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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】連結位置調整機構及び農作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 73/04 20060101AFI20220624BHJP
   A01B 33/08 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
A01B73/04
A01B33/08 D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018060055
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019170186
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】河原 文雄
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-166765(JP,A)
【文献】特開2010-200615(JP,A)
【文献】特開2013-039089(JP,A)
【文献】特開2007-289132(JP,A)
【文献】特開2003-023814(JP,A)
【文献】特開2007-068445(JP,A)
【文献】特開平08-154440(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0037584(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 1/00 - 79/02
A01C 1/00 - 23/04
A01D 1/00 - 93/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1係止部材を有する第1部材と、
前記第1部材に対して回動可能に接続された第2部材と、
前記第2部材に設けられ、前記第2部材に対してスライド移動可能であり、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に当接する当接部材と、
前記当接部材のスライド移動方向における前記当接部材の位置を調整する位置調整部材と、
前記位置調整部材とは異なる部材で前記当接部材の位置を固定する固定部材と、
を有し、
前記当接部材には、前記当接部材のスライド移動方向に長手を有し、前記当接部材を貫通する長孔が設けられ、
前記固定部材は、前記長孔を貫通して前記第2部材に固定されている連結位置調整機構。
【請求項2】
前記固定部材は、前記位置調整部材が前記当接部材に作用する方向とは異なる方向から前記当接部材に作用する、請求項1に記載の連結位置調整機構。
【請求項3】
前記固定部材は、前記当接部材に対して、前記当接部材から前記第2部材に向かう方向に作用する、請求項2に記載の連結位置調整機構。
【請求項4】
第1係止部材を有する第1部材と、
前記第1部材に対して回動可能に接続された第2部材と、
前記第2部材に設けられ、前記第2部材に対してスライド移動可能であり、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に当接する当接部材と、
前記当接部材のスライド移動方向における前記当接部材の位置を調整する位置調整部材と、
前記位置調整部材とは異なる部材で前記当接部材の位置を固定する固定部材と、
前記当接部材に設けられ、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に係止して前記第2部材の前記第1部材に対する回動を規制する第2係止部材を有る連結位置調整機構。
【請求項5】
前記第1部材及び前記第2部材の一方に対して回動可能に接続され、前記第1部材及び前記第2部材の他方に接する回動連結部材と、
前記第1部材又は前記第2部材に設けられ、前記回動連結部材に動力を与える動力源と、
前記回動連結部材と前記第2係止部材とを連結する連結ロッドと、
をさらに有し、
前記回動連結部材は、前記動力源から受けた前記動力によって前記第2部材を回動させ、前記動力源から受けた前記動力を、前記連結ロッドを介して前記第2係止部材に伝える、請求項4に記載の連結位置調整機構。
【請求項6】
前記第2係止部材は前記当接部材に回動可能に接続され、
前記第1部材及び前記第2部材の他方は、
前記第2部材が回動する際に、前記回動連結部材の第1領域で前記回動連結部材と摺動し、
前記第2係止部材が回動して前記第1係止部材に係止する際に、前記第1領域とは異なる前記回動連結部材の第2領域で前記回動連結部材と摺動する、請求項5に記載の連結位置調整機構。
【請求項7】
前記連結ロッドは伸縮可能である、請求項5又は6に記載の連結位置調整機構。
【請求項8】
前記連結ロッドは、
第1ロッドと、
前記第1ロッドに対してスライド移動可能に接続された第2ロッドと、
前記第1ロッドに取り付けられ、前記連結ロッドが延びる方向において、前記第1ロッドに対する前記第2ロッドのスライド移動を規制するストッパと、
前記連結ロッドが延びる方向に弾性力を与える弾性部材と、
を有する、請求項5乃至7のいずれか一に記載の連結位置調整機構。
【請求項9】
前記ストッパは、前記第1ロッドに対して、前記連結ロッドの伸縮方向において異なる位置で脱着可能に取り付けられる、請求項8に記載の連結位置調整機構。
【請求項10】
第1係止部材を有する第1部材と、
前記第1部材に対して回動可能に接続された第2部材と、
前記第2部材に対してスライド移動可能であり、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に当接する当接部材と、
前記当接部材のスライド移動方向において、前記当接部材の位置を調整する位置調整部材と、
前記当接部材に設けられ、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に係止して前記第2部材の前記第1部材に対する回動を規制する第2係止部材と、
を有する連結位置調整機構。
【請求項11】
前記第1部材及び前記第2部材の一方に対して回動可能に接続され、前記第1部材及び前記第2部材の他方に接する回動連結部材と、
前記第1部材又は前記第2部材に設けられ、前記回動連結部材に動力を与える動力源と、
前記回動連結部材と前記第2係止部材とを連結する連結ロッドと、
をさらに有し、
前記回動連結部材は、前記動力源から受けた前記動力によって前記第2部材を回動させ、前記動力源から受けた前記動力を、前記連結ロッドを介して前記第2係止部材に伝える、請求項10に記載の連結位置調整機構。
【請求項12】
前記第2係止部材は前記当接部材に回動可能に接続され、
前記第1部材及び前記第2部材の他方は、
前記第2部材が回動する際に、前記回動連結部材の第1領域で前記回動連結部材と摺動し、
前記第2係止部材が回動して前記第1係止部材に係止する際に、前記第1領域とは異なる前記回動連結部材の第2領域で前記回動連結部材と摺動する、請求項11に記載の連結位置調整機構。
【請求項13】
前記連結ロッドは伸縮可能である、請求項11又は12に記載の連結位置調整機構。
【請求項14】
前記連結ロッドは、
第1ロッドと、
前記第1ロッドに対してスライド移動可能に接続された第2ロッドと、
前記第1ロッドに取り付けられ、前記連結ロッドが延びる方向において、前記第1ロッドに対する前記第2ロッドのスライド移動を規制するストッパと、
前記連結ロッドが延びる方向に弾性力を与える弾性部材と、
を有する、請求項11乃至13のいずれか一に記載の連結位置調整機構。
【請求項15】
前記ストッパは、前記第1ロッドに対して、前記連結ロッドの伸縮方向において異なる位置で脱着可能に取り付けられる、請求項14に記載の連結位置調整機構。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一に記載の連結位置調整機構と、
前記第1部材に備えられた、作業爪を有する第1作業ロータと、
前記第2部材に備えられた、作業爪を有する第2作業ロータと、
を有する農作業機。
【請求項17】
前記位置調整部材は、前記スライド移動方向に可動である、請求項1乃至3のいずれか一に記載の連結位置調整機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は連結位置調整機構及び農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、農作業の労働時間を軽減するために農作業機のオートマチック化が進められ、様々な農作業機が開発されている。特に、トラクタ等の走行機体の後方に装着され、耕耘や代かきなどの作業の種類に応じて交換可能な農作業機(耕耘機や代かき機)は、走行機体に対してアタッチメントのように交換するだけで様々な農作業に対応することが可能であり、農作業のコスト低減に大きく寄与している。
【0003】
耕耘機や代かき機などの農作業機は、作業爪を回転させることで圃場を耕す又は撹拌する作業ロータを有する。作業ロータを有する農作業機は、作業爪による作業によって荒れた圃場を整地するために、作業ロータの後方に整地機構を有する。これらの農作業機において、効率よく圃場への作業を行うために、走行機体の進行方向に対して直交する方向の幅が大きいことが好ましい。しかし、上記の農作業機は、農作業機を収納する収納場所から作業を行う場所(例えば圃場)まで移動する際に、農道又は一般道を走行する必要がある。したがって、農作業機の幅には制限が設けられる。
【0004】
そこで、例えば特許文献1のように、農作業機に設けられた中央作業体に対して側方作業体を回転移動(回動)させることで、側方作業体が折りたたまれた収納状態と側方作業体が展開された展開状態とを切り替えることができる農作業機が開発されている。このような農作業機において、圃場に対して均一に作業を行うためには、展開状態において、中央作業体及び側方作業体が直線状に並んでいることが好ましい。出荷時の農作業機において、展開状態で中央作業体及び側方作業体が直線状に並ぶように調整されていても、経時劣化などによって両者の位置関係がずれてしまう場合がある。そのような場合に、展開状態における中央作業体及び側方作業体の位置関係を調整する必要がある。特許文献1では、操作部52を操作することで当接板部53の位置を調整することで、展開状態時における折畳作業体24の位置を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-166765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術の場合、当接板部53の位置調整及びその位置の固定を操作部52(ボルト部材60)だけで行っているため、操作部52にかかる負担が大きく、当接板部53の位置がずれやすいという問題があった。
【0007】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑みてなされたものであり、展開状態における位置がずれにくい連結位置調整機構及び農作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態における連結位置調整機構(連結位置調整機構70)は、第1係止部材(第1係止部材900)を有する第1部材(中央作業体10C又は中央シールドカバー24C)と、前記第1部材に対して回動可能に接続された第2部材(右側作業体10R又は右側シールドカバー24R、若しくは、左側作業体10L又は左側シールドカバー24L)と、前記第2部材に設けられ、前記第2部材に対してスライド移動可能であり、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に当接する当接部材(当接部材100)と、前記当接部材のスライド移動方向における前記当接部材の位置を調整する位置調整部材(位置調整部材200)と、前記位置調整部材とは異なる部材で前記当接部材の位置を固定する固定部材(固定部材300)と、を有する。
【0009】
前記固定部材は、前記位置調整部材が前記当接部材に作用する方向とは異なる方向から前記当接部材に作用してもよい。
【0010】
前記固定部材は、前記当接部材に対して、前記当接部材から前記第2部材に向かう方向に作用してもよい。
【0011】
前記当接部材に設けられ、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に係止して前記第2部材の前記第1部材に対する回動を規制する第2係止部材(第2係止部材400)をさらに有してもよい。
【0012】
前記第1部材及び前記第2部材の一方に対して回動可能に接続され、前記第1部材及び前記第2部材の他方に接する回動連結部材(回動連結部材500)と、前記第1部材又は前記第2部材に設けられ、前記回動連結部材に動力を与える動力源(動力源600又は回動用シリンダ46b)と、前記回動連結部材と前記第2係止部材とを連結する連結ロッド(連結ロッド700)と、をさらに有し、前記回動連結部材は、前記動力源から受けた前記動力によって前記第2部材を回動させ、前記動力源から受けた前記動力を、前記連結ロッドを介して前記第2係止部材に伝えてもよい。
【0013】
前記第2係止部材は前記当接部材に回動可能に接続され、前記第1部材及び前記第2部材の他方は、前記第2部材が回動する際に、前記回動連結部材の第1領域(第1領域511)で前記回動連結部材と摺動し、前記第2係止部材が回動して前記第1係止部材に係止する際に、前記第1領域とは異なる前記回動連結部材の第2領域(第2領域513)で前記回動連結部材と摺動してもよい。
【0014】
前記連結ロッドは伸縮可能であってもよい。
【0015】
前記連結ロッドは、第1ロッド(第1ロッド710)と、前記第1ロッドに対してスライド移動可能に接続された第2ロッド(第2ロッド720)と、前記第1ロッドに取り付けられ、前記連結ロッドが延びる方向において、前記第1ロッドに対する前記第2ロッドのスライド移動を規制するストッパ(ストッパ730)と、前記連結ロッドが延びる方向に弾性力を与える弾性部材(弾性部材740)と、を有してもよい。
【0016】
前記ストッパは、前記第1ロッドに対して、前記連結ロッドの伸縮方向において異なる位置で脱着可能に取り付けられてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態における連結位置調整機構(連結位置調整機構70)は、第1係止部材(第1係止部材900)を有する第1部材(中央作業体10C又は中央シールドカバー24C)と、前記第1部材に対して回動可能に接続された第2部材(右側作業体10R又は右側シールドカバー24R、若しくは、左側作業体10L又は左側シールドカバー24L)と、前記第2部材に対してスライド移動可能であり、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に当接する当接部材(当接部材100)と、前記当接部材のスライド移動方向において、前記当接部材の位置を調整する位置調整部材(位置調整部材200)と、前記当接部材に設けられ、前記第2部材が展開された状態において前記第1係止部材に係止して前記第2部材の前記第1部材に対する回動を規制する第2係止部材(第2係止部材400)と、を有する。
【0018】
本発明の一実施形態における農作業機は、上記のいずれかの連結位置調整機構と、前記第1部材に備えられた、作業爪を有する第1作業ロータと、前記第2部材に備えられた、作業爪を有する第2作業ロータと、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態によれば、展開状態における位置がずれにくい連結位置調整機構及び農作業機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る農作業機(展開状態)の構成を背面側から見た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る農作業機(左側作業体だけ収納された状態)の構成を背面側から見た斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、中央作業体と側方作業体との連結部分を拡大した図である。
図4】本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、側方作業体側の連結位置調整機構を拡大した図である。
図5】本発明の一実施形態に係る連結位置調整機構に用いられる当接部材(フックブラケット)を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る連結位置調整機構に用いられる回動連結部材(シリンダアーム)を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る連結位置調整機構に用いられる連結ロッド(プッシュロッド及びコネクトロッド)を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る農作業機を側方から見た図において、側方作業体側の連結位置調整機構を拡大した図である。
図9】本発明の一実施形態に係る農作業機を下方から見た図において、側方作業体側の連結位置調整機構を拡大した図である。
図10】本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、中央作業体に対する側方作業体の回動動作を説明する図及びその状態における回動連結部材の機能を説明する図である。
図11】本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、中央作業体に対する側方作業体の回動動作を説明する図及びその状態における回動連結部材の機能を説明する図である。
図12】本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、中央作業体に対する側方作業体の回動動作を説明する図及びその状態における回動連結部材の機能を説明する図である。
図13】本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、中央作業体に対する側方作業体の回動動作を説明する図及びその状態における回動連結部材の機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る連結位置調整機構及び農作業機の実施形態について説明する。但し、本発明の一実施形態に係る連結位置調整機構及び農作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は同一の符号の後にアルファベットを付し、その繰り返しの説明は省略する。例えば、本発明の作業機が中央作業体、左側作業体及び右側作業体の3つの作業体で構成される場合、それぞれの作業体が有する部分であることを示すために、数字の後に「C」、「L」及び「R」を付すことがある。
【0022】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、特段のことわりがない場合は、「上」は圃場から垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって垂直に近づく方向を示す。また、「前」は作業機を基準として走行機体が位置する方向を示し、「後」は前とは180°反対の方向を示す。また、「左」は作業機を基準として走行機体が位置する方向に向かったときの左を示し、「右」は左とは180°反対の方向を示す。
【0023】
本実施形態に係る農作業機は、耕耘機や代かき機のように、例えばトラクタなどの走行機体の後部に連結され、作業爪を回転させることで圃場を耕す又は撹拌する農作業機に用いることができる。本実施形態に係る農作業機は、農作業機の一部を折り畳むことで農作業機の幅を狭くした収納状態と、農作業機の一部を展開することで農作業機の幅を広げた展開状態と、を切り替え可能な農作業機に用いることができる。本実施形態では、農作業機の一例として代かき機を用いて本発明の一実施形態の特徴を説明するが、本発明の一実施形態に係る農作業機は、耕耘機であってもよく、耕耘機及び代かき機以外の農作業機に適用することもできる。また、特に技術的な矛盾が生じない限り、異なる実施形態間の技術を組み合わせることができる。本実施形態では、連結位置調整機構として中央作業体と側方作業体との回動角度を規制する構成について説明するが、連結位置調整機構は上記以外の回動機構に適用することができる。
【0024】
〈第1実施形態〉
[作業機10の構成]
以下、第1実施形態による作業機10の構成について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る農作業機(展開状態)の構成を背面側から見た斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る農作業機(左側作業体だけ収納された状態)の構成を背面側から見た斜視図である。なお、図2は、図1に対して左側作業体10Lの位置が変化しただけの図であるため、説明の便宜上、図1において既出の符号のいくつかは省略されている。
【0025】
図1に示されるように、本実施形態による作業機10は、中央作業体10C、左側作業体10L及び右側作業体10Rを備え、3つに分割された構造となっている。中央作業体10Cは、作業機10の中央部に配置され、作業機本体として機能する。左側作業体10L及び右側作業体10Rは、中央作業体10Cの左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられている。作業機10は、これら左側作業体10L及び右側作業体10Rを斜め上方に回動させることにより中央作業体10Cに重ねて折り畳むことができ、斜め下方に回動させることにより図1に示すように展開することができる。左側作業体10L及び右側作業体10Rを特に区別しない場合、これらを側方作業体という場合がある。
【0026】
ここで、左側作業体10L及び右側作業体10Rを中央作業体10Cに重ねて折り畳んだ状態を収納状態と呼ぶ。収納状態とは、作業機10が走行機体の進行方向に対して直交する方向の幅を縮小された状態である。また、左側作業体10L、右側作業体10R及び中央作業体10Cが横に並んだ状態を展開状態と呼ぶ。展開状態とは、作業機10が走行機体の進行方向に対して直交する方向に延長された状態である。
【0027】
次に、中央作業体10Cについて説明する。中央作業体10Cは、トラクタ等の走行機体との連結部として機能するトップマスト12及びロアーリンク連結部14、走行機体から動力が伝達される入力軸16、左右方向に延び中央作業体10Cを支持する支持フレーム18、伝動フレーム(チェーンケース)20C、ギヤボックス22、中央シールドカバー24C、作業ロータ(図示せず)、第1中央整地体28C、第2中央整地体30C、エプロン制御機構31a及び31b、並びに中央レベラ制御機構32Cを備えている。図示しないが、作業ロータには複数の作業爪が備えられている。
【0028】
トップマスト12は、中央作業体10Cの前方中央部に設けられ、ロアーリンク連結部14は、中央作業体10Cの前方左右二箇所に設けられている。トップマスト12及び左右2箇所に設けられたロアーリンク連結部14は、図示しない走行機体のトップリンク及び左右二箇所に設けられたロアーリンク(3点リンクヒッチ機構)にそれぞれ連結され、作業機10は走行機体の後部に昇降可能に装着される。なお、作業機10と走行機体との連結は、走行機体の3点リンクヒッチ機構に装着されるオートヒッチフレームを介してもよい。
【0029】
入力軸16は、中央作業体10Cの前方中央部に設けられたギヤボックス22に設けられ、走行機体から伝達された動力を作業機10に入力する。入力軸16は走行機体のPTO軸に連結され、PTO軸からユニバーサルジョイント等を介して動力が伝達される。
【0030】
支持フレーム18は、中央作業体10Cの本体フレームを兼ねており、ギヤボックス22の左右両側に走行機体の進行方向に対して左右方向に延設されている。ここで、ギヤボックス22と伝動フレーム20Cとの間に配置された支持フレーム18内には、伝動シャフト(図示せず)が内装されている。この伝動シャフトにより、ギヤボックス22から伝動フレーム20Cに対して作業ロータを回転させるための動力が伝達される。
【0031】
中央シールドカバー24Cは、支持フレーム18に沿って設けられ、作業ロータの上方を覆うように配置される。作業ロータで砕かれた土は、中央シールドカバー24Cの内壁に当たってさらに砕土されるとともに、落下して再び圃場に戻る。このように、中央シールドカバー24Cは、作業ロータによって巻き上げられた土の飛散防止機能と砕土機能とを兼ね備えている。
【0032】
中央作業体10Cが有する作業ロータは、中央シールドカバー24Cの下方に回転自在に軸支された回転軸(図示せず)に対して、フランジ又はホルダを用いて複数の作業爪を取り付けた構成を有する。入力軸16から入力された動力は、ギヤボックス22内で変速され、支持フレーム18内の伝動シャフト、伝動フレーム20C等を経由して伝達され、作業ロータの回転運動へと変換される。
【0033】
第1中央整地体28Cは、中央シールドカバー24Cに対し、回動可能に取り付けられており、通常、エプロンと呼ばれる。第2中央整地体30Cは、第1中央整地体28Cに対し、上下方向へ回動可能に取り付けられており、通常、レベラと呼ばれる。第1中央整地体28Cは、中央作業体10Cの作業ロータの回転によって飛散した泥や土を圃場に戻すカバーとしての役割と、第2中央整地体30Cを圃場に押し付けて整地作業を行う整地部材としての役割を担う。第2中央整地体30Cは、直接圃場に接することにより、圃場表面の整地を行う整地部材としての役割を担う。
【0034】
エプロン制御機構31a及び31bは、中央シールドカバー24Cと第1中央整地体28Cとの間に架設され、第1中央整地体28Cの上下方向への回動を制御する手段として機能する。エプロン制御機構31a及び31bは、第1中央整地体28Cの上方向への回動を妨げる加圧モードと、第1中央整地体28Cの上方向への回動を妨げない非加圧モードとを切り替え可能であり、加圧モードでは、第1中央整地体28Cに対して上方向への回動を妨げる付勢力を働かせる。この付勢力は、エプロン制御機構31a及び31bを構成するリンクロッドに配置されたスプリングの反力によって実現される。エプロン制御機構31a及び31bを加圧モードとすることにより、第1中央整地体28Cによる砕土性能や整地性能を高めることができ、より効率良く圃場を仕上げることができる。
【0035】
中央レベラ制御機構32Cは、中央シールドカバー24Cと第2中央整地体30Cとの間に架設され、第2中央整地体30Cの上下方向への回動を制御する手段として機能する。中央レベラ制御機構32Cは、第2中央整地体30Cを下方に向けた状態(土寄せ状態)に固定する土寄せモードと、第2中央整地体30Cの上下方向への回動を妨げない整地モードとを切り替え可能である。モードの切り替えは、中央レベラ制御機構32Cを構成するリンクロッドの動作の規制又は解除によって実現される。
【0036】
次に、左側作業体10Lについて説明する。左側作業体10Lは、左側シールドカバー24L、左側シールドカバー24Lの下方に配置された作業ロータ26L(図2参照)、伝動フレーム(チェーンケース)20L、第1左側整地体28L、第2左側整地体30L、左側レベラ制御機構32L、及び左側延長整地体回動機構34Lを備えている。左側シールドカバー24L、伝動フレーム20L、第1左側整地体28L、第2左側整地体30L、及び左側レベラ制御機構32Lの担う役割については、それぞれ前述の中央作業体10Cにおける対応する各要素と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0037】
ここで、図2に示されるように、作業ロータ26Lは、回転軸26La及びその回転軸26Laの周囲にホルダを介して配置された複数の作業爪26Lbを備える。伝動フレーム20Lを介して伝達された動力により回転軸26Laが回転すると、その周囲に配置された作業爪26Lbが一斉に回転し、圃場の土を砕土及び攪拌する。なお、図示は省略しているが、中央作業体10C及び右側作業体10Rが有する作業ロータも作業ロータ26Lと同様の構成を有している。
【0038】
図1に戻って、左側延長整地体回動機構34Lは、左側作業体10Lの第2左側整地体30Lに対し、回動可能に連結された左側延長整地体36Lを回動させるための機構である。左側延長整地体36Lは、左側作業体10Lの端部から作業機10の左方向に延長して設けられ、左側作業体10Lの外側の領域の整地作業を担う。第2左側整地体30Lと左側延長整地体36Lとは、延長整地体連結部38Lによって回動可能に連結されており、左側延長整地体36Lが第2左側整地体30Lに向かって折り畳まれるように回動可能となっている。
【0039】
ここで、本実施形態において、左側延長整地体回動機構34Lは、駆動モータ部34La、回動アーム34Lb、及び連結ワイヤ34Lcを含む。回動アーム34Lbは、一端が駆動モータ部34Laに接続され、他端が連結ワイヤ34Lcに接続されている。また、連結ワイヤ34Lcは、一端が回動アーム34Lbに接続され、他端が左側延長整地体36Lに接続されている。
【0040】
駆動モータ部34Laが動作すると、回転駆動力が発生して、回動アーム34Lbが略水平方向に回動する。この回動アーム34Lbの回動動作に連動して、連結ワイヤ34Lcに引っ張られた左側延長整地体36Lが延長整地体連結部38Lを介して回動する。これにより、左側延長整地体36Lの収納及び展開が可能となる。
【0041】
なお、本実施形態では、左側延長整地体回動機構34Lを、駆動モータ部34La、回動アーム34Lb、及び連結ワイヤ34Lcで構成する例を示したが、延長整地体連結部38Lを介して左側延長整地体36Lを回動可能とする機構であれば、他の機構を用いてもよい。
【0042】
次に、右側作業体10Rについて説明する。右側作業体10Rは、右側シールドカバー24R、右側シールドカバー24Rの下方に配置された作業ロータ(図示せず)、伝動フレーム(チェーンケース)20R、第1右側整地体28R、第2右側整地体30R、右側レベラ制御機構32R、及び右側延長整地体回動機構34Rを備えている。ここで、右側シールドカバー24R、伝動フレーム20R、第1右側整地体28R、第2右側整地体30R、右側レベラ制御機構32R、及び右側延長整地体回動機構34Rの担う役割については、それぞれ前述の左側作業体10Lにおける対応する各要素と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、右側延長整地体36R及び延長整地体連結部38Rについても、前述の左側延長整地体36L及び延長整地体連結部38Lと同様である。
【0043】
さらに、本実施形態による作業機10は、中央作業体10C、左側作業体10L、及び右側作業体10Rに、それぞれ中央土寄せ板40Ca及び40Cb、左側土寄せ板40L、並びに右側土寄せ板40Rを備えている。これらは、代掻き作業時に発生する水流(実際には、土を含む水の流れ)をコントロールするための板であり、これら土寄せ板を設けることにより、圃場表面の仕上がりを向上させることができる。
【0044】
例えば、中央土寄せ板40Ca及び40Cbは、作業機10の前方を走行する走行機体のタイヤ等の轍に土を戻す位置に設けられ、轍によって生じた圃場の起伏の平坦化に寄与する。また、左側土寄せ板40L及び右側土寄せ板40Rは、土を内側に寄せるとともに、各土寄せ板の裏側にその周辺の水流を引き込む。その結果、左側作業体10L及び右側作業体10Rの端部よりも外側に藁などが浮遊していたとしても、水流によってそれぞれの作業ロータ内に引き込み、圃場表面の仕上がりの向上に寄与する。
【0045】
また、本実施形態による作業機10は、左側作業体10L及び右側作業体10Rに、それぞれ左側レベラ制御機構32L、右側レベラ制御機構32Rを備えている。これら左側レベラ制御機構32L及び右側レベラ制御機構32Rは、中央レベラ制御機構32Cと同様に、それぞれ第2左側整地体30L、第2右側整地体30Rの上下方向への回動を規制又は解除する手段として機能する。
【0046】
以上説明した左側作業体10L及び右側作業体10Rは、中央作業体10Cの両端部に設けられた作業体回動機構44a及び44bを介して回動用シリンダ46a及び46bの作用により回動し、前述の収納状態又は展開状態となる。その際、第1中央整地体28Cと第1左側整地体28L、及び、第1中央整地体28Cと第1右側整地体28Rとは、それぞれ第1連結部48a及び48bとによって連結される。また、第2中央整地体30Cと第2左側整地体30L、及び、第2中央整地体30Cと第2右側整地体30Rとは、それぞれ第2連結部50a及び50bとによって連結される。
【0047】
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、左側作業体10L及び右側作業体10Rを合わせた総称を「側方作業体」と呼ぶことがある。また、第1左側整地体28L及び第1右側整地体28Rを合わせた総称を「第1側方整地体」と呼んだり、第2左側整地体30L及び第2右側整地体30Rを合わせた総称を「第2側方整地体」と呼んだりすることがある。
【0048】
[作業体回動機構44の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、中央作業体と側方作業体との連結部分を拡大した図である。図3では、中央作業体10C及び右側作業体10Rが拡大されて示されている。以下の説明において、中央作業体10C及び右側作業体10Rの構成について説明するが、中央作業体10C及び左側作業体10Lの構成も同様の構成である。つまり、以下の説明において、右側作業体10Rを左側作業体10Lに置き換えることができる。
【0049】
図3に示すように、作業体回動機構44bは作業体回動アーム60(60R及び60C)及び連結位置調整機構70を有する。作業体回動アーム60は中央作業体10Cに対する右側作業体10Rの回動範囲を決定する。つまり、作業体回動アーム60は中央作業体10Cに対する右側作業体10Rの回動中心を提供する。連結位置調整機構70は、展開状態において、回動範囲における中央作業体10Cに対する右側作業体10Rの角度を決定する。これにより、中央作業体10Cに対する右側作業体10Rの連結位置を調整することができる。
【0050】
作業体回動アーム60は、中央作業体回動アーム60C及び右側作業体回動アーム60Rを有する。これらは接続部61において回動可能に接続されている。中央作業体回動アーム60Cは中央シールドカバー24Cに固定されている。右側作業体回動アーム60Rは右側シールドカバー24Rに固定されている。つまり、右側作業体10Rは中央作業体10Cに対して接続部61を中心に回動する。中央作業体10Cには第1係止部材900が設けられている。第1係止部材900は中央シールドカバー24Cに固定されている。
【0051】
ここで、中央作業体10C又は中央シールドカバー24Cを第1部材という場合がある。右側作業体10R又は右側シールドカバー24Rを第2部材という場合がある。左側作業体10L又は左側シールドカバー24Lを第2部材という場合がある。
【0052】
連結位置調整機構70は、当接部材100、位置調整部材200、固定部材300、第2係止部材400、回動連結部材500、動力源600、及び連結ロッド700を有する。
【0053】
当接部材100は右側シールドカバー24Rに対してスライド移動可能な部材である。右側作業体10Rが展開された状態において、当接部材100は第1係止部材900に当接する。当接部材100が第1係止部材900に当接することで、右側作業体10Rの回動が規制されるため、展開状態における中央作業体10Cに対する右側作業体10Rの連結位置(回動角度)が決定する。つまり、当接部材100のスライド移動方向における当接部材100の位置によって、展開状態における中央作業体10Cに対する右側作業体10Rの連結位置が決定する。当接部材100はスライド移動可能であるため、無段階で連結位置を調整することができる。なお、当接部材100の詳細な構成は後述する。当接部材100をフックブラケットということもできる。
【0054】
位置調整部材200は、当接部材100のスライド移動方向における当接部材100の位置を調整する。本実施形態では、展開状態において位置調整部材200が当接部材100に対して中央作業体10Cの反対側に設けられている。換言すると、位置調整部材200は、当接部材100に対して、当接部材100と中央作業体10Cとが接する側とは反対側に設けられている。展開状態において位置調整部材200が当接部材100を中央作業体10C側に押すことで、当接部材100の位置が調整される。換言すると、位置調整部材200は、当接部材100に対して当接部材100のスライド移動方向に作用する。具体的には、位置調整部材200としてボルトが用いられている。ボルトをねじ込み、ボルトの先端で当接部材100を押すことで、当接部材100の位置が調整される。
【0055】
本実施形態では、位置調整部材200として、上記のような押しボルトを用いた構成が示されているが、この構成に限定されない。位置調整部材200は、当接部材100をスライド移動させる機能を有していればよく、例えばモータなどによって伸縮動作が制御される伸縮機構であってもよい。また、位置調整部材200は、当接部材100に対して中央作業体10Cの反対側の位置とは異なる位置に設けられていてもよい。例えば、右側作業体10Rが延びる方向において、位置調整部材200が当接部材100と重畳する位置に設けられてもよく、当接部材100よりも中央作業体10C側に設けられてもよい。
【0056】
固定部材300は、位置調整部材200とは異なる部材である。固定部材300は、位置調整部材200が当接部材100の位置を調整する箇所とは異なる箇所で、当接部材100のスライド移動方向における当接部材100の位置を固定する。固定部材300は、当接部材100のスライド移動方向とは異なる方向から当接部材100に作用する。具体的には、固定部材300としてボルトが用いられ、当該ボルトは、当接部材100に対して、当接部材100から右側シールドカバー24Rに向かう方向に作用する。
【0057】
本実施形態では、固定部材300が当接部材100に対して、当接部材100から右側シールドカバー24Rに向かう方向に作用する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、図3に示した構成を、固定部材300が当接部材100の「上方」から当接部材100を右側シールドカバー24Rに固定していると定義した場合、固定部材300は、位置調整部材200が当接部材100に作用する方向とは異なる「側方」から、当接部材100の位置を固定してもよい。又は、当接部材100及び右側シールドカバー24Rの各々に、当接部材100がそのスライド移動方向において多段階の位置で固定できるように孔が設けられており、各々の孔にピンなどの部材を通すことで当接部材100の位置を固定してもよい。
【0058】
第2係止部材400は、展開状態において第1係止部材900に係止することで、中央作業体10Cに対する右側作業体10Rの回動を規制する。第2係止部材400は当接部材100に設けられている。第2係止部材400は当接部材100に対して回動可能に接続されている。第2係止部材400が第1係止部材900に係止した状態をロック状態という。一方、第2係止部材400が第1係止部材900に係止していない、又は係止できない位置関係にある状態をロック解除状態という。本実施形態では、第2係止部材400の回動によってロック状態とロック解除状態とが切り替えられる。詳細は後述するが、第2係止部材400の先端部がフック状であり、ロック状態において、第2係止部材400の先端部は、第1係止部材900に対して、第1係止部材900が当接部材100と接する位置とは反対側に回り込む(図4参照)。
【0059】
本実施形態では、第2係止部材400が当接部材100に対して回動可能に接続された構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、第2係止部材400が、当接部材100に対して、当接部材100のスライド移動方向に交差する方向(例えば直交する方向)にスライド移動するように当接部材100に接続されていてもよい。
【0060】
回動連結部材500は、中央作業体10Cに対して回動可能に接続されている。具体的には、回動連結部材500は、中央シールドカバー24Cに固定された接続部591を中心に回動する。回動連結部材500の詳細な構成は後述するが、回動連結部材500は、右側作業体10Rの一部に接しながら回動することで、右側作業体10Rを回動させる。つまり、回動連結部材500の回動によって右側作業体10Rが中央作業体10Cに対して回動する。回動連結部材500をシリンダアームということもできる。
【0061】
動力源600は、中央作業体10Cに対して回動可能に接続されている。本実施形態では、動力源600は、図1に示した回動用シリンダ46bに相当する。具体的には、動力源600はシリンダチューブ610及びピストンロッド620を有する。シリンダチューブ610は、接続部630において、中央作業体10Cに対して回動可能に接続されている。接続部630は支持フレーム18に固定されている。ピストンロッド620は、接続部640において、回動連結部材500に対して回動可能に接続されている。シリンダチューブ610及びピストンロッド620の伸縮動作によって、回動連結部材500が接続部591を中心に回動する。換言すると、動力源600は回動連結部材500に動力を与える。さらに換言すると、回動連結部材500は、動力源600の直線的な動力を回転動力に変換する。
【0062】
連結ロッド700は、第2係止部材400及び回動連結部材500の各々に対して回動可能に接続されている。つまり、連結ロッド700は回動連結部材500と第2係止部材400とを連結する。連結ロッド700によって動力源600の動力が第2係止部材400に伝わり、第2係止部材400が回動する。つまり、動力源600の動力が回動連結部材500及び連結ロッド700を介して第2係止部材400に伝わることで、ロック状態とロック解除状態とが切り替えられる。なお、詳細は後述するが、連結ロッド700は伸縮可能である。ただし、連結ロッド700は伸縮可能でなくてもよい。
【0063】
本実施形態では、第1係止部材900、回動連結部材500、及び動力源600が中央作業体10Cに設けられ、第2係止部材400が右側作業体10Rに設けられた構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、回動連結部材500及び動力源600、又は、動力源600だけが右側作業体10Rに設けられてもよい。この場合、第1係止部材900及び第2係止部材400は図3と同様にそれぞれ中央作業体10C及び右側作業体10Rに設けられていてもよく、第1係止部材900が右側作業体10Rに設けられ、第2係止部材400が中央作業体10Cに設けられてもよい。
【0064】
[回動連結部材500の構成]
図4は、本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、側方作業体側の連結位置調整機構を拡大した図である。図4は、ロック状態における回動連結部材500を示す。図4に示すように、ロック状態において、当接部材100の第1接触部110は第1係止部材900の第1領域910に接している。また、ロック状態において、第2係止部材400の先端部410は、第1係止部材900に対して第1領域910の反対側の第2領域920側に位置している。ロック状態において、右側作業体10Rに対して、右側作業体10Rが上方に回動する方向に外力が加わっても、先端部410が第1係止部材900の第2領域920に係止するため、右側作業体10Rの上方への回動を規制することができる。
【0065】
右側シールドカバー24Rは、台座2410、第1保持部2420、及び第2保持部2430を含む。台座2410は第1保持部2420及び第2保持部2430によって挟まれている。台座2410は図4の紙面手前側に突出している。当接部材100は台座2410上をスライド移動する。台座2410には固定部材300が貫通可能な貫通孔が設けられている。又は、固定部材300がねじの場合、台座2410には固定部材300の形状に対応したねじ穴が設けられている。第1保持部2420は台座2410の一端側に設けられている。第1保持部2420には位置調整部材200が貫通可能な貫通孔又はねじ穴が設けられている。位置調整部材200の先端部210は、第1保持部2420を貫通して当接部材100の第2接触部120に接している。第1保持部2420は位置調整部材200を保持する。第2保持部2430は台座2410の他端側に設けられている。第2保持部2430には当接部材100が貫通可能な開口2431(図8参照)が設けられている。第2保持部2430は当接部材100を保持する。
【0066】
右側作業体10Rは連続摺動部2450を有する。連続摺動部2450は右側作業体回動アーム60Rに固定されている。つまり、連続摺動部2450は右側シールドカバー24R及び右側作業体回動アーム60Rとともに回動する。詳細は後述するが、連続摺動部2450は、回動連結部材500に設けられた間欠摺動部510(図6参照)と摺動することで、回動連結部材500から回転動力を受ける。
【0067】
当接部材100は、複数の固定部材300によって台座2410に押しつけられている。複数の固定部材300の一部は、当接部材100のスライド移動方向において異なる位置に設けられている。第1係止部材900に近い方の固定部材300の数は、第1係止部材900から遠い方の固定部材300の数よりも多い。第1係止部材900との接触によって、当接部材100の第1係止部材900に近い側には非常に強い力がかかる。したがって、第1係止部材900に近い側の固定部材300の数を多くすることで、当接部材100をより強固に固定することができる。なお、固定部材300の数は2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。
【0068】
図5は、本発明の一実施形態に係る連結位置調整機構に用いられる当接部材(フックブラケット)を示す図である。図5の(A)は当接部材100の平面図であり、(B)は(A)の当接部材100を矢印Bの方向から見た当接部材100の第1側面図であり、(C)は(A)の当接部材100を矢印Cの方向から見た当接部材100の第2側面図である。
【0069】
図5に示すように、当接部材100は、上記の第1接触部110及び第2接触部120に加えて、長孔130及び接続部140を有する。図5の(B)及び(C)に示すように、第1接触部110は他の領域に比べて板厚が大きい。この例では、第1接触部110に補強部材111が設けられることで、第1接触部110の板厚が他の領域の板厚より大きくなっている。長孔130は、当接部材100のスライド移動方向に長手を有し、当接部材100の表面から裏面までを貫通する貫通孔である。固定部材300が長孔130を貫通することで、固定部材300を緩めた状態において、当接部材100は長孔130の長手方向にスライド移動することができる。つまり、長孔130の形状によって当接部材100の可動範囲が決定される。接続部140は円筒状の部材である。接続部140には貫通孔141(又は中空部)が設けられている。この接続部140に第2係止部材400の円柱状の接続部が挿入されることで、第2係止部材400が当接部材100に回動可能に接続される。
【0070】
図6は、本発明の一実施形態に係る連結位置調整機構に用いられる回動連結部材(シリンダアーム)を示す図である。図6の(A)は回動連結部材500の平面図であり、(B)は(A)の回動連結部材500を矢印Bの方向から見た回動連結部材500の第1側面図であり、(C)は(A)の回動連結部材500を矢印Cの方向から見た回動連結部材500の第2側面図である。
【0071】
図6に示すように、回動連結部材500は、本体部501、間欠摺動部510、接続部520、530、540、支柱550、及び支持板560を有する。本体部501は板状の部材である。
【0072】
間欠摺動部510は板状の本体部501に設けられた貫通孔である。間欠摺動部510は第1方向D1に長手を有する第1領域511と、第2方向D2に長手を有する第2領域513とを有する。つまり、第1領域511と第2領域513とは異なる方向に長手を有している。第1領域511における間欠摺動部510の側壁は、平面視において湾曲形状である。第1領域511の上部及びその下部の各々の湾曲形状は異なる形状である。これらの湾曲形状は、右側作業体10Rの回動動作の際に、間欠摺動部510及び連続摺動部2450に過剰な圧力がかからないようにするために調整されている。図4の状態において、連続摺動部2450は間欠摺動部510を貫通しており、回動連結部材500の回動によって連続摺動部2450が間欠摺動部510の第1領域511及び第2領域513を摺動する。
【0073】
接続部520は、中央シールドカバー24Cに固定された接続部591に対して回動可能に接続される。接続部520は円筒状の部材であり、その中空部に回動軸が挿入される。接続部530は、ピストンロッド620に対して回動可能に接続される。接続部530は円柱状の部材であり、ピストンロッド620の先端に設けられた円状部材に挿入される。接続部540は、連結ロッド700に対して回動可能に接続される。接続部540は円柱状の部材であり、連結ロッド700の先端に設けられた接続部715(図7参照)に挿入される。接続部540は、2本の支柱550及び支柱550に接続された支持板560によって本体部501に接続されている。
【0074】
図7は、本発明の一実施形態に係る連結位置調整機構に用いられる連結ロッド(プッシュロッド及びコネクトロッド)を示す図である。図7では、連結ロッド700が分解された状態で示されている。図7に示すように、連結ロッド700は、第1ロッド710、第2ロッド720、ストッパ730、及び弾性部材740を有する。第1ロッド710をプッシュロッドということもできる。第2ロッド720をコネクトロッドということもできる。
【0075】
第1ロッド710はストッパ設置部711、ストッパ713、及び接続部715を有する。第1ロッド710は第1領域701及び第2領域703に区分される。第1領域701において、第1ロッド710に複数のストッパ設置部711が設けられている。本実施形態では、ストッパ設置部711として、第1ロッド710を貫通する貫通孔が設けられている。複数のストッパ設置部711は、第1ロッド710の長手方向に配列されている。換言すると、複数のストッパ設置部711は、連結ロッド700の伸縮方向において異なる位置に設けられている。ストッパ設置部711にはストッパ730が挿入される。また、第1領域701には、第1ロッド710の周囲に弾性部材740が設けられる。第2領域703において、第1ロッド710の先端部に接続部715が設けられている。接続部715は回動連結部材500の接続部540に接続される。第1領域701と第2領域703との間にストッパ713が設けられている。ストッパ713は他の領域よりも径が大きく、弾性部材740の第1領域701から第2領域703に向かう方向の移動を規制する。なお、この例では、ストッパ713は円盤状である。
【0076】
なお、ストッパ設置部711の形状は、ストッパ730を設置可能な形状であればよく、貫通孔以外の形状であってもよい。また、ストッパ713の形状は弾性部材740の移動を規制可能な形状であればよく、円盤状以外の形状であってもよい。例えば、ストッパ713として、ストッパ設置部711と同様の構成を適用することもできる。ストッパ713の代わりにストッパ設置部711と同様の複数の貫通孔を設けることで、弾性部材740の移動を規制する位置を調整可能にしてもよい。
【0077】
第2ロッド720は摺動部721、連結アーム723、及び接続部725を有する。摺動部721は円筒状である。当該円筒形状の中空部の内径は、第1領域701の第1ロッド710の外径よりもやや大きい。連結アーム723は摺動部721に固定されている。連結アーム723の先端部には接続部725が設けられている。接続部725は第2係止部材400に接続される。
【0078】
ストッパ730はストッパ設置部711に脱着可能な形状を有する。例えば、ストッパ730はピン形状である。ストッパ730は連結ロッド700の伸縮方向において異なる位置に脱着可能である。ストッパ730は、第1ロッド710に対して、連結ロッド700が延びる方向に第2ロッド720がスライド移動することを規制する。弾性部材740は弾性力を有し、第1ロッド710及び第2ロッド720に対して作用することで、連結ロッド700が延びる方向に弾性力を付与する。
【0079】
なお、ストッパ730はストッパ設置部711に設置可能な形状であればよく、ピン形状以外の形状であってもよい。ストッパ730の形状はストッパ設置部711の形状に応じて適宜変更することができる。また、上記のようにストッパ713の位置が調整可能な場合、ストッパ設置部711及びストッパ730の代わりにストッパ713のような位置調整ができない部材を設けてもよい。本実施形態では、弾性部材740としてコイルスプリングが用いられているが、上記の機能を有する部材であれば、コイルスプリング以外の部材を用いてもよい。
【0080】
弾性部材740が取り付けられた状態の第1ロッド710を摺動部721に挿入することで、第2ロッド720は第1ロッド710に対してスライド移動可能に接続される。なお、第1ロッド710及び第2ロッド720が接続された状態において、弾性部材740は圧縮された状態である。この状態でストッパ設置部711にストッパ730を設置することで、連結ロッド700が構成される。この構造によって、連結ロッド700の伸縮動作が実現される。なお、ストッパ730は、連結ロッド700が伸長する方向に第2ロッド720がスライド移動することを規制する。つまり、ストッパ730の位置によって、伸長した状態の連結ロッド700の長さが決定される。
【0081】
連結ロッド700が伸縮可能であることで、以下のように連結位置調整機構70の破壊を抑制することができる。例えば、展開状態における中央作業体10Cと右側作業体10Rとの距離が適正な距離よりも離れている場合、第2係止部材400が回動してロック解除状態からロック状態に変わる途中で、第2係止部材400の先端部410が第1係止部材900に当たってしまう。このような場合でも、連結ロッド700が縮むことで、連結位置調整機構70の破壊を抑制することができる。
【0082】
また、ストッパ設置部711が複数設けられていることで、連結ロッド700の長さを調整することができる。連結ロッド700の長さを調整することができることで、以下のようにロック状態からロック解除状態に変わるときの不具合を抑制することができる。例えば、図4において、当接部材100が左方向にスライド移動した位置で固定された場合、第2係止部材400も当接部材100とともに左方向に移動する。このとき、第2係止部材400は第1係止部材900に係止するので、第2係止部材400が左方向に移動しても第2係止部材400の回動角度は変わらない。このような場合、連結ロッド700は、当接部材100及び第2係止部材400が左方向へ移動する前の状態に比べて縮んだ状態になる。したがって、ロック状態からロック解除状態に変わるために回動連結部材500が回動すべき距離(角度変化量)が大きくなる。その結果、ロック状態からロック解除状態に変わる前に、回動連結部材500によって右側作業体10Rが持ち上げられ、連結位置調整機構70が破壊してしまう場合がある。
【0083】
このような場合でも、例えばストッパ730を設置する位置を第2領域703側のストッパ設置部711に変えることで、連結ロッド700の長さを短くすることができ、ロック状態からロック解除状態に変わるために回動連結部材500が回動すべき距離を小さくすることができる。したがって、上記のような場合であっても、連結位置調整機構70の破壊を抑制することができる。
【0084】
図8は、本発明の一実施形態に係る農作業機を側方から見た図において、側方作業体側の連結位置調整機構を拡大した図である。図9は、本発明の一実施形態に係る農作業機を下方から見た図において、側方作業体側の連結位置調整機構を拡大した図である。図8は、図5及び図6において、各部材を矢印Bの方向から見た第1側面図に相当する。図9は、図5及び図6において、各部材を矢印Cの方向から見た第2側面図に相当する。図8及び図9に示すように、第2保持部2430には開口2431が設けられている。当接部材100は開口2431を貫通して設けられている。また、上記のように回動連結部材500の接続部540は連結ロッド700の接続部715に接続されている。同様に、連結ロッド700の接続部725は第2係止部材400に接続されている。
【0085】
当接部材100が開口2431を貫通していることで、例えば、固定部材300が外された場合であっても、当接部材100が脱落してしまうことを抑制することができる。
【0086】
[側方作業体の回動動作及び回動連結部材500の機能]
図10図13を用いて、右側作業体10Rの回動動作及びそのときの回動連結部材500の機能について説明する。図10図13は、それぞれ本発明の一実施形態に係る農作業機を正面から見た図において、中央作業体に対する側方作業体の回動動作を説明する図及びその状態における回動連結部材の機能を説明する図である。なお、図10図13において、四角で囲われた領域には、それぞれの状態における回動連結部材500と連続摺動部2450との位置関係が示されている。図10図13のそれぞれの状態では、回動連結部材500の回動角度が異なるが、四角で囲われた領域に示された回動連結部材500の向きは統一されている。
【0087】
図10は、収納状態にある右側作業体10Rが回動し始める直前の状態を示す図である。収納状態において、右側作業体10Rは中央作業体10Cの上方に位置している。動力源600である回動用シリンダ46bは最も収縮した状態である。この状態では、右側作業体10Rには、その自重によって下方に回動しようとする力が作用している。したがって、右側作業体10Rを回動させるために動力源600が動作する(つまり、回動用シリンダ46bが伸びる)と、回動連結部材500はR1方向に回動し、その回動に伴い回動連結部材500に設けられた間欠摺動部510が連続摺動部2450を押すことで右側作業体10Rの回動が開始される。したがって、右側作業体10Rが回動し始める直前では、連続摺動部2450は間欠摺動部510の第1領域511に接している。
【0088】
図11は、右側作業体10Rが上方に回動し始めた状態を示す図である。この状態では、回動用シリンダ46bが伸び始め、回動連結部材500がR1方向に回動する。図10に示す状態から図11に示す状態に変わる間に、連続摺動部2450は第1領域511の間欠摺動部510と摺動しながら、間欠摺動部510内を矢印の方向に移動する。
【0089】
図11の状態から、さらに回動用シリンダ46bが伸びることで、回動連結部材500はさらにR1方向に回動し、図12に示す状態になる。図12は、右側作業体10Rが展開状態まで回動した直後の状態を示す図である。この状態では、まだ第2係止部材400が第1係止部材900に係止していない。図11の状態から図12の状態に変わるまでの間に、連続摺動部2450は第1領域511の間欠摺動部510と摺動しながら、間欠摺動部510内を矢印の方向に移動する。そして、図12の状態では、連続摺動部2450は第1領域511と第2領域513との境界付近に到達する。
【0090】
なお、連続摺動部2450の軌跡を示す矢印が途中でUターンしているが、これは右側作業体10Rの回動によって右側作業体10Rの重心が支点を越え、右側作業体10Rの重力によって回動連結部材500が受ける作用の回動方向における向きが逆転したことを意味している。つまり、連続摺動部2450が上側の第1領域511-1と摺動しているときは、回動連結部材500が右側作業体10Rを持ち上げている。一方、連続摺動部2450が下側の第1領域511-2と摺動しているときは、回動連結部材500が、自重で下方に回動しようとする右側作業体10Rを支えている。
【0091】
図12に示す状態から、さらに回動用シリンダ46bが伸びることで、回動連結部材500はさらにR1方向に回動し、図13に示す状態になる。図12の状態から図13の状態に変わるまでの間に、連続摺動部2450は第2領域513の間欠摺動部510と摺動しながら、間欠摺動部510内を矢印の方向に移動する。第2領域513の長手方向は第1領域511の長手方向とは異なるので、連続摺動部2450が第2領域513の間欠摺動部510と摺動している間は、回動連結部材500は右側作業体10Rをほとんど回動させずに、第2係止部材400を回動させる。この動作によって、第2係止部材400がロック解除状態からロック状態に変わる。
【0092】
上記のように、連続摺動部2450は、右側作業体10Rが回動する際に、回動連結部材500の第1領域511で回動連結部材500と摺動する。また、連続摺動部2450は、第2係止部材400が回動して第1係止部材900に係止する際に、回動連結部材500の第2領域513で回動連結部材500と摺動する。
【0093】
なお、本実施形態では、連続摺動部2450が回動連結部材500と摺動する構成を例示したが、この構成に限定されない。回動連結部材500を摺動する部材は、右側作業体10Rとともに回動する部材であればよく、右側作業体10Rに固定されたその他の部材と摺動してもよい。
【0094】
また、本実施形態では、連続摺動部2450が右側作業体10Rに固定され、回動連結部材500が中央作業体10Cに回動可能に接続された構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、上記とは逆に、連続摺動部2450が中央作業体10Cに固定され、回動連結部材500が右側作業体10Rに回動可能に接続されていてもよい。
【0095】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の連結位置調整機構及び農作業機を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0096】
また、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0097】
10:作業機、 10C:中央作業体、 10L:左側作業体、 10R:右側作業体、 12:トップマスト、 14:ロアーリンク連結部、 16:入力軸、 18:支持フレーム、 20C、20L、20R:伝動フレーム、 22:ギヤボックス、 24C:中央シールドカバー、 24L:左側シールドカバー、 24R:右側シールドカバー、 26L:作業ロータ、 26La:回転軸、 26Lb:作業爪、 28C:第1中央整地体、 28L:第1左側整地体、 28R:第1右側整地体、 30C:第2中央整地体、 30L:第2左側整地体、 30R:第2右側整地体、 31a:エプロン制御機構、 32C:中央レベラ制御機構、 32L:左側レベラ制御機構、 32R:右側レベラ制御機構、 34L:左側延長整地体回動機構、 34La:駆動モータ部、 34Lb:回動アーム、 34Lc:連結ワイヤ、 34R:右側延長整地体回動機構、 36L:左側延長整地体、 36R:右側延長整地体、 38L、38R:延長整地体連結部、 40C:中央土寄せ板、 40L:左側土寄せ板、 40R:右側土寄せ板、 44、44a、44b:作業体回動機構、 46a、46b:回動用シリンダ、 48a:第1連結部、 50a:第2連結部、 60:作業体回動アーム、 60C:中央作業体回動アーム、 60R:右側作業体回動アーム、 61:接続部、 70:連結位置調整機構、 100:当接部材、 110:第1接触部、 111:補強部材、 120:第2接触部、 130:長孔、 140:接続部、 141:貫通孔、 200:位置調整部材、 210:先端部、 300:固定部材、 400:第2係止部材、 410:先端部、 500:回動連結部材、 501:本体部、 510:間欠摺動部、 511:第1領域、 513:第2領域、 520、530、540、591、630、640:接続部、 550:支柱、 560:支持板、 600:動力源、 610:シリンダチューブ、 620:ピストンロッド、 700:連結ロッド、 701:第1領域、 703:第2領域、 710:第1ロッド、 711:ストッパ設置部、 713:ストッパ、 715:接続部、 720:第2ロッド、 721:摺動部、 723:連結アーム、 725:接続部、 730:ストッパ、 740:弾性部材、 900:第1係止部材、 910:第1領域、 920:第2領域、 2410:台座、 2420:第1保持部、 2430:第2保持部、 2431:開口、 2450:連続摺動部
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10
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図13