(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】直流遮断器
(51)【国際特許分類】
H01H 9/40 20060101AFI20220624BHJP
H01H 9/36 20060101ALI20220624BHJP
H01H 33/59 20060101ALI20220624BHJP
H01H 33/14 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
H01H9/40
H01H9/36
H01H33/59 A
H01H33/14
(21)【出願番号】P 2020535082
(86)(22)【出願日】2018-11-12
(86)【国際出願番号】 KR2018013713
(87)【国際公開番号】W WO2019132237
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2017-0181337
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】リー、サンチョル
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0079024(US,A1)
【文献】特開2017-010706(JP,A)
【文献】特開2012-174686(JP,A)
【文献】特開2012-138173(JP,A)
【文献】中国実用新案第205789789(CN,U)
【文献】特開2015-220180(JP,A)
【文献】国際公開第2013/171903(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/40
H01H 9/36
H01H 33/59
H01H 33/14
H01R 4/48
H01R 13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流遮断器において、
電源に接続されるように構成される第1端子部と、
前記第1端子部に接続され、負荷に接続されるように構成される第2端子部と
、
前記第1端子部及び前記第2端子部とは異なる列に配列され、該第1端子部と該第2端子部とを接続する第3端子部と、を含み、
前記第1端子部は、
互いに並列に接続され、前記電源に接続されるように構成される少なくとも1対の第1端子を含み、
前記第2端子部は、
前記第1端子にそれぞれ対応し、互いに並列に接続され、前記負荷に接続されるように構成される少なくとも1対の第2端子を含み、
前記第1端子は、
前記電源の正極に接続されるように構成される1対の第1正極端子と、
前記電源の負極に接続されるように構成される1対の第1負極端子とを含み、 前記第2端子は、
前記第1正極端子にそれぞれ対応する1対の第2正極端子と、
前記第1負極端子にそれぞれ対応する1対の第2負極端子とを含
み、
前記第3端子部は、2対の第3正極端子と、2対の第3負極端子とを含み、
前記2対の第3正極端子の内、一方の対の第3正極端子は、前記1対の第1正極端子に接続され、他方の対の第3正極端子は、前記一対の第2正極端子に接続され、
前記2対の第3負極端子の内、一方の対の第3負極端子は、前記1対の第1負極端子に接続され、他方の対の第3負極端子は、前記一対の第2負極端子に接続される、直流遮断器。
【請求項2】
前記第1端子部は、
前記第1端子同士を並列に接続する第1接続部をさらに含む、請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項3】
前記第2端子部は、
前記第2端子同士を並列に接続する第2接続部をさらに含む、請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項4】
前記第1端子部と前記第2端子部との接続を制御するように構成される開閉部をさらに含む、請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項5】
前記開閉部の動作により発生したアークを消弧する消弧部をさらに含む、請求項4に記載の直流遮断器。
【請求項6】
前記消弧部は、
前記開閉部の動作により発生したアークをグリッド部に誘導する誘導部と、
前記誘導部により誘導されたアークの圧力を増加させるグリッド部と、
前記グリッド部により圧力が増加したアークを放出する排気部とを含む、請求項5に記載の直流遮断器。
【請求項7】
固定部と可動部を挟んで配置され、前記排気部と前記グリッド部を支持する支持部をさらに含む、請求項6に記載の直流遮断器。
【請求項8】
前記支持部は、
前記固定部と前記可動部を挟んで互いに離隔して配置される支持プレートと、
前記支持プレートに結合され、前記支持プレート間の間隔を維持する支持フレームとを含む、請求項7に記載の直流遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量の直流遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
遮断器は、電源と負荷間に設けられ、回路を開閉する。すなわち、遮断器は、回路において異常電流を検出して回路を遮断することにより、設備及び人命を保護する。近年、再生可能エネルギー事業が活性化するにつれて、直流(direct current; DC)系統が次第に増加している。よって、交流(alternate current; AC)系統に用いられていた遮断器が簡単な変更により直流系統に用いられている。例えば、交流系統に用いられていた遮断器は、電源に接続されるように構成される電源端子と、負荷に接続されるように構成される負荷端子とを含むが、この場合、電源端子と負荷端子とを直列に接続することにより、遮断器を直流系統に用いることができる。
【0003】
しかし、このような遮断器は、通電容量が小さいという問題があった。すなわち、遮断器が大容量の直流電力を通過させることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明による直流遮断器は、向上した通電容量を有する。すなわち、直流遮断器が大容量の直流電力を通過させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による直流遮断器は、電源に接続されるように構成される第1端子部と、前記第1端子部に接続され、負荷に接続されるように構成される第2端子部とを含むようにしてもよい。
【0006】
様々な実施形態によれば、前記第1端子部は、互いに並列に接続され、前記電源に接続されるように構成される少なくとも1対の第1端子を含むようにしてもよい。
【0007】
様々な実施形態によれば、前記第1端子部は、前記第1端子同士を並列に接続する第1接続部をさらに含むようにしてもよい。
【0008】
様々な実施形態によれば、前記第2端子部は、前記第1端子にそれぞれ対応し、互いに並列に接続され、前記負荷に接続されるように構成される少なくとも1対の第2端子を含むようにしてもよい。
【0009】
様々な実施形態によれば、前記第2端子部は、前記第2端子同士を並列に接続する第2接続部をさらに含むようにしてもよい。
【0010】
様々な実施形態によれば、前記第1端子は、前記電源の正極に接続されるように構成される1対の第1正極端子と、前記電源の負極に接続されるように構成される1対の第1負極端子とを含むようにしてもよい。
【0011】
様々な実施形態によれば、前記第2端子は、前記第1正極端子にそれぞれ対応する1対の第2正極端子と、前記第1負極端子にそれぞれ対応する1対の第2負極端子とを含むようにしてもよい。
【0012】
様々な実施形態によれば、前記直流遮断器は、前記第1端子部と前記第2端子部との接続を制御するように構成される開閉部をさらに含むようにしてもよい。
【0013】
様々な実施形態によれば、前記直流遮断器は、前記開閉部の動作により発生したアークを消弧する消弧部をさらに含むようにしてもよい。
【0014】
様々な実施形態によれば、前記消弧部は、前記開閉部の動作により発生したアークをグリッド部に誘導する誘導部と、前記誘導部により誘導されたアークの圧力を増加させるグリッド部と、前記グリッド部により圧力が増加したアークを放出する排気部とを含むようにしてもよい。
【0015】
様々な実施形態によれば、前記直流遮断器は、固定部と可動部を挟んで配置され、前記排気部と前記グリッド部を支持する支持部をさらに含むようにしてもよい。
【0016】
様々な実施形態によれば、前記支持部は、前記固定部と前記可動部を挟んで互いに離隔して配置される支持プレートと、前記支持プレートに結合され、前記支持プレート間の間隔を維持する支持フレームとを含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、直流遮断器の通電容量を向上させることができる。すなわち、直流遮断器が大容量の直流電力を通過させることができる。つまり、第1端子部において第1端子同士が並列に接続されて電源に接続され、第2端子部において第2端子同士が並列に接続されて負荷に接続されることにより、直流遮断器が大容量の直流電力を通過させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態による直流遮断器を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態による直流遮断器における端子の接続を示す回路図である。
【
図3】一実施形態による直流遮断器の使用を説明するための斜視図である。
【
図4】他の実施形態による直流遮断器を示す斜視図である。
【
図5】他の実施形態による直流遮断器における端子の接続を示す回路図である。
【
図6】他の実施形態による直流遮断器の消弧部を示す斜視図である。
【
図7】他の実施形態による直流遮断器における消弧部の動作を説明するための側断面図である。
【
図8】他の実施形態による直流遮断器の使用を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、様々な変更(modifications)、均等物(equivalents)、及び/又は代替物(alternatives)を含むものと理解されるべきである。図面を説明する上で、類似の構成要素には類似の符号を用いる。
【0020】
本発明において、「有する」、「有するようにしてもよい」、「含む」、「含むようにしてもよい」などの用語は、その特徴(例えば、数値、機能、動作又は部品などの構成要素)の存在を示すものであり、さらなる特徴の存在を排除するものではない。
【0021】
本発明において用いられる「第1」、「第2」などの用語は、様々な構成要素を順序及び/又は重要性に関係なく修飾するものであり、1つの構成要素を他の構成要素と区分するために用いられるだけであり、当該構成要素を限定するものではない。
【0022】
様々な実施形態によれば、直流遮断器は、電源と負荷間に設けられ、電源と負荷との接続を制御することができる。すなわち、直流遮断器は、電源と負荷とを接続することができ、電源と負荷とを分離することができる。ここで、電源は、直流電力を供給するようにしてもよい。このために、電源は、正極端子と負極端子とを含むようにしてもよい。よって、電源と負荷とが接続されると、電源から負荷に直流電力が供給され、電源と負荷とが分離されると、電源から負荷への直流電力の供給が遮断される。
【0023】
図1は一実施形態による直流遮断器100を示す斜視図である。また、
図2は一実施形態による直流遮断器100における端子の接続を示す回路図である。さらに、
図3は一実施形態による直流遮断器100の使用を説明するための斜視図である。
【0024】
図1に示すように、一実施形態による直流遮断器100は、接続部110、開閉部(図示せず)、機構部(図示せず)及び消弧部170を含んでもよい。
【0025】
接続部110は、直流遮断器100の外部接続のためのものである。このために、接続部110は、直流遮断器100の外部に露出する。接続部110は、第1端子部120、第2端子部130及び第3端子部140を含んでもよい。ここで、第1端子部120及び第2端子部130は同じ列に配列され、第3端子部140は第1端子部120及び第2端子部130とは異なる列に配列されてもよい。なお、第1端子部120及び第2端子部130が第3端子部140の上方に配置され、第3端子部140が第1端子部120及び第2端子部130の下方に配置されてもよい。
【0026】
第1端子部120は、電源に接続されるようにしてもよい。第1端子部120は、複数の第1端子121、123と、少なくとも1つの第1接続部125とを含んでもよい。第1接続部125は、第1端子121、123を少なくとも1対に接続するようにしてもよい。例えば、第1端子部120は、
図2に示すようにしてもよい。
【0027】
第1端子121、123は、1対の第1正極端子121と、1対の第1負極端子123とを含んでもよい。第1接続部125は、第1正極端子121を互いに並列に接続し、第1負極端子123を互いに並列に接続するようにしてもよい。よって、第1正極端子121が互いに並列に接続された状態で電源の正極端子に接続され、第1負極端子123が互いに並列に接続された状態で電源の負極端子に接続される。
【0028】
第2端子部130は、負荷に接続されるようにしてもよい。第2端子部130は、複数の第2端子131、133と、少なくとも1つの第2接続部135とを含んでもよい。第2接続部135は、第2端子131、133を少なくとも1対に接続するようにしてもよい。例えば、第2端子部130は、
図2に示すようにしてもよい。
【0029】
第2端子131、133は、1対の第2正極端子131と、1対の第2負極端子133とを含んでもよい。ここで、第2正極端子131は、第1正極端子121にそれぞれ対応し、第2負極端子133は、第1負極端子123にそれぞれ対応するようにしてもよい。第2接続部135は、第2正極端子131を互いに並列に接続し、第2負極端子133を互いに並列に接続するようにしてもよい。よって、第2正極端子131が互いに並列に接続された状態で負荷に接続され、第2負極端子133が互いに並列に接続された状態で負荷に接続される。
【0030】
第3端子部140は、第1端子部120と第2端子部130とを接続するようにしてもよい。第3端子部140は、複数の第3端子141、143と、複数の第3接続部145と、少なくとも1つの第4接続部147とを含んでもよい。第3接続部145は、第3端子141、143を複数の対に接続し、複数の群を形成するようにしてもよい。第4接続部147は、第3端子141、143の群を少なくとも1対に接続するようにしてもよい。例えば、第3端子部140は、
図2に示すようにしてもよい。
【0031】
第3端子141、143は、2対の第3正極端子141と、2対の第3負極端子143とを含んでもよい。第3正極端子141は、第1正極端子121と第2正極端子131にそれぞれ接続され、第3負極端子143は、第1負極端子123と第2負極端子133にそれぞれ接続されるようにしてもよい。第3接続部145は、第3正極端子141を互いに並列に接続して2つの群を形成し、第3負極端子143を互いに並列に接続して2つの群を形成するようにしてもよい。第4接続部147は、第3正極端子141の群を互いに並列に接続し、第3負極端子143の群を互いに並列に接続するようにしてもよい。よって、第3端子部140により、第1正極端子121と第2正極端子131とが接続され、第1負極端子123と第2負極端子133とが接続される。
【0032】
前記開閉部は、直流遮断器100内で第1端子部120と第2端子部130との接続を制御する。このために、前記開閉部は、第1端子部120と第3端子部140との接続及び第2端子部130と第3端子部140との接続を制御するようにしてもよい。すなわち、前記開閉部は、第1端子部120、第2端子部130及び第3端子部140を接離するようにしてもよい。前記開閉部は、
図2に示すように、固定部251及び可動部255を含んでもよい。固定部251は、直流遮断器100において予め定められた位置に固定され、複数の固定接点253を含むようにしてもよい。可動部255は、直流遮断器100において固定部251に対向して移動可能に設けられて固定部251に接離し、複数の可動接点257を含むようにしてもよい。よって、固定部251と可動部255とが接触すると、第1端子部120、第2端子部130及び第3端子部140が接続され、固定部251と可動部255とが分離されると、第1端子部120、第2端子部130及び第3端子部140が分離される。
【0033】
ここで、
図2に示すように、固定部251が第1端子部120と第2端子部130に接続され、可動部255が第3端子部140に接続されるようにしてもよい。この場合、固定接点253が第1端子121、123と第2端子131、133にそれぞれ接続され、可動接点257が第3端子141、143にそれぞれ接続されるようにしてもよい。あるいは、図示していないが、可動部255が第1端子部120と第2端子部130に接続され、固定部251が第3端子部140に接続されるようにしてもよい。この場合、可動接点257が第1端子121、123と第2端子131、133にそれぞれ接続され、固定接点253が第3端子141、143にそれぞれ接続されるようにしてもよい。
【0034】
前記機構部は、直流遮断器100内で前記開閉部の動作を制御する。前記機構部は、可動部255を制御して、可動部255を固定部251に接触させるか、又は可動部255を固定部251から分離するようにしてもよい。ここで、前記機構部は、過電流や短絡電流などの異常電流に対応して、可動部255を固定部251から分離するようにしてもよい。
【0035】
消弧部170は、直流遮断器100内で発生するアークを消弧する。前記開閉部において接触していた固定部251と可動部255とが分離されることにより、固定部251と可動部255間でアークが発生する。よって、消弧部170は、前記開閉部に隣接して配置され、アークを消弧するようにしてもよい。例えば、消弧部170は、前記開閉部の上方に配置されてもよい。また、消弧部170は、空気を媒質としてアークを消弧するようにしてもよい。
【0036】
一実施形態によれば、直流遮断器100は、予め定められた場所に設置されて使用される。このために、
図3に示すように、直流遮断器100に設置ガイド部300を結合してもよい。ここで、設置ガイド部300は、第1端子部120及び第2端子部130に結合されてもよい。また、設置ガイド部300は、電源及び負荷に接続されてもよい。すなわち、第1端子部120及び第2端子部130が設置ガイド部300を介して電源及び負荷にそれぞれ接続されてもよい。
【0037】
一実施形態によれば、直流遮断器100は、大容量の直流電力を通過させることができる。すなわち、第1端子部120において第1端子121、123が並列に接続されて電源に接続され、第2端子部130において第2端子131、133が並列に接続されて負荷に接続されることにより、直流遮断器100は大容量の直流電力を通過させることができる。しかし、直流遮断器100のサイズが相対的に大きくなる。これは、第1端子部120と第2端子部130との接続のために、第3端子部140に加え、前記開閉部及び前記機構部をさらに構成しなければならないからである。よって、直流遮断器100を設置する上で相対的に広い空間が要求される。また、設置ガイド部300を配置するための設計が複雑になる。
【0038】
図4は他の実施形態による直流遮断器400を示す斜視図である。
図5は他の実施形態による直流遮断器400における端子の接続を示す回路図である。
図6は他の実施形態による直流遮断器400の消弧部470を示す斜視図である。
図7は他の実施形態による直流遮断器400における消弧部470の動作を説明するための側断面図である。
図8は他の実施形態による直流遮断器400の使用を説明するための斜視図である。
【0039】
図4に示すように、他の実施形態による直流遮断器400は、接続部410、開閉部(図示せず)、機構部(図示せず)及び消弧部470を含んでもよい。
【0040】
接続部410は、直流遮断器400の外部接続のためのものである。このために、接続部410は、直流遮断器400の外部に露出する。接続部410は、第1端子部420及び第2端子部430を含んでもよい。ここで、第1端子部420と第2端子部430とは異なる列に配列されてもよい。なお、第1端子部420と第2端子部430が上下に配列されてもよい。例えば、第1端子部420が第2端子部430の上方に配置され、第2端子部430が第1端子部420の下方に配置されてもよい。あるいは、第1端子部420が第2端子部430の下方に配置され、第2端子部430が第1端子部420の上方に配置されてもよい。
【0041】
第1端子部420は、電源に接続されるようにしてもよい。第1端子部420は、複数の第1端子421、423と、第1接続部425とを含んでもよい。第1接続部425は、第1端子421、423を少なくとも1対に接続するようにしてもよい。例えば、第1端子部420は、
図5に示すようにしてもよい。
【0042】
第1端子421、423は、1対の第1正極端子421と、1対の第1負極端子423とを含んでもよい。第1接続部425は、第1正極端子421を互いに並列に接続し、第1負極端子423を互いに並列に接続するようにしてもよい。よって、第1正極端子421が互いに並列に接続された状態で電源の正極端子に接続され、第1負極端子423が互いに並列に接続された状態で電源の負極端子に接続される。
【0043】
第2端子部430は、負荷に接続されるようにしてもよい。第2端子部430は、複数の第2端子431、433と、第2接続部435とを含んでもよい。第2接続部435は、第2端子431、433を少なくとも1対に接続するようにしてもよい。例えば、第2端子部430は、
図5に示すようにしてもよい。
【0044】
第2端子431、433は、1対の第2正極端子431と、1対の第2負極端子433とを含んでもよい。ここで、第2正極端子431は、第1正極端子421にそれぞれ対応し、第2負極端子433は、第1負極端子423にそれぞれ対応するようにしてもよい。第2接続部435は、第2正極端子431を互いに並列に接続し、第2負極端子433を互いに並列に接続するようにしてもよい。よって、第2正極端子431が互いに並列に接続された状態で負荷に接続され、第2負極端子433が互いに並列に接続された状態で負荷に接続される。
【0045】
他の実施形態によれば、第1端子部420と第2端子部430とが接続されるようにしてもよい。例えば、
図5に示すように、第1端子部420と第2端子部430とが対応するようにしてもよい。第1正極端子421と第2正極端子431とがそれぞれ対応し、第1負極端子423と第2負極端子433とがそれぞれ対応するようにしてもよい。
【0046】
前記開閉部は、直流遮断器400内で第1端子部420と第2端子部430との接続を制御する。すなわち、前記開閉部は、第1端子部420と第2端子部430とを接離するようにしてもよい。前記開閉部は、
図5に示すように、固定部551及び可動部555を含んでもよい。固定部551は、直流遮断器400において予め定められた位置に固定され、複数の固定接点553を含むようにしてもよい。可動部555は、直流遮断器400において固定部551に対向して移動可能に設けられて固定部551に接離し、複数の可動接点557を含むようにしてもよい。よって、固定部551と可動部555とが接触すると、第1端子部420と第2端子部430とが接続され、固定部551と可動部555とが分離されると、第1端子部420と第2端子部430とが分離される。
【0047】
ここで、
図5に示すように、固定部551が第1端子部420に接続され、可動部555が第2端子部430に接続されるようにしてもよい。この場合、固定接点553が第1端子421、423にそれぞれ接続され、可動接点557が第2端子431、433にそれぞれ接続されるようにしてもよい。あるいは、図示していないが、可動部555が第1端子部420に接続され、固定部551が第2端子部430に接続されるようにしてもよい。この場合、可動接点557が第1端子421、423にそれぞれ接続され、固定接点553が第2端子431、433にそれぞれ接続されるようにしてもよい。
【0048】
前記機構部は、直流遮断器400内で前記開閉部の動作を制御する。前記機構部は、可動部555を制御して、可動部555を固定部551に接触させるか、又は可動部555を固定部551から分離するようにしてもよい。ここで、前記機構部は、過電流や短絡電流などの異常電流に対応して、可動部555を固定部551から分離するようにしてもよい。
【0049】
消弧部470は、直流遮断器400内で発生するアークを消弧する。前記開閉部において接触していた固定部551と可動部555とが分離されることにより、固定部551と可動部555間でアークが発生する。よって、消弧部470は、前記開閉部に隣接して配置され、アークを消弧するようにしてもよい。例えば、消弧部470は、前記開閉部の上方に配置されてもよい。また、消弧部470は、空気を媒質としてアークを消弧するようにしてもよい。消弧部470は、
図6及び
図7に示すように、支持部610、グリッド部620、排気部630及び誘導部640を含んでもよい。
【0050】
支持部610は、グリッド部620、排気部630及び誘導部640を支持するようにしてもよい。支持部610は、複数の支持プレート611と、支持フレーム613とを含んでもよい。支持プレート611は、互いに並んで配置されてもよい。ここで、支持プレート611は、直流遮断器400の内部で固定部551と可動部555を挟んで互いに離隔して配置されてもよい。例えば、支持プレート611は、金属材質からなるようにしてもよい。支持フレーム613は、支持プレート611に結合されてもよい。ここで、支持フレーム613は、支持プレート611の間隔を維持する。また、支持フレーム613は、支持プレート611の上部に結合されてもよい。
【0051】
グリッド部620は、実質的にアークを消弧する。グリッド部620は、複数のグリッド621を含んでもよい。グリッド621は、支持プレート611間で互いに並んで配列されてもよい。このために、グリッド621は、板状に形成され、金属材質からなるようにしてもよい。ここで、グリッド621は、予め定められた間隔で配列されてもよい。また、グリッド621は、支持プレート611の配置方向に垂直な方向に配列されてもよい。さらに、グリッド621は、支持プレート611に結合されてもよい。このために、グリッド621が支持プレート611を貫通して支持プレート611に固定されるようにしてもよい。こうすることにより、グリッド部620が固定部551と可動部555に対向して下方に露出する。固定部551と可動部555から発生するアークが流入すると、グリッド621がアーク圧力を高め、アークを分割して冷却する。
【0052】
例えば、それぞれのグリッド621は、切欠部623を含んでもよい。ここで、切欠部623の幅は、それぞれのグリッド621において下部から上部へ行くほど狭くなるようにしてもよい。ここで、切欠部623は、それぞれのグリッド621において下部から上部に通過する軸を中心に対称となる形状に形成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0053】
排気部630は、アークを排気する。排気部630は、グリッド部620を上方から覆うようにしてもよい。このために、排気部630は、支持フレーム613に結合してもよい。こうすることにより、排気部630がグリッド部620で冷却されたアークを排気することができる。
【0054】
誘導部640は、アークをグリッド部620に誘導する。誘導部640は、アークランナー641及びアークガイド部643を含んでもよい。アークランナー641は、固定部551と可動部555からグリッド部620に延び、アークの進行経路を形成するようにしてもよい。ここで、アークランナー641は、支持プレート611間でグリッド部620の少なくとも一部を覆うようにしてもよい。例えば、アークランナー641は、曲面と平面の少なくとも一方を含み、金属材質からなるようにしてもよい。アークガイド部643は、支持プレート611間で互いに対向して配置されてもよい。このために、アークガイド部643をグリッド部620の下方で支持プレート611にそれぞれ結合してもよい。それぞれのアークガイド部643は、経路部645、磁性部647及び締結部649を含んでもよい。
【0055】
経路部645は、グリッド部620に対向してアークの進行経路を形成するようにしてもよい。ここで、経路部645は、グリッド部620の中心部へアークをガイドするようにしてもよい。例えば、経路部645は、曲面と平面の少なくとも一方を含み、金属材質からなるようにしてもよい。
【0056】
磁性部647は、いずれかの支持プレート611と経路部645間に装着されてもよい。磁性部647は、支持プレート611間で磁場Bを形成するようにしてもよい。このために、一方のアークガイド部643の磁性部647はN極にし、他方のアークガイド部643の磁性部647はS極にしてもよい。ここで、
図7に示すように、アークによる電流Iが固定接点553から可動接点557に流れる際に、固定接点553と可動接点557からグリッド部620への力Fが発生するように、フレミングの左手の法則に基づいてN極とS極を配置してもよい。よって、固定接点553と可動接点557からグリッド部620への力により、アークが転移する。
【0057】
締結部649は、経路部645と磁性部647をいずれかの支持プレート611に装着する。ここで、締結部649は、経路部645、磁性部647及びいずれかの支持プレート611を貫通し、いずれかの支持プレート611に固定されるようにしてもよい。
【0058】
他の実施形態によれば、直流遮断器400は、予め定められた場所に設置されて使用される。このために、
図8に示すように、直流遮断器400に設置ガイド部800を結合してもよい。ここで、設置ガイド部800は、第1端子部420及び第2端子部430に結合されてもよい。また、設置ガイド部800は、電源及び負荷に接続されてもよい。すなわち、第1端子部420及び第2端子部430が設置ガイド部800を介して電源及び負荷にそれぞれ接続されてもよい。
【0059】
他の実施形態によれば、直流遮断器400は、大容量の直流電力を通過させることができる。すなわち、第1端子部420において第1端子421、423が並列に接続されて電源に接続され、第2端子部430において第2端子431、433が並列に接続されて負荷に接続されることにより、直流遮断器400は大容量の直流電力を通過させることができる。このとき、大容量の直流電力により固定部551と可動部555間でアークが発生しても、消弧部470がアークを効果的に消弧することができる。すなわち、アークガイド部643が固定部551と可動部555からグリッド部620への力を発生させてアークを効果的に転移させることにより、グリッド部620においてアークを消弧することができる。また、直流遮断器400のサイズを減少させることができる。これは、第1端子部420と第2端子部430とを接続する上で、第1端子部420と第2端子部430間に介在すべき構成が減少するからである。従って、直流遮断器400を設置するための空間を減少させることができる。よって、設置ガイド部800を配置するための設計を簡素化することができる。
【0060】
本明細書で用いられた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、他の実施形態の範囲を限定するものではない。単数の表現は、特に断らない限り複数の表現を含む。技術的な用語や科学的な用語を含めてここで用いられた全ての用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で用いられた用語のうち、一般的な辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と同一又は類似の意味で解釈されるべきであり、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。場合によっては、本明細書で定義した用語であっても本明細書の実施形態を排除するように解釈されるべきではない。
【0061】
100、400 直流遮断器
110、410 接続部 170、470 消弧部
120、420 第1端子部 121、421 第1正極端子
123、423 第1負極端子 125、425 第1接続部
130、430 第2端子部 131、431 第2正極端子
133、433 第2負極端子 135、435 第2接続部
140 第3端子部 141 第3正極端子
143 第3負極端子 145 第3接続部
147 第4接続部 251、551 固定部
253、553 固定接点 255、555 可動部
257、557 可動接点 300、800 設置ガイド部
610 支持部 611 支持プレート
613 支持フレーム 620 グリッド部
621 グリッド 623 切欠部
630 排気部 640 誘導部
641 アークランナー 643 アークガイド部
645 経路部 647 磁性部
649 締結部