(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】タッチモニタおよび表示システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220624BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
G06F3/041 500
G09G5/00 510H
(21)【出願番号】P 2018060609
(22)【出願日】2018-03-27
【審査請求日】2021-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】317014747
【氏名又は名称】シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】趙 鉉宇
(72)【発明者】
【氏名】上田 昌孝
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-260567(JP,A)
【文献】特開平11-161426(JP,A)
【文献】特開2000-112597(JP,A)
【文献】特開2009-199477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタと、
タッチパネルと、
前記モニタと前記タッチパネルとをコンピュータにおいて対応付けるための情報としての
1つの固有情報を記憶する
1つのメモリと、を備え、
前記モニタおよび前記タッチパネルは、
いずれか一方が、前記
1つのメモリから取得した前記
1つの固有情報を
前記コンピュータに提供する一方、
他方が前記
1つの固有情報
の複製を前記コンピュータに提供することを特徴とするタッチモニタ。
【請求項2】
前記タッチパネルは、
タッチ入力を受け付けるタッチパネルモジュールと、
前記タッチパネルモジュールの出力信号に対し所定の処理を行うタッチパネルコントローラをさらに有し、
前記
1つのメモリは、前記モニタに設けられ、前記モニタに関する前記
1つの固有情報を記憶しており、
前記タッチパネルコントローラは、前記
1つの固有情報を読み出し可能となるように前記
1つのメモリに接続されており、前記
1つの固有情報を前記
1つのメモリから読み出して自己の前記
複製として前記コンピュータに提供することを特徴とする請求項
1に記載のタッチモニタ。
【請求項3】
請求項1
または2に記載のタッチモニタを1つ以上備えるとともに、
前記タッチモニタと接続されるコンピュータを備え、
前記コンピュータは、
前記モニタおよび前記タッチパネルの
いずれか一方から提供された前記
1つの固有情報
と、他方から提供された前記複製とを、前記モニタと前記タッチパネルとで個別に登録かつ管理する登録管理部と、
1つ以上の前記モニタと
1つ以上の前記タッチパネルとのそれぞれについて管理され
た前記
1つの固有情報
および前記複製のうち、一致した前記
1つの固有情報
および前記複製についての前記モニタと前記タッチパネルとを対応付ける対応付け部とを有していることを特徴とする表示システム。
【請求項4】
モニタと、
タッチパネルと、
前記モニタと前記タッチパネルとをコンピュータにおいて対応付けるための情報としての固有情報を記憶するメモリと、を備え、
前記モニタおよび前記タッチパネルは、それぞれが、前記メモリから取得した前記固有情報を用いて、同一の前記固有情報を前記コンピュータに提供し、
前記モニタおよび前記タッチパネルは、いずれか一方が他方に関する前記固有情報を前記メモリから取得して自己の固有情報として前記コンピュータに提供することを特徴とす
るタッチモニタ。
【請求項5】
モニタと、
タッチパネルと、
前記モニタと前記タッチパネルとをコンピュータにおいて対応付けるための情報としての固有情報を記憶するメモリと、を備え、
前記モニタおよび前記タッチパネルは、それぞれが、前記メモリから取得した前記固有情報を用いて、同一の前記固有情報を前記コンピュータに提供し、
前記モニタおよび前記タッチパネルと前記コンピュータとの間でのデータの入出力を行う入出力部をさらに備え、
前記メモリは、前記モニタに関する前記固有情報を記憶する第1メモリと、前記タッチパネルに関する前記固有情報を記憶する第2メモリとを含み、
前記モニタおよび前記タッチパネルは、それぞれが、前記固有情報とともに前記コンピュータに提供される複数の情報を含む情報群を出力し、
前記入出力部は、前記固有情報を読み出し可能となるように前記メモリに接続されており、前記第1メモリから予め取得した前記モニタに関する前記固有情報を前記タッチパネルの前記情報群に転記するか、あるいは前記第2メモリから予め取得した前記タッチパネルに関する前記固有情報を前記モニタの前記情報群に転記することを特徴とす
るタッチモニタ。
【請求項6】
請求項
4または5に記載のタッチモニタを1つ以上備えるとともに、
前記タッチモニタと接続されるコンピュータを備え、
前記コンピュータは、
前記モニタおよび前記タッチパネルから提供された前記固有情報を、前記モニタと前記タッチパネルとで個別に登録かつ管理する登録管理部と、
前記モニタと前記タッチパネルとのそれぞれについて管理された1つ以上の前記固有情報のうち、一致した前記固有情報についての前記モニタと前記タッチパネルとを対応付ける対応付け部とを有していることを特徴とする表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタとタッチパネルとのコンピュータにおける対応付けに用いる固有情報をコンピュータに提供するタッチモニタに関する。
【背景技術】
【0002】
モニタとタッチパネルとを組み合わせた複数台のタッチモニタをホスト機器としてのコンピュータに接続するとき、タッチパネルの接続設定を行う必要がある。
【0003】
接続設定を行わない場合、コンピュータは、全てのタッチモニタのタッチパネルへの入力を1台目のタッチモニタに表示された画面(プライマリ画面)への入力として認識する。これは、各タッチパネルのタッチパネルコントローラからの入力位置情報として、タッチパネルコントローラを搭載するタッチモニタに表示された画面における原点位置の座標がコンピュータに送られるからである。このため、各タッチモニタのモニタにそれぞれ異なる画面が表示されている場合、プライマリ画面以外の他のタッチモニタに表示されている画面での操作はできなくなる。
【0004】
そこで、各モニタに表示される画面とタッチパネルコントローラとを関連付けることで、各画面に関連付けたタッチパネルコントローラから送られる座標位置をオフセットさせる。これにより、各画面の操作を行えるようにすることができる。
【0005】
ただし、各タッチモニタに表示された画面と、各タッチモニタに搭載されたタッチパネルコントローラとの関連付けは、全て手作業で行う必要があった。
【0006】
例えば、コンピュータから、ある画面に対応したタッチパネルの入力指示を与えることで、タッチ操作されると、タッチ操作されたタッチパネルのタッチパネルコントローラから位置情報がコンピュータに送出される。コンピュータは、その位置情報を得ることで、当該画面に対するタッチパネルコントローラを特定し、特定した情報をオペレーティングシステム上で用意されたテーブルに書き込んでいく。このようなタッチ操作を、各タッチモニタに表示される画面に対して行うことで設定するという作業を行う。
【0007】
特許文献1には、このような煩わしい作業を回避する手法として、タッチモニタを構成するモニタとタッチスクリーン(タッチパネル)とをコンピュータにおいてシリアル番号に基づいて関連付けることが記載されている。特許文献1には、その関連付けを次の第1の方法または第2の方法で行う。なお、第1の方法については、特許文献1に明記されていないが、システム構成から下記のように関連付けを行うことが考えられる。
【0008】
第1の方法では、コンピュータは、モニタコントローラおよびタッチスクリーンコントローラにそれぞれ記憶されている相互に異なるシリアル番号を予め設定しておく。そして、コンピュータは、それぞれのコントローラから送られたシリアル番号と設定した2つのシリアル番号とが同じである場合、モニタをタッチスクリーンに関連付ける。
【0009】
第2の方法では、コンピュータは、複数のモニタのEDIDデータに含まれるシリアル番号を、各タッチスクリーンのEDIDデータに含まれるシリアル番号と比較し、両シリアル番号が同じであると判断すると、モニタをタッチスクリーンに関連付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2006-260567(2006年9月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記のような関連付けでは、モニタおよびタッチパネルのいずれか一方の機器が故障などによって交換する必要が生じた場合、次のような不都合が生じる。
【0012】
第1の方法では、コンピュータに予めシリアル番号が設定されている。このため、交換される新たな機器のシリアル番号を交換前の機器のシリアル番号に書き替えるか、あるいはコンピュータに設定されているシリアル番号を交換される新たな機器のシリアル番号に書き替える必要がある。
【0013】
第2の方法では、交換される機器に交換されない他方の機器のシリアル番号を書き込む必要がある。
【0014】
本発明の一態様は、モニタとタッチパネルとの対応付けをいずれか一方が交換されても容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチモニタは、モニタと、タッチパネルと、前記モニタと前記タッチパネルとをコンピュータにおいて対応付けるための情報としての固有情報を記憶するメモリと、を備え、前記モニタおよび前記タッチパネルのそれぞれが、前記メモリから取得した前記固有情報を用いて、同一の前記固有情報を前記コンピュータに提供する。
【0016】
上記の構成によれば、同一の固有情報が、それぞれモニタおよびタッチパネルによって個別にコンピュータに提供される。これにより、機器の交換に応じて、交換される新たな機器の固有情報を書き替えたり、コンピュータに設定された固有情報を書き替えたりする必要がなくなる。また、交換される機器に交換されない他方の機器の固有情報を書き込む必要もなくなる。
【0017】
したがって、モニタおよびタッチパネルのいずれか一方が交換されても、コンピュータにおいてモニタおよびタッチパネルの対応付けを容易に行うことができる。
【0018】
前記タッチモニタにおいて、前記モニタおよび前記タッチパネルは、いずれか一方が他方に関する前記固有情報を前記メモリから取得して自己の固有情報として前記コンピュータに提供してもよい。
【0019】
上記の構成によれば、モニタおよびタッチパネルのいずれか一方が交換されることで固有情報が変わっても、モニタおよびタッチパネルから同一の固有情報をコンピュータに提供することができる。
【0020】
前記タッチモニタにおいて、前記タッチパネルは、タッチ入力を受け付けるタッチパネルモジュールと、前記タッチパネルモジュールの出力信号に対し所定の処理を行うタッチパネルコントローラをさらに有し、前記メモリは、前記モニタに設けられ、前記モニタに関する前記固有情報を記憶しており、前記タッチパネルコントローラは、前記固有情報を読み出し可能となるように前記メモリに接続されており、前記固有情報を前記メモリから読み出して自己の前記固有情報として前記コンピュータに提供してもよい。
【0021】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラがモニタに関する固有情報を取得して自己の固有情報としてコンピュータに提供するので、モニタが交換されても、モニタに関する固有情報は、失われることなく、交換後のモニタとの共有情報としてコンピュータに提供される。また、タッチパネルコントローラがメモリと接続された簡易な構成でメモリに関する固有情報を取得して当該固有情報を共有することができる。
【0022】
前記タッチモニタは、前記モニタおよび前記タッチパネルと前記コンピュータとの間でのデータの入出力を行う入出力部をさらに備え、前記メモリが、前記モニタに関する前記固有情報を記憶する第1メモリと、前記タッチパネルに関する前記固有情報を記憶する第2メモリとを含み、前記モニタおよび前記タッチパネルのそれぞれが、前記固有情報とともに前記コンピュータに提供される複数の情報を含む情報群を出力し、前記入出力部が、前記固有情報を読み出し可能となるように前記メモリに接続されており、前記第1メモリから予め取得した前記モニタに関する前記固有情報を前記タッチパネルの前記情報群に転記するか、あるいは前記第2メモリから予め取得した前記タッチパネルに関する前記固有情報を前記モニタの前記情報群に転記してもよい。
【0023】
上記の構成によれば、モニタおよびタッチパネルのいずれか一方が交換されても、モニタおよびタッチパネルから同一の固有情報をコンピュータに提供することができる。
【0024】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示システムは、上記いずれかの前記タッチモニタを1つ以上備えるとともに、前記タッチモニタと接続されるコンピュータを備え、前記コンピュータが、前記モニタおよび前記タッチパネルから提供された前記固有情報を、前記モニタと前記タッチパネルとで個別に登録かつ管理する登録管理部と、前記モニタと前記タッチパネルとのそれぞれについて管理された1つ以上の前記固有情報のうち、一致した前記固有情報についての前記モニタと前記タッチパネルとを対応付ける対応付け部とを有している。
【0025】
上記の構成によれば、モニタおよびタッチパネルからそれぞれ提供された固有情報に基づいて、モニタおよびタッチパネルの対応付けを行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様によれば、モニタとタッチパネルとの対応付けをいずれか一方が交換されても容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態1に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】上記表示システムにおけるタッチパネルコントローラのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】上記表示システムにおけるタッチパネルコントローラのシステム構成を示すブロック図である。
【
図4】上記表示システムの動作手順を示すフローチャート図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態3に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について
図1~
図4に基づいて説明すると、以下の通りである。
【0029】
まず、表示システム100について説明する。
図1は、本実施形態に係るタッチモニタ1の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、表示システム100は、タッチモニタ1を1つ以上備えるとともに、コンピュータ2を備えている。なお、
図1は、表示システム100が1つのタッチモニタ1を備える構成について示している。
【0031】
タッチモニタ1は、モニタ3と、タッチパネル4とを備えている。タッチモニタ1は、モニタ3をタッチパネル4と組み合わせることにより、表示面上での操作が可能となる操作型表示装置として機能する。
【0032】
モニタ3は、コンピュータ2から提供された表示データに基づいて画像を表示する表示装置である。モニタ3は、DVI(Digital Visual Interface)インターフェース部31と、変換回路32と、表示パネル33と、EDIDメモリ34(メモリ,第1メモリ)とを有している。
【0033】
DVIインターフェース部31は、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)というシリアルデータ転送方式で、ビデオケーブル5を介して、コンピュータ2との間でデジタル信号を直接やり取りするインターフェースの部分である。これにより、DVIインターフェース部31は、TMDS形式の表示データを伝送する。また、DVIインターフェース部31は、コンピュータ2から、I2CインターフェースであるDDC(Display Data Channel)を介して、EDIDメモリ34に記憶されているEDID(Extended Display Identification Data)を読み出せるように構成されている。
【0034】
変換回路32は、TMDS形式の表示データを表示パネル33が処理できる形式の表示データに変換する回路である。
【0035】
表示パネル33は、変換回路32から出力される表示データに基づいて表示を行う表示モジュールであり、液晶表示パネル、EL表示パネルなどからなる。
【0036】
EDIDメモリ34は、上記のEDIDを記録するメモリである。EDIDメモリ34は、例えば、EEPROM(登録商標,Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)によって構成される。EDIDは、モニタ3で表示が可能な表示データ(複数の情報)の規格を一覧形式で表した情報群である。表示データは、コンピュータ2(後述する表示データ出力部24)からモニタ3に対して提供される。EDIDは、モニタ3に固有の固有情報であるシリアル番号を含んでいる。
【0037】
タッチパネル4は、タッチ操作を受け付ける入力デバイスである。タッチパネル4は、タッチパネルモジュール41と、タッチパネルコントローラ42と、USBインターフェース部43とを有している。
【0038】
タッチパネルモジュール41は、表示パネル33の表示面に重ねて配置されており、タッチパネル4の入力部を構成している。
【0039】
タッチパネルコントローラ42は、タッチパネルモジュール41のタッチ検出信号(出力信号)に対して所定の処理を行う回路である。具体的には、タッチパネルコントローラ42は、タッチパネルモジュール41のタッチ検出信号をデジタルに変換し、タッチ入力を正しく検出するための処理を行う。タッチパネルコントローラ42は、例えば、2線式のシリアルバスを有しており、当該シリアルバスから検出座標データを出力する。
【0040】
また、タッチパネルコントローラ42は、ディスクリプタを保持している。ディスクリプタは、タッチパネル4の属性を記述するデータ構造を有するデータである。
【0041】
具体的には、ディスクリプタは、複数の情報として、デバイスディスクリプタ、コンフィギュレーションディスクリプタ、インタフェースディスクリプタ、エンドポイントディスクリプタおよびストリングディスクリプタを含んでいる。このうち、ストリングディスクリプタは、デバイス、インターフェースなどの説明を記述したり、デバイスのシリアル番号を記述したりする文字列を設定できる。タッチパネルコントローラ42において、ストリングディスクリプタには、タッチパネル4のシリアル番号を記述した文字列が設定されている。
【0042】
USBインターフェース部43は、USBケーブル6を介してコンピュータ2との間でシリアルデータをやり取りするインターフェースの部分である。具体的には、USBインターフェース部43は、タッチパネルコントローラ42からの検出座標データをコンピュータ2に伝送したり、コンピュータ2からタッチパネル4に情報要求(デバイスリクエスト)を伝送したりするためのコネクタ(レセクタプル)を含む。このコネクタには、USBケーブル6が接続される。
【0043】
コンピュータ2は、汎用のOS(Operating System)を実装しており、アプリケーションプログラムを実行する機能を備えている。コンピュータ2は、USBインターフェース部21と、タッチ入力処理部22と、プログラム実行部23と、表示データ出力部24と、DVIインターフェース部25と、デバイス管理部26(登録管理部)と、管理テーブル27とを有している。
【0044】
USBインターフェース部21は、USBケーブル6を介してタッチパネル4との間でシリアルデータをやり取りするインターフェースの部分である。
【0045】
タッチ入力処理部22は、USBインターフェース部21を介して入力されたタッチパネル4の検出座標データをプログラム実行部23の処理に適した形式に変換する部分である。
【0046】
プログラム実行部23は、OS、アプリケーションプログラムなどの各種のプログラムを実行する部分である。プログラム実行部23は、タッチ入力処理部22から出力された座標検出データで表される座標への指示操作に対応付けられた命令を実行する。また、プログラム実行部23は、プログラムの実行に伴い、必要に応じてモニタ3に表示させる表示データを生成する。
【0047】
表示データ出力部24は、プログラム実行部23から出力された表示データに、モニタ3で表示するための各種の制御信号を付加するとともに、所定のタイミングで出力する部分である。
【0048】
DVIインターフェース部25は、上述のDVIインターフェース部31と同じTMDS方式で、モニタ3との間でビデオケーブル5を介して、デジタル信号を直接やり取りするインターフェースの部分である。DVIインターフェース部25は、表示データ出力部24からの表示データをモニタ3に送出する。
【0049】
デバイス管理部26は、コンピュータ2に接続されるデバイスであるモニタ3およびタッチパネル4を管理する部分である。デバイス管理部26は、登録管理部26aと、対応付け部26bとを有している。
【0050】
登録管理部26aは、モニタ3およびタッチパネル4からそれぞれ提供されるシリアル番号を管理テーブル27に登録するとともに、シリアル番号をモニタ3およびタッチパネル4についてそれぞれ個別に管理する。
【0051】
ここで、管理テーブル27は、1台以上のモニタ3のシリアル番号を登録するモニタ用テーブルと、1台以上のタッチパネル4のシリアル番号を登録するタッチパネル用テーブルとを有している。管理テーブル27は、レジストリなどにおいて保存されている。
【0052】
対応付け部26bは、管理テーブル27のモニタ用テーブルとタッチパネル用テーブルとにそれぞれ登録されているシリアル番号のうち、一致するシリアル番号を提供したモニタ3およびタッチパネル4を対応付ける。
【0053】
続いて、タッチパネルコントローラ42の詳細について説明する。
図2は、タッチパネルコントローラ42のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3は、タッチパネルコントローラ42のシステム構成を示すブロック図である。
【0054】
図2に示すように、タッチパネルコントローラ42は、タッチパネルインターフェース部422と、ADコンバータ423(図中、ADCにて示す)と、CPU(Central Processing Unit)424と、プログラムメモリ425と、データメモリ426(メモリ,第2メモリ)と、入出力インターフェース部427と、メモリインターフェース部428とを有している。タッチパネルコントローラ42は、IC(Integrated Circuit)によって構成されている。
【0055】
タッチパネルインターフェース部422は、タッチパネルモジュール41から検出されたタッチ検出信号が入力されるインターフェースの部分である。
【0056】
ADコンバータ423は、タッチパネルインターフェース部422から出力されたアナログのタッチ検出信号をデジタルに変換する回路である。
【0057】
CPU424は、プログラムメモリ425に記憶されたプログラムを実行することにより、ADコンバータ423からのタッチ検出信号に対して、上述したような所定の処理を行って座標検出データを出力する処理回路である。また、CPU424は、データメモリ426に記憶されたディスクリプタの置換を行う。また、CPU424は、コンピュータ2からの情報要求に応じて、ディスクリプタを読み出して入出力インターフェース部427に出力する。
【0058】
プログラムメモリ425は、上記のプログラムを記憶するとともに、EDIDメモリ34からEDIDを読み出すためのファームウェアも記憶している。
【0059】
データメモリ426は、上記のディスクリプタを記憶するメモリである。データメモリ426は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって構成されている。
【0060】
入出力インターフェース部427は、CPU424から出力される座標検出データを2線式のシリアルバスへ出力するように、座標検出データの出力形態を変換するインターフェースの部分である。また、入出力インターフェース部427は、コンピュータ2からの情報要求をCPU424に伝えるとともに、CPU424から出力されるディスクリプタをUSBインターフェース部43に出力する。
【0061】
メモリインターフェース部428は、CPU424がEDIDメモリ34からEDIDを読み出すことができるようにCPU424とEDIDメモリ34とを接続するI2Cインターフェースの部分である。このため、タッチパネルコントローラ42を構成するICには、メモリインターフェース部428からEDIDメモリ34にシリアルクロックを出力するクロック端子と、EDIDメモリ34からのシリアルデータが入力されるデータ入力端子とが設けられている。
【0062】
図3に示すように、シリアル番号読出部42aと、シリアル番号置換部42bと、ディスクリプタ出力部42cとを有している。シリアル番号読出部42aと、シリアル番号置換部42bと、ディスクリプタ出力部42cは、CPU424がプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの部分である。
【0063】
なお、
図3においては、説明の便宜上、コンピュータ2とタッチパネルコントローラ42との間に介在するUSBインターフェース部43を省略している。
【0064】
シリアル番号読出部42aは、コンピュータ2のデバイス管理部26からの情報要求を受けると、EDIDメモリ34からシリアル番号を読み出す。
【0065】
シリアル番号置換部42bは、データメモリ426から読み出したディスクリプタに設定されているタッチパネル4のシリアル番号を、シリアル番号読出部42aによって読み出されるモニタ3のシリアル番号に置換する。
【0066】
ディスクリプタ出力部42cは、コンピュータ2のデバイス管理部26からの情報要求に応じて、シリアル番号置換部42bによってシリアル番号が置換されたディスクリプタをコンピュータ2に出力する。
【0067】
引き続き、表示システム100の動作について説明する。
図4は、表示システム100の動作手順を示すフローチャート図である。
【0068】
図4に示すように、まず、コンピュータ2において、デバイス管理部26は、デバイスとしてモニタ3およびタッチパネル4がコンピュータ2へ接続されたか否かを判定する(ステップS1)。デバイス管理部26は、ステップS1において、コンピュータ2にデバイスが接続されるまで、待機する(NO)。
【0069】
コンピュータ2にモニタ3およびタッチパネル4が接続されると(ステップS1のYES)、デバイス管理部26は、プラグアンドプレイの機能により、モニタ3およびタッチパネル4に対して情報を要求する(ステップS2)。
【0070】
タッチパネルコントローラ42において、シリアル番号読出部42aは、コンピュータ2の要求を受けると、EDIDメモリ34からEDIDに含まれるシリアル番号を読み出す(ステップS3)。
【0071】
次いで、シリアル番号置換部42bは、データメモリ426から読み出したディスクリプタを変更する(ステップS4)。ステップS4において、シリアル番号置換部42bは、読み出したディスクリプタのうち、ストリングディスクリプタに設定されているタッチパネル4のシリアル番号を、読み出されたモニタ3のシリアル番号に置換する。
【0072】
そして、モニタ3およびディスクリプタ出力部42cは、EDIDおよびディスクリプタをコンピュータ2に提供する(ステップS5)。ステップS5において、デバイス管理部26は、DVIインターフェース部25,31を介してEDIDメモリ34にアクセスすることにより、EDIDメモリ34からEDIDを読み出して、モニタ3からEDIDの提供を受ける。ステップS5において、ディスクリプタ出力部42cは、デバイス管理部26からの情報要求に応答するように、データメモリ426に記憶されているディスクリプタをデバイス管理部26に送出する。コンピュータ2に送出されるディスクリプタは、シリアル番号が置換されたストリングディスクリプタを含んでいる。
【0073】
コンピュータ2において、デバイス管理部26の登録管理部26aは、管理テーブル27の登録内容を変更する(ステップS6)。ステップS6において、登録管理部26aは、モニタ3から提供されたEDIDに含まれるシリアル番号と、タッチパネル4から提供されたディスクリプタに含まれるシリアル番号とを管理テーブル27に登録する。
【0074】
そして、デバイス管理部26の対応付け部26bは、管理テーブル27を参照してモニタ3とタッチパネル4との対応付けを行う(ステップS7)。ステップS7において、対応付け部26bは、管理テーブル27のモニタ用テーブルとタッチパネル用テーブルとを参照し、両テーブルに登録されているシリアル番号が一致すると、当該シリアル番号を提供したモニタ3およびタッチパネル4を対応付ける。
【0075】
この対応付けは、例えば、管理テーブル27が保存されるレジストリなどに対応付け情報のテーブルとして保存される。
【0076】
以上のように、本実施形態に係る表示システム100のタッチパネル4は、EDIDメモリ34からシリアル番号の読み出しが可能になるようにEDIDメモリ34に接続されている。また、タッチパネル4は、シリアル番号読出部42a、シリアル番号置換部42bおよびディスクリプタ出力部42cを備えている。
【0077】
これにより、タッチパネル4は、モニタ3と同じシリアル番号を共有することができる。また、タッチパネル4のディスクリプタのシリアル番号を、EDIDメモリ34に記憶されているシリアル番号と置換した上で、コンピュータ2に提供することができる。
【0078】
また、表示システム100のモニタ3は、DVIインターフェース部25,31を介してコンピュータ2と接続されている。これにより、モニタ3は、デバイス管理部26がEDIDメモリ34にアクセスすることで、シリアル番号をコンピュータ2に提供する。
【0079】
このように、モニタ3およびタッチパネル4が共有するシリアル番号は、それぞれモニタ3およびタッチパネル4によって個別にコンピュータ2に提供される。これにより、モニタ3およびタッチパネル4のいずれか一方のデバイス(機器)が交換されても、シリアル番号が、交換されたデバイスまたは交換されなかったデバイスでも共有され、かつコンピュータ2に提供される。
【0080】
それゆえ、従来のシステムのように、デバイスの交換に応じて、交換される新たなデバイスの固有情報を書き替えたり、コンピュータに設定された固有情報を書き替えたりする必要がなくなる。また、交換されるデバイスに交換されない他方のデバイスの固有情報を書き込む必要もなくなる。したがって、モニタ3およびタッチパネル4のいずれか一方が交換されても、コンピュータ2においてモニタ3およびタッチパネル4の対応付けを容易に行うことができる。
【0081】
例えば、モニタ3のシリアル番号が“1”であり、タッチパネル4のシリアル番号が“2”であるとする。この場合、タッチパネル4が故障して交換された新たなタッチパネル4のシリアル番号が“3”であれば、モニタ3のシリアル番号“1”が新たなタッチパネル4に伝達され、このタッチパネル4のシリアル番号が“1”に置換される。
【0082】
また、モニタ3が故障して交換された新たなモニタ3のシリアル番号が“4”であれば、モニタ3のシリアル番号“4”がタッチパネル4に伝達され、タッチパネル4のシリアル番号が“4”に置換される。
【0083】
なお、本実施形態における固有情報は、シリアル番号であるが、シリアル番号には限定されない。例えば、固有情報として、EDIDに含まれるモニタ3の名称(モデル名)を使用することもできる。
【0084】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について
図2および
図5に基づいて説明すると、以下の通りである。なお、本実施形態において、実施形態1における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
【0085】
図5は、本実施形態に係る表示システム100Aの構成を示すブロック図である。
【0086】
図5に示すように、表示システム100Aは、タッチモニタ1Aと、コンピュータ2Aとを備えている。
【0087】
タッチモニタ1Aは、モニタ3Aと、タッチパネル4Aとを備えている。タッチモニタ1Aは、モニタ3Aをタッチパネル4Aと組み合わせることにより、表示面上での操作が可能となる操作型表示装置として機能する。
【0088】
モニタ3Aは、コンピュータ2から提供された表示データに基づいて画像を表示する表示装置である。モニタ3Aは、表示パネル33と、モニタインターフェース部35と、モニタコントローラ36とを有している。
【0089】
モニタインターフェース部35は、VGA(Video Graphics Array)規格に準拠しているインターフェースの部分である。モニタインターフェース部35は、ビデオケーブル7を介して、コンピュータ2Aとの間でビデオ信号をやり取りする。また、モニタインターフェース部35は、コンピュータ2から、I2CインターフェースであるDDCを介して、モニタコントローラ36に記憶されているEDIDを読み出せるように構成されている。
【0090】
モニタコントローラ36は、前述の変換回路32の機能を備えるとともに、ガンマ補正などの各種の処理機能を備えている。このため、モニタコントローラ36は、CPU、マイクロコンピュータなどの処理装置を有している。また、モニタコントローラ36は、記憶領域(例えばメモリ)にEDIDを記憶している。
【0091】
タッチパネル4Aは、タッチ操作を受け付ける入力デバイスである。タッチパネル4Aは、タッチパネルモジュール41と、タッチパネルコントローラ42と、タッチパネルインターフェース部44とを有している。
【0092】
タッチパネルインターフェース部44は、RS-232Cなどの汎用のシリアルインターフェース規格に準拠しており、シリアルケーブル8を介してコンピュータ2との間でシリアルデータをやり取りするインターフェースの部分である。具体的には、タッチパネルインターフェース部44は、タッチパネルコントローラ42からの検出座標データをコンピュータ2に伝送したり、コンピュータ2からタッチパネル4Aに情報要求(デバイスリクエスト)を伝送したりする。
【0093】
コンピュータ2Aは、汎用のOSを実装しており、アプリケーションプログラムを実行する機能を備えている。コンピュータ2Aは、実施形態1におけるコンピュータ2と同じく、タッチ入力処理部22と、プログラム実行部23と、表示データ出力部24と、デバイス管理部26と、管理テーブル27とを有している。また、コンピュータ2Aは、タッチパネルインターフェース部28と、モニタインターフェース部29とを有している。
【0094】
タッチパネルインターフェース部28は、シリアルケーブル8を介してタッチパネル4Aとの間でシリアルデータをやり取りするインターフェースの部分である。
【0095】
モニタインターフェース部29は、モニタ3Aとの間でビデオケーブル7を介して、アナログ信号をやり取りするインターフェースの部分である。モニタインターフェース部29は、表示データ出力部24からのデジタルの表示データをアナログに変換してモニタ3に送出する。
【0096】
モニタコントローラ36およびタッチパネルコントローラ42は、相互に接続されている。モニタコントローラ36およびタッチパネルコントローラ42は、同一の基板上に実装されていれば、基板上の配線で相互に接続されている。また、モニタコントローラ36およびタッチパネルコントローラ42は、それぞれ異なる基板上に実装されていれば、基板間で相互に通信を行うように接続されている。
【0097】
上記のように構成される表示システム100Aでは、タッチパネル4Aがモニタ3Aのシリアル番号を取得する場合、
図2に示すタッチパネルコントローラ42のシリアル番号読出部42aが、モニタコントローラ36にシリアル番号の読み出しを要求する。モニタコントローラ36は、その要求に応じて、記憶しているEDIDからシリアル番号を読み出してタッチパネルコントローラ42に送出する。
【0098】
シリアル番号読出部42aは、データメモリ426に記憶されているディスクリプタのシリアル番号を、取得したモニタ3Aのシリアル番号に置換する。そして、ディスクリプタ出力部42cは、置換されたシリアル番号を含むディスクリプタをデバイス管理部26からの情報要求に応じてコンピュータ2Aに送信することで、ディスクリプタをコンピュータ2Aに提供する。
【0099】
モニタ3Aは、コンピュータ2AにEDIDを提供する。具体的には、まず、デバイス管理部26は、モニタインターフェース部29,35を介してモニタコントローラ36に情報要求を送出する。モニタコントローラ36は、情報要求を受けて、記憶領域に記憶しているEDIDを読み出して、コンピュータ2Aに送出する。
【0100】
また、モニタ3Aがタッチパネル4Aのシリアル番号を取得する場合、モニタコントローラ36が、タッチパネルコントローラ42にシリアル番号の読み出しを要求する。タッチパネルコントローラ42は、その要求に応じて、自己が保持しているディスクリプタ(ストリングディスクリプタ)からシリアル番号を読み出してモニタコントローラ36に送出する。
【0101】
モニタコントローラ36は、記憶しているEDIDにおいて、シリアル番号をモニタコントローラ36から取得したシリアル番号に置換する。モニタ3Aのモニタコントローラ36は、デバイス管理部26からの情報要求を受けると、自己の記憶領域からEDIDを読み出して、コンピュータ2Aに送出する。
【0102】
一方、タッチパネルコントローラ42のディスクリプタ出力部42cは、シリアル番号を含むディスクリプタをデバイス管理部26からの情報要求に応じてコンピュータ2Aに送信することで、ディスクリプタをコンピュータ2Aに提供する。
【0103】
コンピュータ2Aのデバイス管理部26は、実施形態1において説明したのと同様に、モニタ3Aから取得したシリアル番号と、タッチパネル4Aから取得したシリアル番号を管理テーブル27に登録して管理する。また、デバイス管理部26は、管理テーブル27を参照して一致するシリアル番号に対応したモニタ3Aとタッチパネル4Aとを対応付ける。
【0104】
以上のように、本実施形態に係る表示システム100Aのモニタ3Aおよびタッチパネル4Aは、一方が他方に関するシリアル番号を取得して自己のシリアル番号としてコンピュータ2Aに提供するように構成されている。具体的には、モニタコントローラ36とタッチパネルコントローラ42とが、相手側のシリアル番号を取得できるように相互に接続されている。
【0105】
これにより、モニタ3AのEDIDに含まれるシリアル番号と、当該シリアル番号と同じである、タッチパネル4Aのディスクリプタに含まれるシリアル番号とがコンピュータ2Aに提供される。それゆえ、モニタ3Aおよびタッチパネル4Aのいずれか一方のデバイス(機器)が交換されても、相手側のシリアル番号を取得したデバイスが、自己のシリアル番号を取得したシリアル番号に置換する。
【0106】
このように、同じシリアル番号が、交換されたデバイスと交換されなかったデバイスとの間で共有され、かつコンピュータ2Aに提供される。これにより、実施形態1の表示システム100と同じく、デバイス(モニタ3Aおよびタッチパネル4A)の交換に応じて、交換される新たなデバイスの固有情報を書き替えたり、コンピュータに設定された固有情報を書き替えたりする必要がなくなる。また、交換されるデバイスに交換されない他方のデバイスの固有情報を書き込む必要もなくなる。したがって、実施形態1の表示システム100と同様、モニタ3Aおよびタッチパネル4Aのいずれか一方が交換されても、コンピュータ2Aにおいてモニタ3Aおよびタッチパネル4Aの対応付けを容易に行うことができる。
【0107】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について
図6に基づいて説明すると、以下の通りである。なお、本実施形態において、実施形態1および2における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
【0108】
図6は、本実施形態に係る表示システム100Bの構成を示すブロック図である。
【0109】
図6に示すように、表示システム100Bは、タッチモニタ1Bと、コンピュータ2Bとを備えている。
【0110】
タッチモニタ1Bは、モニタ3Bと、タッチパネル4Bと、LAN(Local Area Network)インターフェース部11(入出力部)とを備えている。タッチモニタ1Bは、モニタ3Bをタッチパネル4Bと組み合わせることにより、表示面上での操作が可能となる操作型表示装置として機能する。
【0111】
モニタ3Bは、コンピュータ2から提供された表示データに基づいて画像を表示する表示装置である。モニタ3Bは、変換回路32と、表示パネル33と、EDIDメモリ34とを有している。
【0112】
タッチパネル4Bは、タッチ操作を受け付ける入力デバイスである。タッチパネル4Bは、タッチパネルモジュール41と、タッチパネルコントローラ42とを有している。
【0113】
LANインターフェース部11は、LANケーブル10を介してコンピュータ2との間でパケットデータをやり取りする(入出力する)インターフェースの部分である。具体的には、LANインターフェース部11は、タッチパネルコントローラ42からの検出座標データをパケット化するとともにIPアドレスを付加して送信する。LANインターフェース部30は、LSI(Large Scale Integration)によって構成されるが、LANボードによって構成されてもよい。
【0114】
LANインターフェース部11は、EDIDメモリ34からEDIDを読み出すことができるように、EDIDメモリ34と接続されている。また、LANインターフェース部11は、シリアル番号転記部111を有している。
【0115】
シリアル番号転記部111は、モニタ3Bのシリアル番号をモニタ3Bとタッチパネル4Bとの間で共通化する場合、モニタ3Bのシリアル番号をEDIDメモリ34のEDIDから予め取得しておく。シリアル番号転記部111は、LANインターフェース部11がディスクリプタをコンピュータ2Bに送信するときに、保持しているモニタ3Bのシリアル番号をディスクリプタに転記する。
【0116】
また、シリアル番号転記部111は、タッチパネル4Bのシリアル番号をモニタ3Bとタッチパネル4Bとの間で共通化する場合、タッチパネル4Bのシリアル番号をタッチパネルコントローラ42のディスクリプタから予め取得しておく。シリアル番号転記部111は、EDIDをコンピュータ2Bに送信するときに、保持しているタッチパネル4Bのシリアル番号をEDIDに転記する。
【0117】
コンピュータ2Bは、汎用のOSを実装しており、アプリケーションプログラムを実行する機能を備えている。コンピュータ2Bは、実施形態1におけるコンピュータ2と同じく、タッチ入力処理部22と、プログラム実行部23と、表示データ出力部24と、デバイス管理部26と、管理テーブル27とを有している。また、コンピュータ2Bは、LANインターフェース部30を有している。
【0118】
LANインターフェース部30は、LANケーブル10を介してタッチモニタ1Bとの間でパケットデータをやり取りするインターフェースの部分である。
【0119】
上記のように構成される表示システム100Bでは、以下のようにして、モニタ3Bがコンピュータ2BにEDIDを提供し、タッチパネル4Bがコンピュータ2Bにディスクリプタを提供する。
【0120】
モニタ3Bのシリアル番号をモニタ3Bとタッチパネル4Bとの間で共通化する場合、シリアル番号転記部111は、タッチモニタ1Bの初期化に、EDIDメモリ34からシリアル番号を読み出して、保持しておく。LANインターフェース部11は、デバイス管理部26からのEDIDの要求に応じてEDIDメモリ34からEDIDを読み出し、コンピュータ2Bに送信する。ここで、LANインターフェース部11がEDIDをコンピュータ2Bに送信しているが、EDIDはモニタ3Bに固有の情報であることから、モニタ3BがEDIDの提供元となる。
【0121】
また、LANインターフェース部11は、デバイス管理部26からのディスクリプタの要求に応じて、タッチパネルコントローラ42から出力されるディスクリプタをコンピュータ2に送信する。
【0122】
シリアル番号転記部111は、ディスクリプタの送信時に、タッチパネルコントローラ42からのディスクリプタのストリングディスクリプタに記述されているタッチパネル4Bのシリアル番号を、保持しているモニタ3Bのシリアル番号に置換する。あるいは、ディスクリプタがシリアル番号を含んでいない場合、シリアル番号転記部111は、ディスクリプタの送信時に、タッチパネルコントローラ42から出力されたディスクリプタに、保持しているモニタ3Bのシリアル番号を書き込む。このようにして、モニタ3Bのシリアル番号がディスクリプタに転記される。
【0123】
これにより、コンピュータ2Bに送信されるEDIDおよびディスクリプタは、同じシリアル番号を含む。
【0124】
タッチパネル4Bのシリアル番号をモニタ3Bとタッチパネル4Bとの間で共通化する場合、シリアル番号転記部111は、タッチモニタ1Bの初期化に、タッチパネルコントローラ42が保持しているディスクリプタからシリアル番号を読み出して、保持しておく。LANインターフェース部11は、デバイス管理部26からのディスクリプタの要求に応じてタッチパネルコントローラ42から出力されるディスクリプタをコンピュータ2Bに送信する。
【0125】
また、LANインターフェース部11は、デバイス管理部26からのEDIDの要求に応じて、タッチパネルコントローラ42から出力されるディスクリプタをコンピュータ2に送信する。
【0126】
シリアル番号転記部111は、EDIDの送信時に、EDIDメモリ34から読み出したEDIDに記述されているモニタ3Bのシリアル番号を、保持しているタッチパネル4Bのシリアル番号に置換する。あるいは、EDIDがシリアル番号を含んでいない場合、シリアル番号転記部111は、EDIDの送信時に、EDIDメモリ34から読み出したEDIDに、保持しているタッチパネル4Bのシリアル番号を書き込む。
【0127】
これにより、EDIDおよびディスクリプタは、同じシリアル番号を含んだ状態でコンピュータ2Bに提供される。
【0128】
コンピュータ2Bのデバイス管理部26は、実施形態1において説明したのと同様に、モニタ3Bから取得したシリアル番号と、タッチパネル4Bから取得したシリアル番号を管理テーブル27に登録して管理する。また、デバイス管理部26は、管理テーブル27を参照して一致するシリアル番号に対応したモニタ3Bとタッチパネル4Bとを対応付ける。
【0129】
以上のように、本実施形態に係る表示システム100Bは、タッチモニタ1BのLANインターフェース部11を備えている。LANインターフェース部11は、モニタ3BのEDID(情報群)およびタッチパネル4Bのディスクリプタ(情報群)のいずれか一方から予め取得したシリアル番号を他方に転記するシリアル番号転記部111を有している。そして、LANインターフェース部11は、これらのEDIDおよびディスクリプタを送信する。
【0130】
これにより、モニタ3BのEDIDに含まれるシリアル番号と、当該シリアル番号と同じである、タッチパネル4Bのディスクリプタに含まれるシリアル番号とがコンピュータ2Bに提供される。あるいは、タッチパネル4Bのディスクリプタに含まれるシリアル番号と、当該シリアル番号と同じである、モニタ3BのEDIDに含まれるシリアル番号とがコンピュータ2Bに提供される。それゆえ、モニタ3Bおよびタッチパネル4Bのいずれか一方が交換されても、モニタ3BのEDIDおよびタッチパネル4Bのディスクリプタは、いずれか一方のシリアル番号を含んだ状態でコンピュータ2Bに提供される。
【0131】
このように、同じシリアル番号が、交換されたデバイスと交換されなかったデバイスとの間で共有され、かつコンピュータ2Bに提供される。これにより、実施形態1の表示システム100と同じく、デバイス(モニタ3Bおよびタッチパネル4B)の交換に応じて、交換される新たなデバイスの固有情報を書き替えたり、コンピュータに設定された固有情報を書き替えたりする必要がなくなる。また、交換されるデバイスに交換されない他方のデバイスの固有情報を書き込む必要もなくなる。したがって、モニタ3Bおよびタッチパネル4Bのいずれか一方が交換されても、コンピュータ2Bにおいてモニタ3Bおよびタッチパネル4Bの対応付けを容易に行うことができる。
【0132】
しかも、タッチモニタ1Bは、LANインターフェース部11,30を介してコンピュータ2と接続されている。これにより、タッチモニタ1Bとコンピュータ2Bとを接続するLANケーブル10を長くすることができる。したがって、タッチモニタ1Bをコンピュータ2Bから離れた場所に設置することが可能になる。
【0133】
なお、本実施形態における固有情報は、シリアル番号であるが、シリアル番号には限定されない。例えば、固有情報としてMAC(Media Access Control)アドレスを使用することもできる。
【0134】
また、本実施形態において、EDIDメモリ34は、モニタ3Bに含まれているが、必ずしもモニタ3Bに含まれていなくてもよく、モニタ3Bおよびタッチパネル4Bに対して独立して設けられていてもよい。このような構成であっても、上述したように、モニタ3Bおよびタッチパネル4Bが同一のシリアル番号をコンピュータ2Bに提供することができる。
【0135】
〔ソフトウェアによる実現例〕
タッチモニタ1,1A,1Bの制御ブロック(特にシリアル番号読出部42a、シリアル番号置換部42bおよびディスクリプタ出力部42c)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0136】
後者の場合、タッチモニタ1,1A,1Bは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。
【0137】
上記プロセッサとしては、例えば上述のCPU424を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、上述のプログラムメモリ425の他、ROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、タッチモニタ1,1A,1Bは、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0138】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0139】
1,1A,1B タッチモニタ
2,2A,2B コンピュータ
3,3A,3B モニタ
4,4A,4B タッチパネル
11 LANインターフェース(入出力部)
26a 管理登録部
26b 対応付け部
34 EDIDメモリ(メモリ,第1メモリ)
41 タッチパネルモジュール
42 タッチパネルコントローラ
100,100A,100B タッチモニタ
426 データメモリ(メモリ,第2メモリ)