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特許7093831生体内の小型動物蛍光断層撮像のための高速広視野照明走査のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】生体内の小型動物蛍光断層撮像のための高速広視野照明走査のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20220623BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
A61B10/00 E
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2020502379
(86)(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018042723
(87)【国際公開番号】W WO2019018547
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-02-14
(31)【優先権主張番号】15/654,442
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512285166
【氏名又は名称】ペルキネルマー ヘルス サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハーレー, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ベールーズ, アリ
(72)【発明者】
【氏名】メルツァー, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン, アンドリュー
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0214107(US,A1)
【文献】国際公開第2009/133734(WO,A1)
【文献】特開2009-019961(JP,A)
【文献】米国特許第05013150(US,A)
【文献】国際公開第2004/055509(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2002/0027203(US,A1)
【文献】特開2013-156286(JP,A)
【文献】国際公開第2004/001402(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0089817(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102004034978(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0105195(US,A1)
【文献】特開平11-326188(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03165903(EP,A1)
【文献】特開2008-196970(JP,A)
【文献】特表2007-528500(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0078576(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/74
G01N 33/00-G01N 33/98
A61B 1/00-A61B 1/32
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体平面にわたって位置付けられた複数の被験体の断層撮像のための広視野にわたる励起光の高速走査のためのシステムであって、
(a)励起光ビームを発するように動作可能な励起源であって、前記励起源が、前記励起源の出力から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って前記励起光ビームを向けるように位置合わせされている、励起源と、
(b)前記ガルバノ光学スキャナであって、前記ガルバノ光学スキャナが、前記1つ以上のガルバノミラーが回転すると、前記励起光ビームが走査領域にわたって走査されるように、前記1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、前記物体平面の前記走査領域内の複数の別個の励起場所に前記励起光ビームを、前記励起光ビームへの前記複数の被験体の露光中に向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、前記物体平面にわたって位置付けられた前記複数の被験体の照明を提供し、前記複数の別個の励起場所は、複数の複数被験体組の別個の励起場所を備え、前記複数被験体組の別個の励起場所の各々は、前記複数の被験体のうちの第1の被験体の第1の場所に対応する第1の別個の励起場所と、前記複数の被験体のうちの第2の被験体の第2の場所に対応する第2の別個の励起場所とを備える、ガルバノ光学スキャナと、
(c)前記複数の複数被験体組の別個の励起場所のうちの1つの前記第1の別個の励起場所および前記第2の別個の励起場所における前記励起光ビームによる励起の結果として、前記複数の被験体の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を、前記励起光ビームへの前記複数の被験体の露光中に検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、1つ以上の検出器と、
(d)プロセッサと、
(e)命令が記憶されているメモリと
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/または前記データにアクセスすることと、
前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記複数の被験体の1つ以上の断層画像を取得することであって、前記1つ以上の断層画像は、前記複数の複数被験体組の別個の励起場所のうちの1つの前記第1の別個の励起場所および前記第2の別個の励起場所における前記複数の被験体から発せられる前記蛍光を表す複数被験体断層画像を備える、ことと
を行わせる、システム。
【請求項2】
前記ガルバノ光学スキャナが、前記1つ以上のガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの走査領域を生成するために、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1の寸法および/または第2の寸法に沿った前記走査領域の前記所望されるサイズが、少なくとも100mmである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離が、150~250mmである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記励起源は、その出力から、(i)前記ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)前記ガルバノ光学スキャナから前記物体平面に移動するにつれて収束する励起光の集束ビームとして、前記励起光ビームを発するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記励起源の前記出力から発せられた前記励起光の集束ビームが、前記走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記励起源の前記出力から発せられた前記励起光の集束ビームが、
【化17】
であるような半角発散φを有し、式中、
maxが、前記走査領域内の前記励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり、
bwが、前記励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり、
が、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された最小距離であり、
が、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記励起源の前記出力から発せられた前記励起光の集束ビームの半角発散が、25mrad以下である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムが、前記励起源の前記出力から前記ガルバノ光学スキャナまでの前記光路内に位置付けられたビーム整形光学系を備え、前記ビーム整形光学系が、
(A)集束光学系であって、前記集束光学系を通過した後に、前記励起光ビームが、(i)前記ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)前記ガルバノ光学スキャナから前記物体平面に移動するにつれて収束するように、前記集束光学系が位置合わせされている、集束光学系と、
(B)平行光学系であって、前記平行光学系を通過した後に、前記励起光ビームが、(i)前記ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)前記ガルバノ光学スキャナから前記物体平面に移動するにつれて発散するように、前記平行光学系が位置合わせされている、平行光学系と、のうちの少なくとも一方である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ビーム整形光学系が、前記集束光学系である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記集束光学系は、前記励起光ビームのスポットサイズが、前記走査領域内の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記集束光学系を通過した後の前記励起光ビームの半角発散φが、
【化18】
となるようなものであり、式中、
maxが、前記励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり、
bwが、ビームウエストでの前記励起光ビームのスポットサイズであり、
が、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離であり、
が、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記集束光学系を通過した後の前記励起光ビームの半角発散が、25mrad以下である、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記励起源のパワーが、100mW超、または100mWにほぼ等しい、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記励起源が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザであり、前記励起光ビームが発せられる前記励起源の前記出力が、前記ファイバ結合レーザまたは前記ファイバレーザの光ファイバの遠位端である、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記ファイバ結合レーザまたは前記ファイバレーザの前記光ファイバのコア直径が、5μm~400μmである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記光ファイバの開口数(NA)が、0.1~0.3である、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の検出器が、透過照明の幾何学的配置で前記蛍光種から発せられた前記蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、前記励起光ビームが、前記物体平面の第1の側部から前記物体平面の方に向けられ、前記1つ以上の検出器が、前記物体平面の反対側の第2の側部から外向きの方向に発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の検出器が、前記複数の被験体を透過したか、または前記複数の被験体から反射された励起光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、
前記命令は、前記プロセッサに、
前記検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/または前記データにアクセスすることと、
前記検出された励起光に対応する前記データおよび前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記複数の被験体の1つ以上の断層画像を取得することと、を行わせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
各別個の励起場所に関して、
前記別個の励起場所に向けられた前記励起光ビームの光路に位置付けられている前記複数の被験体のうちの所与の被験体が、前記被験体の表面上の対応する照明場所で前記励起光ビームによって照明され、それにより、前記励起光ビームが、前記対応する照明場所で前記所与の被験体の前記表面上に入射し、前記被験体内で拡散し、それによって、前記所与の被験体の蛍光種の励起を提供し、
前記1つ以上の検出器が、前記別個の励起場所に向けられた前記励起光ビームの光路内に位置付けられている前記所与の被験体の蛍光種によって発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、複数の蛍光発光画像の検出を提供し、前記複数の蛍光発光画像の各蛍光発光画像は、前記複数の別個の励起場所のうちの別個の励起場所に対応し、
前記命令は、前記プロセッサに、
少なくとも前記複数の蛍光発光画像を受信しかつ/または前記複数の蛍光発光画像にアクセスすることによって、前記検出された蛍光に対応する前記データを受信し、かつ/または前記データにアクセスすることと、
前記複数の蛍光発光画像を使用して、前記複数の被験体の前記1つ以上の断層画像を取得することと、を行わせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つ以上の検出器は、前記複数の別個の励起場所のうちの各別個の励起場所に関して、前記励起光ビームが前記対応する照明場所で前記所与の被験体の前記表面上に入射したときに、前記所与の被験体を透過したか、または前記所与の被験体によって反射された励起光を表す、対応する励起画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それにより、複数の励起画像が検出され、前記複数の励起画像のうちの各励起画像は、前記複数の別個の励起場所のうちの別個の励起場所に対応し、
前記命令は、前記プロセッサに、
前記複数の励起画像を含む前記検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/または前記データにアクセスすることと、
前記複数の蛍光発光画像および前記複数の励起画像を使用して、前記複数の被験体の前記1つ以上の断層画像を取得することと、を行わせる、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ガルバノ光学スキャナが、前記複数の複数被験体組のうちの任意の他の複数被験体組の任意の別個の励起場所に前記励起光ビームを向けることに進む前に、前記複数の複数被験体組のうちの所与の複数被験体組の中の各別個の励起場所に前記励起光ビームを向けることによって、一度に、前記複数の複数被験体組のうちの1つの複数被験体組に、前記励起光ビームを走査するように動作可能であり、
前記ガルバノ光学スキャナが、1つ以上の検出器の露光窓に対応する時間内に、前記複数の複数被験体組のうちの各複数被験体組の各別個の励起場所を通って前記励起光ビームを走査するように動作可能であり、
前記1つ以上の検出器が、前記複数の複数被験体組のうちの各複数被験体組に関して、前記複数の複数被験体組のうちの前記所与の複数被験体組の中の各別個の励起場所に向けられた励起光による前記複数の被験体の前記1つ以上の蛍光種の励起の結果として、前記1つ以上の検出器の前記露光窓の間に発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記検出された蛍光に対応する前記データが、前記複数の複数被験体組の各複数被験体組に関して、前記対応する蛍光発光画像を含み、
前記命令が、前記プロセッサに、前記蛍光発光画像を使用して、前記複数の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得させる、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記命令は、前記プロセッサに、前記複数の被験体の各被験体に関して、
前記複数の複数被験体組の複数被験体組に対応する各蛍光発光画像に関して、前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられた前記蛍光発光画像の一部分を決定し、それによって、前記複数の被験体のための1つ以上の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光画像が、前記複数の複数被験体組のうちの複数被験体組に対応する、ことと、
前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられた前記1つ以上の単一被験体蛍光発光画像を使用して、前記第1の被験体または前記第2の被験体の断層画像を取得することと
を行わせる、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記1つ以上の検出器が、前記複数の複数被験体組のうちの各複数被験体組に関して、前記複数の複数被験体組のうちの前記所与の複数被験体組の中の各別個の励起場所に向けられた前記励起光ビームによる前記複数の被験体の照明の結果として、前記1つ以上の検出器の前記露光窓の間に検出された、前記複数の被験体を透過したか、または前記複数の被験体によって反射された励起光を表す、対応する励起画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、
前記命令は、前記プロセッサに、
前記複数の複数被験体組のうちの各複数被験体組に関して前記対応する励起画像を含む、前記検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/または前記データにアクセスすることと、
前記検出された蛍光発光画像および前記検出された励起画像を使用して、前記複数の被験体の各被験体の断層画像を取得することと、を行わせる、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記命令は、前記プロセッサに、前記複数の被験体の各被験体に関して、
前記複数の複数被験体組のうちの複数被験体組に対応する各蛍光発光画像に関して、前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられた前記蛍光発光画像の一部分を決定し、それによって、前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられ、かつ前記複数被験体組に対応する単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられた1つ以上の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光発光画像が、別個の励起場所の組に対応する、ことと、
前記複数被験体組に対応する各励起画像に関して、前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられた励起画像の一部分を決定し、それによって、前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられ、かつ前記複数被験体組に対応する、単一被験体励起画像を決定し、それによって、前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられた1つ以上の単一被験体励起画像を決定することであって、各単一被験体励起画像が、前記複数被験体組に対応する、ことと、
前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられた前記1つ以上の単一被験体蛍光発光画像および前記第1の被験体または前記第2の被験体と関連付けられた前記1つ以上の単一被験体励起画像を使用して、前記第1の被験体または前記第2の被験体の断層画像を取得することと
を行わせる、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
物体平面にわたって位置付けられた複数の被験体の断層撮像のための広視野にわたる複数の励起源からの励起光の高速走査のためのシステムであって、
(a)複数の励起源であって、
各励起源が、それぞれの励起光ビームを発するように動作可能であり、
第1の励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、前記第1の励起源の出力から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの第1の光路に沿って向けるように位置合わせされており、
前記第1の励起源以外の各励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、その出力から前記ガルバノ光学スキャナまでのそれぞれの光路に沿って、前記第1の光路に対して対応するオフセット角度で向けるように位置合わせされている、複数の励起源と、
(b)前記ガルバノ光学スキャナであって、前記ガルバノ光学スキャナが、各励起源に関して、前記1つ以上のガルバノミラーが回転すると、前記それぞれの励起光ビームがそれぞれの走査領域にわたって走査されるように、前記1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、前記物体平面の前記それぞれの走査領域内のそれぞれの複数の別個の励起場所に、前記それぞれの励起光ビームを、前記それぞれの励起光ビームへの前記複数の被験体の露光中に向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、前記物体平面にわたって位置付けられた前記複数の被験体の照明を提供し、前記それぞれの複数の別個の励起場所は、複数の複数被験体組の別個の励起場所を備え、前記複数被験体組の別個の励起場所の各々は、前記複数の被験体のうちの第1の被験体の第1の場所に対応する第1の別個の励起場所と、前記複数の被験体のうちの第2の被験体の第2の場所に対応する第2の別個の励起場所とを備える、ガルバノ光学スキャナと、
(c)前記複数の複数被験体組の別個の励起場所のうちの1つの前記第1の別個の励起場所および前記第2の別個の励起場所における前記それぞれの励起光ビームによる励起の結果として、前記複数の被験体の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を、前記それぞれの励起光ビームへの前記複数の被験体の露光中に検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、1つ以上の検出器と、
(d)プロセッサと、
(e)命令が記憶されているメモリと、を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/または前記データにアクセスすることと、
前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記複数の被験体の1つ以上の断層画像を取得することであって、前記1つ以上の断層画像は、前記複数の複数被験体組の別個の励起場所のうちの1つの前記第1の別個の励起場所および前記第2の別個の励起場所における前記複数の被験体から発せられる前記蛍光を表す複数被験体断層画像を備える、ことと
を行わせる、システム。
【請求項28】
前記複数の励起源のうちの各励起源が、前記複数の被験体の対応する蛍光種の励起帯域内の別個の励起波長を有する励起光を発する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記1つ以上の検出器が、前記複数の励起源のうちの2つ以上の励起源の各々からの前記励起光による励起の結果として、前記複数の被験体の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記検出された蛍光に対応する前記データが、前記複数の励起源のうちの2つ以上の励起源の各々に関して、前記励起源の前記それぞれの走査領域にわたって前記それぞれの複数の別個の励起場所の各々に向けられた励起光による励起に続いて検出された、一組の関連付けられた蛍光発光信号を含み、
前記命令は、前記プロセッサに、前記2つ以上の励起源の各々に関して、前記関連付けられた蛍光発光信号を使用して前記複数の被験体の1つ以上の断層画像のそれぞれの組を取得させ、それによって、前記2つ以上の励起源の各々に関する一組の1つ以上の断層画像を取得させる、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記励起源の各々の前記それぞれの走査領域の各々の少なくとも一部分が、互いに重なり合って、共有走査領域を生成する、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
前記ガルバノ光学スキャナが、前記1つ以上のガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの共有走査領域を生成するために、前記ガルバノ光学スキャナから前記共有走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられている、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
第1の寸法および/または第2の寸法に沿った前記共有走査領域の前記所望されるサイズが、少なくとも100mmである、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
物体平面にわたって位置付けられた複数の被験体の断層撮像のための広視野にわたる励起光の高速走査のための方法であって、
(a)励起源からの励起光ビームを用いて前記複数の被験体を照明することであって、前記励起源が、前記励起源の出力から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って前記励起光ビームを向けるように位置合わせされており、前記ガルバノ光学スキャナが、前記1つ以上のガルバノミラーが回転すると、前記励起光ビームが走査領域にわたって走査されるように、前記1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、前記物体平面の前記走査領域内の複数の別個の励起場所に前記励起光ビームを、前記励起光ビームへの前記複数の被験体の露光中に向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、前記物体平面にわたって位置付けられた前記複数の被験体の照明を提供し、前記複数の別個の励起場所は、複数の複数被験体組の別個の励起場所を備え、前記複数被験体組の別個の励起場所の各々は、前記複数の被験体のうちの第1の被験体の第1の場所に対応する第1の別個の励起場所と、前記複数の被験体のうちの第2の被験体の第2の場所に対応する第2の別個の励起場所とを備える、ことと、
(b)1つ以上の検出器を用いて、前記励起光ビームへの前記複数の被験体の露光中に、前記複数の複数被験体組の別個の励起場所のうちの1つの前記第1の別個の励起場所および前記第2の別個の励起場所における前記励起ビームによる励起の結果として、前記複数の被験体の蛍光種から発せられる蛍光を検出することと、
(c)コンピューティングデバイスのプロセッサによって、前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/または前記データにアクセスすることと、
(d)前記プロセッサによって、前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記複数の被験体の1つ以上の断層画像を取得することであって、前記1つ以上の断層画像は、前記複数の複数被験体組の別個の励起場所のうちの1つの前記第1の別個の励起場所および前記第2の別個の励起場所における前記複数の被験体から発せられる前記蛍光を表す複数被験体断層画像を備える、ことと
を含む、方法。
【請求項35】
物体平面にわたって位置付けられた複数の被験体の断層撮像のための広視野にわたる複数の励起源からの励起光の高速走査のための方法であって、
(a)複数の励起源のそれぞれ1つから発せられる少なくとも1つの励起光ビームを用いて前記複数の被験体を照明することであって、
(i)第1の励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、前記第1の励起源から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの第1の光路に沿って向けるように位置合わせされており、
(ii)前記第1の励起源以外の各励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、前記ガルバノ光学スキャナに向かうそれぞれの光路に沿って、前記第1の励起源から前記ガルバノ光学スキャナまでの前記第1の光路に対して対応するオフセット角度で向けるように位置合わせされており、
(iii)前記ガルバノ光学スキャナが、各励起源に関して、前記1つ以上のガルバノミラーが回転すると、前記それぞれの励起光ビームがそれぞれの走査領域にわたって走査されるように、前記1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、前記物体平面の前記それぞれの走査領域内のそれぞれの複数の別個の励起場所に、前記励起源によって発せられた前記それぞれの励起光ビームを、前記それぞれの励起光ビームへの前記複数の被験体の露光中に向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、前記物体平面にわたって位置付けられた前記複数の被験体の照明を提供し、前記それぞれの複数の別個の励起場所は、複数の複数被験体組の別個の励起場所を備え、前記複数被験体組の別個の励起場所の各々は、前記複数の被験体のうちの第1の被験体の第1の場所に対応する第1の別個の励起場所と、前記複数の被験体のうちの第2の被験体の第2の場所に対応する第2の別個の励起場所とを備える、ことと、
(b)1つ以上の検出器を用いて、前記それぞれの励起光ビームへの前記複数の被験体の露光中に、前記複数の複数被験体組の別個の励起場所のうちの1つの前記第1の別個の励起場所および前記第2の別個の励起場所における前記それぞれの励起ビームによる励起の結果として、前記複数の被験体の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出することと、
(c)コンピューティングデバイスのプロセッサによって、前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/または前記データにアクセスすることと、
(d)前記プロセッサによって、前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記複数の被験体の1つ以上の断層画像を取得することであって、前記1つ以上の断層画像は、前記複数の複数被験体組の別個の励起場所のうちの1つの前記第1の別個の励起場所および前記第2の別個の励起場所における前記複数の被験体から発せられる前記蛍光を表す複数被験体断層画像を備える、ことと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照セクション
本出願は、2017年7月19日出願の米国非仮出願第15/654,442号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR RAPID WIDE FIELD ILLUMINATION SCANNING FOR IN VIVO SMALL ANIMAL FLUORESCENCE TOMOGRAPHIC IMAGING」の優先権を主張し、この米国非仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、撮像のためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、特定の実施形態では、本発明は、広視野にわたる高速断層撮像のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
小型動物の生体内撮像は、例えば、腫瘍学、感染症、および創薬などの様々な分野の研究者の大規模なコミュニティによって行われる。例えば、生物発光、蛍光、断層撮影、およびマルチモーダル撮像技術など、動物の生体内撮像を対象とする幅広い技術がある。
【0004】
多くの画像診断法は、断層撮影法である。断層撮影は、試料から透過するか、または試料から発する光の検出に基づいて、画像を取得するか、または研究中の試料の光学特性を推測する。例えば、断層撮像は、研究中の被験体の関心領域内の組織吸収のマップを再構築するために使用され得る。他の用途では、断層撮像は、関心領域内に存在する蛍光エミッタなどのプローブの空間分布のマップを生成するために使用される。したがって、断層撮影は、非侵襲的様式で、物体の内部構造の詳細な画像、および被験体の関心領域内のプローブの分布の構築を可能にする。
【0005】
光断層撮像は、研究中の被験体内の生物学的プロセスの分析に関連する貴重な情報を提供し得、この情報は、マイクロCTまたは磁気共鳴撮像(MRI)などの非光学撮像技術から取得することができない。例えば、光学波長での組織吸収のマップは、特定の種類の腫瘍の検出に使用され得る、ヘモグロビン濃度および組織の酸素化状態に関連する生物学的機能情報を提供することができる。加えて、光吸収は、X線撮像またはMRI技術と比較して、心臓などの特定の器官の定位のための改善されたコントラストを追加的に提供する。
【0006】
光断層撮影はまた、蛍光または生物発光プローブなどの、投与されたか、または内因性の発光プローブの空間分布をマッピングするために使用され得る。例えば、蛍光プローブは、物体の内部を伝播する光を吸収し、物体の内部で吸収された光よりも長い波長(より低エネルギー)の光を発し、動物およびヒトの組織全体の機能的および分子的特性の非侵襲的な生体内調査を可能にする。これによって、蛍光光断層撮影システムは、分子撮像を提供し、これは、従来の撮像法のように、分子異常が疑われるエリアの解剖学的構造を単に撮像するのではなく、疾患の基礎となる分子異常を視覚的に示すために使用され得る。分子標的の特定の撮像は、疾患の早期発見および特徴化、ならびに治療効果の早期かつ直接的な分子評価を提供する。例示的な蛍光光断層撮影システムは、米国特許出願公開第US2004/0015062号に説明されており、その本文は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
光断層撮像では、撮像される領域(例えば、被験体、例えば、被験体内の関心領域)内の複数の場所が、励起光で照明される。蛍光撮像アプリケーションでは、励起光によって照明された所与の場所内にある蛍光種が励起光を吸収し、1つ以上の検出器によって検出される蛍光を発する。このようにして、発せられた蛍光を表す検出器信号は、複数の照明場所の各々について記録される。照明場所の各々について検出された蛍光に対応するデータは、物体の領域内の蛍光エミッタの分布を再構築する断層再構成技術の入力として使用される。物体の特定の領域を効果的に撮像することは、断層再構成に適切なデータを提供するために、領域内の十分な数および密度の場所を照明することを必要とする。
【0008】
したがって、撮像される1つ以上の物体を含む広視野内の複数の場所を迅速に照明することができる断層撮像用の改善されたシステムおよび方法の必要性が存在する。そのようなシステムおよび方法は、生体内の小型動物の断層撮像に特に関連している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に提示されるものは、1つ以上の励起源からの1つ以上の励起光ビームによる広視野にわたる複数の励起場所の迅速な照明を提供する断層撮像のためのシステムおよび方法である。本明細書に説明される手法は、ガルバノ光学スキャナを利用して、撮像される視野に対応する走査領域にわたる複数の場所を通して励起光ビームを走査する。特定の実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、特別に調整された形状の励起光ビームを利用して、広い走査領域にわたって小さいスポットサイズを維持する。本明細書に説明される手法によって提供される小さいスポットサイズを依然として維持しながら広い領域全体を走査する能力は、大きいまたは複数の被験体の正確で高解像度の断層撮像を可能にし、それによって、断層撮像の性能を拡張する。例えば、特定の実施形態では、本明細書に説明される断層撮像手法は、複数の小型動物などの複数の被験体が一緒に迅速に撮像されることを可能にし、それによって小型動物の生体内断層撮像を容易にする。
【0010】
とりわけ、特定の実施形態では、本明細書に説明されるビーム整形手法は、使用されることになる100mW程度の(例えば、それを超えるか、またはそれにほぼ等しい)出力パワーを有する、多種多様な高パワーレーザを可能にする。特に、特定の実施形態では、励起光の平行ビームではなく、集束ビームを利用するビーム整形手法が使用される。多くの高パワーレーザは、大きい出力エリアから非常に発散した励起光ビームを発し、したがって、平行化が困難である。この困難を克服することによって、本明細書に説明されるビーム整形手法は、断層撮像に使用され得る励起源(例えば、レーザ)の種類に関して向上した柔軟性を提供する。これは、いくつかの利点を提供する。
【0011】
例えば、高パワーレーザは、厚い物体(例えば、被験体、例えば、小型動物)の断層撮像に有利であり、これは、それらが厚い物体に位置する蛍光種を励起するために十分なパワーを物体内の深い場所に送達することを可能にするためである。これは、励起光ビームが物体を通って伝播する際に著しく減衰される、組織などの高い吸収性および/または散乱性(例えば、拡散性)の媒体を含む物体(例えば、被験体、例えば、小型動物)に特に関連する。
【0012】
さらに、簡単に平行化され得るレーザのみならず、多種多様な高パワーレーザが使用されることを可能にすることによって、本明細書に説明される手法は、撮像に使用され得る励起波長の範囲を大幅に拡大する。特定のレーザが発する波長は、任意に選択することができないが、代わりに、レーザキャビティの種類、使用される特定のゲイン媒体、および所与のポンピングスキームなどの、レーザの相互依存特性の範囲に対して複雑な様式で依存する。したがって、様々な種類のレーザが、限られた別個の波長の組で励起光を生成する。例えば、ファイバレーザは、特定の場合、適切な励起光の平行ビームを生成し得るが、ゲイン媒体として限られた元素の組(例えば、希土類元素)を利用し、したがって、近赤外線スペクトル領域内の限られた波長の組の発光に限られる。したがって、様々な種類の励起源に対応する能力は、様々な励起波長を介して励起可能である様々な蛍光プローブの撮像を劇的に容易にする。
【0013】
本明細書に説明される断層撮像システムおよび方法で使用され得る励起光の波長範囲の柔軟性はまた、マルチスペクトル撮像も容易にする。特定の実施形態では、マルチスペクトル撮像は、各々が別個の波長を有する複数の励起光ビームを用いて1つ以上の物体を照明することを伴う。特定の実施形態では、各励起光ビームは、したがって、励起し、1つ以上の物体内の別個の蛍光種からの蛍光発光を引き起こす。したがって、各励起波長で断層撮像を連続して実施することによって、1つ以上の被験体内の複数の蛍光種の各々の分布を表す断層画像が取得され得る。これは、例えば、複数のタイプの細胞および/またはタンパク質(例えば、異なる蛍光プローブでラベル付けされた各タイプ)のコロケーションを伴う研究が実施されることを可能にする。そのような研究は、様々な病気およびその治療のメカニズムの理解に非常に関連する。
【0014】
特定の実施形態では、本明細書に説明される断層撮像手法は、単一システムに組み込まれ、堅牢かつ効率的な方式で切り替えられる複数の励起源を提供することによって、マルチスペクトル撮像をさらに容易にする。特に、特定の実施形態では、複数の励起源の各々は、そのそれぞれの励起光ビームが、対応するオフセット角度だけ他からオフセットされる、対応する光路に沿ってガルバノ光学スキャナの方に向けられるように位置合わせされる。これは、複数の励起源が固定位置に装着されることを可能にし、励起源を切り替えるために、とりわけ、低速かつ複雑であることに加えて、経時的におよび/または機械的振動の結果として定期的な使用を介して位置ずれし易い手法である、電動ステージを使用する必要性を回避する。迅速な切り替え、および迅速な走査を行う能力を組み合わせることで、高パワー励起源は、マルチスペクトル撮像の適用を大幅に容易にする。
【0015】
一態様では、本発明は、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の断層撮像のための広視野にわたる励起光の高速走査のためのシステムを対象とし、システムは、(a)励起光ビーム(例えば、1つ以上の被験体内の蛍光種の励起のための)を発するように動作可能な励起源であって、励起源が、励起源の出力(例えば、ファイバ結合源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、自由空間レーザのレーザ開口)から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って励起光ビームを向けるように位置合わせされている、励起源と、(b)ガルバノ光学スキャナであって、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上のガルバノミラーが回転すると、励起光ビームが走査領域にわたって走査される[例えば、走査領域内の複数の別個の励起場所の方に向けられる(例えば、一度に1つ)]ように、1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、物体平面の走査領域内の複数の場所(例えば、別個の励起場所)に励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の照明を提供する、ガルバノ光学スキャナと、(c)励起光による励起の結果として、1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、1つ以上の検出器[例えば、複数の別個の励起場所の各々の方に向けられた励起光ビームによる励起の結果として、例えば、別個の励起場所の各々に対応する蛍光発光画像(例えば、2D画像)を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、1つ以上の検出器]と、(d)プロセッサと、(e)命令が記憶されているメモリと、を備え、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、検出された蛍光に対応するデータ[例えば、走査領域にわたって複数の励起場所の各々の方に向けられた励起光による励起に続いて検出された蛍光発光信号(例えば、画像、例えば、2D画像)を含むデータ]を受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、検出された蛍光に対応するデータを使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって)ことと、を行わせる。
【0016】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上のガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの走査領域を生成するために、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所(例えば、走査領域の中央の場所)までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられている。
【0017】
特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域の所望されるサイズが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域の所望されるサイズが、100~200mm(例えば、100~150mm、例えば、約140mm)である。
【0018】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離が、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離が、150~250mm(例えば、約200mm)である。
【0019】
特定の実施形態では、励起源は、その出力から、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて収束する集束ビームとして、励起光ビームを発するように動作可能である[例えば、それにより、物体平面での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、励起源の出力での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]。
【0020】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームが、走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する。
【0021】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームが、
【化1】
であるような半角発散φを有し、式中、wmaxが、走査領域内の励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された最小距離であり(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の中央の場所まで測定される)、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の角の場所まで測定され、例えば、dは、dよりも大きい)。
【0022】
特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、dが、300mm未満(例えば、250mm未満)である。特定の実施形態では、dが、100mm~500mm(例えば、150~250mm、例えば、200~250mm、例えば、220~250mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、500mm未満(例えば、250mm未満)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm、例えば、220~250mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0023】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームの半角発散が、25mrad以下(例えば、20mrad以下、例えば、15mrad以下)である。
【0024】
特定の実施形態では、励起源は、その出力から、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて発散する(例えば、徐々に発散する)平行ビームとして、励起光ビームを発するように動作可能である。
【0025】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームが、走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する。
【0026】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームが、
【化2】
であるような半角発散φを有し、式中、wmaxが、走査領域内の励起光の平行ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり[例えば、ビームウエスト場所は、励起源の出力(例えば、自由空間レーザのレーザ開口)にある]、d (1)が、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿った距離であり、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の角の場所まで測定される)。
【0027】
特定の実施形態では、d (1)が、少なくとも50mm(例えば、少なくとも100mm)である。特定の実施形態では、d (1)が、250mm以下(例えば、200mm以下)である。特定の実施形態では、d (1)が、50mm~200mm(例えば、50~180mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm)である。特定の実施形態では、dが、500mm以下(例えば、250mm以下)である。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm)である。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0028】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームの半角発散が、5mrad以下(例えば、2mrad以下、例えば、1.5mrad以下、例えば、1.25mrad以下)である。
【0029】
特定の実施形態では、システムは、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路内に位置付けられたビーム整形光学系を備え、ビーム整形光学系が、(A)集束光学系であって、集束光学系を通過した後に、励起光ビームが、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて収束するように、集束光学系が位置合わせされている[例えば、それにより、物体平面での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、集束光学系での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]、集束光学系と、(B)平行光学系であって、平行光学系を通過した後に、励起光ビームが、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて発散する(例えば、徐々に発散する)ように、平行光学系が位置合わせされている、平行光学系と、のうちの少なくとも一方である。
【0030】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、集束光学系である。
【0031】
特定の実施形態では、集束光学系は、励起光ビームのスポットサイズが、走査領域内の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている[例えば、(i)ガルバノ光学スキャナ、および(ii)励起源の出力(例えば、ビーム励起光が発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)に対して]。
【0032】
特定の実施形態では、集束光学系を通過した後の励起光ビームの半角発散φが、
【化3】
となるようなものであり、式中、wmaxが、励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、ビームウエストでの励起光ビームのスポットサイズであり、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離であり(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の中央の場所まで測定される)、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の角の場所まで測定され、例えば、dは、dよりも大きい)。
【0033】
特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、dが、300mm未満(例えば、250mm未満)である。特定の実施形態では、dが、100mm~500mm(例えば、150~250mm、例えば、200~250mm、例えば、220~250mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、500mm未満(例えば、250mm未満)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm、例えば、220~250mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0034】
特定の実施形態では、集束光学系を通過した後の励起光ビームの半角発散が、25mrad以下(例えば、20mrad以下、例えば、15mrad以下)である。
【0035】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、平行光学系である。
【0036】
特定の実施形態では、平行光学系は、励起光ビームのスポットサイズが、走査領域内の物体平面の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている[例えば、(i)ガルバノ光学スキャナ、および(ii)励起源の出力(例えば、励起光ビームが発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)に対して]。
【0037】
特定の実施形態では、平行光学系を通過した後の励起光ビームの半角発散φが、
【化4】
となるようなものであり、式中、wmaxが、走査領域内の励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり[例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長]、wbwが、励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり[例えば、ビームウエスト場所は、励起源の出力(例えば、励起光が発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)にある]、d (2)が、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って測定された、平行光学系からガルバノ光学スキャナまでの距離であり、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の角の場所まで測定される)。
【0038】
特定の実施形態では、d (2)が、少なくとも50mm(例えば、少なくとも100mm)である。特定の実施形態では、d (2)が、250mm以下(例えば、200mm以下)である。特定の実施形態では、d (2)が、50mm~200mm(例えば、50~180mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm)である。特定の実施形態では、dが、500mm以下(例えば、250mm以下)である。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm)である。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0039】
特定の実施形態では、平行光学系を通過した後の励起光ビームの半角発散が、5mrad以下(例えば、2mrad以下、例えば、1.5mrad以下、例えば、1.25mrad以下)である。
【0040】
特定の実施形態では、励起源のパワーが、100mW超、または100mWにほぼ等しい(例えば、200mW超、または200mWにほぼ等しい、例えば、200mW超、または200mWにほぼ等しい、例えば、300mW超、または300mWにほぼ等しい)。
【0041】
特定の実施形態では、励起源が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザであり、励起光ビームが発せられる励起源の出力が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバの遠位端である。
【0042】
特定の実施形態では、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバのコア直径が、5μm~400μmである(例えば、光ファイバは、5~10μmのコア直径を有するシングルモード光ファイバであり、例えば、光ファイバは、50~400μmのコア直径を有するマルチモード光ファイバである)。特定の実施形態では、光ファイバの開口数(NA)が、0.1~0.3(例えば、0.1~0.25、例えば、0.15~0.25)である。
【0043】
特定の実施形態では、励起源が、自由空間レーザであり、励起光ビームが発せられる励起源の出力が、自由空間レーザのレーザ開口である。
【0044】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、複数の画素を含む焦点面アレイ(FPA)検出器(例えば、CCDカメラ、例えば、CMOSカメラ)を含み、FPA検出器が、走査領域を撮像するように位置合わせされている(例えば、FPA検出器の視野が走査領域を含むように)。
【0045】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、複数のファイバを含むファイバ束を含み、各ファイバが、走査領域内の異なる場所から発せられる光を収集するように位置合わせされ、対応する単一元素検出器(例えば、Si PD)まで収集した光をガイドする。
【0046】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、透過照明の幾何学的配置で蛍光種から発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、励起光ビームが、物体平面の第1の側部から物体平面の方に向けられ、1つ以上の検出器が、物体平面の反対側の第2の側部(例えば、第1の側部の反対側)から外向きの方向に発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である(例えば、1つ以上の検出器が、ガルバノ光学スキャナから物体平面の反対側にある)。
【0047】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体が、小型動物(例えば、マウス、ラット、ハタネズミ、ウサギ、ハムスター、および同サイズの動物)である。
【0048】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体のうちの少なくとも1つの被験体の厚さが、約1cmである。
【0049】
特定の実施形態では、システムは、複数の小型動物を固定するように動作可能な動物ホルダを含む(例えば、動物ホルダは、撮像中に小型動物を固定するように各マウントが動作可能な複数のマウントを含む)。
【0050】
特定の実施形態では、動物ホルダは、1つ以上の光学バッフルを含む[例えば、1つ以上のバッフルの各々が動物ホルダから外向きに、物体平面に対して実質的に直交する方向に順方向(例えば、励起光ビームが物体平面上に入射する方向)および/または逆方向(例えば、励起光ビームが物体平面上に入射する方向の反対)に突出する構造に対応し、各バッフルは、励起光および/または発せられた蛍光の波長を有する光を実質的に通さず、小型動物が動物ホルダによって固定されている2つの位置の間に位置する(例えば、クロストークを低減/排除するために)]。
【0051】
特定の実施形態では、断層撮像が、生体内で実施される。
【0052】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらから反射された励起光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり[例えば、1つ以上の検出器が、別個の励起場所の各々に対応する励起画像(例えば、2D画像)を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である]、命令は、プロセッサに、検出された励起光に対応するデータ[例えば、励起光が走査領域にわたる複数の別個の励起場所の各々に向かって向けられているときに、励起光の透過または1つ以上の被験体による励起光の反射に続いて検出される励起信号(例えば、励起画像(例えば、2D画像))を含むデータ]を受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、検出された励起光に対応するデータ、および検出された蛍光に対応するデータを使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって)ことと、を行わせる。
【0053】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナが、走査領域内の複数の別個の励起場所に励起光ビームを向けることによって、走査領域にわたって励起光ビームを走査するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、各別個の励起場所に関して、別個の励起場所に向けられた励起光ビームの経路に位置付けられている1つ以上の被験体のうちの所与の被験体が、被験体の表面上の対応する照明場所で励起光ビームによって照明され、それにより、励起光ビームが、対応する照明場所で所与の被験体の表面上に入射し、被験体内で拡散し、それによって、所与の被験体内での蛍光種(例えば、1つ以上の蛍光種のうちの)の励起を提供し(例えば、対応する照明場所からの励起光の拡散の結果として、例えば、それによって、対応する照明場所で被験体上に入射する励起光が拡散する、被験体の表面下の対応する拡散容積内に位置する蛍光種の励起を提供する)、1つ以上の検出器が、各別個の励起場所に関して、別個の励起場所に向けられた励起光ビームの経路内に位置付けられている所与の被験体内の蛍光種によって発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像(例えば、2D画像)を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、別個の励起場所に各々対応する、複数の蛍光発光画像の検出を提供し、命令は、コンピュータに、複数の蛍光発光画像を含む検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、複数の蛍光発光画像を使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことと、を行わせる。
【0054】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、各別個の励起場所に関して、励起光ビームが対応する照明場所で所与の被験体の表面上に入射したときに、所与の被験体を透過したか、またはそれによって反射された励起光を表す、対応する励起画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それにより、別個の励起場所に各々対応する複数の励起画像が検出され、命令は、コンピュータに、複数の励起画像を含む検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、複数の蛍光発光画像および複数の励起画像を使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことと、を行わせる。
【0055】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナが、走査領域内の複数の別個の励起場所に励起光ビームを向けることによって、走査領域にわたって励起光ビームを走査するように動作可能であり、別個の励起場所が、組として位置合わせされ、各組が、複数の別個の励起場所を含み、所与の組の各別個の励起場所が、1つ以上の被験体のうちの異なる被験体に対応し(例えば、各組が、1つ以上の被験体のうちの各被験体に対応する別個の励起場所を含む)、ガルバノ光学スキャナが、一度に1組、励起光ビームを走査し、次の組に進む前に、所与の組の中の各別個の励起場所に励起光ビームを向けるように動作可能であり(例えば、第2の組の中の各別個の励起場所に励起光ビームを向ける前に第1の組の中の各別個の励起場所に励起光ビームを向ける)、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上の検出器の露光窓に対応する時間内に、所与の組の全ての別個の励起場所を通って励起光ビームを走査するように動作可能であり、1つ以上の検出器が、別個の励起場所の各組に関して、所与の組の中の各励起場所に向けられた励起光による1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種の励起の結果として、1つ以上の検出器の露光窓の間に発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である(例えば、それにより、各蛍光発光画像が、各被験体内の蛍光種によって、1つ以上の被験体の各々の中から発せられた、検出された蛍光を表す複数の被験体の蛍光発光画像である)。
【0056】
特定の実施形態では、検出された蛍光に対応するデータが、別個の励起場所の各組に関して、対応する蛍光発光画像を含み、命令は、プロセッサに、データ蛍光発光画像(各々が別個の励起場所の組に対応する)を使用して1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得させる(例えば、算出させる)(例えば、断層再構成を実施することによって)。
【0057】
特定の実施形態では、命令は、プロセッサに、1つ以上の被験体の各被験体に関して、別個の励起場所の組に対応する各蛍光発光画像に関して、被験体と関連付けられた蛍光発光画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を使用して、被験体の断層画像(例えば、3D断層画像)を取得する(例えば、算出する)ことと、を行わせる。
【0058】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、別個の励起場所の各組に関して、所与の組の中の各励起場所に向けられた励起光ビームによる1つ以上の被験体の照明の結果として、1つ以上の検出器の露光窓の間に検出された、1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらによって反射された励起光を表す、対応する励起画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり(例えば、それにより、各励起画像が、1つ以上の被験体の各々を透過したか、またはそれらによって反射された、検出された励起光を表す複数の被験体の励起画像である)、命令は、プロセッサに、別個の励起場所の各組に関して対応する励起画像を含む、検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、蛍光発光画像および励起画像を使用して、1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって、例えば、各々が別個の励起場所の組に対応する蛍光発光画像および励起画像を使用して)ことと、を行わせる。
【0059】
特定の実施形態では、命令は、プロセッサに、1つ以上の被験体の各被験体に関して、別個の励起場所の組に対応する各蛍光発光画像に関して、被験体と関連付けられた蛍光発光画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光発光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、別個の励起場所の組に対応する各励起画像に関して、被験体と関連付けられた励起画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体を透過したか、またはそれによって反射された、検出された励起光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する励起画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられ、かつ別個の励起場所の組に対応する、単一被験体励起画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を決定することであって、各単一被験体励起画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像および被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を使用して、被験体の断層画像(例えば、3D断層画像)を取得する(例えば、算出する)ことと、を行わせる。
【0060】
別の態様では、本発明は、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の断層撮像のための広視野にわたる複数の励起源からの励起光の高速走査のためのシステムを対象とし、システムは、(a)複数の励起源であって、各励起源が、それぞれの励起光ビームを発するように動作可能であり(例えば、1つ以上の被験体内の蛍光種の励起のために)、第1の励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、第1の励起源の出力から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って向けるように位置合わせされており、第1の励起源以外の各励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、その出力からガルバノ光学スキャナまでのそれぞれの光路に沿って、第1の光路に対して対応するオフセット角度で向けるように位置合わせされている、複数の励起源と、(b)ガルバノ光学スキャナであって、ガルバノ光学スキャナが、各励起源に関して、1つ以上のガルバノミラーが回転すると、励起源によって発せられたそれぞれの励起光ビームがそれぞれの走査領域にわたって走査される(例えば、それぞれの走査領域内の複数の別個の励起場所の方に向けられる)(例えば、各それぞれの走査領域が、複数の励起源のうちの励起源と関連付けられている)ように、1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、物体平面のそれぞれの走査領域内のそれぞれの複数の場所(例えば、別個の励起場所)に、励起源によって発せられたそれぞれの励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の照明を提供する、ガルバノ光学スキャナと、(c)複数の励起源のうちの少なくとも1つからの励起光による励起の結果として[例えば、励起源のそれぞれの走査領域内の複数の別個の励起場所の各々の方に向けられた少なくとも1つの励起源から発せられた励起光による励起の結果として、例えば、1つ以上の検出器は、別個の励起場所の各々に対応する蛍光発光画像(例えば、2D画像)を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である]、1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、1つ以上の検出器と、(d)プロセッサと、(e)命令が記憶されているメモリと、を備え、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、検出された蛍光に対応するデータ(例えば、少なくとも1つの励起源のそれぞれの走査領域にわたって複数の励起場所の各々の方に向けられた励起光による励起に続いて検出された蛍光発光信号(例えば、画像、例えば、2D画像)を含むデータ)を受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、検出された蛍光に対応するデータを使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって)ことと、を行わせる。
【0061】
特定の実施形態では、各励起源が、1つ以上の被験体内の対応する蛍光種の励起(吸収)帯域内の別個の励起波長を有する励起光を発する(各別個の励起波長は、400nm~1300nmの範囲内の波長である)。
【0062】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、複数の励起源のうちの2つ以上の励起源の各々からの励起光による励起の結果として、1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である[例えば、2つ以上の励起源の各々に関して、1つ以上の検出器が、励起源から発せられた励起光による励起の結果として、1つ以上の蛍光種のうちの関連付けられた蛍光種によって発せられた蛍光(例えば、関連付けられた蛍光種は、励起源からの励起光による励起に応答して蛍光を発する)を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である]。
【0063】
特定の実施形態では、検出された蛍光に対応するデータが、複数の励起源のうちの2つ以上の励起源の各々に関して、励起源のそれぞれの走査領域にわたって複数の励起場所の各々に向けられた励起光による励起に続いて検出された、一組の関連付けられた蛍光発光信号(例えば、画像、例えば、2D画像)を含み、命令は、プロセッサに、2つ以上の励起源の各々に関して、関連付けられた蛍光発光信号を使用して1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像のそれぞれの組を取得させ(例えば、算出させ)(例えば、断層再構成を実施することによって)、それによって、2つ以上の励起源の各々に関する一組の1つ以上の断層画像を取得させる。
【0064】
特定の実施形態では、励起源の各々のそれぞれの走査領域の各々の少なくとも一部分が、互いに重なり合って、共有走査領域を生成する。
【0065】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上のガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの共有走査領域を生成するために、ガルバノメータから共有走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられている。
【0066】
特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った共有走査領域の所望されるサイズが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った共有走査領域の所望されるサイズが、100~200mm(例えば、100~150mm、例えば、約140mm)である。
【0067】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから共有走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離が、150~250mm(例えば、約200mm)である。
【0068】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源は、その出力からそのそれぞれの励起光ビームを、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて収束する集束ビームとして発するように動作可能である、集束励起源である[例えば、それにより、物体平面での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、励起源の出力での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]。
【0069】
特定の実施形態では、集束励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームが、走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する。
【0070】
特定の実施形態では、集束励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームが、
【化5】
であるような半角発散φを有し、式中、wmaxが、集束励起源のそれぞれの走査領域内の励起光の集束ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、励起光の集束ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり、dが、ガルバノ光学スキャナから集束励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された最小距離であり(例えば、ガルバノ光学スキャナから集束励起源のそれぞれの走査領域の中央の場所まで測定される)、dが、ガルバノ光学スキャナから集束励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから集束励起源のそれぞれの走査領域の角の場所まで測定され、例えば、dは、dよりも大きい)。
【0071】
特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、dが、300mm未満(例えば、250mm未満)である。特定の実施形態では、dが、100mm~500mm(例えば、150~250mm、例えば、200~250mm、例えば、220~250mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、500mm未満(例えば、250mm未満)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm、例えば、220~250mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0072】
特定の実施形態では、集束励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームの半角発散が、25mrad以下(例えば、20mrad以下、例えば、15mrad以下)である。
【0073】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源は、その出力からそのそれぞれの励起光ビームを、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて発散する(例えば、徐々に発散する)平行ビームとして発するように動作可能である、平行励起源である。
【0074】
特定の実施形態では、平行励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームが、走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する。
【0075】
特定の実施形態では、平行励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームが、
【化6】
であるような半角発散φを有し、式中、wmaxが、平行励起源のそれぞれの走査領域内の励起光の平行ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり[例えば、ビームウエスト場所は、励起源の出力(例えば、自由空間レーザのレーザ開口)にある]、d (1)が、平行励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿った距離であり、dが、ガルバノ光学スキャナから平行励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから平行励起源のそれぞれの走査領域の角の場所まで測定される)。
【0076】
特定の実施形態では、d (1)が、少なくとも50mm(例えば、少なくとも100mm)である。特定の実施形態では、d (1)が、250mm以下(例えば、200mm以下)である。特定の実施形態では、d (1)が、50mm~200mm(例えば、50~180mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm)である。特定の実施形態では、dが、500mm以下(例えば、250mm以下)である。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm)である。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0077】
特定の実施形態では、平行励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームの半角発散が、5mrad以下(例えば、2mrad以下、例えば、1.5mrad以下、例えば、1.25mrad以下)である。
【0078】
特定の実施形態では、システムは、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して、励起源と関連付けられ、かつ関連付けられた励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでのそれぞれの光路内に位置付けられたビーム整形光学系を備え、ビーム整形光学系が、(A)集束光学系であって、集束光学系を通過した後に、関連付けられた励起源の出力から発せられた、関連付けられた励起光ビームが、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて収束するように、集束光学系が位置合わせされている[例えば、それにより、物体平面での関連付けられた励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、集束光学系での関連付けられた励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]、集束光学系と、(B)平行光学系であって、平行光学系を通過した後に、関連付けられた励起源の出力から発せられた、関連付けられた励起光ビームが、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて発散する(例えば、徐々に発散する)ように、平行光学系が位置合わせされている、平行光学系と、のうちの少なくとも一方である。
【0079】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、集束光学系である。
【0080】
特定の実施形態では、集束光学系は、関連付けられた励起光ビームのスポットサイズが、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている[例えば、(i)ガルバノ光学スキャナ、および(ii)関連付けられた励起源の出力(例えば、関連付けられたビーム励起光が発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、関連付けられた励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)に対して]。
【0081】
特定の実施形態では、集束光学系を通過した後の関連付けられた励起光ビームの半角発散φが、
【化7】
となるようなものであり、式中、wmaxが、関連付けられた励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、ビームウエスト場所での関連付けられた励起光ビームのスポットサイズであり、dが、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離であり(例えば、最小距離dは、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域の中央の場所まで測定される)、dが、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、dは、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域の角の場所まで測定され、例えば、dは、dよりも大きい)。
【0082】
特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、dが、300mm未満(例えば、250mm未満)である。特定の実施形態では、dが、100mm~500mm(例えば、150~250mm、例えば、200~250mm、例えば、220~250mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、500mm未満(例えば、250mm未満)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm、例えば、220~250mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0083】
特定の実施形態では、集束光学系を通過した後の関連付けられた励起光ビームの半角発散が、25mrad以下(例えば、20mrad以下、例えば、15mrad以下)である。
【0084】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、平行光学系である。
【0085】
特定の実施形態では、平行光学系は、関連付けられた励起光ビームのスポットサイズが、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の物体平面の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている[例えば、(i)ガルバノ光学スキャナ、および(ii)関連付けられた励起源の出力(例えば、励起光ビームが発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)に対して]。
【0086】
特定の実施形態では、平行光学系を通過した後の関連付けられた励起光ビームの半角発散φが、
【化8】
となるようなものであり、式中、wmaxが、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の関連付けられた励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり[例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長]、wbwが、関連付けられた励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり[例えば、ビームウエスト場所は、関連付けられた励起源の出力(例えば、励起光が発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、それぞれの励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)にある]、d (2)が、関連付けられた励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って測定された、平行光学系からガルバノ光学スキャナまでの距離であり、dが、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、dは、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域の角の場所まで測定される)。
【0087】
特定の実施形態では、d (2)が、少なくとも50mm(例えば、少なくとも100mm)である。特定の実施形態では、d (2)が、250mm以下(例えば、200mm以下)である。特定の実施形態では、d (2)が、50mm~200mm(例えば、50~180mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm)である。特定の実施形態では、dが、500mm以下(例えば、250mm以下)である。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm)である。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0088】
特定の実施形態では、平行光学系を通過した後の関連付けられた励起光ビームの半角発散が、5mrad以下(例えば、2mrad以下、例えば、1.5mrad以下、例えば、1.25mrad以下)である。
【0089】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源のパワーが、100mW超、または100mWにほぼ等しい(例えば、200mW超、または200mWにほぼ等しい、例えば、200mW超、または200mWにほぼ等しい、例えば、300mW超、または300mWにほぼ等しい)。
【0090】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザであり、励起光ビームが発せられる少なくとも1つの励起源の出力が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバの遠位端である。
【0091】
特定の実施形態では、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバのコア直径が、5μm~400μmである(例えば、光ファイバは、5~10μmのコア直径を有するシングルモード光ファイバであり、例えば、光ファイバは、50~400μmのコア直径を有するマルチモード光ファイバである)。特定の実施形態では、光ファイバの開口数(NA)が、0.1~0.3(例えば、0.1~0.25、例えば、0.15~0.25)である。
【0092】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源が、自由空間レーザであり、励起光ビームが発せられる少なくとも1つの励起源の出力が、自由空間レーザのレーザ開口である。
【0093】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、複数の画素を含む焦点面アレイ(FPA)検出器(例えば、CCDカメラ、例えば、CMOSカメラ)を含み、FPA検出器が、励起源の各々の各それぞれの走査領域の少なくとも一部分を撮像するように位置合わせされている(例えば、FPA検出器の視野が各それぞれの走査領域の少なくとも一部分を含むように)。
【0094】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、複数のファイバを含むファイバ束を含み、各ファイバが、走査領域内の異なる場所から発せられる光を収集するように位置合わせされ、対応する単一元素検出器(例えば、Si PD)まで収集した光をガイドする。
【0095】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、透過照明の幾何学的配置で蛍光種から発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、各それぞれの励起光ビームが、物体平面の第1の側部から物体平面の方に向けられ、1つ以上の検出器が、物体平面の反対側の第2の側部(例えば、第1の側部の反対側)から外向きの方向に発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である(例えば、位置合わせされている)(例えば、1つ以上の検出器が、ガルバノ光学スキャナから物体平面の反対側にある)。
【0096】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体が、小型動物(例えば、マウス、ラット、ハタネズミ、ウサギ、ハムスター、および同サイズの動物)である。
【0097】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体のうちの少なくとも1つの被験体の厚さが、約1cmである。
【0098】
特定の実施形態では、システムは、複数の小型動物を固定するように動作可能な動物ホルダを含む(例えば、動物ホルダは、撮像中に小型動物を固定するように各マウントが動作可能な複数のマウントを含む)。
【0099】
特定の実施形態では、動物ホルダは、1つ以上の光学バッフルを含む[例えば、1つ以上のバッフルの各々が動物ホルダから外向きに、物体平面に対して実質的に直交する方向に順方向(例えば、励起光ビームが物体平面上に入射する方向)および/または逆方向(例えば、励起光ビームが物体平面上に入射する方向の反対)に突出する構造に対応し、各バッフルは、励起光および/または発せられた蛍光の波長を有する光を実質的に通さず、小型動物が動物ホルダによって固定されている2つの位置の間に位置する(例えば、クロストークを低減/排除するために)]。
【0100】
特定の実施形態では、断層撮像が、生体内で実施される。
【0101】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して、1つ以上の被験体を透過するか、またはそれらから反射される、少なくとも1つの励起源によって発せられた励起光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり[例えば、1つ以上の検出器が、少なくとも1つの励起源のそれぞれの走査領域内の別個の励起場所の各々に対応する励起画像(例えば、2D画像)を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である]、命令は、プロセッサに、検出された励起光に対応するデータ[例えば、励起光が、少なくとも1つの励起源のそれぞれの走査領域にわたる複数の別個の励起場所の各々に向かって向けられているときに、励起光の透過または1つ以上の被験体による励起光の反射に続いて検出される励起信号(例えば、励起画像(例えば、2D画像))を含むデータ]を受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、検出された励起光に対応するデータ、および検出された蛍光に対応するデータを使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって)ことと、を行わせる。
【0102】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して、ガルバノ光学スキャナが、それぞれの走査領域内の複数の別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向けることによって、励起源のそれぞれの走査領域にわたって励起源によって発せられたそれぞれの励起光ビームを走査するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、各別個の励起場所に関して、別個の励起場所に向けられたそれぞれの励起光ビームの経路に位置付けられている1つ以上の被験体のうちの所与の被験体が、被験体の表面上の対応する照明場所でそれぞれの励起光ビームによって照明され、それにより、それぞれの励起光ビームが、対応する照明場所で所与の被験体の表面上に入射し、被験体内で拡散し、それによって、所与の被験体内での蛍光種(例えば、1つ以上の蛍光種のうちの)の励起を提供し(例えば、対応する照明場所からの励起光の拡散の結果として、例えば、それによって、対応する照明場所で被験体上に入射する励起光が拡散する、被験体の表面下の対応する拡散容積内に位置する蛍光種の励起を提供する)、1つ以上の検出器が、各別個の励起場所に関して、別個の励起場所に向けられたそれぞれの励起光ビームの経路内に位置付けられている所与の被験体内の蛍光種によって発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像(例えば、2D画像)を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、励起源のそれぞれの走査領域内の別個の励起場所に各々対応する、複数の蛍光発光画像の検出を提供し、命令は、コンピュータに、励起源に関して検出された複数の蛍光発光画像を含む検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、励起源に関して検出された複数の蛍光発光画像を使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことと、を行わせる。
【0103】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して、1つ以上の検出器は、励起源のそれぞれの走査領域内の各別個の励起場所に関して、それぞれの励起光ビームが対応する照明場所で所与の被験体の表面上に入射したときに、所与の被験体を透過するか、またはそれによって反射される、励起源によって発せられた励起光を表す、対応する励起画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、励起源のそれぞれの走査領域内の別個の励起場所に各々対応する複数の励起画像の検出を提供し、命令は、コンピュータに、励起源に関して検出された複数の励起画像を含む検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、励起源に関して検出された複数の蛍光発光画像、および励起源に関して検出された複数の励起画像を使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことと、を行わせる。
【0104】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して(例えば、複数の励起源のうちの各励起源に関して)、ガルバノ光学スキャナが、励起源のそれぞれの走査領域内の複数の別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向けることによって、それぞれの走査領域にわたってそれぞれの励起光ビームを走査するように動作可能であり、別個の励起場所が、組として位置合わせされ、各組が、複数の別個の励起場所を含み、所与の組の各別個の励起場所が、1つ以上の被験体のうちの異なる被験体に対応し(例えば、各組が、1つ以上の被験体のうちの各被験体に対応する別個の励起場所を含む)、ガルバノ光学スキャナが、一度に1組、それぞれの励起光ビームを走査し、次の組に進む前に、所与の組の中の各別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向けるように動作可能であり(例えば、第2の組の中の各別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向ける前に第1の組の中の各別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向ける)、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上の検出器の露光窓に対応する時間内に、所与の組の全ての別個の励起場所を通ってそれぞれの励起光ビームを走査するように動作可能であり、1つ以上の検出器が、別個の励起場所の各組に関して、励起源によって発せられ、かつ所与の組の中の各励起場所に向けられた励起光による1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種の励起の結果として、1つ以上の検出器の露光窓の間に発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である(例えば、それにより、各蛍光発光画像が、各被験体内の蛍光種によって、1つ以上の被験体の各々の中から発せられた、検出された蛍光を表す複数の被験体の蛍光発光画像である)。
【0105】
特定の実施形態では、検出された蛍光に対応するデータが、別個の励起場所の各組に関して、対応する蛍光発光画像を含み、命令は、プロセッサに、蛍光発光画像(各々が別個の励起場所の組に対応する)を使用して1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得させる(例えば、算出させる)(例えば、断層再構成を実施することによって)。
【0106】
特定の実施形態では、命令は、プロセッサに、1つ以上の被験体の各被験体に関して、別個の励起場所の組に対応する各蛍光発光画像に関して、被験体と関連付けられた蛍光発光画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を使用して、被験体の断層画像(例えば、3D断層画像)を取得する(例えば、算出する)ことと、を行わせる。
【0107】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、別個の励起場所の各組に関して、所与の組の中の各励起場所に向けられたそれぞれの励起光ビームによる1つ以上の被験体の照明の結果として、1つ以上の検出器の露光窓の間に検出された、1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらによって反射された対応する励起画像励起光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり(例えば、それにより、各励起画像が、1つ以上の被験体の各々を透過したか、またはそれらによって反射された、検出された励起光を表す複数の被験体の励起画像である)、命令は、プロセッサに、別個の励起場所の各組に関して対応する励起画像を含む、検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、蛍光発光画像および励起画像を使用して、1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって、例えば、各々が別個の励起場所の組に対応する蛍光発光画像および励起画像を使用して)ことと、を行わせる。
【0108】
特定の実施形態では、命令は、プロセッサに、1つ以上の被験体の各被験体に関して、別個の励起場所の組に対応する各蛍光発光画像に関して、被験体と関連付けられた蛍光発光画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光発光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、別個の励起場所の組に対応する各励起画像に関して、被験体と関連付けられた励起画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体を透過したか、またはそれによって反射された、検出された励起光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する励起画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられ、かつ別個の励起場所の組に対応する、単一被験体励起画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を決定することであって、各単一被験体励起画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像および被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を使用して、被験体の断層画像(例えば、3D断層画像)を取得する(例えば、算出する)ことと、を行わせる。
【0109】
別の態様では、本発明は、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の断層撮像のための広視野にわたる励起光の高速走査のための方法を対象とし、方法は、(a)励起源からの励起光ビームを用いて1つ以上の被験体を照明することであって、励起源が、励起源の出力から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って励起光ビームを向けるように位置合わせされており、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上のガルバノミラーが回転すると、励起光ビームが走査領域にわたって走査される(例えば、複数の別個の励起場所の方に向けられる)ように、1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、物体平面の走査領域内の複数の場所(例えば、複数の別個の励起場所)に励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の照明を提供する、照明することと、(b)1つ以上の検出器を用いて、励起光による励起の結果として、1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出することと[例えば、複数の別個の励起場所の各々の方に向けられた励起光による励起の結果として、例えば、1つ以上の検出器が、別個の励起場所の各々に対応する蛍光発光画像(例えば、2D画像)を検出するように構成されている]、(c)コンピューティングデバイスのプロセッサによって、検出された蛍光に対応するデータ(例えば、走査領域内の複数の励起場所の各々の方に向けられた励起光による励起に続いて検出された蛍光発光信号(例えば、画像、例えば、2D画像)を含むデータ)を受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、(d)プロセッサによって、検出された蛍光に対応するデータを使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって)ことと、を含む。
【0110】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上のガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの走査領域を生成するために、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所(例えば、走査領域の中央の場所)までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられている。
【0111】
特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域の所望されるサイズが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。
【0112】
特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域の所望されるサイズが、100~200mm(例えば、100~150mm、例えば、約140mm)である。
【0113】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離が、150~250mm(例えば、約200mm)である。
【0114】
特定の実施形態では、励起源は、その出力から、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて収束する集束ビームとして、励起光ビームを発するように動作可能である[例えば、それにより、物体平面での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、励起源の出力での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]。
【0115】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームが、走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する。
【0116】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームが、
【化9】
であるような半角発散φを有し、式中、wmaxが、走査領域内の励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された最小距離であり(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の中央の場所まで測定される)、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の角の場所まで測定され、例えば、dは、dよりも大きい)。
【0117】
特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、dが、300mm未満(例えば、250mm未満)である。特定の実施形態では、dが、100mm~500mm(例えば、150~250mm、例えば、200~250mm、例えば、220~250mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、500mm未満(例えば、250mm未満)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm、例えば、220~250mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0118】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームの半角発散が、25mrad以下(例えば、20mrad以下、例えば、15mrad以下)である。
【0119】
特定の実施形態では、励起源は、その出力から、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて発散する(例えば、徐々に発散する)平行ビームとして、励起光ビームを発するように動作可能である。
【0120】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームが、走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する。
【0121】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームが、
【化10】
であるような半角発散φを有し、式中、wmaxが、走査領域内の励起光の平行ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり[例えば、ビームウエスト場所は、励起源の出力(例えば、自由空間レーザのレーザ開口)にある]、d (1)が、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿った距離であり、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の角の場所まで測定される)。
【0122】
特定の実施形態では、d (1)が、少なくとも50mm(例えば、少なくとも100mm)である。特定の実施形態では、d (1)が、250mm以下(例えば、200mm以下)である。特定の実施形態では、d (1)が、50mm~200mm(例えば、50~180mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm)である。特定の実施形態では、dが、500mm以下(例えば、250mm以下)である。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm)である。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0123】
特定の実施形態では、励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームの半角発散が、5mrad以下(例えば、2mrad以下、例えば、1.5mrad以下、例えば、1.25mrad以下)である。
【0124】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路内に位置付けられており、ビーム整形光学系が、(A)集束光学系であって、集束光学系を通過した後に、励起光ビームが、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて収束するように、集束光学系が位置合わせされている[例えば、それにより、物体平面での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、集束光学系での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]、集束光学系と、(B)平行光学系であって、平行光学系を通過した後に、励起光ビームが、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて発散する(例えば、徐々に発散する)ように、平行光学系が位置合わせされている、平行光学系と、のうちの少なくとも一方である。
【0125】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、集束光学系である。
【0126】
特定の実施形態では、集束光学系は、励起光ビームのスポットサイズが、走査領域内の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている[例えば、(i)ガルバノ光学スキャナ、および(ii)励起源の出力(例えば、ビーム励起光が発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)に対して]。
【0127】
特定の実施形態では、集束光学系を通過した後の励起光ビームの半角発散φが、
【化11】
となるようなものであり、式中、wmaxが、励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、ビームウエストでの励起光ビームのスポットサイズであり、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離であり(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の中央の場所まで測定される)、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の角の場所まで測定され、例えば、dは、dよりも大きい)。
【0128】
特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、dが、300mm未満(例えば、250mm未満)である。特定の実施形態では、dが、100mm~500mm(例えば、150~250mm、例えば、200~250mm、例えば、220~250mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、500mm未満(例えば、250mm未満)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm、例えば、220~250mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0129】
特定の実施形態では、集束光学系を通過した後の励起光ビームの半角発散が、25mrad以下(例えば、20mrad以下、例えば、15mrad以下)である。
【0130】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、平行光学系である。
【0131】
特定の実施形態では、平行光学系は、励起光ビームのスポットサイズが、走査領域内の物体平面の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている[例えば、(i)ガルバノ光学スキャナ、および(ii)励起源の出力(例えば、励起光ビームが発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)に対して]。
【0132】
特定の実施形態では、平行光学系を通過した後の励起光ビームの半角発散φが、
【化12】
となるようなものであり、式中、wmaxが、走査領域内の励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり[例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長]、wbwが、励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり[例えば、ビームウエスト場所は、励起源の出力(例えば、励起光が発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)にある]、d (2)が、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って測定された、平行光学系からガルバノ光学スキャナまでの距離であり、dが、ガルバノ光学スキャナから走査領域までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから走査領域の角の場所まで測定される)。
【0133】
特定の実施形態では、d (2)が、少なくとも50mm(例えば、少なくとも100mm)である。特定の実施形態では、d (2)が、250mm以下(例えば、200mm以下)である。特定の実施形態では、d (2)が、50mm~200mm(例えば、50~180mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm)である。特定の実施形態では、dが、500mm以下(例えば、250mm以下)である。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm)である。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0134】
特定の実施形態では、平行光学系を通過した後の励起光ビームの半角発散が、5mrad以下(例えば、2mrad以下、例えば、1.5mrad以下、例えば、1.25mrad以下)である。
【0135】
特定の実施形態では、励起源のパワーが、100mW超、または100mWにほぼ等しい(例えば、200mW超、または200mWにほぼ等しい、例えば、200mW超、または200mWにほぼ等しい、例えば、300mW超、または300mWにほぼ等しい)。
【0136】
特定の実施形態では、励起源が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザであり、励起光ビームが発せられる励起源の出力が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバの遠位端である。
【0137】
特定の実施形態では、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバのコア直径が、5μm~400μmである(例えば、光ファイバは、5~10μmのコア直径を有するシングルモード光ファイバであり、例えば、光ファイバは、50~400μmのコア直径を有するマルチモード光ファイバである)。特定の実施形態では、光ファイバの開口数(NA)が、0.1~0.3(例えば、0.1~0.25、例えば、0.15~0.25)である。
【0138】
特定の実施形態では、励起源が、自由空間レーザであり、励起光ビームが発せられる励起源の出力が、自由空間レーザのレーザ開口である。
【0139】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、複数の画素を含む焦点面アレイ(FPA)検出器(例えば、CCDカメラ、例えば、CMOSカメラ)を含み、FPA検出器が、走査領域を撮像するように位置合わせされている(例えば、FPA検出器の視野が走査領域を含むように)。
【0140】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、複数のファイバを含むファイバ束を含み、各ファイバが、走査領域内の異なる場所から発せられる光を収集するように位置合わせされ、対応する単一元素検出器(例えば、Si PD)まで収集した光をガイドする。
【0141】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、透過照明の幾何学的配置で蛍光種から発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、励起光ビームが、物体平面の第1の側部から物体平面の方に向けられ、1つ以上の検出器が、物体平面の反対側の第2の側部(例えば、第1の側部の反対側)から外向きの方向に発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である(例えば、1つ以上の検出器が、ガルバノ光学スキャナから物体平面の反対側にある)。
【0142】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体が、小型動物(例えば、マウス、ラット、ハタネズミ、ウサギ、ハムスター、および同サイズの動物)である。
【0143】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体のうちの少なくとも1つの被験体の厚さが、約1cmである。
【0144】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体は、複数の小型動物を固定するように動作可能な動物ホルダを使用して物体平面にわたって位置付けられている(例えば、動物ホルダは、撮像中に小型動物を固定するように各マウントが動作可能な複数のマウントを含む)。
【0145】
特定の実施形態では、動物ホルダは、1つ以上の光学バッフルを含む[例えば、1つ以上のバッフルの各々が動物ホルダから外向きに、物体平面に対して実質的に直交する方向に順方向(例えば、励起光ビームが物体平面上に入射する方向)および/または逆方向(例えば、励起光ビームが物体平面上に入射する方向の反対)に突出する構造に対応し、各バッフルは、励起光および/または発せられた蛍光の波長を有する光を実質的に通さず、小型動物が動物ホルダによって固定されている2つの位置の間に位置する(例えば、クロストークを低減/排除するために)]。
【0146】
特定の実施形態では、断層撮像が、生体内で実施される。
【0147】
特定の実施形態では、方法は、1つ以上の検出器を用いて、1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらから反射された励起光を検出すること[例えば、別個の励起場所の各々に対応する励起画像(例えば、2D画像)を検出すること]と、プロセッサによって、検出された励起光に対応するデータ[例えば、励起光が走査領域にわたる複数の別個の励起場所の各々に向かって向けられているときに、励起光の透過または1つ以上の被験体による励起光の反射に続いて検出される励起信号(例えば、励起画像(例えば、2D画像))を含むデータ]を受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、プロセッサによって、検出された励起光に対応するデータ、および検出された蛍光に対応するデータを使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得すること(例えば、算出すること)(例えば、断層再構成を実施することによって)と、を含む。
【0148】
特定の実施形態では、ステップ(a)は、ガルバノ光学スキャナを使用して、走査領域内の複数の別個の励起場所に励起光ビームを向けることであって、各別個の励起場所に関して、別個の励起場所に向けられた励起光ビームの経路に位置付けられている1つ以上の被験体のうちの所与の被験体が、被験体の表面上の対応する照明場所で励起光ビームによって照明され、それにより、励起光ビームが、対応する照明場所で所与の被験体の表面上に入射し、被験体内で拡散し、それによって、所与の被験体内の蛍光種(例えば、1つ以上の蛍光種のうちの)を励起すること(例えば、対応する照明場所からの励起光の拡散の結果として、例えば、それによって、対応する照明場所で被験体上に入射する励起光が拡散する、被験体の表面下の対応する拡散容積内に位置する蛍光種を励起すること)を含み、ステップ(b)は、各別個の励起場所に関して、所与の被験体内の蛍光種の励起の結果として、別個の励起場所の方に向けられた励起光ビームの経路内に位置付けられた所与の被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像(例えば、2D画像)を検出し、それによって、別個の励起場所に各々対応する、複数の蛍光発光画像を検出することを含み、ステップ(c)は、複数の蛍光発光画像を含む検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることを含み、ステップ(d)は、複数の蛍光発光画像を使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことを含む。
【0149】
特定の実施形態では、ステップ(b)は、各別個の励起場所に関して、1つ以上の検出器を用いて、励起光ビームが対応する照明場所で所与の被験体の表面上に入射するときに、別個の励起場所の方に向けられた励起光ビームの経路内に位置付けられた所与の被験体を通過したか、またはそれによって反射された励起光を表す対応する励起画像を検出し、それによって、別個の励起場所に各々対応する複数の励起画像を検出することを含み、ステップ(c)は、複数の励起画像を含む検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることを含み、ステップ(d)は、複数の蛍光発光画像および複数の励起画像を使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことを含む。
【0150】
特定の実施形態では、ステップ(a)は、ガルバノ光学スキャナを使用して、走査領域内の複数の別個の励起場所に励起光ビームを向けることを含み、別個の励起場所が、組として位置合わせされ、各組が、複数の別個の励起場所を含み、所与の組の各別個の励起場所が、1つ以上の被験体のうちの異なる被験体に対応し(例えば、各組が、1つ以上の被験体のうちの各被験体に対応する別個の励起場所を含む)、ガルバノ光学スキャナが、一度に1組、励起光ビームを走査し、次の組に進む前に、所与の組の中の各別個の励起場所に励起光ビームを向けるように動作可能であり(例えば、第2の組の中の各別個の励起場所に励起光ビームを向ける前に第1の組の中の各別個の励起場所に励起光ビームを向ける)、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上の検出器の露光窓に対応する時間内に、所与の組の全ての別個の励起場所を通って励起光ビームを走査するように動作可能であり、ステップ(b)は、別個の励起場所の各組に関して、蛍光発光画像を検出することを含み、各蛍光発光画像が、所与の組の中の各励起場所に向けられた励起光による1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種の励起の結果として、1つ以上の検出器の露光窓の間に発せられた、検出された蛍光を表す(例えば、それにより、各蛍光発光画像が、各被験体内の蛍光種によって、1つ以上の被験体の各々の中から発せられた、検出された蛍光を表す複数の被験体の蛍光発光画像である)。
【0151】
特定の実施形態では、検出された蛍光に対応するデータが、別個の励起場所の各組に関して、対応する蛍光発光画像を含み、ステップ(d)は、蛍光発光画像を使用して1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことを含む(例えば、断層再構成を実施することによって、例えば、各々が別個の励起場所の組に対応する蛍光発光画像を使用して)。
【0152】
特定の実施形態では、ステップ(d)は、1つ以上の被験体の各被験体に関して、別個の励起場所の各組に対応する各蛍光発光画像に関して、被験体と関連付けられた蛍光発光画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を使用して、被験体の断層画像(例えば、3D断層画像)を取得する(例えば、算出する)ことと、を含む。
【0153】
特定の実施形態では、ステップ(b)は、別個の励起場所の各組に関して、対応する励起画像を検出することを含み、各励起画像が、所与の組の中の各励起場所に向けられた励起光ビームによる1つ以上の被験体の照明の結果として、1つ以上の検出器の露光窓の間に1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらによって反射された、検出された励起光を表し(例えば、それにより、各励起画像が、1つ以上の被験体の各々を透過したか、またはそれらによって反射された、検出された励起光を表す複数の被験体の励起画像である)、ステップ(c)は、別個の励起場所の各組に関して対応する励起画像を含む、検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることを含み、ステップ(d)は、蛍光発光画像および励起画像を使用して、1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことを含む(例えば、断層再構成を実施することによって、例えば、各々が別個の励起場所の組に対応する蛍光発光画像および励起画像を使用して)。
【0154】
特定の実施形態では、ステップ(d)は、別個の励起場所の各組に対応する各蛍光発光画像に関して、被験体と関連付けられた蛍光発光画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光発光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、別個の励起場所の各組に対応する各励起画像に関して、被験体と関連付けられた励起画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体を透過したか、またはそれによって反射された、検出された励起光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する励起画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられ、かつ別個の励起場所の組に対応する、単一被験体励起画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を決定することであって、各単一被験体励起画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像および被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を使用して、被験体の断層画像(例えば、3D断層画像)を取得する(例えば、算出する)ことと、を含む。
【0155】
別の態様では、本発明は、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の断層撮像のための広視野にわたる複数の励起源からの励起光の高速走査のための方法を対象とし、方法は、(a)複数の励起源のそれぞれ1つから発せられる少なくとも1つの励起光ビームを用いて1つ以上の被験体を照明することであって、(i)第1の励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、第1の励起源から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って向けるように位置合わせされており、(ii)第1の励起源以外の各励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、ガルバノ光学スキャナに向かうそれぞれの光路に沿って、第1の励起源からガルバノ光学スキャナまでの第1の光路に対して対応するオフセット角度で向けるように位置合わせされており、(iii)ガルバノ光学スキャナが、各励起源に関して、1つ以上のガルバノミラーが回転すると、励起源によって発せられたそれぞれの励起光ビームがそれぞれの走査領域にわたって走査される(例えば、それぞれの走査領域内の複数の別個の励起場所の方に向けられる)(例えば、各それぞれの走査領域が、複数の励起源のうちの励起源と関連付けられている)ように、1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、物体平面のそれぞれの走査領域内のそれぞれの複数の場所に、励起源によって発せられたそれぞれの励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の照明を提供する、照明することと[例えば、被験体の後ろの所与の別個の励起場所の方に向けられた励起光の経路内の走査領域に近接して(例えば、その正面に、例えば、そこに)位置付けられた所与の被験体は、被験体の後ろの所与の別個の励起場所の方に向けられた励起光が関連付けられた照明場所で被験体の表面上に衝突し、それによって、関連付けられた照明場所からの励起光の拡散と関連付けられた(例えば、それによって画定された)被験体の表面下の容積内に位置する蛍光種の励起を提供するように、励起光によって照明される]、(b)1つ以上の検出器を用いて、複数の励起源のうちの少なくとも1つからの励起光による励起の結果として、1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出することと[例えば、励起源のそれぞれの走査領域内の複数の別個の励起場所の各々で少なくとも1つの励起源から発せられた励起光による励起の結果として、例えば、1つ以上の検出器は、別個の励起場所の各々に対応する蛍光発光画像(例えば、2D画像)を検出するように構成されている]、(c)コンピューティングデバイスのプロセッサによって、検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと(例えば、データは、少なくとも1つの励起源のそれぞれの走査領域にわたる複数の励起場所の少なくとも一部分の各々での励起に続いて検出された蛍光発光画像(例えば、画像、例えば、2D画像)を含む)、(d)プロセッサによって、検出された蛍光に対応するデータを使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって)ことと、を含む。
【0156】
特定の実施形態では、各励起源が、1つ以上の被験体内の対応する蛍光種の励起(吸収)帯域内の別個の励起波長を有する励起光を発する(各別個の励起波長は、400nm~1300nmの範囲内の波長である)。
【0157】
特定の実施形態では、ステップ(b)は、複数の励起源のうちの2つ以上の励起源の各々からの励起光による励起の結果として、1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出することを含む[例えば、励起源から発せられた励起光による励起の結果として、1つ以上の蛍光種のうちの関連付けられた蛍光種によって発せられた2つ以上の蛍光の各々に関して(例えば、関連付けられた蛍光種は、関連付けられた励起源からの励起光による励起に応答して蛍光を発する)]。
【0158】
特定の実施形態では、検出された蛍光に対応するデータが、複数の励起源のうちの2つ以上の励起源の各々に関して、励起源のそれぞれの走査領域にわたって複数の励起場所の各々に向けられた励起光による励起に続いて検出された、一組の関連付けられた蛍光発光信号(例えば、画像、例えば、2D画像)を含み、ステップ(c)は、2つ以上の励起源の各々に関して、関連付けられた蛍光発光信号を使用して1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像のそれぞれの組を取得し(例えば、算出させ)(例えば、断層再構成を実施することによって)、それによって、2つ以上の励起源の各々に関する一組の1つ以上の断層画像を取得することを含む。
【0159】
特定の実施形態では、励起源の各々のそれぞれの走査領域の各々の少なくとも一部分が、互いに重なり合って、共有走査領域を生成する。
【0160】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上のガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの共有走査領域を生成するために、ガルバノメータから共有走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられている。
【0161】
特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った共有走査領域の所望されるサイズが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った共有走査領域の所望されるサイズが、100~200mm(例えば、100~150mm、例えば、約140mm)である。
【0162】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから共有走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離が、150~250mm(例えば、約200mm)である。
【0163】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源は、その出力からそのそれぞれの励起光ビームを、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて収束する集束ビームとして発するように動作可能である、集束励起源である[例えば、それにより、物体平面での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、励起源の出力での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]。
【0164】
特定の実施形態では、集束励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームが、走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する。
【0165】
特定の実施形態では、集束励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームが、
【化13】
であるような半角発散φを有し、式中、wmaxが、集束励起源のそれぞれの走査領域内の励起光の集束ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、励起光の集束ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり、dが、ガルバノ光学スキャナから集束励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された最小距離であり(例えば、ガルバノ光学スキャナから集束励起源のそれぞれの走査領域の中央の場所まで測定される)、dが、ガルバノ光学スキャナから集束励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから集束励起源のそれぞれの走査領域の角の場所まで測定され、例えば、dは、dよりも大きい)。
【0166】
特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、dが、300mm未満(例えば、250mm未満)である。特定の実施形態では、dが、100mm~500mm(例えば、150~250mm、例えば、200~250mm、例えば、220~250mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、500mm未満(例えば、250mm未満)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm、例えば、220~250mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0167】
特定の実施形態では、集束励起源の出力から発せられた励起光の集束ビームの半角発散が、25mrad以下(例えば、20mrad以下、例えば、15mrad以下)である。
【0168】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源は、その出力からそのそれぞれの励起光ビームを、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて発散する(例えば、徐々に発散する)平行ビームとして発するように動作可能である、平行励起源である。
【0169】
特定の実施形態では、平行励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームが、走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する。
【0170】
特定の実施形態では、平行励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームが、
【化14】
であるような半角発散φを有し、式中、wmaxが、平行励起源のそれぞれの走査領域内の励起光の平行ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり[例えば、ビームウエスト場所は、励起源の出力(例えば、自由空間レーザのレーザ開口)にある]、d (1)が、平行励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿った距離であり、dが、ガルバノ光学スキャナから平行励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、ガルバノ光学スキャナから平行励起源のそれぞれの走査領域の角の場所まで測定される)。
【0171】
特定の実施形態では、d (1)が、少なくとも50mm(例えば、少なくとも100mm)である。特定の実施形態では、d (1)が、250mm以下(例えば、200mm以下)である。特定の実施形態では、d (1)が、50mm~200mm(例えば、50~180mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm)である。特定の実施形態では、dが、500mm以下(例えば、250mm以下)である。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm)である。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0172】
特定の実施形態では、平行励起源の出力から発せられた励起光の平行ビームの半角発散が、5mrad以下(例えば、2mrad以下、例えば、1.5mrad以下、例えば、1.25mrad以下)である。
【0173】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して、励起源と関連付けられたビーム整形光学系は、関連付けられた励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでのそれぞれの光路内に位置付けられ、ビーム整形光学系が、(A)集束光学系であって、集束光学系を通過した後に、関連付けられた励起源の出力から発せられた、関連付けられた励起光ビームが、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて収束するように、集束光学系が位置合わせされている[例えば、それにより、物体平面での関連付けられた励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、集束光学系での関連付けられた励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]、集束光学系と、(B)平行光学系であって、平行光学系を通過した後に、関連付けられた励起源の出力から発せられた、関連付けられた励起光ビームが、(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面に移動するにつれて発散する(例えば、徐々に発散する)ように、平行光学系が位置合わせされている、平行光学系と、のうちの少なくとも一方である。
【0174】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、集束光学系である。
【0175】
特定の実施形態では、集束光学系は、関連付けられた励起光ビームのスポットサイズが、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている[例えば、(i)ガルバノ光学スキャナ、および(ii)関連付けられた励起源の出力(例えば、関連付けられたビーム励起光が発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、関連付けられた励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)に対して]。
【0176】
特定の実施形態では、集束光学系を通過した後の関連付けられた励起光ビームの半角発散φが、
【化15】
となるようなものであり、式中、wmaxが、関連付けられた励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり(例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)、wbwが、ビームウエスト場所での関連付けられた励起光ビームのスポットサイズであり、dが、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離であり(例えば、最小距離dは、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域の中央の場所まで測定される)、dが、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、dは、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域の角の場所まで測定され、例えば、dは、dよりも大きい)。
【0177】
特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)である。特定の実施形態では、dが、300mm未満(例えば、250mm未満)である。特定の実施形態では、dが、100mm~500mm(例えば、150~250mm、例えば、200~250mm、例えば、220~250mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm、例えば、少なくとも200mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、500mm未満(例えば、250mm未満)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm、例えば、220~250mm)であり、dよりも大きい。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0178】
特定の実施形態では、集束光学系を通過した後の関連付けられた励起光ビームの半角発散が、25mrad以下(例えば、20mrad以下、例えば、15mrad以下)である。
【0179】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系が、平行光学系である。
【0180】
特定の実施形態では、平行光学系は、関連付けられた励起光ビームのスポットサイズが、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の物体平面の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている[例えば、(i)ガルバノ光学スキャナ、および(ii)関連付けられた励起源の出力(例えば、励起光ビームが発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)に対して]。
【0181】
特定の実施形態では、平行光学系を通過した後の関連付けられた励起光ビームの半角発散φが、
【化16】
となるようなものであり、式中、wmaxが、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域内の関連付けられた励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり[例えば、約1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長]、wbwが、関連付けられた励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり[例えば、ビームウエスト場所は、関連付けられた励起源の出力(例えば、励起光が発せられるファイバ結合励起源またはファイバレーザのファイバの遠位端、例えば、それぞれの励起光ビームが発せられる自由空間レーザのレーザ開口)にある]、d (2)が、関連付けられた励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って測定された、平行光学系からガルバノ光学スキャナまでの距離であり、dが、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域までの最大長光路に沿った最大距離である(例えば、dは、ガルバノ光学スキャナから、関連付けられた励起源のそれぞれの走査領域の角の場所まで測定される)。
【0182】
特定の実施形態では、d (2)が、少なくとも50mm(例えば、少なくとも100mm)である。特定の実施形態では、d (2)が、250mm以下(例えば、200mm以下)である。特定の実施形態では、d (2)が、50mm~200mm(例えば、50~180mm)である。特定の実施形態では、dが、少なくとも100mm(例えば、少なくとも150mm)である。特定の実施形態では、dが、500mm以下(例えば、250mm以下)である。特定の実施形態では、dが、50~500mm(例えば、100~250mm、例えば、150~250mm)である。特定の実施形態では、wmaxが、2mm以下(例えば、1.5mm以下、例えば、1mm以下)である。特定の実施形態では、wmaxが、約1mmである。特定の実施形態では、wmaxが、約0.5mmである。
【0183】
特定の実施形態では、平行光学系を通過した後の関連付けられた励起光ビームの半角発散が、5mrad以下(例えば、2mrad以下、例えば、1.5mrad以下、例えば、1.25mrad以下)である。
【0184】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源のパワーが、100mW超、または100mWにほぼ等しい(例えば、200mW超、または200mWにほぼ等しい、例えば、200mW超、または200mWにほぼ等しい、例えば、300mW超、または300mWにほぼ等しい)。
【0185】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザであり、励起光ビームが発せられる少なくとも1つの励起源の出力が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバの遠位端である。
【0186】
特定の実施形態では、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバのコア直径が、5μm~400μmである(例えば、光ファイバは、5~10μmのコア直径を有するシングルモード光ファイバであり、例えば、光ファイバは、50~400μmのコア直径を有するマルチモード光ファイバである)。特定の実施形態では、光ファイバの開口数(NA)が、0.1~0.3(例えば、0.1~0.25、例えば、0.15~0.25)である。
【0187】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源が、自由空間レーザであり、励起光ビームが発せられる少なくとも1つの励起源の出力が、自由空間レーザのレーザ開口である。
【0188】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、複数の画素を含む焦点面アレイ(FPA)検出器(例えば、CCDカメラ、例えば、CMOSカメラ)を含み、FPA検出器が、各励起源の各それぞれの走査領域の少なくとも一部分を撮像するように位置合わせされている(例えば、FPA検出器の視野が各それぞれの走査領域の少なくとも一部分を含むように)。
【0189】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、複数のファイバを含むファイバ束を含み、各ファイバが、走査領域内の異なる場所から発せられる光を収集するように位置合わせされ、対応する単一元素検出器(例えば、Si PD)まで収集した光をガイドする。
【0190】
特定の実施形態では、1つ以上の検出器が、透過照明の幾何学的配置で蛍光種から発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、各それぞれの励起光ビームが、物体平面の第1の側部から物体平面の方に向けられ、1つ以上の検出器が、物体平面の反対側の第2の側部(例えば、第1の側部の反対側)から外向きの方向に発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である(例えば、位置合わせされている)(例えば、1つ以上の検出器が、ガルバノ光学スキャナから物体平面の反対側にある)。
【0191】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体が、小型動物(例えば、マウス、ラット、ハタネズミ、ウサギ、ハムスター、および同サイズの動物)である。
【0192】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体のうちの少なくとも1つの被験体の厚さが、約1cmである。
【0193】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体は、複数の小型動物を固定するように動作可能な動物ホルダを使用して物体平面にわたって位置付けられている(例えば、動物ホルダは、撮像中に小型動物を固定するように各マウントが動作可能な複数のマウントを含む)。
【0194】
特定の実施形態では、動物ホルダは、1つ以上の光学バッフルを含む[例えば、1つ以上のバッフルの各々が動物ホルダから外向きに、物体平面に対して実質的に直交する方向に順方向(例えば、励起光ビームが物体平面上に入射する方向)および/または逆方向(例えば、励起光ビームが物体平面上に入射する方向の反対)に突出する構造に対応し、各バッフルは、励起光および/または発せられた蛍光の波長を有する光を実質的に通さず、小型動物が動物ホルダによって固定されている2つの位置の間に位置する(例えば、クロストークを低減/排除するために)]。
【0195】
特定の実施形態では、断層撮像が、生体内で実施される。
【0196】
特定の実施形態では、ステップ(b)は、1つ以上の検出器を用いて、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して、1つ以上の被験体を透過するか、またはそれらから反射される、少なくとも1つの励起源によって発せられた励起光を検出すること[例えば、少なくとも1つの励起源のそれぞれの走査領域内の別個の励起場所の各々に対応する励起画像(例えば、2D画像)を検出すること]を含み、ステップ(c)は、検出された励起光に対応するデータ[例えば、励起光が、少なくとも1つの励起源のそれぞれの走査領域にわたる複数の別個の励起場所の各々に向かって向けられているときに、励起光の透過または1つ以上の被験体による励起光の反射に続いて検出される励起信号(例えば、励起画像(例えば、2D画像))を含むデータ]を受信し、かつ/またはそれにアクセスすることを含み、ステップ(d)は、検出された励起光に対応するデータ、および検出された蛍光に対応するデータを使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)(例えば、断層再構成を実施することによって)ことを含む。
【0197】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して、ステップ(a)は、ガルバノ光学スキャナを使用して、それぞれの走査領域内の複数の別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向けることであって、各別個の励起場所に関して、別個の励起場所に向けられたそれぞれの励起光ビームの経路に位置付けられている1つ以上の被験体のうちの所与の被験体が、被験体の表面上の対応する照明場所でそれぞれの励起光ビームによって照明され、それにより、それぞれの励起光ビームが、対応する照明場所で所与の被験体の表面上に入射し、被験体内で拡散し、それによって、所与の被験体内の蛍光種(例えば、1つ以上の蛍光種のうちの)を励起すること(例えば、対応する照明場所からの励起光の拡散の結果として、例えば、それによって、対応する照明場所で所与の被験体上に入射する励起光が拡散する、被験体の表面下の対応する拡散容積内に位置する蛍光種を励起すること)を含み、ステップ(b)は、各別個の励起場所に関して、所与の被験体内の蛍光種の励起の結果として、別個の励起場所の方に向けられたそれぞれの励起光ビームの経路内に位置付けられた所与の被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像(例えば、2D画像)を検出し、それによって、励起源のそれぞれの走査領域内の別個の励起場所に各々対応する、複数の蛍光発光画像を検出することを含み、ステップ(c)は、励起源に関して検出された複数の蛍光発光画像を含む検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることを含み、ステップ(d)は、励起源に関して検出された複数の蛍光発光画像を使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことを含む。
【0198】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して、ステップ(b)は、励起源のそれぞれの走査領域内の各別個の励起場所に関して、1つ以上の検出器を用いて、それぞれの励起光ビームが対応する照明場所で所与の被験体の表面上に入射したときに、所与の被験体を透過するか、またはそれによって反射される、励起源によって発せられた励起光を表す、対応する励起画像を検出し、それによって、励起源のそれぞれの走査領域内の別個の励起場所に各々対応する複数の励起画像を検出することを含み、ステップ(c)は、励起源に関して検出された複数の蛍光発光画像を含む検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることを含み、ステップ(d)は、励起源に関して検出された複数の蛍光発光画像、および励起源に関して検出された複数の励起画像を使用して、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことを含む。
【0199】
特定の実施形態では、複数の励起源のうちの少なくとも1つの励起源に関して(例えば、複数の励起源のうちの各励起源に関して)、ステップ(a)は、ガルバノ光学スキャナを使用して、励起源のそれぞれの走査領域内の複数の別個の励起場所に、励起源によって発せられたそれぞれの励起光ビームを向けることを含み、別個の励起場所が、組として位置合わせされ、各組が、複数の別個の励起場所を含み、所与の組の各別個の励起場所が、1つ以上の被験体のうちの異なる被験体に対応し(例えば、各組が、1つ以上の被験体のうちの各被験体に対応する別個の励起場所を含む)、ガルバノ光学スキャナが、一度に1組、それぞれの励起光ビームを走査し、次の組に進む前に、所与の組の中の各別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向けるように動作可能であり(例えば、第2の組の中の各別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向ける前に第1の組の中の各別個の励起場所にそれぞれの励起光ビームを向ける)、ガルバノ光学スキャナが、1つ以上の検出器の露光窓に対応する時間内に、所与の組の全ての別個の励起場所を通ってそれぞれの励起光ビームを走査するように動作可能であり、ステップ(b)は、別個の励起場所の各組に関して、励起源によって発せられ、かつ所与の組の中の各励起場所に向けられた励起光による1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種の励起の結果として、1つ以上の検出器の露光窓の間に発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像を検出することを含む(例えば、それにより、各蛍光発光画像が、各被験体内の蛍光種によって、1つ以上の被験体の各々の中から発せられた、検出された蛍光を表す複数の被験体の蛍光発光画像である)。
【0200】
特定の実施形態では、検出された蛍光に対応するデータが、別個の励起場所の各組に関して、対応する蛍光発光画像を含み、ステップ(d)は、蛍光発光画像(各々が別個の励起場所の組に対応する)を使用して1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことを含む(例えば、断層再構成を実施することによって)。
【0201】
特定の実施形態では、ステップ(d)は、1つ以上の被験体の各被験体に関して、別個の励起場所の各組に対応する各蛍光発光画像に関して、被験体と関連付けられた蛍光発光画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を使用して、被験体の断層画像(例えば、3D断層画像)を取得する(例えば、算出する)ことと、を含む。
【0202】
特定の実施形態では、ステップ(b)は、別個の励起場所の各組に関して、所与の組の中の各励起場所に向けられたそれぞれの励起光ビームによる1つ以上の被験体の照明の結果として、1つ以上の検出器の露光窓の間に1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらによって反射された、検出された励起光を表す(例えば、それにより、各励起画像が、1つ以上の被験体の各々を透過したか、またはそれらによって反射された、検出された励起光を表す複数の被験体の励起画像である)、対応する励起画像を検出することを含み、ステップ(c)は、別個の励起場所の各組に関して対応する励起画像を含む、検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることを含み、ステップ(d)は、蛍光発光画像および励起画像を使用して、1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得する(例えば、算出する)ことを含む(例えば、断層再構成を実施することによって、例えば、各々が別個の励起場所の組に対応する蛍光発光画像および励起画像を使用して)。
【0203】
特定の実施形態では、ステップ(d)は、1つ以上の被験体の各被験体に関して、別個の励起場所の各組に対応する各蛍光発光画像に関して、被験体と関連付けられた蛍光発光画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体内から発せられた、検出された蛍光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光発光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、別個の励起場所の各組に対応する各励起画像に関して、被験体と関連付けられた励起画像の一部分を決定し(例えば、決定された部分が被験体を透過したか、またはそれによって反射された、検出された励起光を表す、例えば、共同登録された明視野像を使用して、被験体に対応する励起画像の空間領域を識別する)、それによって、被験体と関連付けられ、かつ別個の励起場所の組に対応する、単一被験体励起画像を決定し、それによって、被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を決定することであって、各単一被験体励起画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像および被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を使用して、被験体の断層画像(例えば、3D断層画像)を取得する(例えば、算出する)ことと、を含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の断層撮像のための広視野にわたる励起光の高速走査のためのシステムであって、
(a)励起光ビームを発するように動作可能な励起源であって、前記励起源が、前記励起源の出力から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って前記励起光ビームを向けるように位置合わせされている、励起源と、
(b)前記ガルバノ光学スキャナであって、前記ガルバノ光学スキャナが、前記1つ以上のガルバノミラーが回転すると、前記励起光ビームが走査領域にわたって走査されるように、前記1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、前記物体平面の前記走査領域内の複数の場所に前記励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、前記物体平面にわたって位置付けられた前記1つ以上の被験体の照明を提供する、ガルバノ光学スキャナと、
(c)前記励起光による励起の結果として、前記1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、1つ以上の検出器と、
(d)プロセッサと、
(e)命令が記憶されているメモリと、を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、
前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得することと、を行わせる、システム。
(項目2)
前記ガルバノ光学スキャナが、前記1つ以上のガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの走査領域を生成するために、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
第1の寸法および/または第2の寸法に沿った前記走査領域の前記所望されるサイズが、少なくとも100mmである、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離が、150~250mmである、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記励起源は、その出力から、(i)前記ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)前記ガルバノ光学スキャナから前記物体平面に移動するにつれて収束する集束ビームとして、前記励起光ビームを発するように動作可能である、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記励起源の前記出力から発せられた前記励起光の集束ビームが、前記走査領域内の全場所で1mm未満、または1mmにほぼ等しいスポットサイズを有する、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記励起源の前記出力から発せられた前記励起光の集束ビームが、
【化17】

であるような半角発散φを有し、式中、
max が、前記走査領域内の前記励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり、
bw が、前記励起光ビームのそのビームウエスト場所でのスポットサイズであり、
が、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された最小距離であり、
が、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である、項目5に記載のシステム。
(項目8)
前記励起源の前記出力から発せられた前記励起光の集束ビームの半角発散が、25mrad以下である、項目6に記載のシステム。
(項目9)
前記システムが、前記励起源の前記出力から前記ガルバノ光学スキャナまでの前記光路内に位置付けられたビーム整形光学系を備え、前記ビーム整形光学系が、
(A)集束光学系であって、前記集束光学系を通過した後に、前記励起光ビームが、(i)前記ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)前記ガルバノ光学スキャナから前記物体平面に移動するにつれて収束するように、前記集束光学系が位置合わせされている、集束光学系と、
(B)平行光学系であって、前記平行光学系を通過した後に、前記励起光ビームが、(i)前記ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)前記ガルバノ光学スキャナから前記物体平面に移動するにつれて発散するように、前記平行光学系が位置合わせされている、平行光学系と、のうちの少なくとも一方である、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記ビーム整形光学系が、前記集束光学系である、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記集束光学系は、前記励起光ビームのスポットサイズが、前記走査領域内の全場所で直径1mm未満、または1mmにほぼ等しいように、位置付けられている、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記集束光学系を通過した後の前記励起光ビームの半角発散φが、
【化18】

となるようなものであり、式中、
max が、前記励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限であり、
bw が、ビームウエストでの前記励起光ビームのスポットサイズであり、
が、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離であり、
が、前記ガルバノ光学スキャナから前記走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である、項目10に記載のシステム。
(項目13)
前記集束光学系を通過した後の前記励起光ビームの半角発散が、25mrad以下である、項目10に記載のシステム。
(項目14)
前記励起源のパワーが、100mW超、または100mWにほぼ等しい、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記励起源が、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザであり、前記励起光ビームが発せられる前記励起源の前記出力が、前記ファイバ結合レーザまたは前記ファイバレーザの光ファイバの遠位端である、項目1に記載のシステム。
(項目16)
前記ファイバ結合レーザまたは前記ファイバレーザの前記光ファイバのコア直径が、5μm~400μmである、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記光ファイバの開口数(NA)が、0.1~0.3である、項目15に記載のシステム。
(項目18)
前記1つ以上の検出器が、透過照明の幾何学的配置で前記蛍光種から発せられた前記蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、前記励起光ビームが、前記物体平面の第1の側部から前記物体平面の方に向けられ、前記1つ以上の検出器が、前記物体平面の反対側の第2の側部から外向きの方向に発せられた蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、項目1に記載のシステム。
(項目19)
前記1つ以上の検出器が、前記1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらから反射された励起光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、
前記命令は、前記プロセッサに、
前記検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、
前記検出された励起光に対応する前記データおよび前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得することと、を行わせる、項目1に記載のシステム。
(項目20)
前記ガルバノ光学スキャナが、前記走査領域内の複数の別個の励起場所に前記励起光ビームを向けることによって、前記走査領域にわたって前記励起光ビームを走査するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、各別個の励起場所に関して、前記別個の励起場所に向けられた前記励起光ビームの前記経路に位置付けられている前記1つ以上の被験体のうちの所与の被験体が、前記被験体の表面上の対応する照明場所で前記励起光ビームによって照明され、それにより、前記励起光ビームが、前記対応する照明場所で前記所与の被験体の前記表面上に入射し、前記被験体内で拡散し、それによって、前記所与の被験体内での蛍光種の励起を提供し、
前記1つ以上の検出器が、各別個の励起場所に関して、前記別個の励起場所に向けられた前記励起光ビームの前記経路内に位置付けられている所与の被験体内の蛍光種によって発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、別個の励起場所に各々対応する、複数の蛍光発光画像の検出を提供し、
前記命令は、前記プロセッサに、
前記複数の蛍光発光画像を含む前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、
前記複数の蛍光発光画像を使用して、前記1つ以上の被験体の前記1つ以上の断層画像を取得することと、を行わせる、項目1に記載のシステム。
(項目21)
前記1つ以上の検出器は、各別個の励起場所に関して、前記励起光ビームが前記対応する照明場所で前記所与の被験体の前記表面上に入射したときに、前記所与の被験体を透過したか、またはそれによって反射された励起光を表す、対応する励起画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それにより、別個の励起場所に各々対応する複数の励起画像が検出され、
前記命令は、前記プロセッサに、
前記複数の励起画像を含む前記検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、
前記複数の蛍光発光画像および前記複数の励起画像を使用して、前記1つ以上の被験体の前記1つ以上の断層画像を取得することと、を行わせる、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記ガルバノ光学スキャナが、前記走査領域内の複数の別個の励起場所に前記励起光ビームを向けることによって、前記走査領域にわたって前記励起光ビームを走査するように動作可能であり、
前記別個の励起場所が、組として位置合わせされ、各組が、複数の別個の励起場所を含み、所与の組の各別個の励起場所が、1つ以上の被験体のうちの異なる被験体に対応し、
前記ガルバノ光学スキャナが、一度に1組、前記励起光ビームを走査し、次の組に進む前に、所与の組の中の各別個の励起場所に前記励起光ビームを向けるように動作可能であり、
前記ガルバノ光学スキャナが、1つ以上の検出器の露光窓に対応する時間内に、所与の組の全ての前記別個の励起場所を通って前記励起光ビームを走査するように動作可能であり、
前記1つ以上の検出器が、別個の励起場所の各組に関して、所与の組の中の各励起場所に向けられた励起光による前記1つ以上の被験体内の前記1つ以上の蛍光種の励起の結果として、前記1つ以上の検出器の前記露光窓の間に発せられた、検出された蛍光を表す、対応する蛍光発光画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、項目1に記載のシステム。
(項目23)
前記検出された蛍光に対応する前記データが、別個の励起場所の各組に関して、前記対応する蛍光発光画像を含み、
前記命令が、前記プロセッサに、前記蛍光発光画像を使用して、前記1つ以上の被験体のうちの各被験体の断層画像を取得させる、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記命令は、前記プロセッサに、前記1つ以上の被験体の各被験体に関して、
別個の励起場所の組に対応し、それによって、前記被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、かつ別個の励起場所の前記組に対応する、各蛍光発光画像に関して、前記被験体と関連付けられた前記蛍光発光画像の一部分を決定し、それによって、前記被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、
前記被験体と関連付けられた前記複数の単一被験体蛍光発光画像を使用して、前記被験体の断層画像を取得することと、を行わせる、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記1つ以上の検出器が、別個の励起場所の各組に関して、所与の組の中の各励起場所に向けられた前記励起光ビームによる前記1つ以上の被験体の照明の結果として、前記1つ以上の検出器の前記露光窓の間に検出された、1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらによって反射された励起光を表す、対応する励起画像を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、
前記命令は、前記プロセッサに、
別個の励起場所の各組に関して前記対応する励起画像を含む、前記検出された励起光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、
前記検出された蛍光発光画像および前記検出された励起画像を使用して、前記1つ以上の被験体の各被験体の断層画像を取得することと、を行わせる、項目22に記載のシステム。
(項目26)
(元の項目)前記命令は、前記プロセッサに、前記1つ以上の被験体の各被験体に関して、
別個の励起場所の組に対応する各蛍光発光画像に関して、前記被験体と関連付けられた前記蛍光発光画像の一部分を決定し、それによって、前記被験体と関連付けられた単一被験体蛍光発光画像を決定し、それによって、前記被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像を決定することであって、各単一被験体蛍光発光画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、
別個の励起場所の組に対応する各励起画像に関して、前記被験体と関連付けられた励起画像の一部分を決定し、それによって、前記被験体と関連付けられ、かつ前記別個の励起場所の組に対応する、単一被験体励起画像を決定し、それによって、前記被験体と関連付けられた複数の単一被験体励起画像を決定することであって、各単一被験体励起画像が、別個の励起場所の組に対応する、決定することと、
前記被験体と関連付けられた前記複数の単一被験体蛍光発光画像および前記被験体と関連付けられた前記複数の単一被験体励起画像を使用して、前記被験体の断層画像を取得することと、を行わせる、項目25に記載のシステム。
(項目27)
(元の項目)物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の断層撮像のための広視野にわたる複数の励起源からの励起光の高速走査のためのシステムであって、
(a)複数の励起源であって、
各励起源が、それぞれの励起光ビームを発するように動作可能であり、
第1の励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、前記第1の励起源の出力から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの第1の光路に沿って向けるように位置合わせされており、
前記第1の励起源以外の各励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、その出力からガルバノ光学スキャナまでのそれぞれの光路に沿って、前記第1の光路に対して対応するオフセット角度で向けるように位置合わせされている、複数の励起源と、
(b)前記ガルバノ光学スキャナであって、前記ガルバノ光学スキャナが、各励起源に関して、前記1つ以上のガルバノミラーが回転すると、前記励起源によって発せられた前記それぞれの励起光ビームがそれぞれの走査領域にわたって走査されるように、前記1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、前記物体平面の前記それぞれの走査領域内のそれぞれの複数の場所に、前記励起源によって発せられた前記それぞれの励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、前記物体平面にわたって位置付けられた前記1つ以上の被験体の照明を提供する、ガルバノ光学スキャナと、
(c)前記複数の励起源のうちの少なくとも1つからの前記励起光による励起の結果として、前記1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、1つ以上の検出器と、
(d)プロセッサと、
(e)命令が記憶されているメモリと、を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、
前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得することと、を行わせる、システム。
(項目28)
各励起源が、前記1つ以上の被験体内の対応する蛍光種の励起帯域内の別個の励起波長を有する励起光を発する、項目27に記載のシステム。
(項目29)
前記1つ以上の検出器が、前記複数の励起源のうちの2つ以上の励起源の各々からの前記励起光による励起の結果として、前記1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出するように位置合わせされ、かつそのように動作可能である、項目27に記載のシステム。
(項目30)
前記検出された蛍光に対応する前記データが、前記複数の励起源のうちの2つ以上の励起源の各々に関して、前記励起源の前記それぞれの走査領域にわたって複数の励起場所の各々に向けられた励起光による励起に続いて検出された、一組の関連付けられた蛍光発光信号を含み、
前記命令は、前記プロセッサに、前記2つ以上の励起源の各々に関して、前記関連付けられた蛍光発光信号を使用して前記1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像のそれぞれの組を取得させ、それによって、前記2つ以上の励起源の各々に関する一組の1つ以上の断層画像を取得させる、項目27に記載のシステム。
(項目31)
前記励起源の各々の前記それぞれの走査領域の各々の少なくとも一部分が、互いに重なり合って、共有走査領域を生成する、項目27に記載のシステム。
(項目32)
前記ガルバノ光学スキャナが、前記1つ以上のガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの共有走査領域を生成するために、前記ガルバノメータから前記共有走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられている、項目31に記載のシステム。
(項目33)
第1の寸法および/または第2の寸法に沿った前記共有走査領域の前記所望されるサイズが、少なくとも100mmである、項目32に記載のシステム。
(項目34)
物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の断層撮像のための広視野にわたる励起光の高速走査のための方法であって、
(a)励起源からの励起光ビームを用いて前記1つ以上の被験体を照明することであって、前記励起源が、前記励起源の出力から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って前記励起光ビームを向けるように位置合わせされており、前記ガルバノ光学スキャナが、前記1つ以上のガルバノミラーが回転すると、前記励起光ビームが走査領域にわたって走査されるように、前記1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、前記物体平面の前記走査領域内の複数の場所に前記励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、前記物体平面にわたって位置付けられた前記1つ以上の被験体の照明を提供する、照明することと、
(b)1つ以上の検出器を用いて、前記励起光による励起の結果として、前記1つ以上の被験体内の蛍光種から発せられる蛍光を検出することと、
(c)コンピューティングデバイスのプロセッサによって、前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、
(d)前記プロセッサによって、前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得することと、を含む、方法。
(項目35)
物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の断層撮像のための広視野にわたる複数の励起源からの励起光の高速走査のための方法であって、
(a)複数の励起源のそれぞれ1つから発せられる少なくとも1つの励起光ビームを用いて前記1つ以上の被験体を照明することであって、
(i)第1の励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、前記第1の励起源から、1つ以上の回転ガルバノミラーを含むガルバノ光学スキャナまでの第1の光路に沿って向けるように位置合わせされており、
(ii)前記第1の励起源以外の各励起源が、そのそれぞれの励起光ビームを、ガルバノ光学スキャナに向かうそれぞれの光路に沿って、前記第1の励起源から前記ガルバノ光学スキャナまでの前記第1の光路に対して対応するオフセット角度で向けるように位置合わせされており、
(iii)前記ガルバノ光学スキャナが、各励起源に関して、前記1つ以上のガルバノミラーが回転すると、前記励起源によって発せられた前記それぞれの励起光ビームがそれぞれの走査領域にわたって走査されるように、前記1つ以上の回転ガルバノミラーによる反射を介して、前記物体平面の前記それぞれの走査領域内のそれぞれの複数の場所に、前記励起源によって発せられた前記それぞれの励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能であり、それによって、前記物体平面にわたって位置付けられた前記1つ以上の被験体の照明を提供する、照明することと、
(b)1つ以上の検出器を用いて、前記複数の励起源のうちの少なくとも1つからの前記励起光による励起の結果として、前記1つ以上の被験体内の1つ以上の蛍光種から発せられる蛍光を検出することと、
(c)コンピューティングデバイスのプロセッサによって、前記検出された蛍光に対応するデータを受信し、かつ/またはそれにアクセスすることと、
(d)前記プロセッサによって、前記検出された蛍光に対応する前記データを使用して、前記1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得することと、を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0204】
本開示の前述および他の目的、態様、特徴、および利点は、添付の図面と併せて以下の記載を参照することによって、より明らかになり、よりよく理解されるであろう。
【0205】
図1A】例示的な実施形態による、広視野にわたって励起光ビームを迅速に走査するためのシステムのレイアウトを示す概略図である。
図1B】例示的な実施形態による、ビーム整形光学系を含む、広視野にわたって励起光ビームを迅速に走査するためのシステムのレイアウトを示す概略図である。
図2】例示的な実施形態による、複数の励起源が直線ステージを介してガルバノ光学スキャナに別個に位置合わせされるシステムを示す概略図である。
図3A】例示的な実施形態による、複数のレーザをガルバノ光学スキャナに同時に位置合わせするためのシステムのレイアウトを示す概略図である。
図3B】例示的な実施形態による、ガルバノ光学スキャナのガルバノミラーによる3つの異なるレーザからの励起光の3つのビームの反射を例示する概略図である。
図4】例示的実施形態による、3つのレーザが、2つの回転ガルバノミラーを備えるガルバノ光学スキャナに同時に位置合わせされているシステムを示す概略図である。
図5】例示的な実施形態による、広視野の透過照明励起システムの一組の2枚の写真である。
図6】例示的な実施形態による、物体平面で測定された、自由空間ダイオードレーザからの励起光ビームの2つの寸法に沿った直線幅走査を示す一組のプロットである。
図7】例示的な実施形態による、走査領域内の複数の励起場所、および物体平面にわたって位置付けられた複数の被験体の位置に対する複数の励起場所の関係を例示する一組の2つの画像である。
図8A】例示的な実施形態による、物体平面を通る励起光の集束ビームの発散を例示する概略図である。
図8B】例示的な実施形態による、励起光の集束ビームの半角発散を決定するための方程式の導出である。
図8C】例示的な実施形態による、物体平面を通る励起光の平行ビームの発散を例示する概略図である。
図8D】例示的な実施形態による、励起光の平行ビームの半角発散を決定するための方程式の導出である。
図9】例示的な実施形態による、励起光の平行ビームの伝播を例示する概略図である。
図10】例示的な実施形態による、励起光の平行ビームの初期直径を決定する要因を例示する概略図である。
図11】例示的な実施形態による、励起光の集束ビームの伝播を例示する概略図である。
図12】例示的な実施形態による、励起光の集束ビームの初期直径を決定する要因を例示する概略図である。
図13】例示的な一実施形態による、励起光ビームの迅速な走査を介して1つ以上の物体の断層画像を取得するためのプロセスのブロックフロー図である。
図14】特定の実施形態で使用される、例示的なクラウドコンピューティング環境のブロック図である。
図15】は、特定の実施形態で使用される例示的なコンピューティングデバイスおよび例示的なモバイルコンピューティングデバイスのブロック図である。
図16】例示的な実施形態による、本明細書に説明されるビーム走査手法を介して3匹のマウスについて得られた3次元断層画像の一組の上面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0206】
本開示の特徴および利点は、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を識別する図面と併せて考慮されるとき、以下に記載の詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同様の参照数は、概して、同一の、機能的に類似の、かつ/または構造的に類似の要素を示す。
【0207】
定義
およそ:本明細書で使用される場合、「およそ」または「約」という用語は、対象となる1つ以上の値に適用される場合、述べられた参照値に類似する値を指す。特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、特に明記しない限り、または別様に文脈から明らかでない限り、述べられた参照値のいずれかの方向(超えるか、または下回る)において、そのような数が可能な値の100%を超える場合を除き、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下の範囲内に該当する値の範囲を指す。
【0208】
画像:本明細書で使用される場合、単語「画像」(例えば、哺乳類の3D画像)には、写真、ビデオフレーム、ストリーミングビデオなどの任意の視覚的表現、ならびに写真、ビデオフレーム、またはストリーミングビデオの任意の電子、デジタル、または数学的類似物が含まれる。特定の実施形態では、本明細書に記載のいずれの装置も、画像またはプロセッサによって作成される任意の他の結果を表示するためのディスプレイを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載のいずれの方法も、画像または方法を介して作成される任意の他の結果を表示するステップを含む。
【0209】
3D、3次元:本明細書で使用される場合、「画像」に関する「3D」または「3次元」という用語は、3次元に関する情報を伝達することを意味する。3D画像は、3次元のデータセットとしてレンダリングされてもよく、かつ/または2次元表現のセットとして、もしくは3次元表現として表示されてもよい。特定の実施形態では、3D画像はボクセル(例えば、体積ピクセル)データとして表される。
【0210】
地図:本明細書で使用される場合、「地図」という用語は、視覚的表示、または空間相関情報を含有する視覚的表示に関して解釈され得る任意のデータ表現を意味すると理解される。例えば、所与の容量の3次元マップは、容量全体で3つの空間次元で変化する所与の量の値のデータセットを含み得る。3次元地図は、2次元(例えば、2次元画面上、または2次元印刷上)で表示されてもよい。
【0211】
蛍光画像、発光画像:本明細書で使用される場合、「蛍光画像」および「発光画像」という用語は、蛍光剤またはプローブの発光波長に対応する波長で取得された画像を意味すると理解される。
【0212】
励起画像:本明細書で使用される場合、「励起画像」という用語は、励起源によって発せられた励起光の波長に対応する波長で取得された画像を意味すると理解される。
【0213】
電磁放射、放射:本明細書で使用される場合、「電磁放射」および「放射」という用語は、互いにおよび伝播方向に直角に振動し、かつ互いに同相である、電気および磁気構成要素の空間での自己伝播波を意味すると理解される。電磁波は、電波、マイクロ波、赤色光、赤外線、近赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線を含む。
【0214】
光路:本明細書で使用される場合、「光路」という用語は、光ビームが伝播し、光学システムの様々な光学要素(レンズ、ミラー、偏光子、ビームスプリッタなど)によって方向付けられるときに移動する経路を指す。光学要素は、反射、屈折などの様々な物理的メカニズムによって光ビームを方向付け得る。第1の点から第2の点までの光路は、第1および第2の点の間にある任意の光学要素による方向(例えば、反射、屈折などを介する)に従って、光ビームが第1の点から第2の点まで移動する経路を指す。
【0215】
光路長、光路に沿った距離:本明細書で使用される場合、「光路長」という用語は、光ビームが2点間を伝播する際に従う光路の幾何学的長さを指す。同様に、「距離」という用語は、特定の光路に沿った距離を指す場合、特定の光路に沿って伝播するときに光ビームが移動する幾何学的距離を指す。
【0216】
検出器:本明細書で使用される場合、「検出器」という用語は、限定されるものではないが、CCDカメラ、光電子増倍管、フォトダイオード、およびアバランシェフォトダイオードを含む、電磁放射の任意の検出器を含む。
【0217】
ガルバノ光学スキャナ:本明細書で使用される場合、「ガルバノ光学スキャナ」という用語は、1つ以上の回転ガルバノミラーを備える光学システム構成要素を指す。ガルバノ光学スキャナは、光ビームが、ガルバノ光学スキャナから所与の距離だけ離れた対象平面内の複数の場所にわたって走査されることを可能にする。これは、適切に位置合わせされた光路に沿ってガルバノ光学スキャナに光ビームを向けることによって達成される。ガルバノ光学スキャナに向けられた光ビームは、1つ以上のガルバノミラーによって連続して反射され、1つ以上の光学走査角度によって画定される方向に、対象平面に向かって外方に向けられる。通常、各光学走査角度は、特定のガルバノミラーと関連付けられ、関連付けられたガルバノミラーが光ビームを反射する角度によって決定される。所与のガルバノミラーを回転させることは、ミラーが光ビームを反射する角度を変化させるため、関連付けられた光学走査角度を変化させる。したがって、ガルバノ光学スキャナのガルバノミラーを回転させることは、1つ以上の光学走査角度、したがって、光ビームがガルバノ光学スキャナから外方に向けられる方向を変化させる。所与のガルバノミラーが回転すると、その関連付けられた光学走査角度が変化し、光学走査角度が対象平面と交差する場所が、特定の方向に沿って変化する。
【0218】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナは、対象平面内の特定の方向に沿った複数の場所を通して光ビームを走査するために使用され得る単一ガルバノミラーを備える。したがって、ガルバノミラーの回転は、物体平面の1次元走査領域(例えば、線)にわたって光ビームを走査する。
【0219】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナは、2つの回転ガルバノミラーを備え、それにより、光ビームは、2つの方向に沿った複数の場所を通して走査され得る。したがって、2つのガルバノミラーを一緒に回転させることは、光ビームが対象平面の2次元領域にわたってラスタ走査されることを可能にする。特定の実施形態では、ガルバノミラーは、第1のガルバノミラーが第1の方向に第1の光学走査角度を変化させ、第2のガルバノミラーが第1の方向に実質的に直交する第2の方向に第2の光学走査角度を変化させるように位置合わせされる。第1の光学走査角度の変化(例えば、第1のガルバノミラーの回転を介した)は、ガルバノ光学スキャナから外方に向けられた光ビームが第1の方向に対象平面と交差する位置を変化させる。第2の光学走査角度の変化(例えば、第2のガルバノミラーの回転を介した)は、ガルバノ光学スキャナから外方に向けられた光ビームが第2の方向に対象平面と交差する位置を変化させる。したがって、第1および第2のガルバノミラーは、一緒に回転して、対象平面の2次元走査領域にわたって光ビームをラスタ走査し得る。
【0220】
本明細書で使用される場合、「ガルバノ光学スキャナに」光ビームを向けることは、光ビームが、ガルバノ光学スキャナが備える1つ以上のガルバノミラーの各々に入射して、それらによって反射されるように、適切に位置合わせされた光路に沿ってガルバノ光学スキャナに向けられることを意味すると理解される。本明細書で使用される場合、ガルバノ光学スキャナまでの距離(例えば、特定の光路に沿って、特定の場所からの)は、光ビームが入射する第1のガルバノミラーまでの距離を意味すると理解される。本明細書で使用される場合、ガルバノ光学スキャナからの距離(例えば、特定の光路に沿って、特定の場所までの)は、ガルバノ光学スキャナが備える任意の他のミラーによって反射される際に移動した距離を含む、ガルバノ光学スキャナに向けられた光ビームが入射する第1ガルバノミラーからの距離を意味すると理解される。
【0221】
順方向モデル:本明細書で使用される場合、「順方向モデル」という用語は、光源から検出器までの所与の媒体内の光伝播(例えば、光子輸送)の物理的モデルを意味すると理解される。
【0222】
断層画像:本明細書で使用される場合、「断層画像」という用語は、例えば、光断層画像、X線断層画像、磁気共鳴、陽電子放出断層撮影(PET)、磁気共鳴、(MR)単一光子放射断層撮影(SPECT)、および/または超音波によって生成された断層画像、ならびにこれらの任意の組み合わせを指し得る。
【0223】
拡散媒体、拡散性媒体:本明細書で使用される場合、「拡散媒体」および「拡散性媒体」という用語は、互換的に使用され、波が、別様に均一な媒体内の小さい粒子(散乱体)による複数の散乱事象を被り、それらの相をランダム化する、媒体を意味すると理解され、この場合、調査されるもの平均波強度である。平均波強度は、拡散方程式に従うことになり、それ自体が「拡散波」として振る舞い、表面および境界と相互作用する。
【0224】
対象平面:本明細書で使用される場合、「対象平面」という用語は、撮像される1つ以上の物体(例えば、被験体)が位置する、またはその近傍の光学撮像システムの理想的な2次元撮像平面を指す。
【0225】
励起源:本明細書で使用される場合「励起源」という用語は、蛍光の光学励起のために光学システムに光を提供するために使用されるレーザなどの光源を指す。特定の実施形態では、励起源は、励起源の出力から励起光ビームを発する。励起源からの励起光ビームは、次いで、光学システムの様々な光学構成要素(例えば、光学系、ミラー、ガルバノ光学スキャナなど)に励起源の出力からの励起光ビームを向けることによって、光学システムに提供され得る。
【0226】
光学系:本明細書で使用される「光学系」という用語は、1つ以上のレンズを使用して光ビームを整形するために使用される1つ以上の光学要素の集合を指す。焦点距離、開放口などの光学系(例えば、集束光学系、例えば、平行光学系)の様々なパラメータが本明細書で説明されるとき、それらは、光学系の特性、すなわち、光学系の個々の要素のうちのいずれか1つの特性ではなく、光学系が備える全ての光学要素の正味の効果を指すように理解される。
【0227】
スポットサイズ:本明細書で使用される場合、「スポットサイズ」という用語は、特定の位置および光ビームの伝搬方向に実質的に直交する直交平面で測定された光ビームの直径の尺度を指す。特定の実施形態では、スポットサイズは、光ビームの強度を表す信号( (例えば、検出器によって検出された際の)が、光ビームの最大強度の所定の割合(例えば、最大強度の半分、例えば、最大強度の1/e )未満に収まる線に沿った第1および第2の場所間の直交平面内の線に沿って測定された距離に対応する光ビームの直径の尺度を指す。例えば、スポットサイズは、直交平面内の特定の線(例えば、x軸に沿った線、例えば、y軸に沿った線)に沿って測定された半値全幅に対応し得る。特定の実施形態では、スポットサイズは、上記のように直交平面内の異なる線に沿って各々測定される2つ以上の距離の関数に対応する光ビームの直径の尺度を指す。例えば、スポットサイズは、直交面内の第1の線に沿って測定された第1の距離と、直交面内の第2の線に沿って測定された第2の距離との最大値として測定され得る。特定の実施形態では、第2の線は、第1の線に直交する。
【0228】
被験体:本明細書で使用される「被験体」という用語は、撮像される個体を指す。特定の実施形態では、被験体は、ヒトである。特定の実施形態では、被験体は、小型動物である。
【0229】
小型動物:本明細書で使用される場合、「小型動物」は、マイクロCTおよび/またはマイクロMR撮像装置を用いて撮像され得る小型哺乳類を指す。いくつかの実施形態では、「小型動物」は、マウス、ラット、ハタネズミ、ウサギ、ハムスター、および同様のサイズの動物を指す。
(発明を実施するための形態)
【0230】
請求される本発明のシステム、アーキテクチャ、デバイス、方法、およびプロセスは、本明細書に記載の実施形態からの情報を使用して開発された変形形態および適応形態を包含することが企図される。本明細書に記載のシステム、アーキテクチャ、デバイス、方法、およびプロセスの適応および/または修正は、この記載により企図されるように行うことができる。
【0231】
記載全体を通して、物品、デバイス、システム、およびアーキテクチャが特定のコンポーネントを有するか、含むか、もしくは含むと記載されている場合、またはプロセスおよび方法が、特定のステップを有するか、含むか、もしくは含むと記載されている場合、さらに、列挙された処理ステップから本質的になるか、もしくはこれからなる、本発明の物品、デバイス、システム、およびアーキテクチャがあり、列挙された処理ステップから本質的になるか、もしくはこれからなる、本発明によるプロセスおよび方法があることが企図される。
【0232】
本発明が実施可能である限り、ステップの順序または特定の動作を行う順序は、重要ではないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上のステップまたは動作を同時に実行することができる。
【0233】
例えば、背景技術の節における任意の出版物の本明細書での言及は、本出版物が本明細書で提示される特許請求の範囲のうちのいずれかに関する先行技術として役立つことを認めるものではない。背景技術の節は、明確にするために提示されており、いずれの請求項に関する先行技術の記載を意味するものではない。
【0234】
文書は、言及したように、参照により本明細書に組み込まれる。特定の用語の意味に何らかの矛盾がある場合、上記の定義の節で提供される意味が優先される。
【0235】
読者の便宜のためにヘッダーが提供される-ヘッダーの存在および/または配置は、本明細書に記載の主題の範囲を制限することを意図していない。
【0236】
本明細書に説明されているものは、広視野にわたる高速断層撮像を容易にするシステムおよび方法である。特に、特定の実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、励起光ビームが、物体平面の広い走査領域にわたる複数の場所を通して迅速に走査されることを可能にする。このようにして、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の様々な場所に向けられる際の励起光ビームの経路内で、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体は、励起光ビームが場所から場所へと操作される際に複数の照明場所で照明される。
【0237】
特に、特定の実施形態では、励起光ビームは、ガルバノ光学スキャナによって、走査領域内の複数の別個の励起場所に向けられる。所与の励起場所に向けられた励起光ビームの光路内に位置付けられた所与の被験体は、被験体の表面の関連付けられた照明場所で励起光ビームによって照明される。励起光ビームは、関連付けられた照明場所で被験体の表面上に入射し、被験体内で拡散する。励起光が被験体で拡散すると、被験体内の蛍光種を励起し(例えば、照明場所に対応する拡散容積内で)、蛍光種が蛍光を発することを生じさせる。
【0238】
励起ビームが励起場所から励起場所へと走査されると、各励起場所と関連付けられた結果的に生じる蛍光は、1つ以上の検出器によって検出される。検出された蛍光に対応するデータが、次いで、1つ以上の被験体の断層画像(例えば、3次元断層画像)を作成するために使用される。
【0239】
特定の実施形態では、励起光ビームを物体平面および検出器に向ける光学要素は、透過照明の幾何学的配置で位置合わせされる。透過照明では、1つ以上の被験体が物体平面の片側から照明され、外向きに物体平面の反対側から離れる蛍光が検出される。このようにして、1つ以上の被験体の各々が片側(例えば、背中側)で照明され、被験体の反対側(例えば、腹側)で発せられた蛍光が検出される。
【0240】
特定の実施形態では、励起光ビームを物体平面および検出器に向ける光学要素は、落射照明(例えば、反射)の幾何学的配置で位置合わせされる。落射照明では、1つ以上の被験体が物体平面の片側を照明され、物体平面の同側上で外向きに発せられる蛍光が検出される。
【0241】
特定の実施形態では、この透過照明手法は、落射照明または反射の幾何学的配置に対していくつかの利点を提供する。これらの利点は、組織内の深部(深度感度)の改善された撮像および低減された励起光漏れを含み、これらは、特に蛍光断層撮影に関連する。
【0242】
従来の透過照明ベースの蛍光光学断層撮影システムは、走査ファイバを使用して、複数の励起場所で撮像される被験体を照明する。励起源は、励起光がその遠位端から発せられるように、走査ファイバに連結される。ファイバの遠位端は、1つ以上の直線並進ステージ上に装着され、物体平面に近接して配置される。物体平面にわたる複数の場所を走査するために、ファイバは、直線並進ステージによって物体平面に平行な方向に沿って物理的に並進され(2次元に沿ってラスタ走査され)、ファイバの遠位端と物体平面との間の固定距離を維持する。
【0243】
集束光学系がファイバの遠位端に取り付けられて、ファイバから発せられた光を物体平面の集束スポットに小さく(例えば、直径が1mm未満)集束する。物体平面距離に対する固定された小さい(例えば、115mm未満)ファイバ端のため、光学要件は、比較的緩和され、比較的短い焦点距離(例えば、30mm未満)の集束光学系は、通常、物体平面で必要とされるスポットサイズを達成するために使用される。
【0244】
したがって、このような従来の断層撮像システムは、被験体内の複数の場所を照明するために、走査領域にわたってファイバ端を物理的に並進させる必要性によって制限されている。ファイバ端の物理的な並進は、遅いプロセスである。さらに、広いエリアにわたって撮像し、例えば、複数の被験体を撮像するために、複数の走査照明ファイバが必要とされ得る(例えば、各被験体に1つ)。このような手法は、システムの複雑さを劇的に増大させる。
【0245】
本明細書に説明される手法は、これらの制限に対処する光学システム設計を利用し、電動ステージが走査領域にわたってファイバ端を並進させる必要性を排除し、それによって、走査速度を大幅に向上させる。以下に説明されるように、特定の実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、励起ビームが走査領域にわたって走査される際に励起ビームの小さいスポットサイズ(例えば、直径1mm以下)を維持するために特別に調整された形状の励起光ビームを利用する。小さいスポットサイズを依然として維持しながら広い領域にわたって走査する能力は、大きいおよび/または複数の被験体に適応し得る広視野にわたる正確で高解像度の断層撮像を可能にする。
【0246】
例えば、特定の実施形態では、本明細書に説明される断層撮像システムおよび方法は、複数の小型動物などの複数の被験体が単一走査を使用して一緒に迅速に撮像されることを可能にする。加えて、以下で詳細に説明されるように、特定の実施形態では、高速走査ガルバノ光学スキャナの使用は、検出器(例えば、CCDカメラ)の単一露光中に励起光ビームが複数の励起場所に向けられる断層撮像手法を可能にする。これは、例えば、検出器の単一露光中に複数の被験体の各々からの蛍光信号が検出されることを可能にし、被験体の各々の断層画像を取得するために必要とされる時間を短縮する。
【0247】
説明されたビーム整形手法はまた、励起光ビームのサイズが物体平面から離れる方向に変化する量を低減すると共に、高パワーレーザが使用されることを可能にすることによって、厚い物体の撮像を容易にし得る。
【0248】
加えて、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、単一システム内に組み込まれ、堅牢かつ効率的な方式で切り替えられる複数の励起源を提供する手法を含む。この手法は、異なる測定に必要とされ得る異なる励起源間の切り替えの必要性を除去し、励起源間の切り替えに必要とされる時間のかかる位置合わせを排除し、これはまた、可変性を導入する(例えば、測定から測定へと、例えば、励起源を再位置合わせする必要性に起因する)。特定の実施形態では、複数の励起源を単一システム内に組み込むための手法はまた、マルチスペクトル撮像の適用も促進する。
【0249】
A.回転ガルバノミラーを用いるビーム走査
特定の実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、ガルバノ光学スキャナを利用して、物体平面の複数の場所にわたって励起光ビームを走査する。図1Aは、ガルバノ光学スキャナ106を使用して、物体平面112の走査領域116にわたって励起光ビームを迅速に走査するための光学システム100aのレイアウトの一例を示す。図1Aに示されるように、励起光ビームを発するように動作可能な励起源102は、出力104からガルバノ光学スキャナ106までの光路105に沿って、励起源102の出力104からの励起光ビームを向けるように位置合わせされる。
【0250】
ガルバノ光学スキャナ106は、1つ以上の回転ガルバノミラーを備える。ガルバノ光学スキャナ106は、1つ以上の回転ガルバノミラー(例えば、108)による反射を介して、物体平面の走査領域116内の複数の場所に励起光ビームを向けるように位置合わせされ、かつそのように動作可能である。ガルバノ光学スキャナの回転ガルバノミラー(例えば、108)は、1つ以上の光学走査角度によって画定された方向に物体平面112に向かって励起光ビームを反射する。1つ以上のガルバノミラーが回転すると、光学走査角度、したがって、励起光ビームが物体平面に向けられる方向が変化する。このようにして、1つ以上のガルバノミラーが回転すると、励起光ビームが、走査領域にわたって走査される。
【0251】
ガルバノミラーは、100μs程度の時間で140mm×140mmの広さの走査領域内の複数の点を通して励起光ビームを走査するために十分な速度で回転することができる。加えて、以下に説明されるように、ガルバノミラーは、検出器の単一露光窓中に励起光ビームを走査領域内の複数の励起場所に向けるために十分に迅速に回転し得る。
【0252】
特定の実施形態では、各走査角度は、特定のガルバノミラーの回転と関連付けられ、かつそれによって決定される。通常、各ガルバノミラーは、所与の回転平面内で回転し、それに応じて、対応する走査平面内でその関連付けられた光学走査角度を変化させる。したがって、対応する走査平面内でその関連付けられた光学走査角を変化させることによって、所与のガルバノミラーは、物体平面にわたって特定の方向に沿って励起光ビームの位置を変化させるために回転し得る。したがって、各ガルバノミラーは、物体平面にわたって特定の方向と関連付けられ、その方向に沿った励起光ビームの走査を制御する(例えば、その回転を介して)。
【0253】
特定の実施形態では、本明細書に説明されるビーム走査手法は、物体平面にわたって2つの直交方向に励起光ビームを走査するように位置合わせされている2つのガルバノミラーを備えるガルバノ光学スキャナ106を利用する。第1のガルバノミラーは、物体平面にわたって、関連付けられた第1の方向(例えば、x方向)に沿って励起光ビームを走査する。第2のガルバノミラーは、物体平面にわたって、関連付けられた第2の方向(例えば、y方向)に沿って励起光ビームを走査する。特定の実施形態では、第1および第2のガルバノミラーの回転は、物体平面の2次元走査領域にわたって励起光ビームを一緒にラスタ走査する。特定の実施形態では、走査領域のサイズは、第1および第2のガルバノミラーの最大回転角度、およびガルバノ光学スキャナ106から物体平面112までの距離によって決定される。
【0254】
図1Aは、光学システムのレイアウトおよび励起光ビームが移動する経路が、第1のガルバノミラーと関連付けられている(例えば、それによって走査される)第1の方向に沿った走査領域サイズにどのように関係するかを例示する。第1のガルバノミラー108は、図1Aの挿入図に示されている。図1Aに示されるように、第1のガルバノミラー108の最小回転角度で、励起光ビームは、物体平面に向かって最小の第1の光学走査角度で物体平面112に向けられる。励起光ビームは、ガルバノ光学スキャナ106から物体平面112内の走査領域116の中心までの最小長光路110aに沿って、最小距離d(154)を移動する。
【0255】
第1のガルバノミラー108が回転して正の方向に最大の第1の光学走査角度を生成すると、励起光ビームは、正の方向に最大の第1の光学走査角度θopt(158)で物体平面112内の場所に向けられる。励起光ビームは、正の方向に最大の第1の光学走査角度(158)で物体平面112に向けられると、第1の方向(例えば、x方向)に沿って正の方向に、ガルバノ光学スキャナから走査領域116の第1の縁までの最大長光路110bに沿って最大距離d(156)を移動する。ガルバノミラー108は、反対(例えば、負の)方向に最大角度まで回転して、第1の方向に沿った走査領域116の第2(反対側)の縁まで光路110cに沿って励起光ビームを向ける。
【0256】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナ106から物体平面112までの最小長光路130aに沿った最小距離d(154)、および第1のガルバノミラー108によって生成される最大の第1の光学走査角度は、第1の方向に沿った走査サイズを決定する。したがって、図1Aに示される幾何学的配置に基づいて、第1の方向に沿って所望されるサイズを有する走査領域を生成するために、ガルバノ光学スキャナ106は、d=Xtanθ optとなるように位置付けられ得、式中、Xは、第1の寸法に沿った走査領域116の縁の距離の中心であり(例えば、所与の寸法に沿って所望される操作サイズが2Xであるように)、θoptは、第1のガルバノミラー108の回転によって達成可能な最大光学走査角度である。通常、所与の光学走査角度は、所与の光学走査角度を制御する、関連付けられたガルバノミラーの回転角度の2倍である。したがって、最大の第1の光学走査角度は、特定の実施形態では、第1のガルバノミラーの最大回転角度の2倍である。
【0257】
特定の実施形態では、第1のガルバノミラーの回転によって生成される第1の寸法に沿った走査領域116のサイズを決定するための上記と同じ検討事項が、ガルバノ光学スキャナ106の第2のガルバノミラーによって走査される第2の方向に沿った走査領域116のサイズを決定するために使用され得る。このようにして、ガルバノ光学スキャナ106は、1つ以上の(例えば、第1および第2の)ガルバノミラーの1つ以上の最大回転角度に基づいて、所望されるサイズの走査領域を生成するために、ガルバノメータから走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された特定の距離に位置付けられ得る。2次元走査領域に関して、最小長光路は、上記の1次元の例のように、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域の中心場所までの光路に対応する。しかしながら、長さdを有する最大長光路は、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域の角の場所までの光路に対応する。
【0258】
特定の実施形態では、所望される走査サイズは、物体平面にわたって位置付けられた複数の被験体の小型動物が単一走査で撮像されることを可能にするように設定される。例えば、図1Aは、走査領域にわたる3つの被験体114a、114b、および114cの位置を示す。走査領域のサイズは、所望される数の撮像される被験体、それらのサイズ、および被験体間の間隔に基づいて設定され得る。例えば、25mm幅の45mmの3匹のマウスを撮像するために、140mm×140mmの走査サイズが適切である。
【0259】
特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域のサイズ(例えば、所望される走査サイズ)は、少なくとも100mmである。特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域のサイズ(例えば、所望される走査サイズ)は、少なくとも150mmである。特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域のサイズ(例えば、所望される走査サイズ)は、少なくとも200mmである。特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域のサイズ(例えば、所望される走査サイズ)は、100から500mmである。特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域のサイズ(例えば、所望される走査サイズ)は、100から200mmである。特定の実施形態では、第1の寸法および/または第2の寸法に沿った走査領域のサイズ(例えば、所望される走査サイズ)は、100から150mmである。
【0260】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離dは、少なくとも100mmである。特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離dは、少なくとも150mmである。特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離dは、少なくとも200mmである。特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離dは、150mm~250mmである。特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナから走査領域内の場所までの最小長光路に沿った最小距離dは、約200mmである。
【0261】
特定の実施形態では、システムは、撮像中に複数の小型動物を固定するための動物ホルダを備える。動物ホルダは、走査領域内の所与の励起場所に向けられた励起光が特定の被験体上に入射し、励起光が表面下および被験体内で拡散する際に蛍光種の励起を生じさせるように、走査領域内の物体平面に配置されて、保持する動物が励起光ビームによって走査されることを可能にし得る。
【0262】
B.励起源ビーム整形
特定の実施形態では、本明細書に説明されるビーム走査技術で使用される励起光ビームは、必要とされるスポットサイズが走査領域内の全ての場所で維持されるように整形される。例えば、組織などの拡散媒体内での断層撮像に関して、拡散媒体の散乱長未満のスポットサイズが通常使用される。筋肉などの小型動物の生体内撮像に関連する典型的な組織に関して、散乱長は、1mm以下のスポットサイズが使用されるものである。特定の実施形態では、約0.5mmのスポットサイズが使用される。
【0263】
広い走査領域全体を通してこのような小さい物体平面スポットサイズを維持することは、重要である。特に、上記のガルバノ光学スキャナに基づく手法は、励起光ビームが、物体平面にわたって延在する広い走査領域を通して迅速に走査されることを可能にする。しかしながら、励起光ビームが物体平面にわたって場所から場所へと走査されるため、励起光ビームがガルバノ光学スキャナから物体平面の所与の場所まで移動する距離は、場所によって変化する。
【0264】
スポットサイズ要件が満たされることを確実にするために、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、走査領域全体を通して所望されるスポットサイズを維持するための2つのビーム整形手法のうちの1つを利用し得る。
【0265】
第1の手法では、励起光の平行ビームが使用される。理想的には、励起光の平行ビームは、伝搬するときに実質的に固定サイズを維持する。実際には、平行ビームは、伝播するにつれて徐々に発散する。第2の手法では、励起光の集束ビームが使用される。集束ビームは、そのビームウエスト場所で最小サイズに到達するまで、伝播するにつれて収束し、その後、発散してサイズが増大する。
【0266】
適切に整形された励起光の平行および/または集束ビームは、励起源自体として直接、またはビーム整形光学系の使用を介して生成され得る。例えば、特定の実施形態では、励起源自体は、以下に説明される、特定の要件を満たす励起光の平行ビームまたは徐々に集束されたビームのいずれかを直接発する。これは、適切に整形された励起光ビームを提供するように特別に設計される(例えば、レーザ製造業者によって)励起源を介して達成され得る。特定の実施形態では、ビーム整形光学系は、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路内に位置付けられて、励起光ビームを整形する。ビーム整形光学系は、励起光ビームを平行化する平行光学系、または徐々に集束された励起光ビームを生成する集束光学系であり得る。
【0267】
特定の実施形態では、励起光の平行または集束ビームを使用するか否か、および励起源から直接出力されるべきか、またはビーム整形光学系(例えば、平行光学系、例えば、集束光学系)の使用を介して取得されるべきか否かの選択は、走査領域内の励起ビームのスポットサイズの上限、所望される走査サイズなどの撮像システムの所望される特性に依存する。使用される特定の励起源の特性もまた、関連する。
【0268】
特に、特定の実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、自由空間レーザ、ファイバレーザ、およびファイバ結合レーザなどのレーザを使用する。自由空間レーザは、自由空間レーザの出力104が、励起光が発せられるレーザ開口であるように、自由空間内に直接励起光を発する。ファイバレーザおよびファイバ結合レーザは、光ファイバの遠位端から励起光を出力する。ファイバレーザまたはファイバ結合レーザに対応する励起源102の出力104は、ファイバレーザまたはファイバ結合レーザの光ファイバの遠位端である。
【0269】
特定の実施形態では、ファイバレーザおよびファイバ結合レーザは、平行光学系および/または集束光学系などのビーム整形光学系の使用と特に適合性がある。
【0270】
B.i 整形された励起光ビームの直接出力
図1Aは、励起源102の出力104からガルバノ光学スキャナ106に直接移動する励起光ビームを例示する。特定の実施形態では、励起源は、適切に整形された励起光ビームをその出力104から直接発するように動作可能であるように設計される。したがって、特定の実施形態では、励起源からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿って、またはガルバノ光学スキャナから物体平面までの光路に沿って、集束および平行光学系は、配置されない。
【0271】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナ106のガルバノミラーのサイズは、部分的に、励起源102の出力104の励起光ビームの初期ビーム直径を設定する。特に、励起源102の出力104からガルバノ光学スキャナ106までの光路105に沿った距離d (1)(150)と共に、励起源の出力での初期ビーム直径は、ガルバノ光学スキャナ106での励起光ビームのスポットサイズが、ガルバノ光学スキャナ106のガルバノミラーのサイズwgalvo(162)よりも小さくなるように設定される。特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナのガルバノミラーのサイズは、直径3~5mmのスポットサイズを有する励起光ビームを受け入れ得る。
【0272】
特定の実施形態では、励起源から発せられる励起光ビームは、走査領域内の全ての場所でのそのスポットサイズが、最小の所望されるスポットサイズ未満になるように整形される。上述のように、特定の実施形態では、走査領域内の最小スポットサイズは、撮像が実施される媒体の散乱長によって決定される。したがって、特定の実施形態では、組織などの拡散媒体での撮像に関して、励起光ビームは、走査領域内の全ての場所で直径1mm未満のスポットサイズを達成するように整形される。特定の実施形態では、励起光ビームは、約0.5mmのスポットサイズを達成するように整形される。
【0273】
励起光ビームが走査領域にわたって走査されると、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまで、およびガルバノ光学スキャナから物体平面までの光路に沿って測定される作動距離が変化する。励起光ビームを適切に整形することは、励起光ビームが走査されると作動距離が変化する場合でも、スポットサイズ要件が走査領域内の全ての場所で満たされることを可能にする。例えば、図1Aの概略図は、1次元走査の最小および最大作動距離を例示し、励起光ビームは、走査領域の第1の寸法にわたって走査される。図1Aに示されるように、ガルバノ光学スキャナ106から走査領域116までの最小長光路に沿った最小距離d(154)は、第1のガルバノミラー108の回転によって生成される最大の第1の光学走査角度θopt、および所望される走査サイズ2Xによって決定される。したがって、励起源104の出力から走査領域116までの最小作動距離は、以下の方程式(1)によって与えられる。
【数1】
【0274】
上記の方程式(1)では、d (1)は、励起源からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿った距離に対応する。特定の実施形態では、d (1)は、50mm~180mmの範囲の値を有する。
【0275】
励起光ビームが第1の寸法に沿った走査領域の縁の場所に向けられると、励起光ビームは、ガルバノ光学スキャナから走査領域の縁の場所まで最大長光路110bに沿って最大距離d(156)を移動する。したがって、励起光ビームは、励起源の出力104から物体平面まで、以下の方程式(2)で与えられる最大作動距離を移動する。
【数2】
【0276】
走査領域の第1の寸法にわたる1次元走査に基づく上記の方程式(1)および(2)は、2次元走査の最小および最大レーザ作動距離を説明するために容易に拡張され得る。以下の方程式(3)、(4)、および(5)は、それぞれ、dおよびd2の両方が2次元走査に関して決定される場合、2次元走査に有効である。すなわち、dは、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された最小距離として得られ、dは、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である。したがって、特定の実施形態では、2次元走査領域に関して、dが測定される最小長光路は、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域の中心場所までの光路である。特定の実施形態では、2次元走査領域に関して、dが測定される最大長光路は、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域の角までの光路である。特定の実施形態では、2次元走査に関して、Xは、走査領域の中心から走査領域の角までの対角線に沿った距離として得られる。励起源102の出力104からガルバノ光学スキャナ106までの光路に沿った距離d (1)は、走査が単一方向に沿っているか、または2次元走査領域内にあるかどうかに依存しない。
特定の実施形態では、走査領域内の全ての場所でスポットサイズを維持するために、励起源は、励起光の平行または集束ビームのいずれかを出力する。平行および集束ビームの両方は、それが光学システムを通って伝播する際にサイズが変化する。光ビームのサイズが伝播するときに変化する比率は、ビームが収束または発散する角度である発散角度によって決定される。ビームが最小スポットサイズを有する位置は、ビームウエスト場所と称される。ビームウエスト場所でのビームの最小スポットサイズは、ビームウエスト直径wbwと称される。
【0277】
平行ビーム
特定の実施形態では、励起光の平行ビームが、励起源によって出力される。理想的には、励起光の平行ビームは、伝搬するときに実質的に固定サイズを維持する。実際には、平行ビームは、徐々に発散し、それにより、ビームウエストが励起源102の出力104(例えば、自由空間レーザのレーザ開口、例えば、ファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバの遠位端)に位置する。
【0278】
特定の実施形態では、励起光ビームのスポットサイズが走査領域内の全ての場所で最大の所望されるスポットサイズ未満になるように、励起源は、以下の方程式(3)が満たされるように、上限未満の半角発散φを有する平行ビームを発するように設計される。以下の方程式(3)では、wmaxは、走査領域内の励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限(例えば、1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体内の励起光の散乱長(例えば、組織))。
【0279】
図8Cは、励起光ビームが、wbwの直径を有するそのビームウエスト場所(例えば、励起源の出力)から最大長作動距離に沿って走査領域まで移動する際の励起光の平行ビームの例示的な断面幾何学的配置を例示する。図8Bに示されるように、励起光の平行ビーム802bは、伝播するにつれて発散し、特定の実施形態では、走査領域まで最大距離d (1)+dを移動するときに最大スポットサイズに到達する。図8Dは、以下の方程式(3)の例示的な導出を示す。特定の実施形態では、以下の方程式(3)を満たすことは、最大スポットサイズがwmax未満であり、それにより、走査領域内の全ての場所でのスポットサイズがwmax未満に維持されることを確実にする。
【数3】
【0280】
集束ビーム
特定の実施形態では、励起光の集束ビームが、励起源によって出力される。集束ビームは、そのビームウエスト場所でその最小サイズに到達するまで伝播するにつれて収束し、その後、発散する。特定の実施形態では、集束ビームは、以下の方程式(4)によって与えられる場所で、物体平面近くでそのビームウエストに到達するように整形される。
【数4】
【0281】
これは、集束ビームの最小スポットサイズが物体平面近くに到達することを可能にする。しかしながら、励起源102の出力104から物体平面112までの作動距離が、励起光ビームが走査領域116を通して走査されるときに変化するため、走査領域内の様々な場所は、ビームウエスト場所の前後で異なる距離になることに留意されたい。したがって、特定の実施形態では、励起源は、励起光ビームのスポットサイズが走査領域内の全ての場所で最大の所望されるスポットサイズ未満になるように、収束(例えば、ビームウエスト場所に向かう方向に伝搬するとき)および十分に徐々に発散する(例えば、ビームウエスト場所から離れる方向に伝搬するとき)励起光の集束ビームを発する。
【0282】
特に、上記の式(4)で特定される場所でビームウエスト場所に到達する励起光の集束ビームに関して、励起源は、以下の方程式(5)が満たされるように、上限未満の半角発散φを有する集束ビームを発するように設計される。以下の方程式(3)のように、wmaxは、走査領域内の励起光ビームの所望されるスポットサイズの上限である(例えば、1mm、例えば、撮像される被験体の拡散媒体(例えば、組織)内の励起光の散乱長)。図8Aは、以下の方程式(5)の基礎となる、励起光の集束ビーム802aのそのビームウエスト近傍の例示的な断面幾何学的配置を例示する。以下の方程式(5)の導出例が図8Bに示される。図8Aに示されるように、特定の実施形態では、方程式(5)は、励起光ビームのスポットサイズが、励起光ビームが走査領域内の場所まで最小レーザ作動距離を移動するとき、および走査領域内の場所まで最大作動距離を移動するときの両方の場合に、wmax未満に維持されることを確実にする。
【数5】
したがって、上記の特性を有する励起光の平行または集束ビームを発するように設計された励起源は、必要なスポットサイズが走査領域内の全ての場所で維持されることを可能にする。
【0283】
B.ii 整形された励起光ビームを生成するためのビーム整形光学系
特定の実施形態では、適切な形状を有する励起光ビームは、ビーム整形光学系を介して達成される。例えば、図1Bに移ると、ビーム整形光学系を利用する光学システム100bのレイアウトの例が示されている。特定の実施形態では、ビーム整形光学系122は、励起源からガルバノ光学スキャナまでの光路(全体として105aおよび105b)内に位置付けられる。ビーム整形光学系122は、励起源の出力104からの距離151、およびガルバノ光学スキャナからの距離d (2)(152)に位置付けられる。このようにして、励起源102によって発せられた励起光ビームは、励起源の出力104からビーム整形光学系122までの光路105aに沿って、およびビーム整形光学系122からガルバノ光学スキャナ106までの光路105bに沿って移動する。
【0284】
ビーム整形光学系は、励起光の平行または集束ビームを生成するために使用され得る。特に、特定の実施形態では、ビーム整形光学系は、平行光学系であり、平行光学系を通過した後に、励起光ビームが実質的に固定サイズを維持し、励起光ビームが(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面まで移動するにつれて、徐々に発散するように位置合わせされている。特定の実施形態では、ビーム整形光学系は、集束光学系であり、集束光学系は、集束光学系を通過した後に、励起光ビームが(i)ガルバノ光学スキャナに向かって、かつ(ii)ガルバノ光学スキャナから物体平面まで移動するにつれて収束する[例えば、それにより、物体平面での励起光ビームのスポットサイズ(例えば、直径)が、集束光学系での励起光ビームの初期サイズ(例えば、直径)よりも小さくなる]。
【0285】
ビーム整形光学系(例えば、平行光学系、例えば、集束光学系)のパラメータ(例えば、焦点距離)および光学システム内のその場所(例えば、励起源の出力からガルバノ光学スキャナまでの光路に沿った)は、励起光ビームがビーム整形光学系を通過するときに、適切な特性を有する励起光の平行または集束ビームが生成されるように、決定される。
【0286】
ビーム整形光学系の使用を介して生成される励起光ビームの特性は、励起源から直接所望される形状で出力される励起光ビームに関して上記で説明されたものと同様である。しかしながら、以下で説明されるように、作動距離および初期ビーム直径は、励起源102の出力104とは対照的に、ビーム整形光学系122の位置に対して測定される。
【0287】
特定の実施形態では、励起源によって直接整形された励起光ビームと同様に、ガルバノ光学スキャナ106のガルバノミラーのサイズは、励起光ビームの初期ビーム直径を部分的に設定する。ビーム整形光学系が使用される場合、初期ビーム直径は、ビーム整形光学系122の位置で測定される。特に、ビーム整形光学系からガルバノ光学スキャナ106までの光路105bに沿った距離d (2)(152)と共に、ビームでの初期ビーム直径は、ガルバノ光学スキャナ106での励起光ビームのスポットサイズが、ガルバノ光学スキャナ106のガルバノミラーのサイズwgalvo(162)よりも小さくなるように設定される。特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナのガルバノミラーのサイズは、直径3~5mmのスポットサイズを有する励起光ビームを受け入れ得る。
【0288】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系は、励起光ビームが走査領域にわたって走査される場合でも、走査領域内の全ての場所での励起光ビームのスポットサイズが最小の所望されるスポットサイズ未満になるように、適切に整形された励起光ビームを生成する(例えば、ビーム整形光学系を通過した後に)ために使用される。上述のように、特定の実施形態では、走査領域内の最小スポットサイズは、撮像が実施される媒体の散乱長によって決定される。したがって、特定の実施形態では、組織などの拡散媒体での撮像に関して、励起光ビームは、走査領域内の全ての場所で直径1mm未満のスポットサイズを達成するように整形される。特定の実施形態では、励起光ビームは、走査領域内の全ての場所で約0.5mmのスポットサイズを達成するように整形される。
【0289】
ビーム整形光学系が励起光の平行または集束ビームを生成するために使用される場合、作動距離は、ビーム整形光学系からガルバノ光学スキャナまで、およびガルバノ光学スキャナから物体平面までの光路に沿って測定される。励起光ビームが走査領域にわたって走査されると、ビーム整形光学系から物体平面までの作動距離が変化する。図1Aと同様に、図1Bは、励起光ビームが走査領域の第1の寸法にわたって走査される1次元走査に関する最小および最大作動距離を例示する。ガルバノ光学スキャナ106から走査領域116までの最小長光路に沿った最小距離d(154)は、第1のガルバノミラー108の回転によって生成された最大の第1の光学走査角度θopt、および所望される走査サイズ2Xによって決定される。したがって、ビーム整形光学系から走査領域116までの最小作動距離は、以下の方程式(6)によって与えられる。
【数6】
【0290】
励起光ビームが第1の寸法に沿った走査領域の縁の場所に向けられると、励起光ビームは、ガルバノ光学スキャナから走査領域の縁の場所まで最大長光路に沿って最大距離d(156)を移動する。したがって、励起光ビームは、ビーム整形光学系122から物体平面112まで、以下の方程式(6)で与えられる最大作動距離を移動する。
【数7】
【0291】
走査領域の第6の寸法にわたる1次元走査に基づく上記の方程式(1)および(7)は、2次元走査の最小および最大レーザ作動距離を説明するために容易に拡張され得る。以下の方程式(8)~(11)は、それぞれ、dおよびd2の両方が2次元走査に関して決定される場合、2次元走査に有効である。すなわち、dは、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域内の場所までの最小長光路に沿って測定された最小距離として得られ、dは、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域内の場所までの最大長光路に沿った最大距離である。特に、上述されたように、特定の実施形態では、2次元走査領域に関して、dが測定される最小長光路は、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域の中心場所までの光路である。特定の実施形態では、2次元走査領域に関して、dが測定される最大長光路は、ガルバノ光学スキャナから2次元走査領域の角までの光路である。特定の実施形態では、2次元走査に関して、Xは、走査領域の中心から走査領域の角までの対角線に沿った距離として得られる。励起源102の出力104からガルバノ光学スキャナ106までの光路に沿った距離d (1)は、走査が単一方向に沿っているか、または2次元走査領域内にあるかどうかに依存しない。
【0292】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系は、走査領域内の全ての場所でスポットサイズを維持するために、適切に整形された励起光ビームを生成するために使用される。平行光学系は、励起光の平行ビームを生成するために使用され得、集束光学系は、励起光の集束ビームを生成するために使用され得る。上述されたように、平行および集束ビームの両方は、光学システムを通って伝播するときにサイズが変化し、サイズの変化は、発散角度、ビームウエスト場所、およびビームウエスト直径wbwなどのパラメータによって説明され得る。
【0293】
平行ビーム
特定の実施形態では、ビーム整形光学系は、励起光ビームを平行化し、それによって、励起光の平行ビームを生成する平行光学系である。理想的には、励起光の平行ビームは、伝播するときに実質的に固定サイズを維持するが、実際には、平行ビームは、平行光学系から離れて伝播するにつれて徐々に発散する。したがって、平行ビームのビームウエストは、平行光学系122に位置し、平行ビームのサイズは、ガルバノ光学スキャナに向かって、次いで、物体平面に向かって伝播するにつれて拡大する。特定の実施形態では、以下の方程式(8)は、励起光ビームのスポットサイズが走査領域内の全ての場所で最大の所望されるスポットサイズ未満になるように、平行光学系によって生成される励起光の平行ビームの半角発散φの上限を特定する。方停止(3)に関して上記の図8Cおよび図8Dは、d (1)がd (2)で置換された以下の方程式(8)の基礎を同様に例示する。
【数8】
【0294】
特定の実施形態では、励起源の出力発散および出力面積などの励起源の特性と共に、平行光学系の焦点距離(例えば、有効焦点)などのパラメータは、所与の平行光学系によって生成される平行ビームの初期ビーム直径および半角発散を決定する。励起源102として使用される自由空間レーザに関して、出力発散は、自由空間レーザの固有の発散に対応し(例えば、固有の発散は、自由開口から自由空間レーザを出た直後の励起光ビームの半角発散に対応する)、出力面積は、レーザ開口の面積である。励起源102が光ファイバの遠位端から励起光を出力するファイバレーザまたはファイバ結合レーザである場合、出力発散は、光ファイバの遠位端の開口数NAに対応し、出力面積は、光ファイバの遠位端のコア直径aによって決定される。
【0295】
集束ビーム 特定の実施形態では、ビーム整形光学系122は、励起光の集束ビームを生成する集束光学系である。集束ビームは、そのビームウエスト場所でその最小サイズに到達するまで伝播するにつれて収束し、その後、発散する。特定の実施形態では、集束光学系は、以下の方程式(9)によって与えられる場所で、集束ビームを物体平面近くでそのビームウエストに到達するように整形するために使用される。
【数9】
【0296】
励起源の出力104から直接生成された集束ビームの場合と同様に、これは、集束ビームの最小スポットサイズが物体平面近くで到達することを可能にする。集束光学系によって生成される集束ビームの半角発散に関する検討事項は、励起源によって直接出力される集束ビームに関する上述の検討事項と同様である。特に、上記の式(9)で特定される場所でビームウエスト場所に到達する励起光の集束ビームに関して、集束光学系は、以下の方程式(10)(方程式(5)と同一である)が満たされるように、上限未満の半角発散φを有する集束ビームを生成するために使用される。方程式(5)に関する上記の図8Aおよび図8Bはまた、以下の方程式(10)の例示でもある。
【数10】
【0297】
特定の実施形態では、励起源の出力発散および出力面積などの励起源の特性と共に、集束光学系のパラメータは、所与の集束光学系によって生成される集束ビームの初期ビーム直径および半角発散を決定する。
【0298】
B.iii ビーム整形光学系を用いる例示的な光学システム設計
平行光学系および集束光学系の使用に関する例示的な設計検討事項が以下に説明される。この例は、ファイバ結合レーザの光ファイバから出力される励起光ビームを整形するために平行光学系および集束光学系を使用するための初期ビーム直径およびビーム発散の検討事項を例示する。
【0299】
図9に示されるように、平行化手法では、励起光は、励起源の出力904を出るときに発散し、平行光学系922で初期ビーム直径に到達する。特定の実施形態では、平行ビームを生成するために、励起源の出力(例えば、904)は、励起源の出力から平行光学系922までの距離951が平行光学系の有効焦点距離(EFL)に対応するように、平行光学系の焦点に位置付けられる。平行光学系を通過した後、ビームは、ガルバノ光学スキャナの1つ以上のガルバノミラーによる反射を介して、平行光学系から物体平面に移動するにつれて、より低速で発散する。図9では、明確にするために単一ガルバノミラーのみが示されており、励起光の平行ビームは、2つのガルバノミラーによって方向付けられたとき、同様に伝播する。
【0300】
特定の実施形態では、平行光学系の特性、および励起源出力は、初期ビーム直径および励起光の平行ビームが伝播する発散角度を決定する。例えば、平行光学系がファイバ結合レーザまたはファイバレーザの光ファイバの遠位端から出力される励起光ビームを平行化するために使用されるとき、初期ビーム直径BDinitialは、平行光学系のEFLおよび光ファイバの開口数NAによって決定される。生成される励起の平行ビームの半角発散は、平行光学系のEFL、および励起光が発せられる遠位端での光ファイバのコアの直径aによって決定される。初期ビーム直径BDinitial図10に例示されるように、以下の方程式(11)を介して決定され、全角発散は、以下の方程式(12)によって決定される(例えば、半角発散が、以下の方程式(12)を介して計算された全角発散の半分であるように)。
【数11】
【数12】
【0301】
特定の場合、ファイバコア直径および開口数が十分に小さく、平行光学系のEFLが十分に大きいため、上記の方程式(11)および(12)を介して決定される半角発散および初期ビーム直径が十分に小さく、スポットサイズ要件が走査領域にわたって満たされる。例えば、直径5μmのコアおよび0.12のNAを有するファイバに、約180mmの作動距離に使用される2mmのEFLを有する平行光学系に関して、走査領域にわたって1mm未満のスポットサイズが生成され得る。特定の実施形態では、より大きい作動距離に関して、平行光学系は、より小さい半角発散を生成するように実装される。例えば、直径5μmのコアおよび0.1のNAを有するファイバに関して、1.25mradの半角発散は、最大作動距離200mmに適切な、2mmのEFLの平行光学系を使用して達成され得る。
【0302】
特定の場合、ファイバ結合光源から励起光を出力するために使用される標準的な光ファイバの特性は、平行光学系として標準的なファイバコリメータを使用して、適切に整形された平行ビームを生成することができないものである。例えば、一般的な光ファイバNAは、0.15または0.22であり、ファイバコリメータの標準焦点距離は、4mm~20mmの範囲である。最小ビーム直径は、短い焦点距離のファイバコリメータおよび小さい発散の光ファイバを用いて達成されることになる。NA=0.15およびEFL=4mmの最小値は、上記の方程式(11)で決定されるように、1.2mmの初期ビーム直径を結果的にもたらす。論じられたように、励起光の平行ビームに関して、ビームウエストは、平行光学系に位置し、スポットサイズは、平行ビームが伝播するにつれて増大する(例えば、平行光学系からの距離が増大するにつれて)。
【0303】
したがって、物体平面での1mm未満のスポットサイズは、そのような構成では達成されないことになる。このような場合、集束光学系が励起光の徐々に集束されるビームを生成するために使用される以下に説明される手法が、平行化を困難にする出力特性を有する励起源の使用を可能にする。図11に示されるように、集束化手法では、励起光は、励起源の出力1104を出るときに発散し、集束光学系で初期ビーム直径に到達する。集束光学系1122を通過した後、ビームは、ガルバノ光学スキャナの1つ以上のガルバノミラーによる反射を介して、集束光学系から物体平面近くのビームウエスト場所に移動するにつれて収束する。ビームウエスト場所を通過した後、励起光の集束ビームは、発散する。図9と同様、図10では、明確にするために単一ガルバノミラーのみが示されており、励起光の平行ビームは、2つのガルバノミラーによって方向付けられたとき、同様に伝播する。
【0304】
この例では、集束光学系は、大きい作動距離にわたって小さいスポットサイズを達成するという点で、平行化手法を上回る利点を提供する。例示的な光学システムでは、光学レイアウトパラメータは、d (2)=100mm、X=50mm、d=200mm、d=206mmであった。
【0305】
集束光学系に関連するパラメータは、その有効焦点距離(EFL)および開放口(CA)を含む。開放口は、集束光学系が光を収集し得る面積の物理的直径を画定する。集束手法では、集束光学系1122から励起源の出力104までの距離1151は、集束光学系からシフトされ、物体距離o(1151)と称される。物体距離o(1151)は、図12に例示されるように、平行光学系に関して上記に説明されたものと同様の方式で、初期ビーム直径BD、および集束光学系のパラメータに基づいて決定され得る。例示的な光学システムでは、ビームがガルバノミラーをオーバーフィリングせずにガルバノ光学スキャナに連結され得るように、3mm未満のビーム直径が所望された。特定の実施形態では、集束光学系の開放口はまた、初期ビーム直径よりも大きくなければならない。
【数13】
【0306】
特定の実施形態では、集束光学系の必要とされるEFLの10~15mmのおおよその範囲は、物体距離oおよびシステムのおおよその作動距離(例えば、約200mm)を使用して決定される。集束光学レンズによると、励起光ビームは、ビームウエスト場所に向かって伝播するにつれて収束する。光学システムは、方程式(9)に説明されているように、集束光学系によって生成される励起光の集束ビームのビームウエスト場所が平均作動距離に対応するように、位置合わせされた。方程式(9)で与えられる平均作動距離は、303mmであった。集束光学系からファイバ結合レーザの出力(例えば、ファイバ結合レーザの光ファイバの遠位端)までの距離oは、撮像距離iが方程式(9)で与えられる作動距離として近似された、方程式9に示される、薄いレンズの方程式を使用して計算された。
【数14】
【0307】
したがって、10mmの物体距離oおよび303mmの撮像距離iに関して、9.68mmのEFLの値が見出された。
【0308】
ビームウエストでのスポットサイズ直径は、集束光学系の倍率およびファイバ結合レーザの光ファイバのコア直径に基づいて計算された。倍率Mは、ファイバレーザの出力から集束光学系までの距離oに対する平均作動距離の比率として計算された。上記の値(例えば、303mmの平均作動距離および距離o=10.34mm)を使用すると、倍率は、約30である。ビームウエストでのスポットサイズ直径は、方程式10を用いて計算される。
【数15】
【0309】
ファイバコア直径aと共に、倍率Mは、ビームウエスト場所でのスポットサイズを決定する。シングルモードファイバは、約8μmの標準ファイバコア直径を有するが、マルチモードファイバは、最小で50μm~200μmの範囲のファイバコア直径を有し得る。したがって、ファイバ結合光源の出力として使用されるシングルモード光ファイバは、ビームウエスト場所で約0.24mmのスポットサイズ直径を提供するが、マルチモードファイバは、ビームウエスト場所で最良で1.5mmのスポットサイズ直径を提供する(例えば、コア直径50μmに対して)。
【0310】
したがって、300mmの長い作動距離および小さい初期ビーム直径(3mm)によると、全ての作動距離に対して<1mmのスポットを維持する発散要件が満たされる。
【0311】
B.iv 励起ビーム発散に基づく光学構成要素の位置付け
特定の実施形態では、以下の方程式(16a)、(16b)および(17)は、励起光ビームの発散特性に対する様々な光学構成要素の位置付けに関する追加の設計検討事項を反映する。
【0312】
例えば、以下の方程式(16a)は、特定の平行光ビームに関して、励起光の平行ビームを生成する励起源の出力から、最大実行可能作動距離までの距離に関する。最大実行可能作動距離は、励起源の出力でのビームウエストから、励起光の平行ビームが最大の所望されるスポットサイズwmaxに到達する点までの距離である(例えば、励起光の平行ビームがより長い距離移動すると、ビームのスポットサイズは、wmaxを超える)。特定の実施形態では、最大実行可能作動距離は、励起源の出力での初期ビーム直径、および励起光ビームの半角発散に依存する。特定の実施形態では、最大光路長dは、所望される走査サイズ、およびガルバノ光学スキャナのガルバノミラーの最大回転角によって指定される。したがって、最大実行可能作動距離およびdが固定されると、上記の方程式(2)は、次のようになる。
【数16a】
【0313】
同様に、励起光の平行ビームに関して、方程式(7)が、以下の方程式(16b)を決定するために使用される。
【数16b】
【0314】
同様の検討事項が、集束ビーム構成のdの可能な値を決定するために使用され得る。特定の実施形態では、集束ビームのスポットサイズと共に、集束ビームの半角発散は、焦点深度を決定する。焦点深度は、ビームウエストのスポットサイズが最大の所望されるスポットサイズwmaxに対応する値に到達するビームウエスト場所の両側の2つの場所間の距離を指す。特定の実施形態では、(i)励起光ビームが最小長光路に沿って移動する距離dと、(ii)励起光ビームが最大長光路に沿って移動する距離dとの間の差が、焦点深度よりも大きい場合、励起光ビームのスポットサイズは、走査領域内の特定の場所で所望される最大スポットサイズを超えることになる。したがって、固定された所望される走査サイズに関して、以下の方程式(17)は、ガルバノ光学スキャナを物体平面から距離dに位置付けるためのガイダンスを提供する。以下の方程式(17)では、パラメータXは、2D走査領域の中心から角まで測定された対角線に沿った距離に対応する。
【数17】
【0315】
C.ビーム走査を介した断層撮像
特定の実施形態では、小さいスポットサイズを維持しながら、励起光ビームが走査領域内の複数の場所を通して走査されることを可能にすることによって、上記の手法は、広視野にわたる高速断層撮像を提供する。図13は、本明細書に説明されるビーム走査手法を使用して、物体平面にわたって位置付けられた1つ以上の被験体を撮像するための例示的なプロセス1300を示す。特定の実施形態では、第1のステップ1310で、図1Aおよび図1Bに関して上記に説明されたように、励起光ビームが走査領域116にわたって走査される。励起光ビームは、走査領域116全体にわたって所望されるスポットサイズを維持するために、前節で説明されたビーム整形手法のいずれかを使用して適切に整形され得る。
【0316】
励起光ビームは、走査領域内の特定の励起場所に向けられると、被験体の表面上の対応する照明場所で励起光ビームの経路内に位置付けられた所与の被験体を照明する。上述のように、被験体の表面上に入射した光は、被験体内で拡散し、被験体内の蛍光種を励起し、蛍光の発光を生じさせる。
【0317】
特定の実施形態では、励起光ビームが励起場所から走査領域にわたって励起場所に向けられると、1つ以上の検出器は、被験体内の蛍光種の励起の結果として、所与の被験体内から発せられる蛍光を検出する(1320)。1つ以上の検出器は、落射照明の幾何学的配置または透過照明の幾何学的配置に位置合わせされ得る。
【0318】
図1Aおよび図1Bは、走査型光学ガルバノメータから物体平面の反対側に位置付けられた検出器120を示す、透過照明の幾何学的配置の例を例示している。蛍光は、通常、全ての方向に発せられ、検出器によって検出される、3つの被験体114a、114b、114cの各々から発せられた蛍光118a、118b、118cの一部分が例示されている。
【0319】
特定の実施形態では、1つ以上の被験体が照明されると、1つ以上の検出器が蛍光を検出する。特定の実施形態では、走査領域全体を撮像するように位置合わせされている複数の画素を含む焦点面アレイ(FPA)が使用される。FPA検出器の例は、CCDカメラ、CMOSカメラ、および複数の画素を含む他の検出器を含む。FPA検出器に入射する蛍光は、複数の画素によって検出され、それにより、検出器エリアにわたって入射する蛍光の強度分布を表す蛍光発光画像が記録され得る。特定の実施形態では、ファイバ束が、FPA検出器と同様に機能するように配置され、2D発光画像を記録するために使用され得る。束のファイバは、それらの近位(入力)端が複数の場所で発せられた蛍光を収集するように位置合わせされ得る。各ファイバは、ファイバ近位端によって収集され、検出器の作用面積を照明するようにファイバの長さに沿ってガイドされる光を検出する、対応する単一要素検出器の反対側の遠位端に位置合わせされ得る(例えば、取り付けられる)。このように、束の各ファイバは、FPA検出器の画素と同様に機能し、束は、複数の単一要素検出器と共に、発光画像を記録するために使用される。
【0320】
特定の実施形態では、励起光ビームが走査されると、複数の蛍光発光画像が1つ以上の検出器によって記録される(例えば、FPAを使用する、例えば、ファイバ束の複数の検出器を使用する)。
【0321】
特定の実施形態では、蛍光発光画像は、各別個の励起場所に関して記録される。したがって、この方式で記録された各蛍光発光画像は、別個の励起場所と関連付けられ、関連付けられた励起場所に励起光ビームを向けることによって1つ以上の被験体の照明に応答して発せられた蛍光を表す。
【0322】
特定の実施形態では、検出された蛍光に対応するデータは、コンピューティングデバイスのプロセッサによって受信かつ/またはアクセスされ(1330)、1つ以上の被験体の1つ以上の断層画像を取得する(例えば、算出する)ために使用される(1340)。例えば、断層画像は、別個の励起場所の各々に関して記録された蛍光発光画像を使用して算出され得る(例えば、断層再構成技術を介して)。特に、特定の実施形態では、走査領域にわたって位置付けられた1つ以上の被験体の各々に関する断層画像が取得され得る。
【0323】
例えば、複数の被験体が撮像される場合、各被験体は、蛍光発光画像の一部分と関連付けられ得る。特に、複数の被験体が走査領域にわたって位置付けられる場合、各被験体は、走査領域内の励起場所の異なる部分と関連付けられ得る。例えば、3つの被験体が撮像される場合、第1の被験体は、励起光ビームが複数の励起場所の第1の部分の各々に向けられるときに照明されるように位置付けられる。したがって、第1の被験体は、励起場所の第1の部分と関連付けられる。第2の被験体は、同様に励起場所の第2の部分と関連付けられ、第3の被験体は、同様に励起場所の第3の部分と関連付けられる。
【0324】
したがって、所与の被験体に関して、被験体と関連付けられた励起場所に関して記録される蛍光放出画像は、識別され、所与の被験体の断層画像を取得するために断層再構成技術に対する入力として使用され得る。このプロセスは、走査領域にわたって位置付けられた各被験体に対して繰り返され得る。
【0325】
特定の実施形態では、断層撮像は、蛍光に加えて、1つ以上の被験体を透過する(例えば、透過照明の幾何学的配置のように)か、またはそれらから反射される(例えば、落射照明の幾何学的配置のように)励起光を検出することによって実施される。検出された蛍光に対応するデータと共に、検出された励起光に対応するデータは、1つ以上の被験体の断層画像を取得するために断層再構成手法で使用され得る。
【0326】
例えば、励起光ビームが走査領域にわたって走査されると、1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらによって反射された、検出された励起光を表す複数の励起画像は、蛍光発光画像を記録するために使用されたものと同様の方式で、1つ以上の検出器によって記録され得る。特に、励起光ビームは、走査領域内の特定の励起場所に向けられると、被験体の表面上の対応する照明場所で励起光ビームの経路内に位置付けられた所与の被験体を照明する。励起光の一部分は、被験体を透過し、励起光の一部分は、反射され得る。特定の実施形態では、励起光ビームが励起場所から走査領域にわたる励起場所に向けられると、1つ以上の検出器は、1つ以上の被験体を透過したか、またはそれらによって反射された励起光を検出する。1つ以上の検出器は、反射された励起光を検出するために落射照明の幾何学的配置に、または透過した励起光を検出するために透過照明の幾何学的配置に位置合わせされ得る。
【0327】
特定の実施形態では、検出された蛍光発光画像と同様に、励起画像は、焦点面アレイ検出器(例えば、CCDカメラ、CMOSカメラなど)によって、または上記のファイバ束の複数の検出器を使用して検出され得る。特定の実施形態では、蛍光発光画像と同様に、励起画像が、走査領域内の複数の別個の励起場所の各々に関して記録され得る。記録された励起画像は、1つ以上の被験体の断層画像を取得するために、記録された蛍光画像と組み合わせて使用され得る。
【0328】
特定の実施形態では、蛍光を検出するために、蛍光光学フィルタが1つ以上の検出器の前に配置される。蛍光光学フィルタは、発せられた蛍光の波長に対応する波長を有する光を実質的に透過させ、励起光の波長を含む他の波長の光を実質的に透過させない。したがって、蛍光光学フィルタは、発せられた蛍光を選択的に通過させ、1つ以上の検出器によって検出されることを可能にし、励起光を遮断して、蛍光の選択的検出を可能にする。特定の実施形態では、励起光を検出するために、蛍光光学フィルタが除去される。この手法は、検出される透過または反射された励起光の強さ(例えば、強度)が、発せられた蛍光の強さよりも実質的に大きい場合に適切であり得る。特定の実施形態では、励起光は、第2の光学フィルタである励起光学フィルタを1つ以上のフィルタの前に配置することにより検出され、励起光学フィルタは、励起光の波長を有する光を実質的に透過させ、発せられた蛍光の波長を有する光を実質的に透過させない。
【0329】
特定の実施形態では、2つの走査が、蛍光光および励起光の両方を検出するために実施される。第1の走査では、蛍光光学フィルタが1つ以上の検出器の前に配置され、蛍光(蛍光発光画像)が走査領域内の励起場所の各々に関して検出される。第2の走査では、蛍光光学フィルタが除去されるか、または励起光を選択的に通過させる励起光学フィルタが1つ以上の検出器の前に配置され、励起光(例えば、励起画像)が走査領域内の励起場所の各々に関して検出される。特定の実施形態では、単一走査が実施され、走査領域内の各励起場所に関して、蛍光は、定位置にある蛍光光学フィルタで検出され、その後、励起光が、蛍光光学フィルタが除去されるか、または励起光学フィルタで置換された状態で検出される。
【0330】
特定の実施形態では、本明細書に説明されるビーム走査手法を使用して励起光ビームを迅速に走査する能力によって、各蛍光発光画像が複数の励起場所と関連付けられる多重化手法が使用され得る。この手法では、別個の励起場所は、組として配置され、各組が複数の励起場所を含む。励起場所から励起場所へと順に励起光ビームをラスタ走査する(例えば、励起光ビームを第1の励起場所、次いで、隣接する励起場所、以下同様に向ける)のではなく、励起光ビームは、組の様式で走査される。ガルバノ光学スキャナは、一度に1組、別個の励起場所を通して励起光ビームを走査し、次の組に進む前に、所与の組の中の各別個の励起場所に励起光ビームを向ける。
【0331】
特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナの高速走査性能は、励起光ビームが、1つ以上の検出器の露光窓に対応する期間中に、一組の別個の励起場所の各々に次々に向けられることを可能にする。各蛍光発光画像は、露光窓に対応する期間にわたって、1つ以上の検出器によって検出された蛍光を表す。1つ以上の検出器の露光窓の間に励起光ビームを複数の励起場所に走査することによって、一組の励起場所と関連付けられた蛍光画像が記録される。したがって、この方式で記録された各蛍光発光は、一組の励起場所と関連付けられ、関連付けられた組の各励起場所に励起光ビームを向けることによって1つ以上の被験体を照明することに応答して発せられた、検出された励起光ビームを表す。
【0332】
特定の実施形態では、この手法は、複数の被験体の断層画像を取得するために必要とされる時間量および蛍光発光画像の数を低減するために使用され得る。上述のように、各被験体は、走査領域内の励起場所の一部分と関連付けられる。
【0333】
励起場所の組は、各組が各被験体と関連付けられた励起場所を含むように配置され得る。蛍光発光画像を記録するために使用される所定の露光窓の間、励起光ビームは、第1の被験体(例えば、露光窓の3分の1の間に)、次いで、第2の被験体(例えば、露光窓の3分の2の間に)、そして第3の被験体(例えば、露光窓の3分の3の間に)を照明する。複数の蛍光発光画像がこの方式で記録され得、各々が異なる組に対応する。したがって、各蛍光発光画像は、異なる被験体の各々の内部から発せられる蛍光を表す複数の被験体発光画像である。したがって、記録される蛍光発光画像の数は、撮像される被験体の数に対応する倍数だけ低減され得る。
【0334】
特定の実施形態では、複数の被験体間の空間的分離が、各被験体に関して、被験体と関連付けられた各複数の被験体蛍光発光画像の一部分(例えば、被験体と関連付けられた励起場所に励起光ビームを向けることによって被験体を照明することの結果として発せられる蛍光を表す部分)を決定するために使用される。例えば、特定の実施形態では、共同登録された明視野像が、被験体に対応する蛍光発光画像の空間領域を識別するために使用される。このようにして、被験体と関連付けられた複数の単一被験体蛍光発光画像が決定され得る。各被験体に関して、被験体と関連付けられた、決定された単一被験体蛍光発光画像は、被験体の断層画像を取得するために、断層再構成技術に対する入力として使用され得る。
【0335】
特定の実施形態では、上記の多重化走査手法は、励起光の検出にも使用され得、検出された励起光に対応するデータもまた、1つ以上の被験体の断層画像を取得するために、検出された蛍光に対応するデータと組み合わせて使用され得る。
【0336】
D.マルチレーザ広視野透過照明スキーム
特定の実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、複数の励起光ビームを使用して断層撮像を実施するために、複数の励起源の使用を提供する。光機械的な位置合わせが、上記のように、ガルバノ光学スキャナに複数の励起光ビームを向けて、励起光ビームを走査するために使用される。各励起源に関して、上記のビーム整形手法のいずれか1つが、走査領域内の全ての場所で所望されるスポットサイズを維持するように、適切に整形される対応する励起光ビームを提供するために使用され得る。
【0337】
特定の実施形態では、複数の励起源は、それらのそれぞれの励起光ビームを、それらの出力からガルバノ光学スキャナに、電動ステージを使用して一度に1つ、向けるように位置合わせされる。図2は、3つの励起源(例えば、レーザ)204a、204b、および204cの出力が直線並進ステージ220上に並んで装着されているシステムの例を示す。励起源の2つは、ファイバ結合レーザである。レーザに結合された光ファイバの遠位端であるファイバ結合レーザ(204aおよび204c)の各々の出力は、直線並進ステージに装着されて示されている。出力204bがレーザのレーザ開口である自由空間レーザもまた、直線並進ステージに装着されて示されている。
【0338】
直線並進ステージは、所与の励起源の出力を位置合わせして、所与の光源の出力からガルバノ光学スキャナに励起光ビームを向けるように移動され得、それにより、図1Aに関して説明されたように、励起光ビームが物体平面の走査領域にわたって走査され得る。この手法は、ガルバノ光学スキャナのガルバノミラーの完全な角度性能が各励起源によって利用されることを可能にする。
【0339】
特定の実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、静的設計を利用し、複数の励起源が固定位置に同時に装着され、それぞれの励起光ビームをガルバノ光学スキャナに向けるように位置合わせされる。静的設計手法は、遅く、複雑さを付加し、かつ振動による位置ずれのリスクを招くなどの可能性がある電動ステージの必要性を回避する。
【0340】
図3Aは、ガルバノ光学スキャナ106に対する3つの励起源(例えば、レーザ)102a、102b、および102cの同時の位置合わせを例示する概略図である。第1の励起源102aは、その出力からガルバノ光学スキャナまでの第1の光路305aに沿ってその励起光ビームを向けるように位置合わせされる。他の励起源102bおよび102cの各々は、それらのそれぞれの励起光ビームを、それらの出力からガルバノ光学スキャナ106までの光路に沿って、第1の光路305aに対して対応するオフセット角度で向けるように位置合わせされている。励起源102bは、その出力から発せられた励起光ビームを、第1の光路305aに対してオフセット角度θでオフセットされた光路305bに沿ってガルバノ光学スキャナ106に向ける。励起源102cは、その出力から発せられた励起光ビームを、第1の光路に対してオフセット角度θでオフセットされた光路305cに沿ってガルバノ光学スキャナ106に向ける。
【0341】
ガルバノ光学スキャナは、それが備える1つ以上のガルバノミラーによる反射を介して、励起光ビームの各々を物体平面の方に向ける。したがって、それぞれの励起源からの各励起光ビームは、ガルバノ光学スキャナ106のガルバノミラーの回転を介して、物体平面のそれぞれの走査領域にわたって走査され得る。各励起源がそのそれぞれの励起光ビームをガルバノ光学スキャナ106に向けるオフセット角度に起因して、ガルバノ光学スキャナが励起光ビームを物体平面112の方に向ける光学走査角度は、互いにオフセットされる。具体的には、図3Aに示されるように、ガルバノ光学スキャナ106の第1のガルバノミラー108の所与の回転角度に関して、3つの励起光ビームの各々は、別個の光学走査角度で物体平面に向けられる。特定の実施形態では、所与の励起光ビームに関して、それが物体平面に向けられる光学走査角度は、励起光ビームがその対応する励起源の出力からガルバノ光学スキャナに向けられるオフセット角度によって決定される。結果として、ガルバノ光学スキャナの1つ以上のガルバノミラーの所定の回転角度に関して、3つの励起源からの励起光ビームは、別個の光路に沿って物体平面の方に向けられる。
【0342】
例えば、図3Aに示されるように、第1のガルバノミラー108の所与の回転角度では、第1の励起源102aからの第1の励起光ビームは、ガルバノ光学スキャナ106から物体平面112までの第1の光路310aに沿って向けられる。第2の励起源102bからの励起光ビームは、光路305bが光路305aからオフセットされる角度に対応するオフセット角度θで、ガルバノ光学スキャナから物体平面までの第1の光路からオフセットされる第2の光路310bに沿って物体平面に向けられる。同様に、第3の励起源102cからの励起光ビームは、光路305cが光路305aからオフセットされる角度に対応するオフセット角度θで、ガルバノ光学スキャナから物体平面までの第1の光路からオフセットされる第3の光路310cに沿って物体平面に向けられる。
【0343】
したがって、第1のガルバノミラー108が回転すると、各励起光ビームは、他の励起源からの他の励起光ビームの走査領域に関して第1のガルバノミラー108と関連付けられた方向(例えば、第1の方向)に沿ってシフトされる別個の走査領域にわたって走査される。例えば、図3Aに示されるように、第1の励起源からの第1の励起光ビームは、第1の走査領域116aにわたって走査される。第2の励起源からの第2の励起光ビームは、第1の走査領域116aに関して、正の方向に、第1の寸法に沿ってシフトされる第2の走査領域116bにわたって走査される。同様に、第3の励起源からの第3の励起光ビームは、第1の寸法に沿って第1の走査領域116bに関して同様にシフトされた第3の走査領域116cにわたって走査される。図3Aでは、明確にするために、走査領域116a、116b、116cは、物体平面に対して直交する方向(例えば、ページに対して垂直)に互いにオフセットされているが、各走査領域は、実際には、物体平面112上にある。3つの走査領域の一部分は、重なり合う。この重なり合いの領域は、3つの励起光ビームの各々が走査される共有走査領域に対応する。したがって、共有走査領域にわたって位置付けられた1つ以上の被験体は、3つの励起源の各々からの励起光ビームによって照明され得る。
【0344】
図3Bを参照すると、走査領域の特定の寸法に沿った共有走査領域のサイズは、以下のように決定され得る。図3Bは、第1のガルバノミラー108が回転すると、励起光ビームがそれらのそれぞれの走査領域の各々の第1の寸法にわたって走査されるように、単一平面内の第1のガルバノミラー108によって3つの励起光ビームの反射を例示する。ガルバノメータースキャナに対して「軸上」に向けられる第1の励起光ビームに関して、第1の寸法に沿った対応する第1の走査領域のサイズLは、以下の方程式(18)によって与えられ、式中、θoptは、第1のガルバノミラーと関連付けられた最大の第1の光学走査角度である。それぞれ、正および負の方向の最大および最小の共有走査角度は、それぞれ、方程式(19)および(20)で与えられる。
=2dtan(θopt) (18)

θmax=θopt-θ (19)

θmin=θopt-θ (20)
【0345】
第2および第3の励起源からの励起光ビームがガルバノ光学スキャナに向けられるオフセット角度が同じである場合、θ=θ、および第1の寸法に沿った共有走査サイズLsharedは、以下の方程式(21)によって与えられる。
shared=2dtan(θopt-θ) (21)
【0346】
2つのガルバノミラーが2次元走査領域にわたって励起光ビームを走査するために使用される場合、同様の手法が、第2のガルバノミラーと関連付けられた、第2の寸法に沿って共有走査サイズ(例えば、L(2) shared)を決定するために使用され得る。特定の実施形態では、ガルバノ光学スキャナが、所望されるサイズの共有走査領域を生成するために、ガルバノ光学スキャナから共有走査領域内の場所(例えば、共有走査領域の中央の場所)までの最小長光路に沿って特定の距離354に配置されている。単一励起源の光学レイアウトに関して上述されたものと同様の検討事項が、共有走査領域のサイズを決定するために、方程式(18)~(21)と共に、使用され得る。
【0347】
図4は、第2および第3の励起源と関連付けられたオフセット角度が単一平面にあるように、3つのレーザの出力404a、404b、および404cが単一方向(例えば、垂直方向、例えば、y軸に沿った方向)に沿ってオフセットされているシステムを示す。
【0348】
特定の実施形態では、励起源は、複数の軸に沿って複数の方向に互いにオフセットされ得る。例えば、図4に示されるシステムでは、追加の励起源が、それらの出力を、ページに対して直交する軸に沿った(例えば、z軸に沿った)オフセットで位置付けることによって、適応され得る。複数の励起源の複数の出力を、それらがこの方式で複数の方向および複数の軸に沿って互いにオフセットされるように位置合わせすることは、励起源の出力を装着するためのより広い面積を提供し、より多くの光源がガルバノ光学スキャナに連結されることを可能にする。
【0349】
特定の実施形態では、各励起源からの各励起光ビームは、上記のビーム整形手法のうちのいずれか1つを介して整形され得る。例えば、出力のうちの2つ、404aおよび404bは、ファイバ結合レーザのファイバの遠位端である。各ファイバ結合レーザは、その出力からガルバノ光学スキャナ106までのそれぞれの光路に位置付けられた集束光学系122aおよび122bを有する。第3の励起源402cは、自由空間レーザである。自由空間レーザの出力404cからガルバノ光学スキャナ106までの光路には、ビーム整形光学系が位置付けられていない。自由空間レーザは、上記のビーム整形手法に従って、励起光の集束または平行ビームを出力するように設計されて、そのそれぞれの走査領域内の全ての場所で所望されるスポットサイズを取得し得る。
【0350】
図4に示されるガルバノ光学スキャナ106は、物体平面にわたる直交方向に沿って励起源の各々からの励起光ビームを走査するための2つのミラー108aおよび108bを備える。
【0351】
特定の実施形態では、ビーム整形光学系または励起源450の出力のいずれかからの最小距離は、励起源からの複数の励起光ビームに適応するために、励起源出力とオフセット角度との間の空間的分離に基づいて決定される。特定の実施形態では、最小距離450は、(i)最小レーザ分離と、(ii)励起源オフセット角度のうちの1つのコタンジェント(例えば、最小絶対値オフセット角度)との積よりも大きい。
【0352】
特定の実施形態では、複数の励起光ビームを使用する断層撮像は、単一励起光ビームに関する図13に関して上記に説明されたものと同様の様式で実施される。特に、上記のプロセス1300は、各々が異なる励起源に対応する一組の複数の断層画像が取得されるように、各励起源に対して実施され得る。図3Aに示されるように、図1Aおよび図1Bに関して上記で説明されたものと同様の透過照明の幾何学的配置は、複数の励起源を用いる断層撮像に使用され得る。
【0353】
特定の実施形態では、複数の励起源を使用して複数の断層画像を取得する能力は、マルチスペクトル撮像を可能にする。特定の実施形態では、マルチスペクトル撮像は、別個の波長を有する複数の励起光ビームを用いて1つ以上の物体を照明することを伴う。したがって、上記のように位置合わせされ得る各複数の励起源は、別個の励起波長を有する励起光ビームを提供するために各々使用され得る。特定の実施形態では、各別個の励起波長が、異なる蛍光種を励起するために使用される。例えば、400nm~1300nmのスペクトル範囲内の複数の励起波長は、複数の異なる蛍光種を励起するために使用され得る。特定の実施形態では、したがって、各励起源からの各励起光ビームは、1つ以上の被験体内の別個の蛍光種からの蛍光発光を励起して、かつそれを生じさせる。したがって、各励起波長で断層撮像を連続して実施することによって、1つ以上の被験体内の複数の蛍光種の各々の分布を表す断層画像が取得され得る。
【0354】
E.構成の検証および実験結果
図5は、上記の複数の励起源を同時に位置合わせする手法を使用する実験的断層撮像システムの2つの画像を示す。システムは、励起源として2つの自由空間レーザ502aおよび502bを伴って図5に示されている。使用された自由空間レーザの例は、自由空間ダイオードレーザおよび自由空間ダイオード励起固体(DPSS)レーザを含む。光学システムで使用される自由空間レーザを、上記のように、適切に整形された励起光ビームを直接出力するように製造した。ファイバレーザおよびファイバ結合レーザもまた、光学システムで試験した。ビーム整形光学系を、走査領域にわたって所望されるスポットサイズを達成するために、ファイバレーザおよびファイバ結合レーザと組み合わせて使用した。
【0355】
図5Bの画像に示されるように、励起光ビームが2次元走査領域にわたってラスタ走査され得るように、レーザの励起光ビームを、その出力から2つの回転ガルバノミラーを備える2軸ガルバノ光学スキャナ506に向けるように、各レーザを位置合わせした。撮像中に3匹の小型動物であるマウスを固定することができる動物ホルダ580を、おおよそ物体平面に配置した。CCDカメラ520を、折り畳み経路ミラー584を使用して走査エリアを撮像するように位置合わせした。
【0356】
物体平面でのスポットサイズを、励起源の各々の走査領域内で、動物ホルダ全体内の複数の場所でレーザビームプロファイラを用いて検証した。試験した各レーザに関して、走査領域内の励起光ビームのスポットサイズは、全走査領域にわたって直径1mm未満であるように測定された。
【0357】
図6は、走査領域内の1つの場所でのレーザのうちの1つのXおよびYの線形プロファイルを詳述するグラフを示す。プロット600aおよび600bの各々に関して、x軸は、μm単位の距離を表し、y軸は、所与の場所での励起光ビームの強度に比例する検出された信号を表す。プロット600aは、x方向に沿った励起光ビームの強度の変化を示し、プロット600bは、y方向に沿った励起光ビームの強度の変化を示す。励起光ビームの幅は、検出された信号がその最大値の1/eに収まる位置間の距離としてxおよびy方向に測定される。図6に示されるように、x方向に沿った幅は、796.50μmであると測定され、y方向に沿った幅は、801.78μmであると測定され、両方とも1mm未満であった。
【0358】
励起光ビームのスポットサイズは、走査領域全体を通して1mm未満に維持された。図7は、広い走査領域内の複数の励起場所全体を通して取得され得る一貫して小さいスポットサイズを実証する2つの画像を示す。図7の画像700aは、走査領域にわたる複数の励起場所を示す。図7Aの画像を取得するために、一枚の紙を動物ホルダに配置して、拡散半透明基質として作用させた。各画像を、各励起場所に関してCCDカメラによって撮影した。次いで、全ての画像を積み重ねて、図7Aに示されるグリッド状の画像を結果的に作成した。図7Aの画像内の暗いスポットは、動物ホルダの孔および他の閉塞物に起因し、変化するスポットサイズを表すものではない。画像700bは、動物ホルダに固定された3匹のマウスの明視野像である。画像700aおよび700bは、同一縮尺であり、画像700aを画像700bと重ね合わせることが、動物ホルダによって固定された3匹のマウスの位置に対する複数の励起場所の関係を例示するように、空間的に位置合わせされている。したがって、2つの画像700aおよび700bは、一緒に撮影され、全ての3つの動物位置にわたって同等のスポットサイズがどのように満たされるかを示す。
【0359】
図16は、本明細書に説明される高速広視野透過照明断層撮像手法を使用して3つのマウス形ファントムについて取得された一組の断層画像を示す。取得された断層画像は、3つのマウス形ファントムの各々の蛍光種の分布を示す3D画像である。3D断層画像を、3つのマウス形ファントムの各々について取得した。3D断層画像の上面図1610および側面図1620が示されている。画像1610cは、走査領域の左側に位置付けられたマウス形ファントムの断層画像の上面図であり、画像1610aは、走査領域の中央に位置付けられたマウス形ファントムの断層画像の上面図であり、画像1610bは、走査領域の右手側に位置付けられたマウス形ファントムの断層画像の上面図である。画像1620cは、走査領域の左側に位置付けられたマウス形ファントムの断層画像の側面図であり、画像1620aは、走査領域の中央に位置付けられたマウス形ファントムの断層画像の側面図であり、画像1620bは、走査領域の右手側に位置付けられたマウス形ファントムの断層画像の側面図である。図16に示される3D断層画像は、複数の被験体が位置付けられる広い走査領域にわたって断層撮像を実施する能力を実証する。
【0360】
F.応用
特定の実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、高速広視野透過照明光学断層撮影を提供する。特定の実施形態では、本明細書に説明される手法は、単一走査での複数の被験体の撮像を可能にする。特定の実施形態では、複数の励起源が、高速広視野断層撮像に使用される。特定の実施形態では、本明細書に説明される光学システムレイアウトおよびビーム整形手法は、点照明(例えば、小さいスポットサイズを使用する)および複数の光源を用いる高速広視野走査が使用される任意のシステムに適用可能である。
【0361】
G.コンピュータシステムおよびネットワークアーキテクチャ
図14に示されるように、本明細書に説明される広視野透過照明断層撮像のためのシステムおよび方法を提供する際に使用するためのネットワーク環境1400の実装が示され、説明される。ここで図14を参照した簡単な概要では、例示的なクラウドコンピューティング環境1400のブロック図が示され、記載されている。クラウドコンピューティング環境1400は、1つ以上のリソースプロバイダ1402a、1402b、1402c(集合的に、1402)を含み得る。各リソースプロバイダ1402は、コンピューティングリソースを含み得る。いくつかの実装では、コンピューティングリソースは、データの処理に使用される任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアが含み得る。例えば、コンピューティングリソースは、アルゴリズム、コンピュータープログラム、および/またはコンピューターアプリケーションを実行することができるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。いくつかの実装では、例示的なコンピューティングリソースは、記憶および検索性能を備えたアプリケーションサーバーおよび/またはデータベースが含み得る。各リソースプロバイダ1402は、クラウドコンピューティング環境1400内の任意の他のリソースプロバイダ1402に接続され得る。いくつかの実装では、リソースプロバイダ1402は、コンピューターネットワーク1408を介して接続され得る。各リソースプロバイダ1402は、コンピューターネットワーク1408を介して1つ以上のコンピューティングデバイス1404a、1404b、1404c(集合的に、1404)に接続され得る。
【0362】
クラウドコンピューティング環境1400は、リソースマネージャ1406を含み得る。リソースマネージャ1406は、コンピューターネットワーク1408を介してリソースプロバイダ1402およびコンピューティングデバイス1404に接続され得る。いくつかの実装では、リソースマネージャ1406は、1つ以上のリソースプロバイダ1402による1つ以上のコンピューティングデバイス1404へのコンピューティングリソースの提供を容易にすることができる。リソースマネージャ1406は、特定のコンピューティングデバイス1404からコンピューティングリソースの要求を受信し得る。リソースマネージャ1406は、コンピューティングデバイス1404によって要求されたコンピューティングリソースを提供することができる1つ以上のリソースプロバイダ1402を識別し得る。リソースマネージャ1406は、コンピューティングリソースを提供するためにリソースプロバイダ1402を選択し得る。リソースマネージャ1406は、リソースプロバイダ1402と特定のコンピューティングデバイス1404との間の接続を容易にすることができる。いくつかの実装では、リソースマネージャ1406は、特定のリソースプロバイダ1402と特定のコンピューティングデバイス1404との間の接続を構築することができる。いくつかの実装では、リソースマネージャ1406は、特定のコンピューティングデバイス1404を、要求されたコンピューティングリソースを有する特定のリソースプロバイダ1402にリダイレクトすることができる。
【0363】
図15は、本開示に記載の技術を実装するために使用することができるコンピューティングデバイス1500およびモバイルコンピューティングデバイス1550の一例を示す。コンピューティングデバイス1500は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバー、ブレードサーバー、メインフレーム、および他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピューターを表すことを意図している。モバイルコンピューティングデバイス1550は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、および他の同様のコンピューティングデバイスなど、様々な形態のモバイルデバイスを表すことを意図している。ここに示されているコンポーネント、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、単なる例であり、限定することを意図したものではない。
【0364】
コンピューティングデバイス1500は、プロセッサ1502、メモリ1504、記憶デバイス1506、メモリ1504および複数の高速拡張ポート1510に接続する高速インターフェース1508、ならびに低速拡張ポート1514および記憶デバイス1506に接続する低速インターフェース1512を含む。プロセッサ1502、メモリ1504、記憶デバイス1506、高速インターフェース1508、高速拡張ポート1510、および低速インターフェース1512の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、必要に応じて、一般的なマザーボード上に、または他の方法で搭載され得る。プロセッサ1502は、メモリ1504内に、または記憶デバイス1506上に記憶された命令を含む、コンピューティングデバイス1500内での実行のための命令を処理して、高速インターフェース1508に連結されたディスプレイ1516など、外部入力および出力デバイス上のGUIのためのグラフィカル情報を表示することができる。他の実装では、必要に応じて、複数のメモリおよびメモリの種類と共に、複数のプロセッサおよび/または複数のバスを使用することができる。また、複数のコンピューティングデバイスを接続することができ、各デバイスが、必要な操作の一部分を提供する(例えば、サーバーバンク、ブレードサーバーのグループ、またはマルチプロセッサシステムとして)。したがって、「プロセッサ」によって行われるものとして複数の機能が記載される用語が本明細書で使用される場合、これは、複数の機能が任意の数のコンピューティングデバイス(1つ以上)の任意の数のプロセッサ(1つ以上)によって行われる実施形態を包含する。さらに、機能が「プロセッサ」によって行われると記載されている場合、これは、機能が任意の数のコンピューティングデバイス(1つ以上)(例えば、分散コンピューティングシステムで)の任意の数のプロセッサ(1つ以上)によって行われる実施形態を包含する。
【0365】
メモリ1504は、コンピューティングデバイス1500内の情報を記憶する。いくつかの実装では、メモリ1504は、揮発性メモリユニット(複数可)である。いくつかの実装では、メモリ1504は、不揮発性メモリユニット(複数可)である。メモリ1504は、磁気または光ディスクなどのコンピュータ可読媒体の別の形態であってもよい。
【0366】
記憶デバイス1506は、コンピューティングデバイス1500に大容量記憶を提供することができる。いくつかの実装では、記憶デバイス1506は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、もしくはテープデバイス、フラッシュメモリ、もしくは他の同様の固体記憶デバイスなどのコンピュータ可読媒体であるか、または記憶エリアネットワークもしくは他の構成のデバイスを含むデバイスの配列を含み得る。命令は、情報キャリアに記憶され得る。命令は、1つ以上の処理デバイス(例えば、プロセッサ1502)によって実行されると、上記に記載のものなど、1つ以上の方法を行う。命令はまた、コンピュータまたは機械可読媒体(例えば、メモリ1504、記憶デバイス1506、またはプロセッサ1502上のメモリ)などの1つ以上の記憶デバイスによって記憶され得る。
【0367】
高速インターフェース1508は、コンピューティングデバイス1500の帯域幅集約型の操作を管理し、低速インターフェース1512は、より低い帯域幅集約型の操作を管理する。このような機能の割り当ては単なる一例である。いくつかの実装では、高速インターフェース1508は、メモリ1504、ディスプレイ1516(例えば、グラフィックプロセッサまたはアクセラレータを介して)、および様々な拡張カード(図示せず)を受け入れることができる高速拡張ポート1510に連結される。実装では、低速インターフェース1512は、記憶デバイス1506および低速拡張ポート1514に連結される。様々な通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット(登録商標)、ワイヤレスイーサネット(登録商標))を含み得る低速拡張ポート1514は、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナなどの1つ以上の入力/出力デバイス、または例えば、ネットワークアダプタを介した、スイッチもしくはルーターなどのネットワーキングデバイスに連結され得る。
【0368】
コンピューティングデバイス1500は、図に示すように、いくつかの異なる形態で実装されてもよい。例えば、標準的なサーバー1520として、またはそのようなサーバーのグループで複数回実装され得る。加えて、ラップトップコンピューター1522などのパーソナルコンピューターに実装されてもよい。ラックサーバーシステム1524の一部として実装されてもよい。代替的に、コンピューティングデバイス1500からのコンポーネントは、モバイルコンピューティングデバイス1550などのモバイルデバイス(図示せず)の他のコンポーネントと組み合わせることができる。そのようなデバイスの各々は、コンピューティングデバイス1500およびモバイルコンピューティングデバイス1550のうちの1つ以上を含むことができ、システム全体が、互いに通信する複数のコンピューティングデバイスで構成され得る。
【0369】
モバイルコンピューティングデバイス1550は、他のコンポーネントの中でも特に、プロセッサ1552、メモリ1564、ディスプレイ1554などの入力/出力デバイス、通信インターフェース1566、およびトランシーバ1568を含む。モバイルコンピューティングデバイス1550は、追加の記憶を提供するために、マイクロドライブまたは他のデバイスなどの記憶デバイスを備える場合もある。プロセッサ1552、メモリ1564、ディスプレイ1554、通信インターフェース1566、およびトランシーバ1568の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、コンポーネントのうちのいくつかは、必要に応じて、一般的なマザーボード上に、または他の方法で搭載され得る。
【0370】
プロセッサ1552は、メモリ1564に記憶された命令を含む、モバイルコンピューティングデバイス1550内の命令を実行することができる。プロセッサ1552は、別個の複数のアナログおよびデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実装され得る。プロセッサ1552は、例えば、ユーザインターフェースの制御、モバイルコンピューティングデバイス1550によって実行されるアプリケーション、モバイルコンピューティングデバイス1550による無線通信など、モバイルコンピューティングデバイス1550の他のコンポーネントの調整を提供することができる。
【0371】
プロセッサ1552は、ディスプレイ1554に連結された制御インターフェース1558およびディスプレイインターフェース1556を通じてユーザーと通信することができる。ディスプレイ1554は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)ディスプレイまたはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または他の適切なディスプレイ技術であり得る。ディスプレイインターフェース1556は、ディスプレイ1554を駆動してグラフィックおよび他の情報をユーザーに提示するための適切な回路を備え得る。制御インターフェース1558は、ユーザーからコマンドを受信し、それらをプロセッサ1552への提出用に変換することができる。加えて、外部インターフェース1562は、モバイルコンピューティングデバイス1550と他のデバイスとの近距離通信を可能にするために、プロセッサ1552との通信を提供することができる。外部インターフェース1562は、例えば、いくつかの実装では有線通信を、または他の実装では無線通信を提供することができ、複数のインターフェースも使用することができる。
【0372】
メモリ1564は、モバイルコンピューティングデバイス1550内の情報を記憶する。メモリ1564は、コンピュータ可読媒体(複数可)、揮発性メモリユニット(複数可)、または不揮発性メモリユニット(複数可)のうちの1つ以上として実装することができる。拡張メモリ1574も提供され、例えば、SIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインターフェースを含み得る拡張インターフェース1572を介してモバイルコンピューティングデバイス1550に接続され得る。拡張メモリ1574は、モバイルコンピューティングデバイス1550のための追加の記憶スペースを提供し得るか、またはモバイルコンピューティングデバイス1550のためのアプリケーションもしくは他の情報を記憶し得る。具体的には、拡張メモリ1574は、上記に記載のプロセスを実行または補足する命令を含む場合があり、安全な情報も含み得る。したがって、例えば、拡張メモリ574は、モバイルコンピューティングデバイス1550のためのセキュリティモジュールとして提供される場合があり、モバイルコンピューティングデバイス1550の安全な使用を可能にする命令によりプログラムされ得る。加えて、ハッキング不可能な方法でSIMMカードに識別情報を配置するなど、追加の情報と共に、SIMMカードを介して安全なアプリケーションを提供することができる。
【0373】
メモリは、以下に考察されるように、例えば、フラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含み得る。いくつかの実装では、命令は、情報キャリア内に記憶される。命令は、1つ以上の処理デバイス(例えば、プロセッサ1552)によって実行されると、上記に記載のものなど、1つ以上の方法を行う。命令はまた、1つ以上のコンピュータ可読媒体または機械可読媒体(例えば、メモリ1564、拡張メモリ1574、またはプロセッサ1552上のメモリ)などの1つ以上の記憶デバイスによって記憶することができる。いくつかの実装では、命令は、例えば、トランシーバ1568または外部インターフェース1562を介して、伝播信号で受信することができる。
【0374】
モバイルコンピューティングデバイス1550は、必要に応じてデジタル信号処理回路を含み得る通信インターフェース1566を介して無線で通信し得る。通信インターフェース1566は、GSM(登録商標)音声通話(モバイル通信用グローバルシステム)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、またはMMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(コード分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)、PDC(パーソナルデジタルセルラー)、WCDMA(登録商標)(広帯域コード分割多重アクセス)、CDMA2000、またはGPRS(一般パケット無線サービス)などの様々なモードもしくはプロトコルの下で通信を提供することができる。このような通信は、例えば、無線周波数を使用するトランシーバ1568を介して発生し得る。加えて、ブルートゥース(登録商標)、Wi‐Fi(商標)、または他の同様のトランシーバ(図示せず)を使用するなど、短距離通信が発生する場合がある。加えて、GPS(全地球測位システム)受信機モジュール1570は、モバイルコンピューティングデバイス1550上で実行されるアプリケーションによって適切に使用され得る追加のナビゲーションおよび位置関連無線データをモバイルコンピューティングデバイス1550に提供し得る。
【0375】
モバイルコンピューティングデバイス1550は、音声コーデック1560を使用して可聴通信することもでき、音声コーデック1560は、ユーザーから話された情報を受信し、それを使用可能なデジタル情報に変換することができる。音声コーデック1560は、同様に、例えば、モバイルコンピューティングデバイス1550のハンドセット内のスピーカーを介してなど、ユーザーに対して可聴音を生成することができる。そのような音は、音声電話通話からの音を含むことができ、記録された音(例えば、音声メッセージ、音楽ファイルなど)を含むことができ、モバイルコンピューティングデバイス1550上で操作するアプリケーションによって生成される音も含むことができる。
【0376】
モバイルコンピューティングデバイス1550は、図に示すように、いくつかの異なる形態で実装され得る。例えば、携帯電話1580として実装され得る。また、スマートフォン1582、携帯情報端末、または他の同様のモバイルデバイスの一部として実装されてもよい。
【0377】
本明細書に記載のシステムおよび技術の様々な実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピューターハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実装は、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからのデータおよび命令を受信して、これらにデータおよび命令を送信するために連結された、専用または汎用であり得る、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータープログラムでの実装が含むことができる。
【0378】
これらのコンピュータープログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られている)には、プログラム可能なプロセッサ用の機械命令が含まれ、高レベルの手続き型および/もしくは物体指向プログラミング言語で、かつ/またはアセンブリ/機械で実装することができる。本明細書で使用される場合、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体という用語は、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む、機械命令および/またはデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータープログラム製品、装置、および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラム可能な論理デバイス(PLD))を指す。機械可読信号という用語は、プログラム可能なプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意の信号を指す。
【0379】
ユーザーとの相互作用を提供するために、本明細書に記載のシステムおよび技術は、ユーザーに情報を表示するための表示デバイス(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニター)、ならびにユーザーがコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)を有するコンピュータ上で実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザーとの相互作用を提供することもでき、例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、任意の系チアの感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)にすることができ、ユーザーからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含む、あらゆる系チアで受信することができる。
【0380】
本明細書に記載のシステムおよび技術は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバーとして)を含むコンピューティングシステム、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバー)を含むコンピューティングシステム、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザーが本明細書に記載のシステムおよび技術の実装と相互作用することができる、グラフィカルユーザーインターフェースもしくはウェブブラウザーを有するクライアントコンピューター)を含むコンピューティングデバイス、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせで実装することができる。システムのコンポーネントは、任意の形式または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、およびインターネットが含まれる。
【0381】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバーを含み得る。通常、クライアントおよびサーバーは、互いに遠隔であり、典型的には、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバーとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアントとサーバーとの関係を有するコンピュータープログラムによって発生する。
【0382】
いくつかの実装では、本明細書に説明される任意のモジュールは、単一または組み合わせられたモジュールに分離、組み合わせ、または組み込まれ得る。図に図示されている任意のモジュールは、本明細書に説明されているシステムを、そこに示されているソフトウェアアーキテクチャに限定することを意図するものではない。
【0383】
本明細書に記載の異なる実装の要素は、上記に具体的に記載されていない他の実装を形成するために組み合わされる場合がある。要素は、それらの操作に悪影響を与えることなく、本明細書に記載のプロセス、コンピュータープログラム、データベースなどから除外される場合がある。加えて、図に図示されている論理の流れは、望ましい結果を得るために、示されている特定の順序または順番を必要としない。本明細書に記載の機能を実行するために、様々な別個の要素を1つ以上の個々の要素に組み合わせることができる。いくつかの実装では、本明細書に記載のシステムおよび方法の構造、機能、および装置を考慮して。
【0384】
記載全体を通して、装置およびシステムが特定のコンポーネントを有する、含む、もしくは備えると記載される場合、またはプロセスおよび方法が特定のステップを有する、含む、または含むと記載される場合、さらに、列挙されたコンポーネントから本質的になる、もしくはそれらからなる本発明の装置およびシステムがあり、かつ列挙された処理ステップから本質的になる、もしくはそれらからなる本発明によるプロセスおよび方法があることが企図される。
【0385】
本発明が実施可能である限り、ステップの順序または特定の動作を行う順序は、重要ではないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上のステップまたは動作を同時に実行することができる。
【0386】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して具体的に示され、説明されてきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の概念および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更が行われ得ることを理解するべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
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