(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】モジュラ脊柱支持装具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20220627BHJP
A61F 5/02 20060101ALI20220627BHJP
A41C 1/00 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
A61F5/01 E
A61F5/02 D
A41C1/00 B
(21)【出願番号】P 2019569522
(86)(22)【出願日】2018-02-22
(86)【国際出願番号】 AU2018050143
(87)【国際公開番号】W WO2018157196
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-02-19
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519317929
【氏名又は名称】サバン,クリント
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】サバン,クリント
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第102012017645(DE,B3)
【文献】中国実用新案第202892156(CN,U)
【文献】特開平11-279806(JP,A)
【文献】中国実用新案第203154014(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0298749(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01
A61F 5/02
A41C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊柱支持装具であって、
複数の回転可能に連結する部品であって、
内側に面する連結部を画定する上側の回転可能な連結部分と、
反対側に位置し且つ反対向きの内側に面する連結部を画定する下側の回転可能な連結部分と、
をそれぞれ画定する、部品
を備える、脊柱支持装具であり、
隣接する連結部品のそれぞれの内側に面する連結部を、
前記脊柱支持装具の長さに沿ってユーザにより設定可能な湾曲する支持面を形成するべくユーザにより設定可能な回転オフセットで互いに連結することができ
、
前記回転可能な連結部分が、それぞれ、外側に面する連結部をさらに画定し、前記脊柱支持装具が、側板を有する複数の外側連結部品をさらに備え、前記側板が、隣接する連結部品の外側に面する連結部を連結する一対の内側に面する連結部を有する、脊柱支持装具。
【請求項2】
各連結部分が、隣接する回転可能に連結する部品の対応する凸状
円筒端外形及び凹状円筒端外形との回転関節結合のために、或る半径を有する凸状円筒端外形と、同じ半径の反対側の凹状円筒端外形を備える、請求項1に記載の脊柱支持装具。
【請求項3】
前記凹状円筒端
外形が、180°よりも小さい円弧にわたる、請求項
2に記載の脊柱支持装具。
【請求項4】
前記凸状円筒端外形が、180°よりも大きい円弧にわたる、請求項
2に記載の脊柱支持装具。
【請求項5】
前記凸状
円筒端外形及び
前記凹状円筒端外形が、隣接する回転可能に連結する部品間のおよそ+30°から-30°の間の調節のために構成される、請求項
2に記載の脊柱支持装具。
【請求項6】
前記外側連結部品が、それぞれ、前記側板と垂直なベアリングプレートを画定する、請求項
1に記載の脊柱支持装具。
【請求項7】
前記ベアリングプレートと前記側板との間に90°のブレーシングをさらに備える、請求項
6に記載の脊柱支持装具。
【請求項8】
前記ベアリングプレートが、前記側板に対して内側と外側との両方へ延びる、請求項
6に記載の脊柱支持装具。
【請求項9】
前記回転可能な連結部分及び前記外側連結部品が、ボルトを横方向に挿入するためのそれぞれの連結部を通る同軸のボルト通り穴を画定する、請求項
1に記載の脊柱支持装具。
【請求項10】
前記ボルトのための相対するソケットをそれぞれ有する、複数の細長い板コネクタをさらに備え、各板コネクタが、隣接する外側連結部品の隣接する連結部間にわたるように構成される、請求項
9に記載の脊柱支持装具。
【請求項11】
各板コネクタが、一対の内側に面する連結部を画定し、各側板が、一対の対応する外側に面する連結部を画定する、請求項
10に記載の脊柱支持装具。
【請求項12】
前記上側の回転可能な連結部分の内側に面する連結部が、雄かみ合い部を備え、前記下側の回転可能な連結部分の内側に面する連結部が、対応する雌かみ合い部を備える、請求項1に記載の脊柱支持装具。
【請求項13】
前記かみ合い部が、およそ15°のオフセット増分でオフセットされた歯を備える、請求項
12に記載の脊柱支持装具。
【請求項14】
前記回転可能な連結部分の外側に面する連結部が、雌かみ合い部を備え、前記側板の内側に面する連結部が、対応する雄かみ合い部を備える、請求項
1に記載の脊柱支持装具。
【請求項15】
前記側板の外側に面する連結部が、雌かみ合い部を画定し、前記細長い板コネクタの内側に面する連結部が、対応する雄かみ合い部を備える、請求項
10に記載の脊柱支持装具。
【請求項16】
前記回転可能に連結する部品のサブセットが、管状装具部品の管を挿入するための後側管状区域を備える、請求項1に記載の脊柱支持装具。
【請求項17】
前記脊柱支持装具が前記管状装具部品をさらに備え、前記管状装具部品が、管状Tピース部
品を備える、請求項
16に記載の脊柱支持装具。
【請求項18】
前記
複数の回転可能に連結する部品の遠位端が、それを通じて接続されるサークリップのスルーピンを挿入するための穴を備える、請求項
17に記載の脊柱支持装具。
【請求項19】
カーブ部分を支持する直角ブラケットを備える頭部支持部品をさらに備える、請求項
6に記載の脊柱支持装具。
【請求項20】
前記頭部支持部品が、隣接するベアリングプレートの前側面に取り付け可能である、請求項
19に記載の脊柱支持装具。
【請求項21】
前記頭部支持部品が、前記隣接するベアリングプレートの前側面に横方向に調節可能に取り付け可能である、請求項
20に記載の脊柱支持装具。
【請求項22】
前記側板の内側面が縦チャネルを画定し、前記回転可能に連結する部品の前側面が横チャネルを画定する、請求項
1に記載の脊柱支持装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、負傷者又は身体障害者のためのモジュラ脊柱支持装具に関する。
【背景技術】
【0002】
身体障害又は負傷のために動かせない人々のための設定可能な脊柱支持装具が必要とされている。
【0003】
装具は、脊柱を様々な位置で支えるように調節可能であるべきである。さらに、装具は、様々な可動性のアイテムに取り付け可能であるべきである。また、装具は十分に頑健であるべきである。
【0004】
2010年10月14日のUS2010/0262054A1(サミット(SUMMIT)他)「以下D1とする」は、身体に基準点及び/又は他の印をつけることを含む、カスタム装具を製作する方法を開示している。その後、複数の角度から身体の複数の画像が得られる。画像は、身体の輪郭を決定するのに用いられ、カスタム装具を設計するのに他のマーキングが配置及び使用される。装具設計に開窓部を追加することができる。カスタム装具に開窓部を、単一部品構造として、又はカスタム装置を完成させるために組み立てられる複数部品で製作することができる。
【0005】
2008年1月8日のUS7316660B1(モドグリン(MODGLIN))「以下D2とする」は、前側支持体及び後側支持体を含み、各支持体が、単一の実質的に硬質のラミネート材をもたらすべく一対の軟質の可撓性シート材の間に挟まれ互いに結合された可撓性発泡材及び実質的に硬質のプラスチックシート材を有するラミネートで作製された、脊柱を治療するための脊柱装具を開示している。
【0006】
本発明は、従来技術の欠点を克服する又はその少なくともいくつかを実質的に改善することになる非医薬用の脊柱支持装具を提供しようとするものである、又は少なくとも代替を提供しようとするものである。
【0007】
何らかの従来技術の情報が本明細書で言及される場合、このような言及は、その情報がオーストラリア又はあらゆる他の国での当業分野での共通の一般知識の一部をなすことの自認を構成するものではないと理解される。
【発明の概要】
【0008】
身体障害者又は負傷者及び様々な選択された姿勢を支えるべく容易に設定可能な脊柱支持装具が本明細書で提供される。
【0009】
具体的には、脊柱装具は、複数の回転可能に連結する部品を備える。回転可能に連結する部品は、装具の長さに沿ってユーザにより設定可能な支持湾曲を形成するべく様々なユーザにより設定可能な回転オフセットで列をなして互いに連結することができる。
【0010】
さらに、好ましい実施形態では、回転可能に連結する部品は、その内側及びその外側で横に隣接するプレートと互いに連結し、これにより装具の構造完全性の強化のために各連結部分をその内側と外側との両方で支持する部分を画定する。
【0011】
いくつかの実施形態では、装具は、装具の隣接する横に隣接するプレート間にさらに延び、これにより装具の構造的剛性をさらに強化する、細長い板コネクタをさらに備える。
【0012】
一実施形態では、部品は、細長いボルトが横方向に挿入される、対応する雄雌かみ合い部により互いに連結される。かみ合い部は、15°増分などの増分での回転オフセットを可能にする。一実施形態では、各隣接する回転可能に連結する部品は、隣接する回転可能に連結する部品に対して+30°から-30°の間でオフセットすることができる。
【0013】
したがって、上記のことを念頭において、一態様によれば、脊柱支持装具であって、内側に面する連結部を画定する上側の回転可能な連結部分と、反対側に位置し且つ反対向きの内側に面する連結部を画定する下側の回転可能な連結部分と、をそれぞれ画定する複数の回転可能に連結する部品を備え、隣接する連結部品のそれぞれの内側に面する連結部を、装具の長さに沿ってユーザにより設定可能な湾曲する支持面を形成するべくユーザにより設定可能な回転オフセットで互いに連結することができる、脊柱支持装具が提供される。
【0014】
回転可能な連結部分は、それぞれ、外側に面する連結部をさらに画定してよく、装具は、側板を有する複数の外側連結部品をさらに備えてよく、側板は、隣接する連結部品の外側に面する連結部を連結する一対の内側に面する連結部を有する。
【0015】
各連結部分は、隣接する回転可能に連結する部品の対応する凸状及び凹状円筒端外形との回転関節結合のために、或る半径を有する凸状円筒端外形と、同じ半径の反対側の凹状円筒端外形を備えてよい。
【0016】
凹状円筒端は、180°よりも小さい円弧にわたる。
【0017】
凸状円筒端外形は、180°よりも大きい円弧にわたり得る。
【0018】
凸状及び凹状円筒端外形は、隣接する回転可能に連結する部品間のおよそ+30°から-30°の間の調節のために構成され得る。
【0019】
外側連結部品は、それぞれ、側板と垂直なベアリングプレートを画定し得る。
【0020】
装具は、ベアリングプレートと側板との間に90°のブレーシングをさらに備え得る。
【0021】
ベアリングプレートは、側板に対して内側と外側との両方へ延び得る。
【0022】
回転可能な連結部分及び外側連結部品は、ボルトを横方向に挿入するためのそれぞれの連結部を通る同軸のボルト通り穴を画定し得る。
【0023】
装具は、ボルトのための相対するソケットをそれぞれ有する、複数の細長い板コネクタをさらに備えてよく、各板コネクタは、隣接する外側連結部品の隣接する連結部間にわたるように構成されてよい。
【0024】
各板コネクタは、一対の内側に面する連結部を画定してよく、各側板は、一対の対応する外側に面する連結部を画定する。
【0025】
上側の回転可能な連結部分の内側に面する連結部は、雄かみ合い部を備えてよく、下側の回転可能な連結部分の内側に面する連結部は、対応する雌かみ合い部を備えてよい。
【0026】
かみ合い部は、およそ15°のオフセット増分でオフセットされた歯を備えてよい。
【0027】
回転可能な連結部分の外側に面する連結部は、雌かみ合い部を備えてよく、側板の内側に面する連結部は、対応する雄かみ合い部を備える。
【0028】
側板の外側に面する連結部は、雌かみ合い部を画定してよく、細長い板コネクタの内側に面する連結部は、対応する雄かみ合い部を備える。
【0029】
回転可能に連結する部品のサブセットは、管状装具部品の管をその中に挿入するための後側管状区域を備えてよい。
【0030】
装具は、管状装具部品をさらに備えてよく、管状装具部品は、管状Tピース部品、90°部品、及び平行オフセット部品のうちの少なくとも1つを備えてよい。
【0031】
部品の遠位端は、それを通じて接続されるサークリップのスルーピンを挿入するための穴を備えてよい。
【0032】
装具は、カーブ部分を支持する直角ブラケットを備える頭部支持部品をさらに備えてよい。
【0033】
頭部支持部品は、隣接するベアリングプレートの前側面に取り付け可能であり得る。
【0034】
頭部支持部品は、隣接するベアリングプレートの前側面に横方向に調節可能に取り付け可能であり得る。
【0035】
側板の内側面は、縦チャネルを画定してよく、回転可能に連結する部品の前側面は、横チャネルを画定してよい。
【0036】
本発明の他の態様も開示される。
【0037】
本発明の範囲内に入り得る任意の他の形態があるにもかかわらず、本開示の好ましい実施形態がここで単なる例として添付図を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】一実施形態に係る組み立てられた脊柱支持装具の後側斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る
図1の装具の対応する分解図である。
【
図3】一実施形態に係る管状装具部品への装具の接続を例示する図である。
【
図4】一実施形態に係る装具の構成部品の後側分解図である。
【
図5】一実施形態に係るユーザを装具に保持するためのハーネスシステムの使用を例示する図である。
【
図6】一実施形態に係るユーザを装具に保持するためのハーネスシステムの使用を例示する図である。
【
図7】一実施形態に係る頭部支持部品を例示する図である。
【
図8】一実施形態に係る取り付け用のUクリップを内部に係合するためのUチャネルをその周りに画定する回転可能に連結する部品を例示する図である。
【
図9】一実施形態に係る管状装具部品の種々の構成部品を例示する図である。
【
図10】一実施形態に係る管状装具部品の構成部品の例示的な寸法を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る管状装具部品の構成部品の例示的な寸法を示す図である。
【
図12】一実施形態に係る管状装具部品の構成部品の取り付け用のサークリップ及びスルーピンを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、構築されたモジュラ脊柱支持装具100の下側の図を示し、一方、
図2は、その対応する分解図を示す。
【0040】
一実施形態では、装具100は、プラスチック材料から製造されてよい。さらに、次の説明から分かるように、本明細書で説明される種々の部品は、射出成形に適するように構成される。
【0041】
方向の便宜上、
図1で与えられる方向軸で言及がなされ、装具100は、上側端/頭側端から下側端/尾側端へ長手方向に延び、前側面/上面及び後側面/下面を有し、且つ外方/外側部分及び内側/中間部分を有するものとして説明される。
【0042】
図4は、複数の回転可能に連結する部品101を備える脊柱装具100を例示する。各回転可能に連結する部品101は、上側の回転可能な連結部分102と、下側の回転可能な連結部分103を備え、これらは一体に形成され得る。上側の回転可能な連結部分102は、内側に面する連結部104を画定し、下側の回転可能な連結部分103は、反対側に位置し且つ反対向きの内側に面する連結部105を画定する。
【0043】
隣接する回転可能に連結する部品101のそれぞれの内側に面する連結部104、105は、装具の長さ100に沿ってユーザにより設定可能な支持湾曲を形成するべくユーザにより設定可能な回転オフセットで列をなして互いに連結することができる。
【0044】
図4に示された実施形態では、回転可能な連結部分102、103は、それぞれ、外側に面する連結部106をさらに画定する。これに関して、装具100は、それぞれ側板108を有する複数の外側連結部分107をさらに備えてよい。各側板108は、連結部品101の隣接するペアのそれぞれの外側に面する連結部106をユーザにより設定可能な回転オフセットで列をなして連結する、一対の内側に面する連結部109を画定する。このようにして、各回転可能な連結部分102、103は、内面と外面との両方で連結することができ、これにより、装具100の構造的剛性を強化する。
【0045】
図4に示された実施形態では、連結部104、105、109は、雄雌のかみ合い部を備えてよい。具体的には、上側の回転可能な連結部分102の内側に面する連結部104は、下側の回転可能な連結部分103の内側に面する連結部105の対応する雌かみ合い部の中に差し込まれる、雄かみ合い部110を画定する。
【0046】
対応して、側板108の内側に面する連結部109は、回転可能な連結部分102、103のそれぞれの外側に面する連結部106の対応する雌かみ合い部111の中に差し込まれる、雄かみ合い部110を備える。
【0047】
いくつかの実施形態では、かみ合い部の歯は、ユーザにより設定可能な15°増分の回転オフセットを可能にするべく15°オフセットされる。
【0048】
図示した実施形態では、各連結部分102、103は、或る半径を有する凸状円筒端外形112と、同じ半径の反対側の凹状円筒端外形113を備える。したがって、凸状円筒外形112は、対応する凹状円筒端外形113内に回転可能に関節接続することができる。
【0049】
図示した実施形態では、凸状円筒端外形112は、180°よりも大きい円弧にわたり、凹状円筒端外形113は、対応して、その端縁114が後側/前側の回転公差を許すように180°よりも小さい円弧にわたる。
【0050】
いくつかの実施形態では、後側/前側の回転公差は、+30°から-30°の間である。
【0051】
外側連結部分107は、側板108に対して垂直なベアリングプレート115をさらに備えてよい。ベアリングプレート115は、前側脊柱支持面を画定する。90°のブレーシング116が、補強のために側板109とベアリングプレート115との間にわたってよい。
【0052】
図示した実施形態では、ベアリングプレート115は、側板108に対して外側と内側との両方へ延びる。
【0053】
具体的には、図で分かるように、ベアリングプレート115は、側板108に対して外側へ延びる外側部分117と、側板108に対して内側へ延びる内側部分118を画定する。
【0054】
いくつかの実施形態では、
図1及び
図2に例示されるように異なるスパンの外側部分117が設けられてよく、装具100が尾骨からユーザのより広い上背部にかけて広くなるように、下の外側部分117は上の外側部分117よりも短い。
【0055】
いくつかの実施形態では、各内側部分118の内側面119は、対向する各内側部分118の対向する内側面118との間におよそ7mmの隙間を残してよい。さらに、各内側部分118は、その上側/下側の縁120が各隣接する内側部分118の隣接する上側/下側の縁120との隙間を残すような上側/下側の幅を備えてよい。さらに、上側/下側の縁120は、後方への傾斜を備えてよい。
【0056】
内側部分118の上側/下側の縁120及び内側の縁119の周りの空間余裕は、その周りにパッドを係合させることを可能にする。
【0057】
回転可能に連結する部品101と外側連結部品107は、
図2に実質的に示される長い通しボルト121とナット122により互いに保持されてよい。図示した実施形態では、ボルト121は、アレンキーヘッドを備えてよい。
【0058】
図4を参照すると、装具100は、外側から挿入されるナット122と回転不可能に係合するための相対するナットソケット124を有する複数の細長い板コネクタ123をさらに備えてよい。したがって、組み立てのために、ナット122がソケット124内に入れられ、その中にボルト121の遠位端が内側から挿入される。その後、アレンキーを用いて、他のツールは用いずに、ユーザは、ソケット124内に回転不可能に係合されたナット122の中にボルト121をねじ込むことができる。
【0059】
この実施形態によれば、ベアリングプレート108の外側面は、複数の外側に面する連結部125をさらに備えてよく、細長い板コネクタ123は、対応する外側に面する連結部125内でユーザにより設定可能な回転オフセットで回転可能に係合される、一対の対応する内側に面する連結部126を画定する。このようにして、各細長い板コネクタ123は、隣接する側板108の隣接する外側に面する連結部125間にわたるように構成される。
【0060】
図示した実施形態では、板コネクタ123の内側に面する連結部126は、雄かみ合い部127を備え、側板108の外側に面する連結部125は、15°の同じ回転オフセット増分を備えていながら、回転可能な連結部分101及び外側連結部分107の対応する雄かみ合い部110及び雌かみ合い部111よりも小さい直径の雌かみ合い部127を備える。
【0061】
特定の回転可能に連結する部品101は、
図3に実質的に示される管状装具部品129への取り付けのために後方へ延びる、取り付け可能な又は一体に形成された管コネクタ部分128を備えてよい。これに関して、管コネクタ部分128は、管状装具部品129の管区域を内部に挿入するための、ストラット131から支持される円筒部130を備えてよい。
【0062】
図9~
図12は、いくつかの実施形態におけるモジュラ装具部品129の構成部品を示す。具体的には、
図9を参照すると、管状装具部品129は、様々な形状及び/又は構成の管状装具部品129を組み立てるために様々な組み合わせで用いられ得る、Tピースコネクタ132、直角コネクタ133、末端コネクタ134、及び平行オフセットコネクタ135を備えてよい。管状部品132~135は、
図12に実質的に示されるサークリップ136及びスルーピン137を用いて互いに接続されてよい。具体的には、部品132、135の遠位端は、中央穴139を有するカラーを画定する周縁フランジ138を備えてよい。カラーは、サークリップ136と係合し、穴139は、部品132~135をそこから延びる管状部品に係止するべく、スルーピン137を受け入れる。
【0063】
Tピースコネクタ132及び直角コネクタ133の例示的な寸法が、それぞれ
図10及び
図11で与えられる。
【0064】
図7は、
図5及び
図6に実質的に与えられた様態でユーザの頭部を支えるために外側連結部品107に接続可能な頭部支持部品140を示す。具体的には、外側連結部品107のベアリングプレート115は、対応する短いボルト142が挿入され得る、ボルトホール穴141を備えてよい。頭部支持部品140のボルトホール穴は、横方向にオフセットして調節するために細長くされてよい。
【0065】
好ましい実施形態では、短いボルト142及び長いボルト121は、M6サイズのものである。
【0066】
頭部支持部品140は、縦部材143及びこれと垂直な横部材144を備える直角ブラケット160を備える。横部材144は、ベアリングプレート115の対応する平坦な前側面と面一に延びる平坦な後側面144を有する。
【0067】
直角ブラケット160は、ユーザの頭部及び/又は首を人間工学的に保持するカーブ部分145を支持する。パッドがカーブ部分145を覆ってよい。カーブ部分145は、縦部材143を越えて外側へ延びてよく、したがって、そのための支持ブレーシング146を備えてよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、縦部材143は、スイッチ制御、さらなる頭部支持装置/部品などの種々の周辺部品の取り付け用の取付けブラケット147及び関連する穴148を備えてよい。
【0069】
図4を参照すると、側板108の内側面は、縦チャネル149を備えてよく、回転可能に連結する部品101の前側面は、対応する横チャネル150を備えてよく、これにより、
図8に実質的に示される対応するUクリップ151を保持するためのUチャネルを画定する。具体的には、Uクリップ151は、そのように形成されたUチャネルに適合するバンド152を備え、且つ、細長いストラップ穴154を備える遠位端153を備える。このようにして、ストラップが、該ストラップを用いて装具100を固定するべくそれぞれの穴154内に係合されてよい。
【0070】
図5及び
図6は、ユーザを装具100に保持するための例示的なハーネスシステム155を示す。この実施形態によれば、ハーネスシステム155は、ユーザの胴体の周りに固定する横ストラップ156及び対応する解放可能なクリップ157を備える。パッド入りジャケット158が、快適さのためにストラップ156とユーザとの間に介在してよい。
【0071】
さらに、肩ストラップ159が、図示したようにユーザの脇の下から首の後ろへ延びてよい。
【0072】
図2に示された実施形態では、丸みのある端を有する終端ブランク161が、回転可能に連結する部品101の列を終端するのに用いられてよい。各終端ブランク161は、最後から2番目の回転可能に連結する部品101の自由な対応する連結部分102、103と係合するための単一の回転可能な連結部分102、103を備える。
【0073】
上記の説明では、解説する目的で、本発明の十分な理解をもたらすために特定の命名法を用いた。しかしながら、本発明を実施するために特定の詳細は必要とされないことが当業者には明らかであろう。したがって、本発明の特定の実施形態の上記の説明は、例示及び説明の目的で提示されている。それらは、網羅的となること又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図しておらず、明らかに、上記の教示を考慮して多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実際の適用を最も良く解説するために選ばれ、説明されており、したがって、それらは、当業分野の他の当業者が、本発明及び種々の実施形態を、考慮される特定の使用に適するものとして種々の修正を伴って最良に使用できるようにする。以下の請求項及びそれらの均等物は、本発明の範囲を定めることを意図している。