(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】木質構造材の接合構造及び接合具
(51)【国際特許分類】
E04B 1/58 20060101AFI20220624BHJP
E04B 1/26 20060101ALI20220624BHJP
B27M 1/08 20060101ALI20220624BHJP
B27M 3/00 20060101ALI20220624BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20220624BHJP
F16B 25/00 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
E04B1/58 508L
E04B1/26 E
B27M1/08 B
B27M3/00 E
B27M3/00 H
F16B5/02 U
F16B5/02 V
F16B25/00 Z
(21)【出願番号】P 2021010772
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】517325065
【氏名又は名称】ウッド・ハブ合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】實成 康治
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-165877(JP,A)
【文献】特開2006-132162(JP,A)
【文献】特開2021-001456(JP,A)
【文献】特開2019-027132(JP,A)
【文献】実開平05-071429(JP,U)
【文献】特公昭54-042726(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00 - 1/36
E04B 1/38 - 1/61
B27M 1/08,3/00
F16B 5/02
F16B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、該木質構造材は主材及び該主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、該主材と該一対の側材とを接合させる接合構造であって、上記主材と上記一対の側材とは締結用ボルト及びそのナットにより締結接合され、加えて、該主材と該一対の側材とは上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスにより接合され
、該構造用ビスは、上記締結用ボルトの軸線を中心とする仮想円上に配置されていることを特徴とする木質構造材の接合構造。
【請求項2】
木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、該木質構造材は主材及び該主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、該主材と該一対の側材とを接合させる接合構造であって、上記主材と上記一対の側材とは締結用ボルト及びそのナットにより締結接合され、加えて、該主材と該一対の側材とは上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスにより接合され
、上記一対の側材が配置される上記主材の両側面に隣り合う他方の両側面に配置される一対の掴持用プレートと、該一対の掴持用プレート間にして該主材に貫通配置され、該主材の上記他方の両側面を掴持する掴持用ボルト及びそのナットとを備えていることを特徴とする木質構造材の接合構造。
【請求項3】
上記構造用ビスは、頭部を除く軸部の全周部が雄ネジとなっている全ネジ構造であることを特徴とする
請求項1又は2記載の木質構造材の接合構造。
【請求項4】
木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、該木質構造材は主材及び該主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、該主材と該一対の側材とを接合させる接合具であって、上記主材と上記一対の側材とを締結接合する締結用ボルト及びそのナットと、該主材と該一対の側材とを接合する上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスとを備えてな
り、該構造用ビスは、上記締結用ボルトの軸線を中心とする仮想円上に配置されていることを特徴とする木質構造材の接合具。
【請求項5】
木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、該木質構造材は主材及び該主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、該主材と該一対の側材とを接合させる接合具であって、上記主材と上記一対の側材とを締結接合する締結用ボルト及びそのナットと、該主材と該一対の側材とを接合する上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスとを備えてな
り、上記一対の側材が配置される上記主材の両側面に隣り合う他方の両側面に配置される一対の掴持用プレートと、該一対の掴持用プレート間にして該主材に貫通配置され、該主材の上記他方の両側面を掴持する掴持用ボルト及びそのナットとを備えてなることを特徴とする木質構造材の接合具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされる主材及び主材の両側面に配置された一対の側材とを接合させる木質構造材の接合構造及び接合具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木造建築物の例えば、柱、間柱、束等の垂直材、梁、桁等の横架材、筋交い、火打ち等の斜材、補強材等の木質構造材とされ、主材及び主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、主材と一対の側材とを接合させる接合構造及び接合具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】木質構造設計規準・同解説 日本建築学会 240頁 2005年4月30日
【文献】木質構造接合部設計マニュアル 日本建築学会 80頁 2009年11月30日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来構造の場合、複数の構造用ネジや釘のみ、あるいは、複数のボルト及びそのナットのみにより木質構造材としての上記主材及び木質構造材としての一対の側材とを接合させる構造であるため、前者の接合構造にあっては、複数の構造用ネジや釘のみによるものであるから、現場作業における主材と一対の側材との位置決めが困難となり、作業性が低下することがあり、又、後者の構造にあっては、複数のボルト及びそのナットのみによるものであるから、予めボルトを挿通するための複数個の貫通下穴が必要となり、それだけ作業性が低下することがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、該木質構造材は主材及び該主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、該主材と該一対の側材とを接合させる接合構造であって、上記主材と上記一対の側材とは締結用ボルト及びそのナットにより締結接合され、加えて、該主材と該一対の側材とは上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスにより接合され、該構造用ビスは、上記締結用ボルトの軸線を中心とする仮想円上に配置されていることを特徴とする木質構造材の接合構造にある。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、該木質構造材は主材及び該主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、該主材と該一対の側材とを接合させる接合構造であって、上記主材と上記一対の側材とは締結用ボルト及びそのナットにより締結接合され、加えて、該主材と該一対の側材とは上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスにより接合され、上記一対の側材が配置される上記主材の両側面に隣り合う他方の両側面に配置される一対の掴持用プレートと、該一対の掴持用プレート間にして該主材に貫通配置され、該主材の上記他方の両側面を掴持する掴持用ボルト及びそのナットとを備えていることを特徴とする木質構造材の接合構造にある。
【0008】
又、請求項3記載の発明は、上記構造用ビスは、頭部を除く軸部の全周部が雄ネジとなっている全ネジ構造であることを特徴とするものである。
【0009】
又、請求項4記載の発明は、木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、該木質構造材は主材及び該主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、該主材と該一対の側材とを接合させる接合具であって、上記主材と上記一対の側材とを締結接合する締結用ボルト及びそのナットと、該主材と該一対の側材とを接合する上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスとを備えてなり、該構造用ビスは、上記締結用ボルトの軸線を中心とする仮想円上に配置されていることを特徴とする木質構造材の接合具にある。
【0010】
又、請求項5記載の発明は、木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、該木質構造材は主材及び該主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、該主材と該一対の側材とを接合させる接合具であって、上記主材と上記一対の側材とを締結接合する締結用ボルト及びそのナットと、該主材と該一対の側材とを接合する上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスとを備えてなり、上記一対の側材が配置される上記主材の両側面に隣り合う他方の両側面に配置される一対の掴持用プレートと、該一対の掴持用プレート間にして該主材に貫通配置され、該主材の上記他方の両側面を掴持する掴持用ボルト及びそのナットとを備えてなることを特徴とする木質構造材の接合具にある。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述の如く、請求項1及び請求項4記載の発明にあっては、木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、木質構造材は主材及び主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、主材と一対の側材とを接合させる接合構造であって、上記主材と上記一対の側材とは締結用ボルト及びそのナットにより締結接合されているから、上記主材と上記一対の側材とを締結用ボルト及びそのナットにより締結接合することができ、上記主材と上記一対の側材とを締結用ボルトにより相互に位置決めすることができ、現場作業性を向上することができ、加えて、主材と一対の側材とは上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスにより接合されているから、電動工具等のビットの回転により構造用ビスを木質構造材に下穴を開けずに直接ねじ込むことができ、一層現場作業性を向上することができ、主材と一対の側材とを確実に接合することができ、各木質構造材に加わる引張荷重、圧縮荷重及び曲げ荷重に対する接合強度を向上することができ、構造用ビスは、締結用ボルトの軸線を中心とする仮想円上にして複数個に配置されているから、主材及び一対の側材からなる各木質構造材に加わる引張荷重、圧縮荷重及び曲げ荷重を可及的に均等に分散することができ、接合強度を向上することができる。
【0012】
又、請求項2及び請求項5記載の発明にあっては、木造建築物の垂直材、横架材、斜材等の木質構造材とされ、木質構造材は主材及び主材の両側面に配置された一対の側材から構成され、主材と一対の側材とを接合させる接合構造であって、上記主材と上記一対の側材とは締結用ボルト及びそのナットにより締結接合されているから、上記主材と上記一対の側材とを締結用ボルト及びそのナットにより締結接合することができ、上記主材と上記一対の側材とを締結用ボルトにより相互に位置決めすることができ、現場作業性を向上することができ、加えて、主材と一対の側材とは上記締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビスにより接合されているから、電動工具等のビットの回転により構造用ビスを木質構造材に下穴を開けずに直接ねじ込むことができ、一層現場作業性を向上することができ、主材と一対の側材とを確実に接合することができ、各木質構造材に加わる引張荷重、圧縮荷重及び曲げ荷重に対する接合強度を向上することができ、上記一対の側材が配置される上記主材の両側面に隣り合う他方の両側面に配置される一対の掴持用プレートと、一対の掴持用プレート間にして主材に貫通配置され、主材の上記他方の両側面を掴持する掴持用ボルト及びそのナットとを備えて構成しているから、一対の掴持用プレートにより木質構造材に加わる引張荷重、圧縮荷重及び曲げ荷重による木質構造材の割裂破壊を防ぐことができ、それだけ、上記主材と上記一対の側材とに対する接合強度を向上することができ、構造設計を容易に行うことができる。
【0013】
又、請求項3記載の発明にあっては、上記構造用ビスは頭部を除く軸部の全周部が雄ネジとなっている全ネジ構造となっているから、軸部の一部が雄ネジとなっている半ネジ構造と異なり、主材と一対の側材とを相互に寄せて緊締することはできないが、上記主材と上記一対の側材とは締結用ボルト及びそのナットにより締結接合されているため、全ネジ構造であっても支障が生ずることはなく、全ネジ構造は半ネジ構造に比べて引張荷重に強いという作用効果を得ることができ、それだけ、上記主材と上記一対の側材とに対する接合強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の第一形態例の部分斜視図である。
【
図2】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【
図3】本発明の実施の第一形態例の部分平断面図である。
【
図4】本発明の実施の第一形態例の部分側断面図である。
【
図5】本発明の実施の第一形態例の部分分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施の第一形態例の部分説明図である。
【
図7】本発明の実施の第二形態例の部分説明図である。
【
図8】本発明の実施の第三形態例の部分斜視図である。
【
図9】本発明の実施の第四形態例の部分斜視図である。
【
図10】本発明の実施の第五形態例の部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至
図10は本発明の実施の形態例であって、
図1乃至
図6は実施の第一形態例、
図7は実施の第二形態例、
図8は実施の第三形態例、
図9は実施の第四形態例、
図10は実施の第五形態例である。
【0016】
図1乃至
図6の実施の第一形態例において、
図1、
図2、
図3の如く、木造建築物の垂直材V、横架材H、斜材等の木質構造材Wとされ、木質構造材Wは主材M及び主材Mの両側面に配置された一対の側材S・Sから構成され、主材Mは横架材Hとされる木質構造材W及び一対の側材S・Sは垂直材Vとされる木質構造材Wの軸組となっており、主材Mと一対の側材S・Sとを接合させる接合構造であって、この場合、上記接合構造を構成する接合部分Jにあっては、上記主材Mと上記一対の側材S・Sとは締結用ボルト1及びそのナット2により締結接合され、予め、主材M及び上記一対の側材S・Sに締結用ボルト1を挿通するための各一個の貫通下穴F・F・Fが形成され、締結用ボルト1の位置は接合部分Jの中心位置、例えば、主材Mの幅の中心軸線と上記一対の側材S・Sの幅の中心軸線との交点Cとされ、加えて、主材Mと一対の側材S・Sとは上記締結用ボルト1の周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビス3・・により接合されている。
【0017】
又、この場合、
図5の如く、上記構造用ビス3・・は頭部3aを除く軸部3bの全周部が雄ネジTとなっている全ネジ構造となっており、頭部3aに図示省略の電動工具等のビットが嵌脱可能な十字溝、六角溝、ヘックス等の溝凹部3cが形成され、電動工具等のビットの回転により構造用ビス3・・を木質構造材Wに下穴を開けずに直接ねじ込める構造とされ、又、この場合、
図2、
図4、
図6の如く、上記構造用ビス3・・は、上記主材Mの幅の中心軸線と上記一対の側材S・Sの幅の中心軸線との交点Cに上記締結用ボルト1の軸線Pが配置され、この締結用ボルト1の軸線Pを中心とする大小の仮想円D・d上にして複数等配位置、この場合、10等配位置の交互に複数個の構造用ビス3・・が配置されている。なお、複数個の構造用ビス3・・は仮想円上に限らず、仮想四角形、その他の任意に形状上に配置することもある。
【0018】
又、この場合、
図2、
図4、
図5の如く、上記接合部分Jに対応する位置において、上記一対の側材S・Sが配置される上記主材Mの両側面に隣り合う他方の両側面に配置される一対の掴持用プレートK・Kと、一対の掴持用プレートK・K間にして主材Mに貫通配置され、主材Mの上記他方の両側面を掴持する掴持用ボルト4及びそのナット5とを備えて構成している。
【0019】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、
図1、
図2、
図3の如く、木造建築物の垂直材V、横架材H、斜材等の木質構造材Wとされ、木質構造材Wは主材M及び主材Mの両側面に配置された一対の側材S・Sから構成され、主材Mと一対の側材S・Sとを接合させる接合構造であって、上記主材Mと上記一対の側材S・Sとは締結用ボルト1及びそのナット2により締結接合され、加えて、主材Mと一対の側材S・Sとは上記締結用ボルト1の周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビス3・・により接合されているから、上記主材Mと上記一対の側材S・Sとを締結用ボルト1及びそのナット2により締結接合することができ、上記主材Mと上記一対の側材S・Sとを締結用ボルト1により相互に位置決めすることができ、現場作業性を向上することができ、加えて、主材Mと一対の側材S・Sとは上記締結用ボルト1の周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビス3・・により接合されているから、電動工具等のビットの回転により構造用ビス3・・を木質構造材Wに下穴を開けずに直接ねじ込むことができ、一層現場作業性を向上することができ、主材M、一対の側材S・Sと構造用ビス3・・の軸部3b外周面との間のクリアランスがなくなり、主材Mと一対の側材S・Sとを緩みや隙間によるガタなく確実かつ一体性の高い接合とすることができ、各木質構造材W・Wに加わる引張荷重、圧縮荷重及び曲げ荷重に対する接合強度を向上することができる。
【0020】
又、この場合、
図5の如く、上記構造用ビス3・・は頭部3aを除く軸部3bの全周部が雄ネジTとなっている全ネジ構造となっているから、軸部3bの一部が雄ネジTとなっている半ネジ構造と異なり、主材Mと一対の側材S・Sとを相互に寄せて緊締することはできないが、上記主材Mと上記一対の側材S・Sとは締結用ボルト1及びそのナット2により締結接合されているため、全ネジ構造であっても支障が生ずることはなく、全ネジ構造は半ネジ構造に比べて引張荷重に強いという作用効果を得ることができ、それだけ、上記主材Mと上記一対の側材S・Sとに対する接合強度を向上することができ、又、この場合、
図2、
図4、
図6の如く、上記構造用ビス3・・は、締結用ボルト1の軸線Pを中心とする大小の仮想円D・d上にして複数個に配置されているから、主材M及び一対の側材S・Sからなる各木質構造材W・Wに加わる引張荷重、圧縮荷重及び曲げ荷重を可及的に均等に分散することができ、接合強度を向上することができる。
【0021】
又、この場合、
図2、
図4、
図5の如く、上記接合部分Jに対応する位置において、上記一対の側材S・Sが配置される上記主材Mの両側面に隣り合う他方の両側面に配置される一対の掴持用プレートK・Kと、一対の掴持用プレートK・K間にして主材Mに貫通配置され、主材Mの上記他方の両側面を掴持する掴持用ボルト4及びそのナット5とを備えて構成しているから、一対の掴持用プレートK・Kにより接合部分Jにおける木質構造材W・Wに加わる引張荷重、圧縮荷重及び曲げ荷重による木質構造材W・Wの割裂破壊を防ぐことができ、それだけ、上記主材Mと上記一対の側材S・Sとに対する接合強度を向上することができ、構造設計を容易に行うことができる。
【0022】
図7の実施の第二形態例は別例構造を示し、この場合、上記第一形態例と比較して、上記構造用ビス3・・は、上記主材Mの幅の中心軸線と上記一対の側材S・Sの幅の中心軸線との交点Cに上記締結用ボルト1の軸線Pが配置され、この締結用ボルト1の軸線Pを中心とする一個の仮想円D上にして複数等配位置、この場合、10等配位置に配置されている。
【0023】
図8の実施の第三形態例も別例構造を示し、この場合、上記第一形態例と比較して、主材Mは横架材Hとされる木質構造材W及び一対の側材S・Sは垂直材Vとされる木質構造材Wの軸組となっており、さらに、一対の掴持用プレートK・Kを無くした構造となっている。
【0024】
図9の実施の第四形態例も別例構造を示し、この場合、上記第一形態例と比較して、主材Mは垂直材V
とされる木質構造材W及び一対の側材S・Sは横架材Hとされる木質構造材Wの軸組となっている。
【0025】
図10の実施の第五形態例も別例構造を示し、この場合、上記第一形態例と比較して、主材Mは横架材Hとされる木質構造材W及び一対の側材S・Sは斜材Iとされる木質構造材Wの軸組となっている。
【0026】
これら
図7の実施の第二形態例、
図8の実施の第三形態例、
図9は実施の第四形態例及び
図10の実施の第五形態例にあっても、上記実施の第一形態例と同様な作用効果を得ることができる。
【0027】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、垂直材V、横架材H、斜材I、木質構造材W、主材M、側材S・S、掴持用プレートK・K、締結用ボルト1、ナット2、構造用ビス3、構造用ビス3の配置位置、掴持用ボルト4、ナット5の構造等は適宜変更して設計される。
【0028】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0029】
V 垂直材
H 横架材
I 斜材
W 木質構造材
M 主材
S 側材
T 雄ネジ
P 軸線
D 仮想円
d 仮想円
K 掴持用プレート
1 締結用ボルト
2 ナット
3 構造用ビス
3a 頭部
3b 軸部
4 掴持用ボルト
5 ナット
【要約】
【課題】主材と一対の側材とを締結用ボルト及びそのナットにより締結接合することができ、主材と一対の側材とを締結用ボルトにより相互に位置決めすることができ、現場作業性を向上することができ、加えて、電動工具等のビットの回転により構造用ビスを木質構造材に下穴を開けずに直接ねじ込むことができる。
【解決手段】木造建築物の垂直材V、横架材H、斜材等の木質構造材Wとされ、木質構造材は主材M及び主材の両側面に配置された一対の側材S・Sから構成され、主材と一対の側材とを接合させる接合構造であって、主材と一対の側材とは締結用ボルト1及びそのナットにより締結接合され、加えて、主材と一対の側材とは締結用ボルトの周囲に囲繞配置された複数個の構造用ビス3・・により接合されている。
【選択図】
図2