(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】回転防止シリンダ装置
(51)【国際特許分類】
F15B 15/14 20060101AFI20220624BHJP
F15B 15/06 20060101ALI20220624BHJP
F15B 15/28 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
F15B15/14 335B
F15B15/06 C
F15B15/28 L
F15B15/28 B
F15B15/14 360
F15B15/14 365
F15B15/14 350
(21)【出願番号】P 2018089589
(22)【出願日】2018-05-07
【審査請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】596037194
【氏名又は名称】パスカルエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134131
【氏名又は名称】横井 知理
(74)【代理人】
【識別番号】100092738
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】北浦 一郎
(72)【発明者】
【氏名】水田 基木
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-232841(JP,A)
【文献】実開昭47-013549(JP,U)
【文献】特開2014-196828(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103557200(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/00-15/28
B23Q 3/06
F16J 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ部と、該シリンダ部に軸心方向移動自在に設けられて上部が外方に突出する出力軸と、該出力軸を軸心方向に移動させるべく前記シリンダ部内に設けられた移動部と、該移動部と前記シリンダ部との相対回動を拘束する拘束部とを備え、
前記拘束部は、前記シリンダ部の下部
の外部に固定された規制部材と、前記移動部の軸心部に設けられて前記規制部材に突出する突出部材と、該突出部材と前記規制部材が係合して前記突出部材の回動を拘束する係合部とを
有し、
前記シリンダ部内には、前記移動部と前記出力軸との軸心方向相対移動により前記出力軸を回動させる回動部を有し、
前記出力軸は、対象物をクランプするクランプロッドであり、該クランプロッドにクランプ力を付与すべく前記シリンダ部内に設けられた付与部を有し、
前記規制部材には、前記突出部材の移動位置を検出する検出装置が設けられ、
前記検出装置を含む前記規制部材は、カバー部材により密閉されている、
前記移動部と前記シリンダ部の相対回動を防止する回転防止シリンダ装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記規制部材または突出部材のいずれか一方に軸心方向に沿って設けられた係合凹部と、他方に設けられて前記係合凹部に係合する係合凸部とを備えている請求項1記載の回転防止シリンダ装置。
【請求項3】
前記係合凹部は、前記規制部材に設けられたガイド溝であり、前記係合凸部は、前記突出部材に設けられて前記ガイド溝に係合するガイドピンである請求項2記載の回転防止シリンダ装置。
【請求項4】
前記検出装置は、前記係合凸部を検出する位置検出スイッチである請求項3記載の回転防止シリンダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転防止シリンダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシリンダ装置として、たとえば、内孔を有する本体と、先端に係合部を有し中心軸線の回りに所定角度回転して係合部が被クランプ部に対向するクランプ回転位置と被クランプ部から外れた空間に対向するアンクランプ回転位置とに変更されるように設けられ基端部が上記本体内孔内に位置するクランプロッドと、そのクランプロッドと同軸的に設けられクランプロッド又は上記本体のいずれか一方に対して回転止め手段を有し他方に対して回転自在であり軸線の方向に移動可能に設けられた中間部材と、その中間部材と上記本体又はクランプロッドの上記回転自在である側とをねじ結合しており軸方向推力で回転するようにリードの大きいねじ部で螺合し双方の相対的軸方向変位量が上記所定角度の回転に対応するように規制されたねじ結合部と、上記回転自在である側と中間部材とにその軸方向相対位置を変更する軸方向の作用力を与えるように設けられた作用力付与手段と、上記クランプ回転位置にあるクランプロッドを流体圧により基端側へ移動させてクランプ作用させるように設けられたクランプ力発生手段とを備えたクランプ装置が提案されている(特許文献1参照。)。
【0003】
また、回転防止シリンダが、流体圧シリンダのピストンとロッドが往復移動する際のロッドの回転運動を、高精度且つ低コストで防止するもので、ピストンを貫通するガイドロッドをシリンダチューブの両端の部材に設置して、ピストンをガイドロッドに沿って移動させるものも提案されている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平01‐210131号公報
【文献】特開2005-54977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の回転防止シリンダ装置において、回転止め手段は、シリンダの内部に設けられているため、構造が複雑になり、剛性が不足して回動位置決め精度が不足するという問題があった。
そこで本発明は、回転止め手段の構造の簡素化と高剛性化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、次の手段を講じた。すなわち、本発明の回転防止シリンダ装置は、シリンダ部と、該シリンダ部に軸心方向移動自在に設けられて上部が外方に突出する出力軸と、該出力軸を軸心方向に移動させるべく前記シリンダ部内に設けられた移動部と、該移動部と前記シリンダ部との相対回動を拘束する拘束部とを備え、前記拘束部は、前記シリンダ部の下部の外部に固定された規制部材と、前記移動部の軸心部に設けられて前記規制部材に突出する突出部材と、該突出部材と前記規制部材が係合して前記突出部材の回動を拘束する係合部とを有し、前記シリンダ部内には、前記移動部と前記出力軸との軸心方向相対移動により前記出力軸を回動させる回動部を有し、前記出力軸は、対象物をクランプするクランプロッドであり、該クランプロッドにクランプ力を付与すべく前記シリンダ部内に設けられた付与部を有し、前記規制部材には、前記突出部材の移動位置を検出する検出装置が設けられ、前記検出装置を含む前記規制部材は、カバー部材により密閉されている、前記移動部と前記シリンダ部の相対回動を防止するものである。
【0007】
なお、本発明における「上部、下部」等の方向を示す語は、軸方向一端部、他端部を示す語であり、位置(場所)を限定するものではない。便宜上、「上」とか「下」というが、上下方向において使用されるものに限定されず、左右水平方向等に使用されるものも含むものである。
【0011】
前記係合部は、前記規制部材または突出部材のいずれか一方に軸心方向に沿って設けられた係合凹部と、他方に設けられて前記係合凹部に係合する係合凸部とを備えているのが好ましい。
【0012】
前記係合凹部は、前記規制部材に設けられたガイド溝であり、前記係合凸部は、前記突出部材に設けられて前記ガイド溝に係合するガイドピンであるのが好ましい。
【0013】
前記検出装置は、前記係合凸部を検出する位置検出スイッチであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回転止め手段である拘束部がシリンダ部の外部に設けられているので、従来のシリンダ部の内部に設けられているものに比べ構造が簡素化され、高剛性化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】本発明の他の実施の形態を示す概略図である。
【
図3】
図2に示す実施の形態の具体的構成を示す平面図である。
【
図5】
図3のB-B線断面における拘束部の図面である。
【
図7】動作説明図で移動部によるクランプロッドの上昇を示す。
【
図8】動作説明図で回動部によるクランプロッドの回動を示す。
【
図9】動作説明図で付与部によるクランプロッドのクランプ状態を示す。
【
図10】本発明の他の実施の形態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1において、回転防止シリンダ装置は、シリンダ部1を有する。シリンダ部1に軸心方向移動自在に設けられて上部が外方に突出する出力軸2を有する。出力軸2を軸心方向に移動させるべく前記シリンダ部1内に移動部3が設けられている。移動部3と前記シリンダ部1との相対回動を拘束する拘束部4が設けられている。
【0018】
前記拘束部4は、前記シリンダ部1の外部に設けられている。拘束部4は、前記シリンダ部1の下部に固定された規制部材5と、前記移動部3の軸心部に設けられて前記規制部材5に突出する突出部材6と、該突出部材6と前記規制部材5が係合して前記突出部材6の回動を拘束する係合部7とを有する。
【0019】
前記出力軸2と前記移動部3と前記突出部材6は相対回動不能とされている。その結果、出力軸2は、シリンダ部1に対して相対回動不能とされる。
【0020】
規制部材5には、突出部材6の移動位置を検出する検出装置8が設けれている。
具体的には、出力軸2はピストンロッドであり、移動部3はピストンである。
突出部材6は、ピストンの軸心部からシリンダ部1の下端壁を貫通してシリンダ部1の外方に突出する部材で構成されている。この突出部材6は大径の円柱体で構成されている。
規制部材5は、その中心に、前記突出部材6が挿入される穴が設けられている。
【0021】
係合部7は、規制部材5または突出部材6のいずれか一方に軸心方向に沿って設けられた係合凹部7aと、他方に設けられて前記係合凹部7aに係合する係合凸部7bとを備えている。
【0022】
この実施の形態では、係合凹部7aとして、規制部材5の側壁に軸心方向に沿って左右一対設けられたガイド溝によって構成されている。係合凸部7bは、突出部材6の下端に設けられたガイドピンにより構成されている。突出部材6の左右側面から突出するガイドピンが、ガイド溝に摺動自在に係合して、突出部材6の回動が拘束されている。
なお、係合凹部7aと係合凸部7bは、左右一対に限らず、片側のみであっても良い。
このような構成により、拘束部4の剛性が確保され、構造も簡単になる。
【0023】
検出装置8は、突出部材6の係合凸部7b(ガイドピン)の移動位置を検出することにより出力軸2の突出位置と退避位置とを検出する突出位置検出スイッチ8aと退避位置検出スイッチ8bを有する。位置検出スイッチ8a、8bは、近接スイッチ、リミットスイッチ等である。
【0024】
図2に示すものは、本発明の他の実施の形態である。
前記実施の形態では、出力軸2と移動部3が相対回動不能とされていたが、この実施の形態では、出力軸2と移動部3とが回動部9を介して結合されている点が異なる。
【0025】
回動部9は、出力軸2と移動部3の軸心方向相対移動により出力軸2を回動させるものである。出力軸2を回動させるために、移動部3の回動が拘束されることが必要になるものである。
【0026】
前記出力軸2は、クランプロッドとされている。クランプロッド2は、シリンダ部1に軸心方向移動自在に且つ軸心周りに回動自在に設けられて、上部が外方に突出して対象物をクランプする。クランプロッド2の上端部には、クランプするために側方に突出する凸部2aが形成されている。シリンダ部1内には、クランプロッド2にクランプ力を付与する付与部10が設けられている。
【0027】
なお、拘束部4および検出装置8は、前記
図1に示す実施の形態のものと同じであるので、その説明を省略する。
【0028】
図3及び
図4は、
図2に示すシリンダ装置の具体的な構成を示すものである。なお、拘束部4および検出装置8は、カバー部材11により被覆され、防塵されている。
【0029】
シリンダ部1は、上部の第1シリンダ12と、下部の第2シリンダ13とを有する。第1シリンダ12に前記付与部10が設けられている。第2シリンダ13に前記移動部3が設けられている。
【0030】
付与部10は、第1シリンダ12内に設けられた第1ピストン14を有する。第1ピストン14の中心部にクランプロッド2が摺動自在に貫挿されている。クランプロッド2には、第1ピストン14に係合してクランプ方向に同行する同行部15が設けられている。第1ピストン14と同行部15により付与部10が構成されている(
図8参照)。
【0031】
同行部15は、クランプロッド2の下部側にねじ結合されたリング体により構成されている。同行部15は、リング体に限らず、クランプロッド2より突出するなどして、第1ピストン14と係合するものであればよい。
【0032】
付与部10は、第1ピストン14を下降させて、同行部15に係合してクランプロッド2を下降させて、クランプロッド2にクランプ力を付与するものである(
図9参照)。
【0033】
同行部15のリング体に軸受16が設けられている。この軸受16に係合するストッパ部17が第1シリンダ12の下部に設けられている。ストッパ部17に軸受16の外輪が当接することにより、クランプロッド2の上昇限界が規制されている(
図7参照)。
【0034】
第1シリンダ12は油圧シリンダであり、第1ピストン14の上面側にクランプ力を作用させる油室が設けられている。この油室に作動油を供給するクランプ油圧ポート18が、第1シリンダ12の側壁部に設けられている。
【0035】
前記移動部3は、前記第2シリンダ13内に設けられた第2ピストン19を有する。
第2シリンダ13は、エアシリンダであり、第2ピストン19の下面にエア圧を作用させて、クランプロッド2を上昇・旋回させる上昇エアポート20がシリンダ部1の下部側壁に設けられている。第2ピストン19の上面にエア圧を作用させて、クランプロッド2を旋回・下降させる下降エアポート21がシリンダ部1の上部側壁に設けられている。
【0036】
移動部3とクランプロッド2との軸心方向相対移動によりクランプロッド2を回動させる回動部9は、第2ピストン19の中心から上方に突出するカム軸22を有する。カム軸22とクランプロッド2の下端とが軸心方向相対移動可能に嵌合している。クランプロッド2の下端の中心に開口する孔2bに、カム軸22が軸方向移動自在に挿入している。
【0037】
この嵌合部が、クランプロッド2と移動部3にわたって設けられた前記回動部9を構成する。なお、回動部9は移動部3側に設けた孔にクランプロッド2が挿入される構成でもよい。
【0038】
この回動部9は、クランプロッド2と移動部3の相対移動を行わせる作用部23と、クランプロッド2を回動させるカム機構部24とを有する。
【0039】
作用部23は、クランプロッド2と移動部3間に設けられた弾性部材25を有する。この弾性部材25は、圧縮コイルスプリングから構成されている。コイルスプリングの上端は、クランプロッド2に設けられた前記同行部15のリング体の下面に当接し、同下端は、第2ピストン19の上面に当接している。
【0040】
カム機構部24は、カム軸22に設けられたカム溝26と、このカム溝26に係合すべくクランプロッド2に設けられたカムピン27とを有する。カムピン27がカム溝26を移動することにより、クランプロッド2が90度回動するよう構成されている。クランプロッド2を回動させるためには、移動部3であるカム軸22の回動が拘束される必要があり、前記拘束部4により移動部3の回動が拘束されている。
【0041】
作用部23により、クランプロッド2と移動部3は離反方向に付勢されているが、カム溝26にカムピン27が係合することにより、両者の離脱が防止されている。
【0042】
なお、カム機構部24は、移動部3とクランプロッド2のいずれか一方に設けられたカム溝と、他方に設けられて前記カム溝に係合するカムピンとを有するものであればよい。また、この実施の形態では、カム軸22と第2ピストン19は別部材で構成されているが、一体構成であっても良い。
【0043】
図5及び
図6は、拘束部4の詳細図である。
拘束部4は、シリンダ部1の下部に固定された規制部材5を有する。拘束部4は、移動部3に設けられて規制部材5に突出する突出部材6を有する。拘束部4は、突出部材6と規制部材5が係合して突出部材6の回動を拘束する係合部7を有する。
【0044】
突出部材6は、前記カム軸22からシリンダ部1の下端壁を貫通してシリンダ部1の外方に突出する部材で構成されている。この突出部材6は大径の円柱体で構成されている。
【0045】
この実施の形態では、突出部材6は、第2ピストン19と別部材で構成されているが、一体構成であっても良い。
【0046】
規制部材5は、四角柱であり、その中心に、前記突出部材6が挿入される穴が設けられている。規制部材5の側壁に軸心方向に沿った係合凹部7aであるガイド溝が左右一対設けられている。このガイド溝7aに両端が係合する係合凸部7bであるガイドピンが突出部材6の下端部に設けられている。ガイド溝7aとガイドピン7bにより前記係合部7が構成されている。
このような構成により、拘束部4の剛性が確保され、構造も簡単になる。
【0047】
なお、係合部7は、規制部材5または突出部材6のいずれか一方に軸心方向に沿って設けられた係合凹部7aと、他方に設けられて前記係合凹部7aに係合する係合凸部7bとを備えていればよく、ガイド溝とガイドピンに限定されるものではない。
【0048】
規制部材5には、クランプロッド2の位置を検出する検出装置8が設けられている。検出装置8は、クランプロッド2のクランプ位置を検出するクランプ位置検出スイッチ8aと、退避位置を検出する退避位置検出スイッチ8bを有する。
【0049】
突出部材6から突出するガイドピン7bの一端は、ガイド溝7aから外方に突出している。クランプ位置検出スイッチ8aと退避位置検出スイッチ8bは、ガイドピン7bの突出部を検出するよう規制部材5の外面に取り付けられている。
【0050】
クランプ位置検出スイッチ8aと退避位置検出スイッチ8bは、近接スイッチ、リミットスイッチ等であればよい。
【0051】
検出装置8を含む規制部材5は、カバー部材11により被覆されて防塵されている。カバー部材11には、検出装置8の電気配線用コネクターが設けられて、水密構造とされているいる。
検出装置8はカバー部材11で密閉され、潤滑剤や金属粉末の付着が防止されている。
【0052】
図7~
図9は、シリンダ装置の動作説明図である。
図4に示すアンクランプ状態(退避状態)から、
図7~
図9のクランプ状態に至る動作を説明する。
【0053】
まず
図4において、下降エアポート21から加圧エアが供給され、移動部3である第2ピストン19が下降し、これに同行してクランプロッド2が下降している。退避位置検出スイッチ8bがガイドピン7aの位置を検出する(
図5,6参照)。回動部9の作用部23の弾性部材25により、クランプロッド2と移動部3とが離反方向に付勢され、回動部9のカム機構部24において、カム溝26上端にカムピン27が係合し、クランプロッド2の上端の凸部2aの位置は、
図3に示す位置とされている。
【0054】
図7において、上昇エアポート20に加圧エアが供給され、下降エアポート21からエアが排出されることにより、移動部3である第2ピストン19が上昇し、これに同行してクランプロッド2も上昇する。クランプロッド2の同行部15に設けられた軸受16が、ストッパ部17に当接し、クランプロッド2の上昇が停止する。
【0055】
図8に示すように、さらに上昇エアポート20に加圧エアが供給されることにより、移動部3である第2ピストン19は、回動部9の作用部23の弾性部材25の付勢力に抗して上昇する。回動部9のカム機構部24では、カムピン27とカム溝26との相対移動が生じ、クランプロッド2は90度回転し、クランプロッド2の上端の凸部2aの向きは
図8に示す位置となる。
【0056】
カムピン27とカム溝26との相対移動時に、拘束部4において移動部3の回動が拘束されているので、クランプロッド2側が90度回動する。
【0057】
図9に示すように、クランプ油圧ポート18から圧油が供給され、付与部10である第1ピストン14が下降し、第1ピストン14が同行部15のリング体に当接して、クランプロッド2を下降させ、被対象物をクランプする。
このクランプロッド2の位置を検出装置8のクランプ位置検出スイッチ8aが検知するよう構成されている。
【0058】
なお、この状態で上昇エアポート20に加圧エアが供給されているので、回動部9においては、
図8の状態と同じ状態を維持し、クランプロッド2の回動は生じない。
【0059】
拘束部4をシリンダ部1の外部に設けたので、シリンダ部1内に設けるものに比べて、シリンダ室のシール構造が簡単になる。
【0060】
図10及び
図11に示すものは、本発明の他の実施の形態である。
検出装置8が、前記実施の形態と異なるものであり、その他の構成は、前記実施の形態と同じである。
【0061】
突出部材6の下端にドグ(dog)28が設けられている。このドグ28を位置検出スイッチ8a、8bで検知するよう構成されている。
【0062】
今回開示された実施例の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。
本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1 シリンダ部
2 出力軸(クランプロッド)
3 移動部
4 拘束部
5 規制部材
6 突出部材
7 係合部
8 検出装置
9 回動部
10 付与部
11 カバー部材
12 第1シリンダ
13 第2シリンダ
14 第1ピストン
15 同行部
16 軸受
17 ストッパ部
18 クランプ油圧ポート
19 第2ピストン
20 上昇エアポート
21 下降エアポート
22 カム軸
23 作用部
24 カム機構部
25 弾性部材
26 カム溝
27 カムピン
28 ドグ