(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置およびその処理プロセス
(51)【国際特許分類】
F23G 5/26 20060101AFI20220627BHJP
F23B 30/02 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
F23G5/26
F23B30/02
(21)【出願番号】P 2022032687
(22)【出願日】2022-03-03
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】202210145426.0
(32)【優先日】2022-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】孔徳洋
(72)【発明者】
【氏名】何健
(72)【発明者】
【氏名】李菊穎
(72)【発明者】
【氏名】余佳
(72)【発明者】
【氏名】豆葉枝
(72)【発明者】
【氏名】曹莉
(72)【発明者】
【氏名】許静
(72)【発明者】
【氏名】張衛東
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-13369(JP,A)
【文献】特開2003-336817(JP,A)
【文献】特開平7-310915(JP,A)
【文献】特開2014-159943(JP,A)
【文献】特許第3094282(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第111992002(CN,A)
【文献】特開2012-81421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 5/00
F23B 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
S101、材料供給
供給管(12)を介して有害廃棄物パッケージをケーシング(1)内に投入し、材料案内コンポーネント(2)上に落下させるステップと、
S102、予熱
材料案内コンポーネント(2)により有害廃棄物パッケージの落下を延長し、燃焼環(6)によりケーシング(1)を加熱して予熱を行い、その後有害廃棄物パッケージが載置板コンポーネント(3)上に落下するステップと、
S103、熱分解焼却
燃焼環(6)により載置板コンポーネント(3)上の有害廃棄物パッケージを熱分解焼却する同時に、伝達コンポーネントにより可動板(32)を前記燃焼支援柱(4)に沿って上下に往復昇降させるように駆動し、有害廃棄物パッケージを攪拌して、焼却物を得るステップと、
S104、焼却物収集
熱分解焼却後の焼却物を収集倉(9)によって収集した後、輸送して梱包するステップと、
を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置を使用して有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理を行うプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害廃棄物処理の技術分野に関し、具体的には有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置およびその処理プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
経済の発展と化学企業の生産量の継続的な増加に伴い、ますます多くの有害廃棄物包装材料が生成され、これらの有害廃棄物パッケージを処理せずに自由に配置すると、周囲の環境にさらに大きな汚染を引き起こしやすくなり、有害廃棄物包装の複雑な汚染源のため、焼却によって生成された廃ガスの効果的な処理を前提として、熱分解焼却は効果的な処理方法であるが、従来の焼却炉は、有害廃棄物の包装を迅速かつ完全に焼却する必要があるため、一方では多量の熱エネルギーを必要とし、他方では長時間の焼却を必要とするため、有害廃棄物包装処理の全体的な処理効率は低く、したがって、上記の技術的問題を解決するために、有害廃棄物パッケージの熱分解および焼却のための処理装置が必要である。
【発明の概要】
【0003】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置およびその処理プロセスを提供する。
本発明の技術的解決策は、以下の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置であり、頂部にケーシングを封止するためのカバーが設けられ、前記カバー上にケーシングに有害廃棄物パッケージを投入するための供給管が設けられ、かつカバー上にケーシングの内部と連通して有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを除塵するためのガス収集倉が設けられるケーシングと、
中心板と前記中心板の下方にある環状板を含み、かつ中心板が複数組の支持ロッドを介して環状板に接続される、ケーシング内の上部に配置され有害廃棄物パッケージの落下時間を延長するための材料案内コンポーネントと、
底板と前記底板の上方にある可動板を含む、ケーシング内の下部に配置され有害廃棄物パッケージを載置するための載置板コンポーネントと、
外側壁上にシュートが設けられ、前記シュートはらせん溝およびらせん溝の頂部と底部を接続するための垂直溝を含み、燃焼支援柱の底部が支持環を介してケーシングの内壁に接続され、前記底板がケーシングの内壁に接続され、かつ底板の貫通穴が燃焼支援柱に接続され、前記可動板の貫通穴に前記シュートに沿って摺動可能なガイドブロックが設けられる、載置板コンポーネントの中心軸線を貫通して前記可動板を上下に往復昇降させるための燃焼支援柱と、
複数組のノズルが設けられ、支持環の上方に配置されて支持環に接続され、パイプを介してケーシングを貫通しガスタンクに接続される、載置板コンポーネントの下方に配置され有害廃棄物パッケージを熱分解焼却するための燃焼環と、
有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを使用して可動板を駆動し、前記可動板上に複数組のスライドブロックが設けられ、各組の前記スライドブロックがスライドブロックに摺動可能に接続された帯状溝を介して伝達コンポーネントに接続され、前記帯状溝によってスライドブロックが帯状溝の溝内に上下に摺動可能である、ケーシング内の中部に配置され前記可動板を前記燃焼支援柱に沿って上下に往復昇降させるように駆動するための伝達コンポーネントと、を含む。
【0004】
本発明の一側面によれば、前記伝達コンポーネントは複合動力伝達部材であり、前記複合動力伝達部材はかさ歯車リング、かさ歯車および空気圧倉を含み、複数組の前記帯状溝はいずれもかさ歯車リングの底面に接続され、
前記空気圧倉の内部チャンバー内にエアホイールが設けられ、前記エアホイールはシャフトロッドを介して前記ケーシングを貫通して前記かさ歯車に接続され、空気圧倉の頂部に第1の傾斜穴が設けられ、前記第1の傾斜穴はパイプを介してガス収集倉のエアポンプの出力ポートに接続され、空気圧倉の底部に排気処理機器に接続された排気管が設けられ、前記空気圧倉がケーシングの外側壁に接続され、前記かさ歯車リングはケーシング内壁上に設けられた複数組の円弧状係合ブロックを介してケーシングに摺動可能に係合され、
上記複合動力伝達部材はガス収集倉によって収集された有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを効果的に利用して前記可動板を駆動し、かさ歯車リングがかさ歯車に噛合って持続的に回転し、さらにかさ歯車リングの回転により各帯状溝を同期に回転させ、また燃焼支援柱の協力により可動板を上下に往復昇降させて、有害廃棄物パッケージを繰り返して攪拌し、有害廃棄物パッケージを十分に焼却して熱分解焼却効率を向上させることができる。
【0005】
本発明の別の側面によれば、前記伝達コンポーネントは空気動力伝達部材であり、前記空気動力伝達部材は、エアリング、およびエアリングスリーブを含み、複数組の前記帯状溝はいずれもエアリングの底面に接続され、前記エアリングはエアリングスリーブの内部チャンバーに配置されてエアリングスリーブに摺動可能に接続され、
前記エアリングスリーブの側壁にエアポートが設けられ、前記エアポートは、エアインレットとエアアウトレットを含み、前記エアインレットはエアインレットヘッドを介してガス収集倉のエアポンプの出力ポートにパイプで接続され、前記ケーシングの外側壁のエアリングスリーブに対応する位置にガス処理環状倉が設けられ、前記ガス処理環状倉はインタフェースを介してケーシングを貫通して前記エアアウトレットに接続され、
前記エアリングスリーブはケーシングの内壁に封止可能に接続され、かつエアリングスリーブの底部に帯状溝が移動するための環状案内溝が設けられ、前記エアインレットに対応するエアリングの側壁上に複数組のエアガイド溝が設けられ、前記エアインレットヘッド上に第2の傾斜穴が設けられ、前記第2の傾斜穴はパイプを介してガス収集倉のエアポンプの出力ポートに接続され、
上記空気動力伝達部材はガス収集倉によって収集された有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを効果的に利用して前記可動板を駆動し、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを通しエアリングを持続的に回転させ、エアリングの回転により各帯状溝を同期に回転させ、さらに燃焼支援柱の協力により可動板を上下に往復昇降させ、有害廃棄物パッケージを繰り返して攪拌し、有害廃棄物パッケージを十分に焼却して熱分解焼却効率を向上させる同時に、エアアウトレットとガス処理環状倉のインタフェースとの連通により、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスをガス処理環状倉に進入させて浄化処理を行い、排気処理機器により有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを浄化処理する必要がなく、装置全体の設置空間が大幅に増えるすることがない。
【0006】
本発明の一側面によれば、前記材料案内コンポーネントの環状板上に複数組のリフトプレートが周方向に取り囲んで配置され、前記リフトプレート上に密に分布したメッシュ穴が設けられ、リフトプレートの内環縁に近い箇所が環状板に回転軸を介して回転可能に接続され、かつ各組のリフトプレートの外環縁に近い箇所に気圧に応じてリフトプレートの昇降を制御するための空気圧制御柱が設けられ、
前記空気圧制御柱は、管体および前記管体の内部チャンバーに上下に摺動可能なピストンを含み、前記ピストンはピストンロッドを介して管体を貫通してリフトプレートに摺動可能に接触し、前記ピストンの底部にカウンターウェイトが設けられ、管体の上部側壁に複数の排気圧力逃がし用の排気穴が設けられ、管体の底部に湾曲管が設けられ、前記湾曲管を介してケーシングを貫通して環状空気倉に接続され、
上記リフトプレートの設置により環状板上の有害廃棄物パッケージの蓄積を効果的に防ぎ、空気圧制御柱によりリフトプレートの断続的なリフトを制御し、空気圧制御柱は空気注入または有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを動力源とし、エアポンプなどの空気供給装置により環状空気倉に持続的に空気を供給し、管体内のピストンの上向き移動による臨界圧力値によりリフトプレートを上向きに押し、その後排気穴から圧力を臨界圧力値以下まで低下させ、次に重力作用下でリフトプレートが再び落下し、空気圧制御柱の繰り返し操作によりリフトプレートの断続的なリフト制御を実現する。
【0007】
本発明の一側面によれば、前記燃焼支援柱の内部が中空であり、燃焼支援柱の側壁に複数組の空気分配穴が設けられ、燃焼支援柱の底部がパイプを介して支持環、ケーシングを順次貫通してガス供給タンクに接続され、燃焼支援柱によりガス供給タンクから供給された空気を分配して、可動板により有害廃棄物パッケージと空気を十分に攪拌して混合し、有害廃棄物パッケージを十分に焼却することができ、
前記中心板、環状板、底板および可動板上にいずれも密に分布したメッシュ穴が設けられ、有害廃棄物パッケージを十分に予熱および熱分解焼却でき、かつ底板および可動板のメッシュ穴により熱分解焼却された有害廃棄物パッケージをふるい分けて濾過することもでき、
前記中心板の中央が高く周辺が低く、前記環状板の外縁が内縁よりも高く、中心板の上記構造により、有害廃棄物パッケージを環状板の周辺に均一に落下させ、環状板の上記構造により、有害廃棄物パッケージを外縁から内縁まで摺動させて載置板コンポーネント上に落下させ、材料案内コンポーネントの設置は、有害廃棄物パッケージを載置板コンポーネント上に直接導入することよりも、有害廃棄物パッケージの落下時間を延長でき、有害廃棄物パッケージを十分に予熱するだけでなく、載置板コンポーネント上の有害廃棄物パッケージの多量の蓄積により有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却が十分であるか、または載置板コンポーネントの作業負荷の過大により伝達コンポーネントの駆動に悪影響を及ぼすのを回避することもでき、
前記ケーシングの底部に熱分解焼却後の焼却物を収集するための収集倉が設けられ、かつ収集倉の側壁に封止倉扉が設けられる。
【0008】
本発明の別の側面によれば、本発明は、上記装置を使用して有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理を行うプロセスをさらに提供し、このプロセスは、
S101、材料供給
供給管を介して有害廃棄物パッケージをケーシング内に投入し、材料案内コンポーネント上に落下させるステップと、
S102、予熱
材料案内コンポーネントにより有害廃棄物パッケージの落下を延長し、燃焼環によりケーシングを加熱して予熱を行い、その後有害廃棄物パッケージが載置板コンポーネント上に落下するステップと、
S103、熱分解焼却
燃焼環により載置板コンポーネント上の有害廃棄物パッケージを熱分解焼却する同時に、伝達コンポーネントにより可動板を前記燃焼支援柱に沿って上下に往復昇降させるように駆動し、有害廃棄物パッケージを攪拌して、焼却物を得るステップと、
S104、焼却物収集
熱分解焼却後の焼却物を収集倉によって収集した後、輸送して梱包するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以下の有益な効果を有する。
(1)本発明の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置は、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却効率が高く、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置の駆動に必要なエネルギー消費が低く、設置面積が小さく、便利に使用できる。
(2)本発明の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置は、材料案内コンポーネントにより有害廃棄物パッケージの落下時間を延長し、載置板コンポーネント上の有害廃棄物パッケージの多量蓄積を効果的に防ぎ、かつ材料案内コンポーネント上で有害廃棄物パッケージを予熱して、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却効率を効果的に向上させることができる。
(3)本発明の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置は、載置コンポーネントにより有害廃棄物パッケージを繰り返して攪拌し、有害廃棄物パッケージの多量蓄積による熱分解焼却の不十分を回避し、有害廃棄物パッケージを十分に焼却して熱分解焼却効率を向上させる。
(4)本発明の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置は、提供される伝達コンポーネントにより、ガス収集倉によって収集された有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを効果的に利用して前記可動板を駆動し、載置コンポーネントの運転に必要な駆動力要件を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の実施例1の装置の内部構造の概略図である。
【
図4】本発明の実施例2の装置の内部構造の概略図である。
【
図6】本発明の実施例3の装置の内部構造の概略図である。
【
図8】本発明の実施例4の装置の内部構造の概略図である。
【
図10】本発明の燃焼支援柱および支持環組立構造の概略図である。
【
図11】本発明の載置板コンポーネント構造の概略図である。
【
図12】本発明の実施例1と実施例3の材料案内コンポーネント構造の概略図である。
【
図13】本発明の実施例1と実施例3の複合動力伝達部材と載置板コンポーネント組立構造の概略図である。
【
図14】本発明の実施例1と実施例3の複合動力伝達部材構造の概略図である。
【
図15】本発明の実施例1と実施例3の空気圧倉内部構造の概略図である。
【
図16】本発明の実施例2と実施例4の材料案内コンポーネント構造の概略図である。
【
図17】本発明の実施例2と実施例4の空気圧制御柱内部構造の概略図である。
【
図18】本発明の実施例2と実施例4の空気動力伝達部材と載置板コンポーネント組立構造の概略図である。
【
図19】本発明の実施例2と実施例4の空気動力伝達部材構造の概略図である。
【
図20】本発明の実施例2と実施例4のエアリング構造の概略図である。
【
図21】本発明の実施例2と実施例4のエアリングスリーブ構造の概略図である。
【0011】
[符号の説明]
1 ケーシング
11 カバー
12 供給管
13 ガス収集倉
14 エアポンプ
2 材料案内コンポーネント
21 中心板
22 環状板
23 リフトプレート
24 回転軸
25 空気圧制御柱
251 管体
252 ピストン
253 ピストンロッド
254 排気穴
255 湾曲管
26 環状空気倉
3 載置板コンポーネント
31 底板
32 可動板
33 ガイドブロック
34 帯状溝
35 スライドブロック
4 燃焼支援柱
41 シュート
411 らせん溝
412 垂直溝
42 空気分配穴
5 支持環
6 燃焼環
61 ノズル
7 複合動力伝達部材
71 かさ歯車リング
72 かさ歯車
73 空気圧倉
731 第1の傾斜穴
74 エアホイール
75 シャフトロッド
76 排気管
77 円弧状係合ブロック
8 空気動力伝達部材
81 エアリング
811 エアガイド溝
82 エアリングスリーブ
821 環状案内溝
83 エアインレット
84 エアアウトレット
85 エアインレットヘッド
851 第2の傾斜穴
86 ガス処理環状倉
9 収集倉
91 封止倉扉
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の利点をよりよく反映するために、具体的な実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
図1および2に示すように、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置は、頂部にケーシング1を封止するためのカバー11が設けられ、カバー11上にケーシング1に有害廃棄物パッケージを投入するための供給管12が設けられ、かつカバー11上にケーシング1の内部と連通して有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを除塵するためのガス収集倉13が設けられるケーシング1と、ケーシング1の底部に熱分解焼却後の焼却物を収集するための収集倉9が設けられ、収集倉9の側壁に封止倉扉91が設けられ、
図2、12に示すように、中心板21と中心板21の下方にある環状板22を含み、かつ中心板21が3組の支持ロッドを介して環状板22に接続される、ケーシング1内の上部に配置され有害廃棄物パッケージの落下時間を延長するための材料案内コンポーネント2と、中心板21の中央が高く周辺が低く、環状板22の外縁が内縁よりも高く、中心板21の上記構造により、有害廃棄物パッケージを環状板22の周辺に均一に落下させ、環状板22の上記構造により、有害廃棄物パッケージを外縁から内縁まで摺動させて載置板コンポーネント3上に落下させ、材料案内コンポーネント2の設置は、有害廃棄物パッケージを載置板コンポーネント3上に直接導入することよりも、有害廃棄物パッケージの落下時間を延長でき、有害廃棄物パッケージを十分に予熱するだけでなく、載置板コンポーネント3上の有害廃棄物パッケージの多量の蓄積により有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却が十分であるか、または載置板コンポーネント3の作業負荷の過大により伝達コンポーネントの駆動に悪影響を及ぼすのを回避することもでき、
図2、11に示すように、底板31と底板31の上方にある可動板32を含む、ケーシング1内の下部に配置され有害廃棄物パッケージを載置するための載置板コンポーネント3と、可動板32は4組の扇形板を60°間隔を空けて接続することによって形成され、
図2、10、13に示すように、外側壁上にシュート41が設けられ、シュート41はらせん溝411およびらせん溝411の頂部と底部を接続するための垂直溝412を含み、燃焼支援柱4の底部が支持環5を介してケーシング1の内壁に接続され、底板31がケーシング1の内壁に接続され、かつ底板31の貫通穴が燃焼支援柱4に接続され、可動板32の貫通穴にシュート41に沿って摺動可能なガイドブロック33が設けられる、載置板コンポーネント3の中心軸線を貫通して可動板32を上下に往復昇降させるための燃焼支援柱4と、燃焼支援柱4の内部が中空であり、燃焼支援柱4の側壁に燃焼支援柱4の周りに複数組の空気分配穴42が設けられ、燃焼支援柱4の底部がパイプを介して支持環5、ケーシング1を順次貫通してガス供給タンクに接続され、燃焼支援柱4によりガス供給タンクから供給された空気を分配して、可動板32により有害廃棄物パッケージと空気を十分に攪拌して混合し、有害廃棄物パッケージを十分に焼却することができ、
図2、9に示すように、複数組のノズル61が設けられ、支持環5の上方に配置されて支持環5に接続され、パイプを介してケーシング1を貫通しガスタンクに接続される、載置板コンポーネント3の下方に配置され有害廃棄物パッケージを熱分解焼却するための燃焼環6と、
図2、13に示すように、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを使用して可動板32を駆動し、可動板32上に4組のスライドブロック35が設けられ、各組のスライドブロック35がスライドブロック35に摺動可能に接続された帯状溝34を介して伝達コンポーネントに接続され、帯状溝34によってスライドブロック35が帯状溝34の溝内に上下に摺動可能である、ケーシング1内の中部に配置され可動板32を燃焼支援柱4に沿って上下に往復昇降させるように駆動するための伝達コンポーネントと、を含む。
図14、15に示すように、伝達コンポーネントは複合動力伝達部材7であり、複合動力伝達部材7はかさ歯車リング71、かさ歯車72および空気圧倉73を含み、4組の帯状溝34はいずれもかさ歯車リング71の底面に接続され、空気圧倉73の内部チャンバー内にエアホイール74が設けられ、エアホイール74はシャフトロッド75を介してケーシング1を貫通してかさ歯車72に接続され、空気圧倉73の頂部に第1の傾斜穴731が設けられ、第1の傾斜穴731はパイプを介してガス収集倉13のエアポンプ14の出力ポートに接続され、空気圧倉73の底部に排気処理機器に接続された排気管76が設けられ、空気圧倉73がケーシング1の外側壁に接続され、かさ歯車リング71はケーシング1内壁上に設けられた複数組の円弧状係合ブロック77を介してケーシング1に摺動可能に係合され、上記複合動力伝達部材7はガス収集倉13によって収集された有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを効果的に利用して可動板32を駆動し、かさ歯車リング71がかさ歯車72に噛合って持続的に回転し、さらにかさ歯車リング71の回転により各帯状溝34を同期に回転させ、また燃焼支援柱4の協力により可動板32を上下に往復昇降させて、有害廃棄物パッケージを繰り返して攪拌し、有害廃棄物パッケージを十分に焼却して熱分解焼却効率を向上させることができる。
図2に示すように、中心板21、環状板22、底板31および可動板32上にいずれも密に分布したメッシュ穴が設けられ、有害廃棄物パッケージを十分に予熱および熱分解焼却でき、かつ底板31および可動板32のメッシュ穴により熱分解焼却された有害廃棄物パッケージをふるい分けて濾過することもでき。
【0013】
実施例2
本実施例は以下の点を除いて実施例1と基本的に同じであり、
図3、4、16に示すように、材料案内コンポーネント2の環状板22上に複数組のリフトプレート23が周方向に取り囲んで配置され、リフトプレート23上に密に分布したメッシュ穴が設けられ、リフトプレート23の内環縁に近い箇所が環状板22に回転軸24を介して回転可能に接続され、かつ各組のリフトプレート23の外環縁に近い箇所に気圧に応じてリフトプレート23の昇降を制御するための空気圧制御柱25が設けられ、
図16、17に示すように、空気圧制御柱25は、管体251および管体251の内部チャンバーに上下に摺動可能なピストン252を含み、ピストン252はピストンロッド253を介して管体251を貫通してリフトプレート23に摺動可能に接触し、ピストン252の底部にカウンターウェイトが設けられ、管体251の上部側壁に3つの排気圧力逃がし用の排気穴254が設けられ、管体251の底部に湾曲管255が設けられ、湾曲管255を介してケーシング1を貫通して環状空気倉26に接続され、環状空気倉26はガス供給タンクと連通し、ガス供給タンクおよびブースターポンプを介して環状空気倉26内に空気を供給し、上記リフトプレート23の設置により環状板22上の有害廃棄物パッケージの蓄積を効果的に防ぎ、空気圧制御柱25によりリフトプレート23の断続的なリフト制御を実現し、
上記材料案内コンポーネント2の作業原理は以下の通りである。空気圧制御柱25は空気注入または有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを動力源とし、ブースターポンプにより環状空気倉26に持続的に空気を供給し、管体内251のピストン252の上向き移動による臨界圧力値によりリフトプレート23を上向きに押し、その後排気穴254から圧力を臨界圧力値以下まで低下させ、次にリフトプレート23およびピストン252の重力作用下でリフトプレート23が再び落下し、空気圧制御柱25の繰り返し操作によりリフトプレート23の断続的なリフト制御を実現する。
【0014】
実施例3
本実施例は以下の点を除いて実施例1と基本的に同じであり、伝達コンポーネントは空気動力伝達部材8であり、空気動力伝達部材8は、エアリング81、およびエアリングスリーブ82を含み、4組の帯状溝34はいずれもエアリング81の底面に接続され、エアリング81はエアリングスリーブ82の内部チャンバーに配置されてエアリングスリーブ82に摺動可能に接続され、
図19、21に示すように、エアリングスリーブ82の側壁にエアポートが設けられ、エアポートは、エアインレット83とエアアウトレット84を含み、エアインレット83はエアインレットヘッド85を介してガス収集倉13のエアポンプ14の出力ポートにパイプで接続され、ケーシング1の外側壁のエアリングスリーブ82に対応する位置にガス処理環状倉86が設けられ、ガス処理環状倉86はインタフェースを介してケーシング1を貫通してエアアウトレット84に接続され、
図20、21に示すように、エアリングスリーブ82はケーシング1の内壁に封止可能に接続され、かつエアリングスリーブ82の底部に帯状溝34が移動するための環状案内溝821が設けられ、エアインレット83に対応するエアリング81の側壁上に複数組のエアガイド溝811が設けられ、エアインレットヘッド85上に第2の傾斜穴851が設けられ、第2の傾斜穴851はパイプを介してガス収集倉13のエアポンプ14の出力ポートに接続され、
上記空気動力伝達部材8はガス収集倉13によって収集された有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを効果的に利用して可動板32を駆動し、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを通しエアリング81を持続的に回転させ、エアリング81の回転により各帯状溝34を同期に回転させ、さらに燃焼支援柱4の協力により可動板32を上下に往復昇降させ、有害廃棄物パッケージを繰り返して攪拌し、有害廃棄物パッケージを十分に焼却して熱分解焼却効率を向上させる同時に、エアアウトレット84とガス処理環状倉86のインタフェースとの連通により、有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスをガス処理環状倉86に進入させて浄化処理を行い、排気処理機器により有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを浄化処理する必要がなく、装置全体の設置空間が大幅に増えるすることがない。
上記空気動力伝達部材8は以下のように可動板32を駆動する。空気動力伝達部材8は以下の点を除いて複合動力伝達部材7の駆動方法と基本的に同じであり、エアポンプ14によりガス収集倉13内の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスをパイプにポンプで送り、パイプを介してエアインレット85に輸送し、エアインレットヘッド85の第2の傾斜穴851から有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスをエアリング81のエアガイド溝811に斜めに注入しエアリング81を押し、エアリング81の回転により、帯状溝34を回転させて各帯状溝34を介して可動板32を回転させ、
同時に、エアインレットヘッド85から有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスが持続的に注入され、エアリング81の回転に従って、インタフェースを介してガス処理環状倉86内に進入し、ガス環状処理倉86内に充填された活性炭により浄化処理を行い、その後ガス環状処理倉86により浄化後の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを外部に排出する。
【0015】
実施例4
本実施例は以下の点を除いて実施例2と基本的に同じであり、
図7および8に示すように、伝達コンポーネントは空気動力伝達部材である。
【0016】
実施例5
本実施例は以下の点を除いて実施例2と基本的に同じであり、環状空気倉26がガス収集倉13と連通し、ガス収集倉13およびブースターポンプにより環状空気倉26内に有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを供給する。
【0017】
実施例6
本実施例では実施例1の装置を使用して有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理を行うプロセスが記載され、このプロセスは、
S101、材料供給
供給管12を介して有害廃棄物パッケージをケーシング1内に投入し、材料案内コンポーネント2上に落下させるステップと、
S102、予熱
材料案内コンポーネント2により有害廃棄物パッケージの落下を延長し、燃焼環6によりケーシング1を加熱して予熱を行い、その後有害廃棄物パッケージが載置板コンポーネント3上に落下するステップと、
S103、熱分解焼却
燃焼環6により載置板コンポーネント3上の有害廃棄物パッケージを熱分解焼却する同時に、伝達コンポーネントにより可動板32を燃焼支援柱4に沿って上下に往復昇降させるように駆動し、有害廃棄物パッケージを攪拌して、焼却物を得るステップと、
具体的に、上記複合動力伝達部材7は以下のように可動板32を駆動する。エアポンプ14によりガス収集倉13内の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスをパイプにポンプで送り、パイプを介して空気圧倉73に輸送し、空気圧倉73の第1の傾斜穴731から有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスを空気圧倉73内に斜めに注入してエアホイール74を押し、エアホイール74の回転により、シャフトロッド75によって接続されたかさ歯車72を回転させ、かさ歯車72とかさ歯車リング71の噛合い作用によりかさ歯車リング71を回転させ、帯状溝34を回転させて各帯状溝34により可動板32を回転させ、
可動板32が回転するとガイドブロック33を通じてシュート41のらせん溝411に沿って上向に上昇しながら回転し、360°回転するとらせん溝411の頂部に達し、次にガイドブロック33は可動板32の重力作用下で垂直溝412を通じてらせん溝411の底部に落下し、この間スライドブロック35は帯状溝34内で上下に摺動してストロークを補償し、帯状溝34と協力して可動板32に回転駆動力を提供し、
同時に、ガス収集倉13内の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却によって生成されたガスが複合動力伝達部材7の駆動を維持するのに十分ではない場合、ガス収集倉13の頂部に一方向バルブを設けてガス収集倉13内に空気を補償してもよく、
S104、焼却物収集
熱分解焼却後の焼却物を収集倉9によって収集した後、輸送して梱包するステップと、を含む。
【0018】
応用例
現在、この都市のある処理場の有害廃棄物パッケージを使用して有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理実験を行い、華瑞科技HR-Y医療廃棄物焼却炉を対照例とし、実施例1の装置を実験例として同じ重量の有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理を行い、
対照例および実験例により、いずれも1tの有害廃棄物パッケージを処理し、有害廃棄物パッケージの種類や焼却エネルギー供給が同じであることが保証され、
比較によると、対照例よりも、実験例では1tの有害廃棄物パッケージを処理した熱分解焼却処理時間が21%短縮し、材料案内コンポーネント2、載置板コンポーネント3などのコンポーネント間の協力により、有害廃棄物パッケージの熱分解焼却効率を効果的に向上させ、有害廃棄物パッケージを効率的に処理することができる。
【要約】 (修正有)
【課題】熱分解焼却効率が高く、設置面積が小さく、エネルギー消費が低く便利に使用できる有害廃棄物パッケージ用の熱分解焼却処理装置およびその処理プロセスを開示する。
【解決手段】熱分解焼却処理装置は、ケーシング、ケーシング内の上部に配置された材料案内コンポーネント、ケーシング内の下部に配置された載置板コンポーネント、載置板コンポーネントの中心軸線を貫通する燃焼支援柱、載置板コンポーネントの下方に配置されて複数組のノズルが設けられた燃焼環、およびケーシング内の中部に配置され可動板を燃焼支援柱に沿って上下に往復昇降させるように駆動する伝達コンポーネントを含む。
【選択図】
図2