(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6566 20140101AFI20220624BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220624BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20220624BHJP
H01M 10/658 20140101ALI20220624BHJP
【FI】
H01M10/6566
H01M10/613
H01M10/6563
H01M10/658
(21)【出願番号】P 2020558456
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 KR2020002832
(87)【国際公開番号】W WO2020197111
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2019-0033749
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キョン-チュン・ミン
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-098074(JP,A)
【文献】国際公開第2018/062172(WO,A1)
【文献】特開2002-050412(JP,A)
【文献】特開2018-107087(JP,A)
【文献】特開2012-230785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52 - 10/667
H01M 50/20 ー 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを収容するモジュールケースと、
前記モジュールケースの一側に備えられ、前記複数のバッテリーセルの冷却のために前記モジュールケースの内部に空気を案内する空気吸入部と、
前記空気吸入部を通って前記モジュールケースの内部に入った空気を前記モジュールケースの外側に吐出し、前記モジュールケースの他側に備えられる空気吐出部と、
前記空気吐出部と前記空気吸入部との間の前記モジュールケースの内壁に取り付けられ、所定温度以上で膨張して前記モジュールケースの内部空間を密閉させる少なくとも一つのシート部材と
、
前記空気吸入部及び前記空気吐出部に対面するように前記モジュールケースの両側方内部に配置され、内部に空気循環流路が形成される一対の空気循環ガイド部材とを含
み、
前記一対の空気循環ガイド部材が、前記モジュールケースとは別体である、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記シート部材は、複数が備えられ、
前記複数のシート部材は、それぞれ、前記モジュールケースの前方内壁、後方内壁、両側方内壁、上側内壁及び下側内壁に取り付けられる、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記複数のシート部材が、それぞれの周縁で互いにシーリングされる、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを収容するモジュールケースと、
前記モジュールケースの一側に備えられ、前記複数のバッテリーセルの冷却のために前記モジュールケースの内部に空気を案内する空気吸入部と、
前記空気吸入部を通って前記モジュールケースの内部に入った空気を前記モジュールケースの外側に吐出し、前記モジュールケースの他側に備えられる空気吐出部と、
前記空気吐出部と前記空気吸入部との間の前記モジュールケースの内壁に取り付けられ、所定温度以上で膨張して前記モジュールケースの内部空間を密閉させる少なくとも一つのシート部材と、
前記空気吸入部及び前記空気吐出部に対面するように前記モジュールケースの両側方内部に配置され、内部に空気循環流路が形成される一対の空気循環ガイド部材とを含み、
前記一対の空気循環ガイド部材が、前記少なくとも一つのシート部材と同じ材質から設けられる
、バッテリーモジュール。
【請求項5】
前記一対の空気循環ガイド部材が、前記複数のバッテリーセルを介在して相互に対向して配置される、請求項
1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記一対の空気循環ガイド部材が、前記複数のバッテリーセルに対向する一側に備えられ、相互に所定の距離だけ離隔して配置される複数のガイドスリットを含む、請求項
5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記一対の空気循環ガイド部材が、前記複数のガイドスリットと隣接して配置され、前記空気循環流路の内部で所定の角度で傾斜して配置される複数のガイド隔壁を含む、請求項
6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールを収容するラックケースとを含む、バッテリーラック。
【請求項9】
請求項
8に記載の少なくとも一つのバッテリーラックを含む、電力貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置に関する。
【0002】
本出願は、2019年3月25日出願の韓国特許出願第10-2019-0033749号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV;Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池セル、すなわち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーセルを直列で接続してバッテリーパックを構成することがある。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に合わせて、複数のバッテリーセルを並列で接続してバッテリーパックを構成することもある。したがって、上記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は求められる出力電圧または充放電容量によって多様に設定され得る。
【0005】
一方、複数のバッテリーセルを直列/並列で接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールをまず構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールにその他の構成要素を付け加えてバッテリーパックを構成する方法が一般的である。ここで、少なくとも一つのバッテリーモジュールを含むバッテリーパックは、多様な電圧及び容量の要求条件などに応じて、バッテリーパックを少なくとも一つ以上含むバッテリーラックを備える電力貯蔵装置を構成することもある。
【0006】
従来の電力貯蔵装置を構成するバッテリーモジュールの場合、複数のバッテリーモジュールを含むバッテリーラックを収容するラックコンテナ内に、バッテリーセルの特性上発生し得る過熱などによる火災などの危険に対処するため、消防施設構造物が備えられる。
【0007】
しかし、バッテリーモジュール内で火災が起きる場合、迅速に火災を鎮圧し難いという問題がある。バッテリーモジュール内で火災を迅速に鎮圧できないか又は火災の拡散を遅延できない場合、周辺のバッテリーモジュールへと火災が急速に広がってしまい、ラックコンテナ内の消防施設構造物が動作する時点では、既に復旧し難い被害が生じた後になるおそれがある。
【0008】
したがって、火災状況が発生したとき、より迅速な早期鎮圧が必要であり、そのためにはバッテリーモジュール単位での火災鎮圧及び拡散防止が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、火災状況が発生したとき、バッテリーモジュール単位で火災を鎮圧し且つ拡散を防止可能なバッテリーモジュール、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を解決するため、本発明は、複数のバッテリーセルと、前記複数のバッテリーセルを収容するモジュールケースと、前記モジュールケースの一側に備えられ、前記複数のバッテリーセルの冷却のために前記モジュールケースの内部に空気を案内する空気吸入部と、前記空気吸入部を通って前記モジュールケースの内部に入った空気を前記モジュールケースの外側に吐出し、前記モジュールケースの他側に備えられる空気吐出部と、前記空気吐出部と前記空気吸入部との間の前記モジュールケースの内壁に取り付けられ、所定温度以上で膨張して前記モジュールケースの内部空間を密閉させる少なくとも一つのシート部材とを含む、バッテリーモジュールを提供する。
【0011】
前記シート部材は、複数が備えられ、前記複数のシート部材は、それぞれ、前記モジュールケースの前方内壁、後方内壁、両側方内壁、上側内壁及び下側内壁に取り付けられ得る。
【0012】
前記複数のシート部材は、各周縁で互いにシーリングされ得る。
【0013】
前記バッテリーモジュールは、前記空気吸入部及び前記空気吐出部に対面するように前記モジュールケースの両側方内部に配置され、内部に空気循環流路が形成される一対の空気循環ガイド部材を含み得る。
【0014】
前記一対の空気循環ガイド部材は、前記少なくとも一つのシート部材と同じ材質から設けられ得る。
【0015】
前記一対の空気循環ガイド部材は、前記複数のバッテリーセルを介在して相互に対向して配置され得る。
【0016】
前記一対の空気循環ガイド部材は、前記複数のバッテリーセルに対向する一側に備えられ、相互に所定の距離だけ離隔して配置される複数のガイドスリットを含み得る。
【0017】
前記一対の空気循環ガイド部材は、前記複数のガイドスリットと隣接して備えられ、前記空気循環流路の内部で所定の角度で傾斜して配置される複数のガイド隔壁を含み得る。
【0018】
また、本発明は、上述した本発明による少なくとも一つのバッテリーモジュールと、前記少なくとも一つのバッテリーモジュールを収容するラックケースとを含む、バッテリーラックを提供する。
【0019】
さらに、本発明は、上述した本発明による少なくとも一つのバッテリーラックを含む、電力貯蔵装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、火災状況が発生したとき、バッテリーモジュール単位で火災を鎮圧し且つ拡散を防止可能なバッテリーモジュール、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置を提供することができる。
【0021】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【
図2】
図1のバッテリーモジュールの分解斜視図である。
【
図3】
図2のバッテリーモジュールの断面図である。
【
図4】
図2のバッテリーモジュールの空気循環ガイド部材を説明するための図である。
【
図6】
図5の空気循環ガイド部材の他の実施例を説明するための図である。
【
図7】
図1のバッテリーモジュールを冷却させるための空気循環を説明するための図である。
【
図8】
図1のバッテリーモジュールが所定温度以上であるとき、シート部材及び空気循環ガイド部材の動作を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーラックを説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態による電力貯蔵装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明することでより明らかになるであろう。ここで説明される実施形態は発明の理解を助けるための例示的なものであり、本発明はここで説明される実施形態と異なる多様な形態で変形されて実施可能であることを理解しなければならない。また、発明の理解を助けるため、添付された図面は実際の縮尺通りではなく、一部構成要素の寸法を誇張して図示し得る。
【0024】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図であり、
図2は
図1のバッテリーモジュールの分解斜視図である。
【0025】
図1及び
図2を参照すると、バッテリーモジュール10は、バッテリーセル100、モジュールケース200、空気吸入部300、空気吐出部400及びシート部材500を含むことができる。
【0026】
上記バッテリーセル100は、二次電池であって、パウチ型二次電池、角形二次電池または円筒型二次電池であり得る。以下、本実施形態では、上記バッテリーセル100をパウチ型二次電池に限定して説明する。
【0027】
上記バッテリーセル100は複数が備えられ得る。上記複数のバッテリーセル100は、相互に積層されるように備えられ得る。このような上記複数のバッテリーセル100は、相互電気的に接続され得る。
【0028】
上記モジュールケース200は、上記複数のバッテリーセル100を収容することができる。このような上記モジュールケース200は、ケース本体210及びケースカバー250を含むことができる。
【0029】
上記ケース本体210には、上記複数のバッテリーセル100を収容するための収容空間が設けられ得る。上記ケースカバー250は、上記複数のバッテリーセル100の上側に配置され、上記ケース本体210と相互に結合され得る。
【0030】
上記空気吸入部300は、上記モジュールケース200の一側、具体的には、上記ケース本体210の後方に備えられ、上記複数のバッテリーセル100の冷却のために上記モジュールケース200の内部に空気を案内することができる。
【0031】
上記空気吐出部400は、上記空気吸入部300を通って上記モジュールケース200の内部に入った空気を上記モジュールケース200の外側に吐出できるように、上記モジュールケース200の他側、具体的には、上記ケース本体210の前方に備えられ得る。
【0032】
上記シート部材500は、上記空気吐出部400と上記空気吸入部300との間の上記モジュールケース200の内壁に取り付けられ、所定温度以上で膨張して上記モジュールケース200の内部空間を密閉させることができる。
【0033】
このようなシート部材500は、所定温度以上でその体積が膨張可能な材質から設けられ得る。例えば、上記シート部材500は、所定温度以上で体積が増加するフォーム(foam)形態の材質から設けられ得る。
【0034】
上記シート部材500は、複数が備えられ得る。
【0035】
上記複数のシート部材500は、それぞれ、上記モジュールケース200の前方内壁、後方内壁、両側方内壁、上側内壁及び下側内壁に取り付けられ得る。具体的には、上記複数のシート部材500は、上記ケース本体210の前方内壁、後方内壁、両側方内壁、下側内壁及び上記ケースカバー250の上側内壁に取り付けられ得る。ここで、上記複数のシート部材500は、それぞれの周縁で互いにシーリングされ得る。
【0036】
図3は
図2のバッテリーモジュールの断面図であり、
図4は
図2のバッテリーモジュールの空気循環ガイド部材を説明するための図であり、
図5は
図4の空気循環ガイド部材の断面図であり、
図6は
図5の空気循環ガイド部材の他の実施例を説明するための図であり、
図7は
図1のバッテリーモジュールを冷却させるための空気循環を説明するための図である。
【0037】
図3~
図7を参照すると、上記バッテリーモジュール10は、一対の空気循環ガイド部材600、700をさらに含むことができる。
【0038】
上記一対の空気循環ガイド部材600、700は、上記空気吸入部300及び上記空気吐出部400に対面するように上記モジュールケース200、具体的には、上記ケース本体210の両側方内部に配置され得る。具体的には、上記一対の空気循環ガイド部材600、700は、上記複数のバッテリーセル100を介在して相互に対向して配置され得る。
【0039】
上記一対の空気循環ガイド部材600、700は、上記少なくとも一つのシート部材500と同じ材質から設けられ得る。すなわち、上記一対の空気循環ガイド部材600、700も所定温度以上で体積が膨張する材質から設けられ得る。
【0040】
上記一対の空気循環ガイド部材600、700は、第1空気循環ガイド部材600及び第2空気循環ガイド部材700を含むことができる。
【0041】
上記第1空気循環ガイド部材600は、上記空気吸入部300を通って入った空気を上記複数のバッテリーセル100側へと案内するためのものであって、空気循環流路610、ガイドスリット630及びガイド隔壁650を含むことができる。
【0042】
上記空気循環流路610は、上記空気吸入部300と連通し、上記複数のバッテリーセル100の積層方向に沿って長く形成され得る。
【0043】
上記ガイドスリット630は、上記空気循環流路610と連通し、上記複数のバッテリーセル100に対向する一側に備えられ得る。上記ガイドスリット630は、複数が備えられ得る。上記複数のガイドスリット630は、上記バッテリーセル100の積層方向に沿って相互に所定の距離だけ離隔して配置され、上記空気循環流路610内の空気が上記複数のバッテリーセル100側に移動することをガイドすることができる。
【0044】
上記ガイド隔壁650は、複数が備えられ得る。上記複数のガイド隔壁650は、上記複数のガイドスリット630と隣接して配置され、上記空気循環流路610の内部で所定の角度で傾斜して配置され得る。上記複数のガイド隔壁650は、上記複数のガイドスリット630側への空気流入をより均一にガイドすることができる。
【0045】
上記第2空気循環ガイド部材700は、上記複数のバッテリーセル100を冷却させた空気を上記空気吐出部400側へと案内するためのものであって、空気循環流路710、ガイドスリット730及びガイド隔壁750を含むことができる。
【0046】
上記空気循環流路710は、上記空気吐出部400と連通し、上記複数のバッテリーセル100の積層方向に沿って長く形成され得る。
【0047】
上記ガイドスリット730は、上記空気循環流路710と連通し、上記複数のバッテリーセル100に対向して備えられ得る。上記ガイドスリット730は、複数が備えられ得る。上記複数のガイドスリット730は、上記バッテリーセル100の積層方向に沿って相互に所定の距離だけ離隔して配置され、上記複数のバッテリーセル100側の空気が上記空気循環流路710側に移動することをガイドすることができる。
【0048】
上記ガイド隔壁750は、複数が備えられ得る。上記複数のガイド隔壁750は、上記複数のガイドスリット730と隣接して配置され、上記空気循環流路710の内部で所定の角度で傾斜して配置され得る。上記複数のガイド隔壁750は、上記複数のガイドスリット730側に流れた空気の上記空気吐出部400側への移動をより均一にガイドすることができる。
【0049】
一方、上記ガイド隔壁750は、
図5に示されたように、別途の部材として結合されてもよく、
図6に示されたように、一体的に形成されてもよい。
【0050】
図8は、
図1のバッテリーモジュールが所定温度以上であるとき、シート部材及び空気循環ガイド部材の動作を説明するための図である。
【0051】
上記バッテリーモジュール10において、上記モジュールケース200内部の上記複数のバッテリーセル100の少なくとも一つから過熱などによる火災が生じることがある。
【0052】
このように火災が発生したとき、上記モジュールケース200内部の温度が上昇し、所定温度以上になれば、上記複数のシート部材500及び上記一対の空気循環ガイド部材600、700が膨張しながら、上記モジュールケース200の内部空間を密閉させることができる。
【0053】
このような上記複数のシート部材500及び上記一対の空気循環ガイド部材600、700の膨張による上記モジュールケース200内部空間の密閉によって、上記空気吸入部300または上記空気吐出部400側から上記モジュールケース200の内部に酸素が流入することを遮断することができる。
【0054】
これによって、上記バッテリーモジュール10の内部で発生した火災をより迅速に鎮圧できるか又は著しく弱めることができ、上記バッテリーモジュール10外部への熱拡散を効果的に防止することができる。
【0055】
このように、本実施形態による上記バッテリーモジュール10は、火災状況が発生したとき、上記シート部材500及び上記空気循環ガイド部材600、700を通じて、上記バッテリーモジュール10単位でより迅速に火災を鎮圧するか又は火災の拡散を効果的に防止することができる。
【0056】
図9は、本発明の一実施形態によるバッテリーラックを説明するための図である。
【0057】
図9を参照すると、バッテリーラック1は、上述した上記複数のバッテリーモジュール10、及び上記複数のバッテリーモジュール10を収容するラックケース50を含むことができる。
【0058】
本実施形態による上記バッテリーラック1は、上述した上記バッテリーモジュール10を含むことで、上述した上記バッテリーモジュール10による長所を全て有するバッテリーラック1を提供することができる。
【0059】
換言すれば、本実施形態による上記バッテリーラック1は、いずれか一つのバッテリーモジュール10で火災状況が発生しても、バッテリーモジュール10単位で火災状況が発生したバッテリーモジュール10の内部をより迅速に密閉させることで、迅速な火災鎮圧と同時に、隣接したバッテリーモジュール10への火災拡散を効果的に防止することができる。
【0060】
図10は、本発明の一実施形態による電力貯蔵装置を説明するための図である。
【0061】
図10を参照すると、電力貯蔵装置Eは、エネルギー源であって、家庭用または産業用で使用できる。上記電力貯蔵装置Eは、上述した実施形態の少なくとも一つ、本実施形態の場合、複数のバッテリーラック1及び上記複数のバッテリーラック1を収容するラックコンテナCを含むことができる。
【0062】
本実施形態による上記電力貯蔵装置Eは、上述した上記バッテリーラック1を含むことで、上述した上記バッテリーラック1の長所を全て有する電力貯蔵装置Eを提供することができる。
【0063】
以上のような多様な実施形態によって、火災状況が発生したとき、上記バッテリーモジュール10単位で火災を鎮圧し且つ拡散を防止可能な上記バッテリーモジュール10、それを含む上記バッテリーラック1及び上記電力貯蔵装置Eを提供することができる。
【0064】
以上のように、本発明の望ましい実施形態を図示して説明したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱せずに本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって多様に変形実施可能であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0065】
1 バッテリーラック
10 バッテリーモジュール
50 ラックケース
100 バッテリーセル
200 モジュールケース
210 ケース本体
250 ケースカバー
300 空気吸入部
400 空気吐出部
500 シート部材
600 第1空気循環ガイド部材
610 空気循環流路
630 ガイドスリット
650 ガイド隔壁
700 第2空気循環ガイド部材
710 空気循環流路
730 ガイドスリット
750 ガイド隔壁