(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】剥離細胞の処理装置
(51)【国際特許分類】
G01N 1/28 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
G01N1/28 V
(21)【出願番号】P 2021512667
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(86)【国際出願番号】 KR2019009581
(87)【国際公開番号】W WO2020050503
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-03-24
(31)【優先権主張番号】10-2018-0107442
(32)【優先日】2018-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518425449
【氏名又は名称】バイオダイン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BIODYNE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】24-4,Achasan-ro 5-gil,Seongdong-gu,Seoul 04793, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イム、ウク ビン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジェ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ム ソン
【審査官】奥野 尭也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0099286(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0122524(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0052197(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1641051(KR,B1)
【文献】国際公開第2016/167515(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1540294(KR,B1)
【文献】特表平08-508395(JP,A)
【文献】特表2001-514383(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0069714(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/28- 1/44
G02B 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(110)と、
前記ベースの上面に立設されている支持壁(120)と、
前記ベースの上面に装着され、剥離細胞及び液体培地を入れた上部が開口された形態の容器部材を己の上面に装着させる容器支持部材(131)と、
前記支持壁の長さ方向に沿って前記容器支持部材によって把持された状態の前記容器部材の内外部を上下方向に出入りしながら、前記容器部材内の剥離細胞及び液体培地をコレクトする検体コレクタ(140)と、
前記検体コレクタを把持した状態で前記支持壁の壁に沿って
上下方向に動
くことにより、前記検体コレクタが前記容器部材
を出入りするよう
にする吸引ガイドブロック(150)と、
前記検体コレクタが前記容器部材の内側に挿入された状態で、前記検体コレクタが前記容器部材内の剥離細胞及び液体培地を吸引するように、ポンプ動作制御部の制御で動作し、前記吸引ガイドブロックを介して前記検体コレクタに吸引力を提供する吸引ポンプ(160)と、
前記容器支持部材の側部に配置されて前記容器支持部材と共に左右に動きながら、前記検体コレクタの鉛直下方に配置された状態で、前記検体コレクタの下方ストロークの際に、前記検体コレクタの下面と接触することによって、前記検体コレクタの下面に付着している剥離細胞を己の上面に付着させる細胞塗抹スライド(170)と、を含んで構成され、
前記吸引ガイドブロック(150)は、
ユーザの把持操作に応じて前記支持壁の壁に沿って動くように、ブロック状に形成されたユーザ操作ブロック(151)と、
前記ユーザ操作ブロックの下面に装着される支持プレート(152)と、
前記吸引ポンプと連通するように、前記支持プレートと前記ユーザ操作ブロックを順次貫通して上下方向に嵌り、前記検体コレクタの開口された上部が己の下部に嵌ることによって、前記吸引ポンプによる吸引力を前記検体コレクタに伝達する吸引ホルダ部材(153)と、
前記検体コレクタが前記吸引ホルダ部材に嵌った状態で、前記検体コレクタの内壁と前記吸引ホルダ部材の外壁が互いに密着された状態を維持するように、前記吸引ホルダ部材の外壁を取り囲む形で配置されるOリング(154)と、
を備えることを特徴とする、剥離細胞の処理装置。
【請求項2】
前記検体コレクタ(140)は、
上部が開口された中空状のコレクタ本体(141)と、
前記容器部材の下部を機構的に遮断する形で配置され、前記容器部材内の剥離細胞及び液体培地の出入りが可能なように複数の通孔が形成された通孔型プレート(142)と、
前記通孔型プレートの下面に装着され、前記吸引ポンプの吸引動作に連動して前記コレクタ本体内に吸引力が提供された場合、前記容器部材内の液体培地は、前記コレクタ本体内に移動するように通過させ、前記容器部材内の剥離細胞は、己の下面でろ過する細胞コレクトフィルタ(143)と、を含んで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の剥離細胞の処理装置。
【請求項3】
前記吸引ガイドブロック(150)は、
前記吸引ホルダ部材に己の中央部が貫通された状態で前記支持プレートの下面に配置され、前記吸引ホルダ部材の外表面に沿って下方に移動する際に、前記吸引ホルダ部材に嵌った前記検体コレクタを前記吸引ホルダ部材から分離させ、弾性力により前記吸引ホルダ部材の外表面に沿って上方に移動する下方向エジェクタ(155)と、
前記支持プレートを貫通した状態で、己の下端部が前記下方向エジェクタに結合され、ユーザの操作に応じて、下方向ストロークの際に、前記下方向エジェクタを下方向にストロークさせる複数の可動ロッド(156)と、
前記支持プレートの上部に対応する前記複数の可動ロッドをそれぞれつなぐ形で配置されて、ユーザの操作に応じた下向きの外力を前記複数の可動ロッドに伝達し、前記複数の可動ロッドを下方向にストロークさせるストロークハンドル(157)と、
前記ストロークハンドルと前記支持プレートとの間に対応する前記可動ロッドに嵌り、前記可動ロッドの長さ方向に沿って伸びる引張力を備えることにより、前記下方向エジェクタの上面を前記支持プレートの下面に自然に当接させるバネと、をさらに含んで構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の剥離細胞の処理装置。
【請求項4】
前記支持壁の前面に対応する前記ベースの上面から左右に長く配置される水平ガイドレール(210)と、
己の上面に前記容器支持部材が結合され、前記容器支持部材の側部に対応し、前記細胞塗抹スライドが装着されるスライド支持部材(132)が結合された状態で、前記水平ガイドレールに沿って左右に摺動する左右移動ガイドブロック(220)と、
前記水平ガイドレールの両端部にそれぞれ配置され、前記左右移動ガイドブロックの左右方向の動きを制御する第1及び第2のストッパ(230,240)と、をさらに含んで構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の剥離細胞の処理装置。
【請求項5】
前記吸引ガイドブロックが位置する前記支持壁の前面から上下方向に長く配置されている垂直ガイドレール(310)と、
前記吸引ガイドブロックが一体に結合された状態で、前記垂直ガイドレールに沿って上下に摺動する上下移動ガイドブロック(320)と、
前記垂直ガイドレールの上下端部にそれぞれ配置され、前記吸引ガイドブロックの上下方向の動きを制御する第3及び第4のストッパ(330,340)と、
前記上下移動ガイドブロックに装着された状態で上方向の復元力を有するように構成されることにより、前記上下移動ガイドブロックを、前記垂直ガイドレールの上端部に配置される前記第3のストッパに自然に係止させるテンション部材と、をさらに含んで構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の剥離細胞の処理装置。
【請求項6】
前記ベースに装着された状態で、前記吸引ホルダ部材と導管で連通結合され、前記容器部材内の液体培地が、前記吸引ポンプの動作によって前記吸引ホルダ部材まで引き込まれる場合、その引き込まれた液体培地を一時的に貯蔵する廃液容器部材(410)と、をさらに含んで構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の剥離細胞の処理装置。
【請求項7】
前記垂直ガイドレールと平行に、前記支持壁の上下方向に沿って前記支持壁を長く貫通して形成されるカットスロット部材(121)と、
前記カットスロット部材に隣接する前記支持壁の背面に配置され、前記ポンプ動作制御部にスイッチのオン・オフ信号を伝達することにより、前記ポンプ動作制御部の制御下、前記吸引ポンプの動作をオン・オフさせるポンプ動作スイッチ(420)と、
前記カットスロット部材を貫通して前記吸引ガイドブロックの背面に結合された状態で、前記吸引ガイドブロックの上下方向の動きに連動して上下方向に動く際に、前記ポンプ動作スイッチに備えられるポンプ動作レバーの動きに応じて、前記ポンプ動作スイッチに前記スイッチのオン・オフ信号を生成させる吸引アーム(430)と、をさらに含んで構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の剥離細胞の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の剥離細胞を含む検体(例えば、剥離細胞及び液体培地(liquid medium))が入っているバイアルから剥離細胞を取得し、細胞塗抹スライドに薄く広げる剥離細胞の処理装置に関する技術である。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、検体が入っているバイアルの上部入口に対して上下方向に出入りしながら、バイアルの内部から一部の検体を抽出した後、その抽出された検体の一部を、バイアルに隣接配置された細胞塗抹スライドに薄く塗り広げる技術に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、人体の検体から剥離細胞(exfoliative cells)を取得した後、その取得した剥離細胞を細胞診検査のスライドに塗抹(薄く塗り広げる)することにより、剥離細胞の状態を観察し、診断することができる。
【0004】
ここで、細胞診検査のスライドに塗抹された剥離細胞が互いに重なることなく薄く一つの層を成すときに、各剥離細胞の正確な観察と診断が可能になる。
【0005】
ところで、従来の細胞診検査のスライドに対する塗抹は、ユーザが手動で道具(例えば、スポイト、綿棒)を活用して行っていた。
【0006】
その結果、剥離細胞の特性上、ユーザの皮膚に露出されてしまうと、感染などの虞があり、ユーザの手動操作により塗抹した場合には、その剥離細胞が不均一な層を形成しながら互いに重なってしまう現象が生じ、観察と診断における妨げになるといった問題点があった。
【0007】
それに応じて、ユーザが道具を活用して手動で検体を扱う従来の技術を排除し、検体が入っているバイアルからそのバイアル内の一部検体を吸引(suction)した後、その吸引した検体から一部の検体を細胞塗抹スライドに薄く広げる塗抹作業のための技術実現が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記点に鑑みて提案されたものであって、本発明は、検体が入っているバイアルからそのバイアル内側の検体を所定量吸引した後、その吸引した検体から一部の剥離細胞を細胞塗抹スライドに薄く広げる塗抹作業を行うための剥離細胞の処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る剥離細胞の処理装置は、ベース110と、ベースの上面に立設されている支持壁120と、ベースの上面に装着され、剥離細胞及び液体培地を入れた上部が開口された形態の容器部材を己の上面に装着させる容器支持部材131と、支持壁の長さ方向に沿って容器支持部材によって把持された状態の容器部材の内外部を上下方向に出入りしながら、容器部材内の剥離細胞及び液体培地をコレクトする検体コレクタ140と、検体コレクタを把持した状態で支持壁の壁に沿って動き、検体コレクタが容器部材内の剥離細胞及び液体培地を吸引するようにインタフェースする吸引ガイドブロック150と、検体コレクタが容器部材の内側に挿入された状態で、検体コレクタが容器部材内の剥離細胞及び液体培地を吸引するように、ポンプ動作制御部の制御で動作し、吸引ガイドブロックを介して検体コレクタに吸引力を提供する吸引ポンプ160と、容器支持部材の側部に配置されて容器支持部材と共に左右に動きながら、検体コレクタの鉛直下方に配置された状態で、検体コレクタの下方ストロークの際に、検体コレクタの下面と接触することによって、検体コレクタの下面に付着している剥離細胞を己の上面に付着させる細胞塗抹スライド170と、を含んで構成されてもよい。
【0010】
そのとき、検体コレクタ140は、上部が開口された中空状のコレクタ本体141と、容器部材の下部を機構的に遮断する形で配置され、容器部材内の剥離細胞及び液体培地の出入りが可能なように複数の通孔が形成された通孔型プレート142と、通孔型プレートの下面に装着され、吸引ポンプの吸引動作に連動してコレクタ本体内に吸引力が提供された場合、容器部材内の液体培地は、コレクタ本体内に移動するように通過させ、容器部材内の剥離細胞は、己の下面でろ過する細胞コレクトフィルタ143と、を含んで構成されてもよい。
【0011】
そして、吸引ガイドブロック150は、ユーザの把持操作に応じて支持壁の壁に沿って動くように、ブロック状に形成されたユーザ操作ブロック151と、ユーザ操作ブロックの下面に装着される支持プレート152と、吸引ポンプと連通するように、支持プレートとユーザ操作ブロックを順次貫通して上下方向に嵌り、検体コレクタの開口された上部が己の下部に嵌ることによって、吸引ポンプによる吸引力を検体コレクタに伝達する吸引ホルダ部材153と、検体コレクタが吸引ホルダ部材に嵌った状態で、検体コレクタの内壁と吸引ホルダ部材の外壁が互いに密着された状態を維持するように、吸引ホルダ部材の外壁を取り囲む形で配置されるOリング154と、吸引ホルダ部材に己の中央部が貫通された状態で支持プレートの下面に配置され、吸引ホルダ部材の外表面に沿って下方に移動する際に、吸引ホルダ部材に嵌った検体コレクタを吸引ホルダ部材から分離させ、弾性力により吸引ホルダ部材の外表面に沿って上方に移動する下方向エジェクタ155と、支持プレートを貫通した状態で、己の下端部が下方向エジェクタに結合され、ユーザの操作に応じて、下方向ストロークの際に、前記下方向エジェクタを下方向にストロークさせる複数の可動ロッド156と、支持プレートの上部に対応する複数の可動ロッドをそれぞれつなぐ形で配置されて、ユーザの操作に応じた下向きの外力を複数の可動ロッドに伝達し、複数の可動ロッドを下方向にストロークさせるストロークハンドル157と、ストロークハンドルと支持プレートとの間に対応する可動ロッドに嵌り、可動ロッドの長さ方向に沿って伸びる引張力を備えることにより、下方向エジェクタの上面を支持プレートの下面に自然に当接させるバネと、を含んで構成されてもよい。
【0012】
一方、本発明は、支持壁の前面に対応するベースの上面から左右に長く配置される水平ガイドレール210と、己の上面に容器支持部材が結合され、容器支持部材の側部に対応し、細胞塗抹スライドが装着されるスライド支持部材132が結合された状態で、水平ガイドレールに沿って左右に摺動する左右移動ガイドブロック220と、水平ガイドレールの両端部にそれぞれ配置され、左右移動ガイドブロックの左右方向の動きを制御する第1及び第2のストッパ230,240と、をさらに含んで構成されてもよい。
【0013】
そして、吸引ガイドブロックが位置する支持壁の前面から上下方向に長く配置されている垂直ガイドレール310と、吸引ガイドブロックが一体に結合された状態で、垂直ガイドレールに沿って上下に摺動する上下移動ガイドブロックと、垂直ガイドレールの上下端部にそれぞれ配置され、吸引ガイドブロックの上下方向の動きを制御する第3及び第4のストッパ330,340と、上下移動ガイドブロックに装着された状態で上方向の復元力を有するように構成されることにより、上下移動ガイドブロックを、垂直ガイドレールの上端部に配置される第3のストッパに自然に係止させるテンション部材と、をさらに含んで構成されてもよい。
【0014】
また、ベースに装着された状態で、吸引ホルダ部材と導管で連通結合され、容器部材内の液体培地が、吸引ポンプの動作によって吸引ホルダ部材まで引き込まれる場合、その引き込まれた液体培地を一時的に貯蔵する廃液容器部材410と、をさらに含んで構成されてもよい。
【0015】
またさらに、本発明は、垂直ガイドレールと平行に、支持壁の上下方向に沿って支持壁を長く貫通して形成されるカットスロット部材121と、カットスロット部材に隣接する支持壁の背面に配置され、ポンプ動作制御部にスイッチのオン・オフ信号を伝達することにより、ポンプ動作制御部の制御下、吸引ポンプの動作をオン・オフさせるポンプ動作スイッチ420と、カットスロット部材を貫通して吸引ガイドブロックの背面に結合された状態で、吸引ガイドブロックの上下方向の動きに連動して上下方向に動く際に、ポンプ動作スイッチに備えられるポンプ動作レバーの動きに応じて、ポンプ動作スイッチにスイッチのオン・オフ信号を生成させる吸引アーム430と、をさらに含んで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、検体コレクタを有することで、バイアルから一部の検体を吸引するプロセスにおいて、一部の剥離細胞を検体コレクタの下面に薄く広げられた状態で付着させるといった利点を示す。
【0017】
また、本発明は、剥離細胞が検体コレクタの下面に薄く広がった状態で吸引されることにより、検体コレクタが上下方向にストロークされる動作のみでも、検体コレクタの下部に位置する剥離細胞のうちの一部の剥離細胞が細胞塗抹スライドの上面に薄く広がって移り渡るようにする利点を示す。
【0018】
また、本発明は、容器支持部材とスライド支持部材が左右移動ガイドブロックに搭載された状態で、左右に移動しながら検体コレクタの鉛直下方に位置するように構成されることで、剥離細胞の処理装置をコンパクトに構成したという利点も示す。従来の剥離細胞の処理装置は、容器部材から剥離細胞を吸引する構成と、その吸引された剥離細胞をスライドに塗抹する構成を別途備えていたが、それにより装置のサイズが非常に大きくなるという限界があった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る剥離細胞の処理装置を示す例示
図1である。
【
図2】本発明に係る剥離細胞の処理装置を示す例示
図2である。
【
図3】
図1の外郭ハウジングを取り外した状態を示す図である。
【
図5】
図4の水平ガイドレールと垂直ガイドレールを視認できるように示した図である。
【
図6】本発明の構成である検体コレクタが搭載された状態の吸引ガイドブロックの抜粋図である。
【
図7】
図6の検体コレクタが離脱した状態の吸引ガイドブロックを示す図である。
【
図8】
図7の吸引ガイドブロックの各構成が分離された状態を示す図である。
【
図9】
図8の検体コレクタを抜粋して切開した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照し、本発明について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る剥離細胞の処理装置を示す例示
図1であり、
図2は、本発明に係る剥離細胞の処理装置を示す例示
図2であり、
図3は、
図1の外郭ハウジングを取り外した状態を示した図であり、
図4は、
図3を別の角度から示した図であり、
図5は、
図4の水平ガイドレールと垂直ガイドレールを視認できるように示した図である。
【0022】
図1ないし
図5を参照すると、本発明に係る剥離細胞の処理装置は、ベース110、支持壁120、容器支持部材131、検体コレクタ140、吸引ガイドブロック150、吸引ポンプ160、及び細胞塗抹スライド170を含んで構成されている。
【0023】
図1ないし
図5に示すように、ベース110は、支持壁120と補助支持壁125を始めとする本発明の各構成を己の上面に搭載する。
【0024】
そのとき、
図1及び
図2に示すように、支持壁120の枠を包み込む形の外郭ハウジング510が、支持壁120の背面に配置される各構成を覆う形でベース110の上面に取付けられる。
【0025】
図1ないし
図5に示すように、支持壁120は、平たいプレート状からなる状態で、ベース110の上面に立設されることにより、容器部材10が位置する己の前方セクションと廃液容器部材410が位置する己の後方セクションを区画する。
【0026】
そして、
図3及び
図4のように、プレート状の補助支持壁125が、支持壁120の後方セクションに支持壁120と相互直角になるように立てられ、ベース110の上面に取付けられる。
【0027】
ここで、
図1ないし
図3に示すように、容器部材10は、己の内側に検体(例えば、剥離細胞及び液体培地)を入れることのできるように、己の上端に内外部の出入りのための入口が形成されてもよい。
【0028】
ここで、「検体」は、人体から取得した成分から人体の液状成分とその液状成分に混ざっている剥離細胞からなる。そして、剥離細胞が相互に混ざっているか、あるいは浮くようにインタフェースする液状成分であることから、その液状成分を剥離細胞の液体培地で表現した。
【0029】
また、「検体」には、剥離細胞及び液体培地以外に人体から得られる副産物が含まれてもよい。
【0030】
図1ないし
図3に示すように、容器支持部材131は、ブロック状からなり、ベース110の上面に装着され、検体を入れた上部が開口した形態の容器部材10を、己の上面に装着させる。
【0031】
検体コレクタ140は、
図1を参照すると、支持壁120の長さ方向に沿って容器支持部材131に把持された状態の容器部材10の内外部を上下方向に出入りしながら、容器部材10内の検体をコレクトする。
【0032】
図1ないし
図3を参照すると、吸引ガイドブロック150は、検体コレクタ140を把持した状態で支持壁120の壁に沿って上下方向に動くように構成され、検体コレクタ140が容器部材10内の検体を吸引するようにインタフェースする。
【0033】
ここで、吸引ガイドブロック150が支持壁120の前面において支持壁120の上下方向に動く動力は、ユーザが吸引ガイドブロック150を把持した状態で支持壁120の上下方向に動かせる動作であってもよい。
【0034】
図4に示すように、吸引ポンプ160は、補助支持壁125の側壁に取付けられた状態で、検体コレクタ140に吸引力を提供する。
【0035】
つまり、検体コレクタ140が容器部材10の内側に挿入された状態で、ポンプ動作制御部(図示せず)の制御によって吸引ポンプ160が動作すると、吸引ガイドブロック150を介して検体コレクタ140と連通している吸引ポンプ160の吸引力に応じて、検体コレクタ140が容器部材10内の検体を吸引する。
【0036】
その結果、検体コレクタ140の内側に検体の一部が吸引されて、検体コレクタ140の下面には、容器部材10の内側から吸引された検体のうち一部の剥離細胞が吸着される。
【0037】
図1及び
図2に示すように、細胞塗抹スライド170は、容器支持部材131の側部に配置され、ユーザの左右操作に応じて、容器支持部材131と共に左右に動く。
【0038】
ここで、
図2に示すように、細胞塗抹スライド170が、検体コレクタ140の鉛直下方に配置された状態で、検体コレクタ140が下方ストロークしたとき、細胞塗抹スライド170の上面と検体コレクタ140の下面が相互接触すると、検体コレクタ140の下面に付着している剥離細胞が細胞塗抹スライド170の上面に移り渡ることになる。
【0039】
この場合、細胞塗抹スライド170の上面に付着した剥離細胞は、単一の層で薄く付着されているので、その後、顕微鏡のスライド台にそのままのせるだけで、顕微鏡によって剥離細胞の正確な検査を行える。
【0040】
一方、本発明に係る剥離細胞の処理装置は、
図1ないし
図5を参照すると、水平ガイドレール210、左右移動ガイドブロック220、第1のストッパ230、第2のストッパ240、垂直ガイドレール310、上下移動ガイドブロック320、第3のストッパ330、第4のストッパ340、廃液容器部材410、カットスロット部材121、ポンプ動作スイッチ420、及び吸引アーム430をさらに含んで構成されてもよい。
【0041】
図5に示すように、水平ガイドレール210は、支持壁120の前面に対応するベース110の上面において左右に長く配置され、左右移動ガイドブロック220は、水平ガイドレール210に沿って左右に摺動する。
【0042】
そして、左右移動ガイドブロック220の上面に容器支持部材131が結合され、容器支持部材131の側部に対応して、細胞塗抹スライド170が装着されるスライド支持部材132が結合されて状態で、左右移動ガイドブロック220は、水平ガイドレール210に沿って左右に摺動する。
【0043】
ここで、左右移動ガイドブロック220の上面には、左右移動取付けブロック221が装着され、その左右移動取付けブロック221に容器支持部材131とスライド支持部材132が一体に結合されることで、左右移動ガイドブロック220の移動に応じて左右移動取付けブロック221が移動する。
【0044】
第1のストッパ230は、水平ガイドレール210を移動する左右移動ガイドブロック220の左側の移動を制御し、第2のストッパ240は、水平ガイドレール210を移動する左右移動ガイドブロック220の右側の移動を制御する。
【0045】
図5に示すように、垂直ガイドレール310は、吸引ガイドブロック150が位置する支持壁120の前面において上下方向に長く配置され、上下移動ガイドブロック320は、垂直ガイドレール310に沿って上下方向に摺動する。
【0046】
ここで、上下移動ガイドブロック320は、吸引ガイドブロック150が一体に結合された状態で、垂直ガイドレール310に沿って上下に摺動する。
【0047】
第3のストッパ330は、垂直ガイドレール310の上端部に配置され、吸引ガイドブロック150の上方向の動きを制御し、第4のストッパ340は、垂直ガイドレール310の下端部に配置され、吸引ガイドブロック150の下方向の動きを制御する。
【0048】
テンション部材(図示せず)は、上下移動ガイドブロック320に装着された状態で上方向の復元力を有するように構成されることで、吸引ガイドブロック150に外力(例えば、ユーザの操作)が加わらない状態では、上下移動ガイドブロック320を第3のストッパ330に係止させる。
【0049】
例えば、検体コレクタ140を下方向に移動させるために、ユーザが吸引ガイドブロック150を下方向に引っ張ると、吸引ガイドブロック150が垂直ガイドレール310に沿って下方向に移動するが、ユーザが吸引ガイドブロック150に加える外力を解除すると、吸引ガイドブロック150は、再び垂直ガイドレール310に沿って上方向に移動して上下移動ガイドブロック320が第3のストッパ330に係止されるまで移動する。
【0050】
図3ないし
図5に示すように、廃液容器部材410は、ベース110に装着された状態で、吸引ホルダ部材153と導管(図示せず)に連通結合され、吸引ポンプ160の動作によって容器部材10内の液体培地が吸引ホルダ部材153まで引き込まれる場合、その引き込まれた液体培地をユーザの操作に応じて外部場所に廃棄するまで、一時的に貯蔵する。
【0051】
図1ないし
図5に示すように、カットスロット部材121は、垂直ガイドレール310と平行に、支持壁120の上下方向に沿って支持壁120を長く貫通して形成される。
【0052】
図3ないし
図5に示すように、ポンプ動作スイッチ420は、カットスロット部材121に隣接する支持壁120の背面に配置され、スイッチのオン・オフ信号をポンプ動作制御部(図示せず)に伝達することにより、ポンプ動作制御部(図示せず)の制御下、吸引ポンプ160の動作をオン・オフさせる。
【0053】
図3ないし
図5に示すように、吸引アーム430は、カットスロット部材121を貫通して吸引ガイドブロック150の背面に結合された状態で、吸引ガイドブロック150の上下方向の動きに連動して上下方向に動く際に、ポンプ動作スイッチ420に備えられたポンプ動作レバー(図示せず)を動かす。
【0054】
その結果、ポンプ動作スイッチ420は、ポンプ動作レバー(図示せず)の動きに連動して、吸引ポンプ160の動作オン・オフのために、ポンプ動作制御部(図示せず)に伝達するスイッチのオン・オフ信号を生成する。
【0055】
なお、図面符号460は、吸引時間設定ボタンを示し、図面符号470は、電源ボタンを示す。
【0056】
ここで、吸引時間設定ボタン460に対応する吸引時間制御部(図示せず)は、ポンプ動作制御部(図示せず)と連動して吸引ポンプ160の1回の動作時間(例えば、3秒)を制御するように構成されてもよい。
【0057】
図6は、本発明の構成である検体コレクタが搭載された状態の吸引ガイドブロックの抜粋図であり、
図7は、
図6の検体コレクタが離脱した状態の吸引ガイドブロックを示す図であり、
図8は、
図7の吸引ガイドブロックの各構成が分離された状態を示す図である。
【0058】
図6ないし
図8に示すように、吸引ガイドブロック150は、ユーザ操作ブロック151、支持プレート152、吸引ホルダ部材153、Oリング154、下方向エジェクタ155、可動ロッド156、ストロークハンドル157、及びバネ(図示せず)を含んで構成されてもよい。
【0059】
ユーザ操作ブロック151は、ユーザの把持操作が可能なように、ブロック状からなり、ユーザの移動操作やテンション部材の復元力により支持壁120の壁に沿って動く。
【0060】
図6ないし
図8に示すように、支持プレート152は、平たいプレート状からなり、ユーザ操作ブロック151の下面に装着される。
【0061】
吸引ホルダ部材153は、吸引ポンプ160と連通するように、支持プレート152とユーザ操作ブロック151とを順次貫通し、支持プレート152とユーザ操作ブロック151とに上下方向に嵌る。
【0062】
そして、吸引ホルダ部材153は、検体コレクタ140の開口した上部が己の下部に嵌ることのより、吸引ポンプ160による吸引力を検体コレクタ140に伝達するように構成されている。
【0063】
ここで、吸引ホルダ部材153は、補助支持壁125に装着される吸引ポンプ160と導管(図示せず)を介して結合されてもよい。
【0064】
図8に示すように、Oリング154は、吸引ホルダ部材153の外壁を取り囲む形で配置されることにより、検体コレクタ140が吸引ホルダ部材153に嵌ったとき、検体コレクタ140の内壁と吸引ホルダ部材153の外壁が相互に密着された状態を維持させる。
【0065】
図6ないし
図8に示すように、下方向エジェクタ155は、吸引ホルダ部材153に己の中央部が貫通された状態で、支持プレート152の下面に配置される。
【0066】
図7に示すように、下方向エジェクタ155は、吸引ホルダ部材153の外表面に沿って下方に移動すると、吸引ホルダ部材153に嵌った検体コレクタ140を吸引ホルダ部材153から分離させ、可動ロッド156に嵌るバネの弾性復元力によって、
図6に示すように、吸引ホルダ部材153の外表面に沿って上方に移動するように構成されている。
【0067】
ここで、
図6ないし
図8に示すように、可動ロッド156は、複数のものが支持プレート152を貫通した状態で、己の下端部が下方向エジェクタ155に結合され、ユーザの操作に応じて、下方向ストロークの際に下方向エジェクタ155を下方向にストロークさせる。
【0068】
ストロークハンドル157は、支持プレート152の上部に対応する複数の可動ロッド156をそれぞれ繋ぐ形で配置され、ユーザの操作に応じた下向きの外力を複数の可動ロッド156に伝達して、複数の可動ロッド156を下方向にストロークさせる。
【0069】
バネ(図示せず)は、ストロークハンドル157と支持プレート152との間に対応する可動ロッド156に嵌められる。
【0070】
その結果、バネ(図示せず)は、可動ロッド156の長さ方向に沿って伸びる引張力を形成し、それに応じて下方向エジェクタ155の上面を支持プレート152の下面に自然に当接させる。
【0071】
一方、
図1ないし
図8を参照して、本発明に係る剥離細胞の処理装置の動作を簡単に示すと、以下のとおりである。
【0072】
まず、電源ボタン470を押して、装置をターンオンさせる。そして、吸引時間設定ボタン460を操作することにより、吸引時間制御部(図示せず)が、ポンプ動作制御部(図示せず)と連動して、吸引ポンプ160の吸引持続時間である1回の動作時間(例えば、3秒)を設定する。
【0073】
次いで、検体コレクタ140を吸引ホルダ部材153に装着し、細胞塗抹スライド170と容器部材10をロードする。
【0074】
そして、吸引ガイドブロック150のユーザ操作に応じて、検体コレクタ140の下部が容器部材10の内側に入るようにする。
【0075】
そのとき、検体コレクタ140が下方向に移動すると、吸引ポンプ160の動作に応じて自動的に吸引が開始され、吸引時間設定ボタン460によって設定したユーザの操作時の時間にかけて、吸引が行われる。
【0076】
その吸引が行われている間、容器部材10内の剥離細胞は、検体コレクタ140の下部に装着された細胞コレクトフィルタ143に移り渡され、そのうち液体培地は、検体コレクタ140の内側に移動する。
【0077】
また、ユーザの操作に応じて左右移動取付けブロック221を横に移動させて、細胞塗抹スライド170を検体コレクタ140の鉛直下方に位置させる。
【0078】
次いで、ユーザの操作に応じて吸引ガイドブロック150を下方向に引っ張ると、検体コレクタ140が下方向に移動し、その検体コレクタ140の下部に装着された細胞コレクトフィルタ143が細胞塗抹スライド170に触れることで、その細胞コレクトフィルタ143の下面に付着していた剥離細胞のうち一部の剥離細胞が、細胞塗抹スライド170の上面に判子を押すように塗抹される。
【0079】
ここで、検体コレクタ140が、細胞塗抹スライド170の鉛直上方に位置する場合にも、吸引ガイドブロック150の鉛直上下方向の動きに連動して吸引ポンプ160が動作し、検体コレクタ140が吸引する動作をする。
【0080】
このように、細胞塗抹スライド170の鉛直上下方向を移動する検体コレクタ140が吸引を行うと、検体コレクタ140の内側に入れられている液体培地が下方向に落下することを防止することができる。
【0081】
図9は、
図8の検体コレクタを抜粋して切開した断面図であり、
図10は、
図9を別の角度から示した図である。
【0082】
検体コレクタ140は、コレクタ本体141、通孔型プレート142、及び細胞コレクトフィルタ143を含んで構成されてもよい。
【0083】
図9及び
図10に示すように、コレクタ本体141は、上部が開口した中空状の円筒形からなる。
【0084】
図9及び
図10に示すように、通孔型プレート142は、容器部材10の下部を機構的に遮断する形で配置されてもよい。そして、通孔型プレート142には、容器部材10内の剥離細胞及び液体培地の出入りが可能なように複数の通孔が形成される。
【0085】
ここで、コレクタ本体141と通孔型プレート142は、プラスチック射出物として一体に成形されてもよい。
【0086】
図9と
図10に示すように、細胞コレクトフィルタ143は、通孔型プレート142の下面に装着される。そして、細胞コレクトフィルタ143は、好ましくは多孔質膜であるメンブレンフィルタで構成されてもよい。
【0087】
その結果、細胞コレクトフィルタ143は、吸引ポンプ160の吸引動作に連動してコレクタ本体141内に吸引力が提供された場合、容器部材10内の液体培地はコレクタ本体141内に移動するように通過させ、容器部材10内の剥離細胞は、己の下面でろ過させる。
【0088】
そのとき、吸引ポンプ160の吸引力によって細胞コレクトフィルタ143が受ける外力は、通孔型プレート142によって支持されてもよい。
【0089】
詳細には、細胞コレクトフィルタ143は、スポンジのサブメンブレンとフィルムのマイクロメンブレンで構成されてもよい。サブメンブレンは、液体培地を吸収する機能を果たし、マイクロメンブレンは、サブメンブレンの下面に位置して剥離細胞が直接触れる部分である。