(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】中継局を介して基地局と移動通信装置が通信する無線アクセスシステム及び基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 72/08 20090101AFI20220624BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20220624BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220624BHJP
H04W 52/04 20090101ALI20220624BHJP
H04J 99/00 20090101ALI20220624BHJP
【FI】
H04W72/08
H04W16/26
H04W72/04 131
H04W52/04
H04J99/00 100
(21)【出願番号】P 2019085225
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンビン
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-30017(JP,A)
【文献】特開2007-116703(JP,A)
【文献】Young-bin Kim(他3名),A Dynamic Paradigm for Spectrally Efficient Half-Duplex Multi-Antenna Relaying,IEEE Transactions on Wireless Communications,IEEE,2013年08月06日,VOL.12, NO.9,pp.4680-4691
【文献】Zhiguo Ding(他2名),Relay Selection for Cooperative NOMA,IEEE Wireless Communications Letters,IEEE,2016年06月01日,VOL.5, NO.4,pp.416-419
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04J 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と、複数の中継局と、複数の移動通信装置と、を含み、非直交多元アクセス技術に従い前記複数の移動通信装置が前記複数の中継局のいずれか1つの中継局を介して前記基地局に上り信号を送信する無線アクセスシステムであって、
前記無線アクセスシステムは、前記複数の移動通信装置が第1タイムスロットで前記上り信号を送信すると、前記第1タイムスロットの次の第2タイムスロットにおいて前記複数の移動通信装置が前記上り信号の送信を行わない第1モードと、前記複数の移動通信装置が前記第1タイムスロット及び前記第2タイムスロットの両方において前記上り信号を送信する第2モードのいずれかの動作モードで動作し、
前記無線アクセスシステムは、前記第1モード及び前記第2モードのいずれで動作するかを、前記複数の中継局が前記基地局に送信する信号の信号対雑音比に基づき決定する決定手段を、備えていることを特徴とする無線アクセスシステム。
【請求項2】
前記決定手段は、前記信号対雑音比が閾値より高いと、前記第1モードで動作すると決定し、前記信号対雑音比が前記閾値より低いと、前記第2モードで動作すると決定することを特徴とする請求項1に記載の無線アクセスシステム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記基地局に設けられることを特徴とする請求項2に記載の無線アクセスシステム。
【請求項4】
前記基地局は、前記無線アクセスシステムが前記第1モードで動作しているときに前記決定手段が前記第2モードで動作すると決定した場合、及び、前記無線アクセスシステムが前記第2モードで動作しているときに前記決定手段が前記第1モードで動作すると決定した場合、前記複数の中継局に前記動作モードの変更を通知し、
前記複数の中継局は、前記基地局から前記動作モードの変更が通知されると、前記複数の移動通信装置に前記動作モードの変更を通知することを特徴とする請求項3に記載の無線アクセスシステム。
【請求項5】
基地局と、複数の中継局と、複数の移動通信装置と、を含み、非直交多元アクセス技術に従い前記複数の移動通信装置が前記複数の中継局のいずれか1つの中継局を介して前記基地局に上り信号を送信する無線アクセスシステムの前記基地局であって、
前記無線アクセスシステムは、前記複数の移動通信装置が第1タイムスロットで前記上り信号を送信すると、前記第1タイムスロットの次の第2タイムスロットにおいて前記複数の移動通信装置が前記上り信号の送信を行わない第1モードと、前記複数の移動通信装置が前記第1タイムスロット及び前記第2タイムスロットの両方において前記上り信号を送信する第2モードのいずれかの動作モードで動作し、
前記基地局は、
前記第1モード及び前記第2モードのいずれで動作するかを、前記複数の中継局が前記基地局に送信する信号の信号対雑音比に基づき決定する決定手段を、備えていることを特徴とする基地局。
【請求項6】
前記基地局は、
前記複数の中継局が前記基地局に送信する信号の電力を制御する制御手段をさらに備えており、
前記決定手段は、前記複数の中継局のノイズレベルを保持しており、前記制御手段が決定した前記電力と、前記ノイズレベルと、に基づき前記複数の中継局が前記基地局に送信する信号の信号対雑音比を判定することを特徴とする請求項5に記載の基地局。
【請求項7】
前記基地局は、
前記無線アクセスシステムが前記第1モードで動作しているときに前記決定手段が前記第2モードで動作すると決定した場合、及び、前記無線アクセスシステムが前記第2モードで動作しているときに前記決定手段が前記第1モードで動作すると決定した場合、前記複数の中継局に前記動作モードの変更を通知する通知手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5又は6に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局が中継局を介して移動通信装置と通信する無線アクセスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
基地局(BS)が、複数の移動通信装置(UE)との間で、パワー軸で重ね合わせた信号を送受信する非直交多元アクセス(NOMA)技術が提案されている。非特許文献1は、NOMA技術を使用し、基地局(BS)が、半二重中継局(RS)を介してUEと通信する無線アクセスシステムを開示している。なお、半二重中継局とは、上り及び下りの各方向において、送信と受信を同時に行えない中継局を意味する。
【0003】
以下、
図1を用いて非特許文献1が開示する構成の上りリンクの通信手順を説明する。第1タイムスロットにおいて、UE#1及びUE#2は、BS宛の信号を送信する。以下、UE#1が送信する信号を信号S1と呼び、UE#2が送信する信号を信号S2と呼ぶ。RS#1~RS#5は、それぞれ、信号S1と信号S2とが重ね合わされた多重信号を受信する。RS#1~RS#5は、それぞれこの多重信号から信号S1と信号S2とを取り出す。なお、多重信号から信号S1を取り出すことを多重信号から信号S1を復号するとも表現し、多重信号から信号S2を取り出すことを多重信号から信号S2を復号するとも表現する。
【0004】
続いて、RS#1~RS#5の内、信号S1と信号S2の両方を復号できたRSから所定の基準で1つのRSが選択される。ここでは、RS#3が選択されたものとする。この場合、RS#3は、第1タイムスロットの次の第2タイムスロットで信号S1と信号S2の多重信号をBSに送信し、BSは、この多重信号を受信して復号する。なお、第2タイムスロットの間、RS#3は、信号を受信できないため、第2タイムスロットにおいて、UE#1及びUE#2は、信号を送信しない。そして、UE#1及びUE#2は、第2タイムスロットの次の第3タイムスロットにおいて、信号を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】Zhiguo Ding,et al.,"Relay selection for cooperative NOMA",IEEE Wireless Communications Letters,vol.5,no.4,pp.416-419,2016年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図2は、非特許文献1の構成における上り信号の送受信タイミングの説明図である。まず、タイムスロット(TS)#1で、UE#1及びUE#2は、それぞれ、上り信号を送信し、RS#1~#5がこの上り信号を受信する。続いて、TS#2で、選択されたRS、ここでは、RS#3が多重信号をBSに送信する。このとき、UE#1及びUE#2並びにRS#1、RS#2、RS#4及びRS#5は待機状態となる。続いて、TS#3で、UE#1及びUE#2は、それぞれ、上り信号を送信し、RS#1~#5がこの上り信号を受信する。続いて、TS#4で、選択されたRS、ここでは、RS#1が多重信号を送信する。このとき、UE#1及びUE#2並びにRS#2~#5は待機状態となる。この様に、非特許文献1の構成では、UEとRSとが同時に信号を送信できず、送信効率が劣化する。
【0007】
本発明は、NOMA技術に従い、基地局が中継局を介して移動通信装置と通信する無線アクセスシステムにおいて送信効率を高める技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、基地局と、複数の中継局と、複数の移動通信装置と、を含み、非直交多元アクセス技術に従い前記複数の移動通信装置が前記複数の中継局のいずれか1つの中継局を介して前記基地局に上り信号を送信する無線アクセスシステムであって、前記無線アクセスシステムは、前記複数の移動通信装置が第1タイムスロットで前記上り信号を送信すると、前記第1タイムスロットの次の第2タイムスロットにおいて前記複数の移動通信装置が前記上り信号の送信を行わない第1モードと、前記複数の移動通信装置が前記第1タイムスロット及び前記第2タイムスロットの両方において前記上り信号を送信する第2モードのいずれかの動作モードで動作し、前記無線アクセスシステムは、前記第1モード及び前記第2モードのいずれで動作するかを、前記複数の中継局が前記基地局に送信する信号の信号対雑音比に基づき決定する決定手段を、備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、NOMA技術に従い、基地局が中継局を介して移動通信装置と通信する無線アクセスシステムにおいて送信効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による無線アクセスシステムの構成図。
【
図5】RSの送信機の送信信号のSNRと、BSでの復号が失敗する確率との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。さらに、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0012】
図1は、本実施形態による無線アクセスシステムの構成を示している。
図1によると、無線アクセスシステムは、1つのBSと、5つの半二重RS#1~RS#5と、2つのUE#1及びUE#2と、を備えている。本実施形態による無線アクセスシステムは、第1モード又は第2モードのいずれかの動作モードで動作する。第1モードは、
図2で説明した様に、UEからRSへの送信と、RSからBSへの送信がTS毎に入れ替わるモードである。つまり、第1モードは、UE#1及びUE#2が第1タイムスロットで上り信号を送信すると、第1タイムスロットの次の第2タイムスロットにおいてUE#1及びUE#2は上り信号の送信を行わないモードでもある。一方、第2モードは、UE#1及びUE#2が第1タイムスロットと、その次の第2タイムスロットの両方において上り信号を送信できるモードである。なお、無線アクセスシステムは、NOMA技術に従い信号の送受信を行い、よって、UE#1及びUE#2が送信する上り信号は、同じ周波数帯域の信号である。
【0013】
図3は、第2モードにおける送受信タイミングの説明図である。第2モードにおいて、UE#1及びUE#2は、最後のTSを除く総てのTSで信号を送信する。TS#1において、RS#1~RS#5は、UE#1及びUE#2からの上り信号を受信し、信号S1及び信号S2を復号する。ここで、
図3においては、信号S1及び信号S2の復号に成功したRSを○で示し、復号に失敗したRSを×で示している。TS#1において、上り信号の復号に成功したRSを、以下では、TS#1における候補RSと呼ぶものとする。同様に、TS#nで上り信号の復号に成功したRSを、以下では、TS#nにおける候補RSと呼ぶものとする。
【0014】
TS#1における候補RSからTS#2においてBSに多重信号を送信するRSが選択される。なお、どの様に選択するかについては後述する。
図3においては、TS#1における候補RSからRS#2が選択され、TS#2においてRS#2は、多重信号をBSに送信している。TS#2においてRS#2は多重信号を送信するため、RS#2は、TS#2においてUE#1及びUE#2が送信する信号を受信できない。なお、他のRS#1、RS#3、RS#4及びRS#5は、UE#1及びUE#2からの信号を受信する。ここで、RS#1、RS#5は、TS#1における候補RSであるため、RS#1及びRS#5にとって、TS#2においてRS#2が送信する多重信号は既知である。したがって、RS#1及びRS#5は、TS#2においてRS#2が送信する多重信号の影響を除去して、UE#1及びUE#2からの信号を精度良く受信することができる。なお、RS#3及びRS#4は、TS#1における候補RSではなく、よって、RS#3及びRS#4にとっては、TS#2においてRS#2が送信する多重信号は既知ではない。しかしながら、RS#2と、RS#3及びRS#4とのチャネル利得によっては、RS#3及びRS#4も、TS#2において、UE#1及びUE#2からの信号S1及び信号S2を復号することができる。
図3の例においては、TS#2において、RS#1、RS#4及びRS#5がUE#1及びUE#2からの信号の復号に成功し、よって、TS#2における候補RSとなっている。
【0015】
以下、同様に、TS#nにおける候補RSからTS#(n+1)において多重信号を送信するRSを選択する。そして、TS#(n+1)においては、多重信号を送信しているRS以外のRSが、UE#1及びUE#2からの上り信号を受信し、このうち、信号S1及び信号S2を取り出すことができたものが、TS#(n+1)における候補RSとなる。
【0016】
続いて、TS#nにおける候補RSからTS#(n+1)において多重信号を送信するRSをどの様に選択するかについて説明する。
図4に示す様に、RS#1からRS#5は、それぞれ、TS#nにおいて、信号S1及び信号S2の復号に成功したか否かを示す情報をBSに送信する。これにより、BSは、候補RSを判定する。BSは、例えば、候補RSの内、BSとのチャネル利得の最も高いRSを選択し、S11で、選択したRSを示す信号をブロードキャスト、又は、選択したRSにユニキャストする。選択されたRSは、TS#(n+1)において多重信号をBSに送信する。なお、ユニキャストの場合、このユニキャストの信号を受信しないRSは、TS#(n+1)において、UE#1及びUE#2からの信号を受信する。
【0017】
なお、
図3においては、タイムスロットの終わりを設けていないが、例えば、N個のタイムスロットを1つの周期とすることができる。この場合、UE#1及びUE#2は、TS#1からTS#(N-1)番目までのタイムスロットにおいて上り信号を送信し、最後、つまり、TS#Nにおいては上り信号を送信しない。また、いずれかのRSは、TS#2からTS#Nにおいて、多重信号を送信する。
【0018】
続いて、本発明において、第1モードと第2モードとをどの様に選択するかについて説明する。なお、前提として、RS#1~RS#5の送信機の送信電力は等しいものとする。また、RS#1~RS#5の送信機におけるノイズレベルは等しいものとする。つまり、RS#1~RS#5の送信機が送信する信号のSNRは等しいものとする。
【0019】
本発明者の研究により、第1モード及び第2モードにおいて、BSがRSからの多重信号の復号に失敗する理論的な確率は、RS数、BSのアンテナ数、RSの配置位置、目標データレート、RSの送信機におけるSNR等に依存することが分かった。ここで、RS数、BSのアンテナ数、RSの配置位置、目標データレート等は、無線アクセスシステムにおいて固定的な値である。したがって、BSが復号に失敗する理論的な確率は、主に、RSの送信機におけるSNRに応じて変化する。
図5は、このSNRと、BSが復号に失敗する理論的な確率との関係を示している。なお、参照符号60及び70は、第2モードの場合を示し、参照符号61及び71は、第1モードの場合を示している。また、参照符号60及び61の組と、参照符号70及び71の組の違いは、参照符号60及び61の組においては、RS数が4、かつ、BSのアンテナ数が3であるのに対し、参照符号70及び71の組においては、RS数が6、かつ、BSのアンテナ数が2であることのみであり、その他のパラメータは同一である。
【0020】
図5より、SNRが高くなるに従い、BSが復号に失敗する確率(以下、失敗確率)は低くなっている。しかしながら、第1モードの失敗確率と第2モードの失敗確率の大小関係は、あるSNRを境に逆転している。例えば、参照符号60及び61で示す、RS数が4、かつ、BSのアンテナ数が3の場合、SNRが凡そ29dBまでは、第2モード(参照符号60)の方が失敗確率は低いが、SNRが29dBを超えると、第1モード(参照符号61)の方が失敗確率は低くなる。また、参照符号70及び71で示す、RS数が6、かつ、BSのアンテナ数が2の場合、この境界は凡そ36dBである。
【0021】
無線アクセスシステムのBSは、当該無線アクセスシステムにおいて失敗確率が逆転するこの境界のSNRに関する情報を閾値として保持している。そして、例えば、RS#1~RS#5の送信電力を設定する際、或いは、変更する際、そのSNRに基づき第1モードとするか、第2モードにするかを判定し、判定結果をRS#1~RS#5並びにUE#1及びUE#2に通知する。なお、BSは、RS#1~RS#5の送信機のノイズレベルの情報も保持しているものとする。
【0022】
図6は、本実施形態による動作モード選択処理のシーケンスを示している。S20において、BSは、例えば、無線アクセスシステムの運用者から、RS#1~RS#5のBSへの送信電力を変更する指示を受信する。この指示には、変更後の送信電力を特定するための情報が含まれる。BSは、S21で、変更後の送信電力でのSNRに基づき、第1モードとするか第2モードとするかを判定する。具体的には、SNRが閾値以下であると、第2モードとし、SNRが閾値より大きいと、第1モードとする。BSは、S22で、RS#1~RS#5に送信電力の設定指示と、必要に応じてモードの変更指示を行う。送信電力の設定指示には、設定すべき送信電力を特定するための情報が含まれる。モードの変更指示は、第1モードから第2モードに、或いは、第2モードから第1モードに変更する場合にのみ送信される。各RSは、送信電力設定指示を受信すると、通知された送信電力をBSに信号を送信する送信機に設定して送信電力を変更する。また、各RSは、モード変更指示を受信すると、S23で、各UEにモード変更指示を通知する。モード変更指示を受信すると、各RS及び各UEは、変更後のモードに従い送受信を行う。
【0023】
なお、送信電力の変更のトリガは、無線アクセスシステムの運用者によるコマンド入力に限定されず、BS又はRSが、何らかの状態を監視して送信電力の変更を行う構成とすることもできる。例えば、あるRSが、送信電力の変更を要求する場合、当該RSは、BSに送信電力の変更を通知する。この通知には、変更後の送信電力を特定するための情報が含まれる。BSは、送信電力変更の通知を受信すると、S21からの処理を行う。
【0024】
また、本発明によるBS、RS、UEは、コンピュータを上記BS、RS、UEとして動作させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
【0025】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。