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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-22
(45)【発行日】2022-06-30
(54)【発明の名称】プレートハンドル
(51)【国際特許分類】
   A47J 45/10 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
A47J45/10 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022034268
(22)【出願日】2022-03-07
【審査請求日】2022-03-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522089468
【氏名又は名称】大林 憲二
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】大林 憲二
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201139476(CN,Y)
【文献】中国実用新案第212140248(CN,U)
【文献】中国実用新案第203354403(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された調理プレート(T)を掴む食器掴み具であって、
一本のグリップハンドル(10)と、
四本のアーム(20)と、
基軸(60)が固定される一枚の基台プレート(30)と、
複数の弾性部材(40)と、
から成り、
前記アーム(20)の端部は前記グリップハンドル(10)に固定されるとともに前記基台プレート(30)の挿通穴(31)に前記弾性部材(40)とストッパープレート(50)を介して挿通され、
該アーム(20)は挿通穴(31)からグリップハンドル(10)に向かう曲部を有することから、グリップハンドル(10)を握る又は放す動作により、前記基台(30)に固定される前記基軸(61)を摺動する昇降軸受け部(60)を介して前記アーム(20)が昇降し、先端に設けられる爪部(21)が内外へと開閉動作することを特徴とするプレートハンドル(1)。
【請求項2】
前記基台プレート(30)の面の縦横寸法が前記調理プレート(T)の外側縁部寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプレートハンドル(1)。
【請求項3】
前記基台プレート(30)の面の縦横寸法が前記調理プレート(T)の外側縁部寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のプレートハンドル(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼き肉やステーキなどを焼いて個別に提供する高温加熱された調理用プレートの持ち手の技術に関し、詳しくは、高温になったプレートによる火傷の回避や重量物である鋳鉄製の調理プレート等を運ぶ際の労力軽減を図る掴み具の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファミリーレストランやステーキハウスなど多くの飲食店では、ステーキやハンバーグといった加熱調理物の提供に際し、鋳鉄製の調理プレートが多く利用されている。係る鋳鉄製の調理プレートは調理物を高温となったまま美味しく提供できるという点で優れているが、他方で大きな問題を二つ抱えている。その一つは火傷の問題である。ステーキ等の提供では、加熱された鉄板等の調理プレートと直接触れないで済む受け皿とセットになっているのが一般的であり、飲食物提供時にはその調理プレートをその受け皿に載せ置きしたまま提供することとなる。前記受け皿は高温になった調理プレートから熱が伝わりにくい木製で作られているものが大半であるが、木製の受け皿の部分を掴んでいたとしても、忙しい時などにはうっかりとプレートに触れてしまい火傷をしてしまうという問題である。そこで、高温の調理プレートを運ぶ際に安全に運ぶことが可能な技術が求められている。
【0003】
次に二つ目の問題点として、調理プレートの重量の問題である。熱が逃げにくい鋳鉄製の調理プレートは、じっくりと加熱することが望ましいステーキ等に好適といえる。しかしながら鋳鉄製の調理プレートはアルミ製やホーロー製と比較して比重が大きく重量があり、多忙な接客時では両手に一つずつプレートを持ちテーブルに置くなどの作業をすることが多い。特にステーキ用の鉄板では、軽いものでもプレート単体で1kg程度はあり、重いものでは3kgを越えるものまである。そしてそこに1ポンドステーキ453.6gが載ったり木製の受け皿を含めることを考えると相当の重量となる。一般的な200g程度のステーキに比較的軽い約1kgのステーキプレートと木製の受け皿(約200g)の場合であっても、決して軽くはなく、その作業を一日に繰り返し行うこととなると手首を痛める原因となる、という問題である。そこで、重量の大きな調理プレートを運ぶ際の手首への負担を軽減するような補助具があれば、力の小さな女性であっても手首を痛めることもなく、安全にプレートを運ぶことができるといえる。また、補助具があれば運ぶ時の労力の軽減にもなり、効率の良い接客ができることとなる。
【0004】
そこで、上記問題に鑑み、従来からも種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「食器つかみ器」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。係る技術は、「安定して食器や鍋をつかむことができ、使用者の施力に便利な食器つかみ器の提供。」という課題を解決するもので、具体的には「本考案の食器つかみ器は、前端が折られて軸心が形成され、並びに末端部分が折られてティルト角と内向き僅かに傾斜するフック体が形成された第1の爪と、前端が折り曲げられて軸孔が設けられ、末端部分が折られてティルト角と内側に傾斜するフック体が形成された第2の爪とを具え、該軸孔に該軸心が挿入され、並びに一つのスリーブが軸心に套設され、第1及び第2の爪それぞれの上部間にハンドルが設けられ、該ハンドルに手指を挿入し食器つかみ器を握持し張開させるのに供される複数の指環が凸設され、別に第1及び第2の爪それぞれの下部に浅い逆V形を呈する挟持ロッドが設けられたことを特徴とする。」というものである。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、人の手の力によって挟持するものであり、本発明のように弾性部材を使って挟持力を補助するものとは構成を異にするものである。
【0005】
また、発明の名称を「土鍋つかみ」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「熱い土鍋を掴んで運ぶ時、手袋状の物を手にはめる事のわずらわしさと、時間を短縮する。」ことを課題とし、解決手段として「つかみ布に付属している、取っ手を外側に広げ、土鍋の持ち手に、フックを掛けると、アーチ型のバネにより、つかみ布がしっかりと固定され、熱い土鍋を簡単に持つことができる。」というものが公開され公知技術となっている。しかしながら、特許文献2に記載の技術は、熱い調理器具を火傷しないように運ぶことが可能であることについては、本件発明と共通する点があるといえるが、持つためには2箇所掴まなければならず、両手での持ち運びとなる点で片手が自由になる本発明とは構成を異にするものである。
【0006】
また、発明の名称を「調理容器把持具」とする技術が開示されている(特許文献3参照)。具体的には、「把持部を調理容器内に挿入する深さが浅くて済み、しかも、安定な把持状態を維持することができる調理容器把持具を提供すること」を課題とし、「円弧を描いて線状に連なる外向凸部を有する内側当接体と、円弧を描いて線状に連なる内向凸部を有する外側当接体と、前記内側当接体と前記外側当接体とを、前記外向凸部と前記内向凸部とが互いに近接し、両凸部の間に把持対象物である調理容器の側壁を挟んで把持する把持位置と、前記外向凸部と前記内向凸部とが互いに離間した待機位置との間で、相対的に移動可能に支持する支持手段とを有する調理容器把持具を提供することによって解決する。」というものである。特許文献3に記載の技術は、安全に調理器具を使うことができる把持具であることは、本願発明と課題が共通しているといえる。しかしながら、調理器具を一か所の支点で把持して片手で持つという構成であり、その為重量が片手に集中することとなる。その為、片側手首への負担は大きく、引用文献3の発明は、本発明の課題を解決するに至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実用新案登録第3083645号
【文献】実用新案登録第3117558号
【文献】特開2020-14610号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高温且つ重量物であるステーキプレート等を運ぶ際に、鉄板に触れてしまったり油の飛びはね等による火傷を防止するとともに、重量の大きな調理プレート等を運ぶ際の労力軽減、特に手首への負担を少なくする技術の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、グリップハンドルと、四本のアームと、基台プレートと、弾性部材とから成る食器掴み具であって、前記アームは前記基台プレートの挿通穴に前記弾性部材とストッパープレートを介して挿通され、該アームは上方に向かうにつれて狭くなることからグリップハンドルを握ることによって、前記アームの先端に設けられる爪部が外側へと広がり、前記グリップハンドルを放すことによって、挟み込みを行う構成を採用する。
【0010】
また、本発明は、前記基台プレートの面の縦横寸法が前記調理プレートの外側縁部寸法よりも大きいことを特徴とする構成を採用することもできる。
【0011】
前記基台プレート30の面の縦横寸法が前記調理プレートTの外側縁部寸法よりも小さいことを特徴とする構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るプレートハンドルによれば、熱くなった調理プレートを運ぶ際に、ハンドルを持ち手とすることで、調理プレートや受け皿に触らなくても運ぶことが可能なため、加熱されたステーキ等の油跳ねによる飛散を遮蔽し火傷のリスクを回避して安全に調理プレートを運べるという優れた効果を発揮する。
【0013】
また、本発明に係るプレートハンドルによれば、重量物である調理プレートを4本のアームがあるハンドルで持つことが可能なため、従来の片側把持具では一か所を支点としていたため、係る支点からの距離に大きなモーメント等が作用し、手首への負担が大きくなっており、飲食物提供事業者の労働負担や安全性といった面で問題があったといえる。しかしながら本発明に係るプレートハンドルによれば、重量を分散させて荷重と持ち手の間の距離が小さいため、荷重が腕全体に直線的に作用し、前記手首への負担等を軽減できるという優れた効果を発揮する。
【0014】
また、本発明に係るプレートハンドルによれば、手首への負担を軽減できるというだけでなく、腕力の小さない女性や高齢者であっても容易に接客が可能になるという優れた効果を発揮する。
【0015】
また、本発明に係るプレートハンドルによれば、持ち手ハンドルを握って簡単に調理プレートを運ぶことが可能であることから、特に狭い飲食店においてはワゴンを不要とできることから接客の態様を広げることができるという優れた効果を発揮する。
【0016】
また、本発明に係るプレートハンドルにおいて、基台プレートの面の縦横寸法が調理プレートの外側縁部寸法よりも大きくする構成を採用した場合は、加熱調理されたステーキ等から飛び散る油はねを遮蔽する効果をより発揮させることができ飲食物提供事業者の安全確保に資するという優れた効果を発揮する。
【0017】
また、本発明に係るプレートハンドルにおいて、基台プレートの面の縦横寸法が調理プレートの外側縁部寸法よりも小さくする構成を採用した場合は、軽量化を図ることができるため、上記労力負担の軽減効果をより発揮させることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るプレートハンドルの基本構成を説明する基本構成説明斜視図である。
図2】本発明に係るプレートハンドルの基本構成を説明する基本構成平面図である。
図3】本発明に係るプレートハンドルの動作状態を説明する動作状態説明図である。
図4】本発明に係るプレートハンドルの使用状態を説明する使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、加熱された調理プレートを掴む食器掴み具であって、一本のグリップハンドルと、四本のアームと、基軸が固定される一枚の基台プレートと、複数の弾性部材と、から成り、前記アームの端部は前記グリップハンドルに固定されるとともに前記基台プレートの挿通穴に前記弾性部材とストッパープレートを介して挿通され、該アームは挿通穴からグリップハンドルに向かう曲部を有することから、グリップハンドルを握る又は放す動作により、前記基台に固定される前記基軸を摺動する昇降軸受け部を介して前記アームが昇降し、先端に設けられる爪部が内外へと開閉動作することを最大の特徴としたものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0020】
図1は、本発明に係るプレートハンドル1の基本構成を説明する基本構成説明斜視図である。また、図2は、本発明に係るプレートハンドル1の基本構成を説明する基本構成4面図であり、図2(a)は、正面図であり、図2(b)は、平面図であり、図2(c)は、側面図であり、図2(d)は、底面図である。
【0021】
グリップハンドル10は、基台プレート30の上部に備えられた調理プレートTを挟持したまま持ちあげて移動するための一本の持ち手部材のことである。素材や形状は特に限定されるものではないが、握りやすい太さとし、滑り止めとしての波形形状を施したり、熱の影響を受けにくい木製の素材とするなどが好適である。なお、従来技術に多く見られる片側支持による掴み具では、掴む部分が調理プレートTに近いと油跳ね等による火傷のリスクが大きく、逆に掴む部分が調理プレートTより遠いとモーメントが大きくなり手首への負担も大きくなってしまうものであった。本発明では全体を均等に掴んで吊り下げるため荷重がまっすぐ腕の長手方向に働くので手首への負担は少なくなる。
【0022】
アーム20は、調理プレートT及び受け皿Uを掴むための4本の腕状部材で構成され、先端には爪部21を有し、グリップハンドル10から下方に向かい広がるように延びて調理プレートT及び受け皿Uを挟持するための腕部である。なお、挿通穴31に向かい傾斜する形状を有することによりグリップハンドル10の操作に応じて爪部21が開閉される動作をする。
【0023】
爪部21は、ステーキ用の鋳鉄製の鉄板等の調理プレートT及び受け皿Uを掴むための爪である。かかる爪は、四本のアーム20の先端に備えられ、調理プレートT及び受け皿Uを把持する部分である。形状については、先端に向かって先細りとなるような形状に形成し、調理プレートTとテーブル等の隙間に入り込みやすいようなものとすることが望ましい。
【0024】
基台プレート30は、グリップハンドル10と四本のアーム20を動作させるために設けられる板状の部材である。グリップハンドル10の動作によって圧縮され反発する弾性部材40を受けるとともにグリップハンドル10を摺動させる基軸61が固定される。また、加熱調理された食品及び調理プレートTからの熱を遮ることで火傷防止等に役立つとともに油等の飛び跳ねによる飛散防止を兼ねるものである。
【0025】
なお、本発明に係るプレートハンドル1において、基台プレート30の面の縦横寸法が調理プレートTの外側縁部寸法よりも大きくする構成を採用した場合は、加熱調理されたステーキ等から飛び散る油はねを遮蔽する効果をより発揮させることができ飲食物提供事業者の安全確保に資する。逆に、基台プレート30の面の縦横寸法が調理プレートTの外側縁部寸法よりも小さくする構成を採用した場合はプレートハンドル1全体としての軽量化を図ることができるため、上記労力負担の軽減効果をより発揮させることができることとなる。
【0026】
挿通穴31は、基台プレートに30に設けられるアーム20を挿通させるための穴である。図面に示すように、長穴として表しているがアーム20が上方に向かって先が絞られている形状である為、側方に押し広げられるという力が生じる。その際、アーム20のグリップハンドル取り付け部近傍が狭くなるように折り曲げられているので、アーム20が挿通穴に対し傾斜角を有する為、アーム20が引っかからずに通りやすくなるように長穴としたものである。その結果、アーム20は上下の昇降の際に挿通穴に案内されるとともに、その力を逃がしやすいように滑りやすくしてアーム20の円滑な動作を確保する。また、メンテナンス性を考えて、アーム20を分解するときに取り外しをし易くするという点も考慮したものである。
【0027】
弾性部材40は、グリップハンドル10の上下動作に対応して反発する力を得るための部材であり、具体的にはコイルバネ等が考えられる。線形や巻き数などについてはアーム20の開閉動作に伴う弾性変形から基に戻ろうとする力との関係を考慮して適宜定めることとなる。
【0028】
ストッパープレート50は、弾性部材40の弾性力をアーム20に与えるために設けられる台座部材である。
【0029】
昇降軸受け部60は、グリップハンドル10を握ったり放したりすることで基台プレート30に固定された二本の基軸61の間を架け渡すレバー62との距離を伸縮させ、グリップハンドル10に固定されたアーム20を上下に昇降可能とする軸の受け部である。
【0030】
基軸61は、基台プレートに垂直に固定された二本の軸であり、グリップハンドル10に固定されたアーム20を昇降させるために昇降軸受け部60に挿入される軸である。
【0031】
レバー62は、基台プレート30に固定された二本の基軸61の間を架け渡すレバーのことである。グリップハンドル10を握ったり放したりすることで、基台プレート30に固定された二本の基軸61の間を架け渡すレバー62との距離を伸縮させる操作を行うための部材である。係る操作によりグリップハンドル10に固定されたアーム20を上下に昇降可能とする。
【0032】
調理プレートTは、本発明に係るプレートハンドル1によって把持される被把持物品である。具体的には、例えばステーキ用の鋳鉄製加熱調理具などがこれらの代表である。その素材としては鋳鉄製以外にも鍛造製や薄肉の鉄板を絞ったもの等、ステンレス製、アルミ製、ホーロー製、並びに陶磁器などを素材とするものも対象とする。形状としては、持ち手のない皿や椀、煮込み用容器などの器全般を指す。なお、ステーキ用の鋳鉄製の加熱調理器具などの受け皿Uとなる木製の敷皿なども係る調理プレートTに含まれ、それを図4では使用状態説明図として示したものである。図4に示すとおり、四本のアーム20に備えられる爪部は敷皿となる木製の受け皿Uを把持し、高温になったステーキ皿等をその上面に乗せたままテーブル等へ運搬して提供できる。なお、図面には示していないが、本発明に係るプレートハンドル1の専用品として、調理プレートT又はその受け皿Uの底側部に爪21が入り込む溝を形成することも望ましい。
【0033】
図3は、本発明に係るプレートハンドル1の動作状態を説明する動作状態説明図であり、図3(a)は、グリップハンドル10を放した状態を示し、図3(b)は、グリップハンドル10を握った状態を示している。図3(a)に示すとおり、グリップハンドルに力を入れない開放状態では、四本のアーム20が弾性部材とストッパープレートを介してアーム20が基台プレートから引き上げられる方向に力が作用し、アーム20の先端の爪部21が内側へ入り込む方向に動作することを示している。他方、図3(b)に示しているのは、グリップハンドル10を基台プレートから突出しているハンドルとの距離を縮める方向に握るとアーム20の先端の爪部21が両側に開こうとする状態である。図3に示した調理プレートTを挟み込む前の状態から図3(b)の挟み込んだ状態にして加熱した調理プレートTに触れることなく調理プレートTを把持して移動させ、移動先においてハンドルレバーを操作して調理プレートTをテーブル上へ載せ置きする。
【0034】
図4は、本発明に係るプレートハンドル1の使用状態を説明する使用状態説明図であり、調理プレートTに調理物が乗り、これを受け皿Uに載せ置きし、係る受け皿Uを4本のアーム20が挟み込んだ状態の実施例を示している。加熱調理されたステーキ等の食品から飛び跳ねる油や熱は基台プレート30によって遮蔽され、また、基台プレート30が調理プレートTよりも大きい場合は、熱せられた調理プレートT及び受け皿Uが手や身体に触れないようにガードすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るプレートハンドル1によれば、ファミリーレストランやステーキハウスなど多くの飲食物提供事業者等が、飲食物を提供する際に、高温になったステーキプレート等を火傷することなく来客者へ安全に提供できることや、重い調理プレートによる手首への負担を少なくして持ち運ぶことができ、従事者の労力負担を軽減することが可能であることから、産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 プレートハンドル
10 グリップハンドル
20 アーム
21 爪部
30 基台プレート
31 挿通穴
40 弾性部材
50 ストッパープレート
60 昇降軸受け部
61 昇降基軸
62 レバー
T 調理プレート
U 受け皿
【要約】
【課題】高温且つ重量物であるステーキプレート等を運ぶ際に、火傷を防止し、手首への負担を軽減する技術の提供を課題とするものである。
【解決手段】本発明は、グリップハンドルと、四本のアームと、基台プレートと、弾性部材とから成る食器掴み具であって、前記アームは前記基台プレートの挿通穴に前記弾性部材とストッパープレートを介して挿通され、該アームは上方に向かうにつれて狭くなることからグリップハンドルを握ることによって、前記アームの先端に設けられる爪部が外側へと広がり、前記グリップハンドルを放すことによって、挟み込みを行う構成としたことを最大の特徴としたものである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4