(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】物品整列装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20220627BHJP
G01G 19/387 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
G01G19/387 E
(21)【出願番号】P 2020526779
(86)(22)【出願日】2018-06-27
(86)【国際出願番号】 JP2018024378
(87)【国際公開番号】W WO2020003408
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-208040(JP,A)
【文献】特開2013-063828(JP,A)
【文献】特開平7-156924(JP,A)
【文献】特開2010-083648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
B65G 27/16
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合トラフを、振動駆動して前記集合トラフに供給される物品を整列させる
物品整列装置であって、
複数の前記集合トラフを備え、前記複数の前記集合トラフが、前記物品の搬送方向に沿って配置されるものであり、
前記物品の搬送方向の最も下手側の集合トラフ以外の集合トラフは、窪んで湾曲した底部を有しており、
前記最も下手側の集合トラフは、底板の幅方向の両端から一対の側板が立設されており、
前記最も下手側の前記集合トラフの長手方向に進退移動して前記最も下手側の集合トラフ内の前記物品を押圧可能なプッシャーを備え、
前記プッシャーは、上方の電動スライダに連結されて下方へ延出されたステーの下端部に備えられ、
前記最も下手側の前記集合トラフへの物品が、前記下端部に備えられたプッシャーの上方から前記最も下手側の前記集合トラフへ供給される、
物品整列装置。
【請求項2】
前記集合トラフを振動駆動して前記物品を振動搬送する加振機を備え、
前記集合トラフにおける前記物品の搬送方向の終端部には、前記集合トラフの搬送路を開閉するシャッタが設けられる、
請求項1に記載の物品整列装置。
【請求項3】
前記物品の搬送方向の最も下手側の集合トラフ以外の前記集合トラフが断面U字状である、
請求項2に記載の物品整列装置。
【請求項4】
前記複数の集合トラフの内、前記物品の搬送方向の最も上手側の集合トラフには、組合せ秤から排出される物品が供給される、
請求項
1ないし3のいずれか一項に記載の物品整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を整列させる物品整列装置に係り、特には、比較的柔らかくて細長い物品を集めて整列させるのに好適な物品整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
細長い棒状の物品を整列させる装置としては、例えば、特許文献1に記載されている装置がある。この特許文献1の装置では、細長い棒状の物品を、下方へ向かって狭まりながら延びるスロートを有する配列用シュートに沿って滑落移動させる間に、姿勢を変えて整列用トレーに所望の倒れ姿勢で収容する。収容した棒状の物品を、整列用トレーの底のゲートを水平にスライド開放することによって、収容姿勢を保持したまま落下排出するようにしている。
【0003】
特許文献2には、上部及び下部に開口を有するとともに、下部開口を開閉するゲートを有する整列用容器と、これを加振する振動源とを備えた棒状物品整列装置が記載されている。この特許文献2の装置では、整列用容器の開口の長さ寸法を、棒状物品の長さ寸法より長く、幅寸法を、棒状物品の長さ寸法より短くしている。向きが揃っていないために整列用容器に入らない棒状物品を、整列用容器を加振揺動することによって向きを変え、整列用容器に所定姿勢で整列収容するようにしている。
【0004】
特許文献3には、細長い棒状の物品を対象とする組合せ計量装置が記載されている。この特許文献3の装置では、組合せ計量した棒状の物品を、集合ロートを介して下窄まりの縦向き筒状に形成された集合シュートに導いた後、揺動ガイド筒及びガイド筒に供給する。供給された棒状の物品を、縦向き姿勢で揺動ガイド筒及びガイド筒を挿通した状態で収容保持し、揺動ガイド筒を揺動させて物品の重なりを解消する。その後、ガイド筒の下端に備えたシャッタ板を水平に開放することで、縦向き姿勢の物品を下方に落下排出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-273112号公報
【文献】特開2007-55615号公報
【文献】特開平8-271327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、スティックパンのような硬めの棒状物品を対象とするものであり、比較的柔らかくて細長い物品を整列させて排出することは困難である。すなわち、例えば、鱈のすり身を主原料とする乾燥シートの間にチーズを挟んで細長く切断したチーズタラのように比較的柔らかく、かつ、湿り気があって滑り抵抗が大きい細長い物品を、下方へ向かって狭まりながら延びるスロートを有する配列用シュートに沿って滑落移動させながら整列させて姿勢変更するのは難しい。
【0007】
また、特許文献2も、不規則な力がかかると破損するような棒状のスティック菓子を対象とするものであり、例えば、チーズタラやジャーキー等の柔らかくて細長い物品が、整列容器の上部開口に引っ掛かったときに、揺動だけで向きを揃えることは困難である。
【0008】
更に、特許文献3は、多少の衝撃によって曲がったり折れたりすることのない硬めの棒状物品を組合せ計量の対象とするものであり、例えば、チーズタラあるいはジャーキー等の比較的柔らかくて細長い物品に適用するのは困難である。すなわち、特許文献3の装置で、比較的柔らかくて細長い物品を計量しようとすると、最終段のガイド筒に縦姿勢で落下収容される際に、その落下衝撃によって物品が曲がったり折れたりするおそれがある。このため、計量した物品を整列した状態で好適に排出するのは難しい。
【0009】
特に、チーズタラ等の食品は、外部から目視可能に透明な包装袋等に封止されて販売されることが多く、曲がったり折れたりしたものが混じっていると商品価値が下ってしまう。
【0010】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、比較的柔らかくて細長い物品を、曲げたり、折ったりすることなく、整列させた状態で搬出することができる物品整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0012】
(1)本発明に係る物品整列装置は、集合トラフを、振動駆動して前記集合トラフに供給される物品を整列させる物品整列装置であって、複数の前記集合トラフを備え、前記複数の前記集合トラフが、前記物品の搬送方向に沿って配置されるものであり、前記物品の搬送方向の最も下手側の集合トラフ以外の集合トラフは、窪んで湾曲した底部を有しており、前記最も下手側の集合トラフは、底板の幅方向の両端から一対の側板が立設されており、前記最も下手側の前記集合トラフの長手方向に進退移動して前記最も下手側の集合トラフ内の前記物品を押圧可能なプッシャーを備え、前記プッシャーは、上方の電動スライダに連結されて下方へ延出されたステーの下端部に備えられ、前記最も下手側の前記集合トラフへの物品が、前記下端部に備えられたプッシャーの上方から前記最も下手側の前記集合トラフへ供給される。
【0013】
本発明によると、細長い物品は、振動される集合トラフの窪んで湾曲した底部に沿って積層集合されると共に、その長手方向が、集合トラフの長手方向に沿う安定した姿勢で整列される。これによって、例えば、チーズタラやジャーキー等の比較的柔らかくて細長い物品であっても、曲がったり折れたりすることなく、整列させることが可能となる。
また、プッシャーを進出移動させることで、集合トラフ内の物品を集合整列された状態のまま一挙に押出し排出することができる。
更に、物品を、複数の集合トラフによって、段階的に整列させることができ、物品の搬送方向の最も下手側の集合トラフでは、物品を、十分に整った整列状態にすることができる。
【0014】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記集合トラフを振動駆動して前記物品を振動搬送する加振機を備え、前記集合トラフにおける前記物品の搬送方向の終端部には、前記集合トラフの搬送路を開閉するシャッタが設けられる。
【0015】
この実施態様によると、振動搬送される物品は、シャッタで受止められることで、その先端が揃った状態に整列される。
【0019】
(3)本発明の更に他の実施態様では、前記物品の搬送方向の最も下手側の集合トラフ以外の前記集合トラフが断面U字状である。
【0020】
この実施態様によると、集合トラフに供給された物品は、断面U字状の集合トラフにおいて、U字状の断面に沿って積層集合すると共に、その長手方向が集合トラフの長手方向に沿った姿勢で振動作用を受けて、円滑に整列する。
【0023】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記複数の集合トラフの内、前記物品の搬送方向の最も上手側の集合トラフには、組合せ秤から排出される物品が供給される。
【0024】
この実施態様によると、組合せ秤から排出される所定重量範囲の細長い物品を、整列させて、後段の包装処理工程等へ搬出することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、比較的柔らかくて細長い物品を整列させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は本発明の
参考例に係る物品整列装置を備える組合せ計量装置の全体斜視図である。
【
図2】
図2は
図1の組合せ計量装置を模式的に示す概略正面図である。
【
図3】
図3は
図1の組合せ計量装置を模式的に示す概略側面図である。
【
図4】
図4は整列供給部の上段の直進フィーダの縦断側面図である。
【
図5】
図5は整列供給部の上段の直進フィーダの終端部を拡大した縦断側面図である。
【
図6】
図6は整列供給部の上段の直進フィーダの斜視図である。
【
図7】
図7は整列供給部の下段の直進フィーダの斜視図である。
【
図9】
図9は物品整列装置の集合トラフの斜視図である。
【
図10】
図10は本発明
の実施形態に係る物品整列装置を備える組合せ計量装置の斜視図である。
【
図13】
図13は振分け部及び物品整列装置を示す斜視図である。
【
図15】
図15は物品整列装置の上段の集合トラフを示す斜視図である。
【
図16】
図16は物品整列装置の上段の集合トラフを示す正面図である。
【
図17】
図17は物品整列装置の中段の集合トラフを示す斜視図である。
【
図18】
図18は物品整列装置の下段の集合トラフを示す斜視図である。
【
図19】
図19は物品整列装置の下段の集合トラフを示す縦断正面図である。
【
図20】
図20は第2実施形態に係る物品整列装置を備える組合せ計量装置の別実施例の下段の集合トラフを示す一部切欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の参考となる参考例について説明する。
【0028】
[
参考例]
図1は、本発明の
参考例に係る物品整列装置を備えた組合せ計量装置の斜視図であり、
図2は、
図1の組合せ計量装置を模式的に示す概略正面図であり、
図3は、
図1の組合せ計量装置を模式的に示す概略側面図である。
【0029】
なお、以下においては、説明の便宜上、
図2における左右方向、及び、
図3における紙面表裏方向を左右方向と呼称し、
図2における紙面表裏方向、及び、
図3における左右方向を前後方向と呼称することにする。
【0030】
この参考例の組合せ計量装置は、例えば、鱈のすり身を主原料とする乾燥シートの間にチーズを挟んで細長く切断したチーズタラあるいはジャーキーなどの比較的柔らかくて細長い物品を計量して搬出するのに好適な組合せ計量装置である。この組合せ計量装置は、チーズタラ等の物品を組合せ計量して排出する組合せ秤1と、組合せ秤1から排出された物品を横一側方(この例では左方)へ搬送すると共に、集合整列させて搬出する集合整列搬出装置2とを備えている。
【0031】
上部に配置されている組合せ秤1は、物品を左右方向に並列した多数系統、この例では14系統の整列搬送径路で前方へ搬送しながら整列させる整列供給部3と、整列供給部3の各整列搬送径路から搬送されてきた物品を受け取るように、一方向、この例では、横方向に沿って並んで配置された多数連(この例では14連)の計量ユニット4とを備えている。
【0032】
整列供給部3における一つの整列搬送径路は、3台の直進フィーダ5を、物品の搬送方向に沿って前下がり階段状に縦列配置して構成されている。各整列搬送径路で搬送された物品は、対応する各計量ユニット4にそれぞれ供給される。
【0033】
各計量ユニット4は、整列供給部3における各整列搬送径路で搬送されてきた物品を受け取って一時保持する供給ホッパ6と、供給ホッパ6から排出された物品wを受け取ってその重量を計測する計量ホッパ7とを備えている。この実施形態では、各ホッパ6,7は、図示していないが、物品との摩擦を低減するためにエンボス加工が施されている。
【0034】
組合せ秤1では、従来と同様に組合せ計量を行う。すなわち、組合せ秤1の制御装置(図示せず)は、複数の計量ホッパ7で計量された物品の重量を種々に組合せた組合せ重量が、目標組合せ重量に等しい又は目標組合せ重量に最も近い所定重量範囲となる計量ホッパ7の組合せである適量組合せを選択する組合せ演算を行う。この組合せ演算で適量組合せとして選択した計量ホッパ7の物品wを下方へ排出する。
【0035】
計量ホッパ7には、
図3に示すように、それぞれ独立に互いに反対方向に開閉する前後一対のゲート7a,7bが備えられている。これらゲート7a,7bのいずれか一方7a(7b)を、選択して開放作動させることによって、保持した物品を前後2系統の径路で排出できるようになっている。
【0036】
図4~
図7は、整列供給部3を構成する直進フィーダ5の構造を示す図である。3台の直進フィーダ5の内、上段及び中段の直進フィーダ5の構造は同じであるので、
図4~
図6では、上段の直進フィーダ5を代表的に示す。また、
図6,
図7及び後述の
図9では、1個の物品wのみを代表的に示している。
【0037】
図4は、物品の搬送方向の最も上手側である上段の直進フィーダ5を示す縦断側面図であり、
図5は、その搬送方向の終端部を拡大した縦断側面図であり、
図6は、その斜視図である。
図7は、3台の直進フィーダ5の内、物品の搬送方向の最も下手側である下段の直進フィーダ5の斜視図である。
【0038】
各段の直進フィーダ5は、いずれも底板の幅方向の両端から一対の側板がそれぞれ立設された搬送トラフ10と、この搬送トラフ10の底板の下面に連結板11とを備えた構造となっている。この連結板11を、
図4に示すように、加振機12の振動ヘッド部12aに位置決め係止して、バックル形の締結具13で脱着可能に連結するようになっている。
【0039】
また、搬送トラフ10の搬送面である底面10aは、物品wの搬送方向(前後方向)に、ピッチが例えば、15mm程度、深さが例えば、2mm程度の連続した波型に形成されている。この底面10aの波型のピッチは、1個の物品wが波型の窪みに入り込んで横向きとなるように、1個の物品wの幅に対応したピッチとなっている。
【0040】
搬送トラフ10の底面10aに載置された細長い物品wは、加振されることによって波型に沿った横向き姿勢、すなわち、その長手方向が、物品wの搬送方向に直交する姿勢に整列されながら、前方に振動搬送されるようになっている。つまり、細長い物品wは、搬送トラフ10によって振動搬送されながら、搬送方向に一定ピッチで連続する波型の凹部と凸部とを繰り返し通過することで、波型に沿った横向き姿勢に整列されて搬送される。
【0041】
搬送トラフ10による物品wの搬送方向は、前方であり、複数の計量ユニット4の配列方向は横方向であるので、物品wの搬送方向に直交する方向は、複数の計量ユニット4の配列方向である横方向となる。したがって、搬送トラフ10によって、物品wは、その長手方向が複数の計量ユニット4の配列方向である横方向に整列されながら振動搬送される。
【0042】
上段及び中段の直進フィーダ5における搬送トラフ10は、その底面10aの先端側が、前下がり傾斜されると共に、物品の搬送移動を抑制する移動抑制板14が設けられている。この移動抑制板14は、物品wを横向き姿勢で安定載置できる幅広の平板材からなる。この移動抑制板14は、搬送トラフ10の底面10aから搬送方向に水平に延出され、その先端部に、上方に向けて少し起立傾斜された傾斜立上がり部14aを備えている。
【0043】
従って、波型の底面10aで振動搬送されてきた物品wは、移動抑制板14上に押し込まれた後、後続の物品wに押されて移動抑制板14上を移動し、終端部の傾斜立上がり部14aにおいて移動が抑制され、引き続く押出し搬送によって物品は傾斜立上がり部14aを乗り越えて少量ずつ搬出されてゆく。このように、移動抑制板14は、適度の搬送抵抗を横向き姿勢の物品wに与えて、トラフ終端から多量の物品wが一挙に送出されて姿勢が崩れるのを抑制する。また、搬出される直前に、物品に搬送抵抗を与えることによって、整列が不十分な物品の姿勢を整える効果もある。
【0044】
なお、移動抑制板14は、平板状に限らず、櫛歯状などであってもよい。
【0045】
最終段である下段の直進フィーダ5における搬送トラフ10の先端部には、
図7に示すように、上方の支点p周りに振り上げ開放可能な搬送トラフ用シャッタ15が配備されている。この搬送トラフ用シャッタ15は、エアシリンダ16によって搬送トラフ10の搬送径路の終端が開閉制御されるようになっている。
【0046】
この参考例では、上段の直進フィーダ5の搬送トラフ10に、図示しないロボットハンド等を用いて細長い物品が、纏まって供給される。この上段の直進フィーダ5に供給された物品を、振動搬送して中段の直進フィーダ5及び下段の直進フィーダ5へ順次振動搬送して横向きに整列させる。
【0047】
この参考例では、物品が纏めて供給される上段の直進フィーダ5の振動振幅を最も大きく、振動時間を最も短くし、下段の直進フィーダ5の振動振幅を最も小さく、振動時間を最も長くしている。
【0048】
これによって、上段の直進フィーダ5に纏まった状態で供給された物品を、中段の直進フィーダ5及び下段の直進フィーダ5へ順次適量ずつ振動搬送し、下段の直進フィーダ5では、物品がばらけ、搬送トラフ10の底面10aの波型の窪みに1個の物品wが入り込むように横向きに整列させることができる。
【0049】
各直進フィーダ5は、供給ホッパ6から物品が排出されて、供給ホッパ6が空になると、駆動が開始される。
【0050】
上段の直進フィーダ5と中段の直進フィーダ5との段差、及び、中段の直進フィーダ5と下段の直進フィーダ5との段差は、物品が落下して次段の直進フィーダ5へ移載される際に、整列状態が崩れるのを抑制するために、小さい方が好ましい。
【0051】
なお、搬送トラフ10の底面10aの波型は、例えば、サイン波状の波型であってもよく、あるいは、急傾斜の立ち上がり面を搬送方向に向けた鋸歯状の波型などであってもよい。
【0052】
組合せ秤1の下方の集合整列搬出装置2は、
図1~
図3に示すように、組合せ秤1の複数の計量ホッパ7から排出された物品wを受け取って、複数の計量ユニット4の配列方向である横方向に沿って搬送する搬送コンベヤ21を備えている。この例では、物品wを左方へ搬送する搬送コンベヤ21が、
図3の実線で示すように、前後2台備えられており、各搬送コンベヤ21は、ベルトコンベヤで構成されている。
【0053】
各搬送コンベヤ21は、
図1に示されるガイドレール22に沿って前後移動可能に支持されると共に、エアシリンダなどのアクチュエータ23によって所定のストロークでそれぞれ個別に前後移動されるようになっている。
【0054】
図3に示すように、前側(
図3の右側)の搬送コンベヤ21の後方移動位置は、計量ホッパ7の前方への排出径路に臨む物品の受取り位置(a)である。また、後側(
図3の左側)の搬送コンベヤ21の前方移動位置は、計量ホッパ7の後方への排出径路に臨む物品の受取り位置(a)となっている。
【0055】
各搬送コンベヤ21の幅方向の両側には、搬送径路に沿う前後一対のガイド24がそれぞれ上拡がりに立設されている。これらガイド24によって、計量ホッパ7から排出された物品wをこぼすことなくベルト上に案内するようになっている。
【0056】
搬送コンベヤ21の搬送方向の下手側に、
図2に示すように、搬送コンベヤ21から排出される物品wを集合して整列させる物品整列装置40が設けられている。この物品整列装置40は、搬送コンベヤ21から排出される物品wが投入される集合トラフ25と、集合トラフ25を振動させる加振機26等を備えている。
【0057】
集合トラフ25は、
図3に示すように、各搬送コンベヤ21が、計量ホッパ7から排出される物品を受取る受取り位置(a)と、これから外れた退避位置(b)とに、それぞれ在るときの各搬送コンベヤ21の終端に臨むように、前後一列状に4つ設けられている。
【0058】
したがって、組合せ秤1の計量ホッパ7から排出された物品が、受取り位置(a)あるいは退避位置(b)にある2台の搬送コンベヤ21によって搬送されて、4系統の搬送径路で4つの集合トラフ25にそれぞれ投入される。
【0059】
このように組合せ秤1の計量ホッパ7から排出された物品が、物品の受取り位置(a)あるいは退避位置(b)にある2台の搬送コンベヤ21によって、4系統の搬送径路で4つの物品整列装置40に送り込まれる。
【0060】
搬送コンベヤ21は、集合トラフ25に物品を投入するときに、一定時間駆動される。
【0061】
図8は、搬送コンベヤ21から搬出された物品を集合させて整列させる物品整列装置40の縦断面図であり、
図9は、物品整列装置40の集合トラフ25部分の斜視図である。
【0062】
物品整列装置40の集合トラフ25は、窪んで湾曲した下窄まりの底部を有し、上方が開放した断面形状がU字状のトラフ本体25aを、支持板25bで取り囲んで補強支持した構造となっている。この実施形態では、トラフ本体25aには、図示していないが、物品との摩擦を低減するためにエンボス加工が施されている。
【0063】
支持板25bは、底板の幅方向の両端から一対の側板が立設された構造となっている。この支持板25bの下面に連結した連結台25cを加振機26の振動ヘッド部26aに位置決め係止して、バックル形の締結具27で脱着可能に連結するようになっている。
【0064】
集合トラフ25の搬送方向の先端部には、支持板25bに連設された縦向きのレール部28が互いに内向きに対向して配備されている。この対向するレール部28に、集合トラフ用シャッタ29が上下動可能に案内支持されている。集合トラフ用シャッタ29は、
図8に示すように、トラフ上方において縦姿勢で固定配備されたエアシリンダ30にステー31を介して連結されている。この集合トラフ用シャッタ29によって、集合トラフ25における搬送路が昇降開閉される。この集合トラフ用シャッタ29によって、搬送コンベヤ21から投入される物品wの先端を受け止めることができる。
【0065】
集合トラフ25による振動搬送作用と、集合トラフ用シャッタ29とによる塞き止め作用とによって、集合した物品wが、その先端を揃えて整列させられる。
【0066】
また、各集合トラフ25の内側背部には、エアシリンダ32によってトラフ長手方向に進退移動可能なプッシャー33が備えられている。
【0067】
次に、物品整列装置40を備える組合せ計量装置の動作を説明する。
【0068】
整列供給部3における上段の直進フィーダ5の搬送方向の始端には、図示しないロボットハンド等を用いて細長い物品wが、適時供給される。
【0069】
上段の直進フィーダ5の始端に供給された物品wは、先ず、直進フィーダ5の振動搬送作用を受け、搬送トラフ10の底面10aの波型に沿った姿勢、つまり、横向き姿勢に整列されながら前方へ送られる。上段の直進フィーダ5の搬送トラフ10の終端部に到達した物品wは、横向き姿勢を保ちながら移動抑制板14を乗り越えて中段の直進フィーダ5に移載される。中段の直進フィーダ5においても同様に搬送トラフ10の底面10aの波型に沿った横向き姿勢に整列されながら前方へ送られて下段の直進フィーダ5に送り込まれる。
【0070】
下段の直進フィーダ5においては、横向き姿勢に整列されながら前方へ送られて、搬送トラフ用シャッタ15に受止め保持される。
【0071】
計量ユニット4における供給ホッパ6が空になると、搬送トラフ用シャッタ15が所定時間だけ開放制御され、少量の物品が横向き姿勢で供給ホッパ6に供給される。そして、計量ホッパ7で計量され、組合せ演算によって適量組合せとして選択された計量ホッパ7から物品wが排出されて空になると、供給ホッパ6が開放されて計量ホッパ7へ新たな物品wが供給される。
【0072】
組合せ演算によって所定重量範囲の適量組合せに選択された複数の計量ホッパ7におけるゲート7a、7bのいずれか一方7a(7b)が選択的に開放制御され、所定重量範囲となる物品wが、前方あるいは後方の排出径路に落下排出される。計量ホッパ7から落下排出される複数の物品wの整列状態は大きく崩れておらず、略横向き姿勢のまま落下排出される。
【0073】
計量ホッパ7から物品が落下排出される時には、計量ホッパ7からの物品の排出経路である前側及び後側の搬送コンベヤ21の少なくともいずれか一方の搬送コンベヤ21が、物品の受取り位置(a)に在る。計量ホッパ7から排出された物品wは、受取り位置(a)に在る搬送コンベヤ21における搬送方向の複数個所に、物品長手方向が、搬送コンベヤ21の搬送方向に略沿った横向き姿勢で落下供給される。
【0074】
物品wを受け取った搬送コンベヤ21は、集合トラフ25の状況に応じて、受取り位置(a)、あるいは、退避位置(b)のいずれかを物品の搬出位置として選択し、搬送コンベヤ21毎に前後2系統の搬出位置に対応して配置された集合トラフ25に向けての搬送が行われる。計量ホッパ7から排出されて、搬送コンベヤ21の搬送方向の複数個所に落下供給された物品wの全量が、集合トラフ25に投入されることで、集合トラフ25に所定重量範囲の物品wが搬入収容される。
【0075】
基本的には、計量ホッパ7からの所定重量範囲の物品の排出は、前側の搬送コンベヤ21及び後側の搬送コンベヤ21に対して交互に行われる。また、各搬送コンベヤ21による、受取り位置(a)に対応する集合トラフ25、及び、退避位置(b)に対応する集合トラフ25に対する所定重量範囲の物品の搬出も基本的には交互に行われる。
【0076】
以上の動作が4つの集合トラフ25における物品排出状況に応じて繰り返される。これによって、前後2台の搬送コンベヤ21による4つの集合トラフ25への所定重量範囲の物品の搬送が順次実行される。
【0077】
物品整列装置40の集合トラフ25に投入された所定重量範囲の物品wは、窪んで湾曲した底面の長手方向に沿った姿勢で振動搬送作用を受け、互いに平行に整列されながら搬送され、集合トラフ用シャッタ29に受止められる。また、搬送コンベヤ21からの物品投入時点では、プッシャー33は、物品投入を妨げない位置に退避している。物品投入が完了すると、プッシャー33は、低速で、
図8に示される所定位置(c)までの進出と後退を所定回数繰り返し、振動搬送作用を受けている物品wの後端を軽くたたくように押圧して後端揃えを行って前記所定位置(c)で待機する。なお、物品wの後端揃えを行ってプッシャー33が待機する所定位置(c)は、集合トラフ用シャッタ29で受止められて積層された物品wの後端位置よりも若干後方の位置であり、集合トラフ用シャッタ29で受止められた物品wの後端を無理に押圧するようなことはない。
【0078】
集合トラフ用シャッタ29が開放されると、これに連動してプッシャー33が前記待機位置から更に高速で進出作動し、整列された所定重量範囲の物品wを一挙に集合トラフ25から押出し排出する。
【0079】
本参考例の物品整列装置40によれば、断面U字状の集合トラフ25に供給された物品wは、U字状の断面に沿って積層集合すると共に、その長手方向が集合トラフ25の長手方向に沿った姿勢で振動作用を受けて、円滑に整列する。更に、振動搬送される物品wは、集合トラフ用シャッタ29で受止められることで、その先端が揃えられる一方、プッシャー33によって、その後端が揃えられるので、長手方向の両端が揃った良好な整列状態となる。
【0080】
これによって、例えば、チーズタラやジャーキー等の比較的柔らかくて細長い物品であっても、曲がったり折れたりすることなく、整列させて排出することが可能となる。
【0081】
なお、4つの物品整列装置40の集合トラフ25から排出される物品wは、適宜手段によって包装工程に搬送される。例えば、集合トラフ25の排出箇所に、ロボットアーム等に支持されたトレー状の搬送具を待機させ、集合トラフ25から整列状態で排出された物品wを搬送具で受け取る。次に、搬送具を包装容器のコンベヤラインに移動させ、一定ピッチで搬送されてくる包装容器に搬送具から物品を移載装填し、その後、物品が収容された包装容器を封止工程に送る、等の処理がなされる。
【0082】
前記搬送コンベヤ21は、逆転可能に構成されている。例えば、計量ホッパ7に、適量組合せに選択されにくい過量の物品が供給されたような場合には、その計量ホッパ7から過量の物品を搬送コンベヤ21に排出し、搬送コンベヤ21を逆転駆動する。これによって、過量の物品を、
図1に示される、集合トラフ25とは反対側に配置された回収ボックス35へ排出する。
【0083】
[実施形態]
図10は、本発明
の一実施形態に係る物品整列装置を備える組合せ計量装置の斜視図であり、
図11は、
図10の組合せ計量装置の正面図であり、
図12は、
図10の組合せ計量装置の側面図である。
【0084】
なお、
図11における左右方向、及び、
図12における紙面表裏方向を左右方向と呼称し、
図11における紙面表裏方向、及び、
図12における左右方向を前後方向と呼称することにする。
【0085】
この組合せ計量装置は、チーズタラあるいはジャーキーなどの比較的柔らかくて細長い物品を計量して搬出するのに好適な組合せ計量装置である。
【0086】
この組合せ計量装置は、チーズタラ等の物品を組合せ計量して排出する組合せ秤41と、組合せ秤41から排出された所定重量範囲の物品を複数個所(この例では4箇所)に振分ける振分け部42と、振分け部42によって複数個所に振分けられた物品のそれぞれを、整列させながら複数系統(この例では4系統)の径路でそれぞれ振動搬送して搬出する複数(この例では4つ)の物品整列装置43を備えている。
【0087】
組合せ秤41は、作業者が登り降り可能に立設された基台44上に設置され、振分け部42と物品整列装置43は、その下方の床面上に設置されている。
【0088】
組合せ秤41は、供給装置45によって上部中央から落下供給された物品を振動によって放射状に分散搬送する円錐形の分散フィーダ46、分散フィーダ46によって分散搬送された物品を外方に向けて直線的に振動搬送する多数台(この例では14台)のリニアフィーダ47、各リニアフィーダ47の終端下方に平面視で円形に配備された多数連(この例では14連)の計量ユニット48を備えている。
【0089】
計量ユニット48は、リニアフィーダ47からの物品を受け取って一時保持する供給ホッパ49、供給ホッパ49から排出された物品を受け取ってその重量を計測する計量ホッパ50とを備えている。分散フィーダ46の周囲に円形に配置されたこれら多数連の計量ユニット48の下方には、各計量ホッパ50から排出された物品を装置の中心下方に向けて流下案内する集合シュート51、集合シュート51に沿って流下してきた物品を一か所に集める集合ファネル52、及び、集合ファネル52で集められた物品を受け取って一時収容保持する集合ホッパ53が配備されている。この実施形態では、各フィーダ46,47、集合シュート51、集合ファネル52、及び、各ホッパ49,50,53は、図示していないが、物品との摩擦を低減するためにエンボス加工が施されている。
【0090】
組合せ秤41では、従来と同様に組合せ計量を行う。すなわち、組合せ秤41の制御装置(図示せず)は、複数の計量ホッパ50で計量された物品の重量を種々に組合せた組合せ重量が、目標組合せ重量に等しい又は目標組合せ重量に最も近い所定重量範囲となる計量ホッパ50の組合せである適量組合せを選択する組合せ演算を行う。この組合せ演算で適量組合せとして選択した計量ホッパ50の物品を排出する。これによって、集合ホッパ53に所定重量範囲の物品が一時収容保持される。
【0091】
図13に示すように、集合ホッパ53は、それぞれ独立に互いに反対方向に開閉する左右一対のゲート53a,53bを備えている。これらゲート53a,53bのいずれか一方53a(53b)を、選択して開放作動させることによって、一時保持した所定重量範囲の物品を左右の排出径路に選択して分配排出するようになっている。
【0092】
前記振分け部42は、集合ホッパ53で分配排出された所定重量範囲の物品を更に左右に離れた2箇所に流下案内する左右の振分けシュート54と、各振分けシュート54で案内された所定重量範囲の物品を受け取って一時保持する一対の振分けホッパ55とを備えている。
【0093】
各振分けホッパ55も、集合ホッパ53と同様に、独立に開閉する左右のゲート55a,55bを選択して開放作動させることで、保持した物品を左右の排出径路に選択して振分け排出することができる。すなわち、組合せ秤41の集合ホッパ53から分配排出された所定重量範囲の物品が、振分け部42で更に振り分けられて、左右方向の4箇所に固定配備された分配シュート56に供給されるようになっている。
【0094】
振分け部42の4つの分配シュート56に対応して、左右方向に並列された4つの物品整列装置43が設けられ、これら物品整列装置43によって、4系統の整列搬送径路が構成される。各物品整列装置43は、下方へ湾曲した底部を有する3つの集合トラフ61,62,63を備えている。
【0095】
各物品整列装置43の3つの集合トラフ61,62,63は、
図14に示すように、物品の搬送方向に向けて先下がり階段状に縦列配備されている。各集合トラフ61,62,63は、電磁式の加振機64,65,75にそれぞれ脱着可能に連結され、各集合トラフ61,62,63をそれぞれ任意の振動振幅及び振動時間等で個別に振動駆動することができるようになっている。
【0096】
なお、物品の搬送方向の最も上手側の上段、及び、次の中段の集合トラフ61,62が若干先下がり傾斜した姿勢で設置されているのに対して、物品の搬送方向の最も下手側の下段の集合トラフ63は前後水平姿勢に設置されている。
【0097】
図15は、物品整列装置43の上段の集合トラフ61を示す斜視図であり、
図16は、その正面図であり、
図17は、物品整列装置43の中段の集合トラフ62を示す斜視図である。また、
図15及び
図17では、1個の物品wのみを代表的に示している。
【0098】
これら集合トラフ61,62は、窪んで湾曲した下窄まりの底部を有し、上方が開放した断面形状がU字状のトラフ本体61a,62aを、支持板61b,62bで取り囲んで補強支持した構造となっている。支持板61b,62bは、底板の幅方向の両端から一対の側板が立設された構造となっている。支持板61b,62bの下面に連結した連結台61c,62cを、
図14に示す加振機64,65の振動ヘッド部64a,65aに位置決め係止して、バックル形の締結具66で脱着可能に連結するようになっている。なお、上段、及び、中段の集合トラフ61,62における後端(物品の搬送方向上手側の端)には、壁板61d,62dが備えられ、供給された物品がトラフ後端から外部にこぼれ落ちることが防止されている。
【0099】
集合トラフ61,62の前端部(物品の搬送方向下手側の端部)には、支持板61b,62bに連設された縦向きのレール部67,68が左右内向きに対向して配備されている。各レール部67,68に、集合トラフ61,62における搬送路をそれぞれ開閉するシャッタ69,70が上下動可能に案内支持されている。シャッタ69,70は、正面の外形形状が、集合トラフ61,62のU字の外形に沿った形状となっている。
【0100】
シャッタ69,70は、トラフ脇において縦姿勢で固定配備されたエアシリンダ71,72に、ステー73,74を介して連結されており、昇降開閉されるようになっている。
【0101】
各集合トラフ61,62は、基本的に常時振動駆動されており、各シャッタ69,70の開閉によって、物品wの排出が制御される。
【0102】
図18は、物品整列装置43の下段の集合トラフ63を示す斜視図であり、
図19は、その縦断正面図である。
【0103】
この集合トラフ63のトラフ本体63aは、底板の幅方向(左右方向)の両端から一対の側板が立設されると共に、平坦な底板の左右中央に、搬送方向に沿って延びる低い仕切り壁63eを備えている。
【0104】
また、トラフ本体63aの下面に取り付けた連結台63cを、
図14に示される加振機75の振動ヘッド部75aに位置決め係止して、バックル形の締結具76で脱着可能に連結するようになっている。
【0105】
トラフ本体63aの前端部(物品の搬送方向下手側の端部)には、縦向きのレール部77が備えられている。このレール部77に、集合トラフ63における搬送路を開閉するシャッタ78が上下動可能に案内支持されている。このシャッタ78は、その正面の外形形状が、集合トラフ63の外形に沿った矩形となっている。シャッタ78は、トラフ横脇において縦姿勢に立設固定されたエアシリンダ79にステー80を介して連結されており、昇降開閉されるようになっている。
【0106】
更に、下段の集合トラフ63の上方には、前方(搬送方向)に向けて片持ち状に固定配備された支持フレーム81を介して前後水平に電動スライダ82が配備されている。この電動スライダ82のスライド部82aに連結されて下方に延出されたステー83の下端部に、トラフ本体63aの底部に沿って前後移動可能なプッシャー84が備えられている。なお、プッシャー84の左右中間部には、集トラフ本体63aの仕切り壁63eに跨るスリット84aが形成されている。
【0107】
集合トラフ63は、基本的に常時振動駆動されており、シャッタ78の開放に連動するプッシャー84の前方への進出移動によって、物品wを一挙に排出する。
【0108】
この実施形態では、物品整列装置43の各集合トラフ61,62,63のトラフ本体61a,62a,63a、シャッタ69,70,78、及び、振分け部42の各シュート54,56、振分けホッパ55は、図示していないが、物品との摩擦を低減するためにエンボス加工が施されている。
【0109】
次に、物品整列装置43を備える組合せ計量装置の動作を説明する。
【0110】
組合せ秤41の集合ホッパ53から排出された所定重量範囲の物品は、4つの物品整列装置43の物品の排出状況に応じて、振分け部42で左右方向の4箇所のいずれかに振分けられて、4つの物品整列装置43のいずれかの始端部に供給される。
【0111】
物品整列装置43に供給された所定重量範囲の物品は、先ず、上段の集合トラフ61において振動作用を受け、細長い物品はその長手方向が前後方向に向かう姿勢に振動整列されながら前進搬送され、閉じ位置にあるシャッタ69に受止められ、前端が揃えられた状態で前進が停止する。
【0112】
次に、シャッタ69が開かれることで、物品は中段の集合トラフ62に振動搬送されて供給される。中段の集合トラフ62に供給された物品は、振動作用を受け、整列されながら前進搬送されて閉じ位置にある中段のシャッタ70に受止められて、前端が揃えられた状態で前進が停止する。
【0113】
次に、シャッタ70が開かれることで、集合トラフ62の物品は、下段の集合トラフ63に振動搬送されて供給される。下段の集合トラフ63に供給された物品は、更に振動作用を受け、整列されながら前進搬送されて、閉じ位置にある下段のシャッタ78に受止められて前進が停止する。この時、下段の集合トラフ63に移載された物品は、仕切り壁63eによって、その長手方向が横向きになるのを阻止され、物品の長手方向が、前後方向へ向かう整列状態で保持される。
【0114】
次に、下段のシャッタ78が開かれると共に、集合トラフ63の始端部で待機していたプッシャー84が前進作動し、これによって物品は、下段の集合トラフ63から整列状態のまま一挙に押出される。
【0115】
なお、下段の集合トラフ63の排出箇所には、例えば、ロボットアーム等に支持された搬送具が待機しており、集合トラフ63から排出された物品は、一旦搬送具に整列状態で受け取られた後、所定の包装ラインに運び込まれ、浅い箱形パッケージなどに供給装填され、その後、包装工程において封止される。
【0116】
この実施形態では、
図12等に示されるように、振分け部42における振分けシュート54は、電動スライダ58によって前後に移動可能に構成されると共に、振分けシュート54の背部にはリジェクトシュート57が連結されている。例えば、計量ホッパ50に、適量組合せに選択されにくい過量の物品が供給されたような場合には、その計量ホッパ50から過量の物品を集合ホッパ53に排出する。更に、
図12中の仮想線で示すように、振分けシュート54及びリジェクトシュート57を前方に一体移動させて、リジェクトシュート57が組合せ秤41における集合ホッパ53に臨むようにし、集合ホッパ53から過量の物品をリジェクトシュート57に排出し、リジェクトシュート57を介して回収容器などに回収する。
【0117】
本実施形態の物品整列装置43では、集合ホッパ53から排出される物品を、集合トラフ61,62,63によって、振動搬送しながら段階的に整列させることができると共に、各集合トラフ61,62,63のシャッタ69,70,78によって、物品の先端を揃えることができるので、最終段の集合トラフ63から搬出される際の物品は、向き及び端部の揃った良好な整列状態となる。
【0118】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0119】
(1)
上記実施形態の物品整列装置43において、例えば、下段の集合トラフ63を、
図20~
図23に示す形態に構成することもできる。すなわち、この実施形態では、底板の幅方向(左右方向)の両端から一対の側板が立設されたトラフ本体63aの前半部に、後半部底面より高く、かつ、後半部横幅より幅狭の搬送通路を有する前半部底板63fが備えられる。更に、左右中央部位には、前半部底板63fと後半部底面とに亘る仕切り壁63eが立設されている。仕切り壁63eの上端は、前半部底板63fよりも高く設定され、前半部底板63fにおける仕切り壁63eの上端辺は、搬送方向に向けて次第に高くなるよう傾斜されている。これによって、前半部底板63fの搬送通路に供給された物品が、仕切り壁63eの傾斜上端辺によって円滑に左右に振分け案内されながら後方に振動搬送されるようになっている。
【0120】
また、プッシャー84は、前半部底板63fより低い位置において、仕切り壁63eの左右両脇に分断されている。この分断されたプッシャー84が、電動スライダ82で前後に駆動移動されるステー83の左右下端部に、それぞれ連結支持されている。左右に分断されたプッシャー84には、トラフ本体63aの側板に添う側板部84bと、トラフ本体63aの底面に添う底板部84cとが備えられている。これによって、プッシャー84が進出作動することで、トラフ後半部にある物品を掬い込みながら押出し排出する。
【0121】
なお、前半部底板63fの後端左右箇所には、後退移動したステー83が入り込む切欠きkが形成されており、後退したプッシャー84が、前半部底板63fの後端部下方に潜り込んで待機するようになっている。
【0122】
(2)上記実施形態の物品整列装置43における上段の集合トラフ61のみを断面形状がU字状のものにし、中段の集合トラフ62を、下段の集合トラフ63と同様に、底板の幅方向の両端から一対の側板が立設されると共に、底板の左右中央に仕切り壁を備えるものにして実施することもできる。
【0124】
(3)上記実施形態の物品整列装置43における少なくとも上段の集合トラフ61の縦断面形状を、窪んで湾曲すると共に、上拡がりに開放されたV字形に形成してもよい。
【0125】
(4)上記実施形態の振分け部42における振分けシュート54の下端に単純に開閉するゲートを備えて、物品を2箇所に振分け排出するよう構成すると共に、振分け部42によって振分け排出された物品を振動搬送する2系統の物品整列装置43を備えた形態で実施することもできる。
【0126】
(5)特に高速の処理が要求されない場合には、上記実施形態の振分け部2を省略して、組合せ秤41から排出された物品を、単一の物品整列装置43に供給する形態で実施することも可能である。
【0127】
(6)上記実施形態の物品整列装置43を構成する集合トラフは3つに限らず、3つ未満あるいは4つ以上であってもよい。
【0128】
(7)上記実施形態の計量ユニット48は、供給ホッパ49及び計量ホッパ50を備える構成に限らず、他のホッパ、例えば、計量ホッパ50で計量されて、該計量ホッパ50から排出された物品を貯留して排出するメモリホッパを備える構成であってもよい。この場合、計量ホッパ50及びメモリホッパを組合せ演算の対象とし、適量組合せとしてメモリホッパも選択することができる。
【0129】
(8)本発明は、比較的柔らかくて細長いチーズタラのような細長い物品の整列に特に好適であるが、スティックパンのような比較的硬く細長い物品の整列にも利用することができる。
【符号の説明】
【0130】
1,41 組合せ秤
4,48 計量ユニット
25,61,62,63 集合トラフ
29,69,70,78 シャッタ
33,84 プッシャー
40,43 物品整列装置
42 振分け部
53 集合ホッパ