(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A01B 35/04 20060101AFI20220624BHJP
A01B 73/02 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
A01B35/04 D
A01B73/02
(21)【出願番号】P 2018043951
(22)【出願日】2018-03-12
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】河原 文雄
(72)【発明者】
【氏名】藤元 隆史
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-123819(JP,A)
【文献】特開2011-087507(JP,A)
【文献】特開平11-089311(JP,A)
【文献】実開昭54-078625(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0173138(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 27/00 - 61/04
A01B 63/14 - 67/00
A01B 71/00 - 79/02
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘ロータと、
前記耕耘ロータの進行方向に対して後方に配置され、第1中央整地体及び該第1中央整地体の後端部に対し上下方向に回動可能に取り付けられた第2中央整地体を含む中央作業体と、
前記中央作業体に対し回動可能に連結され、第1側方整地体及び該第1側方整地体の後端部に対し上下方向に回動可能に取り付けられた第2側方整地体を含む側方作業体と、
前記第2中央整地体及び前記第2側方整地体のいずれか一方から他方に向かって突出して設けられた第1補助整地部とを備え、
前記第2中央整地体及び前記第2側方整地体は、各々本体部とプレート部とで構成されており、
前記第1補助整地部は、前記第2中央整地体の本体部と前記第2側方整地体の本体部との間の間隙の後方に配置され、
前記第1補助整地部は、前記間隙に対向する第1面を主たる面とし、前記第1面に隣接する第2面を側面とする板状部材であると共に、圃場に対して高さ方向に板厚よりも長い幅を有
し、
前記第1補助整地部の前記第2面における圃場に対向する面は、後端が前端よりも上方に位置するように傾斜している、作業機。
【請求項2】
前記第1補助整地部は、前記第2中央整地体のプレート部と前記第2側方整地体のプレート部との間に配置される、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
背面視において、前記第1補助整地部は、前記第2中央整地体の本体部と前記第2側方整地体の本体部との間の間隙を覆う、請求項1に記載の作業機。
【請求項4】
さらに、前記第2側方整地体に対し回動可能に連結された延長整地体を備え、
前記第2側方整地体と前記延長整地体との間の間隙の後方に配置され、前記第2側方整地体及び前記延長整地体のいずれか一方から他方に向かって突出して設けられた第2補助整地部を有する、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項5】
前記第2補助整地部は、前記第2側方整地体のプレート部と前記延長整地体との間に配置される、請求項
4に記載の作業機。
【請求項6】
前記第2補助整地部の突出幅は、前記第2側方整地体の本体部と前記延長整地体との間の間隙の最大幅よりも大きい、請求項
4又は
5に記載の作業機。
【請求項7】
前記第2側方整地体と前記延長整地体との間に配置され、前記第2補助整地部に対向する第3補助整地部を有し、
前記第3補助整地部は、前記第2補助整地部に対向する第1面を主たる面とし、前記第1面に隣接する第2面を側面とする板状部材であり、
前記第1面は、上端が下端よりも前記第2補助整地部に近づくように傾斜している、請求項
4乃至
6のいずれか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業機に関する。特に、走行機体の後部に装着され、耕耘ロータの回転によって代掻き作業を行う作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
農作業において、田植えのために、圃場に水を入れて土を砕いてかきならす作業を代掻き作業といい、そのための作業機は、代掻き機等と呼ばれる。代掻き機は、一般的には、回転軸に取り付けられた複数の爪を回転させて圃場を掻き均す耕耘ロータと、耕耘ロータの後方に設けられ、砕かれた土を平らに均す第1整地体(エプロンとも呼ばれる)と、第1整地体の後部に設けられ、第1整地体に対して上下方向に回動可能に支持されて砕かれた土を平らに均す第2整地体(レベラとも呼ばれる)とを備える(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された代掻き機は、中央作業体と二つの延長作業体とによって構成されており、各延長作業体は、中央作業体に対して折り畳み可能となっている。すなわち、各延長作業体は、延長作業時には左右方向に展開されて使用され、非延長作業時には、折り畳まれて格納される。
【0005】
このような構成となっているため、延長作業時、すなわち中央作業体と二つの延長作業体をすべて使用して代掻き作業を行う場合、中央作業体と各延長作業体それぞれとの間には、ある程度の隙間が生じる。中央作業体と延長作業体との間に生じた隙間においては、レベラによる十分な整地が行えないため、圃場表面に土の片寄りによる筋状の痕跡が残るなどして仕上がりが悪化してしまうおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、代掻き作業の仕上がりを向上させるための構造を備えた作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による作業機は、耕耘ロータと、前記耕耘ロータの進行方向に対して後方に配置され、第1中央整地体及び該第1中央整地体の後端部に設けられた第2中央整地体を含む中央作業体と、前記中央作業体に対し回動可能に連結され、第1側方整地体及び該第1側方整地体の後端部に設けられた第2側方整地体を含む側方作業体と、前記第2中央整地体と前記第2側方整地体との間に配置され、前記第2中央整地体及び前記第2側方整地体のいずれか一方から他方に向かって突出して設けられた第1補助整地部とを備え、前記第1補助整地部は、前記第2中央整地体と前記第2側方整地体との間の間隙に対向する第1面と、前記第1面に隣接し、前記第1面よりも面積の小さい第2面とを有する。
【0008】
前記第1補助整地部は、前記第2面を側面とする板状の部材であってもよい。
【0009】
前記第2中央整地体及び前記第2側方整地体は、各々本体部とプレート部とで構成されていてもよい。その場合、前記第1補助整地部は、前記第2中央整地体のプレート部と前記第2側方整地体のプレート部との間に配置されることが好ましい。また、背面視において、前記第1補助整地部は、前記第2中央整地体の本体部と前記第2側方整地体の本体部との間の間隙を覆うように配置されることが好ましい。
【0010】
前記第1補助整地部の前記第2面における圃場に対向する面は、後端が前端よりも上方に位置するように傾斜していてもよい。
【0011】
前記作業機は、さらに、前記第2側方整地体に対し回動可能に連結された延長整地体を備え、前記第2側方整地体と前記延長整地体との間に配置され、前記第2側方整地体及び前記延長整地体のいずれか一方から他方に向かって突出して設けられた第2補助整地部を有していてもよい。
【0012】
前記第2側方整地体は、本体部とプレート部とで構成されていてもよい。その場合、前記第2補助整地部は、前記第2側方整地体のプレート部と前記延長整地体との間に配置されることが好ましい。
【0013】
前記第2補助整地部の突出幅は、前記第2側方整地体の本体部と前記延長整地体との間の間隙の最大幅よりも大きいことが好ましい。
【0014】
前記作業機は、前記第2側方整地体と前記延長整地体との間に配置され、前記第2補助整地部に対向する第3補助整地部を有していてもよい。このとき、前記第3補助整地部は、前記第2補助整地部に対向する第1面と、前記第1面に隣接し、前記第1面よりも面積の小さい第2面とを有し、前記第1面は、上端が下端よりも前記第2補助整地部に近づくように傾斜していてもよい。
【0015】
前記第3補助整地部は、前記第2面を側面とする板状の部材であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の作業機によれば、簡易な構造により、代掻き作業の仕上がりを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態における作業機の構成を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態における作業機が左側作業体を折り畳んだときの構成を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態における作業機の第2中央整地体と第2左側整地体との連結部付近の構成を示す図である。
【
図4】第1実施形態における第1補助整地部の構成を示す図である。
【
図5】第1実施形態における作業機の第2左側整地体と左側延長整地体との連結部付近の構成を示す図である。
【
図6】第1実施形態における作業機の第2左側整地体と左側延長整地体との連結部付近を拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の作業機の実施形態について説明する。但し、本発明の作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0019】
なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の記号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。例えば、本発明の作業機が中央作業体、左側作業体及び右側作業体の3つの作業体で構成される場合、それぞれの作業体が有する部分であることを示すために、数字の後に「C」、「L」及び「R」を付すことがある。
【0020】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、「上」は圃場から垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって垂直に近づく方向を示す。また、「前」は作業機を基準として走行機体が位置する方向を示し、「後」は前とは180°反対の方向を示す。また、「左」は作業機を基準として走行機体が位置する方向に向かったときの左を示し、「右」は左とは180°反対の方向を示す。
【0021】
〈第1実施形態〉
[作業機10の構成]
以下、第1実施形態による作業機10の構成について、
図1及び
図2を用いて詳細に説明する。
図1は、第1実施形態における作業機の構成を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態における作業機が左側作業体を折り畳んだときの構成を示す斜視図である。なお、
図2は、
図1に対して左側作業体10Lの位置が変化しただけの図であるため、説明の便宜上、
図1において既出の符号のいくつかは省略されている。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態による作業機10は、中央作業体10C、左側作業体10L及び右側作業体10Rを備え、3つに分割された構造となっている。中央作業体10Cは、作業機10の中央部に配置され、作業機本体として機能する。左側作業体10L及び右側作業体10Rは、中央作業体10Cの左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられている。作業機10は、これら左側作業体10L及び右側作業体10Rを斜め上方に回動させることにより中央作業体10Cに重ねて折り畳むことができ、斜め下方に回動させることにより
図1に示すように展開することができる。
【0023】
ここで、左側作業体10L及び右側作業体10Rを中央作業体10Cに重ねて折り畳んだ状態を収納状態と呼ぶ。収納状態とは、作業機10が走行機体の進行方向に対して直交する方向の幅を縮小された状態である。また、左側作業体10L、右側作業体10R及び中央作業体10Cが横に並んだ状態を展開状態と呼ぶ。展開状態とは、作業機10が走行機体の進行方向に対して直交する方向に延長された状態である。
【0024】
次に、中央作業体10Cについて説明する。中央作業体10Cは、トラクタ等の走行機体との連結部として機能するトップマスト12及びロアーリンク連結部14、走行機体から動力が伝達される入力軸16、左右方向に延び中央作業体10Cを支持する支持フレーム18、伝動フレーム(チェーンケース)20C、ギヤボックス22、中央シールドカバー24C、耕耘ロータ(図示せず)、第1中央整地体28C、第2中央整地体30C、エプロン制御機構31a及び31b、並びに中央レベラ制御機構32Cを備えている。
【0025】
トップマスト12は、中央作業体10Cの前方中央部に設けられ、ロアーリンク連結部14は、中央作業体10Cの前方左右二箇所に設けられている。トップマスト12及び左右二箇所に設けられたロアーリンク連結部14は、図示しない走行機体のトップリンク及び左右二箇所に設けられたロアーリンク(3点リンクヒッチ機構)にそれぞれ連結され、作業機10は走行機体の後部に昇降可能に装着される。なお、作業機10と走行機体との連結は、走行機体の3点リンクヒッチ機構に装着されるオートヒッチフレームを介してもよい。
【0026】
入力軸16は、中央作業体10Cの前方中央部に設けられたギヤボックス22に設けられ、走行機体から伝達された動力を作業機10に入力する。入力軸16は走行機体のPTO軸に連結され、PTO軸からユニバーサルジョイント等を介して動力が伝達される。
【0027】
支持フレーム18は、中央作業体10Cの本体フレームを兼ねており、ギヤボックス22の左右両側に走行機体の進行方向に対して左右方向に延設されている。ここで、ギヤボックス22と伝動フレーム20Cとの間に配置された支持フレーム18内には、伝動シャフト(図示せず)が内装されている。この伝動シャフトにより、ギヤボックス22から伝動フレーム20Cに対して耕耘ロータを回転させるための動力が伝達される。
【0028】
中央シールドカバー24Cは、支持フレーム18に沿って設けられ、耕耘ロータの上方を覆うように配置される。耕耘ロータで砕かれた土は、中央シールドカバー24Cの内壁に当たってさらに砕土されるとともに、落下して再び圃場に戻る。このように、中央シールドカバー24Cは、耕耘ロータによって巻き上げられた土の飛散防止機能と砕土機能とを兼ね備えている。
【0029】
中央作業体10Cが有する耕耘ロータは、中央シールドカバー24Cの下方に回転自在に軸支された回転軸(図示せず)に対して、フランジ又はホルダを用いて複数の耕耘爪を取り付けた構成を有する。入力軸16から入力された動力は、ギヤボックス22内で変速され、支持フレーム18内の伝動シャフト、伝動フレーム20C等を経由して伝達され、耕耘ロータの回転運動へと変換される。
【0030】
第1中央整地体28Cは、中央シールドカバー24Cに対し、回動可能に取り付けられており、通常、エプロンと呼ばれる。第2中央整地体30Cは、第1中央整地体28Cに対し、上下方向へ回動可能に取り付けられており、通常、レベラと呼ばれる。第1中央整地体28Cは、中央作業体10Cの耕耘ロータの回転によって飛散した泥や土を圃場に戻すカバーとしての役割と、第2中央整地体30Cを圃場に押し付けて整地作業を行う整地部材としての役割を担う。第2中央整地体30Cは、直接圃場に接することにより、圃場表面の整地を行う整地部材としての役割を担う。
【0031】
エプロン制御機構31a及び31bは、中央シールドカバー24Cと第1中央整地体28Cとの間に架設され、第1中央整地体28Cの上下方向への回動を制御する手段として機能する。エプロン制御機構31a及び31bは、第1中央整地体28Cの上方向への回動を妨げる加圧モードと、第1中央整地体28Cの上方向への回動を妨げない非加圧モードとを切り替え可能であり、加圧モードでは、第1中央整地体28Cに対して上方向への回動を妨げる付勢力を働かせる。この付勢力は、エプロン制御機構31a及び31bを構成するリンクロッドに配置されたスプリングの反力によって実現される。エプロン制御機構31a及び31bを加圧モードとすることにより、第1中央整地体28Cによる砕土性能や整地性能を高めることができ、より効率良く圃場を仕上げることができる。
【0032】
中央レベラ制御機構32Cは、中央シールドカバー24Cと第2中央整地体30Cとの間に架設され、第2中央整地体30Cの上下方向への回動を制御する手段として機能する。中央レベラ制御機構32Cは、第2中央整地体30Cを下方に向けた状態(土寄せ状態)に固定する土寄せモードと、第2中央整地体30Cの上下方向への回動を妨げない整地モードとを切り替え可能である。モードの切り替えは、中央レベラ制御機構32Cを構成するリンクロッドの動作の規制又は解除によって実現される。
【0033】
次に、左側作業体10Lについて説明する。左側作業体10Lは、左側シールドカバー24L、左側シールドカバー24Lの下方に配置された耕耘ロータ26L(
図2参照)、伝動フレーム(チェーンケース)20L、第1左側整地体28L、第2左側整地体30L、左側レベラ制御機構32L、及び左側延長整地体回動機構34Lを備えている。左側シールドカバー24L、伝動フレーム20L、第1左側整地体28L、第2左側整地体30L、及び左側レベラ制御機構32Lの担う役割については、それぞれ前述の中央作業体10Cにおける対応する各要素と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0034】
ここで、
図2に示されるように、耕耘ロータ26Lは、回転軸(爪軸ともいう)26La及びその回転軸26Laの周囲にホルダを介して配置された複数の耕耘爪26Lbを備える。伝動フレーム20Lを介して伝達された動力により回転軸26Laが回転すると、その周囲に配置された耕耘爪26Lbが一斉に回転し、圃場の土を砕土及び攪拌する。
【0035】
なお、図示は省略しているが、中央作業体10Cには耕耘ロータ26Cが設けられ、右側作業体10Rには耕耘ロータ26Rが設けられている。これらの耕耘ロータ26C及び耕耘ロータ26Rも耕耘ロータ26Lと同様の構成を有している。本明細書では、中央作業体10C、左側作業体10L及び右側作業体10Rのそれぞれが有する耕耘ロータをまとめて「耕耘ロータ26」と呼ぶ場合がある。
【0036】
図1に戻って、左側延長整地体回動機構34Lは、左側作業体10Lの第2左側整地体30Lに対し、回動可能に連結された左側延長整地体36Lを回動させるための機構である。左側延長整地体36Lは、左側作業体10Lの端部から作業機10の左方向に延長して設けられ、左側作業体10Lの外側の領域の整地作業を担う。第2左側整地体30Lと左側延長整地体36Lとは、延長整地体連結部38Lによって回動可能に連結されており、左側延長整地体36Lが第2左側整地体30Lに向かって折り畳まれるように回動可能となっている。
【0037】
ここで、本実施形態において、左側延長整地体回動機構34Lは、駆動モータ部34La、回動アーム34Lb、及び連結ワイヤ34Lcを含む。回動アーム34Lbは、一端が駆動モータ部34Laに接続され、他端が連結ワイヤ34Lcに接続されている。また、連結ワイヤ34Lcは、一端が回動アーム34Lbに接続され、他端が左側延長整地体36Lに接続されている。
【0038】
駆動モータ部34Laが動作すると、回転駆動力が発生して、回動アーム34Lbが略水平方向に回動する。この回動アーム34Lbの回動動作に連動して、連結ワイヤ34Lcに引っ張られた左側延長整地体36Lが延長整地体連結部38Lを介して回動する。これにより、左側延長整地体36Lの収納及び展開が可能となる。
【0039】
なお、本実施形態では、左側延長整地体回動機構34Lを、駆動モータ部34La、回動アーム34Lb、及び連結ワイヤ34Lcで構成する例を示したが、延長整地体連結部38Lを介して左側延長整地体36Lを回動可能とする機構であれば、他の機構を用いてもよい。
【0040】
次に、右側作業体10Rについて説明する。右側作業体10Rは、右側シールドカバー24R、右側シールドカバー24Rの下方に配置された耕耘ロータ(図示せず)、伝動フレーム(チェーンケース)20R、第1右側整地体28R、第2右側整地体30R、右側レベラ制御機構32R、及び右側延長整地体回動機構34Rを備えている。ここで、右側シールドカバー24R、伝動フレーム20R、第1右側整地体28R、第2右側整地体30R、右側レベラ制御機構32R、及び右側延長整地体回動機構34Rの担う役割については、それぞれ前述の左側作業体10Lにおける対応する各要素と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、右側延長整地体36R及び延長整地体連結部38Rについても、前述の左側延長整地体36L及び延長整地体連結部38Lと同様である。
【0041】
さらに、本実施形態による作業機10は、中央作業体10C、左側作業体10L、及び右側作業体10Rに、それぞれ中央土寄せ板40Ca及び40Cb、左側土寄せ板40L、並びに右側土寄せ板40Rを備えている。これらは、代掻き作業時に発生する水流(実際には、土を含む水の流れ)をコントロールするための板であり、これら土寄せ板を設けることにより、圃場表面の仕上がりを向上させることができる。
【0042】
例えば、中央土寄せ板40Ca及び40Cbは、作業機10の前方を走行する走行機体のタイヤ等の轍に土を戻す位置に設けられ、轍によって生じた圃場の起伏の平坦化に寄与する。また、左側土寄せ板40L及び右側土寄せ板40Rは、土を内側に寄せるとともに、各土寄せ板の裏側にその周辺の水流を引き込む。その結果、左側作業体10L及び右側作業体10Rの端部よりも外側に藁などが浮遊していたとしても、水流によってそれぞれの耕耘ロータ内に引き込み、圃場表面の仕上がりの向上に寄与する。
【0043】
また、本実施形態による作業機10は、左側作業体10L及び右側作業体10Rに、それぞれ左側レベラ制御機構32L、右側レベラ制御機構32Rを備えている。これら左側レベラ制御機構32L及び右側レベラ制御機構32Rは、中央レベラ制御機構32Cと同様に、それぞれ第2左側整地体30L、第2右側整地体30Rの上下方向への回動を規制又は解除する手段として機能する。
【0044】
以上説明した左側作業体10L及び右側作業体10Rは、中央作業体10Cの両端部に設けられた作業体回動機構44a及び44bを介して回動用シリンダ46a及び46bの作用により回動し、前述の収納状態又は展開状態となる。その際、第1中央整地体28Cと第1左側整地体28L、及び、第1中央整地体28Cと第1右側整地体28Rとは、それぞれ第1連結部48a及び48bとによって連結される。また、第2中央整地体30Cと第2左側整地体30L、及び、第2中央整地体30Cと第2右側整地体30Rとは、それぞれ第2連結部50a及び50bとによって連結される。
【0045】
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、左側作業体10L及び右側作業体10Rを合わせた総称を「側方作業体」と呼ぶことがある。また、第1左側整地体28L及び第1右側整地体28Rを合わせた総称を「第1側方整地体」と呼んだり、第2左側整地体30L及び第2右側整地体30Rを合わせた総称を「第2側方整地体」と呼んだりすることがある。さらに、左側延長整地体36L及び右側延長整地体36Rを合わせた総称を「延長整地体」と呼ぶことがある。
【0046】
[第1補助整地部の構成]
次に、第2中央整地体30Cと第2左側整地体30Lとの連結部(第2連結部50a)付近の構成について、
図3及び
図4を用いて説明する。
【0047】
図3は、第1実施形態における作業機10の第2中央整地体30Cと第2左側整地体30Lとの連結部(第2連結部50a)付近の構成を示す図である。
図3(A)は、平面視における連結部(第2連結部50a)付近の構成を示す図であり、
図3(B)は、背面視における連結部(第2連結部50a)付近の構成を示す図である。なお、ここでは説明を省略するが、第2中央整地体30Cと第2右側整地体30Rとの連結部(第2連結部50b)付近も同様の構成を有している。
【0048】
図3に示すように、作業機10の第2中央整地体30Cは、本体部30Ca及びプレート部30Cbで構成される。プレート部30Cbは、耕耘ロータ26によって砕土された土を含む水流が最終的に作業機10から離れる際に接する部分であり、圃場表面の仕上がりに大きく影響する。そのため、本実施形態では、プレート部30Cbに、複数の略三角形状の切欠き部52Cを設けている。
【0049】
切欠き部52Cは、平面視において、略三角形状の突出部の頂面に、ほぼ相似形の切欠きを設けた構造となっている。このような構造のプレート部30Cbを有することにより、第2中央整地体30Cの下方を経由した圃場表面は、均一に平坦化され、仕上がりの良い圃場表面を実現することができる。
【0050】
また、本実施形態の作業機10における第2左側整地体30Lは、本体部30La及びプレート部30Lbで構成される。プレート部30Lbは、第2中央整地体30Cにおけるプレート部30Cbと同様に、複数の略三角形状の切欠き部52Lを有する。
【0051】
このとき、第2中央整地体30Cの本体部30Caと第2左側整地体30Lの本体部30Laとの間には間隙60が生じる。具体的には、第2中央整地体30Cの側端部を構成するサイドプレート62と、第2左側整地体30Lの側端部を構成するサイドプレート64との間の隙間が間隙60となる。そのため、耕耘ロータ26によって砕土された土を含む水流の一部は、間隙60を通過して作業機10の後方に流れることとなる。ここでは、間隙60の間隔(幅)をX1とする。
【0052】
この間隙60に対応して、本実施形態の作業機10は、第2中央整地体30Cのプレート部30Cbと第2左側整地体30Lのプレート部30Lbとの間に、第1補助整地部66を備えている。具体的には、本実施形態の第1補助整地部66は、板状部材で構成されるサイドプレート64の後端部を屈曲させて形成されている。そのため、第1補助整地部66も板状部材である。ただし、後述するように、第1補助整地部66は、サイドプレート64とは別の部材で形成し、サイドプレート64に接合したものであってもよい。
【0053】
なお、
図3では、第2左側整地体30Lから第2中央整地体30Cに向かって突出するように第1補助整地部66が設けられた例を示しているが、その逆に、第2中央整地体30Cから第2左側整地体30Lに向かって突出するようにしてもよい。いずれにしても、このときの突出幅X2は、前述のX1よりも大きくすることが望ましい。換言すれば、背面視において、第1補助整地部66は、第2中央整地体30Cの本体部30Caと第2左側整地体30Lの本体部30Laとの間の間隙60を覆うように配置することが望ましい。このように、間隙60の幅X1よりも大きく突出させることにより、第1補助整地部66を、間隙60を通過する水流を崩すように配置することができる。
【0054】
このとき、第1補助整地部66は、圃場に対して垂直な方向(高さ方向)に板厚よりも長い幅を有する形状となっている。そのため、間隙60を通過する水流がある程度の高さを有していても、効果的に水流を崩すことができるようになっている。つまり、第1補助整地部66は、間隙60を通過する水流をある程度広い面で受けることができ、それにより高さのある水流を崩すことが可能となっている。
【0055】
例えば、
図3(A)及び
図3(B)に示されるように、第1補助整地部66は、第2中央整地体30Cと第2左側整地体30Lとの間の間隙60に対向する第1面66aと、第1面66aに隣接し、第1面66aよりも面積の小さい第2面66bとを有する。前述のように、本実施形態において、第1補助整地部66は、サイドプレート64の後端部を屈曲させて形成されている。つまり、第1面66aは、板状部材の主たる面であり、第2面66bは、板状部材の側面(板厚を幅とする面)である。
【0056】
このように、本実施形態の第1補助整地部66は、板状部材の主たる面である第1面66aが間隙60に対向するため、間隙60を通過した水流は、第1補助整地部66の第1面66aに衝突する。このとき、第1補助整地部66の第1面66aは、水流を崩す堰として機能し、間隙60を通過した水流が高さ方向に形成されていても効率よく水流を崩すことができる。これにより、水流によって形成される圃場表面の筋を作業機10の後方に残すことなく代掻き作業を行うことが可能となり、代掻き作業の仕上がりを向上させることができる。
【0057】
さらに、本実施形態では、第1補助整地部66によって作業機10の後方に筋を形成しないように、第1補助整地部66の形状に工夫を施している。
図4は、第1実施形態における第1補助整地部66の構成を示す図である。
図4に示されるように、第1補助整地部66の第2面66bにおける圃場に対向する面66baは、背面視において後端が前端よりも上方に位置するように傾斜している。すなわち、第1補助整地部66は、後端になるほど圃場から遠ざかる形状となっている。
【0058】
このような形状とした場合、第1補助整地部66の後端部が圃場の表面を引っ掻くことがなくなり、圃場の表面に不要な筋を残すことがない。したがって、第1補助整地部66を設けたことによる代掻き作業の仕上がり向上の効果に加えて、さらにその効果を高めることが可能である。
【0059】
また、前述のように、第2中央整地体30Cと第2右側整地体30Rとの連結部(第2連結部50b)付近も同様の構成を有している。そのため、図示は省略するが、第2中央整地体30Cのプレート部と第2右側整地体30Rのプレート部との間にも、第1補助整地部66が設けられている。第2中央整地体30Cと第2右側整地体30Rとの間に設けられた第1補助整地部66も、間隙60を通過する水流を崩すように、間隙60に対向して配置され、間隙60を通過する水流に起因して生じる筋を打ち消す役割を有する。
【0060】
なお、本実施形態では、サイドプレート64の後端部を屈曲させて第1補助整地部66を形成した例を示したが、これに限らず、サイドプレート64とは別に第1補助整地部66を用意し、それをサイドプレート64に接合した構造としてもよい。この場合、サイドプレート64とは異なる材料で第1補助整地部66を構成することができる。例えば、サイドプレート64を金属材料で構成し、第1補助整地部66を他の金属材料で構成したりゴム材料、樹脂材料もしくはセラミックス材料で構成したりすることも可能である。第1補助整地部66をゴム材料や樹脂材料で構成した場合、第2中央整地体30Cと第2側方整地体とを第2連結部50a及び50bによって連結する際、相互に位置ずれした状態で連結させたときに第1補助整地部66に当たって発生する音や第1補助整地部66の摩耗を軽減することができるという効果がある。
【0061】
以上のように、第2中央整地体30Cと第2左側整地体30Lとの間に生じた間隙60に対向するように第1補助整地部66を備えたことにより、間隙60を通過して作業機10の後方に向かう水流(特に、ある程度の高さを有する水流)を崩すことができるため、間隙60に起因して圃場表面に生じる筋を打ち消すことができる。その結果、均一に平坦化された仕上がりの良い圃場表面を得ることができる。
【0062】
[第2補助整地部及び第3補助整地部の構成]
次に、第2左側整地体30Lと左側延長整地体36Lとの連結部(延長整地体連結部38L)付近の構成について、
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、第2左側整地体30Lと左側延長整地体36Lとの連結部(延長整地体連結部38L)付近の構成を示す図である。
図5(A)は、平面視における連結部(延長整地体連結部38L)付近の構成を示す図であり、
図5(B)は、背面視における連結部(延長整地体連結部38L)付近の構成を示す図である。
図6は、第2左側整地体30Lと左側延長整地体36Lとの連結部(延長整地体連結部38L)付近を拡大した拡大図である。なお、ここでは説明を省略するが、第2右側整地体30Rと右側延長整地体36Rとの連結部(延長整地体連結部38R)付近も同様の構成を有している。
【0063】
図5(A)に示すように、左側延長整地体36Lは、第2中央整地体30Cや第2左側整地体30Lと同様に、複数の略三角形状の切欠き部54Lを備えている。この切欠き部54Lも、略三角形状の突出部の頂面にほぼ相似形の切欠きを設けた構造となっている。このような構造の左側延長整地体36Lを有することにより、作業時に左側作業体10Lの側方に水と共に溢れた土も左側延長整地体36Lによって平坦化することができる。その結果、均一に平坦化された仕上がりの良い圃場表面を実現することができる。
【0064】
このとき、第2左側整地体30Lの本体部30Laと左側延長整地体36Lとの間には間隙70が生じる。具体的には、第2左側整地体30Lの側端部を構成するサイドプレート72と、左側延長整地体36Lの側端部74との間の隙間が間隙70となる。そのため、耕耘作業時において左側作業体10Lの側方に水と共に溢れた土の一部は、間隙70を通過して作業機10の後方に流れることとなる。ここでは、間隙70の間隔(幅)をX3とする。
【0065】
この間隙70に対応して、本実施形態の作業機10は、第2左側整地体30Lのプレート部30Lbと左側延長整地体36Lとの間に、第2補助整地部76を備えている。具体的には、
図6に示されるように、第2補助整地部76は、板状部材で構成され、左側延長整地体36Lから第2左側整地体30Lに向かって突出して設けられている。このときの突出幅X4は、間隙70の幅X3よりも大きいことが好ましい。このように、間隙70を延長した領域上に第2補助整地部76を配置することにより、間隙70を通過する水流の一部の向きを矢印の方向に変化させることができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、第2左側整地体30Lのプレート部30Lbの側端部に、板状の部材で構成される第3補助整地部78を備えている。本実施形態において、第3補助整地部78は、第2補助整地部76に対向する第1面78aと、第1面78aに隣接し、第1面78aよりも面積の小さい第2面78bとを有する。つまり、第1面78aは、板状部材の主たる面であり、第2面78bは、板状部材の側面(板厚を幅とする面)である。そして、
図5及び
図6に示されるように、第3補助整地部78の第1面78aは、その上端が下端よりも第2補助整地部76に近づくように傾斜している。
【0067】
本実施形態によれば、間隙70を通過した水流は、まず第2補助整地部76に当たり、水流の一部は、
図6の矢印に示したように向きを変え、第3補助整地部78へと向かうと考えられる。そして、向きを変えた水流は、第3補助整地部78の第1面78aに当たって崩され、その一部は第2補助整地部76の方へと押し戻される。その結果、第2補助整地部76と第3補助整地部78との間で乱流が発生し、間隙70を通過した水流はこの乱流の影響も受けて崩される。そのため、間隙70を通過する水流がある程度の高さを有していたとしても、乱流の影響で水流の全体を崩すことができると考えられる。
【0068】
以上のとおり、本実施形態では、第2左側整地体30Lのプレート部30Lbと左側延長整地体36Lとの間に、第2補助整地部76及び第3補助整地部78を備えることにより、間隙70を通過して作業機10の後方に向かう水流(特に、ある程度の高さを有する水流)を崩すことができる。これにより、間隙70に起因して圃場表面に生じる筋を打ち消すことができ、均一に平坦化された仕上がりの良い圃場表面を得ることができる。
【0069】
ところで、前述のように、第2右側整地体30Rと右側延長整地体36Rとの連結部(延長整地体連結部38R)付近も同様の構成を有している。そのため、図示は省略するが、第2右側整地体30Rのプレート部と右側延長整地体36Rとの間にも、第2補助整地部76及び第3補助整地部78が設けられている。第2右側整地体30Rと右側延長整地体36Rとの間に設けられた第2補助整地部76及び第3補助整地部78も、間隙70を通過する水流を崩して間隙70を通過する水流に起因して生じる筋を打ち消す役割を有する。
【0070】
なお、
図5(B)に示されるように、本実施形態の第2補助整地部76は、左側延長整地体36Lに対して別部材として接合されている。ここでは、第2補助整地部76を板状部材(プレート部材)で構成し、その厚さを、左側延長整地体36Lに設けられた切欠き部54Lの高さ(略三角形状の突出部の高さ)に合わせている。これにより、第2補助整地部76の位置が、左側延長整地体36Lの位置よりも厚さ分だけ高くなり、第2補助整地部76による圃場表面の平坦化の効果をさらに向上させることができる。勿論、第2補助整地部76と左側延長整地体36Lとを一体形成してもよい。つまり、左側延長整地体36Lの一部を、間隙70を延長した領域上に突出させることにより、第2補助整地部76を形成することも可能である。
【0071】
また、本実施形態の第3補助整地部78は、第2左側整地体30Lのプレート部30Lbに対して別部材として接合されている。ここでは、第3補助整地部78を板状部材(プレート部材)で構成している。この場合、プレート部30Lbとは異なる材料で第3補助整地部78を構成することもできる。例えば、プレート部30Lbを金属材料で構成し、第3補助整地部78を他の金属材料で構成したりゴム材料、樹脂材料もしくはセラミックス材料で構成したりすることも可能である。
【0072】
第3補助整地部78をゴム材料や樹脂材料で構成した場合、第2左側整地体30Lと左側延長整地体36Lとを延長整地体連結部38Lによって連結する際、相互に位置ずれした状態で連結させたときに第3補助整地部78に当たって発生する音や第3補助整地部78の摩耗を軽減することができるという効果がある。勿論、第2左側整地体30Lのプレート部30Lbの側端部を屈曲させて第3補助整地部78を形成してもよい。また、第2右側整地体30Rと右側延長整地体36Rとの間に設けられた第3補助整地部78についても、上記と同様のことが言える。
【0073】
以上説明した第1実施形態における作業機10は、第2中央整地体30Cと第2側方整地体(第2左側整地体30L及び第2右側整地体30R)との間に第1補助整地部66を備え、さらに、第2側方整地体と延長整地体(左側延長整地体36L及び右側延長整地体36R)との間に第2補助整地部76及び第3補助整地部78を備える。これにより、間隙60及び間隙70を通過する水流を崩し、作業機10の後方に土の片寄りによる筋が残ることを防止することができる。その結果、第1実施形態における作業機10は、代掻き作業における圃場表面の仕上がりを向上させることができる。
【0074】
なお、第1補助整地部66と第2補助整地部76及び第3補助整地部78とは、必ずしも併用しなくても、本実施形態による効果を奏することができる。例えば、第2中央整地体30Cと第2側方整地体との間に、それぞれ第1補助整地部66のみを設けた作業機としても、十分に代掻き作業における圃場表面の仕上がりを向上させることができる。また、第2補助整地部76と第3補助整地部78とは必ずしも組み合わせて使用しなくてもよい。すなわち、第2側方整地体と延長整地体との間に、それぞれ第2補助整地部76のみを設けた作業機としてもよい。
【0075】
〈第2実施形態〉
第1実施形態では、第1補助整地部66を第2左側整地体30Lに設けた例を示したが、これに限らず、第2中央整地体30Cに設けてもよい。例えば、
図3において、第2中央整地体30Cのプレート部30Cbまでサイドプレート62を延長し、その後端部を第2左側整地体30Lの方へ屈曲させて第1補助整地部66を構成してもよい。勿論、サイドプレート62とは別部材で第1補助整地部66を構成してもよい。
【0076】
その場合においても、背面視において、第2中央整地体30Cの本体部30Caと第2左側整地体30Lの本体部30Laとの間の間隙60を覆うように、第1補助整地部66を配置すればよい。この構成については、第2中央整地体30Cと第2右側整地体30Rとの間に設けられた第1補助整地部66についても同様である。
【0077】
〈第3実施形態〉
第1実施形態では、第2中央整地体30Cと第2側方整地体との間に第1補助整地部66を備えた例を示したが、これに限らず、第2側方整地体と延長整地体との間に第1補助整地部66を備えてもよい。例えば、
図5において、左側延長整地体36Lの側端部74の後端部を折り曲げ加工して、
図3に示したような、間隙70に対向する第1面66aを有した第1補助整地部66を一体形成してもよい。勿論、左側延長整地体36Lとは別部材で第1補助整地部66を形成してもよい。
【0078】
その場合においても、背面視において、第2左側整地体30Lの側端部を構成するサイドプレート72と左側延長整地体36Lの側端部74との間の間隙70を覆うように、第1補助整地部66を配置すればよい。この構成については、第2右側整地体30Rと右側延長整地体36Rとの間に設けられた第1補助整地部66についても同様である。
【0079】
〈第4実施形態〉
第1実施形態では、側方作業体を有する作業機10を例示したが、これに限らず、折り畳みまたは展開可能な側方作業体を有していない作業機であってもよい。例えば、折り畳みまたは展開可能な側方作業体を有していない作業機において、作業体の両端部に延長整地体を備え、作業体と延長整地体との間に第2補助整地部76及び第3補助整地部78を備えてもよい。
【0080】
その場合においても、平面視において、作業体の両側端部と各延長整地体の側端部との間の間隙を延長した領域上に、少なくとも第2補助整地部76を配置すればよい。
【0081】
また、第3実施形態のように、作業体と延長整地体との間に第1補助整地部66を配置することも可能である。その場合においても、背面視において、作業体の第2整地体(レベラに相当する部分)の側端部を構成するサイドプレートと各延長整地体の側端部との間の間隙を覆うように、第1補助整地部66を配置すればよい。
【0082】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態の作業機を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0083】
また、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0084】
10…作業機、10C…中央作業体、10L…左側作業体、10R…右側作業体、12…トップマスト、14…ロアーリンク連結部、16…入力軸、18…支持フレーム、20C、20L、20R…伝動フレーム(チェーンケース)、22…ギヤボックス、24C…中央シールドカバー、24L…左側シールドカバー、24R…右側シールドカバー、26、26C、26L、26R…耕耘ロータ、26La…回転軸(爪軸)、26Lb…耕耘爪、28C…第1中央整地体、28L…第1左側整地体、28R…第1右側整地体、30C…第2中央整地体、30Ca…本体部、30Cb…プレート部、30L…第2左側整地体、30La…本体部、30Lb…プレート部、30R…第2右側整地体、31a…エプロン制御機構、32C…中央レベラ制御機構、32L…左側レベラ制御機構、32R…右側レベラ制御機構、34L…左側延長整地体回動機構、34La…駆動モータ部、34Lb…回動アーム、34Lc…連結ワイヤ、34R…右側延長整地体回動機構、36L…左側延長整地体、36R…右側延長整地体、38L…延長整地体連結部、38R…延長整地体連結部、40Ca、40Cb…中央土寄せ板、40L…左側土寄せ板、40R…右側土寄せ板、44a…作業体回動機構、46a…回動用シリンダ、48a…第1連結部、50a…第2連結部、52C、52L、54L…切欠き部、60、70…間隙、62、64、72…サイドプレート、66…第1補助整地部、66a…第1面、66b…第2面、66ba…圃場に対向する面、74…側端部、76…第2補助整地部、78…第3補助整地部、78a…第1面、78b…第2面