(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】測位システム及び測位方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20220627BHJP
G01S 1/68 20060101ALI20220627BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20220627BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20220627BHJP
【FI】
G01S5/02 A
G01S1/68
H04W48/16 134
H04W64/00 173
(21)【出願番号】P 2017079558
(22)【出願日】2017-04-13
【審査請求日】2020-04-04
(31)【優先権主張番号】201610764197.5
(32)【優先日】2016-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201610767539.9
(32)【優先日】2016-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517116038
【氏名又は名称】株式会社テクサー
(73)【特許権者】
【識別番号】517131145
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲尋▼息▲電▼子科技有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】517131156
【氏名又は名称】▲蘇▼州真趣信息科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】朱 強
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲協▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 宇
(72)【発明者】
【氏名】余 彦培
(72)【発明者】
【氏名】▲謝 飛鵬▼
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-028369(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0243013(US,A1)
【文献】特開2007-266777(JP,A)
【文献】特開2007-300572(JP,A)
【文献】特開2009-077121(JP,A)
【文献】特表2011-504578(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0280624(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0098880(US,A1)
【文献】特開2005-086579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/00- 1/68
G01S 5/00 - 5/14
G01S 19/00 -19/55
H04W 64/00
H04W 48/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信端末を測位することが可能な測位システムであって、
前記送受信端末及びサーバと通信可能で少なくとも一以上配置される基地局と、
前記送受信端末と近距離無線通信が可能であり、所定の基地局情報を有し、前記送受信端末に所定の前記基地局情報
に基づく測位信号を送信する測位ノードと、を含み、
前記送受信端末が前記測位ノードからの測位信号を受信し、前記測位ノードが有する前記基地局情報に基づき、前記送受信端末が前記基地局と通信し、前記送受信端末と通信した前記基地局がサーバと通信することにより、前記送受信端末の測位を行う測位システム。
【請求項2】
前記測位ノードは、プリセット・テーブルを有し、
前記プリセット・テーブルに前記送受信端末が選択すべき前記基地局情報が記録されている、請求項1記載の測位システム。
【請求項3】
前記基地局は、通信方式としてFSK通信方式とLoRa通信方式とを有し、
前記基地局が、前記送受信端末が送信した測位信号を検出し、当該測位信号の強さが所定の閾値以上の場合、前記基地局は、前記送受信端末とFSK通信方式で通信し、
前記測位信号の強さが所定の閾値未満の場合、前記基地局は、前記送受信端末とLoRa通信方式で通信する請求項1又は請求項2記載の測位システム。
【請求項4】
請求項1記載の測位システムに係る測位方法であって、
前記測位ノードが前記送受信端末の測位を行う測位工程と、
前記送受信端末が前記測位ノードからの測位信号を受信し、受信した
前記測位信号の送信元である前記測位ノードが有する前記基地局情報に基づき、前記送受信端末が前記基地局と通信する端末通信工程と、
前記送受信端末と通信した前記基地局が、前記サーバと通信するサーバ通信工程とを含む、送受信端末の測位を行う測位方法。
【請求項5】
請求項2記載の測位システムに係る測位方法であって、
前記測位ノードが前記送受信端末の測位を行う測位工程と、
前記送受信端末が前記測位ノードからの測位信号を受信し、受信した
前記測位信号の送信元である前記測位ノードが有するプリセット・テーブルに記録されている前記基地局情報に基づき、前記送受信端末が前記基地局と通信する端末通信工程と、
前記送受信端末と通信した前記基地局が、前記サーバとが通信するサーバ通信工程とを含む、送受信端末の測位を行う測位方法。
【請求項6】
前記基地局は、通信方式としてFSK通信方式とLoRa通信方式とを有し、
前記基地局が、前記送受信端末が送信した測位信号を検出し、当該測位信号の強さが所定の閾値以上の場合、前記基地局は、前記送受信端末とFSK通信方式で通信し、
前記測位信号の強さが所定の閾値未満の場合、前記基地局は、前記送受信端末とLoRa通信方式で通信する通信切替工程を含む、請求項4又は請求項5記載の測位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン、タブレット等の送受信端末の測位システム及び測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モノのインターネット(Internet of Things)技術が絶えず発展を続けるのに伴い、インターネットに対する需要及び期待は日々高まっている。
【0003】
特に屋内測位分野において、測位シーンに対する需要は高まっていて、測位情報を取得する多くの手段、例えばGNSS(Global Navigation SatelliteSystem)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(ブルートゥース エスアイジー、インコーポレイテッドの登録商標。以下同じ。)、RFID(Radio Frequency Identification)、UWB(Ultra Wideband)、Beacon等の技術が提供されている。
【0004】
なお、Beacon(ビーコン)とは、定期的に電波を発信するデバイスのことであり、送受信端末の位置を把握することができる。
【0005】
特許文献1は、宣伝、広告等の情報コンテンツを、発信者である事業者の施設や店舗に近づいた不特定多数のユーザに確実に送信できるように、ユーザの保有する送送受信端末の近距離無線通信機能を、自動で動作状態に切り替える通信システムを提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
屋内にビーコンが配置された場合、配置されたビーコンは、測位信号を送信するが、ビーコンの消費電力は極めて低いため、長期間使用することができる。また、ビーコンは、取り付けが容易で、コストが低いという利点がある。
【0008】
そして、ビーコンが送信した測位信号は、スマートフォン等の送受信端末が持続的に検出する。そして、当該送受信端末は、当該測位信号のデータをサーバに送信し、サーバにより位置算出が行われる。
【0009】
しかし、当該送受信端末は測位信号の走査及び通信を継続的に行うため、当該送受信端末の消費電力が大きいという問題がある。
【0010】
一方、屋内にブルートゥース等の近距離無線通信の検出器が配置された場合、スマートフォン等の送受信端末により近距離無線通信の信号が発信される。そして、検出器は当該信号を受信し、当該信号をサーバに送信する。そして、サーバが測位結果を算出する。
【0011】
この場合、スマートフォン等の送受信端末の消費電力が低いという利点がある。
【0012】
しかし、近距離無線通信の検出器は、当該送受信端末が送信した信号を継続的に検出して、当該信号をサーバに送信するため、消費電力が大きい。
【0013】
そのため、当該検出器は外部接続電源等を必要とし、コストが高く、設置コストもかかるという問題がある。
【0014】
そして、特許文献1に係る発明ではこのような問題を解決することはできない。
【0015】
本発明の目的は、屋内外測位に関して消費電力を低くすることである。
【0016】
本発明の他の目的は、屋内外測位において、送受信端末が適切な基地局を選択することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る測位システムは、送受信端末を測位することが可能な測位システムであって、
前記送受信端末及びサーバと通信可能で少なくとも一以上配置される基地局と、
前記送受信端末と近距離無線通信が可能であり、所定の基地局情報を有し、前記送受信端末に前記基地局情報を送信する測位ノードと、を含み、
前記基地局情報に基づき前記送受信端末と通信した前記基地局がサーバと通信することにより、前記送受信端末の測位を行うものである。
【0018】
このようなものであれば、スマートフォン等の送受信端末が測位ノードと常時通信していなくてもよく、送受信端末の消費電力を抑えることができる。また、送受信端末が適切な基地局と通信することができる。
【0019】
また、送受信端末は直接サーバと通信しなくてもよく、近場の基地局と通信するため、LPWAN(Low Power Wide Area Network)技術を用いて通信することができる。このため、送受信端末の消費電力を抑えることができる。
【0020】
前記測位ノードは、プリセット・テーブルを有し、
前記プリセット・テーブルに前記送受信端末が選択すべき前記基地局情報が記録されている、ものであってもよい。
【0021】
測位ノードのプリセット・テーブルに基地局情報が記録されていれば、送受信端末は、容易に当該基地局と通信することができる。
【0022】
前記基地局は、通信方式としてFSK通信方式とLoRa(Long Range)通信方式とを有し、
前記基地局が、前記送受信端末が送信した測位信号を検出し、当該測位信号の強さが所定の閾値以上の場合、前記基地局は、前記送受信端末とFSK(Frequency Shift Keying)通信方式で通信し、
前記測位信号の強さが所定の閾値未満の場合、前記基地局は、前記送受信端末とLoRa通信方式で通信するものであってもよい。
【0023】
このようなものであれば、基地局が送受信端末の位置によって通信方式を変更でき、基地局は送受信端末と確実な通信を行うことができる。
【0024】
前記基地局は、衛星ナビゲーション・モジュールを有し、
前記測位ノードが前記送受信端末と近距離無線通信できない場合、前記基地局は前記衛星ナビゲーション・モジュールを作動させ、前記送受信端末の測位を行うものであってもよい。
【0025】
このようなものであれば、基地局と送受信端末とが通信できない場合であっても、送受信端末の測位を行うことができる。
【0026】
本発明に係る測位方法は、上述した測位システムに係る測位方法であって、
前記測位ノードにより前記送受信端末の測位を行う測位工程と、
前記測位ノードが有する前記基地局情報に基づき、所定の前記基地局と前記送受信端末とが通信する端末通信工程と、
前記基地局と前記サーバとが通信するサーバ通信工程とを含む、送受信端末の測位を行う測位方法である。
【0027】
このような方法であれば、スマートフォン等の送受信端末が測位ノードと常時通信していなくてもよく、送受信端末の消費電力を抑えることができる。また、送受信端末が適切な基地局と通信することができる。
【0028】
また、送受信端末は直接サーバと通信しなくてもよく、近場の基地局と通信するため、LPWAN(Low Power Wide Area Network)技術を用いて通信することができる。このため、送受信端末の消費電力を抑えることができる。
【0029】
本発明に係る測位方法は、上述した測位システムに係る測位方法であって、
前記測位ノードにより前記送受信端末の測位を行う測位工程と、
前記測位ノードが有するプリセット・テーブルに記録されている前記基地局情報に基づき、所定の前記基地局と前記送受信端末とが通信する端末通信工程と、
前記基地局と前記サーバとが通信するサーバ通信工程とを含む、送受信端末の測位を行う測位方法である。
【0030】
測位ノードのプリセット・テーブルに基地局情報が記録されていれば、送受信端末は、容易に当該基地局と通信することができる。
【0031】
前記基地局は、通信方式としてFSK通信方式とLoRa通信方式とを有し、
前記基地局が、前記送受信端末が送信した測位信号を検出し、当該測位信号の強さが所定の閾値以上の場合、前記基地局は、前記送受信端末とFSK通信方式で通信し、
前記測位信号の強さが所定の閾値未満の場合、前記基地局は、前記送受信端末とLoRa通信方式で通信する通信切替工程を含む測位方法であってもよい。
【0032】
このようなものであれば、基地局が送受信端末の位置によって通信方式を変更でき、基地局は送受信端末と確実な通信を行うことができる。
【0033】
前記基地局は、衛星ナビゲーション・モジュールを有し、
前記測位ノードが前記送受信端末と近距離無線通信できない場合、前記基地局は前記衛星ナビゲーション・モジュールを作動させ、前記送受信端末の測位を行うGPS工程を含む測位方法であってもよい。
【0034】
このようなものであれば、基地局と送受信端末とが通信できない場合であっても、送受信端末の測位を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る測位システム100の実施形態に関して図面を参照しながら説明する。
【0037】
(測位システム100)
図1に示すように、本実施形態に係る屋内外測位システム100は、スマートフォン等の送受信端末500と通信可能な測位ノード200と、
送受信端末200と通信可能な基地局300と、
基地局300と通信可能なバックグラウンド・システム(サーバ)400と、を含む。
【0038】
測位ノード200は、測位信号を送信する。送受信端末500が測位信号を受信することにより、送受信端末500の位置が測位される。
【0039】
本実施形態では、測位ノード200は、所定の基地局300のプリセット・テーブルを有する。そして、プリセット・テーブルには所定の基地局300の基地局情報が記録されている。
【0040】
例えば、プリセット・テーブルには、そのプリセット・テーブルを有する測位ノードから通信し易い基地局300の基地局情報が記録されている。
【0041】
測位ノード200が送信する測位信号を送受信端末500が受信することにより、送受信端末500は、通信すべき基地局300がわかり、当該基地局300と通信できる。
【0042】
基地局300は、LPWAN技術により送受信端末500と通信することができる。具体的には、基地局300は、LoRa通信方式により送受信端末500と通信することができる。
【0043】
また、基地局300は、FSK通信方式で送受信端末500と通信することができる。基地局300は、LoRa通信方式からFSK通信方式に切り替えることができ、また、FSK通信方式からLoRa通信方式に切り替えることもできる。
【0044】
基地局300は、衛星ナビゲーション・モジュールを有する。そのため、基地局300が送受信端末500とLoRa通信方式で通信できない場合、衛星ナビゲーション・モジュールを起動させる。
【0045】
基地局300は、バックグラウンド・システム(サーバ)400とインターネットを用いて通信することができる。つまり、送受信端末500は、基地局300を介してバックグラウンド・システム(サーバ)400と通信することができる。
【0046】
バックグラウンド・システム(サーバ)400は、基地局300と通信する。バックグラウンド・システム(サーバ)400は、直接送受信端末500と通信してもよい。
【0047】
バックグラウンド・システム(サーバ)400は、クラウドサーバであってもよい。なお、「クラウドサーバ」は、SaaS(Software as a Service)タイプのものであってもよい。
【0048】
つまり、IDとパスワードでクラウドサーバにログインすれば、インターネット上のどこからでも、どの端末からでもクラウドサーバにアクセスすることができるものであってもよい。
【0049】
なお、クラウドサーバは、PaaS(Platform as a Service)タイプのもの又はIaaS(Infrastructure as a Service)タイプのものであってもよい。
【0050】
(測位システム100を用いた測位方法)
図2及び
図3に示すように、本発明は、低消費電力の屋内外測位技術における基地局300の切り替え方法を提供し、下記ステップを含む。
【0051】
必要な屋内環境にブルートゥース測位ビーコンを含む低消費電力測位ノード200が設置される(ステップS1)。
【0052】
「ブルートゥース測位ビーコン」とは、近距離無線通信用のビーコンのことである。
【0053】
「測位ノード」とは、送受信端末500の位置を検出するための、コンピュータを基軸とした通信ネットワークを構成する、中継点、分岐点、端末のことである。
【0054】
スマートフォン等の送受信端末500が測位情報を受信した後、LPWAN技術により基地局300と接続(通信)が確立され、測位情報が基地局300を介してバックグラウンド・モニタ・システム(サーバ)400に送信され、位置算出が行われ、送受信端末500は、送受信端末500の所持者等である目標物の位置変化に伴って、自動的に選択して最適な基地局300に切り替え、測位情報のデータ送信が行われる(ステップS2、サーバ通信工程)。
【0055】
「LPWAN」とは、低消費電力で広域無線通信を行うことができる技術である。LPWAN技術は超長距離低消費電力データ伝送技術LoRaであって、セルラーに基づくナロー・バンド・モノのインターネット技術NB-IoTのうちの一種である。なお、「セルラー」とは、基地局の担当エリアをセルという単位で蜂の巣状に設置して無線通信を行う方式のことである。
【0056】
送受信端末500の例としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット等の携帯端末が挙げられる。目標物の例としては、送受信端末500を所持している観光客等の人である。
【0057】
屋外では、衛星ナビゲーション・システムにより測位が行われ、衛星ナビゲーション・システムが出力した経緯度の結果は、LPWAN技術を介してバックグラウンド(サーバ)400に転送され、屋内外の全方位測位が実現される(ステップS3)。
【0058】
図4に示すように、ステップS2は、さらに以下を含む。
複数の基地局300が設置される(ステップS201)。
【0059】
基地局300のカバー範囲内の測位ノード200に対してプリセット・テーブルが作成され、テーブル内に測位ノード200付近の送受信端末500が選択すべき、通信行う基地局情報が記録される(ステップS202)。
【0060】
送受信端末500が最も強い測位ノード信号を受信した場合、プリセット・テーブルに基づいて選択すべき基地局情報を取得してその基地局300との通信が確立される(ステップS203、測位工程、端末通信工程)。
【0061】
具体的には、2つの基地局300、すなわち基地局A301と基地局B302とを配置することを例として
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0062】
基地局A301、B302のクロスエリアで送受信端末500が受信した最も強い測位ノード200がノード1の場合、送受信端末500は、プリセット・テーブルに確認する(ステップS41)。
【0063】
送受信端末500は、プリセット・テーブルに記録されたノード1の所在位置が基地局B302と判断する場合、送受信端末500は基地局B302と通信する(ステップS42、端末通信工程)。
【0064】
つまり、ノード1が
図1に示す測位ノード203(200)である場合、送受信端末503(500)は、測位ノード203のプリセット・テーブルに記録された基地局B302と通信する。
【0065】
送受信端末500は、プリセット・テーブルに記録されたノード1の所在位置が基地局A301と判断する場合、送受信端末500は基地局A301と通信する(ステップS43、端末通信工程)。
【0066】
つまり、ノード1が
図1に示す測位ノード201(200)又は測位ノード202(200)である場合、送受信端末501(500)又は送受信端末502(500)は、測位ノード201又は測位ノード202のプリセット・テーブルに記録された基地局A301と通信する。
【0067】
基地局300内の内部切り替えに関して、基地局300(基地局A301、基地局B302)は、測位タグ無線周波数信号の強さに基づいて適切な変調方式に、内部切り替えを行う。つまり、基地局300内の切り替えにより信号データの変調伝送を行う。
【0068】
具体的には、各基地局300では、FSK通信とLoRa通信との双方向無線周波数が可能である。
【0069】
そして、送受信端末500は、基地局300の所定の時間毎に送信したLoRaビーコン放送信号の強弱に基づいて、一番強い信号を発信する基地局300を選択し通信する。
【0070】
基地局300が送受信端末500の送信した信号を検出し、その信号の強さが所定の閾値を超えた場合、FSK通信方式を使用し、当該閾値以内であれば、LoRa通信の方式に切り替えて使用する。
【0071】
LoRaビーコン放送信号は、基地局300内部の双方向無線周波数のうちFSK通信の端末の一方から、一秒毎に50ミリ秒ほどの時間をかけて送信される。
【0072】
送受信端末500を所持する人等の目標物位置の変動につれ、基地局300が検出する送受信端末500の信号の強さは次第に低下するため、基地局300は、内部でFSK通信からLoRa通信に切り替えられる。
【0073】
つまり、基地局300は、送受信端末500からの信号の強さが低下した場合、FSK通信からLoRa通信に切替える。
【0074】
LoRa通信は拡散因子を大きく調節することによって感度を向上させ、LoRa通信による信号の感度(強さ)が所定の値に達すると、送受信端末500は開始状態に戻り、新たに走査して基地局300を選択し、信号がより強い基地局300を見つけると、当該基地局300に切り替える。
【0075】
送受信端末500がブルートゥース信号(近距離無線通信の信号)を受信できる場合、衛星ナビゲーション・モジュールは作動せず、ブルートゥース信号(近距離無線通信の信号)を受信できない場合、衛星ナビゲーション・モジュールは作動し始めて、測位モードの変換を実現する。
【0076】
送受信端末500が受信した、及び、LPWAN技術により伝送した測位情報は、ID番号及び信号強度が含まれることが好ましい。
【0077】
送受信端末500は、所定の時間毎に一回の測位信号の検出又は送信を行い、送受信端末500が備えるセンサーにより、送受信端末500が、送受信端末500を所持する人又は物品が移動していないと(送受信端末500が所定範囲以上に移動していないと)判定した場合、自動的にスリープ状態に入る。
【0078】
送受信端末500は、人又は物品が移動したと(送受信端末500が所定範囲以上に移動したと)判定した場合、自動的に作動状態に入る。
【0079】
具体的には、センサーは所定の時間内の三軸の加速度値をサンプリングし、該時間セグメント内に毎回サンプリングした三軸の総加速度
【0080】
【数1】
を算出し、三軸の総加速度値の分散が所定の閾値を超えると、人又は物品が移動していることを示し、逆であれば静止していることを示す。
【0081】
送受信端末500が、信号の最も強いビーコンの番号に変化が発生していないと判定した場合、送受信端末500は、消費電力を低減するために位置情報データの報告をバックグラウンド・システム(サーバ)400に対して行わなくてもよい。
【0082】
送受信端末500が、信号の最も強いビーコンの番号に変化が発生したと判定した場合、バックグラウンド・システム(サーバ)400に対して位置情報をアップロードして、位置情報の更新を行う。
【0083】
なお、送受信端末500が行うサーバ400に対しての位置情報のアップロードは、基地局300を介して行われるが、送受信端末500が直接サーバ400と通信してもよい。
【0084】
送受信端末500が、屋内低消費電力測位ノード200の信号を受信できる場合、衛星ナビゲーション・モジュールは動作せず、送受信端末500が屋内低消費電力測位ノード200の信号を受信できない場合、衛星ナビゲーション・モジュールが動作を始め、測位モードの変換を実現する。
【0085】
基地局300には衛星ナビゲーション・モジュールが内蔵され、衛星ナビゲーション・システムのテキスト情報をリアル・タイムで受信し、送受信端末500が衛星ナビゲーション測位モジュールを起動して測位を行う場合、基地局300は既知の衛星ナビゲーションのテキスト情報を、LPWAN技術により送受信端末500に送信し、送受信端末500は該情報を参考にして衛星測位を迅速に実現する。
【0086】
図6は、基地局300内の通信方法の切替えに関するフローチャートである。上述した内容からわかるように、まず、送受信端末500は、基地局300の所定の時間毎に送信したLoRaビーコン信号の強弱に基づいて、信号を一番強く発信する基地局300を選択する(ステップS51、端末通信工程)。
【0087】
次に、基地局300が送受信端末500の送信した測位信号を検出し、当該測位信号の強さが所定の閾値以上か否かを判定する(ステップS52、通信切替工程)。
【0088】
当該測位信号の強さが所定の閾値以上の場合、基地局300は、FSK通信方式を使用する(ステップS53、通信切替工程)。
【0089】
当該測位信号の強さが所定の閾値未満の場合、基地局300は、LoRa通信の方式を使用する(ステップS56、通信切替工程)。
【0090】
次に、基地局300は、FSK通信方式を使用してから所定時間経過後、送受信端末500から受信した測位信号の強さが所定の閾値より小さいか否かを判定する(ステップS54、通信切替工程)。
【0091】
基地局300が、送受信端末500から受信した測位信号の強さが所定の閾値未満の場合、基地局300は、LoRa通信の方式を使用する(ステップS55、通信切替工程)。つまり、基地局300は、FSK通信方式からLoRa通信方式に切り替える。
【0092】
基地局300が、送受信端末500から受信した測位信号の強さが所定の閾値以上の場合、そのままFSK通信方式を使用する。
【0093】
基地局300がLoRa通信の方式を使用する場合(ステップS56、通信切替工程)、所定時間経過後、送受信端末500で受信した基地局300からのLoRa通信による信号の強さが所定の閾値以上か否かを検討する(ステップS57、通信切替工程)。
【0094】
送受信端末500で受信した基地局300からのLoRa通信による信号の強さが所定の閾値以上の場合、再度、送受信端末500は、基地局300の一定の時間毎に送信したLoRaビーコン信号の強弱に基づいて、信号を一番強く発信する基地局300を選択する(ステップS51、通信切替工程)。
【0095】
送受信端末500で受信した基地局300からのLoRa通信による信号の強さが所定の閾値未満の場合、基地局300は、そのままLoRa通信の方式を使用する(ステップS55、通信切替工程)。
【0096】
図7は、主に屋外での測位に関するフローチャートである。まず、送受信端末500が、測位ノード200からの近距離無線通信信号を受信できる否かを判定する。つまり、測位ノード200が送受信端末500と近距離無線通信ができるか否かを判定する(ステップS61、GPS工程)。
【0097】
送受信端末500が近距離無線通信信号を受信できる場合、基地局300内の衛星ナビゲーション・モジュールは作動しない(ステップS62、GPS工程)。
【0098】
送受信端末500が近距離無線通信信号を受信できない場合、基地局300内の衛星ナビゲーション・モジュールが作動する(ステップS63、GPS工程)。
【0099】
図8は、送受信端末500が移動した場合に関するフローチャートである。まず、送受信端末500は、測位ノード200と通信を行う(ステップS71)。
【0100】
そして、送受信端末500が備えるセンサーにより、送受信端末500が所定範囲以上に移動したか否か判定する(ステップS72)。
【0101】
送受信端末500が所定範囲以上に移動したと判定した場合、送受信端末500は、作動状態となる(ステップS73)。つまり、送受信端末500は、測位ノード200と通信を行う。
【0102】
送受信端末500が所定範囲以上に移動していないと判定した場合、送受信端末500は、スリープ状態となる(ステップS76)。そして、再度、送受信端末500が、所定の時間毎に測位ノード200と通信を行い、送受信端末500が所定範囲以上移動したか否かを判定する。。
【0103】
次に、送受信端末500が作動状態の場合、送受信端末500が、信号の最も強いビーコンの番号に変化が生じたか否か判定する(ステップS74)。
【0104】
信号の最も強いビーコンの番号に変化が生じた場合、送受信端末500は、バックグラウンド・システム(サーバ)400に対して位置情報をアップロードして、位置情報の更新を行う(ステップS75)。
【0105】
信号の最も強いビーコンの番号に変化が生じていない場合、送受信端末500は、消費電力を低減するために位置情報データの報告をバックグラウンド・システム(サーバ)400に対して行わなくてもよい(ステップS77)。
【0106】
以上のことをまとめると、本発明は、屋内環境にブルートゥース測位ビーコンなどの低消費電力測位ノード200を配置することを採用し、LPWAN技術によりバックグラウンド・モニタ・システム(サーバ)400へ低消費電力で測位情報を伝送することを実現し、バックグラウンド・モニタ・システム(サーバ)400により屋内測位を完了し、同時に、屋外では、衛星ナビゲーション・システムにより測位を行い、衛星ナビゲーション・システムが出力した経緯度の結果を、LPWANを介してバックグラウンドに転送し、屋内外の全方位測位を実現し、従来技術のコストが高くかつ消費電力が高い問題を解決する。
【0107】
そして、センサーが人又は物品が移動していないことを検知すると、自動的にスリープ状態に入り、航続及び待機時間を効果的に向上させ、実際に普及させる価値を大幅に高め、かつ複数の基地局300を配置して基地局300のカバー範囲内の測位ノード200に対してプリセット・テーブルを作成し、テーブル内に測位ノード200所在地の送受信端末500が選択すべき、通信接続を行う基地局情報を記録し、測位タグ無線周波数信号の強さに基づいて基地局300と基地局300との間の切り替え又は適切な変調方式への内部切り替えを行うかどうかを選択することによって、信号データに対して変調伝送を行って測位をより正確にする。
【0108】
また、本発明は、屋内環境にビーコンなどの低消費電力測位ノード200を配置することを採用し、LPWAN技術によりバックグラウンド・モニタ・システム(サーバ)400へ低消費電力で測位情報を伝送し、バックグラウンド・モニタ・システム(サーバ)400により屋内測位を完了し、同時に、屋外で衛星ナビゲーション・システムにより測位を行い、衛星ナビゲーション・システムが出力した経緯度の結果を、LPWANを介してバックグラウンド・モニタ・システム(サーバ)400に転送し、屋内外の全方位測位を実現し、従来技術のコストが高くかつ消費電力が高い問題を克服し、センサーは人又は物品が移動していないことを検知すると、自動的にスリープ状態に入り、航続及び待機時間を効果的に向上させ、実際に普及させる価値を大幅に高めた。
【0109】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【符号の説明】
【0110】
100…屋内外測位システム
200…測位ノード
300…基地局
400…サーバ(バックグラウンド・モニタ・システム)
500…送受信端末