(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】高電流伝導冷却超伝導高周波クライオモジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 39/04 20060101AFI20220624BHJP
H05H 7/20 20060101ALI20220624BHJP
H05H 9/00 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
H01L39/04
H05H7/20
H05H9/00 E
(21)【出願番号】P 2020538777
(86)(22)【出願日】2018-11-20
(86)【国際出願番号】 US2018062016
(87)【国際公開番号】W WO2019079830
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-11-16
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519078972
【氏名又は名称】ジェファーソン・サイエンス・アソシエイツ・エルエルシイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】シオヴァティ,ギアンルイギ
(72)【発明者】
【氏名】シュルタイス,トーマス,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ラスケ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リマー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マーハウザー,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ハノン,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ジクアン
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0094770(US,A1)
【文献】米国特許第8674630(US,B1)
【文献】米国特許第5396206(US,A)
【文献】特開2002-324699(JP,A)
【文献】Belomestnykh Sergeey,Sucperconducting RF for ERLs of eRHIC & recenct progress at R&D ERL,ERL2011,米国,Brookhaven national laboratory,2011年10月18日,https://www.bnl.gov/isd/documents/78926.pdf
【文献】HAHN et. al.,Higher-order-mode absorbers for energy recovery linac cryomodules at Brookhaven National Laboratory,PHYSICAL REVIEW SPECIAL TOPICS - ACCELERATORS AND BEAMS,米国,APS,2010年12月03日,Vol.13,121002-1121002-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 39/04
H05H 7/20
H05H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器と、
前記真空容器内のSRF空洞と、
前記真空容器を通って延出し、前記SRF空洞に接続されている同軸入力電力結合器と、
コールドヘッドを備えたクライオクーラであって、前記コールドヘッドが前記SRF空洞に接続されている、クライオクーラと、
高次モードの減衰のための水冷ビームパイプ高次モード吸収体と、
熱シールドと、
磁気シールドと、
入射ビーム管および出射ビーム管と、
前記同軸入力電力結合器が、内側表面を有する外側導体を含むことと、
前記
同軸入力電力結合器の前記外側導体の前記内側表面が、高温超伝導体の層を備えたセクションを含むことと
を含む、電子ビームを加速するための超伝導高周波(SRF)クライオモジュール。
【請求項2】
前記SRF空洞が、ニオブ(Nb)および4度Kで500W/(mK)を超える熱伝導率の金属で構成される群から選択されることと、
前記
SRF空洞が内側表面を含むことと、
前記SRF空洞の前記内側表面が、RF損失を低減するための薄膜コーティングを含むことと、
前記薄膜コーティングが、15Kを超える臨界温度を有する超伝導体であることと
をさらに含む、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項3】
前記薄膜コーティングが、厚さ1~1.5μmであることと、
前記薄膜コーティングが、Nb
3Sn、Nb
3Ge、NbN、およびNbTiNで構成される群から選択されることと、
前記クライオクーラが前記SRF空洞を4.3Kに維持することと
をさらに含む、請求項2に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項4】
前記SRF空洞が外側表面を含むことと、
前記SRF空洞の前記外側表面がコーティングを含むことと、
前記SRF空洞の前記外側表面上の前記コーティングが、銅およびタングステンで構成される群から選択されることと
をさらに含む、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項5】
前記SRF空洞の前記外側表面上の前記コーティングは、真空プラズマ溶射、電気めっき、または真空プラズマ溶射と電気めっきの組み合わせによって前記SRF空洞に堆積される、請求項4に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項6】
90Kを超える臨界温度を有する前記高温超伝導体をさらに備える、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項7】
前記高温超伝導体の層が、物理化学蒸着と、パルスレーザー蒸着と、物理化学蒸着およびパルスレーザー蒸着の組み合わせとで構成される群から選択される方法によって前記外側導体の前記内側表面に付着されることをさらに含む、請求項6に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項8】
前記
超伝導高周波(SRF)クライオモジュールが、1~10MeVのエネルギーで少なくとも1アンペアの電子ビーム電流を含む、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項9】
前記入射ビーム管が直径を有し、前記出射ビーム管が直径を有することと、
前記出射ビーム管の前記直径が前記入射ビーム管の前記直径よりも大きいことと
をさらに含む、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項10】
前記入射ビーム管上の入射ビームライン超高真空バルブと、
前記出射ビーム管上の出射ビームライン超高真空バルブと
をさらに含む、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項11】
前記同軸入力電力結合器が、最低500キロワットの電力を維持することができる、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項12】
前記クライオクーラが第1段階コールドヘッドと第2段階コールドヘッドとを含むことと、
前記クライオクーラの前記第1段階コールドヘッドが50~80Kの温度であることと、
前記クライオクーラの前記第2段階コールドヘッドが4.3~9Kの温度であることと
をさらに含む、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項13】
前記磁気シールドが、内側および外側磁気シールドを含むことと、
前記内側および外側磁気シールドが、高い磁気シールド特性を有する高透磁率金属で構成されることと、
前記熱シールドが無酸素の電子銅で構成されることと
をさらに含む、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項14】
前記水冷ビームパイプ高次モード吸収体がフェライトダンパーである、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項15】
前記クライオクーラが4.2Kで1.5ワット以上の冷却力を各々提供する、請求項1に記載のSRFクライオモジュール。
【請求項16】
真空容器と、
前記真空容器内のSRF空洞と、
前記真空容器を通って延出し、前記SRF空洞に接続されている2つの同軸入力電力結合器と、
コールドヘッドを備えたクライオクーラであって、前記コールドヘッドが前記SRF空洞に接続されている、クライオクーラと、
高次モードの減衰のための水冷ビームパイプ高次モード吸収体と、
熱シールドと、
磁気シールドと、
入射ビーム管および出射ビーム管と、
第2段階コールドヘッドと前記SRF空洞との間の高熱伝導率ひずみ緩和部と、
高熱伝導率ひずみ緩和部が、銅およびタングステンで構成される群から選択されることと
を含む、電子ビームを加速するための超伝導高周波(SRF)クライオモジュール。
【請求項17】
真空容器と、前記真空容器内のSRF空洞と、前記真空容器を通して延出し、かつ前記SRF空洞に接続された同軸入力電力結合器と、コールドヘッドを備えたクライオクーラであって、前記コールドヘッドが前記SRF空洞に接続されている、クライオクーラと、入射ビーム管および出射ビーム管と、熱シールドと、磁気シールドと、前記同軸入力電力結合器が、内側表面を有する外側導体を含むことと、前記
同軸入力電力結合器の前記外側導体の前記内側表面が、高温超伝導体の層を備えたセクションを含むことと、前記出射ビーム管上の水冷ビームパイプ高次モード吸収体と、を含む超伝導高周波(SRF)クライオモジュールを提供することと、
前記クライオクーラで前記SRF空洞を4.3Kと9Kの間まで冷却することと、
前記SRF空洞内の高次モードを減衰させるために、前記出射ビーム管を前記入射ビーム管よりも大きい直径で提供することと、
前記水冷ビームパイプ高次モード吸収体を用いて、前記SRF空洞内の高次モードをさらに減衰させることと、
前記熱シールドを用いて、前記SRF空洞によって生成された赤外線熱を除去することと、
前記磁気シールドを用いて、干渉磁場の磁束線を除去することと
を含む、電子ビームを1~10MeVのエネルギーで少なくとも1アンペアの電子ビーム電流に加速する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子加速器で使用される超伝導高周波(SRF)クライオモジュールに関し、特に、高電流ビームを加速するのに適したコンパクトな伝導冷却SRFクライオモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導高周波(SRF)加速器は、RF損失が小さく、通常の伝導空洞よりも高い連続波(CW)加速場を有するため、科学研究の重要なツールである。これらのデバイスは、主に核物理学および高エネルギー物理学の研究、ならびに材料科学および生物科学の実験用光源で使用されている。従来のSRF加速器では、クライオモジュール内部の加速構造であるニオブSRF空洞を、液体ヘリウム(He)槽に浸漬することによって遷移温度を9.2K以下、通常4.3K以下に冷却することで超伝導状態を実現する。
【0003】
液体ヘリウムをSRFクライオモジュールに供給するために必要な極低温プラントは複雑で、かなりのサイズであり、SRF加速器の資本と運用コストの大部分を占め、SRF技術のより広範な使用に対する主要な障害の1つになっている。SRF技術は、環境改善などの多くの産業用途に適用可能であるが、極低温プラントの製造と運用のコストが高いため、SRF技術の用途は大幅に制限されている。
【0004】
したがって、廃水処理および煙道ガス処理を含む環境改善などの産業用途において高い費用効果で使用するためのコンパクトで低コストのSRF加速器が必要とされている。これらの用途に必要なSRF電子加速器は、高電流(約1アンペア)および低エネルギー(1~10MeV)で動作できる必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、工業用途の粒子加速器で使用するためのコンパクトな伝導冷却高電流SRFクライオモジュールを提供することである。
【0006】
さらなる目的は、粒子加速器で使用するクライオモジュールの資本コスト、運用コスト、および運用の複雑さを大幅に低減するSRFクライオモジュールを提供することである。
【0007】
さらなる目的は、ヘリウム液化装置、圧力容器、およびコールドチューナーの必要性をなくすSRFクライオモジュールを提供することである。
【0008】
別の目的は、SRF加速器の投資と運用のコストを大幅に低減することである。
【0009】
さらなる目的は、液体冷凍剤の危険がないSRFクライオモジュールを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、従来の極低温プラントが非常に低コストで閉サイクル冷凍機に置き換えられるSRFクライオモジュールを提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、1アンペア以上の電流および1~10MeVのエネルギーで動作する高電流ビームを加速することができるコンパクトな伝導冷却SRFクライオモジュールを提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、煙道ガスを洗浄(煙道ガス中の亜酸化窒素の変換など)したり、廃水流(病院または都市の廃棄物の流れなど)を処理したりして生物材料を除去するために、または廃棄物処理プラントのスラッジを改質するために使用できる高電流SRFクライオモジュールを提供することである。
【0013】
本発明のこれらおよび他の目的および利点は、図面を参照して以下の説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【0014】
本発明は、粒子加速器用のコンパクトな伝導冷却高電流SRFクライオモジュールである。クライオモジュールは、多層SRF空洞、デュアル同軸入力結合器、高次モード(HOM)ダンパ、熱シールド、磁気シールド、支持構造、真空容器、および複数のクライオクーラを含む。このようなクライオモジュールでは、極低温プラントが、非常に低コストで市販のギフォード・マクマホン(GM)閉サイクル冷凍機に置き換えられる。SRFクライオモジュールにより、産業用途、特に環境改善用の低コストのSRF加速器の開発が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書では添付図面を参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【
図1】本発明による伝導冷却高電流SRFクライオモジュールを収容するクライオモジュール真空容器の斜視図である。
【
図2】
図1の線2-2に沿ったSRF空洞の断面図である。
【
図3】本発明によるSRFクライオモジュールの一部を形成するSRF空洞の断面図である。
【
図4】
図1の線4-4に沿ったSRFクライオモジュールの断面図である。
【
図5】
図4の線5-5に沿った電力結合器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2を参照すると、本発明は、高電流ビームを加速するためのコンパクトな伝導冷却SRFクライオモジュール10である。本明細書で使用する「高電流ビーム」の意味は、最大1アンペア以上の電流を含むビームを指す。本明細書で使用する「コンパクト」の意味は、1.5m×1.5m以下の全体サイズを有する伝導冷却SRFクライオモジュールを指す。伝導冷却SRFクライオモジュール10は、真空容器14内に配置されたSRF空洞12を含む。
図2は、単一セルの空洞を示しているが、複数セルの空洞など他の構成も本発明の範囲内である。
【0017】
SRF空洞12は、好ましくは楕円形状であり、入射ビームのエネルギーに合わせた幾何学的βである。SRF空洞12は、好ましくは、300を超える残留抵抗比を有する高純度ニオブ(Nb)から作製され、3~5ミリメートルの厚さを含む。あるいは、タングステンや銅など、4Kで500W/(m K)を超える熱伝導率の金属も使用され得る。
【0018】
図3に示すように、空洞内側表面16は、好ましくは1000~1200℃の真空炉でSn蒸気を熱拡散させることにより形成された薄い(厚さ1~1.5μm)超伝導内側層18でコーティングされている。内側層18は、好ましくは、Nb
3Sn、Nb
3Ge、NbN、またはNbTiNで構成され、最も好ましくは、Nb
3Snで構成される。薄膜コーティングは、臨界温度が15Kを超える超伝導体である。空洞の内側層18としてNb
3Snを使用すると、4.3Kで、バルクNbで構成されるコーティングされていない空洞と比較して、RF損失が大幅に低いSRF空洞が得られる。
【0019】
SRF空洞12の外側表面20は、好ましくは銅またはタングステン、最も好ましくは99.98%超の純度を有する純銅の層22でコーティングされる。外層22を付着させる方法は、好ましくは、電気めっき、真空プラズマ溶射、または真空プラズマ溶射と電気めっきの組み合わせによる。空洞がNb以外の金属で製作されている場合、外側のコーティングは必要ない。
【0020】
図1を参照すると、2つの対称的に配置された同軸電力結合器24が、SRF空洞12にRF電力を供給するために使用されている。各電力結合器24は、SRF空洞12に最低500kWのRF電力を維持することができる。
図5に示すように、電力結合器の外側導体の内側表面のセクションを高温超伝導体の薄層25(厚さ1~1.5μm)でコーティングして、結合器からの静的および動的熱負荷を最小限に抑えることが好ましい。好ましくは、高温超伝導体材料の薄層25は、90Kを超える臨界温度を有するYBCO(酸化イットリウムバリウム銅)である。高温超伝導体は、好ましくは、物理化学蒸着、パルスレーザー蒸着、または物理化学蒸着とパルスレーザー蒸着の組み合わせを含む方法によって外側導体の内側表面に適用される。
【0021】
図2を参照すると、SRF空洞の15K未満、好ましくは4.3K以下への冷却は、1つ以上のクライオクーラ26によって提供される。クライオクーラ26は、第1段階コールドヘッド28と第2段階コールドヘッド30を各々含む。各クライオクーラの第2段階コールドヘッド30は、可鍛性インジウム中間層34との機械的接触接合部32、および高熱伝導率ひずみ緩和部36によってSRF空洞12に接続されている。SRF空洞12の外側銅層20(
図3を参照)は、SRF空洞表面からクライオクーラの第2段階コールドヘッド30への高熱伝導経路を提供する。クライオクーラの第1段階コールドヘッド28は50~80Kの温度であることが好ましく、クライオクーラの第2段階コールドヘッド30は4.3~9Kの温度であることが好ましい。例えば本明細書で説明されているような好ましいクライオクーラは、ペンシルベニア州アレンタウンにあるSumitomo(SHI)Cryogenics of Americaから入手可能なギフォード・マクマホン(GM)型クライオクーラである。最も好ましくは、クライオクーラ26は、第2段階の容量が4.2Kで1.5ワットW以上であり得る。好ましいひずみ緩和部は、好ましくは銅またはタングステンから構成され、最も好ましくは銅サーマルストラップから構成され、これは例えばコロラド州ボールダーにあるTechnology Applications,Incから入手可能である。
【0022】
図2を参照すると、伝導冷却SRFクライオモジュール10は、好ましくは、構造コア40を備えた熱シールド38を含み、この構造コアは、可鍛性インジウム中間層との機械的接触接合部によってクライオクーラの第1段階コールドヘッド28に接続されている。高い熱伝導率のひずみ緩和部は、シールド構造コア40に沿って配置されている。熱シールド38は、好ましくは無酸素電子銅で構成され、SRF空洞から赤外線熱を奪う。多層断熱ブランケットが熱シールドの周りに巻き付けられ、放射熱伝達をさらに低減する。
【0023】
磁場は、内側磁気シールド42および外側磁気シールド44の使用によりSRF空洞12内で最小化されることが好ましい。
図2を参照すると、磁気シールドは、好ましくは、材料自体の中に磁場を吸収するようにサポートする能力を備えた材料で構成されている。磁気シールドはシールド合金で構成され、シールド合金は、干渉磁場の磁束線をそれ自体に引き付け、不要な磁場を敏感な領域または構成要素から遠ざける。磁気シールドは、高い磁気シールド特性を有する高透磁率金属で構成されることが好ましい。磁気シールドは、イリノイ州ベンセンビルのMagnetic Shield Corporationから入手可能な金属合金であるMuMETAL(登録商標)、ペンシルベニア州フィラデルフィアのAmuneal Manufacturing Corpから入手可能なCRYOPERM(登録商標)10またはAmumetal 4Kで構成されることが最も好ましい。最も好ましくは、多層断熱ブランケットが内側磁気シールドの周りに巻き付けられる。
【0024】
図2を参照すると、本発明による伝導冷却SRFクライオモジュール10は、SRF空洞12に接続された入射ビーム管46および出射ビーム管48を含むことが好ましい。最も好ましくは、加速された粒子の高次モードの減衰は、SRF空洞の出射ビーム管48を拡大することにより達成される。
図2に示すように、出射ビーム管48の直径は、入射ビーム管46の直径よりも大きい。好ましくは、SRFクライオモジュールは、高次モードを減衰させ、かつ室温までの伝搬を可能にするために水冷ビームパイプ高次モードフェライトダンパ50を含む。電力結合器24によって1MWのRF電力がSRF空洞に供給される伝導冷却SRFクライオモジュール10は、1MWのRF電力で1アンペアのビーム(高電流SRFビーム)を生成することができる。
【0025】
空洞内の容積は、真空容器の外側にある2つの真空バルブ52によって外部環境から隔離されており、真空バルブは完全に金属製のゲートバルブであることが好ましい。真空バルブ52は入射ビーム管46および出射ビーム管48上に含まれる。
【0026】
本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されているが、網羅的であることまたは開示された形態の本発明に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書の実施形態は、本発明の原理および実際の適用を最もよく説明し、意図する特定の用途に適した様々な修正を伴う様々な実施形態について本発明を当業者が理解できるようにするために選択および説明された。