(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】配索構造および配索方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20220627BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20220627BHJP
H05K 3/10 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/11 B
H05K3/10 D
(21)【出願番号】P 2018012291
(22)【出願日】2018-01-29
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 隼人
(72)【発明者】
【氏名】野村 章一
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/096683(WO,A1)
【文献】特開2001-168487(JP,A)
【文献】特開2000-261111(JP,A)
【文献】特開平07-321433(JP,A)
【文献】特開昭62-008475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/11
H05K 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配索面に形成された第一印刷配線と、
前記第一印刷配線と離間して前記配索面に形成された第二印刷配線と、
前記第一印刷配線および前記第二印刷配線と離間して前記配索面に形成された第三印刷配線と、
前記第二印刷配線と前記第三印刷配線とを電気的に接続する接続部材と、
を備え、
前記接続部材は、板状の配索材と、前記配索材の一部を覆う絶縁体と、を有し、
前記配索材は、前記第二印刷配線と接続された第一端部と、前記第三印刷配線と接続された第二端部と、前記第一端部と前記第二端部とをつなぎ、かつ
前記第一印刷配線に対して前記配索面の側とは反対側に位置して前記第一印刷配線と立体交差する交差部と、を有し、
前記絶縁体は、前記配索材における少なくとも前記交差部を覆っており、
前記配索材は、前記交差部と、前記第一端部および前記第二端部と、の間にそれぞれ設けられた傾斜部を有し、
前記傾斜部は、前記第一端部および前記第二端部を前記交差部に対して前記配索材の厚み方向の同じ側に位置付けるように傾斜して
おり、
前記第二印刷配線は、前記配索面の側とは反対側から前記第一端部に対して重畳しており、
前記第三印刷配線は、前記配索面の側とは反対側から前記第二端部に対して重畳している
ことを特徴とする配索構造。
【請求項2】
前記第二印刷配線と前記第三印刷配線とは前記第一印刷配線を挟んで互いに異なる側に位置し、
前記接続部材は、前記第一印刷配線を跨いで前記第二印刷配線と前記第三印刷配線とを接続している
請求項1に記載の配索構造。
【請求項3】
前記第二印刷配線と、前記第三印刷配線と、前記接続部材と、を含む回路を複数有し、
一つの前記回路の前記接続部材が、他の前記回路の前記接続部材に重なっている
請求項1または2に記載の配索構造。
【請求項4】
前記絶縁体は、前記交差部を全周にわたって覆っている
請求項1から3の何れか1項に記載の配索構造。
【請求項5】
配索面に第一印刷配線を形成する工程と、
第一端部と、第二端部と、前記第一端部と前記第二端部とをつなぎ、かつ前記第一印刷配線と立体交差する交差部と、を有する接続部材を前記配索面に配置
して前記交差部を前記第一印刷配線に対して前記配索面の側とは反対側に位置付ける工程と、
第二印刷配線を前記第一印刷配線と離間して前記配索面に形成する工程と、
第三印刷配線を前記第一印刷配線および前記第二印刷配線と離間して前記配索面に形成する工程と、
前記第二印刷配線と前記第一端部とを接続する工程と、
前記第三印刷配線と前記第二端部とを接続する工程と、
を含み、
前記接続部材は、前記交差部と、前記第一端部および前記第二端部と、の間にそれぞれ設けられた傾斜部を有し、
前記傾斜部は、前記第一端部および前記第二端部を前記交差部に対して前記接続部材の厚み方向の同じ側に位置付けるように傾斜しており、
前記接続部材を前記配索面に配置する工程において、前記接続部材は、前記交差部に対して前記第一端部および前記第二端部が前記配索面の側に位置するように配置され
、
前記第二印刷配線を形成する工程において、前記第二印刷配線は、前記配索面の側とは反対側から前記第一端部に対して重畳され、
前記第三印刷配線を形成する工程において、前記第三印刷配線は、前記配索面の側とは反対側から前記第二端部に対して重畳される
ことを特徴とする配索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配索構造および配索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の配線を形成する技術がある。特許文献1には、支持基板上に形成されかつ支持基板よりも高い電気伝導率を有する接地層と、支持基板上に形成される第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成される下部配線パターンと、接地層および下部配線パターンを覆うように第1の絶縁層上に形成される第2の絶縁層と、接地層に重なるように第2の絶縁層上に形成される上部配線パターンとを備える配線回路基板の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配索面において、複数の配線の配索経路が交差したり、重なったりすることがある。こうした場合に、回路層と絶縁層とを交互に形成していく方法では、配索に要する時間や工程が多くなりやすい。配索作業を効率化できることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、配索作業を効率化できる配索構造および配索方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の配索構造は、配索面に形成された第一印刷配線と、前記第一印刷配線と離間して前記配索面に形成された第二印刷配線と、前記第一印刷配線および前記第二印刷配線と離間して前記配索面に形成された第三印刷配線と、前記第二印刷配線と前記第三印刷配線とを電気的に接続する接続部材と、を備え、前記接続部材は、板状の配索材と、前記配索材の一部を覆う絶縁体と、を有し、前記配索材は、前記第二印刷配線と接続された第一端部と、前記第三印刷配線と接続された第二端部と、前記第一端部と前記第二端部とをつなぎ、かつ前記第一印刷配線と立体交差する交差部と、を有し、前記絶縁体は、前記配索材における少なくとも前記交差部を覆っていることを特徴とする。
【0007】
本発明の配索方法は、配索面に第一印刷配線を形成する工程と、第一端部と、第二端部と、前記第一端部と前記第二端部とをつなぎ、かつ前記第一印刷配線と立体交差する交差部と、を有する接続部材を前記配索面に配置する工程と、第二印刷配線を前記第一印刷配線と離間して前記配索面に形成する工程と、第三印刷配線を前記第一印刷配線および前記第二印刷配線と離間して前記配索面に形成する工程と、前記第二印刷配線と前記第一端部とを接続する工程と、前記第三印刷配線と前記第二端部とを接続する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る配索構造は、配索面に形成された第一印刷配線と、第一印刷配線と離間して配索面に形成された第二印刷配線と、第一印刷配線および第二印刷配線と離間して配索面に形成された第三印刷配線と、第二印刷配線と第三印刷配線とを電気的に接続する接続部材と、を備える。接続部材は、板状の配索材と、配索材の一部を覆う絶縁体と、を有する。配索材は、第二印刷配線と接続された第一端部と、第三印刷配線と接続された第二端部と、第一端部と第二端部とをつなぎ、かつ第一印刷配線と立体交差する交差部と、を有する。絶縁体は、配索材における少なくとも交差部を覆っている。本発明に係る配索構造によれば、回路層と絶縁層とを交互に形成していく工程が不要となり、配索作業を効率化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る配索構造の平面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る接続部材の平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る接続部材の断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る配索方法のフローチャートである。
【
図5】
図5は、第一の配線形成工程を説明する平面図である。
【
図8】
図8は、第二の配線形成工程を説明する平面図である。
【
図9】
図9は、第二の配線形成工程を説明する他の平面図である。
【
図10】
図10は、実施形態の第1変形例に係る配索構造の平面図である。
【
図11】
図11は、実施形態の第1変形例に係る配索構造の断面図である。
【
図12】
図12は、実施形態の第1変形例に係る配索方法を説明する平面図である。
【
図13】
図13は、実施形態の第1変形例に係る配索方法を説明する他の平面図である。
【
図14】
図14は、実施形態の第2変形例に係る配索構造の平面図である。
【
図15】
図15は、実施形態の第3変形例に係る配索構造の平面図である。
【
図16】
図16は、実施形態の第4変形例に係る配索構造の平面図である。
【
図17】
図17は、実施形態の第5変形例に係る配索構造の平面図である。
【
図18】
図18は、実施形態の第6変形例に係る配索構造の平面図である。
【
図19】
図19は、実施形態の第7変形例に係る配索構造の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係る配索構造および配索方法につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
図1から
図9を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、配索構造および配索方法に関する。
図1は、実施形態に係る配索構造の平面図、
図2は、実施形態に係る接続部材の平面図、
図3は、実施形態に係る接続部材の断面図、
図4は、実施形態に係る配索方法のフローチャート、
図5は、第一の配線形成工程を説明する平面図、
図6は、配置工程を説明する平面図、
図7は、配置工程を説明する断面図、
図8は、第二の配線形成工程を説明する平面図、
図9は、第二の配線形成工程を説明する他の平面図である。
【0012】
図3には、
図2のIII-III断面が示されている。
図7には、
図6のVII-VII断面が示されている。
【0013】
実施形態に係る配索構造1は、
図1に示すように、第一印刷配線3と、第二印刷配線4と、第三印刷配線5と、接続部材10と、を有する。各印刷配線3,4,5および接続部材10は、例えば、車両の配索面2aに配置される。配索面2aは、例えば、パネル部材2の一方の面である。パネル部材2は、例えば、車両のボディに対して固定される板状の内装部材である。本実施形態のパネル部材2は絶縁性の部材であり、例えば、絶縁性の合成樹脂によって形成されている。配索面2aは、例えば、パネル部材2の両面のうち、車両の外側を向く面、言い換えるとボディと対向する面である。配索面2aは、平面や実質的な平面であっても、緩やかに湾曲した面であってもよい。
【0014】
第一印刷配線3、第二印刷配線4、および第三印刷配線5は、印刷装置によって配索面2aに形成される。本実施形態では、印刷装置としてディスペンサーが用いられる。ディスペンサーは、導電性のペーストをノズルから吐出して各印刷配線3,4,5を形成する。導電性のペーストは、導電性の金属の粉末を含むペーストであり、例えば銀や銅の粉末を含むペーストである。
【0015】
接続部材10は、第二印刷配線4と第三印刷配線5とを電気的に接続する部材である。接続部材10は、板状の配索材20と、絶縁体30と、を有する。
図2および
図3に示すように、配索材20は、導電性を有する平板状の部材である。配索材20の厚さは、印刷配線3,4,5の厚さよりも薄くても、印刷配線3,4,5の厚さよりも厚くても、印刷配線3,4,5の厚さと同等であってもよい。配索材20は、例えば、母材としての金属板や金属箔から形成される。本実施形態の配索材20は、銅や銅合金で形成されている。配索材20は、銅に代えて導電性を有する他の金属によって形成されてもよい。
【0016】
平面視における本実施形態の配索材20の形状は、矩形である。配索材20は、第一端部21、第二端部22、および交差部23を有する。第一端部21は、配索材20における長手方向の一端部である。第二端部22は、配索材20における長手方向の他端部、すなわち第一端部21側と反対側の端部である。交差部23は、第一端部21と第二端部22との間に位置し、第一端部21と第二端部22をとつなぐ部分である。交差部23は、後述するように、第一印刷配線3と対向し、第一印刷配線3と立体交差する部分である。
【0017】
絶縁体30は、配索材20の一部を覆う絶縁性の構成部である。絶縁体30は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって形成されている。絶縁体30は、配索材20における少なくとも交差部23を覆っている。絶縁体30は、交差部23を全周にわたって覆っている。すなわち、絶縁体30は、交差部23を内部に収容している。
【0018】
図3に示すように、第一端部21および第二端部22は、交差部23と平行、または実質的に平行である。第一端部21と交差部23との間には傾斜部24が設けられている。第二端部22と交差部23との間には、傾斜部25が設けられている。傾斜部24,25は、配索材20の長手方向Xに対して傾斜した部分である。傾斜部24,25は、配索材20の厚み方向Zにおける同じ側に向けて傾斜している。つまり、第一端部21および第二端部22は、交差部23に対して厚み方向Zの同じ側に位置する。以下の説明では、厚み方向Zにおいて、交差部23に対する端部21,22側を「下側」と称し、交差部23に対する端部21,22側と反対側を「上側」と称する。なお、厚み方向Zの上側および下側は、パネル部材2が車両に搭載された状態における車両上側および車両下側とは異なる場合がある。
【0019】
厚み方向Zにおいて、端部21,22の下面21a,22aは、絶縁体30の下面30aと略同じ位置または下面30aよりも下側の位置にある。つまり、第一端部21の下面21aおよび第二端部22の下面22aは、絶縁体30の下面30aと実質的に同じ面上にあるか、または下面30aよりも下側に突出している。
【0020】
以下に、本実施形態の配索方法について、
図4から
図9を参照して説明する。
図4に示すように、まず、第一の配線形成工程S1が実行される。第一の配線形成工程S1は、配索面2aに対して第一印刷配線3を形成する工程である。第一の配線形成工程S1において、ディスペンサーは、配索面2aに対して予め定められた配索経路に沿って第一印刷配線3を形成する。
図5には、第一の配線形成工程S1において形成された第一印刷配線3が示されている。
【0021】
第一の配線形成工程S1の次に、乾燥工程S2が実行される。乾燥工程S2は、第一印刷配線3を乾燥させる工程である。乾燥工程S2は、第一印刷配線3を自然乾燥させるものであっても、熱風乾燥機による加熱等によって第一印刷配線3を乾燥させるものであってもよい。
【0022】
乾燥工程S2の次に、配置工程S3が実行される。配置工程S3は、接続部材10を配索面2aに配置する工程である。配置工程S3は、例えば、作業者によって行われても、ロボット等の装置によって行われてもよい。配置工程S3において、接続部材10は、
図6および
図7に示すように、絶縁体30を第一印刷配線3に重ねて配索面2aに配置される。より詳しくは、
図7に示すように、接続部材10は、配索面2aと直交する方向において交差部23が第一印刷配線3から離間した位置で第一印刷配線3と対向するように配置される。言い換えると、接続部材10は、交差部23が第一印刷配線3と立体交差するように配置される。ここで、「立体交差」は、平面視において交差部23が第一印刷配線3と重なり、かつ交差部23が第一印刷配線3と物理的に接触していない状態を示す。
【0023】
絶縁体30の長さL1は、第一印刷配線3の幅L2よりも大きい。接続部材10は、幅方向Wにおいて絶縁体30が第一印刷配線3を跨ぐように、配索面2aに配置される。配置された接続部材10において、絶縁体30の一端30bは、第一印刷配線3よりも幅方向Wの一方側に位置し、他端30cは第一印刷配線3よりも幅方向Wの他方側に位置している。
【0024】
接続部材10の第一端部21は、幅方向Wにおいて第一印刷配線3よりも一方側に位置し、第二端部22は、幅方向Wにおいて第一印刷配線3よりも他方側に位置している。第一端部21および第二端部22は、それぞれ配索面2aと対向している。接続部材10は、例えば、第一端部21の下面21aおよび第二端部22の下面22aが配索面2aと接触するように形成されていてもよい。
【0025】
配置工程S3の次に、第二の配線形成工程S4が実行される。第二の配線形成工程S4は、第二印刷配線4および第三印刷配線5を配索面2aに形成する工程である。第二の配線形成工程S4において、ディスペンサーは、予め定められた配索経路に沿って第二印刷配線4および第三印刷配線5を配索面2aに形成する。本実施形態では、ディスペンサーは、第二印刷配線4を先に形成し、その後に第三印刷配線5を形成する。ただし、二つの印刷配線4,5の形成順序は任意である。
【0026】
図8に示すように、第二印刷配線4は、配索面2aにおいて第一印刷配線3から離間して形成される。つまり、配索面2aにおいて、第二印刷配線4が形成される領域は、第一印刷配線3が形成される領域と離れている。第二印刷配線4の端部4aは、接続部材10の第一端部21に重畳される。つまり、第二印刷配線4の端部4aは、第一端部21の上面21bに形成される。
【0027】
第二印刷配線4が形成されると、次に、第三印刷配線5が形成される。第三印刷配線5は、配索面2aにおいて、第一印刷配線3および第二印刷配線4から離間して形成される。つまり、配索面2aにおいて、第三印刷配線5が形成される領域は、第一印刷配線3が形成される領域および第二印刷配線4が形成される領域の何れとも離れている。第三印刷配線5の端部5aは、接続部材10の第二端部22に重畳される。つまり、第三印刷配線5の端部5aは、第二端部22の上面22bに形成される。
【0028】
第二の配線形成工程S4の次に、焼成工程S5が実行される。焼成工程S5は、第一印刷配線3、第二印刷配線4、および第三印刷配線5を焼成して固化させる工程である。焼成工程S5は、例えば、熱風乾燥機によってなされる。
【0029】
焼成工程S5の次に、接続工程S6が実行される。接続工程S6は、配索材20と、第二印刷配線4および第三印刷配線5と、を接続する工程である。本実施形態の配索構造1では、配索材20と、第二印刷配線4および第三印刷配線5とは半田付けによって接続される。第一端部21と第二印刷配線4の端部4aとが半田付けによって物理的かつ電気的に接続される。第二端部22と第三印刷配線5の端部5aとが半田付けによって物理的かつ電気的に接続される。接続工程S6が完了すると、本実施形態の配索方法が終了する。
【0030】
以上説明したように、本実施形態の配索構造1は、第一印刷配線3と、第二印刷配線4と、第三印刷配線5と、接続部材10と、を有する。第一印刷配線3は、配索面2aに形成された印刷配線である。第二印刷配線4は、第一印刷配線3と離間して配索面2aに形成された印刷配線である。第三印刷配線5は、第一印刷配線3および第二印刷配線4と離間して配索面2aに形成された印刷配線である。接続部材10は、第二印刷配線4と第三印刷配線5とを電気的に接続する部材である。
【0031】
接続部材10は、板状の配索材20と、配索材20の一部を覆う絶縁体30とを有する。配索材20は、第二印刷配線4と接続された第一端部21と、第三印刷配線5と接続された第二端部22と、交差部23と、を有する。交差部23は、第一端部21と第二端部22とをつなぎ、かつ第一印刷配線3と立体交差する。絶縁体30は、配索材20における少なくとも交差部23を覆っている。本実施形態の配索構造1では、回路層と絶縁層とを交互に形成していく工程を要することなく複数の配線を立体交差させることが可能となる。よって、本実施形態の配索構造1は、配索作業を効率化することができる。
【0032】
本実施形態の配索構造1において、第二印刷配線4と第三印刷配線5とは第一印刷配線3を挟んで互いに異なる側に位置している。接続部材10は、第一印刷配線3を跨いで第二印刷配線4と第三印刷配線5とを接続している。本実施形態の配索構造1は、二つの配線の配索経路が交差する場合に、容易に二つの配線を立体交差させることができる。
【0033】
本実施形態に係る配索方法は、配索面2aに第一印刷配線3を形成する工程(第一の配線形成工程S1)と、接続部材10を配索面2aに配置する工程(配置工程S3)と、第二印刷配線4を第一印刷配線3と離間して配索面2aに形成する工程(第二の配線形成工程S4)と、第三印刷配線5を第一印刷配線3および第二印刷配線4と離間して配索面2aに形成する工程(第二の配線形成工程S4)と、第二印刷配線4と第一端部21とを接続する工程(接続工程S6)と、第三印刷配線5と第二端部22とを接続する工程(接続工程S6)と、を含む。本実施形態の配索方法は、配索作業を効率化することができる。
【0034】
なお、配索構造1の製造手順は、
図4のフローチャートに例示した手順には限定されない。例えば、第二印刷配線4の形成工程、焼成工程、および配索材20との接続工程がなされた後で第三印刷配線5の形成工程、焼成工程、および配索材20との接続工程が実行されてもよい。
【0035】
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。
図10は、実施形態の第1変形例に係る配索構造の平面図、
図11は、実施形態の第1変形例に係る配索構造の断面図、
図12は、実施形態の第1変形例に係る配索方法を説明する平面図、
図13は、実施形態の第1変形例に係る配索方法を説明する他の平面図である。
図11には、
図10のXI-XI断面が示されている。
【0036】
実施形態の第1変形例に係る配索構造1において、上記実施形態の配索構造1と異なる点は、複数の接続部材10が積層されている点である。
図10および
図11に示すように、第1変形例に係る配索構造1は、第一の接続部材10Aおよび第二の接続部材10Bを有する。第一の接続部材10Aは、上記実施形態の接続部材10と同様に、板状の配索材20Aおよび絶縁体30Aを有する。配索材20Aは、上記実施形態の配索材20と同様に、第一端部21A、第二端部22A、および交差部23Aを有する。絶縁体30Aは、配索材20Aにおける少なくとも交差部23Aを覆っている。
【0037】
第二の接続部材10Bは、上記実施形態の接続部材10と同様に、板状の配索材20Bおよび絶縁体30Bを有する。配索材20Bは、上記実施形態の配索材20と同様に、第一端部21B、第二端部22B、および交差部23Bを有する。絶縁体30Bは、配索材20Bにおける少なくとも交差部23Bを覆っている。第二の接続部材10Bの絶縁体30Bの長さL4は、第一の接続部材10Aの絶縁体30Aの長さL3よりも長い。
【0038】
配索面2aには、上記実施形態の印刷配線3,4,5と同様の印刷配線3,4,5に加えて、第二印刷配線6および第三印刷配線7が形成されている。第二印刷配線6および第三印刷配線7は、印刷配線3,4,5と離間して配索面2aに形成され、かつ互いに離間している。
【0039】
第一の接続部材10Aは、第二印刷配線4と第三印刷配線5とを電気的に接続する。より詳しくは、第一の接続部材10Aにおいて、第一端部21Aは第二印刷配線4に接続され、第二端部22Aは第三印刷配線5に接続される。第一の接続部材10Aの交差部23Aは、第一印刷配線3と立体交差している。このように、第一の接続部材10Aは、第一印刷配線3を跨いで配置されており、第一印刷配線3に対して幅方向Wの一方側に形成された第二印刷配線4と、幅方向Wの他方側に形成された第三印刷配線5とを接続する。第一の接続部材10A、第二印刷配線4、および第三印刷配線5は、互いに接続されて第一の回路C1を構成する。
【0040】
第二の接続部材10Bは、第二印刷配線6と第三印刷配線7とを電気的に接続する。また、第二の接続部材10Bは、第一の接続部材10Aに重畳させて配置されている。第二の接続部材10Bの絶縁体30Bは、第一の接続部材10Aの絶縁体30Aを間に挟んで第一印刷配線3と対向するように配置されている。絶縁体30Bの下面30Baは、例えば、絶縁体30Aの上面30Adに重ねられている。なお、絶縁体30Bの下面30Baと絶縁体30Aの上面30Adとの間には、隙間が設けられてもよい。
【0041】
配索材20Bの交差部23Bは、配索面2aと直交する方向において、第一印刷配線3、第二印刷配線4、および第三印刷配線5と対向している。また、交差部23Bは、第一印刷配線3、第二印刷配線4、および第三印刷配線5と立体交差している。絶縁体30Bは、配索材20Bにおける少なくとも交差部23Bを覆っている。配索材20Bの第一端部21Bおよび第二端部22Bは、配索面2aに接触するように構成されている。例えば、配索材20Bは、絶縁体30Bが絶縁体30Aに載置された状態で、第一端部21Bおよび第二端部22Bが配索面2aに接触するように形成されている。配索材20Bの第一端部21Bは、第二印刷配線6と接続され、第二端部22Bは、第三印刷配線7と接続される。第二の接続部材10B、第二印刷配線6、および第三印刷配線7は、互いに接続されて第二の回路C2を構成する。
【0042】
このように第1変形例の配索構造1では、回路C1,C2を複数有する。第一の回路C1は、第二印刷配線4と、第三印刷配線5と、第一の接続部材10Aと、を含む回路である。第二の回路C2は、第二印刷配線6と、第三印刷配線7と、第二の接続部材10Bと、を含む回路である。第二の回路C2の第二の接続部材10Bは、第一の回路C1の第一の接続部材10Aに重なっている。こうした構成により、限られた面積の領域で複数の回路を立体交差させることが可能となる。
【0043】
ここで、第1変形例に係る配索方法について説明する。第一印刷配線3、第二印刷配線4、第三印刷配線5、および第一の接続部材10Aは、上記実施形態の第一の配線形成工程S1から接続工程S6までと同様の工程により配索面2aに形成され、配置され、接続される。
図12には、第一印刷配線3、第二印刷配線4、第三印刷配線5、および第一の接続部材10Aが形成され、配置され、接続された状態が示されている。
【0044】
図12に示す状態から、更に、配置工程S3から接続工程S6までと同様の工程が繰り返されて第二の回路C2が形成される。すなわち、第二の接続部材10Bが配置される(配置工程)。
図13に示すように、第二の接続部材10Bが配索面2aに配置される。第二の接続部材10Bは、配索材20Bが第一印刷配線3、第二印刷配線4、および第三印刷配線5を跨ぐように配置される。言い換えると、第二の接続部材10Bは、配索材20Bが三つの印刷配線3,4,5と立体交差するように配置される。すなわち、第一端部21Bは、第二印刷配線4よりも第一印刷配線3とは反対側の位置で配索面2aに接触する。一方、第二端部22Bは、第三印刷配線5よりも第一印刷配線3とは反対側の位置で配索面2aに接触する。
【0045】
次に、第二印刷配線6および第三印刷配線7が配索面2aに形成される(第二の配線形成工程)。ディスペンサーは、予め定められた配索経路に沿って第二印刷配線6および第三印刷配線7を形成する。例えば、第二印刷配線6が先に形成され、その後に第三印刷配線7が形成される。
【0046】
次に、第二印刷配線6および第三印刷配線7が焼成される(焼成工程)。その後、第二の接続部材10Bの配索材20Bが、半田付け等によって第二印刷配線6および第三印刷配線7と接続される(接続工程)。以上のような工程により、第1変形例に係る配索構造1が製造される。
【0047】
実施形態の第1変形例に係る配索構造1および配索方法によれば、第一印刷配線3に対して複数の回路C1,C2を立体交差させつつ、交差に要する面積を低減させることができる。なお、第1変形例の配索構造1において、第一印刷配線3に対して三つ以上の配索材20が重ねられてもよい。すなわち、第一印刷配線3に対して、同じ位置で三つ以上の回路が立体交差されてもよい。
【0048】
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。
図14は、実施形態の第2変形例に係る配索構造の平面図である。実施形態の第2変形例に係る配索構造1において、上記実施形態の配索構造1と異なる点は、一つの接続部材10が複数の配索材20C,20Dを有する点である。
【0049】
第2変形例に係る接続部材10は、
図14に示すように、二つの板状の配索材20C,20Dおよび絶縁体30を有する。二つの配索材20C,20Dは、並列し、かつ離間されて配置されている。絶縁体30は、二つの配索材20C,20Dにおける少なくとも交差部23C,23Dを覆っている。一つの絶縁体30によって、二つの配索材20C,20Dが保持されている。二つの配索材20C,20Dの第一端部21C,21Dは、絶縁体30の一方の側面30dから突出している。二つの配索材20C,20Dの第二端部22C,22Dは、絶縁体30の他方の側面30eから突出している。
【0050】
接続部材10は、二つの配索材20C,20Dがそれぞれ第一印刷配線3と立体交差するように配索面2aに配置される。絶縁体30は、第一印刷配線3に重畳されて、二つの配索材20C,20Dと第一印刷配線3とを隔てる。
【0051】
一方の配索材20Cは、第二印刷配線4Cと第三印刷配線5Cとを接続する。他方の配索材20Dは、第二印刷配線4Dと第三印刷配線5Dとを接続する。第二印刷配線4C,4Dと第三印刷配線5C,5Dとは、第一印刷配線3を挟んで配索面2aにおける互いに異なる領域に形成されている。また、二つの第二印刷配線4C,4Dは、互いに離間して配索されている。二つの第三印刷配線5C,5Dは、互いに離間して配索されている。
【0052】
第2変形例に係る配索方法について説明する。まず、配索面2aに第一印刷配線3が形成され(第一の配線形成工程S1)、第一印刷配線3が乾燥される(乾燥工程S2)。次に、接続部材10が配索面2aに配置される(配置工程S3)。次に、二つの第二印刷配線4C,4D、および二つの第三印刷配線5C,5Dが配索面2aに形成される(第二の配線形成工程S4)。第二印刷配線4Cの端部は、配索材20Cの第一端部21Cに重畳される。第二印刷配線4Dの端部は、配索材20Dの第一端部21Dに重畳される。第三印刷配線5Cの端部は、配索材20Cの第二端部22Cに重畳される。第三印刷配線5Dの端部は、配索材20Dの第二端部22Dに重畳される。
【0053】
二つの第二印刷配線4C,4Dおよび二つの第三印刷配線5C,5Dが形成されると、焼成工程S5が実行される。焼成工程S5において、第一印刷配線3、第二印刷配線4C,4Dおよび第三印刷配線5C,5Dが焼成される。次に、配索材20Cと第二印刷配線4Cおよび第三印刷配線5Cとが接続され、かつ配索材20Dと第二印刷配線4Dおよび第三印刷配線5Dとが接続される(接続工程S6)。配索材20C、第二印刷配線4C、および第三印刷配線5Cにより、第一の回路C3が構成される。配索材20D、第二印刷配線4D、および第三印刷配線5Dにより、第二の回路C4が構成される。第2変形例の配索構造1および配索方法は、一つの接続部材10によって二組の回路C3,C4を第一印刷配線3と立体交差させることができる。
【0054】
[実施形態の第3変形例]
実施形態の第3変形例について説明する。
図15は、実施形態の第3変形例に係る配索構造の平面図である。実施形態の第3変形例に係る配索構造1において、上記実施形態の配索構造1と異なる点は、配索材20Eが分岐構造を有する点である。
【0055】
第3変形例に係る配索材20Eは、配索材20Eおよび絶縁体30を有する。絶縁体30は、配索材20Eにおける少なくとも交差部23Eを覆っている。配索材20Eは、二つの第一端部21E,21Fおよび一つの第二端部22を有する。つまり、二つの第一端部21E,21Fと第二端部22とは、交差部23Eを介してつながっている。二つの第一端部21E,21Fは、絶縁体30の一方の側面30dから突出している。第二端部22は、絶縁体30の他方の側面30eから突出している。
【0056】
配索材20Eは、二つの第二印刷配線4E,4Fと、一つの第三印刷配線5とを接続する。二つの第二印刷配線4E,4Fと、第三印刷配線5とは、第一印刷配線3を挟んで配索面2aにおける互いに異なる領域に形成される。また、二つの第二印刷配線4E,4Fは、互いに離間して配索されている。
【0057】
第3変形例に係る配索方法について説明する。まず、配索面2aに第一印刷配線3が形成され(第一の配線形成工程S1)、第一印刷配線3が乾燥される(乾燥工程S2)。次に、接続部材10が配索面2aに配置される(配置工程S3)。次に、二つの第二印刷配線4E,4F、および一つの第三印刷配線5が配索面2aに形成される(第二の配線形成工程S4)。一方の第二印刷配線4Eの端部は、一方の第一端部21Eに重畳される。他方の第二印刷配線4Fの端部は、他方の第一端部21Fに重畳される。
【0058】
二つの第二印刷配線4E,4Fおよび一つの第三印刷配線5が形成されると、焼成工程S5が実行される。焼成工程S5において、第一印刷配線3、第二印刷配線4E,4Fおよび第三印刷配線5が焼成される。次に、配索材20Eと第二印刷配線4E,4Fおよび第三印刷配線5とが接続される(接続工程S6)。第3変形例に係る配索構造1および配索方法は、第一印刷配線3との立体交差および印刷配線4E,4F,5の分岐を一つの接続部材10で実現できる。なお、第3変形例の接続部材10は、第一印刷配線3に重畳させることなく、一つの第三印刷配線5から二つの第二印刷配線4E,4Fへの分岐に用いられてもよい。
【0059】
[実施形態の第4変形例]
実施形態の第4変形例について説明する。
図16は、実施形態の第4変形例に係る配索構造の平面図である。実施形態の第4変形例に係る配索構造1において、上記実施形態の配索構造1と異なる点は、配索材20G,20Hが異なる方向に延在する第二印刷配線4G,4Hと第三印刷配線5G,5Hとを接続する点である。
【0060】
図16に示すように、第4変形例に係る接続部材10は、二つの板状の配索材20G,20Hおよび絶縁体30を有する。絶縁体30は、配索材20G,20Hにおける少なくとも交差部23G,23Hを覆っている。一方の配索材20Gは、交差部23G、第一端部21G、および第二端部22Gを有する。他方の配索材20Hは、交差部23H、第一端部21H、および第二端部22Hを有する。
【0061】
配索材20G,20Hは、何れも平面視において屈曲している。二つの交差部23G,23Hは、平行に配置されている。一方の配索材20Gでは、第一端部21Gおよび第二端部22Gが他方の配索材20H側とは反対側に向けて傾斜している。同様に、他方の配索材20Hでは、第一端部21Hおよび第二端部22Hが一方の配索材20G側とは反対側に向けて傾斜している。例えば、一方の第一端部21Gと他方の第一端部21Hとの間の角度θ1が60度であり、一方の第二端部22Gと他方の第二端部22Hとの間の角度θ2が60度である。
【0062】
第4変形例に係る絶縁体30の平面視における形状は、六角形であり、例えば、正六角形である。一方の第一端部21Gは、絶縁体30の六つの側面のうちの一つの側面30fから突出している。他方の第一端部21Hは、上記の側面30fと隣接する側面30gから突出している。一方の第二端部22Gは、側面30hから突出している。この側面30hは、上記の側面30gとは反対側を向く側面である。他方の第二端部22Hは、上記の側面30hと隣接する側面30jから突出している。この側面30jは、上記の側面30fとは反対側を向く側面である。
【0063】
接続部材10は、二つの配索材20G,20Hがそれぞれ第一印刷配線3と立体交差するように配索面2aに配置される。絶縁体30は、第一印刷配線3に重畳されて、二つの配索材20G,20Hと第一印刷配線3とを隔てる。
【0064】
一方の配索材20Gは、第二印刷配線4Gと第三印刷配線5Gとを接続する。他方の配索材20Hは、第二印刷配線4Hと第三印刷配線5Hとを接続する。第二印刷配線4G,4Hと第三印刷配線5G,5Hとは、第一印刷配線3を挟んで配索面2aにおける互いに異なる領域に形成されている。また、二つの第二印刷配線4G,4Hは、互いに離間して配索されている。二つの第二印刷配線4G,4Hの端部4Ga,4Haは、互いに異なる方向に沿って形成される。より詳しくは、第二印刷配線4Gの端部4Gaは、配索材20Gの第一端部21Gの突出方向に沿って形成される。第二印刷配線4Hの端部4Haは、第一端部21Hの突出方向に沿って形成される。
【0065】
第三印刷配線5G,5Hは、互いに離間して配索されている。二つの第三印刷配線5G,5Hの端部5Ga,5Haは、互いに異なる方向に沿って形成される。より詳しくは、第三印刷配線5Gの端部5Gaは、配索材20Gの第二端部22Gの突出方向に沿って形成される。第三印刷配線5Hの端部5Haは、配索材20Hの第二端部22Hの突出方向に沿って形成される。
【0066】
第4変形例に係る配索方法について説明する。まず、配索面2aに第一印刷配線3が形成され(第一の配線形成工程S1)、第一印刷配線3が乾燥される(乾燥工程S2)。次に、接続部材10が配索面2aに配置される(配置工程S3)。接続部材10は、例えば、二つの第一端部21G,21Hと第一印刷配線3との交差角度がそれぞれ60度となり、二つの第二端部22G,22Hと第一印刷配線3との交差角度がそれぞれ60度となるように配置される。
【0067】
次に、二つの第二印刷配線4G,4H、および二つの第三印刷配線5G,5Hが配索面2aに形成される(第二の配線形成工程S4)。第二印刷配線4Gの端部4Gaは、配索材20Gの第一端部21Gに重畳される。第二印刷配線4Hの端部4Haは、配索材20Hの第一端部21Hに重畳される。第三印刷配線5Gの端部5Gaは、配索材20Gの第二端部22Gに重畳される。第三印刷配線5Hの端部5Haは、配索材20Hの第二端部22Hに重畳される。
【0068】
二つの第二印刷配線4G,4Hおよび二つの第三印刷配線5G,5Hが形成されると、焼成工程S5が実行される。焼成工程S5において、第一印刷配線3、第二印刷配線4G,4Hおよび第三印刷配線5G,5Hが焼成される。次に、配索材20Gと第二印刷配線4Gおよび第三印刷配線5Gとが接続され、かつ配索材20Hと第二印刷配線4Hおよび第三印刷配線5Hとが接続される(接続工程S6)。配索材20G、第二印刷配線4G、および第三印刷配線5Gにより第一の回路C5が構成され、配索材20H、第二印刷配線4H、および第三印刷配線5Hによる第二の回路C6が構成される。第4変形例の配索構造1および配索方法は、一つの接続部材10によって二組の回路C5,C6を第一印刷配線3と立体交差させることができる。
【0069】
[実施形態の第5変形例]
実施形態の第5変形例について説明する。
図17は、実施形態の第5変形例に係る配索構造の平面図である。実施形態の第5変形例に係る配索構造1において、上記実施形態の配索構造1と異なる点は、印刷配線3,4,5が形成された後で接続部材10が配置される点である。
【0070】
図17に示すように、配索材20の第一端部21が第二印刷配線4の端部4aに載置され、第二端部22が第三印刷配線5の端部5aに載置されている。配索材20と印刷配線4,5との接続は、例えば、半田付けによってなされる。
【0071】
第5変形例に係る配索方法について説明する。まず、配索面2aに第一印刷配線3、第二印刷配線4、および第三印刷配線5が形成される(第一の配線形成工程S1)。次に、第一印刷配線3、第二印刷配線4、および第三印刷配線5が乾燥される(乾燥工程S2)。次に、焼成工程が実行され、第一印刷配線3、第二印刷配線4、および第三印刷配線5が焼成される。
【0072】
次に、配置工程において接続部材10が配索面2aに配置される。接続部材10は、配索材20が第一印刷配線3と立体交差し、第一端部21が第二印刷配線4に重なり、かつ第二端部22が第三印刷配線5に重なるように配置される。配置工程の次に、接続工程によって、配索材20と第二印刷配線4および第三印刷配線5とが接続される。第5変形例の配索構造1および配索方法によれば、複数の印刷配線3,4,5を連続した印刷工程、または一回の印刷工程により形成することができる。よって、印刷配線3,4,5の形成を効率化することができる。
【0073】
[実施形態の第6変形例]
実施形態の第6変形例について説明する。
図18は、実施形態の第6変形例に係る配索構造の平面図である。実施形態の第6変形例に係る配索構造1において、上記実施形態の配索構造1と異なる点は、第二印刷配線4と第三印刷配線5とが第一印刷配線3に対して同じ側に形成されている点である。
【0074】
図18に示すように、第6変形例に係るパネル部材2は、第一リブ2bと、第二リブ2cと、を有する。第一リブ2bと第二リブ2cとは、同一線上に、互いの間に隙間を設けて形成されている。第一印刷配線3は、配索面2aの狭窄部2dを通過している。狭窄部2dは、配索面2aにおける第一リブ2bと第二リブ2cとの間の隙間の領域である。
【0075】
第二印刷配線4および第三印刷配線5は、第二リブ2cを挟んで互いに異なる側に形成される。第6変形例に係る接続部材10は、配索材20Jおよび絶縁体30を有する。配索材20Jは、平面視においてU字形状をなすように屈曲している。第一端部21Jおよび第二端部22Jは、交差部23Jに対して同じ側に向けて延出している。絶縁体30は、配索材20Jにおける少なくとも交差部23Jを覆っている。第一端部21Jおよび第二端部22Jは、絶縁体30の同じ側面30kから突出している。交差部23Jは、狭窄部2dにおいて第一印刷配線3と立体交差する。第一端部21Jおよび第二端部22Jは、第二リブ2cを挟んで互いに異なる側に配置される。
【0076】
第6変形例に係る配索構造1は、例えば、上記実施形態の配索方法(
図4)と同様の配索方法によって配索される。第6変形例に係る配索構造1は、狭窄部2dにおいて複数の回路を立体交差させることができる。
【0077】
[実施形態の第7変形例]
実施形態の第7変形例について説明する。
図19は、実施形態の第7変形例に係る配索構造の平面図である。実施形態の第7変形例に係る配索構造1では、第二印刷配線4が形成される領域と、第三印刷配線5が形成される領域とがリブ2b,2cを挟んで互いに異なる側に位置し、かつ第一印刷配線3を挟んで互いに異なる側に位置している。
【0078】
図19に示すように、第7変形例に係るパネル部材2は、上記第6変形例のパネル部材2と同様に第一リブ2bおよび第二リブ2cを有する。第二印刷配線4は、配索面2aの第一領域2eに形成される。第三印刷配線5は、配索面2aの第二領域2fに形成される。第一領域2eと第二領域2fとは、リブ2b,2cを挟んで互いに異なる側に位置し、かつ第一印刷配線3を挟んで互いに異なる側に位置している。第一領域2eは、第二リブ2cに沿った領域であり、第二領域2fは、第一リブ2bに沿った領域である。
【0079】
第7変形例に係る接続部材10は、配索材20Kおよび絶縁体30を有する。配索材20Kは、交差部23K、第一端部21K、および第二端部22Kを有する。交差部23Kは、平面視において第一印刷配線3と重なり、第一印刷配線3の延在方向に沿って延在する。絶縁体30は、配索材20Kにおける少なくとも交差部23Kを覆っている。第一端部21Kは、交差部23Kの一端から交差部23Kと直交する方向に延出している。第二端部22Kは、交差部23Kの他端から交差部23Kと直交する方向に延出している。第一端部21Kと第二端部22Kとは、互いに異なる側に向けて延出している。第一端部21Kは、絶縁体30の一方の側面30kから突出している。第二端部22Kは、絶縁体30の他方の側面30mから突出している。
【0080】
第7変形例に係る配索構造1は、例えば、上記実施形態の配索方法(
図4)と同様の配索方法によって配索される。接続部材10を配置する配置工程において、第7変形例の接続部材10は、第一端部21Kが第一領域2eに位置し、かつ第二端部22Kが第二領域2fに位置するように第一印刷配線3に重畳される。
【0081】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 配索構造
2 パネル部材
2a 配索面
2b 第一リブ
2c 第二リブ
2d 狭窄部
2e 第一領域
2f 第二領域
3 第一印刷配線
4 第二印刷配線
4a 端部
5 第三印刷配線
6 第二印刷配線
7 第三印刷配線
10 接続部材
10A 第一の接続部材
10B 第二の接続部材
20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G,20H,20K 配索材
21,21A,21B,21C,21D,21E,21F,21G,21H,21K 第一端部
21a 下面
21b 上面
22,22A,22B,22C,22D,22G,22H,22K 第二端部
22a 下面
22b 上面
23,23A,23B,23C,23D,23E,23G,23H,23J,23K 交差部
24,25 傾斜部
30,30A,30B 絶縁体
30a,30Ba 下面
30Ad 上面
30b 一端
30c 他端
30d,30e,30f,30g,30h,30j,30k,30m 側面
C1,C3,C5 第一の回路
C2,C4,C6 第二の回路