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特許7094108表示基板、表示パネル及びそれらの作製方法、表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】表示基板、表示パネル及びそれらの作製方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1339 20060101AFI20220624BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220624BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
G02F1/1339 505
G09F9/00 338
G09F9/30 309
G09F9/30 349C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017558646
(86)(22)【出願日】2017-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 CN2017079211
(87)【国際公開番号】W WO2018054031
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-03-27
(31)【優先権主張番号】201610844162.2
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】倪 ▲歓▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼ ▲風▼珍
(72)【発明者】
【氏名】李 群
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104793408(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105116629(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0273821(US,A1)
【文献】特開2010-266711(JP,A)
【文献】中国実用新案第203982043(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1339
G02F 1/1335
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と該表示領域を包囲する周辺領域とを含み、該周辺領域でシール剤により対向基板へ固定される表示基板であって、
前記表示基板は、ベース基板と前記ベース基板の上に設けられた硬化エネルギー透過層とを含み、
前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入りまたは一致し、
前記硬化エネルギー透過層は、入射エネルギービームを、前記シール剤を硬化させるための波長の長いエネルギービームに変換する材料を含み、
前記表示基板は前記ベース基板に前記周辺領域において設けられた遮光部品をさらに含み、
前記ベース基板における前記遮光部品の投影と前記ベース基板における前記シール剤の投影とは重畳しない、表示基板。
【請求項2】
前記遮光部品と前記硬化エネルギー透過層は前記ベース基板の前記対向基板に向ける面に設けられる、請求項に記載の前記表示基板。
【請求項3】
前記遮光部品は遮光フレームである、請求項に記載の前記表示基板。
【請求項4】
前記遮光部品はブラックマトリクスである、請求項に記載の前記表示基板。
【請求項5】
前記ブラックマトリクスに開口部が設けられ、
前記開口部は前記硬化エネルギー透過層によって満たされる、請求項に記載の前記表示基板。
【請求項6】
請求項1~のいずれに記載の表示基板と、
前記シール剤により前記表示基板と合わせる対向基板と、を含む表示パネル。
【請求項7】
前記表示基板は前記ベース基板の上に設けられたカラーフィルター層をさらに含む、請求項に記載の前記表示パネル。
【請求項8】
前記対向基板はフィルムトランジスタ層と該フィルムトランジスタ層にレイアウトされたカラーフィルター層を含む、請求項に記載の前記表示パネル。
【請求項9】
請求項のいずれに記載の表示パネルを含む表示装置。
【請求項10】
表示領域と周辺領域とを含み、該周辺領域でシール剤により対向基板へ固定される表示基板の作製方法であって、
ベース基板を用意するステップと、および
前記ベース基板に前記周辺領域において硬化エネルギー透過層を形成するステップであって、前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入りまたは一致するステップと、を含み、
前記硬化エネルギー透過層は、入射エネルギービームを、前記シール剤を硬化させるための波長の長いエネルギービームに変換する材料を含み、
硬化エネルギー透過層を形成するステップは、
ベース基板にブラックマトリクスを形成することと、
パターニング工程によりブラックマトリクスに開口部を形成することと、
開口部に堆積により硬化エネルギー透過層を形成すること、または、開口部に染料を塗布し且つ染料を乾燥させて硬化エネルギー透過層を形成することと、を含む、表示基板の作製方法。
【請求項11】
表示領域と周辺領域を含む表示パネルの作製方法であって、
表示基板のベース基板に前記周辺領域において硬化エネルギー透過層を形成するステップと、
前記表示基板または対向基板にシール剤を塗布するステップであって、前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入りまたは一致するステップと、および
前記表示基板と前記対向基板を合わせ、前記シール剤を硬化させるステップと、を含み、
前記硬化エネルギー透過層は、入射エネルギービームを、前記シール剤を硬化させるための波長の長いエネルギービームに変換する材料を含み、
硬化エネルギー透過層を形成するステップは、
ベース基板にブラックマトリクスを形成することと、
パターニング工程によりブラックマトリクスに開口部を形成することと、
開口部に堆積により硬化エネルギー透過層を形成すること、または、開口部に染料を塗布し且つ染料を乾燥させて硬化エネルギー透過層を形成することと、を含む、表示パネルの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相関の特許出願
本願は、2016年9月23日に提出した中国特許201610844162.2の出願を優先権主張の基礎とし、そのすべてを引用してここに組み合わせる。
【0002】
本発明は、表示の技術分野に関するものであり、具体的には、表示基板、表示パネル及びそれらの作製方法、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
液晶表示装置(LCD)は体積が小さい、消費電力が低い、発熱量が小さい、無放射などのメリットがあって、例えばテレビ、コンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話などの設備に幅広く使わされている。LCDにおいて、表示パネルは対向して設けられたアレイ基板とカラーフィルター基板を含む。アレイ基板とカラーフィルター基板を貼り合わせて液晶層をシールするため、表示パネルの周縁にシール剤を備える。一般的に、カラーフィルター基板にシール剤を塗布した後、紫外光によりシール剤を硬化させ、これによって、アレイ基板とカラーフィルター基板とを合わせてなる。一般的にカラーフィルター基板におけるシール剤に対応する領域にブラックマトリクスが設けられ、紫外光がこのブラックマトリクスを透過できないので、アレイ基板側から照射しなければならない。これは、シール剤の硬化の効率を低くさせ、アレイ基板とカラーフィルター基板の合わせる効果に影響を与え、さらに表示の効果と耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明1の表示基板は、表示領域と該表示領域を包囲する周辺領域とを含む。前記表示基板は周辺領域でシール剤により対向基板へ固定される。前記表示基板は、ベース基板と前記ベース基板の上に設けられた硬化エネルギー透過層とを含む。前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入りまたは一致する。
【0005】
この発明1の表示基板において、硬化エネルギービームに対して透明の硬化エネルギー透過層を表示基板に設けることにより、硬化エネルギービームを該表示基板側から該硬化エネルギー透過層を経てシール剤に照射することが可能になり、対向基板側から照射する必要はなく、これによって、硬化エネルギービームによるシール剤の硬化の効率を向上し、さらに表示の効果と耐用年数を向上する。ここで、かかる「表示基板」、「対向基板」とは、合わせて形成した表示パネルの二つの基板を意味し、それらの機能や作用を限定する趣旨ではない。一般的に、これら用語は互いに交換して使われてもよい。例えば、いずれ一方を表示基板といい、その他方を対向基板といってもよい。
【0006】
また、本発明1の表示基板は、前記ベース基板に前記周辺領域において設けられる遮光部品をさらに含み、前記ベース基板における前記遮光部品の投影と前記ベース基板における前記シール剤の投影とは重畳しない。
【0007】
この発明1の表示基板において、遮光部品は表示基板における可視光の漏れ(光漏れ)を防止し、表示効果を向上するとともに、硬化エネルギービームのシール剤への照射を妨害しない。以下に説明したように、この遮光部品は遮光フレームまたはブラックマトリクスである。
【0008】
また、本発明1の表示基板は、前記遮光部品と前記硬化エネルギー透過層は前記ベース基板の前記対向基板に向ける面に設けられる。
【0009】
この発明1の表示基板において、遮光部品と硬化エネルギー透過層はともに表示基板の対向基板に向ける面に設けられるので、より適宜に表示基板の光漏れを防止することができ、表示の効果向上に寄与する。
【0010】
また、本発明1において、前記遮光部品は遮光フレームである。
【0011】
この発明1の表示基板において、遮光フレームは可視光に対して不透明の材料よりなる独立の部品で、表示基板の作製途中で表示基板に貼り合うのである。遮光フレームの採用で、複雑のフィルミング工芸やパッタニング工芸などのステップがいらなく、工程の簡単化に有利で、生産ラインに占める時間を減少し、表示基板の生産コストの低減に寄与する。
【0012】
また、本発明1において、前記遮光部品はブラックマトリクスである。
【0013】
この発明1の表示基板において、既知の表示基板は一般的にブラックマトリクスを使っているので、本発明の表示基板は既知の表示基板とは交換できる。既知の表示基板とその作製方法に対する改変を最低限にさせる。
【0014】
また、本発明1において、前記ブラックマトリクスに開口部が設けられ、前記開口部は前記硬化エネルギー透過層によって満たされる。
【0015】
この発明1の表示基板において、ブラックマトリクスの形状と硬化エネルギー透過層の形状とは相補であり、ブラックマトリクスは効果的に光漏れを抑制し表示の効果を保証できる。そして、硬化エネルギー透過層は効果的に硬化エネルギービームを透過させてシール剤を硬化させる効果を向上する。
【0016】
また、本発明1において、前記硬化エネルギー透過層は紫外光に対して透明の材料を含む。
【0017】
この発明1の表示基板において、硬化エネルギー透過層は紫外光に対して透明であるので、紫外光がこの硬化エネルギー透過層を透過することが許され、これにより、紫外硬化、つまり光硬化が得られる。ここで、用語「透明」とは、透過率≧60%、≧75%、≧90%ないしは=100%。この紫外光の波長範囲は例えば100~400nmであり、例えば250~380nmである。この紫外光の波長は例えば254nm、313nm、365nmなどである。
【0018】
また、本発明1において、前記硬化エネルギー透過層は赤外線に対して透明の材料を含む。
【0019】
この発明1の表示基板において、硬化エネルギー透過層は赤外光に対して透明であるので、赤外光がこの硬化エネルギー透過層を透過することが許され、赤外硬化、つまり熱硬化が得られる。この赤外光の波長範囲は例えば0.75~500μmであり、例えばNd:YAGレーザーによるのは1.064μmで、COレーザーによるのは10.6μmである。
【0020】
また、本発明1において、前記硬化エネルギー透過層は入射エネルギービームを硬化エネルギービームに変換する材料を含む。
【0021】
この発明1の表示基板において、硬化エネルギー透過層は波長変換材料を含み、入射エネルギーをシール剤を硬化するための硬化エネルギービームに変換する。例えば波長変換材料は基材とそれにドーピングした希土類イオンを含む。この波長変換材料により入射エネルギービームに上がり(頻度上昇)変換または下がり(頻度下降)変換を行い、シール剤を硬化させるための紫外光や赤外光などの硬化エネルギービームが得られる。この基材は例えばフッ化物、酸化物、硫黄化合物、フッ素酸化物、ハロゲン化合物の一つまたはそれらの混合物である。この希土類イオンは、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、スカンジウム(Sc)とイットリウム(Y)イオンの一つまたは複数である。
【0022】
また、本発明1において、前記硬化エネルギー透過層は入射エネルギービームを前記シール剤を硬化させるための波長の長いエネルギービームに変換する材料を含む。
【0023】
この発明1の表示基板において、硬化エネルギー透過層の波長変換材料は入射エネルギービームに下がり変換を行う下がり変換材料である。例えばこの下がり変換材料はストークス(Stokes)法則によれば紫外光を赤外光に変換する。これによって、別途に赤外光源が備えられなくても、単なる紫外光源で同時に光硬化と熱硬化を実現できる。例を挙げるが、下がり変換材料はLaNdYbOF:Nd3+,Yb3+で、353nmのレーザーに励起されると950~1100nmの近赤外光を発出する。ここで、「波長の長い」とは、変換により得られるエネルギービームは入射したエネルギービームより波長が長い。
【0024】
また、本発明1において、前記硬化エネルギー透過層は入射エネルギービームを前記シール剤を硬化させるための波長の短いエネルギービームに変換する材料を含む。
【0025】
この発明1の表示基板において、硬化エネルギー透過層の波長変換材料は入射エネルギービームに上がり変換を行う上がり変換材料である。例えばこの上がり変換材料は反ストークス(Anti-Stokes)法則によれば赤外光を紫外光に変換する。これによって、別途に紫外光源が備えられなくても、単なる赤外光源で同時に光硬化と熱硬化を実現できる。一例示として、上がり変換材料はYGdYbHoO:Gd3+で、976nmの赤外光に励起されると309nmと315nmの紫外光を発出する。さらに一例示として、上がり変換材料はNaYF:Er3+で、緑光に励起されると310nmと340nmの紫外光を発出する。さらに一例示として、上がり変換材料はYF:Yb3+で、赤外光に励起されると500nmの緑光を発出する。また、さらに一例示として、上がり変換材料は二つまたはそれ以上の希土類イオンのドーピングによるフッ化物基材であり、例えばYF:Tm3+,Yb3+とYF:Tm3+,Yb3+,Nd3+976nmの場合、796nmのレーザーに励起されると紫外光と青光を発出する。ここで、「波長の短い」とは、変換により得られるエネルギービームは入射したエネルギービームより波長が短い。
【0026】
本発明2の表示パネルは、上記した表示基板と、前記シール剤により前記表示基板と合わせる対向基板と、を含む。
【0027】
この発明2の表示パネルにおける、上記した表示基板のそれぞれと同じまたは相似である利点について、ここで贅言しなくて略される。
【0028】
また、本発明2において、前記表示基板は前記ベース基板の上に設けられたカラーフィルター層をさらに含む。
【0029】
この発明2の表示パネルにおいて、表示基板はカラーフィルター層を含み、さらに対向基板はフィルムトランジスタ層を含み、つまり、表示基板はカラーフィルター基板で、対向基板はアレイ基板である。硬化エネルギー透過層をカラーフィルター基板に適用することによって、硬化エネルギービームをカラーフィルター基板側から硬化エネルギー透過層を経てシール剤に照射することができるが、アレイ基板側から照射する必要がないので、硬化エネルギービームによるシール剤の硬化の効率を向上し、表示の効果と耐用年数を向上する。
【0030】
また、本発明2において、前記対向基板はフィルムトランジスタ層と該フィルムトランジスタ層の上にレイアウトされたカラーフィルター層を含む。
【0031】
この発明2の表示パネルにおいて、対向基板はフィルムトランジスタとカラーフィルター層を含み、つまり、対向基板はCOA(Color Filter On Array, カラーフィルターアレイ)基板である。硬化エネルギー透過層をこのCOA基板と合わせる表示基板に適用することによって、硬化エネルギービームをこの表示基板側から硬化エネルギー透過層を経てシール剤に照射することができるが、COA基板側から照射する必要がので、硬化エネルギービームによるシール剤の硬化の効率を向上し、表示の効果と耐用年数を向上する。
【0032】
本発明3の表示パネルは、上記した表示パネルを含む。
【0033】
この発明の表示パネルと表示装置における、上記した表示基板のそれぞれと同じまたは相似である利点について、ここで贅言しなくて略される。
【0034】
本発明4の表示基板の作製方法は、表示領域と周辺領域とを含み、該周辺領域でシール剤により対向基板へ固定される表示基板の作製方法であって、ベース基板を用意するステップと、および、前記ベース基板に前記周辺領域において硬化エネルギー透過層を形成するステップであって、前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入りまたは一致するステップと、を含む表示基板の作製方法。
【0035】
この発明4の表示基板の作製方法において、硬化エネルギー透過層を形成するステップは、ベース基板にブラックマトリクスを形成することと、パッタンイング工程によりブラックマトリクスに開口部を形成することと、開口部に染料を塗布することと、および染料を乾燥させて硬化エネルギー透過層を形成することと、を含む。
【0036】
この発明4の表示基板の作製方法において、硬化エネルギー透過層を形成するステップは、ベース基板にブラックマトリクスを形成することと、パッタンイング工程によりブラックマトリクスに開口部を形成することと、開口部に堆積により硬化エネルギー透過層を形成することと、を含む。
【0037】
本発明5の表示パネルの作製方法は、表示領域と周辺領域を含む表示パネルの作製方法であって、表示基板のベース基板に前記周辺領域において硬化エネルギー透過層を形成するステップと、前記表示基板または対向基板にシール剤を塗布するステップであって、前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入りまたは一致するステップと、および前記表示基板と前記対向基板を合わせ、前記シール剤を硬化させるステップと、を含む表示パネルの作製方法。
【0038】
この発明4と5の表示パネルと表示装置の作製方法における、上記した表示基板のそれぞれと同じまたは相似である利点について、ここで贅言しなくて略される。
【0039】
以上の一般的な説明と以下の詳細的な説明は、例示的、解釈的なもので、いずれの形態で本発明を限定する意図はない。本発明の実施例は、特許請求の範囲であげられた特徴のすべての可能的な組み合わせに関わる。
【0040】
本発明の実施例にかかる技術案をより明確的に説明するために、これから、実施例にかかる図面について簡単に紹介するが、もちろん、以下で紹介する図面は本発明の実施例だけにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1A】表示パネルの模式的な平面図である。
図1B図1AのA-B線に沿う模式的な断面図である。
図2A】本発明の一実施例にかかる表示パネルの模式的な平面図である。
図2B図2AのC-D線に沿う模式的な断面図である。
図3A】本発明の一実施例にかかる表示パネルの模式的な平面図である。
図3B図3AのE-F線に沿う模式的な断面図である。
図3C図3Bにかかる表示パネルの一変形例の模式的な断面図である。
図3D図3Bにかかる表示パネルのもう一変形例のの模式的な断面図である。
図4】本発明の一実施例にかかる表示基板の作製方法のフローチャートである。
図5】本発明の一実施例にかかる表示パネルの作製方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
上記の図面によって、本発明の明確的な実施例が示されているが、上文の記載によっては、さらに詳細的な論述がある。これらの図面と文字的な記載は、いずれの形態で本発明の思想の範囲を限定する意図はなく、特定の実施例を参考しながら当業者に本願発明の概念を説明したいのである。
【0043】
本発明実施例の目的、技術案と利点をより明確にさせるため、以下に図面を参考しながら本発明実施例の技術案をさらに詳細に説明する。
【0044】
図1Aは表示パネルの平面図を模式的に示しているが、図1Bは表示パネルの断面図をしめしている。図に示すように、表示パネル1は対向基板110、表示基板130とそれらの間に介する液晶層140を含む。対向基板110は一般的に第一のベース基板111とその上に設けられたフィルムトランジスタ層112を含んでいる。つまり、この場合、この対向基板110はアレイ基板である。表示基板130は一般的に第二のベース基板131、この第二のベース基板131の対向基板110に向ける面に設けられたカラーフィルター層132とブラックマトリクス133を含んでいる。すなわち、この場合、この表示基板130はカラーフィルター基板である。ブラックマトリクス133は表示パネル1の周辺領域に設けられ、表示パネル1の表示領域AAを包囲している。表示基板130はシール剤120によって対向基板110と合わせる。
【0045】
シール剤120は一般的にカラーフィルター基板130に塗布されている。この塗布後、紫外光などの硬化エネルギービーム160によってあらかじめ硬化が行われる。これを行うことで、それからドリップされる液晶がシール剤120が覆う領域へ拡散していき、さらに硬化していないシール剤120に触れて汚されることが防止される。ブラックマトリクス133は紫外光を遮蔽するので、表示パネル1のアレイ基板110側から紫外光160を照射しなければならない。アレイ基板110は一般的に金属配線(図を示しない)を有しているが、この場合、これら金属配線は紫外光を一部的に遮蔽するので、紫外光によるシール剤120の硬化の効率が低下する。
【0046】
アレイ基板110におけるシール剤120の近くの金属配線をより細くさせかつネット状にさせることによって紫外光160の透過効率が向上し、シール剤120の硬化の効率が向上するが、これは、金属配線の導電性の低下につながり、表示パネル1の電気性を影響する。
【0047】
紫外光160をアレイ基板110側から照射する場合、紫外光160の相当量はアレイ基板110に吸収されて無駄になった。また、アレイ基板110が紫外光を吸収した後温度が上昇する。これにより、シール剤120の粘度が低下し、アレイ基板110とカラーフィルター基板130の嵌め合いが悪くなり、液晶が液晶ボックスから漏れることや外界水気が液晶ボックスに入れることがもたらされ、さらに、表示の輝度が均一ではないなどの表示不都合が生じられる。
【0048】
この表示パネル1は狭いフレームのデザインを採用する場合、周辺領域とそれに設けられたシール剤120がさらに狭くなる。この場合は、シール剤120の粘度低下がひどくなる。
【0049】
アレイ基板110は紫外光160に対する透過率が均一ではないため、シール剤120に達する紫外光160の強度が均一にならなくなり、照射量不足の部分が存在する。これによって、シール剤120の硬化が十分にならなく、染み出すこともあり、表示の不都合が生じられる。
【0050】
このため、本発明の一実施例は、表示領域と該表示領域を包囲する周辺領域とを含む表示基板を提供し、この表示基板は周辺領域でシール剤により対向基板へ固定される。この表示基板は、ベース基板とこのベース基板の上に設けられる硬化エネルギー透過層とを含む。このベース基板におけるこのシール剤の投影はこのベース基板におけるこの硬化エネルギー透過層の投影に入り、または一致する。
【0051】
用語「硬化エネルギー透過層」とは、硬化エネルギービームを透過させるのが許される材料層であり、例えば60%以上、75%以上、90%以上ないしは100%の硬化エネルギービームがこの材料層を透過することができる。表示基板に硬化エネルギービームに対して透明の硬化エネルギー透過層を設けることにより、硬化エネルギービームをこの表示基板側からこの硬化エネルギー透過層を経てシール剤に照射することが可能になり、対向基板側から照射を行う必要はなく、これにより、硬化エネルギービームによるシール剤の硬化の効率を向上し、さらに表示の効果と耐用年数を向上する。
【0052】
図2A図2Bを参考しながら、例示的な一の実施例として、表示パネル2は対向基板210、表示基板230、それらに介している液晶層240を含む。対向基板210は一般的に第一のベース基板211とその上に設けられたフィルムトランジスタ212を含む。表示基板230は第二のベース基板231とこの第二のベース基板231における対向基板210に向ける面に設けられたカラーフィルター層232とブラックマトリクス233を含む。この場合、この対向基板210はアレイ基板で、この表示基板230はカラーフィルター基板である。表示基板230はシール剤220によって対向基板210へ固定される。
【0053】
図2Bに示すように、この表示基板230はさらにこの第二のベース基板231に設けられた硬化エネルギー透過層250を含む。この第二のベース基板231におけるシール剤220の投影がこの第二のベース基板231におけるこの硬化エネルギー透過層250の投影に入りまたは一致する。この表示基板230が硬化エネルギービームに対して透明の硬化エネルギー透過層250に設けられているため、図2Bに示すように、硬化エネルギービーム260をこの表示基板側230からこの硬化エネルギー透過層250を経てシール剤220に照射する。すなわち、硬化エネルギービーム260がフィルムトランジスタ層212を含む対向基板210側から照射を行う必要はなく、これにより、硬化エネルギービーム260によるシール剤220の硬化の効率を向上する。
【0054】
図1A図1Bの表示基板130と類似のように、上記表示基板230は上記表示パネル2の周辺領域に設けられた遮光部品233を含んでいる。しかし、図2A図2Bに示すように、この遮光部品233の上記第二のベース基板231における投影と上記シール剤220の上記第二のブース基板231における投影とは重畳していない。この遮光部品233は表記パネル2の可視光の漏れを防止し、表示効果を向上する。この遮光部品233とこのシール剤220とは第二のベース基板231において投影が重畳していないため、この遮光部品233は硬化エネルギービーム260がシール剤220に照射することを干渉しない。
【0055】
図2Bに示すように、上記遮光部品233と上記硬化エネルギー透過層250が上記表記基板230の上記対向基板210に向ける面に設けられている。これは、表示パネルの光漏れの防止、さらに表示の効果に寄与している。
【0056】
例示的な一の実施例として、上記遮光部品233は遮光フレームであり、可視光に対して不透明の材料よりなり、単独のものである。表示基板230の作製の際この表示基板に貼り合うのである。遮光フレームである場合、複雑のフィルミングやパーテニング化の工程がいらないので、有利である。
【0057】
例示的な一の実施例として、上記遮光部品233はブラックマトリクスである。当業者に知られているに、既知のカラーフィルター基板は一般的にブラックマトリクスを採用しているが、既知の表示基板を小さく変更させてこの実施例の表示基板230を実現できる。
【0058】
図2A図2Bに示すように、上記ブラックマトリクス233に開口部が設けられ、この開口部は上記硬化エネルギー透過層250で満たされる。この硬化エネルギー透過層250が完全にこのブラックマトリクス233の開口部を充填しているため、このブラックマトリクス233が効果的に光漏れを抑制することだけではなく、この硬化エネルギー透過層250が効果的に硬化エネルギービームを透過させて、シール剤220を硬化させる。
【0059】
本発明の実施例において、この硬化エネルギー透過層250の可視光に対する透過率が比較的に低いが、例えば30%、10%、1%より低くて、ないしは全然可視光を透過しない。これによって、ブラックマトリクス233の開口部に応用する場合、この硬化エネルギー透過層250が効果的に可視光の漏れを妨げるが、一方、表示パネル2の表示機能に影響しない。
【0060】
例示的な一の実施例として、硬化エネルギー透過層をすべて既知のカラーフィルター基板のブラックマトリクスに切り替えている。これについて、以下で図3A図3Bを参考しながらより詳細に紹介する。それに示すように、表示パネル3は対向基板310、表示基板330、それらに介する液晶層340を含んでいる。対向基板310は、第一のベース基板311とその上に設けられたフィルムトランジスタ層312を含んでいる。表示基板330は第二のベース基板331とカラーフィルター層332を含んでいる。表示基板330はシール剤320により対向基板310へ固定される。
【0061】
図3Bに示す実施例において、この表示基板330はこの第二のベース基板231の上に設けられた硬化エネルギー透過層350をさらに含む。例えば、シール剤320の該第二のベース基板331における投影はこの硬化エネルギー350の該第二のベース基板331における投影に入る。硬化エネルギービーム360をこの表示基板330側からこの硬化エネルギー透過層350を経てシール剤320に照射する。図1Bの表示基板130と比べてみると、この表示基板330の硬化エネルギー透過層350はまったくブラックマトリクスを切り替えている。これにより、硬化エネルギービームの透過を許すだけではなく、表示パネル3の表示領域AAを定義する。図2Bに示す実施例に比べてみると、この表示基板330はブラックマトリクスなどの遮光部品を含んでいないため、表示基板330の部品数は少なくなり、構造の簡単かとコストの低減に至る。
【0062】
以上に記載されている各実施例において、硬化エネルギー透過層を表示パネルのカラーフィルター基板に応用している。すなわち、アレイ基板と合わせる対向基板に応用している。他の実施例において、この硬化エネルギー透過層をCOA基板と合わせる対向基板に応用している(図3Cを参考)。
【0063】
従来のCOA基板については、このCOA基板と合わせる対向基板は一般的に表示パネルの表示領域AAを定義するための遮光部品を含んでいる。この遮光部品は紫外光などの硬化エネルギービームに対して透過不可能であるので、COA基板側から照射を行わなければならない。シール剤の硬化効率を低下させる。
【0064】
図3Cに示す表示パネル3において、COA基板310は第一のベース基板311、第一のベース基板311の上に位置するフィルムトランジスタ層312、フィルムトランジスタ層312の上に位置するカラーフィルター層313とブラックマトリクス314を含んでいる。対向基板330は第二のベース基板331と硬化エネルギー透過層350を含んでいる。シール剤320の該第二のベース基板331における投影がこの硬化エネルギー透過層350の第二のベース基板331における投影内に入っている。硬化エネルギービーム360をこの対向基板330側からこの硬化エネルギー透過層350を経てシール剤320に照射する。ここで図3Bに示す実施例と異なるのは、この硬化エネルギー透過層350がCOA基板310と合わせる対向基板330の上にレイアウトされるのである。
【0065】
上記の各実施例において、第一のベース基板211、311と第二のベース基板231、331は一般的に透明基板で、例えばガラスや樹脂である。
【0066】
上記の各実施例において、硬化エネルギー透過層250、350の材料は例えば紫外光に対し透明的であることによって、紫外光がこの硬化エネルギービーム250、350を透過することが許されてなるので、紫外硬化つまり光硬化が実現される。切り替え実施例として、この硬化エネルギー透過層250、350の材料は例えば赤外光に対して透明的であることによって、赤外光がこの硬化エネルギー透過層を透過することが許されてなるので、赤外硬化、つまり熱硬化が実現される。この紫外光の波長範囲は例えば100~400nmであり、この赤外光の波長範囲は例えば0.75~500μmである。この紫外光と赤外光、またそれらの発生の方式は当業者にとっては既知であるので、ここで説明が略される。
【0067】
図3Dに示すように、例示的な一の実施例として、硬化エネルギー透過層350は例えば波長変換材料を含み、入射エネルギービーム360をシール剤を硬化するための硬化エネルギービーム360’に変換する。波長変換材料は基材とそれにドーピングした希土類イオンを含む。この基材は例えばフッ化物、酸化物、硫黄化合物、フッ素酸化物、ハロゲン化合物の一つまたはそれらの混合物である。
【0068】
例示的な一の実施例として、波長変換材料は入射エネルギービーム360に対し下がり変換を行い、エネルギービーム360’の波長をエネルギービーム360より長くさせる。例えばエネルギービーム360は紫外光である一方、エネルギービーム360’は赤外光である。この形態では、単一の紫外光源で同時に光硬化と熱硬化が実現される。この波長変換材料はLaNdYbOF:Nd3+,Yb3+である。
【0069】
例示的な一の実施例として、波長変換材料は入射エネルギービーム360に対し上がり変換を行い、エネルギービーム360’の波長をエネルギービーム360より短くさせる。例えばエネルギービーム360は赤外光である一方、エネルギービーム360’は紫外光である。この形態で、単一の赤外光源で同時に光硬化と熱硬化が実現される。この波長変換材料は例えばYGdYbHoO:Gd3+、NaYF:Er3+、YF:Tm3+,Yb3+とYF:Tm3+,Yb3+,Nd3+976nmである。
【0070】
上記の各実施例の表示基板230、330において、硬化エネルギービーム260、360は、フィルムトランジスタ層212、312を含む対向基板210、310側からではなくて、硬化エネルギー透過層250、350を含む表示基板230、330側から照射される。このため、対向基板210、310の金属配線を改変する必要がなく、これら金属配線の導電性を維持し、表示パネルの電気性への影響はない。
【0071】
硬化エネルギービーム260、360が対向基板210、310側で照射しないので、対向基板210、310が紫外光などの硬化エネルギービームを吸収することによる紫外光の無駄と温度上昇の問題はない。これにより、硬化エネルギービームの利用効率を向上する。なお、これにより、シール剤の粘度の低下を避け、表示基板と対向基板との適宜な嵌め合いを保証する。このため、液晶ボックスからの液晶の漏れや外界水気の液晶ボックスへの侵入を有効的に防止する。
【0072】
硬化エネルギー透過層250、350を備えることで、上記の表示基板230、330を狭いフレームのデザインの表示パネルに応用することに有利で、シール剤の粘度低下の恐れがない。
【0073】
なお、硬化エネルギー透過層250、350の硬化エネルギービーム260、360に対する透過率が均一であることにより、シール剤220、320に達した硬化エネルギービーム260、360の強度が均一になる。シール剤を均一に硬化させることに有利で、表示基板と対向基板との確実な貼り合いが得られる。
【0074】
上記の各実施例において、硬化エネルギービームが紫外光または赤外光であって、それぞれ独立でシール剤の光硬化と熱硬化を完成させる。しかし、本発明の各実施例においてこれに限らなく、この硬化エネルギービームはシール剤を硬化させることが可能なものであれば、いずれの形態や帯のエネルギービームであってもよい。
【0075】
以下で図2Bの表示パネルを例として、その表示基板と表示パネルの作製方法を簡単に説明する。
【0076】
図4には、本発明の一実施例の表示基板を作製する方法が示されている。この方法はベース基板を用意するステップS410と、および、前記ベース基板に前記周辺領域において硬化エネルギー透過層を形成するステップであって、前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入りまたは一致するステップとS420、を含む。
【0077】
図2Bを参考して、表示パネル2は表示領域AAと周辺領域を含み、また周辺領域においてシール剤220によりフィルムトランジスタ層212を含む対向基板210へ固定される。それに示すように、この方法は、第二のベース基板231を準備するステップ、第二のベース基板231の周辺領域に硬化エネルギー透過層250を形成するステップを含む。シール剤220の第二のベース基板231における投影が硬化エネルギー透過層250の第二のベース基板231における投影に入りまたは一致する。
【0078】
例えば、硬化エネルギー透過層250を形成するステップは、第二のベース基板231にブラックマトリクス233を形成することと、パッタンイング工程によりブラックマトリクス233に開口部を形成することと、開口部に染料を塗布することと、および染料を乾燥させて硬化エネルギー透過層250を形成することと、を含む。
【0079】
例えば、硬化エネルギー透過層250を形成するステップは、第二のベース基板231にブラックマトリクス233を形成することと、パッタンイング工程によりブラックマトリクス233に開口部を形成することと、開口部に堆積により硬化エネルギー透過層250を形成することと、を含む。堆積は例えばCVD、PVD(PECVD)、蒸着、スパッタリングなどをあげられる。
【0080】
図5には、本発明の一実施例の表示パネルを作製する方法が示されている。この方法は示基板のベース基板に前記周辺領域において硬化エネルギー透過層を形成するステップS510と、および、前記表示基板または対向基板にシール剤を塗布するステップであって、前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入りまたは一致するステップS520と、および前記表示基板と前記対向基板を合わせ、前記シール剤を硬化させるステップS530と、を含む。
【0081】
図2Bを参考して、この方法は、表示基板230の第二のベース基板231の周辺領域に硬化エネルギー透過層250を形成するステップと、表示基板230または対向基板210にシール剤を塗布するステップであって、シール剤220の第二のベース基板231における投影が硬化エネルギー透過層250の第二のベース基板231における投影に入りまたは一致するステップと、表示基板230と対向基板210とをあわせてシール剤220を硬化させるステップと、を含む。
【0082】
本発明この実施例の表示パネルと表示装置の作製方法における、上記した表示基板のそれぞれと同じまたは相似である利点について、ここで贅言しなくて略される。
【0083】
なお、上記の実施例に記載の方法とステップによれば、当業者にとって、他の図面に示す表示基板の方法とステップが相似であることがわかられるので、ここで贅言しなくて略される。
【0084】
こ発明の実施例は、表示基板、表示パネル、それらの作製方法、および表示装置を公開している。この表示基板は表示領域とこの表示領域を包囲する周辺領域を含む。前期表示基板は、その周辺領域でシール剤により対向基板へ固定される。前記表示基板はベース基板と該ベース基板の上に設けられた硬化エネルギー透過層を含む。前記ベース基板における前記シール剤の投影は前記ベース基板における前記硬化エネルギー透過層の投影に入り、または一致する。表示基板に硬化エネルギービームに対して透明の硬化エネルギー透過層を設けることにより、硬化エネルギービームを該表示基板側から該硬化エネルギー透過層を経てシール剤に照射することが可能になり、対向基板側から照射する必要はなく、硬化エネルギービームによるシール剤の硬化の効率を向上する。
【0085】
別途に定義がある以外、本公示で使用される技術用語や科学用語は、本発明が属する領域の通常の意味や当業者にとって理解している通常の意味であるべきである。本公示で使用される「第一」、「第二」および類似の用語は、いかなる順序、数量や重要性などを示す趣旨ではなく、異なる部分を区別することにある。同様に、「一つ」、「一」、「該」や「この」など類似の用語も数量を限定する趣旨ではなく、少なくとも一つあるという意味である。「含む」など類似の用語は、含むものが含まれるものやそれと均等のものをカバーしているという意味であって、他のもののカバーを除外する趣旨ではない。「接続」や「つながる」など類似の用語は、物理的や機械的な接続を限定する趣旨ではなく、電気的な接続の場合もあって、直接的でもよくて、間接的でも良い。「上」、「下」、「左」、「右」などは相対的な位置関係を示すにすぎないが、絶対的な位置が変わると、それに応じて相対的な位置関係も変わる場合がある。矛盾のところがないかぎり、上記の実施例における特徴は任意の組み合わせで適用可能である。
【0086】
以上に記載されたのは、本発明の具体的な実施の形態だけで、本発明の保護範囲はそれに限らない。当業者にとって本発明が公開した技術的範囲内において容易に想到できる変更や変形などはすべて本発明の保護範囲に属すべきである。したがって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0087】
1、2、3 表示パネル
110、210、310 対向基板
111、211、311 第一のベース基板
112、212、312 フィルムトランジスタ層
120、220、320 シール剤
130、230、330 表示基板
131、231、331 第二のベース基板
132、232、313、332 カラーフィルター層
133、233、314 ブラックマトリクス
140、240、340 液晶層
250、350 硬化エネルギー透過層
160、260、360、360’ 硬化エネルギービーム
AA 表示領域
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5