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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】部品供給装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020526794
(86)(22)【出願日】2018-06-27
(86)【国際出願番号】 JP2018024463
(87)【国際公開番号】W WO2020003424
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】大山 和義
(72)【発明者】
【氏名】桝田 亮太
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/002085(WO,A1)
【文献】特開2013-046024(JP,A)
【文献】特開2014-082249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、
前記リール配置部に載置された前記リールの前記部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、
前記リール配置部は、前記フィーダ部に前記部品供給テープを先に供給する前記リールが配置される第1リール配置部と、前記第1リール配置部に配置された前記リールに続いて前記フィーダ部に前記部品供給テープを供給する前記リールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、
前記第2リール配置部は、前記フィーダ部に対する前記第1支持部の位置を変更することにより前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔を変更可能に構成され
前記第2リール配置部は、前記第1支持部と前記フィーダ部との間隔が前記リールの直径以上となる第1位置と、前記第1支持部と前記フィーダ部との間隔が前記リールの直径未満となる第2位置と、に前記フィーダ部に対して移動可能に構成されている、部品供給装置。
【請求項2】
前記第2リール配置部に配置された前記リールは、前記フィーダ部に前記部品供給テープを供給している状態で、かつ、前記第2リール配置部が前記第1位置に配置されている状態で、前記第1支持部と前記フィーダ部との間を通過して、前記第1リール配置部に移動可能に構成されている、請求項に記載の部品供給装置。
【請求項3】
基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、
前記リール配置部に載置された前記リールの前記部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、
前記リール配置部は、前記フィーダ部に前記部品供給テープを先に供給する前記リールが配置される第1リール配置部と、前記第1リール配置部に配置された前記リールに続いて前記フィーダ部に前記部品供給テープを供給する前記リールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、
前記第2リール配置部は、前記フィーダ部に対する前記第1支持部の位置を変更することにより前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔を変更可能に構成され、
前記第2リール配置部は、前記リールの回転軸線方向に垂直な面に沿って、前記第1リール配置部に対して移動可能に構成されている、部品供給装置。
【請求項4】
前記第2リール配置部は、前記第1リール配置部に対して下方向に回動移動することにより、前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔が大きくなるように構成されている、請求項に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記第2リール配置部は、前記第1リール配置部に対して水平方向に沿って前記フィーダ部に遠ざかる方向に移動して、前記第1リール配置部に対して下方向に回動移動することにより、前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔が大きくなるように構成されている、請求項に記載の部品供給装置。
【請求項6】
基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、
前記リール配置部に載置された前記リールの前記部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、
前記リール配置部は、前記フィーダ部に前記部品供給テープを先に供給する前記リールが配置される第1リール配置部と、前記第1リール配置部に配置された前記リールに続いて前記フィーダ部に前記部品供給テープを供給する前記リールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、
前記第2リール配置部は、前記フィーダ部に対する前記第1支持部の位置を変更することにより前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔を変更可能に構成され、
前記第1リール配置部に配置された前記リールは、前記第2リール配置部の前記第1支持部の下方を通って、前記第1リール配置部から取り出すことが可能に構成されている、部品供給装置。
【請求項7】
基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、
前記リール配置部に載置された前記リールの前記部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、
前記リール配置部は、前記フィーダ部に前記部品供給テープを先に供給する前記リールが配置される第1リール配置部と、前記第1リール配置部に配置された前記リールに続いて前記フィーダ部に前記部品供給テープを供給する前記リールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、
前記第2リール配置部は、前記フィーダ部に対する前記第1支持部の位置を変更することにより前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔を変更可能に構成され、
前記第1リール配置部は、前記リールから前記フィーダ部に前記部品供給テープが供給されている場合に、前記フィーダ部に対する位置が変えられないように構成されている、部品供給装置。
【請求項8】
基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、
前記リール配置部に載置された前記リールの前記部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、
前記リール配置部は、前記フィーダ部に前記部品供給テープを先に供給する前記リールが配置される第1リール配置部と、前記第1リール配置部に配置された前記リールに続いて前記フィーダ部に前記部品供給テープを供給する前記リールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、
前記第2リール配置部は、前記フィーダ部に対する前記第1支持部の位置を変更することにより前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔を変更可能に構成され、
前記第1リール配置部は、前記フィーダ部が配置されるフィーダ配置部に設けられ前記リールが保持されるリール保持部に配置され、
前記第1リール配置部に配置された前記リールは、前記フィーダ配置部の前記リール保持部に設けられた第2支持部により外周部が支持されるように構成されている、部品供給装置。
【請求項9】
前記リール配置部は、前記第1リール配置部が前記フィーダ配置部の前記第2支持部に支持されるとともに、前記第2リール配置部が前記第1リール配置部により移動可能に支持されるように構成されている、請求項に記載の部品供給装置。
【請求項10】
基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、
前記リール配置部に載置された前記リールの前記部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、
前記リール配置部は、前記フィーダ部に前記部品供給テープを先に供給する前記リールが配置される第1リール配置部と、前記第1リール配置部に配置された前記リールに続いて前記フィーダ部に前記部品供給テープを供給する前記リールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、
前記第2リール配置部は、前記フィーダ部に対する前記第1支持部の位置を変更することにより前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔を変更可能に構成され、
前記第1リール配置部は、前記リールの回転軸線方向に対向するように配置された一対の第1板状部材を含み、
前記第2リール配置部は、前記リールの回転軸線方向に対向するように配置された一対の第2板状部材を含み、
一対の前記第2板状部材は、前記第1支持部を挟み込むように保持するとともに、一対の前記第1板状部材に対して、前記第1板状部材が延びる方向に沿って移動可能に構成されている、部品供給装置。
【請求項11】
前記リール配置部は、前記第1支持部と前記フィーダ部との間隔が前記リールの直径以上となる位置に前記第2リール配置部が位置した状態で、前記第2リール配置部から前記第1リール配置部にかけて、連続して前記リールを案内することが可能なガイド側壁を、一対の前記第2板状部材および一対の前記第1板状部材により形成している、請求項10に記載の部品供給装置。
【請求項12】
一対の前記第1板状部材の少なくとも一方には、一対の前記第1板状部材に対する一対の前記第2板状部材の移動をガイドするガイド部が設けられており、
一対の前記第2板状部材は、前記ガイド部に沿って移動可能に構成されている、請求項10または11に記載の部品供給装置。
【請求項13】
前記ガイド部は、前記第1板状部材に設けられた長穴を含む、請求項12に記載の部品供給装置。
【請求項14】
前記第2リール配置部は、前記ガイド部に対して少なくも2つの被ガイド部材が案内されることにより、前記第1リール配置部に対して水平移動および回動移動可能に構成されている、請求項12または13に記載の部品供給装置。
【請求項15】
一対の前記第2板状部材は、前記フィーダ部側の端部の間隔よりも前記フィーダ部と遠い側の端部の間隔の方が大きくなるように構成されている、請求項10~14のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項16】
一対の前記第2板状部材は、一対の前記第1板状部材の内側に配置されている、請求項10~15のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項17】
前記第2板状部材は、前記第1板状部材よりも厚みが小さく形成されている、請求項10~16のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項18】
基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、
前記リール配置部に載置された前記リールの前記部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、
前記リール配置部は、前記フィーダ部に前記部品供給テープを先に供給する前記リールが配置される第1リール配置部と、前記第1リール配置部に配置された前記リールに続いて前記フィーダ部に前記部品供給テープを供給する前記リールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、
前記第2リール配置部は、前記フィーダ部に対する前記第1支持部の位置を変更することにより前記フィーダ部と前記第1支持部との間隔を変更可能に構成され、
前記リール配置部は、前記フィーダ部が配置されるフィーダ配置部に設けられ前記リールが保持されるリール保持部に対して着脱可能に構成されている、部品供給装置。
【請求項19】
前記第1リール配置部および前記第2リール配置部は、平面視において、前記フィーダ部の前記部品供給位置に対してオフセットした位置に配置されている、請求項1~18のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品供給装置に関し、特に、部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部を備えた部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部を備えた部品供給装置が知られている。このような部品供給装置は、たとえば、国際公開第2016/002085号公報に開示されている。
【0003】
上記国際公開第2016/002085号公報には、部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール保持部(リール配置部)と、リール保持部に保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ本体と、を備えるテープフィーダ(部品供給装置)が開示されている。このテープフィーダでは、リール保持部は、係合ピンをリールの回転軸孔に係合させて、リールを回転可能に保持するように構成されている。また、このテープフィーダでは、リール保持部に保持されたリールを交換する場合に、係合ピンの抜き差し作業やリールの移動作業時に、フィーダ本体および隣接するリールが干渉しないように、リール保持部がフィーダ本体に対して遠ざかる方向に移動可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/002085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記国際公開第2016/002085号公報のテープフィーダ(部品供給装置)では、リール保持部に保持されたリールを交換する場合に、係合ピンの抜き差し作業やリールの移動作業時に、フィーダ本体および隣接するリールが干渉しないように、リール保持部をフィーダ本体に対して遠ざける方向に移動させる。このため、リールの回転軸孔に係合ピンを抜き差しする際には、隣接するリールに干渉しないようにするためには、リール保持部をフィーダ本体に対して大きく移動させる必要がある。つまり、リールの回転軸線方向にみて、交換するリールの回転軸を隣接するリールと重ならない位置まで大きく移動させて引き出す必要がある。このため、リール保持部を大きく移動させる分だけ、リール保持部の配置領域を大きく確保する必要があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部のために確保する領域が大きくなるのを抑制することが可能な部品供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による部品供給装置は、基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、リール配置部に載置されたリールの部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、リール配置部は、フィーダ部に部品供給テープを先に供給するリールが配置される第1リール配置部と、第1リール配置部に配置されたリールに続いてフィーダ部に部品供給テープを供給するリールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、第2リール配置部は、フィーダ部に対する第1支持部の位置を変更することによりフィーダ部と第1支持部との間隔を変更可能に構成され、第2リール配置部は、第1支持部とフィーダ部との間隔がリールの直径以上となる第1位置と、第1支持部とフィーダ部との間隔がリールの直径未満となる第2位置と、にフィーダ部に対して移動可能に構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による部品供給装置では、上記のように構成することによって、第2リール配置部の第1支持部によりリールの外周部を支持することができるので、リールの回転軸を支持する必要がない。このため、リールを移動させる場合に、回転軸線方向に回転軸を抜き差しして移動させる必要がない。これにより、リールの回転軸線方向にみて、交換するリールの回転軸を隣接するリールと重ならない位置まで大きく移動させて引き出す必要がない。すなわち、フィーダ部との間でリールを移動させることが可能な間隔分だけリール配置部をフィーダ部に対して移動させればよい。その結果、第2リール配置部を大きく移動させるための領域を確保する必要がないので、部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部のために確保する領域が大きくなるのを抑制することができる。また、フィーダ部に対する第1支持部の位置を変更することによりフィーダ部と第1支持部との間隔を大きくすることができるので、フィーダ部に干渉することなく第2リール配置部からリールを容易に移動させることができる。また、リールを交換しない場合には、フィーダ部と第1支持部との間隔を小さくするようにして、第2リール配置部をフィーダ部に近づけることができるので、リール配置部の配置領域を小さくすることができる。
【0009】
また、上記第1の局面による部品供給装置では、第2リール配置部は、第1支持部とフィーダ部との間隔がリールの直径以上となる第1位置と、第1支持部とフィーダ部との間隔がリールの直径未満となる第2位置と、にフィーダ部に対して移動可能に構成されている。これにより、第2リール配置部を第1位置とした状態において、第2リール配置部のリールをフィーダ部と第1支持部との間を通して移動させることができる。また、第2リール配置部を第2位置とした状態では、第2リール配置部をフィーダ部に近づけることができるので、リール配置部の配置領域を効果的に小さくすることができる。
【0010】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、第2リール配置部に配置されたリールは、フィーダ部に部品供給テープを供給している状態で、かつ、第2リール配置部が第1位置に配置されている状態で、第1支持部とフィーダ部との間を通過して、第1リール配置部に移動可能に構成されている。このように構成すれば、第2リール配置部に配置されたリールを、フィーダ部に部品供給テープを供給した状態を維持しながら、第1リール配置部に容易に移動させることができる。その結果、リール配置部に配置されたリールをより容易に交換することができる。
【0011】
この発明の第2の局面による部品供給装置は、基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、リール配置部に載置されたリールの部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、リール配置部は、フィーダ部に部品供給テープを先に供給するリールが配置される第1リール配置部と、第1リール配置部に配置されたリールに続いてフィーダ部に部品供給テープを供給するリールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、第2リール配置部は、フィーダ部に対する第1支持部の位置を変更することによりフィーダ部と第1支持部との間隔を変更可能に構成され、第2リール配置部は、リールの回転軸線方向に垂直な面に沿って、第1リール配置部に対して移動可能に構成されている。これにより、リールの回転軸線方向に垂直な面に沿ってリールを移動させることにより、リールの交換を行うことができるので、リールの回転軸線方向にリール配置部や回転軸を移動させる必要がない。これにより、回転軸線方向にリールが隣接している場合でも、リールを容易に移動させることができる。
【0012】
上記第2の局面による部品供給装置において、好ましくは、第2リール配置部は、第1リール配置部に対して下方向に回動移動することにより、フィーダ部と第1支持部との間隔が大きくなるように構成されている。このように構成すれば、第2リール配置部をフィーダ部と離す水平方向に移動させる場合と異なり、水平方向の移動範囲を小さくすることができるので、部品供給装置のために確保するスペースが大きくなるのを抑制することができる。
【0013】
上記第2リール配置部が第1リール配置部に対して下方向に回動移動する構成において、好ましくは、第2リール配置部は、第1リール配置部に対して水平方向に沿ってフィーダ部に遠ざかる方向に移動して、第1リール配置部に対して下方向に回動移動することにより、フィーダ部と第1支持部との間隔が大きくなるように構成されている。このように構成すれば、第2リール配置部を水平方向と下方向への回動移動とを組み合わせて移動させることにより、フィーダ部と第1支持部との間隔を効果的に大きくすることができる。また、フィーダ部から第2リール配置部を遠ざけることにより、部品供給テープをリールから引き出すことができる。これにより、リールを移動させる際に、部品供給テープを弛ませることができるので、リールをより容易に移動させることができる。
【0014】
この発明の第3の局面による部品供給装置は、基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、リール配置部に載置されたリールの部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、リール配置部は、フィーダ部に部品供給テープを先に供給するリールが配置される第1リール配置部と、第1リール配置部に配置されたリールに続いてフィーダ部に部品供給テープを供給するリールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、第2リール配置部は、フィーダ部に対する第1支持部の位置を変更することによりフィーダ部と第1支持部との間隔を変更可能に構成され、第1リール配置部に配置されたリールは、第2リール配置部の第1支持部の下方を通って、第1リール配置部から取り出すことが可能に構成されている。これにより、第1リール配置部に配置されて先行して部品供給テープを供給したリールを、第2リール配置部の下方から取り出すことができるので、第2リール配置部のリールに干渉することなく、第1リール配置部のリールを取り出すことができる。
【0015】
この発明の第4の局面による部品供給装置は、基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、リール配置部に載置されたリールの部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、リール配置部は、フィーダ部に部品供給テープを先に供給するリールが配置される第1リール配置部と、第1リール配置部に配置されたリールに続いてフィーダ部に部品供給テープを供給するリールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、第2リール配置部は、フィーダ部に対する第1支持部の位置を変更することによりフィーダ部と第1支持部との間隔を変更可能に構成され、第1リール配置部は、リールからフィーダ部に部品供給テープが供給されている場合に、フィーダ部に対する位置が変えられないように構成されている。これにより、第1リール配置部を部品供給テープ供給時に移動させるための機構を設ける必要がないので、リール配置部の構成が複雑になるのを抑制することができる。
【0016】
この発明の第5の局面による部品供給装置は、基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、リール配置部に載置されたリールの部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、リール配置部は、フィーダ部に部品供給テープを先に供給するリールが配置される第1リール配置部と、第1リール配置部に配置されたリールに続いてフィーダ部に部品供給テープを供給するリールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、第2リール配置部は、フィーダ部に対する第1支持部の位置を変更することによりフィーダ部と第1支持部との間隔を変更可能に構成され、第1リール配置部は、フィーダ部が配置されるフィーダ配置部に設けられリールが保持されるリール保持部に配置され、第1リール配置部に配置されたリールは、フィーダ配置部のリール保持部に設けられた第2支持部により外周部が支持されるように構成されている。これにより、フィーダ配置部のリール保持部に設けられた第2支持部を利用して、第1リール配置部のリールの外周部を支持することができるので、第1リール配置部にリールの外周部を支持する部材を別途設ける必要がない。
【0017】
上記第5の局面による部品供給装置において、好ましくは、リール配置部は、第1リール配置部がフィーダ配置部の第2支持部に支持されるとともに、第2リール配置部が第1リール配置部により移動可能に支持されるように構成されている。このように構成すれば、フィーダ配置部のリール保持部に設けられた第2支持部を利用して、第1リール配置部および第2リール配置部を支持することができるので、第1リール配置部を支持するための部材を別途設ける必要がない。
【0018】
この発明の第6の局面による部品供給装置は、基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、リール配置部に載置されたリールの部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、リール配置部は、フィーダ部に部品供給テープを先に供給するリールが配置される第1リール配置部と、第1リール配置部に配置されたリールに続いてフィーダ部に部品供給テープを供給するリールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、第2リール配置部は、フィーダ部に対する第1支持部の位置を変更することによりフィーダ部と第1支持部との間隔を変更可能に構成され、第1リール配置部は、リールの回転軸線方向に対向するように配置された一対の第1板状部材を含み、第2リール配置部は、リールの回転軸線方向に対向するように配置された一対の第2板状部材を含み、一対の第2板状部材は、第1支持部を挟み込むように保持するとともに、一対の第1板状部材に対して、第1板状部材が延びる方向に沿って移動可能に構成されている。これにより、一対の第1板状部材および第2板状部材により、回転軸線方向に隣接するリール同士を仕切りながら、第1リール配置部および第2リール配置部によりリールを保持することができる。また、第2板状部材を第1板状部材に沿ってスライド移動させることができるので、第2リール配置部を第1板状部材が延びる方向に容易に移動させることができる。
【0019】
上記第6の局面による部品供給装置において、好ましくは、リール配置部は、第1支持部とフィーダ部との間隔がリールの直径以上となる位置に第2リール配置部が位置した状態で、第2リール配置部から第1リール配置部にかけて、連続してリールを案内することが可能なガイド側壁を、一対の第2板状部材および一対の第1板状部材により形成している。このように構成すれば、第2リール配置部から第1リール配置部にリールを移動する場合に、一対の第2板状部材および一対の第1板状部材により、リールを挟み込んだ状態を維持することができるので、リールを第2リール配置部から第1リール配置部により容易に移動させることができる。
【0020】
上記第6の局面による部品供給装置において、好ましくは、一対の第1板状部材の少なくとも一方には、一対の第1板状部材に対する一対の第2板状部材の移動をガイドするガイド部が設けられており、一対の第2板状部材は、ガイド部に沿って移動可能に構成されている。このように構成すれば、第2板状部材を第1板状部材のガイド部に沿って、容易に移動させることができる。
【0021】
この場合、好ましくは、ガイド部は、第1板状部材に設けられた長穴を含む。このように構成すれば、第2板状部材の移動可能な領域を長穴に沿って規定することができるので、第2板状部材が所定の範囲外の位置に移動されるのを抑制することができる。
【0022】
上記第1板状部材にガイド部が設けられている構成において、好ましくは、第2リール配置部は、ガイド部に対して少なくも2つの被ガイド部材が案内されることにより、第1リール配置部に対して水平移動および回動移動可能に構成されている。このように構成すれば、2つ以上の被ガイド部材により安定して第2リール配置部を支持することができる。また、第2リール配置部を回動移動させる場合に、一方の被ガイド部材を支点として他方の被ガイド部材をガイドすることにより、第2リール配置部を容易に回動移動させることができる。
【0023】
上記第6の局面による部品供給装置において、好ましくは、一対の第2板状部材は、フィーダ部側の端部の間隔よりもフィーダ部と遠い側の端部の間隔の方が大きくなるように構成されている。このように構成すれば、フィーダ部と遠い側からリールを入れやすくすることができるので、第2リール配置部にリールを容易に配置することができる。
【0024】
上記第6の局面による部品供給装置において、好ましくは、一対の第2板状部材は、一対の第1板状部材の内側に配置されている。このように構成すれば、可動する第2板状部材を第1板状部材の内側に配置することができるので、リールの回転軸線方向に隣接する他の部材に、第2板状部材の移動が干渉されるのを抑制することができる。
【0025】
上記第6の局面による部品供給装置において、第2リール配置部が一対の第2板状部材を含む構成において、好ましくは、第2板状部材は、第1板状部材よりも厚みが小さく形成されている。このように構成すれば、リールの回転軸線方向における第2リール配置部の幅が大きくなるのを抑制することができる。また、第2板状部材を撓み変形しやすくすることができるので、第2板状部材を撓ませて一対の第2板状部材の間隔を広げることにより、第2リール配置部にリールを容易に配置することができる。
【0026】
この発明の第7の局面による部品供給装置は、基板に実装する部品が保持された部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部と、リール配置部に載置されたリールの部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部とを備え、リール配置部は、フィーダ部に部品供給テープを先に供給するリールが配置される第1リール配置部と、第1リール配置部に配置されたリールに続いてフィーダ部に部品供給テープを供給するリールの外周部を支持する第1支持部を有する第2リール配置部と、を含み、第2リール配置部は、フィーダ部に対する第1支持部の位置を変更することによりフィーダ部と第1支持部との間隔を変更可能に構成され、リール配置部は、フィーダ部が配置されるフィーダ配置部に設けられリールが保持されるリール保持部に対して着脱可能に構成されている。これにより、リール配置部を使用しない場合にはリール配置部を取り外して部品供給装置を使用することができるので、取り外したリール配置部の分だけ、部品供給装置の配置領域を小さくすることができる。
【0027】
上記第1~第7の局面による部品供給装置において、好ましくは、第1リール配置部および第2リール配置部は、平面視において、フィーダ部の部品供給位置に対してオフセットした位置に配置されている。このように構成すれば、部品供給位置の下方の領域を空けておくことができるので、使用済みの部品供給テープを収容する空間や、部品実装装置の空間などの他のもののための空間を確保することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、上記のように、部品供給テープが巻き回されているリールを複数支持することが可能なリール配置部のために確保する領域が大きくなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態による部品供給装置が設けられた部品実装装置の構成を示した平面図である。
図2】本発明の一実施形態による部品供給装置を示した側面図である。
図3】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部を示した斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部の分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部の第1リール配置部と第2リール配置部との接続を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部の幅を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部へのリールの配置を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部の通常運転時の位置を示した図である。
図9】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部の格納位置を示した図である。
図10】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部の引出位置を示した図である。
図11】本発明の一実施形態による部品供給装置のリール配置部の回動位置を示した図である。
図12】本発明の一実施形態による部品供給装置のリールの取出しを説明するための図である。
図13】本発明の一実施形態による部品供給装置のリールの引出しを説明するための図である。
図14】本発明の一実施形態による部品供給装置のリールの回動を説明するための図である。
図15】本発明の一実施形態による部品供給装置のリールの移動を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
(部品実装装置の構成)
図1を参照して、本発明の実施形態による部品供給装置10が設けられた部品実装装置100の構成について説明する。
【0032】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板SをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Sに部品31を実装する部品実装装置である。
【0033】
部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識撮像部7と、制御部8とを備えている。
【0034】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板SをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2には、搬送中の基板Sを実装作業位置Mで停止させた状態で保持する保持機構が設けられている。また、一対のコンベア2は、基板Sの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0035】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、部品供給装置10が設けられている。部品供給部3の部品供給装置10は、それぞれ、後述する実装ヘッド42に対して部品31を供給するように構成されている。
【0036】
部品供給装置10は、図2に示すように、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持した部品供給テープ33が巻き付けられたリール34を保持している。部品供給装置10は、リール配置部11と、テープフィーダ12と、台車13とを含んでいる。リール配置部11は、基板Sに実装する部品31が保持された部品供給テープ33が巻き回されているリール34を複数支持することが可能である。テープフィーダ12は、リール配置部11に載置されたリール34の部品供給テープ33を部品供給位置32に向けて送り出すように構成されている。部品供給装置10のテープフィーダ12は、部品供給装置10のY方向の先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサ、抵抗、コネクタなどの電子部品を含む。台車13には、複数のリール配置部11と、複数のテープフィーダ12とが配置されている。なお、部品供給装置10の詳細な説明については、後述する。なお、テープフィーダ12は、請求の範囲の「フィーダ部」の一例である。また、台車13は、請求の範囲の「フィーダ配置部」の一例である。
【0037】
図1に示すように、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。
【0038】
実装ヘッド42は、部品供給装置10から供給される部品31を基板Sに実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド42は、部品供給部3により供給される部品31を吸着して、実装作業位置Mに配置された基板Sに対して吸着した部品31を装着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、部品供給装置10から供給される部品31を吸着して保持し、基板Sにおける実装位置に部品31を装着(実装)するように構成されている。
【0039】
基板認識カメラ43は、基板Sの位置および姿勢を認識するために、基板SのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Sにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。
【0040】
支持部5は、モータ51を含んでいる。支持部5は、モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0041】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、モータ61を含んでいる。レール部6は、モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4は水平方向(XY方向)に移動可能である。
【0042】
部品認識撮像部7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識撮像部7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。
【0043】
制御部8は、CPU、メモリを含んでおり、一対のコンベア2による基板Sの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、部品認識撮像部7および基板認識カメラ43による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部8は、テープフィーダ12の制御部(図示せず)と通信可能に構成されている。制御部8は、複数のテープフィーダ12の各々の制御部と連携して、実装動作を制御するように構成されている。
【0044】
(部品供給装置の構成)
図2図15を参照して、本発明の実施形態による部品供給装置10の構成について説明する。
【0045】
図2に示すように、部品供給装置10は、リール配置部11と、テープフィーダ12と、台車13とを備えている。リール配置部11は、第1リール配置部111と、第2リール配置部112とを含んでいる。リール配置部11には、複数のリール34が配置されるように構成されている。具体的には、リール配置部11の第1リール配置部111は、テープフィーダ12に部品供給テープ33を先に供給するリール34が配置されるように構成されている。また、リール配置部11の第2リール配置部112は、第1リール配置部111に配置されたリール34に続いてテープフィーダ12に部品供給テープ33を供給するリール34が配置されるように構成されている。リール配置部11に配置されるリール34は、たとえば、比較的直径が大きい大径リールである。リール34の直径は、13インチ以上である。リール34の直径は、たとえば、13インチ、15インチまたは17インチである。リール34に巻き回される部品供給テープ33の幅は、たとえば、4mm、8mm、12mmまたは16mm等である。また、部品供給テープ33の幅は、さらに広い72mmまたは104mm等のテープもあり得る。
【0046】
テープフィーダ12は、自動で部品供給テープ33をローディング可能なフィーダである。つまり、テープフィーダ12は、第1リール配置部111に配置されたリール34の部品供給テープ33が終了した場合、第2リール配置部112に配置されたリール34から部品供給テープ33が供給されるように自動的に切り替えて、部品31の供給が継続されるように構成されている。テープフィーダ12は、挿入側スプロケット121と、中間スプロケット122と、供給スプロケット123とを含んでいる。
【0047】
すなわち、第2リール配置部112に配置されたリール34に巻かれた部品供給テープ33の先端部はテープフィーダ12の挿入口から差し込まれて挿入側スプロケット121の歯にその送り孔が嵌合した状態で待機している。その状態で、第1リール配置部111のリール34から繰り出されている部品供給テープ33が供給する部品31の無しが検出されると、挿入側スプロケット121が回転を開始して後続の部品供給テープ33が下流方向に送られ自動ローディングが開始される。挿入側スプロケット121は挿入された部品供給テープ33を自動的に部品供給位置32に搬送するテープ装填装置であるとすることができる。テープフィーダ12の挿入口から挿入される部品供給テープ33は下方から支持部材上に載置され支持された状態で挿入側スプロケット121の歯に下方から嵌合した状態となっている。下流方向には中間スプロケット122および供給スプロケット123が配置されている。部品供給テープ33は、これらのスプロケット(中間スプロケット122および供給スプロケット123)に嵌合してこれらのスプロケットの回転により上流から下流方向に送られる。下流のスプロケット(中間スプロケット122および供給スプロケット123)に部品供給テープ33が送られる状態になったら、挿入側スプロケット121の駆動源は回転を停止してもよいが、供給スプロケット123と同期して回転してもよい。挿入側スプロケット121の駆動源が回転を停止する場合には、挿入側スプロケット121のテープ送り方向への回転のみを許容するワンウェイクラッチが装備されていればよい。部品供給位置32は、供給スプロケット123の近傍に設けるのが好ましい。なお、中間スプロケット122は設けなくてもよい。なお、部品供給テープ33のカバーテープから収納部の上方を露出させる露出機構は、挿入側スプロケット121と供給スプロケット123の間のいずれかの位置に配置されている。部品供給テープ33の自動ローディングにより最初の部品31が部品供給位置32に達した後は、供給スプロケット123が間歇的に部品供給テープ33を送り部品31の供給が行われる。また、間歇的に停止する毎に実装ヘッド42により部品供給位置32において部品31の取出しが行われる。供給スプロケット123は部品31の供給のために部品供給テープ33を搬送する部品供給搬送装置であるとすることができる。
【0048】
このように供給スプロケット123に部品供給テープ33が嵌合して部品供給が行われる状態で、その時点で第2リール配置部112のリール34を第1リール配置部111に移して、新たな後続の部品供給テープ33のリール34を第2リール配置部112に配置して、テープフィーダ12の挿入口からこの後続の部品供給テープ33を挿入するプリセットを行うことができる。挿入した部品供給テープ33は上述するように挿入側スプロケット121の駆動により下流に移動可能な状態で待機するが、この状態では挿入側スプロケット121は回転を停止している。また、後続の部品供給テープ33を挿入側スプロケット121に嵌合する位置に挿入する前に先行の部品供給テープ33は上述の図示しない支持部材の支持が外され挿入側スプロケット121から下方に離れた状態となっている。先行の部品供給テープ33は、挿入側スプロケット121から外れていても供給スプロケット123の駆動により間歇的に送られ部品31の供給が行われる。
【0049】
つまり、第1リール配置部111に配置されたリール34の部品供給テープ33が終了し、第2リール配置部112に配置されたリール34から部品供給テープ33が供給されるように自動的に切り替えられた場合、作業者により、第1リール配置部111から空のリール34が取り出される。そして、第2リール配置部112において部品31を供給しているリール34が、第2リール配置部112から第1リール配置部111に移動される。また、第2リール配置部112に、さらに後続のリール34がセットされる。第1リール配置部111のリール34からの部品31の供給が終了する度に上記のようなリール交換作業を繰り返すことにより、部品31の供給を切らすことなく、継続して部品31を供給することが可能である。また、上記のようなリール交換作業は、第2リール配置部112に配置されたリール34の部品31が切れるまでの間であれば、作業者の都合の良いタイミングで行うことができるので、作業者のリール交換作業の手間が増大するのを抑制することが可能である。
【0050】
台車13には、複数のリール配置部11と、複数のテープフィーダ12とを配置することが可能である。台車13は、リール34を保持するリール保持部131と、リール保持部131に設けられた支持部132と、テープ箱133と、配置部134と、を含んでいる。支持部132は、図2に示すように、支持部132aと、132bと、132cとを含んでいる。支持部132は、複数のリール34が配列される方向(X方向)に延びるように形成されている。また、支持部132は、リール34を回転可能に支持するように構成されている。支持部132は、回転可能なローラを含んでいる。つまり、リール34は、支持部132により外周部が支持されるように構成されている。つまり、リール34の外周に回転可能なローラ(支持部132)が当接するように構成されている。支持部132aは、Y2方向の下方に配置されている。支持部132bは、支持部132aに対してY1方向に配置されている。支持部132cは、支持部132bに対してY1方向の上方に配置されている。台車13は、キャスタが設けられており、複数のテープフィーダ12を保持した状態で、部品実装装置100に対して移動可能に構成されている。なお、支持部132は、請求の範囲の「第2支持部」の一例である。
【0051】
配置部134には、テープフィーダ12が着脱可能に配置されている。つまり、複数のテープフィーダ12の各々は、台車13に対して、着脱することが可能である。これにより、供給する部品31のリール34に応じたテープフィーダ12を台車13に配置することが可能である。
【0052】
リール配置部11は、第1リール配置部111が台車13の支持部132に支持されるように構成されている。また、リール配置部11は、第2リール配置部112が第1リール配置部111により移動可能に支持されるように構成されている。つまり、リール配置部11は、台車13の支持部132に引掛けられて設置される。また、第1リール配置部111は、テープフィーダ12が配置される台車13に設けられリール34が保持されるリール保持部131に配置される。また、第1リール配置部111に配置されたリール34は、台車13のリール保持部131に設けられた支持部132により外周部が支持されるように構成されている。
【0053】
上記の構造により、リール配置部11は、台車13に対して着脱自在であり、リール配置部11がない状態でもリール34を支持部132に支持させて載置させることができる。また、上記の構造により、テープフィーダ12は台車13に対して着脱可能である。したがって、図2に示すような2つのリール34を用いて一方を待機させて先行する部品供給テープ33が部品切れ時に待機させた後続の部品供給テープ33を自動的にローディングさせるようなテープフィーダ12を、台車13に配置することが可能である。また、待機するリール34を用いずに1つのリール34のみを用いて部品供給テープ33に収納された部品31を供給するテープフィーダを台車13に配置することも可能である。この場合、リール配置部11を外して台車13にリール34を載置させることができる。ただし、リール配置部11を台車13に取り付けたままでも1つのリール34のみを用いるテープフィーダ12を台車13に配置して使用することもできる。また、台車13には、図1に示すように、複数のテープフィーダをX方向に並べておくことができる。そこで、台車13に、図2に示す2つのリール34を使用するテープフィーダ12と、1つのリール34のみを使用するテープフィーダと、を混在させて配置することもできる。この場合、図2に示すテープフィーダ12を載置する個所だけにリール配置部11を置くことで対応することができる。
【0054】
テープ箱133は、リール配置部11の下方に配置されている。また、テープ箱133は、手前方向(部品実装装置100から遠ざかる方向)に引き出すことが可能に構成されている。また、テープ箱133には、部品31を供給し終えた部品供給テープ33が収容されるように構成されている。つまり、テープ箱133は、リール配置部11に干渉することなく手前に引き出すことが可能であり、引き出した状態で、中の部品供給テープ33を取り出して処分することが可能である。
【0055】
また、リール配置部11は、テープフィーダ12が配置される台車13に設けられリール34が保持されるリール保持部131に対して着脱可能に構成されている。つまり、リール34の大きさや、使用頻度に応じて、リール配置部11を台車13から取り外すことが可能である。また、第1リール配置部111は、リール34からテープフィーダ12に部品供給テープ33が供給されている場合に、テープフィーダ12に対する位置が変えられないように構成されている。つまり、第1リール配置部111は、部品実装装置100に部品31を供給している場合は、移動しないように構成されている。
【0056】
部品供給テープ33は、キャリアテープと、カバーテープとを含む。キャリアテープには、部品31が収納された収納部と、テープフィーダ12のスプロケットに係合する係合穴とが設けられている。収納部は、部品31のサイズよりも大きい空間を有している。収納部の上方は、カバーテープにより覆われている。部品供給時には、露出機構によりカバーテープが切り開かれて、収納部の上方が露出される。これにより、部品供給位置32において、部品31を収納部から実装ヘッド42により取り出すことが可能である。なお、露出機構は、カバーテープを切開する態様のみでなく、カバーテープの収納部における片側のみを剥離して露出させる態様でもよい。
【0057】
図3および図4に示すように、リール配置部11の第1リール配置部111は、一対の第1板状部材1111と、ガイド部1112と、連結部1113とを含んでいる。ガイド部1112は、水平ガイド部1112aと、位置決部1112bと、回動ガイド部1112cとを有している。リール配置部11の第2リール配置部112は、一対の第2板状部材1121と、支持部1122(1122a、1122bおよび1122c)と、被ガイド部材1123と、連結部材1124と、連結部1125とを含んでいる。なお、支持部1122は、請求の範囲の「第1支持部」の一例である。
【0058】
なお、支持部1122および連結部1125は、一対の第2板状部材1121の間隔を一定にするために一対の第2板状部材1121間を繋げる一体の形状である。また、支持部1122上に載置されるリール34からは部品供給テープ33が繰り出されテープフィーダ12に挿入されている。このため、リール34を図2等における左側に移動させて、支持部1122の下方を通して第1リール配置部111に移そうとしても部品供給テープ33が支持部1122上に残ってしまうため移動させることはできない。
【0059】
第1リール配置部111の一対の第1板状部材1111は、リール34の回転軸線方向(X方向)に対向するように配置されている。第2リール配置部112の一対の第2板状部材1121は、リール34の回転軸線方向に対向するように配置されている。一対の第2板状部材1121は、一対の第1板状部材1111の内側に配置されている。
【0060】
一対の第1板状部材1111は、複数の連結部1113により所定の間隔を隔てて連結されている。一対の第2板状部材1121は、支持部1122a、1122b、1122cおよび連結部1125により所定の間隔を隔てて連結されている。第2板状部材1121は、図4および図5に示すように、2つの被ガイド部材1123が第1板状部材1111のガイド部1112に挿入された状態で、連結部材1124と第2板状部材1121とが連結されている。これにより、第2板状部材1121が第1板状部材1111に対して移動可能に支持される。また、支持部1122は、リール34を回転可能に支持するように構成されている。支持部1122は、回転可能なローラを含んでいる。
【0061】
一対の第2板状部材1121は、支持部1122を挟み込むように保持するとともに、一対の第1板状部材1111に対して、第1板状部材1111が延びる方向に沿って移動可能に構成されている。
【0062】
第1板状部材1111のガイド部1112は、一対の第1板状部材1111に対する一対の第2板状部材1121の移動をガイドする。具体的には、ガイド部1112は、第1板状部材1111に設けられた長穴を含む。つまり、第2板状部材1121は、長穴に沿ってガイドされて、第1板状部材1111に対して移動可能である。また、第2リール配置部112は、ガイド部1112に対して少なくも2つの被ガイド部材1123が案内されることにより、第1リール配置部111に対して水平移動および回動移動可能に構成されている。
【0063】
ガイド部1112の水平ガイド部1112aは、第2板状部材1121の水平方向(Y方向)の移動をガイドする。この場合、2つの被ガイド部材1123の両方が、ともに、水平ガイド部1112a内に位置することにより、第2板状部材1121の水平方向の姿勢が維持される。
【0064】
ガイド部1112の位置決部1112bは、第2板状部材1121を通常運転時の位置に位置決めするように構成されている。具体的には、位置決部1112bは、水平ガイド部1112aの途中に設けられており、下方にくぼむように形成されている。これにより、Y2方向側の被ガイド部材1123が位置決部1112bに嵌り込むことにより、第2板状部材1121が位置決めされる。第2板状部材1121の位置決めを解除する場合は、第2板状部材1121を上方向に持ち上げることにより被ガイド部材1123が位置決部1112bから出る。これにより、第2板状部材1121を水平ガイド部1112aに沿って移動させることが可能となる。
【0065】
ガイド部1112の回動ガイド部1112cは、第2板状部材1121の上下方向の回動をガイドする。この場合、Y2方向側の被ガイド部材1123が回動ガイド部1112c内に位置し、Y1方向側の被ガイド部材1123は、位置決部1112bよりもY1方向側の水平ガイド部1112a内に配置される。
【0066】
第2板状部材1121は、第1板状部材1111よりも厚みが小さくなるように形成されている。具体的には、第1板状部材1111は、t1の厚みを有している。たとえば、第1板状部材1111は、ステンレスなどの金属材料により形成され、約1.2mmの厚みを有している。第2板状部材1121は、t2(ただし、t2<t1)の厚みを有している。たとえば、第2板状部材1121は、ステンレスなどの金属材料により形成され、約0.8mmの厚みを有している。つまり、第2板状部材1121は、第1板状部材1111よりも撓みやすく形成されている。また、第1板状部材1111は、第2板状部材1121よりも機械的強度が大きくなるように形成されている。また、第1板状部材1111および第2板状部材1121は、板金加工により形成されている。
【0067】
また、図6に示すように、一対の第2板状部材1121は、テープフィーダ12側の端部(Y1方向側の端部)の間隔よりもテープフィーダ12と遠い側の端部(Y2方向側の端部)の間隔の方が大きくなるように構成されている。具体的には、Y1方向側に配置された支持部1122aのX方向の幅はd1であり、Y2方向側に配置された支持部1122cのX方向の幅はd2(ただし、d2>d1)である。これにより、一対の第2板状部材1121は、Y2方向側の間隔が大きくなる。
【0068】
図7に示すように、リール配置部11をX方向に並べて配置した場合に、リール34の交換などでアクセスしたいリール配置部11の両側(X1方向側およびX2方向側)の第2板状部材1121を外側に広がるように撓ませることが可能である。つまり、第2板状部材1121の弾性を利用して、間に挟まれる領域を大きくすることが可能である。これにより、リール34の交換の際の空間を確保することができるので、リール34を回動軸線方向(X方向)に密接して配置することが可能である。
【0069】
リール配置部11は、支持部1122(1122a)とテープフィーダ12との間隔がリール34の直径以上となる位置に第2リール配置部112が位置した状態で、第2リール配置部112から第1リール配置部111にかけて、連続してリール34を案内することが可能なガイド側壁を、一対の第2板状部材1121および一対の第1板状部材1111により形成している。
【0070】
ここで、本実施形態では、第2リール配置部112は、テープフィーダ12に対する支持部1122(1122a)の位置を変更することによりテープフィーダ12と支持部1122(1122a)との間隔を変更可能に構成されている。また、支持部1122は、リール34の外周部を支持するように構成されている。
【0071】
具体的には、第2リール配置部112は、支持部1122(1122a)とテープフィーダ12との間隔(即ち、テープフィーダ12の構成部位および台車13の構成部位のうち、支持部1122aとの距離が最短となる間隔)がリール34の直径d0以上となる第1位置P1に、移動可能に構成されている。図14に示すように、第2リール配置部112が第1位置P1に位置する場合に、支持部1122aと、テープフィーダ12との間隔は、d4(ただし、d4≧d0)である。また、第2リール配置部112は、支持部1122(1122a)とテープフィーダ12との間隔がリール34の直径d0未満となる第2位置P2にテープフィーダ12に対して移動可能に構成されている。図12に示すように、第2リール配置部112が第2位置P2に位置する場合に、支持部1122aと、テープフィーダ12との間隔は、d3(ただし、d3<d0)である。
【0072】
また、図15に示すように、第2リール配置部112に配置されたリール34は、テープフィーダ12に部品供給テープ33を供給している状態で、かつ、第2リール配置部112が第1位置P1に配置されている状態で、支持部1122(1122a)とテープフィーダ12との間を通過して、第1リール配置部111に移動可能に構成されている。なお、図15に示す状態では、部品供給テープ33は挿入側スプロケット121からは下方に外れており、中間スプロケット122および供給スプロケット123のみによって間歇的に搬送され部品31の供給が行なわれている。
【0073】
また、図8図11に示すように、第2リール配置部112は、リール34の回転軸線方向に垂直な面(YZ平面)に沿って、第1リール配置部111に対して移動可能に構成されている。つまり、リール34の回転軸線方向(X方向)に複数のリール34を並べて配置した場合でも、互いに干渉することなく第2リール配置部112を第1リール配置部111に対して移動させることが可能である。
【0074】
また、図12に示すように、第1リール配置部111に配置されたリール34は、第2リール配置部112の支持部1122(1122a)の下方を通って、第1リール配置部111から取り出すことが可能に構成されている。つまり、リール34の回転軸線方向(X方向)に複数のリール34を並べて配置した場合でも、隣接するリール配置部11に干渉することなく、第1リール配置部111からリール34を取り出すことが可能である。言い換えると、1つのリール配置部11について、幅方向(X方向)へのリール34の移動を必要とせず、Y方向およびZ方向にリール34を移動させることにより、リール34を交換することが可能である。
【0075】
また、図14に示すように、第2リール配置部112は、第1リール配置部111に対して下方向(Z2方向)に回動移動することにより、テープフィーダ12と支持部1122(1122a)との間隔が大きくなるように構成されている。具体的には、図12図14に示すように、第2リール配置部112は、第1リール配置部111に対して水平方向に沿ってテープフィーダ12に遠ざかる方向に移動して、第1リール配置部111に対して下方向に回動移動することにより、テープフィーダ12と支持部1122(1122a)との間隔が大きくなるように構成されている。
【0076】
また、第1リール配置部111および第2リール配置部112は、平面視において(Z方向に見て)、テープフィーダ12の部品供給位置32に対してオフセットした位置に配置されている。つまり、テープフィーダ12のY1方向側の下方には、リール34が配置されないように構成されている。これにより、テープ箱133の上方の空間を確保することが可能である。
【0077】
図8に示すように、リール配置部11は、部品実装装置100の通常運転時には、一方の(Y2方向側の)被ガイド部材1123が、ガイド部1112の位置決部1112bに係合した位置に、第2リール配置部112が配置される。この状態では、支持部1122aと、支持部132aとの間隔がリール34の直径d0以上となる。この通常運転時のリール配置部11の位置では、先行するリール34が第1リール配置部111に配置され、後続のプリセットのリール34が第2リール配置部112に配置される基本の形である。この位置において、第1リール配置部111の部品31が切れた場合には、第1リール配置部111から空のリール34を手前に(Y2方向に)取り出す空間を確保することが可能である。また、この位置において、第2リール配置部112にプリセットのリール34を載置することが可能である。
【0078】
図9に示すように、リール配置部11は、第2リール配置部112を格納する場合、他方の(Y1方向側の)被ガイド部材1123が、ガイド部1112の水平ガイド部1112aのY1方向側端部に当接する位置に、第2リール配置部112が配置される。この状態では、支持部1122aと、支持部132aとの間隔がリール34の直径d0未満となる。当然、被ガイド部材1123をY2方向に移動させれば、支持部1122aと、支持部132aとの間隔をリール34の直径d0以上にすることは可能である。このリール配置部11の格納位置では、設備ライン間の通路に作業台などを通過させる場合など、一時的に手前(Y2方向側の)の空間を広げる必要がある場合に、第2リール配置部112が格納される位置である。図9に示す被ガイド部材1123の位置であっても、第2リール配置部112に配置されたリール34の部品供給テープ33のテープフィーダ12による送り動作は支障なく行うことが可能である。また、作業者の通行の妨げとならないようにしたりすることも可能である。また、未使用時に、第2リール配置部112を格納位置に収納してコンパクトにすることも可能である。ただし、この格納位置では、第2リール配置部112にプリセットのリール34をセットする場合に、部品供給テープ33を、テープフィーダ12にセットする作業スペースが小さくなる。このため、第2リール配置部112にリール34をプリセットする場合は、通常運転時の位置で行うことが好ましい。
【0079】
図10に示すように、リール配置部11は、第2リール配置部112を引き出す場合、一方の(Y2方向側の)被ガイド部材1123が、ガイド部1112の水平ガイド部1112aのY2方向側端部に当接する位置に、第2リール配置部112が配置される。
【0080】
図11に示すように、リール配置部11は、第2リール配置部112を回動させる場合、一方の(Y2方向側の)被ガイド部材1123が、ガイド部1112の回動ガイド部1112cに沿ってガイドされるように、第2リール配置部112が移動される。第2リール配置部112が下方に回動した状態において、Y2方向側に配置された支持部1122cは、リール34の中心よりもY2方向側に配置されている。この第2リール配置部112が下方に回動した位置では、第1リール配置部111から空のリール34を取り出した後、第2リール配置部112から第1リール配置部111にプリセットのリール34を移動させる際の空間(特に上方の空間)を確保するための位置である。第2リール配置部112を引出および回動させることにより、単に引き出すのみの場合に比べて、作業者の立ち位置をテープフィーダ12に近づけることが可能である。
【0081】
次に、図12図15を参照して、リール配置部11のリール34の交換について説明する。
【0082】
図12に示すように、第1リール配置部111のリール34の部品31(部品供給テープ33)が無くなると、第2リール配置部112にプリセットされたリール34から部品31(部品供給テープ33)が供給される。第2リール配置部112のリール34から部品31が供給されている状態で、第1リール配置部111から空のリール34が支持部1122aの下方を通って作業者により矢印の方向に取り出される。
【0083】
図13に示すように、第2リール配置部112がテープフィーダ12から遠ざかる方向(Y2方向)に引き出される。そして、図14に示すように、第2リール配置部112が下方に回動される。また、プリセットされた部品供給テープ33が、テープフィーダ12の先行するテープ位置に下げられる(テープ落としが行われる)。この状態で、第2リール配置部112の部品供給テープ33は、第2リール配置部112の移動によりある程度弛んでいるため、リール34を容易に移動させることが可能である。なお、弛みが小さい場合には、作業者により部品供給テープ33をリール34から引き出してもよい。
【0084】
図15に示すように、第2リール配置部112から第1リール配置部111にリール34が移動される。この際、部品31(部品供給テープ33)のテープフィーダ12への供給は継続して行われている状態である。また、リール34は、支持部1122aとテープフィーダ12との間を通って移動される。その後、図2に示すように、第2リール配置部112が通常運転時の位置に移動される。そして、第2リール配置部112に後続するプリセットのリール34が配置される。
【0085】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0086】
本実施形態では、上記のように、第2リール配置部112の支持部1122によりリール34の外周部を支持することができるので、リール34の回転軸を支持する必要がない。このため、リール34を移動させる場合に、回転軸線方向(X方向)に回転軸を抜き差しして移動させる必要がない。これにより、リール34の回転軸線方向にみて、交換するリール34の回転軸を隣接するリール34と重ならない位置まで大きく移動させて引き出す必要がない。すなわち、テープフィーダ12との間でリール34を移動させることが可能な間隔分だけリール配置部11(第2リール配置部112)をテープフィーダ12に対して移動させればよい。その結果、第2リール配置部112を大きく移動させるための領域を確保する必要がないので、部品供給テープ33が巻き回されているリール34を複数支持することが可能なリール配置部11のために確保する領域が大きくなるのを抑制することができる。また、テープフィーダ12に対する支持部1122の位置を変更することによりテープフィーダ12と支持部1122(1122a)との間隔を大きくすることができるので、テープフィーダ12に干渉することなく第2リール配置部112からリール34を容易に移動させることができる。また、リール34を交換しない場合には、テープフィーダ12と支持部1122との間隔を小さくするようにして、第2リール配置部112をテープフィーダ12に近づけることができるので、リール配置部11の配置領域を小さくすることができる。
【0087】
また、本実施形態では、上記のように、第2リール配置部112を、支持部1122(1122a)とテープフィーダ12との間隔がリール34の直径以上となる第1位置P1と、支持部1122(1122a)とテープフィーダ12との間隔がリール34の直径未満となる第2位置P2と、にテープフィーダ12に対して移動可能に構成する。これにより、第2リール配置部112を第1位置P1とした状態において、第2リール配置部112のリール34をテープフィーダ12と支持部1122(1122a)との間を通して移動させることができる。また、第2リール配置部112を第2位置P2とした状態では、第2リール配置部112をテープフィーダ12に近づけることができるので、リール配置部11の配置領域を効果的に小さくすることができる。
【0088】
また、本実施形態では、上記のように、第2リール配置部112に配置されたリール34は、テープフィーダ12に部品供給テープ33を供給している状態で、かつ、第2リール配置部112が第1位置P1に配置されている状態で、支持部1122(1122a)とテープフィーダ12との間を通過して、第1リール配置部111に移動可能に構成されている。これにより、第2リール配置部112に配置されたリール34を、テープフィーダ12に部品供給テープ33を供給した状態を維持しながら、第1リール配置部111に容易に移動させることができる。その結果、リール配置部11に配置されたリール34をより容易に交換することができる。
【0089】
また、本実施形態では、上記のように、第2リール配置部112を、リール34の回転軸線方向に垂直な面に沿って、第1リール配置部111に対して移動可能に構成する。これにより、リール34の回転軸線方向に垂直な面に沿ってリールを移動させることにより、リール34の交換を行うことができるので、リール34の回転軸線方向にリール配置部11や回転軸を移動させる必要がない。これにより、回転軸線方向にリール34が隣接している場合でも、リール34を容易に移動させることができる。
【0090】
また、本実施形態では、上記のように、第2リール配置部112を、第1リール配置部111に対して下方向(Z2方向)に回動移動することにより、テープフィーダ12と支持部1122(1122a)との間隔が大きくなるように構成する。これにより、第2リール配置部112をテープフィーダ12と離す水平方向に移動させる場合と異なり、水平方向の移動範囲を小さくすることができるので、部品供給装置10のために確保するスペースが大きくなるのを抑制することができる。
【0091】
また、本実施形態では、上記のように、第2リール配置部112を、第1リール配置部111に対して水平方向に沿ってテープフィーダ12に遠ざかる方向に移動して、第1リール配置部111に対して下方向に回動移動することにより、テープフィーダ12と支持部1122(1122a)との間隔が大きくなるように構成する。これにより、第2リール配置部112を水平方向と下方向への回動移動とを組み合わせて移動させることにより、テープフィーダ12と支持部1122(1122a)との間隔を効果的に大きくすることができる。また、テープフィーダ12から第2リール配置部112を遠ざけることにより、部品供給テープ33をリール34から引き出すことができる。これにより、リール34を移動させる際に、部品供給テープ33を弛ませることができるので、リール34をより容易に移動させることができる。
【0092】
また、本実施形態では、上記のように、第1リール配置部111に配置されたリール34は、第2リール配置部112の支持部1122(1122a)の下方を通って、第1リール配置部111から取り出すことが可能に構成されている。これにより、第1リール配置部111に配置されて先行して部品供給テープ33を供給したリール34を、第2リール配置部112の下方から取り出すことができるので、第2リール配置部112のリール34に干渉することなく、第1リール配置部111のリール34を取り出すことができる。
【0093】
また、本実施形態では、上記のように、第1リール配置部111を、リール34からテープフィーダ12に部品供給テープ33が供給されている場合に、テープフィーダ12に対する位置が変えられないように構成する。これにより、第1リール配置部111を部品供給テープ33供給時に移動させるための機構を設ける必要がないので、リール配置部11の構成が複雑になるのを抑制することができる。
【0094】
また、本実施形態では、上記のように、第1リール配置部111に配置されたリール34は、台車13のリール保持部131に設けられた支持部132により外周部が支持されるように構成されている。これにより、台車13のリール保持部131に設けられた支持部132を利用して、第1リール配置部111のリール34の外周部を支持することができるので、第1リール配置部111にリール34の外周部を支持する部材を別途設ける必要がない。
【0095】
また、本実施形態では、上記のように、リール配置部11を、第1リール配置部111が台車13の支持部132に支持されるとともに、第2リール配置部112が第1リール配置部111により移動可能に支持されるように構成する。これにより、台車13のリール保持部131に設けられた支持部132を利用して、第1リール配置部111および第2リール配置部112を支持することができるので、第1リール配置部111を支持するための部材を別途設ける必要がない。
【0096】
また、本実施形態では、上記のように、第1リール配置部111は、リール34の回転軸線方向(X方向)に対向するように配置された一対の第1板状部材1111を含み、第2リール配置部112は、リール34の回転軸線方向に対向するように配置された一対の第2板状部材1121を含む。一対の第2板状部材1121は、支持部1122を挟み込むように保持するとともに、一対の第1板状部材1111に対して、第1板状部材1111が延びる方向に沿って移動可能に構成されている。これにより、一対の第1板状部材1111および第2板状部材1121により、回転軸線方向(X方向)に隣接するリール34同士を仕切りながら、第1リール配置部111および第2リール配置部112によりリール34を保持することができる。また、第2板状部材1121を第1板状部材1111に沿ってスライド移動させることができるので、第2リール配置部112を第1板状部材1111が延びる方向に容易に移動させることができる。
【0097】
また、本実施形態では、上記のように、リール配置部11に、支持部1122(1122a)とテープフィーダ12との間隔がリール34の直径以上となる位置に第2リール配置部112が位置した状態で、第2リール配置部112から第1リール配置部111にかけて、連続してリール34を案内することが可能なガイド側壁を、一対の第2板状部材1121および一対の第1板状部材1111により形成する。これにより、第2リール配置部112から第1リール配置部111にリール34を移動する場合に、一対の第2板状部材1121および一対の第1板状部材1111により、リール34を挟み込んだ状態を維持することができるので、リール34を第2リール配置部112から第1リール配置部111により容易に移動させることができる。
【0098】
また、本実施形態では、上記のように、一対の第1板状部材1111の少なくとも一方には、一対の第1板状部材1111に対する一対の第2板状部材1121の移動をガイドするガイド部1112を設ける。一対の第2板状部材1121は、ガイド部1112に沿って移動可能に構成されている。これにより、第2板状部材1121を第1板状部材1111のガイド部1112に沿って、容易に移動させることができる。
【0099】
また、本実施形態では、上記のように、ガイド部1112は、第1板状部材1111に設けられた長穴を含む。これにより、第2板状部材1121の移動可能な領域を長穴に沿って規定することができるので、第2板状部材1121が所定の範囲外の位置に移動されるのを抑制することができる。
【0100】
また、本実施形態では、上記のように、第2リール配置部112を、ガイド部1112に対して少なくも2つの被ガイド部材1123が案内されることにより、第1リール配置部111に対して水平移動および回動移動可能に構成する。これにより、2つ以上の被ガイド部材1123により安定して第2リール配置部112を支持することができる。また、第2リール配置部112を回動移動させる場合に、一方の被ガイド部材1123を支点として他方の被ガイド部材1123をガイドすることにより、第2リール配置部112を容易に回動移動させることができる。
【0101】
また、本実施形態では、上記のように、一対の第2板状部材1121を、テープフィーダ12側の端部の間隔よりもテープフィーダ12と遠い側の端部の間隔の方が大きくなるように構成する。これにより、テープフィーダ12と遠い側からリール34を入れやすくすることができるので、第2リール配置部112にリール34を容易に配置することができる。
【0102】
また、本実施形態では、上記のように、一対の第2板状部材1121を、一対の第1板状部材1111の内側に配置する。これにより、可動する第2板状部材1121を第1板状部材1111の内側に配置することができるので、リール34の回転軸線方向に隣接する他の部材に、第2板状部材1121の移動が干渉されるのを抑制することができる。
【0103】
また、本実施形態では、上記のように、第2板状部材1121を、第1板状部材1111よりも厚みが小さくなるように形成する。これにより、リール34の回転軸線方向における第2リール配置部112の幅が大きくなるのを抑制することができる。また、第2板状部材1121を撓み変形しやすくすることができるので、第2板状部材1121を撓ませて一対の第2板状部材1121の間隔を広げることにより、第2リール配置部112にリール34を容易に配置することができる。
【0104】
また、本実施形態では、上記のように、リール配置部11を、テープフィーダ12が配置される台車13に設けられリール34が保持されるリール保持部131に対して着脱可能に構成する。これにより、リール配置部11を使用しない場合にはリール配置部11を取り外して部品供給装置10を使用することができるので、取り外したリール配置部11の分だけ、部品供給装置10の配置領域を小さくすることができる。
【0105】
また、本実施形態では、上記のように、第1リール配置部111および第2リール配置部112を、平面視において(Z方向に見て)、テープフィーダ12の部品供給位置32に対してオフセットした位置に配置する。これにより、部品供給位置32の下方の領域を空けておくことができるので、使用済みの部品供給テープ33を収容する空間や、部品実装装置100の空間などの他のもののための空間を確保することができる。
【0106】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0107】
たとえば、上記実施形態では、リール配置部は、台車(フィーダ配置部)に取り付けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リール配置部をフィーダ部に直接取り付けてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、リール配置部が着脱可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リール配置部は、固定的に設けられていてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、一対の第1板状部材の両方に第2板状部材をガイドするガイド部が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、一対の第1板状部材の一方のみにガイド部を設けてもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、リール配置部に2つのリールを配置可能な構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リール配置部に3つ以上のリールを配置可能であってもよい。
【0111】
また、本発明では、第1支持部を第2リール配置部に対して移動させる構成にしてもよい。
【0112】
また、本発明では、テープフィーダの構造として、先行テープを下に落として後続テープを挿入側のスプロケットに嵌合させる機構のみでなく、挿入側スプロケットの上に先行テープを載置してテープの送り孔がスプロケットの歯に上側から嵌合してスプロケットの回転により下流に送るようにし、その先行テープの上にスプロケットの歯に嵌合していない状態で後続テープを重ねて載置して待機させ、先行テープが下流の供給スプロケットにより送られ続けられ、挿入側のスプロケットに先行テープが嵌合しない状態になったときに後続テープを挿入側のスプロケットに嵌合させて挿入側のスプロケットの駆動で自動ローディングをさせるような機構にしてもよい。このような場合にも、図3に示す構成と同様なリール配置部を採用して先行テープの自動ローディング後の後続テープのプリセットのためにリールの移動をさせることができる。
【符号の説明】
【0113】
10 部品供給装置
11 リール配置部
12 テープフィーダ(フィーダ部)
13 台車(フィーダ配置部)
31 部品
32 部品供給位置
33 部品供給テープ
34 リール
111 第1リール配置部
112 第2リール配置部
131 リール保持部
132 支持部(第2支持部)
1111 第1板状部材
1112 ガイド部
1121 第2板状部材
1122 支持部(第1支持部)
1123 被ガイド部材
P1 第1位置
P2 第2位置
S 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15