(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】食材処理装置
(51)【国際特許分類】
B26D 3/28 20060101AFI20220624BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
B26D3/28 610D
B26D3/28 610B
B26D3/28 610F
B26D3/00 602A
(21)【出願番号】P 2020152588
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2021-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】503049427
【氏名又は名称】匠技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(72)【発明者】
【氏名】西本 嘉尹
(72)【発明者】
【氏名】今浦 博志
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-007494(JP,U)
【文献】特開2012-187680(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0219069(US,A1)
【文献】特開平08-118288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 3/28
B26D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送り込まれた食材に所定処理を施す処理体と、前記処理体を保持して回転する第1回転軸と、前記第1回転軸を回転駆動させる第1駆動機構を内蔵するとともに前記処理体を自身の前方に配置している箱状のケーシングと、を備えて成り、前記ケーシングの前面に形成された円孔に、当該円孔と対向する前記第1回転軸の対向部が回転用隙間を有して回転自在に嵌合される食材処理装置であって、
前記ケーシングの前面に前記円孔の内周面よりも大径に切り欠かれて形成された大径切欠き部と、前記第1回転軸の対向部を回転自在に嵌合する嵌合孔を有するとともに前記大径切欠き部を開放可能に塞ぐリング板状の蓋部材と、前記第1回転軸の対向部を嵌合させるとともに前記大径切欠き部を塞いだ状態の前記蓋部材を前記ケーシングの前面に着脱可能に固定する固定機構と、を備えていて、前記固定機構により固定された前記蓋部材の嵌合孔が前記円孔を構成する
とともに、前記第1回転軸の対向部の外径が前記蓋部材の嵌合孔の内径よりも小さく設定されていることにより、前記蓋部材が前記第1回転軸から抜脱可能に構成されていることを特徴とする食材処理装置。
【請求項2】
前記処理体が、正面視で略インボリュート曲線状の刃先に形成されたナタ状刃であることを特徴とする請求項1に記載の食材処理装置。
【請求項3】
前記第1回転軸の対向部における当該第1回転軸の軸心からずれた位置に回動自在に設けられていて前記処理体を保持する第2回転軸と、前記第2回転軸を回転駆動させる第2駆動機構と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の食材処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハム原木、大根などの食材に切断その他の処理を施す食材処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の食材処理装置としては、下記の特許文献1に記載されたものが知られている。この食材処理装置は、送り込まれた食材の前端をスライス処理する処理体駆動部を備えている。
図9,10に示すように、その処理体駆動部77は、送り込まれた食材Fをスライス処理する丸刃状の処理体9と、その処理体9を前方に配した気密箱状のケーシング8と、処理体9を矢印R1方向に公転させる第1回転軸19と、第1回転軸19の大径部である対向部11に回転自在に設けられた第2回転軸10と、第1回転軸19を回転駆動させる第1駆動機構13と、第2回転軸10を回転駆動させる第2駆動機構14と、第1駆動機構13および第2駆動機構14を駆動させるモータMと、を備えている。処理体9を先端に保持した第2回転軸10は軸受などの支持機構15を介して対向部11に矢印R2方向に自転自在に軸支されている。
【0003】
前記した第1回転軸19の対向部11は、円柱状の大径部18と、大径部18の前方につながる小径部17と、バランスウエイト12とを備えている。対向部11は、その小径部17がケーシング8の前面8Aの円孔43に回転自在に嵌合される。第1駆動機構13はモータMにより回動駆動され、第2駆動機構14は第1駆動機構13と連動するように構成されている。そして、小径部17の外周面17Aと円孔43の内周面8Bとの間には、微小な隙間幅S1の回転用隙間Gが設けられている。また、小径部17の外周面17Aに嵌着されたゴムシールリング27がケーシング8の前面8Aの背部と摺動自在に接して、ケーシング内28とケーシング外47との間を遮断するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的な食材処理装置においては、ケーシング8に対して第1回転軸19の対向部11が回転するので、如何なる機構を用いてもそれらの間には必ず回転用隙間Gが生じてしまう。この回転用隙間Gの存在を補償するために、ゴムシールリング27が使用されているが、それでも回転用隙間Gからケーシング内28へ異物が侵入したり、回転用隙間Gが雑菌の温床になったり、洗浄時に水が回転用隙間Gからケーシング内28へ浸入して駆動機構13,14の故障を招きやすいという問題がある。他方で、回転用隙間Gは第1回転軸19の対向部11の回転を許容しながらも隙間幅を極力小さくされているので、回転用隙間G内の奥部、延いてはゴムシールリング27の周辺部まで確実に洗浄や掃除ができないという問題もあった。殊に、回転用隙間Gは処理対象物である食材Fと近い位置にあるために、衛生上の観点から改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、異物、雑菌などが処理体駆動部の回転用隙間から入り込んだとしても確実に洗浄や掃除を行なうことができ、衛生的に好ましい食材処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る食材処理装置は、送り込まれた食材に所定処理を施す処理体と、処理体を保持して回転する第1回転軸と、第1回転軸を回転駆動させる第1駆動機構を内蔵するとともに処理体を自身の前方に配置している箱状のケーシングと、を備えて成り、ケーシングの前面に形成された円孔に、当該円孔と対向する第1回転軸の対向部が回転用隙間を有して回転自在に嵌合される食材処理装置であって、ケーシングの前面に円孔の内周面よりも大径に切り欠かれて形成された大径切欠き部と、第1回転軸の対向部を回転自在に嵌合する嵌合孔を有するとともに大径切欠き部を開放可能に塞ぐリング板状の蓋部材と、第1回転軸の対向部を嵌合させるとともに大径切欠き部を塞いだ状態の蓋部材をケーシングの前面に着脱可能に固定する固定機構と、を備えていて、固定機構により固定された蓋部材の嵌合孔が円孔を構成するとともに、第1回転軸の対向部の外径が蓋部材の嵌合孔の内径よりも小さく設定されていることにより、蓋部材が前記第1回転軸から抜脱可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記構成において、処理体が正面視で略インボリュート曲線状の刃先に形成されたナタ状刃であることを特徴とするものである。
【0009】
そして、前記構成において、第1回転軸の対向部における第1回転軸の軸心からずれた位置に回動自在に設けられていて処理体を保持する第2回転軸と、第2回転軸を回転駆動させる第2駆動機構と、を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る食材処理装置によれば、大径切欠き部と、大径切欠き部を開放可能に塞ぐリング板状の蓋部材と、大径切欠き部を塞いだ状態の蓋部材をケーシングの前面に着脱可能に固定する固定機構とを備えていて、蓋部材の嵌合孔が前記の円孔を構成するので、大径切欠き部が蓋部材で塞がれているときは、蓋部材の嵌合孔が円孔の役割をして第1回転軸の対向部との間に回転用隙間を有している。一方で、蓋部材をケーシングから取り外したときは、大径切欠き部を開放することができる。これにより、開かれた大径切欠き部から奥部まで清掃具や洗浄ノズルを差し込むことができ、確実な洗浄や掃除ができる。
【0011】
また、処理体が正面視で略インボリュート曲線状の刃先に形成されたナタ状刃で構成されているものでは、ナタ状刃の回転中心から刃先までの半径方向長は回転角度が進むにつれて大きくなる。従って、丸刃の処理体のように処理体自体を公転させる必要がなく、ナタ状刃を回転軸芯回りに回転させるだけで食材を確実にスライス処理することができる。すなわち、処理体を自転させるための第2駆動機構を別途必要としないから、簡素で安価な構成の食材処理装置を提供できる。
【0012】
そして、前記構成において、処理体を保持する第2回転軸と、第2回転軸を回転駆動させる第2駆動機構とを備えているものでは、第1回転軸の軸心からずれた位置で処理体が公転しながら自転して食材に接するので、安価な丸刃などを処理体として用いることができ、そのような処理体であっても食材をスライス処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る食材処理装置の概略構成を示す側面構成図である。
【
図2】前記食材処理装置の処理体駆動部を示す正面図である。
【
図3】前記処理体駆動部の内部構成を示す一部断面を含む側面構成図である。
【
図4】
図3中の円Bを拡大して示した図であって、(a)は
図3の状態を拡大した拡大図、(b)は蓋部材をケーシングから取り外して大径切欠き部を開放した状態を示した拡大図である。
【
図5】前記蓋部材をケーシングから取り外して大径切欠き部を開放した状態を示した概略斜視図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係る食材処理装置の処理体駆動部を示す正面図である。
【
図7】前記他の実施形態に係る処理体駆動部を示す図であって、(a)は処理体駆動部の内部構成を示す一部断面を含む側面構成図、(b)は処理体による食材のスライス態様を示す正面説明図である。
【
図8】本発明の別の実施形態に係る食材処理装置の処理体駆動部の内部構成を示す一部断面を含む側面構成図である。
【
図9】本発明の背景の一例となる従来の食材処理装置の処理体駆動部を示す正面図である。
【
図10】前記従来の食材処理装置の処理体駆動部の内部構成を示す一部断
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、
図1は本発明の一実施形態に係る食材処理装置の概略構成を示す側面構成図である。但し、
図9,10に示した従来の食材処理装置と同一の構成要素には、同一の符号を付すとともにその詳細な説明を省略することがある。
図1において、この実施形態に係る食材処理装置1は、基台部2と、基台部2上に前下がりに立設されて棒状の食材Fを供給(矢印D1方向)するための傾斜台3と、基台部2の前端側に配備されて食材Fの前端をスライス処理する処理体9を有する処理体駆動部7と、処理体駆動部7の処理体9により切断されたスライス片F1を載せて例えば前方(矢印D2方向)に搬出するコンベア16と、を備えて構成されている。傾斜台3は、食材Fを移動自在に載せる載置テーブル4と、食材Fの末端部を把持するグリッパ5と、グリッパ5を駆動させて食材Fを処理体9の公転域に送給する駆動機構6と、を備えている。
【0015】
そして、処理体駆動部7は、
図2~
図5に詳しく示すように、送り込まれた食材Fをスライスする丸刃状の処理体9と、この処理体9を公転させる第1回転軸19と、第1回転軸19を収容して回転自在に支持するケーシング8と、第1回転軸19の前端部である円盤状の対向部11に回転自在に軸支されるとともに処理体9を先端に保持した第2回転軸10と、第1回転軸19を回転駆動させる第1駆動機構13と、処理体9を回転駆動させる第2駆動機構14と、第1駆動機構13および第2駆動機構14を駆動させるモータMと、を備えている。すなわち、処理体9は、第2回転軸10を介して第1回転軸19の対向部11に保持されている。そして、前記の第1駆動機構13および第2駆動機構14はケーシング8に内蔵されている。
【0016】
前記した第1回転軸19の対向部11は、円柱状の大径部18と、大径部18の前方につながる小径部17と、小径部17の前面の一部に取り付けられたバランスウエイト12と、を備えている。小径部17の正面視中央部には第1回転軸19の主軸部を挿通するための軸穴が形成され、小径部17の前面におけるバランスウエイト12との対角位置には第2回転軸10用の軸受などで構成された支持機構15が設けられている。第1回転軸19の対向部11は、その小径部17がケーシング8の前面8Aの円孔43に回転自在に嵌合される。この場合、第1回転軸19の対向部11の外周面17Aは円孔43の内周面8Bと対向しており、これらの間が回転用隙間Gとなっている。第1回転軸19は中空軸(
図8参照)として形成されている。固定部材20により片持ち状に保持された軸体20Aが第1回転軸19の軸孔内にベアリングなどを介して装入されることにより、第1回転軸19が軸体20Aに回動自在に軸支される。固定部材20はケーシング8の脊板に固定されている。第1回転軸19にはプーリ23およびプーリ48が取り付けられている。第2回転軸10の後端部にはプーリ21が取り付けられており、ベルト22を介して第1回転軸19のプーリ48と連結されている。第1回転軸19のプーリ23はベルト24を介してモータ駆動軸26のプーリ25と連結されている。モータ駆動軸26はモータMにより回転駆動される。
【0017】
第1回転軸19の軸心C1、回動軸10の軸心C2およびモータ駆動軸26の軸心C3はこの例では平行に配置されている。すなわち、モータ駆動軸26、プーリ25、ベルト24、プーリ23および第1回転軸19から、第1駆動機構13が構成される。また、第1回転軸19、プーリ48、ベルト22、プーリ21および第2回転軸10から、第2駆動機構14が構成される。そして、小径部17の外周面17Aと円孔43の内周面8Bとの間には、第1回転軸19の対向部11の回転を妨げないための、微小な隙間幅S1の回転用隙間Gが設けられている。また、大径部18と隣接する小径部17の外周面17Aにゴムシールリング27が嵌着されている。このゴムシールリング27はケーシング8の前面8Aの背部と摺動自在に接して、ケーシング内28とケーシング外47との間を遮断するようになっている。
【0018】
特に、この食材処理装置1では、ケーシング8の前面8Aに、大きく切り欠かれた円形の大径切欠き部29が形成されている。大径切欠き部29の内周面8BAは、前記した円孔43の内周面8Bよりも大径に形成されている。前面8Aにおける大径切欠き部29の周縁には複数の雌ネジ孔53,53,53,53が形成されている。また、大径切欠き部29を開放可能に塞ぐ蓋部材50を備えている。この蓋部材50はリング状本体51で主に構成されており、リング状本体51は、周方向に複数のネジ孔52,52,52,52が形成されていて第1回転軸19の対向部11を回転自在に嵌合させる嵌合孔57を有している。そして、蓋部材50をケーシング8に固定する場合は、ボルト54がリング状本体51の各ネジ孔52を通されたのちに、ケーシング8の各雌ネジ孔53で螺止される。すなわち、各ボルト54と各雌ネジ孔53とから、大径切欠き部29を塞いだ状態の蓋部材50をケーシング8の前面8Aに着脱可能に固定する固定機構46が構成される。
【0019】
因みに、蓋部材50が外されて大径切欠き部29が開放された状態で、ケーシング8における大径切欠き部29の内周面8BAと第1回転軸19の対向部11における小径部17の外周面との間の隙間幅S2(
図4(b)参照)は、前記した回転用隙間Gの隙間幅S1(
図4(a)参照)よりもかなり大きな幅となっている。尚、
図5において、図中符号の55は第1回転軸19を軸着するための軸取付孔であり、56は軸受体15を固着するための軸受体装着孔である。
【0020】
上述したように、この実施形態の食材処理装置1によれば、大径切欠き部29が蓋部材50で塞がれているときは、蓋部材の嵌合孔57の内周面51Aと第1回転軸19の対向部11における小径部17の外周面17Aとの間に、回転用隙間Gが形成されている。すなわち、固定機構46により固定された蓋部材50の嵌合孔57は、第1回転軸19の対向部11との間で回転用隙間Gを有する円孔43の役割を果たす。一方で、蓋部材50をケーシング8から取り外したときは、大径切欠き部29を開放することができる。これにより、開かれた大径切欠き部29からケーシング内28まで清掃具や洗浄ノズルを差し込むことができ、確実に洗浄や掃除を行なうことができる。また、この食材処理装置1では、第1回転軸19の軸心C1からずれた位置で処理体9が公転しながら自転して食材Fと接するので、安価で簡素な丸刃の処理体9を用いているにも拘わらず食材Fをスライス処理することができる。
【0021】
そして、上記した各実施形態では、丸刃である処理体9を自転用の第2回転軸10に取り付けて第1回転軸19の対向部11により公転させるようにしたが、
図6,7に示すような処理体駆動部7を有する食材処理装置も、本発明に含まれる。この処理体駆動部7では、第2回転軸10を含む第2駆動機構14および丸刃である処理体9を省略し、第1回転軸19の対向部11aの前面に、処理体9aが固定部材49によって取り付けられている。処理体9aは、正面視で略インボリュート曲線状の刃先に形成されたナタ状刃で構成されている。対向部11aには、既述した対向部11のような支持機構15装着用の孔部は形成されていない。その他の構成は、
図2,3に示した処理体駆動部7と略同じであり、モータM、プーリ25およびベルト24は左右反対位置に配置されている。この場合、回転用隙間Gは、対向部11aの外周面11aAと、ケーシング8における円孔43の内周面8Bとの間に形成される。
【0022】
この処理体駆動部7において、処理体9aはナタ状刃の回転中心(軸心C1)から刃先までの半径方向長が回転(矢印R1方向)が進むにつれて大きくなるので、前述した実施形態のように丸刃の処理体9自体を公転させる必要がない。すなわち、
図7(b)に示すように、処理体9aを第1回転軸19の軸芯C1回りに回転させるだけで食材Fを確実にスライス処理することができる。従って、処理体9aを自転させるための第2駆動機構を別途必要としないから、簡素で安価な構成の食材処理装置を提供できる。
【0023】
更に、上記の各実施形態では、大径の対向部11,11aを有する第1回転軸19を例示したが、
図8に示すような処理体駆動部7を有する食材処理装置も、本発明に含まれる。この処理体駆動部7では、第1回転軸19の対向部11bが、既述した対向部11,11aよりも小径に形成されるとともに、第1回転軸19の軸本体と一体的に構成されている。この場合、回転用隙間Gは、対向部11bの外周面と、ケーシング8の小径な円孔43の内周面8Bとの間に形成される。他の構造は、大きさが異なるものもあるが、
図6,7に示したものとほぼ同じである。
この食材処理装置によっても、蓋部材50を取り外すことにより大径切欠き部29を開放してケーシング内28の掃除や洗浄ができるのは言うまでもなく、処理体9aを自転させるための第2駆動機構を別途必要とすることなく、食材Fをスライス処理することができる。
【0024】
また、上記した各実施形態では、所定処理として食材のスライス処理を行なう刃物を処理体として回転軸に取り付けた食材スライス装置を例示したが、本発明はそれに限られない。例えば、所定処理として食材を厚幅に切る切断処理を行なうカッター刃を処理体として回転軸に取り付けた食材切断装置や、所定処理として食材を掻き混ぜる処理を行なうミキシング部材を処理体として回転軸に取り付けた食材ミキサー装置その他も、本発明の食材処理装置に含まれる。
【0025】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0026】
1 食材処理装置
7 処理体駆動部
8 ケーシング
8A 前面
8B 内周面
8BA 内周面
9,9a 処理体
10 第2回転軸
11,11a,11b 対向部
11aA 外周面
13 第1駆動機構
14 第2駆動機構
17 小径部
17A 外周面
19 第1回転軸
27 ゴムシールリング
28 ケーシング内
29 大径切欠き部
46 固定機構
47 ケーシング外
50 蓋部材
51 リング状本体
51A 内周面
53 雌ネジ孔
54 ボルト
57 嵌合孔
F 食材
G 回転用隙間
M モータ
R1,R2 矢印
S1,S2 隙間幅