(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】前立腺がんを診断および処置するためのPSMA標的放射性医薬品
(51)【国際特許分類】
C07D 257/02 20060101AFI20220627BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20220627BHJP
A61K 31/555 20060101ALI20220627BHJP
A61K 51/04 20060101ALI20220627BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20220627BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
C07D257/02
C07D403/12 CSP
A61K31/555
A61K51/04 100
A61K51/04 200
A61P13/08
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2021502679
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2019003716
(87)【国際公開番号】W WO2019190266
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0037226
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519454198
【氏名又は名称】フューチャーケム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FUTURECHEM CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】2nd Floor,21,Yeonmujang 3-gil,Seongdong-gu,Seoul 04782 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ジ・デユン
(72)【発明者】
【氏名】イ・ビョンセ
(72)【発明者】
【氏名】チュ・ソヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ヒョンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ミンファン
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-524419(JP,A)
【文献】国際公開第2017/165473(WO,A1)
【文献】Bioconjugate Chemistry,Vol.23,pp.688-697,DOI 10.1021/bc200279b
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】
によって表され、式1において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は
、-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~6の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合、または-NA
1-であり、A
1は、水素、または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~3の整数であり;
L
2は、結合、または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化2】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは、1~6の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~5直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Zは、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、Cu-67、Y-90、Sc-47、In-111、Sn-117m、Lu-177、Bi-212、Bi-213、Pb-212、R
a-223、またはAc-225であり、およびキレーターは、
【化3】
である、化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
L
1が、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~6の整数であり;
Uが、結合、または-C(O)-であり;
R
1が
、-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~4の整数であり;
Xが、結合、または-C(O)-であり;
Wが、結合、または-NA
1-であり、A
1は、水素、または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここで、cは、0~1の整数であり;
L
2が、結合、または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~6の整数であり;
Tzが、結合、
【化4】
であり、
L
3が、C
1~10直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4が、-(CH
2)
e-であり、ここでeは2~4の整数であり;
nが、0~1の整数であり;
R
2が、水素、C
1~3直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yが、酸素または硫黄であり;
Zが、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、Cu-67、Y-90、Sc-47、In-111、Sn-117m、Lu-177、Bi-212、Bi-213、Pb-212、R
a-223、またはAc-225であり、およびキレーターは、
【化5】
である、請求項1に記載の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
L
1が、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、2~4の整数であり;
Uが、結合、または-C(O)-であり;
R
1が
、-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~2の整数であり;
Xが、結合、または-C(O)-であり;
Wが、結合、または-NA
1-であり、ここでA
1は、水素またはピリジルであり;
L
2が、結合、または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~2の整数であり;
Tzが、結合、
【化6】
であり;
L
3が、C
1~8直鎖アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4が、-(CH
2)
3-であり;
nが、0~1の整数であり;
R
2が、水素、メチル、またはハロゲンであり;
Yが、酸素であり;
Zが、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、またはLu-177であり、およびキレーターは、
【化7】
であ
る、請求項1に記載の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項4】
式1によって表される化合物が、以下の化合物からなる群から選択される:
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
(上記式において、Mは、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、請求項1に定義されたとおりである)、請求項1に記載の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項5】
式2:
【化12】
によって表され、式2において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は
、-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~6の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合または-NA
1-であり、およびA
1は、水素または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~3の整数であり;
L
2は、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化13】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは、1~6の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~5直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Z’は、キレーターであり、およびキレーターは、
【化14】
である、化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項6】
L
1が、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~6の整数であり;
Uが、結合、または-C(O)-であり;
R
1が
、-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~4の整数であり;
Xが、結合、または-C(O)-であり;
Wが、結合または-NA
1-であり、およびA
1は、水素または-(CH
2)
c-ピリジルであり;
ここでcは、0~1の整数であり;
L
2が、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~6の整数であり;
Tzが、結合、
【化15】
であり;
L
3が、C
1~10直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4が、-(CH
2)
e
-であり;
ここでeは、2~4の整数であり;
nが、0~1の整数であり;
R
2が、水素、C
1~3直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yが、酸素または硫黄であり;
Z’が、キレーターであり、およびキレーターは、
【化16】
である、請求項5に記載の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項7】
L
1が、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、2~4の整数であり;
Uが、結合、または-C(O)-であり;
R
1が
、-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~2の整数であり;
Xが、結合、または-C(O)-であり;
Wが、結合または-NA
1-であり、およびA
1は、水素またはピリジルであり;
L
2が、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~2の整数であり;
Tzが、結合、
【化17】
であり;
L
3が、C
1~8直鎖アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4が、-(CH
2)
3-であり;
nが、0~1の整数であり;
R
2が、水素、メチル、またはハロゲンであり;
Yが、酸素であり;
Z’が、キレーターであり、およびキレーターは、
【化18】
である、請求項5に記載の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項8】
式2によって表される化合物が、以下の化合物からなる群から選択される:
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
請求項5に記載の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項9】
活性成分として請求項1の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を含む、前立腺がんを診断するための組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の前立腺がんを診断するための組成物であって、前立腺がん細胞中において過剰発現したPSMA(前立腺特異的膜抗原)に化合物を選択的に結合させることによって前立腺がんを診断する、前記組成物。
【請求項11】
活性成分として請求項1の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を含む、前立腺がんを予防または処置するための医薬組成物。
【請求項12】
前立腺がんを診断または処置するための医薬を製造するための、請求項1の化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
1.本発明の分野
本発明は、前立腺がんを診断および処置するためのPSMA標的放射性医薬品に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の記載
前立腺がんは、世界で最もよくある男性のがんであり、また死亡率では第二位である。前立腺がんは、通常、50歳超の男性に発症し、および患者の数は年齢とともに急速に増加する。それは通常ゆっくりと進行するが、しかし、それが悪性転移に発展すると、処置することが極めて難しい。転移は、通常、前立腺がんの周りのリンパ節、骨盤、椎骨、膀胱へと始まり、および徐々に体中に広がる。
【0003】
前立腺特異抗原試験(PSA試験)および直腸指診が、目下、前立腺がん診断のために主に使用されており、および経直腸超音波、CT、MRIおよびWBBS(全身骨スキャン)撮像もまた使用されている。前立腺がん診断のための生検もまた実施されている。しかしながら、大半の場合において、診断精度は低く、および疾患の早期診断が難しい。加えて、転移を判断することは難しく、および、前立腺肥大症および前立腺炎などの良性の疾患から区別することも難しい。
【0004】
PET(陽電子放射断層撮影法)は、短い半減期の放射性同位体放出陽電子を使用して疾患を診断する医用画像技術である。この技術は、疾患の早期診断、処置の評価および転移/再発の確認のために使用することができる。
【0005】
[18F]FDGは、上昇したがん細胞のグルコース代謝を観察することができるため、がん診断のために使用される代表的なPET放射性医薬品である。しかしながら、前立腺がんは、[18F]FDGの取り込みが高くないため、早期に検出することまたは疾患の進行を診断することが難しいという特徴を有する。コリンは、細胞膜形成のために必須のホスファチジルコリンの生合成のために使用される材料であり、また、[11C]コリンおよび[18F]フルオロコリンは、[18F]FDGよりも前立腺がんの診断に適していることが知られている。しかしながら、それらは前立腺がんを早期に診断、リンパ節転移および再発を診断するには低い感度を有し、また、前立腺がんを他のがんから区別することは難しい。
【0006】
前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、前立腺がんにおいて特異的に過剰発現するタンパク質であり、および、N-アセチル-L-アスパルチル-グルタミン酸(NAAL)を分解する酵素活性を有する。グルタミン酸-尿素-リシン(GUL)構造を有する化合物は、NAALの類縁体へと分解せず、および極めて選択的にPSMAに結合することが知られている。今日まで、基本構造としてGULを持つ複数の化合物が開発されてきており、またその中でも、F-18(半減期:110分)で標識された化合物が、前立腺がんを診断するためのPET放射性医薬品として開発されている。
【0007】
F-18に加えて、Ga-68は、陽電子を放出する放射性金属であり、および、前駆体に結合したキレーターと簡単に複合体化する特色を有し、および、68Ga標識されたGUL化合物もまた前立腺がんを診断するためのPET放射性医薬品として使用することができる。
【0008】
68Ga標識されたGUL化合物の場合には、陽電子放出同位体であるGa-68を、ベータ線またはアルファ粒子を放出する治療的な放射性金属に置き換えることによって、前立腺がん標的治療として使用することができる。68Ga標識された化合物である68Ga-PSMA-617の場合には、ベータ線を放出するLu-177(ルテチウム177)で標識された177Lu-PSMA-617がGa-68の代わりに合成され、および前立腺がん患者において使用される、臨床研究が進行中である。体中に広がった前立腺がんの大半は、3回の反復投与によって消滅させられるということが報告されている。
【0009】
加えて、アルファ粒子放出同位体で標識されたPSMA標的治療もまた発達しており、また、それはベータ線よりも多くのエネルギーを放出することから、その治療的効果はより良好である。代表的な核種は、Ac-225(アクチニウム225)、Bi-213(ビスマス213)、At-211(アスタチン211)等々を包含する。目下、Xofigo(登録商標)は、骨に転移した前立腺がんを処置するのに使用されているが、しかしそれは、骨以外に形成された前立腺がんに対し治療効果を有しない223Ra-RaCl2(ラジウム二塩化物)の注射である。
【0010】
本発明者らは、放射性金属で標識された新規な構造をしたPSMA標的化合物が、PSMAに対する高い結合力および選択性、および優れた薬物動態特性を有するということを確認した後、本発明を完成させた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の概要
本発明の目的は、in vivoでPSMAタンパク質に対する高い結合力を有しかつ優れた薬物動態特性を示す、グルタミン酸-尿素-リシン化合物に放射性金属共役キレーターが共役した化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、in vivoでPSMAタンパク質に対する高い結合力を有しかつ優れた薬物動態特性を示す、グルタミン酸-尿素-リシン化合物にキレーターが共役した化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、該化合物を活性成分として含む、前立腺がんを診断するための組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、該化合物を活性成分として含む、前立腺がんを予防または処置するための組成物を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、がんを処置するための方法であって、それを必要とする個人または対象へ、化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を投与するステップを含む、前記方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、がんの処置のための化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を提供することである。
本発明の別の目的は、がんを処置するための薬物の調製のための、化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩の、使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の一側面において、本発明は、下記式1によって表される化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【化1】
【0017】
式1において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は、水素、または-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~6の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合、または-NA
1-であり、A
1は、水素、または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~3の整数であり;
L
2は、結合、または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化2】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは、1~6の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~5直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Zは、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、Cu-67、Y-90、Sc-47、In-111、Sn-117m、Lu-177、Bi-212、Bi-213、Pb-212、Rd-223、またはAc-225であり、および、キレーターは、
【化3】
である。
【0018】
本発明の別の側面において、本発明は、下記式2によって表される化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【化4】
【0019】
式2において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は、水素、または-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~6の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合、または-NA
1-であり、A
1は、水素、または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~3の整数であり;
L
2は、結合、または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化5】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは、1~6の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~5直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Z’は、キレーターであり、ここでキレーターは、
【化6】
である。
【0020】
本発明の別の側面において、本発明は、活性成分として、該化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を含む、前立腺がんを診断するための組成物を提供する。
本発明の別の側面において、本発明は、活性成分として、該化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を含む、前立腺がんを予防または処置するための医薬組成物を提供する。
【0021】
本発明の別の側面において、本発明は、がんを処置するための方法であって、それを必要とする個人または対象へ、化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を投与するステップを含む、前記方法を提供することである。
【0022】
本発明の別の側面において、本発明は、がんの処置のための化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を提供する。
本発明の別の目的は、がんを処置するための薬物の調製のための、化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩の、使用を提供する。
【発明の効果】
【0023】
有利な効果
グルタミン酸-尿素-リシン(GUL)のリシンに結合したカルボン酸が導入された本発明の一側面によって提供される化合物は、PSMAタンパク質結合部位でアルギニンパッチと強い塩架橋相互作用を形成し、高い結合パワーを結果としてもたらす。これらの化合物は、カルボン酸の親水性の特徴に起因する急速なバックグラウンド放射線除去効果およびin vivoでの低い非特異的結合によって特徴づけられる。加えて、化合物は、血液中での長い滞留時間を維持することによって、PSMAタンパク質を発現する腫瘍またはがんの中に高濃度で摂取される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、[
68Ga]1eの投与の後270分間にわたって取得したMicroPET/CT画像の定量分析の結果を示すグラフである。
【
図2】
図2は、[
68Ga]1gの投与の後270分間にわたって取得したMicroPET/CT画像の定量分析の結果を示すグラフである。
【
図3】
図3は、[
68Ga]1hの投与の後390分間にわたって取得したMicroPET/CT画像の定量分析の結果を示すグラフである。
【
図4】
図4は、[
68Ga]1kの投与の後390分間にわたって取得したMicroPET/CT画像の定量分析の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
好ましい態様の記載
以下、本発明を詳細に記載する。
この発明の態様は様々な他の形態に改変することができ、および、本発明の範囲は下記に記載される態様に限定されない。当該技術分野におけるこの分野の平均的な知識を有する者には、本発明の態様が本発明をより正確に説明するために与えられていることは当然理解される。加えて、本明細書中を通して、要素の「包含」とは、他の要素を除外するものではなく、具体的に別様に述べられていない限り他の要素を包含してもよい。
【0026】
本発明の一側面において、本発明は、下記式1によって表される化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を含む、がんを予防または処置するための医薬組成物を提供する。
【化7】
【0027】
式1において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は、水素、または-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~6の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合、または-NA
1-であり、A
1は、水素、または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~3の整数であり;
L
2は、結合、または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化8】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは、1~6の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~5直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Zは、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、Cu-67、Y-90、Sc-47、In-111、Sn-117m、Lu-177、Bi-212、Bi-213、Pb-212、Rd-223、またはAc-225であり、および、キレーターは、
【化9】
である。
【0028】
本発明の別の側面において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~6の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は、水素、または-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~4の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合、または-NA
1-であり、A
1は、水素、または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここで、cは、0~1の整数であり;
L
2は、結合、または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~6の整数であり;
Tzは、結合、
【化10】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは2~4の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~3直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Zは、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、Cu-67、Y-90、Sc-47、In-111、Sn-117m、Lu-177、Bi-212、Bi-213、Pb-212、Rd-223、またはAc-225であり、およびキレーターは、
【化11】
である。
【0029】
本発明の別の側面において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、2~4の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は、水素、または-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~2の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合、または-NA
1-であり、ここでA
1は、水素またはピリジルであり;
L
2は、結合、または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~2の整数であり;
Tzは、結合、
【化12】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
3-であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、メチル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素であり;
Zは、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、またはLu-177であり、およびキレーターは、
【化13】
であることができる。
【0030】
本発明の別の側面において、式1によって表される化合物は、下記式1-1によって表される化合物とすることができる。
【化14】
【0031】
式1-1において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合または-NA
1-であり、ここでA
1は、水素または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~3の整数であり;
L
2は、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化15】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
Yは、酸素または硫黄であり;
Zは、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、Cu-67、Y-90、Sc-47、In-111、Sn-117m、Lu-177、Bi-212、Bi-213、Pb-212、Rd-223、またはAc-225であり、およびキレーターは、
【化16】
である。
【0032】
本発明の別の側面において、式1によって表される化合物は、下記式1-2によって表される化合物とすることができる。
【化17】
【0033】
式1-2において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
L
2は、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化18】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは、1~6の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~5直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Zは、放射性金属を包含するキレーターであり、ここで放射性金属は、Ga-68、Cu-64、Cu-67、Y-90、Sc-47、In-111、Sn-117m、Lu-177、Bi-212、Bi-213、Pb-212、Rd-223、またはAc-225であり、およびキレーターは、
【化19】
である。
【0034】
本発明の別の側面において、式1によって表される化合物は、以下の化合物からなる群から選択されるいずれか1つの化合物とすることができる。
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【0035】
(この時、上記式において、Mは放射性金属であり、および、放射性金属は、式1において定義されたとおりである。)。
【0036】
本発明の別の側面において、本発明は下記式2によって表される化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【化24】
【0037】
式2において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は、水素または-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~6の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合または-NA
1-であり、およびA
1は、水素または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~3の整数であり;
L
2は、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化25】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは、1~6の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~5直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Z’は、キレーターであり、およびキレーターは、
【化26】
である。
【0038】
本発明の別の側面において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~6の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は、水素または-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~4の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合または-NA
1-であり、およびA
1は、水素または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~1の整数であり;
L
2は、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~6の整数であり;
Tzは、結合、
【化27】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは2~4の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~3直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Z’は、キレーターであり、およびキレーターは、
【化28】
であることができる。
【0039】
本発明の別の側面において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、2~4の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
R
1は、水素、または-L
5-CO
2Hであり、ここでL
5は、-(CH
2)
b-であり、ここでbは、1~2の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合または-NA
1-であり、およびA
1は、水素またはピリジルであり;
L
2は、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~2の整数であり;
Tzは、
【化29】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
3-であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、メチル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素であり;
Z’は、キレーターであり、およびキレーターは、
【化30】
であることができる。
【0040】
本発明の別の側面において、式2によって表される化合物は、下記式2-1によって表される化合物とすることができる。
【化31】
【0041】
式2-1において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
Wは、結合または-NA
1-であり、およびA
1は、水素または-(CH
2)
c-ピリジルであり、ここでcは、0~3の整数であり;
L
2は、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化32】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
Yは、酸素または硫黄であり;
Z’は、キレーターであり、およびキレーターは、
【化33】
である。
【0042】
本発明の別の側面において、式2によって表される化合物は、下記式2-2によって表される化合物とすることができる。
【化34】
【0043】
式2-2において、
L
1は、-(CH
2)
a-であり、ここでaは、1~8の整数であり;
Uは、結合、または-C(O)-であり;
Xは、結合、または-C(O)-であり;
L
2は、結合または-(CH
2)
d-であり、ここでdは、1~8の整数であり;
Tzは、結合、
【化35】
であり;
L
3は、C
1~12直鎖または分枝アルキレンであり、ここでアルキレン中の1以上の炭素原子は酸素原子によって置き換えられることができ;
L
4は、-(CH
2)
e-であり、ここでeは、1~6の整数であり;
nは、0~1の整数であり;
R
2は、水素、C
1~5直鎖または分枝アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Z’は、キレーターであり、およびキレーターは、
【化36】
である。
【0044】
本発明の別の側面において、式2によって表される化合物は、以下の化合物からなる群から選択されるいずれか1つの化合物とすることができる。
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【0045】
本発明の式1または式2によって表される化合物は、薬学的に許容し得る塩の形態として使用することができ、その塩は、好ましくは、薬学的に許容し得る遊離酸によって形成される酸付加塩である。
【0046】
本明細書中の酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸、および亜リン酸などの無機酸;脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカノアート、ヒドロキシアルカノアート、アルカンジオアート、芳香族酸、および脂肪族/芳香族スルホン酸などの無毒性有機酸;または、酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、およびフマル酸などの有機酸から得ることができる。
【0047】
薬学的に無毒性の塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素、リン酸二水素、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸エステル、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオラート、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオアート、ヘキサン-1,6-ジオアート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、およびマンデル酸塩によって例示される。
【0048】
この発明における酸付加塩は、当業者に知られている常法によって調製することができる。例えば、式1または式2によって表される誘導体を、メタノール、エタノール、アセトン、塩化メチレンおよびアセトニトリルなどの有機溶媒中に溶解させ、これに有機酸または無機酸を加えることで沈殿を誘導する。次いで、沈殿物を濾過し、および乾燥させることで、塩を生じさせる。あるいは、溶媒および過剰量の酸を減圧下で蒸留し、および乾燥させることで、塩を生じさせる。あるいは、沈殿物を有機溶媒中で結晶化させることで、同じものを生じさせる。
【0049】
薬学的に許容し得る金属塩は、塩基を使用することによって調製することができる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、以下のプロセスによって得られる:化合物を過剰量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液中に溶解させること;非可溶性の化合物塩を濾過すること;残存する溶液を蒸発させること、およびその乾燥。
【0050】
この時、金属塩は、好ましくは、ナトリウム、カリウム、またはカルシウム塩の薬学的に好適な形態に調製される。また、対応する銀塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩の、適切な銀塩(例として、硝酸銀)との反応によって調製される。
【0051】
加えて、本発明は、式1または式2によって表される化合物のみならず、その薬学的に許容し得る塩、および溶媒和物、光学異性体、または同じものから生成される可能性のある水和物をも包含する。
【0052】
本発明の別の側面において、本発明は、活性成分として、式1によって表される化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を含む、前立腺がんを診断するための組成物を提供する。
前立腺がんを診断するための組成物は、前立腺がん細胞中において過剰発現したPSMA(前立腺特異的膜抗原)に化合物を選択的に結合させることによって前立腺がんを診断することができる。
【0053】
本発明の別の側面において、活性成分として、式1によって表される化合物、その立体異性体、その水和物、またはその薬学的に許容し得る塩を含む、前立腺がんを予防または処置するための組成物を提供する。
【0054】
式1によって表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩は、経口または非経口で投与することができ、および医薬製剤の一般的な形態で使用することができる。それはつまり、式1によって表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩は、一般的に使用される充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤と混合することによって、経口または非経口投与のために調製することができるということである。
【0055】
経口投与のための固体製剤は、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、およびカプセルである。これらの固体製剤は、本発明の1以上の化合物を、1以上の好適な賦形剤、例えばデンプン、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトース、ゼラチン等々と混合することによって調製される。単純な賦形剤のほか、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク等々を使用することができる。
【0056】
経口投与のための液体製剤は、懸濁液、溶液、エマルションおよびシロップであり、および上述の製剤は、一般的に使用される水および流動パラフィンなどの単純な希釈剤に加えて、湿潤剤、甘味料、芳香剤、および防腐剤などの様々な賦形剤を含有することができる。
【0057】
非経口投与のための製剤は、滅菌された水溶液、非水溶性の賦形剤、懸濁液およびエマルションである。非水溶性の賦形剤および懸濁液は、活性な化合物(単数または複数)に加えて、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エチルオラートのような注射可能なエステル等々を含有することができる。
【0058】
本発明の、活性成分として式1によって表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩を含む、医薬組成物は、非経口により投与することができ、および、非経口投与は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射または胸腔内注射を包含する。
【0059】
組成物を非経口投与のための製剤として調製するために、本発明の式1によって表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩を、安定剤または緩衝剤と混合することで溶液または懸濁液を生成し、これを次いでアンプルまたはバイアルとして製剤化する。
【0060】
本明細書中の組成物は、滅菌されることができ、また、防腐剤、安定剤、水和剤または乳化剤、浸透圧の調整のための塩および/または緩衝剤、および他の治療的上有用な材料を、加えて含有し、また、組成物は、慣用の混合、造粒またはコーティング法によって製剤化されることができる。
【0061】
経口投与のための製剤は、錠剤、丸薬、ハード/ソフトカプセル、溶液、懸濁液、溶液、エマルション、シロップ、顆粒、エリキシル剤、およびトローチ等々によって例示される。これらの製剤は、希釈剤(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、および/またはグリシン)および湿潤剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸およびそのマグネシウムまたはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコール)を、活性成分に加えて包含することができる。
【0062】
錠剤は、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプン糊、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤を包含することができ、また、必要であれば、デンプン、アガロース、アルギニン酸またはそのナトリウム塩または共沸混合物などの崩壊剤、および/または吸収剤、着色剤、フレーバー、および甘味料を、そこに追加的に包含することができる。
【0063】
本明細書で以降においては、本発明を以下の例によって詳細に記載する。
しかしながら、以下の例は、本発明を例証するためのみのものであり、また、本発明の内容は、これに限定されない。
【0064】
【0065】
化合物3bの調製
化合物3a(5.2g、10.66mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解させ、および0℃まで冷却し、これにブロモ酢酸tert-ブチル(1.9mL、12.8mmol)をゆっくりと加えた。混合物を0℃に維持し、これにトリエチルアミン(2.2mL、16mmol)をゆっくりと加え、および温度を徐々に室温まで上げながら混合物を攪拌した。
【0066】
混合物を3時間攪拌した後、水(50mL)をこれに加え、および、ジクロロメタン(50mL、2回)で有機化合物を抽出した。収集した有機層を無水硫酸ナトリウムで処理し、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって精製したことで化合物3b(3.36g、52%)を生じさせた。
【0067】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.39-1.53 (m, 36H), 1.55-1.89 (m, 5H), 2.02-2.10 (m, 1H), 2.22-2.37 (m, 2H), 2.54-2.58 (m, 2H), 3.27 (s, 2H), 4.28-4.36 (m, 2H), 5.07-5.10 (m, 2H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22.6, 27.9, 28.0, 28.1, 28.2, 28.5, 29.6, 31.6, 32.8, 49.0, 51.7, 53.0, 53.5, 80.5, 81.1, 81.6, 82.0, 156.8, 171.9, 172.1, 172.4, 172.5;
MS (ESI) m/z 602 [M+H]+
【0068】
化合物3cの調製
化合物3a(500mg、1.03mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、続いて0℃で10分間攪拌した。アクリル酸tert-ブチル(0.38mL、2.58mmol)をゆっくりとこれに加え、続いて0℃で20時間攪拌した。反応の完了次第、溶媒を除去し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(8% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物3c(0.23g、37%)を生じさせた。
【0069】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40 (s, 9H), 1.41 (s, 9H), 1.43 (s, 18H), 1.48-1.65 (m, 3H), 1.70-1.86 (m, 2H), 2.00-2.07 (m, 1H), 2.21-2.36 (m, 2H), 2.48 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.58- 2.69 (m, 2H), 2.86 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.26-4.34 (m, 2H), 5.26 (dd, J = 13.0, 8.2 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 616 [M+H]+
【0070】
【0071】
ステップ1:化合物5aの調製
トリホスゲン(107mg、0.36mmol)をアセトニトリル(5.0mL)に溶解させ、これに、アセトニトリルに溶解している化合物3a(500mg、1.03mmol)を0℃でゆっくりと加えた。次いで、トリエチルアミン(0.50mL、3.61mmol)をこれに加え、続いて30分間攪拌した。プロパルギルアミン(4a、0.072mL、1.13mmol)を0℃でこれに加えた。
【0072】
15分後、混合物を室温で1時間攪拌し、減圧下で濃縮し、および次いで水をこれに加えた。酢酸エチルを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、白色固体として化合物5a(492mg、84%)を生じさせた。
【0073】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.25-1.30 (m, 2H), 1.44 (s, 18H), 1.48 (s, 9H), 1.51-1.60 (m, 3H), 1.67-1.76 (m, 1H), 1.80-1.90 (m, 1H), 2.05-2.13 (m, 1H), 2.18 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 2.29-2.40 (m, 2H), 3.06-3.12 (m, 1H), 3.30-3.36 (m, 1H), 3.95-4.06 (m, 2H), 4.08-4.14 (m, 1H), 4.36 (sext, J = 4.4 Hz, 1H), 5.64 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.69 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 5.89 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 6.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 23.4, 27.7, 27.8, 27.9, 28.0, 29.6, 29.7, 31.7, 32.1, 39.4, 53.3, 54.2, 70.5, 80.7, 81.4, 81.5, 83.1, 158.0, 158.2, 172.0, 172.3, 174.6;
MS (ESI) m/z 569 [M+H]+
【0074】
ステップ1:化合物5bの調製
化合物4b(200mg、1.51mmol)をアセトニトリル(5.0mL)に溶解させ、これにクロロギ酸4-ニトロフェニル(305mg、1.51mmol)を0℃でゆっくりと加えた。トリエチルアミン(0.50mL、3.61mmol)をこれに加え、続いて30分間攪拌した。アセトニトリル(10mL)に溶解している化合物3a(886mg、1.82mmol)を0℃でゆっくりとこれに加え、これにジイソプロピルエチルアミン(0.324mL、1.82mmol)を加えた。15分後、混合物を100℃で12時間攪拌した。
【0075】
混合物を室温まで冷却した後、水をこれに加えた。酢酸エチルを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物5b(836mg、86%)を生じさせた。
【0076】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.27-1.37 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.45 (s, 18H), 1.50-1.55 (m, 2H), 1.59-1.65 (m, 1H), 1.72-1.88 (m, 2H), 2.01-2.10 (m, 1H), 2.27-2.34 (m, 1H), 2.35 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 2.16 (q, J = 6.7 Hz, 2H), 4.25-4.34 (m, 2H), 4.50 (ddd, J = 25.2, 18.0, 2.4 Hz, 2H), 5.21 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 5.48 (s, 1H), 5.50 (s, 1H), 7.32 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 2H), 8.59 (d, J = 6.4 Hz, 2H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22.4, 27.9, 28.0, 28.1, 28.3, 29.4, 31.6, 32.4, 38.2, 40.7, 52.9, 53.3, 72.9, 79.3, 80.5, 81.6, 82.0, 119.5, 149.6, 151.2, 155.3, 157.1, 172.3, 172.4, 172.5;
MS (ESI) m/z 646 [M+H]+
【0077】
ステップ2:化合物6aの調製
化合物5a(0.8g、1.4mmol)および2-アミノエチル,2’-アジドエチルエーテル(0.37g、2.81mmol)をエタノール(20mL)に溶解させ、これに1M CuSO4(0.28mL、0.28mmol)および2M アスコルビン酸ナトリウム(0.21mL、0.42mmol)を加え、続いて1時間攪拌した。反応物を濾過し、および溶媒を減圧下で取り除いた。濃縮物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物6a(0.45g、46%)を生じさせた。
MS (ESI) m/z 699 [M+H]+
【0078】
ステップ2:化合物6bの調製
化合物5b(880mg、1.4mmol)、2-アミノエチル,2’-アジドエチルエーテル(0.26g、2.00mmol)、1M CuSO4(0.27mL、0.27mmol)および2M アスコルビン酸ナトリウム(0.20mL、0.41mmol)を使用したという点を除いては、化合物6aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物6b(450mg、42%)を得た。
MS (ESI) m/z 776 [M+H]+
【0079】
ステップ3:化合物7aの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(0.44g、0.77mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、0.13g、0.97mmol)、TBTU(0.31g、0.97mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.224mL、0.13mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(5mL)に溶解している化合物6a(0.45g、0.64mmol)をこれに加え、続いて1時間攪拌した。
【0080】
水(20mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(20mL×2)を使用して有機化合物を抽出した。有機溶媒を減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(4% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物7a(0.32g、40%)を生じさせた。
【0081】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.45-1.50 (m, 69H), 1.52-1.74 (m, 4H), 1.74-1.85 (m, 2H), 1.98-2.09 (m, 4H), 2.25-2.38 (m, 6H), 3.09-3.16 (m, 6H), 3.35-3.43 (m, 4H), 3.47-3.56 (m, 4H), 3.61-3.68 (m, 2H), 3.81-3.86 (m, 4H), 4.11-4.15 (m, 2H), 4.18-4.25 (m, 2H), 4.36-4.38 (m, 4H), 4.55 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 7.84 (s, 0.7H), 7.86 (s, 0.3H);
MS (ESI) m/z 1254 [M+H]+
【0082】
ステップ3:化合物7bの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(270mg、0.46mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、0.078g、0.58mmol)、TBTU(0.19g、0.58mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.134mL、0.77mmol)、および化合物6b(0.30g、0.39mmol)を使用したという点を除いては、化合物7aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物7b(0.15g、29%)を得た。
【0083】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.35-1.49 (m, 63H), 1.60-1.68 (m, 1H), 1.73-1.85 (m, 4H), 1.99-2.08 (m, 3H), 2.27-2.34 (m, 4H), 3.20-3.26 (m, 8H), 3.51 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.69-3.78 (m, 5H), 3.81-3.83 (m, 1H), 4.09-4.23 (m, 1H), 4.46-4.56 (m, 4H), 5.03 (s, 4H), 7.41 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.94 (s, 1H), 8.43 (d, J = 6.4 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1331 [M+H]+
【0084】
ステップ4:化合物2aの調製
化合物7a(300mg、0.24mmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(6mL)に加え、続いて5時間攪拌した。ジエチルエーテル(20mL)をこれに加えたことで沈殿させ、およびそれを、遠心分離機を使用して分離させた。混合物をHPLCによって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物2a(115mg、52%)を生じさせた。
【0085】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.31-1.44 (m, 2H), 1.45-1.55 (m, 2H), 1.66-1.75 (m, 1H), 1.79-1.88 (m, 1H), 1.93-2.02 (m, 1H), 2.14-2.22 (m, 1H), 2.52 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.11 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 3.14-3.55 (m, 26H), 3.58 (t, J = 5.2 Hz, 3H), 3.62-3.93 (m, 6H), 3.96 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 4.18 (dd, J = 13.6, 4.8 Hz, 1H), 4.27 (dd, J = 14.4, 5.2 Hz, 1H), 4.39 (s, 2H), 4.61 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 7.93 (s, 1H);
MS (ESI) m/z 918 [M+H]+
【0086】
ステップ4:化合物2bの調製
化合物7a(28mg、21μmol)および70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.4mL)を使用したという点を除いては、化合物2aの調製において記載したものと同じやり方で、固体として化合物2b(10mg、48%)を得た。
【0087】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.31-1.44 (m, 4H), 1.51-1.62 (m, 2H), 1.64-1.75 (m, 1H), 1.79-1.87 (m, 1H), 1.90-1.99 (m, 1H), 2.11-2.19 (m, 1H), 2.49 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.90-3.48 (m, 18H), 5.52 (t, J = 5.2 Hz, 3H), 3.61-3.88 (m, 6H), 3.92 (t, J = 4.8 Hz, 3H), 4.16 (dd, J = 14.0, 5.2 Hz, 1H), 4.25 (dd, J = 14.4, 5.2 Hz, 1H), 4.59 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 5.19 (s, 2H), 7.60 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.03 (s, 1H), 8.42 (d, J = 7.2 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 995 [M+H]+
【0088】
【0089】
ステップ1:化合物5cの調製
4-ペンチン酸(82mg、0.83mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、および0℃まで冷却し、これにN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(190mg、0.91mmol)および化合物3c(0.5g、0.83mmol)を加え、続いて室温で1時間攪拌した。有機層を複数回濾過し、および溶媒を減圧下で取り除いた。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(30% 酢酸エチル/n-ヘキサン)によって分離させたことで、化合物5c(0.29g、52%)を生じさせた。
【0090】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.34-1.67 (m, 39H), 1.68-2.02 (m, 5H), 2.16-2.32 (m, 2H), 2.37-2.56 (m, 5H), 3.22 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.29 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 3.82-3.90 (m, 2H), 4.17-4.29 (m, 2H), 5.49-5.52 (m, 1.5H), 5.60 (d, J = 8.0 Hz, 0.5 Hz);
MS (ESI) m/z 704 [M+Na]+
【0091】
ステップ1:化合物5dの調製
4-ペンチン酸(32mg、0.32mmol)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(74mg、0.36mmol)、および化合物3c(0.20g、0.32mmol)を使用したという点を除いては、化合物5cの調製において記載したものと同じやり方で、化合物5d(0.18g、79%)を得た。
【0092】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.41-1.43(m, 27), 1.44 (s, 9H), 1.51-1.63 (m, 3H), 1.76-1.88 (m, 2H), 1.93-1.96 (m, 1H), 2.01-2.08 (m, 1H), 2.20-2.36 (m, 2H), 2.46-2.53 (m, 5H), 2.57-2.60 (m, 1H), 3.26 (dt, J = 21.2, 7.7 Hz, 2H), 3.52 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.24-4.35 (m, 2H), 5.05 (dd, J = 16.4, 8.0 Hz, 1H), 5.33 (dd, J = 61.2, 8.0 Hz, 1H);
MS (ESI) m/z 718 [M+Na]+
【0093】
ステップ2:化合物6cの調製
化合物5c(0.26g、0.38mmol)および2-アミノエチル,2’-アジドエチルエーテル(60mg、0.46mmol)をエタノール(5mL)に溶解させ、これに1M CuSO4(0.076mL、0.076mmol)および2M アスコルビン酸ナトリウム(0.057mL、0.11mmol)を加え、続いて1時間攪拌した。反応物を濾過し、および溶媒を減圧下で取り除いた。濃縮物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物6c(0.27g、87%)を生じさせた。
【0094】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.37-1.55 (m, 36H), 1.56-1.70 (m, 2H), 1.71-1.94 (m, 2H), 1.95-2.14 (m, 2H), 2.24-2.40 (m, 2H), 2.58-2.91 (m, 2H), 2.92-3.12 (m, 2H), 3.33-3.48 (m, 4H), 3.49-3.76 (m, 4H), 3.77-3.92 (m, 2H), 3.96 (s, 1H), 4.45-4.28 (m, 3H), 4.46-4.65 (m, 1H);
MS (ESI) m/z 813 [M+H]+
【0095】
ステップ2:化合物6dの調製
化合物5d(0.10g、0.14mmol)、2-アミノエチル,2’-アジドエチルエーテル(21mg、0.16mmol)、1M CuSO4(0.030mL、0.030mmol)および2M アスコルビン酸ナトリウム(0.020mL、0.040mmol)を使用したという点を除いては、化合物6cの調製において記載したものと同じやり方で、化合物6d(60.0mg、50%)を得た。
【0096】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.23-1.30 (m, 2H), 1.40 (s, 18H), 1.42 (s, 18H), 1.68 (s, 6H), 1.74-1.87 (m, 2H), 1.99-2.09 (m, 1H), 2.24-2.35 (m, 2H), 2.41-2.47 (m, 2H), 2.70-2.75 (m, 1H), 2.96-3.08 (m, 2H), 3.20-3.31 (m, 2H), 3.28-3.54 (m, 3H), 3.81 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 4.24-4.42 (m, 2H), 4.47-4.55 (m, 2H), 5.59 (dd, J = 53.4, 7.4 Hz, 1H), 5.77 (dd, J = 37.6, 8.4 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 16.4 Hz, 1H);
MS (ESI) m/z 826 (M+H)+
【0097】
ステップ3:化合物7cの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(84mg、0.015mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、25mg、0.019mmol)、TBTU(59mg、0.019mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.042mL、0.25mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(2mL)に溶解している化合物6c(100mg、0.12mmol)をこれに加え、続いて1時間攪拌した。
【0098】
水(10mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(10mL×2)を使用して有機化合物を抽出した。反応物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物7c(95mg、56%)を生じさせた。
【0099】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.42-1.65 (m, 63H), 1.71-1.85 (m, 2H), 1.95-3.69 (m, 40H), 3.74 (s, 3H), 3.79-3.92 (m, 2H), 3.96 (s, 1H), 4.11-4.20 (m, 3H), 4.50-4.58 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 1388 [M+Na]+
【0100】
ステップ3:化合物7dの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(29mg、0.073mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、12mg、0.091mmol)、TBTU(29mg、0.091mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(15.86μL、91.07μmol)および化合物6d(50mg、60.5μmol)を使用したという点を除いては、化合物7cの調製において記載したものと同じやり方で、化合物7d(51mg、61%)を得た。
【0101】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.75-0.94 (m, 2H), 1.23-1.61 (m, 63H), 1.69 (s, 5H), 1.77-1.87 (m, 2H), 2.00-2.08 (m, 3H), 2.21 (bs, 2H), 2.27-2.37 (m, 3H), 2.41-2.48 (m, 4H), 2.78 (s, 4H), 2.94-3.06 (m, 3H), 3.20-3.38 (m, 5H), 3.43-3.56 (m, 4H), 3.60 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.66-3.75 (m, 5H), 3.80 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.19 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 4.25-4.34 (m, 2H), 4.50-4.54 (m, 2H), 5.47 (dd, J = 26.8, 8.0 Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 12.4, 8.4 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 41.2 Hz, 1H)
MS (ESI) m/z 1381 [M+H]+
【0102】
ステップ4:化合物2cの調製
化合物7c(60mg、0.044mmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(2mL)に加え、続いて4時間攪拌した。ジエチルエーテル(20mL)をこれに加えたことで沈殿させ、およびそれを、遠心分離機を使用して分離させた。混合物をHPLCによって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物2c(25mg、58%)を生じさせた。
【0103】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.10-1.30 (m, 2H), 1.31-1.50 (m, 2H), 1.52-1.63 (m, 1H), 1.64-1.76 (m, 1H), 1.78-1.89 (m, 1H), 1.99-2.09 (m, 1H), 2.36-2.40 (m, 2H), 2.62-2.65 (m, 1H), 2.77-2.80 (m, 2H), 2.95-2.98 (m, 3H), 3.00-3.19 (m, 7H), 3.21-3.42 (m, 11H), 3.46-3.47 (m, 3H), 3.49-3.72 (m, 4H), 3.82-3.86 (m, 3H), 3.95 (s, 2H), 4.01-4.15 (m, 4H), 4.53-4.56 (m, 2H), 7.84 (s, 1H);
MS (ESI) m/z 974 [M+H]+
【0104】
ステップ4:化合物2dの調製
化合物7d(40mg、0.029mmol)を使用したという点を除いては、化合物2cの調製において記載したものと同じやり方で、固体として化合物2d(19mg、66%)を得た。
【0105】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.25-1.42 (m, 2H), 1.44-1.64 (m, 2H), 1.65-1.76 (m, 1H), 1.78-1.91 (m, 1H), 1.92-2.04 (m, 1H), 2.14-2.22 (m, 0.5H), 2.52 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.59 (t, J = 7.2 Hz, 1.5H), 2.64 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 2.81 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 2.88 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.03-3.07 (m, 3H), 3.08-3.54 (m, 19H), 3.55-3.65 (m, 7H), 3.66-3.87 (m, 4H), 3.96 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 4.17-4.22 (m, 1H), 4.25-4.28 (m, 1H), 4.62-4.64 (m, 2H), 7.92 (s, 0.6H), 7.93 (s, 0.4H);
MS (ESI) m/z 974 [M+H]+
【0106】
【0107】
ステップ1:化合物9aの調製
例1において合成された化合物3b(600mg、0.997mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、これにN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、226mg、1.04mmol)を室温でゆっくりと加えた。2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)酢酸8a(N3-(CH2CH2O)2-CH2COOH、226mg、1.20mmol)をゆっくりとこれに加え、続いて1時間攪拌した。反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(60% 酢酸エチル/n-ヘキサン)によって分離させたことで、無色液体として化合物9a(520mg、67%)を生じさせた。
【0108】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.44-1.49 (m, 36H), 1.50-1.57 (m, 2H), 1.58-1.71 (m, 2H), 1.73-1.84 (m, 2H), 2.00-2.09 (m, 1H), 2.25-2.38 (m, 2H), 3.33-3.39 (m, 4H), 3.65-3.72 (m, 6H), 3.96 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.11-4.22 m, 3H), 4.33 (s, 2H), 6.32-6.36 (m, 1H);
MS (ESI) m/z 773 [M+H]+
【0109】
ステップ2:化合物10aの調製
上記ステップ1において合成された化合物9a(490mg、0.634mmol)をエタノール(20mL)に溶解させ、これに炭素上パラジウム10%(67mg)を加え、続いて水素下で12時間攪拌した。反応溶液を濾過し、エタノールで洗浄し、および減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(4% メタノール/ジクロロメタン、NHシリカゲル)によって分離させたことで、無色液体として化合物10a(425mg、90%)を生じさせた。
【0110】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.34-1.39 (m, 2H), 1.44-1.49 (m, 36H), 1.51-1.65 (m, 4H), 1.73-1.84 (m, 2H), 2.00-2.07 (m, 1H), 2.31 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.80 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.33-3.40 (m, 1H), 3.52 (q, J = 5.2 Hz, 2H), 3.61-3.66 (m, 3H), 3.69-3.71 (m, 1H), 3.97 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.11 (s, 1H), 4.13-4.21 (m, 2H), 4.32 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 747 [M+H]+
【0111】
ステップ3:化合物11aの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(55mg、0.096mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、22mg、0.160mmol)、TBTU(52mg、0.160mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.042mL、0.241mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(2.0mL)に溶解している上記ステップ2において合成された化合物10a(60mg、0.080mmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0112】
反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(3% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物11a(75mg、71%)を生じさせた。
【0113】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.44-1.50 (m, 63H), 1.54-1.65 (m, 4H), 1.73-1.82 (m, 2H), 2.00-2.09 (m, 3H), 2.15-2.34 (m, 6H), 2.59-3.25 (br s, 16H), 3.38-3.40 (m, 2H), 3.55-3.57 (m, 3H), 3.62 (s, 2H), 3.63-3.69 (m, 3H), 3.97 (s, 2H), 4.08 (s, 2H), 4.09-4.21 (m, 3H), 4.31 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 1302 [M+H]+
【0114】
ステップ4:化合物2eの調製
上記ステップ3において合成された化合物11a(50mg、0.038mmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.5mL)に溶解させ、続いて室温で4時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、および、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させたことで、白色固体として化合物2e(26mg、74%)を生じさせた。
【0115】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.16-1.30 (m, 2H), 1.36-1.50 (m, 2H), 1.52-1.62 (m, 1H), 1.64-1.73 (m, 1H), 1.76-1.86 (m, 1H), 1.98-2.06 (m, 1H), 2.35 (td, J = 7.2, 1.6 Hz, 2H), 2.86-3.38 (m, 20H), 3.48-3.60 (m, 10H), 3.70-3.91 (br s, 3H), 3.96 (s, 2H), 4.00-4.12 (m, 3H), 4.25 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 910 [M+2H]+
【0116】
<例5>化合物2f、2gおよび2hの調製
【化45】
【0117】
ステップ1:化合物12aの調製
リシン(Fmoc-Lys(Z)-OH、275mg、0.546mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、123mg、0.1910mmol)、TBTU(292mg、0.910mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.238mL、1.37mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(5.0mL)に溶解している例4のステップ2において合成された化合物10a(340mg、0.455mmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。
【0118】
収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させた。得られた化合物にジクロロメタン(15mL)を加え、これにピペリジン(0.043mL、0.438mmol)を加え、続いて室温で24時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/ジクロロメタン、NHシリカゲル)によって分離させたことで、無色液体として化合物12a(480mg、84%)を生じさせた。
【0119】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.34-1.39 (m, 2H), 1.44-1.48 (m, 36H), 1.50-1.70 (m, 10 H), 1.72-1.84 (m, 2H), 2.00-2.08 (m, 1H), 2.24-2.38 (m, 2H), 3.11 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.33-3.41 (m, 4H), 3.55 (q, J = 5.2 Hz, 2H), 3.61-3.68 (m, 4H), 3.96 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.10-4.21 (m, 3H), 4.31 (s, 1H), 5.06 (s, 2H), 7.27-7.32 (m, 1H), 7.33-7.34 (m, 4H);
MS (ESI) m/z 1010 [M+H]+
【0120】
ステップ2:化合物13aの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(211mg、0.369mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、83mg、0.614mmol)、TBTU(197mg、0.614mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.161mL、0.921mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(5.0mL)に溶解している上記ステップ1において合成された化合物12a(310mg、0.307mmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0121】
反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物13a(323mg、67%)を生じさせた。
【0122】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.36-1.39 (m, 2H), 1.44-1.49 (m, 63H), 1.51-1.73 (m, 8H), 1.75-1.84 (m, 2H), 2.00-2.07 (m, 3H), 2.08-2.26 (m, 4H), 2.28-2.36 (m, 3H), 2.38-3.05 (br s, 12H), 3.11 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.16-3.28 (m, 4H), 3.36 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.38-3.52 (br s, 3H), 3.54 (q, J = 4.0 Hz, 2H), 3.58-3.68 (m, 5H), 3.97 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.07 (S, 1H), 4.09-4.22 (m, 3H), 4.26-4.28 (m, 1H), 4.31 (s, 1H), 5.06 (s, 2H), 7.26-7.32 (m, 1H), 7.33-7.38 (m, 4H);
MS (ESI) m/z 1565 [M+2H]+
【0123】
ステップ3:化合物14aの調製
上記ステップ2において合成された化合物13a(300mg、0.192mmol)をエタノール(20mL)に溶解させ、これに炭素上パラジウム10%(20mg)を加え、続いて水素下で2時間攪拌した。反応溶液を濾過し、エタノールで洗浄し、および減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(4% メタノール/ジクロロメタン、NHシリカゲル)によって分離させたことで、無色液体として化合物14a(260mg、95%)を生じさせた。
【0124】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.33-1.42 (m, 4H), 1.44-1.49 (m, 63H), 1.51-1.57 (m, 4H), 1.59-1.73 (m, 4H) 1.74-1.85 (m, 3H), 2.00-2.08 (m, 3H), 2.09-2.27 (br s, 4H), 2.29-2.38 (m, 3H), 2.60-2.65 (m, 2H), 2.68 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.73-2.94 (br s, 7H), 3.05-3.17 (br s, 3H), 3.25-3.28 (m, 2H), 3.34-3.39 (m, 2H), 3.43 (br s, 1H), 3.47-3.39 (m, 1H), 3.53-3.57 (m, 3H), 3.63 (s, 2H), 3.65-3.68 (m, 2H), 3.98 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.09 (s, 1H), 4.11-4.22 (m, 3H), 4.32 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 1430 [M+H]+
【0125】
ステップ4:化合物15aの調製
4-フェニル酪酸(8.4mg、0.050mmol)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、11mg、0.084mmol)、TBTU(27mg、0.084mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.022mL、0.126mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(1.0mL)に溶解している上記ステップ3において合成された化合物14a(60mg、0.042mmol)をこれに加え、続いて室温で2時間攪拌した。
【0126】
反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(4% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物15a(17mg、26%)を生じさせた。
【0127】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.44-1.48 (m, 63H), 1.51-1.71 (m, 6H), 1.74-1.84 (m, 4H), 1.86-1.94 (m, 2H), 1.98-2.15 (m, 6H), 2.19 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.24-2.34 (m, 3H), 2.36-3.04 (br s, 3H), 2.61 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.63-3.04 (br s, 10H), 3.12-3.19 (m, 3H), 3.25-3.26 (m, 4H), 3.35-3.37 (m, 4H), 3.47-3.56 (m, 5H), 3.59-3.68 (m, 4H), 3.97 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.08-4.22 (m, 4H), 4.31 (s, 2H), 7.1-7.18 (m, 3H), 7.24-7.27 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 1577 [M+H]+
【0128】
ステップ4:化合物15bの調製
4-(p-トリル)酪酸(12mg、0.063mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、14mg、0.106mmol)、TBTU(34mg、0.106mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.028mL、0.159mmol)および上記ステップ3において合成された化合物14a(76mg、0.053mmol)を使用したという点を除いては、化合物15aの調製において記載したものと同じやり方で、無色液体として化合物15b(17mg、26%)を得た。
MS (ESI) m/z 1590 [M+H]+
【0129】
ステップ4:化合物15cの調製
4-(p-ヨードフェニル)酪酸(15mg、0.050mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、11mg、0.084mmol)、TBTU(27mg、0.084mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.022mL、0.126mmol)および上記ステップ3において合成された化合物14a(60mg、0.042mmol)を使用したという点を除いては、化合物15aの調製において記載したものと同じやり方で、無色液体として化合物15c(36mg、51%)を得た。
【0130】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.44-1.48 (m, 63H), 1.51-1.57 (m, 4H), 1.58-1.70 (m, 3H), 1.71-1.82 (m, 3H), 1.84-1.92 (m, 3H), 1.93-2.15 (m, 5H), 2.18 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.20-2.34 (m, 5H), 2.36-2.56 (br s, 3H), 2.58 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.61-2.76 (br s, 3H), 2.81 (s, 2H), 2.86-3.09 (br s, 5H), 3.11-3.18 (m, 3H), 3.20-3.26 (m, 3H), 3.35-3.39 (m, 2H), 3.42-3.48 (br s, 2H), 3.53 (q, J = 4.0 Hz, 2H), 3.62 (s, 2H), 3.64-3.69 (m, 3H), 3.97 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.08 (s, 1H), 4.10-4.23 (m, 4H), 4.31 (s, 2H), 6.32-6.36 (m, 1H), 6.99 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1702 [M+H]+
【0131】
ステップ5:化合物2fの調製
上記ステップ4において合成された化合物15a(14mg、0.0089mmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.5mL)に溶解させ、続いて室温で1時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、および、濃縮物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させたことで、白色固体として化合物2f(7mg、67%)を生じさせた。
【0132】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.22-1.31 (m, 4H), 1.39 (p, J = 7.4 Hz, 2H), 1.42-1.51 (m, 2H), 1.57-1.73 (m, 4H), 1.79 (p, J = 7.6 Hz, 2H), 1.82-1.89 (m, 1H), 2.01-2.09 (m, 1H), 2.13 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.39 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.51 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.53-3.00 (br s, 3H), 3.03 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.09-3.43 (m, 18H), 3.47 (q, J = 5.2 Hz, 2H), 3.48-3.60 (m, 6H), 3.61-3.91 (br s, 5H), 3.96 (s, 2H), 4.00-4.16 (m, 3H), 4.25 (s, 2H), 7.13-7.17 (m, 3H), 7.22-7.27 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 1183 [M+H]+, 1181 [M-H]-
【0133】
ステップ5:化合物2gの調製
上記ステップ4において合成された化合物15b(37mg、0.023mmol)および70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.5mL)を使用したという点を除いては、化合物2fの調製において記載したものと同じやり方で、白色固体として化合物2g(10mg、36%)を得た。
【0134】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.14-1.26 (m, 4H), 1.35 (p, J = 6.8 Hz, 2H), 1.39-1.48 (m, 2H), 1.50-1.63 (m, 3H), 1.66-1.69 (m, 1H), 1.72 (p, J = 7.2 Hz, 2H), 1.82 (p, J = 7.2 Hz, 1H), 2.01 (p, J = 7.0 Hz, 1H), 2.08 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.15 (s, 3H), 2.35 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.43 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.66-2.98 (br s, 2H), 2.99 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.01-3.40 (m, 18H), 3.44 (q, J = 5.0 Hz, 2H), 3.48-3.56 (m, 5H), 3.57-3.88 (br s, 6H), 3.92 (s, 2H), 3.98-4.12 (m, 4H), 4.21 (s, 2H), 7.01 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 8.0 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1198 [M+H]+, 1196 [M-H]-
【0135】
ステップ5:化合物2hの調製
上記ステップ4において合成された化合物15c(30mg、0.018mmol)および70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.5mL)を使用したという点を除いては、化合物15aの調製において記載したものと同じやり方で、白色固体として化合物2h(13mg、54%)を得た。
【0136】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.18-1.30 (m, 4H), 1.37 (p, J = 6.8 Hz, 2H), 1.41-1.52 (m, 2H), 1.54-1.67 (m, 3H), 1.70-1.74 (m, 1H), 1.78 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.81-1.90 (m, 1H), 1.98-2.07 (m, 1H), 2.11 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.39 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.48 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.00 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.02-3.26 (m, 17H), 3.29-3.35 (m, 2H), 3.48 (q, J = 4.4 Hz, 2H), 3.52-3.58 (m, 6H), 3.60-3.93 (br s, 7H), 3.97 (s, 2H), 4.03-4.17 (m, 3H), 4.25 (s, 2H), 6.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 8.4 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1309 [M+H]+, 1307 [M-H]-
【0137】
【0138】
ステップ1:化合物9bの調製
例1において合成された化合物3b(691mg、1.15mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、これにN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、3710mg、1.79mmol)を室温でゆっくりと加えた。2-(2-アジドエトキシ)酢酸8b(N3-CH2CH2O-CH2COOH、200mg、1.38mmol)をこれに加え、続いて1時間攪拌した。
【0139】
反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(40% 酢酸エチル/n-ヘキサン)によって分離させたことで、無色液体として化合物9b(670mg、80%)を生じさせた。
【0140】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.44-1.51 (m, 36H), 1.52-1.67 (m, 4H), 1.71-1.84 (m, 2H), 2.00-2.09 (m, 1H), 2.25-2.38 (m, 2H), 3.36 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 3.41-3.45 (m, 2H), 3.66 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 3.71 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.12-4.23 (m, 3H), 4.32 (s, 2H), 6.34 (p, J = 4.2 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 729 [M+H]+
【0141】
ステップ2:化合物10bの調製
上記ステップ1において合成された化合物9b(650mg、0.892mmol)をエタノール(20mL)に溶解させ、これに炭素上パラジウム10%(95mg)を加え、続いて水素下で12時間攪拌した。反応溶液を濾過し、エタノールで洗浄し、および減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン、NHシリカゲル)によって分離させたことで、無色液体として化合物10b(573mg、91%)を生じさせた。
【0142】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.37-1.42 (m, 2H), 1.44-1.49 (m, 36H), 1.51-1.67 (m, 4H), 1.71-1.84 (m, 2H), 1.99-2.09 (m, 1H), 2.29-2.34 (m, 2H), 2.84 (p, J = 5.2 Hz, 2H), 3.35-3.40 (m, 1H), 3.54 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 3.59 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.07 (s, 1H), 4.09-4.21 (m, 2H), 4.31 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 703 [M+H]+
【0143】
ステップ3:化合物11bの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(82mg、0.143mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、32mg、0.239mmol)、TBTU(77mg、0.239mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.062mL、0.358mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(2.0mL)に溶解している上記ステップ2において合成された化合物10b(84mg、0.120mmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0144】
反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物11b(65mg、43%)を生じさせた。
【0145】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.44-1.49 (m, 63H), 1.51-1.54 (m, 2H), 1.57-1.65 (m, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H), 2.04-2.09 (m, 2H), 2.30-2.34 (m, 2H), 2.81-3.25 (br s, 18H), 3.35-3.54 (br s 7H), 3.55 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.61 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.98 (s, 2H), 4.06 (s, 1H), 4.10-4.22 (m, 2H), 4.29 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 1258 [M+H]+
【0146】
ステップ4:化合物2iの調製
上記ステップ3において合成された化合物11b(55mg、0.044mmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンに溶解させ、(0.5mL)続いて室温で4時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、および、濃縮物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させたことで、白色固体として化合物2i(17mg、45%)を生じさせた。
【0147】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.20-1.34 (m, 2H), 1.42-1.54 (m, 2H), 1.56-1.65 (m, 1H), 1.70-1.77 (m, 1H), 1.86 (p, J = 7.4 Hz, 1H), 2.05 (p, J = 7.2 Hz, 1H), 2.39 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.84-3.49 (m, 20H), 3.51 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 3.55 (t, J = 4.0 Hz, 1H), 3.58-3.62 (br s, 4H), 3.63-3.95 (br s, 3H), 4.00 (s, 2H), 4.05 (s, 1H), 4.07-4.17 (m, 2H), 4.29 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 865 [M+H]+, 863 [M-H]-
【0148】
【0149】
ステップ1:化合物12bの調製
リシン(Fmoc-Lys(Z)-OH、386mg、0.768mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、173mg、1.28mmol)、TBTU(411mg、1.28mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.335mL、1.92mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(5.0mL)に溶解している例6のステップ2において合成された化合物10b(450mg、0.640mmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。
【0150】
収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させた。得られた化合物にジクロロメタン(15mL)を加え、これにピペリジン(0.050mL、0.505mmol)を加え、続いて室温で24時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/ジクロロメタン、NHシリカゲル)によって分離させたことで、無色液体として化合物12b(380mg、61%)を生じさせた。
【0151】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.33-1.41 (m, 4H), 1.44-1.48 (m, 36H), 1.51-1.72 (m, 8H), 1.74-1.84 (m, 2H), 1.99-2.08 (m, 1H), 2.24-2.38 (m, 2H), 3.11 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.24-3.28 (m, 1H), 3.34-3.46 (m, 3H), 3.55 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 3.60 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 3.96 (s, 1H), 4.05 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.16-4.22 (m, 3H), 4.29 (s, 1H), 5.05 (s, 2H), 7.26-7.32 (m, 1H), 7.33-7.38 (m, 4H);
MS (ESI) m/z 966 [M+H]+
【0152】
ステップ2:化合物13bの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(271mg、0.472mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、106mg、0.787mmol)、TBTU(253mg、0.787mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.206mL、1.18mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(5.0mL)に溶解している上記ステップ1において合成された化合物12b(380mg、0.394mmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0153】
反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(3% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物13b(487mg、81%)を生じさせた。
【0154】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.44-1.49 (m, 63H), 1.51-1.53 (m, 2H), 1.59-1.66 (m, 4H), 1.75-1.84 (m, 4H), 2.01-2.09 (m, 3H), 2.10-2.26 (br s, 4H), 2.27-2.34 (m, 3H), 2.38-2.94 (br s, 12H), 2.95-3.21 (m, 6H), 3.23-3.27 (m, 2H), 3.32-3.64 (m, 8H), 3.99-4.08 (m, 2H), 4.11-4.22 (m, 3H), 4.30 (s, 2H), 5.06 (s, 2H), 7.28-7.31 (m, 1H), 7.33-7.34 (m, 4H);
MS (ESI) m/z 1520 [M+H]+
【0155】
ステップ3:化合物14bの調製
上記ステップ2において合成された化合物13b(467mg、0.307mmol)をエタノール(20mL)に溶解させ、これに炭素上パラジウム10%(33mg)を加え、続いて水素下で2時間攪拌した。反応溶液を濾過し、エタノールで洗浄し、および減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン、NHシリカゲル)によって分離させたことで、無色液体として化合物14b(366mg、86%)を生じさせた。
【0156】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.44-1.49 (m, 63H), 1.51-1.67 (m, 8H), 1.74-1.84 (m, 3H), 1.89-2.00 (br s, 1H), 2.01-2.08 (m, 2H), 2.09-2.26 (br s, 5H), 2.29-2.34 (m, 2H), 2.36-2.62 (br s, 5H), 2.63-2.68 (m, 2H), 2.70-3.22 (br s 10H), 3.26 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.39 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.42-3.73 (m, 6H), 3.95-4.06 (m, 2H), 4.08-4.21 (m, 4H), 4.32 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 1386 [M+H]+
【0157】
ステップ4:化合物15dの調製
4-(p-トリル)酪酸(11mg、0.059mmol)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、13mg、0.098mmol)、TBTU(32mg、0.098mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.026mL、0.147mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(1.0mL)に溶解している上記ステップ3において合成された化合物14b(68mg、0.049mmol)をこれに加え、続いて室温で2時間攪拌した。
【0158】
反応物に水を加え、および次いで、ジクロロメタンを使用して3回、有機化合物を繰り返し抽出した。収集した有機溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、カラムクロマトグラフィー(4% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物15d(60mg、42%)を生じさせた。
【0159】
ステップ4:化合物15eの調製
4-(p-ヨードフェニル)酪酸(32mg、0.104mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、23mg、0.173mmol)、TBTU(56mg、0.173mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.045mL、0.260mmol)および上記ステップ3において合成された化合物14b(120mg、0.087mmol)を使用したという点を除いては、化合物15aの調製において記載したものと同じやり方で、無色液体として化合物15e(36mg、51%)を得た。
【0160】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.82-0.96 (m, 2H), 0.97-1.14 (m, 2H), 1.16-1.37 (m, 6H), 1.42-1.50 (m, 63 H), 1.53-1.69 (m, 2H), 1.71-1.96 (m, 5H), 1.99-2.10 (m, 3H), 2.11-2.38 (m, 11H), 2.41-2.68 (m, 6H), 2.81 (s, 3H), 2.82-3.11 (br s, 7H), 3.16-3.33 (m, 5H), 3.35-3.61 (m, 5H), 3.63-3.75 (m, 2H), 3.90 (s, 2H), 4.10 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.24-4.35 (m, 3H), 5.60 (q, J = 7.6 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1658 [M+H]+
【0161】
ステップ5:化合物2jの調製
上記ステップ4において合成された化合物15d(24mg、0.016mmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.5mL)に溶解させ、続いて室温で1時間攪拌した。反応物を減圧下で濃縮し、および、濃縮物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させたことで、白色固体として化合物2j(6.7mg、37%)を生じさせた。
【0162】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.16-1.28 (m, 4H), 1.35-1.48 (m, 4H), 1.52-1.64 (m, 3H), 1.65-1.70 (m, 1H), 1.74 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.79-1.87 (m, 1H), 2.00-2.05 (m, 1H), 2.10 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.36 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.44 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.82-3.10 (m, 8H), 3.11-3.27 (m, 9H), 3.28-3.38 (m, 4H), 3.39-3.49 (m, 4H), 3.50-3.80 (m, 7H), 3.93 (s, 2H), 3.98-4.12 (m, 3H), 4.19 (s, 2H), 7.02 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 7.2 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1153 [M+H]+, 1151 [M-H]-
【0163】
ステップ5:化合物2kの調製
上記ステップ4において合成された化合物15e(10mg、0.0060mmol)を使用したという点を除いては、化合物2jの調製において記載したものと同じやり方で、白色固体として化合物2k(4.0mg、53%)を得た。
【0164】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.15-1.27 (m, 4H), 1.28-1.36 (m, 2H), 1.38-1.48 (m, 2H), 1.54-1.64 (m, 3H), 1.66-1.68 (m, 1H), 1.74 (p, J = 7.4 Hz, 2H), 1.79-1.87 (m, 1H), 1.98-2.03 (m, 1H), 2.08 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.36 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.43 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.71-2.87 (br s, 3H), 2.96 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.03-3.33 (m, 17H), 3.38-3.49 (m, 3H), 3.52-3.89 (br s, 6H), 3.94 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 4.00-4.14 (m, 4H), 4.19 (s, 2H), 6.90 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1266 [M+H]+, 1264 [M-H]-
【0165】
【0166】
ステップ1:化合物16の調製
Fmoc-Gly-OH(0.49g、1.66mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、これにN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.34g、1.66mmol)を加え、続いて0℃で10分間攪拌した。ジクロロメタン(10mL)に溶解している化合物3b(0.50g、0.83mmol)を反応混合物にゆっくりと加え、続いて0℃で1.5時間攪拌した。
【0167】
反応混合物を濾過し、複数回ジクロロメタンで洗浄し、および溶媒を減圧下で取り除いた。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(35%~50% 酢酸エチル/n-ヘキサン)によって分離させたことで、化合物16(0.45g、61%)を生じさせた。
【0168】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.05-1.21 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.40 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 1.56-1.62 (m, 2H), 1.64-1.71 (m, 2H), 1.75-1.86 (m, 2H), 1.88-1.94(m, 2H), 2.19-2.35 (m, 2H), 3.16-3.29 3.88-4.02 (m, 2H), 4.19-4.28 (m, 2H), 4.29-4.40 (m, 3H), 5.23 (dt, J = 64.4, 12.0 Hz, 2H), 5.96 (dt, J = 105.2, 4.4 Hz, 1H), 7.27-7.30 (m, 2H), 7.37 (t, J = 13.4 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 7.2 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 881 [M+H]+
【0169】
ステップ2:化合物10cの調製
化合物16(0.40g、0.45mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、これにピペリジン(0.1mL、1.01mmol)を加え、続いて室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物10c(0.19g、63%)を生じさせた。
【0170】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.41 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 1.47 (s, 9H) 1.53-1.64(m, 2H) 1.75-1.89 (m, 2H), 2.02-2.11 (m, 2H), 2.24-2.38 (m, 2H), 3.23 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.69 (s, 2H), 3.84-3.97 (m, 2H), 4.22-4.37 (m, 2H), 5.46-5.84(m, 2H);
MS (ESI) m/z 659 [M+H]+
【0171】
ステップ3:化合物11cの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(31mg、55μmol)をジクロロメタン(0.6mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、9mg、68μmol)、TBTU(22mg、68μmol)およびジイソプロピルエチルアミン(16μL、91μmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(0.3mL)に溶解している化合物10c(30mg、45.5μmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0172】
水(10mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(10mL×3)を使用して有機化合物を抽出した。反応物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物11c(47.4mg、86%)を生じさせた。
【0173】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.46 (s, 9H), 1.47 (s, 27H), 1.48 (s, 27H), 1.68 (s, 6H), 1.73-1.80 (m, 1H), 1.78-1.90 (m, 1H), 2.04-2.15 (m, 3H), 2.20-2.48 (m, 6H), 2.83 (s, 9H), 3.00 (bs, 3H), 3.27 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.32-3.41 (m, 2H), 3.44-3.54 (m, 2H), 3.91-4.14 (m, 3H), 4.20-4.40 (m, 2H), 5.25-5.34 (m, 1H), 5.46 (dd, J =7.4 Hz, 1H);
MS (ESI) m/z 1213 [M+H]+
【0174】
ステップ4:化合物2lの調製
化合物11c(40mg、32.96μmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1mL)に加え、続いて5時間攪拌した。ジエチルエーテル(40mL)中の反応混合物を滴下したことで沈殿物を作った後、それを、遠心分離機を使用して分離させた。次いで、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって化合物2l(15mg、55%)が得られた。
【0175】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.29-1.38 (m, 2H), 1.46 (bs, 1H), 1.54-1.62 (m, 2H), 1.63-1.70 (m, 1H), 1.75-1.82 (m, 1H), 1.83-1.93 (m, 1H), 2.05-2.13 (m, 1H), 2.42 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.70-3.89 (br, 22H), 3.94 (s, 1H), 3.99 (s, 1H), 4.04 (s, 2H), 4.07-4.12 (1H), 4.12-4.15 (m, 2H), 4.18 (t, J =4.4 Hz, 2H)
MS (ESI) m/z 821 [M+H]+
【0176】
【0177】
ステップ1:化合物17の調製
Fmoc-Lys(Z)-OH(183mg、0.36mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、62mg、0.46mmol)、TBTU(146mg、0.46mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(106μL、0.61mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(1mL)に溶解している化合物10c(0.20g、0.30mmol)をこれに加え、続いて4時間攪拌した。
【0178】
水(10mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(10mL×3)を使用して有機化合物を抽出した。反応物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、白色固体として化合物17(268mg、77%)を生じさせた。
【0179】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.19-1.29 (m, 2H), 1.37-1.46 (m, 36H), 1.49-1.55 (m, 2H), 1.57-1.63 (m, 2H), 1.68 (s, 3H), 1.77-1.84 (m, 2H), 2.00-2.10 (m, 2H), 2.22-2.35 (m, 2H), 3.10-3.23 (m, 3H), 3.79-3.99 (m, 3H), 4.13 (s, 1H), 4.18-4.26 (m, 2H), 4.32-4.42 (m, 3H), 5.05 (s, 2H), 5.37-5.87 (m, 3H), 7.02 (d, J = 22 Hz, 1H), 7.23-7.40 (m, 8H), 7.54-7.60 (m, 2H), 7.73 (q, J = 6.1 Hz, 2H)
MS (ESI) m/z 1165 [M+Na]+
【0180】
ステップ2:化合物12cの調製
化合物17(250mg、0.22mmol)をCH2Cl2(1mL)に溶解させ、これにピペリジン(64.80μL、0.66mmol)を加え、続いて室温で5時間攪拌した。減圧下で反応混合物から溶媒を取り除いた後、濃縮物をカラムクロマトグラフィーに供したことで、無色液体として化合物12c(170mg、84%)を生じさせた。
【0181】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.24-1.36 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.47 (s, 9H), 1.48 (s, 18H), 1.52-1.59 (m, 4H), 1.71 (s, 4H), 1.77-1.89 (m, 3H), 2.04-2.13 (m, 1H), 2.25-2.39 (m, 2H), 3.15-3.25 (m, 2H), 3.26-3.34 (m, 1H), 3.85-4.05 (m, 2H), 4.12-4.20 (m, 2H), 4.26-4.41 (m, 2H), 5.06-5.16 (m, 3H), 5.51 (ddd, J = 49.3, 29.4, 8.1 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 4.4 Hz, 4H), 7.92 (s, 1H);
MS (ESI) m/z 922 [M+H]+
【0182】
ステップ3:化合物13cの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(99mg、0.119mmol)をジクロロメタン(0.5mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、23mg、0.261mmol)、TBTU(56mg、0.261mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(30μL、347μmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(1.6mL)に溶解している化合物12c(160mg、0.174mmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0183】
水(10mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(10mL×3)を使用して有機化合物を抽出した。反応物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物13c(180mg、72%)を生じさせた。
【0184】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.28-1.33 (m, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.46(s, 9H), 1.47 (s, 9H), 1.47(s, 9H), 1.48 (s, 18H), 1.49 (s, 9H), 1.79 (s, 8H), 2.04-2.15 (m, 5H), 2.25-2.41 (m, 5H), 2.59 (bs, 3H), 2.83 (bs, 4H), 2.95 (bs, 3H), 3.18-3.28(m, 5H), 3.47 (bs, 4H), 3.92 (dd, J = 44.0, 18.4 Hz, 2H), 4.04-4.24 (m, 2H), 4.33-4.39 (m, 3H), 5.10 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 18.4 Hz, 1H), 7.30-7.37 (m, 4H), 7.46 (s, 1H);
MS (ESI) m/z 1498 [M+Na]+
【0185】
ステップ4:化合物14cの調製
パラジウム(炭素上パラジウム10%、6mg、5.8μmol)を丸底フラスコ中に入れ、これを隔壁で閉鎖し、および真空にて水素ガスで満たした。メタノール(2mL)に溶解している化合物13c(170mg、115μmol)を反応容器中にロードし、続いて室温で15時間攪拌した。反応物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮し、および、濃縮物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~1% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、無色液体として化合物14c(117mg、76%)を生じさせた。
【0186】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.14-1.28 (m, 3H), 1.36 (s, 18H), 1.41 (s, 18H), 1.44 (s, 27H), 1.53-1.62 (m, 4H), 1.68-1.83 (m, 5H), 1.97-2.09 (m, 4H), 2.10-2.37 (m, 7H), 2.40-2.69 (m, 6H), 2.70-3.10(m, 7H), 3.15-3.26 (m, 2H), 3.31-3.65 (m, 4H), 3.78-3.95 (m, 2H), 4.01-4.13 (m, 2H), 4.21-4.35 (m, 3H), 5.37-5.55 (m, 2H), 7.17 (d, J = 28.8 Hz, 1H), 7.52 (bs, 1H);
MS (ESI) m/z 1365 [M+Na]+
【0187】
ステップ5:化合物15fの調製
4-(p-トリル)酪酸(16mg、89μmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15mg、112μmol)、TBTU(36mg、112μmol)およびDIEA(26μL、149μmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(2mL)に溶解している化合物14c(100mg、75μmol)をこれに加え、続いて1.5時間攪拌した。
【0188】
水(10mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(10mL×3)を使用して有機化合物を抽出した。反応物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィーによって分離させたことで、無色液体として化合物15f(69mg、86%)を生じさせた。
【0189】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.26-1.32 (m, 2H), 1.35-1.40 (m, 27H), 1.42-1.47 (m, 36H), 1.52-1.59 (m, 4H), 1.79-1.96 (m, 6H), 2.00-2.08 (m, 4H), 2.10-2.20 (m, 2H), 2.21-2.41 (m, 14H), 2.54-2.62 (m, 6H), 2.78 (s, 3H), 2.83-2.95 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 3.28-3.62 (m, 4H), 3.73-3.88 (m, 2H), 3.93-4.03 (m, 2H), 4.13-4.25 (m, 2H), 4.27-4.33 (m, 2H), 5.35-5.61 (m, 2H), 7.05 (d, J = 1.6 Hz, 4H)
MS (ESI) m/z 1524 [M+Na]+
【0190】
ステップ6:化合物2mの調製
上記ステップ5において得られた化合物15f(86mg、57μmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1mL)に加え、続いて6時間攪拌した。ジエチルエーテル(40mL)中の反応混合物を滴下したことで沈殿物を作った後、それを、遠心分離機を使用して分離させた。混合物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物2m(44mg、69%)を生じさせた。
【0191】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.36-1.41 (m, 4H), 1.46-1.53 (m, 3H), 1.54-1.59 (m, 2H), 1.66-1.75 (m, 2H), 1.77-1.88 (m, 4H), 1.90-1.99 (m, 1H), 2.10-2.16 (m, 1H), 2.21 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.27 (s, 3H), 2.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.93-3.56 (br, 20H), 3.71 (bs, 3H), 3.87 (s, 1H), 3.91 (s, 1H), 3.98 (s, 1H), 4.04 (t, J = 8.6 Hz, 3H), 4.12 (s, 1H), 4.13-4.19 (m, 2H), 4.22-4.26 (m, 1H), 4.30 (bs, 1H), 7.15 (q, J = 7.9 Hz, 4H);
MS (ESI) m/z 1109 [M-H]-
【0192】
【0193】
化合物19aの調製
化合物18(500mg、2.87mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、および0℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(0.6mL、4.31mmol)を加えた。ジクロロメタン(5mL)に溶解しているブロモ酢酸tert-ブチル(620mg、3.16mmol)をゆっくりとこれに加え、続いて室温で18時間攪拌した。水(10mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(10mL×2)を使用して有機化合物を抽出した。反応物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物19a(0.46g、55%)を生じさせた。
【0194】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.45 (s, 9H), 2.78 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.31 (s, 2H), 3.38 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.68-3.59 (m, 9H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 28.1, 48.7, 50.6, 51.7, 56.6, 76.7, 77.0, 77.3, 81.0, 171.5;
MS (ESI) m/z 289 [M+H]+
【0195】
化合物19bの調製
化合物18(300mg、1.72mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、および0℃まで冷却し、これにアクリル酸tert-ブチル(220mg、1.72mmol)をゆっくりと加えた。混合物の温度を徐々に室温まで上げた後、混合物を18時間攪拌した。有機溶媒を減圧下で取り除き、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物19b(380mg、73%)を生じさせた。
【0196】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.43 (s, 9H), 2.42 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.79 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.85 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.38 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.58 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.62-3.68 (m, 6H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 28.1, 35.9, 45.2, 49.1, 50.7, 76.7, 77.0, 77.3, 80.4, 172.0;
MS (ESI) m/z 303 [M+H]+
【0197】
【0198】
ステップ1:化合物21aの調製
化合物20(180mg、0.36mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、および0℃まで冷却し、これにN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、83mg、0.40mmol)および化合物19a(110mg、0.36mmol)を加え、続いて室温で1時間攪拌した。有機層を複数回濾過し、および溶媒を減圧下で取り除いた。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物21a(250mg、91%)を生じさせた。
【0199】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.43 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 1.79-1.86 (m, 1H), 2.01-2.20 (m, 3H), 2.26-2.36 (m, 3H), 2.44-2.55 (m, 1H), 2.77 (br, 1H), 3.40 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.56-3.74 (m, 9H), 4.03 (dd, J = 44.0, 17.2 Hz, 2H), 4.22-4.35 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 759 [M+H]+
【0200】
ステップ1:化合物21bの調製
化合物20(200mg、0.41mmol)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、102mg、0.49mmol)および化合物19b(200mg、0.41mmol)を使用したという点を除いては、化合物21aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物21b(275mg、87%)を得た。
MS (ESI) m/z 773 [M+H]+
【0201】
ステップ2:化合物22aの調製
化合物21a(200mg、0.26mmol)をメタノール(8mL)に溶解させ、これにパラジウム(炭素上パラジウム10%、13mg、13μmol)を加えた。反応フラスコを水素ガスで満たし、続いて室温で1時間攪拌した。反応生成物をセライトに通した後、溶媒を減圧下で取り除き、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(8% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物22a(120mg、63%)を生じさせた。
【0202】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.45 (s, 9H), 1.47-1.49 (m, 27H), 1.76-1.94 (m, 2H), 2.01-2.13 (m, 2H), 2.27-2.39 (m, 3H), 2.55-2.60 (m, 2H), 2.79-2.81 (m, 2H), 3.35 (s, 1H), 3.52 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.55-3.65 (m, 8H), 4.04 (dd, J = 17.6, 4.8 Hz, 1H), 4.14-4.22 (m, 3H);
MS (ESI) m/z 733 [M+H]+
【0203】
ステップ2:化合物22bの調製
化合物21b(240mg、0.32mmol)および(炭素上パラジウム10%、17mg、16μmol)を使用したという点を除いては、化合物22aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物22b(210mg、90%)を得た。
【0204】
1H NMR (400 MHz,メタノール-d4) δ 1.45 (s, 18H), 1.48 (s, 18H), 1.59-1.63 (m, 1H), 1.68-1.75 (m, 2H), 1.79-1.91 (m, 4H), 2.03-2.14 (m, 2H), 2.30-2.36 (m, 2H), 2.48-2.62 (m, 3H), 2.80-2.82 (m, 2H), 3.43-3.70 (m, 12H), 4.14-4.20 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 747 [M+H]+
【0205】
ステップ3:化合物23aの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(38mg、65μmol)をジクロロメタン(7mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、110mg、82μmol)、TBTU(26mg、82μmol)およびジイソプロピルエチルアミン(19μL、0.11mmol)を加え、続いて10分間攪拌した。ジクロロメタン(3mL)に溶解している化合物22a(40mg、55μmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0206】
水(10mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(10mL×2)を使用して有機化合物を抽出した。反応物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、白色固体として化合物23a(60mg、70%)を生じさせた。
【0207】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.40-1.57 (m, 63H), 1.76-2.87 (m, 26H), 3.36-3.63 (m, 17H), 3.74 (s, 1H), 4.04 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.14-4.24 (m, 3H), 6.34-6.38 (m, 1H);
MS (ESI) m/z 1288 [M+H]+
【0208】
ステップ3:化合物23bの調製
DOTA-tris(tBu)エステル(46mg、80μmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、14mg、0.10mmol)、TBTU(32mg、0.10mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(24μL、0.13mmol)および化合物22b(50mg、67μmol)を使用したという点を除いては、化合物23aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物23b(60mg、68%)を得た。
【0209】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.09-1.24 (m, 12H), 1.29-1.43 (m, 10H), 1.45-1.53 (m, 41H), 1.57-1.63 (m, 4H), 1.66-1.76 (m, 7H), 1.80-1.91 (m, 8H), 2.03-2.12 (m, 2H), 2.25-2.37 (m, 2H), 2.44-2.64 (m, 4H), 2.82 (s, 9H), 3.35-3.49 (m, 5H), 3.52-3.69 (m, 7H), 4.14-4.22 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 1302 [M+H]+
【0210】
ステップ4:化合物2nの調製
化合物23a(45mg、35μmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1mL)に加え、続いて7時間攪拌した。ジエチルエーテル(20mL)中の反応混合物を滴下したことで沈殿物を作った後、それを、遠心分離機を使用して分離させた。混合物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物2n(22mg、70%)を生じさせた。
【0211】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.93-2.02 (m, 2H), 2.14-2.22 (m, 2H), 2.45-2.54 (m, 3H), 2.63-2.68 (m, 2H), 2.88-3.56 (m, 18H), 3.57-3.72 (m, 11H), 3.73-3.85 (m, 3H), 3.86-4.10 (m, 3H), 4.16 (s, 1H), 4.21-4.31 (m, 3H);
MS (ESI) m/z 895 [M+H]+
【0212】
ステップ4:化合物2oの調製
化合物23b(50mg、38μmol)および70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1mL)を使用したという点を除いては、化合物2nの調製において記載したものと同じやり方で、化合物2o(17mg、48%)を得た。
【0213】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.92-2.03 (m, 2H), 2.15-2.25 (m, 2H), 2.48-2.68 (m, 5H), 2.71-2.75 (m, 1H), 2.92-3.53 (m, 18H), 3.55-3.86 (m, 17H), 3.87-4.17 (m, 3H), 4.22-4.31 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 909 [M+H]+
【0214】
【0215】
ステップ1:化合物25の調製
化合物20(500mg、1.02mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、および0℃まで冷却し、これにN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、230mg、1.12mmol)および化合物24(170mg、1.02mmol)を加え、続いて室温で1時間攪拌した。有機層を複数回濾過し、および溶媒を減圧下で取り除いた。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(30% 酢酸エチル/n-ヘキサン)によって分離させたことで、化合物25(450mg、69%)を生じさせた。
【0216】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37-1.50 (m, 36H), 1.81-1.90 (m, 1H), 1.96-2.25 (m, 4H), 2.28-2.39 (m, 3H), 2.51-2.56 (m, 1H), 4.01-4.10 (m, 2H), 4.14-4.21 (m, 2H), 4.24-4.36 (m, 3H), 5.51 (br, 1H), 5.75 (br, 1H);
MS (ESI) m/z 774 [M+H]+
【0217】
ステップ2:化合物26の調製
化合物25(350mg、0.55mmol)および2-アミノエチル2’-アジドエチルエーテル(110mg、0.82mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、これに1M CuSO4(0.11mL、0.11mmol)および2M アスコルビン酸ナトリウム(0.082mL、0.16mmol)を加え、続いて1時間攪拌した。反応物を濾過し、および溶媒を減圧下で取り除いた。濃縮物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物26(250mg、59%)を生じさせた。
【0218】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.41-1.51 (m, 37H), 1.78-1.90 (m, 2H), 2.03-2.16 (m, 2H), 2.29-2.42 (m, 3H), 2.67-2.71 (m, 1H), 3.12 (q, J = 5.2 Hz, 2H), 3.65-3.70 (m, 2H), 3.88-3.94 (m, 2H), 4.01 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.16-4.22 (m, 3H), 4.52-4.64 (m, 3H), 4.69-4.75 (m, 1H), 7.95 (s, 0.6H), 8.07 (s, 0.5H);
MS (ESI) m/z 770 [M+H]+
【0219】
ステップ3:化合物27の調製
DOTA-tris(tBu)エステル(36mg、62μmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、これにヒドロキシベンゾトリアゾール(DCC、11mg、78μmol)、TBTU(25mg、78μmol)およびジイソプロピルエチルアミン(18μL、0.10mmol)を加え、続いて室温で10分間攪拌した。ジクロロメタン(1mL)に溶解している化合物26(40mg、52μmol)をこれに加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0220】
水(10mL)を加えることによって反応を終了させ、および、ジクロロメタン(10mL×2)を使用して有機化合物を抽出した。反応物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、化合物27(50mg、72%)を生じさせた。
【0221】
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 1.40-1.52 (m, 63H), 1.55-1.66 (m, 1H), 1.76-1.97 (m, 4H), 2.02-2.28 (m, 9H), 2.29-2.48 (m, 8H), 2.68-2.72 (m, 3H), 3.35-3.41 (m, 4H), 3.48-3.71 (m, 4H), 3.81-3.87 (m, 3H), 3.94-4.08 (m, 1H), 4.13-4.23 (m, 4H), 4.52-4.59 (m, 3H), 4.64-4.75 (m, 2H), 7.92 (s, 0.6H), 8.05 (s, 0.4H);
MS (ESI) m/z 1325 [M+H]+
【0222】
ステップ4:化合物2pの調製
化合物27(43mg、32μmol)を70% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1mL)に加え、続いて7時間攪拌した。ジエチルエーテル(20mL)中の反応混合物を滴下したことで沈殿物を作った後、それを、遠心分離機を使用して分離させた。混合物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物2p(22mg、73%)を生じさせた。
【0223】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.90-2.03 (m, 2H), 2.12-2.23 (m, 2H), 2.43-2.53 (m, 3H), 2.72-2.78 (m, 1H), 2.99-3.46 (m, 16H), 3.52-3.59 (m, 3H), 3.62-4.10 (m, 9H), 4.14 (s, 1H), 4.19-4.35 (m, 3H), 4.57-4.63 (m, 2H), 4.65-4.74 (m, 2H), 4.77 (s, 2H), 7.95 (s, 0.4H), 8.04 (s, 0.6H);
MS (ESI) m/z 932 [M+H]+
【0224】
【0225】
化合物Ga-1aの調製
化合物2a(10mg、11μmol)を水(0.6mL)に溶解させ、これに、水(0.6mL)に溶解している三塩化ガリウム(19mg、0.11mmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物Ga-1a(6mg、56%)を生じさせた。
【0226】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.34-1.51 (m, 4H), 1.64-1.73 (m, 1H), 1.77-1.86 (m, 1H), 1.91-2.00 (m, 1H), 2.12-2.20 (m, 1H), 2.50 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.10 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.31-3.43 (m, 10H), 3.52-3.57 (m, 6H), 3.65 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.84-3.94 (m, 8H), 4.00-4.03 (m, 2H), 4.16 (dd, J = 14.0, 5.2 Hz, 1H), 4.24 dd, J = 14.0, 5.2 Hz, 1H), 4.38 (s, 2H), 4.57 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 7.88 (s, 1H);
MS (ESI) m/z 984 [M+H]+
【0227】
化合物Ga-1bの調製
化合物2b(19mg、19μmol)を水(0.8mL)に溶解させ、これに、水(0.8mL)に溶解している三塩化ガリウム(33mg、0.19mmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物Ga-1b(13mg、64%)を生じさせた。
【0228】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.28-1.42 (m, 3H), 1.50-1.57 (m, 2H), 1.65-1.73 (m, 1H), 1.77-1.86 (m, 1H), 1.89-1.99 (m, 1H), 2.10-2.20 (m, 1H), 2.48 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.27-3.42 (m, 11H), 3.49-3.57 (m, 6H), 3.67 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.83-3.92 (m, 8H), 4.00-4.03 (m, 2H), 4.15 (dd, J = 14.0, 4.8 Hz, 1H), 4.24 ((dd, J = 14.0, 4.8 Hz, 1H), 4.58 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 5.19 (s, 2H), 7.62 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 8.01 (s, 1H), 8.42 (d, J = 7.6 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1061 [M+H]+
【0229】
化合物Ga-1cの調製
化合物2c(10mg、10μmol)を水(1mL)に溶解させ、これに、水(1mL)に溶解している三塩化ガリウム(18mg、100μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物Ga-1c(6mg、58%)を生じさせた。
【0230】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.28-1.42 (m, 2H), 1.44-1.62 (m, 2H), 1.64-1.77 (m, 1H), 1.78-1.90 (m, 1H), 1.93-2.23 (m, 1H), 2.50-2.54 (m, 2H), 2.72-2.75 (m, 0.5H), 2.87-2.90 (m, 1.5H), 3.01-3.07 (m, 2H), 3.36-3.44 (m, 12H), 3.54-3.59 (m, 6H), 3.69 (s, 2H), 3.77 (s, 2H), 3.85-3.94 (m, 8H), 4.00-4.12 (m, 4H), 4.16-4.29 (m, 3H), 4.57-4.60 (m, 2H), 7.81 (s, 1H);
MS (ESI) m/z 1041 [M+H]+
【0231】
化合物Ga-1dの調製
化合物2d(6mg、6μmol)を水(0.8mL)に溶解させ、これに、水(0.8mL)に溶解している三塩化ガリウム(14mg、80μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物Ga-1d(4mg、62%)を生じさせた。
【0232】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.26 -1.43 (m, 2H), 1.44-1.60 (m, 2H), 1.66-1.78 (m, 1H), 1.79-1.91 (m, 1H), 1.94-1.20 (m, 1H), 2.15-2.24 (m, 1H), 2.48-2.67 (m, 4H), 2.79-2.88 (m, 2H), 3.01-3.09 (m, 2H), 3.28-3.49 (m, 11H), 3.52-3.65 (m, 8H), 3.70 (s, 2H), 3.79 (s, 2H), 3.84-3.99 (m, 7H), 4.05 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 4.18-4.29 (m, 2H), 4.60 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 7.82 (s, 0.6H), 7.84 (s, 0.4H);
MS (ESI) m/z 1055 [M+H]+
【0233】
化合物Ga-1eの調製
化合物2e(16mg、18μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(16mg、91μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物Ga-1e(15mg、86%)を生じさせた。
【0234】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.17-1.32 (m, 2H), 1.37-1.51 (m, 2H), 1.53-1.62 (m, 1H), 1.65-1.75 (m, 1H), 1.82 (p, J = 7.4 Hz, 1H), 2.01 (p, J = 7.6 Hz, 1H), 2.35 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.00-3.30 (m, 12H), 3.36-3.41 (m, 4H), 3.47 (q, J = 4.8 Hz, 2H), 3.51-3.60 (m, 6H), 3.65 (s, 2H), 3.73 (s, 4H), 3.76-3.79 (m, 2H), 3.85-3.88 (m, 2H), 3.97 (s, 2H), 4.01-4.12 (m, 3H), 4.24 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 975 [M+H]+
【0235】
化合物Ga-1fの調製
例5のステップ5において合成された化合物2f(3.8mg、3.2μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(3.0mg、17μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物Ga-1f(2.7mg、68%)を生じさせた。
【0236】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.20-1.31 (m, 4H), 1.36-1.50 (m, 5H), 1.54-1.74 (m, 5H), 1.76-1.84 (m, 2H), 1.85-1.96 (m, 1H), 1.99-2.04 (m, 2H), 2.13 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.35 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.51 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.03 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.15-3.28 (m, 9H), 3.33-3.44 (m, 8H), 3.46-3.50 (m, 3H), 3.55-3.58 (m, 3H), 3.65-3.70 (m, 3H), 3.75-3.81 (m, 4H), 3.87 (s, 2H), 3.92-4.12 (m, 5H), 4.26 (s, 2H), 7.14-7.17 (m, 3H), 7.24-7.27 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 1252 [M+2H]+, 1248 [M-2H]-
【0237】
化合物Ga-1gの調製
例5のステップ5において合成された化合物2g(4.4mg、3.7μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(4.0mg、23μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物Ga-1g (2.0mg、43%)を生じさせた。
【0238】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.12-1.28 (m, 4H), 1.32-1.37 (m, 2H), 1.40-1.48 (m, 2H), 1.49-1.62 (m, 3H), 1.64-1.70 (m, 1H), 1.73 (p, J = 7.4 Hz, 2H), 1.77-1.86 (m, 1H), 1.99-2.05 (m, 1H), 2.08 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.15 (s, 3H), 2.36 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.43 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.96-3.03 (m, 2H), 3.04-3.28 (m, 1H), 3.30-3.47 (m, 8H), 3.84-3.91 (m, 2H), 3.92-3.40 (m, 2H), 4.03-4.08 (m, 2H), 4.09-4.14 (m, 1H), 4.23 (s, 2H), 7.01 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 8.0 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1265 [M+H]+, 1263 [M-H]-
【0239】
化合物Ga-1hの調製
例5のステップ5において合成された化合物2h(6.0mg、4.6μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(6.0mg、34.1μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物Ga-1h(5.4mg、86%)を生じさせた。
【0240】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.21-1.30 (m, 4H), 1.33-1.38 (m, 2H), 1.40-1.51 (m, 2H), 1.54-1.75 (m, 4H), 1.82 (p, J = 7.4 Hz, 2H), 1.83-1.89 (m, 1H), 2.03-2.08 (m, 1H), 2.12 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.39 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 2.48 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.00 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.13-3.33 (m, 11H), 3.39-3.52 (m, 8H), 3.55-3.60 (m, 6H), 3.66-3.74 (m, 3H), 3.97 (s, 2H), 4.00-4.17 (m, 3H), 4.27 (s, 2H), 6.94 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 8.0 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1375 [M+H]+, 1373 [M-H]-
【0241】
化合物Ga-1iの調製
例6のステップ4において合成された化合物2i(7.0mg、8.1μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(7.0mg、40μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物Ga-1i(6.0mg、79%)を生じさせた。
【0242】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.22-1.33 (m, 2H), 1.40-1.52 (m, 2H), 1.56-1.64 (m, 1H), 1.68-1.76 (m, 1H), 1.85 (p, J = 7.2 Hz, 1H), 2.04 (p, J = 7.2 Hz, 1H), 2.38 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.17-3.34 (m, 11H), 3.41-3.43 (m, 4H), 3.48-3.53 (m, 2H), 3.58 (s, 4H), 3.76 (s, 4H), 3.79 (s, 2H), 3.88-3.91 (m, 2H), 3.97 (s, 2H), 4.06-4.14 (m, 3H), 4.26 (s, 2H);
MS (ESI) m/z 933 [M+2H]+,929 [M-2H]-
【0243】
化合物Ga-1jの調製
例7のステップ5において合成された化合物2j(4.4mg、3.8μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(4.0mg、23μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物Ga-1j(2.3mg、49%)を生じさせた。
【0244】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.20-1.30 (m, 4H), 1.34-1.50 (m, 4H), 1.56-1.66 (m, 3H), 1.69-1.80 (m, 3H), 1.83-1.87 (m,1H), 1.97-2.08 (m, 1H), 2.11 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.37 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.42-2.48 (m, 2H), 3.02 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.15-3.30 (m, 9H), 3.34-3.55 (m, 11H), 3.64-3.70 (m, 3H), 3.76-3.79 (m, 4H), 3.88-3.93 (m, 4H), 4.05-4.10 (m, 3H), 4.22 (s, 2H), 7.04 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 8.0 Hz, 2H);
MS (ESI) m/z 1121 [M+H]+, 1119 [M-H]-
【0245】
化合物Ga-1kの調製
例7のステップ5において合成された化合物2k(2.0mg、1.6μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(2.0mg、11μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物Ga-1k(0.6mg、29%)を生じさせた。
MS (ESI) m/z 1332 [M+H]+, 1330 [M-H]-
【0246】
化合物Ga-1lの調製
化合物2l(7.0mg、8.5μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(4.5mg、25.6μmol)を加え、続いて70℃で2時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物Ga-1l(5.5mg、73%)を生じさせた。
【0247】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.24-1.40 (m, 2H), 1.42-1.51 (m, 1H), 1.54-1.62 (m, 2H), 1.63-1.94 (m, 1H), 2.06-2.14 (m, 1H), 2.44 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.20-3.40 (m, 9H), 3.49 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 3.72-3.86 (m, 6H), 3.87 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 3.92-4.00 (m, 3H), 4.04 (s, 2H), 4.10-4.20 (m, 4H);
MS (ESI) m/z 887 [M+H]+
【0248】
化合物Ga-1mの調製
化合物2m(14mg、12.6μmol)をH2O(0.8mL)に溶解させ、これに三塩化ガリウム(6.7mg、37.9μmol)を加え、続いて70℃で2時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、白色固体として化合物Ga-1m(7.1mg、48%)を生じさせた。
【0249】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.30-1.44 (m, 4H), 1.48-1.54 (m, 2H), 1.58 (bs, 2H), 1.68-1.76 (m, 2H), 1.79-1.89 (m, 4H), 1.93-1.98 (m, 1H), 2.14-2.17 (m, 1H), 2.21 (d, J = 1.2 Hz, 4H), 2.29 (s, 3H), 2.45 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.54-2.57 (m, 2H), 3.15 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.78-3.42 (m, 9H), 3.54 (t, J = 10 Hz, 4 H), 3.78 (s, 3H), 3.83-3.97 (m, 6H), 4.00-4.11 (m, 4H), 4.16-4.34 (m, 4 H), 7.16 (dd, J = 17.6, 7.6 Hz, 4 H)
MS (ESI) m/z 1174 [M-H]-
【0250】
化合物Ga-1nの調製
化合物2n(9mg、10μmol)を水(1mL)に溶解させ、これに、水(1mL)に溶解している三塩化ガリウム(18mg、100μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物Ga-1n(4mg、41%)を生じさせた。
【0251】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.94-2.03 (m, 2H), 2.15-2.45 (m, 2H), 2.47-2.54 (m, 3H), 2.63-2.71 (m, 2H), 3.32-3.48 (m, 9H), 3.53-3.72 (m, 15H), 3.78 (s, 2H), 3.90 (s, 4H), 3.95 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 4.04 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 4.22 (s, 2H), 4.23-4.33 (m, 3H);
MS (ESI) m/z 961 [M+H]+
【0252】
化合物Ga-1oの調製
化合物2o(7mg、8μmol)を水(0.8mL)に溶解させ、これに、水(0.8mL)に溶解している三塩化ガリウム(14mg、80μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物Ga-1o(6mg、80%)を生じさせた。
【0253】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.95-2.04 (m, 2H), 2.14-2.24 (m, 2H), 2.51-2.68 (m, 5H), 2.73-2.76 (m, 1H), 3.37-3.48 (m, 10H), 3.54-3.79 (m, 20H), 3.91 (s, 4H), 3.96 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 4.04 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 4.23-4.30 (m, 2H);
MS (ESI) m/z 977 [M+H]+
【0254】
化合物Ga-1pの調製
化合物2p(9mg、10μmol)を水(1mL)に溶解させ、これに、水(1mL)に溶解している三塩化ガリウム(18mg、10μmol)を加え、続いて70℃で1時間攪拌した。反応溶液を濾過した。濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させ、および凍結乾燥機を使用して乾燥させたことで、固体として化合物Ga-1p(5mg、51%)を生じさせた。
【0255】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.86-2.02 (m, 2H), 2.08-2.21 (m, 2H), 2.44-2.49 (m, 3H), 2.67-2.73 (m, 1H), 3.25-3.42 (m, 9H), 3.45-3.59 (m, 8H), 3.66 (s, 2H), 3.80-3.95 (m, 7H), 4.00-4.10 (m, 4H), 4.15-4.19 (m, 2H), 4.56-4.59 (m, 2H), 4.64-4.73 (m, 2H), 4.77 (s, 2H), 7.93 (s, 0.4H), 8.03 (s, 0.6H);
MS (ESI) m/z 998 [M+H]+
【0256】
【0257】
化合物[68Ga]1aの調製
0.1N 塩酸(5mL)を、68Ge/68Gaジェネレータ中へと注ぎ入れ、および試験管の中に入れた(1mL/管)。各試験管の放射能を測定した後、高い放射能を示す2つの試験管の2つの68Ga溶液(4.6mCi、2mL)を反応容器へと移動させた。化合物2a(200μg)を1.0M 酢酸ナトリウム(0.4mL)-水性塩酸溶液(pH 4.55)に溶解させ、これを反応容器中にロードし、続いて80℃で10分間反応させた。反応溶媒を濾過し、および、濾液を高速液体クロマトグラフィーによって分離させた。
【0258】
分離された溶液を水(10mL)で希釈し、捕捉するためにC-18 SepPakに通し、および水(5mL)で洗浄した。湿気を除去するために窒素ガスを吹き込んだ後、それをエタノール(1mL)で溶出させたことで、化合物[68Ga]1a(1.4mCi)を生じさせた。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: RESTEK AQ (5μm、250mm×10mm);
移動相: 25% メタノール/水(0.1% TFA);
流速: 3mL/分;
UV検出器: 230nm;
滞留時間: 12分
【0259】
化合物[68Ga]1bの調製
68Ga溶液(5.94mCi、2mL)および化合物2b(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1b(2.8mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: YMC-Pack ODS-A (S-5μm、12nm、250mm×10mm);
移動相: 5% エタノール/水(0.1% TFA);
流速: 5mL/分;
UV検出器: 254nm;
滞留時間: 32分
【0260】
化合物[68Ga]1cの調製
68Ga溶液(5.7mCi、2mL)および化合物2c(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1c(2.5mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: YMC-Pack ODS-A (S-5μm、12nm、250mm×10mm);
移動相: 0~15% 30分 アセトニトリル/水(0.1% TFA);
流速: 3mL/分;
UV検出器: 230nm;
滞留時間: 31分
【0261】
化合物[68Ga]1eの調製
68Ga溶液(5.5mCi、2mL)および化合物2e(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1e(2.4mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: YMC-Pack ODS-A (S-5μm、12nm、250mm×10mm);
移動相: 8% エタノール/水(0.1% TFA);
流速: 4mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 14分
【0262】
化合物[68Ga]1fの調製
68Ga溶液(4.6mCi、2mL)および化合物2f(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1f(1.3mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: Xterra MS C18 (10μm、250mm×10mm);
移動相: 20% エタノール/水(0.1% TFA);
流速: 4mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 15分
【0263】
化合物[68Ga]1gの調製
68Ga溶液(5.5mCi、2mL)および化合物2g(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1g(2.3mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: YMC-Pack ODS-A (S-5μm、12nm、250mm×10mm);
移動相: 25% エタノール/水(0.1% TFA);
流速: 4mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 17分
【0264】
化合物[68Ga]1hの調製
68Ga溶液(4.6mCi、2mL)および化合物2h(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1h(1.3mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: YMC-Pack ODS-A (S-5μm、12nm、250mm×10mm);
移動相: 30% エタノール/水(0.1% TFA);
流速: 4mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 14分
【0265】
化合物[68Ga]1kの調製
68Ga溶液(3.9mCi、2mL)および化合物2k(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1k(1.1mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: Xterra MS C18 (10μm、250mm×10mm);
移動相: 25% エタノール/水(0.1% TFA);
流速: 4mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 18分
【0266】
化合物[68Ga]1nの調製
68Ga溶液(6.9mCi、2mL)および化合物2n(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1n(3.8mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: YMC-Pack ODS-A (S-5μm、12nm、250mm×10mm);
移動相: 7% アセトニトリル/水(0.1% TFA);
流速: 3mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 13分
【0267】
化合物[68Ga]1oの調製
68Ga溶液(5.4mCi、2mL)および化合物2o(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1o(2.1mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: YMC-Pack ODS-A (S-5μm、12nm、250mm×10mm);
移動相: 7% エタノール/水(0.1% TFA);
流速: 4mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 20分
【0268】
化合物[68Ga]1pの調製
68Ga溶液(5.8mCi、2mL)および化合物2p(200μg)を使用したという点を除いては、化合物1aの調製において記載したものと同じやり方で、化合物[68Ga]1p(2.1mCi)を得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: RESTEK AQ (250mm×10mm);
移動相: 15% メタノール/水(0.1% TFA);
流速: 3mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 15分
【0269】
<例15>化合物[64Cu]1bの調製
[64Cu]CuCl2(7.3mCi)が溶解している水性塩酸溶液を90℃まで加熱し、および窒素ガスを吹き込みながら乾燥させた。乾燥後、化合物2b(100μg)が溶解している0.1mLの0.1M クエン酸ナトリウム(pH 5.5)をこれに加え、続いて60℃で10分間反応させた。反応の完了次第、反応混合物に水(0.3mL)を加え、濾過し、および水(0.3mL)で2回洗浄した。
【0270】
濾液を高速液体クロマトグラフィーによって分離させ、捕捉するためにC-18 SepPakに通し、5mLの水で洗浄し、および1mLのエタノールを注いだことで化合物[64Cu]1b(5.22mCi)を生じさせた。
高速液体クロマトグラフィーの条件:
カラム: Xterra MS C18 (10μm、250mm×10mm);
移動相: 50% アセトニトリル/水(0.1% TFA);
流速: 4mL/分;
UV検出器: 230nm;
滞留時間: 17.5分
【0271】
<例16>化合物[177Lu]1gの調製
1.0M 酢酸ナトリウム(0.4mL)-水性塩酸溶液(pH 4.88)に溶解している化合物2g(200μg)を、Lu-177(2.2mCi)を含有している反応容器中にロードし、続いて80℃で10分間反応させた。反応を濾過し、および、濾液を高速液体クロマトグラフィーによって分離させた。
【0272】
分離された溶液を水(10mL)で希釈し、捕捉するためにC-18 SepPakに通し、および水(5mL)で洗浄した。湿気を除去するために窒素ガスを吹き込んだ後、それをエタノール(1mL)で溶出させたことで、化合物[177Lu]1g(1.36mCi)を生じさせた。
カラム: YMC-Pack ODS-A (S-5μm、12nm、250mm×10mm);
移動相: 25% エタノール/水(0.1% TFA);
流速: 4mL/分;
UV検出器: 220nm;
滞留時間: 19分
【0273】
<比較例1>化合物[
125I]30の合成
【化55】
【0274】
ステップ1:化合物28の調製
トリホスゲン(21mg、71ννομ)をジクロロメタン(5νΜ)に溶解させ、これに、ジクロロメタン(5νΜ)に溶解している4-ヨードアニリン(45νη、0.205ννομ)を0℃でゆっくりと加えた。トリエチルアミン(0.57νΜ、0.410ννομ)をこれに加え、続いて0℃で30分間攪拌した。ジクロロメタン(10νΜ)に溶解している化合物3α(100νη、0.205ννομ)を0℃でこれに加え、およびトリエチルアミン(0.57νΜ、0.410ννομ)もまた加えた。
【0275】
ゆっくりと温度を室温まで上げながら、混合物5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、および、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(2% メタノール/ジクロロメタン)によって分離させたことで、白色液体として化合物28(66mg、44%)を生じさせた。
【0276】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.20-1.27 (m, 2H), 1.37 (s, 9H), 1.40 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 1.47-1.57 (m, 2H), 1.71-1.81 (m, 2H), 1.83-1.91 (m, 1H), 2.03-2.11 (m, 1H), 2.37 (sext, J = 8.2 Hz, 2H), 3.01-3.07 (m, 1H), 3.51-3.56 (m, 1H), 3.97-4.01 (m, 1H), 4.26-4.32 (m, 1H), 5.75 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.31 (q, J = 3.4 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.90 (s, 1H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 24.5, 27.1, 27.8, 27.9, 28.0, 29.6, 31.7, 32.0, 39.1, 53.8, 54.9, 81.0, 81.8, 83.6, 83.7, 120.2, 137.5, 140.2, 155.6, 158.5, 171.8, 172.0, 175.3;
MS (ESI) m/z 733 [M+H]+
【0277】
ステップ2:化合物29の調製
上記ステップ1において合成された化合物28(50mg、0.068mmol)をジオキサン(1.0mL)に溶解させ、これにヘキサメチル二スズ((Me3Sn)2、043νΜ、0.206ννομ)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(ΙΙ)ジクロリド((Πδ(ΠΠθ3)Γμ2、4.8νη、5ννομ)をその順番で加え、続いて110℃で1.5時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、これに水性フッ化カリウム溶液(50νΜ)を加え、続いて室温で1時間攪拌した。
【0278】
反応物を濾過し、および、酢酸エチルを使用して有機化合物を抽出した。収集した有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、および減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(トリエチルアミン:酢酸エチル:n-ヘキサン、1:40:59)によって分離させたことで、白色固体として化合物29(28mg、53%)を生じさせた。
【0279】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.25 (s, 9H), 1.22-1.29 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.41 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 1.48-1.59 (m, 2H), 1.72-1.78 (m, 1H), 1.81-1.91 (m, 1H), 2.05-2.13 (m, 2H), 2.34-2.43 (m, 2H), 3.04-3.09 (m, 1H), 3.51-3.55 (m, 1H), 4.04 (pent, J = 4.9 Hz, 1H), 4.33 (sext, J = 4.5 Hz, 1H), 5.73 (d, J = 6.8 Hz 1H), 6.23 (br s, 1H), 6.32 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.73 (s, 1H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ -9.5, 24.2, 27.4, 27.8, 27.9, 28.0, 29.7, 31.8, 32.1, 39.1, 53.7, 54.7, 80.9, 81.7, 83.5, 118.4, 133.6, 136.2, 140.4, 155.9, 158.3, 171.9, 172.2, 175.1;
MS (ESI) m/z 771 [M+2H]+
【0280】
ステップ3:化合物[125I]28の調製
上記ステップ2において得られた化合物29(100νη)をエタノール(0.250νΜ)に溶解させ、これに[125I]ヨウ化ナトリウム溶液(3.2mCi、50νΜ)を加え、続いて室温で攪拌した。1Ξ水性塩酸溶液(0.10mL)および3% H2O2をこれに加え、続いて室温で10分間攪拌した。0.1M チオ硫酸ナトリウム溶液(0.20mL)を反応混合物に加え、これに蒸留水(18mL)を加えた。この溶液をC-18 SepPakに通し、および蒸留水(20mL)で洗浄した。C-18 Sep-Pak上にアセトニトリル(2.0mL)を注いだ後、アセトニトリルを除去するために窒素を溶液中へと吹き込んだ。
【0281】
ステップ4:化合物[125I]30の調製
上記ステップ3において得られた反応混合物を含有する反応容器にジクロロメタン(0.2mL)およびトリフルオロ酢酸(0.8mL)を連続的に加え、続いて室温で20分間攪拌した。窒素吹き込みにより反応溶媒を取り除き、および次いで蒸留水(2.0mL)をこれに加えた。
【0282】
この溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離させたことで、化合物[125I]20(1.1mCi、24%)を生じさせた。
HPLC条件:
カラム、XTerra MS C18 (250mm×10mm);移動相、30% アセトニトリル/水(0.1% TFA);流速、5mL/分;UV、254mm;滞留時間、10.4分
【0283】
<参考例1>前立腺がん細胞株およびヌードマウスの準備
本明細書中で使用されているヒト前立腺がん細胞株(22RV1)は、American Type Culture Collection (ATCC)から購入した。ヒト前立腺がん細胞株であるPC3 PIP (PSMA+)およびPC3 flu (PSMA-)が、Dr. Martin G. Pomper (Johns Hopkins Medical School, Baltimore, MD)によって提供された。ヒト前立腺がん細胞株は、10% ウシ胎仔血清(FBS)および1% 抗生物/抗真菌剤を添加したRPMI1640培地中に維持された。PC3 PIP (PSMA+)およびPC3 flu (PSMA-)細胞株の培養物中に、さらにピューロマイシンを2μg/mLの濃度で加えた。
試験動物として、6週齢の雄ヌードマウス(Narabio, Seoul, Korea)を使用した。
【0284】
<実験例1>親油性(logP)の測定
例14において合成された[68Ga]1化合物(1~2mCi)の各々を、バイアル中へと移動させ、および溶媒を除去し、これに1mLのn-オクタノールおよび1mLのPBSを加え、および蓋をしっかり閉鎖し、続いてボルテックスで1分間混合した。層が分離された後、0.1mLを各層から取り、および放射線量を測定した。放射線量は3回繰り返すことによって測定し、および平均値を得た。
【0285】
【0286】
<実験例2>結合能の測定
本発明の化合物の、PSMAへの結合能を確認するために、以下の実験を行った。
1% BSA(ウシ血清アルブミン)を添加したRPMI1640を、緩衝溶液として使用した。
【0287】
比較例1において得られた[125I]30(0.1nm)を、22RV1細胞(5×104)を含有している容器に加え、これに式1によって表される化合物を9種類の濃度(1.00×10-4~1.00×10-12M)でロードし、続いて37℃で2時間攪拌した。攪拌の完了次第、容器をPBS溶液(2mL)で3回洗浄し、および次いで、ガンマカウンター(2480 WIZARD2 Gamma Counter PerkinElmer Co., MA)を使用して放射能を測定した。GraphPad Prismプログラム(GraphPad Software, Inc., CA)を使用して、各化合物についての50%阻害濃度(IC50)を計算した。
【0288】
下記表2は、各化合物の結合親和性(IC50)を示す表であり、および、化合物[125I]30のKd値は、0.13nmであると測定された。(Maresca, K. P. et al., 2009, J. Med. Chem. 52, 347-357)
【0289】
【0290】
表2に示されるとおり、本発明の例13の化合物Ga-1aおよびGa-1bは、リシン残基の窒素においてカルボン酸を有しない化合物である。特に、Ga-1aは、相対的に低いPSMAへの結合力を示した。他方、Ga-1aに類似する構造を有するGa-1cは、リシン残基の窒素においてカルボン酸を有する化合物であり、および、PSMAに対する結合力が、Ga-1aのそれよりも約18.6倍高かったことが見受けられる。これは、なぜならば、PSMAの結合領域中のアルギニンパッチと呼ばれる3つのアルギニン残基のうちの1つ(R463)と、本発明の式1によって表される化合物のリシン残基の窒素に結合したカルボン酸とが、強い塩架橋相互作用を形成するからである。
【0291】
加えて、本発明の式1によって表される化合物中のリシン残基のカルボン酸は、PSMAに対する結合能を大幅に改善したのみならず、化合物の親水性をも増加させたことでin vivoでの非特異的結合を低くし、および正常な臓器中ではより素早くそれを除去した。
【0292】
化合物Ga-1f、Ga-1gおよびGa-1hは、フェニル基または置換フェニル基を有し、および、それらは、フェニル基なしの類似の構造を有する化合物Ga-1eよりも高い結合能を有するということが確認された。これらの中でも、4-ヨードフェニル結合化合物Ga-1hは、最も高い結合能を有した。
【0293】
<実験例3>前立腺がん細胞株を移植したマウスのMicroPET/CT撮像の実験
PSMA+ PC-3 PIP 細胞(ヒト前立腺がん細胞株)をヌードマウスの後肢の右側へ皮下注射することによって、腫瘍モデルを準備した。68Ga標識された化合物[68Ga]1e、[68Ga]1g、[68Ga]1hおよび[68Ga]1kの各々を、5.5~6.5MBq(148~175μCi/200μL)で静脈内注射し、および、60分間、小動物INVEON PET/CT (Siemens medical solutions, Knoxville,. USA)を使用してPET/CT画像を得た。150分後、270分後および390分後にもまた、30分間PET/CT画像を得た。得られたPET/CT画像結果を、Inveon(商標) Research Workplace (IRW)を使用して定量的に分析した。
【0294】
図1、2、3、および4は、%注射用量(ID)/gでの[
68Ga]1e、[
68Ga]1g、[
68Ga]1h、および[
68Ga]1kについてのMicroPET/CT画像の定量分析結果を示すグラフであり、および、それぞれ表3、4、5、および6にまとめられている。
【0295】
[
68Ga]1eは、注射後の初期の段階で腎臓および膀胱を通じて急速に排出されることが見出されており、および、それは注射後270分で4.05±0.64% ID/gのレベルで選択的にPSMA
+ PC-3 PIP腫瘍に結合することが確認された(
図1、表3)。
【0296】
[
68Ga]1gの場合には、フェニル基のアルブミン結合能に起因して、血液中での滞留時間が増加し、および、腫瘍取り込みは時間とともに増加したことが確認された。化合物[
68Ga]1eと比較して、270分後に約3倍増加している13.00±4.95% ID/gの腫瘍取り込みが確認された(
図2、表4)。
【0297】
[68Ga]1hおよび[68Ga]1kの場合には、置換フェニル基のアルブミン結合能に起因して、血液中での滞留時間が増加し、および、腫瘍取り込みは時間とともに増加したことが確認され、および、腫瘍取り込みは390分後も増加し続けた。
【0298】
化合物[
68Ga]1hは390分で16.75±0.92% ID/gの腫瘍取り込みを示し(
図3、表5)、および化合物[
68Ga]1kは390分で18.25±4.17% ID/gの腫瘍取り込みを示した(
図4、表6)。
加えて、腎臓への取り込みが150分後に減少しているので、化合物[
68Ga]1e、[
68Ga]1g、[
68Ga]1hおよび[
68Ga]1kの全てが急速に体外へ排出されたことが確認された。
【0299】
【0300】
【0301】
【0302】
【0303】
<実験例4>前立腺がん細胞株を移植したマウスを用いた生体内分布試験
[68Ga]1eおよび[68Ga]1g注射の270分後、microPET/CT画像を30分間得て、および次いで各臓器(血液、筋肉、脂肪、心臓、肺、肝臓、脾臓、胃、腸、腎臓、骨および腫瘍)を抽出し、および、ガンマカウンターを使用してそれらの放射能を測定した。
【0304】
表7は、[68Ga]1eまたは[68Ga]1gの注射の5時間後の各臓器の取り込みを示す。
化合物注射の5時間後に、生体内分布を確認した。結果として、フェニル基を含有する[68Ga]1gは、10%より大きな高い腫瘍取り込み率(%ID/g)を示し、これは[68Ga]1eのそれよりも約1.4倍高かった。
【0305】
【0306】
一方で、本発明による式1によって表される化合物は、使用の目的に依存して様々な形態に製剤化することができる。以下のものは、本発明による式1によって表される化合物を活性成分として含有するいくつかの製剤方法を例証するが、しかし、本発明はこれらに限定されない。
【0307】
<製造例1>医薬製剤の調製
1-1.粉末の調製
式1で表される化合物 500mg
ラクトース 100mg
タルク 10mg
上記構成成分全てを混合することによって粉末を調製し、これを気密パックに満たした。
【0308】
1-2.錠剤の調製
式1で表される化合物 500mg
コーンスターチ 100mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
錠剤を調製するための常法に従い、上記構成成分全てを混合することによって、錠剤を調製した。
【0309】
1-3.カプセルの調製
式1で表される化合物 500mg
コーンスターチ 100mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
カプセルを調製するための常法に従い、上記構成成分全てを混合し、これをゼラチンカプセルに満たすことによって、カプセルを調製した。
【0310】
1-4.注射可能な溶液の調製
式1で表される化合物 500mg
滅菌蒸留水 適量
PH調整剤 適量
注射可能な溶液を調製するための常法により、上記構成成分全てを混合し、混合物を2mlアンプルに入れ、およびその滅菌によって、注射可能な溶液を調製した。
【0311】
1-5.液体製剤の調製
式1で表される化合物 100mg
異性化糖 10g
マンニトール 5g
精製水 適量
上記構成成分全てを、精製水に溶解させた。レモンフレーバーを加えた後、精製水を加えることによって合計体積を100mlになるように調節した。液体製剤を調製するための常法により、混合物を茶色の瓶に入れ、およびその滅菌によって、液体製剤を調製した。
【0312】
上記で言及したように、本発明は、好ましい調製例、例、および実験例を通して詳細に記載されてきたが、しかし本発明の範囲は具体的な例に限定されず、および、付属の請求項によって解釈されなければならない。加えて、当該技術分野における当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく数多くの改変およびバリエーションが可能であるということを理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0313】
本発明は、PSMAを標的とする能力を有する、前立腺がんを診断および処置するための医薬組成物に関し、および、本発明の一側面により提供される化合物は、放射性金属共役キレーターが構造的に共役した、および、PSMAタンパク質へさらに結合することができるアリール基が共役した、グルタミン-尿素-リシン化合物を有する。グルタミン酸-尿素-リシン化合物とキレーターとの間の共役は、in vivoでの非特異的共役を低減する役割を果たし、かつ、重要臓器からは急速に除去されるが前立腺がんからはされないという効果を呈するように、極性スペーサーを包含する。
【0314】
これらの特性は、治療用放射線同位体共役化合物によって引き起こされる正常な組織及び臓器への放射線暴露を低め、および、よって副作用を低減させる。加えて、アルブミンに対する共役力を有するフェニル基を含有する化合物は、血液中での増加した滞留時間を有し、それによってより前立腺がんに蓄積される。