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  • 特許-車輌にハブカバーを取付ける構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】車輌にハブカバーを取付ける構造
(51)【国際特許分類】
   B60B 7/06 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
B60B7/06 S
B60B7/06 Q
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018229810
(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公開番号】P2020090238
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-10-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 特許出願にかかる「ハブカバー」を、株式会社 トーカイデザインが、平成30年10月2日付けで、インターネットショッピングサイトWowma!に公開した。また、平成30年10月18日付けで、インターネットオークションサイトヤフオク!に出品した。
(73)【特許権者】
【識別番号】391029233
【氏名又は名称】株式会社トーカイデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】原田 邦禎
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】実開平3-1802(JP,U)
【文献】実公昭29-7319(JP,Y1)
【文献】特開2007-30821(JP,A)
【文献】特開2018-105392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 7/00 - 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾部と、この装飾部に繋がる環状でなる被嵌部と、この被嵌部にタッピングした(座着した)複数本の取付け具を備えたハブカバーを、両端部にスプライン山・溝を備えてなる車軸(ハブカバーキャップを含む)に設けたハブへの取付けを意図する車輌にハブカバーを取付ける構造であって、
このハブカバーを、前記車軸に取付け時に、前記被嵌部に座着した前記複数本の取付け具を、前記スプライン溝と前記ハブでなる隅部に、それぞれ位置する構成とした車輌にハブカバーを取付ける構造。
【請求項2】
前記ハブカバーは、樹脂製であって、前記被嵌部には、前記取付け具用のタップ表記が示されている構成とした請求項1に記載の車輌にハブカバーを取付ける構造。
【請求項3】
前記車軸は、後輪側車軸でなる構成とした請求項1に記載の車輌にハブカバーを取付ける構造。
【請求項4】
前記隅部は、前記スプライン溝の端部と、前記ハブの内面壁でなる空間とする構成とした請求項1に記載の車輌にハブカバーを取付ける構造。
【請求項5】
前記取付け具の周辺の一部は、前記隅部を構成する内面壁に添設係止される構成とした請求項1、又は請求項4に記載の車輌にハブカバーを取付ける構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌の装飾を意図する、車輌にハブカバーを取付ける構造に関する。
【背景技術】
【0002】
云うまでもなく、車輌を装飾する際には、例えば、人の好み、価格、又は安全性等の考えから、いろいろの箇所がある。その中でも、簡易で、かつ低コストと考えられる品物、及び部位としては、本発明が意図する車軸に取付けるハブカバーがある。従って、この種のハブカバー取付け構造に関しては、種々の構造が提案されている。例えば、ホイールキャップを、ハブに取付ける手段として、ホイールキャップに係止突起と位置決めリブを形成し、ホイールハブの係止用周溝に取付ける構造である(特開2001-71703号公報の発明)。この文献(1)の発明は、ホイールキャップの取付けであり、品物が異なることと、取付けに採用する構造(手段)では、安定性、及び/又は、構造に問題がある。同様の発明として、ホイールハブの周溝と、その開口上面に、ホイールキャップの周辺突起と位置決めリブを嵌合圧接する構造である(特開2001-71705号公報の発明)。この文献(2)の発明は、前記文献(1)の発明と同じ考えであり、同様な問題を抱えている。他には、ホイールに備えたホイールハブの先を設けた構造である(実開平3-1802号公報の考案)。この文献(3)の考案は、ハブカバーキャップのホイールハブへの被嵌と、その回転を利用して、凹凸嵌合係止で固定する。従って、文献(1)、(2)と同様、品物が異なることと、同様な問題を抱えている。
【文献】特開2001-71703号公報
【文献】特開2001-71705号公報
【文献】実開平3-1802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の如く、文献(1)~(3)と、本発明は、ともに車輌の回転箇所に採用される部品(物品)の係止、及び/又は、固定であり、共通する構造は有りえる。しかしながら、物品(その素材も関係する)が異なれば、係止、及び/又は、固定に関して、必要とする、係止に要する強度とか、構造等に関して、違いがある。例えば、1. 従来構造のハブとか、又は同様にハブカバーキャップ等の取付け部材に、変更を加えることなく、取付け、及び/又は、取外しできることが可能であるか、2. 二点(二箇所)に係止が可能となり、回転等に起因して、走行中に外れるか、否かの検証、又は、3. 従来の構造とか、その部品の機能を害することなく、かつ有効利用して、取付けできるか否か、等を検討した際に、従来技術では、それぞれ困難性が考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前記の1.~3.を達成するに最適な、車輌にハブカバーを取付ける構造を提供することを意図する。その為に、請求項1-5を提案する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明は、装飾部と、装飾部に繋がる環状でなる被嵌部と、被嵌部にタッピングした(座着した)複数本の取付け具を備えたハブカバーを、両端部にスプライン山・溝を備えてなる車軸(ハブカバーキャップを含む)に設けたハブへの取付けを意図する車輌にハブカバーを取付ける構造であって、
ハブカバーを、車軸に取付け時に、被嵌部に座着した複数本の取付け具を、スプライン溝とハブでなる隅部に、それぞれ位置する構成とした車輌にハブカバーを取付ける構造である。
【0006】
これにより、請求項1は、前記1.~3.を達成するに最適な、車輌にハブカバーを取付ける構造を提供できる。
【0007】
請求項2の発明は、ハブカバーは、樹脂製であって、被嵌部には、取付け具用のタップ表記が示されている構成とした車輌にハブカバーを取付ける構造である。
【0008】
これにより、請求項2は、請求項1の特徴達成と、この特徴達成のためのハブカバーの素材の開示ができる。
【0009】
請求項3の発明は、車軸は、後輪側車軸でなる構成とした車輌にハブカバーを取付ける構造である。
【0010】
これにより、請求項3は、請求項1の特徴達成と、この特徴達成のために、車軸を、後輪側車軸に決め得る構造を提供できる。
【0011】
請求項4の発明は、隅部は、スプライン溝の端部と、ハブの内面壁でなる空間とする構成とした車輌にハブカバーを取付ける構造である。
【0012】
これにより、請求項4は、請求項1の特徴達成と、この特徴達成のためのハブカバーキャップの、差込みと、添設係止の支持構造を提供できる。
【0013】
請求項5の発明は、取付け具の周辺の一部は、隅部を構成する内面壁に添設係止される構成とした車輌にハブカバーを取付ける構造である。
【0014】
これにより、請求項5は、請求項1・4の特徴達成と、この特徴達成のための取付け具と、内面壁の構造を開示ができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のハブカバーを取付けた車輌の一例を示した縮尺模式図
図2】ハブカバーの全体であって、座着した取付け具を備えた状態の縮尺図
図3】車軸にハブカバーを取付けた状態の拡大断面図
図4】ハブカバーを、後輪側の車軸に被嵌、かつ取付ける前の状態を示した拡大正面図
図5】ハブカバーを、後輪側の車軸に被嵌、かつ取付けた後の状態を示した拡大正面図
図6】ハブカバーキャップに、本発明のハブカバーを取付ける前の状態の一例を示した縮尺模式図
図7】ハブカバーキャップに、本発明のハブカバーを取付けた状態の一例を示した縮尺模式図
図8】ハブカバーキャップにハブカバーを取付けた状態の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい、一例を示した図面に基づいて、順次、説明する。
【0017】
ハブカバー1は、図2図4に示されており、平板形状の装飾部100と、この装飾部100の円周面100aに繋がる環状でなる被嵌部101と、で構成されたており、望ましくは、木型成形機で形成する。この一例では、装飾部100は、平板部100bと、この平板部100bより膨出した星部100cで構成されている(一例であり限定されない)。
【0018】
このハブカバー1の被嵌部101には、後述する車軸に取付けの際に、必要となる、タッピングした(座着した)複数本の取付け具2を備える。この取付け具2は、被嵌部101に設けたタップ表記102を目印として、座着されている(図4参照)。
【0019】
また、このハブカバー1の被嵌部101は、例えば、後輪側の車軸10か、又は、例えば、後輪側の車軸10に設けた(被嵌した)したハブカバーキャップ20に取付けられる。例えば、図3図5に示した一例では、車軸10に取付ける。この一例では、車軸10の先端周面に、複数のスプライン山10aと、複数のスプライン溝10bが設けられており、複数のスプライン山10aに、それぞれ螺着した止め具11を利用して、車軸10の先端端面10cにハブ12が取付けられる(以下、一本の説明とする)。ハブ12取付け時には、スプライン溝10bのハブ12側端面は、ハブ12の内面壁12aで閉鎖される。そして、この一例では、スプライン溝10bと、ハブ12の内面壁12aを利用して、ハブカバー1を取付ける。例えば、ハブカバー1の被嵌部101のタップ表記102を目印に座着(差込み立設)した複数本の取付け具2(タップ螺子)を捻じ込み、その螺軸2aをスプライン溝10bの隅部に差入れるとともに、内面壁12a(隅部)に、螺軸2aを添設する(望ましくは)。この差込みと添設で、ハブカバー1が、ハブ12に被嵌、かつ係止される(図3参照)。また、図6図7に示した一例では、ハブカバーキャップ20に、本発明のハブカバー1を取付ける。この一例では、ハブカバーキャップ20の先端周面に、複数のスプライン山20aと、複数のスプライン溝20bが設けられている。そこで、例えば、複数のスプライン山20aとスプライン溝20bを利用して、ハブカバーキャップ20の先端端面20cにハブ12が取付けられる。ハブ12取付け時には、望ましくは、スプライン溝20bのハブ12側端面は、例えば、端面20cの内面壁12aで閉鎖される。そして、この一例では、スプライン溝20b、及び/又は、例えば、端面20cの内面壁12aを利用して、ハブカバー1を取付ける。このハブカバー1の被嵌部101のタップ表記102を目印に座着(差込み立設)した複数本の取付け具2(タップ螺子)を捻じ込み(以下、一本の説明とする)、その螺軸2aをスプライン溝20bの隅部に差入れ、及び/又は、内面壁12aに、螺軸2aを添設する(望ましくは)。この差込みと添設で、ハブカバー1が、ハブカバーキャップ20に被嵌、かつ係止される(図6図7参照)。尚、内壁面12aに緩衝材を備えることも有り得る。
【0020】
尚、ハブカバー1の装飾部100は、この例では、星型であるが、一例であり、限定されない。また、ハブカバー1は、原則として、樹脂成形品であるが、場合により、アルミ製品(成形品)、カーボン、炭素繊維等の複合材料成形品等も可能であり、望ましくは、軽量素材が望ましい。
【0021】
図中Cは大型車輌であり、本発明のハブカバー1を取付けるに最適であるが、一例であり、その他小型車輌、軽車輌にも採用可能である。
【0022】
前述した各構造・特徴等は、本発明の好ましい一例の説明である。従って、本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0023】
1 ハブカバー
100 装飾部
100a 円周面
100b 平板部
100c 星部
101 被嵌部
102 タップ表記
2 取付け具
2a 螺軸
10 車軸
10a スプライン山
10b スプライン溝
10c 先端端面
11 止め具
12 ハブ
12a 内面壁
20 ハブカバーキャップ
20a スプライン山
20b スプライン溝
20c 端面
C 大型車輌
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8