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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】トロカール支持体
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20220624BHJP
【FI】
A61B17/34
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018519793
(86)(22)【出願日】2016-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-12-06
(86)【国際出願番号】 CA2016051344
(87)【国際公開番号】W WO2017083976
(87)【国際公開日】2017-05-26
【審査請求日】2019-10-03
(31)【優先権主張番号】62/256,526
(32)【優先日】2015-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518128920
【氏名又は名称】サージカル スタビライゼーション テクノロジーズ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】パカク,ジョン スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ダイアモンド,ヘザー ドーン
(72)【発明者】
【氏名】マルドゥーン,ダミアン レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ワード,シェーン ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,ブライアン ファーガス
(72)【発明者】
【氏名】キャノン,ウィリアム ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】キーベニー,ルーク パトリック
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503932(JP,A)
【文献】特表2005-524491(JP,A)
【文献】特表2004-527344(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0213675(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0193806(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トロカール(T)が患者の体壁を通って伸長する間に患者の体壁の固定位置でトロカールを維持するための、トロカール(T)と共に使用されるトロカール支持装置(201)であって、トロカール(T)はトロカール支持装置(201)とは別個であり、トロカール支持装置(201)は:
トロカール(T)の半径方向外向きに折り畳まれた状態から予め定めた大きさへの拡張動作で移動可能である、トロカール(T)の周囲で伸長するための環状拡張可能部材(203);
必要とされる位置にあるトロカール(T)上で受けられるように配置される環状当接カラー(202)
を含み;
前記環状当接カラー(202)は選択された位置に位置するようにトロカール(T)を長手方向に調整可能であり;
前記トロカール支持装置(201)は、
選択された位置にあるトロカール(T)上に環状当接カラー(202)をクランプするための環状当接カラー(202)上にある、解除可能なクランプ部材(240)を含み;
前記環状拡張可能部材(203)は、前記折り畳まれた状態の間に体壁での切開部を通して挿入され、且つ体壁の内面に係合するように挿入された時に拡張されるように配置され;
前記トロカール支持装置(201)は更に、
環状拡張可能部材(203)の一部を係合する、連結コンポーネント(262)を含み、トロカール(T)の挿入中に、環状拡張可能部材(203)を環状当接カラー(202)と係合する状態にし、且つ保持し;
ここで、連結コンポーネント(262)は環状当接カラー(202)上に取り付けられ、環状当接カラー(202)からの環状拡張可能部材(203)の解除を達成するために、環状当接カラー(202)上に取り付けられた連結コンポーネント(22)を操作するように操作可能である解除部材が提供される、
ことを特徴とする、トロカール支持装置。
【請求項2】
連結コンポーネント(262)は環状当接カラー(202)上で運ばれ、且つ環状拡張可能部材(203)のコンポーネントを係合するための表面(271)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のトロカール支持装置。
【請求項3】
表面(271)は、環状拡張可能部材(203)の一部が表面(271)の内部へと軸方向に突出するように、トロカール(T)を囲む、ことを特徴とする請求項2に記載のトロカール支持装置。
【請求項4】
環状拡張可能部材(203)は、トロカール(T)上に係合するように配置される内部表面を有する弾性スリーブ部分を含み、及び、内部表面を係合し且つトロカール(T)の通路の内部表面開口部を保持するために、弾性スリーブ部分の中空内部に係合可能な、環状当接カラー(202)上に挿入スリーブ部分が提供される、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載のトロカール支持装置。
【請求項5】
挿入スリーブ部分は、弾性スリーブ部分の終端で円錐台状部分において弾性スリーブ部分を保持するように先細っている(154)、ことを特徴とする請求項4に記載のトロカール支持装置。
【請求項6】
環状当接カラー(202)と環状拡張可能部材(203)との接続を保持するように挿入スリーブ部分に対して弾性スリーブ部分の一部をクランプするための周辺係合部材を含む、カップリングコンポーネントが提供される、ことを特徴とする請求項5に記載のトロカール支持装置。
【請求項7】
周辺係合部材は、前記取り外し部材により挿入スリーブ部分と弾性スリーブ部分から取り外し可能である、ことを特徴とする請求項6に記載のトロカール支持装置。
【請求項8】
環状拡張可能部材(203)の縁部は、環状当接カラー(202)にクランプされた縁部を保持するために、内部挿入スリーブ部分と外部周辺係合部材との間でクランプされる、ことを特徴とする請求項7に記載のトロカール支持装置。
【請求項9】
前記トロカール支持装置は、手動で操作可能な圧縮デバイスをさらに備え、該手動で操作可能な圧縮デバイスは膨張流体含有部材を間に位置付ける1対の部材(205、207)を含み、膨張流体含有部材から膨張流体を排出するために、他の部材(207)の方へと1つの部材(205)を圧搾するための手動で操作可能な圧縮デバイスが提供され、及び、流体含有部材は、滅菌流体の侵入を可能にするように開放され、膨張流体の排出を達成するように閉鎖され得る、ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載のトロカール支持装置。
【請求項10】
前記トロカール支持装置は、手動で操作可能な圧縮デバイスをさらに備え、該手動で操作可能な圧縮デバイスは膨張流体含有部材を間に位置付ける1対の部材(205、207)を含み、前記1対の部材(205、207)は、環状当接カラー(202)から全体的に半径方向外向きに伸長する、手動で係合可能な突出部(212、213)を含み、及び、膨張流体含有部材から膨張流体を排出するために、他の部材の方へとトロカール(T)の軸の周囲で1つの部材を回転させるための手動で操作可能な圧縮デバイスが提供される、ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載のトロカール支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の身体の壁を通って定位置にトロカールを位置付け且つ保持するように配置される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人による2013年2月21日公開のPCT出願2013/023293において、トロカールが患者の体壁を通って伸長する間にトロカールを支持するための支持装置が示されており、該支持装置は、流体源により予め定めた大きさに膨張され得る、トロカールの周囲で伸長する膨張式カラーを含んでおり、ここで、流体源は、運ばれるようにトロカールの支持装置自体の上に位置付けられ、且つ、固定された大きさにのみ膨張を可能にする固定容量をもたらすためのポンプ機構により画定される。当接部材は、トロカールのスリーブの外面上で受けられるように形成され、且つ、選択された位置に位置付けられるようにトロカールのスリーブを長手方向に調整可能である。膨張式カラーに当接部材上のポンプを連結するチューブは、トロカールのスリーブの周囲で螺旋状に巻かれている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの目的は、この一般的なタイプのトロカール支持体の改善を提供することである。
【0004】
本発明の1つの態様に従い、トロカールが患者の体壁を通って伸長する間に患者の体壁の固定位置でトロカールを維持するための、トロカールと共に使用されるトロカール支持装置が提供され、トロカールはトロカール支持装置とは別個であり、トロカール支持装置は:
トロカールの半径方向外向きに折り畳まれた状態から予め定めた大きさへの拡張動作で移動可能である、トロカールの周囲で伸長するための環状拡張可能部材;
必要とされる位置にあるトロカール上で受けられるように配置される環状当接カラー
を含み;
前記環状当接カラーは選択された位置に位置するようにトロカールを長手方向に調整可能であり;
前記トロカール支持装置は、
選択された位置にあるトロカール上に環状当接カラーを位置付けるための環状当接カラー上にある取り外し可能なクランプ部材を含み;
前記環状拡張可能部材は、前記折り畳まれた状態の間に体壁での切開部を通して挿入され、且つ体壁の内面に係合するように挿入された時に拡張されるように配置され;
ここで、環状拡張可能部材は、環状当接カラー上に取り付けられる流体源を設ける手動で操作可能なデバイスにより拡張可能であり;
ここで、手動で操作可能なデバイスは、流体含有部材を間に位置付ける1対の環状部材を含み、環状部材と流体含有部材は、トロカールの通路のための中央開口部を取り囲んでおり;及び
前記トロカール支持装置は、
流体含有部材から流体を排出するために、他の環状部材の方に軸方向で1つの環状部材を圧搾するための手動で操作可能な圧縮デバイスを含む。
【0005】
独立して又は上記と組み合わせて使用され得る本発明の別の態様に従い、トロカールが患者の体壁を通って伸長する間に患者の体壁の固定位置でトロカールを維持するための、トロカールと共に使用されるトロカール支持装置が提供され、トロカールはトロカール支持装置とは別個であり、トロカール支持装置は:
トロカールの半径方向外向きに折り畳まれた状態から予め定めた大きさへの拡張動作で移動可能である、トロカールの周囲で伸長するための環状拡張可能部材;
必要とされる位置にあるトロカール上で受けられるように配置される環状当接カラー
を含み;
前記環状当接カラーは選択された位置に位置するようにトロカールを長手方向に調整可能であり;
前記トロカール支持装置は、
選択された位置にあるトロカール上に環状当接カラーを位置付けるための環状当接カラー上にある取り外し可能なクランプ部材を含み;
前記環状拡張可能部材は、前記折り畳まれた状態の間に体壁での切開部を通して挿入され、且つ体壁の内面に係合するように挿入された時に拡張されるように配置され;
ここで、環状拡張可能部材は、トロカール上へと係合するように配置される内部表面を有する弾性スリーブ部分(elastomeric sleeve portion)を含み;及び
ここで、内部表面に係合し且つトロカールの通路のための内部表面開口部を保持するために、弾性スリーブ部分の中空内部へと係合可能な、環状当接カラー上にある挿入スリーブ部分が設けられる。
【0006】
独立して又は上記の何れかと組み合わせて使用され得る本発明の別の態様に従い、トロカールが患者の体壁を通って伸長する間に患者の体壁の固定位置でトロカールを維持するための、トロカールと共に使用されるトロカール支持装置が提供され、トロカールはトロカール支持装置とは別個であり、トロカール支持装置は:
トロカールの半径方向外向きに折り畳まれた状態から予め定めた大きさへの拡張動作で移動可能である、トロカールの周囲で伸長するための環状拡張可能部材;
必要とされる位置にあるトロカール上で受けられるように配置される環状当接カラー;
を含み
前記環状当接カラーは選択された位置に位置するようにトロカールを長手方向に調整可能であり;
前記トロカール支持装置は、
選択された位置にあるトロカール上に環状当接カラーを位置付けるための環状当接カラー上にある取り外し可能なクランプ部材を含み;
前記環状拡張可能部材は、前記折り畳まれた状態の間に体壁での切開部を通して挿入され、且つ体壁の内面に係合するように挿入された時に拡張されるように配置され;
前記トロカール支持装置は、
トロカール上の環状拡張可能部材の必要とされる位置へのトロカールの共通の挿入のために環状拡張可能部材を環状当接カラーと係合し且つそれと係合状態で環状拡張可能部材を保持するべく環状拡張可能部材の一部を係合するための、環状当接カラー上に取り付けられる連結コンポーネント;及び
環状当接カラーからの環状拡張可能部材の取り外しを達成するために連結コンポーネントを取り外すように操作可能な取り外し部材であって、それにより、取り外し時に環状当接カラーは、環状拡張可能部材に対して長手方向に移動可能であり、環状当接カラーは、環状当接カラーと環状拡張可能部材との間で体壁を保持する位置に移動される、取り外し部材を含む。
【0007】
独立して又は上記の何れかと組み合わせて使用され得る本発明の別の態様に従い、トロカールが患者の体壁を通って伸長する間に患者の体壁の固定位置でトロカールを維持するための、トロカールと共に使用されるトロカール支持装置が提供され、トロカールはトロカール支持装置とは別個であり、トロカール支持装置は:
トロカールの半径方向外向きに折り畳まれた状態から予め定めた大きさへの拡張動作で移動可能である、トロカールの周囲で伸長するための環状拡張可能部材;
必要とされる位置にあるトロカール上で受けられるように配置される環状当接カラー
を含み;
前記環状当接カラーは選択された位置に位置するようにトロカールを長手方向に調整可能であり;
前記トロカール支持装置は、
選択された位置にあるトロカール上に環状当接カラーを位置付けるための環状当接カラー上にある取り外し可能なクランプ部材を含み;
前記環状拡張可能部材は、前記折り畳まれた状態の間に体壁での切開部を通して挿入され、且つ体壁の内面に係合するように挿入された時に拡張されるように配置され;
ここで、手動で操作可能なデバイスは、膨張流体含有部材を間に位置付ける1対の部材を含み;及び
前記トロカール支持装置は、
膨張流体含有部材から流体を排出するために、他の部材の方へと1つの部材を圧搾するための手動で操作可能な圧縮デバイスを含み;
ここで、流体含有部材は、滅菌流体の侵入を可能にするように開放され、膨張流体の排出を達成するように閉鎖され得る。
【0008】
1つの随意の配置において、流体含有部材はバルブにより開放される。
【0009】
別の随意の配置において、流体含有部材は、間に画定されるチャンバーが、滅菌流体の侵入を可能にするように開放され、その後、大量の膨張流体を包囲するように閉鎖される位置に、移動可能である。
【0010】
本発明の別の態様に従い、トロカールが患者の体壁を通って伸長する間に患者の体壁の固定位置でトロカールを維持するための、トロカールと共に使用されるトロカール支持装置が提供され、トロカールはトロカール支持装置とは別個であり、トロカール支持装置は:
トロカールの半径方向外向きに折り畳まれた状態から予め定めた大きさへの拡張動作で移動可能である、トロカールの周囲で伸長するための環状拡張可能部材;
必要とされる位置にあるトロカール上で受けられるように配置される環状当接カラー
を含み;
前記環状当接カラーは選択された位置に位置するようにトロカールを長手方向に調整可能であり;
前記トロカール支持装置は、
選択された位置にあるトロカール上に環状当接カラーを位置付けるための環状当接カラー上にある取り外し可能なクランプ部材を含み;
前記環状拡張可能部材は、前記折り畳まれた状態の間に体壁での切開部を通して挿入され、且つ体壁の内面に係合するように挿入された時に拡張されるように配置され;
ここで、手動で操作可能なデバイスは、膨張流体含有部材を間に位置付ける1対の部材を含み;
前記1対の部材は、環状当接カラーから全体的に半径方向外向きに伸長する、手動で係合可能な突出部を含み;及び
前記トロカール支持装置は、
膨張流体含有部材から流体を排出するために、他の部材の方へとトロカールの軸の周囲で1つの部材を回転させるための手動で操作可能な圧縮デバイス
を含む。
【0011】
以下の定義された選択的特徴は、本明細書に記載される意図の上述の独立した態様の何れとも、互いに独立して使用され得る。
【0012】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、軸方向の移動によって、チャンバーが流体をそこから排出する量を減少されるように、環状部材の1つはシリンダを含み、環状部材のもう1つは、シリンダ中のチャンバーを画定するピストンを含む。
【0013】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、シリンダおよびピストンは、チャンバーを適切に滅菌することを可能にするために外部からの滅菌流体物質(sterilizing fluid material)の進入を可能にする位置に移動することができる。
【0014】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、手動で操作可能な圧縮デバイスは、軸まわりの環状部材の回転が相対的な軸方向の移動を引き起こすように環状部材を相互連結するねじ山を含む。
【0015】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、ねじ山は環状部材の1つの外面上にある。
【0016】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、手動で操作可能な圧縮デバイスは、大量の流体が供給された後に、環状部材を固定位置に保持するためのラッチを含む。
【0017】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、環状部材は、環状部材の各々の外部から突出する2つの当接部を一緒に圧搾することによって移動され、ここで当接部の少なくとも1つは、軸まわりで回転可能である。
【0018】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、流体が供給された後に当接部を固定位置に保持するための当接部間で伸長するラッチが提供される。
【0019】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、拡張可能部材を収縮させるために環状部材を戻り方向で引き込み位置まで回転させるばねが提供される。
【0020】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、ばねは、環状部材間に位置付けられ、トロカールに巻きつけられる。
【0021】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、環状拡張可能部材を、トロカール上の環状拡張可能部材の必要とされる位置へのトロカールの共通の挿入(common insertion)のための環状当接カラーと係合する状態にし、且つ保持するために環状拡張可能部材の一部を係合するための環状当接カラー上に据え付けられた連結コンポーネントと、環状当接カラーが、取り外されるときに、環状拡張可能部材に対して長手方向に移動可能となり、それにより、環状当接カラーと環状拡張可能部材との間に体壁を保持する位置に移動されるように、環状当接カラーからの環状拡張可能部材の取り外しを達成するために連結コンポーネントを取り外すように操作可能である取り外し部材とが提供される。
【0022】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、連結コンポーネントの表面は、環状拡張可能部材の一部が表面の内部へと軸方向に突出するように、トロカールを囲む。
【0023】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、連結コンポーネントは、環状拡張可能部材上にリングを含み、リングは、リングを掴んだり取り外すためにプレートに開口部を有する環状当接カラー上の摺動プレートによって保持される。
【0024】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、環状拡張可能部材は、環状拡張可能部材を適所にロックするためにトロカール上のリブにわたって係合する内周リブを備えるトロカールよりわずかに大きなスリーブを含む。
【0025】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、環状拡張可能部材は流体によって膨張可能である。しかしながら、拡張可能部材の拡張のための他の技術も使用することができる。
【0026】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、手動で操作可能なデバイスは、環状当接カラーに据え付けられる。しかしながら、他の据え付け構造も使用することができる。
【0027】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、手動で操作可能なデバイスは、その間に位置付けられた、バルーンなどの流体含有部材を有する1対のディスクを含み、ディスクおよび流体含有部材は、トロカールの通路のための中央開口部を囲んでいる。
【0028】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、ねじ山部材などの手動で操作可能な圧縮デバイスが提供され、ねじ付部材は、流体含有部材の圧縮のための他のディスクの方へとディスクのうちの1つを圧搾するためにデバイス上で回転可能である。
【0029】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、カップリング構造は、内部表面を係合する及びトロカールの通路のために内部表面を開いたままに保持するために弾性スリーブ部分の中空内部へと係合可能である挿入スリーブ部分を含む。好ましくは、挿入スリーブ部分は、弾性スリーブ部分の終端で円錐台状部分において弾性スリーブ部分を保持するように先細っている。これによって、トロカールは、スリーブ部分を通って摺動すること及び弾性スリーブ部分の先端へとガイドされることが可能になり、それによって、弾性スリーブ上の縦力を低減し、そうでなければ、弾性スリーブはトロカールとともに長手方向に移動する。
【0030】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、カップリング構造は、挿入スリーブ部分に対して弾性スリーブ部分の一部をクランプするための周辺係合部材を含む。これによって、患者の体腔における挿入過程のために、弾性スリーブが取り外されて、環状当接カラーが弾性スリーブから離れて摺動することが可能になるまで、クランプされた弾性スリーブを環状当接カラーを用いて定位置に保持するように作用する。
【0031】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、周辺係合部材は、手動で操作可能な取り外し部材によって、挿入スリーブ部分および弾性スリーブ部分から取り外し可能である。好ましくは、取り外し部材は、例えば、ねじ山上の回転によって、周辺係合部材を取り外すために軸方向に移動可能である。
【0032】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、環状拡張可能部材または弾性部材の縁部は、環状当接カラーにクランプされた縁部を保持するために、内部挿入スリーブ部分と外部周辺係合部材との間でクランプされる。
【0033】
本発明の1つの重要な独立した選択的特徴に従って、環状当接カラー上の取り外し可能なクランプ部材は、トロカールを囲むための中央開口部を有するディスク部材を含み、中央開口部は、トロカールを係合するためにトロカールの方へと軸方向に付勢された縁部のばねを有し、およびディスク部材は、ばねの付勢に対してトロカールから軸方向に離れた中央開口部の方向にディスク部材を押しつけるために環状当接カラーの片側にさらされた手動で係合可能な部分を有する。
【0034】
拡張可能部材が流体によって拡張される場合、好ましくは、流体のソースを、トロカールに螺旋状に巻きつけられた環状拡張可能部材に連結する管状導管が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の一実施形態が、ここで、添付図面を参照して記載される。図面において、同様の参照符号は、異なる図の対応する部分を示している。
【0036】
図1図1は、本発明によるトロカール支持体の上部および片側からの等角図である。
図2図2は、図1の実施形態の第1の側面図である。
図3図3は、図1の実施形態の第2の側面図である。
図4図4は、拡張位置で示される図1の実施形態の第3の側面図である。
図5図5は、一緒にラッチをかけられた位置にある拡張可能部材およびカラーを示す図1の実施形態の第1の長手方向の断面図である。
図6図6は、図1の実施形態の第2の長手方向の断面図である。
図7図7は、図1の実施形態の分解図である。
図8図8は、図6のライン9-9に沿った断面図である。
図9図9は、本発明によるトロカール支持体の第2の実施形態の長手方向の断面図である。
図10図10は、本発明によるトロカール支持体の第3の実施形態の長手方向の断面図である。
図11図11は、図10の実施形態の長手方向の断面図である。
図12図12は、膨張システムの第1の位置における本発明の第4の実施形態によるトロカール支持体の上部および片側からの等角図である。
図12A図12Aは、膨張システムの最終位置における膨張システムを示す図12の等角図に類似した図である。
図13図13は、部分的に図12の実施形態の断面である等角図である。
図14図14は、内部コンポーネントを示す図12の実施形態の分解図である。
図15図15は、摺動可能カラーをトロカールに取り外し可能にクランプするための構造を示す図12の実施形態の一部のみの等角図である。
図16図16は、拡張可能なカラーを摺動可能カラーに取り外し可能に連結するための構造を示す図12の実施形態の一部のみの等角図である。
図17図17は、部分的には最終位置における膨張システムを示す図13の等角図に類似した部分的に断面である等角図である。
図18図18は、部分的に膨張した位置における膨張システムを示す図12の実施形態のライン18-18に沿った断面図である。
図19図19は、本発明のさらなる実施形態を示す図18の断面図に類似した断面図である。
図20図20は、図19の実施形態の平面図である。
図21図21は、図19の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1~9では、トロカール(12)のスリーブ(11)を支持するためにトロカール(12)に取り付けるトロカール支持体(10)が設けられており、他方でスリーブ(11)は、図4に概略的に示されるように患者の体壁(13)を貫通する。
【0038】
支持体(10)は、トロカールスリーブの外部表面で受けられるように形作られた当接部材(14)を含む。当接部材は、図4に示されるような選択位置(11A)に位置付けられるようにトロカールスリーブ(11)の長手方向に調整可能となるように、スリーブ(11)に取り外し可能に連結するための手動で操作可能なクランプ(14B)を備えたスリーブを囲むカラー(14A)を形成する。
【0039】
支持体(10)は、位置(11A)の当接部材(14)から一定間隔を置いた必要とされる位置(15B)でトロカールスリーブ(11)に据え付けるための膨張式カラー(15)を含んでいる。膨張式カラーは、ポンプ(17)からの流体、例えば、一般に空気または他の気体の供給源によって、供給管(16)を通る所定の大きさまで膨張することができる。
【0040】
図1に示されるように、収縮した膨張式カラーは、体壁の切開部を通してトロカールスリーブに差し込むことができ、体壁(13)の内面と係合するように、位置(15A)で図4に示される膨張した状態に挿入されるとき、チューブ(16)を通ってポンプ(17)から膨張することができる。当接部材は、当接部材(14)と膨張式カラー(15)の間に体壁(13)を保持するために、位置(11A)に移動することができる。
【0041】
ポンプ(17)によって提供される流体源は、トロカール支持体、とりわけ当接部材(14)に位置付けられて運ばれる。
【0042】
したがって、流体源は、トロカール支持体の一部を形成するポンプ機構であり、手動で操作可能である。流体源(17)は、固定された大きさのみまでカラー(15)を膨張させることができるように固定された量を供給する。
【0043】
チューブ(16)は、円形の断面を有しており、また場合によっては、トロカールのスリーブに対して水平になるように平らな断面を有しており、トロカールのスリーブの周りで螺旋形に巻きつけられる。したがって、チューブ(16)は、図1の当初の位置で示されるように順番に並んで圧縮可能であり、図4に示されるように軸方向に伸長することができる。
【0044】
図1で示されるように、膨張式カラー(15)と当接部材(14)は共通のカラー部分(10)を形成し、カラー部分(10)は、トロカールスリーブ(11)上に係合し、それに沿って軸方向に、下方の挿入端部からトロカールスリーブの長さに沿った必要とされる位置へと移動することができる。トロカール上への挿入のためにアセンブリを硬くかつ無傷に保持するために、連結システム(19)が設けられる。
【0045】
当接部材(14)は、膨張式カラー(15)がその必要とされる軸位置(15B)に到達すると、膨張式カラー(15)からトロカールスリーブに沿って軸方向に移動することができ、チューブ(16)は、当接部材が膨張式カラーから離れると、トロカールスリーブに沿って伸張する。
【0046】
以下に記載されるように、連結システム(19)は、トロカールスリーブ上の必要とされる位置(15B)での軸方向移動に対して膨張式カラー(15)を保持するためのコンポーネントを含む。このデバイスが以下に記載されるような様々な技術を駆使して作動することで、カラー(15)は膨張によってより有効に固定されるまで、必要とされる位置に留まることを確実にすることができる。
【0047】
トロカールへのデバイスの適用後、およびトロカールが患者の体壁の切開部に挿入される間、低膨張式カラーが適所に確実に留まるようにするために、複数の構造についてさらなる注意を払う必要があるだろう。
【0048】
この構成は、突出部が実際には並目ねじであり、トロカールスリーブを切開部と筋膜の中および外に螺合しなければならない従来のこの種の構造よりも、患者への挿入および除去を行う執刀医にとってはより都合がよい。ねじ山が刻設された従来のトロカールを挿入する、または取り除く間のねじり作用は、筋膜に損傷を与えかねない。記載された構成は、トロカールを挿入後、筋膜自体の内部に係合することを意図されており、したがって、ねじれ作用により起こり得る筋膜の損傷を回避する。
【0049】
他の従来の構成は、リブを用いることで、トロカールが切開部から引き抜かれる可能性を低減しようと試みる。しかしながら、リブはトロカールをより有効に保持するかもしれないが、リブが切開部を通って引っぱられるため、切開部にさらに多くの損傷を与えかねないという点で、このような構成も効果的ではない。さらに、切開部は経時的に伸張するため、リブは効果的ではなくなる。
【0050】
したがって、本発明の構成は、トロカールの移動を防ぐために、切開部の内部および外部に特定の止まり部材を形成するように提供される。前記デバイスがトロカールとは別個であり、その使用に先立ってトロカール上に適用される本構成では、使い捨ての単品として、異なる形態のトロカール、および異なる寸法のトロカールと共に前記デバイスを用いることが可能である。トロカール上の膨張式カラーおよび摺動可能カラーの位置を調節する機能は、執刀医が切開部に対してトロカールの長手方向の位置を選択することを可能にする。本構成は、異なるトロカールと共に使用するための有効な別個の支持具を初めて提供するものである。
【0051】
本構成では、膨張は、トロカール自体のカラー部分上に運ばれる上記のタイプの膨張式手動ポンプによって達成される。これにより、加えられる流体の量を制御し、別の流体源の必要性をなくす。
【0052】
したがって、トロカール支持装置(10)はトロカール(12)と共に使用され、前記装置(10)はトロカール自体とは別個のコンポーネントであり、前記装置をトロカールとは無関係に使い捨て可能にすることで、トロカールは再使用可能になりうる。支持装置は、トロカールが患者の体壁を通って伸長する間に、患者の体壁中の固定された位置にトロカールを維持するために作用する。
【0053】
したがって、前記装置は、間にあるチャンバー(15E)を画定する内壁(15C)と外壁(15D)を含むトロカールを囲む本体を含んだ拡張可能部材(15)を備える。内壁(15C)は、必要とされる位置(15B)に取り付けられた時に適所に留まらせるために、摩擦嵌合状態でトロカールのスリーブを密接包囲するように配置される。チャンバー(15E)への流体の膨張は、内壁(15C)を固定された位置に維持するのを助ける。この位置は、トロカールスリーブの端部に直結する位置でもよいし、あるいはトロカールの端部(11B)の意図した位置に応じて執刀医が選択するように、トロカールスリーブに沿って間隔を置かれた選択位置でもよい。
【0054】
流体源から膨張式の部材に続くチューブ(16)は、チャンバー(15E)への密封した連結によって形成され、トロカールの周りで供給源へと螺旋状に伸長する。
【0055】
環状の当接カラー(14)はさらに、トロカール上および必要な位置で受けられるように配置され、手動で操作可能なボタン(14B)によって適所に固定することができる。ボタン(14B)は、必要な位置でスリーブまたは(11)を係合するために取り外し可能なクランプ部材として作用する。
【0056】
連結構造(19)は、図5、6および8に最もよく示されるように、第1の部分(19A)および第2の部分(19B)によって画定された連結アセンブリを含む。これらの部分は、環状の当接カラー(14)と共に共通のコンポーネントとして環状の拡張可能部材(15)を、必要とされる位置へのこれらのコンポーネントを通したトロカールの共通の挿入のために、保持すべく作用する。前記2つの部分は、カラー(14)からの環状の拡張可能部材(15)の取り外しを達成するための取り外しコンポーネント(19C)によって取り外し可能である。それにより、取り外された時にカラー(14)は拡張可能部材(15)に対して長手方向に移動可能であり、体壁の外部に隣接する必要とされる位置にカラーを移動し、カラーと拡張可能部材との間で体壁を圧搾して、デバイスおよびしたがってトロカールを適所に保持することができる。
【0057】
図2および3に最もよく示されるように、チューブ(16)の上方端部に連結される流体源は、トロカール(11)を囲む円盤状のブラダー(20)を含み、2つの操作ディスク(21と22)の間で圧縮可能である。ディスク(22)は、運ばれるディスク(21)に面するディスク(22)の表面に取り付けられたブラダー(20)を備える。ディスク(22)は、トロカール(11)を囲むカラーまたはスリーブ(23)を備えた一体型のコンポーネントを形成する。ディスク(21)は、ディスク(21)がディスク(22)に接近する摺動動作で、スリーブ(23)の外部表面に沿って摺動可能な上方のカラー(24)に運び入れられる。したがって、ディスク(22)に向かう下方向へのディスク(21)の摺動動作は、ブラダー内の流体のすべての量を排出するための環状のブラダー(20)の圧縮を引き起こす。この摺動動作は、カラー(24)およびディスク(21)の裏面にあるランプ表面(25および26)によって形成されたねじ状の構成によって行なわれる。ばね(27)は、ランプ表面(25と26の間)に位置し、ブラダー(20)の拡張位置へとディスク(21および22)を別々に付勢すべく作用する。ブラダー(20)の圧縮位置へのディスク(21および22)の移動は、一対のレバー(28および29)によって行われ、該一対のレバーを手動で一緒に圧搾することで、ディスク(21)に対してカラー(24)が回転し、それによりランプ表面はディスク(22)に向かうディスク(21)の長手方向の移動を引き起こす。
【0058】
レバー(28および29)の各々は、ユーザーの指および親指がレバーを一緒に圧搾できるようにする、手動で操作可能なフィンガーパッドを含む。図1の(30)および(31)に概略的に例示されたラッチ構造は、ブラダー(20)から流体を排出する圧搾位置へとレバーが動かされた時に、ロック位置でフィンガーパッドを一緒に保持するように設けられている。ラッチ(30および31)は、レバーが完全に圧搾された時にのみ作動する。それにより、もしレバーが完全に圧搾位置に達せず、それゆえにラッチがかけられなければ、ばね(27)はレバーを当初の位置に戻すように作用して、それによってブラダー(20)を再充填し、拡張可能部材(15)から流体を引き戻す。したがって、デバイスは、ユーザーにレバーを完全な圧搾位置にのみ作動させるよう求め、部材(15)が部分的にのみ拡張するという状況のあらゆる可能性を防ぐ。ラッチ(30および31)はさらに、ラッチをかけられた拡張が完了した後、一度にフィンガーパッドを一緒に押すという状況で取り外されるように配置される。したがって、操作中のユーザーは、部材(15)の拡張を引き起こし、ラッチをかけられた位置でフィンガーパッドを離す。前記手順が終わった後に部材(15)を収縮させる必要がある時には、フィンガーパッドをさらに圧縮することによって、ラッチ(30および31)は取り外され、それによりばね(27)が部材(15)を収縮させる。
【0059】
ディスク(22および21)はブラダー(20)と共に、トロカール(11)が通るための中央の環状の開口部(32)を備える。
【0060】
連結構造(19)は、図5、6および7に最もよく示される。これは、カラー(19D)およびスリーブ(19E)を有するコンポーネント(19A)を含む。スリーブ(19E)は、端部(19F)で先細りしており、それゆえに膨張式部材(15)の円錐台状の部位(15G)に挿入することができる端部部分を形成する。前記部位(15G)はスリーブ(19E)およびその端部(19F)に隣接する部材(15)の末端に位置し、それゆえに端部(19F)は、チャネル(32)を通って、およびスリーブ(19E)を通ってトロカールが部材(15)へと通過するために、前記部位(15G)を開放した状態に保つ。このようにして、部材(15)の上方端部は、トロカールの端部(11B)によって下方へ押されることを妨げられる。膨張式部材の前記部位(15G)は、テーパ部(19F)によって円錐台状の位置に維持され、第2の(19F)が膨張式部材の弾性の性質によって取り出される場合に、トロカールを囲む円柱状の位置へ戻る。
【0061】
部材(15)の内面上のトロカールの外面の間の摩擦係合が部材(15)をその選択位置の前へ下方へと押す傾向を防止するために、部材(9B)が、その部分(15G)の外面をテーパ状の末端(19F)上へとピンチするように使用される。このために、部材(19B)は端部先端を有する複数のフィンガー(19G)を含み、その端部先端はフィンガー(19G)が共に圧搾されるときに部分(19F)の外面と係合する。構造の組み立て初期において、フィンガー(19G)は、カラー(14)上のカップリング(19C)により共に圧搾される。しかしながら、カップリング(19C)の回転によって、フィンガーが部分(15G)から外側に離れさせるように、ねじ状の傾斜(19H)をフィンガー(19G)に沿って軸方向へカップリング(19C)を移動させる。この操作は、図5および6を比較することにより最良に理解でき、図5では、フィンガー(19G)は、部分(15G)に対して圧搾するように内側に押さえ付けられる。図6では、カップリング(19C)は軸方向へ動き、それによって、フィンガー(19G)内のばねが、フィンガーを部分(15G)から外側に離れさせる。このように、部分(15G)は、デバイスを介してトロカールを挿入する間に保持されピンチされて、その後カラー(14)およびカップリング(19C)を回転させることにより、ユーザーによって選択された必要とされる位置で取り外され、その結果、部分(15G)がテーパ状の末端(19F)から摺動して外れることを可能にする。部材5の内面およびトロカールとの間の摩擦接触は、部材(15)がデバイスから引き抜かれトロカール上へと配置されることを可能にする一方、デバイスの残存部は部材(15)から軸方向へ離れる。この動きは、膨張可能部材(15)から拡張ブラダー(20)へ伸長するように、トロカールの長さに沿ってチューブ(16)を拡張させる。
【0062】
図6、9および8に示されるように、環状当接部材(14)は、トロカールの通過を可能にするために開口部(32)を囲む。手動で取り外し可能なクランプ部材(14B)は、トロカールの外面上へとクランプするための当接部材(14)上に備えられる。クランプ部材(14B)は、トロカールを囲む中央開口部(14R)を有するフラットディスクを含む。開口部(14R)の片側端部(14S)は、図6に示されるようにトロカールの外面に対してピンチする。しかしながら、部材(14B)の端部またはボタン(14T)に対する圧力はディスクを押すように作用し、その結果、端部(14S)がトロカールの外面から離れる。したがって開口部(14R)は、ボタン(14T)によって押し下げられたときに、それがトロカールから離れるように非円形である。ばね装置(14X)は、ボタン(14T)が押し下げられるとき以外は、端部(14S)およびトロカールとの間の係合へとディスクを押し込むように、ボタン(14T)の反対のディスクの背面に備えられる。
【0063】
したがって、ここでその装置は、単一ユニットを提供する。膨張可能部材(15)および環状カラー(14)がトロカールの挿入間にともに連結される。それらの間の連結は任意のさらなる取り出し可能なコンポーネントではなくむしろコンポーネント自体によって分割される。カラー(14)の簡単な回転は、ユーザーによって選択された膨張可能部材の所要位置において、膨張可能部材からのカラーの分離を生じさせる。膨張可能部材がトロカール上の定位置にあるとき、カラーは、ユーザーが患者の体壁を通ってトロカールを挿入するために膨張可能部材から十分に離され、その結果、膨張可能部材は体壁の内側に位置付けられ、それにより膨張可能部材がチューブ(16)を通るブラダー(20)を圧縮することによって膨張し、その後、カラー(14)は患者の体壁の外側の位置へと上に移動させられ、適所にトロカールを保持するために十分に体壁を圧搾する。手術が終了した後の本体の膨張部の取り外しは、膨張可能部材を収縮させ、トロカールを切開部から簡単に引き抜くことを可能にするラッチ(30)および(31)を取り外すことによって実行される。
【0064】
図9において、膨張可能部材(151)へ流体を供給するための、上記されるような同じ膨張システムを使用する代替的な構造が示される。本構造において、代替的な構造は、カラー(141)へ膨張可能部材(151)を取り付けるために備えられる。本構造において、膨張可能部材(151)は、(153)で示される膨張可能部分を越えて上方へ伸長する、(152)で一般的に示される上部を含む。上部(152)は厚くで、(154)では下向きのテーパであり、膨張可能バルーン(153)の内部表面を形成する。スリーブ(153)が上方へ伸長して、テーパ部分(154)上に提供され、その後、それはカラー部分を囲む凹部(156)を有するカラー部分(155)を形成するように形作られる。クランプリング(157)は、カラー(141)の凹部(142)内にカラー部分(155)を保持するために、凹部(156)へと係合する。クランプリング(157)は、カラー(141)と係合するそのクランプ位置から膨張可能部材(151)を取り外すために、凹部(156)から離れるような摺動または回転などの任意の適切な機械的方法によって取り外し可能である。したがって、それにおいて述べられているように、デバイスは同様に作動する。膨張可能部材はカラーに(141)に保持されクランプさられる一方、トロカールは、膨張可能部材(153)が必要とされる位置に到達するまでカラー(141)を通り、そして膨張可能部材(151)の部分(152)を通って挿入される。この点において部材(157)は、膨張可能部材を取り外し、カラー(141)を離れさせるように操作される。
【0065】
ここで、図10および図11に目を向けると、フィンガー(19G)を含む図6に関して、上記されるような同じコンポーネントを使用する、さらなる構造が示される。しかしながら、本実施形態において、円錐部分(19F)上のフィンガー間のバルーンまたは膨張可能部材の上端を単にピンチする代わりに、フィンガー(19G)は、膨張可能部材(161)の内壁(164)の底肩部(163)と協働する。この膨張流体は、必要とされたとき膨張をもたらすために、内壁(163)および外側の膨張可能部分(162)との間のこの膨張可能部材(161)に注入される。しかしながら、内壁の膨張可能部材の厚みは、カラー(14)の内部で膨張可能部材(161)を保持するためにフィンガー(19G)によって適切に把持できる肩部(163)を画定するのに十分である。
【0066】
したがって、図9、ならびに図10および11の両方の実施形態において、膨張可能部材はより複雑であり、かつより厚い構造であって、そのより厚い壁が切開部を通り抜けなければならないという点で不利である可能性もあるが、このより厚い構造は、膨張可能部材を適所に十分に保持するために、そのカラー(14)のコンポーネントの膨張可能部材(15)上へのより効果的なクランプ動作を可能とする。加えてこの構造は、切開部への挿入を妨げる可能性のあるトロカールのシャフトの長さを過剰にし過ぎないように、システムの全長を縮小させることもある。
【0067】
ここで図12から16の実施形態へ目を向けると、装置から切り離されたトロカールTと共に使用するためのトロカール支持装置(201)が示される。その装置は、トロカールの周囲に伸長するための環状拡張可能部材(203)を含み、その部材(203)は、トロカールの放射状かつ外側に折りたたまれた状態から、前に記載されたような患者の本体内部に係合するための予め決められたサイズへの膨張する動きにおいて拡張可能なバルーン部分(204)を含む。
【0068】
その装置は、その上の必要とされる位置でトロカール上に受けられるように配置された環状当接カラー(202)をさらに含み、切開部への挿入を可能にするためにトロカール上の選択位置に位置付けられ、その後前に記載されたような本体の外側に対してクランプするように、トロカールの長手方向に調節可能である。
【0069】
摺動可能カラー(202)は、一般的に円筒状のボディを含み、連続的に、かつトロカールが通過する中空コアの同一円周上に配置される(205)から(208)の4つの部分を形成する。
【0070】
摺動可能カラー(202)は、調節されたときに、選択位置においてトロカール上の環状当接カラーを位置付けるための、環状当接カラーの部分(207)としての取り外し可能なクランプ部材を含む。
【0071】
上記したように、拡張可能カラー(203)は、示されるように、体壁の切開部を介して挿入されるその折りたたまれた状態で配置され、その後体壁の内面と係合するために挿入されたときに拡張される。
【0072】
環状拡張可能カラーは、摺動可能カラー(202)上に据え付けられた部分(205)および(206)により画定されるポンプの形状の、空気源を提供する手動で操作可能なデバイスによって膨張可能である。特に、トロカールが通過するための中央開口部(209)を囲む環状部分(205)および(206)は、その間のチャンバー(210)を含む流体を画定する。部分(205)および(206)はそれぞれ、流体を含むチャンバー(210)から前に記載されたような螺旋状ダクト(215)を通って拡張可能カラー(204)へと流体を排出するための、他の部分(206)に向かう軸方向の部分(205)を圧搾するために、手動で操作可能な圧縮デバイスの当接部(212)および(213)を持つ。
【0073】
部分(206)は、ダクト(215)が連結する円筒形の外壁(214)および閉じた底壁(216)を有する環状シリンダ(227)を形成する。そのシリンダはさらに、上部端(218)および(219)で終端となる内壁(217)および外壁(214)の両方を有する内壁(217)を含む。
【0074】
部分(205)は、ベース(221)、外壁(222)、および内壁(223)を有する内部の環状ピストン(220)を持つ。壁(222)および(223)はそれぞれ、シリンダの内面上に摺動動作のためのシールリング(226)を持つ外部チャネル(225)を有する。ピストン(220)およびシリンダー(227)は、それらの間にシリンダ内のチャンバー(210)を画定し、結果として、軸方向のその動きは、チャンバー(210)にチャンバーからダクト(215)を通って排出される流体の体積を減少させる。チャネルおよびシールリングは、ピストンの外壁へと統合されたワイパーシール装置(図示せず)によって取り替え可能である。
【0075】
シリンダの外壁(214)は、部分(205)のスリーブ部分(230)内で協働する凹部(229)に連結する、浅いねじ山(228)を持つ。したがって部分(205)は、部分(206)によって画定されたシリンダの外壁を囲む上部キャップ(231)および垂下スリーブ(depending sleeve)(230)を含む。したがって、軸の周りの回転による相対的な軸方向の移動がピストンをシリンダへと押し込むように、ねじ山は部分(205)および(206)によって画定された環状部材を相互連結するように作用する。
【0076】
チャンバー(210)を適切に滅菌できるように、滅菌流体材料を外部から流入させられる位置にシール部(226)が移動する位置へと、シリンダ(227)およびピストン(220)を移動させることができるように、ねじ山は配置される。従って、デバイスは、従来の滅菌システムを使用して、チャンバーを含むシステム全体に洗浄流体を通過させることができる。シール部がシリンダに入ると、固定量の空気がチャンバー(210)内で画定され、次いで、部分(205)が下方に移動するにつれて排出され、固定量を膨張可能カラーに提供して、予め定められた大きさに膨張を確保する。
【0077】
部分(205)上のピストン(220)は、環状部材のそれぞれの外部から径方向に外部へ突出する2つの当接部(212)および(213)を一緒に圧搾することによって、部分(206)上のシリンダに対して前方に駆動される。外部キャップ(231)が回転し、これらのコンポーネントの間にベアリングが存在するとき、ピストン自体はシリンダに対して静止して保持されるので回転しない。当接部は約40度の角度で始まり、それらが接触しているかまたはそれにほぼ接触しているようになるまで、圧搾動作で一緒に動かされる。おおよそ120度で示された位置は、ピストンのヘッドの周りのシリンダに滅菌流体が入るための取り外し位置に部分(205)が移動する位置を示す。ラッチフィンガー(232)が当接部(212)に取り付けられ、当接部(213)の内部に伸長し(図12A)、ユーザーがラッチヘッドをラッチ位置から取り外すまで当接部を閉鎖位置に保持するために、当接部(213)の後ろにスナップ留めするラッチヘッド(233)を含む(図12A)。
【0078】
コイル状のねじりばね(234)が中心コア(209)のまわりに巻かれ、環状部材の間に配置され、一端部(235)で部分(205)に、かつ、他端部(236)で部分(206)に、取り付けられている。ばねは、部分(205)がラッチ位置に回転する時に締め付けられ、ラッチが取り外された時には、図12に示される引き込み位置への戻り方向に部分を回転させて、同じ固定量の流体をチャンバー(210)へと回収することにより、拡張可能部材を収縮させるように作動する。
【0079】
部分(207)が図15に示され、これは、ばねの付勢に対しトロカールから径方向に離れる方向にディスク部材(240)を押すために、環状当接カラー(202)の一側面で露出する、手動で係合可能な部分(241)を有するディスク部材(240)の形態で、環状当接カラー(202)が、クランプ機構によってトロカールTへクランプされる構造を提供する。クランプ機構(240)は、取り外しボタン(241)に圧力が加えられるまで、カラー(202)がトロカールTへクランプされるように設計されている。ボタン(241)が押し下げられた状態にある間、カラーはトロカールの軸に沿って自由に摺動する。この図は、ボタンが部分的に押し下げられた状態の機構を描写する。
【0080】
図示された構造では、金属ばね(243)が、トロカールから外向きの方向にボタン(241)に一定の力を加え、その位置でトロカールがクランプされる。ボタン(241)は、部分(207)の内部に伸長し、弾性のヒンジ付きクランプ(244)を含むほぼ長方形のトレイ部分(247)を含む。ボタン(241)上のばね(243)からの力により、弾性のヒンジ付きクランプ(244)が、ボタン(241)のトレイ部分(247)の内部開口部(252)内の楔形の輪郭部(245)および(277)に衝突する。輪郭部(277)と、クランプ(240)の外端部(248)との間の協働により、結果として、クランプ(240)がトロカールの円周のまわりで圧縮される。クランプ(240)のいずれかの端における間隙(249)および(250)は、トロカールのまわりでクランプしながらともに近付く。
【0081】
ユーザーがばね(243)の力に打ち勝つのに十分に親指でボタン(241)に圧力を加えると、ボタン(241)は点(251)でクランプ(240)に係合し、ヒンジ付きクランプ(240)を開き、そのグリップをトロカールの周りで解除する。ボタン(241)のトレイ部分(247)の開口部(252)の輪郭部を大きくして、ウェッジ(248)がクランプされた位置に対して離れるように動くことが可能になり、クランプ空間を開くことができる。
【0082】
親指の圧力をボタン(241)から離すことにより、摺動可能カラー(240)が再びトロカール上にクランプする。クランプとトロカールの接合部分(clamp-trocar interface)のまわりのセミシリンダ(253)が、殺菌プロセス中に、エチレンオキシド(ETO)ガスを通過させる。
【0083】
クランプ(240)は、柔軟なシリコーンゴムから作られた弾性のリング(254)を取り巻く、個々にヒンジが付いた複数の部分中に形成される。リング(254)の内面(255)は、トロカールの外面の周りで摩擦係合する。クランプの個々の部分は、実質的に一定の圧力がトロカールの外面に加えられることを確実にして、効果的なクランプ動作を提供する。これにより、クランプ力がトロカールの周囲の特定の部分に制限され、許容できないクランプ力をもたらしうる状況が回避される。
【0084】
トレイ(247)は、押されたときにボタン(241)の摺動動作をガイドするガイド壁(256)で成形された部分(207)を画定する環状体に据え付けられている。圧送機構の一部である当接部(213)は、部分(207)の外面に据え付けられ、この部分は、クランプ動作と、留め具によってそれが取り付けられている部分(208)との協働とによって、トロカールに対して固定され、静止して保持される。図18に示されるように、トレイ(247)は部分(207)の底壁(257)上にあり、部分(206)の底壁(216)の下側との係合によって、部分(207)から上方に持ち上げられることが防止される。ばね(243)は、トレイ(247)の端壁に突き当たる端部タブ部分(260)と共に、部分(207)の外壁(259)の周りに伸長するアーチ部分(258)を含む。これがトレイに押し当たり、ボタン(241)を伸長させ、かつ、クランプ動作の際にリング(254)のまわりでそれを圧搾するように作用するクランプ(240)の表面(248)に対してウェッジ(245)および(277)を押し付ける。
【0085】
図16および図18に示されるように、環状拡張可能部材を環状当接カラーと係合する状態にし、且つ保持するよう、環状拡張可能部材の一部に係合するために、部分(208)において環状当接カラーに据え付けられた連結コンポーネント(262)が設けられている。部分(208)は、ベース壁(261)と、部分(207)の外面におおむね直径が一致する直立周壁(263)とを含む。ベース壁(261)上に、複数の環状固定カラー(264)が設けられており、これらによってコンポーネントは適切な留め具により共にクランプされる。コンポーネント(262)が、トロカールをその中に共通して挿入(common insertion)させるために、拡張可能カラー部分と当接部分とをともにクランプし作動する。コンポーネント(262)は、拡張可能バルーン(204)の上部(266)を取り囲むカラー(265)を含む。上部(266)の頂上部には、カラー(265)の頂上部に位置する底肩部(268)を画定する外部バンド(267)が設けられている。内部開口部(269)は、より小さい部分(271)上により大きい部分(270)を有し、より小さい部分は、バンド(267)の下で上部(266)の周りで緊密にクランプされる。コンポーネント(262)が据え付け部材(272)の周りで枢動すると、これにより、より大きい部分(270)が上部(266)の周りの位置に移動し、この部分がクランプ動作から解除されて、当接部材および拡張可能部材が離れることができるようになる。
【0086】
いくつかの実施形態では、環状拡張可能部材(204)は、環状拡張可能部材を適所に固定するために、トロカールのリブの上に係合するバンド(267)の上部分(266)の内面に内部周辺リブ(305)を有する、トロカールよりわずかに大きいスリーブを含む。図1から図11に示すような他の実施形態では、拡張可能部材のスリーブは、トロカール上にしっかりと配置され、カラーからの挿入部によってトロカールから離間して保持される。
【0087】
このようにして、コンポーネント(262)は、トロカール上の環状拡張可能部材が必要な位置に拡張可能部材が移動させられた後に、拡張可能部材の移動を可能にするために、クランプ動作を解除するためのレバー(273)によって画定される解除部材を含む。壁(263)のスロット(274)内で摺動可能レバー(273)によって画定された解除部材は、連結コンポーネント(262)を解除するために動作可能であり、環状拡張可能部材の環状当接カラーからの解除を達成する。解除されると、環状当接カラーは環状拡張可能部材に対して長手方向に移動可能であり、環状当接カラーは、環状当接カラーと環状拡張可能部材との間で体壁を保持する位置に移動させられる。
【0088】
連結コンポーネント(262)および取り外し部材(273)は、部分(208)で環状当接カラー(202)上にあり、連結コンポーネント(262)は、環状拡張可能部材のコンポーネント(266)と係合するための表面(271)を含む。
【0089】
図示された構造では、コンポーネント(262)は、据え付けピンの周りの枢動のために据え付けられるが、しかし、コンポーネントは径方向に部分(208)の内外に摺動するディスクを形成することができ、その結果、鍵穴型のスロット(270)および(271)がトロカールおよび拡張可能部材の上部(266)に対して移動する。
【0090】
アーム(273)の下側の突出部材(275)は、ベース壁(261)のスロット(276)と協働して、上で定義した2つの位置の間でのアームが移動している際にアームをガイドし、位置決めする。スロット(276)に適切な制限を設けて、アームおよびその2つの位置を能動的に位置決めすることができる。
【0091】
連結コンポーネントの鍵穴型表面(269)がトロカールを取り囲み、その結果、環状拡張可能部材の一部(266)が、拡張可能部材を適所に保持するために、表面の内部に軸方向に突き出ている。摺動プレート(265)の表面(269)は、プレートまたはディスク(265)の開口部を画定するカラー(202)の部分(208)上にリングを形成し、部分(266)を掴んだり、取り外したりする。
【0092】
図19から図21に示される別の構造では、シリンダおよび協働するピストンにより上に画定されるポンプが、当接部(212)および(213)の間に位置する単純なベロー構造(300)に交換されている。このように、当接部(212)および(213)がともに手動で圧搾されると、これが作用して、ベロー構造(300)を圧縮し、空気をベロー構造の内部からダクト(215)へと押し込む。ばね(301)が設けられ、このばね(301)は、トロカールの周りに螺旋形のコイルを形成する上述の構造と同じ構造であるか、または、ベローに位置し、かつ、ベローが押し下げられるときに圧縮される単純な圧縮ばね(301)のいずれかであり得る。この構造は、シリンダおよびピストン壁を画定する内部コンポーネントが必要になることを回避する、より単純な構成である。上述したように、ベローなどの任意のポンプ構造の内部が、殺菌作用ために、外部の流体にアクセスされうることが必要である。ベロー内への流体の進入を可能にし、次いでベローの作動中に閉じられるバルブ構成(303)が設けられる。これは、手動操作可能部材(302)によって、または、システムのコンポーネントによって自動で閉じられてもよい。両方の場合において、バルブは、外部の滅菌流体へのアクセスを遮断し、かつ、ベローを導管(215)に連結するように作用する、一時操作デバイスとして配置される。上述したように、ベローは、閉鎖時に、固定量の空気を提供し、この空気は、ベローからダクトを通って膨張バルーンに圧送されて、必要なレベルまで膨張することを確実にする。
図1
図2
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図5
図6
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図9
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図12A
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図16
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図19
図20
図21