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特許7093894流体ゾーンを処理するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】流体ゾーンを処理するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 5/20 20060101AFI20220623BHJP
   G01P 13/00 20060101ALI20220623BHJP
   G01C 21/12 20060101ALI20220623BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20220623BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220623BHJP
【FI】
G01P5/20 F
G01P13/00 D
G01P13/00 E
G01C21/12
G05D1/00 A
G05D1/02 K
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021519806
(86)(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2018110236
(87)【国際公開番号】W WO2020077491
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】シャオ ジェン
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】瀬川 武彦 Takehiko SEGAWA,乱流制御の夢,夢の途中-I,日本流体力学会誌「ながれ」 第25巻 第2号 Journal of Japan Society of Fluid Mechanics,日本,社団法人日本流体力学会,第25巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む、少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に、
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信させ、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理させて、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供させる
ように構成されている、装置。
【請求項2】
前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する前記粒子から前記今後の流体ゾーン内の前記流れの前記大きさ及び方向を決定するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流れの前記決定された大きさ及び方向は、前記ボディからの前記粒子の距離及び前記粒子の速度を計算するために飛行時間カメラを使用して決定される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記粒子は、前記今後の流体ゾーンの少なくとも1つの撮影された画像内のオーブを識別することによって検出される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記今後の流体ゾーン内の前記流れの前記受信された決定された大きさ及び方向は、前記地面又は液体に対する前記ボディの移動する速度について修正されている、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記流体は、空気又は水を含む、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記粒子は、ほこり、砂、すす、スモッグ、波しぶき、雨粒、プランクトン、又は海洋微生物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記液体で支持されたボディは、前記液体中に沈んでいる、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記ボディに配置されているか、又は前記ボディに取り付けられている、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
前記ボディのナビゲーション制御の実行
のうちの少なくとも一方を行うように更に構成されている、請求項1から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は(ii)前記ボディのナビゲーション制御の実行のうちの少なくとも一方をユーザが行うのを可能にするために、前記流れの前記決定された大きさ及び方向、前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は前記ボディのナビゲーション制御のうちの少なくとも1つに関する、視覚情報、音声情報、又は触覚情報の提示をもたらすように更に構成されている、請求項1から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記視覚情報、音声情報、又は触覚情報は、拡張現実設定内で提示される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
(i)前記ボディの前記1つ以上の流体動的特性の変更、又は(ii)前記ボディのナビゲーション制御の実行のうちの少なくとも一方をコントローラが行うのを可能にするために、コンピュータ可読命令を該コントローラに提供するように更に構成されている、請求項1から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記地面で支持されたボディは車両のボディであり、前記液体で支持されたボディは船又は潜水艦のボディである、請求項1から13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信することと、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理して、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供することと、
を含む、コンピュータにより実装される方法。
【請求項16】
前記流れの前記決定された大きさ及び方向は、前記ボディからの前記粒子の距離及び前記粒子の速度を計算するために飛行時間カメラを使用して決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記粒子は、前記今後の流体ゾーンの少なくとも1つの撮影された画像内のオーブを識別することによって検出される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記今後の流体ゾーン内の前記流れの前記受信された決定された大きさ及び方向は、前記地面又は液体に対する前記ボディの移動する速度について修正されている、請求項15から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は(ii)前記ボディのナビゲーション制御の実行のうちの少なくとも一方をユーザが行うのを可能にするために、前記流れの前記決定された大きさ及び方向、前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は前記ボディのナビゲーション制御のうちの少なくとも1つに関する、視覚情報、音声情報、又は触覚情報の提示をもたらすようことを含む、請求項15から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記視覚情報、音声情報、又は触覚情報は、拡張現実設定内で提示される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記地面で支持されたボディは車両のボディであり、 前記液体で支持されたボディは船又は潜水艦のボディである、請求項15から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
装置の処理手段により実行されると、前記装置に、請求項15から21のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成される、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボディが移動している流体か、又はボディが移動し得る流体に関する情報を受信及び使用するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景】
【0002】
ボディが移動している流体か、又はボディが移動し得る流体に関する情報を有することは、有用であり得る。
【0003】
本明細書における、既に発行された文献や任意の背景についての記載や説明は、必ずしも、これらの文献や背景が従来技術の一部をなすか、又は共通の一般的な知見であると認識したものと見なされるべきではない。
【摘要】
【0004】
第1の態様によると、装置が提供される。該装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む、少なくとも1つのメモリとを備え、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信させ、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理させて、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供する
ように構成されている。
【0005】
前記装置は、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する前記粒子から前記今後の流体ゾーン内の前記流れの前記大きさ及び方向を決定するように更に構成され得る。
【0006】
前記流れの前記決定された大きさ及び方向は、前記ボディからの前記粒子の距離及び前記粒子の速度を計算するために飛行時間カメラを使用して決定され得る。前記粒子の前記速度は、ドップラー飛行時間計算を使用して計算され得る。
【0007】
前記粒子は、前記今後の流体ゾーンの少なくとも1つの撮影された画像内のオーブを識別することによって検出され得る。
【0008】
前記今後の流体ゾーン内の前記流れの前記決定された大きさ及び方向は、前記地面又は液体に対する前記ボディの移動する速度について修正され得る。
【0009】
前記粒子は、ほこり、砂、すす、スモッグ、波しぶき、雨粒、プランクトン、又は海洋微生物のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0010】
前記流体は、空気又は水を含み得る。
【0011】
前記液体で支持されたボディは、前記液体上で浮かび得る。前記液体で支持されたボディは、前記液体中に沈み得る。
【0012】
前記地面で支持されたボディは、乗用車両、非乗用車両、バイク、又は建設クレーンのうちの少なくとも1つであり得る。
【0013】
前記液体で支持されたボディは、ダイバー、潜水艦、又はボートのうちの少なくとも1つであり得る。
【0014】
前記装置は、前記ボディに配置され得るか、又は前記ボディに取り付けられ得る。
【0015】
前記装置は、(i)前記ボディの前記1つ以上の流体動的特性の変更、又は(ii)前記ボディのナビゲーション制御の実行のうちの少なくとも一方をコントローラが行うのを可能にするために、コンピュータ可読命令を該コントローラに提供するように更に構成され得る。
【0016】
前記装置は、前記ボディの1つ以上の流体動的特性を変更するように更に構成され得る。例えば、前記装置は、前記ボディの形状を変更するように構成され得る。前記装置は、前記ボディの表面を変更するように構成され得る。
【0017】
前記装置は、前記ボディのナビゲーション制御を実行するように更に構成され得る。例えば、前記装置は、操縦制御機能を実行するように構成され得る。
【0018】
前記装置は、(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は(ii)前記ボディのナビゲーション制御の実行のうちの少なくとも一方をユーザが行うのを可能にするために、前記流れの前記決定された大きさ及び方向、前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は前記ボディのナビゲーション制御のうちの少なくとも1つに関する、視覚情報、音声情報、又は触覚情報の提示をもたらすように更に構成され得る。
【0019】
前記視覚情報、音声情報、又は触覚情報は、拡張現実設定内で提示され得る。
【0020】
第2の態様では、装置が提供される。該装置は、
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信することと、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理して、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供することと、
を実行するための手段を備える
【0021】
第3の態様では、システムが提供される。該システムは、
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信し、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理して、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供する
ように構成されている。
【0022】
前記システムは、前記第1の態様の装置によって実行可能なステップの各々を実行するように更に構成され得る。異なるステップが、前記システムの異なる装置によって実行され得ることが理解されるであろう。
【0023】
第4の態様では、コンピュータにより実装される方法が提供される。該コンピュータにより実装される方法は、
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信することと、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理して、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供することと、
を含む。
【0024】
前記方法は、前記第1の態様の装置によって実行可能な前記ステップのいずれかを実行することを更に含み得る。
【0025】
本明細書に開示される任意の方法の前記ステップは、明示されるか、又は当業者によって理解されない限り、開示されたとおりの順序で実行される必要はない。
【0026】
本明細書に開示される前記方法の1つ以上のステップを実施するための対応するコンピュータプログラムもまた本開示内にあり、記載された例のうちの1つ以上に包含される。
【0027】
例えば、第5の態様では、コンピュータプログラムが提供される。該コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、装置又はシステムに、
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信させ、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理させて、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供する
ように構成されている。
【0028】
前記コンピュータプログラムのうちの1つ以上は、コンピュータ上で実行されると、該コンピュータに、本明細書に開示されるバッテリー、回路、コントローラ、又はデバイスを含む、任意の装置を構成させ得るか、又は本明細書に開示される任意の方法を実行させ得る。前記コンピュータプログラムのうちの1つ以上は、ソフトウェア実装であり得る。前記コンピュータは、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、及び読み取り専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory:EPROM)、又は電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory:EEPROM)における実装を非限定的な例として含む、任意の適切なハードウェアと考えられ得る。前記ソフトウェアは、アセンブリプログラムであり得る。
【0029】
前記コンピュータプログラムのうちの1つ以上は、ディスクやメモリデバイスなどの物理コンピュータ可読媒体であり得るか、非一時的媒体であり得るか、又は過渡信号として具現化され得る、コンピュータ可読媒体上で提供され得る。該過渡信号は、インターネットダウンロードを含むネットワークダウンロードであり得る。
【0030】
例えば、第6の態様では、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。該コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、装置又はシステムに、
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信させ、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理させて、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供する
ように構成されている。
【0031】
本開示は、分離して又は様々な組み合わせで、その組み合わせで又は分離して具体的に述べられているかどうか(特許請求されていることを含む)に関わらず、1つ以上の対応する態様、例、又は特徴を含む。説明されている機能のうちの1つ以上を実行するための対応する手段もまた、本開示内にある。
【0032】
上記摘要は、単に例示であり非限定的であるように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
ここで、いくつかの例示的な実施形態が、添付図面を参照して記載される。
図1】本開示に係る例示的な装置を示す。
図2】本開示に係る別の例示的な装置を示す。
図3】本開示に係る更なる例示的な装置を示す。
図4a】本開示に係るボディについての今後の流体ゾーンの例を概略的に示す。
図4b】本開示に係るボディについての今後の流体ゾーンの別の例を概略的に示す。
図5】本開示の一実施形態に係る流体の流れの大きさ及び方向を決定するために使用される測定システムを概略的に示す。
図6】本開示に係るボディの1つ以上の流体動的特性の変更をもたらすために使用され得る装置の例を概略的に示す。
図7a】本開示に係るボディの1つ以上の流体動的特性の変更をもたらすために使用され得る装置の例を示す。
図7b】本開示に係るボディの1つ以上の流体動的特性の変更をもたらすために使用され得る装置の例を示す。
図7c】本開示に係るボディの1つ以上の流体動的特性の変更をもたらすために使用され得る装置の例を示す。
図7d】本開示に係るボディの1つ以上の流体動的特性の変更をもたらすために使用され得る装置の例を示す。
図7e】本開示に係るボディの1つ以上の流体動的特性の変更をもたらすために使用され得る装置の例を示す。
図7f図7c~図7eに示される装置を本開示に係るボディに適用した例を示す。
図7g図7c~図7eに示される装置を本開示に係るボディに適用した例を示す。
図8】本明細書に記載される方法の主要なステップを概略的に示す。
図9図8の方法を実行、制御、又は可能にするように構成されたコンピュータプログラムを含む、例示的なコンピュータ可読媒体を示す。
【詳細説明】
【0034】
図1は、プロセッサ110と、メモリ120と、入力Iと、出力Oと、を備える装置100を示す。この例では、1つのプロセッサ及び1つのメモリのみが示されているが、他の例では、複数のプロセッサ及び/又は複数のメモリ(例えば、同じ又は異なるプロセッサ/メモリタイプ)を利用し得ることが理解されるであろう。装置100は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)であり得るか、又はそれを備え得る。装置100は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)であり得るか、又はそれを備え得る。装置100は、デバイスについてのモジュール、デバイスについての回路構成であり得るか、又はデバイス自体であり得る。プロセッサ110は、汎用中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)であり、メモリ120は、1つ以上のメモリユニットを備える。これに代えて、又はこれに加えて、装置100は、1つ以上のグラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit:GPU)、ニューラルネットワーク処理ユニット(Neural Network Processing Unit:NPU)、及び/又は人工知能(Artificial Intelligence:AI)アクセラレータを備え得る。
【0035】
入力Iは、別の構成要素からの装置100へのシグナリングの受信を可能にする。この例では、入力I及び出力Oは、別の構成要素への装置100の接続を可能にする接続バスの一部である。プロセッサ110は、メモリ120上に1つ以上のコンピュータプログラムコードの形態で記憶された命令に従う、入力Iを介して受信される情報の実行/処理専用である。プロセッサ110からそのような動作によって生成される出力シグナリングは、出力Oを介して別の構成要素に向けて提供される。
【0036】
メモリ120ユニットは、コンピュータプログラムコードを記憶する(ソリッドステートメモリ、ハードドライブ、ROM(読み取り専用メモリ)、ランダムアクセスメモリ(Random-Access Memory:RAM)、フラッシュ、又は他のメモリなどの)コンピュータ可読媒体である。このコンピュータプログラムコードは、該プログラムコードがプロセッサ110上で実行されるときに、プロセッサ110によって実行可能な命令を記憶する。メモリ120とプロセッサ110との間の内部接続は、プロセッサ110がメモリ120に記憶された1つ以上のコンピュータプログラムコードにアクセスすることを可能にするように、プロセッサ110とメモリ120との間のアクティブな接続を提供することが理解され得る。
【0037】
この例では、入力I、出力O、プロセッサ110、及びメモリ120は、ASICとして互いに近接して配置され得る、それぞれの構成要素I、O、110、120間の通信を可能にするように電気的に内部で接続されている。このように、構成要素I、O、110、120は、電子デバイスにおける組み込みのために、単一のチップ/回路/回路構成で集積され得る。他の例では、構成要素のうちの1つ以上又はすべては、(例えば、デバイス200、300などのポータブル電子デバイスを通じて、あるいは「クラウド」などのネットワーク内で)別々に配置され得、及び/又は他の機能を提供/サポートし得る。
【0038】
装置100の1つ以上の例は、図2のような別の装置についての構成要素として使用され得る。図2は、別々の構成要素において装置100の機能を組み込む装置100の変形例を示す。他の例では、デバイス200は、携帯電話やPDA又はオーディオ/ビデオプレーヤなどについての(任意選択の破線ボックスによって示されている)モジュールとして装置100を備え得る。これらのモジュール、装置、又はデバイスは、好適に構成されたメモリ120及びプロセッサ110だけを備え得る。
【0039】
例示的な装置/デバイス200は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、e-Ink、又は(タブレットPCのような)タッチスクリーンユーザインターフェースなどのディスプレイ240を備える。デバイス200は、データを受信し、データを含み、及び/又は他の方法でデータにアクセスし得るように構成されている。例えば、デバイス200は、無線ネットワーク及び/又はポート(図示せず)への接続のために1つ以上のアンテナ260と通信する(受信機、送信機、及び/又は送受信機などの)1つ以上の通信ユニット250を備える。デバイス200は、1つ以上のアンテナ260又はユーザインターフェース230を介して受信され得るデータを記憶するための1つ以上のメモリユニット220を備える。プロセッサ210は、ユーザインターフェース230から、1つ以上のメモリユニット220から、又は1つ以上の通信ユニット250からデータを受信し得る。データは、ディスプレイデバイス240、及び/又は装置に設けられた任意の他の出力デバイスを介して、デバイス200のユーザに出力され得る。プロセッサ210はまた、1つ以上のメモリユニット220に、後のユーザのためにデータを記憶し得る。デバイスは、通信バス280を介して接続された構成要素を含む。
【0040】
1つ以上の通信ユニット250は、例えば、ネットワークへの物理的な接続を受け入れるために無線ネットワーク及び/又はポート(図示せず)に接続するために1つ以上のアンテナ260と通信する、受信機、送信機、及び/又は送受信機であり得、その結果、データは、1つ以上のタイプのネットワークを介して受信され得る。通信(又はデータ)バス280は、プロセッサ210と1つ以上のメモリユニット(又は記憶媒体)220との間のアクティブな接続を提供して、プロセッサ210が、1つ以上のメモリユニット220に記憶されたコンピュータプログラムコードにアクセスすることを可能にし得る。
【0041】
1つ以上のメモリユニット220は、装置100のメモリ120と同じようにコンピュータプログラムコードを含むが、他のデータも含み得る。プロセッサ210は、ユーザインターフェース230から、1つ以上のメモリユニット220から、又は1つ以上の通信ユニット250からデータを受信し得る。データの出所に関わらず、これらのデータは、ディスプレイデバイス240、及び/又は装置に設けられた任意の他の出力デバイスを介して、デバイス200のユーザに出力され得る。プロセッサ210はまた、1つ以上のメモリユニット220に、後のユーザのためにデータを記憶し得る。
【0042】
図3に示されるデバイス/装置300は、タブレットパーソナルコンピュータ、ポータブル電子デバイス、ポータブルテレコミュニケーションデバイス、ウェアラブル電子デバイス、サーバ、又は該デバイスについてのモジュールなどの電子デバイスであり得る。装置100は、デバイス300についてのモジュールとして、更には、デバイス300のためのプロセッサ/メモリ、又は該デバイス300についてのモジュールのためのプロセッサ/メモリとして提供され得る。デバイス300は、データバス380によって(例えば、電気的に又は無線で)接続された、プロセッサ385及び記憶媒体390を備える。このデータバス380は、プロセッサ385と記憶媒体390との間のアクティブな接続を提供して、プロセッサ385が、コンピュータプログラムコードにアクセスすることを可能にし得る。デバイス/装置の構成要素(例えば、メモリ、プロセッサ)は、クラウドコンピューティングアーキテクチャを介してリンクし得ることが理解されるであろう。例えば、記憶媒体390は、プロセッサ385によってインターネットを介してアクセスされるリモートサーバであり得る。
【0043】
図3の装置100は、装置100から出力を受信し、データバス380を介してこれをデバイス300に送信する、入力/出力インターフェース370に電気的に接続されている。インターフェース370は、装置100からユーザに情報を提供するディスプレイ375(タッチセンシティブ、又はそうでないもの)にデータバス380を介して接続され得る。ディスプレイ375は、デバイス300の一部であり得るか、又は別々であり得る。プロセッサ385はまた、他のデバイス構成要素にシグナリングを提供し、他のデバイス構成要素からシグナリングを受信して、これらの構成要素の動作を管理することによる、装置100及びデバイス300の一般的な制御のために構成され得る。
【0044】
記憶媒体390は、装置100の動作を実行、制御、又は可能にするように構成されたコンピュータコードを記憶するように構成されている。記憶媒体390は、他のデバイス構成要素についての設定を記憶するように構成され得る。プロセッサ385は、他のデバイス構成要素の動作を管理するために、記憶媒体390にアクセスして構成要素設定を検索し得る。記憶媒体390は、揮発性ランダムアクセスメモリなどの一時記憶媒体であり得る。記憶媒体390はまた、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、又は不揮発性ランダムアクセスメモリなどの永久記憶媒体であり得る。記憶媒体390は、同じメモリタイプ又は異なるメモリタイプの異なる組み合わせで構成され得る。
【0045】
第1の態様では、本開示は、(装置100、200、300などの)装置に関する。この装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、
流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、前記今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、前記流れの前記大きさ及び方向を受信させ、
前記流れの前記決定された大きさ及び方向を処理させて、
(i)前記ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は
(ii)前記ボディのナビゲーション制御
のうちの少なくとも一方を提供する
ように構成されている。
【0046】
このように、流体を通って移動しているボディ又は流体を通って移動するためのボディの周囲の(例えば、前方、後方、上、下、側方の)ゾーンにおける流体の流れに関する情報は、ボディのナビゲーション制御を提供するか、又はボディの1つ以上の流体動的特性の変更を提供するために使用され得る。
【0047】
地面で支持されたボディは、地面と接触するボディであり、その重さは、物理的に、地面によって支持されることが理解されるであろう。その例として、地上車両(例えば、車、オートバイ、バス、電車)(自律型及び非自律型の両方)、風力タービンのブレード、クレーンによって持ち上げられているペイロード、及びビルが挙げられる。同様に、液体で支持されたボディは、その重さが物理的に液体によって支持されるボディである。このボディは、液体上で浮かび得るか(例えば、モーターボート、ヨット、カヌー)、又は液体中に沈み得る(例えば、潜水艦、ダイバー)。
【0048】
地面で支持されたボディ及び液体で支持されたボディの両方は、(1つ以上の)流体を通って移動し得る。「流体」という用語は、液体及び気体の両方を包含する。例えば、道路に沿って運転されている車は、空気を通って移動しており、潜水している潜水艦は、水を通って移動しており、湖の上を帆走しているヨットは、水及び空気の両方を通って移動している。
【0049】
「移動している」という用語は、ボディと流体との間の任意の相対移動を包含する。したがって、地面で支持されたボディは、(i)ボディが地面に対して、及び流体に対して移動しているとき、並びに(ii)ボディが地面に対して静止しており、流体が地面及びボディに対して移動しているときの両方において、流体を通って移動している。例えば、風のある日に、(静止した)ビルは、空気に対して「移動している」と考えられ得る。
【0050】
追加的に、「移動している」という用語は、今後の流体ゾーンにおける流れについての大きさ及び方向が決定されるときに、ボディが、ボディを取り囲んでいる流体に対して移動していることを意味する。「移動するため」という用語は、今後の流体ゾーンにおける流れについての大きさ及び方向が決定されるときに、ボディが、ボディを取り囲んでいる流体に対して静止しているが、それにも関わらず、ボディが、流体を通って移動することができることを意味する。例えば、交通灯で待機している道路車両と周囲の空気との間の相対移動がない場合、道路車両は、「移動している」ではなく、空気を通って「移動するため」のものである。(もちろん、流体と車両自体との間に任意の相対移動があるかどうかに関わらず、ボディの周囲の(例えば、前方の)今後の流体ゾーン内の検出可能な流れ(例えば、横風)があり得る)。
【0051】
一部の実施形態では、今後の流体ゾーンにおける流れの大きさ及び方向に関する情報は、流体を通って移動するためのボディが、実際に流体を通って移動すべきかどうかを判定するために使用される。一部の実施形態では、今後の流体ゾーンにおける流れは、ある点で「好適でない」と考えられ得、したがって、ボディは、実際に移動しない場合がある。例えば、ダイバーの前方の水の流れは危険すぎることが決定され得、したがって、ダイバーは、潜水を開始しない場合がある。帆船の前方の空気の流れが弱すぎることが決定され得、したがって、帆船を出さない場合がある。
【0052】
図4a及び図4bは、本開示の2つの実施形態に係るボディ401、411についての今後の流体ゾーン410、420を示す。特定の地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディについて、今後の流体ゾーンは、ボディが短い間(例えば、1秒/2秒/4秒の時間)に移動し得るゾーン(例えば、2次元領域又は3次元領域)である。一部の実施形態では、今後の流体ゾーンは、ボディが短い間に移動していることが予期されるゾーン、例えば、ボディの現在の位置の数秒前方の、計画されたルート上のゾーンである。
【0053】
今後の流体ゾーンは、ボディの前方、後方、上、下、及び/又は側方のゾーンであり得、したがって、今後の流体ゾーンにおける流れの大きさ及び方向を決定するために使用される測定システムは、ボディの前、後、下、上、及び/又は側部に位置付けられ得る。例えば、測定システムは、追い風を監視するために、バイクの後に配置され得るか、又は向かい風、横風、及び追い風を監視するために、バイクの側部に配置され得る。
【0054】
一部の実施形態では、今後の流体ゾーンは、流れの大きさ及び方向を決定するために使用される測定システムの撮像範囲のすべてであり得る。例えば、(図5に示される)測定システム500における飛行時間カメラ540の光学レンズ544によって規定される全撮像範囲は、今後の流体ゾーンであると考えられ得、流れの大きさ及び方向は、この全撮像範囲について決定され得る。
【0055】
他の実施形態では、ボディについての特定の今後の流体ゾーンが決定され得る。測定システムの全撮像範囲についてよりも小さい、特定の決定された今後の流体ゾーンについての流れの大きさ及び方向を決定することは、例えば、プロセッサ及びメモリリソースの点で計算的に負荷が小さくなり得る。様々な方法が、ボディについての今後の流体ゾーンを決定するために使用され得る。図4aに示される実施形態では、車両401の現在の進行方向/配向及び速さ(真北及び時速55マイル(約88.5キロメートル))を、車両の約100メートル北(時速55マイル×4秒=98メートル)に位置する領域が、車両401についての今後の流体ゾーン410であることを決定するために使用され得る。図4bに示される実施形態では、車両411についての計画されたルート415が使用される。例えば、今後の流体ゾーン420は、車両の現在の位置から、計画されたルートに沿って4秒離れて配置されている。毎秒1mで持ち上げられているクレーンペイロードについて、今後の流体ゾーンは、ペイロードの現在の位置の垂直に2メートル上の領域であり得る。風のある条件における静止したビルについて、ビルで測定された風向き及び風速が、今後の流体ゾーンを決定するために使用され得るか、あるいは、天気予報から予期された風向き及び風速が使用され得る。今後の流体ゾーンは、ボディがそこを通って移動していることが予期され、例えば、流体の流れ又はボディの移動経路が予期せずに変化する場合に、実際には、ボディがそのゾーンを通過しない場合がある、流体ゾーンの予測であることが理解されるであろう。
【0056】
今後の流体ゾーンにおける流体の流れの大きさ及び方向は、今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定され得る。一部の実施形態では、粒子は、流体内で浮遊する微細なの物体である。気体の流体では、粒子は、ほこり、砂、すす、スモッグ、波しぶき、又は雨粒を含み得、液体の流体では、粒子は、ほこり、砂、プランクトン、又は海洋微生物を含み得る。それらのサイズ及び重さが小さいことにより、粒子物体の移動は、それらが浮遊する流体の移動に非常に類似しており、したがって、粒子物体の移動は、流体移動を推定又は決定するために使用され得る。特に、粒子の速度(すなわち、移動の速さ及び方向)は、流体の流れの大きさ及び方向を推定するために使用され得る。
【0057】
一部の実施形態では、流体の流れの大きさ及び方向は、今後の流体ゾーン内の複数の空間位置について決定される。他の実施形態では、流体の流れの大きさ及び方向は、今後の流体ゾーンの空間中間点について決定される。他の実施形態では、決定された値は、今後の流体ゾーンからの値の平均である。
【0058】
図5は、一実施形態に従う、今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から、今後の流体ゾーン内の流れの大きさ及び方向を決定することができる、測定システム500を示す。測定システム500は、プロセッサ530と、飛行時間カメラ540と、を含む。
【0059】
飛行時間カメラは、光源から撮像されたシーンの各点の対象との間の光の速さ及び光信号の測定された飛行時間を使用して、深度値を計算する、レンジ撮像カメラシステムである。飛行時間カメラは、単一の光パルスを使用して(例えば、カメラがシーンを超えてスキャンすることを必要とすることなく)3次元シーンを撮影し得、したがって、レンジ画像は、リアルタイムで(例えば、毎秒30フレームを超えるか、50フレームを超えるか、又は100フレームを超えるフレームレートで)形成及び使用され得る。図5に示されるような飛行時間カメラ540は、照射ユニット542と、光学レンズ544と、画像センサ546と、ドライバー電子機器548と、プロセッサ550と、を含む。一部の実施形態では、飛行時間カメラ540は、より多くの構成要素又はより少ない構成要素を含み得、例えば、プロセッサ530及び550は、同じプロセッサであり得るか、又はボディ上の予め存在する照明ユニットが、照射ユニット542の代わりに使用され得ることが理解されるであろう。
【0060】
使用の際、照射ユニット542は、光で(例えば、連続波又は単一の光パルスで)シーンを照らす。一部の実施形態では、照射ユニット542は、固体レーザー又はLEDであり得る。一部の実施形態では、照射ユニットは、人間の目に見えない近赤外線範囲(例えば、750nm~1400nm)で動作し得る。光は、飛行時間カメラの前で浮遊する粒子から反射され、反射された光は、レンズ544によって集められ、画像センサ546に向けられる。レンズ544は、飛行時間カメラの撮像範囲(例えば、10メートル~25メートル、50メートル~100メートル)を規定し、一部の実施形態では、レンズ544は、飛行時間カメラの撮像範囲を変更するように調整され得る。画像センサ546は、複数のピクセルで、光が、照射ユニットから撮像された粒子まで移動して画像センサに戻るのに要した時間を測定する。プロセッサ550は、光の速さと組み合わせて光パルスについての飛行時間を使用して、カメラからの撮像された粒子の距離を決定する。静止のシーンを撮像するための飛行時間カメラの使用に関する更なる詳細(例えば、撮像された物体までの距離についての式)は、Heide, F.らのDoppler Time-Of-Flight Imaging, ACM Trans. Graph. (SIGGRAPH)のセクション3に説明されている。
【0061】
移動している物体の視線速度(すなわち、撮像された物体が、カメラに向かって移動しているか、又はカメラから離れて移動している速さ)は、ドップラー効果と組み合わせて、動的シーンを撮像するために飛行時間カメラを使用することによって決定され得る。更なる詳細は、Heide, F.らのDoppler Time-Of-Flight Imaging, ACM Trans. Graph. (SIGGRAPH)のセクション4に説明されている。Heide, F.らのセクション4.1で論じられているように、1回のヘテロダイン測定及び1回のホモダイン測定が視線速度を決定するのに必要とされる。これらは、2つの変調周波数を急速に交替させることによって単一の飛行時間カメラから取得され得る。あるいは、これらは、センサの一方が照射ユニットと同じ周波数で変調され、他方が異なる周波数で変調されている、共通の光軸を有する2つの同期された飛行時間画像センサから、又は他の可能性のある設定から、取得され得る。(したがって、一部の実施形態では、測定システム500は、2つの画像センサ546を備える。一部の実施形態では、測定システム500は、2つの飛行時間カメラ540を備える)。視線速度を計算するこのドップラー飛行時間法は、3次元速度(Heide, F.らのセクション1及び7)を求めるために横方向の速度を計算する既知の方法(例えば、オプティカルフロー法)と組み合わされ得る。一部の実施形態では、横方向の速度は、プロセッサ530及び飛行時間カメラ540を使用して計算される。一部の実施形態では、測定システム500は、今後の流体ゾーンにおける粒子の横方向の速度を計算するための個別の手段を含む。
【0062】
レンジ及び視線速度は、動的シーンにおける物体について同時に計算され得ることが(例えば、Heide, F.らのセクション4.2から)理解されるであろう。例えば、撮像された粒子までの距離及び撮像された粒子の視線速度が同時に計算され得る。これは、単一の飛行時間カメラから、共通の光軸を有する複数の飛行時間画像センサから、又は他の可能性のある設定から取得され得る、1回のヘテロダイン測定及び2回のホモダイン測定を必要とする。
【0063】
一部の実施形態では、(例えば、上記のドップラー飛行時間法を使用して計算されるような)流体の流れの大きさ及び方向は、大きさ/方向が装置100によって受信される前に、流体に対するボディの移動する速度を考慮して修正され得る。例えば、ボディが、(地面に対して)時速15マイル(約24キロメートル)で移動する自転車であり、ドップラー計算によって粒子が時速25マイル(約40キロメートル)で自転車に向かって移動していると求められた場合、流れの修正された大きさは、(地面に対して)自転車に向けて時速10マイル(約16キロメートル)である。
【0064】
一部の実施形態では、測定システム500は、レンジ撮像飛行時間カメラ540における画像センサ546に加えて、光学センサ556を含み得る。光学センサ556及び画像センサ546は、光学レンズ544を共有し得るか、又は光が異なるレンズによって光学センサ556に向けられ得る。光学センサ556は、今後の流体ゾーンの光学画像を撮影するために使用され、この撮影された画像から、浮遊する粒子は、今後の流体ゾーンにおける他の物体(例えば、虫、鳥、木)から区別され得る。粒子(例えば、ほこり、スモッグ、プランクトン)は、撮影された画像で特徴的なアーチファクトを生成し、(「オーブ」として知られている)半透明のハローを有する丸い物体として現れる。したがって、今後の流体ゾーンの少なくとも1つの撮影された画像内の(例えば、リアルタイムで画像分析技術又は機械学習アルゴリズムを使用することによる)オーブの識別は、浮遊する粒子を識別するために測定システムによって使用され得る。識別された粒子の位置は、飛行時間カメラ540によって使用されて、流れの大きさ及び方向が、今後の流体ゾーンにおける他の物体ではなく、浮遊する粒子のみにドップラー飛行時間計算を実行することによって決定されることを保証し得る。
【0065】
測定システム500は、移動する部分を必要としない物理的にコンパクトなシステムであり得る。そのコンパクトなサイズにより、測定システム500は、ボディについての今後の流体ゾーン内の流れを決定するために、浮遊する粒子を有する流体を通って移動するように意図された任意の好適なボディに配置され得るか、又は任意の好適なボディに取り付けられ得る。いくつかの例を挙げると、測定システム500は、バイク、車、帆船、風力タービンのブレード、又はダイバーのヘルメット上に装着され得る。
【0066】
一部の実施形態では、装置100はまた、ボディに配置され得るか、又はボディに取り付けられる。例えば、装置は、自律型車両の車両内コントローラ、又はバイク上の車載コンピュータであり得る。一部の実施形態では、測定システム500は、装置100の一部であり得る。すなわち、装置100は、2つの飛行時間カメラ540と、プロセッサ530と、を含み得る。他の実施形態では、測定システム500及び装置100は、別々である。
【0067】
(例えば、測定システム500による)流れの大きさ及び方向の決定に続いて、装置100は、今後の流体ゾーンにおける流れの決定された大きさ及び方向を受信する。一部の実施形態では、装置100は、それ自体、大きさ及び方向を決定し得る。他の実施形態では、別の装置が、大きさ及び方向を決定し得、次いで、大きさ/方向を装置100に送信し得る。
【0068】
一旦、装置100が、流れの決定された大きさ及び方向を受信すると、装置100は、流れの決定された大きさ及び方向を処理して、(i)ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は(ii)ボディのナビゲーション制御のうちの少なくとも一方を提供する。
【0069】
「A又はBのうちの少なくとも一方」という語句は、(a)Aのみ、(b)Bのみ、並びに(c)A及びBの両方の各々を包含するとして解釈されるべきである。したがって、一部の実施形態では、装置は、ボディの1つ以上の流体動的特性の変更を提供するが、ボディのナビゲーション制御を提供しない。他の一部の実施形態では、装置は、ボディのナビゲーション制御を提供するが、ボディの1つ以上の流体動的特性の変更を提供しない。他の実施形態では、装置は、ボディの1つ以上の流体動的特性の変更及びボディのナビゲーション制御の両方を提供する。
【0070】
ナビゲーション制御の様々な例が認識され得、本開示の範囲内にある。一部の実施形態では、ボディのナビゲーション制御は、例えば、流体の流れの1つ以上の効果を打ち消すために、又は流体の流れと共に作用するためにボディを操縦することを含む。バイクのライダーは、横風の横方向の力を打ち消すために横風に傾き得る。カヤックの漕ぎ手は、今後の流体ゾーンにおける水及び/又は風の流れによって吹き動かされてコースからそれるのを回避するために自らのカヤックのラダーを調整し得る。逆に、帆船は、コースを変更するために今後の流体ゾーンにおける風の流れを利用し得る。一部の実施形態では、ボディのナビゲーション制御は、ボディの速さを変更することを含む。例えば、動いているクレーンペイロードは、高速の風が今後の流体ゾーンで検出される場合、減速し得るか、又は完全に停止し得る(すなわち、速さが毎秒0mまで低減される)。一部の実施形態では、ナビゲーション制御は、ボディの速さを増加させ、維持し、又は減少させるために、ボディの電力出力を変更することを含む。例えば、時速5マイル(約8キロメートル)の追い風が、バイクについての今後の流体ゾーンで検出され、ライダーが、安定した速さを維持することを望む場合、バイクの電力出力は、少し減少し得る。一部の実施形態では、ボディのナビゲーション制御は、ボディが移動すべきでないことを決定することを含む。例えば、静止したクレーンペイロードは、高速の風が今後の流体ゾーンで検出される場合、静止した状態が維持され得る(すなわち、速さが毎秒0mで維持される)。ダイバーは、危険で高度な水の流れが検出される場合、ダイブを開始しないことを決定し得る。
【0071】
ボディの1つ以上の流体動的特性を変更する様々な例が認識され得、本開示の範囲内にある。一部の実施形態では、ボディの1つ以上の流体動的特性を変更することは、ボディの形状を変更することを含む。一部の実施形態では、ボディの1つ以上の流体動的特性を変更することは、ボディの表面を変更することを含む。(以下に記載されるもの以外の、ボディの形状を変更する方法、及び以下に開示されるもの以外の、ボディの表面を変更する方法のように)ボディの1つ以上の流体動的特性を変更する他の方法が認識され得、本開示の範囲内にある。
【0072】
ボディの形状を変更する例として、道路に沿って運転しているバイクを考える。バイクの風上側の形状を変更することにより、バイクの移動における風の効果を変え得る。バイクの形状を変更する1つの方法は、(例えば、ヨー軸又はピッチ軸周りに)風よけを回転させることである。風の方向に向く風よけの表面積を低減するように風よけを回転させることにより、風よけの空気抵抗が低減し、バイクのボディが安定化する。ボディの形状を変更する別の例として、風のある日の(静止した)ビルを考える。ビルの角部の形状は、その角部を通る空気によってもたらされる空気の乱流を低減するために変更され得る(例えば、ある方向又は別の方向に曲げられる)。
【0073】
ボディの表面の変更は、(例えば、大きさ及び/又は形状の点で)ボディ表面と流体との間の摩擦抵抗を変更し得、それによって、ボディの1つ以上の流体動的特性を変更する。ボディの表面を変更する2つの例示的方法は、図6及び図7a~図7gを参照して以下で記載される。図6は、一実施形態に従う、ボディの表面を変更する(したがって、ボディの1つ以上の流体動的特性を変更する)ために使用され得る、フィルム600を示す。バイクの例を継続して、横風は、ライダーに対して危険で不安定となり得る、バイクの横方向の力を生成することが理解されるであろう。この横風の力は、反対方向に横方向の力を生成することによって打ち消され得る。ベルヌーイの定理によって、バイクの2つの側部間の圧力差(したがって、横方向の力)は、バイクの側方を通り過ぎる気流の速さが2つの側部について異なる場合に生成され得る。フィルム600は、バイクの1つ以上の側部上に位置付けられ、バイクの異なる側部について異なる気流の速さを生成するために使用され得る。フィルム600は、フレキシブルで弾性があり(例えば、シリコーン又はゴムフィルム)、その表面上に多数の窪み660、662を有する(ゴルフボールの表面と同様)。空気がフィルム600の表面上を流れているとき、表面の乱流の層が、窪み660、662の存在により生成される。弾性があるフィルム600がピンと張られると、窪みは、より浅くなり(662)(例えば、深さが0.1mm~0.5mm)、表面の乱流の層の深さを低減し(例えば、深さが0.2mm~1mm)、表面の空気抵抗を低減する。逆に、弾性があるフィルムがゆるめられると、窪みは、より深くなり(660)(例えば、深さが0.2mm~1mm)、表面の乱流の層の深さを増加させ(例えば、深さが0.4mm~2mm)、表面の空気抵抗を増加させる。バイクの1つ以上の側部でフィルム600をピンと張ることによって/ゆるめることによって(例えば、バイクの2つの側部で異なった態様でフィルムをピンと張ることによって)、異なる摩擦抵抗がバイクの2つの側部上で生成され得、2つの側部について異なる気流の速さにつながる。これにより、2つの側部間で圧力差、したがって、横風によって生成される横方向の力を打ち消し得る横方向の力が生成される。
【0074】
図7a~図7gに示されるように、ボディの表面は、一実施形態に従う、ボディの表面上/ボディの表面に位置付けられた2重圧電冷却ジェット(Dual Piezoelectric Cooling Jet:DCJ)を使用して変更され得る。図7aに示されるように、2重圧電冷却ジェットは、各々が圧電素子を含む2つのシム(例えば、長さ及び幅が40mm、高さが1mm)で形成されている。2つのシムは、実質的に平行であり、小さな開放流体出口領域を除いて、各シムのエッジの周囲で接続されている。(例えば、約100Hz~200Hzの周波数で)AC電流をDCJに供給することによって、2つのシムは、物理的に拡大及び圧縮される。シムの各々の拡大により、シム間の領域は圧縮され、流体は、この領域から流体出口の外に排出され、図7bに示されるように流体の集中ジェットを形成する。
【0075】
流体を通って移動し、表面上/表面に位置付けられたDCJを有するボディに対して、DCJは、(AC電流がDCJに供給されているかどうかに関わらず)渦発生器として機能する。生成された渦における乱流は、ボディの表面と接触して、ゆっくりと移動している層状の境界層の量を低減し、局所的な流れ剥離を遅らせ、したがって、ボディにかかる流体抗力を低減する。更に、AC電流が供給されると、DCJは、流体出口の方向に流体の集中ジェットを生成する。この流体のジェットは、流体出口の周囲での流体の領域で乱流の量に影響を及ぼし得(例えば、増加又は減少させ)、これによりボディにかかる流体抗力に影響を及ぼし得る。したがって、DCJにAC電流を選択的に供給することによって、DCJは、ボディが受ける流体抗力の量に影響を及ぼす、ボディの表面における動的に制御可能な流体の流れを生成するために使用され得る。流体のジェットの効果は、ボディに対する流体移動の方向に対する流体ジェットの方向に依存し得る。例えば、流体のジェットが、ボディの表面に対して実質的に平行であり、ボディに対する流体移動の方向と同じ方向にあるとき、流体のジェットは、より一層乱流を生成し得、ボディの表面と接触して、ゆっくりと移動している層状の境界層の量を更に低減し、局所的な流れ剥離を遅らせ、ボディにかかる流体抗力を低減する。一部の実施形態では、DCJは、流体出口が、流体抗力に対して特定の効果を有するために、ボディに対する流体移動の予期された方向に対する特定の配向を有する(例えば、流体抗力を減少させるために同じ方向に配向されるか、又は流体抗力を増加させるために反対方向に配向される)ように、ボディ上に特定して位置付けられ得る。
【0076】
DCJのアレイもまた、ボディの表面で動的に制御可能な流体の流れを提供するために、及びボディが受ける流体抗力の量に影響を及ぼすために使用され得る。上記の単一のDCJシナリオを同様に、ボディが流体を通って移動しているとき、DCJのアレイの各々は、渦発生器として機能し、表面の乱流の層が生成される。AC電流がアレイ内の複数のDCJに供給されると、複数の流体のジェットが、ボディの表面上で生成される。これは、流体出口の周囲での流体の領域で乱流の量に更に影響を及ぼし得(例えば、増加又は減少させ)、これによりボディにかかる流体抗力に影響を及ぼし得る。一部の実施形態では、DCJのアレイは、特定の方法で、ボディにかかる流体抗力に影響を及ぼすために、特定のパターンでボディの表面上に配置され得る。例えば、各DCJの流体出口は、流体抗力を減少させるために、ボディに対する流体移動の予期された方向と同じ方向に配向され得るか、又は逆に、流体抗力を増加させるために、反対方向に配向され得る。別の例として、複数のDCJの流体出口は、任意の方向における流体ジェットが生成され得るように、異なる方向に配向され得る(例えば、DCJは、円の外を指す流体出口を有する円で配置され得る)。別の例として、DCJは、その流体出口が、ボディの表面に対して変化する傾斜角を有するように配置され得る。いくつかの状況では、ボディの表面から離れる方向に向けられた流体のジェットは、ボディの表面に実質的に沿った流体のジェットよりも、流体の乱流においてより大きな効果を有し得る(逆の場合も同様である)。
【0077】
図7c~図7eは、ボディの表面で動的に制御可能な流体の流れを提供するために使用可能なDCJアレイの3つの例を示し、矢印は、それぞれのDCJによって生成される流体のジェットの方向を示す。図7cは、各DCJの平坦面が、ボディの表面に対して小さい角度(例えば、5度以内、20度以内)で傾斜した、重複するタイル型編成でDCJのアレイを示す。AC電流がアレイ内の複数のDCJに供給されると、複数の流体のジェットが、ボディの表面に対して小さい角度(例えば、5度以内、20度以内)で傾斜して形成される。図7cのアレイは、例えば、ボディに対する流体移動の方向が、ある方向であって、他の方向でないことが強く求められるときに、又は平坦で目立たない外観が望まれるときに使用され得る。図7dは、ボディの表面に対して実質的に垂直な(例えば、垂直の5度以内)平坦面で配置され、ボディの表面に対して実質的に垂直な方向に流体のジェットを形成することができる、DCJのアレイを示す。図7dのアレイは、例えば、ボディに対する流体移動の予期される方向がないときに、又は厚い層状の境界層が予期されるときに使用され得る。図7eは、ペアのDCJのアレイを示す。各ペアについて、第1及び第2のDCJの平坦面はそれぞれ、ボディの表面に対して垂直に近い(例えば、垂直の15度又は30度以内)が、それぞれ、垂直から異なる方向にオフセットされる。したがって、流体のジェットは、どのDCJにAC電流が供給されるかによって、(それぞれ、ボディの表面に対して実質的に垂直である)2つの異なる方向に動的に制御可能に形成され得る。
【0078】
DCJアレイは、様々な位置で様々なボディ上に配置され得、異なるタイプのアレイが、流体動的特性の所望の変更に応じて使用され得る。例えば、DCJアレイは、(図7fに示されるように)バイクのボディの前、側方、及び/又は後、並びにライダーのヘルメット及び/又は衣類上に位置付けられ得る。DCJアレイはまた、(図7gに示されるように)トラックのボディのエッジ又は側部に位置付けられ得る。DCJアレイは、ボディの両側に位置付けられ得、一方の側部上で流体抗力を増加させ、他方の側部上で流体抗力を減少させるために使用され得る(図6に示されるフィルム600と同様の方法)。DCJは、ボディの流体動的特性を動的に向上させるために、予め存在するボディ(例えば、バイク、車、トラック)上に取り付けられ得ることが理解されるであろう。
【0079】
一部の実施形態では、装置100は、直接のコンピュータ可読命令を制御装置に提供することによって、ナビゲーション制御及び/又はボディの1つ以上の流体動的特性の変更を提供する。例えば、装置は、ナビゲーション制御命令を自律型車両のコントローラに送信して、少し左に操縦するように命令し、右に吹く空気の流れの1つ以上の効果を打ち消し得る。装置は、制御命令をバイクのコントローラに送信して、特定の方向に風よけを回転させることによって流体動的特性を変更するように命令し得る。
【0080】
他の実施形態では、装置100は、ナビゲーション制御及び/又はボディの1つ以上の流体動的特性の変更に関する決定を行うために人間のユーザによって使用され得る情報を提供することによって、ナビゲーション制御及び/又はボディの1つ以上の流体動的特性の変更を提供する。一部の実施形態では、装置100はこれを、(i)ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は(ii)ボディのナビゲーション制御の実行のうちの少なくとも一方をユーザが行うのを可能にするために、流れの決定された大きさ及び方向、ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又はボディのナビゲーション制御のうちの少なくとも1つに関する、視覚情報、音声情報、又は触覚情報のうちの少なくとも1つの提示をもたらすことによって行う。前述のように、装置100は、ボディに配置され得るか、又は離れて配置され得る。視覚情報、音声情報、又は触覚情報のうちの少なくとも1つの提示の様々な実施形態が認識され得、本開示の範囲内にある。例えば、装置100は、車の前方の風の場の大きさ及び方向を、(例えば、車内で、又は離れて)音声で表し得る。別の例では、装置100は、車両内コンピュータスクリーン上で、車のダッシュボード上で、又は離れて提示される、風の場の視覚表示をもたらし得る。流れの方向は、流線又は空間ベクトル図によって表示され得、流れの大きさは、流線の密度、空間ベクトルのサイズ、又は異なる色によって表示される。装置100は、バイクのハンドルを通じて伝達される、ボディの1つ以上の流体動的特性の変更に関する触覚情報をもたらし得、例えば、左のハンドルは、ドライバーが、左に向けて風よけを傾けるべきであることを示すように振動し得、振動の頻度又は強度は、風よけがどれくらい大きく移動されるべきかを示す。他の実施形態では、ナビゲーション制御に関する触覚情報が伝達され得、例えば、左のハンドルは、ドライバーが、前の横風を打ち消すために左に傾くべきであることを示すように振動し得る。装置100は、例えば、コンピュータマウスの左ボタン及び右ボタンを介して、ボディから離れて触覚情報の表示をもたらし得る。装置100は、カヤックに対して伝達される、ナビゲーション制御に関する視覚情報をもたらし得、例えば、カヤックの前のスクリーンは、今後の流体ゾーン、例えば、カヤックの前又は側方における風の場の視覚表示、及びカヤックが直線で移動し続けるために移動されるラダーについての提案された位置を示し得る。
【0081】
一部の実施形態では、視覚情報、音声情報、又は触覚情報は、拡張現実設定内で提示される。例えば、前方の風の場の視覚表示は、車のフロントガラス又はバイクのライダーのヘルメットの目の領域上で提示され得る。風の音の音声シミュレーションは、車内のサラウンドサウンドスピーカーを通じて再生され得る。
【0082】
一部の実施形態では、装置100は、流れの決定された大きさ及び方向を受信及び処理するステップを継続的に実行し得る(例えば、流れの大きさ及び方向は、0.1秒毎、0.01秒毎、又は0.01秒毎よりも早く受信及び処理され得る)。他の実施形態では、装置は、特定の条件が満たされる場合、例えば、天気予報が、ボディの場所で/ボディの場所の近くで風のある条件を予測し、強い風がボディの場所で/ボディの場所の近くで検出される場合、又はボディが頻繁に強い風が吹くエリアに/エリアの近くに配置されている場合にのみ、これらのステップを実行し得る。例えば、バイクでの運転支援プログラムが、バイクで測定される風の速さが閾値を超える場合に、受信及び処理ステップを実行し得る。
【0083】
図8は、本明細書で記載されるコンピュータにより実装される方法の主要なステップ880~890を示す。方法は、流体を通って移動しているか、又は流体を通って移動するための地面で支持されたボディ又は液体で支持されたボディに関して、今後の流体ゾーン内の流れの決定された大きさ及び方向であって、今後の流体ゾーンにおいて浮遊する粒子から決定される、流れの大きさ及び方向を受信すること(880)と、流れの決定された大きさ及び方向を処理して、(i)ボディの1つ以上の流体動的特性の変更、又は(ii)ボディのナビゲーション制御のうちの少なくとも一方を提供すること(890)と、を含む。
【0084】
図9は、図8の方法、又は本明細書で記載される任意の方法を実行、制御、又は可能にするように構成されたコンピュータプログラムを含む、例示的なコンピュータ可読媒体を示す。コンピュータプログラムは、上述の方法を実行するように構成されたコンピュータコードを含み得る。この例では、コンピュータ/プロセッサ可読媒体900は、デジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc:DVD)又はコンパクトディスク(Compact Disc:CD)などのディスクである。他の例では、コンピュータ/プロセッサ可読媒体900は、発明の機能を実行するようにプログラムされた任意の媒体であり得る。コンピュータ/プロセッサ可読媒体900は、メモリスティック又はメモリカード(SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカード、又はナノSDカード)などの取り外し可能なメモリデバイスであり得る。いくつかの例示的な実施形態では、コンピュータ/プロセッサ可読媒体900は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。
【0085】
任意の前述の装置/デバイス及び/又は特定の前述の装置/デバイスの他の特徴は、例えば、スイッチオンなど、有効にされるときに所望の動作を実行するように構成された状態になるように配置された装置によって提供され得ることが当業者に理解されるであろう。そのような場合、それらは、必ずしも、有効でないとき(例えば、スイッチオフ状態)にアクティブメモリ内にロードされる適切なソフトウェアを有しない場合があり、有効なとき(例えば、オン状態)に適切なソフトウェアをロードするだけであり得る。装置は、ハードウェア回路構成及び/又はファームウェアを備え得る。装置は、メモリにロードされるソフトウェアを備え得る。そのようなソフトウェア/コンピュータプログラムは、同じメモリ/プロセッサ/機能ユニット及び/又は1つ以上のメモリ/プロセッサ/機能ユニットに記録され得る。
【0086】
いくつかの例では、特定の前述の装置/デバイスは、所望の動作を実行するために適切なソフトウェアで予めプログラムされ得る。適切なソフトウェアは、例えば、ソフトウェア及びその対応付けられた機能をロック解除/有効にするためにユーザが「キー」をダウンロードすることによって使用のために有効にされ得る。そのような例によって、更なる機能がデバイスに要求されるときにデータをダウンロードするための要件を低減し得る。これは、ユーザによって有効にされない場合がある機能のためにそのような予めプログラムされたソフトウェアを記憶するのに十分な能力をデバイスが有すると認識される例で有用であり得る。
【0087】
任意の前述の装置/回路構成/要素/プロセッサは、前述の機能に加えて、他の機能を有し得、これらの機能は、同じ装置/回路構成/要素/プロセッサによって実行され得ることが理解されるであろう。1つ以上の開示された態様は、対応付けられたコンピュータプログラム、及び適切なキャリア(例えば、メモリ、信号)に記録される(エンコードされるソース/搬送であり得る)コンピュータプログラムの電子配信を包含し得る。
【0088】
本明細書で記載される任意の「コンピュータ」は、同じ回路基板若しくは回路基板の同じ領域/位置又は同じデバイスにさえ配置されていてもよく、又は配置されていなくてもよい、1つ以上の個々のプロセッサ/処理要素の集合を備え得ることが理解されるであろう。いくつかの例では、任意の前述のプロセッサのうちの1つ以上は、複数のデバイスで分配され得る。同じ又は異なるプロセッサ/処理要素は、本明細書で記載される1つ以上の機能を実行し得る。
【0089】
「シグナリング」という用語は、一連の送信及び/又は受信信号として送信される1つ以上の信号を指し得ることが理解されるであろう。一連の信号は、上記のシグナリングを構成する、1つ、2つ、3つ、4つ、若しくは更に多くの個々の信号構成要素又は別個の信号を含み得る。これらの個々の信号のうちのいくつか又はすべては、同時に、連続して、及び/又は一時的に互いに重複するように送信/受信され得る。
【0090】
任意の前述のコンピュータ並びに/又はプロセッサ及び(例えば、ROM、CD-ROMなどを含む)メモリの任意の説明に関して、これらは、コンピュータプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は発明の機能を実行するようにプログラムされた他のハードウェア構成要素を備え得る。
【0091】
「回路構成」という用語は、以下の1つ以上又はすべてを指し得ることが理解されるであろう。
(a)(アナログ及び/又はデジタル回路のみでの実装などの)ハードウェアのみの回路実装
(b)(i)ソフトウェア/ファームウェアを有するアナログ及び/又はデジタルハードウェア回路の組み合わせ、並びに(ii)携帯電話又はサーバなどの装置に様々な機能を実行させるように一緒に機能する(デジタル信号プロセッサを含む)ソフトウェアを有するハードウェアプロセッサ、ソフトウェア、及びメモリの任意の部分などの(適用可能な)ハードウェア回路及びソフトウェアの組み合わせ
(c)動作のためにソフトウェア(例えば、ファームウェア)を必要とするが、ソフトウェアは、動作のために必要とされないときに存在しない場合がある、マイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサの一部などのハードウェア回路及び/又はプロセッサ。
【0092】
回路構成のこの定義は、請求項内も含む本出願でのこの用語のすべての使用に当てはまる。更なる例として、本出願で使用されるとき、回路構成という用語はまた、単なるハードウェア回路若しくはプロセッサ(若しくは複数のプロセッサ)、又はハードウェア回路若しくはプロセッサの一部、並びにその(若しくはそれらの)付随のソフトウェア及び/若しくはファームウェアの実装をカバーする。回路構成という用語はまた、例えば、特定の請求項の要素に適用可能な場合、モバイルデバイスについてのベースバンド集積回路若しくはプロセッサ集積回路、又はサーバ、セルラーネットワークデバイス、若しくは他のコンピューティング若しくはネットワークデバイスでの同様の集積回路をカバーする。
【0093】
本明細書の出願人は、そのような特徴又は特徴の組み合わせが本明細書に開示される任意の問題を解決するかどうかに関わらず、特許請求の範囲に限定することなく、当業者の共通の一般的な知見に照らして、そのような特徴又は組み合わせが全体として本明細書に基づいて実行されることが可能な程度まで、本明細書で記載される各個々の特徴を分離して、2つ以上のそのような特徴の任意の組み合わせを開示する。出願人は、開示された例が、任意のそのような個々の特徴又は特徴の組み合わせで構成され得ることを示す。前述の説明の観点から、本開示の範囲内で様々な修正が行われ得ることが当業者に明らかであろう。
【0094】
その異なる例に適用されるような基本的な新規な特徴が示され、記載され、指摘されているが、記載されるデバイス及び方法の形態及び詳細における様々な省略並びに置換及び変更が、本発明の趣旨から逸脱することなく当業者によって行われ得ることが理解されるであろう。例えば、同じ結果を達成するために実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を実行する、それらの要素及び/又は方法ステップのすべての組み合わせが、本発明の範囲内にあることが明確に意図される。更に、任意の開示された形態又は例に関連して示され及び/又は記載される構造及び/若しくは要素並びに/又は方法ステップが、設計選択の一般的な事項として、任意の他の開示、記載、又は提案された形態又は例に組み込まれ得ることを認識されたい。更に、特許請求の範囲において、ミーンズプラスファンクション項は、引用された機能、及び構造的な等価物だけでなく等価構造も実行するとして本明細書で記載される構造をカバーするように意図される。したがって、釘は木製部品を一緒に固定するために円柱形表面を採用するが、一方、ねじはらせん形表面を採用するという点で、釘及びねじは構造的な等価物でない場合があるが、木製部品を固定する環境では、釘及びねじは等価構造であり得る。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図7g
図8
図9