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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】リード線付き電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01C 10/00 20060101AFI20220624BHJP
   H01C 1/142 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
H01C10/00 P
H01C1/142
H01C10/00 R
H01C10/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018123705
(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2020004873
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】小金平 和雄
(72)【発明者】
【氏名】篠木 高司
(72)【発明者】
【氏名】牧野 大介
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-033405(JP,U)
【文献】特表2008-508574(JP,A)
【文献】特開2000-180460(JP,A)
【文献】実開平06-044105(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 1/00-1/16
H01C 8/00-10/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路パターン及び当該回路パターンに接続される接続パターンを形成してなる回路基板と、前記回路基板を収納するケースと、前記回路基板の接続パターンに接続されるリード線と、を具備するリード線付き電子部品において、
前記リード線を接続した接続部分を、前記ケースの材質と異なる材質からなる封止体によって封止し、
前記封止体は、前記接続部分を封止する封止体本体部と、前記接続部分から所定長さにわたって前記リード線の部分を封止するリード線封止部とを具備して構成され、
前記リード線封止部の上下面には、前記リード線の長手方向に交差する方向に延びる溝部を上下対称の位置に形成し、
さらに前記上下対称の位置に形成した一対の溝部それぞれの底面に、前記リード線の外表面の一部を露出させたことを特徴とするリード線付き電子部品。
【請求項2】
請求項1に記載のリード線付き電子部品であって、
前記リード線は、前記回路基板の接続パターンに直接接続されており、前記封止体は、当該接続部分を封止していることを特徴とするリード線付き電子部品。
【請求項3】
請求項1または2に記載のリード線付き電子部品であって、
前記封止体は、溶融時に接着性を有する成形材料によって構成されていることを特徴とするリード線付き電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リード線付き電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転式電子部品の中には、例えば特許文献1の図1に示すように、回転式電子部品用の成型品(30)の外周側壁から外方に向けて金属端子板(20)を突出する構造のものがある。この種の回転式電子部品は、例えばこれを別途用意した主回路基板上に載置し、その際、各金属端子板(20)を、前記主回路基板に形成した端子接続パターンに半田付けなどして使用される。
【0003】
一方、従来、上記回転式電子部品の別の使用方法として、前記金属端子板(20)を、別途用意した主回路基板ではなく、リード線に接続して使用する場合がある。このような場合は、各金属端子板(20)に、それぞれリード線を半田付けする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-172630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、各金属端子板(20)に、それぞれリード線を半田付けする場合は、以下のような課題があった。
(1)金属端子板(20)にリード線を半田付けする接続作業に手間がかかってしまう。また場合によっては、リード線の金属端子板(20)への接続作業時に、金属端子板(20)と回路基板(10)との接続部分(成型品(30)に覆われている部分)に熱によるストレスが加わり、金属端子板(20)と回路基板(10)間に接続不良を生じる虞があった。
【0006】
(2)金属端子板(20)とリード線との接続部分は一般に露出しているが、この接続部分には、リード線が屈曲した場合などにストレスが加わり易く、また各種液体、粉塵などによる影響を受け易く、このためこの接続部分に劣化や接続不良などを生じる虞があった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、回路基板とリード線間の接続を、容易に接続不良や劣化なく確実に行うことができるリード線付き電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、回路パターン及び当該回路パターンに接続される接続パターンを形成してなる回路基板と、前記回路基板を収納するケースと、前記回路基板の接続パターンに接続されるリード線と、を具備するリード線付き電子部品において、前記リード線を接続した接続部分を、前記ケースの材質と異なる材質からなる封止体によって封止し、前記封止体は、前記接続部分を封止する封止体本体部と、前記接続部分から所定長さにわたって前記リード線の部分を封止するリード線封止部とを具備して構成され、前記リード線封止部の上下面には、前記リード線の長手方向に交差する方向に延びる溝部を上下対称の位置に形成し、さらに前記上下対称の位置に形成した一対の溝部それぞれの底面に、前記リード線の外表面の一部を露出させたことを特徴としている。
本発明によれば、回路基板とリード線間の接続部分を、封止体によって封止するので、当該接続部分を補強でき、リード線が屈曲するなどしてストレスが加わっても、当該接続部分の接続不良を防止することができる。同時に、封止体によって封止するので、防水、防塵を図ることができ、このことからも当該接続部分の劣化や接続不良を防止することができる。
また、封止体とケースをそれぞれ異なる材質で構成したので、ケースは回路基板を収納するのに好適な材料を、また封止体は接続部分を封止するのに好適な材料を、それぞれ選択でき、当該接続部分の接続状態を好適に維持できる。
【0009】
また本発明は、上記特徴に加え、前記リード線は、前記回路基板の接続パターンに直接接続されており、前記封止体は、当該接続部分を封止していることを特徴としている。
本発明によれば、回路基板の接続パターンに金属端子板を接続することなく、当該接続パターンに直接リード線を接続して封止体で封止するので、金属端子板を接続する手間が削減できて製造作業が容易になる。
また、金属端子板を接続しないので、リード線の金属端子板への接続作業時に金属端子板と回路基板との接続部分に熱によるストレスが加わることがなくなり、接続不良が発生する虞が無くなる。
【0010】
また本発明は、上記特徴に加え、前記封止体は、溶融時に接着性を有する成形材料によって構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、回路基板とリード線間の接続部分に対する封止体の密着性を高くすることができるので、より効果的な防水、防塵を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回路基板とリード線間の接続を、容易に接続不良なく確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】リード線付き電子部品1を上側から見た斜視図である。
図2】リード線付き電子部品1を下側から見た斜視図である。
図3図1のA-A断面概略図である。
図4】回路基板10とケース30とリード線50を上側から見た斜視図である。
図5】回路基板10とケース30とリード線50を下側から見た斜視図である。
図6】回路基板10の斜視図である。
図7】封止体70を単体で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るリード線付き電子部品1を上側から見た斜視図、図2はリード線付き電子部品1を下側から見た斜視図、図3図1のA-A断面概略図、図4は回路基板10とケース30とリード線50を上側から見た斜視図、図5は回路基板10とケース30とリード線50を下側から見た斜視図である。これらの図に示すように、リード線付き電子部品1は、回路基板10と、回路基板10を収納するケース30と、回路基板10に接続される複数本(この例では3本)のリード線50と、リード線50を回路基板10に接続した接続部分Aを封止し、且つ各リード線50を束ねる封止体70とを具備して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは回路基板10の下記する回路パターン(集電パターン13や抵抗体パターン15など)を形成した面をその反対面側から見る方向いい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0014】
図6は、回路基板10の斜視図である。同図に示すように、回路基板10は、硬質で絶縁性の基板(以下「硬質基板」という)11の上面に、同心円状に、集電パターン(回路パターン)13と、抵抗体パターン(回路パターン)15とを形成して構成されている。硬質基板11の略中央部分には、図示しない摺動子を取り付けた回転体を回転自在に軸支する円形の貫通孔からなる軸支孔17が設けられている。また、硬質基板11の外周4辺の内の1辺は、これを矩形状に外方に突出させることで接続パターン形成部19が形成され、この接続パターン形成部19には複数(3つ)の上下に貫通する貫通孔からなるリード線接続部21が設けられている。
【0015】
集電パターン13は、抵抗値の低い導電ペーストをスクリーン印刷することなどによって、前記軸支孔17の周囲を囲むようにリング状に形成されている。集電パターン13の外周からは、半径方向外方(接続パターン形成部19の方向)に向けて1本の引出パターン(回路パターン)13aが引き出され、その先端には接続パターン23が形成されている。接続パターン23は、前記接続パターン形成部19の中央のリード線接続部21の周囲を囲むように形成されている。
【0016】
抵抗体パターン15は、所望の抵抗値を有する抵抗体ペーストをスクリーン印刷することなどによって、前記集電パターン13の周囲を囲むようにC字状に形成されている。抵抗体パターン15の両端からは、それぞれ半径方向外方(接続パターン形成部19の方向)に向けて一対の引出パターン(回路パターン)15aが引き出され、それらの先端には接続パターン23が形成されている。各接続パターン23は、それぞれ前記接続パターン形成部19の両側のリード線接続部21の周囲を囲むように形成されている。なお各引出パターン13a,15aと各接続パターン23は、何れも抵抗値の低い導電ペーストのスクリーン印刷によって形成されている。
【0017】
ケース30は硬質の合成樹脂からなる一体成型品であり、上面が開放された略箱型に形成されている。即ち、ケース30は、前記回路基板10の前記接続パターン形成部19側を除く3辺の周囲を囲む側壁31a,b,cと、抵抗体パターン15などの回路パターンを形成した面の部分と接続パターン23を形成した面の部分とを仕切る仕切り壁(側壁)31dと、回路基板10の底面を覆う底面部31eとを具備して構成されている。ケース30の上面中央は略円形の回転体収納部33となっている。回転体収納部33の底面には、前記回路基板10上面の集電パターン13と抵抗体パターン15が露出している。また、前記回路基板10の接続パターン形成部19の上面も、例えば図4に示すように、露出している。また、ケース30の底面部31eの中央には、前記回路基板10の軸支孔17に連通する円形の貫通孔35が形成されている。また、ケース30の底面部31eの、前記回路基板10の各リード線接続部21を設けた部分に対向する位置にはそれぞれ、例えば図5に示すように、このリード線接続部21よりも内径寸法の大きいリード線挿入部37が形成されている。リード線挿入部37は略矩形状であり、その底には回路基板10の底面が露出している。さらに、ケース30の左右両側壁から底面にかけては、ケース30の上面を覆う図示しないカバーの係止爪を挿入する溝部39が形成されている。
【0018】
リード線50は、電線51を絶縁被覆チューブ53で被覆した構成を有しており、先端部分の絶縁被覆チューブ53を剥がして、電線51を露出させている。
【0019】
図7は、封止体70を単体で示す図である。同図に示す封止体70は、実際にはその内部に回路基板10とケース30とリード線50がインサート成形されるため、空洞などが形成されるが、図示の都合上、中実の状態で示している。同図及び図1図3に示すように、封止体70は、低圧成形用のホットメルト接着剤製であって硬化後に可撓性を有する材料、即ち上記ケース30の材質とは異なる材質によって構成されている。ホットメルト接着剤(ホットメルト樹脂)は、常温では固形となり、高温では液体となる性質を有するものであり、熱可塑性樹脂を主成分としている。封止体70は、全体として略帯状に成形され、前記回路基板10の接続パターン形成部19の部分を封止する封止体本体部71と、前記リード線50の部分を封止するリード線封止部73とを具備して構成されている。
【0020】
封止体本体部71は、略矩形状であって、前記接続パターン形成部19全体を内包して封止する寸法形状に形成されている。なお、封止体本体部71のリード線封止部73を接続する面の反対側の面は、前記ケース30の仕切り壁31dの外側面に密着する。
【0021】
一方、リード線封止部73は、薄板状で略矩形状であり、3本のリード線50全てを所定長さにわたって一体に束ねて固定する。リード線封止部73の上下面には、幅方向(リード線50の長手方向に交差する方向)に延びる複数本(2本)の直線状の溝部75が上下対称に形成されている。各溝部75の底面には、リード線50の絶縁被覆チューブ53の外表面の一部が露出している。
【0022】
次に、リード線付き電子部品1の製造方法を説明する。リード線付き電子部品1を製造するには、まず、回路基板10を金型内に収納し、収納した回路基板10の周囲に形成したケース30の形状を有するキャビティー内に溶融した射出成型用の熱可塑性成形材料を射出成型する。そして金型を取り外せば、回路基板10をインサート成形したケース30が完成する。ここで使用する射出成型用の熱可塑性成形材料は、回路基板10をインサート成形して一体化するのに好適な材料であり、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエチレンテレフタレート(PET)やポリフェニレンスルフイド(PPS)などの合成樹脂を用いる。図4はこのときの回路基板10及びケース30(但し、合わせてリード線50も記載している)を示す斜視図であり、図5はこれを下側から見た斜視図である。両図に示すように、ケース30の回転体収納部33には、集電パターン13と抵抗体パターン15が露出している。また、ケース30の仕切り壁31dの外側には、接続パターン形成部19が突出し、接続パターン23が露出している。
【0023】
次に、図4図5に示すように、前記ケース30から突出している回路基板10の接続パターン形成部19上面の各リード線接続部21に、各リード線50の露出させた電線51の先端部分を挿入する。挿入した電線51の先端は、ケース30下面側のリード線挿入部37内に位置し、ケース30の下面から下方向には突出していない。
【0024】
次に、前記各電線51と、前記各接続パターン23とを、半田付けなどによって接続する(図3に半田60を示す)。なお、この接続は、半田60以外の各種導電性接着剤を用いて行っても良いし、また別途金具などを用いて行っても良い。
【0025】
次に、前記各リード線50を接続したケース30付きの回路基板10を、金型内に収納し、収納したケース30の仕切り壁31dの外周側面側に形成した封止体70の形状を有するキャビティー内に溶融した、低圧成形用のホットメルト接着剤を注入し、封止体70を成型する。このホットメルト接着剤の場合、低圧で成形できるので、半田60による接続部分Aを損傷することはない。そして金型を取り外せば、本実施形態に係るリード線付き電子部品1が完成する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0026】
ここで使用する低圧成形用のホットメルト接着剤は、上述のように、溶融時に接着性を有する成形材料であって、前記回路基板10の接続パターン形成部19の露出している表面と、露出した電線51及び絶縁被覆チューブ53の先端側部分の表面と、半田60の表面と、ケース30の前記接続パターン形成部19の裏面側部分の外周辺の表面とに、接着されて封止する。即ち、封止体70は、回路基板10の接続パターン23と電線51との半田60による接続部分A(図3参照)全体を接着性を持って確実に封止し、且つケース30に接着性を持って確実に接続され、さらに各リード線50先端の絶縁被覆チュ-ブ53の部分を接着性を持って確実に所定位置に保持する。以上のように、封止体70は、これが封止する各部材に対して接着性を持って封止するので、液体や粉塵などが浸入することを確実に防止できる。且つこの封止体70は弾力性(可撓性)を有するので、リード線50の屈曲を容易に行うことができる。
【0027】
ここで前記封止体70のリード線封止部73に溝部75を形成したのは以下の理由による。即ち、リード線50は可撓性を有するので、これらを金型のキャビティー内に浮かせた状態でセットし、このキャビティー内に溶融したホットメルト接着剤を注入すると、各リード線50がホットメルト接着剤の注入圧力によって湾曲などしてしまい、それらの位置が一定でなくなる虞がある。そこで、キャビティーを形成した金型内にその上下からリード線50に至る線状の突出部を設け、これら上下の突出部によってリード線50を挟持して押え、この状態でキャビティー内に溶融したホットメルト接着剤を充填することにしたのである。溝部75はこのときの突出部によって形成され、その底面にリード線50の絶縁被覆チューブ53の表面の一部が露出する。また溝部75をリード線50の引出方向に交差する方向(この例では直交方向)に設けたのは、この封止体70(即ち3本のリード線50)が上下方向に容易に屈曲できるようにするためである。なお、溝部75は、1本または3本以上形成しても良い。またリード線50の絶縁被覆チューブ53の表面の一部が露出する溝部75(即ち金型によってリード線50を押える部分)は少なくとも上下一対のみ(1本ずつ)でも良い。この場合において、他にも溝部を設ける場合は、その深さを浅く形成する。浅い溝部は封止体70の屈曲性向上のためだけに用いる。
【0028】
以上説明したように、リード線付き電子部品1は、回路基板10とリード線50間の接続部分Aを、封止体70によって封止するので、当該接続部分Aを補強でき、リード線50が屈曲するなどしてストレスが加わっても、当該接続部分Aの接続不良を防止することができる。同時に、封止体70によって封止するので、防水、防塵を図ることができ、このことからも当該接続部分Aの劣化や接続不良を防止することができる。
【0029】
また、封止体70とケース30をそれぞれ異なる材質で構成したので、ケース70は回路基板10を収納するのに好適な材料を、また封止体70は接続部分Aを封止するのに好適な材料を、それぞれ選択でき、当該接続部分Aの接続状態を好適に維持することができる。特にこの実施形態では、封止体70として、溶融時に接着性を有する成形材料を用いたので、接続部分Aに対する封止体70の密着性を高くすることができ、より効果的な防水、防塵を図ることができる。
【0030】
また、回路基板10の接続パターン23に金属端子板を接続することなく、当該接続パターン23に直接リード線50を接続して封止体70で封止するので、金属端子板を接続する手間が削減できて製造作業が容易になる。また、金属端子板を接続しないので、リード線50の金属端子板への接続作業時に金属端子板と回路基板10との接続部分に熱によるストレスが加わることがなくなり、接続不良が発生する虞も無くなる。
【0031】
なお、上記実施形態では、各リード線50(その電線51)を、回路基板10のパターン形成部19側から接続パターン23に接続したが、その代わりに、各リード線50(その電線51)を、ケース30のリード線挿入部37側から挿入して接続パターン23に接続しても良い。
【0032】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、本発明を回転式電子部品用の回路基板に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えばスライド式電子部品用の回路基板やその他の各種回路基板に適用しても良い。またケースや封止体の形状構造、リード線の本数などにも種々の変更が可能である。リード線は封止体内において所望の形状に屈曲させても良い。また、ケースの材質や封止体の材質についても種々の変更が可能であり、要は両者の材質を、それぞれが成形される部材に合わせた異なる材質とすればよい。また、リード線を回路基板の接続パターンに接続する構造も、種々の変更が可能であることは言うまでもない。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0033】
1 リード線付き電子部品
10 回路基板
13 集電パターン(回路パターン)
13a 引出パターン(回路パターン)
15 抵抗体パターン(回路パターン)
15a 引出パターン(回路パターン)
23 接続パターン
A 接続部分
30 ケース
50 リード線
70 封止体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7