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  • 特許-木質複合体を製造するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】木質複合体を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B27N 3/04 20060101AFI20220624BHJP
【FI】
B27N3/04 D
B27N3/04 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019515927
(86)(22)【出願日】2017-09-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 NL2017050626
(87)【国際公開番号】W WO2018056813
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-07-07
(31)【優先権主張番号】1042071
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】519095175
【氏名又は名称】ハンデルソンデルネミング ダブリュイー-エイチエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホエベルゲン,ヴィルヘルムス マリア
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-012422(JP,A)
【文献】特表2002-513692(JP,A)
【文献】国際公開第2013/076783(WO,A1)
【文献】特表2003-528963(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0296014(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27N 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 植物性繊維(1)の量または流れを提供するステップと、
- 反応性バインダの量または流れを提供するステップであって、前記バインダは、加熱硬化または熱硬化性ポリマーを形成する、反応性構成成分(2a)および/または反応性プレポリマー(2b)を含む、提供するステップと、
- 前記反応性バインダと前記植物性繊維とを混合して反応性複合混合物(4)とし、前記反応性複合混合物を押し出し装置(5)に供給するステップと、
- 前記押し出し装置中で、前記反応性バインダを硬化させるように、前記反応性複合混合物を押し出しプロセス条件に付すステップと、
- 前記植物性繊維の細孔を前記反応性バインダで充填しながら同時に前記細孔から空気を排出するステップと、
- 前記押し出しプロセス条件の温度で、前記植物性繊維の周囲および前記植物性繊維の前記細孔内の前記反応性バインダを反応させ、木質複合体を形成するステップと
を含む、木質複合体を製造するための方法。
【請求項2】
前記押し出しプロセス条件は、100℃~200℃の範囲の温度、および100bar~3000barの範囲の圧力を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記木質複合体生成物を硬化型(8)に供給するステップを含み、前記硬化型中の温度は前記押し出しプロセス条件の温度に相当する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記木質複合体生成物を前記硬化型(8)から送り台要素(20)に供給するステップを含み、前記送り台要素中の温度は前記押し出しプロセス条件の温度に相当するか、または前記押し出しプロセス条件の温度より低い、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
植物性繊維:反応性バインダの重量比は、8:2~99:1の範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記植物性繊維の含水量は、5重量%~40重量%の範囲に調整され、より好ましくは15重量%~20重量%の範囲に調整される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記反応性バインダの粘度は、25℃で100~500mPa・sの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応性バインダの前記粘度は、前記押し出しプロセス条件で0.1~100mPa・sの範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記反応性構成成分および/または前記反応性プレポリマーは反応性イソシアネート(NCO)基を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応性構成成分および/または前記反応性プレポリマーは10重量%~40重量%の範囲のNCO含有量を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記反応性構成成分は反応性エポキシまたは反応性ポリエステルから選択される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物繊維-プラスチック複合材料、具体的には木質系植物性繊維複合体を製造するための方法に関する。これらの複合体は、以下、木質複合体と呼ばれる。
【0002】
したがって、以下で使用される木質複合体(材料)という用語は、(硬質)木質繊維、亜麻繊維、麻繊維および/またはココナツ繊維が挙げられる、植物性繊維(植物繊維または(木質)セルロース繊維とも呼ばれる)、ならびにバインダを含む複合材料を含む。
【背景技術】
【0003】
これまで、木材-プラスチック複合材料(WPC)の一般的なタイプはプレス材であり、バインダとして熱可塑性樹脂(ポリマー)を含む(木質)植物性繊維からなる。これらの従来の木質複合材料は、プラットフォーム部品、(木材)柵部品等での使用のために主に販売される。
【0004】
これらの広く使用される木質複合材料の作製プロセスは、植物性繊維(通常、木質繊維)を熱可塑性ポリマー材料の顆粒と混錬し、その混合物を押し出しノズルを備えた(加熱)押し出し装置に供給し、続いて、押し出しノズルを用いて開放型の鋳型に混合物を供給し、その後続いて、開放型の鋳型中の混合物を水冷または空冷で制御冷却し、その結果、混合物は固体材料となり、所望の長さに切断して短くすることができる。
【0005】
EP0807510では、特に、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)のようなポリマー、プラスチック、樹脂または反応生成物がバインダに使用される。バインダは押し出し機中で木粉の形態の植物性繊維と混合される。適用されるプラスチックに応じて、押し出し機は、PVCでは約65~95℃の温度に加熱され、PSでは約130℃~190℃の温度まで加熱される。この既知の方法の1つの欠点は、プラスチックを植物性繊維の細孔中に浸透させるにはプロセス条件でのプラスチックの粘度が高すぎることによる、植物性繊維とプラスチックとの間の不十分な結合である。結果として、細孔中に空気が閉じ込められたままになり、それは木質複合材料の強度を低下させ、その燃焼挙動に悪影響を与える。
【0006】
したがって、本発明は、具体的には保形性(伸縮)、耐圧性および耐熱性、ならびに強度および燃焼挙動の点で、実質的に改善された特性を有する木質複合体生成物材料の製造のための方法、ならびにその反応性複合混合物を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0007】
この目的のために、本発明は、
- 植物性繊維の量またはストリームを提供するステップと、
- 反応性バインダの量またはストリームを提供するステップであって、バインダは反応性構成成分および/または反応性プレポリマーを含む、提供するステップと、
- 反応性バインダと植物性繊維とを混合して反応性複合混合物とし、反応性複合混合物を押し出し装置に供給するステップと、
- 押し出し装置中で反応性複合混合物を押し出しプロセス条件に付すステップと、
- 植物性繊維の細孔を反応性バインダで充填しながら同時に細孔から空気を排出するステップと、
- 押し出しプロセス条件の温度で、植物性繊維の周囲および植物性繊維の細孔内の反応性バインダを反応させ、木質複合体を形成するステップと
を含む、木質複合体生成物を製造するための方法を提案する。
【0008】
したがって、改善された品質特性および高い耐久性を有する木質複合材料が得られ、この材料は、従来の、反応させた(化学的に不活性な)熱可塑性顆粒と植物性繊維を物理的に混合し、続いて加熱し、その後前述の混合物を押し出し、最後にその固体形態を得るために材料を冷却して完成させることによって、作られていない。
【0009】
本発明による新規方法では、むしろ、植物性繊維と、反応性構成成分および/または反応性プレポリマーを含む反応性バインダとの混合物を予熱し、押し出し装置中で圧力を印加することによって均質な複合混合物を形成するために、押し出し装置が使用される。続いて、混合物は押し出し吐出を通して硬化型中へ押されてロッドまたは形材を形成する。このように形成された複合混合物は、押し出し吐出の時点では依然として変形しやすく、反応および重合を開始しており、続いて硬化型中で反応温度に維持され、それによって反応が維持され、その結果、反応性バインダの反応生成物が植物性繊維と最適に結合する。
【0010】
押し出し機内の反応性バインダは押し出しプロセス条件で約0.1mPa・s~約100mPa・sの範囲の粘度を有するため、反応性バインダは木質繊維の細孔へ入り、細孔内の空気を排出する。したがって、反応性バインダの反応生成物は、植物性繊維の周囲および付近の両方に広がり、形成された木質複合体生成物内の植物性繊維の細孔中にも広がる。
【0011】
複合混合物中の化学反応性(硬化性)バインダの使用により、有利には、-バインダが硬化した後-形成された木質複合体生成物に、熱および温度の影響による、例えば、非常に暑い天気での、変形が存在しないという結果になる。木質複合体の伸縮は非常に小さい。また、圧力(差)および圧縮の影響下での「クリープ」による変形は、これまで慣習となっているような、反応が終了した熱可塑性プラスチックが植物性繊維に対する(物理的な)バインダとして使用される場合よりかなり小さい。
【0012】
化学添加剤なしで、本発明による製造方法によって得られる木質複合体は、ほとんど不燃性であり、使用の安全性および火災状態下での耐火性を向上させる効果を有する。これは、例えば高圧ポリエチレン(HDPE)のような、バインダとして熱可塑性樹脂を含む木質複合材料とは反対である。
【0013】
好ましくは、押し出しプロセス条件は約100℃~約200℃の範囲の温度、および約100bar~約3000barの範囲の圧力を含む。これらのプロセス条件では、木質繊維の細孔中の空気は実質的に動かされ、低粘度を有する反応性バインダによって置換される。
【0014】
植物性繊維:反応性バインダの重量比は、具体的には8:2~99:1の範囲である。バインダはここでは細孔中にも広がるため、植物性繊維とバインダとの間のより良好な接続(結合)が確立され、高濃度の(多孔質)植物性繊維を有する良好な特性の固体木質複合材料が得られる。
【0015】
植物性繊維の含水量は、好ましくは約5重量%~約40重量%、より好ましくは15重量%~20重量%の範囲に調整される。湿気硬化型バインダが使用される場合、有利には、硬化のための水分は木材およびその細孔中に存在し、植物性繊維の細孔中および植物性繊維の表面上の反応の完了を保証する。
【0016】
具体的には、反応性バインダの粘度は、25℃および1atmで約100~約500mPa・sの範囲であり、押し出しプロセス条件で約0.1~100mPa・sの範囲である。押し出しプロセス条件でのその低粘度のため、反応性バインダは容易に植物性繊維を含浸させ、植物性繊維の細孔中に浸透し、それにより空気を動かし、その結果、適用された植物性繊維の気孔率にかかわらず、固体の硬質な木質複合材料が形成される。
【0017】
有利な実施形態では、ポリウレタン形成バインダがバインダとして使用され、反応性構成成分および/または反応性プレポリマーは反応性イソシアネート(NCO)基を含み、具体的には、反応性構成成分および/または反応性プレポリマーは約10重量%~約40重量%の範囲のNCO含有量を有する。イソシアネート系バインダは、押し出しプロセス条件でのその低粘度のため非常に適しており、また植物性繊維中に存在する水分の影響下で容易に硬化可能であり、改善された特性を有する木質複合体生成物をさらに形成することが見出されている。
【0018】
本発明の代替の実施形態では、反応性バインダは反応性構成成分を含有し、反応性構成成分は反応性エポキシまたは反応性ポリエステルから選択される。これらの反応性構成成分は、そこで反応または重合するために、高圧および高温で木質繊維の細孔中へ同様に移動する。
【0019】
具体的には、方法は、硬化型中で複合混合物を圧縮し、続いて硬化するステップを含み、硬化型中の温度は押し出しプロセス条件の温度に相当する。さらに具体的には、方法は、木質複合体生成物を硬化型から送り台要素に供給するステップを含み、送り台要素中の温度は押し出しプロセス条件の温度に相当するか、または押し出しプロセス条件の温度より低い。
【0020】
木質複合体を反応温度でより長く維持することによって、(重合)反応がより長く続き、より良好な特性を有する木質複合体生成物が得られる。
【0021】
本発明はまた、方法によって製造された木質複合材料に関する。
【0022】
本発明はまた、本発明による方法での使用のための反応性複合混合物に関し、8:2~99:1の範囲の重量比を有する植物繊維および反応性バインダを含み、反応性バインダは反応性構成成分および/または反応性プレポリマーを含み、反応性バインダの粘度は押し出し装置中の押し出しプロセス条件で約0.1~100mPa・sの範囲であり、その結果、植物性繊維の細孔が反応性バインダで実質的に充填され、反応後、細孔が反応性バインダの反応生成物で充填される。好ましくは、反応性バインダは反応性イソシアネート(NCO)基を有する構成成分を含む。
【0023】
本発明はまた、本発明による方法を実行するのに適した押し出しアセンブリに関し、硬化型および/または送り台要素を押し出し装置の後の下流に備える。
【0024】
ここで、本発明を以下の図面の説明によってより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による方法を実行するのに適した押し出し装置の例を示す。
図2】方法を実行するのに適した、押し出し装置の第2の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は本発明による木質複合体生成物の作製および製造のための装置の例を示す。植物性繊維1、ならびに熱硬化性(thermal curing)または熱硬化性(thermosetting)ポリマーを形成する反応性(単量体)構成成分2aおよび/または反応性プレポリマー2bおよび/または反応性プラスチック前駆体を有する少なくとも1つの反応性バインダを-バッチ式または連続的に-混合モジュール3、例えばパドルまたはブレードミキサに供給し、植物性繊維1ならびに構成成分2aおよび2bを含む反応性バインダを混合して均一な成形可能な反応性複合混合物4とする。例えば、植物繊維の重量百分率はおよそ95%であり、植物性繊維中の含水量は15重量%である。熱硬化性樹脂は、3次元分子ネットワーク構造を形成することによって硬化(cures)および硬化(hardens)するポリマーであり、その結果、熱硬化性樹脂は、一般に、熱可塑性プラスチックと異なり、加熱で軟化しない。
【0027】
その後、反応性複合混合物4を押し出し装置5-例えば、押し出し機またはスクリュープレス-に供給し、押し出し装置から押し出し吐出6を介して吐出し、硬化型8中へ押す。押し出された材料の断面は硬化型8の形状によって決定される。反応性複合混合物4を、それが押し出し機中に留まっている間に、例えば、約60℃~200℃に加熱要素7を用いて予熱し、圧力を100~3000barに上昇させる。これらの押し出しプロセス条件で、バインダの粘度は、例えば、25℃で400mPa・sから160℃で5mPa・sに低下し、これによりバインダは木質繊維の細孔中に浸透し、細孔から空気を排出する。
【0028】
加熱により軟化および/または可塑化する熱可塑性材料に基づく押し出し方法とは反対に、本発明による方法では、バインダは、外部から提供された熱-特に、押し出し装置5および硬化型8中の加熱要素7によって供給された熱-の影響下で分子架橋を形成することによって硬化し、その結果、複合混合物は、例えば、湿気硬化型反応性構成成分または触媒を添加することによって硬化する(重合する)反応性構成成分のような、(少なくとも)反応性構成成分を含有する低粘度反応性バインダを使用することによって、硬化(cure)および硬化(harden)/固化するであろう。加熱要素7によって放射された熱の影響下で、バインダ(触媒あり)および植物性繊維からなる反応性複合混合物は、混合物が-正確な量の加熱エネルギーを適切なタイミングで適用することによって-押し出し吐出6を通過した後、硬化型8の(断面の)形状をとることを可能にするほど依然として十分に変形しやすくかつ粘性があるように、押し出し装置5を出てすぐに硬化し始める。
【0029】
押し出し吐出6の下流に接続されている硬化型8を用いて、複合混合物を押し出し吐出6によって硬化型中へ押し、例えば約140℃の温度で、硬化型中で硬化する。
【0030】
硬化型8中の複合混合物を、滞留時間の間中、例えば、約140℃の温度に暴露した後、生成物を、例えば、搬送ベルト9およびトラックソー10を用いて、所望の長さに短く切断できるように、複合混合物を十分に硬化して木質複合体生成物とする。
【0031】
図2は本発明による方法を実行するための押し出し装置5の代替の構成を示す。加熱要素7を備えた硬化型8の後に送り台20を備え、そこで正方形の断面を備えた棒の形状を有する形成された木質複合体生成物21は追加の滞留時間を与えられ、その結果、棒は、生成物のさらなる処理の前にさらに硬化され得る。好ましくは、送り台はフード23を備え、1つまたは複数の通気開口22を備える。この実施形態では、押し出し装置5も通気開口22を備え、とりわけ、植物性繊維の細孔から動かされている空気が吸い出され、取り除かれ、廃棄され得る。
【0032】
ゆえに、本発明によれば、具体的には保形性ならびに圧力および熱への耐性に関して、実質的に改善された特性を有する木質複合体生成物を製造するための方法が提供される。本発明によれば、加熱-溶融されたまたは粘性のある非反応性樹脂の熱可塑性バインダを使用する代わりに、反応性構成成分を有する反応性バインダ、すなわち、熱を供給することで(加熱要素7)化学反応によって硬化し、硬質(hard)/硬質(rigid)のままである熱硬化性バインダが適用される。植物繊維を反応性バインダと混合することによって、および押し出し装置中で反応性複合混合物を完全に混合し、バインダを植物性材料の細孔中へ押し、続いて反応性複合混合物を硬化型によって棒または形材に押し、加熱によって混合物を化学的に硬化することによって、これまでに知られている木質複合材料の特性を大きく上回る特性を有する木質の棒または形材が得られる。形成された木質複合体は、温度変化時に伸縮せず、非常に好ましい燃焼挙動を有する。さらに、方法は、植物性繊維から空気が動かされ、植物性繊維の細孔は反応性バインダで充填されるため、異なる気孔率を有する木材を含む様々なタイプの植物材料に適している。
【0033】
好ましい実施形態では、イソシアネート(NCO)基を有するポリウレタンに基づく(熱硬化性)バインダが使用される。湿気硬化可能なポリウレタン組成物が使用される場合、硬化および重合は植物性繊維中に存在する水分によって開始し、その結果、別の触媒の添加は必要ない。MDI(4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート)またはTDI(2,4-または2,6-トルエンジイソシアネート)のような構成成分が、ポリウレタン含有バインダとして適している。
【0034】
必要に応じて、プロセス条件で低粘度を有する他の反応性熱硬化性バインダを使用することも可能であり、その使用により、バインダが硬化する前に、植物性繊維の細孔に反応性バインダを含浸させることが可能となる。他の既知の好適な熱硬化性バインダとしては、アルキド樹脂、フェノールホルムアルデヒド、フタル酸ジアリル、メラミンホルムアルデヒド、ポリエステル樹脂、尿素ホルムアルデヒド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
図1
図2