(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】動作システム・ゾーン間における負荷均衡化
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20220624BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2019529861
(86)(22)【出願日】2017-11-30
(86)【国際出願番号】 US2017064006
(87)【国際公開番号】W WO2018102581
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-10-01
(32)【優先日】2016-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511117392
【氏名又は名称】パックサイズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ハーネスク,アンドレアス
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0364998(US,A1)
【文献】特表2016-532608(JP,A)
【文献】米国特許第03071262(US,A)
【文献】特開2011-079589(JP,A)
【文献】特開2016-141548(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0321481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを含むコンベア制御システムにおいて実装され、コンベア・システム内において品目の誘導を制御するための方法であって、
動作環境における少なくとも第1ゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取り値を生成するために、コンベア・システムの第1ゾーンにおいて第1ハードウェア・センサを設置するステップを含み、
前記コンベア・システムが、複数の異なったゾーンの中で、及び、前記複数の異なったゾーンの間で、箱を運搬し、
前記動作ステータスが、前記第1ゾーン内の複数の箱に関連する情報を含み、
前記複数の異なったゾーン
の中の、少なくとも1つの他のゾーンが、ハードウェア・センサを含まず、
前記方法が更に、
前記コンベア・システムの前記第1ハードウェア・センサからセンサ・データを受信するステップであって、前記センサ・データが、前記コンベア・システムを制御するためのフィードバック情報を含む、ステップと、
受信された前記センサ・データを評価して、前記第1ゾーン内に現在どの箱があるか判定するステップと、
前記評価に基づいて、1つ以上の箱を用具生産機械で製造し、前記第1ゾーンに向けて、前記1つ以上の箱を、コンベアの上に誘導するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記動作環境が、前記第1ゾーンと少なくとも第2ゾーンとを含む複数のゾーンを備える、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記第1および第2ゾーンの各々が、そのそれぞれのゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取り値を生成するように構成された、それ自体のハードウェア・センサを有する、方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、前記センサ・データが、各ゾーンにおける箱の数の指示を含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、更に、前記第1ゾーンに向けて、どの箱を前記コンベア上に誘導すべきか決定するときに、更に他の情報の1つ以上の部分を評価するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、前記更に他の情報の1つ以上の部分が、各ゾーンにおける操作員の人数を含む、方法。
【請求項7】
請求項5記載の方法において、前記更に他の情報の1つ以上の部分が、前記箱に関連付けられた注文を履行するために必要とされる、出庫の総回数を含む、方法。
【請求項8】
請求項5記載の方法において、前記更に他の情報の1つ以上の部分が、前記第1ゾーンの後に位置する少なくとも1つのゾーンからのセンサ・データを含む、方法。
【請求項9】
請求項5記載の方法において、前記更に他の情報の1つ以上の部分が、各ゾーンにおける現在の出庫速度を含む、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、前記第1ハードウェア・センサからの前記フィードバック情報が、1つ以上の他のゾーンにおける1つ以上の他のハードウェア・センサからのフィードバック情報と組み合わせて、前記コンベア・システムにおける各箱の現在の位置を示す(provide)、方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記受信したセンサ・データを格納する組織的データベース構造を生成するステップであって、前記組織的データベース構造が、複数の包装可能品目の内どれを前記箱内に装荷すべきかを示す情報を含む、ステップと、
前記生成した組織的データベース構造にアクセスして、前記コンベア・システム内においてどのように品目の流れを制御するかに影響を及ぼす1つ以上の動作環境要因を識別するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
コンベア・システムであって、
箱の上の移送可能品目の、前記コンベア・システムの1つ以上のコンベアの上への誘導を制御するように構成されたコンベア制御システムと、
動作環境内の複数の異なったゾーン
の中の、少なくとも第1ゾーンの動作ステータスに関する、センサ読み取りを行うように構成された、第1ハードウェア・センサであって、前記複数の異なったゾーン
の中の、少なくとも1つの他のゾーンが、前記第1ハードウェア・センサを含まず、前記動作ステータスが、前記第1ゾーン内の箱に関連する情報を含む、第1ハードウェア・センサと、
移送可能品目が、前記コンベア・システムの、前記1つ又は複数のコンベアの上に誘導される、順序を決定する誘導システムであって、前記順序の決定が、
前記コンベア・システムの前記第1ハードウェア・センサからセンサ・データを受信する動作であって、前記センサ・データが前記誘導システムを制御するためのフィードバック情報を含む、動作と、
受信された前記センサ・データを評価して、前記第1ゾーン内に現在どの箱があるか判定する動作と、
前記評価に基づいて、用具製造機械で1つ以上の箱を製造し、前記第1ゾーンに向けて、前記1つ以上の箱を、コンベア上に誘導する動作と、
を実行することによって為される、
誘導システムと、
を備える、コンベア・システム。
【請求項13】
請求項12記載のコンベア・システムであって、更に、第1制御アームを備え、当該第1制御アームが作動されると、前記コンベア・システム上への移送可能品目の流れを禁止または許可する、コンベア・システム。
【請求項14】
請求項12記載のコンベア・システムにおいて、前記誘導システムが、前記受信したセンサ・データの評価を実行し、各ゾーンに現在どの移送可能品目があるか判定するプロセッサを備える、コンベア・システム。
【請求項15】
請求項14記載のコンベア・システムにおいて、前記評価が、更に、前記コンベア制御システムからのフィードバック・データに基づく、コンベア・システム。
【請求項16】
請求項15記載のコンベア・システムにおいて、前記コンベア制御システムからの前記フィードバック・データが、前記コンベア・システム内における前記移送可能品目の内1つ以上の現在の出庫ゾーン位置を含む、コンベア・システム。
【請求項17】
請求項12記載のコンベア・システムにおいて、前記評価が、前記第1ハードウェア・センサからセンサ・データを受信する前に実行され、前記評価が、各ゾーンにおける現在の出庫速度、各ゾーンにおいて行われることがこれまでに予定されている出庫の回数、および/または各ゾーンにおける箱の最大数を含むゾーン特定誘導システム情報の少なくとも一部に基づく、コンベア・システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 本願は、"Balancing Load Among Operational System Zones"(動作システム・ゾーン間における負荷均衡化)と題し、2017年11月29日に出願された米国特許出願第15/825,463号の優先権および権利を主張する。米国特許出願第15/825,463号は、"Balancing Load Among Operational System Zones"(動作システム・ゾーン間における負荷均衡化)と題し、2016年12月1日に出願された米国仮特許出願第62/428,872号の権利および優先権を主張する。これらの出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
[0002] コンピューティング・システムは、至る所で見られるようになっており、小型の埋め込み型デバイスから電話機およびタブレットへ、更にPCおよびバックエンド・サーバに及ぶ。これらのコンピューティング・システムの各々は、ソフトウェア・コードを処理するように設計されている。ソフトウェアは、コンピューティング・システムによって提供されるハードウェアと対話処理して、ユーザが機能を実行することを可能にする。ある場合には、これらのコンピューティング・システムに、ワイヤレス無線機または有線ネットワーク・コントローラのような通信コンポーネントが装備されることもある。これらの通信コンポーネントは、コンピューティング・システムが、他のコンピューティング・システムおよびその他のデバイスとの間で、通信を送信および受信することを可能にする。ある場合には、通信コンポーネントは、コンピューティング・システムがデバイスまたは他のシステムからフィードバック・データを受信することを可能にする。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本明細書において説明する実施形態は、コンベア・システム内における品目の誘導(induction)を制御するためのコンベア・システムおよび方法を対象とする。一実施形態では、コンベア制御システムは、動作環境における第1ゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取り値を生成するために、コンベア・システム内にハードウェア・センサを実装する。第1ゾーンとは、注文が履行されるエリアである。コンベア制御システムは、コンベア・システムのハードウェア・センサからセンサ・データを受信する。センサ・データには、コンベア・システムを制御するためのフィードバック情報が含まれる。次いで、コンベア制御システムは、受信したセンサ・データを評価して、どの移送可能品目(conveyable item)が現在第1ゾーン内にあるか判定し、この評価に基づいて、これらの移送可能品目を、第1ゾーンに向けてコンベア上に誘導する。
【0004】
[0004] 他の実施形態では、コンベア・システムのコンベア上における移送可能品目の流れを制御するコンベア・システムを提供する。また、このコンベア・システムは、コンベア・システムにおける第1ゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取りを行うように構成されたハードウェア・センサも含む。更に、このコンベア・システムは誘導システムも含む。この誘導システムは、コンベア・システムのハードウェア・センサから、誘導システムを制御するためのフィードバックを含むセンサ・データを受信する動作、受信したセンサ・データを評価して、この評価に基づいて、どの移送可能品目が現在少なくとも第1ゾーン内にあるか判定するする動作、および第1ゾーンにおいてコンベア・システムの指定コンベア上に移送可能品目を誘導する動作を実行することによって、移送可能品目を生産しコンベア・システムに供給する順序を決定する。
【0005】
[0005] この摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題の鍵となる特徴や本質的な特徴を識別することを意図しているのではなく、特許請求する主題の範囲を判定するときに補助として使用されることを意図しているのでもない。
【0006】
[0006] 付加的な特徴および利点については、以下に続く説明において明記するが、部分的には以下の説明から当業者には明白であり、または本明細書における教示の実践によって習得することができる。本明細書において説明する実施形態の特徴および利点は、添付した請求項に特定的に指摘されている手段(instruments)および組み合わせによって実現し獲得することができる。本明細書において説明する実施形態の特徴は、以下の説明および添付した請求項から一層完全に明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0007] 本明細書において説明する実施形態の以上の特徴およびその他の特徴を更に明確化するために、添付図面を参照しながら更に特定的な説明を行う。尚、これらの図面は、本明細書において説明する実施形態の例を図示するに過ぎず、したがってその範囲を限定すると見なしてはならないことは認められよう。添付図面の使用を通じて、更に具体的にそして詳細に、実施形態について説明する(described and explained)。
【
図1】
図1は、本明細書において説明する実施形態が、コンベア・システム内における品目の流れを制御することを含む動作を実行することができる、コンピュータ・アーキテクチャを示す。
【
図2】
図2は、複数の装荷ゾーンを有する配送センターの実施形態を示す。
【
図3A】
図3Aは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図3B】
図3Bは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図3C】
図3Cは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図3D】
図3Dは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図3E】
図3Eは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図3F】
図3Fは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図3G】
図3Gは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図3H】
図3Hは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図3I】
図3Iは、移送可能品目がコンベア・システム内で生産される実施形態を示す。
【
図4】
図4は、コンベア・システム内における品目の誘導を制御するための方法例のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0012] 本明細書において説明する実施形態は、コンベア・システム内における品目の誘導(induction)を制御するためのコンベア・システムおよび方法を対象とする。一実施形態では、コンベア制御システムは、動作環境における第1ゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取り値を生成するために、コンベア・システム内にハードウェア・センサを実装する。第1ゾーンとは、注文が履行されるエリアである。コンベア制御システムは、コンベア・システムのハードウェア・センサからセンサ・データを受信する。センサ・データには、コンベア・システムを制御するためのフィードバック情報が含まれる。次いで、コンベア・制御システムは、受信したセンサ・データを評価して、どの移送可能品目(conveyable item)が現在少なくとも第1ゾーン内にあるか判定し、この評価に基づいて、これらの移送可能品目を第1ゾーンに向けてコンベア上に誘導する。
【0009】
[0013] 他の実施形態では、コンベア・システムのコンベア上における移送可能品目の流れを制御するコンベア・システムを提供する。また、このコンベア・システムは、コンベア・システムにおける第1ゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取りを行うように構成されたハードウェア・センサも含む。更に、このコンベア・システムは誘導システムも含む。この誘導システムは、コンベア・システムのハードウェア・センサから、誘導システムを制御するためのフィードバックを含むセンサ・データを受信する動作、受信したセンサ・データを評価して、この評価に基づいて、どの移送可能品目が現在第1ゾーン内にあるか判定する動作、および第1ゾーンにおいてコンベア・システムの指定コンベア上に移送可能品目を誘導する動作を実行することによって、移送可能品目を生産し、コンベア・システムに供給する順序を決定する誘導システムも含む。
【0010】
[0014] 以下の論述は、本明細書において開示する主題の1つ以上の実施形態によって実行することができる複数の方法および方法アクトに言及する。尚、方法アクトは、一定の順序で論じられるように、または特定の順序で現れるようにフローチャートにおいて示されることもあるが、特定して言明されなければ、または要求されなければ、特定の順序付けは必ずしも必須ではないことは注記してしかるべきである。何故なら、1つのアクトは、このアクトが実行される前に完了する他のアクトに依存するからである。
【0011】
[0015] 本明細書において説明する実施形態は、種々の型式のコンピューティング・システムを実装することができる。これらのコンピューティング・システムは、現在増々多種多様な形態をなしつつある。コンピューティング・システムは、例えば、移動体電話機、電子アプライアンス、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、ウェアラブル・デバイス、デスクトップ・コンピュータ、メインフレーム等であってもよい。本明細書において使用する場合、「コンピューティング・システム」という用語は、少なくとも1つのプロセッサと、このプロセッサによって実行可能なコンピュータ実行可能命令を有することができる物理および有形コンピュータ読み取り可能メモリとを含む、任意のデバイス、システム、またはその組み合わせを含む。コンピューティング・システムは、ネットワーク環境を通じて分散されてもよく、更に複数の要素的コンピューティング・システムを含んでも良い。
【0012】
[0016] コンピューティング・システムは、通例、少なくとも1つの処理ユニットと、メモリとを含む。メモリは、物理システム・メモリとして差し支えなく、揮発性、不揮発性、またはこれら2つの何らかの組み合わせでもよい。「メモリ」という用語は、本明細書では、物理記憶媒体または物理記憶デバイスのような、不揮発性大容量ストレージを指すために使用される場合もある。コンピューティング・システムが分散型である場合、処理、メモリおよび/または記憶能力も同様に分散することができる。
【0013】
[0017] 本明細書において使用する場合、「実行可能モジュール」または「実行可能コンポーネント」という用語は、ソフトウェア・オブジェクト、ルーチン、メソッド、またはコンピューティング・システム上で実行することができる同様のコンピュータ実行可能命令を指すことができる。本明細書において説明する異なるコンポーネント、モジュール、エンジン、およびサービスは、コンピューティング・システム上で(例えば、別個のスレッドとして)実行するオブジェクトまたはプロセスとして実装することができる。
【0014】
[0018] 本明細書において説明するように、コンピューティング・システムは、通信チャネルも内蔵することができ、通信チャネルは、コンピューティング・システムが、有線またはワイヤレス・ネットワークを通じて、他のメッセージ・プロセッサと通信することを可能にする。このような通信チャネルは、ハードウェアに基づく受信機、送信機、または送受信機を含むことができ、これらは、データを受信するように、データを送信するように、または双方を実行するように構成される。
【0015】
[0019] また、本明細書において説明する実施形態は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を搬送または格納するために、物理コンピュータ読み取り可能媒体も含む。このようなコンピュータ読み取り可能媒体は、汎用または特殊目的コンピューティング・システムによってアクセスすることができる任意の入手可能な物理媒体とすることができる。
【0016】
[0020] コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を格納する物理ハードウェア記憶媒体である。物理ハードウェア記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、ソリッド・ステート・ドライブ(「SSD」)、フラッシュ・メモリ、相変化メモリ(「PCM」)、光ディスク・ストレージ、磁気ディスク・ストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいはコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態でプログラム・コードを格納するために使用することができる任意の他のハードウェア記憶デバイス(1つまたは複数)のようなコンピュータ・ハードウェアを含む。これらは、汎用または特殊目的コンピューティング・システムによってアクセスおよび実行して、本明細書において説明する実施形態で開示する機能を実現することができる。データ構造は、プリミティブ型(例えば、キャラクタ、二重、浮動小数点)、複合型(例えば、アレイ、レコード、ユニオン等)、抽象データ型(例えば、コンテナ、リスト、集合、スタック、ツリー等)、ハッシュ、グラフ、または他の任意の他の型のデータ構造を含むことができる。
【0017】
[0021] 本明細書において使用する場合、コンピュータ実行可能命令は、命令およびデータを含み、1つ以上のプロセッサにおいて実行されると、汎用コンピューティング・システム、特殊目的コンピューティング・システム、または特殊目的処理デバイスに、特定の機能または1群の機能を実行させる。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリー、アセンブリ言語のような中間フォーマット命令、またはソース・コードであってもよい。
【0018】
[0022] 本明細書において説明する原理は、多くの型式のコンピューティング・システム構成を有するネットワーク・コンピューティング環境において実践できることが、当業者には認められよう。コンピューティング・システム構成には、パーソナル・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、メッセージ・プロセッサ、ハンドヘルド・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのまたはプログラマブル消費者用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、移動体電話機、PDA、タブレット、ページャ、ルータ、スイッチ等が含まれる。また、本明細書における実施形態は、分散型システム環境においても実践することができ、ローカルおよびリモート・コンピューティング・システムがネットワークを通じてリンクされ(ハードワイヤ接続データ・リンク、ワイヤレス・データ・リンクによって、またはハードワイヤ接続およびワイヤレス・データ・リンクの組み合わせによってのいずれか)、双方がタスクを実行する。したがって、分散型システム環境では、コンピューティング・システムは複数の要素コンピューティング・システムを含んでもよい。分散型システム環境では、プログラム・モジュールは、ローカルおよびリモート双方のメモリ記憶デバイスに配置されてもよい。
【0019】
[0023] また、本明細書における実施形態は、クラウド・コンピューティング環境においても実践できることも、当業者には認められよう。クラウド・コンピューティング環境は、分散型であってもよいが、これは必須ではない。分散型の場合、クラウド・コンピューティング環境は、組織内で国際的に分散されることもあり、および/または複数の組織を跨いで所有されるコンポーネントを有することもある。この説明および以下の請求項では、「クラウド・コンピューティング」とは、構成変更可能なコンピューティング・リソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)の共有プールへの、要求に応じたネットワーク・アクセスを可能にするためのモデルと定義する。「クラウド・コンピューティング」の定義は、このようなモデルが適正にデプロイされたときに得ることができる他の多数の利点のいずれにも限定されない。
【0020】
[0024] 更にまた、本明細書において説明するシステム・アーキテクチャは、複数の独立したコンポーネントを含むことができ、その各々が本システムの機能に全体として寄与する。このモジュール性は、プラットフォーム・スケーラビリティの問題に取り組む(approach)ときに柔軟性向上を可能にし、したがって種々の利点を提供する。規模を小さくして機能範囲を限定した部品の使用により、システムの複雑さおよび増大を一層容易に管理することができる。プラットフォームのフォールト・トレランスは、これらの疎に結合されたモジュールの使用によって強化される。個々のコンポーネントは、業務の必要上迫られるに連れて徐々に増大させることができる。また、モジュール型開発は、新たな機能の市場投入までの時間短縮と解釈される。中核システムに影響を及ぼすことなく、新たな機能を追加または削除することができる。
【0021】
[0025] 図を参照すると、
図1は、本明細書において説明する少なくとも1つの実施形態を採用することができるコンピュータ・アーキテクチャ100を示す。コンピュータ・アーキテクチャ100は、コンピュータ・システム101を含む。コンピュータ・システム101は、少なくとも1つのプロセッサ102と何らかのシステム・メモリとを含む。コンピュータ・システム101は、クラウド・コンピュータ・システムを含む任意の型式のローカルまたは分散型コンピュータ・システムとしてもよい。コンピュータ・システム101は、種々の異なる機能を実行するモジュールを含む。実例をあげると、通信モジュールは、他のコンピュータ・システムと通信するように構成することができる。通信モジュールは、他のコンピュータ・システムからデータを受信する、および/または他のコンピュータ・システムにデータを送信することができる任意の有線またはワイヤレス通信手段を含めばよい。通信モジュールは、データベース、移動体コンピューティング・デバイス(移動体電話機またはタブレットのような)、埋め込み型、またはその他の型式のコンピュータ・システムと相互作用するように構成することができる。
【0022】
[0026] 更に、コンピュータ・システム101は、データ・アクセサ(data accessor)103も含む。データ・アクセサ103は、動作環境110においてコンベア・システムからデータにアクセスするように構成することができる。動作環境110は、任意の種類の倉庫、配送センター、流通センター、工場、またはコンベアが使用されるその他の環境であってもよい。データ・アクセサ103によって受信およびアクセスされたデータは、コンベア・システム111における1つ以上のハードウェア・センサからのセンサ・データ109である。
【0023】
[0027] 実例をあげると、コンベア・システム111は異なるゾーン(例えば、ゾーン1(113A)およびゾーン2(113B))を有してもよい。これらのゾーンは、例えば、作業員が出荷のために品目をコンテナに入れるエリアまたは位置であってもよい。各ゾーンは、いつコンテナまたは他の移送可能品目がそのゾーン内にあるか判定するハードウェア・センサ(例えば、112Aおよび112B)を有することができる。つまり、コンベア114が、ゾーン1および2を含む複数のゾーンを繰り返し通る場合、ハードウェア・センサ112Aおよび112Bは、他の移送可能品目がそれらのゾーン内に現在あるか否かを示す。使用されているセンサの型式に応じて、コンピュータ・システム101は、どの品目が各ゾーンにあるか正確に識別することができる。実例をあげると、バー・コード・リーダが各品目を一意に識別し、次いでその現在の位置を指示することができる。
【0024】
[0028] 他の実施形態では、異なる型式のハードウェア・センサを使用することができる。例えば、ハードウェア・センサ112Aおよび112Bを動作環境110全域に、コンベア114上および種々のゾーン(例えば、113A、113B、またはその他)内を含んで、配置することができる。ハードウェア・センサは、包装可能品目または用具(equipment)の現在の位置に関するセンサ・データ109を中継する(relay)ようにプログラミングすることができる。更に、センサ・データ109は、コンベア上で移動させられている品目または用具の現在の軌道、品目または用具の物理特性等に関するものでもよい。これらの特性または位置または軌道は、可視光または不可視光センサ、重量センサ、圧力センサ、温度センサ、カメラ、音響センサ、慣性センサ、あるいはその他の型式のセンサによって測定することができる。実際、実質的にあらゆる型式のハードウェア・センサを動作環境110内において使用することができる。
【0025】
[0029] 圧電センサのような一部のセンサは、例えば、圧力、加速度、力、歪み、または温度の変化を測定するために、動作環境110内の特定の位置に配置することができる。これらのセンサの測定値は、現在用具がどこにあるのか(コンベア上の特定地点における圧力または重量変化によって証明される)、その用具はどのような軌道を辿っているか、用具は現在どのように見えるかまたは用具の中に現在何が入っているか(側面実装または上面実装カメラを使用する)、どのような包装可能品目が現在各ゾーン内に位置しているか、所与のゾーン内にどのような作業員が現在配置されているか(例えば、体温を測定できる重量または赤外線センサを使用する)、あるいは所与の用具を生産および/または放出する(release)か否か決定するときに有用となる任意の数の他の型のフィードバック・センサ・データ118を識別するために使用することができる。
【0026】
[0030] Bluetooth(登録商標)無線機、無線周波数識別(RFID)、WiFi、セルラ、汎地球測位システム(GPS)、またはその他の無線機を含むハードウェア無線機は、用具内および/または移送可能品目108の内部に埋め込まれた無線機または送受信機と通信するために使用することができる。無線機は、埋め込み無線機からの信号を使用して、現在の位置、現在の軌道、現在の内容物(contents)、あるいは用具またはその内容物についての他の情報を判定することができる。また、これらのハードウェア無線機は、作業員によって使用される移動体電子デバイス、または動作環境内にあるワークステーションにおいて使用される移動体電子デバイスと通信することができる。もののインターネット(IOT)デバイスがこのような無線機を使用して通信することもでき、用具および移送可能品目についての情報を、中央サーバおよび/またはコンベア制御システム101に伝達するようにプログラミングすることができる。また、IOTデバイスは種々のハードウェア・センサと通信することもできる。したがって、コンベア制御システムは、ハードウェア・デバイス、センサおよび無線機から種々の入力を受信して、用具の生産を制御し、更に用具が動作環境110内でどこに向かっているか制御することができる。
【0027】
[0031] センサ・データ109は、コンピュータ・システム101に連続的に送られる。ある場合には、コンピュータ・システム101が動作環境の一部であってもよく、更にコンベア・システム111に統合されてもよいことは注記してしかるべきである。他の場合には、コンピュータ・システム101はコンベア・システム111とは別個であり、有線またはワイヤレス送信によって、コンピュータ・システムの通信モジュールからセンサ・データ109を受信する。一旦センサ・データがコンピュータ・システム101において受信されると、フィードバック・アナライザ104が、送られたデータを、コンピュータ・システムへのフィードバックとして分析する。センサ・データは、コンベア・システムが現在どのように動作しているか、コンベア・システムが正常なパラメータの範囲内で動作しているか否か、移送可能品目がコンベア114上のどこに位置するか等を示すことができる。このデータは、コンベア・システム111がどのように動作しているかを制御するために、フィードバックとして使用することができる。
【0028】
[0032] 例えば、誘導モジュール(inducement module)105は、移送可能品目108をいつコンベア114に誘導するかまたは供給するか制御することができる。用具生産機械106は、箱のような移送可能品目を生産し、これらの品目をコンベア・システム111に供給するように構成することができる。用具生産機械106は、予め製造されている材料または生材料107を取り込み、箱またはその他の移送可能品目を生成することができる。用具生産機械106は、コンベア・システム内におけるボトルネックおよび交通渋滞を低減するために、これらの移送可能品目108を生産しこれらをコンベア・システム111に、指定時刻に誘導するように構成することができる。
【0029】
[0033] 実例をあげると、
図2に示すように、配送センター200が示されている。配送センター200は、種々の出庫ゾーン(pick zone)1~5(即ち、202A~202E)にわたって蛇行するコンベア201を含む。一旦箱が生産されたなら、これらを異なるゾーンに誘導するために、
図1からのコンベア・システム111上の機械アーム(mechanical arm)を使用することができる。しかしながら、任意の1つのゾーン内に余りに多くの箱がある場合、取り残し(backup)が発生するおそれがあり、生産性が低下する。例えば、各ゾーンが、顧客の注文を履行するために使用される包装可能品目で満たされた棚およびビンを含む場合、各ゾーンは、毎分または毎時一定数の注文を満たすことができるであろう。更に、各ゾーンは、注文を履行するために箱の中に入れられるべき異なる商品も有することができる。これらに応じて、用具生産機械204の内1つ以上を使用して、誘導エリア203において箱を生成することができる。箱は、種々のゾーンにおいて作業員の生産性を最大化し、ゾーン内における交通渋滞を最小化するような方法で生成することができる。
【0030】
[0034] 実際、一部の配送/流通センターでは、商品に対する顧客の注文は、コンベア・システムを使用することによって、包装され(pack)、コンベア・システムは、空の箱を出庫ゾーンに輸送し、ここで注文を履行するために、製品が出庫され、または箱の中に入れられる。各出庫ゾーンは、取り残しが発生する前では、一定量の負荷を扱うことができる。負荷量は、出庫ゾーンの広さ、出庫ゾーンで作業する作業員の人数、出庫ゾーンにおける包装可能品目の数等に応じて異なる。特定の時刻に箱を生成することによって、コンベア制御システム101はゾーン間における箱の流れを規制することができる。この流れ規制を、本明細書では、負荷平準化(load leveling)と呼ぶ。
【0031】
[0035] ある場合には、第1出庫ゾーン(そして、場合によっては、箱のための追加の出庫ゾーン)に基づいて、指定グループに箱を分類することによって、負荷平準化を行うことができる。各グループは、1~nまでの出庫ゾーンを保持する(hold)。これらのグループには、箱誘導システムが維持する指定比率が割り当てられる。この比率は、各出庫ゾーンにおける包装可能品目の推定数、および各ゾーンにおける出庫作業員(picker)の人数に基づき、後ろの方の出庫ゾーン程、最初のものと比較して、低い比率を有する。何故なら、ゾーン1を最初の出庫ゾーンとして有する箱は、更に他の出庫ゾーンにおいても停止する必要があるからである。本明細書において説明する実施形態は、各出庫ゾーンにおける現在の負荷に基づいて、箱を誘導する。これは、各出庫ゾーン内にある箱の数、および他のゾーンにあり特定の出庫ゾーンで停止する箱の数を含む。
【0032】
[0036] ある場合には、動作環境110から可変量の情報が入手可能になることもある。実例をあげると、ゾーン1(113A)のみがセンサを有する場合、他のゾーンに移動することになっている箱に対する生産の決定は、外挿補間データに基づくことができる。センサ・データ109にしたがって、第1出庫ゾーンが現在利用可能である場合、用具生産機械106は、このゾーンに対する好ましい箱の個数にしたがって、箱を生産し第1出庫ゾーンに分配する(distribute)ことができる。この好ましい箱の個数は、注文を履行するために他の出庫ゾーンからの包装可能品目が必要とされる場合、箱の対する複数回の停止を考慮に入れるために、調節することができる。
【0033】
[0037] 例えば、少なくともある場合には、第1出庫ゾーン1にある箱は、出庫ゾーン5からの製品も必要とする可能性が高いという事実のため、後ろの出庫ゾーン(即ち、2~5)程、好ましい箱の個数を少なくしなければならないのはもっともである。これは、コンベア・システム111からの、出庫ゾーンから受信されるセンサ・データ109を含むフィードバックによって達成され、コンベア制御システム101が各出庫ゾーンにおける箱の数がわかるようにすることができる。また、このような実施形態は、出庫ゾーンにおける箱の個数が、そのゾーンにおける出庫速度(pick rate)の関数となるように、各出庫ゾーンにおける出庫速度を考慮に入れることもできる。用具生産機械106は、好ましい箱の個数から最も離れた出庫ゾーンに基づいて、次の箱を生産する。全ての出庫ゾーンが最大生産能力にある場合、用具生産機械106は、出庫ゾーンが利用可能なスロットを有するまで、新たな箱をコンベア上に全く誘導しない。
【0034】
[0038] 全ての出庫ゾーンが利用可能である場合、用具生産機械106は、任意の所与の時点において各出庫ゾーンに送ることができる箱の数に対して、数値限定を設ける(have)こともできる。これは、出庫ゾーン(例えば、113A)における箱の数、およびコンベア・システム111において今後の目的地として特定の出庫ゾーンがある箱の数も含むことができる。一例では、出庫ゾーン5の現在の箱が、コンベア・システム内における今後の目的地として、出庫ゾーン5に到達する前に、複数回の停止を有する場合、例えば、出庫ゾーン5に対する追加の箱を誘導することもできる。ゾーンからのフィードバックを利用することにより、コンベア制御システム101がコンベア・システム111内にある全ての箱の現在の出庫ゾーンにおける配置を把握することが可能になる。
【0035】
[0039] 加えて、各出庫ゾーンにおける包装可能品目が用具生産機械106に利用可能である場合、更に他の最適化にも対応することができる。例えば、箱Aが出庫ゾーン1において1つの包装可能品目を有し、出庫ゾーン2をこの箱の次の目的地とする場合、用具生産機械106は、出庫ゾーン2に行く必要がある第2の箱(箱B)を生産しなければよい。これは、誘導、および誘導エリアから出庫ゾーン2に到達するための輸送時間のためである(箱Aおよび箱Bが同時に出庫ゾーン2に到達する可能性がある)。しかしながら、箱Aが出庫ゾーン1において5つの出庫される品目(picks)を有する場合、コンベア制御システム101は、箱1は5つの品目を得るために出庫ゾーン1において時間がかかるという事実のため、箱Bを出庫ゾーン2に誘導できると判定することもできる。更に、コンベア制御システム101は、現在出庫ゾーン2内にある箱は、箱Bが出庫ゾーン2に到達する前に、出庫されて次の目的地に輸送されると判定することができる。どの箱が配送されつつあるか、および配送のためにこれらの箱がどこに行く必要があるかについての任意の知識に加えて、またはその代わりに、システム内部からの他の型式のフィードバックも使用することができる。実例をあげると、各ゾーンにおける出庫速度(pick rate)を使用して、いつ箱をシステムに誘導すべきか決定することもできる。
【0036】
[0040] この負荷平準化を達成するために使用される方法は、出庫速度の予期しない変動に対処するために、特定の出庫ゾーンに対する最大数(limit)に達する前に、この出庫ゾーンへの誘導を停止および開始する能力を使用することができる。これらの変動は、包装可能品目を補充するために必要な時間、作業員のための休憩、コンベア114の機械的な故障、内容物の流出等のために発生するおそれがある。一旦出庫ゾーンが再開した(reactivate)なら、用具生産機械106は、この出庫ゾーンはその負荷限度から一層遠ざかっているという事実のため、その出庫ゾーンのためにより多くの箱を生産する。
【0037】
[0041] 一実施形態では、コンベア制御システム101を含むコンベア・システム111を提供する。このコンベア制御システムは、コンベア・システムのコンベア114上にある移送可能品目の流れを制御する。コンベア・システム111は、1つ以上のハードウェア・センサ112A/112Bを含む。ハードウェア・センサ112A/112Bは、コンベア・システムにおける出庫ゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取りを行うように構成される(例えば、113A/113B)。また、コンベア制御システムは、移送可能品目を生産しコンベア・システムに供給する順序を決定する誘導システムも含む。この誘導システムは、例えば、データ・アクセサ103、フィードバック・アナライザ104、誘導モジュール105、および/または用具生産機械106を含むことができる。データ・アクセサ103は、コンベア・システム111のハードウェア・センサ(1つまたは複数)112Aからのセンサ・データ109を受信し、センサ・データ109にアクセスする。センサ・データは、コンベア・システム111の動作ステータスに関するフィードバックを含む。このフィードバックは、誘導システムを制御するために使用することができ、具体的には、用具生産機械106によって移送可能品目108が生産される順序を制御するために使用することができる。
【0038】
[0042] 誘導システムのフィードバック・アナライザ104は、受信したセンサ・データ109を評価して、どの移送可能品目108が現在第1ゾーン内にあるか判定し、この評価に基づいて、誘導モジュール105は1つ以上の移送可能品目を、第1ゾーン113Aにおいて、コンベア・システム111の指定コンベア114上に誘導する。移送可能品目は、異なる出庫ゾーンにおいて交通渋滞を回避する、指定順序で生成することができる。フィードバック・アナライザは、種々の異なる要因を考慮に入れることができる。異なる要因には、移送可能品目が種々の出庫ゾーンのどこに位置するか、包装可能品目を箱に入れるために何人の作業員が手配可能か(available)、履行するためには、箱はどの出庫ゾーンに行かなければならないか、更には、どのゾーンが現在箱を有するかの読み取り値が含まれる。誘導モジュール105は、これらの要因の内任意のものまたは全て(コンベア・システム111に影響を及ぼすおそれがある他の要因も含む)を、どの箱をいつの時点に生成するか決定するときに、考慮に入れる。
【0039】
[0043] 尚、用具生産機械106は、種々の異なる品目を生産するように構成することもできるが、簡略化のために、ここでは箱に絞ることは理解されてしかるべきである。このように、用具生産機械106は、種々の異なる箱を生産することができる。これらの箱は、異なる形状およびサイズであってもよく、更に異なる負荷容量を有してもよい。各箱は、生の原料107、または段ボールのような予め製造されている材料で生成することができる。ある場合には、用具生産機械106は、段ボール板を利用し(access)、この段ボールを移動させ、折り曲げ、封をし、更に他の方法で操作して、異なるサイズの箱を作成するように構成することができる。これらの箱の作成および/または誘導は、注文を受けるに連れて、要求に応じて行われる。しかしながら、注文を受けると常に直ちに箱を作成するわけではない。何故なら、そうするとコンベア・システム111において交通渋滞を招くおそれがあるからである。つまり、コンベア・システムからのフィードバックが誘導システムに供給され、誘導システムは、いつ箱を作成するか決定するときに、多くの異なる要因を考慮に入れる。いつ箱を生成するか制御することによって、種々の出庫ゾーンにわたって負荷を平準化することができる。
【0040】
[0044] 実例をあげると、3つの包装可能品目を配送する(fulfill)ことを要求する注文を受けたと仮定する。更に、これらの包装可能品目の内1つがゾーン1(113A)にあり、これらの品目の内2つがゾーン2(113B)にあると仮定する。フィードバック・アナライザは、現在どの位多くの箱がゾーン1および2にあるかを示すセンサ・データ109を見ることができ、更に、これらの出庫ゾーンにおいて現在作業している作業員の人数に基づいて、これらのゾーンに対する負荷容量(loading capacity)を判定することができる。緊急の注文(翌日配達便)または特注(custom order)を含む、他の要因も考慮してもよい。このような注文を履行するために、箱の生産を捗らせることができる。しかしながら、殆どの場合、誘導システムは、要因の内1つ以上を見て、作成する最良の時点を決定し、箱をコンベア114上に誘導するので、箱は、履行に(そして交通渋滞を回避するのに)好都合な時点にゾーン1に到達し、次いで、コンベア・ラインを下ったゾーン2に、好都合な時点に到達する。2箇所よりも多いゾーンが使用される場合(
図2におけるような場合)、他のゾーンに対する要因も考慮に入れることができる。
【0041】
[0045] コンベア・システム111は、制御アームを含むことができ、制御アームは、作動させると、コンベア・システム上への移送可能品目を禁止または許可する。また、制御アームは、異なる出庫ゾーンに箱を導くために使用することができる。制御アームは、用具生産機械106と併せて使用して、コンベア114上の箱の異なるゾーンへの流れを制御することができる。コンベア・システムにおける現在の条件に基づいて、最適な時点において箱を用具生産機械106によって生成することができ、制御アームは、箱をコンベア114に移すことを許可する前に、必要なときに、箱を保留するために使用されてもよく、更に箱を直接異なるゾーンに導くために使用することもできる。例えば、
図2における箱が直接ゾーン5に行く必要がある場合、出庫ゾーン1~4を通過することなく、直接出庫ゾーン5に導くことができる。
【0042】
[0046] 誘導システムは、ローカル・プロセッサを含むこともでき、クラウドによって提供されるような、分散処理にアクセスすることもできる。プロセッサは、受信したセンサ・データ109の評価を実行し、どの移送可能品目が現在各ゾーン内にあるか判定することができ、更に現在保留中の注文、および各出庫ゾーン内に既にある現在の箱の数に基づいて、どれを生産すべきか判定することができる。コンベア・システム111からのフィードバック・データは、プロセッサが、種々の出庫ゾーンにわたって負荷を平準化するために、用具生産機械106による箱作成の時点を調節することが可能になる。前述のように、コンベア・システムからのフィードバック・データは、コンベア・システム内における箱の各々についての現在の出庫ゾーン位置を含むことができ、更に、各ゾーンにおける現在の出庫速度(即ち、包装可能品目が現在棚から取り出され、出荷のために箱に入れられる速度)も含むことができる。
【0043】
[0047] したがって、コンベア・システム111は、各箱がコンベア・システム 全体にわたって移動するときに、その位置を追跡することができる。これを遂行するには、各出庫ゾーンにおいてハードウェア・センサを使用して、箱の視覚検査を使用して(例えば、箱が、カメラのような画像生成デバイスの脇を通過するときに、箱の画像を撮影する)、箱がRFIDリーダを通過するときに、無線周波数識別(RFID)タグをスキャンすることによって、または箱が出庫ゾーンに入りそして出るときに箱を識別する何らかの他の方法を使用して、行うことができる。
図3A~
図3Iは、10個の異なる箱が生産され、配送のためにコンベア・システムを通って導かれる実施形態を示す。
図3Aは、「例1-第1の箱」を示す。これが示すのは、
図3Aが、箱1に関して、どのように経路決定(routing)および生産タイミングの決定を行うかについてである。
【0044】
[0048] チャート301は、箱1と関連付けられた注文を履行するために必要とされる出庫ゾーンを示す。具体的には、チャート301は、履行のために、箱1が出庫ゾーン1、4、および5に移動する必要があることを示す。
図3Bは、箱1(B1)が現在コンベア・システム303のコンベア上にあることを示す。チャート302は、箱1が出庫ゾーン1に割り当てられており、出庫ゾーン1がその中に合計1つの箱を有することを示す。
図3Cは、箱B1が現在出庫ゾーン1のスロット1の中にあり、箱B4が、処理およびコンベア・システム303への誘導のために次に選択されることを示す。チャート301が示すように、箱B4は出庫ゾーン2、4、および5に向けられる。出庫ゾーン2は現在空になっているので、箱B4は、箱2および3よりも前に、それらの次(their next)に送られる。箱2および3は、箱2の配送において使用される出庫ゾーンに向けられる。出庫ゾーン2は箱B1の配送には使用されないので、箱B4を直ちに送ることができる。
【0045】
[0049] ここで、チャート302は、センサにしたがって、箱B1が出庫ゾーン1にあり、箱B4が出庫ゾーン2に割り当てられ、箱B1が次に出庫ゾーン4に向けられることを示す。このプロセスは、継続し、その後
図3D~
図3Iまで進むことができる。箱B1~B10毎にタイミングおよび経路決定が考慮されるに連れて、これらの箱は、出庫ゾーンの全てにわたって負荷を平準化する順序で生成される。これらの概念について、
図4の方法400に関して以下で更に説明する。
【0046】
[0050] 以上で説明したシステムおよびアーキテクチャを考慮して、開示する主題にしたがって実現することができる方法は、
図4のフローチャートを参照すると、一層正しく理解されよう。説明の簡素化のために、方法を一連のブロックとして示し説明する。 しかしながら、いくつかのブロックは、本明細書において図示および説明する順序とは、異なる順序で現れてもよく、および/または他のブロックと同時に現れてもよいので、特許請求する主題は、ブロックの順序によって限定されないことは、理解され認められてしかるべきである。更に、以降で説明する方法を実現するためには、図示するブロック全てが必要となる訳ではない。
【0047】
[0051]
図4は、コンベア・システム内における品目の誘導を制御するための方法400のフローチャートを示す。これより、
図1の環境100のコンポーネントおよびデータを頻繁に参照しながら、方法400について説明する。
【0048】
[0052] 方法400は、動作環境における少なくとも第1ゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取り値を生成するために、コンベア・システム内に少なくとも1つのハードウェア・センサを実装するステップを含む。第1ゾーンは、注文が履行されるエリアを備える(410)。例えば、所与の出庫ゾーンまたはその他のエリア内における用具および/または要員の動作ステータスを示すセンサ・データを生成するために、ハードウェア・センサ112Aがコンベア・システム111において使用されてもよい。動作ステータス・データは、どのコンベアが現在運転中であるか、どの出庫ゾーンに作業員がいるか、そして何人の作業員がいるか、どの出庫ゾーンに包装可能品目が満杯に貯蔵されているか、そしてどの出庫ゾーンの貯蔵が少ないか、どの出庫ゾーンの内部に現在箱があるか、またはどの出庫ゾーンに箱が割り当てられているか、およびいつこれらの箱が出庫ゾーンに到達したかについて、所与の出庫ゾーンにおいてどの位速く箱で満たされつつあるかを示す出庫速度データを含む他のデータと共に、示すことができる。
【0049】
[0053] 次に、方法400は、コンベア・システム111のハードウェア・センサ112Aからセンサ・データ109を受信するステップを含み、センサ・データは、コンベア・システムを制御するためのフィードバック情報を含む(420)。フィードバック・アナライザ104は、センサ・データ109を見て、どの移送可能品目が現在第1ゾーン内にあるか判定する(430)。このように、センサ・データ109を使用して、フィードバック・アナライザは、コンベア・システム111の各出庫ゾーンにどの箱が入っているか識別することができる。次いで、この評価に基づいて、誘導モジュール105は1つ以上の移送可能品目を、第1ゾーンに向けてコンベア上に誘導する(440)。このプロセスは、コンベア・システム111における出庫ゾーン毎に、および/または注文を履行するために使用される箱毎に繰り返すことができる。
【0050】
[0054] 先に示したように、動作環境111は、第1ゾーン113Aおよび第2ゾーン113Bを含む複数の出庫ゾーンを含む。出庫ゾーンの各々は、そのそれぞれのゾーンの動作ステータスに関するセンサ読み取り値を生成するように構成された、それ自体のハードウェア・センサ112A/112Bを有する。動作ステータスは、例えば、どれ位多くの箱が所与のゾーン内に現在位置するかを示すことができる。このように、センサ・データ109は、ゾーン1が3つの箱を有し、ゾーン2が1つの箱を有することを示すことができる。これは、各ゾーンにおける現在の生産容量に基づいて、そのゾーンはもっと多くの箱を引き受けることができること、またはそのゾーンは満杯でありこの時点ではそれ以上の箱を引き受けることができないことのいずれかを示すことができる。出庫ゾーンがもっと多くの箱を引き受けることができる場合、箱または他の包装材を作成し、その箱を、指定出庫ゾーンに送ることによって、これらのゾーン内に位置する包装可能品目によって、今後来る注文を履行することができる。
【0051】
[0055] 各ゾーン内に現在位置している箱の数に加えて、センサ・データ109は、どの箱がそのゾーン内にあるか(注文毎に要求に応じて各箱が生成されるので)、それぞれの包装可能品目で箱を満たすためにはどの位時間がかかりそうか(直前の出庫速度に基づいて)、必要とするあらゆるものを有する箱、または履行のために他の出庫ゾーンに送られなければならない箱を密封し完成させるにはどの位時間がかかるか、正確に示すことができる。また、どの移送可能品目を第1ゾーンに向けてコンベア上に誘導しなければならないか決定するときに、他の情報も使用することができる。実例をあげると、この情報は、各ゾーンにおける作業員の人数を含むことができる。次いで、所与のゾーンにおいて履行のために生産される箱の数を、各出庫ゾーンにおける作業員の人数によって制限することもできる。
【0052】
[0056] 更にまた、どの移送可能品目を誘導しなければならないか決定するために使用される情報は、箱の物理的長さを含んでもよい。実例をあげると、各箱は、物理的寸法による既知の物理サイズを有するのでもよい。例えば、あるゾーン内にある全ての箱の長さの合計をXインチまたはXフィートよりも大きくすることができず、その長さが既に、そのゾーン内に既にある既存の箱によって満たされている場合、十分な箱サイズ容量が空くまで、そのゾーンにはそれ以上の箱は誘導されない。また、少なくともいくつかの実施形態では、センサ・データを全く用いずに、誘導の判定を行ってもよいことも注記してしかるべきである。例えば、本システムによって実行される評価は、いずれのハードウェア・センサからのセンサ・データも受信する前に、実行されてもよい。このような場合、評価は、各ゾーンに特定的な誘導システム情報に基づいて実行されることになる。このような情報は、各ゾーンにおける現在の出庫速度、各ゾーンにおいて既に行われることが予定されている出庫(pick)の回数、および/または各ゾーンにおける箱の最大数を含むことができる。勿論、センサ・データがない場合、誘導の判定を行うために他の情報を使用してもよい。
【0053】
[0057] 加えてまたは代わりに、情報は、移送可能品目と関連付けられた注文を履行するために必要とされる出庫の総数を含むことができる。つまり、所与のゾーンにおいて履行のために生産される箱の数は、そのゾーンにおいて注文の一部を履行するために行われる必要がある出庫の総回数によって制限することができる。出庫の回数は、大まかに、その出庫ゾーン内に位置する包装可能品目の数と同等または同一である。しかしながら、注文が多数の同じ製品を要求する場合、出庫が異なる製品のために行われなくとも、出庫の回数は多くなる(go up)。更にまた、どの箱を生産するか、そしてこれらをいつ生産するか決定するために使用される情報は、第1ゾーンよりも後に位置するゾーンからのセンサ・データを含むとよい。つまり、本システムは、いつ箱を生産するか決定するために、この先に近づきつつある出庫ゾーン、この先の次の2つのゾーン、または次の3つのゾーン等を見ることができる(
図3A~
図3Iにおいて概略的に示す通り)。
【0054】
[0058] ハードウェア・センサは、各ゾーンの現在のステータスについての情報を提供するために、各出庫ゾーンに設けることができる。ハードウェア・センサからのフィードバックは、どの箱が生産されたかを示すデータ、およびこれらの箱がいつ生産されたかを示すデータと組み合わせて、コンベア・システムにおける各移送可能品目の現在の位置を示す(provide)。ある実施形態では、フィードバック・アナライザは、各出庫ゾーンにおける現在の負荷に、各ゾーンにおける現在の出庫速度に基づいて(versus)重み付けするように構成することもできる。負荷が大きく出庫速度が高い場合、他の箱をそのゾーンに送っても大丈夫であるとしてもよい。一方、所与のゾーンにおいて負荷が大きく出庫速度が低い場合、他の箱をそのゾーンに送ることは大丈夫ではない可能性が高い。このように、箱を生産しそれをコンベア・システム111に供給するための最適な時間を決定するために、これらの要因に、互いと比較して、そして他の要因と比較して、重み付けすることができる。
【0055】
[0059] 更に、コンベア制御システム101は、受信したセンサ・データ109を格納する組織的データベース構造を生成するように構成することもできる。この組織的データベース構造は、注文を履行するためには、どの包装可能品目を所与の箱内に装荷すべきかを示す情報を含む。次いで、データ・アクセサ103がこの組織的データベース構造にアクセスして、コンベア制御システム101内において品目のフローをどのように制御するかに影響を及ぼす動作環境要因を識別することができる。このように、組織的データベース構造は、どの箱を生産するか、そしていつそれらを生成するか適正に評価するために必要とされるデータの部分を含むように設計することができる。以上で説明した要因はいずれも、組織的データベース構造に含ませることができる。出庫ゾーン毎、箱毎、用具生産機械106毎に、一意の組織的データ構造を生成することができ、あるいは用具の全ておよび動作環境110のゾーンについての情報を含む1つの組織的データベース構造を生成することもできる。
【0056】
[0060] 一実施形態では、コンベア制御システムにおいて実装される方法を提供する。この方法は、コンベア制御システム内への品目の誘導および/またはコンベア制御システム内における品目の流れを制御するために種々のステップを含む。具体的には、この方法は、コンベア・システムにおいてハードウェア・センサから受信されたセンサ・データにアクセスするステップを含む。センサ・データは、動作環境における出庫ゾーンの動作ステータスに関する情報を提供する。前述のように、出庫ゾーンとは、包装材に包装可能品目を装荷するエリアである。この方法は、アクセスしたセンサ・データを評価して、出庫ゾーンに現在包装材のどの品目があるか判定し、この評価に基づいて、包装材の品目を生産し、出庫ゾーンに向けて包装材のその品目をコンベア上に誘導することによって集結する。
【0057】
[0061] 評価は、複数の異なるゾーンにおける現在の負荷を示す更に他の情報にアクセスするように構成されてもよい。つまり、評価を実行するとき、コンベア制御システムは、複数の異なる出庫ゾーンに対して、これらのゾーン内に既にある包装材の数を示す、現負荷値を見ることができる。異なるゾーンからのこの現負荷データは、指定包装材の品目を生成しコンベア・システムに放出すべきか否か決定するために使用することができる。ある場合には、評価は、付加的に、配送を完了するために包装材の各品目が行かなければならないゾーンの数を示す情報にアクセスしてもよい。したがって、履行のためには包装材のある品目は3つの異なるゾーンに行かなければならず、一方他の品目は1つの出庫ゾーンだけに行けばよい場合、1つの出庫ゾーンだけで済む箱を最初に生成し放出することができる。更にまた、評価は、各出庫ゾーンにおける作業員の人数、各作業員の出庫速度(即ち、作業員が包装可能品目を箱に入れる速度)、または各出庫ゾーンの効率に影響を及ぼすその他の要因も考慮することができる。
【0058】
[0062] 一実施形態では、一定数の出庫ゾーンが利用可能である場合、コンベア制御システムは、各出庫ゾーンにおいて好ましい箱の個数(count)を確定することができる。この好ましい箱の個数は、異なる箱に対する複数回の停止を考慮に入れるために調節することができる。好ましい箱の個数は、各出庫ゾーン内に現在ある箱の数に対する最大数として作用する。箱が配送されるに連れて、各出庫ゾーンにおいて好ましい箱の個数を維持するために、新たな箱を導入することができる。この箱の数は、その出庫ゾーンにおける箱の数と、コンベア・システムにおいて、特定の出庫ゾーンをこの後の行き先とする箱の数(即ち、履行のために2箇所以上の出庫ゾーンを必要とする箱について)も含むことができる。例えば、その出庫ゾーンをこの後の行き先とする現在の箱が、その出庫ゾーンに到達する前に、複数回の停止を有する場合、所与の出庫ゾーンに追加の箱を誘導することができる。
【0059】
[0063] 追加の最適化にも対応する(provide)ことができる。例えば、箱Aが出庫ゾーン1において1回の出庫があり、この後の行き先として、出庫ゾーン2において1回の出庫がある場合、誘導システムは、誘導エリアから出庫ゾーン2に到達するための誘導および輸送時間のために、箱Bを出庫ゾーン2に誘導しなければよい。しかしながら、箱Aが出庫ゾーン1において5回の出庫がある場合、誘導システムは、箱Bを出庫ゾーン2に直ちに誘導できると判定することができる。これは、箱Aが出庫ゾーン2に到達する前に、出庫ゾーン2内に既にある箱は満たされ、次の行き先に輸送されるという事実からである。したがって、評価は、どの箱が出庫ゾーン内にあるか、履行のために各ゾーンにおいてどれ位の回数の出庫を必要とするか、そして最終的な履行のために何箇所の出庫ゾーンに各箱が移動する必要があるかだけでなく、種々のハードウェア・センサによって測定された、箱の現在の位置も考慮することができる。つまり、1つの出庫ゾーンにおいて箱の数が少ない場合、そのゾーンへのもっと多くの箱の流れを誘発させることができ、そして他の出庫ゾーンに多数の箱がある場合、指定時間量だけ、その出庫ゾーンへの箱の流れを禁止することができる。
【0060】
[0064] 以上のように、コンベア・システム内における品目の流れを制御する方法、システム、およびコンピュータ・プログラム製品を提供する。本明細書において説明した概念および特徴は、それらの趣旨や記述的特性から逸脱することなく、他の特定形態においても具体化することができる。説明した実施形態は、あらゆる観点において、限定ではなく例示として解釈されて当然である。したがって、本開示の範囲は、以上の説明ではなく、添付する請求項によって示される。請求項の意味および均等の範囲に該当する全ての変更は、それらの範囲内に包含されるものとする。