(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】たばこ什器
(51)【国際特許分類】
A47F 7/00 20060101AFI20220624BHJP
A47F 1/10 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
A47F7/00 M
A47F1/10
(21)【出願番号】P 2020525693
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(86)【国際出願番号】 JP2019023740
(87)【国際公開番号】W WO2019244800
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】P 2018115583
(32)【優先日】2018-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】尾島 厚志
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-061210(JP,A)
【文献】特開2017-114677(JP,A)
【文献】国際公開第2018/047355(WO,A1)
【文献】特開2018-048031(JP,A)
【文献】国際公開第2013/153579(WO,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2018-0000864(KR,U)
【文献】特開2009-095362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 1/00,7/00
B65G 1/137
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ複数のたばこ商品をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、
たばこ商品の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部と、
画像を投射することで、前記画像の投射範囲における表示を行う画像投射部と、
前記画像投射部の動作制御を行う投射制御部と、
を備え、
前記投射制御部は、
前記複数の収容領域のうち前記銘柄指定情報取得部が取得した前記銘柄指定情報と対応する
収容領域を特定しうる態様で前記画像投射部に
表示を行わせる制御を行
い、
前記銘柄指定情報取得部は、たばこ商品の取出要求と、当該取出要求と対応する前記銘柄指定情報と、を取得し、
前記投射制御部は、前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出しを促す取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
前記投射制御部は、前記取出要求と対応するたばこ商品が、店舗に設置された複数の販売端末のうちいずれの販売端末での販売用であるかを示す販売端末指定情報の表示を前記画像投射部に行わせるたばこ什器。
【請求項2】
前記取出要求とは異なる前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出し動作である誤取出動作を検出する誤取出動作検出部を備え、
前記投射制御部は、前記誤取出動作が発生した場合に、取り出し動作が誤りである旨の誤取出報知表示を前記画像投射部に行わせる請求項
1に記載のたばこ什器。
【請求項3】
それぞれ複数のたばこ商品をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、
たばこ商品の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部と、
画像を投射することで、前記画像の投射範囲における表示を行う画像投射部と、
前記画像投射部の動作制御を行う投射制御部と、
を備えるたばこ什器であって、
前記投射制御部は、前記複数の収容領域のうち前記銘柄指定情報取得部が取得した前記銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で前記画像投射部に表示を行わせる制御を行い、
前記銘柄指定情報取得部は、たばこ商品の取出要求と、当該取出要求と対応する前記銘柄指定情報と、を取得し、
前記投射制御部は、前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出しを促す取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
当該たばこ什器は、前記取出要求とは異なる前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出し動作である誤取出動作を検出する誤取出動作検出部を備え、
前記投射制御部は、前記誤取出動作が発生した場合に、取り出し動作が誤りである旨の誤取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記搭載部は、
前記複数のたばこ商品が搭載される本体部と、
前記本体部の前端部に対して揺動可能に設けられていて当該搭載部の前面壁を構成しているフラップ部と、
を備え、
前記フラップ部は、前記搭載部の先頭位置に搭載されている前記たばこ商品が当該搭載部から取り出される際に前記本体部に対して相対的に前傾するようになっており、
前記誤取出動作検出部は、前記フラップ部の前傾動作を検出する前傾検出部を含んで構成されてい
るたばこ什器。
【請求項4】
それぞれ複数のたばこ商品をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、
たばこ商品の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部と、
画像を投射することで、前記画像の投射範囲における表示を行う画像投射部と、
前記画像投射部の動作制御を行う投射制御部と、
を備えるたばこ什器であって、
前記投射制御部は、前記複数の収容領域のうち前記銘柄指定情報取得部が取得した前記銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で前記画像投射部に表示を行わせる制御を行い、
前記銘柄指定情報取得部は、たばこ商品の取出要求と、当該取出要求と対応する前記銘柄指定情報と、を取得し、
前記投射制御部は、前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出しを促す取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
当該たばこ什器は、前記取出要求とは異なる前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出し動作である誤取出動作を検出する誤取出動作検出部を備え、
前記投射制御部は、前記誤取出動作が発生した場合に、取り出し動作が誤りである旨の誤取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記誤取出動作検出部は、前後方向における前記スライダの位置を検出するスライダ位置検出部を含んで構成されており、
前記スライダ位置検出部は、前後方向において所定間隔で配置されていて前記スライダの位置検出にそれぞれ用いられる複数の位置検出部を含んで構成されてい
るたばこ什器。
【請求項5】
前記スライダ位置検出部は、前記スライダに設けられている第1電極を含み、前記複数の位置検出部の各々は、第2電極であり、
前記スライダ位置検出部は、各第2電極の静電容量を判定する判定回路を更に備え、前記判定回路による判定結果に基づいて、前後方向における前記スライダの位置を検出する請求項
4に記載のたばこ什器。
【請求項6】
それぞれ複数のたばこ商品をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、
たばこ商品の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部と、
画像を投射することで、前記画像の投射範囲における表示を行う画像投射部と、
前記画像投射部の動作制御を行う投射制御部と、
を備えるたばこ什器であって、
前記投射制御部は、前記複数の収容領域のうち前記銘柄指定情報取得部が取得した前記銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で前記画像投射部に表示を行わせる制御を行い、
前記銘柄指定情報取得部は、たばこ商品の取出要求と、当該取出要求と対応する前記銘柄指定情報と、を取得し、
前記投射制御部は、前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出しを促す取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
当該たばこ什器は、前記取出要求とは異なる前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出し動作である誤取出動作を検出する誤取出動作検出部を備え、
前記投射制御部は、前記誤取出動作が発生した場合に、取り出し動作が誤りである旨の誤取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記誤取出動作検出部は、前記スライダの後方に設けられていて、前記スライダとの距離又は最後尾の前記たばこ商品との距離を検出する測距センサを含んで構成されてい
るたばこ什器。
【請求項7】
前記投射制御部は、前記取出要求と対応するたばこ商品を前記収容領域から取り出すべき個数を示す個数指定情報の表示を前記画像投射部に行わせる請求項
1から6のいずれか一項に記載のたばこ什器。
【請求項8】
前記複数の収容領域の各々における前記たばこ商品の残個数を管理する残個管理部を更に備え、
前記投射制御部は、前記残個管理部による管理結果に応じて、前記収容領域への前記たばこ商品の補充を促す補充報知表示を前記画像投射部に行わせる請求項1から
7のいずれか一項に記載のたばこ什器。
【請求項9】
前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
前後方向における前記スライダの位置に応じて揺動する揺動部材と、
を備え、
前記残個管理部は、前記揺動部材の揺動を検出する揺動検出部を含んで構成されている請求項
8に記載のたばこ什器。
【請求項10】
前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記搭載部は、
前記収容領域を有する本体部と、
前記本体部の前端部に対して揺動可能に設けられていて当該搭載部の前面壁を構成しているフラップ部と、
を備え、
前記フラップ部は、前記搭載部の先頭位置に搭載されている前記たばこ商品が当該搭載部から取り出される際に前記本体部に対して相対的に前傾するようになっており、
前記残個管理部は、前記フラップ部の前傾動作を検出する前傾検出部を含んで構成されている請求項
8に記載のたばこ什器。
【請求項11】
前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記残個管理部は、前後方向における前記スライダの位置を検出するスライダ位置検出部を含んで構成されている請求項
8に記載のたばこ什器。
【請求項12】
前記スライダ位置検出部は、前後方向において所定間隔で配置されていて前記スライダの位置検出にそれぞれ用いられる複数の位置検出部を含んで構成されている請求項1
1に記載のたばこ什器。
【請求項13】
前記スライダ位置検出部は、前記スライダに設けられている第1電極を含み、前記複数の位置検出部の各々は、第2電極であり、
前記スライダ位置検出部は、各第2電極の静電容量を判定する判定回路を更に備え、前記判定回路による判定結果に基づいて、前後方向における前記スライダの位置を検出する請求項1
2に記載のたばこ什器。
【請求項14】
前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記残個管理部は、前記スライダの後方に設けられていて、前記スライダとの距離又は最後尾の前記たばこ商品との距離を検出する測距センサを含んで構成されている請求項
8に記載のたばこ什器。
【請求項15】
前記収容領域に新規のたばこ商品を収容させる旨の要求である新規収容要求を受け付ける新規収容要求受付部を備え、
前記投射制御部は、前記新規収容要求受付部が前記新規収容要求を受け付けた場合に、前記新規のたばこ商品を収容する前記収容領域の候補を案内する候補領域案内表示を前記画像投射部に行わせる請求項1から1
4のいずれか一項に記載のたばこ什器。
【請求項16】
前記オペレータは店舗の店員であり、
前記銘柄指定情報取得部は、前記店員により入力される前記銘柄指定情報を取得する請求項1から1
5のいずれか一項に記載のたばこ什器。
【請求項17】
それぞれ複数のたばこ商品をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、
たばこ商品の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部と、
画像を投射することで、前記画像の投射範囲における表示を行う画像投射部と、
前記画像投射部の動作制御を行う投射制御部と、
を備え、
前記投射制御部は、前記複数の収容領域のうち前記銘柄指定情報取得部が取得した前記銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で前記画像投射部に表示を行わせる制御を行い、
前記銘柄指定情報取得部は、たばこ商品の取出要求と、当該取出要求と対応する前記銘柄指定情報と、を取得し、
前記投射制御部は、前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出しを促す取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
前記投射制御部は、前記取出要求と対応するたばこ商品が、店舗に設置された複数の販売端末のうちいずれの販売端末での販売用であるかを示す販売端末指定情報の表示を前記画像投射部に行わせ、
前記画像投射部は、前記販売端末指定情報を、前記複数の収容領域のうち、前記取出要求と対応するたばこ商品を収容している前記収容領域に表示するたばこ什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこ什器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なコンビニエンスストアなどの店舗では、様々な銘柄のたばこ商品がいわゆるたばこ什器に銘柄ごとに陳列されている。すなわち、たばこ什器には、たばこ商品の銘柄ごとに収容領域が設定されており、各収容領域には、対応する銘柄のたばこ商品が収容されている。なお、ここでいうたばこ商品とは、喫煙に供される個々の紙巻たばこではなく、複数本の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージや他のたばこ製品を収容する直方体状のパッケージを意味している。
【0003】
購買者がたばこ商品を購買する際には、(1)購買者が銘柄を指定するとその銘柄のたばこ商品を店員が什器から選び取るか、又は、(2)購買者が自ら所望の銘柄のたばこ商品を什器から取り出して購買するようになっている。
【0004】
特許文献1には、たばこ商品の残個数が少なくなったときにランプが点灯するように構成されたたばこ什器について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
たばこ商品には多数の銘柄が存在する。このため、たばこ商品の銘柄に応じた表示を行うことについて、ニーズがある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、たばこ商品の銘柄に応じた表示を行うことが可能なたばこ什器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、それぞれ複数のたばこ商品をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、
たばこ商品の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部と、
画像を投射することで、前記画像の投射範囲における表示を行う画像投射部と、
前記画像投射部の動作制御を行う投射制御部と、
を備え、
前記投射制御部は、前記複数の収容領域のうち前記銘柄指定情報取得部が取得した前記銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で前記画像投射部に表示を行わせる制御を行い、
前記銘柄指定情報取得部は、たばこ商品の取出要求と、当該取出要求と対応する前記銘柄指定情報と、を取得し、
前記投射制御部は、前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出しを促す取出報知表示を前記画像投射部に行わせ、
前記投射制御部は、前記取出要求と対応するたばこ商品が、店舗に設置された複数の販売端末のうちいずれの販売端末での販売用であるかを示す販売端末指定情報の表示を前記画像投射部に行わせるたばこ什器が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、たばこ商品の銘柄に応じた表示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るたばこ什器の斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るたばこ什器の側面図である。
【
図3】第1実施形態に係るたばこ什器が備えるマガジンの斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係るたばこ什器のブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係るたばこ什器の部分拡大の正面図であり、通常時の状態を示す。
【
図6】第1実施形態に係るたばこ什器の部分拡大の正面図であり、マガジンの前面壁において行われる取出報知表示の例を示す。
【
図7】
図7(a)はマガジンとは異なる場所に配置されている表示スクリーンにおいて行われる取出報知表示の例を示す正面図であり、
図7(b)は表示スクリーンにおいて行われる誤取出報知表示の例を示す正面図である。
【
図8】
図8(a)はマガジンの前面壁において行われる取出報知表示の他の例を示す正面図であり、
図8(b)は表示スクリーンにおいて行われる取出報知表示の他の例を示す正面図である。
【
図9】
図9(a)は店舗の販売カウンタ周辺を示す斜視図であり、
図9(b)はマガジンの前面壁において行われる取出報知表示の更に他の例を示す正面図であり、
図9(c)は表示スクリーンにおいて行われる取出報知表示の更に他の例を示す正面図である。
【
図10】第2実施形態に係るたばこ什器の正面図である。
【
図11】第2実施形態に係るたばこ什器の表示スクリーンにおいて行われる誤取出報知表示の例を示す正面図である。
【
図12】第3実施形態に係るたばこ什器の模式的な側断面図である。
【
図13】第3実施形態に係るたばこ什器のマガジンの前面壁において行われる表示の例を示す正面図である。
【
図14】第4実施形態に係るたばこ什器のマガジンの前面壁において行われる補充報知表示の例を示す正面図である。
【
図15】
図15(a)は第4実施形態に係るたばこ什器の表示スクリーンにおいて行われる補充報知表示の例を示す正面図であり、
図15(b)は第4実施形態に係るたばこ什器の表示スクリーンにおいて行われる誤補充報知表示の例を示す正面図である。
【
図16】第4実施形態に係るたばこ什器のマガジンの前面壁において行われる補充報知表示の他の例を示す正面図である。
【
図17】
図17(a)は第5実施形態に係るたばこ什器の模式的な側断面図、
図17(b)は第5実施形態に係るたばこ什器の棚板に設けられた電極ユニットの平面図、
図17(c)は第5実施形態に係るたばこ什器のマガジンの底面図である。
【
図18】
図18(a)及び
図18(b)は第6実施形態に係るたばこ什器のマガジンの動作を説明するための模式的な平面図である。
【
図19】
図19(a)は第7実施形態に係るたばこ什器のマガジンの前端部の斜視図であり、
図19(b)は第7実施形態に係るたばこ什器のマガジンの前端部及びその近傍の部分を示す側面図である。
【
図20】
図20(a)は第8実施形態に係るたばこ什器が備える操作タブレットのメニュー画面の例を示す図であり、
図20(b)は第8実施形態に係るたばこ什器のマガジンの前面壁において行われる候補領域案内表示の例を示す正面図であり、
図20(c)は候補領域案内表示の実行中における操作タブレットの画面の例を示す図である。
【
図21】
図21(a)及び
図21(b)の各々は、第9実施形態に係るたばこ什器において行われる報知表示の例を示す正面図である。
【
図22】第10実施形態に係るたばこ什器の表示スクリーンにおいて行われる報知表示の例を示す正面図である。
【
図23】第11実施形態に係るたばこ什器の正面図である。
【
図24】
図24(a)及び
図24(b)は第11実施形態に係るたばこ什器の部分拡大の正面図である。
【
図25】第12実施形態に係るたばこ什器の動作の一例を示す模式的な斜視図である。
【
図26】第12実施形態に係るたばこ什器の動作の他の一例を示す模式的な斜視図である。
【
図27】たばこ什器が備える表示装置の表示画面に表示される画像の例を示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0012】
〔第1実施形態〕
先ず、
図1から
図9を用いて第1実施形態を説明する。
本実施形態に係るたばこ什器100は、それぞれ複数のたばこ商品11をオペレータ(例えば、店員)により取り出し可能に収容する複数の収容領域(例えば、マガジン15)と、たばこ商品11の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部27(
図4)と、画像を投射することで画像の投射範囲における表示を行う画像投射部(プロジェクタ20)と、画像投射部の動作制御を行う投射制御部(制御部22)とを備えている。投射制御部は、銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する表示を画像投射部に行わせる制御を行う。
【0013】
本実施形態によれば、銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する表示を画像投射部に行わせる制御を投射制御部が行うので、たばこ商品11の銘柄に応じた表示を行うことが可能となる。
【0014】
より詳細には、本実施形態の場合、投射制御部は、複数の収容領域のうち銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で画像投射部に表示を行わせる制御を行う。
本実施形態によれば、複数の収容領域(マガジン15)のうち銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で画像投射部に表示を行わせる制御を投射制御部が行うので、各銘柄のたばこ商品11と対応する収容領域をオペレータが容易且つ迅速に認識できるようにすることが可能となる。
よって、例えば、たばこ商品11の取り出しや補充などをオペレータが容易且つ迅速に行うことが可能となる。
【0015】
ここでいうたばこ商品11は、喫煙に供される個々の紙巻たばこではなく、複数本の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージや、紙巻たばこ以外の他のたばこ製品を収容する直方体状のパッケージを意味している。他のたばこ製品としては、嗅ぎたばこ、パイプたばこのほか、それら他のたばこ製品に用いられる吸引具等の関連物品を挙げることができる。より詳細には、他のたばこ製品としては、エアロゾル吸引器の一種である電子たばこの関連物品を挙げることができる。
【0016】
たばこ商品11は、銘柄ごとに、互いに異なるマガジン15に収容される。なお、同一銘柄のたばこ商品11が複数のマガジン15にそれぞれ収容されてもよい。
【0017】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の場合、たばこ什器100は、マガジン什器60と、投射ユニット10と、を備えて構成されている。
【0018】
マガジン什器60は、例えば、複数の棚板13を有するマガジン収容棚12と、棚板13に搭載されている複数のマガジン15と、当該マガジン什器60の前面部の横幅方向における中央部に配置されている表示スクリーン17と、を備えて構成されている。本実施形態の場合、マガジン15が収容領域を構成している。表示スクリーン17は、マガジン什器60が備える壁面であってもよいし、幕であってもよい。
マガジン収容棚12に搭載されているマガジン15の数は特に限定されないが、本実施形態の場合、例えば、マガジン収容棚12は、表示スクリーン17の左右にそれぞれ5段ずつ設けられている棚板13を備え、各棚板13に5つずつのマガジン15が搭載されている。
【0019】
投射ユニット10は、例えば、左右一対の支柱部18と、これら支柱部18によって支持されている支持部19と、を備えている。
例えば、一方の支柱部18は、マガジン什器60の左側の側壁部に沿って配置されており、他方の支柱部18は、マガジン什器60の右側の側壁部に沿って配置されている。支持部19は、例えば、左右一対の側壁部19aと、これら側壁部19aの前端どうしを接続している前面壁部19bと、を備えている。左右の側壁部19aは、それぞれ左右の支柱部18によって支持されている。前面壁部19bは、マガジン什器60の前面よりも前方に配置されており、且つ、マガジン什器60よりも上方に配置されている。
投射ユニット10は、更に、プロジェクタ20と、カメラ21と、制御部22と、を備えている。これらプロジェクタ20、カメラ21及び制御部22は、例えば、支持部19の前面壁部19bの背面側に設けられている。
【0020】
図3に示すように、マガジン15は、複数のたばこ商品11が前後に一列に並ぶ整列状態で搭載される搭載部31と、搭載部31に沿って前後に移動可能に設けられているスライダ35と、スライダ35を前方に向けて付勢している付勢部36とを備えている。
搭載部31は、例えば、前面壁16と、左右一対の側壁32と、底板部33と、後面壁34と、を備えて構成されている。なお、前面壁16は、側壁32及び底板部33の前端部に固定されていてもよいし、前傾可能な状態で一対の側壁32の前端部により保持されていてもよい。
スライダ35は、搭載部31に搭載されたたばこ商品11を前方に付勢している。搭載部31におけるたばこ商品11の残個数が減るほど、スライダ35は前方に移動するようになっている。
【0021】
付勢部36は、スライダ35に搭載されている。付勢部36は、例えば、渦巻き状に巻回された板バネであってもよいし、ワイヤリールであってもよい。
後述する他の実施形態の
図17(c)は、付勢部36がワイヤリールである例を示している。ワイヤリールは、スライダ35に搭載されているケースと、渦巻き状に巻回されてケース内に収容されている板バネと、ケースに出し入れ可能に収容されているワイヤ68と、ワイヤ68が巻回されているリールと、を備えている。ワイヤ68の先端部68aは、搭載部31の前端部に固定されている。板バネの付勢によりワイヤ68がリールに巻き取られることによって、ワイヤ68がケース内に引き込まれるとともに、スライダ35が前方に移動する。逆に、スライダ35を後方に移動させると、板バネの付勢に抗してワイヤ68がケースから引き出される。
【0022】
図4に示すように、たばこ什器100は、例えば、上述のプロジェクタ20、カメラ21、制御部22及び銘柄指定情報取得部27の他に、不揮発性メモリである記憶部26と、バーコードリーダ28と、を備えている。
制御部22は、制御用プログラムを記憶保持しているROM24と、この制御用プログラムに従って制御動作を実行するCPU23と、CPU23の作業領域などとして機能するRAM25と、を備えて構成されている。
制御部22は、プロジェクタ20及びカメラ21の動作制御や、記憶部26に記憶されている情報の読み出し及び記憶部26への情報の書き込み(記憶させる処理)などを行う。
制御部22には、銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報などが入力される他、カメラ21により撮像された映像や、バーコードリーダ28により読み取られたバーコードの情報などが入力されるようになっている。バーコードは、JAN(Japanese Article Number)などの商品識別情報である。
【0023】
銘柄指定情報取得部27は、例えば、たばこ什器100が設置される店舗の店員(オペレータ)により操作される操作タブレットであることが挙げられる。例えば、店員が操作タブレットのタッチパネル式の操作画面に対して、たばこ商品の取り出しを選択することで取出要求を入力し、更に、表示される銘柄リストの中から選択操作を行うことによって、たばこ什器100から取り出す銘柄の指定を行うことができるようになっている。または、操作タブレットのマイクに向けて店員が銘柄名を音声入力することによって、銘柄の指定が可能であってもよい。
このように、オペレータは店舗の店員であり、銘柄指定情報取得部27は、店員により入力(例えば、選択操作による入力又は音声入力)される銘柄指定情報を取得する。
【0024】
本実施形態の場合、プロジェクタ20は、複数のマガジン15の前面壁16と、表示スクリーン17と、を含む範囲に画像を投射することで、当該範囲における表示を行う。すなわち、プロジェクタ20により投射される画像は、複数のマガジン15の前面壁16及び表示スクリーン17において表示される。プロジェクタ20が有する光源の数は、特に限定されず、1個でもよいが、複数であることが好ましい。
制御部22は、プロジェクタ20により投射される画像を生成する処理と、この画像をプロジェクタ20によって投射させる処理と、を行う。
【0025】
記憶部26には、各銘柄のたばこ商品11が複数のマガジン15のうちいずれのマガジン15に収容されているのかを示す情報が記憶(登録)されている。
より詳細には、記憶部26には、例えば、各銘柄のたばこ商品11の銘柄名、タール値及びニコチン値、及び価格などの銘柄情報が記憶されているとともに、銘柄情報と対応付けて、当該たばこ商品11が収容されているマガジン15がいずれのマガジン15であるかを示すマガジン位置情報が記憶されている。
更に、記憶部26には、プロジェクタ20が設置されている位置を基準とした各マガジン15の前面壁16の位置情報が記憶されている。
制御部22は、各前面壁16の位置情報に基づいて、各前面壁16に表示される画像を制御することが可能となっている。
【0026】
カメラ21は、複数のマガジン15の前面壁16の映像を連続的に撮像し、撮像結果を制御部22に出力する。
制御部22は、カメラ21から入力された撮像結果を用いた画像認識によって、オペレータが行うマガジン15からのたばこ商品11の取り出し動作が、取出要求と対応するたばこ商品11の取り出し動作であるか否かを判定する。換言すれば、制御部22及びカメラ21によって、取出要求と対応するマガジン15からのたばこ商品11の取り出し動作である正常取出動作、又は、取出要求とは異なるマガジン15からのたばこ商品11の取り出し動作である誤取出動作を検出できるようになっている。
【0027】
一例として、制御部22は、オペレータが取り出したたばこ商品11の画像に対する画像認識を行うことによって、取り出されたたばこ商品11の種類及び銘柄指定情報を判定し、正常取出動作又は誤取出動作を検出するようになっている。
或いは、制御部22は、オペレータによるたばこ商品11の取り出し動作がいずれのマガジン15から行われたかを画像認識により判定(手の動きなどにより判定)し、更に、たばこ商品11の取り出し動作が行われたマガジン15のマガジン位置情報が取出要求と対応するか否かを判定することによって、正常取出動作又は誤取出動作を検出するようになっていてもよい。
【0028】
例えば、マガジン15へのたばこ商品11の補充の際などにおいて、店員がたばこ商品11又はたばこ商品11のカートンに付されたバーコードをバーコードリーダ28に読み取らせる処理を行うと、対応するマガジン15の前面壁16を赤く光らせるなどの処理を制御部22が行う。
なお、一度に補充するたばこ商品11の銘柄が複数の場合、例えば、各銘柄のバーコードをバーコードリーダ28に読み取らせる処理をオペレータが連続して(立て続けに)行った後、銘柄ごとにマガジン15へのたばこ商品11の補充が完了する度に、順次(例えば、バーコードの読み取りが行われた順に)、次の銘柄と対応するマガジン15の前面壁16を赤く光らせるなどの処理を行ってもよい。
【0029】
また、たばこ什器100は、マガジン15へのたばこ商品11の補充動作の正誤を検出する誤補充動作検出部を備えていてもよい。制御部22は、誤取出動作の判定の際と同様に、画像認識を用いた判定などにより、誤補充動作を検出することができる。そして、誤補充動作を検出した場合に、補充動作が誤りである旨の誤補充報知表示をプロジェクタ20に行わせる。
すなわち、たばこ什器100は、補充報知表示とは異なる収容領域(例えばマガジン15)へのたばこ商品11の補充動作である誤補充動作を検出する誤補充動作検出部を備え、投射制御部(制御部22)は、誤補充動作が発生した場合に、補充動作が誤りである旨の誤補充報知表示を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせるようになっていてもよい。
更に、誤補充動作検出部は、例えば、複数の収容領域からのたばこ商品11の取り出し動作を撮像するカメラ21と、カメラ21による撮像結果を用いた画像認識により誤補充動作の有無を判定する誤取出動作判定部(制御部22)と、を含んで構成されている。
【0030】
また、制御部22は、カメラ21による撮像結果を用いた画像認識により、オペレータの動作が、マガジン15からのたばこ商品11の取り出し動作であるか、又は、マガジン15へのたばこ商品11の補充動作であるかの判別が可能であってもよい。
マガジン15からたばこ商品11を取り出す場合には、マガジン15がマガジン収容棚12の棚板13に載置されたままの状態で当該マガジン15からたばこ商品11が取り出されるのに対し、マガジン15に対してたばこ商品11を補充する場合には、一旦、マガジン15がマガジン収容棚12から前方に引き抜かれるため、制御部22は、例えば、この引き抜き動作の有無を画像認識により判定することで、取り出し動作であるか又は補充動作であるかを判別する。
【0031】
また、報知表示の種類(例えば、取出報知表示又は補充報知表示のいずれであるか)に応じて、マガジン15の前面壁16や表示スクリーン17に対する投影色を異ならせることによって、オペレータが報知表示の種類を容易に識別できるようになっていることも好ましい。
【0032】
図5は、たばこ商品の取出要求などが発生していない通常時において、プロジェクタ20により各マガジン15の前面壁16において表示される画像(通常表示37)の例を示す図である。
図5に示すように、各マガジン15の前面壁16には、通常表示37として、各マガジン15に収容されているたばこ商品11の銘柄名などが表示されている。なお、通常表示37として表示される情報には、銘柄名の他、各たばこ商品11の価格やタール値及びニコチン値などが含まれていてもよい。
【0033】
図6は、たばこ商品の取出要求が発生している状態において、プロジェクタ20により当該取出要求と対応するたばこ商品11が収容されているマガジン15の前面壁16において表示される画像(取出報知表示38)の例を示す図である。
取出報知表示38は、通常表示37よりも目立つ表示である。例えば、通常表示37は白色などの表示である場合に、取出報知表示38は赤色などの表示とすることができる。取出報知表示38は、赤色などの光を点滅させる表示などであってもよい。
したがって、取出報知表示38が行われる前面壁16を有するマガジン15は、周囲と比べて目立つこととなる。
すなわち、投射制御部(制御部22)は、銘柄指定情報と対応する収容領域(マガジン15)を周囲と比べて目立たせる表示を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせる。
これにより、オペレータは、たばこ商品11を取り出すべき収容領域(マガジン15)の位置を容易且つ迅速に認識できるため、収容領域からのたばこ商品11の取り出しを迅速に行うことができる。
なお、上記とは逆に、銘柄指定情報と対応する収容領域の周囲の収容領域(例えばその前面壁16)に光を照射する一方で、銘柄指定情報と対応する収容領域には光を照射しないことによっても、銘柄指定情報と対応する収容領域を周囲と比べて目立たせる表示を行うことが可能である。
【0034】
このように、銘柄指定情報取得部27は、たばこ商品の取出要求と、当該取出要求と対応する銘柄指定情報とを取得(本実施形態の場合、店員による入力により取得)し、投射制御部(制御部22)は、収容領域(マガジン15)からのたばこ商品11の取り出しを促す取出報知表示38を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせる。
【0035】
また、このように、投射制御部(制御部22)は、通常時においては、収容領域(マガジン15)に収容されているたばこ商品11と対応する通常表示37を当該収容領域において行わせ、銘柄指定情報取得部27が銘柄指定情報を取得した場合には、当該銘柄指定情報と対応する収容領域において、通常表示37とは異なる態様での特定報知表示(例えば取出報知表示38)を行わせる。
より詳細には、投射制御部(制御部22)は、銘柄指定情報取得部27が銘柄指定情報を取得した場合には、当該銘柄指定情報と対応する収容領域(マガジン15)において、通常表示37と特定報知表示(取出報知表示38)との双方を行わせる。
よって、オペレータは、通常表示37の内容を確認しながら、取出報知表示38により示される収容領域(マガジン15)からたばこ商品11を取り出すことができる。
【0036】
なお、本発明において、特定報知表示は、取出報知表示38に限らず、後述する他の実施形態で説明するように、収容領域(マガジン15)へのたばこ商品11の補充を促す補充報知表示であってもよい。
【0037】
図7(a)に示すように、本実施形態の場合、プロジェクタ20は、マガジン什器60の中央に配置されている表示スクリーン17においても、マガジン15からのたばこ商品11の取り出しを促す取出報知表示39を表示させる。この取出報知表示39は、例えば、「赤く光っている場所から取り出してください。」といった表示である。
【0038】
なお、取出報知表示38及び取出報知表示39を行う際に、図示しないスピーカから音声による取出報知を行うようになっていてもよい。例えば、「赤く光っている場所から取り出してください。」といった音声報知を行うことが挙げられる。
【0039】
また、カメラ21及び制御部22によって正常取出動作を検出した場合、制御部22は、例えば、取出報知表示38及び取出報知表示39を終了させる処理を行う。
また、制御部22は、正常取出動作を検出する度に、銘柄ごとの販売記録を記憶部26に記憶させるようになっていることが好ましい。
【0040】
更に、取出報知表示の待ち状態となっている銘柄が存在する場合に、正常取出動作が検出された場合は、次の銘柄の取出報知表示(取出報知表示38、取出報知表示39)を行う状態に速やかに移行することができる。
【0041】
一方、カメラ21及び制御部22によって誤取出動作を検出した場合、制御部22は、取り出し動作が誤りである旨の誤取出報知表示40をプロジェクタ20によって表示スクリーン17に表示させる(
図7(b))。この誤取出報知表示40は、例えば、「取り出し場所が違います。赤く光っている場所から取り出してください。」といった表示である。
このように、たばこ什器100は、取出要求とは異なる収容領域(マガジン15)からのたばこ商品11の取り出し動作である誤取出動作を検出する誤取出動作検出部(例えば、カメラ21及び制御部22を含んで構成されている)を備え、投射制御部(制御部22)は、誤取出動作が発生した場合に、取り出し動作が誤りである旨の誤取出報知表示40を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせる。
よって、オペレータは、誤取出動作を行った場合に、その旨を速やかに認識でき、正しい収容領域(マガジン15)からたばこ商品11を取り出すことができる。
より詳細には、誤取出動作検出部は、複数の収容領域(マガジン15)からのたばこ商品11の取り出し動作を撮像するカメラ21と、カメラ21による撮像結果を用いた画像認識により誤取出動作の有無を判定する誤取出動作判定部(制御部22)と、を含んで構成されている。
誤取出動作の報知を行う際にも、図示しないスピーカから音声による報知を行うようになっていてもよい。
【0042】
なお、本発明において、たばこ什器100は、正常取出動作や誤取出動作を自動的に検出する構成に限らない。例えば、店員がたばこ什器100からたばこ商品11を取り出す度に、各マガジン15と対応して設けられている図示しない取出完了ボタンを操作することによって、制御部22が取出報知表示38及び取出報知表示39(更には音声報知)を終了させたり、銘柄ごとの販売記録を記憶部26に記憶させたりするようになっていてもよい。
【0043】
また、取出報知表示38は、単にたばこ商品11を取り出すべきマガジン15の位置の報知だけでなく、マガジン15から取り出すべきたばこ商品11の個数の表示報知(個数指定情報の表示)を併せて行うものであってもよい。この場合、オペレータは、例えば、銘柄指定情報取得部27に対して、購買者が購買しようとするたばこ商品11の個数を入力(入力操作による入力、又は音声入力)する。
この場合、例えば、
図8(a)に示すように、マガジン15の前面壁16において行われる取出報知表示38として、上述したような赤色の発光表示の他に、「3個払出」との表示報知を併せて行ってもよい。
また、
図8(b)に示すように、表示スクリーン17において行われる取出報知表示39として、「赤く光っている場所からたばこを3個取り出してください。」といった表示報知を行ってもよい。
このように、投射制御部(制御部22)は、例えば、取出要求と対応するたばこ商品11を収容領域(マガジン15)から取り出すべき個数を示す個数指定情報の表示を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせる。
【0044】
ここで、コンビニエンスストアなどの店舗においては、例えば
図9(a)に示すように、販売カウンタ51に複数の販売端末(例えば電子キャッシュレジスタ52)が設置されており、複数人の店員53により並行して販売処理を行うことができるようになっていることが一般的である。販売カウンタ51の奥に、店員53の作業スペースが設けられており、更に、この作業スペースの奥には、たばこ什器100が設置される什器設置カウンタ54が設けられている。
図9(a)において、左側の電子キャッシュレジスタ52(電子キャッシュレジスタ52a)(以下、1番レジ)を用いた販売処理は、左側の店員53(店員53a)が担当するものとする。また、右側の電子キャッシュレジスタ52(電子キャッシュレジスタ52b)(以下、2番レジ)を用いた販売処理は、右側の店員53(店員53b)が担当するものとする。
なお、図示は省略するが、各電子キャッシュレジスタ52と対応してそれぞれ銘柄指定情報取得部27が設けられており、店員53aは、電子キャッシュレジスタ52aと対応する銘柄指定情報取得部27を操作し、店員53bは、電子キャッシュレジスタ52bと対応する銘柄指定情報取得部27を操作するものとする。
【0045】
こうした場合、取出報知表示38は、たばこ商品11を取り出すべきマガジン15の位置や個数の報知だけでなく、取出要求と対応するたばこ商品11が、複数の電子キャッシュレジスタ52のうちいずれの電子キャッシュレジスタ52での販売用であるかを示す情報(以下、販売端末指定情報)の表示報知を併せて行うものであることが好ましい。
すなわち、例えば、
図9(b)に示すように、マガジン15の前面壁16において行われる取出報知表示38として、上述したような赤色の発光表示の他に、「2番レジ 3個払出」との表示報知を併せて行ってもよい。
また、
図9(c)に示すように、表示スクリーン17において行われる取出報知表示39として、「赤く光っている場所からたばこを3個取り出してください。(2番レジ)」といった表示報知を行ってもよい。
よって、2番レジを担当する店員53bは、取出報知表示38が行われているマガジン15を容易に認識でき、当該マガジン15からたばこ商品11を取り出すことができる。
このように、投射制御部(制御部22)は、例えば、取出要求と対応するたばこ商品11が、店舗に設置された複数の販売端末(電子キャッシュレジスタ52)のうちいずれの販売端末での販売用であるかを示す販売端末指定情報の表示を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせる。
【0046】
また、取出要求と対応するたばこ商品11が、いずれの電子キャッシュレジスタ52での販売用であるかをより分かりやすくするために、プロジェクタ20によって前面壁16に投影される光の色(投影色)が、電子キャッシュレジスタ52毎に色分けされていることも好ましい。更には、図示しないスピーカから出力される音声が、電子キャッシュレジスタ52毎に区別されていることも好ましい。
【0047】
複数の電子キャッシュレジスタ52での販売に供されるたばこ商品11の取出要求が発生した場合、個々の電子キャッシュレジスタ52での販売用のたばこ商品11の取出報知表示は、順次に行うことが好ましいが、上記のように電子キャッシュレジスタ52毎に投影色を色分けすることなどによって、複数の電子キャッシュレジスタ52での販売用のたばこ商品11の取出報知表示を同時に(並行して)行った場合にも、これら取出報知表示をオペレータが容易に判別することが可能である。
【0048】
なお、マガジン什器60における各銘柄のたばこ商品11の収容場所が変更された場合には、変更内容に応じて、プロジェクタ20により投影される画像を変更することによって容易に対応することができる。
また、マガジン什器60におけるマガジン15の配置(収容領域の配置)が変更された場合も同様である。すなわち、マガジン15の配置間隔(収容領域の配置間隔)や、マガジン15の数(収容領域の数)が変更された場合も、プロジェクタ20により投影される画像を変更することによって容易に対応することができる。
【0049】
ここで、典型的には、たばこ什器100の稼働中、プロジェクタ20は、常時、複数のマガジン15の前面壁16と、表示スクリーン17と、を含む範囲に画像を投射しており、銘柄指定情報取得部27が銘柄指定情報を取得した場合(取出要求を受け付けた場合や、補充の際にたばこ商品11又はたばこ商品11のカートンに付されたバーコードをバーコードリーダ28が読み取った場合)に、銘柄指定情報と対応するたばこ商品11が収容されているマガジン15の前面壁16において表示される画像を変化させる。
ただし、本発明は、この例に限らず、プロジェクタ20は、銘柄指定情報取得部27が銘柄指定情報を取得した場合に、銘柄指定情報と対応するたばこ商品11が収容されているマガジン15の前面壁16における画像の表示(単に前面壁16に光を投射することも含む)を開始させるようになっていてもよい。
【0050】
以上のような第1実施形態によれば、投射制御部(制御部22)は、複数の収容領域(マガジン15)のうち銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で画像投射部(プロジェクタ20)に表示を行わせる制御を行う。
よって、各銘柄のたばこ商品11と対応する収容領域をオペレータが容易且つ迅速に認識できるようにすることが可能となる。これにより、オペレータ(典型的には店員)の作業負担を軽減することができる。
【0051】
なお、上記の第1実施形態では、誤取出動作が検出された場合に、プロジェクタ20による画像の投射、又は、図示しないスピーカからの音声出力によって誤取出動作の発生を報知する例を説明したが、本発明は、この例に限らない。例えば、図示しないバイブレーターによる振動の付与、臭気の発生、又は、機械的に部材を飛び出させることなどによって、誤取出動作の発生をオペレータに報知してもよい。
【0052】
また、上記の第1実施形態において、マガジン15からのたばこ商品11の取出動作の正誤の検出は、マガジン15に付された識別マークを用いて行うようになっていてもよい。
例えば、各マガジン15の搭載部31の側壁32の前端部の外面に、識別マーク(例えば、QRコード(登録商標)を示すマーク)が付されており、カメラ21は、この識別マークを撮像するようになっている。また、記憶部26は、各識別マークと各銘柄指定情報との対応付け(テーブル)を記憶している。制御部22は、画像認識によって、オペレータがたばこ商品11を取り出したマガジン15の識別マークの種類を判別し、更に、記憶部26のテーブルを参照し、当該識別マーカが取出要求と対応する銘柄指定情報と対応するか否かを判定する。これにより、制御部22は、正常取出動作又は誤取出動作を検出する。
例えば、マガジン15をマガジン収容棚12から前方に引き出した状態で、マガジン15からのたばこ商品11の取り出しを行うことによって、たばこ商品11が取り出されたマガジン15の識別マークをカメラ21によって好適に撮像することが可能となる。
或いは、前面壁16が、マガジン15からのたばこ商品11の取出の際に前傾するフラップ部である場合に、識別マークは前面壁16の側面に付されていることも好ましい。このようにすることによって、たばこ商品11が取り出されたマガジン15の(前面壁16の)識別マークをカメラ21によって好適に撮像することが可能となる。
【0053】
また、マガジン15へのたばこ商品11の補充動作の正誤の検出に際しても、制御部22は、誤取出動作の判定の際と同様に、上述した識別マークを用いた判定により誤補充動作を検出することができる。
【0054】
〔第2実施形態〕
次に、
図10及び
図11を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係るたばこ什器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るたばこ什器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るたばこ什器100と同様に構成されている。
【0055】
図10に示すように、本実施形態に係るたばこ什器100は、什器設置カウンタ54上に設置されているマガジン什器60及び投射ユニット10の他に、什器設置カウンタ54の下の床面55上に設置されているカートン什器61を備えている。
【0056】
たばこ商品11は、同一銘柄の複数のたばこ商品11がまとめて包装されてなる所謂カートンの形態で流通する場合がある。一般的には、カートンには、10個のたばこ商品11がひとまとめに包装されている。カートンは、パーセルとも称される。
カートン什器61は、カートンを保管するための保管庫であり、複数銘柄のたばこ商品11とそれぞれ対応するカートンを収容可能となっている。
カートン什器61は、例えば、枠体62と、枠体62から前方に引き出し可能に枠体62によって保持されている複数の引出棚63と、を備えている。
引出棚63の前面壁には、当該引出棚63を前方に引き出す際にオペレータが指を掛けるための取手部65が設けられている。
更に、引出棚63の前面壁には、引出棚報知発光部64が設けられている。引出棚報知発光部64は、LEDなどの発光部材を含んで構成されている。引出棚報知発光部64の動作制御は、制御部22が行う。
例えば、各銘柄ごとに、別の引出棚63に収容されている。
記憶部26には、各銘柄のカートンが複数の引出棚63のうちいずれの引出棚63に収容されているのかを示す情報が記憶されている。
【0057】
本実施形態の場合、マガジン什器60の在庫では、購買者が購買しようとするたばこ商品11の個数に満たないときに、マガジン什器60内のたばこ商品11とカートン什器61内のたばこ商品11とを取り出すことを店員に促す報知表示を行う。
例えば、購買者がある銘柄のたばこ商品11を5個購買しようとする場合に、マガジン什器60における当該銘柄のたばこ商品11の在庫が3個のときに、
図11に示すように、表示スクリーン17において、「マガジン什器から3個、カートン什器から2個、それぞれ取り出してください。」といった取出報知表示39を行う。
このとき、制御部22は、
図10に示すように、取出要求と対応するたばこ商品11を収容しているマガジン15の前面壁16において取出報知表示38を行わせる一方で、取出要求と対応するカートンを収容している引出棚63の引出棚報知発光部64を点灯させることで取出報知表示42を行わせる。
これにより、店員は、たばこ商品11を取り出すマガジン15を容易に認識することができるとともに、カートンを取り出す引出棚63を容易に認識することができる。なお、店員は、引出棚63からカートンを取り出した後、カートンの包装を剥がして例えば2個のたばこ商品11をカートンから取り出し、マガジン什器60から取り出した3個のたばこ商品11と、カートンから取り出した2個のたばこ商品11とを販売に供する。
【0058】
また、購買者がある銘柄のたばこ商品11を10個又はそれ以上購買しようとする場合には、表示スクリーン17において、「カートン什器からたばこを取り出してください。」といった取出報知表示を行う。
【0059】
なお、本実施形態の場合、カートン什器61は、引出棚報知発光部64を備えていなくてもよい。例えば、第1の実施形態においてマガジン15の前面壁16や表示スクリーン17において表示報知を行うのと同様に、プロジェクタ20により画像を投影して対応する引出棚63の前面壁において表示報知を行うことで、対応する引出棚63からのカートンの取り出しを店員に促すようになっていてもよい。
【0060】
〔第3実施形態〕
次に、
図12及び
図13を用いて第3実施形態を説明する。
本実施形態に係るたばこ什器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るたばこ什器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るたばこ什器100と同様に構成されている。
【0061】
本実施形態の場合、マガジン什器60のマガジン収容棚12の後部壁14の前面側には、各マガジン15毎に測距センサ29が設けられている。
測距センサ29は、例えば、光学式のものであり、前方に向けて光を照射する光照射部と、光照射から照射された光の反射光を受光する受光部と、を有する。測距センサ29の測定方式は、三角測距式であってもよいし、光が照射されてから受光されるまでの時間差を距離に換算する方式であってもよい。また、測距センサ29は、光学式のものに限らず、超音波式のものであってもよい。
測距センサ29は、当該測距センサ29とスライダ35との距離、又は、当該測距センサ29と最後尾のたばこ商品11との距離を検出する。つまり、測距センサ29は、マガジン15に収容されているたばこ商品11の数が減少するほど前進する部位(最後尾のたばこ商品11、又は、スライダ35)の位置を、後方から検出する。
【0062】
本実施形態の場合、各マガジン15と対応して設けられている測距センサ29による検出結果がそれぞれ制御部22に入力される。制御部22は、各測距センサ29による検出結果に基づいて、各マガジン15からのたばこ商品11の取り出しの有無を監視する。
したがって、制御部22は、取出要求とは異なるマガジン15からのたばこ商品11の取り出し動作である誤取出動作を検出することができる。
このため、本実施形態の場合、たばこ什器100は、カメラ21を備えていなくてもよい。
【0063】
このように、本実施形態の場合、複数の収容領域の各々はマガジン15であり、マガジン15は、複数のたばこ商品11が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部31と、搭載部31に沿って前後に移動可能に設けられているスライダ35と、スライダ35を前方に向けて付勢している付勢部36とを備えている。そして、誤取出動作検出部は、スライダ35の後方に設けられていてスライダ35との距離又は最後尾のたばこ商品11との距離を検出する測距センサ29を含んで構成されている。
【0064】
また、本実施形態の場合、制御部22は、各測距センサ29による検出結果に基づいて、各マガジン15におけるたばこ商品11の残個数を管理するようになっている。
そして、
図13に示すように、各マガジン15の前面壁16において、各マガジン15におけるたばこ商品11の残個数を示す表示である残個数表示43を常時又は店員による要求操作に応じて行う。すなわち、制御部22は、残個数の管理結果に応じて、各マガジン15におけるたばこ商品11の残個数を示す表示である残個数表示43をプロジェクタ20に行わせる。
よって、店員は、各マガジン15におけるたばこ商品11の残個数を容易に認識することができる。
【0065】
ここで、マガジン15に収容されている状態でのたばこ商品11の前後方向の厚み寸法(以下、単に厚み寸法)は、たばこ商品11の銘柄に応じて異なる。
記憶部26には、各マガジン15に収容されているたばこ商品11の銘柄を示す情報と、当該たばこ商品11の厚み寸法を示す情報と、が記憶されている。
制御部22は、銘柄ごとの厚み寸法と、測距センサ29による検出結果と、に基づいて、各マガジン15におけるたばこ商品11の残個数を演算により求めるようになっている。
【0066】
なお、同一銘柄のたばこ商品11が複数のマガジン15にそれぞれ収容されている場合、当該銘柄のたばこ商品11を収容しているマガジン15のうちいずれか1つのマガジン15の前面壁16において残個数の表示を行ってもよい。
【0067】
本実施形態の場合、制御部22は、測距センサ29による検出結果に基づいて、銘柄ごとの販売記録を記憶部26に記憶させるようになっていてもよい。
【0068】
また、制御部22は、測距センサ29による検出結果に基づいて、たばこ什器100からのたばこ商品11の取り出し個数の過不足をモニタリングするようになっていてもよい。この場合、販売すべき個数と比べて、実際にたばこ什器100から取り出されたたばこ商品11の個数が多かった場合や少なかった場合に、制御部22の制御下で、プロジェクタ20による表示報知や音声報知によってアラートを行うようになっていてもよい。
【0069】
〔第4実施形態〕
次に、
図14から
図16を用いて第4実施形態を説明する。
本実施形態に係るたばこ什器100の場合、上記の第3実施形態に係るたばこ什器100の機能に加えて、マガジン15へのたばこ商品11の補充を促す補充報知表示を行う機能を有する。
【0070】
本実施形態の場合、記憶部26には、たばこ商品11の銘柄ごとに、マガジン15への補充が必要となる残個数(補充閾値)が設定されている。そして、ある銘柄のたばこ商品11について、マガジン15における残個数が補充閾値以下になった場合には、制御部22は、プロジェクタ20を制御し、マガジン15へのたばこ商品11の補充を促す補充報知表示を前面壁16や表示スクリーン17において行わせる。
【0071】
例えば、補充が必要なたばこ商品11の銘柄が「ABCたばこ」である場合、
図14に示すように、前面壁16において行われる補充報知表示44としては、「要補充」との文字情報44aと、ABCたばこの画像である画像情報44bと、を含む表示を行う。このため、店員は、補充すべきたばこ商品11を容易且つ確実に認識し、当該たばこ商品11を対応するマガジン15に補充することができる。
【0072】
このように、たばこ什器100は、複数の収容領域(マガジン15)の各々におけるたばこ商品11の残個数を管理する残個管理部(制御部22、測距センサ29)を備え、投射制御部(制御部22)は、残個管理部による管理結果に応じて、収容領域へのたばこ商品11の補充を促す補充報知表示44を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせる。
また、残個管理部は、スライダ35の後方に設けられていて、スライダ35との距離又は最後尾のたばこ商品11との距離を検出する測距センサ29を含んで構成されている。
【0073】
なお、上記の第1実施形態において、取出要求と対応するたばこ商品11を収容しているマガジン15の前面壁16を赤く発光させるのと同様に、本実施形態の場合、補充が必要なたばこ商品11と対応するマガジン15の前面壁16を他の色(例えば黄色)で発光させることが挙げられる。
表示スクリーン17において行われる補充報知表示45としては、例えば、
図15(a)に示すように、「ABCたばこを黄色く光っている場所に補充してください。」といった表示を行う。
【0074】
また、補充報知表示44が行われている最中に、取出要求が発生した場合には、例えば、補充報知表示44は一旦中断し、割り込み処理として、取出報知表示38や取出報知表示39を優先的に行うようになっていてもよい。この場合、例えば、正常取出動作が検出された後で、補充報知表示44が再開される。
【0075】
ただし、本発明は、この例に限らず、たばこ什器100は、取出報知表示38又は取出報知表示39と補充報知表示44とを互いに異なる表示態様で並行して実行可能であってもよい。
すなわち、一例として、投射制御部(制御部22)は、残個管理部による管理結果に応じて、収容領域(マガジン15)へのたばこ商品11の補充を促す補充報知表示44を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせ、且つ、補充報知表示44と取出報知表示38、39とを互いに異なる態様で並行して画像投射部に行わせることが可能である。
【0076】
また、たばこ什器100は、上記の各実施形態において誤取出動作を検出する場合と同様に、補充が必要なたばこ商品11と対応するマガジン15とは異なるマガジン15へのたばこ商品11の補充動作である誤補充動作を画像認識により検出できるようになっていてもよい。
誤補充動作を検出した場合、例えば、
図15(b)に示すように、「補充場所が違います。黄色く光っている場所に補充してください。」といった誤補充報知表示46を表示スクリーン17にて行うようになっている。
【0077】
また、複数の銘柄のたばこ商品11について補充が必要な場合に、補充報知表示44には、例えば優先順位を示す情報が含まれていることが好ましい。
優先順位を示す情報の表示の例としては、
図16に示すように、補充の優先順位が高い順に、「優先度1」、「優先度2」、「優先度3」といった文字情報を表示することが挙げられる。
ただし、文字情報に代えて、又は、文字情報と併せて、投影色により優先順位を示すようにしてもよい。例えば、対応するマガジン15の前面壁16への投影色が赤色の銘柄の優先順位が最も高く、黄色の銘柄の優先順位が次に高い、というように投影色を設定することが挙げられる。
補充の優先順位は、例えば、販売実績(販売個数の推移を示すトレンド情報)や在庫状況に基づいて、制御部22が決定することができる。
【0078】
〔第5実施形態〕
次に、
図17(a)から
図17(c)を用いて第5実施形態を説明する。
本実施形態の場合、たばこ什器100は、上述の測距センサ29の代わりに、前後方向におけるスライダ35の位置を検出するスライダ位置検出部を備えている。
スライダ位置検出部は、例えば、取出要求とは異なるマガジン15からのたばこ商品11の取り出し動作である誤取出動作を検出する誤取出動作検出部を制御部22とともに構成する。
または、スライダ位置検出部は、例えば、複数のマガジン15の各々におけるたばこ商品11の残個数を管理する残個管理部を制御部22とともに構成する。
【0079】
図17(a)に示すように、スライダ位置検出部は、例えば、棚板13上に配置されている電極ユニット67と、スライダ35の下部35a(
図17(c):後述)に設けられている電極69と、を備えている。
図17(b)に示すように、電極ユニット67は、前後方向に長尺な部材であり、前後方向において所定間隔で配置された複数の電極66を備えている。
【0080】
ここで、マガジン15の底板部33の横幅方向における中央部には、前後に延在するスリット33aが形成されている。底板部33においてスリット33aを間に挟む両側部分は、スライダ35を前後にガイドするガイド部となっている。
一方、スライダ35は、底板部33においてスリット33aを間に挟む両側部分をそれぞれ上下から挟持している。スライダ35の下部35aは、底板部33の下面よりも下側に配置されている。
【0081】
ここで、各電極66及び電極69には、適宜の配線が接続されており、電極69と電極66とによりコンデンサを構成するようになっている。前後方向におけるスライダ35の位置が変化すると、電極69と近接する電極66が切り替わるため、電極69とともにコンデンサを構成する電極66が順次に切り替わる。制御部22は、各電極66の静電容量を判定する判定回路を備えており、この判定回路による判定結果に基づいて、前後方向におけるスライダ35の位置を検出する。
本実施形態の場合、制御部22は、銘柄ごとの厚み寸法と、スライダ位置検出部による検出結果と、に基づいて、各マガジン15におけるたばこ商品11の残個数を演算により求めるようになっている。
このように、スライダ位置検出部は、前後方向において所定間隔で配置されていてスライダ35の位置検出にそれぞれ用いられる複数の位置検出部(例えば、電極66)を含んで構成されている。そして、スライダ位置検出部は、スライダ35に設けられている第1電極(電極69)を含み、複数の位置検出部の各々は、第2電極(電極66)であり、スライダ位置検出部は、各第2電極の静電容量を判定する判定回路を更に備え、判定回路による判定結果に基づいて、前後方向におけるスライダ35の位置を検出する。
【0082】
なお、本発明は、この例に限らず、前後方向におけるスライダ35の位置に応じて、電極69がいずれかの電極66に対して選択的に導通するようになっていてもよい。この場合、制御部22は、電極69と導通状態となった電極66がいずれの電極66であるかに応じて、前後方向におけるスライダ35の位置を検出する。
【0083】
本実施形態の場合、制御部22は、スライダ位置検出部による検出結果に基づいて、銘柄ごとの販売記録を記憶部26に記憶させるようになっていてもよい。
また、制御部22は、スライダ位置検出部による検出結果に基づいて、たばこ什器100からのたばこ商品11の取り出し個数の過不足をモニタリングするようになっていてもよい。
【0084】
なお、本実施形態の場合、たばこ什器100は、上述のカメラ21を備えていなくてもよい。
【0085】
〔第6実施形態〕
次に、
図18(a)及び
図18(b)を用いて第6実施形態を説明する。
図18(a)及び
図18(b)に示すように、本実施形態の場合、マガジン15は、搭載部31に対して揺動可能に搭載部31に設けられている揺動部材70を備えている。揺動部材70は、例えば、それぞれ直線状に延在する前側部分70a及び後側部分70bを備えている。揺動部材70は、前側部分70aと後側部分70bとの境界部において折れ曲がった屈曲形状に形成されている。
揺動部材70は、底板部33の下面側に配置されており、前側部分70aと後側部分70bとの境界部において、軸支部71により搭載部31の底板部33に対して軸支されている。軸支部71の軸方向は、底板部33に対して直交する方向、すなわち上下方向である。
揺動部材70は、軸支部71を揺動軸として、底板部33に対して相対的に揺動可能となっている。
更に、本実施形態の場合、たばこ什器100は、揺動部材70の揺動を検出するスイッチ72を備えている。スイッチ72は、例えば、搭載部31の前端部と対応する位置に配置されている。なお、スイッチ72は、搭載部31に設けられていてもよいし、棚板13に設けられていてもよい。
【0086】
図18(a)に示すように、スライダ35の下部35aが軸支部71よりも後方に位置する状態のときには、例えば、揺動部材70の前側部分70aと後側部分70bとのうち後側部分70bが搭載部31の一方の側壁32に沿って前後に延在する。
この状態では、前側部分70aの前端部がスイッチ72から離間しており、スイッチ72は前側部分70aを検出しない。
【0087】
一方、
図18(b)に示すように、スライダ35の下部35aが軸支部71よりも前方に移動すると、揺動部材70の前側部分70aが下部35aに押されて当該揺動部材70が軸支部71を支点として揺動し、前側部分70aと後側部分70bとのうち前側部分70aが搭載部31の一方の側壁32に沿って前後に延在する状態に移行する。
この状態では、前側部分70aの前端部がスイッチ72と重なり、スイッチ72が前側部分70aを検出する。
【0088】
スイッチ72による検出信号は、制御部22に入力される。制御部22は、スイッチ72が前側部分70aを検出した旨の検出信号が入力されることによって、マガジン15におけるたばこ商品11の残個数が所定数以下となった旨を認識する。
本実施形態の場合、スイッチ72及び制御部22により、複数のマガジン15の各々におけるたばこ商品11の残個数を管理する残個管理部が構成されている。
【0089】
このように、本実施形態の場合、複数の収容領域の各々はマガジン15であり、マガジン15は、複数のたばこ商品11が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部31と、搭載部31に沿って前後に移動可能に設けられているスライダ35と、スライダ35を前方に向けて付勢している付勢部36と、前後方向におけるスライダ35の位置に応じて揺動する揺動部材70とを備え、残個管理部は、揺動部材70の揺動を検出する揺動検出部(スイッチ72、制御部22)を含んで構成されている。
揺動検出部は、揺動部材70の揺動を電気的に検出するものである。揺動検出部は、好ましくは、揺動部材70により押圧される被押圧部と、被押圧部が押圧されたことを検出する押圧検出部と、を含んで構成されている。つまり、揺動検出部は、押圧式のスイッチであることが好ましい。
【0090】
本実施形態の場合、制御部22は、スイッチ72による検出結果に基づいて、銘柄ごとの販売記録を記憶部26に記憶させるようになっていてもよい。
また、制御部22は、スイッチ72による検出結果に基づいて、たばこ什器100からのたばこ商品11の取り出し個数の過不足をモニタリングするようになっていてもよい。
【0091】
〔第7実施形態〕
次に、
図19(a)及び
図19(b)を用いて第7実施形態を説明する。
本実施形態の場合、マガジン15の前面壁16はフラップ部であり、前傾可能な状態で一対の側壁32の前端部により保持されている。
【0092】
図19(a)及び
図19(b)に示すように、前面壁16は、当該前面壁16の左端部及び右端部にそれぞれ設けられた左右一対の被軸支突起16aと左右一対の被ガイド突起16bとを有する。
ここで、搭載部31において、前面壁16を除く部分を、本体部31aと称する。
各被軸支突起16aは、搭載部31の左右の側壁32の前端部にそれぞれ形成されている軸支孔74にそれぞれ嵌入している。これにより、前面壁16は、左右の被軸支突起16aを揺動支点として本体部31aに対して相対的に前傾動作が可能となっている(
図19(b))。
各被ガイド突起16bは、搭載部31の左右の側壁32の前端部にそれぞれ形成されている弧状のガイド孔75に入り込んでいる。これにより、各被ガイド突起16bは、対応するガイド孔75によってガイドされるようになっている。ガイド孔75によって被ガイド突起16bがガイドされる範囲(被軸支突起16aを中心とする角度範囲)によって、前面壁16の前傾角度が制限されている。
【0093】
搭載部31の先頭位置に搭載されているたばこ商品11が搭載部31から取り出される際には、前面壁16が本体部31aに対して相対的に前傾するようになっている(
図19(b))。
たばこ商品11が搭載部31から取り出された後は、前面壁16は、自重により、
図19(a)に示す通常の状態、すなわち、起立した状態に復帰する。
【0094】
前面壁16は、前傾状態において側壁32の前端における下端よりも下方に突出する押圧突起16cを有している。
一方、棚板13の前端部の上面には、前面壁16が傾斜した際に押圧突起16cにより押圧されるスイッチ76が設けられている。
スイッチ76は、押圧突起16cにより押圧される度に、検出信号を制御部22に出力する。
制御部22は、スイッチ76から検出信号が入力されることによって、マガジン15からたばこ商品11が取り出されたことを認識する。
【0095】
本実施形態の場合、スイッチ76は、取出要求とは異なるマガジン15からのたばこ商品11の取り出し動作である誤取出動作を検出する誤取出動作検出部を制御部22とともに構成する。
また、スイッチ76は、複数のマガジン15の各々におけるたばこ商品11の残個数を管理する残個管理部を制御部22とともに構成する。この場合、制御部22は、スイッチ76から入力される検出信号を計数するようになっている。
【0096】
このように、本実施形態の場合、複数の収容領域の各々はマガジン15であり、マガジン15は、複数のたばこ商品11が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部31と、搭載部31に沿って前後に移動可能に設けられているスライダ35と、スライダ35を前方に向けて付勢している付勢部36とを備え、搭載部31は、複数のたばこ商品11が搭載される本体部31aと、本体部31aの前端部に対して揺動可能に設けられていて当該搭載部31の前面壁16を構成しているフラップ部とを備え、フラップ部は、搭載部31の先頭位置に搭載されているたばこ商品11が当該搭載部31から取り出される際に本体部31aに対して相対的に前傾するようになっており、誤取出動作検出部は、フラップ部の前傾動作を検出する前傾検出部(スイッチ76及び制御部22)を含んで構成されている。
前傾検出部は、フラップ部の前傾動作を電気的に検出するものである。前傾検出部は、好ましくは、フラップ部により押圧される被押圧部と、被押圧部が押圧されたことを検出する押圧検出部と、を含んで構成されている。つまり、前傾検出部は、押圧式のスイッチであることが好ましい。
【0097】
或いは、本実施形態において、残個管理部は、フラップ部の前傾動作を検出する前傾検出部(スイッチ76及び制御部22)を含んで構成されている。
【0098】
本実施形態の場合、制御部22は、スイッチ76による検出結果に基づいて、銘柄ごとの販売記録を記憶部26に記憶させるようになっていてもよい。
また、制御部22は、スイッチ76による検出結果に基づいて、たばこ什器100からのたばこ商品11の取り出し個数の過不足をモニタリングするようになっていてもよい。
【0099】
なお、本実施形態の場合、たばこ什器100は、上述のカメラ21、測距センサ29及びスライダ位置検出部を備えていなくてもよい。
【0100】
〔第8実施形態〕
次に、
図20(a)から
図20(c)を用いて第8実施形態を説明する。
本実施形態では、例えば新商品等の新規取扱商品が店舗に入荷した場合などにおいて、新規取扱商品を収容するマガジン15の候補をたばこ什器100が案内する例を説明する。
【0101】
たばこ什器100は、例えば
図20(a)に示すように、オペレータにより操作される操作タブレット80を備えている。この操作タブレット80は、銘柄指定情報取得部27としての機能を兼ねるものであってもよいし、銘柄指定情報取得部27とは別のものであってもよい。
【0102】
操作タブレット80の表示画面81には、各種の動作モードを選択可能なメニュー画面が表示されるようになっている。
このメニュー画面において選択可能なメニューには、例えば、「新商品収納場所ナビ」というメニューが含まれている。オペレータがメニュー画面において「新商品収納場所ナビ」を選択するタッチ操作を行うと、制御部22の制御下でプロジェクタ20が画像を投射することによって、例えば
図20(b)に示すように、新規のたばこ商品11を収容するマガジン15の候補を案内する候補領域案内表示47が表示される。
候補領域案内表示47は、例えば、取出報知表示38と同様の表示であってもよいし、取出報知表示38とは異なる態様の表示であってもよい。
【0103】
このように、たばこ什器100は、収容領域(マガジン15)に新規のたばこ商品11を収容させる旨の要求である新規収容要求(例えば、「新商品収納場所ナビ」を選択するタッチ操作)を受け付ける新規収容要求受付部(例えば操作タブレット80)を備え、投射制御部(制御部22)は、新規収容要求受付部が新規収容要求を受け付けた場合に、新規のたばこ商品11を収容する収容領域の候補を案内する候補領域案内表示47を画像投射部(プロジェクタ20)に行わせる。
【0104】
制御部22は、例えば、以下に説明する判定処理により、前面壁16において候補領域案内表示47が行われるマガジン15の選択を行う。
先ず、制御部22は、記憶部26の記憶内容を参照し、収容すべきたばこ商品11が設定されていない空き状態のマガジン15が存在するか否かを判定する。
空き状態のマガジン15が存在する場合、制御部22は、空き状態のマガジン15のうちいずれかのマガジン15の前面壁16において候補領域案内表示47を行わせる。
一方、空き状態のマガジン15が存在しない場合、制御部22は、例えば、販売実績に基づいて、売れ行きが低調な銘柄と対応するマガジン15を判別及び選定し、当該マガジン15の前面壁16において候補領域案内表示47を行わせる。なお、販売実績が所定の閾値以下の銘柄が複数存在する場合は、これら複数の銘柄と対応するマガジン15の各々の前面壁16において候補領域案内表示47を行わせてもよい。
【0105】
更に、例えば、
図20(c)に示すように、表示画面81において、銘柄の入れ替えを確定するか否かの選択画面が表示される。
例えば、「既存銘柄「JKLたばこ」を新規銘柄「KLMたばこ」に入れ替えますか?」との表示と、「確定」及び「今はしない」との選択ボタンが表示される。
オペレータが「確定」を選択操作すると、制御部22は、これまで「JKLたばこ」の収納場所であったマガジン15を「KLMたばこ」の収納場所として登録する更新処理を行う。すなわち、制御部22は、記憶部26の記憶内容の書き換えを行う。更に、制御部22は、候補領域案内表示47を終了させる。
一方、
図20(c)の選択画面において、オペレータが「今はしない」を選択操作すると、制御部22は、記憶部26の記憶内容の書き換えは行わずに、候補領域案内表示47を終了させる。
【0106】
〔第9実施形態〕
次に、
図21(a)及び
図21(b)を用いて第9実施形態を説明する。
図21(a)及び
図21(b)の各々は、ある銘柄のたばこ商品11が不良品であることを制御部22が認識した場合に行われる報知表示の例を示す正面図であり、このうち
図21(a)はマガジン15の前面壁16において行われる報知表示(不良品情報表示48)の例を示し、
図21(b)は表示スクリーン17において行われる報知表示(不良品情報表示49)の例を示す。
例えば、
図21(a)に示すように、不良品情報表示48として、「不良品」との表示を行ったり、
図21(b)に示すように、「FGHたばこの在庫は不良品のため販売できません。」との表示を行ったりすることによって、オペレータに注意喚起し、不良品の販売を抑止できるようにする。
【0107】
また、オペレータが誤って不良品のたばこ商品11をマガジン15から取り出した場合に、その旨が検出されると、制御部22は、当該たばこ商品11を販売してはいけないことを、プロジェクタ20により投射される画像や図示しないスピーカからの音声によって報知する。
【0108】
〔第10実施形態〕
次に、
図22を用いて第10実施形態を説明する。
本実施形態の場合、制御部22において、たばこ什器100の使用状況や、たばこ什器100の各部品の劣化状況を随時管理するようになっている。
たばこ什器100の部品(一例として、プロジェクタ20の電球)の交換時期が到来したと制御部22が判定した場合、例えば、
図22に示すように、「エラー12:プロジェクタ電球を交換してください。 0120-XXX-XXX」とのパーツ交換情報表示50を行う。オペレータは、パーツ交換情報表示50に含まれる電話連絡先に電話することによって、部品の交換サービスを受けることができる。
【0109】
また、例えば、複数の店舗のたばこ什器100がネットワーク経由で図示しないサーバ装置と通信接続されていて、サーバ装置が各種の情報(販売記録など)を随時収集するような場合が想定できる。このような場合に、ネットワークの遮断等の障害が発生した際には、例えば表示スクリーン17において通信障害が発生した旨の報知表示などを行うようになっていてもよい。
【0110】
〔第11実施形態〕
次に、
図23から
図24(b)を用いて第11実施形態を説明する。
上記の各実施形態では、たばこ什器100がマガジン什器60を備える例を説明したが、本実施形態の場合、たばこ什器100は、マガジン什器60の代わりに引出式什器82を備えている。
引出式什器82は、例えば、枠体83と、オペレータが枠体83から前方に引き出し可能に枠体83によって保持されている複数の収容引出84と、を備えている。
収容引出84の前面壁85には、当該収容引出84を前方に引き出す際にオペレータが指を掛けるための取手部86が設けられている。なお、収容引出84を枠体83から引き出した後、オペレータが収容引出84を押し込むことにより、収容引出84を再び枠体83に収納させることができる。
本実施形態の場合、収容引出84が収容領域である。
本実施形態の場合、プロジェクタ20により収容引出84の前面壁85に画像を投射することによって、上記の各実施形態において説明したような各種の表示(前面壁16において行われる表示と同様の各種の表示)が前面壁85において行われる。
【0111】
本実施形態の場合、たばこ商品11を取り出すべきでない収容引出84を誤って引き出したり当該収容引出84からたばこ商品11を誤って取り出したりする誤取出操作や、補充すべきでない収容引出84を誤って引き出したり当該収容引出84にたばこ商品11を誤って補充したりする誤補充動作を抑制できるように、たばこ什器100は、以下に説明するロック機構87を備えている。
【0112】
ロック機構87は、銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容引出84を選択的に枠体83から引き出し可能にするためのものである。
ロック機構87は、例えば、係止部材89と、ソレノイド又はモータ等のロック用アクチュエータ(不図示)と、ロック用アクチュエータから係止部材89に動力を伝達して係止部材89を係止位置(
図24(a)の位置)と非係止位置(
図24(b)の位置)とに移動させる動力伝達機構(不図示)と、停電時などにおいてオペレータが手動で係止部材89を非係止位置と係止位置とに移動させるキー操作を行うためのキー差込部88と、を備えている。
【0113】
係止位置は、収容引出84を枠体83から引き出そうとすると係止部材89が枠体83に係止される(引っ掛かる)ことで枠体83からの収容引出84の引き出しが規制される位置である。非係止位置は、枠体83からの収容引出84の引き出しの際に係止部材89が枠体83に係止されず(引っ掛からず)に、枠体83からの収容引出84の引き出しが許容される位置である。
キー差込部88は、解除キー(不図示)が差し込まれる鍵穴を有している。オペレータが鍵穴に解除キーを差し込んで当該解除キーを回すことにより、係止部材89を係止位置から非係止位置に移動させたり、非係止位置から係止位置に移動させたりできるようになっている。
なお、ここでは、ロック機構87が収容引出84に設けられていてロック状態では係止部材89が枠体83に引っ掛かる例を説明したが、ロック機構87が枠体83に設けられていてロック状態では係止部材89が収容引出84に引っ掛かるようになっていてもよい。
【0114】
本実施形態の場合、通常時においては、すべての収容引出84と対応するロック機構87の係止部材89が係止位置にある。そして、銘柄指定情報取得部27が銘柄指定情報を取得した場合に、制御部22の制御下でロック用アクチュエータが係止部材89を移動させることで、銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容引出84が選択的に枠体83から引き出し可能となる。
【0115】
〔第12実施形態〕
次に、
図25及び
図26を用いて第12実施形態を説明する。
本実施形態では、コンビニエンスストアなどの店舗に来店するユーザの携帯端末装置90からたばこ什器100の銘柄指定情報取得部27が自動的に銘柄指定情報を取得し、プロジェクタ20による画像の投射によってたばこ什器100において表示(特定報知表示91)を行う例を説明する。
【0116】
携帯端末装置90とたばこ什器100との間の通信の方式は、特に限定されないが、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信であることが挙げられる。
携帯端末装置90の記憶部(不図示)には、予め、ユーザによって、当該ユーザが普段喫煙する銘柄(主喫銘柄)の情報が登録されている。
更には、たばこ什器100が設定された店舗においてユーザの主喫銘柄が販売されている場合に、当該主喫銘柄のたばこ商品11の場所を報知する特定報知表示91を行うか否かの設定操作をユーザが携帯端末装置90に対して予め行っているものとする。
【0117】
特定報知表示91を行う設定をユーザが選択している場合、当該ユーザが携帯端末装置90を所持して来店すると、たばこ什器100の銘柄指定情報取得部27は、自動的に携帯端末装置90との間で近距離無線通信を行い、当該ユーザの主喫銘柄の情報を銘柄指定情報として取得する。
その結果、
図25に示すように、ユーザの主喫銘柄を収容しているマガジン15の前面壁16において、特定報知表示91が行われる。
このため、ユーザは、たばこ什器100において特定報知表示91が行われていることを認識できる。よって、ユーザの購買意欲を向上させることができる。
【0118】
なお、携帯端末装置90とたばこ什器100との間の近距離無線通信は、例えば、携帯端末装置90の電源がオンである場合とオフである場合とのいずれの場合においても行われる。
【0119】
また、特定報知表示91を行う設定を各自の携帯端末装置90に対して行っている複数のユーザが来店した場合には、各ユーザの主喫銘柄を各ユーザが遠目でも容易に認識できるように、ユーザ毎の表示態様で特定報知表示91を行うようになっていることも好ましい。
一例として、各ユーザが選択した絵柄(例えば、自分の好みの果物、動物、その他のキャラクタ)の画像を含む特定報知表示91や、各ユーザが選択した投影色での特定報知表示91を行うことが挙げられる。
図26の例では、携帯端末装置90aのユーザと携帯端末装置90bのユーザとの2人のユーザが同一店舗に来店し、携帯端末装置90aにおいて設定されている画像(例えばパイナップルの画像)を含む特定報知表示91aと、携帯端末装置90bにおいて設定されている画像(例えば、ぶどうの画像)を含む特定報知表示91bと、が並列的に行われている。
【0120】
なお、上記の第12実施形態では、銘柄指定情報取得部27が銘柄指定情報を携帯端末装置90から取得する例を説明したが、銘柄指定情報取得部27は、例えば、たばこ商品11のメーカーが管理するサーバ装置(不図示)から銘柄指定情報を取得してもよい。
この場合、銘柄指定情報取得部27は、例えば、ユーザの識別情報(ID情報)のみを携帯端末装置90から取得し、この識別情報と対応する主喫銘柄の情報(銘柄指定情報)をサーバ装置から取得する。
また、特定報知表示91を行う設定をユーザが選択しているか否かを示す情報についても、銘柄指定情報取得部27がサーバ装置から取得してもよい。
【0121】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0122】
例えば、たばこ商品11を収容するたばこ什器100は、天吊り式の什器であってもよい。
また、上記においては、購買者が購買しようとするたばこ商品11の個数を店員が銘柄指定情報取得部27に入力する例を説明したが、本発明は、この例に限らず、単に、店員が購買者から口頭で個数を聞き取り、聞き取った数のたばこ商品11を店員が収容領域から取り出すようにしてもよい。
【0123】
また、上記においては、表示スクリーン17がマガジン什器60の前面部の横幅方向における中央部に配置されている例を説明したが、表示スクリーン17は、他の位置、例えば、マガジン什器60の前面部の横幅方向における端部又はマガジン什器60の前面部の上部などに配置されていてもよい。
【0124】
また、上記においては、マガジン15の前面壁16や収容引出84の前面壁85において表示報知が行われる際に、併せて、収容領域とは異なる位置(例えば表示スクリーン17)においても表示報知が行われる例を説明したが、本発明は、この例に限らず、収容領域とは異なる位置(例えば表示スクリーン17)においてのみ表示報知が行われてもよい。
例えば、第1実施形態において表示スクリーン17にて「最上段の右から3番目のマガジンからたばこを取り出してください」といった表示や「最上段の右から3番目のマガジンにたばこを補充してください」といった表示を行うことができる。同様に、第11実施形態において表示スクリーン17にて「最上段の右から3番目の引き出しからたばこを取り出してください」といった表示や「最上段の右から3番目の引き出しにたばこを補充してください」といった表示を行うことができる。これらの表示により、銘柄指定情報と対応する収容領域(マガジン15や収容引出84)では表示報知を行わずに、他の場所(表示スクリーン17)にて、複数の収容領域のうち銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様での表示報知などが可能となる。
【0125】
また、上記においては、プロジェクタ20により画像を投射することによって、複数の収容領域のうち銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で表示を行う例を説明したが、本発明は、この例に限らず、複数の収容領域のうち銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様での表示は、LED等の発光部材やその他の表示体によって行われてもよい。
すなわち、本発明に係るたばこ什器100は、一例として、それぞれ複数のたばこ商品11をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、たばこ商品11の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部27と、複数の収容領域のうち銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で表示を行わせる制御を行う制御部22と、を備える。
【0126】
また、上記においては、主として、投射制御部が、複数の収容領域のうち銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で画像投射部に表示を行わせる制御を行う例について説明したが、本発明は、この例に限らない。
制御部22は、例えば、銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応するたばこ商品11に関するキャンペーンへの参加用の情報(キャンペーン情報)を表示させる制御を行う。キャンペーン情報としては、識別情報(例えばQRコード(登録商標))などが挙げられる。よって、例えば、購買者が購買したたばこ商品11と対応する表示を行うことができる。この場合、たばこ什器は、販売カウンタに設置される所謂フロント什器であってもよい。また、画像投射部が表示を行う場所は、例えば、マガジン15の後面壁34であってもよいし、マガジン収容棚12の後部壁14であってもよい。また、表示を行う場所は、特に限定されず、銘柄指定情報取得部27が取得した銘柄指定情報と対応するたばこ商品11を収容しているマガジン15の後面壁34は、当該マガジン15の後方の位置であってもよいし、複数のマガジン15の後面壁34に亘る範囲であったり、後部壁14の全面であったりしてもよい。
【0127】
また、購買者自身がたばこ商品の銘柄を指定する操作を行うようになっていてもよい。この場合、例えば、購買者がタッチパネルを操作することにより、購買しようとするたばこ商品11の種類を選択する。すなわち、購買者が、タッチパネルに対する操作によって、たばこ商品を購買することを選択し、更に、タッチパネルに表示される銘柄リストの中から選択操作を行うことによって、たばこ什器100から取り出す銘柄の指定を行う。この場合も、銘柄の指定操作が行われると、指定されたたばこ商品11が収容されているマガジン15において、取出報知表示38が行われる。よって、店員は、たばこ商品11を取り出すべきマガジン15の位置を認識することができるので、当該マガジン15からたばこ商品11を取り出して、販売処理を行うことができる。なお、取出報知表示38に従ってマガジン15からたばこ商品11を取り出す作業は、購買者自身が行うようになっていてもよい。
また、購買者がたばこ商品11の銘柄を指定する場合も、マイクに向けて購買者が銘柄名を音声入力することによって、銘柄の指定が可能であってもよい。この場合も、銘柄の指定が行われると、指定されたたばこ商品11が収容されているマガジン15において、取出報知表示38が行われる。
このように、銘柄指定情報取得部27は、購買者により入力(例えば、選択操作による入力又は音声入力)される銘柄指定情報を取得するようになっていてもよい。
また、購買者がたばこ商品の銘柄を指定する操作は、購買者がたばこ商品11のバーコードをバーコードリーダにかざして、当該バーコードをバーコードリーダに読み取らせる操作であってもよい。
【0128】
また、たばこ什器100が備える表示装置の表示画面(例えば、操作タブレットなどが備えるタッチパネル式の操作画面)において、例えば
図27に示すように、たばこ什器100の各マガジン15に収容されているたばこ商品11の画像等を、たばこ什器100における各マガジン15の配列と対応する(同じ)配列で表示するようにしてもよい。すなわち、たばこ什器100は、例えば、表示装置と、
図27に示すような画像表示を表示装置に行わせる表示装置用表示制御部と、を備えている。
更に、例えば、第12実施形態のようにたばこ什器100の銘柄指定情報取得部27がユーザの携帯端末装置90から自動的に銘柄指定情報を取得した場合に、
図27に示す操作画面において、取得した銘柄指定情報と対応する銘柄のたばこ商品11の位置を表示報知するようにしてもよい。この場合も、購買客又は店員は、銘柄指定情報と対応するたばこ商品11の購買操作又は販売処理を容易に行うことができる。
【0129】
また、ユーザの携帯端末装置90を用いた操作によって、操作タブレットのタッチパネル式の操作画面に対する選択操作を行って、購買するたばこ商品11を選択することが可能となっていたり、購買するたばこ商品11の収容位置の報知を行わせることが可能となっていたりしてもよい。
【0130】
また、各種のたばこ商品11とそれぞれ対応する複数種類のダミーカードを販売カウンタなどに設けられたダミーカードホルダに設置しておき、購買者が、自身が購買しようとするたばこ商品11と対応するダミーカードをダミーカードホルダから選び取り、ダミーカードから銘柄指定情報を読み取らせることで、銘柄の指定が可能となっていてもよい。
この場合、ダミーカードには、例えば、対応するたばこ商品11の銘柄指定情報等を記憶保持しているRFID(Radio Frequency Identification)チップが搭載されている。ダミーカードのRFIDチップに記憶保持されている情報は、たばこ什器100が備えるRFIDリーダによって読み取られる。
また、ダミーカードホルダからダミーカードが抜き取られた(移動した)ことの履歴情報を管理することにより、例えば、ダミーカードホルダからダミーカードが移動した場合に、当該ダミーカードと対応するたばこ商品11が実際に購買されたか、又は実際には購買されなかったか、といった結果と対応付けてデータ管理を行うことができる。これにより、顧客の購買行動の情報収集及び管理が可能となる。
【0131】
また、例えば、成人認証を経てたばこ商品11の注文が入った場合には、表示スクリーン17などにおいて、広告表示やキャンペーン情報の表示などの各種の情報表示を行うようにしてもよい。
【0132】
また、たばこ什器100を構成するマガジン収容棚12としては、様々なサイズ又は形状のものが準備されており、店舗の設置スペースに応じて選択的に組み合わせて用いることができるようになっていてもよい。
より詳細には、マガジン収容棚12としては、横幅方向に並んで配置可能なマガジン15の個数が異なるとともに互いに幅寸法が異なる複数種類のもの、互いに高さ寸法が異なるとともに棚板13の段数が互いに異なる複数種類のもの、及び、互いに奥行き寸法が異なる複数種類のもの、などが準備されており、これらの中から複数のマガジン収容棚12を選択的に組み合わせて用いることができる。このようにすることによって、たばこ什器100のレイアウトの自由度が向上するので、個々の店舗の設置スペースに応じて、たばこ什器100の全体の幅寸法や高さ寸法を最適化したレイアウトを実現することができる。
更に、複数のマガジン収容棚12の組み合わせが選択されることにより、各マガジン15に収容されているたばこ商品11の銘柄を示す情報(記憶部26に記憶されている情報)が更新されることが好ましい。
互いに隣り合って配置されるマガジン収容棚12は、互いに接した状態で配置されてもよいし、店舗内に設置されている柱を間に挟んで設置されてもよい。また、店舗内において、天井面又は壁から突出した梁がある場合に、その梁を避けるように、局所的に低背のマガジン収容棚12を選択して設置することもできる。複数のマガジン収容棚12は、横並びに配置することに限らず、積み重ねて配置することが可能であってもよい。
また、互いに隣り合って配置される複数のマガジン収容棚12どうし、並びに、互いに積み重ねて配置される複数のマガジン収容棚12どうしを連結するため、各マガジン収容棚12の側壁、天面部、又は底板部は、連結機構を備えていてもよい。
【0133】
また、たばこ什器100からのたばこ商品11の取り出しを許可された者(以下、取出権限保持者)以外が、たばこ什器100からたばこ商品11を取り出そうとした場合に、アラート(警報)を行うように、たばこ什器100が構成されていることも好ましい。取出権限保持者は、店員であってもよいし、購買客であってもよい。
たばこ什器100は、マガジン15からたばこ商品11を取り出す操作を行った操作者が取出権限保持者であるか否かの認証処理を行う認証処理部と、操作者が取出権限保持者でないと認証処理部が判定した場合にアラートを行うアラート部と、を備える。
認証処理部は、例えば、予め取出権限保持者の身分証(免許証等)の顔写真などから取得された顔画像情報を記憶保持する顔画像情報記憶保持部と、操作者の顔の画像を撮像する撮像部とを備えており、撮像部により撮像された撮像顔画像と顔画像情報記憶保持部に記憶保持されている顔画像情報とを比較し、操作者が取出権限保持者であるか否かを判定する。ただし、認証処理部による認証方法としては、その他の各種の認証方法を適用することができる。
このような構成は、たばこ什器100が販売カウンタに設置される所謂フロント什器であり、購買者が自らたばこ什器100からたばこ商品11を取り出す構成において特に有用である。この場合、認証処理部は、成人認証を兼ねていることが好ましい。
【0134】
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、一つの構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0135】
更に、本実施形態は以下の技術思想を包含する。
<1>それぞれ複数のたばこ商品をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、
たばこ商品の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部と、
画像を投射することで、前記画像の投射範囲における表示を行う画像投射部と、
前記画像投射部の動作制御を行う投射制御部と、
を備え、
前記投射制御部は、前記銘柄指定情報取得部が取得した前記銘柄指定情報と対応する表示を前記画像投射部に行わせる制御を行うたばこ什器。
【0136】
更に、本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)それぞれ複数のたばこ商品をオペレータにより取り出し可能に収容する複数の収容領域と、
たばこ商品の銘柄を指定する銘柄指定情報を取得する銘柄指定情報取得部と、
画像を投射することで、前記画像の投射範囲における表示を行う画像投射部と、
前記画像投射部の動作制御を行う投射制御部と、
を備え、
前記投射制御部は、前記複数の収容領域のうち前記銘柄指定情報取得部が取得した前記銘柄指定情報と対応する収容領域を特定しうる態様で前記画像投射部に表示を行わせる制御を行うたばこ什器。
(2)前記投射制御部は、前記銘柄指定情報と対応する前記収容領域を周囲と比べて目立たせる表示を前記画像投射部に行わせる(1)に記載のたばこ什器。
(3)前記銘柄指定情報取得部は、たばこ商品の取出要求と、当該取出要求と対応する前記銘柄指定情報と、を取得し、
前記投射制御部は、前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出しを促す取出報知表示を前記画像投射部に行わせる(1)又は(2)に記載のたばこ什器。
(4)前記投射制御部は、前記取出要求と対応するたばこ商品を前記収容領域から取り出すべき個数を示す個数指定情報の表示を前記画像投射部に行わせる(3)に記載のたばこ什器。
(5)前記投射制御部は、前記取出要求と対応するたばこ商品が、店舗に設置された複数の販売端末のうちいずれの販売端末での販売用であるかを示す販売端末指定情報の表示を前記画像投射部に行わせる(3)又は(4)に記載のたばこ什器。
(6)前記取出要求とは異なる前記収容領域からの前記たばこ商品の取り出し動作である誤取出動作を検出する誤取出動作検出部を備え、
前記投射制御部は、前記誤取出動作が発生した場合に、取り出し動作が誤りである旨の誤取出報知表示を前記画像投射部に行わせる(3)から(5)のいずれか一項に記載のたばこ什器。
(7)前記誤取出動作検出部は、
前記複数の収容領域からの前記たばこ商品の取り出し動作を撮像するカメラと、
前記カメラによる撮像結果を用いた画像認識により前記誤取出動作の有無を判定する誤取出動作判定部と、
を含んで構成されている(6)に記載のたばこ什器。
(8)前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記搭載部は、
前記複数のたばこ商品が搭載される本体部と、
前記本体部の前端部に対して揺動可能に設けられていて当該搭載部の前面壁を構成しているフラップ部と、
を備え、
前記フラップ部は、前記搭載部の先頭位置に搭載されている前記たばこ商品が当該搭載部から取り出される際に前記本体部に対して相対的に前傾するようになっており、
前記誤取出動作検出部は、前記フラップ部の前傾動作を検出する前傾検出部を含んで構成されている(6)に記載のたばこ什器。
(9)前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記誤取出動作検出部は、前後方向における前記スライダの位置を検出するスライダ位置検出部を含んで構成されている(6)に記載のたばこ什器。
(10)前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記誤取出動作検出部は、前記スライダの後方に設けられていて、前記スライダとの距離又は最後尾の前記たばこ商品との距離を検出する測距センサを含んで構成されている(6)に記載のたばこ什器。
(11)前記複数の収容領域の各々における前記たばこ商品の残個数を管理する残個管理部を更に備え、
前記投射制御部は、前記残個管理部による管理結果に応じて、前記収容領域への前記たばこ商品の補充を促す補充報知表示を前記画像投射部に行わせる(1)から(10)のいずれか一項に記載のたばこ什器。
(12)前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
前後方向における前記スライダの位置に応じて揺動する揺動部材と、
を備え、
前記残個管理部は、前記揺動部材の揺動を検出する揺動検出部を含んで構成されている(11)に記載のたばこ什器。
(13)前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記搭載部は、
前記収容領域を有する本体部と、
前記本体部の前端部に対して揺動可能に設けられていて当該搭載部の前面壁を構成しているフラップ部と、
を備え、
前記フラップ部は、前記搭載部の先頭位置に搭載されている前記たばこ商品が当該搭載部から取り出される際に前記本体部に対して相対的に前傾するようになっており、
前記残個管理部は、前記フラップ部の前傾動作を検出する前傾検出部を含んで構成されている(11)に記載のたばこ什器。
(14)前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記残個管理部は、前後方向における前記スライダの位置を検出するスライダ位置検出部を含んで構成されている(11)に記載のたばこ什器。
(15)前記複数の収容領域の各々はマガジンであり、
前記マガジンは、
複数のたばこ商品が前後に並ぶ整列状態で搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動可能に設けられているスライダと、
前記スライダを前方に向けて付勢している付勢部と、
を備え、
前記残個管理部は、前記スライダの後方に設けられていて、前記スライダとの距離又は最後尾の前記たばこ商品との距離を検出する測距センサを含んで構成されている(11)に記載のたばこ什器。
(16)前記複数の収容領域の各々における前記たばこ商品の残個数を管理する残個管理部を更に備え、
前記投射制御部は、
前記残個管理部による管理結果に応じて、前記収容領域への前記たばこ商品の補充を促す補充報知表示を前記画像投射部に行わせ、
且つ、前記補充報知表示と前記取出報知表示とを互いに異なる態様で並行して前記画像投射部に行わせることが可能である(3)から(10)のいずれか一項に記載のたばこ什器。
(17)前記投射制御部は、通常時においては、前記収容領域に収容されている前記たばこ商品と対応する通常表示を当該収容領域において行わせ、
前記銘柄指定情報取得部が前記銘柄指定情報を取得した場合には、当該銘柄指定情報と対応する前記収容領域において、前記通常表示とは異なる態様での特定報知表示を行わせる(1)から(16)のいずれか一項に記載のたばこ什器。
(18)前記投射制御部は、
前記銘柄指定情報取得部が前記銘柄指定情報を取得した場合には、当該銘柄指定情報と対応する前記収容領域において、前記通常表示と前記特定報知表示との双方を行わせる(17)に記載のたばこ什器。
(19)前記収容領域に新規のたばこ商品を収容させる旨の要求である新規収容要求を受け付ける新規収容要求受付部を備え、
前記投射制御部は、前記新規収容要求受付部が前記新規収容要求を受け付けた場合に、前記新規のたばこ商品を収容する前記収容領域の候補を案内する候補領域案内表示を前記画像投射部に行わせる(1)から(18)のいずれか一項に記載のたばこ什器。
(20)前記オペレータは店舗の店員であり、
前記銘柄指定情報取得部は、前記店員により入力される前記銘柄指定情報を取得する(1)から(19)のいずれか一項に記載のたばこ什器。
【0137】
この出願は、2018年6月18日に出願された日本出願特願2018-115583号を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0138】
10 投射ユニット
11 たばこ商品
12 マガジン収容棚
13 棚板
14 後部壁
15 マガジン(収容領域)
16 前面壁(フラップ部)
16a 被軸支突起
16b 被ガイド突起
16c 押圧突起
17 表示スクリーン
18 支柱部
19 支持部
20 プロジェクタ
21 カメラ
22 制御部
23 CPU
24 ROM
25 RAM
26 記憶部
27 銘柄指定情報取得部
28 バーコードリーダ
29 測距センサ
31 搭載部
31a 本体部
32 側壁
33 底板部
33a スリット
34 後面壁
35 スライダ
35a 下部
36 付勢部
37 通常表示
38 取出報知表示(特定報知表示)
39 取出報知表示
40 誤取出報知表示
42 取出報知表示
43 残個数表示
44 補充報知表示
44a 文字情報
44b 画像情報
45 補充報知表示
46 誤補充報知表示
47 候補領域案内表示
48 不良品情報表示
49 不良品情報表示
50 パーツ交換情報表示
51 販売カウンタ
52、52a、52b 電子キャッシュレジスタ(販売端末)
53、53a、53b 店員
54 什器設置カウンタ
55 床面
60 マガジン什器
61 カートン什器
62 枠体
63 引出棚
64 引出棚報知発光部
65 取手部
66 電極
67 電極ユニット
68 ワイヤ
68a 先端部
69 電極
70 揺動部材
70a 前側部分
70b 後側部分
71 軸支部
72 スイッチ
74 軸支孔
75 ガイド孔
76 スイッチ
80 操作タブレット
81 表示画面
82 引出式什器
83 枠体
84 収容引出(収容領域)
85 前面壁
86 取手部
87 ロック機構
88 キー差込部
89 係止部材
90、90a、90b 携帯端末装置
91、91a、91b 特定報知表示
100 たばこ什器