含む本発明による組成物は以下を含む:
-アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール 7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)、またはアナログ、優先的にはアピゲニン7-O-グルクロニドから選択される少なくとも1つの分子、及び
-ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはそのアナログ、優先的にはジカフェオイルキナ酸から選択される少なくとも1つの分子、及び、
-モノカフェオイルキナ酸、デルフィニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-グルコシド、シアニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-アラビノシド、シアニジン3-グルコシド、ペツニジン3-ガラクトシド、シアニジン3-アラビノシド、ペツニジン3-グルコシド、ペオニジン3-ガラクトシド、ペツニジン3-アラビノシド、ペオニジン3-グルコシド、マルビジン3-ガラクトシド、マルビジン3-グルコシド、マルビジン3-アラビノシド、またはそのアナログ、優先的には少なくとも1つのモノカフェオイルキナ酸から選択される少なくとも1つの分子、及び
-少なくともピペリン、
-及び必要に応じて、優先的にはオレウロペイン、ヒドロキシチロソール、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子。
【0074】
別の態様によれば、本発明はまた、以下の少なくとも4つの分子の混合物を含む組成物に関し、これらの分子は可能性としては、合成分子及び/または天然分子であり、特に植物原料由来である:
-アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール 7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子、及び
-ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子、及び
-モノカフェオイルキナ酸、デルフィニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-グルコシド、シアニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-アラビノシド、シアニジン3-グルコシド、ペツニジン3-ガラクトシド、シアニジン3-アラビノシド、ペツニジン3-グルコシド、ペオニジン3-ガラクトシド、ペツニジン3-アラビノシド、ペオニジン3-グルコシド、マルビジン3-ガラクトシド、マルビジン3-グルコシド、マルビジン3-アラビノシド、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子、及び
-少なくともピペリン。
【0075】
第一の3つの分子のうちの少なくとも1つは、合成の分子である。実際は、合成であっても天然であってもよいピペリンとは独立して、他の分子のうちの少なくとも1つは合成の分子である。
【0076】
これらの少なくとも4つの分子に加えて、この混合物はまた、オレウロペイン、ヒドロキシチロソール、またはそのアナログ(これらの分子は可能性としては、合成または天然の分子である)から選択される少なくとも1つの分子も含んでもよい。
【0077】
特に適切な変化型によれば、この混合物は、少なくとも1つのジカフェオイルキナ酸、アピゲニン7-O-グルクロニド、モノカフェオイルキナ酸、ピペリン及びオレウロペインを含む。本発明による組成物の分子の混合物は、排他的に、ジカフェオイルキナ酸、アピゲニン7-O-グルクロニド、モノカフェオイルキナ酸、ピペリン及びオレウロペインから構成されてもよい。
【0078】
他の変化型によれば、本発明による組成物は、本出願で示される目的の抽出物(単数または複数)及び分子の混合物を含んでもよい(例えば、Chrysanthellum indicumの抽出物、及びジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはそのアナログから選択される少なくとも1つの分子、及びモノカフェオイルキナ酸、デルフィニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-グルコシド、シアニジン3-ガラクトシド、デルフィニジン3-アラビノシド、シアニジン3-グルコシド、ペツニジン3-ガラクトシド、シアニジン3-アラビノシド、ペツニジン3-グルコシド、ペオニジン3-ガラクトシド、ペツニジン3-アラビノシド、ペオニジン3-グルコシド、マルビジン3-ガラクトシド、マルビジン3-グルコシド、マルビジン3-アラビノシド、またはそのアナログ、及び少なくともピペリンから選択される少なくとも1つの分子、など)。
【0079】
本発明による組成物は、それらの異なる変化型では、排他的に、記載される要素(植物抽出物及び/または単一の抽出物(単数または複数)及び/または少なくとも4つの分子の混合物)から構成されてもよいし、そうでなければまた、植物抽出物及び/または単一の抽出物(単数または複数)に加えて少なくとも1つの追加された要素(生成物、分子、抽出物、活性成分、賦形剤など)を含んでもよく、または少なくとも4つの分子の混合物からなってもよく、この追加の要素は潜在的には以下から選択される:
-以下のビタミン:B1、B2、B3、B5、B6、B8、B9、B12 C、A、D、E、K1及びK2;
-以下の化合物:オベチコール酸、コロソリン酸、ω6及び/またはω3ファミリーの多価不飽和脂肪酸、オロチン酸、パンガミン酸、パラ-アミノ安息香酸、アミグダリン、βグルカン、カルニチン、ジメチルグリシン、イメグリミン、イソフラボン、L-アルギニン、オキシトシン、ペクチン、ピリドキサミン、レスベラトロール、ビニフェリン、L-シトルリン;
-以下の微量元素及び鉱物:ヒ素、ホウ素、カルシウム、銅、鉄、フッ素、ヨウ素、リチウム、マンガン、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、リン、セレン、バナジウム、亜鉛;
-以下の非必須の性質の微視的成分:コンジュゲートされたリノレン酸、リポ酸、カロチノイド、カルニチン、コリン、コエンザイムQ10、植物ステロール類、タンニン及びリグナンファミリーのポリフェノール類、タウリン;
-フルクト-オリゴサッカライド類、ガラクト-オリゴサッカライド類;
-乳酸-発酵性細菌;
-酵母、例えば、赤米酵母(Monascus purpureus);
-真菌、例えば、マイタケ;
-食品及び医薬品部門に適合する昆虫由来の生成物;
-マリファナ及びハッシッシ;
-コーティング剤:例えば、ヒプロメロース、微結晶性セルロース、ステアリン酸、滑石、スクロース、セラック、ポビドン、蜜ろう;
-香味料:例えば、ブルーベリーの天然の香味料またはイチゴの天然の香味料;
-酸性化剤、例えば、リンゴ酸;
-抗凝集剤:例えば、二酸化ケイ素またはステアリン酸マグネシウム;
-増粘剤、例えば、キサンタンガム、コロイド状シリカ、脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド;
-安定化剤、例えば、リン酸カルシウム;
-乳化剤、例えば、大豆レシチン;
-充填剤、例えば、コーンスターチ;
-賦形剤:例えば、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウムまたはリン酸二カルシウム。
【0080】
本発明による組成物はまた、以下の植物原料のうちの少なくとも1つの1つ以上の抽出物、及び/もしくは以下の植物材料のうちの少なくとも1つに含まれる1つ以上の分子を含んでもよく、ならびに/または単一抽出物はまた、以下の植物原料のうちの少なくとも1つから得てもよい:Abelmoschus esculentus、Abies Alba、Abies balsamea、Abies sibirica、Acacia nilotica、Acacia senegal、Achillea millefollium、Achyranthes bidentata、Acmella oleracea、Actaea racemosa、Actinidia chinensis、Actinidia deliciosa、Adansonia digitata、Adiantum capillus-veneris、Aesculus hippocastanum、Afromomum melegueta、Agathosma betulina、Agathosma crenulata、Agathosma serratifolia、Agrimonia eupatoria、Ajuga reptans、Albizia julibrissin、Alchemilla vulgaris、Alliara petiolata、Allium ampeloprasum、Allium cepa、Allium sativum、Allium schoenoprasum、Allium ursinum、Alnus glutinosa、Aloe ferox、Aloe vera、Aloysia citriodora、Alpinia galanga、Alpinia hainanensis、Alpinia officinarum、Alpinia oxyphylla、Althaea officinalis、Ammi visnaga、Amorphophallus konjac、Ananas comosus、Andographis paniculata、Anemarrhena asphodeloides、Anethum graveolens、Angelica archangelica、Angelica dahurica、Angelica pubescens、Angelica sinensis、Antennaria diocia、Anthriscus cerefolium、Anthyllis vulneraria、Aphanizomenon flos-aquae Ralfs、Apium graveolens、Arachis hypogaea、Aralia elata、Arctium lappa、Arctium minus、Argania spinosa、Armorica rustanica、Artemisia dracunculus、Artemesia vulgaris、Ascophyllum nodosum、Aspalathus linearis、Asparagus officinalis、Astragalus membranaceus、Atractylodes lancea、Atractylodes macrocephala、Auracaria columnaris、Avena staiva、Ayahuasca、Baccharis genistelloides、Bacopa monnierri、Ballota nigra、Bambusa bambos、Bellis perennis、Berberis vulgaris、Beta vulgaris、Betula alleghaniensis、Betula pendula、Betula pubescens、Bixa orellana、Borago officnalis、Boswellia serrata、Brassica napus、Brassica nigra、Brassica oleracea、Brassica rapa、Bupleurum chinense、Calendula officinalis、Calluna vulgaris、Camellia sinsensis、Capsella bursa-pastoris、Capsicum annuum、Carex arenaria、Carica papaya、Carlina acaulis、Carphephorus odoratissmus、Carpinus betulus、Carthamus tinctorius、Carum carvi、Cassia fistula、Castanea sativa、Centaurea centaurium、Centaurea cyanus、Centaurium erythraea、Centella asiatica、Cerasus vulgaris、Ceratonia silliqua、Chaenomelum nobile、Chlorella vulgaris、Chondrus crispus、Chrysanthellum indicum、Cichorium intybus、Cinchona officinalis、cinchona pubescens、Cinnamomum camphora、Cinnamomum cassia、Cinnamomum verum、Cistanche salsa、Cistus incanus、Citrus aurantium、Citrus limon、Citrus maxima、Citrus medica、Citrus myrtifolia、Citrus reticulata blanco、Citrus sinsensis、Citrus paradisi、Clinopodium vulgare、Cnicus benedictus、Cochlearia officinalis、Cocos nucifera、Codonopsis pilosula、Coffea canephora、Coix lacryma-jobi var. mayyuen Stapf、Cola acuminata、Cola ballayi cornu、Cola nitida、Combretum micranthum、Commiphora mukul、Conyza canadensis、Coriandrum sativum、Cornus officinalis、Corylus avellana、Corymbia citriodora、Crataegus laevigata、Craetegus monogyna、Crithmum maritimum、Crocus sativus、Cucumis melo、Cucurbita pepo、Cuminum cyminum、Cupressus sempervirens、Cuscuta chinensis、Cyamopsis tetragonoloba、Cyathula officinalis、Cyclanthera pedata、Cydonia oblonga、Cymbopogon martini、Cymbopogon nardus、Cymbopogon winterianus、Cynara cardunculus、Cyperus rotundus、Daucus carota、Dendranthema grandiflorum、Desmodium adscendens、Dimocarpus longan、Dioscorea oppostifolia、Dioscorea villosa、Diospyros kaki Thunb.、Dunaliella saliena、Echinacea augustifolia、Echinacea pallida、Echinacea purpurea、Elaegnus rhamnoides、Alettaria cardamomum、Eleutherococcus senticosus、Elymus repens、Epiobium augustifolium、Epilobium parviflorum、Equisetum arvense、Erica cinerea、Erica tetralix、Eriobotrya japonica、Eriodictyon californicum、Erodium cicutarium、Eryngium campestre、Eschscholzia californica、Eucalyptus dives Schauer、Eucalyptus globulus、Eucalyptus radiata、Eucalyptus smithii F.Muell、Eucommia ulmoides、Eugenia uniflora、Eugenia jambolana、Euphrasia stricta D.Wolff、Euterpe oleracea、Fagopyrum esculentum Moench、Follopia japonica、Ferula assa-foetida、Ficus carica、Filipendula ulmaria、Foeniculum vulgare Mill.、Forsythia suspensa、Fragaria dodonei Ard.、Frangula purshiana Cooper、Fraxinus excelsior、Fraxinus ortus、Fucus serratus、Fucus vesiculosus、Fumaria officinalis、Galeopsis segetum Neck.、Galium odotarum、Galium verum、Gardenia jasminoides J.Ellis、Gastrodia elata Blume、Gelidium corneum J.V.Lamouroux、Gentiana lutea、Geranium robertianum、Geum urbanum、Ginkgo biloba、Glycine max、Glycyrrhiza glabra、Glycyrrhiza uralensis、Gracilaria gracilis、Grindelia camporum Greene、Grindelia robusta Nutt.、Grindelia squarrosa Dunal、Gymnema sylvestris、Haematococcus pluvialis、Hamamemis virginiana、Harpagophytum procumbens、Harpagophytum zeyheri Decne.、Hedeoma pluegioides Pers.、Helianthus annuus、Helienthus tuberosus、Helichrysum arenarium、Helichrysum stoechas、Herniara glabra、Hibiscus sabdariffa、Hieracium pilosella、Himanthalia elongata、Hordeum vulgare、Houttuynia cordata Thunb.、Huperzia serrata、Hyssopus officinalis、Ilex paraguariensis A.St.-Hill、Illicum verum、Impatients balsamina、Inula britannica、Inula helenium、Jasminum grandiflorum、Jasmium officinale、Juniperus communis、Justicia adhatoda、Kavalama urens、Krameria lappacea、Lagerstroemia speciosa、Laminaria digitata、Laminaria hyperborea、Lamium album、Larix decidua、Larix occ
identalis、Laurus nobilis、Lavandula augustofolia、Lavandula latifolia、Ledum palustre、Leonurus cardiaca、Lepidium meyenii Walp.、Lepidium sativum、Lespedeza capitata、Levisticum officinale、Lindera aggregata、Linus usitatissimum、Liquidambar styraciflua、Lotus corniculatus、Lycium chinense、Lycium barbarum、Lycopersicon esculentum、Lycopodium clavatum、Lycopus europaeus、Lythrum salicaria、Macadamia ternifolia F.muell、Macrocystis pyrifera、Magnolia officinalis、Malpighia glabra、Malus pumila、Malus domestica、Malus sylvestris、Malva sylvestris、Mangifera indica、Maranta arundinacea、Marrubium vulgare、Marsdenia cundurango、Marsdenia sylvestris、Mastocarpus stellatus、Matricaria chamomilla、Medicago sativa、Melaleuca alternifolia、Melaleuca cajuputi Powell、Melaleuca leucadendra、Melaleuca quinquenrvia、Melaleuca viridiflora、Melilotus altissimus Thuill.、Melilotus officinalis、Mentha arvensis、Mentha x piperita、Menyanthes trifoliata、Mesembryanthemum crystallinum、Monarda didyma、Morinda citrifolia、Morinda officinalis、Morus alba、Morus nigra、Murraya koenigii、Musa x paradisiaca、Myrciaria dubia、Myristica flagrans Houtt.、Myroxylon balsamum、Myrtus communis、Nardostachys jatamansi、Nasturtium officinale R.Br.、Nelumbo nucifera Gaertn.、Nepeta cataria、Nepeta tenuifolia Benth.、Nigella sativa、Ocimum basilicum、Oenothera biennis、Ononis spinosa、ophiopogon japonicus、Opuntia ficus-indica、Origanum compactum Benth.、Origanum majorana、Origanum vulgare、Orthosiphon aristatus、Oryza sativa、Paeonia lactiflora、Paeonia x suffruticosa Andrews、Palmaria palmata、Panax ginseng、Panax quinquefolius、Panicum miliacium、Papaver rhoeas、Parietaria officinalis、Passiflora edulis Sims、Pastinaca sativa、Paullinia cupana Kunth、Pelargonium graveolens、Perilla frutescens、Persea americana、Persicaria bistorta、Persicaria maculosa Gray、Petroselinum crispum、Peucadanum ostruthium、Peumus boldus Molina、Phaseolus vulgaris、Phellodendron amurense、Photinia melancarpa、Phyllanthus emblica、Physalis alkekengi、Phymatolithon calcareum、Picea abies、Pimenta dioca、Pimenta racemosa、Pimpinella anisum、Pimpinella major、Pimpinella saxfraga、Pinus mugo Turra、Pinus pinaster Aiton、Pinus sylvestris、Pistacia lentiscus、Plantago arenaria、Plantago lanceolata、Plantago major、Plantago ovata、Platycodon grandiflorus、Plectranthus barbatus Andrews、Pogostemom cablin、Polygala senega、Polygala sibirica、Polygala tenuifolia Willd.、Polygonum aviculare、Populus nigra、Populus tremula、Populus tremuloides、Porphyra umbilicalis、Portulaca oleracea、Potentilla erecta、Primula veris、Prunella vulgaris、Prunus africana、Prunus armeniaca、Ribes nigrum、Ribes uva-crispa、Rosa canina、Rosa gallica、Rosa moschata、Rosa rubiginosa、Rosmarinus officinalis、Rubus caesius、Rubus fruticosus、Rubus idaeus、Rumex actetosa、Rumex acetosella、Rumex crispus、Rumex patienta、Ruscus aculeatus、Sachharina japonica、Saccharina latissima、Salix alba、Salix fragilis、Salix ペンタンdra、Salix purpurea、Salvia officinalis L.、Salvia officinalis subsp.lavandulifolia Gams、Salvia sclarea、Sambucus nigra、Sanguisorba officinalis、Sanicula elata Buch.-Ham.Ex D.Don、Santalum album、Santolina chamaecyparissus、Saposhnikovia divaricata、Sargassum fusiforme、Satureja hortensis、Satureja montana、Saussurea costus、Scrophularia ningpoensis Helmsl.、Scutellaria baicalensis Georgi、Secale cereale、Sedum acre、Sedum roseum、Senna alexandrina Mill.、Senna obustifolia、Smilax cordifolia Humb.& Bonpl.、Smilax glabra Roxb.、Smilax officinalis Kunth、Smilax purhampuy Ruiz、Smilax purhampuy Ruiz、Smilax regelli Killip and C.V.Morton、Smilax vanillidora Apt、Solanum melongena、Solanum tuberosum、Solidago virgaurea、Sorbus aucuparia、Spatholobus suberctus Dunn.、Spinacia oleracea、Spirulina major Ktzing、Spirulina maxima Geitler、Spirulina platensis Geitler、Stavhys officinalis、Stemmacantha carthamoides Dittrich、Stypholobium japonicum、Syzgium aromaticum、Tagetes erecta、Tamarindus indica、Tanacetum parthemium、Terminalia chebula Retz.、Theobroma cacao、Thymus saturejoides Coss.、Thymus serpyllum、Thymus vulgaris、Thymus zygis、Tilia cordata Mill.、Tilia platyphyllos Scop.、Tilia tomentosa Moench、Tilia euopaea、Tribulus terrestris、Trichosanthes kirilowii Maxim.、Trifolium arvense、Trifolium campestre Schreb.、Trifolium pratense、Trifolium repens、Trigonella caerulea、Trigonella foenum-graecum、Tricitum aestivum、Tricitum durum Desf.、Tricitum spelta L.、Tricitum turgidum、Tropaeolum majus、Turnera diffusa Willd.、Ulmus glabra Huds.、Ulmus glabra Huds.、Ulmus pumila、Ulmus rubra Muhl.、Ulva lactuca、Uncaria gambir Roxb.、Uncaria rhynchophylla Miq.、Uncaria tomentosa DC.、Undaria pinnatifida Suringar、Urtica dioca、Urtica urens、Vaccinium macrocarpon、Vaccinium oxycoccos、Vaccinium vitis-idae、Valeriana jatamansi Jones、Valeriana officinalis、Vanilla planifolia Jacks、Verbascum densiflorum Bertol.、Verbascum thapsus、Verbena officinalis、Veronica officinalis、Viburnum opulus、Vigna angularis Ohwi & H.Ohashi、Vinca major、Vinca minor、Viola palustris、Viola tricolor、Vitex agnus-castus、Vitex trifolia、Vitis vinifera、Zea mays、Zingiber officinale Roscoe、Ziziphus jujuba Mill。
【0081】
本発明による組成物は、任意の形態で、特に、粉末、ゲル、エマルジョンの形態で、または液体型で、具体的には、錠剤、ウエハーカプセル、ゲルカプセル、スティック、小袋、バイアル、点滴器の形態であってもまたは注射型であってもよい。
【0082】
本発明による組成物は、栄養製品または健康製品として、具体的には医薬として用いられてもよい。
【0083】
「栄養製品(nutrition product)」という用語は、栄養効果及び/または生理学的効果を有する任意の製品を意味し、これは特に、食品栄養補助食品、食品、食事療法製品などを含む。これらの製品は、具体的には、経口、胃または静脈の経路を介して投与されてもよい。
【0084】
「健康製品(health product)」という用語は、予防または処置において、健康に有益な効果(この効果は生理学的であっても薬理学的であっても)を有する任意の製品、特に医薬、医薬品を意味する。これらの生成物は、具体的には、経口、胃、静脈または皮膚の経路を介して投与されてもよい。
【0085】
本発明による組成物は、ヒトまたは動物における糖質代謝及び/または脂肪代謝の障害を予防するか、及び/またはそれと戦うために用いてもよい。
【0086】
本発明による組成物は、ヒトまたは動物における2型糖尿病を予防するか、及び/またはそれらと戦うために特に適切である。具体的には、それらによって、慢性の高血糖症の確立を予防すること、空腹時血糖及び糖化されたヘモグロビン、循環中及び肝臓のトリグリセリド、体重及び体脂肪量を低下すること、HDLコレステロール(「善玉コレステロール」)を増大すること、ならびに摂取された炭水化物及びインスリン感受性に対する耐性を改善することが可能になる。それらを、2型糖尿病の処置において、及び第一選択の処置として、HDMの確立の間に予防的に用いてもよく、これによって、有用な経口の抗糖尿病分子の実施を引き延ばすことが可能になる。それらはまた、2型糖尿病及びその合併症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を処置するために、特に、単独で、または他の薬理学的処置と組み合わせて特に適切である。
【0087】
本発明による組成物はまた、1型糖尿病及び/または非アルコール性脂肪肝疾患、具体的には非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び/または心血管系病理、具体的には冠動脈心疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患、深部静脈血栓症、及び/またはインスリン耐性に関連する病理、例えば、アルツハイマー病を予防及び/またはそれらと戦うために用いてもよい(Bedse G et al.Front Neurosci 2015;9:204)。
【0088】
このような用途のために、本発明による組成物は、メトホルミンを含むビグアナイド類、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アナログ、チアゾリジンジオン(TZD)、スルホニル尿素、短時間作用性及び長時間作用性インスリン、グリコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)、ナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害剤、フィブラノール(fibranor)ファミリー、例えば、エラフィブラノール(elafibranor)の分子、または、核受容体及び特にROR(α、β、γ)受容体及びRev-Erb(α、β)受容体を標的する分子から選択される少なくとも1つの抗糖尿病治療剤と組み合わせて用いられ得る。
【0089】
本発明による組成物はまた、他の心血管系のリスクファクターまたはメタボリックシンドロームに対する作用のために用いてもよい。
【0090】
具体的には、本発明による組成物は、脂質異常症を予防するか、及び/またはそれらと戦うために用いてもよい。それらによって特に、低コレステロール血症性の効果を有し、かつコレステロールの総レベル、LDLコレステロールのレベル、循環中のトリグリセリド類及び肝臓のトリグリセリド類を低下することが可能になる。それらはまた、HMG-CoAレダクターゼに対して阻害性活性を有する。
【0091】
このような用途のために、本発明による組成物は、スタチン類、フィブラート類、ニコチン酸、鉄交換樹脂、コレステロール吸収阻害剤、ω3多価不飽和脂肪酸、チアデノール、及びFXR(ファルネソイドX受容体)核受容体アゴニストから選択される低脂質治療剤と組み合わせて用いられ得る。
【0092】
最終的に、本発明による組成物は、肥満、及び過剰体重、及び/またはメタボリックシンドローム、及び/または病理学的な動脈緊張の問題を予防するか、及び/またはそれらと戦うために特に用いられ得る。
【0093】
本発明はここで、抽出物の及び組成物の例によって図示されており、また本発明による組成物の有効性を実証する試験の結果によっても図示されており、これらの実施例及び試験は限定されるものではない。
【実施例】
【0094】
I.実施例
実施例1:Chrysanthellum indicumの乾燥抽出物の実施例
新鮮な植物または乾燥植物の地上部を、粗粉末が得られるまで機械的粉砕に供する。次いで、この粉末を、70/10の水/エタノール混合物の中で、室温で10~24時間、浸軟工程に供し、次いで、得られた混合物を、70/10の水/エタノール混合物を用いるパーコレーター中で、50℃での連続浸出に供する(植物/抽出物比は3/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥して、水/アルコールの混合物中に溶解可能であるベージュ色の粉末を得る。この粉末(乾燥抽出物)は直接用いてもよいし、または使用前に適切な溶媒中に混合してもよい。
【0095】
実施例2:Vaccinium myrtillusの乾燥抽出物の例
Vaccinium myrtillusの果実から得た粉末型のブルーベリーを、30/50の水/エタノール混合物の中で、室温で10~24時間、浸軟工程に供し、次いで、得られた混合物を、30/50の水/エタノール混合物を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は10/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水/アルコールの混合物中に溶解可能である紫色の粉末が得られる。
【0096】
実施例3:Cynara scolymusの乾燥抽出物の例
Cynara scolymusの葉から得た粉末型のアーティチョークを、水の中で、室温で10~24時間、浸軟の工程に供し、次いで、得られた混合物を、水を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は2/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水に溶解可能であるベージュ色の粉末が得られる。
【0097】
実施例4:Olea europaea乾燥抽出物の例
風乾したまるごとのオリーブの木の葉を、ナイフミルを用いて-80℃で粉砕して、微細及び均一な粉末を得る。次いで、得られた粉末を、70/30の水/エタノール混合物の中で、10~24時間、浸軟工程に供する。この工程は、室温で窒素散布を用いる閉鎖系で、または800ワットのマイクロ波パワーのもとで、もしくは20kHzの超音波周波数のもとで2×3分間行う。次いで、得られた混合物を、70/30の水/エタノール混合物を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は10/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水/アルコールの混合物中に緑色の粉末が得られる。
【0098】
実施例5:単一抽出物の例
Chrysanthellum indicumの地上部から得られた粉末型のChrysanthellum、及びCynara scolymusの葉から得られた粉末型のアーティチョーク、及びVaccinium myrtillusの果実から得られた粉末型のブルーベリー、及びPiper nigrumの果実粉末、ならびにOlea europaeaの葉から得られた粉末型のオリーブの木を、40/60の水/エタノール混合物の中で、室温で10~24時間、浸軟工程に供し、次いで、得られた混合物を、40/60の水/エタノール混合物を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物の混合物/単一抽出物の比は4~6/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水/アルコールの混合物中に溶解可能である紫色の粉末が得られる。
【0099】
実施例6:4つの植物抽出物を含む錠剤型の本発明による組成物の例
実施例6の組成物は、経口的に投与され得る錠剤型である。これは、組成物の総重量に対して重量パーセンテージで表した場合、30.1%のChrysanthellum indicumの地上部の乾燥抽出物、30.1%のCynara scolymusの葉の乾燥抽出物、3.0%のVaccinium myrtillusの果実の乾燥抽出物及び0.3%のPiper nigrumの果実の乾燥抽出物を含む。これはまた、賦形剤、具体的には微結晶性セルロース及びステアリン酸マグネシウムも含む。
3つの錠剤に関する組成を下の表1に示す。
表1.錠剤型の組成物の例
【0100】
【0101】
実施例7:5つの植物抽出物を含む、ゲルカプセルの形態の、本発明による組成物の例
実施例7の組成物は、経口的に投与され得るゲルカプセルの形態である。これは、組成物の総重量に対して重量パーセンテージで表した場合、37.0%のChrysanthellum indicumの地上部の乾燥抽出物、37.0%のCynara scolymusの葉の乾燥抽出物、3.7%のVaccinium myrtillusの果実の乾燥抽出物、0.004%のPiper nigrumの果実の乾燥抽出物、及び22.2%のOlea europaeaの葉の乾燥抽出物を含む。
【0102】
3つのゲルカプセルに関する組成を下の表2に示す。
表2.ゲルカプセルの形態の組成物の例
【0103】
【0104】
実施例8:5つの植物抽出物を含む、錠剤型の、本発明による組成物の例
実施例8の組成物は、経口的に投与され得る錠剤の形態である。これは、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表した場合、22.0%のChrysanthellum indicumの地上部の乾燥抽出物、22.0%のCynara scolymusの葉の乾燥抽出物、2.2%のVaccinium myrtillusの果実の乾燥抽出物、13.2%のOlea europaeaの葉の乾燥抽出物、及び0.2%のPiper nigrumの果実の乾燥抽出物を含む。この組成物はまた、混合物に加えて、亜鉛、ビタミン B9、PP、B5、H、B12、D、B6、B2、B2及びクロムを含む。これはまた、賦形剤、具体的にはリン酸二カルシウム、微結晶性セルロース及びステアリン酸マグネシウムも含む。
【0105】
1つの錠剤の組成を下の表3に示す。
表3.錠剤型の組成物の例
【0106】
【0107】
実施例9:4つの植物抽出物を含む、錠剤型の、本発明による組成物の例
実施例9の組成物は、経口的に投与され得る錠剤の形態である。これは、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表した場合、23.9%のChrysanthellum indicumの植物全体の乾燥抽出物、23.9%のCynara scolymusの葉の乾燥抽出物、23.9%のVaccinium myrtillusの果実の乾燥抽出物、及び0.2%のPiper nigrumの果実の乾燥抽出物を含む。この組成物はまた、ビタミンB1、ビタミンB3、パントテン酸(ビタミンB5)、亜鉛及びクロムも含む。賦形剤として、これは、微結晶性セルロース及びリン酸二カルシウムを含む。コーティング剤として、これは、滑石、糖、セラック、ポビドン及び蜜ろうを含む。
【0108】
3つの錠剤の組成を下の表4に示す。
表4.錠剤型の組成物の例
【0109】
【0110】
実施例10:4つの植物抽出物を含む、スティック型に調整された、水に再構成するための粉末型の、本発明による組成物の例
実施例10の組成物は、経口的に投与され得るスティックの形態で調整された、水に再構成するための粉末型である。これは、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表した場合、36.3%のChrysanthellum indicumの植物全体の乾燥抽出物、24.2%のCynara scolymusの根の乾燥抽出物、36.3%のVaccinium myrtillusの果実の乾燥抽出物、及び2.4%のPiper longumの果実の乾燥抽出物を含む。この組成物はまた、ビタミンB1、ビタミンB3、パントテン酸(ビタミンB5)、亜鉛及びクロムも含む。香味料として、これは、天然のブルーベリー香味料を含む。酸性化剤として、これは、リンゴ酸を含む。抗凝集剤として、これは、二酸化ケイ素、増粘剤として、キサンタンガム、及び、安定化剤としてリン酸カルシウムを含む。
【0111】
その組成物は、下の表5に示す。
表5.水に再構成するような、及びスティックの形態で調整された粉末の形態の組成物の例
【0112】
【0113】
実施例11:スティック型に調整された、水に再構成するための粉末型の、本発明による組成物の例
実施例11の組成物は、経口的に投与され得るスティックの形態で調整された、水に再構成するための粉末型である。これは、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表した場合、37.0%のChrysanthellum indicumの地上部の乾燥抽出物、37.0%のCynara scolymusの葉の乾燥抽出物、3.7%のVaccinium myrtillusの果実の乾燥抽出物、0.2%のPiper nigrumの果実の乾燥抽出物、及び22.2%のOlea europaeaの葉の乾燥抽出物を含む。この組成物はまた、ビタミンB12、及びクロムも含む。香味料として、これは、天然のブルーベリー香味料を含む。抗凝集剤として、これは、二酸化ケイ素を含む。この組成物は、なんら抗凝集剤及び増粘剤を含まない。
【0114】
このような生成物の組成は、下の表6に示す。
表6.水に再構成するような、及びスティックの形態で調整された粉末の形態の組成物の例
【0115】
【0116】
実施例12:ゲルカプセルの形態の本発明による組成物の例
実施例12の組成物は、経口的に投与され得るゲルカプセルの形態である。これは、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表した場合、31.6%のChrysanthellum indicumの地上部の乾燥抽出物、47.4%のCynara scolymusの根の乾燥抽出物、15.8%のVaccinium myrtillusの果実の乾燥抽出物、及び2.6%のピペリンを含む。この組成物はまた、ビタミンB3、及び亜鉛も含む。乳化剤として、これは、非GMO生成物由来の大豆レシチン、増粘剤として、コロイド状シリカ、ならびに脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドを含む。カプセルは、魚のゼラチンであって、グリセロール及び着色料、弁柄を含む。
【0117】
このような生成物の組成は、下の表7に示す。
表7.ゲルカプセルの形態の組成物の例
【0118】
【0119】
実施例13:ゲルカプセルの形態の本発明による組成物の例
実施例13の組成物は、経口的に投与され得るゲルカプセルの形態である。これは、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表した場合、10.4%のChrysanthellum indicumの植物全体の乾燥抽出物、20.7%のCynara scolymusの葉の乾燥抽出物、62.1%のVaccinium myrtillusの葉の乾燥抽出物、及び2.6%のピペリンを含む。増量剤として、これは、コーンスターチを含む。抗凝集剤として、これは、二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムを含む。このゲルカプセルは、植物由来である。
【0120】
このような生成物の組成は、下の表8に示す。
表8.ゲルカプセルの形態の組成物の例
【0121】
【0122】
実施例14:単一抽出物を含むゲルカプセルの形態の本発明による組成物の例
実施例14の組成物は、経口的に投与され得るゲルカプセルの形態である。これは、Chrysanthellum indicumの地上部から、Cynara scolymusの葉から、Vaccinium myrtillusの果実から、Piper nigrumの果実から、及びOlea europaeaの葉から得られる粉末混合物の単一の水性アルコール性抽出物を含む。3つの植物の間の比は、1/1/0.1/0.0001/0.6である。植物の混合物の単一の抽出物は、以下の工程を含むプロセスを介して得る:
-固体/液体抽出
-分離/加圧
-濾過
-エバポレーション
-乾燥
-必要に応じて添加物の組み込み
-ホモジナイゼーション
-コンディショニング。
【0123】
実施例15:合成分子または植物原料から得られる分子を含む錠剤の形態の本発明による組成物の例
実施例15の組成物は、経口的に投与され得るフィルムコーティング錠剤の形態である。これは、1つの錠剤あたり活性物質として以下を含む:50mgのアピゲニン7-O-グルクロニド、50mgのジカフェオイルキナ酸、100mgのモノカフェオイルキナ酸、10mgのピペリン及び250mgのオレウロペイン。賦形剤として用いられる他の成分は以下:アルファ化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム(A型)、ステアリン酸、ポビドンK90、無水コロイド状シリカである。
【0124】
活性物質は、合成であってもよいし、または植物原料由来であってもよいし、または高速液体クロマトグラフィーによる精製による植物抽出物由来であってもよい。
【0125】
II.組成物の有効性のインビボ評価
マウスに対するインビボ実験を行って、具体的には、空腹時血糖、糖化されたヘモグロビン、炭水化物耐性、インスリン感受性、体重及び体脂肪量に対する、ならびに循環中の脂肪及び肝脂肪に対する、本発明による組成物の効果を実証した。同様に、分子生物学的評価を行った。最終的に、組成物を、既に市場にあるかまたは開発中の参照の薬理学的処置と比較した。
【0126】
実験は、db/dbマウスで行った。db/dbマウスは、レプチン受容体の変異を有し、これが、この細胞シグナル伝達の機能不全を誘発する。レプチン受容体は、視床下部で高度に発現される。これらの受容体の変異を有するマウスは、そのエネルギー貯蔵を効率的に調節できない。これによって、生涯の初めの方の日(10~14日)から高インスリン血症、及び血糖の増大を伴い3~4週で肥満が生じる。これらのマウスはインスリン抵抗性、高トリグリセリド血症及びグルコース-不耐症である。それらは、特にインスリン感受性、トリグリセリド血症、2型糖尿病及びその合併症の1つである非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を研究するために適切かつ予測的なモデルを構成する(Aileen JF King Br J Pharmacol 2012;166(3):877-894;Sanches SC et al. Biomed Res Int 2015)。
【0127】
II.1 試験A
実験時間は、9週であって、1週の「ランイン(run-in)」があり、続いて、8週の植物抽出物及び組成物Xの補充があった。雄性マウスは、処置開始の時点で10週齢であった。
【0128】
9つの組成物Xを試験した。これらの組成物は、静脈内注射または動脈内注射では、その投与方式を与えられた少数の人に限定されているので、直接、げっ歯類の餌に入れ込み、これによって、その[マルチターゲット(multi-target)」の有効性及びその大規模使用を保証することを可能にした。これによって、また、種々の生理学的プロセスを変更する毎日の強制的な給餌を回避する。
【0129】
試験した組成物は以下のとおりであった:
■C1:Chrysanthellum indicum(植物全体)+ピペリン(それぞれ1%及び0.1%の餌);
■C2:Cynara scolymus(葉)+ピペリン(それぞれ、餌の1%及び0.1%);
■C3:Vaccinium myrtillus(果実)+ピペリン(それぞれ、餌の1%及び0.1%);
■C4:Chrysanthellum indicum(植物全体)+Cynara scolymus(葉)+Vaccinium myrtillus(果実)+ピペリン(それぞれ、餌の1%、1%、1%及び0.1%);
■C5:ピペリン(それぞれ、餌の0.1%);
■C6:Chrysanthellum indicum(植物全体)+Cynara scolymus(葉)+Vaccinium myrtillus(果実)(それぞれ、餌の1%、1%及び1%);
■C7:Chrysanthellum indicum(植物全体)+Cynara scolymus(葉)+Vaccinium myrtillus(果実)+ピペリン(それぞれ、餌の1%、1%、1%、0.001%);
■C8:Olea europaea(葉)(それぞれ、餌の0.6%);
■C9:Chrysanthellum indicum(植物全体)+Cynara scolymus(葉)+Vaccinium myrtillus(果実)+ピペリン+Olea europaea(葉)(それぞれ、餌の1%、1%、1%、0.001%、0.6%)。
【0130】
「ピペリン」という用語は、合成のピペリンまたは95%ピペリンを含有する標準的なPiper抽出物のいずれかを意味する。他の植物に関しては、それらは、植物原料から得られた乾燥抽出物である。
【0131】
この実験はいくつかの段階で行った。結果として、いくつかの「自由な管理(ad libitum control)」の群を作成した。これらの群から得られた結果をプールした。組成物C1、C2、C3、C4、C5、C8及びC9は、食物摂取において同様の低下を誘導した。結果として、「給餌ごとの管理(Per Fed control)」群、すなわち、群C1、C2、C3、C4、C5、C8及びC9として食物の同じ一日量を消費する群を作成して、等価な餌の摂取についての結果を比較できるようにした。
【0132】
実験的評価は特に以下に集中した:
-体重の測定;
-空腹時血糖の測定;
-炭水化物耐性の経口試験の間の血糖の変化。絶食状態におけるデンプン(3g/kg)の強制給餌後、デンプンに応答した血糖の変化を、この強制給餌の直前(t0)、及びその後、30、60、90及び120分後に生検によって尾で測定した。曲線下面積(AUC)を計算した。AUCの増大は、炭水化物不耐性を反映しており、低下は、炭水化物耐性の改善を反映している。
【0133】
組成物C7~C9については、インスリン感受性試験も行った。この試験は、絶食状態におけるインスリン(2U/kg)の腹腔内注射から構成された。インスリン注射に応答する血糖の変化を、この注射の直前(t0)、及びその後、30、60、90及び120分後に生検によって尾で測定した。曲線下面積(AUC)を計算した。AUCの低下は、インスリン注射に対する応答がよいこと、従って、インスリン感受性の改善を反映している。逆に、AUCの増大は、インスリン感受性が劣ること、従ってインスリン耐性を反映している。
【0134】
示した評価は、補充の直前(t=0)及び補充の終わり(t=8週)で行った。
【0135】
得られた結果を表に示す:
-表9は、処置の8週後、インスリン感受性に対する効果について、
-表10は、処置の8週後、空腹時血糖に対する効果について、
-表11は、処置の8週後、炭水化物耐性に対する効果について、
-表12は、処置の8週後、体重に対する効果について。
【0136】
インスリン感受性
表9.処置の8週後、インスリン感受性に対する組成物の効果
【0137】
【0138】
表9に示す結果はまた、
図1にも図示される。これらの結果によって、インスリン感受性に対する組成物C7及びC9の極めて有意でかつ大きな効果が示される。本発明による組成物C7及びC9によるインスリン感受性の改善は、2型糖尿病及びその合併症の予防及び処置において特に有利である。具体的には、インスリン耐性は、2型糖尿病の進行の主な機序の1つである(Samuel VT et al. Cell 2012;148:852-71)。さらに、このパラメーターに対する作用によって、本発明による組成物C7及びC9は、主な原因の1つがインスリン耐性である他の病理において特に適切である。これは特に、2型糖尿病の合併症の1つである非アルコール性脂肪性肝炎(NASH;Samuel VT et al.Cell 2012;148:852-71)、及びアルツハイマー病(Bedse G et al.Front Neurosci 2015;9:204)についてあてはまる。
【0139】
空腹時血糖
表10.処置の8週後、空腹時血糖に対する組成物の効果
【0140】
【表10】
平均値±SEM。自由管理、n=32;給餌ごとの管理、n=10;C1、n=9;C2、n=9;C3、n=9;C4、n=8;C5、n=9;C6、n=14;C7、n=12;C8、n=12;C9、n=9。対照に対する組成物、対応のないデータについてのスチューデントのt検定、
*p<0.05、
**p<0.01。
【0141】
組成物C1、C2、C3、C4、C5、C8及びC9は、餌の摂取の低下をもたらした。結果として、同じ量の食物を摂取する給餌ごとの群を作成した。その結果、動物に課したカロリー制限は、空腹時血糖には影響がなかったことが示される(給餌ごとの管理に対する自由管理の比較)。組成物C1、C3、C4及びC9は、空腹時血糖の有意な低下を誘導し、最も顕著な効果は、組成物C4(1%のChrysanthellum indicum、1%のCynara scolymus、1%のVaccinium myrtillus、0.1%のピペリン)及び組成物C9(1%のChrysanthellum indicum、1%のCynara scolymus、1%のVaccinium myrtillus、0.001%のピペリン、0.6%のOlea europaea)で観察された。
【0142】
組成物C6(1%のChrysanthellum indicum、1%のCynara scolymus、1%のVaccinium myrtillus)は、空腹時血糖には影響がなかった。ピペリン(0.1%)の追加、ただし、これ(C5)は、C6組み合わせに対して空腹時血糖に有意な低下を誘導せず、C4組み合わせを得て、これによって、驚くべきことに空腹時血糖を有意にかつ強力に低下することが可能になった。同様に、組成物C9を得るためのC7の組み合わせ(1%のChrysanthellum indicum、1%のCynara scolymus、1%のVaccinium myrtillus、0.001%ピペリン)に対するOlea europaea(0.6%;C8)の追加によって、また、非糖尿病マウスのものと実質上同様のレベルまで血糖を強力に低下することが可能になった。
【0143】
炭水化物耐性
表11.処置の8週後、炭水化物耐性に対する組成物の効果
【0144】
【表11】
平均値±SEM。自由管理、n=22;給餌ごとの管理、n=10;C1、n=9;C2、n=8;C3、n=10;C4、n=8;C5、n=9;C6、n=14;C7、n=12;C8、n=10;C9、n=9。AUC:「曲線下面積」。対照に対する組成物、対応のないデータについてのスチューデントのt検定、
*p<0.05、
**p<0.01。
【0145】
組成物C1、C2、C3、C4、C5、C8及びC9は、餌の摂取を低下させた。その結果として、同じ量の食物を消費する給餌ごとの群を作成した。その結果、動物に課したカロリー制限は、炭水化物耐性には影響がなかったことが示される(給餌ごとの管理に対する自由管理の比較)。組成物C1、C2、C3、C4、C5、C8及びC9は、炭水化物耐性の改善を反映する、AUCの有意な低下を誘導した。最も顕著な効果は、C4及びC9の組み合わせで得られる。
【0146】
体重
表12は、8週後の体重に対する組成物の効果
【0147】
【表12】
平均値±SEM。自由管理、n=34;給餌ごとの管理、n=10;C1、n=9;C2、n=9;C3、n=9;C4、n=8;C5、n=9;C6、n=14;C7、n=12;C8、n=10;C9、n=9。対照に対する組成物、対応のないデータについてのスチューデントのt検定、
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.0001。
【0148】
組成物C1、C2、C3、C4、C5、C8及びC9は、餌の摂取の低下をもたらした。結果として、同じ量の餌を消費する給餌ごとの群を作成した。その結果、動物に課したカロリー制限は、体重の有意な低下を誘発したことが示される(給餌ごとの管理に対する自由管理の比較、p<0.05)。組成物C1、C2、C3、C4、C6、及びC9はまた、体重の有意な低下を誘導した。組み合わせのC6は、空腹時血糖に影響を有さなかったが、これは、体重の大きくかつ有意な低下を誘導し、肥満の予防及び処置に有利な特性をもたらす。C9の組み合わせは、最も顕著な効果を有した。
【0149】
相乗効果
さらに、相乗効果を「Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations」Weeds,1967,15:20-22に記載のColby SRの方法によって評価した。この方法は特に、欧州特許第03812880号に用いられた。各々の組み合わせについて、相乗効果係数(synergistic factor)を算出した。係数>1は、相乗効果の存在を示す。係数<1は、アンタゴニストの存在を示す。行った計算は以下である:
期待される有効性の程度=A+B-(A*B/100)
相乗効果係数(SF)=(1*観察された有効性の程度(%))/期待される有効性の程度(%)
【0150】
この計算は以下の組み合わせに関連した:
-1%のChrysanthellum indicum/1%のCynara scolymus/1%のVaccinium myrtillus/0.1%のピペリンの組み合わせ(組成物C4)についてのSFの算出、ここでA=1%のChrysanthellum indicum/1%のCynara scolymus/1%のVaccinium myrtillus(C6)及びB=ピペリン(C5);
-1%のChrysanthellum indicum/1%のCynara scolymus/1%のVaccinium myrtillus/0.001%ピペリン/0.6%のOlea europaeaの組み合わせ(組成物C9)についてのSFの算出、ここでA=1%のChrysanthellum indicum/1%のCynara scolymus/1%のVaccinium myrtillus/0.001%ピペリン(組成物C7)及びB=0.6%のOlea europaea(組成物C8)。
【0151】
下の表13は、組み合わせC6+C5=C4の結果を示す。
組み合わせC6+C5=C4の相乗効果係数
【0152】
【0153】
表13に提示される結果を
図2及び
図3に図示する。本発明による組成物C4での大きい相乗効果は、空腹時血糖及び炭水化物耐性の両方に対して実証される(AUC)。
【0154】
下の表14は、組み合わせC7+C8=C9の結果を示す。
表14.組み合わせC7+C8=C9についての相乗効果係数
【0155】
【0156】
表14に示される結果を、
図4、
図5及び
図6に図示する。本発明による組成物C9での大きい相乗効果は、空腹時血糖及び炭水化物耐性(AUC)に対して、及びまたインスリン感受性(AUC)に対しても実証される。これは、組成物C7が既に、インスリン感受性の改善に対して大きくかつ有意な効果を有する場合でさえあてはまる。
【0157】
II.2 試験B
別の組成物C10を開発して、インビボで試験した:Chrysanthellum indicum(地上部、乾燥抽出物)+Cynara scolymus(葉、乾燥抽出物)+Vaccinium myrtillus(果実、乾燥抽出物)+Piper nigrum(果実、乾燥抽出物)+Olea europaea(葉、乾燥抽出物)。
【0158】
さらに正確には、組成物C10を、試験Aと同じモデルで(db/dbマウス)、2型糖尿病の処置における参照治療分子であるメトホルミンと比較してインビボで試験した。糖尿病モデルのこの予測モデルを用い、かつ組成物C10を、げっ歯類の餌に直接組み込んで(1%のChrysanthellum indicum、1%のCynara scolymus、0.1%のVaccinium myrtillus、0.001%のPiper nigrum及び0.6%のOlea europaeaの餌)、静脈内注射または動脈内注射では、その投与方式を与えられた少数の人に限定されているので、これによって、その「マルチターゲット(multi-target)」の効率及びその大規模使用を確実にすることが可能になる。
【0159】
実験時間は、7週であって、1週の「ランイン(run-in)」があり、続いて、6週の組成物10の補充があった。雄性マウスは、処置開始の時点で6週齢であった。評価は、補充の直前(t=0)で、特定のパラメーターについて毎週、及び補充の終わりに(t=6週)行った。
【0160】
実験的な評価は特に以下に関する:
-餌の摂取の測定(t1、t2、t3、t4及びt5週);
-体重の測定(t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6週);
-MRIによる体脂肪量及び筋肉の重さ(非脂肪量:lean mass)の測定(磁気共鳴画像;t0及びt6週);
-空腹時血糖の測定(t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6週);
-糖化されたヘモグロビンの測定(HbA1c;t6週);
-インスリン感受性(試験Aで行ったのと同一の試験;t0及びt6週);
-炭水化物耐性(試験Aで行ったのと同一の試験;t0及びt6週);
-肝臓及び血清トリグリセリドの測定(t6週);
-血清HDLコレステロールの測定(t6週)。
【0161】
これらの評価は全体として、当業者には周知である。
【0162】
これらの結果を、下の表15に示す。マウスによって1日に摂取されるメトホルミンの量は、本発明による組成物C10に存在する分子の総量よりも約26%大きかったことを考慮することが重要である。言い換えれば、投与されるメトホルミンの用量は、組成物C10中に存在する分子全体の用量よりも大きかった。
【0163】
【表15】
平均値±SEM。対照、n=10;メトホルミン、n=11;C10、n=10。対のないデータについてのスチューデントのt検定。
a:対照に対するC10、p<0.05。
b:メトホルミンに対するC10、p<0.05。
【0164】
図7は、インスリン感受性に対する、メトホルミン及び本発明による組成物C12の効果をさらに具体的に図示する。
【0165】
表15に図示される結果は、メタボリックシンドローム、過剰体重、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び心血管系疾患のリスクファクターのあるセットに対する、本発明による組成物C10の極端な大きさ及び驚くべき効果、すなわち以下を示す:
■筋肉の重さ(非脂肪量)に影響することのない、体脂肪量の低下による体重の低下;
■空腹時血糖及び糖化されたヘモグロビンの低下;
■炭水化物耐性の改善;
■インスリン感受性の改善;
■肝臓及び血清のトリグリセリドの低下;
■HDLコレステロール(「善玉コレステロール」)の増大。
【0166】
本発明による組成物はリスクファクターの全体の設定を低下するだけでなく、上記の全てを、非糖尿病性マウス(健康なマウス)のものと実質的に等価なレベルまでそれらを改善する。言い換えれば、本発明は、2型糖尿病の導入及び進行を予防する。
【0167】
図8及び
図9は、対照群と比較した、体重の変化及び空腹時血糖の変化に対する本発明による組成物C10の効果を図示する。本発明による組成物C10は実質的に、体重の増大を制限し、かつ血糖の上昇を防ぐ。
【0168】
さらに、その効果は、主な抗糖尿病医薬である、メトホルミンの効果より極めて優れており(Ferrannini E et al.Eur Heart J 2015;Jun 10;example:GLUCOPHAGE(登録商標))、かつ循環中のHDLコレステロール(「善玉コレステロール」)を劇的に低下する(-0.2g/L、p<0.01)、INTERCEPT社が開発したOCA(オベチコール酸、2型糖尿病及びNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を処置することを意図したFXRアゴニスト)とは対照的に、循環中の脂肪に対する副作用は示さない。それとはまったく反対に、本発明による組成物は、HDLコレステロールのレベルを50.3%まで上昇させる。
【0169】
さらに、本発明による組成物の効果は、2型糖尿病及びその病的な合併症の主な診断指標である、糖化されたヘモグロビン(HbA1c)に対して、GENFIT社が開発した候補医薬であるGFT505(Elafibranor)のものよりも大きい:組成物C10,HbA1c=GFT 505に対して4%、HbA1c=最高用量について6%(db/dbマウス及び同様の実験デザインの同じモデル;Hanf R et al.Diab Vasc Dis Res 2014;11:440-7)。HbA1cがさらに1%低下されれば、梗塞のリスクが14%まで低下し、心血管系疾患のリスクが37%まで低下し、切断のリスクが43%まで低下する。
【0170】
さらに、本発明による組成物は、血糖の増大に応答したインスリン分泌を担う細胞である、膵臓β細胞の悪化を遅らせるか、または停止さえする。具体的には、2型糖尿病は、慢性の高血糖症と部分的に関連する膵臓β細胞の悪化を徐々に誘導する。これは、血糖を低下するための疾患の第一段階におけるインスリン分泌の増大(インスリン血症の増大)、その後の、β細胞の徐々の破壊に起因してその分泌が徐々に低下すること(循環中のインスリン血症の低下)によって反映される(Leahy JL et al.J Clin Invest 1985;77:908-915)。この得られた結果によって、膵臓β細胞に対する組成物C10の効果が強力に支持される。具体的には、補充の6週間後、インスリン血症は、対照に対して、本発明による組成物C10群では高く(それぞれ、27.40±4.11、対9.64±2.53ng/mL,p<0.01)、これは、糖尿病の進行の極めて異なる段階を反映している:β細胞の破壊を伴う対照群における進行性の糖尿病(低いインスリン血症、高い空腹時血糖、高いHbA1c)及び機能的なβ細胞を有する本発明による組成物C10の群における進行しにくい糖尿病またはさらには糖尿病がない場合さえある(高インスリン血症、低血糖、低いHbA1c)。
【0171】
従って、本発明は、心臓-代謝障害の多因子的な性質を考慮して、新規な予防的解決法及び治療的解決法の必要性を完全に満たす。本発明は、代謝性疾患及びそれらの病的な性質の発達をかなり損なうための大きな進歩に相当する。
【0172】
肝臓で分子生物学的測定も行った。これらの評価は、処置の6週後及び動物の屠殺後に行った。具体的には、肝臓AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)タンパク質の量を、ウエスタンブロッティングによって決定した。AMPKは、代謝のセンサーであるとみなされる。遍在性の酵素であるAMPKは、エネルギー代謝、食物摂取、ならびに多数の代謝シグナル及びホルモンシグナルに応答する、組織の感度の協調的な調節に関与する。従って、これらの特性によって、AMPKは、代謝の適用(糖尿病、インスリン耐性、肥満)及び心臓病学的な適用(心臓虚血、糖尿病関連合併症)による主な薬理学的標的としての役割が与えられる(Coughlan KA et al.Diabetes Metab Syndr Obes 2014;7:241~53)。AMPKの量を増大することは、2型糖尿病及びその合併症(特に非アルコール性脂肪性肝炎)、ならびにさらに全体的には、代謝障害に関連する病理の処置の特定及び確証における基本的な目的のストラテジーを構成する。
【0173】
この結果、本発明による組成物C10は、AMPKの量の顕著な増大を誘発することが肝臓で示される(対照n=9、.00±0.22、対C10 n=9、1.96±0.73、p<0.001,マン・ホイットニー検定U)。その結果を、ウエスタンブロッティングによって
図10に図示する。
【0174】
当業者によって行われ得る実験的プロトコールは、下のラインに示す。
【0175】
→AMPK
タンパク質抽出
50mgの凍結組織(肝臓)を、1μLの プロテアーゼ阻害剤カクテル(P8340、Sigma-Aldrich)及びホスファターゼ阻害性錠剤(#88667 Thermo Fisher Scientific,USA)の存在下で、20容積のNP-40緩衝液(50mMのTris HCl、pH:7.4、150mMのNaCl、1mMのNaF、1mMのNa3VO4、1%のNonidet P-40、0.25%のデオキシコール酸ナトリウム)に入れた。その組織を、ガラスのPotterグラインダーを用いて氷中でホモジネートし、次いで14000gで、10分間4℃で遠心分離した後に、上清を回収した。上清のタンパク質含量を、Bio-Rad DCキット(Bio-Rad,USA)を用いてアッセイし、次いで全てのサンプルを同じ標準濃度にした後、2回目にLaemmliの2×緩衝液中に希釈し、次いで90℃で3分間加熱した。
【0176】
ブロッティング
各々の試験のために、分子量スケール及び内部対照を、ポリアクリルアミド勾配ゲル上に各サンプルの15μgの次に配置した(4~15%のMini-PROTEAN(登録商標)TGX Stain-Free(商標)Gel,BioRad,USA)。次いで、ゲルを電気泳動緩衝液(25mMのTris、192mMのグリシン、0.1%のSDS)の中で18~20分の間、300Vの電流に供し、その後タンパク質を、25Vで2.5Aの直流電流で7分間、半液体移動システム(Transblot,Bio-Rad,USA)によってPVDF膜に転写する。次いで、膜を、5%のBSAで富化した、Tween-Tris生理食塩水緩衝液(TTBS:50mMのTris base pH:7.5、150mMのNaCl、及び0.01%のTween20)中で、室温で1時間インキュベートした。次いで、この膜をTTBSでリンスし、次いで、抗AMPKα抗体(D63G4、Cell Signaling,USA)とともに4℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、膜を再度TTBSで洗浄し、次いで、西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートした抗ウサギ二次抗体に対して、1:3000の濃度で、室温で1時間曝した。次いで、膜をTTBS中で3回洗浄した後に、化学発光溶液(Clarity Western ECL;Bio-Rad,USA)に1分間曝した。次いで、この膜を、Bio-Rad Chemidocシステムでスキャンして、バンドの強度を、提供された画像解析ソフトウェア(ImageLab V4.1,Bio-Rad,USA)を用いて測定した。
【0177】
II.3 試験C
現在市場にある多くの治療分子の主な欠点の1つは、高リスクの低血糖症を伴う、それらの急性の低血糖症の影響である。本発明による組成物C10の急性の低血糖症の効果を試験するためには、この組成物は、6匹の健康なC57BL/6Nマウスに対して強制給餌(400mg/kg)によって投与した。血糖は、強制給餌の前後(t0、t15分、t30分)に尾での生検によって測定した。さらに、交差プロトコールによって、同じマウスに、強制給餌によって、生理食塩水を与えて、血糖を測定した(t0、t15分間、t30分間)。
図11に図示される結果によって、本発明による組成物C10の急性の低血糖症の影響がないことが実証される。
【0178】
II.4 試験D
Chrysanthellum indicumの地上部、Cynara scolymusの葉、Vaccinium myrtillusの果実、Piper nigrumの果実及びOlea europaeaの葉の粉末から得られた単一抽出物(水-アルコール性の乾燥抽出物)の組成物C11(比は、1/1/0.1/0.0001/0.6)を、試験A及び試験Bで用いた同じモデルの糖尿病マウスで試験した。
【0179】
実験時間は、6週であって、1週の「ランイン(run-in)」があり、続いて、6週の組成物11の補充があった。雄性マウスは、処置開始の時点で6週齢であった。評価は、主に体重の変化に集中した。測定は、補充の直前(t=0)で、特定のパラメーターについて毎週、及び補充の終わりに(t=5週)行った。組成物は、げっ歯類の餌の中に、食物の2.7%の割合で組み込んだ(組成物C10と同じ量)。
【0180】
図12は、対照群と比較して、体重の変化に対する、本発明による組成物C11の効果を図示する。本発明による組成物C11は、体重の増加を大きく制限する。
【0181】
III.組成物の有効性のインビトロ評価
インビトロ実験も行って、本発明による組成物C10及びC11の効果を実証する。本発明による分子の組み合わせの組成物C12も試験した:ジカフェオイルキナ酸+アピゲニン7-O-グルクロニド+モノカフェオイルキナ酸+オレウロペイン+ピペリン(比1/1/1/1/0.001)。
【0182】
種々の酵素活性試験を行って、本発明による組成物が、糖質代謝及び脂質代謝の戦略的酵素を阻害するか否かを決定した:αグルコシダーゼ、DDP-IV及びHMG-CoAレダクターゼ。これらの戦略的標的の全てに対する作用によって、2型糖尿病及びその合併症(糖尿病足、網膜症、視力低下、腎障害、心血管系事象、非アルコール性脂肪性肝炎またはNASH)の全体的なケアマネージメントが可能になる。
【0183】
→HMG-CoAレダクターゼ
循環中の脂肪を管理するために、目的は、コレステロール生合成の阻害を主に標的することによって、血清コレステロールの濃度を低下することである(3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタリル-補酵素AまたはHMG-CoAレダクターゼの阻害)。プラバスタチンは、LDLコレステロール及び総コレステロールを低下するための参照分子の1つである。これは、特に、ELISOR(登録商標)、PRAVASTATINE MYLAN、VASTEN(登録商標)、PRAVASTATINE TEVAの名称で販売されている。
【0184】
→αグルコシダーゼ
αグルコシダーゼは、糖質の消化のプロセスにおける最終段階を触媒する酵素である。αグルコシダーゼ阻害剤(この範疇に含まれる医薬の例:GLUCOR(登録商標)、DIASTABOL(登録商標))を、糖尿病において大血管合併症とは独立したリスクファクターとみなされる、食後の血糖を低下するために用いる(Kim JS et al.Biosci Biotechnol Biochem 2000;64:2458-61)。
【0185】
→DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)
DPP-IV阻害剤は、2型糖尿病のケアマネージメントの最も見込みのある戦略の1つとみなされる(von Geldern TW et al.Drug Development Research 2006;67:627-42)。DPP-IVは、ホルモンGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)及びインクレチンとしても公知のGIP(グルコース-依存性インスリン分泌性ポリペプチド)を急速に不活性化する。DPP-IVの阻害によって、特にGLP-1及びGIPの作用を増大することが可能になり、これによって、インスリン分泌の生理学的な刺激及び膵臓によるグルカゴン分泌の阻害、結果として、血糖の低下が可能になる。さらに、DPP-IVの阻害は、胃内容排出を促進し、かつ中枢性の食欲減退の効果をもたらす。従って、DPP-IVの阻害によって、糖尿病の個体の場合、糖質のより良好な調節が可能になる。臨床研究によってさらに、DPP-IV阻害剤が良好な有効性を有し、2型糖尿病に罹患している個体の場合、体重の増加及び低血糖症事象がなく、高血糖症のケアマネージメントの耐容性が優れていることが示される(Green BD et al.Diabetes Vasc Dis Res 2006;3:159-65)。参照阻害剤のうちの1つは、ディプロチン(diprotin)Aである。
【0186】
組成物C10、C11及びC12の阻害能力を評価するための実験的プロトコールは以下のとおりであった:
抽出物、抽出物の混合物及び純粋な合成の分子の混合物の調製
HMG-CoAレダクターゼ及びグルコシダーゼの阻害の試験のために、植物抽出物を、超純水/エタノール混合物中で希釈し、その割合は、抽出物の種類に応じて、均一な溶液を得るように変えた。
【0187】
ホモジナイゼーション後、サンプルを4000rpmで10分間遠心分離し、その上清を回収した(1-15 Fisher Bioblock Scientif centrifuge,Sigma-Aldrich(登録商標))。その分子を、90/10(v/v)の超純水/DMSO、または50/50(v/v)超純水/エタノールのいずれかに希釈した。
【0188】
いくつかの植物抽出物の混合物を、50/50(v/v)の水/エタノールに希釈し、次いで、15分間、超音波処理して、培地をホモジネートした(UP50H Hielscher(登録商標)超音波プローブを最大パワーで使用)。最終的に、それらを、4000rpmで10分間遠心分離し、その上清を回収した(1-15 Fisher Bioblock Scientif centrifuge,Sigma Aldrich(登録商標))。
【0189】
DPP-IV試験の場合、サンプルを、Trisma-HCl緩衝液(pH8.0;100mM)または90/10(v/v)超純水/DMSOのいずれかに希釈した。
(HMG-CoAレダクターゼの阻害の試験)
この試験によって、酵素活性の阻害の有効性である、λ=340nmでの、経時的な吸収の低下によって、測定することが可能になる。この反応機構は以下のとおりである:
HMG-CoA+2NADPH+2H+→メバロン酸塩+2NADP++CoA-SH
【0190】
従って、基質NADPH(340nmでの吸収)の消失を経時的にモニターする。阻害剤なしの対照の反応(100%活性)に対する経時的な340nmでの吸収の変動の低下は、酵素の阻害の証拠である。
【0191】
第一段階では、溶液は、Sigma(登録商標)キットから調製する必要がある:
-供給された5×緩衝液は、超純水中で1×の濃度まで希釈しなければならない;
-NADPHは、1×緩衝液を添加することによって希釈し、次いで100μLのチューブに分配する;
-出発の酵素溶液を、25μLのアリコートに分配する。
【0192】
緩衝液及びNADPHを、-20℃で保管して、酵素アリコートを使用時点まで-80℃で保管した。
【0193】
操作は、直接96ウェルマイクロプレート(NUNC96またはSARSTEDT96)中で行った。緩衝液、基質、阻害剤及び酵素を、特定の順序で添加した(下を参照のこと)。各々のマイクロプレートについて、ブランク、対照及び種々の試験を準備することが必要であった。各々の要素を、二連で調製した(または三連でさえ):
-ブランクの準備:サンプルに用いた24μLの溶媒、12μLのHMG-CoA、158μLの1×緩衝液、4μLのNADPH;37℃で、3~5分間インキュベーション;
-陰性対照の準備:サンプルに用いた24μLの溶媒、12μLのHMG-CoA、158μLの1×緩衝液、4μLのNADPH;37℃、3~5分のインキュベーション;2μLの酵素の添加;
-試験の準備:24μLの潜在的に阻害性のサンプル、12μLのHMG-CoA、158μLの1×緩衝液、4μLのNADPH;37℃、3~5分のインキュベーション;2μLの酵素の添加。
【0194】
プレートを準備した後、動力学的モニタリングを、16分、25秒にわたって、マイクロプレートリーダー(BMG Labtech)で行い、値は、λ=340nm、で25秒ごとに、すなわち、全体で40サイクルとった。これから、阻害のパーセンテージを算出してもよい。
【0195】
α-グルコシダーゼの阻害の試験
α-グルコシダーゼ阻害試験は、合成基質からの黄色生成物パラ-ニトロフェノール(PNP)の形成を、λ=405nmで、分光光度法によってモニタリングすることによって行った:α-グルコシダーゼによって触媒される、以下の加水分解反応による、パラ-ニトロフェニル-α-D-グルコピラノシド(PNPg):
PNPg+H2O→PNP+グルコース
【0196】
阻害剤なしの対照の反応(100%活性)に対する経時的なλ=405nmでの吸収のバリエーションの低下は、酵素の阻害の証拠である。Saccharomyces cerevisiae(マルターゼ)(Sigma-Aldrich(登録商標)、G0660)で生じた組み換えヒト酵素を、リン酸緩衝液(0.1M、pH6.8)に希釈して、理論上120U/mLのストック溶液から、試験に用いる1.6U/mLの活性の溶液まで通した。
【0197】
α-グルコシダーゼ阻害試験の間、96ウェルマイクロプレート(NUNC96またはSARSTEDT96)で直接、操作を行った。緩衝液、基質、阻害剤及び酵素を、特定の順序で添加した(下を参照のこと)。準備した各々のマイクロプレートについて、ブランク、対照及び種々の試験を準備する。各々の要素を、二連で(または三連でさえ)調製する:
-ブランクの準備:100μLのリン酸緩衝液(0.1M、pH6.8)、サンプルに用いた20μLの溶媒、37℃で10~15分のインキュベーション、続いて、20μLのPNPgの2.5mMでの添加(リン酸塩緩衝液に溶解);
-陰性対照の準備:100μLのリン酸塩緩衝液(0.1M、pH6.8)、サンプルに用いた20μLの溶媒、1.6U/mLの20μLの酵素、37℃で10~15分のインキュベーション、続いて、20μLのPNPgの2.5mMでの添加(リン酸塩緩衝液に溶解);
-試験の準備:100μLのリン酸緩衝液(0.1M、pH6.8)、20μLの潜在的に阻害性のサンプル、1.6U/mLの20μLの酵素、37℃で10~15分のインキュベーション、続いて、20μLのPNPgの2.5mMでの添加(リン酸塩緩衝液に溶解)。
【0198】
プレートを準備した後、動力学的モニタリングを、30分にわたって、マイクロプレートリーダー(BMG Labtech)で行い、値は、λ=405nm、で2分ごとに、すなわち、全体で16サイクルとった。これから、阻害のパーセンテージを算出してもよい。
【0199】
(DPP-IVの阻害の試験)
DPP-IV阻害試験は、合成基質からの生成物p-ニトロアニリンの形成を、λ=385nmでの、分光光度法によるモニタリングすることによって行った:DPP-IVによって触媒される以下の加水分解反応による、Gly-L-Pro-p-ニトロアニリド:
Gly-L-Pro-p-ニトロアニリド+H2O→p-ニトロアニリン+Gly-L-pro
【0200】
阻害剤なしの対照の反応(100%活性)に対する経時的な385nmでの吸収のバリエーションの低下は、酵素の阻害の証拠である。用いられる酵素は、0.045U/mLの濃度であり(U=μmol/分を用いる)、従って、希釈する必要があった。希釈は大きいので、2連続希釈を行う必要があった。
【0201】
第一希釈(510-4U/mLでの溶液の生成):
【0202】
【数1】
(Vfinal:450μL;V(酵素のストック溶液)=5μL)
【0203】
第二希釈(510-6U/mLでの溶液の精製)
【0204】
【数2】
(Vfinal:1000μL;V(D1)=10μL)→溶液D2は有効な溶液であった。
【0205】
96ウェルマイクロプレート(NUNC96またはSARSTEDT96)で直接、操作を行った。緩衝液、基質、阻害剤及び酵素を、特定の順序で添加した(下を参照のこと)。準備した各々のマイクロプレートについて、ブランク、対照及び種々の試験を準備する。各々の要素を、二連で(または三連でさえ)調製する:
-ブランクの準備:25μLのサンプル、25μLの基質(Tris-HCl緩衝液(100mM、pH8.0)に1.6mMの濃度で溶解したGly-L-pro-p-ニトロアニリド);
-陰性対照の準備:サンプルに用いる25μLの希釈液、25μLの基質、37℃で10分のインキュベーション、50μLの酵素を510-6U/mLで(100mMのTrisHCl緩衝液、pH8.0に調製);
-試験の準備:25μLの潜在的に阻害性のサンプル、25μLの基質、37℃で10分のインキュベーション、50μLの酵素を510-6U/mLで。
【0206】
プレートを準備した後、動力学的モニタリングを、30分にわたって、マイクロプレートリーダー(BMG Labtech)で行い、値は、λ=385nmで1分ごとに、すなわち、全体で31サイクルとった。これから、阻害のパーセンテージを算出してもよい。
【0207】
(阻害パーセンテージの計算)
一般に、試験にかかわらず、所定の濃度の阻害剤について、等式の曲線:吸収=f(時間)(分数)を作成した。同様に、対照(阻害剤なし)及びブランク(酵素なし)を体系的に準備した。
【0208】
得られた種々の曲線では、動力学の開始時の直線部のみが、最初の率を決定するための条件に相当したので、保持された。従って、1分あたりの吸収の勾配は、生成物(グルコシダーゼ及びDPP-IV)の出現の速度、または基質の消失の速度(HMG-CoAレダクターゼ、負の勾配)に比例した。
【0209】
試験の種類次第で、種々の酵素の阻害のパーセンテージを、種々の方法を介して算出した:
-HMG-CoAレダクターゼの阻害及びα-グルコシダーゼの阻害についての試験のためには、計算式は以下である:
【0210】
【数3】
-DPP4の阻害の試験のためには、式は、ブランクが考慮されるのでわずかに異なる:
【0211】
【0212】
最終的に、阻害パーセンテージの平均値は、各濃度の阻害剤について算出し、かつまた、各々の値の標準偏差も算出した。標準偏差の値が10%より大きい場合、10%未満の値が得られるまで、新しい試験を2連で行った。
【0213】
本発明による組成物C10及びC11の3つの酵素で得た結果を下の表16にまとめる。
【0214】
【表16】
aIC50:酵素がその活性の50%しか有さない阻害性の濃度。
b1.25mg/mLで設定されたサンプルの濃度。
c60μg/mLで設定されたサンプルの濃度。
【0215】
分子の組み合わせについて3つの酵素(本発明による組成物C12)で得られた結果を、下の表17にまとめる。
【0216】
【表17】
aIC50:酵素がその活性の50%しか有さない阻害性の濃度。
b250μg/mLで設定されたサンプルの濃度。
c60μg/mLで設定されたサンプルの濃度。
【0217】
各々の酵素[それぞれ、アカルボース(医薬)、ディプロチンA(参照阻害剤)、プラバスタチン(医薬)]についての参照の阻害性分子と対照的に、本発明による組成物C10、C11及びC12は驚くべきことに、3つの酵素を阻害する唯一のものであることが見出される。
【0218】
いくつかの調節プロセスで同時に作用することによって、本発明による組成物は、糖尿病、脂質異常症、及びその合併症を予防及び処置するための有利な予防手段及び治療手段である。現在の治療ストラテジーは、種々のリスクファクターを個々に低下するために、いくつかの医薬を組み合わせることから構成される。それにもかかわらず、薬物の組み合わせは、時に重篤な副作用を生じる場合があり、例えば、フィブラート類及びスタチン類の同時投与は、ミオパシー(筋障害)のリスクを増大する(Denke MA J Manag Care Pharm 2003;9:17-9)。従って、現在、その作用の「マルチターゲット」機構がコンプライアンス、耐性及び有効性に関して利点がある、予防的な解決法及び医薬の実際の必要性が存在する。従って、本発明による組成物によって、心血管系の疾患のリスクを低下し、かつ独立して生じる各々の機能障害及び/またはその結果を予防及び処置することが可能になる。