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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】工作物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/04 20060101AFI20220627BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20220627BHJP
【FI】
B23P19/04 D
B23P19/04 B
B23K26/38 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017179987
(22)【出願日】2017-09-20
(65)【公開番号】P2018051756
(43)【公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-06-22
(31)【優先権主張番号】16190651.6
(32)【優先日】2016-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517330221
【氏名又は名称】トルンプ ヴェルクツォイクマシーネ ゲーエムベーハー+シーオー.ケージー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ウィルヘルム,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】クリンクハマー,マルク
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-301528(JP,A)
【文献】特開平09-024432(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0117069(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00-21/00
B23K 26/38
B21D 1/00-55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一または、互いに異なる数個の板状の材料(12、13)からなる工作物の製造方法であって、
-第1の板状の材料(12)は、工作物加工機(11)の1つの加工台(18)の作業領域(37)に配置され、前記作業領域(37)の工作物支持体(38)に沿って、加工中に担持装置(32)によって移動可能なように保持され、
-少なくとも1つの第2の板状の材料(13)は、前記加工台(18)の前記作業領域(37)に配置され、前記作業領域(37)の前記工作物支持体(38)に沿って、前記加工台(18)の追加の担持装置(39)によって移動可能なように保持され、前記追加の担持装置(39)は、前記担持装置(32)に相当する装置であり、
-少なくとも1つの第1の工作物部品(41)は、前記第1の板状の材料(12)から製造され、
-前記少なくとも1つの第1の工作物部品(41)は、前記作業領域(37)に配置される前記第2の板状の材料(13)に提供され、前記少なくとも1つの第1の工作物部品(41)は、前記第2の板状の材料(13)または第2の工作物部品(44)に接続され、前記第2の工作物部品(44)は前記第2の板状の材料(13)から製造され、少なくとも部分的に加工され、
-前記少なくとも1つの第1の工作物部品(41)に接続される少なくとも前記第2の工作物部品(44)は、前記加工台(18)で完成される、製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1および/または前記第2の工作物部品(41、44)は、前記第2の板状の材料(13)または残留格子(45)から切り離され、前記残留格子(45)は、前記加工台(18)の前記作業領域(37)の最終加工段階において、前記第2の板状の材料(13)から生じることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、前記第2の工作物部品(44)は、前記少なくとも1つの第1の工作物部品(41)を配置する前に部分的に完成され、または前記第2の板状の材料(13)の前記残留格子(45)への少なくとも1つの接続橋(52)を除いて完成されることを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの第1の工作物部品(41)は、ツールまたは処理装置を用いて前記工作物支持体(38)の平面から持ちあげられ、前記第2の板状の材料(13)上に重なるように配置されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1の工作物部品(41)を前記第2の板状の材料(13)に対して配置する処理は、穴抜き処理ツールまたは少なくとも1つの吸引担持装置を用いて実施されることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、保持ブラケット(68)または保持枠は、前記第2の板状の材料(13)へ移動するために、前記少なくとも1つの第1の工作物部品(41)に形成され、前記保持ブラケット(68)または保持枠は、前記第1の工作物部品(41)と前記第2の工作物部品(44)が接続した後に切り離されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの配置補助(48)は、前記第1の工作物部品(41)が前記第2の工作物部品(44)に対して配置される前に、少なくとも1つの前記第1および/または少なくとも1つの前記第2の工作物部品(41、44)に導入されることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記少なくとも1つの配置補助(48)は、穴および中央ぞろえスタッドによって、またはエンボスおよび補完的凹部によって形成されること
を特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの前記第1の工作物部品および少なくとも1つの前記第2の工作物部品(41、44)は、結合、追加の材料を用いない締め付け、接着、ハンダ付け、溶接または機械式ロックによって互いに接続されることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、数個の第1の工作物部品(41)は、前記第1の板状の材料(12)に導入され、前記第1の工作物部品(41)の数に対応する数の第2の工作物部品(44)が、前記第2の板状の材料(13)内で製造され、次に、前記第1および前記第2の工作物部品(41、44)は前記第1および第2の板状の材料(12、13)の残留格子(42、45)において接続橋(52)によって保持され、前記第1の板状の材料(12)は、前記第2の板状の材料(13)の完全に上部に配置されることを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記第1の板状の材料(12)は、前記第2の板状の材料(13)の上に折り曲げられることによって配置され、または前記第1の板状の材料(12)は、前記第2の板状の材料(13)上部の前記工作物支持体平面に配置され、昇降することによってそこから降下させられることを特徴とする、方法
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記第1および少なくとも1つの別の第2の板状の材料(12、13)は、少なくとも1つの穴抜きツールおよび/または屈曲ツールを用いて、および/またはレーザ切断によって加工されることを特徴とする、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、補強工作物(34)は、前記第1の工作物部品(41)から接続部品として製造され、具体的には、ねじ山のついた挿入物またはねじ山のついたスリーブとして製造され、前記第2の工作物部品(44)は板状の材料(13)から製造されることを特徴とする、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、補強工作物(34)はアセンブリとして数個の異なる材料および/または異なる材料の厚さから製造されることを特徴とする、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、補強工作物(34)は、数個の板状の材料(12、13)からなる複層構造によって形成されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数個の板状の材料からなる工作物の製造方法、具体的には補強工作物の製造方法に関する。板状の材料は、互いに同一であっても、または異なっていてもよい。
【背景技術】
【0002】
厚さが異なる材料を用いて成形品を製造する方法は、特許文献1から既知である。この事例では、基板は最初に中間または完成サイズに切断される。次に補強要素は切断され、たとえば、接着、溶接またはハンダ付けおよび締め付けなどの接続技法によって基板に取り付けられる。さらに、成形品を製造するために穴抜きおよび段差形成が基板上で引き続き実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第19524235号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、数個の板状の材料からなる工作物の製造方法を提供することであり、本方法において、板状の材料は互いに同一であっても、または異なっていてもよく、工作物は自動および信頼できる方法で補強工作物を製造するために製造される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、工作物の製造方法によって解決される。本方法において、第1の板状の材料は、工作物加工機の加工台の作業領域に配置され、作業領域の工作物支持体に沿って、担持装置によって移動可能なように保持される。少なくとも1つの第2の板状の材料は、加工台の作業領域に配置され、作業領域の工作物支持体に沿って、加工台の追加の担持装置によって移動可能なように保持される。少なくとも1つの第1の工作物部品は、第1の板状の材料から製造される。少なくとも1つの第1の工作物部品は、作業領域に配置される第2の板状の材料に提供され、少なくとも1つの第1の工作物部品は、この板状の材料または第2の工作物部品に接続され、第2の工作物部品は第2の板状の材料から製造され、少なくとも部分的に加工される。少なくとも1つの第1の工作物部品に接続される少なくとも1つの第2の工作物部品は、加工台で完成される。本方法によると、たとえば、選択可能な第1および第2の板状の材料は、材料の厚さおよび/または材料に関して互いに異なっていてもよいが、両方とも同時に同一の加工台の作業空間に配置され、担持装置によって保持される。その結果として、たとえば、少なくとも1つの第1の工作物部品は、2つの板状の材料のうちの1つから製造され、他方の板状の材料上に配置され、他方の板状の材料に接続し、その後補強工作物を製造する。この他方の板状の材料から、第2の工作物部品は製造される。少なくとも1つの板状の材料からの工作物部品を、隣接する板状の材料上に配置することによって、中間保存が不要になる。実際に、迅速な連続加工が可能になってもよい。その結果として、サイクル時間を縮小することができる。
【0006】
本発明による方法によれば、数個の板状の材料を作業領域に配置することができ、それによって2つの異なる段および/または層からなる工作物が製造できるだけではなく、複層工作物またはサンドイッチ構造物も製造可能となる。また、チャネルまたは空洞を構造するために、凹部または溝を備える少なくとも2つの工作物部品から工作物を製造することも考案される。導体軌道を絶縁基材上に構築することは、本発明による方法で可能になる。異なる特性を持つ板状の材料を用いるときに、たとえば、耐摩耗性材料の少なくとも1つの段および/または層を、軟基材上に配置することができる。
【0007】
本方法の好ましい実施形態によれば、第1および/または第2の工作物部品を板状の材料から切断し、または加工台の加工領域の最終加工段階で結果として生じる残留格子から切断する。したがって、2つの工作物部品のうちの少なくとも1つは、第2の板状の材料上、または最終加工段階または作業段階までにその上に形成される残留格子上に残ることができ、すべての必要な作業段階が実行されるまで、工作物支持体内で移動することができる。この後になって初めて、補強工作物は工作物支持体から切り離され、移動させられる。
【0008】
本方法の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの第1の工作物部品がその上に置かれる前に、第2の工作物部品は部分的に完成される。または、第2の板状の材料の残留格子への少なくとも1つの接続橋を除いて完成される。その結果として、最適な加工も可能となる。具体的には、穴抜き部分、エンボス、凹部または変形も第2の工作物部品に導入することができる。穴抜き部分、エンボス、凹部または変形は、少なくとも1つの第1の工作物部品を第2の工作物部品に対して配置後には、導入することができない。
【0009】
本方法のさらに好ましい実施形態によると、少なくとも1つの第1の工作物部品は工作物支持体の平面から、ツールによって持ちあげられ、第2の板状の材料上に重なるように配置され、具体的には、第2の板状の材料の少なくとも第2の部分的加工済み工作物部品上に重なるように配置される。その結果として、横断または昇降軸を加工台で用いて、少なくとも1つの第1の工作物部品を第2の板状の材料に対して横断運動させることで、それによって、加工台のツールを簡単に制御できるようになる。
【0010】
さらに、穴抜き処理ツールを用いて、少なくとも1つの工作物部品を処理して、第2の板状の材料に対して配置する。このような穴抜き処理ツールによって、分離ツール、具体的には穴開けを用いた締め付けまたはくさび止めと同時に、第1の工作物部品を第1の板状の材料の残留格子から切り離すことが可能となる。それによって、ツールの変更は不要となるが、むしろ、この穴抜き処理ツールを用いて、切断と処理を同時に行うことができ、第1の工作物部品を第2の工作物部品上に配置することができる。代替的に、第1の工作物部品を第1の板状の材料の残留格子から切断後、第2の工作物部品を、たとえば、吸引担持装置などの処理装置によって実装することができる。さらに処理時間を短縮するために、数個の第1の工作物部品を吸引担持装置によって同時に担持し、第2の板状の材料上に配置することができる。
【0011】
さらに、保持ブラケットまたは保持枠は、処理するための少なくとも1つの第1の工作物部品の上に形成される。保持ブラケットまたは保持枠は、第1の工作物部品が第2の板状の材料に接続された後、分離される。これらの追加の保持ブラケットまたは保持枠を、特に、小型で処理が難しく、表面が吸引担持装置の吸引担持要素には適切でないものである部品用に選択する。
【0012】
本方法のさらに好ましい実施形態によると、第1の工作物部品を第2の、少なくとも部分的に加工済みの工作物部品または第2の板状の材料に対して配置後に、少なくとも1つの配置補助は少なくとも1つの第1および/または第2の工作物部品に導入される。その結果として、第1の工作物部品が第2の工作物部品に対して配置されるとき、自己整合および中央揃えが可能となる。このような配置補助は、たとえば、穴および中央揃えスタッドまたは中央揃えニップルによって、実装可能である。エンボスおよび補完的凹部も形成可能である。
【0013】
少なくとも1つの第1の工作物部品または第2の少なくとも部分的加工済み工作物部品は、具体的には追加の材料を用いずに締め付けまたは接着、ハンダ付け、溶接または機械式ロックによる接合手段によって、互いに接続されることができる。選択された接続は、少なくとも1つの第1の工作物部品および第2の工作物部品の選択された材料および/または厚さまたは厚さ比に依存する。
【0014】
本方法のさらに有利な実施形態によって、第1の板状の材料の数個の第1の工作物部品は少なくとも部分的に完成し、第1の板状の材料の第1の工作物部品の数に対応する数の複数の第2の工作物部品は、少なくとも部分的に第2の板状の材料で加工され、第1および第2の工作物部品は、それぞれの残留格子または板状の材料において接続橋によって保持され、第1および第2の工作物部品を有する第1および第2の板状の材料は、互いに同時に配置される。具体的には、大量の同一の補強工作物を製造中に、処理時間をさらに短縮することができる。第1の工作物部品は、第2の工作物部品に対して個別には配置されず、むしろ複数の第1の工作物部品が、すべての板状の材料による第2の工作物部品に対して同時に配置される。
【0015】
本方法の前述の第1の実施形態によれば、第1の板状の材料を持ちあげ、第2の板状の材料上に重なるように配置することができる。代替的に、第2の板状の材料上に折り曲げることによって、第1の板状の材料を配置することができる。2つの配置段階のどちらを選択するかによって、工作物の形状をそれにしたがって、板状の材料で位置合わせしなければならない。
【0016】
さらに、第1および少なくとも1つの第2の板状の材料は、好ましくは、加工台において少なくとも1つの穴抜きツールおよび/または屈曲ツールおよび/またはレーザ切断によって加工される。工作物加工機は、好ましくは、いわゆる穴抜きおよび複合機械として設計される。この機械によって、穴抜きおよびレーザ切断の両方が可能になる。該当する場合は、個々の屈曲処理もまた、実施されてもよい。
【0017】
本方法のさらに好ましい実施形態では、補強工作物は2つの部分を有し、板状の材料および接続部品から製造される。たとえば、接続部品は、板金部分と別の部品とをしっかり固定できるように、ねじ山のついた挿入物、またはねじ山のついたスリーブまたは別の接続要素であってもよい。
【0018】
好ましい実施形態はまた、以下のように考察される。本実施形態では、補強工作物は、少なくとも2つの板状の材料から本方法の手段によって形成される。少なくとも2つの板状の材料は同一および/または異なる厚さ、材料および寸法を有し、孔、細長い穴ならびにねじ山または通路などの凹部は、板状の材料で補強された工作物に導入される。
【0019】
さらに、本方法を用いて、数個の、特に、異なる材料のアセンブリとして補強工作物を製造することができる。たとえば、一方では高品質な表面を備え、他方では、内部支持部品に接続される表面部品を製造することができる。
【0020】
さらに、本方法を用いて、複層構造の工作物を製造することができる。たとえば、硬化リブまたは硬化輪郭を有する構造化されたサンドイッチパネルを製造することができる。本方法では、たとえば、外観、強度、耐候性などの要件に応じて材料を用いることができる。
【0021】
本発明、さらに有利な実施形態およびその発展形を、図に示す例によって詳細に記載し、説明する。説明および図で示す特徴は個別に、または本発明による任意の組み合わせにおいて適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】工作物加工機の斜視図である。
図2図2による、2つの板状の材料を有する工作物加工機の加工台の作業領域の概略図である。
図3図2の別の加工段階における2つの板状の材料の概略図である。
図4】第1の工作物部品の概略拡大図である。
図5】第2の部分的加工済み工作物部品上部の概略図である。
図6】第1および第2の工作物部品からなる補強部品を製造するための加工段階上部からの概略図である。
図7】補強工作物を製造するための加工段階上部からの概略図である。
図8】補強工作物を製造するための最終加工段階上部からの概略図である。
図9】補強工作物の代替的な実施形態を発展させる前の第1および第2の加工工作物の概略側面図である。
図10図9による補強工作物の第1の実施形態の概略側面図である。
図11図10の補強工作物の代替的な実施形態の概略側面図である。
図12】補強工作物の追加の代替的な実施形態の製造前の第1および第2の工作物部品の斜視図である。
図13図12の工作物からなる代替的な補強工作物の概略側面図である。
図14】保持ブラケットを有する工作物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、たとえば金属板などの板状の材料12、13を加工するための工作物加工機11の斜視図である。ここで、このような板状の材料12、13は、穴抜き、屈曲、表示型押し、刻印、面取り、ロール成形、特にロールピンチ、ねじ山形成および板状の材料の表面上の膜の膜分離を備えることもある。さらに、工作物加工機11によって、レーザを用いてさらに切断加工が可能になる。工作物加工機11はC字型の支持枠14を有する。C字型の支持枠14は、上部枠の脚部15および下部枠の脚部16を有する。従来の調整ガイド17は、上部枠の脚部15と下部枠の脚部16との間ののど厚領域に収容される。これによって、工作物加工機11の加工台18に対して板状の工作物12、13を配置または移動させ、ツール20を加工台18において保存、変更および交換することができる。
【0024】
ツール20は加工台18で交換される。ツール20は、上部ツール21および下部ツール22を備える。下部ツール22は下部ツール受容部23内の工作台25上に配置される。工作台25は、機械枠14の下部支持枠16の片側上に位置する。上部ツール21は、プッシャ26の上部ツール受容部24に取り付けられる。上部ツール21は水圧で上下に移動可能であり、たとえば、枠14の上部枠の脚部15上で両矢印27の方向に上下に移動可能である。上部ツール21および下部ツール22の両方とも両矢印29の方向においてプッシャ26の昇降軸28の回りで調整可能であり、または送り可能である。対応する送り動作はまた、その他の基本的な機械機能と同様に、概略的に図示する工作物加工機11の制御装置30を用いて制御される。加工台18の作業領域37は工作台25の少なくとも1つの工作物支持体38によって形成され、少なくとも1つの第1の板状の材料12は、ツール20による加工中に担持装置32によって保持され、移動可能な方法で加工台18に対して誘導される。さらに、少なくとも1つの別の板状の材料または第2の板状の材料13は、別の担持装置39を用いて作業領域37に保持される。この担持装置39は、有利には、担持装置32に対応する。これらの2つの担持装置32、39は、工作物支持体28上の第1の板状の材料12および第2の板状の材料13を移動させるために、好ましくは互いに独立して制御される。代替的に、別の板状の材料を別の担持装置によって作業領域37に配置し、受容させることができる。
【0025】
第1の板状の材料12は、有利には第2の板状の材料13とは異なる。この違いは板状の材料の厚さ、材料の選択および/または表面の違いであってもよい。補強工作物34を第1の板状の材料および少なくとも1つの追加材料、具体的には第2の板状の材料から完成後に、この補強工作物34は、たとえば工作台25の台部分35を降下させることによって、加工台18から外部に誘導される。この実施形態を以下詳細に記載する。
【0026】
図2から8は、図1による工作物加工機11を備え、補強工作物34を製造する連続作業段階を示す。下記の補強工作物34の代表的な実施形態において、たとえば、厚くなった、または補強板金部において、硬化するための領域および/または力を大きく吸収するための領域に、補強層が設けられている。
【0027】
図2は加工台18の作業領域37上部からの概略図を示す。図中、第1の板状の材料12は担持装置32によって持ちあげられ、第2の板状の材料13は別の担持装置39によって持ちあげられる。この第2の板状の材料13は、第1の板状の材料12と同じであってもよく、違うことが好ましい。第1の作業段階では、第1および第2の板状の材料12、13は一緒に、または個別に加工される。第1の板状の材料12において、第1の工作物部品41は製造され、残留格子42から完全に分離して配置されるか、または詳細は不図示の少なくとも1つの接続橋を備える残留格子42に固定して保持される。第2の板状の材料13において、第2の加工済み工作物部品44の加工も行われる。この加工は、一部分だけ、または完全に実施されてもよい。それによってこの第2の工作物部品44は、結果として生じる残留格子45のみに、少なくとも1つの接続橋を通じて接続し続ける。
【0028】
図2は、数個の同一の第1の工作物部品41および数個の同一の第2の工作物部品44が形成されることを示す。この形成は、たとえば、一部分の連続製造で実施される。ただし、個別の第1および第2の工作物部品41、44も、各事例において製造可能である。
【0029】
接続橋がまだ存在する場合は、加工済み工作物部品41は残留格子42から分離される。その後、図2の矢印46にしたがって、工作物部品41は工作物支持体から持ちあげられ、第2の工作物部品44に対して配置される。この状態を図3に示す。詳細には示さないが、吸引担持装置、具体的には吸引グリッパまたは真空グリッパを第1の工作物部品41を処理するために配置してもよい。代替的に、穴抜き処理ツールも備えていてもよい。穴抜き処理ツールは一方では、第1の工作物部品41と残留格子42の間の接続橋を分離し、同時に第1の工作物部品41に導入される穴抜き輪郭と係合し、第2の工作物部品44に向かう横断運動を実行するために、締め付けまたは伸張様式で保持される。第1の工作物部品41もまた、横断運動のために、穴抜き処理ツールの上部部分または下部部分の凹部に締め付けるように保持可能である。第2の工作物部品44を、持ちあげられた第1の工作物部品41下部に配置することも考案される。
【0030】
図4は、一例として、第1の工作物部品41の拡大上面図を示す。この第1の工作物部品41は、配置補助48を有する。たとえば、配置補助48は、穴抜き段階で導入される係合穴であってもよい。さらに、隆起または凹部形状のエンボス49は、第1の工作物部品41に導入されてもよい。それによって、配置補助48によって、別の工作物部品44への積極的な接続が同時に行われてもよい。
【0031】
図5は、接続橋52を除いて、分離切断部51を用いて板状の材料13から分離される第2の工作物部品44の概略図を示す。配置補助48は、第2の工作物部品44に近接して導入される。この配置補助48は、第1の工作物部品41の配置補助48に対して調整される。本事例では、第2の板状の材料13上の配置補助48は、第1の工作物部品41の係合穴と係合するために、係合スタッドまたは隆起として形成される。追加して、または代替的に、穴抜き部分53が設けられてもよい。それによって、第1の工作物部品41のエンボス49もまた、積極的な接続を形成するために、係合することができる。
【0032】
図6において、第1の工作物部品41は第2の工作物部品44と重なるように配置される。積極的な接続は、2つの部分を互いにそろえて配置するために、配置補助48および/またはエンボス49および穴抜き部分53によって実現可能である。たとえば、積極的な接続は、補強部品34外側の配置補助48によって形成される。つまり、積極的な接続は、残留格子45と第1の工作物部品41との間に形成される。
【0033】
エンボス49および穴抜き部分53に関して、積極的な接続は代替的に第1の工作物部品41と第2の工作物部品44との間に形成される。
【0034】
1または複数の接続点55を、接続第1の工作物部品41と第2の工作物部品44とを接続するために設けてもよい。摩擦接続、重大な接続および/または積極的な接続が確立されてもよい。溶接点または突き出しまたは類似点を設けてもよい。その結果として、第1の工作物部品41は第2の工作物部品44に固定接続される。このような部品の複合材料は次に、連続して加工可能である。このような後続加工は図7を用いて以下に詳細に記載する。
【0035】
たとえば、切断は、エンボス49と穴抜き部分53との間の積極的な接続の領域で発生することもある。たとえば、第1の工作物部品41と第2の工作物部品44の両方に導入される別の凹部57を導入することもできる。さらに、たとえば、端部58を屈曲線59に沿って、たとえば90°折りたたむこともできる。第1および第2の工作物部品41、44の変形および屈曲はまた、重複領域で発生することもある。
【0036】
第1および第2の工作物部品41、44または部品の複合材料の後続加工が完了後、部品の複合材料を切断することができる。第1の段階では、接続橋52を分離することができる。さらに、残留格子45の領域61を分離することができる。その後、部品の複合材料は、配置補助48を用いて残留格子45に積極的に接続しながら保持され続ける。この部品の複合材料は、担持装置を用いて除去することができる。この部品の複合材料もまた、たとえば、図8に示す別の穴抜き処理によって、完成させることができる。この穴抜き処理では、たとえば、もう必要ないため、配置補助48は積極的な接続のために分離されている。このようにして、加工済み工作物34は完全に残留格子45から離れる。図7にあるように、残留格子45の領域61を部分的に切り離す代わりに、補強部品34もまた、配置補助48を備えるフラップ部50を切り離すことによって、直ちに完成させることができる。
【0037】
補強工作物34は、上記方法を用いて製造される。たとえば、補強工作物34は中間領域で型固に形成され、たとえば、装備できない角領域でのカバーまたは折り返し部分を有する。
【0038】
前述した本方法の代替的な実施形態はまた、第1の工作物部品41を第2の工作物部品44に対して配置する単一の処理の代わりに、同じ数の第1の工作物部品41を板状の材料12に導入し、同じ数の第2の工作物部品44を第2の板状の材料13に導入し、第1の板状の材料12を第2の板状の材料13の上に折り曲げることによって、すべての第1の工作物部品41を第2の工作物部品44に対して同時に配置することができる。折りまげることの代わりに、第1の板状の材料12も隆起させ、第2の板状の材料13の上に配置して、降下させることもできる。両方の事例において、配置補助48によって、2つの板状の材料12、13を位置合わせすることができる。次に、図6から8を参照して記載した別の作業段階を実施することができる。
【0039】
図9は、図10または図11による加工済み工作物34に接続する前の第1および第2の工作物部品41、44を概略的に示す。本実施形態は、ねじ山のついたナットを有し、ナットが取り付けられる板金部分を示す。第一に、板状の材料13は穴抜きされるが、一部のみを図示する。接続要素を製造するために、厚い板状の材料12から第1の工作物部品41としてスリーブが穴抜きされ、またはレーザで切断される。次に、この第1の工作物部品41は、板状の材料13に対して処理装置と共に配置される。処理装置は、たとえば、前もって抜いた穴を備える。次に、第1の工作物部品41は第2の工作物部品44に、たとえば溶接によって接続される。ここで、第2の工作物部品44は完成可能であり、またはレーザ光線によって穴抜き可能となる。
【0040】
図11は、図10の加工済み工作物34の代替的な実施形態を示す。このように、第1の工作物部品41と第2の工作物部品44との間の圧迫接続を提供することができる。代替的に、1つの凹部のみを第2の板状の材料13の穴領域に導入して、第1の工作物部品41のために画定された受容部を実現する。第1の工作物部品41は、接着、溶接またはハンダ接続によって、再び第2の工作物部品44に接続されることができる。
【0041】
図10および図11の補強工作物34の両方の例において、たとえば、2つの工作物部品41、44の接続前後に、ねじ山を第1の工作物部品41に導入してもよい。代替的に、図9および10または図9および11のように、第1および第2の工作物部品41、44を結合後に、たとえば、別の材料からなる挿入部分をさらに、工作物部品41、44の少なくとも1つの孔に導入することができる。このような挿入部分は、たとえば、第3の板状の材料を備える作業領域で製造することができる。
【0042】
図12および13は、補強工作物34を製造するための別の代替的な実施形態を示す。これは、たとえば、複層構造のカウンターボアである。第1の工作物部品41において、たとえば、孔65および配置補助48を用いて輪が穴抜きされる。第2の工作物部品44は、中央の孔66および配置補助48を備える。配置補助48は隆起、スタッドまたは類似するものとして形成される。配置補助48を用いて、第1の工作物部品41を第2の工作物部品44に対して配置し、位置合わせ後に、たとえば、少なくとも2つの接続点55を導入することができる。接続点55もまた、特に、溶接接続が選択されるとき、配置補助48内に直接位置することもできる。2つの重ねた工作物部品41、44は段階状の孔を形成する。
【0043】
図14は、第1または第2の工作物部品41、44を処理するための適用例を提供する。第1または第2の工作物部品41、44は、工作物のサイズおよび/または構造および/または輪郭のために、吸引担持装置によっては担持することができない。また、第1または第2の工作物部品41、44は、穴抜き処理ツールによっても担持することができない。穴抜き処理ツール内では、工作物部品41、44は、締め付けまたは伸張によって、穴開き器上に保持される。このような事例では、保持ブラケット68を第1または第2の工作物部品41、44上に形成することができる。保持ブラケット68は、吸引担持装置の適切な受容面である。保持ブラケット68は、その後、図7に記載する部品の複合材料の後続加工と同様に、第1の工作物部品41を第2の工作物部品44に接続した後に分離可能である。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
図14