(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】キャリアフィルムを有する相互接続を有するセンサ
(51)【国際特許分類】
G01L 1/16 20060101AFI20220624BHJP
H01L 41/113 20060101ALI20220624BHJP
H01L 41/047 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
G01L1/16 B
H01L41/113
H01L41/047
(21)【出願番号】P 2021544420
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2020051325
(87)【国際公開番号】W WO2020160897
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-07-29
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ウィーカンプ ヨハネス ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ モレンフラーフ ロラント アレクサンデル
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ホルスト アルイェン
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/137251(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/093358(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/016843(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0169349(US,A1)
【文献】特表平8-506227(JP,A)
【文献】特開昭60-73697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00 - 1/26
G01L 7/00 -23/32
G01L27/00 -27/02
H01L41/047
H01L41/09
H01L41/113
H01L41/29 -41/297
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの対向する側及び1つの側面を有するセンサ素子と、
電気伝導のために構成された電気絶縁可撓性キャリアを有する相互接続であって、前記キャリアは、中央セグメントの2つの対向する側において2つの末端セグメントを有し、前記2つの末端セグメントの第1の末端セグメントは、前記センサ素子の前記2つの対向する側の第1の側上で折り畳まれ、前記キャリアの前記中央セグメントは、前記センサ素子の前記側面に隣接して配置され、前記2つの末端セグメントの第2の末端セグメントは、前記センサ素子の前記2つの対向する側の第2の側上で折り畳まれる、当該相互接続と、
を有するセンサにおいて、
前記キャリアは、前記センサ素子の前記第1の側に含まれる第1の電極から前記センサ素子の前記第2の側に電気信号を伝送して、前記センサ素子の前記第2の側から前記第1の電極の電気接続を提供するように構成される、
センサ。
【請求項2】
前記センサ素子の前記第2の側は、第2の電極を有し、前記センサ素子は、前記センサ素子の前記第2の側から、前記第1及び第2の電極の両方に対して接触可能である、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記センサは、前記第2の電極と電気接続する更なる相互接続を有し、前記第1及び第2の電極は、2つのそれぞれの前記相互接続を介して接触可能である、請求項
2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記センサは、バイファイラ電気導体を更に有し、前記相互接続の各々は、前記バイファイラ電気導体の導体のうちの1つと電気接続される、請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記2つの相互接続の一部が、互いに取り付けられて、前記センサ素子の前記第2の側から延びる複合相互接続を形成し、前記
バイファイラ電気導体の前記電気導電体の各々が、前記複合相互接続の両側で電気接続される、請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記センサ素子は、超音波センサ素子であり、前記超音波センサ
素子の前記第1の側は、解剖学的媒体への及びからの超音波の放射及び受信のための音響整合のために構成され、前記超音波
センサ素子の前記第2の側は、導電性超音波減衰材料を提供される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記音響整合は、少なくとも部分的に、前記可撓性キャリアの前記第1の末端セグメントを有する、請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記可撓性キャリアの前記第1の末端セグメントの厚さは、前記超音波センサ素子の所定の中心周波数に対する全体的な音響整合を提供する、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記可撓性キャリアの前記第1の末端セグメントは、前記中央セグメントよりも厚い、請求項7又は8に記載のセンサ。
【請求項10】
前記中心周波数が、10MHzを超える、請求項
8に記載のセンサ。
【請求項11】
前記可撓性キャリアは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミドのうちの1つの材料を有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のセンサと、
前記センサを受け入れるハウジングと、
前記ハウジングが取り付けられる細長い本体と、
を有する介入医療装置。
【請求項13】
センサを製造する方法において、
2つの対向する側及び1つの側面を有するセンサ素子を提供するステップと、
電気伝導に対して構成された電気絶縁可撓性キャリアを有する相互接続を提供するステップであって、前記キャリアが、中央セグメントの2つの対向する側において2つの末端セグメントを有する、ステップと、
前記2つの末端セグメントのうち第1の末端セグメントを前記センサ素子の前記2つの対向する側のうち第1の側上で折り畳むステップであって、前記キャリアの前記中央セグメントが、前記センサ素子の前記側面に隣接して配置される、ステップと、
前記2つの末端セグメントのうちの第2の末端セグメントを前記センサ素子の前記2つの対向する側のうちの第2の側上で折り畳むステップと、
前記センサ素子の前記第2の側面か
ら第1の電極への電気信号の伝送のために前記センサ素子の前記第1の側に含まれる
前記第1の電極を前記センサ素子の前記第2の側から前記可撓性キャリアを介して接続するステップと、
を有する、方法。
【請求項14】
前記センサ素子の前記第2の側上に含まれる第2の電極と電気的に接続する更なる相互接続を提供するステップと、
前記センサ素子の前記第2の側から延びる複合相互接続を形成するように前記2つの相互接続の一部を互いに取り付けるステップと、
バイファイラ電気導体を提供するステップと、
それぞれの2つの電極に電気信号を提供するように前記複合相互接続の両側で前記
バイファイラ電気導体の各電気導体を電気接続するステップと、
を更に有する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記相互接続を提供するステップは、前記可撓性キャリアを提供するステップを有し、前記可撓性キャリアの前記第1の末端セグメントは、前記中央セグメントより厚い、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ、センサを有する装置、及びセンサを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動脈内の血流を測定することは、医師が適切な治療のために正しい診断を下すのに役立つ。測定原理は、ドップラ効果に基づくことができる。このような装置のためのアクチュエータ/レシーバは、表側及び裏側に電極を有した圧電材料の円形ディスクに基づくことができる。電気的相互接続は、ピエゾディスクの表側及び裏側の両方の表面にワイヤをはんだ付けすることによって行われる。これは、血管内流れ感知のための現在の技術水準である。圧電材料を使用する別の用途は、円形ディスクトランスデューサが使用されることができる、超音波場(インサイチュ、in situ)における装置上のセンサの位置特定のためである。
【0003】
超音波トランスデューサアレイ及び製造方法は、EP0739656 A2から公知である。各トランスデューサ素子は、圧電層及び1つ以上の音響整合層を含む。圧電層は、前方電極によって重ねられた凹状の前面と、後方電極によって重ねられた後面とを有する。
【0004】
ワイヤをはんだ付けすることによって行われた電気接続を有するピエゾディスクは、しばしば、ワイヤ及びはんだ付け材料の存在によって、減少された又は制限された感度及び歪みを有する。電気接続のために加えられるはんだ付け材料の量は、音圧出力を犠牲にして、トランスデューサ共振性能を制限することができる。
【0005】
最新技術のピエゾディスク2は、
図16A乃至Cに示される。
図16Aには、ディスク2の裏側が、示される。
図16Bには、同じピエゾディスク2の表側6が、示される。表側及び裏側への電気接続は、銅線、すなわち、それぞれディスク2の前側6及び裏側4に取り付けられたフロントワイヤ8及びリアワイヤ10をはんだ付けすることによってなされる。ピエゾディスク2は、フロントワイヤ8が貫通するための孔を有する。フロントワイヤ8を固定するために必要とされるはんだ付け材料3の量は、表側6のかなりの部分を覆ってもよい。表側6の例示的な上面図が、
図16Cに示され、ここで、はんだ付けが、表側6の約4分の1を覆っている。
【0006】
トランスデューサ前面6に加えられるはんだ3の量は、トランスデューサ共振性能及び音圧出力に影響を及ぼすことができる。更に、ピエゾディスクの減少されたアクティブ面6による音響圧力の損失が存在することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
寸法上の制約を有する医療装置において、センサの性能及び集積度を向上させたトランスデューサを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は、従属請求項に組み込まれる。本発明の以下に説明される態様は、センサ、センサを有する装置、及びセンサを製造する方法にも適用されることに留意されたい。
【0009】
本発明によれば、センサは、センサ素子と、相互接続と、金属層とを有する。相互接続は、センサ素子に配置されるように構成される。相互接続は、金属層を設けられた少なくとも1つのキャリアフィルム及び/又は金属層を設けられた少なくとも1つのワイヤを有する。相互接続は、センサ素子のための電気接続を提供するように構成される。
【0010】
センサは、ドップラ流量測定、超音波撮像などの幾つかの医療用途に使用される。更に、外部超音波プローブによるセンサの超音波追跡も、提供される。
【0011】
センサは、(ドップラ)流量測定若しくは超音波撮像に対するセンサ素子又は医療装置に使用される他のセンサ素子を有する。センサは、能動部分及び受動部分を含む、材料の音響スタックを有する。センサ素子は、超音波を発生/受信する能動部分である。センサ素子は、セラミックディスク又は任意の幾何学的形状(円形、正方形、六角形、八角形など)のプレートを有することができる。センサの受動部分は、音響波を所望の媒体に効果的に結合する役割を果たす。
【0012】
受動部分は、能動部分の前にある1つ又は複数の整合層と、能動部分の後ろにある1つ又は複数のデマッチング層とによって提供される。デマッチング層は、不所望な方向(例えば、装置の近位シャフト)における超音波の透過を減衰させるためのバッキング材料を有することができる。デマッチング層は、非導電性エポキシ材料を有することができる。能動部分は、単結晶圧電材料を有することができる。整合層は、超音波を所望の方向の媒体(例えば、解剖学的構造、様々な体液など)に効率的に結合する。
【0013】
センサ素子(複数可)は、圧電超音波放射器/センサアレイから、又は容量性微細加工超音波放射器/センサアレイから生じてもよい。センサ素子(複数可)は、材料の複数又は単一の音響スタックを有してもよい。超音波エミッタ/レシーバ素子又はトランスデューサ素子は、衝突する超音波に対して解剖学的媒体(構造、流体)からの超音波散乱及び反射を受信するための増大された開口を提供する。
【0014】
相互接続は、センサ素子に配置される。相互接続は、キャリアフィルム及び少なくとも1つのワイヤのうちの少なくとも1つを有する。言い換えれば、例では、相互接続は、キャリアフィルムと、キャリアフィルムの表部分又は裏部分に配置された追加のキャリアフィルム又はキャリアフィルムのシートとを有する。例では、相互接続は、電気接続のためにセンサ素子の表側及び裏側に取り付けられた2つのワイヤを有する。例では、相互接続は、キャリアフィルムと、キャリアフィルムに接続された少なくとも1つのワイヤとを有し、キャリアフィルムは、キャリアフィルムの表部分、側部、及び裏部分、及び/又はキャリアフィルムの表部分又は裏部分に配置された追加のキャリアフィルム又はキャリアフィルムのシートを提供してもよい。換言すれば、キャリアフィルム である。
【0015】
キャリアフィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン又はポリイミドを有する。キャリアフィルムの厚さは、公差を含めて、約2乃至10ミクロンの範囲内、好ましくは約6ミクロンである。キャリアフィルムは、また、フィルム、箔、又は音響機能に適した他の基板を有する。ワイヤは、金属、例えば、銅又は銅ベリリウムを有する。
【0016】
金属層は、金属、例えば、金(Au)又は白金(Pt)のような他の貴金属を有する。金属は、電気的接点を作成するために設けられる。Au又はPtのような他の貴金属は、腐食を防止するために好適でありうる。適切に遮蔽される場合には、銀(Ag)が、使用されることもできる。金属層の厚さは、約10乃至500ナノメートル、好ましくは約30乃至50ナノメートル(公差を含む)の範囲内である。
【0017】
キャリアフィルム、ワイヤ、又はその両方は、金属層を設けられる。金属化されたキャリアフィルム及び/又は金属化されたワイヤは、その音響特性を損なうことなく、センサ素子、例えば超音波トランスデューサのための相互接続を提供する。ガイドワイヤ上のセンサ素子、例えば圧電トランスデューサ上に設けられた金属化されたフィルム相互接続は、従来技術のはんだ付けされた配線された装置と比較して、センサ感度を改善する。
【0018】
金属化されたキャリアフィルム及び/又は金属化されたワイヤをセンサ素子上に設けることによって、より少ない減衰が、センサ素子に配置される場合に、相互接続によって生じる。従って、例えば、センサ素子による超音波の送信が、高められることもできる。更に、センサ素子の表側の相互接続のための空間は、実質的に減少され、従来技術のような、例えば25ミクロンのはんだ付けされたワイヤは、例えば6ミクロンの金属化されたPETキャリアフィルムによって置き換えられる。
【0019】
したがって、サイズ及び材料において超音波に好都合な相互接続が、提供される。言い換えれば、金属化されたキャリアフィルム及び/又はワイヤを有する相互接続は、音響特性のために、センサ素子、例えば超音波トランスデューサ素子の前面を改善し、また、センサ素子の前に必要とされる空間を低減する。
【0020】
従来技術のような、トランスデューサ表面上の追加はんだ付け材料は、はんだ付けされたワイヤを本明細書に記載される相互接続と置き換える場合に回避される。また、相互接続は、より少ない有害な音響的影響を提供するか、又は音圧出力を高めさえする。
【0021】
本明細書に記載されるような相互接続と共に使用されるセンサ素子は、20乃至100ミクロンの整合層厚さを有する。所定の周波数、例えば10乃至45MHzでは、キャリアの厚さは、整合層の一部である、又は全体的にそのままで整合層を形成することができる。
【0022】
一例によれば、金属層は、キャリアフィルムの少なくとも一方の側に設けられる。1ミクロン未満の厚さで提供される金属層、例えばAuをキャリアフィルム上に加えることによって、音響特性に影響を与えないセンサ素子に対する電気接続が、提供される。
【0023】
一例によれば、相互接続は、電気接続を少なくともセンサの裏側に提供するように構成される。これは、より少ない空間が、相互接続が音響特性を維持するのに必要とされるので、センサの減少された寸法を提供する。
【0024】
一例によれば、キャリアフィルムは、センサ素子の表側に配置され、センサ素子の裏側まで側面に巻き付けられるように構成される。このように、キャリアフィルムは、相互接続をセンサ素子の裏側に持っていくようにセンサ素子の周囲に巻き付けることを可能にする。従って、(従来技術のように)センサ素子の表側で電気接続によって生じる減衰は、実質的に減少又は軽減される。電気接続のために相互接続の表側をセンサ素子の裏側に持っていくために、薄い金属化されたキャリアフィルムをセンサ素子の周囲に巻くことは、改善された音響特性を有するセンサを提供する。更に、表及び裏キャリアフィルムの両方が、同じ接続又は同じ結合プロセスによって接続されることができる。 一例によれば、金属化されたキャリアフィルムは、薄膜又は個別のフィルムとして提供される。薄膜は、キャリアフィルムを有し、ここで、金属層及び/又は絶縁体は、スパッタリング又は蒸着によって堆積される。個別のフィルムは、PET(マイラー)又はポリイミド(カプトン)のような有機フィルムを、スパッタリング又は蒸着によって加えられる金属層に対するキャリアとして有する。
【0025】
一例によれば、キャリアフィルムは、表部と、側部と、裏部とを有する。これは、センサ素子における相互接続の配置に対する改善された柔軟性につながる。表部は、センサ素子の前端に配置され、裏部は、センサ素子の裏部に配置される。異なる部分は、厚さ及び/又はサイズが異なることができる。
【0026】
後述される全ての実施形態は、片面金属化フィルム(キャリアフィルム)の使用に基づいている。例では、フィルムが、数ミクロンの厚さを有するPET(マイラー)又はポリプロピレン又はポリイミド(カプトン)を有する。例において、メタライゼーションは、Au、Pt又はAgの薄層である。メタライゼーションの典型的な厚さ(金属層):10から100ナノメートル。金属は、スパッタリング又は蒸着によって加えられる。
【0027】
一例によれば、金属層は、表部及び/又は裏部及び/又はセンサ素子から離れる方を向いている側部に設けられる。
【0028】
一例によれば、キャリアフィルムの裏部は、センサ素子から離れる方を向いている金属層を提供する別個の部分として設けられる。
【0029】
一例によれば、相互接続は、それぞれセンサ素子の表側及び裏側に配置された2つのキャリアフィルムを有する。センサの表側及び裏側を接続する2つのキャリアフィルムは、センサ素子の裏側で同じ結合プロセスでワイヤに接続されることができる。比較試験は、従来技術の装置と比較して、12.5MHz付近の共鳴ピークで約4dBの音響感度改善を示した。
【0030】
一例によれば、ワイヤは、バイファイラワイヤである。両方のキャリアフィルムは、接続面において金属被覆表面、例えばAu被覆表面を提供する。2つのキャリアフィルムにそれぞれ取り付けられた両方のワイヤは、フィルムとの接点にめっき面をも提供する。実施例では、1つのキャリアフィルムが、センサ素子の裏側に配置され、少なくとも部分的に裏側を覆う。バイファイラワイヤと称される2本のワイヤは、2本の銅又は銅合金ワイヤを含む。金属コアは、絶縁され、2本のワイヤは、エポキシと一緒に結合される。ワイヤは、信頼性の高い電気接点を得るために約1ミクロンの金でめっきされる。例では、一方のワイヤは、フィルムキャリアの上部に取り付けられ、他方のワイヤは、センサ素子の金めっき表面に直接接合される。ワイヤ接続部の上部の接着剤(例えば、エポキシ)の液滴は、歪み緩和として作用することができる。
【0031】
一例によれば、センサの表側に配置されたキャリアフィルムは、オプションとして音響整合のために表側に取り付けられることができる。音響整合のために、キャリアフィルムの表部は、側部よりも大きな厚さで設けられる。側部は、センサ素子に沿って曲げるのに適した厚さを有する。表部の厚さは、超音波センサ素子の周波数及びキャリアの材料に基づいて計算されることができる。キャリアの表部の厚さは、最適には所与の周波数における音響波の波長のおよそ奇数倍であるべきである(do Nascimento et.al, Proceedings of the society of photo-optical instrumentation engineers (SPIE),Vol.5035, pp.86-96,2003)。例として、キャリア材料がポリイミドである場合、キャリアの表側の厚さは、トランスデューサの中心周波数12.5MHzに対しては約49ミクロンであるべきであり、中心周波数30MHzに対しては約20ミクロンであり、(4分の1波長に基づく)中心周波数45MHzに対しては約14ミクロンであるべきである。
【0032】
本発明によれば、センサを有する装置も、提供される。装置は、センサを受け入れるためのハウジングを有し、センサの相互接続は、センサのための電気接続を提供する。
【0033】
装置は、血管内ガイドワイヤ、カテーテル、診断及び治療に使用される介入針を含む医療介入装置を有する。装置は、また、中間病変、多血管性又は多病変疾患、及び再狭窄病変を評価する際に使用されるガイドワイヤを有することができる。
【0034】
本発明によれば、また、センサ素子と、相互接続と、金属層とを有するセンサの製造方法が、提供され、この方法は、相互接続に金属層を設けるステップと、相互接続をセンサ素子に配置するステップとを有する。相互接続は、金属層を設けられた少なくとも1つのキャリアフィルム及び/又は金属層を設けられた少なくとも1つのワイヤを有する。相互接続は、センサ素子のための電気接続を提供するように構成される。金属層は、センサ素子での相互接続の取り付けの前にキャリアフィルム上に加えられる。
【0035】
一例によれば、キャリアフィルムは、センサ素子の表側に配置され、センサ素子の裏側まで側面に巻かれる。キャリアフィルムは、可撓性材料を提供し、巻き付けが容易にされるように、少なくともその側部の適切な厚さを提供する。
【0036】
一例によれば、キャリアフィルム及びワイヤは、同じ結合プロセスでセンサ素子に結合される。結合は、非導電性又は導電性エポキシを用いた低温結合として提供される。
【0037】
例では、フィルムキャリアの厚さは、エッジでの曲げ半径によって決定される。フィルムが厚すぎる場合、外側の金属層が、破裂するかもしれない。フィルムが薄すぎる場合、取り扱いが、問題となりえ、すなわち、フィルムの使用は、より多くの注意を必要としうる。数ミクロン、例えば、2乃至7ミクロンが、フィルムキャリアの厚さに最良に適したオプションであることが見出される。
【0038】
言い換えれば、本発明は、センサ素子、例えばトランスデューサのための相互接続を提供する。例えばAuの薄い層(1ミクロン未満)で片側に金属化される、例えば、薄い(6ミクロン)PETフィルムを使用して、圧電トランスデューサの音響特性に有害な影響を及ぼさない、電気接続が、作成されることができる。更に、薄い金属化されたフィルムが、表側相互接続をピエゾ素子の裏側に持っていくように、トランスデューサ素子に巻き付けられることができる。(トランスデューサ素子の裏側に表電極接続を持っていく)フィルムは、超音波トランスデューサ素子の裏側で同じ接合プロセスでワイヤに接続される。
【0039】
本発明による相互接続は、表側及び裏側の電気接続を必要とする他のタイプのセンサ、例えば熱電対、圧力センサに使用されることができる。
【0040】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【0041】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図6A】従来技術の概念に類似するセンサの実施形態を示す。
【
図6B】従来技術の概念に類似するセンサの実施形態を示す。
【
図7A】
図2Aの実施形態によるセンサの製造のためのフローチャートを示す。
【
図7B】
図2Aの実施形態によるセンサの製造のためのフローチャートを示す。
【
図8A】従来技術の概念に類似するセンサの実施形態を示す。
【
図8B】従来技術の概念に類似するセンサの実施形態を示す。
【
図11】ハウジング内のセンサ及びアセンブリを製造するための更なるフローチャートを示す。
【
図12】
図11のキャリアフィルム及びワイヤの接続を示する。
【
図15】センサの製造方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
ここで、特定の実施形態が、添付の図面を参照して、詳細に説明される。以下の説明では、同様の図面参照番号は、異なる図面においても、同様の要素に対して使用される。詳細な構成及び要素のような、本明細書で定義される事項は、例示的な実施形態の包括的な理解を助けるために提供される。また、周知の機能又は構成は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にするので、詳細には説明されない。更に、「のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素のリストに先行する場合、要素のリスト全体を修飾し、リストの個々の要素を修飾しない。
【0044】
図1A/1B、2A/2B、3A/3B、4A/4B、5A/5B、6A/6B、7A/7Bは、センサ1の例示的及び概略的な実施形態を示す。センサ1は、センサ素子5を有する。
図1A乃至
図7Aは、センサ素子5の裏側9を示す。
図1B乃至7Bは、センサ素子5の表側11を示す。 センサ1は、相互接続7を有する。相互接続7は、センサ素子5に配置され、金属層15を各々設けられたキャリアフィルム13及び/又はバックワイヤ17及び/又はフロントワイヤ19を有する。キャリアフィルム13は、表部13Fと、側部13Sと、裏部13Bとを有する。
【0045】
フロント及びバックワイヤ17,19は、ワイヤ17,19の端部が、センサ素子5の裏側9と実質的に平行でかつ上方になるように、曲げを設けられる。相互接続7は、センサ素子5の電気接続を提供する。
【0046】
図において、キャリアフィルム13(又はその表部13F及び裏部13B)は、別段の指定がない限り、非導電性の薄い両面接着剤(図では見えない)で表側11及び裏側9にそれぞれ結合される。
【0047】
図1A/1Bにおいて、金属層15は、センサ素子5に対向するキャリアフィルム13の側に設けられる。絶縁層16は、側部13Sとセンサ素子5との間、及び裏部13Bとセンサ素子5との間に設けられる。キャリアフィルム13の表部13Fは、センサ素子5の表側11に配置される。
【0048】
キャリアフィルム13は、センサ素子5の裏側9まで側面に巻かれる。このように、センサ素子5の表側11に取り付けられた相互接続7は、センサ素子5の裏側9に提供される。
【0049】
フロントワイヤ19は、少なくともワイヤ19がキャリアフィルム13に接触している領域において、Au、Pt、Ag又は他の貴金属を有する金属層15を設けられる。電気接続は、キャリアフィルム13の裏部13Bに取り付けられたフロントワイヤ19によって、及びセンサ素子5の金属めっき面18を提供する裏側9に直接接合されたバックワイヤ17によって提供される。裏側9の金属めっき表面18は、金属層15に関して、Au、Pt又は他の貴金属を有することができる。この電気接続は、センサ素子5の裏側9に設けられる。
【0050】
この実施形態では、金属化されたキャリアフィルム13が、薄膜として提供される。
【0051】
図2A/2Bにおいて、金属層15は、センサ素子5から離れる方を向いているキャリアフィルム13の側に設けられる。この金属層15は、センサ素子5から離れる方を向いている表部13F、側部13S及び裏部13Bに設けられる。
【0052】
キャリアフィルム13の表部13Fは、センサ素子5の表側11に配置される。3つの部分が、センサ素子5にメタライゼーションを提供するセンサ素子5の表側11に設けられ、表部13Fは、電気接続が金属化された表側11と表部13Fとの間に確立されないように、上を向いている金属層15を持つ表側11に結合される。電気接続を行うために、金属化フィルム13Aのシートが、表側11及び表部分13Fに向いている金属層15と結合される。金属化されたフィルム13Aのシートは、表部13Fに部分的に重ね合わせる(金属化されたフィルム13Aのシートは、重ね合わせ領域に対して異なるようにハッチングされる)。
【0053】
キャリアフィルム13は、センサ素子5の裏側9まで側面に巻かれる。このように、センサ素子5の表側11に取り付けられた相互接続7は、センサ素子5の裏側9まで提供される。
【0054】
フロントワイヤ19は、少なくともワイヤ19がキャリアフィルム13の裏部13Bと接触している領域において、Au、Pt、Ag又は他の貴金属を有する金属層15を設けられる。金属層15は、金属化ワイヤ19に面しており、それに取り付けられて電気接続を提供する。バックワイヤ17は、センサ素子5の金属めっき表面18に直接接合される。金属めっき表面18は、金属層15に関して、Au、Pt又は他の貴金属を有することができる。この電気接続は、センサ素子5の裏側9に設けられる。
【0055】
この実施形態では、金属化されたキャリアフィルム13が、別個のフィルムとして提供される。
【0056】
図3A/3Bの実施形態は、別個のフィルムとして提供されるキャリアフィルム13を除いて、
図1A/1Bと同様である。キャリアフィルム13(内側に金属層15を有する)は、センサ素子5の周囲に折り畳まれる。裏側9において、キャリアフィルム13、すなわちキャリアフィルム13の裏部13Bは、金属層15をワイヤ19の方(センサ素子5から離れる方を向いている)に向けるために折り返される。表側11には、キャリアフィルム13の表部13Fが、表側11を部分的に覆って配置される。キャリアフィルム13(表部13F及び裏部13B)は、表側11及び裏側9に、それぞれ非導電性の薄い両面接着剤(図では見えない)で結合される。
【0057】
図4A/4Bでは、キャリアフィルム13として別個のフィルムを有するセンサ1の別の実施形態が、示される。キャリアフィルム13は、センサ素子5に面する金属層15を設けられる。
【0058】
絶縁層16は、裏部13B、側部13S及びセンサ素子5の間に設けられる。キャリアフィルム13の表部13Fは、センサ素子5の表側11に配置される。キャリアフィルム13は、センサ素子5の裏側9まで側面に巻かれる。このように、センサ素子5の表側11に取り付けられた相互接続7は、センサ素子5の裏側9に提供される。
【0059】
フロントワイヤ19は、少なくともワイヤ19がキャリアフィルム13に接触している領域において、Au、Pt、Ag又は他の貴金属を有する金属層15を設けられる。この実施形態では、フロントワイヤ19が、絶縁層16とキャリアフィルム13の裏部13Bとの間に配置される。
【0060】
電気接続は、キャリアフィルム13の裏部13Bに取り付けられたフロントワイヤ19によって、及びセンサ素子5の裏側9の金属めっき表面18に直接接合されたバックワイヤ17によって提供される。裏側9の金属めっき表面18は、金属層15に関して、Au、Pt又は他の貴金属を有することができる。この電気接続は、センサ素子5の裏側9に設けられる。
【0061】
図5A/5Bでは、キャリアフィルム13として別個のフィルムを有するセンサ1の別の実施形態が、示される。キャリアフィルム13は、センサ素子5に面する金属層15を設けられる。
【0062】
キャリアフィルム13の表部13Fは、表側11を部分的に覆うセンサ素子5の表側11に配置される。キャリアフィルム13は、センサ素子5の裏側9まで側面に巻かれる。裏側9は、外側、すなわちセンサ素子5から離れる方を向く金属層15を持つ追加の金属化キャリアフィルム13Cを部分的に設けられる。キャリアフィルム13の裏部13Bは、追加の金属化フィルムキャリア13Cに結合される。フロントワイヤ19も、この金属化フィルムキャリア13C上に結合される。
【0063】
フロントワイヤ19は、少なくともワイヤ19が追加の金属化キャリアフィルム13Cと接触している領域において、Au、Pt、Ag又は他の貴金属を有する金属層15を設けられる。
【0064】
電気接続は、追加の金属化フィルムキャリア13Cに取り付けられたフロントワイヤ19によって、及び金属めっき表面18を設けられたセンサ素子5の裏側9に直接接合されたバックワイヤ17によって提供される。裏側9及び/又は金属めっき面9は、金属層15に関して、Au、Pt又は他の貴金属を有することができる。この電気接続は、センサ素子5の裏側9に設けられる。
【0065】
図6A/6Bでは、ワイヤのみの相互接続7が、示される。相互接続7は、フロントワイヤ19及びバックワイヤ17を有する。両方のワイヤは、少なくともセンサ素子5に対する接続の領域において金属層15を設けられる。
【0066】
この電気接続は、ワイヤ17、19をそれぞれの裏面側9又は表側11に直接接合することによって提供される。
【0067】
図7A、7Bは、センサ1の製造のためのフローチャートを概略的に示す。フローチャートは、センサ素子5に相互接続7を配置するステップを示す。最後のステップ(図の右側)では、ワイヤ17、19が、設けられる。
【0068】
キャリアフィルム13は、金属層15を設けられ、金属層15がセンサ素子5から離れる方を向くように、センサ素子5の側面に取り付けられる。これは、
図7Aに示される。キャリアフィルム13は、センサ素子5に面する側に絶縁材料20を設けられる。
【0069】
左から右に、キャリアフィルム13の巻き付けのための後続のステップが、示される。センサ素子5の側面にキャリアフィルム13を配置した後、裏部13B及び表部13Fは、センサ素子5のそれぞれの裏側9及び表側11に向かって折り返される。裏側9及び表側11は、金属面18を設けられる。
【0070】
表部13Fは、表側11に電気的に接続されていない。電気接続を行うために、センサ素子5に面する金属層15を有する別個フィルム13A(
図2Aも参照、金属化フィルム13Aのシート)が、センサ素子5の表側11に加えられる。別個フィルム13Aの金属層15は、電気接続を提供する。別個フィルム13Aは、表部13Fに部分的に重ね合わせる(別個フィルム13Aが、重ね合わせ領域に対して異なるようにハッチングされる)。
【0071】
次いで、金属化されたフロントワイヤ19は、センサ素子5の裏側9において、キャリアフィルム13、すなわち裏部13Bに接続される。バックワイヤ17は、裏側9に接続される。
【0072】
図8A/8B、9A/9B、10A/10Bは、センサ1の概略的かつ例示的な更なる実施形態を示す。センサ1は、セラミックディスクとして設けられたセンサ素子5を有する。センサ素子5の表側11において、金属めっき表面18は、金属層15に関して、Au、Pt又は他の貴金属を有することができる。
【0073】
図8A/8Bにおいて、センサ素子5は、フロントワイヤ19が貫通するための孔22を設けられる。電気接続は、金属めっき表面18に対する(金属層15を設けられた)金属化されたフロントワイヤ19の取り付けによって、表側11に設けられる。センサ素子5の裏側9において、金属化されたバックワイヤ17は、センサ素子5の表面に接合される。
【0074】
図9A/9Bには、代替実施形態が、示される。ワイヤ17、19は、センサ素子5の裏側9で接続(例えば、超音波接合)され、キャリアフィルム13としての薄膜プロセス(酸化物及び金属層を堆積するような)を介してセンサ素子5の表側11に接続される。非導電性セクション24が、電気絶縁を確立するために設けられる
【0075】
図10A/10Bは、センサ1の更なる実施形態を示し、ここで、ワイヤ17、19は、センサ素子5の裏側9に接続される。キャリアフィルム13としての別個のフィルムは、金属層15を設けられる。キャリアフィルム13は、センサ素子5の側面に巻き付けられる。キャリアフィルムの裏部13Bは、センサ素子5の裏側9において折り返されて、金属層15をバックワイヤ19に向けさせる。
【0076】
図11は、センサ1の製造のための更なるフローチャートを示す。センサ素子5は、裏側9及び表側11を提供する。2つのキャリアフィルム13が、センサ素子5の表側11及び裏側9に取り付けられる。キャリアフィルム13は、両方のキャリアフィルム13がセンサ素子5の裏にあるように、センサ素子5の周囲に接合され、巻き付けられる片面金属化フィルム13(金属層15)である。キャリアフィルム13は、バイファイラワイヤ31、33に接続される。
【0077】
センサ1は、例えばガイドワイヤのハウジング21に受け入れられる。ハウジングは、介入医療装置、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル、針に取り付けられる又は一体化されることができる。
【0078】
図12は、センサ1の相互接続7及び
図11のバイファイラワイヤ31、33の接続を例示的に示す。
【0079】
相互接続7は、2つのキャリアフィルム13を有し、ここで、センサ素子5の表側11に取り付けられたキャリアフィルム13は、センサ素子5の側面に巻き付けられる。センサ素子5の裏側9に取り付けられたキャリアフィルム13は、2つのキャリアフィルム13が互いに面するように折り畳まれる。
【0080】
バイファイラワイヤ31及び33は、両方のキャリアフィルム13及びワイヤ31、33の上のAuめっき表面15に対する圧力下での接合に基づいている。キャリアフィルム13に対するワイヤの容易な接合を可能にするために、ワイヤは、
図13A乃至Cからより明らかであるように、交差する様式で提供される。
【0081】
図13A乃至Cは、
図12のキャリアフィルム13及びワイヤ31、33の接続をより詳細に示す。
図13Aは、キャリアフィルム13及びワイヤ31、33の上面図を示す。ワイヤ31の金属化された端部は、曲げ35を設けられる。
【0082】
図13Bから、他方のワイヤ33の端部も、反対方向の曲げ35を設けられることは明らかである。これは、
図13Cの上面図からも明らかである。
【0083】
図14A/14Bは、より短いセンサアセンブリ長を有することを可能にする、代替実施形態としてのセンサ1の更なる実施形態を示す。
【0084】
センサ素子5は、2つのキャリアフィルム13を有する相互接続7を設けられる。キャリアフィルム13は、一方の側に金属層15を設けられる。接着剤層34は、キャリアフィルム13上に部分的に設けられる。キャリアフィルム13は、その裏側9に電気接続部を有するセンサ1として生じるセンサ素子5の側部(
図14Bからより明らかである)の周りに巻き付けられる又は折りたたまれる。
【0085】
図14Bは、側面図におけるセンサ1のアセンブリを示す。キャリアフィルム13は、接着層34によってセンサ素子5に取り付けられる。
図14Bの下側キャリアフィルム13は、接着層34がフィルムキャリア13及びセンサ素子5を接続するように、センサ素子5に向かって折り畳まれる。他方のキャリアフィルム13、
図14Bの上側フィルム13も、また、下側フィルム13と同じ方向に折り畳まれ、その結果、下側フィルム13の接着剤層34が、上側フィルム13に取り付けられることができる。折りたたみ角は、長方形である。
【0086】
最終的に組み立てられたセンサ1は、接着層34によって互いに取り付けられた2つのキャリアフィルム13を有する相互接続7を提供する。キャリアフィルム13間の接着層34は、センサ素子5の近傍に設けられる。センサ素子5から離れる方を向いているキャリアフィルム13の2つの端部は、センサ1の電気接続のためにワイヤに接続されることができる。
【0087】
図15は、センサ素子5と、相互接続7と、金属層15とを有するセンサ1の製造方法のフローチャートを示す。
【0088】
この方法は、相互接続7に金属層15を設けるステップS1を有し、相互接続7は、金属層15を設けられた少なくとも1つのキャリアフィルム13及び/又は金属層15を設けられた少なくとも1つのワイヤ17、19を有する。
【0089】
相互接続7は、センサ素子5において配置されS2、ここで、相互接続7は、センサ素子5のための電気接続を提供するように構成される。
【0090】
実施形態において、キャリアフィルム13は、センサ素子5の表側11に配置されS3、センサ素子5の裏側9まで側面に巻き付けられるS4。キャリアフィルム13及びワイヤ17、19は、同じ接合プロセスでセンサ素子5に接合されるS5。
【0091】
本発明の実施形態は、それぞれ異なる主題を参照して説明されることに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は,方法タイプの請求項を参照して説明され、他の実施形態は,装置タイプの請求項を参照して説明される。しかしながら、当業者は,上記及び下記の説明から、別段の通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせも、本出願で開示されることを理解するであろう。しかしながら、全ての特徴が、特徴の単純な合計よりも高い相乗効果を提供するように組み合わせられることができる。
【0092】
本発明は、図面及び前述の説明において図示され、詳細に説明されてきたが、このような図示及び説明は、例示的又は典型的であり、限定的ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項の検討から、請求項に記載の発明を実施する際に当業者によって理解され達成されることができる。
【0093】
請求項において、単語「有する」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項において言及されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。