(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】脚付きマットレス
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20220624BHJP
A47C 31/10 20060101ALI20220624BHJP
A47C 19/02 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
A47C27/00 Z
A47C31/10
A47C19/02 B
(21)【出願番号】P 2018246715
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2020-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】513146815
【氏名又は名称】株式会社ホームテイスト
(73)【特許権者】
【識別番号】519000825
【氏名又は名称】大連華納科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】柴田 誠
(72)【発明者】
【氏名】劉震
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3218171(JP,U)
【文献】登録実用新案第3042760(JP,U)
【文献】登録実用新案第3058313(JP,U)
【文献】登録実用新案第3091359(JP,U)
【文献】登録実用新案第3217229(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/00-27/22
A47C 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に長い縦長な矩形状のマットレス本体と、前記マットレス本体を下から支える簀子と、前記簀子にそれぞれ着脱可能に連結され、前記簀子を介して前記マットレス本体を床面から持ち上げ支持する複数本の脚とを有し、
前記簀子は、左右方向に長い横長な矩形状の複数枚の簀子板と、前記マットレス本体の下面の略全面を覆う前後方向に長い縦長な矩形状
の折り曲げ可能且つ通気性を有するシート体とを備え、
前記シート体の前端縁と後端縁との間の一表面上に前記複数枚の簀子板が前後方向に離間した並列状態で取り付けられたものであって、前記シート体の周縁部がスライドファスナーによって前記マットレス本体の下面に着脱可能に連結されて、前記簀子がスライドファスナーによって前記マットレス本体の下面に着脱可能に連結されていることを特徴とする脚付きマットレス。
【請求項2】
前記シート体は不織布であることを特徴とする請求項1に記載の脚付きマットレス。
【請求項3】
前記スライドファスナーは、一対のファスナーテープと、前記一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部にそれぞれ取り付けられた一対のファスナーエレメント列と、前記一対のファスナーエレメント列を噛合・分離させるスライダーとを備え、一方のファスナーテープが前記シート体の周縁部に全周に亘って設けられ、他方のファスナーテープが前記一方のファスナーテープに沿って前記マットレス本体の下面に前後方向に長い縦長な矩形状に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の脚付きマットレス。
【請求項4】
前記簀子に着脱可能に連結され、前記複数枚の簀子板の少なくとも左右両端部を下から支えるフレームをさらに有し、前記複数本の脚は、前記フレームにそれぞれ着脱可能に連結されて、前記フレームを介して前記簀子にそれぞれ着脱可能に連結されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の脚付きマットレス。
【請求項5】
前記フレームは、前後方向に延びて前記複数枚の簀子板の左右両端部を下から支える左縦桟と右縦桟とを備え、前記左縦桟と前記右縦桟は、それぞれ、同じ長さを有する前縦桟と後縦桟とに分割形成されており、
左右の前記前縦桟の前端部が最も前方に配置された一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
左右の前記後縦桟の後端部が最も後方に配置された一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
左右の前記前縦桟の後端部と左右の前記後縦桟の前端部とが中央に配置された一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結されていることを特徴とする請求項4に記載の脚付きマットレス。
【請求項6】
前記フレームは、左右方向に延びて前記左縦桟と前記右縦桟とを繋ぐ前横桟と後横桟と中横桟とをさらに備え、
前記前横桟は、その左右両端部が左右の前記前縦桟の前端部に下から重ね合わされた状態でその左右の前縦桟の前端部下面間に横架され、前記前横桟の左右両端部が、最も前方に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部との間に左右の前記前縦桟の前端部を挟んだ状態で最も前方に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
前記後横桟は、その左右両端部が左右の前記後縦桟の後端部に下から重ね合わされた状態でその左右の後縦桟の後端部下面間に横架され、前記後横桟の左右両端部が、最も後方に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部との間に左右の前記後縦桟の後端部を挟んだ状態で最も後方に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
前記中横桟は、その左右両端部が左右の前記前縦桟の後端部と左右の前記後縦桟の前端部に下から重ね合わされた状態でその左右の前縦桟の後端部の下面と左右の前記後縦桟の前端部の下面間に横架され、前記中横桟の左右両端部が、中央に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部との間に左右の前記前縦桟の後端部と左右の前記後縦桟の前端部とを挟んだ状態で中央に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
前記脚は、前記各横桟に少なくとも左右2本ずつ着脱可能に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の脚付きマットレス。
【請求項7】
前記横桟の前記簀子板への連結部材と前記脚の前記横桟への連結部材はボルトであることを特徴とする請求項6に記載の脚付きマットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脚付きマットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール状に巻き取り可能なマットレス本体と、マットレス本体を被うマットレスカバーと、マットレス本体とは別体の折り畳み可能な床材用簀子と、床材用簀子を展開状態に支持する複数本の展開支持板と、各展開支持板に着脱可能な複数の支持脚とから構成され、工場での梱包時、1つの段ボー箱に収容されて出荷される脚付きマットレスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の脚付きマットレスは、マットレス本体が、床材用簀子と展開支持板と支持脚とを有してなるマット支持台に載置されるとともに、マットレス本体とマット支持台とが、マットレスカバーによって一体的に被われたもので、マットレスカバーが、マットレス本体を被った状態で、例えば、紐、ベルト、面状ファスナなどを利用して、マット支持台に着脱可能に連結されているために、使用時に床材用簀子からマットレス本体がずれやすく、また組み立て時にマットレスカバーによってマットレス本体とマット支持台とを一体的に被うという煩雑な作業が必要となり、さらにマットレスカバーのコストが高いという問題があった。
【0005】
本発明は、前記従来技術の問題に鑑み、使用中に簀子からマットレス本体がずれにくく、組み立やすく安価な脚付きマットレスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成する手段として本発明は、前後方向に長い縦長な矩形状のマットレス本体と、前記マットレス本体を下から支える簀子と、前記簀子にそれぞれ着脱可能に連結され、前記簀子を介して前記マットレス本体を床面から持ち上げ支持する複数本の脚とを有し、
前記簀子は、左右方向に長い横長な矩形状の複数枚の簀子板と、前記マットレス本体の下面の略全面を覆う前後方向に長い縦長な矩形状の折り曲げ可能且つ通気性を有するシート体とを備え、前記シート体の前端縁と後端縁との間の一表面上に前記複数枚の簀子板が前後方向に離間した並列状態で取り付けられたものであって、前記シート体の周縁部がスライドファスナーによって前記マットレス本体の下面に着脱可能に連結されて、前記簀子がスライドファスナーによって前記マットレス本体の下面に着脱可能に連結されていることを特徴とする脚付きマットレスを提供する。
【0007】
この脚付きマットレスによれば、マットレス本体は、例えば、気密性のある袋に入れてその袋ごと厚さ方向に圧縮し、その状態で袋の開口部を封止し、その圧縮状態からさらにロール状に巻いて圧縮ロールマットレスとなし、簀子は、例えば、巻き取り又は折り畳んで簀子板束となし、これら圧縮ロールマットレスと簀子板束を含む全ての構成部品を段ボール箱1個にまとめて入れた1個口の梱包状態又は段ボール箱2個に分けて入れた2個口の梱包状態で流通させることができる。
【0008】
前記シート体は不織布であることが好ましい。
【0009】
前記スライドファスナーは、一対のファスナーテープと、前記一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部にそれぞれ取り付けられた一対のファスナーエレメント列と、前記一対のファスナーエレメント列を噛合・分離させるスライダーとを備え、一方のファスナーテープが前記シート体の周縁部に全周に亘って設けられ、他方のファスナーテープが前記一方のファスナーテープに沿って前記マットレス本体の下面に前後方向に長い縦長な矩形状に設けられていることが好ましい。
【0010】
前記簀子に着脱可能に連結され、前記複数枚の簀子板の少なくとも左右両端部を下から支えるフレームをさらに有し、前記複数本の脚は、前記フレームにそれぞれ着脱可能に連結されて、前記フレームを介して前記簀子にそれぞれ着脱可能に連結されていることが好ましい。
【0011】
前記フレームは、前後方向に延びて前記複数枚の簀子板の左右両端部を下から支える左縦桟と右縦桟とを備え、前記左縦桟と前記右縦桟は、それぞれ、同じ長さを有する前縦桟と後縦桟とに分割形成されており、
左右の前記前縦桟の前端部が最も前方に配置された一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
左右の前記後縦桟の後端部が最も後方に配置された一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
左右の前記前縦桟の後端部と左右の前記後縦桟の前端部とが中央に配置された一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結されていることが好ましい。
【0012】
前記フレームは、左右方向に延びて前記左縦桟と前記右縦桟とを繋ぐ前横桟と後横桟と中横桟とをさらに備え、
前記前横桟は、その左右両端部が左右の前記前縦桟の前端部に下から重ね合わされた状態でその左右の前縦桟の前端部下面間に横架され、前記前横桟の左右両端部が、最も前方に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部との間に左右の前記前縦桟の前端部を挟んだ状態で最も前方に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
前記後横桟は、その左右両端部が左右の前記後縦桟の後端部に下から重ね合わされた状態でその左右の後縦桟の後端部下面間に横架され、前記後横桟の左右両端部が、最も後方に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部との間に左右の前記後縦桟の後端部を挟んだ状態で最も後方に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
前記中横桟は、その左右両端部が左右の前記前縦桟の後端部と左右の前記後縦桟の前端部に下から重ね合わされた状態でその左右の前縦桟の後端部の下面と左右の前記後縦桟の前端部の下面間に横架され、前記中横桟の左右両端部が、中央に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部との間に左右の前記前縦桟の後端部と左右の前記後縦桟の前端部とを挟んだ状態で中央に配置された前記一枚の簀子板の左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、
前記脚は、前記各横桟に少なくとも左右2本ずつ着脱可能に連結されていることが好ましい。
【0013】
前記横桟の前記簀子板への連結部材と前記脚の前記横桟への連結部材はボルトであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簀子がスライドファスナーによってマットレス本体の下面に着脱可能に連結されているため、従来の脚付きマットレスでは必須であった構成、すなわち、マットレス本体とマット支持台とがマットレスカバーによって一体的に被われた構成を無くすことができ、使用中に簀子からマットレス本体がずれにくく、組み立やすく安価な脚付きマットレスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例1に係る脚付きマットレスの分解底面図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る脚付きマットレスの底面図である。
【
図5】スライドファスナーの構成を示す正面図である。
【
図6】圧縮ロールマットレスの形成手順を示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施例1に係る脚付きマットレスの流通時の状態を示す斜視図である。
【
図9】ダブルサイズのマットレス本体を有する脚付きマットレスの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0017】
本明細書において、前後方向とは、脚付きマットレスの長さ(長手)方向であり、
図1においては紙面の左右方向、
図2、
図3においては紙面の上下方向、
図4においては紙面に対する垂直方向である。また、左右方向とは、脚付きマットレスの幅(短手)方向であり、
図1においては紙面の上下方向、
図2、
図4においては紙面の左右方向、
図3においては紙面に対する垂直方向である。
【実施例1】
【0018】
実施例1は、本発明を、幅97cm×長さ195cm×高さ16cmのシングルサイズであって、31行×15列の行列状の並行配列で465個のポケットコイルが内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレスを、マットレス本体として有する脚付きマットレスに適用したものである。
【0019】
図1は、本発明の実施例1に係る脚付きマットレス1の分解底面図、
図2は、脚付きマットレス1の底面図、
図3は、
図2のA-A線断面図、
図4は、
図2のB-B線断面図である。
【0020】
図1~
図4に示すように、脚付きマットレス1は、マットレス本体10と、マットレス本体10の下面に着脱可能に連結され、マットレス本体10を下から支える簀子20と、簀子20に着脱可能に連結され、簀子20を下から支えるフレーム30と、フレーム30に着脱可能に連結され、簀子20とフレーム30を介してマットレス本体10を床面から持ち上げ支持する6本の脚40とを有して構成されている。
【0021】
マットレス本体10は、スプリングユニット11と、スプリングユニット11を被覆する外装体17とを備えて、圧縮可能なコイルスプリングマットレスに構成されている。具体的には、幅97cm×長さ195cm×高さ16mmのシングルサイズであって、31行×15列の行列状の並行配列で465個のポケットコイル12が内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレスに構成されている。
【0022】
スプリングユニット11は、465個のポケットコイル12を一水平面上で31行×15列の行列状の並行配列で並べて平面形状が前後方向に長い縦長な矩形状に構成されている。ポケットコイル12は、上下方向に伸縮可能な金属製のコイルスプリング13と、コイルスプリング13を被覆する円筒形状の袋体14からなる。袋体14は、不織布からなる。スプリングユニット11の前後方向に並ぶ同一列の31個のポケットコイル12の袋体14は、一枚の帯状の不織布からなり、連続一体に繋がっている。隣り合う列のポケットコイル12の袋体14同士が、ホットメルト等の接着剤により接着されている。
【0023】
スプリングユニット11の上面には不織布15が積層されており、スプリングユニット11と不織布15の積層体が外装体17によって被覆されている。不織布15は、スプリングユニット11の上面でポケットコイル12の袋体14に対してホットメルト等の接着剤により接着されている。また、不織布15の外側部がスプリングユニット11の周側部に折り曲げられて、不織布15の折り曲げ縁部が複数のクリップ16によってスプリングユニット11の周側部でポケットコイル12の袋体14に対して止着されている。
【0024】
外装体17は、上部外装体18と、下部外装体19からなる。上部外装体18は、スプリングユニット11の上面を被覆する前後方向に長い縦長な矩形状の上鏡地部18aと、上鏡地部18aの周縁部から下向きに延出されてスプリングユニット11の周側面を被覆する矩形枠状のまち地部18bとを有して、下面が開口された箱形状に形成されている。上部外装体18は、ポリエステル繊維からなる表地と不織布からなる裏地との間に詰め物としてのウレタンフォームを介在させ、これら三者を一体にキルティング加工して形成されたキルティング生地からなる。
【0025】
下部外装体19は、前後方向に長い縦長な矩形状をなし、下部外装体19の周縁部がまち地部18bの下端に縫合連結され、上部外装体18の下面開口を閉鎖するとともに、スプリングユニット11の下面を被覆している。すなわち、スプリングユニット11の下面を被覆する前後方向に長い縦長な矩形状の下鏡地が下部外装体19となっており、下部外装体19によってマットレス本体10の下面が形成されている。下部外装体19は、目付けが80g/m2の不織布からなる。下部外装体19は、スプリングユニット11の下面でポケットコイル12の袋体14に対してホットメルト等の接着剤により接着されている。
【0026】
簀子20は、幅8cm×長さ78cm×厚さ1.5cmで左右方向に長い横長な矩形状の11枚の簀子板21と、幅82cm×長さ190cmでマットレス本体10の下面(下部外装体19)の略全面を覆う前後方向に長い縦長な矩形状の折り曲げ可能且つ通気性を有するシート体22とを備え、シート体22の前端縁と後端縁との間の一表面上に11枚の簀子板21が前後方向に略等間隔で離間した並列状態で取り付けられて、巻き取りや折り畳み可能に構成されている。11枚の簀子板21は、それぞれ、木製である。シート体22は、目付けが80g/m2の不織布からなる。11枚の簀子板21は、それぞれ、複数のステープル23によってシート体22に止着されている。
【0027】
シート体22の簀子板取り付け面がマットレス本体10の下面に対向した状態で、シート体22の周縁部がスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に着脱可能に連結されて、簀子20がスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に着脱可能に連結されている。
【0028】
スライドファスナー50は、
図5に示すように、一対のファスナーテープ51a、51bと、一対のファスナーテープ51a、51bの対向するテープ側縁部にそれぞれ取り付けられた一対のファスナーエレメント(務歯)列52a、52bと、一対のファスナーエレメント列52a、52bを噛合・分離させるスライダー53と、一対のファスナーテープ51a、51bのテープ側縁部の一端部に取り付けられる一対の止め具54a、54bと、一対のファスナーテープ51a、51bのテープ側縁部の他端部に取り付けられる開き具55とを備えて構成されている。開き具55は、一方のファスナーテープ51aのテープ側縁部の他端部に取り付けられる蝶棒55aと、他方のファスナーテープ51aのテープ側縁部の他端部に取り付けられる箱棒55bと、箱棒55bの先端部に一体形成された箱体55cとを備えて構成されている。
【0029】
一対のファスナーテープ51a、51b(一対のファスナーエレメント列52a、52b)が分離された状態のスライドファスナー50を閉じるときは、スライダー53を箱体55cに付くまで
図5の紙面下側に移動して、蝶棒55aをスライダー53を通して箱体55cに差し込み、スライダー53を
図5の紙面上側に移動させることにより、分離状態の一対のファスナーエレメント列52a、52bを噛み合わせる。一対のファスナーテープ51a、51bが噛み合わされた状態のスライドファスナー50を開いて分離するときは、スライダー53を箱体55cに付くまで
図5の紙面下側に移動して、噛合状態の一対のファスナーエレメント列52a、52bを分離させ、蝶棒55aを箱体55c及びスライダー53から引き抜く。
図5中の符号53aは、スライダー53の引手である。
【0030】
スライドファスナー50は、
図1~
図4に戻って、開き具55の蝶棒55aを備える一方のファスナーテープ51aが簀子20のシート体22の周縁部に全周に亘って縫合連結されて設けられ、スライダー53及び開き具55の箱棒55bと箱体55cを備える他方のファスナーテープ51bが一方のファスナーテープ51aに沿ってマットレス本体10の下面に前後方向に長い縦長な矩形状に縫合連結されて設けられている。これによって、シート体22の簀子板取り付け面がマットレス本体10の下面に対向した状態で、シート体22の周縁部が全周に亘ってスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に着脱可能に連結されて、簀子20の周縁部が全周に亘ってスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に着脱可能に連結されている。
【0031】
フレーム30を簀子20に着脱可能に連結するための20組の金属製のボルト60・ナット61を備えている。簀子20の11枚の簀子板21のうち、最も前方に配置された一枚(
図1において左から1枚目)の簀子板21(以下「前簀子板21a」という。)の左右両端部と、最も後方に配置された一枚(
図1において左から11枚目)の簀子板21(以下「後簀子板21b」という。)の左右両端部と、中央に配置された一枚(
図1において左から6枚目)の簀子板21(以下「中簀子板21c」という。)の左右両端部と、前簀子板21aと中簀子板21cの中間部に配置された一枚(
図1において左から3枚目)の簀子板21(以下「前中簀子板21d」という。)の左右両端部と、後簀子板21bと中簀子板21cの中間部に配置された一枚(
図1において左から9枚目)の簀子板21(以下「後中簀子板21e」という。)の左右両端部とに、予め、ナット61がそれぞれ下穴を介して埋め込まれている。
【0032】
前簀子板21aの両端部と後簀子板21bの両端部には、ナット61が2個ずつ前後方向に並べられて設けられている。中簀子板21cの両端部には、ナット61が一段に2個ずつ左右方向に並べられて前後2段で合計4個ずつ設けられている。前中簀子板21dの両端部と後中簀子板21eの両端部には、ナット61が1個ずつ設けられている。シート体22には、20個のナット61に対応する位置にボルト挿通用の孔がそれぞれ設けられている。ナット61は、つば付きタイプで、ねじ込みタイプの鬼目ナットである。ナット61のサイズはM6である。ボルト61は、プラスドライバー(工具)によって締緩作業が行える(+)トラス頭ボルトである。
【0033】
フレーム30は、前後方向に延びて11枚の簀子板21の左右両端部を下から支える幅8cm×長さ180cm×厚さ2.5cmの左縦桟31と右縦桟32とを備えている。左縦桟31と右縦桟32は、それぞれ、前後に半分に分割形成されており、幅8cm×長さ90cm×厚さ2.5cmの前縦桟31a、32aと後縦桟31b、32bからなる。左縦桟31と右縦桟32は、左右の前縦桟31a、32aの前端部が前簀子板21aの左右端部にそれぞれ下から重ね合わされ、左右の後縦桟31b、32bの後端部が後簀子板21bの左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされ、左右の前縦桟31a、32aの後端部と左右の後縦桟31b、32bの前端部とが中簀子板21cの左右両端部にそれぞれ下から重ね合された状態で、11枚の簀子板21の左右両端部の下に前後方向に架設されている。
【0034】
フレーム30は、左右方向に延びて左縦桟31と右縦桟32とを繋ぐ幅8cm×長さ78cm×厚さ1.5cmの前横桟33aと後横桟33bと中横桟33cとをさらに備えている。前横桟33aは、前横桟33aの左右両端部が左右の前縦桟31a、32aの前端部に下から重ね合わされた状態で左右の前縦桟31a、32aの前端部下面間に横架されて前簀子板21aに対向している。後横桟33bは、後横桟33bの左右両端部が左右の後縦桟31b、32bの後端部に下から重ね合された状態で左右の後縦桟31b、32bの後端部下面間に横架されて後簀子板21bに対向している。中横桟33cは、中横桟33cの左右両端部が左右の前縦桟31a、32aの後端部と左右の後縦桟31b、32bの前端部に下から重ね合された状態で左右の前縦桟31a、32aの後端部の下面と左右の後縦桟31b、32bの前端部の下面間に横架されて中簀子板21cに対向している。
【0035】
フレーム30の4枚の縦桟31a、31b、32a、32bには、簀子20側に設けられた20個のナット61に対応する位置にボルト挿通用の孔34がそれぞれ設けられている。フレーム30の3枚の横桟33a、33b、33cには、簀子20側に設けられた16個(前中簀子板21dと後中簀子板21eに設けられた4個以外)のナット61に対応する位置にボルト挿通用の孔35がそれぞれ設けられている。
【0036】
左右の前縦桟31a、32aの前後中間部の一箇所が前中簀子板21dの左右両端部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34を介して片側1組ずつのボルト60・ナット61によって着脱可能に連結されている。
【0037】
左右の後縦桟31b、32bの前後中間部の一箇所が後中簀子板21eの左右両端部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34を介して片側1組ずつのボルト60・ナット61によって着脱可能に連結されている。
【0038】
前横桟33aの左右両端部と左右の前縦桟31a、32aの前端部とが、前横桟33aの左右両端部と前簀子板21aの左右両端部との間に左右の前縦桟31a、32aの前端部を挟んだ状態で前簀子板21aの左右両端部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34、35を介して左右2組ずつ合計4組のボルト60・ナット61によって一体的に着脱可能に連結されている。
【0039】
後横桟33bの左右両端部と左右の後縦桟31b、32bの後端部とが、後横桟33bの左右両端部と後簀子板21bの左右両端部との間に左右の後縦桟31b、32bの後端部を挟んだ状態で後簀子板21bの左右両端部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34、35を介して左右2組ずつ合計4組のボルト60・ナット61によって一体的に着脱可能に連結されている。
【0040】
中横桟33cの左右両端部と左右の前縦桟31a、32aの後端部とが、中横桟33cの左右両端部と中簀子板21cの左右両端部との間に左右の前縦桟31a、32aの後端部を挟んだ状態で中簀子板21cの左右両端部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34、35を介して左右2組ずつ合計4組のボルト60・ナット61によって一体的に着脱可能に連結されている。
【0041】
中横桟33cの左右両端部と左右の後縦桟31b、32bの前端部とが、中横桟33cの左右両端部と中簀子板21cの左右両端部との間に左右の後縦桟31b、32bの前端部を挟んだ状態で中簀子板21cの左右両端部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34、35を介して左右2組ずつ合計4組のボルト60・ナット61によって一体的に着脱可能に連結されている。
【0042】
これによって、フレーム30が、4枚の縦桟31a、31b、32a、32bと3枚の横桟33a、33、33cによって平面形状が「日」の字形状に構成されている。フレーム30の4枚の縦桟31a、31b、32a、32bと3枚の横桟33a、33b、33cは、それぞれ、木製である。
【0043】
6本の脚40をフレーム30に着脱可能に連結するための6組の金属製のボルト70・ナット71を備えている。フレーム30の3枚の横桟33a、33b、33cの簀子板21cへの連結部である左右両端部の直ぐ内側で、左縦桟31と右縦桟32から外れた左右の2箇所に、予め、ナット71がそれぞれ下穴を介して埋め込まれている。ナット71は、ナット61と同じものである。
【0044】
各脚40は、それぞれ、直径6cm×高さ14cmのパイン材からなる円柱体である。ボルト70は、軸長の略半分が木ネジ部、もう残りの略半分がボルト部になっているハンガーボルトからなり、木ネジ部が各脚40の上面中心部に下穴を介してねじ込まれ、ボルト部が各脚40の上面中心部から突出した状態で、予め、各脚40に取り付けられている。
【0045】
各脚40の上面中心部から突出したボルト70を、各脚40を回しながら、フレーム30側に設けられた6個のナット71に螺合することによって、6本の脚40がフレーム30の3枚の横桟33a、33b、33cに左右2本ずつ着脱可能に連結されている。各脚40の下面には、床面への傷防止用のフェルト41が貼着されている。
【0046】
以上のように構成された脚付きマットレス1は、工場での梱包時に、マットレス本体10は、
図6(e)に示す圧縮ロールマットレス100となし、簀子20は、
図7に示す簀子板束200となし、これら圧縮ロールマットレス100と簀子板束200とを含む全ての構成部品が、
図8に示す幅38cm×高さ38cm×奥行(長さ)57cmで三辺合計が133cmの第1段ボール箱90と幅20cm×高さ24cm×奥行(長さ)90cmで三辺合計が134cmの第2段ボール箱91とに分けて入れた2個口の梱包状態で出荷され、この2個口の梱包状態で流通されて、最終的に宅配業者によって使用者まで届けられる。
【0047】
図6に示すように、圧縮ロールマットレス100は、以下の手順で形成されている。
【0048】
先ず、
図6(a)に示すように、幅97cm×長さ195cm×高さ16cmのマットレス本体10を、それよりも一回り大きいサイズで、一辺側に開口部101aが設けられているポリエチレンフィルム等からなる気密性を有する合成樹脂袋101に入れる。
【0049】
次に、
図6(b)に示すように、合成樹脂袋101に入れたマットレス本体10をプレス機のプランジャ下端に取り付けられた押え板を使用して合成樹脂袋101ごと上から押圧することで、合成樹脂袋101に入れたマットレス本体10をその厚さ方向に合成樹脂袋101ごと圧縮して合成樹脂袋101の内部から空気(合成樹脂袋101の内部の空気及びマットレス本体10の内部に含まれる空気)を強制的に排出させ、この圧縮状態で合成樹脂袋101の開口部101aを溶着することによって封止する。すると、合成樹脂袋101は密封されて、内部のマットレス本体10はその厚さ方向に圧縮された状態を維持して復元することはない。
【0050】
次に、
図6(c)に示すように、合成樹脂袋101に密封状に圧縮収容されたマットレス本体10を、その左右方向(幅方向)の最も内側の隣接する2列のポケットコイル12列の間でマットレス本体10の前後方向(長さ方向)に沿って縦に二つ折りし、この二つ折り状態でポリエチレンフィルム等からなる帯状の合成樹脂フィルム102の上に載置する。
【0051】
次に、
図6(d)に示すように、合成樹脂フィルム102の上に二つ折り状態で載置されたマットレス本体10をその合成樹脂フィルム102と一緒にロール状に巻く。この際は、先ず巻き取り機の巻き取り軸の外周(予め、段ボールを丸めてなる段ボール筒で覆ってある。)に合成樹脂フィルム102のみを複数回巻き取り、その後合成樹脂フィルム102に張力を掛けながら、その合成樹脂フィルム102と一緒にマットレス本体10をロール状に巻き取る。マットレス本体10の巻き取りが終われば、さらに、その外側に合成樹脂フィルム102を複数回巻き付けてから合成樹脂フィルム102をその幅方向に切断し、圧縮ロールマットレス100となす。
【0052】
最後に、
図6(e)に示すように、圧縮ロールマットレス101の外周に片面粘着テープ103を螺旋状に巻き付け、合成樹脂フィルム102の巻き終り端部をその下層の合成樹脂フィルム102に止めてほぐれないようにして、圧縮ロールマットレス100の形態が維持されて解除されることがないようにしてから、圧縮ロールマットレス100を段ボール筒ごと巻き取り機の巻き取り軸から引き抜いて取り出し、その後、圧縮ロールマットレス100から段ボール筒を引き抜いて圧縮ロールマットレス100が形成される。
【0053】
これによって、幅97cm×長さ195cm×高さ16cmのマットレス本体10は、幅38cm×高さ38cm×奥行(長さ)57cmで三辺合計が133cmの第1段ボール箱90に、6本の脚40と一緒に収容可能な大きさの圧縮ロールマットレス100に形成される。
【0054】
図7に示すように、簀子板束200は、例えば、前簀子板21aを中心にしてその周りにシート体22を巻き取りながら11枚の簀子板21を束ねることによって形成される。
【0055】
これによって、幅82cm×長さ190cm×厚さ1.5cm(シート体20の厚さは含まず)の簀子20は、幅20cm×高さ24cm×奥行(長さ)90cmで三辺合計が134cmの第2段ボール箱91に、4枚の縦桟31a、31b、32a、32bと3枚の横桟33a、33b、33cと20本のボルト60、すなわち、分解状態のフレーム30と一緒に収容可能な大きさの簀子板束200に形成される。
【0056】
図8に示す梱包状態で使用者に届けられた脚付きマットレス1は、以下の手順で組み立てられる。
【0057】
先ず、第1段ボール箱90と第2段ボール箱91とを脚付きマットレス1の設置場所(寝室)に搬入した後、圧縮ロールマットレス100を幅97cm×長さ195cm×高さ16cmの元のマットレス本体10に戻すため、第1段ボール箱90から圧縮ロールマットレス100を取り出し(
図6(e)参照)、片面粘着テープ103を剥がし(
図6(d)参照)、巻き取り状態を解除し(
図6(c)参照)、二つ折り状態を解除し(
図6(b)参照)、合成樹脂袋101の溶着部をはさみで切り取り、合成樹脂袋101の一辺を開口して(
図6(a)参照)、合成樹脂袋101と合成樹脂フィルム102を取り除く。これによって、圧縮ロールマットレス100が幅97cm×長さ195cm×高さ16cmの元のマットレス本体10に戻る。
【0058】
次に、マットレス本体10を、その下面(下部外装体19)を上(天井)に向けた状態で床面に載置した後、マットレス本体10の下面に簀子20を取り付けるため、第2段ボール箱91から簀子板束200を取り出し、マットレス本体10の下面上で巻き取り状態を解除し、幅82cm×長さ190cm×厚さ1.5cmの元の簀子20に戻し、シート体22の簀子板取り付け面をマットレス本体10の下面に対向した状態で、シート体22の周縁部を全周に亘ってスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に連結して、簀子20の周縁部を全周に亘ってスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に連結する。これによって、マットレス本体10の下面に簀子20が取り付けられる。
【0059】
次に、簀子20の下面(シート体22の簀子板取り付け面と反対側の面であり、この時は上(天井)に向いている。)にフレーム10を組み立てて取り付けるため、4枚の縦桟31a、31b、32a、32bを11枚の簀子板21の左右両端部の上に配置し、左右の前縦桟31a、32aの前後中間部の一箇所を前中簀子板21dの左右両端部に、また、左右の後縦桟31b、32bの前後中間部を後中簀子板21eの左右両端部に、それぞれ、ボルト60・ナット61によって連結し、左縦桟31と右縦桟32を形成した後、3枚の横桟33a、33b、33cを左縦桟31と右縦桟32の前端部と後端部と前後中間部の上に横架配置し、前横桟33aの左右両端部を前簀子板21aの左右両端部に、また、後横桟33bの左右端部を後簀子板21bの左右両端部に、さらに、中横桟33cの左右端部を中簀子板21cの左右端部に、それぞれ、ボルト60・ナット61によって連結する。これによって、簀子20の下面に平面形状が「日」の字形状のフレーム10が組み立てられて取り付けられる。
【0060】
次に、フレーム10に6本の脚40を取り付けるため、各脚40のボルト70を各横桟33a、33b、33cのナット71に螺合する。これによって、フレーム10の各横桟33a、33b、33cに左右2本ずつで、フレーム10に合計6本の脚40が取り付けられて、脚付きマットレス1が完成する。
【0061】
完成した脚付きマットレス1を使用する場合、それを返してマットレス本体10の上面(上鏡地部18a)を上(天井)に向け、簀子20とフレーム30を介してマットレス本体10を6本の脚40によって床面から持ち上げ支持する。
【0062】
以上説明したように、本実施例1の脚付きマットレス1によれば、前後方向に長い縦長な矩形状のマットレス本体10と、マットレス本体10を下から支える簀子20と、簀子20にそれぞれ着脱可能に連結され、簀子20を介してマットレス本体10を床面から持ち上げ支持する6本の脚40とを有し、簀子20は、左右方向に長い横長な矩形状の11枚の簀子板21と、マットレス本体10の下面の略全面を覆う前後方向に長い縦長な矩形状をなし、その前端縁と後端縁との間に11枚の簀子板21が前後方向に離間した並列状態で取り付けられた折り曲げ可能且つ通気性を有するシート体22とを備え、シート体22の周縁部がスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に着脱可能に連結されて、簀子20がスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に着脱可能に連結されているため、従来の脚付きマットレスでは必須であった構成、すなわち、マットレス本体とマット支持台とがマットレスカバーによって一体的に被われた構成を無くすことができ、使用中に簀子20からマットレス本体10がずれにくく、組み立やすく安価な脚付きマットレスを提供することができる。
【0063】
また、シート体22は不織布であるため、例えば、織布などに比べて、通気性に優れてマットレス本体10の通気性を損ないにくいとともに、コストも安く付く。
【0064】
また、スライドファスナー50は、一対のファスナーテープ51a、51bと、一対のファスナーテープ51a、51bの対向するテープ側縁部にそれぞれ取り付けられた一対のファスナーエレメント列52a、52bと、一対のファスナーエレメント列52a、52bを噛合・分離させるスライダー53とを備え、一方のファスナーテープ51aがシート体22の周縁部に全周に亘って設けられ、他方のファスナーテープ51bが一方のファスナーテープ51aに沿ってマットレス本体10の下面に前後方向に長い縦長な矩形状に設けられているため、シート体22の周縁部を全周に亘ってスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に連結して、簀子20の周縁部を全周に亘ってスライドファスナー50によってマットレス本体10の下面に連結することができ、例えば、シート体22の周縁部(矩形状の4辺)のうち、対向する2辺を別々のスライドファスナーによってマットレス本体10の下面に連結すること、又は、その2辺に残り2辺のうちの1辺を加えた3辺を一連のスライドファスナーによってマットレス本体10の下面に連結することに比べて、簀子20のマットレス本体10の下面への連結強度を高くすることができる。
【0065】
また、簀子20に着脱可能に連結され、複数枚の簀子板21の少なくとも左右両端部を下から支えるフレーム30をさらに有し、複数本の脚40は、フレーム30にそれぞれ着脱可能に連結されて、フレーム30を介して簀子20にそれぞれ着脱可能に連結されているため、複数枚の簀子板21に掛かる荷重をフレーム30によって受けてシート体22に伝えることなく複数本の脚40に伝えることができる。
【0066】
また、フレーム30は、前後方向に延びて複数枚の簀子板21の左右両端部を下から支える左縦桟31と右縦桟32とを備え、左縦桟31と右縦桟32は、それぞれ、同じ長さを有する前縦桟31a、32aと後縦桟31b、32bとに分割形成されており、左右の前縦桟31a、32aの前端部が最も前方に配置された一枚の前簀子板21aの左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその前簀子板21aの左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、左右の後縦桟31b、32bの後端部が最も後方に配置された一枚の後簀子板21bの左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその後簀子板21bの左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、左右の前縦桟31a、32aの後端部と左右の後縦桟31b、32bの前端部とが中央に配置された一枚の中簀子板21cの左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその中簀子板21cの左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結されているため、例えば、左右の前縦桟31a、32aの後端部と左右の後縦桟31b、32bの前端部とを金具と締結部材などを利用して繋ぎ、左右の前縦桟31a、32aの前端部を最も前方に配置された一枚の前簀子板21aの左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその前簀子板21aの左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結し、左右の後縦桟31b、32bの後端部を最も後方に配置された一枚の後簀子板21bの左右両端部にそれぞれ下から重ね合わされた状態でその後簀子板21bの左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結し、左右の前縦桟31a、32aの後端部と左右の後縦桟31b、32bの前端部はいずれの簀子板21にも連結しない場合に比べて、フレーム30の強度及びフレーム30の簀子20への連結強度を高くすることができる。
【0067】
また、フレーム30は、左右方向に延びて左縦桟31と右縦桟32とを繋ぐ前横桟33aと後横桟33bと中横桟33cとをさらに備え、前横桟33aは、その左右両端部が左右の前縦桟31a、32aの前端部に下から重ね合わされた状態でその左右の前縦桟31a、32aの前端部下面間に横架され、前横桟33aの左右両端部が、最も前方に配置された一枚の前簀子板21aの左右両端部との間に左右の前縦桟31a、32aの前端部を挟んだ状態で最も前方に配置された一枚の前簀子板21aの左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、後横桟33bは、その左右両端部が左右の後縦桟31b、32bの後端部に下から重ね合わされた状態でその左右の後縦桟31b、32bの後端部下面間に横架され、後横桟33bの左右両端部が、最も後方に配置された一枚の後簀子板21bの左右両端部との間に左右の後縦桟31b、32bの後端部を挟んだ状態で最も後方に配置された一枚の後簀子板21bの左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、中横桟33cは、その左右両端部が左右の前縦桟31a、32aの後端部と左右の後縦桟31b、32bの前端部に下から重ね合わされた状態でその左右の前縦桟31a、32aの後端部の下面と左右の後縦桟31b、32bの前端部の下面間に横架され、中横桟33cの左右両端部が、中央に配置された一枚の中簀子板21cの左右両端部との間に左右の前縦桟31a、32aの後端部と左右の後縦桟31b、32bの前端部とを挟んだ状態で中央に配置された一枚の中簀子板21cの左右両端部にそれぞれ着脱可能に連結され、脚40は、各横桟33a、33b、33cに少なくとも左右2本ずつ着脱可能に連結されているため、例えば、左縦桟31と右縦桟32とを繋ぐ前横桟33aと後横桟33bと中横桟33cとを備えない場合に比べて、フレーム30の強度及びフレーム30の簀子20への連結強度を高くすることができるとともに、各横桟33a、33b、33cの左右の2本の脚40の間にさらに1本ずつ脚40を追加するなど、左縦桟31と右縦桟32との間に脚40を容易に追加することができる。
【0068】
横桟33a、33b、33cの簀子板21への連結部材と脚40の横桟33a、33b、33cへの連結部材はボルト60、70であるため、脚付きマットレス1の組み立て・分解を容易に行うことができる。
【0069】
なお、本発明は、本実施例1に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0070】
本実施例1の脚付きマットレス1のマットレス本体10は、幅97cm×長さ195cm×高さ16mmのシングル(S)サイズであって、31行×15列の行列状の並行配列で465個のポケットコイル12が内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレスであるが、これに代えて、幅80cm×長さ195cm×高さ16mmのセミシングル(SS)サイズであって、31行×12列の行列状の並行配列で372個のポケットコイルが内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレス、幅120cm×長さ195cm×高さ16mmのセミダブル(SD)サイズであって、31行×19列の行列状の並行配列で589個のポケットコイルが内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレス、幅140cm×長さ195cm×高さ16mmのダブル(D)サイズであって、31行×22列の行列状の並行配列で682個のポケットコイルが内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレスとしてもよい。
【0071】
セミシングル(SS)の場合、マットレス本体、簀子及びフレームの幅がシングル(S)に比べて小さくなるため、圧縮ロールマットレスにする際に、
図6(c)に示した手順におけるマットレス本体を前後方向(長さ方向)に沿って縦に二つ折りにする折り畳み手順が省略され、工場での梱包時には、圧縮ロールマットレスと簀子板束を含む全ての構成部品は、幅35cm×高さ37cm×奥行(長さ)90cmで三辺合計が162cmの段ボール箱1個にまとめて入れた1個口の梱包状態で出荷され、この1個口の梱包状態で流通される。
【0072】
セミダブル(SD)及びダブル(D)の場合、マットレス本体、簀子及びフレームの幅がシングル(S)に比べて大きくなるため、圧縮ロールマットレスにする際に、
図6(c)に示した手順におけるマットレス本体を前後方向(長さ方向)に沿って縦に二つ折りにする折り畳み手順は省略されず、工場での梱包時には、圧縮ロールマットレスと簀子板束とを含む全ての構成部品が、セミダブル(SD)は、幅38cm×高さ38cm×奥行(長さ)67cmで三辺合計が143cmの第1段ボール箱と幅20cm×高さ24cm×奥行(長さ)103cmで三辺合計が147cmの第2段ボール箱とに分けて入れた2個口の梱包状態で出荷され、この2個口の梱包状態で流通され、ダブル(D)は、幅38cm×高さ38cm×奥行(長さ)76cmで三辺合計が152cmの第1段ボール箱と幅20cm×高さ24cm×奥行(長さ)123cmで三辺合計が167cmの第2段ボール箱とに分けて入れた2個口の梱包状態で出荷され、この2個口の梱包状態で流通される。
【0073】
また、本実施例1の脚付きマットレス1のマットレス本体10に代えて、幅80cm×長さ195cm×高さ16mmのセミシングル(SS)サイズであって、25行×6列の行列状の並行配列で150個のコイルスプリング(ボンネルコイル)が内蔵されて、圧縮可能なボンネルコイルマットレス、幅97cm×長さ195cm×高さ16mmのシングル(S)サイズであって、25行×8列の行列状の並行配列で200個のコイルスプリング(ボンネルコイル)が内蔵されて、圧縮可能なボンネルコイルマットレス、幅120cm×長さ195cm×高さ16mmのセミダブル(SD)サイズであって、25行×10列の行列状の並行配列で250個のコイルスプリング(ボンネルコイル)が内蔵されて、圧縮可能なボンネルコイルマットレス、幅140cm×長さ195cm×高さ16mmのダブル(D)サイズであって、25行×12列の行列状の並行配列で300個のコイルスプリング(ボンネルコイル)が内蔵されて、圧縮可能なボンネルコイルマットレスとしてもよい。
【0074】
ボンネルコイルマットレスは、上下方向に伸縮可能な金属製の複数のコイルスプリング(ボンネルコイル)を一水平面上で行列状の並行配列で並べ、隣り合うコイルスプリングの上端面と下端面とをそれぞれ螺旋状の針金からなるヘリカルスプリング(ヘリカル線)で連結して、平面形状が前後方向に長い縦長な矩形状のスプリングユニットとし、それを外装体で被覆した構造を有するものである。
【0075】
ボンネルコイルマットレスは、その構造上、全てのサイズにおいて、圧縮ロールマットレスにする際に、
図6(c)に示した手順におけるマットレス本体を前後方向(長さ方向)に沿って縦に二つ折りにする折り畳み手順が省略され、工場での梱包時には、圧縮ロールマットレスと簀子板束を含む全ての構成部品が、セミシングル(SS)は、幅35cm×高さ37cm×奥行(長さ)90cmで三辺合計が162cmの段ボール箱1個にまとめて入れた1個口の梱包状態で出荷され、この1個口の梱包状態で流通され、シングル(S)は、幅35cm×高さ37cm×奥行(長さ)102cmで三辺合計が174cmの段ボール箱1個にまとめて入れた1個口の梱包状態で出荷され、この1個口の梱包状態で流通され、セミダブル(SD)は、幅35cm×高さ37cm×奥行(長さ)127cmで三辺合計が195cmの段ボール箱1個にまとめて入れた1個口の梱包状態で出荷され、この1個口の梱包状態で流通され、ダブル(D)のみ、幅29cm×高さ29cm×奥行(長さ)142cmで三辺合計が200cmの第1段ボール箱と幅24cm×高さ20cm×奥行(長さ)123cmで三辺合計が167cmの第2段ボール箱とに分けて入れた2個口の梱包状態で出荷され、この2個口の梱包状態で流通される。
【0076】
さらに、本実施例1の脚付きマットレス1のマットレス本体10に代えて、幅80cm×長さ195cm×高さ16mmのセミシングル(SS)サイズであって、交互配列で403個のポケットコイルが内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレス、幅97cm×長さ195cm×高さ16mmのシングル(SS)サイズであって、交互配列で465個のポケットコイルが内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレス、幅120cm×長さ195cm×高さ16mmのセミダブル(SD)サイズであって、交互配列で589個のポケットコイルが内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレス、幅140cm×長さ195cm×高さ16mmのダブル(D)サイズであって、交互配列で682個のポケットコイルが内蔵されて、圧縮可能なポケットコイルマットレスとしてもよい。
【0077】
交互配列では、スプリングユニットの前後方向に一列に並んでおり、袋体14が連続一体に繋がっている複数のポケットコイル、すなわち、ポケットコイル列が一列置きにポケットコイルの半径分ずらされて配置された構造を有する。
【0078】
交互配列のポケットコイルマットレスは、その構造上、全てのサイズにおいて、圧縮ロールマットレスにする際に、
図6(c)に示した手順におけるマットレス本体を前後方向(長さ方向)に沿って縦に二つ折りにする折り畳み手順が省略され、工場での梱包時には、ボンネルコイルマットレスと同じ梱包状態で出荷され、この梱包状態で流通される。
【0079】
図9は、ダブルサイズのマットレス本体10aを有する脚付きマットレス1aの底面図である。本実施例1のシングルサイズのマットレス本体10を有する脚付きマットレス1とは、フレーム30aが、左縦桟31と右縦桟32との間に、前後方向に延びて11枚の簀子板21の左右中央部を下から支える幅4cm×長さ180cm×厚さ2.5cmの中縦桟36であって、前後に半分に分割形成されて幅4cm×長さ90cm×厚さ2.5cmの前縦桟36aと後縦桟36bからなる中縦桟36をさらに備えると共に、各横桟33a、33b、33cの左右の2本の脚40の間にさらに1本ずつ脚40が追加され、合計9本の脚40を有する点が異なるだけであり、同一構造・機構には同一符号を附してある。
【0080】
中縦桟36は、前縦桟36aの前端部が前簀子板21aの左右中央部に下から重ね合わされ、後縦桟36bの後端部が後簀子板21bの左右中央部に下から重ね合わされ、前縦桟36aの後端部と後縦桟36bの前端部とが中簀子板21cの左右中央部にそれぞれ下から重ね合された状態で、11枚の簀子板21の左右中央部の下に前後方向に架設されている。
【0081】
前横桟33aの左右中央部と前縦桟36aの前端部とが、前横桟33aの左右中央部と前簀子板21aの左右中央部との間に前縦桟36aの前端部を挟んだ状態で前簀子板21aの左右中央部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34、35を介して1組のボルト60・ナット61によって一体的に着脱可能に連結されている。
【0082】
後横桟33bの左右中央部と後縦桟36bの後端部とが、後横桟33bの左右中央部と後簀子板21bの左右中央部との間に後縦桟36bの後端部を挟んだ状態で後簀子板21bの左右中央部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34、35を介して1組のボルト60・ナット61によって一体的に着脱可能に連結されている。
【0083】
中横桟33cの左右中央部と前縦桟36aの後端部とが、中横桟33cの左右中央部と中簀子板21cの左右中央部との間に前縦桟36aの後端部を挟んだ状態で中簀子板21cの左右中央部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34、35を介して1組のボルト60・ナット61によって一体的に着脱可能に連結されている。
【0084】
中横桟33cの左右中央部と後縦桟36bの前端部とが、中横桟33cの左右中央部と中簀子板21cの左右中央部との間に後縦桟36bの前端部を挟んだ状態で中簀子板21cの左右中央部に対して、それらの部分に設けられたボルト挿通用の孔34、35を介して1組のボルト60・ナット61によって一体的に着脱可能に連結されている。
【0085】
これによって、フレーム30aが、6枚の縦桟31a、31b、32a、32b、36a、36bと3枚の横桟33a、33、33cによって平面形状が「田」の字形状に構成されている。フレーム30aの中縦桟36の2枚の縦桟36a、36bも、それぞれ、木製である。
【符号の説明】
【0086】
1 脚付きマットレス
10 マットレス本体
20 簀子
21 簀子板
21a 前簀子板
21b 後簀子板
21c 中簀子板
22 シート体
30 フレーム
31 左縦桟
31a 前縦桟
31b 後縦桟
32 右縦桟
32a 前縦桟
32b 後縦桟
33a 前横桟
33b 後横桟
33c 中横桟
40 脚
50 スライドファスナー
51a、51b ファスナーテープ
52a、52b ファスナーエレメント列
53 スライダー
60、70 ボルト